操作装置及び携帯情報端末
【課題】キーを確実に入力できる操作装置及び携帯情報端末を提供すること。
【解決手段】キー23Lが突没自在に設けられた筐体(リアケース)22を有する操作装置(携帯情報端末)1であって、キー23Lは、第1方向(S1方向)に長い横長形状に形成された本体部231と、本体部231における第1方向の一端側に位置し、第1方向及び筐体からのキーの突出方向である第2方向(S2方向)に略直交する第3方向(S3方向)に沿って延出する軸部235とを有し、筐体22は、キー23Lを第2方向に付勢する付勢部材(接点ゴム)34と、付勢された軸部235と当接する規制部411とを有し、キー23Lは、第1方向の他端側に位置し、第3方向に沿って延出する軸部234を有し、リアケース22は、軸部234を挟み、当該軸部234の第2方向への移動を案内するガイド部54と、付勢された軸部234と当接する規制部55とを有する。
【解決手段】キー23Lが突没自在に設けられた筐体(リアケース)22を有する操作装置(携帯情報端末)1であって、キー23Lは、第1方向(S1方向)に長い横長形状に形成された本体部231と、本体部231における第1方向の一端側に位置し、第1方向及び筐体からのキーの突出方向である第2方向(S2方向)に略直交する第3方向(S3方向)に沿って延出する軸部235とを有し、筐体22は、キー23Lを第2方向に付勢する付勢部材(接点ゴム)34と、付勢された軸部235と当接する規制部411とを有し、キー23Lは、第1方向の他端側に位置し、第3方向に沿って延出する軸部234を有し、リアケース22は、軸部234を挟み、当該軸部234の第2方向への移動を案内するガイド部54と、付勢された軸部234と当接する規制部55とを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作装置及び携帯情報端末に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、据置型のゲーム機や、PC(Personal Computer)等に接続される操作装置(コントローラー)が知られている。また、所定の情報を処理する端末装置と操作装置とを一体化した携帯情報端末が知られている。このような操作装置には、入力操作を行うためのキーが複数配設されている。しかしながら、操作装置は、使用者の両手で把持されて使用されることが多いため、必然的に入力可能なキーの数及び配置は限られたものとなる。このような操作装置の正面部には、左側に左手の親指で押下される方向キーが配置され、右側に右手の親指で押下される独立した複数のキーが配置されることが多い。
【0003】
近年、複雑な入力操作を要求されるゲーム等のアプリケーションが多数開発されており、操作装置に配設されるキーの増加が要望されていた。このような要望に対して、操作装置を把持した際の上面部に、一対のキーを配設した携帯型電子機器が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1に記載の携帯型電子機器は、正面部及び背面部と、これらを接続する側面部とを有し、当該機器を把持した際に上側に位置する側面部(上面)の左右両端部に、主に左右の人差し指により入力されるキーがそれぞれ配設されている。これらキーは、筐体の上面に沿って延出する受け部分にキーの一端が係合し、当該キーに近接する筐体の側面に形成された受け部分に他端が係合する。
【0004】
詳述すると、キーの一端には、上面側の受け部分に当接する係止手段が設けられ、当該係止手段は、受け部分に当接することで当該キーの上方への飛び出しを規制するとともに、当該キーの他端側が押下されて回動する際の支点となる。一方、キーの他端には、側面側の受け部分に当接する係止手段が設けられ、当該係止手段は、同様に、キーの飛び出しを規制するとともに、当該キーの一端側が押下されて回動する際の支点となる。
このようなキーは、一端側、他端側及び中央のどの位置が押下された場合でも、下方に配置された通電部材とスイッチ接点とを電気的に接続できるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許出願公開第2005/0247550号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
近年、携帯性の向上等のために、筐体を小型化する要望が高まっている。これに対し、筐体を小型化すると、使用者の持ち方、及び、使用者の手(指)の大きさ等によって、キーの押下位置が変化してしまう。このため、キーのどの位置が押下された場合でも、キーを適切に突没させて、当該キーの入力を検出できる構成が要望されている。
【0007】
本発明の目的は、キーを確実に入力することができる操作装置及び携帯情報端末を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記した目的を達成するために、本発明の操作装置は、少なくとも1つのキーが突没自在に設けられた筐体を有する操作装置であって、前記キーは、第1方向に長い横長形状に形成された本体部と、前記本体部における前記第1方向の一端側に位置し、前記第1方向及び前記筐体からの当該キーの突出方向である第2方向のそれぞれに略直交する第3方向に沿って延出する第1軸部とを有し、前記筐体は、前記キーを前記第2方向に付勢する付勢部材と、前記第1軸部に対して前記第2方向側に位置し、前記付勢部材により付勢された前記第1軸部と当接する第1規制部とを有し、前記キー及び前記筐体のいずれか一方は、前記第1方向の他端側に位置し、かつ、前記第3方向に沿って延出する第2軸部を有し、他方は、前記第2軸部の端部を挟み、かつ、当該第2軸部の前記第2方向への移動を案内するガイド部と、前記付勢部材により付勢された前記第2軸部と当接する第2規制部とを有することを特徴とする。
【0009】
