説明

撮像装置

【課題】手振れ補正機能を有する撮像装置においても、精度の高い焦点検出を行えるようにする。
【解決手段】撮影レンズの第1の瞳領域を通過する光束を受光する第1の焦点検出用画素群と、撮影レンズの第2の瞳領域を通過する光束を受光する第2の焦点検出用画素群とを有する固体撮像素子と、第1の焦点検出用画素群から得られる第1の像と、第2の焦点検出用画素群から得られる第2の像の位相差に基づいて撮影レンズの焦点状態を検出する焦点検出部と、撮像装置の振れに起因する被写体像の振れを補正する振れ補正部と、振れ補正部により振れを補正した場合の、第1の焦点検出用画素と第2の焦点検出用画素の受光分布を算出する演算部と、演算部により算出された受光分布に基づいて、振れ補正部を動作させるか否かを制御する制御部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像を行うための固体撮像素子から得られる像に基づいて撮影レンズの焦点状態を検出する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
撮影レンズの焦点状態を検出する方式の一つとして、各画素にマイクロレンズが形成された2次元の撮像素子を用いて瞳分割方式の焦点検出を行う装置が特許文献1に開示されている。特許文献1の装置では、撮像素子を構成する各画素の光電変換部が複数に分割されており、分割された光電変換部がマイクロレンズを介して撮影レンズの瞳の異なる領域を受光するように構成されている。
【0003】
また特許文献2では、マイクロレンズと光電変換部の相対位置を偏位させた画素を2次元的に配置した、イメージセンサを兼ねた固体撮像素子を開示している。特許文献2の固体撮像素子では、撮影レンズの焦点状態を検出する時は、マイクロレンズと光電変換部の相対偏位方向が異なる画素列で生成される像に基づいて撮影レンズの焦点状態を検出してる。一方通常の画像を撮像するときは、マイクロレンズと光電変換部の相対偏位方向が異なる画素を加算することにより、画像を生成している。
【0004】
特許文献3の固体撮像素子は、固体撮像素子を構成する多数の画素のうち一部の画素は撮影レンズの焦点状態を検出するために光電変換部が2つに分割された構成になっている。光電変換部は、マイクロレンズを介して撮影レンズの瞳の所定領域を通過した光を受光するように構成されている。
【0005】
図10(a)は、特許文献3に開示されている固体撮像素子の中央に位置する焦点検出を行う画素の受光分布の説明図で、2つに分割された光電変換部がそれぞれ受光可能な撮影レンズの瞳上の領域を示している。図中円内の斜線部は撮影レンズの射出瞳を示し、白抜きされた領域Sα、領域Sβは2つに分割された光電変換部の受光可能な領域で、通常撮影レンズの光軸(図中x軸とy軸の交点)に対して対称になるように設定されている。
【0006】
カメラにおいては、撮影レンズの瞳上の領域Sαを透過した光束により生成された像と領域Sβを透過した光束により生成される像の相関演算を行って、撮影レンズの焦点状態が検出される。撮影レンズの異なる瞳領域を透過した光束から生成される像の相関演算を行って焦点検出を行う方法は、特許文献4に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開昭58−24105号公報
【特許文献2】特許第2959142号公報
【特許文献3】特開2005−106994号公報
【特許文献4】特開平5−127074号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、撮像装置が手振れ補正駆動機構を有する場合には、上記のような焦点検出方式では、次のような問題が発生する。
【0009】
前述した焦点検出用画素を固体撮像素子の全面に離散的に有するカメラでは、撮影レンズの焦点状態を検出する場合、一般的に、撮影画面の中央に位置する被写体のみならず、撮影画面の周辺に位置する被写体に対しても焦点検出が可能である。
【0010】
しかし、撮影レンズの光学経路の設計によっては、撮影画面の周辺位置において撮影レンズのレンズ枠による光束のケラレ、いわゆる口径蝕が生じることがある。図10(b)は撮影画面周辺に位置する焦点検出用画素で口径蝕が生じている時の焦点検出用画素の受光分布を示す図である。口径蝕のため図中一方の光電変換部の受光領域Sαに比べ、もう一方の受光領域Sβは面積が狭くなってしまう。このため、撮影レンズの瞳上の領域Sαを透過した光束により生成された像と領域Sβを透過した光束により生成される像の一致度は低くなる。その結果、領域Sαを透過した光束により生成された像と領域Sβを透過した光束により生成される像に基づいて相関演算を行っても、精度の高い焦点検出ができないという欠点があった。
【0011】
ここで、手振れ補正駆動機構の動作について説明する。一般に、手振れ補正駆動機構はジャイロセンサ等により検出される手振れ量に対して手振れ補正駆動を行うもので、以下の代表的な2つの方式が知られている。1つめは撮影光学系のうちシフトレンズと呼ばれるレンズを、検出された振れ量に対してシフトさせて、光学経路を調整するレンズシフト方式である。2つ目は被写体像の結像位置にある固体撮像素子を、検出された振れ量に対して動かすことで補正を行うイメージセンサシフト方式である。しかし、いずれの手振れ補正方式においても、光学経路が変化することにより撮影画面の周辺では新たなケラレが生じたり、その結果ケラレによる焦点検出用画素の受光領域の変化が生じてしまう可能性がある。