なお、長手方向となる第1方向のキーの寸法としては、使用者の指により当該第1方向における一方の端部が押下された際に、当該キー全体が筐体内に没入するのではなく、他方の端部側を支点としてキーが回動して、当該一方の端部側が筐体内に没入する程度の寸法とすることができる。このような寸法として、例えば、使用者の手の指先から第1関節(遠位指節間関節)までの寸法、或いは、それ以上の寸法とすることができる。
【0010】
本発明によれば、キーが押下されていない場合では、付勢部材の付勢力による第2方向への第1軸部の移動が、第1規制部及び第2規制部により規制されるので、筐体からのキーの脱落を防止することができる。
一方、本体部における第1方向(長手方向)の略中央が押下された場合では、キーはガイド部及び第2軸部により案内され、付勢部材の付勢力に抗しつつ押下方向に沿って筐体内に没入する。この際、ガイド部は、第2軸部の端部を挟んでいるので、キーの突没時における第1方向へのキーの揺動を抑制することができる。
【0011】
他方、本体部における第1方向の一端側が押下された場合では、付勢部材により付勢されて第2規制部に当接している第2軸部を支点として、キーは押下方向に回動する。また、本体部における第1方向の他端側が押下された場合でも、同様に付勢されて第1規制部に当接している第1軸部を支点として、キーは押下方向に回動する。このようなキーの回動時においても、ガイド部により第1方向への第2軸部の移動が規制されるので、当該キーの突没時における第1方向への揺動を抑制することができる。
よって、キーのどの位置が押下された場合であっても、当該キーの移動に応じた第1方向への揺動を抑制することができる。また、第2軸部がガイド部により挟まれていることにより、当該第2軸部が位置する側のキーの端部は回動時に第1方向へのずれが生じないので、当該端部と筐体との間に大きなクリアランスを形成する必要がない。これにより、操作装置の小型化を図ることができる。
【0012】
更に、キーは、押下位置に応じて、押下方向への移動又は回動を行うので、どの位置が押下されてもキー全体を押下方向に移動させる長いガイドを設ける必要がない。このため、操作装置の小型化を図ることができる。
従って、キーのどの位置が押下された場合でも、当該キーの入力を確実に行うことができるほか、操作装置の小型化を図ることができる。
【0013】
本発明では、前記筐体は、前記ガイド部を有し、前記キーは、前記第2軸部を有することが好ましい。
ここで、筐体が第2軸部を有し、押下方向に移動又は回動するキーが、当該キーの移動量に応じて寸法が設定されるガイド部を有している場合を想定すると、キーが大型化するとともに、当該キーの移動範囲が大きくなる。このため、当該キーが設けられる筐体も大型化してしまう。
これに対し、本発明では、筐体がガイド部を有し、キーが第2軸部を有するので、前述の場合に比べ、キー自体の小型化を図ることができるほか、当該キーの移動範囲を小さくすることができる。従って、筐体を更に小型化することができ、ひいては、操作装置を一層小型化することができる。
【0014】
本発明では、前記筐体は、前記ガイド部及び前記第2規制部により端縁が形成され、内部に前記第2軸部が挿入される長穴を有することが好ましい。
本発明によれば、第2軸部が挿入される長穴を筐体に形成することにより、前述のガイド部及び第2規制部を構成することができるので、これらを簡易に形成することができる。また、これにより、筐体の構成を簡略化することができる。
【0015】
本発明では、前記第1規制部、前記第2規制部及び前記ガイド部の少なくともいずれかは、前記キーを挟んで、前記第3方向側及び当該第3方向側の反対側にそれぞれ設けられることが好ましい。
本発明によれば、第1規制部がキーを挟むように一対設けられている場合には、各第1規制部に第1軸部が当接するので、キーのがたつきを抑制することができるほか、キーにおける第2軸部側が押下された場合の当該キーの回動を安定化することができる。なお、第2規制部がキーを挟むように一対設けられている場合でも同様である。
また、ガイド部がキーを挟むように一対設けられている場合には、当該各ガイド部により、第2方向への第2軸部の移動を安定化することができる。
従って、キーの動作を安定化することができる。
【0016】
本発明では、前記第1規制部は、前記筐体の内面から前記第1方向に沿って起立し、当該筐体と一体的に形成されていることが好ましい。
本発明によれば、射出成形等により、第1規制部を筐体に一体形成することができるので、当該第1規制部を簡易に形成することができるほか、筐体の構成を簡略化することができる。また、第1規制部が、第1方向に沿って延出して形成されているので、キーの他端側が押下されてキーが回動する際に、第1方向にずれる第1軸部が、当該第1規制部から外れることを防ぐことができる。従って、キーの回動を円滑に行うことができる。
【0017】
本発明では、前記筐体は、正面部と、背面部と、当該正面部及び背面部を接続する側面部とを備え、正面視略長円形状を有する略扁平状に形成され、前記キーは、前記側面部のうち、前記筐体が把持された際の上方に位置する側面部における左右方向の少なくとも一方の端部に、前記第1方向と左右方向とが略一致するように配置されることが好ましい。
【0018】
このような操作装置の寸法としては、少なくとも片手で把持される程度の寸法であることが好ましい。
本発明によれば、筐体が正面視略長円形状を有する略扁平状に形成されていることにより、使用者は、筐体における左右の両側面部のうちの少なくとも一方の側面部に、指(例えば、人差し指)を沿わせるようにして把持することができるので、当該筐体を把持しやすくすることができる。また、このようにして筐体を把持した場合、当該指は左右の少なくともいずれかの側面部と、上方に位置する側面部である上面部とに跨るように位置するため、指先は、上面部における左右の少なくとも一方の端部近傍に位置する。このような上面部における左右方向の少なくとも一方の端部に、当該左右方向と第1方向とが一致するように前述のキーが配置されていることにより、当該キーを押下しやすくすることができる。また、これにより、キーに対する指のかかり具合に依らずに、キーを確実に入力することができる。従って、操作装置の操作性を向上することができる。