【0012】
図10(c)は手振れ補正駆動により、図10(a)の状態からケラレによる受光領域の変化が生じた場合の説明図である。レンズ枠のケラレによる受光領域の面積が常に一定であるならば、受光領域の面積比を用いて補正を行うことも考えられるが、手振れ補正駆動により受光領域の変化が生じると補正が行えず、精度の高い焦点検出ができない。さらに、レンズシフト方式の場合は手振れ補正用のシフトレンズの枠だけがケラレを加味して余裕を持った直径で設計されていれば良いが、イメージセンサシフト方式の場合はケラレを発生させる全てのレンズ枠の設計を見直さなくてはならない。
【0013】
本発明は上述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、手振れ補正機能を有する撮像装置においても、精度の高い焦点検出を行えるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明に係わる撮像装置は、撮像装置であって、撮影レンズにより結像された被写体像を光電変換する固体撮像素子であって、前記撮影レンズの第1の瞳領域を通過する光束を受光する複数の第1の焦点検出用画素からなる第1の焦点検出用画素群と、前記撮影レンズの前記第1の瞳領域とは異なる第2の瞳領域を通過する光束を受光する複数の第2の焦点検出用画素からなる第2の焦点検出用画素群とを有する固体撮像素子と、前記第1の焦点検出用画素群から得られる第1の像と、前記第2の焦点検出用画素群から得られる第2の像の位相差に基づいて前記撮影レンズの焦点状態を検出する焦点検出手段と、前記撮影レンズを通過して前記固体撮像素子に達する光束の光学経路を調整することにより、前記撮像装置の振れに起因する前記被写体像の振れを補正する振れ補正手段と、前記振れ補正手段により前記光学経路を調整した場合の、前記第1の焦点検出用画素と前記第2の焦点検出用画素の受光分布を算出する演算手段と、前記演算手段により算出された前記受光分布に基づいて、前記振れ補正手段を動作させるか否かを制御する制御手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、手振れ補正機能を有する撮像装置においても、精度の高い焦点検出を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の撮像装置の一例であるデジタルスチルカメラの構成図。
【図2】CMOS型固体撮像素子であるイメージセンサの一部平面図。
【図3】イメージセンサの一部断面図。
【図4】焦点検出用画素の撮影レンズの瞳上での設計上の受光分布図。
【図5】手振れ補正駆動により口径蝕が発生しときの受光分布図。
【図6】手振れ補正駆動により口径蝕が発生しときの受光分布図。
【図7】焦点検出動作を含む撮影動作のフローチャート。
【図8】第2実施形態の撮影動作のフローチャート。
【図9】第2実施形態の液晶表示画面の説明図。
【図10】従来の固体撮像素子の受光分布説明図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(第1の実施形態)
図1〜図7は本発明の第1の実施形態を示す図であり、図1は本発明の撮像装置の一例であるデジタルスチルカメラの構成図、図2はCMOS型固体撮像素子であるイメージセンサの一部平面図、図3はイメージセンサの一部断面図である。図4は焦点検出用画素の撮影レンズの瞳上での設計上の受光分布、図5及び図6は手振れ補正駆動により口径蝕が発生しときの受光分布、図7は焦点検出動作を含む撮影動作のフローチャートである。
【0018】
図1において2はイメージセンサ(固体撮像素子)で、デジタルスチルカメラのカメラ本体1に装着された撮影レンズ5の予定結像面に配置されている。カメラ本体1は、カメラ全体を制御するカメラCPU20、イメージセンサ2を駆動制御する制御部であるところのイメージセンサ制御回路21、イメージセンサ2にて撮像した画像信号を画像処理する画像処理部24を備えている。また、画像処理された画像を表示する画像表示部であるところの内部液晶表示素子4及び背面液晶表示素子6と、それぞれを駆動する内部液晶表示素子駆動回路25、背面液晶表示素子駆動回路26も備えている。さらに、内部液晶表示素子4に表示された被写体像を観察するための接眼レンズ3、イメージセンサ2にて撮像された画像を記録するメモリ回路22、画像処理部24にて画像処理された画像をカメラ外部に出力するためのインターフェース回路23も備えている。なお、メモリ回路22では、イメージセンサ2の受光分布も記憶できるようになっている。
【0019】