【0019】
本発明では、前記第2軸部は、前記上方に位置する側面部における中央寄りの位置に配置されることが好ましい。
本発明によれば、上方に位置する側面部における中央寄りの位置に配置される第2軸部は、ガイド部により挟まれているので、前述のように、キーの移動時及び回動時においては第1方向にほぼ移動しない。これによれば、当該第2軸部側のキーの端部と筐体とのクリアランスを小さくすることができる。従って、当該側面部の寸法を小さくすることができるので、操作装置の更なる小型化を図ることができる。
【0020】
本発明では、前記キーは、前記上方に位置する側面部と、当該側面部に連続する他の前記側面部とに跨って配置され、前記キーの上面は、前記上方に位置する側面部に沿う第1面と、前記他の側面部に沿う第2面とを有することが好ましい。
本発明によれば、キーが上方に位置する側面部である上面部と、当該上面部に連続する他の側面部とに跨るように配置され、当該キーの上面、すなわち、使用者の指がかかるキーの面が、上面部に沿う第1面と、当該他の側面部に沿う第2面とを有することにより、筐体を把持する前述の指をキーに容易に沿わせることができる。従って、キーを押下しやすくすることができ、操作装置の操作性を一層向上することができる。更に、筐体外部に露出するキーの形状が、当該筐体の形状に沿うこととなるので、操作装置の外観を良好にすることができる。
【0021】
また、本発明の携帯情報端末は、前述の操作装置を備えることを特徴とする。
本発明によれば、前述の操作装置と同様の効果を奏することができ、キーの動作が安定化されるので、当該キーを確実に入力することができ、小型化を図ることができる携帯情報端末を構成することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、押下に伴うキーの揺動を抑制することができるので、キーの動作を安定化することができるほか、小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の一実施形態に係る携帯情報端末を正面側から見た図。
【図2】前記実施形態における携帯情報端末を正面側から見た図。
【図3】前記実施形態における携帯情報端末を上方から見た図。
【図4】前記実施形態における携帯情報端末を下方から見た図。
【図5】前記実施形態における携帯情報端末を左側から見た図。
【図6】前記実施形態における携帯情報端末を右側から見た図。
【図7】前記実施形態における携帯情報端末を背面側から見た図。
【図8】前記実施形態における携帯情報端末の縦断面を示す図。
【図9】前記実施形態におけるキーを背面側から見た斜視図。
【図10】前記実施形態におけるキー及び設置部を正面側から見た斜視図。
【図11】前記実施形態におけるキー及び設置部を背面側から見た斜視図。
【図12】前記実施形態におけるキー及び設置部を背面側から見た図。
【図13】前記実施形態における保持部材を取り外した状態のキー及び設置部を背面側から見た図。
【図14】前記実施形態における略中央が押下された際のキーを背面側から見た図。
【図15】前記実施形態における左側が押下された際のキーを背面側から見た図。
【図16】前記実施形態における右側が押下された際のキーを背面側から見た図。
【図17】前記実施形態における接点基板を示す平面図。
【図18】本発明の第2実施形態に係る携帯情報端末の接点基板を示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
〔1.第1実施形態〕
以下、本発明の第1実施形態を、図面に基づいて説明する。
〔携帯情報端末の外観構成〕
図1及び図2は、本実施形態に係る携帯情報端末1を正面側から見た図である。このうち、図2は、図1の状態から携帯情報端末1を構成するフロントケース21をリアケース22に対して上方にスライドさせた状態を示す図である。
本実施形態に係る携帯情報端末1は、本発明の操作装置及び携帯情報端末に相当し、装着されたメモリーカード等の記憶媒体に記憶されたプログラム及びデータ、並びに、サーバー等の外部機器と通信して取得したプログラム及びデータを処理するものであり、例えば、ゲームプログラム、画像データ及び音声データを処理する。このような携帯情報端末1は、図1及び図2に示すように、外装ケース2と、当該外装ケース2内に収納され、前述の処理を実行する端末本体3(図8)を備えている。
【0025】
外装ケース2は、携帯情報端末1を把持する使用者にとっての手前側(正面側)に位置するフロントケース21と、当該フロントケース21の背面側に位置するリアケース22とを備えており、これらのうち、リアケース22は、本発明の筐体に相当する。
これらフロントケース21及びリアケース22は、それぞれ、正面側(使用者に対向する側)から見た場合、左右方向(図1及び図2における左右方向)に長い長方形における左右の両端縁を円弧状に膨出させた正面視略長円形状を有し、フロントケース21に対してリアケース22が僅かに大きく形成されている。具体的に、リアケース22は、フロントケース21寄りの外縁を覆う金属製の枠体220を備え、当該枠体220の寸法分だけ、当該リアケース22は、フロントケース21より大きい。そして、これら各ケース21,22は、それぞれ略扁平状に形成され、一方に対して他方が上下方向にスライド自在に構成されている。なお、これら各ケース21,22は、本実施形態では、合成樹脂により形成されているが、金属により形成してもよい。
【0026】
このうち、フロントケース21の上面部21B(図3)、下面部21C(図4)、左側面部21D(図5)及び右側面部21E(図6)は、リアケース22から離間する方向に向かうに従って、当該フロントケース21の中央に近接する方向に傾斜(湾曲)している。このため、図3〜図6に示すように、フロントケース21は、縦断面視及び横断面視略台形状に形成されている。