撮影レンズ5はカメラ本体1に対して着脱可能で、便宜上3枚のレンズ5a、5b、5cで図示しているが、実際は多数枚のレンズで構成されている。撮影レンズ5は、カメラ本体1のカメラCPU20から送られてくる焦点調節情報を電気接点26を介してレンズCPU50にて受信する。そして、レンズCPU50は、受信した焦点調節情報に基づき焦点レンズ駆動機構51により焦点レンズ5bを移動させ合焦状態に調節する。また53は撮影レンズ5の瞳近傍に配設された絞り装置で、絞り駆動機構52によって所定の絞り値に絞り込まれる。また、ジャイロを有する手振れ補正駆動機構54では、ジャイロの出力からデジタルカメラを持つユーザの手の振れに起因する手振れ量を算出し、シフトレンズ5cをxy平面上で平行にシフトすることで光学経路を調整し手振れ補正を行う。
【0020】
図2はイメージセンサ2の一部平面図である。図2において、131、132は電極である。電極131及び132で区切られた領域が1画素を示しており、1画素中に書かれた「R」「G」「B」の文字は各画素のカラーフィルタの色相を表している。「R」の文字の書かれた画素は赤の成分の光を透過し、「G」の文字の書かれた画素は緑の成分の光を透過し、「B」の文字の書かれた画素は青の成分の光を透過する。また、「R」「G」「B」の文字が書かれた各画素は、撮影レンズ5の全瞳領域を通過した光を受光するように構成されている。
【0021】
カラーフィルタの配列がベイヤ配列の場合、1絵素は「R」「B」の画素と2つの「G」の画素から構成されるが、本実施形態のデジタルスチルカメラに配置されたイメージセンサは「R」あるいは「B」であるべき画素の一部に、撮影レンズ5の一部の瞳領域(第1の瞳領域及び第2の瞳領域)を通過した光を受光する焦点検出用画素が割り当てられている。図中、Pα1、Pβ1、Pα2、Pβ2、Pα3、Pβ3は撮影レンズ5の焦点状態を検出するための焦点検出用画素で、電極131にてx方向の開口が制限されている。本実施形態のイメージセンサ2の画面内に離散的に複数配設される焦点検出用画素は、電極131にて制限される開口のx方向の開口中心位置が画素中心に対して異なる6種類が設定されている。
【0022】
例えば、電極131_3と電極131_4とで決まる開口が画素中心に対して+x方向に偏位した焦点検出用画素Pα1に対して、x方向に4画素隣接した位置に同様の電極開口を有する焦点検出用画素が配設されている。これら焦点検出用画素Pα1を含む同様の電極開口を有する画素を第1の焦点検出用画素群とする。
【0023】
また、焦点検出用画素Pα1に対して斜めに隣接する位置に、電極131_1と電極131_2とで決まる開口が画素中心と略一致する焦点検出用画素Pβ1が配設されている。さらに、焦点検出用画素Pβ1に対して、x方向に4画素隣接した位置に同様の電極開口を有する焦点検出用画素が配設されている。これら焦点検出用画素Pβ1を含む同様の電極開口を有する画素を第2の焦点検出用画素群とする。同様にPα2、Pβ2、Pα3、Pβ3とそれぞれ同様の電極開口を有する焦点検出用画素群を、それぞれ第3の焦点検出用画素群、第4の焦点検出用画素群、第5の焦点検出用画素群、第6の焦点検出用画素群とする。
【0024】
本実施形態のデジタルスチルカメラに備えられた焦点検出演算部(カメラCPU20)は、焦点検出用画素Pα1と同じ電極開口を有する第1の焦点検出用画素群から第1の焦点検出用画像(第1の像)を生成する。また、同様に焦点検出用画素Pβ1と同じ電極開口を有する第2の焦点検出用画素群から第2の焦点検出用画像(第2の像)を生成する。さらに焦点検出演算部(カメラCPU20)は、第1の焦点検出用画像と第2の焦点検出用画像の位相差に基づいて相関演算を行うことにより、焦点検出用画素Pα1とPβ1が位置する領域での撮影レンズ5の焦点状態を検出する。第1の焦点検出用画像と第2の焦点検出用画像に基づいて相関演算を行う焦点検出演算部を第1の焦点検出演算部と定義する。
【0025】
同様に焦点検出演算部(カメラCPU20)は、焦点検出用画素Pα2と同じ電極開口を有する第3の焦点検出用画素群から第3の焦点検出用画像を生成する。また、同様に焦点検出用画素Pβ2と同じ電極開口を有する第4の焦点検出用画素群から第4の焦点検出用画像を生成する。さらに焦点検出演算部(カメラCPU20、第2の焦点検出演算部)は、第3の焦点検出用画像と第4の焦点検出用画像に基づいて相関演算を行うことにより、焦点検出用画素Pα2とPβ2が位置する領域での撮影レンズ5の焦点状態を検出する。第3の焦点検出用画像(第3の像)と第4の焦点検出用画像(第4の像)に基づいて相関演算を行う焦点検出演算部を第2の焦点検出演算部と定義する。
【0026】
同様に焦点検出演算部(カメラCPU20)は、焦点検出用画素Pα3と同じ電極開口を有する第5の焦点検出用画素群から第5の焦点検出用画像を生成する。また、同様に焦点検出用画素Pβ3と同じ電極開口を有する第6の焦点検出用画素群から第6の焦点検出用画像を生成する。さらに焦点検出演算部(カメラCPU20)は、第5の焦点検出用画像と第6の焦点検出用画像に基づいて相関演算を行うことにより、焦点検出用画素Pα3とPβ3が位置する領域での撮影レンズ5の焦点状態を検出する。第5の焦点検出用画像と第6の焦点検出用画像に基づいて相関演算を行う焦点検出演算部を第3の焦点検出演算部と定義する。なお、上記の第1の焦点検出演算部、第2の焦点検出演算部、第3の焦点検出演算部は、いずれもカメラCPU20により実現される。