【0027】
〔正面部の構成〕
フロントケース21の正面部21Aにおける略中央には、図1及び図2に示すように、当該ケース21内に収納され、かつ、液晶パネルにより構成された表示部211が配置されている。この表示部211に応じたフロントケース21の領域には、透光部21A1が形成されている。このため、使用者は、透光部21A1を介して、表示部211に表示された画像を観察する。なお、表示部211は、液晶パネルに代えて、有機EL(Electro-Luminescence)等の他の表示手段を採用してもよい。
【0028】
透光部21A1の左右には、同様に、フロントケース21内に収納されたスピーカー(図示省略)からの音声が出力される一対の音声出力口21A2が形成されている。
これら音声出力口21A2の上方には、左右にそれぞれインジケーター21A3,21A4が配置されている。このうち、左側のインジケーター21A3は、後述する無線モジュールによる通信状態を示すものであり、右側のインジケーター21A4は、端末本体3のBluetooth(登録商標)による通信状態を示すものである。これら各インジケーター21A3,21A4は、それぞれLED(Light Emitting Diode)により構成されている。
また、正面部21Aにおける左側で、かつ、左側の音声出力口21A2の下方には、奥行き方向に向かって押下可能なキー21A5が設けられている。このキー21A5は、実行中のプログラムを切り替えるための「HOME」キーである。
【0029】
リアケース22の正面部22Aにおける当該ケース22に対してフロントケース21を上方にスライドさせた際に露出する領域には、図2に示すように、左側に上下左右及び斜方の8方向に入力可能な方向キー22A1が配置され、右側に菱形の頂点にそれぞれ位置する4つのキー22A2が配設されている。更に、これら方向キー22A1及びキー22A2に挟まれるように、正面部22Aに沿って摺動可能に構成され、かつ、摺動方向を検出するアナログデバイス22A3が左側に配置され、上下に並列配置された半円形状の一対のキー22A4,22A5が右側に配置されている。これらキー22A4,22A5は、それぞれゲームプログラム等の実行中に利用される「SELECT」キー及び「START」キーである。
【0030】
また、正面部22Aの左側端部には、ストラップ(図示省略)を取り付けるための取付口22A6が形成されている。この取付口22A6は、前述の枠体220に形成されている。
更に、正面部22Aにおける左右両端で、上下方向における略中央には、一対のインジケーター22A7,22A8が配置されている。このうち、左側のインジケーター22A7は、後述する挿抜口22D1(図5)を介して端末本体3に装着されたメモリーカード(図示省略)に対するデータの読取/記録状態を示すものであり、右側のインジケーター22A8は、携帯情報端末1の電源のオン/オフ状態を示すものであり、LEDにより構成されている。これらインジケーター22A7,22A8は、図1に示すように、それぞれ、正面部22Aにおけるフロントケース21と重ならない位置に配置されている。このため、フロントケース21とリアケース22とを重ね合わせた状態でも、各インジケーター22A7,22A8の点灯状態を確認することができる。
【0031】
〔上面部の構成〕
図3は、携帯情報端末1を上方から見た図である。
リアケース22の上面部22Bには、図3に示すように、左右方向の両端に一対のLRキー23(上面部22Bにおける左側のキーを23Lとし、右側のキーを23Rとする)が配置されている。これらキー23L,23Rは、略L字状に形成されており、これらのうちの一辺が上面部22Bに沿い、他辺がそれぞれ左側面部22D及び右側面部22Eに沿うように形成されている。すなわち、キー23L,23Rは、上面部22Bと、左右の両側面部22D,22Eとに跨るように配置される。
また、上面部22Bの略中央には、前述のスピーカーにより出力される音声の音量を増減させるための一対の音量調節キー22B1が設けられている。更に、キー23Lと音量調節キー22B1との間、及び、当該音量調節キー22B1とキー23Rとの間にも、それぞれキー22B2,22B3が設けられている。
【0032】
更に、上面部22Bは、左側端部に、キー23Lの一端が挿入され、かつ、一部が左側面部22Dに跨るように形成された開口部22B4(図7及び図8)と、開口部22B4に応じて形成され、当該開口部22B4の背面側に位置する段差部22B5とを有している。また、上面部22Bは、同様に右側端部に、同様にキー23Rの一端が挿入され、かつ、一部が右側面部22Eに跨るように形成された開口部22B4(図7及び図8)と、同様に当該開口部22B4に応じて形成され、当該開口部22B4の背面側に位置する段差部22B5とを有している。なお、キー23L,23R、開口部22B4及び段差部22B5については、後に詳述する。
【0033】
〔下面部の構成〕
図4は、携帯情報端末1を下方から見た図である。
リアケース22の下面部22Cにおける左側には、図4に示すように、ヘッドホンを接続するためのイヤホンジャックにより構成された端子22C1が設けられ、右側には、外部機器としてのクレードル(図示省略)と接続するための端子22C2が設けられている。このような下面部22C及び下面部21Cは、それぞれ略平坦に形成されている。
なお、下面部21Cの下端と、下面部22Cとの位置関係については、後に詳述する。
【0034】
〔左側面部の構成〕
図5は、携帯情報端末1を左側から見た図である。
リアケース22の左側面部22Dの上端は、前述のキー23Lの一部により覆われている。この左側面部22Dにおける上方には、メモリーカード(図示省略)を挿抜するための挿抜口22D1が形成されている。この挿抜口22D1には、当該挿抜口22D1を閉塞するカバー22D2が取り付けられる。加えて、左側面部22Dにおける下方には、左側面部22Dに沿って摺動自在に設けられたキー22D3が配置されている。このキー22D3は、端末本体3(図8)が有する無線モジュールのオン/オフ状態を切り替えるためのキーである。
【0035】
なお、図5に示すように、リアケース22から離間するに従って中央に近接する方向に傾斜する下面部21Cにおける下端は、フロントケース21の背面部21Fに対して略直交するリアケース22の下面部22Cに対して、前述の枠体220の分だけ僅かに上方に位置している。このため、下面部22Cに沿わせた指をフロントケース21側に移動させることで、当該指を下面部21Cに掛けることができ、下面部21C、ひいては、フロントケース21を容易に上方に向かってスライドさせることができる。
【0036】
〔右側面部の構成〕
図6は、携帯情報端末1を右側から見た図である。なお、図6では、リアケース22に対してフロントケース21を上方にスライドさせている。
リアケース22の右側面部22Eの上端は、左側面部22Dと同様に、前述のキー23Rの一部により覆われている。この右側面部22Eの下方には、当該右側面部22Eに沿って摺動自在に設けられた電源キー22E1が配置されている。このキー22E1を上方にスライドさせることで、携帯情報端末1の電源がオンされ、再度、上方にスライドさせることで電源がオフされる。また、当該キー22E1を下方にスライドさせると、他のキーの入力がキャンセルされるホールド状態に切り替えることができる。
【0037】
〔背面部の構成〕
図7は、リアケース22に対してフロントケース21を上方にスライドさせた状態の携帯情報端末1を背面側から見た図である。
フロントケース21の背面部21Fは、内側に窪んでおり、リアケース22の正面部22Aに配置された各キー22A1〜22A4を押圧しないように形成されている。この背面部21Fの略中央には、前述の表示部211を駆動させる回路基板(図示省略)が収納される収納部21F1が形成されている。この回路基板は、リアケース22内に収納される端末本体3(図8)と電気的に接続され、当該端末本体3から出力される画像信号に応じて表示部211を駆動させ、当該画像信号に応じた画像を表示させる。
【0038】
リアケース22の背面部22Fにおける略中央には、左右に一対の脚部22F1が設けられている。これら一対の脚部22F1は、それぞれ互いに向かい合わせとなる略円弧状の合成樹脂により形成されている。これら脚部22F1は、背面部22Fを設置面に対向させるようにして携帯情報端末1を配置した際に、当該設置面に外装ケース2の背面が直接接触しないようにするほか、携帯情報端末1を把持しやすくさせるためのものである。
【0039】
具体的に、携帯情報端末1を把持する際には、左右の人差し指は、上面部22B及び両側面部22D,22Eに沿うように位置し、左右の中指及び薬指は、背面部22Fに沿うように位置する。この際、当該背面部22Fにおける略中央に、前述の略円弧状の脚部22F1が、当該背面部22Fから突出するように設けられていることにより、当該脚部22F1に中指及び薬指の各指先を掛けることができる。これによれば、携帯情報端末1を把持した際のホールド感を生じさせることができ、持ちやすさ及び把持時の安定性を向上することができる。
【0040】
〔LRキーの配置位置〕
LRキー23(23L,23R)は、前述のように、上面部22Bの左右両端部にそれぞれ設けられている。この上面部22Bの左右両端部には、図7に示すように、キー23の後述する本体部231の一端が挿通される開口部22B4がそれぞれ形成されている。これら開口部22B4の一部は、前述のように、開口部22B4に近い側面部22D,22Eに跨っている。
これら開口部22B4の背面側には、前述のように、当該開口部22B4の位置に応じて、リアケース22の内側に向かって凹んだ段差部22B5がそれぞれ形成されている。この段差部22B5の上端は、前述の音量調節キー22B1等が配置される上面部22B及び各側面部22D,22Eより低い位置(リアケース22における中央寄りの位置)となっている。そして、これら段差部22B5の上端面は、キー23L,23Rの後述する延出部232により覆われる。
【0041】
〔LRキーの構成〕
図8は、携帯情報端末1の一部(特にキー23L)を示す縦断面図である。
キー23Lは、図8に示すように、リアケース22内に収納された端末本体3を構成する制御基板31とFPC(Flexible Printed Circuits)32を介して電気的に接続された接点基板33を、接点ゴム34を介して押圧する。具体的に、キー23Lが使用者により押下されると、当該キー23Lの一端が係合する接点ゴム34の可撓性を有する脚部341が、キー23Lの押下方向に座屈し、当該脚部341の内側に設けられた押圧部342が接点基板33を押圧する。これにより、接点基板33を構成する接点332,333(図16参照)が電気的に導通し、制御基板31にキー23Lが押下されたことを示す電気信号が出力される。
【0042】
一方、キー23Lの押下が解除されると、脚部341の座屈が解消されることにより、キー23Lが押し上げられて、図8に示す状態に戻る。すなわち、接点ゴム34は、キー23Lを押し上げる方向に付勢する付勢部材としても機能する。
なお、接点ゴム34は、接点基板33上に固定され、当該接点基板33は、リアケース22内に形成された台座部43に固定されている。また、制御基板31は、リアケース22に図示しない固定部材により固定されている。
【0043】
このようなキー23Lが挿通する開口部22B4は、上面部22Bにおいてリアケース22の厚さ方向(図8における左右方向)の中央を含むように開口している。なお、本実施形態では、開口部22B4の厚さ方向における中心位置は、リアケース22の厚さ方向の略中央に設定されている。
また、当該開口部22B4の厚さ方向の寸法は、リアケース22の厚さ方向の寸法より小さく、詳述すると、当該リアケース22の厚さ方向の寸法の1/2以下(本実施形態では、略1/3)に設定されている。換言すると、当該開口部22B4の厚さ方向の寸法は、段差部22B5の上端面における厚さ方向の寸法と略一致し、キー23Lの後述する上面23Aの厚さ方向の寸法の略1/2に設定されている。