【0027】
さらに焦点検出演算部(カメラCPU20)は、焦点検出用画素Pα1とPβ1が位置する領域での撮影レンズ5の焦点状態、焦点検出用画素Pα2とPβ2及びPα3とPβ3が位置する領域での撮影レンズ5のそれぞれの焦点状態を平均する。さらに、焦点検出演算部は焦点検出結果に基づいて焦点レンズ駆動機構51に焦点調節情報を送って、撮影レンズ5の焦点調節を行う。
【0028】
一方、通常の画像の撮像時は、画素の電極開口が制限されている焦点検出用画素は欠陥画素として扱い、焦点検出用画素の周辺に位置する画素から補間処理を行って画像信号が生成される。
【0029】
図3は、図2のイメージセンサ2の一部平面図に示した、A−A’面の断面図である。図3の右側の画素は、撮影レンズ5の全瞳領域を通過した光を受光可能な画素を示し、図中左側の画素は、撮影レンズ5の一部の瞳領域からの光束を受光可能な焦点検出用画素を示している。イメージセンサ2は、シリコン基板110の内部に光電変換部111が形成されている。光電変換部111で発生した信号電荷は、不図示のフローティングディフュージョン部、第1の電極131及び第2の電極132を介して外部に出力される。光電変換部111と電極131との間には層間絶縁膜121が形成され、電極131と電極132との間には層間絶縁膜122が形成されている。また、電極132の光入射側には層間絶縁膜123が形成され、さらにパッシべーション膜140、平坦化層150が形成されている。平坦化層150の光入射側には、カラーフィルタ層151、平坦化層152及びマイクロレンズ153が形成されている。ここで、マイクロレンズ153のパワーは、撮影レンズ5の瞳と光電変換部111が略共役になるように設定されている。また、イメージセンサ2の中央に位置する画素ではマイクロレンズ153は画素の中心に配設され、周辺に位置する画素では、撮影レンズ5の光軸側に偏位して配設される。
【0030】
撮影レンズ5を透過した被写体光はイメージセンサ2近傍に集光される。さらにイメージセンサ2の各画素に到達した光は、マイクロレンズ153で屈折され光電変換部111に集光される。通常の撮像に使う図中右側の画素では、入射する光を遮光しないように第1の電極131及び第2の電極132が配設されている。一方、図中左側の撮影レンズ5の焦点検出を行う焦点検出用画素では、電極131の一部が光電変換部111を覆うように構成されている。その結果図中左側の焦点検出用画素では、撮影レンズ5の瞳の一部を透過する光束を受光可能となっている。また、電極131が入射光束の一部を遮光しているために光電変換部111の出力が小さくなることを防ぐために、焦点検出用の画素のカラーフィルタ層154は光を吸収しない透過率の高い樹脂で形成されている。
【0031】
イメージセンサ2の画面内に離散的に配設される焦点検出用の画素は、マイクロレンズ153の位置と電極131の開口中心の相対位置を異ならせることによって、撮影レンズ5を通過した光の受光分布を異ならせるように構成されている。
【0032】
図4は、イメージセンサ2の一部に配設された焦点検出用画素の撮影レンズ5の瞳上での設計上の受光分布を示す図である。図4(a)は、図2のイメージセンサ2の一部平面図に示した焦点検出用画素Pα1の、撮影レンズ5の瞳上での設計上の受光分布を示している。焦点検出用画素Pα1の電極131_3と電極131_4とで決まる開口の中心は画素の中心に対して+x方向に大きく偏位している。そのため、焦点検出用画素Pα1の光電変換部の受光可能な領域Sα1aの中心は、撮影レンズ5の射出瞳上の図中x軸上で光軸(図中x軸とy軸の交点)に対して距離−xα1偏位している。
【0033】
図4(b)は、図2のイメージセンサ2の一部平面図に示した焦点検出用画素Pβ1の、撮影レンズ5の瞳上での設計上の受光分布を示している。焦点検出用画素Pβ1の電極131_1と電極131_2とで決まる開口の中心は画素の中心と略一致している。そのため、焦点検出用画素Pβ1の光電変換部の受光可能な領域Sβ1aの中心は、撮影レンズ5の射出瞳上の図中x軸上で光軸(図中x軸とy軸の交点)と略一致している。
【0034】
図4(c)は、図2のイメージセンサ2の一部平面図に示した焦点検出用画素Pα2の、撮影レンズ5の瞳上での設計上の受光分布を示している。焦点検出用画素Pα2の電極131_3と電極131_4とで決まる開口の中心は画素の中心に対して+x方向に所定量偏位している。そのため、焦点検出用画素Pα2の光電変換部の受光可能な領域Sα2aの中心は、撮影レンズ5の射出瞳上の図中x軸上で光軸(図中x軸とy軸の交点)に対して距離−xα2偏位している。
【0035】
図4(d)は、図2のイメージセンサ2の一部平面図に示した焦点検出用画素Pβ2の、撮影レンズ5の瞳上での設計上の受光分布を示している。焦点検出用画素Pβ2の電極131_1と電極131_2とで決まる開口の中心は画素の中心に対して−x方向に所定量偏位している。そのため、焦点検出用画素Pβ2の光電変換部の受光可能な領域Sβ2aの中心は、撮影レンズ5の射出瞳上の図中x軸上で光軸(図中x軸とy軸の交点)に対して距離xβ2偏位している。
【0036】