【0044】
また、開口部22B4の端縁を形成する正面側の端面22B6(枠体220の背面側の端面22B6)は平坦面であり、当該端面22B6は、開口部22B4を挿通するキー23Lの突没時のガイド面となる。詳述すると、端面22B6の下端(図8における下方の端部)は、キー23Lの後述する面231Aの下端と略一致し、端面22B6の高さ方向の寸法(図8における上下方向の寸法)は、当該面231Aの上下方向の寸法に応じて設定されている。これにより、キー23Lの突没が、端面22B6により案内され、適切に行われる。なお、詳しくは後述するが、本実施形態では、端面22B6は、面231Aより僅かに小さく形成され、これにより、キー23Lの上面23Aが、上面部22B(枠体220の上面)より上方に突出する。
【0045】
このようなキー23Lは、本体部231と、当該本体部231から延出する延出部232とを有する断面視略L字状に形成されている。
本体部231は、下端が開口部22B4を挿通し、上端がリアケース22の外部に露出して、キー23Lの押下時に、リアケース22に対して突没する部位である。この本体部231が挿通する開口部22B4は、前述のように、上面部22Bにおける厚さ方向の略中央に中心を有するので、当該本体部231は、上面部22Bにおける厚さ方向の略中央に配置される。このような本体部231における正面側の面231Aは平坦に形成され、当該キー23Lの突没は、当該正面側の面231Aに対向する端面22B6により案内される。そして、本体部231の厚さ方向の寸法は、前述の開口部22B4の厚さ方向の寸法から僅かなクリアランスを引いた寸法に設定されている。
【0046】
この本体部231の下端には、前述の接点ゴム34を押圧する押圧部233が形成されている。この押圧部233には、押圧部342に応じた位置に形成された接点ゴム34の突出部343が嵌合される穴部2331が形成されており、これによりキー23Lと接点ゴム34とは連結される。また、押圧部233は、当該押圧部233から背面側に向かって突出する突出部2332が形成されている。この突出部2332の先端部分は、開口部22B4外へのキー23Lの脱落を防ぐために、当該開口部22B4の端縁より背面側に位置している。しかしながら、当該先端部分は、延出部232の延出方向の先端部分より正面側に位置している。これにより、キー23Lの突没が背面部22Fの内面に当接するなどして妨げられることを防ぐことができるほか、リアケース22の厚さ方向の寸法を小さくすることができる。
なお、突出部2332の上端面は、本体部231に対して傾斜し、下端面は、本体部231に略直交する。このため、突出部2332は、突出方向に向かうに従って、上下方向の寸法が小さくなるテーパー状を有している。
【0047】
延出部232は、本体部231における押圧部233とは反対側の端部から、上面部22Bに沿って背面側に延出し、段差部22B5の上端面を覆うように形成されている。この延出部232の本体部231からの延出寸法は、開口部22B4の前述の厚さ方向の寸法より大きく形成されている。この延出部232における本体部231からの延出方向先端側の端部は、背面部22Fより正面部22A側に位置している。すなわち、当該端部は、前述の脚部22F1が設置面に接するように携帯情報端末1を配置した際に、当該設置面に当接しないように形成されている。
【0048】
また、延出部232の下面232Aは、本体部231の背面側の面に対する略直交方向に延びる面である。更に、下面232Aは、当該下面232Aが対向する段差部22B5の上面、及び、開口部22B4の端縁に応じた形状を有し、下面232Aと段差部22B5の上面とは略平行となる。このため、当該段差部22B5が、押下時のキー23Lの没入を妨げることがなく、当該キー23Lの突没を適切に行うことができる。
【0049】
このようなキー23Lの上面23Aは、本体部231の上面と、当該上面に連続する延出部232の上面とにより形成されている。そして、使用者の指が接触する当該上面23Aは、上面部22Bより外側(上方)に位置している。しかしながら、当該上面23Aは、背面側に向かうに従って、上面部22B(段差部22B5)に近接する方向に傾斜している。このため、上面23Aは、各ケース21,22が互いに重なる状態(図1及び図5に示す状態)では、フロントケース21の上面部21Bに沿う略湾曲状を有している。
【0050】
このような上面23Aは、本体部231に対して傾斜するように形成されているのに対し、延出部232の下面232Aは、前述のように、本体部231に対して略直交する。このため、延出部232は、延出方向先端に向かうに従って、上下方向の寸法が小さくなるテーパー状を有している。
そして、上面23Aの厚さ方向の寸法は、開口部22B4の厚さ方向の寸法より大きく設定され、詳述すると、上面23Aの厚さ方向の寸法は、当該開口部22B4及び段差部22B5の厚さ方向の寸法を合算した寸法と略一致するように設定されている。このため、上面23Aの厚さ方向の寸法は、開口部22B4の厚さ方向の寸法の略2倍となり、延出部232が形成されていないキーを用いた場合に比べ、上面23Aの面積を拡大することができ、使用者の指がかかる面積を拡大することができる。
【0051】
更に、延出部232の延出方向が背面側であり、前述のように、開口部22B4が上面
部22Bの厚さ方向の中央を含んで開口し、かつ、当該開口部22B4の厚さ方向の寸法が、リアケース22の厚さ方向の寸法の1/2以下(本実施形態では略1/3)であるので、キー23Lとフロントケース21との間には、上面部22Bにおける正面側の寸法(枠体220の厚さ方向の寸法)に応じたクリアランスが確保される。これによれば、キー23Lを操作(押下)する指が、フロントケース21に干渉することを抑制ことができる。従って、キー23Lの操作性を向上することができる。
【0052】
図9は、キー23Lを背面側から見た斜視図である。
以下、キー23Lについて詳述する。
キー23Lは、前述のように、前述の本体部231、延出部232及び押圧部233を備えるほか、図9に示すように、軸部234,235と、突出部236とを備えている。そして、キー23Lは、全体として左右方向(左方向を示す図9におけるS1方向及び当該S1方向の反対方向であり、本発明の第1方向)に長い横長形状を有するとともに、正面視及び縦断面略L字状を有する合成樹脂製の一体成形品として形成されている。このため、前述の上面23Aは、後述する設置部4に設置された際に、上面部22Bに沿う面23A1と、左側面部22Dに沿う面23A2とにより形成される。これら面23A1,23A2は、本発明の第1面及び第2面に、それぞれ相当する。
【0053】
軸部234は、本発明の第2軸部に相当し、また、軸部235は、本発明の第1軸部に相当する。これら軸部234,235は、前述の押圧部233を挟むように、本体部231の左右両端から正面側及び背面側に突出しており、それぞれ略円筒状に形成されている。これら軸部234,235は、リアケース22の後述する設置部4にキー23Lが設置された際に、左右方向(本発明の第1方向)と、キー23Lの突出方向である上方向(図9におけるS2方向であり、本発明の第2方向)とにそれぞれ直交する方向(背面側に向かう方向を示す図9におけるS3方向及び当該S3方向の反対方向であり、本発明の第3方向)に沿って延出する。
【0054】
これらのうち、右側に形成された軸部234は、キー23Lの左側が押下された際に当該キー23Lの回動軸となる。
また、左側に形成された軸部235は、キー23Lの右側が押下された際に当該キー23Lの回動軸となる。なお、このようなキー23Lの回動については、後に詳述する。
【0055】
突出部236は、軸部235の更に外側(軸部234から離間する側)に、本体部231から下方に突出するように形成されている。このような突出部236は、キー23Lの右側(軸部234側)の端部が押下された際にリアケース22(側面部22Dの内面)と係合して、当該キー23Lの不要な回動を規制するほか、開口部22B4を介してリアケース22内部が視認されてしまうことを防ぐためのものである。
【0056】
〔設置部の構成〕
図10〜図13は、キー23L及び当該キー23Lが設置される設置部4を示す図である。具体的に、図10及び図11は、キー23L及び設置部4をそれぞれ正面側及び背面側から見た斜視図であり、図12は、これらを背面側から見た図である。また、図13は、図12に示した状態から、保持部材5を取り外した状態を背面側から見た図である。なお、図10以降の図に示されるS1〜S3方向は、前述のS1〜S3方向とそれぞれ同方向である。
リアケース22は、前述のキー23Lが設置される設置部4と、キー23Rが設置される設置部(図示省略)とを備える。
このうち、設置部4は、図10〜図13に示すように、左側に位置する起立部41(図10及び図12),42(図13)と、中央に位置する台座部43(図10〜図12)と、当該台座部43の下方に形成されたボス44,45(図11及び図13)と、長穴46(図13)と、ボス44に固定され、設置部4の右側に配置される保持部材5(図10〜図12)とを備える。
【0057】
起立部41は、図10及び図12に示すように、背面部22Fの内面から面外方向(背面側)に起立して形成されている。この起立部41は、S1方向に沿って延出する一対の規制部411,412により構成されている。そして、キー23Lが設置部4に設置された際には、当該規制部411,412間に、軸部235が配置される。
【0058】
これらのうち、規制部411は、本発明の第1規制部に相当する。この起立部411には、キー23Lが押下されていない状態では、接点ゴム34により上方(S2方向)に付勢されたキー23Lの軸部235が当接し、設置部4からのキー23Lの脱落が防止される。
また、規制部412には、キー23Lの略中央及び左側が押下された際に軸部235が当接し、当該キー23Lの必要以上の移動が規制される。
【0059】
起立部42は、キー23Lを挟んで、起立部41とは反対側に位置する。具体的に、起立部41が背面部22Fに形成されているのに対し、起立部42は、図13に示すように、正面部22Aの内面に一体的に形成されている。この起立部42は、当該内面から面外方向に延出する一対の規制部421,422により構成されている。
規制部421は、本発明の第1規制部に相当し、左右方向(S1方向)に沿って延出し、起立部422は、略逆T字状に形成されている。そして、これら規制部421,422は、それぞれ規制部411,412に対応する位置に形成され、当該規制部411,412と同様に機能する。
台座部43は、図10〜図13に示すように、左右方向に沿う平板状に、正面部22Aの内面から面外方向に突出して形成されている。この台座部43の上面には、前述の接点基板33及び接点ゴム34が配置される。
【0060】
ボス44,45は、図13に示すように、正面部22Aの内面にそれぞれ略円筒状に突設され、保持部材5を正面部22Aの内面に取り付けるための構成である。
このうち、ボス44は、背面側に向かって開口したねじ孔441を有し、当該ねじ孔441には、保持部材5を固定するねじ47(図11及び図12)が背面側から螺合する。
ボス45は、ボス44に比べて小さな外径寸法を有し、保持部材5に形成された孔部52を挿通して、当該保持部材5を位置決めする。
【0061】
長穴46は、図13に示すように、正面部22Aの内面に形成され、内部に軸部234が挿入される。この長穴46は、S2方向にそれぞれ延出するガイド部461と、それぞれS1方向に延出し、ガイド部461のS2方向先端側及び基端側を接続する規制部462,463とにより端縁が形成されている。
これらのうち、軸部234を挟むガイド部461は、当該軸部234のS2方向に沿う移動を案内するとともに、S1方向への移動を規制する。