図4(e)は、図2のイメージセンサ2の一部平面図に示した焦点検出用画素Pα3の、撮影レンズ5の瞳上での設計上の受光分布を示している。焦点検出用画素Pα3の電極131_3と電極131_4とで決まる開口の中心は画素の中心と略一致している。そのため、焦点検出用画素Pα3の光電変換部の受光可能な領域Sα3aの中心は、撮影レンズ5の射出瞳上の図中x軸上で光軸(図中x軸とy軸の交点)と略一致している。ここで、焦点検出用画素Pα3の撮影レンズ5の瞳上での設計上の受光分布は、焦点検出用画素Pβ1の撮影レンズ5の瞳上での設計上の受光分布と略一致している。
【0037】
図4(f)は、図2のイメージセンサ2の一部平面図に示した焦点検出用画素Pβ3の、撮影レンズ5の瞳上での設計上の受光分布を示している。焦点検出用画素Pβ3の電極131_1と電極131_2とで決まる開口の中心は画素の中心に対して−x方向に大きく偏位している。そのため、焦点検出用画素Pβ3の光電変換部の受光可能な領域Sβ3aの中心は、撮影レンズ5の射出瞳上の図中x軸上で光軸(図中x軸とy軸の交点)に対して距離xβ3偏位している。
【0038】
図4(g)は、図2のイメージセンサ2の一部平面図に示した通常撮像用画素の、撮影レンズ5の瞳上での設計上の受光分布を示している。通常撮像用画素の電極131は光電変換部を遮光しないように構成されているため、通常撮像用画素の光電変換部は、撮影レンズ5の全瞳領域Sγを受光可能である。このとき通常撮像用画素の受光可能な領域Sγの中心は、撮影レンズ5の射出瞳上の光軸(図中x軸とy軸の交点)と略一致している。 以上のように、本実施形態のイメージセンサ2は、受光分布の中心がx軸上の異なる位置に存在する6種類の焦点検出用画素群から構成されている。
【0039】
図5は手振れ補正駆動機構54が動作した時の撮影画面の周辺における焦点検出用画素の受光分布の説明図である。図5で示すように撮影画面の周辺では、手振れ補正駆動機構54のレンズ枠における口径蝕(ケラレ)が生じることがあり、ケラレにより図5(a)に示す焦点検出用画素の光電変換部の受光領域Sα1bは狭くなっている。そのため、図5(a)の焦点検出用画素の受光領域Sα1bを透過した光束により生成された像と、図5(b)の受光領域Sβ1bを透過した光束により生成された像の一致度は低下し、相関演算の精度が低下してしまう。しかし、図5(c)及び図5(e)の焦点検出用画素の受光領域の中心は、図5(a)の焦点検出用画素の受光領域に対し+x方向に変位しているため、手振れ補正駆動機構54の動作による口径蝕が受光領域Sα2b及びSα3bに生じていない。そこで、上記のような口径蝕が発生する撮影画面の周辺エリアでは、焦点検出選択部(カメラCPU20)により光電変換部の受光領域に口径蝕の影響があった焦点検出用画素Pα1で代表される第1の焦点検出用画素群とPβ1で代表される第2の焦点検出用画素群で得られる像に基づいた焦点検出の相関演算結果を用いないことが選択される。そして、残りのPα2とPβ2及びPα3とPβ3で代表される、それぞれ第3と第4及び第5と第6の焦点検出用画素群で得られる像に基づいて焦点検出の相関演算を行い、その結果を平均することで、焦点検出を行う。このようにして、レンズ枠による口径蝕が生じても精度の良い焦点検出を行うことが出来る。
【0040】
図6は図5で示した撮影レンズとは異なる手振れ補正駆動機構を有した撮影レンズを装着した場合の、手振れ補正駆動機構54が駆動した時の撮影画面の周辺における焦点検出用画素の受光分布の説明図である。各焦点検出用画素の光電変換部において、図5に示す焦点検出用画素よりも口径蝕の影響が大きくなり、図6(a)の焦点検出用画素の受光領域Sα1cは図5(a)の受光領域Sα1bに比べて狭くなっている。また、図6(c)の受光領域Sα2cにおいても手振れ補正駆動機構54のレンズ枠による口径蝕の影響が生じ、図5(c)の受光領域Sα2bに比べて狭くなっている。そこで、光電変換部の受光領域に口径蝕の影響のない焦点検出用画素Pα3及びPβ3で代表される焦点検出用画素群で得られる像に基づいてのみ焦点検出の相関演算を行うことが考えられる。しかし、焦点検出の精度は焦点検出用画素Pα1及びPβ1、Pα2及びPβ2、Pα3及びPβ3で代表される焦点検出用画素群で得られる像に基づいて焦点検出を行う場合よりも、相関演算の算出結果が1/3に減る。そのため、相関演算結果を平均した焦点検出結果のS/Nが悪くなる。そこで、本実施形態では手振れ補正駆動機構54の動作により、焦点検出用画素Pα1及びPβ1、Pα2及びPβ2、Pα3及びPβ3の3組で代表される焦点検出用画素群のうち、2組以上の焦点検出用画素の受光領域に口径蝕が発生すると推測される場合は、手振れ補正駆動機構54の駆動を禁止する。そして、焦点検出動作が終了してから手振れ補正駆動機構54の動作が許可される。
【0041】
図7のフローチャートを使って本実施形態における実際の撮影動作について説明する。撮影動作が開始されるとフローチャートがスタートする。ステップS1001では装着されている撮影レンズ5を認識し、撮影レンズ5の焦点距離情報、レンズ枠情報、手振れ補正駆動機構の駆動量などの光学情報を読み込む。このとき、撮影レンズ5の光学情報は撮影レンズ5側にメモリを設けて記録しておいても良いし、デジタルスチルカメラ1側のメモリに記憶しておき、装着レンズを判断して取得しても良い。
【0042】
次に、ステップS1002ではステップS1001で読み込んだ撮影レンズ5の光学情報を用いて、手振れ補正機構54が駆動した際に発生するケラレ量を算出する。そして、図6に示したように、手振れ補正駆動により焦点検出用画素Pα1及びPβ1、Pα2及びPβ2、Pα3及びPβ3の3組で代表される焦点検出用画素群のうち、2組以上の焦点検出用画素群の受光領域に口径蝕が発生すると推測される場合は、ケラレ判定部(カメラCPU20)によってケラレ影響ありのフラグが立てられる。
【0043】
次に、ステップS1003ではユーザが不図示の操作ボタンを押すことで焦点検出動作の命令が下され焦点検出動作が開始される。ステップS1004では撮影モードが手振れ補正駆動モードであるかを判定する。手振れ補正駆動モードがOFFと判断されると、焦点検出動作にケラレの影響がないのでステップS1007に進む。ステップS1004で撮影モードが手振れ補正駆動モードONと判断されるとステップS1005に進み、手振れ補正駆動によるケラレの影響ありのフラグが立っているかが判断される。ケラレの影響ありのフラグが立っていない場合はステップS1007に進む。ケラレの影響ありのフラグが立っている場合は、ステップS1006に進み、手振れ補正駆動制御部(カメラCPU20)により手振れ補正駆動が一旦停止される。実際には手振れ補正量によりケラレは左右される。そのため手振れ補正駆動停止後にシフトレンズを中心に戻して前述のケラレを解消する。
【0044】
次に、ステップS1007では焦点検出動作のための演算が行われる。ステップS1007では撮影画面全域において、焦点検出用画素群から得られる像を用いて焦点検出のための相関演算を行う。相関演算の結果より、撮影画面に撮像された各被写体の被写体距離が検出され、ユーザから最も近傍に位置する被写体が目的被写体と判断される。そして、ステップS1008に進み目的被写体が合焦するように焦点検出結果に基づき焦点レンズ駆動機構51を駆動させる。ステップS1008で焦点レンズ5bが目標位置まで駆動されると、ステップS1009において目的被写体に対して合焦状態にあるかを判断するために、焦点検出用画素群からの像を用いて、再び焦点検出のための相関演算が行われる。ステップS1010では相関演算の結果、目的被写体に対し合焦状態であると判断されるまで、ステップS1008に戻って焦点レンズ5bの駆動と焦点検出演算が繰り返される。ステップS1010で目的被写体に対し合焦状態であると判断されると、ステップS1011に進み再度、撮影モードが手振れ補正駆動モードであるかが判断される。ステップS1011で手振れ補正駆動モードでないと判断されればステップS1014に進むが、手振れ補正駆動モードであった場合は、ステップS1012に進み、ステップS1004で手振れ補正駆動が禁止されて停止中かどうかを判断する。ステップS1012で手振れ補正駆動モードであり手振れ補正駆動が駆動している状態だと判断されるとS1014に進み、手振れ補正駆動が停止中であると判断されると、ステップS1013に進み再度手振れ補正駆動が開始される。
【0045】
次にステップS1014で撮影ボタンONの操作が検出されると、ステップS1015に進みイメージセンサ2の撮像面上において、露光時間等の設定された撮影条件による露光動作、つまり撮影が行われる。ステップS1014で撮影ボタンのONが検出されない時は、一定時間が経過するまでの間ステップS1016とのフローを繰返し、撮影ボタンONの検出を待つ。ステップS1016で一定時間が経過すると、目的被写体に動きがあり非合焦状態になっていることが考えられるので、ステップS1004に戻って再度、焦点検出に伴う動作を繰り返す。ステップS1015で撮影が行われると、フローチャートを終了する。
【0046】
以上説明したように本実施形態では、まず装着された撮影レンズの手振れ補正駆動により発生するケラレ量を算出し、そのケラレ量の度合いによって焦点検出動作時の手振れ補正駆動を禁止するかを判断する。そして手振れ補正駆動によるケラレの影響が大きいと判断されると、焦点検出動作中は一旦、手振れ補正駆動を停止させ、合焦状態が検出されてから再度手振れ補正駆動を開始し撮影動作を行う。これにより、手振れ補正駆動によってケラレが発生する場合においても、高精度の焦点検出を行うことが出来る。
【0047】
本実施形態では、電極開口形状の異なる焦点検出用画素群を2つずつ3組で6種類もっていたが、もっと多くの組合せを有していても良い。例えば2つずつ5組で10種類の電極開口形状の焦点検出用画素群を有している場合、手振れ補正駆動によるケラレの影響が5組のうちの過半数である3組以上の焦点検出用画素群に影響を与える時は、焦点検出動作中の手振れ補正駆動を禁止と判断すればよい。また、電極開口形状の異なる焦点検出用画素群を2つずつ2組で4種類でも良い。その場合は、ケラレの影響が1組だけの電極開口形状の焦点検出用画素群のとき又は、ケラレの影響のない時は焦点検出動作中の手振れ補正駆動を可能とし、ケラレの影響が2組の焦点検出用画素群に及ぶときは焦点検出動作中の手振れ補正駆動を禁止とする。
【0048】
本実施形態では、レンズシフト式の手振れ補正駆動機構を有する撮像装置について説明したが、イメージセンサシフト式やその他の駆動によりケラレを発生する手振れ補正駆動機構を有する撮像装置についても本発明は適用可能である。
【0049】
撮影レンズが変わると撮影画面位置でのケラレの影響が変化すると述べたが、撮影レンズのズーム状態が変わることによってもケラレの影響は変化する。図1の撮影レンズ5では不図示であるが、撮影レンズが光学経路を変更して焦点距離を調整できる場合(ズーミングが可能な場合)は、撮影レンズのズーム状態を検出しケラレ量を算出しなおす必要がある。改めて算出しなおしたケラレ量に応じて、焦点検出動作時の手振れ補正駆動機構の駆動可否を判断する。
【0050】
(第2の実施形態)
以下、図8、図9を用いて第2の実施形態の撮像装置について説明する。第2の実施形態の撮像装置の構成は第1の実施形態の撮像装置と変わらないので説明を省略する。第1の実施形態では、装着された撮影レンズの光学情報から手振れ補正駆動により発生するケラレ量を算出し、その結果に応じて焦点検出動作時の手振れ補正駆動の禁止を判断していた。第2の実施形態では、装着された撮影レンズの光学情報から手振れ補正駆動により発生する撮影画面内の各位置でのケラレ量を算出し、ケラレの影響がない撮影画面の範囲(画面範囲)のみで焦点検出動作を可能とする。
【0051】
図8は、第2の実施形態における撮像装置の撮影動作を表したフローチャートである。フローがスタートすると、まずステップS2001では装着されている撮影レンズ5を認識し、撮影レンズ5の焦点距離情報、レンズ枠情報、手振れ補正駆動機構の駆動量などの光学情報を読み込む。
【0052】
次に、ステップS2002ではステップS2001で読み込んだ撮影レンズ5の光学情報を用いて、手振れ補正駆動機構54が駆動した際に発生するケラレ量を算出する。そして、ステップS2003ではケラレ判定部(カメラCPU20)により撮影画面におけるケラレの影響のある範囲が算出され、焦点検出可能範囲を算出する。まず、手振れ補正駆動により焦点検出用画素Pα1及びPβ1、Pα2及びPβ2、Pα3及びPβ3の3組で代表される焦点検出用画素群のうち、2組以上の焦点検出用画素の受光領域に口径蝕が発生する撮影画面の範囲を算出する。口径蝕は撮影画面の周辺エリアにおいて影響が大きく、撮影画面中央に近づけばケラレの影響は小さくなる、又は口径蝕が発生しなくなる。よって、ケラレの影響の大きい撮影画面の周辺エリアでのみ相関演算の精度が低くなるので焦点検出動作を行わないように設定する。図9は撮影画面の模式図であり、エリア202の外側はケラレの影響が大きいため焦点検出は行わず、エリア202の内側のみを焦点検出可能範囲としていることを表している。
【0053】
次に、ステップS2004ではユーザが操作ボタンを押すことで焦点検出動作の命令が下され焦点検出動作が開始される。ステップS2005では撮影モードが手振れ補正駆動モードであるかを判定する。ステップS2005で撮影モードが手振れ補正駆動モードではないと判断された場合はステップS2013に進み、手振れ補正駆動によるケラレの影響がないので撮影画面全域が焦点検出可能範囲に設定される。一方、手振れ補正駆動モードであると判断されると、ステップS2006に進みステップS2003で算出した結果が焦点検出可能範囲決定部(カメラCPU20)により焦点検出可能範囲と設定される。そして、焦点検出可能範囲表示部(カメラCPU20)により焦点検出可能範囲を内部液晶表示素子4又は背面液晶表示素子6に表示し、ユーザに撮影画面内の焦点検出動作が可能な範囲を知らせる。
【0054】
次に、ステップS2007では焦点検出可能範囲において、焦点検出用画素群から得られる像を用いて焦点検出のための相関演算を行う。相関演算の結果より、撮影画面に撮像された各被写体の被写体距離が検出され、ユーザに最も近傍の被写体が目的被写体と判断される。そして、ステップS2008に進み目的被写体が合焦するように焦点検出結果に基づき焦点レンズ駆動機構51を駆動させる。ステップS2008で焦点レンズ5bが目標位置まで駆動されると、ステップS2009において目的被写体に対して合焦状態にあるかを判断するために、焦点検出用画素群からの像を用いて、再び焦点検出のための相関演算が行われる。次に、ステップS2010において相関演算の結果、目的被写体に対し合焦状態であると判断されるまで、ステップS2008に戻って焦点レンズ5bの駆動と焦点検出演算が繰り返される。
【0055】
以下、ステップS2011〜S2012及びステップS2014の動作は第1の実施形態のステップS1014〜S1015及びステップS1016の動作と同様であるため説明を省略する。ステップS2012を終えるとフローを終了する。
【0056】
以上説明したように、第2の実施形態では、装着された撮影レンズの光学情報から手振れ補正駆動により発生する撮影画面内の各位置での各ケラレ量を算出し、手振れ補正駆動モードであるときはケラレの影響が少ない撮影画面の範囲のみで焦点検出動作を可能とする。そして、液晶表示装置に焦点検出可能範囲として表示し、ユーザに焦点検出を行う範囲を報知する。また、手振れ補正駆動モードでないときは撮影画面の全域を焦点検出可能範囲とする。
【0057】
第2の実施形態では、算出された撮影画面内の各位置のケラレ量より焦点検出可能範囲を設定して、焦点検出可能範囲内でのみ焦点検出の相関演算を行ったが、第1の実施形態と組み合わせても良い。例えば、第1の実施形態の動作と第2の実施形態の動作をそれぞれ別のモードとして設定して、ユーザの設定により焦点検出動作を切り替えても良い。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像装置であって、
撮影レンズにより結像された被写体像を光電変換する固体撮像素子であって、前記撮影レンズの第1の瞳領域を通過する光束を受光する複数の第1の焦点検出用画素からなる第1の焦点検出用画素群と、前記撮影レンズの前記第1の瞳領域とは異なる第2の瞳領域を通過する光束を受光する複数の第2の焦点検出用画素からなる第2の焦点検出用画素群とを有する固体撮像素子と、
前記第1の焦点検出用画素群から得られる第1の像と、前記第2の焦点検出用画素群から得られる第2の像の位相差に基づいて前記撮影レンズの焦点状態を検出する焦点検出手段と、
前記撮影レンズを通過して前記固体撮像素子に達する光束の光学経路を調整することにより、前記撮像装置の振れに起因する前記被写体像の振れを補正する振れ補正手段と、
前記振れ補正手段により前記光学経路を調整した場合の、前記第1の焦点検出用画素と前記第2の焦点検出用画素の受光分布を算出する演算手段と、
前記演算手段により算出された前記受光分布に基づいて、前記振れ補正手段を動作させるか否かを制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記第1の焦点検出用画素とは開口の位置が異なる複数の第3の焦点検出用画素からなる第3の焦点検出用画素群と、前記第2の焦点検出用画素とは開口の位置が異なる複数の第4の焦点検出用画素からなる第4の焦点検出用画素群と、前記第3の焦点検出用画素群から得られる第3の像と、前記第4の焦点検出用画素群から得られる第4の像の位相差に基づいて前記撮影レンズの焦点状態を検出する第2の焦点検出手段とを更に備え、前記演算手段は第3の焦点検出用画素と前記第4の焦点検出用画素の受光分布を更に算出し、前記制御手段は、前記演算手段により算出された受光分布に基づいて、前記焦点検出手段と前記第2の焦点検出手段のどちらの検出結果を用いて前記撮影レンズの焦点調節を行うかを選択することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
撮像装置であって、
撮影レンズにより結像された被写体像を光電変換する固体撮像素子であって、前記撮影レンズの第1の瞳領域を通過する光束を受光する複数の第1の焦点検出用画素からなる第1の焦点検出用画素群と、前記撮影レンズの前記第1の瞳領域とは異なる第2の瞳領域を通過する光束を受光する複数の第2の焦点検出用画素からなる第2の焦点検出用画素群とを有する固体撮像素子と、
前記第1の焦点検出用画素群から得られる第1の像と、前記第2の焦点検出用画素群から得られる第2の像の位相差に基づいて前記撮影レンズの焦点状態を検出する焦点検出手段と、
前記撮影レンズを通過して前記固体撮像素子に達する光束の光学経路を調整することにより、前記撮像装置の振れに起因する前記被写体像の振れを補正する振れ補正手段と、
前記振れ補正手段により前記光学経路を調整した場合の、前記第1の焦点検出用画素と前記第2の焦点検出用画素の受光分布を算出する演算手段と、
前記演算手段により算出された前記受光分布に基づいて、前記固体撮像素子の画面内での焦点検出に用いる画面範囲を制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする撮像装置。
【請求項4】
前記焦点検出に用いる画面範囲を表示する表示手段を更に備えることを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記第1の焦点検出用画素とは開口の位置が異なる複数の第3の焦点検出用画素からなる第3の焦点検出用画素群と、前記第2の焦点検出用画素とは開口の位置が異なる複数の第4の焦点検出用画素からなる第4の焦点検出用画素群と、前記第3の焦点検出用画素群から得られる第3の像と、前記第4の焦点検出用画素群から得られる第4の像の位相差に基づいて前記撮影レンズの焦点状態を検出する第2の焦点検出手段とを更に備え、前記演算手段は第3の焦点検出用画素と前記第4の焦点検出用画素の受光分布を更に算出し、前記制御手段は、前記演算手段により算出された受光分布に基づいて、前記焦点検出手段と前記第2の焦点検出手段のどちらの検出結果を用いて前記撮影レンズの焦点調節を行うかを選択することを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−81201(P2011−81201A)
【公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−233552(P2009−233552)
【出願日】平成21年10月7日(2009.10.7)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】