また、規制部462,463は、軸部234の移動範囲を設定し、S2方向先端側の規制部462は、接点ゴム34の付勢力によりS2方向に移動する軸部234が当接することにより、キー23Lのリアケース22からの飛び出しを規制する。このような規制部462は、本発明の第2規制部に相当する。
【0062】
〔保持部材の構成〕
保持部材5は、背面側から見て略L字状に形成された合成樹脂又は金属により形成された部材であり、キー23Lのリアケース22外への脱落を規制するほか、当該キー23Lの突没を案内する。この保持部材5は、図10〜図12に示すように、孔部51,52と、ガイド部54及び規制部55,56により端縁が形成される長孔53とを有する。
孔部51は、保持部材5の左端部に位置し、背面側より正面側の内径が小さくなるように形成されている。この孔部51には、ボス44(図11)に保持部材5を固定する前述のねじ47が挿通する。
孔部52には、保持部材5を位置決めボス45(図11及び図12)が挿通する。
【0063】
長孔53は、長穴46とともに、本発明の長穴に相当する。この長孔53は、略矩形状に形成されており、当該長孔53には、軸部234が挿通する。この長孔53の左右の端縁を形成するガイド部54は、上下方向(キー23Lが突没する方向)に沿って形成されている。これらガイド部54間の距離は、軸部234の外径寸法に、所定のクリアランスを加えた寸法程度に設定されている。そして、ガイド部54は、キー23Lの略中央及び右端が押下された際に、軸部234のS2方向とは反対方向への移動を案内するほか、当該軸部234のS1方向への移動を規制する。
【0064】
長孔53の上下の端縁を形成する規制部55,56のうち、軸部234の上方に位置する規制部55は、本発明の第2規制部に相当する。
この規制部55には、キー23Lが押下されていない状態では、前述の接点ゴム34の付勢力により上方に押し上げられた軸部234が当接し、前述の規制部462と同様に、当該キー23Lの必要以上の突出、及び、設置部4からのキー23Lの脱落を規制する。
また、規制部56には、キー23Lの中央近傍及び右端が押下され、当該キー23Lが移動した際に軸部234が当接して、当該キー23Lの必要以上の移動を規制する。
【0065】
〔押下時のキーの動作〕
以下、キー23Lが押下された際の当該キー23Lの動作について説明する。
図14は、上面23Aの中央が押下された際のキー23Lを背面側から見た図である。
図12に示した状態(非押下状態)から、上面23Aの左右方向における中央が押下されると、図14に示すように、キー23L全体が押下方向に移動する。この際、軸部234は、規制部462及び規制部55に当接した状態から、ガイド部461及びガイド部54に沿って下方に移動する。また、軸部235は、規制部411,421に当接した状態から下方に移動する。このようなキー23Lの移動により、押圧部233が接点ゴム34を介して接点基板33を押圧する。
なお、この状態でキー23Lへの押下を解除すると、接点ゴム34の付勢力により、キー23Lが押し上げられ、当該キー23Lは、非押下状態に戻る。
【0066】
図15は、上面23Aの左側(図15における右側)が押下された際のキー23Lを背面側から見た図である。
図12に示した状態から、上面23Aの左側が押下されると、図15に示すように、キー23Lは、接点ゴム34の付勢力により規制部462,55に当接した状態の軸部234を中心として押下方向に回動し、押圧部233が、接点ゴム34を介して接点基板33を押圧する。この際、軸部234は、ガイド部461,54により左右方向の移動が規制されているため、当該軸部234は、下方にも左右にも移動しないが、規制部411,421に当接していた軸部235は、略円弧状の軌跡を描きつつ下方に移動する。
なお、この状態でキー23Lへの押下を解除すると、接点ゴム34の付勢力により、軸部235側も押し上げられるため、当該キー23Lは、非押下状態に戻る。
【0067】
図16は、上面23Aの右側(図16における左側)が押下された際のキー23Lを背面側から見た図である。
図12に示した状態から、上面23Aの右側が押下されると、図16に示すように、キー23Lは、接点ゴム34の付勢力により規制部411,421に当接した状態の軸部235を中心として押下方向に回動し、押圧部233が、接点ゴム34を介して接点基板33を押圧する。この際、軸部234は、ガイド部461,54により左右への動きが規制されているが、軸部235の左右方向の移動は規制されていないので、当該軸部234のガイド部461,54に沿った下方への移動に伴って、軸部235が、規制部411,421に当接した状態のまま、軸部234から離間する方向(左方向)にずれる。このため、キー23Lの右側が押下された状態でも、当該キー23Lの回動が滞りなく行われる。
なお、この状態でキー23Lへの押下を解除すると、接点ゴム34の付勢力により、軸部234側も押し上げられ、これに伴って、軸部235が規制部411,421に当接したまま、軸部234に近接する方向に移動する。これにより、キー23Lは、非押下状態に戻る。
【0068】
〔接点基板の構成〕
図16は、接点基板33を示す平面図である。
接点基板33は、前述のように、接点ゴム34を介してキー23Lにより押圧され、当該キー23Lの入力を検出する。この接点基板33は、基板331と、当該基板331上に積層形成される第1シート、第2シート(ともに図示省略)及び第3シート335とを有し、第1シートが基板331上に形成され、第3シート335が接点基板33の外表面を形成する。
第1シートは、互いに所定間隔を隔てて形成され、かつ、それぞれ導電性を有する第1接点332及び第2接点333を備える。これら各接点332,333は、第1シートの略中央に、一辺が基板331の長手方向に沿う平面視略L字状に形成された電極であり、FPC32を介して、制御基板31と接続される。この長手方向は、キー23Lの長手方向(左右方向)に一致する。そして、これら各接点332,333は、L字状の各辺が、それぞれ互いに略平行となり、かつ、互いに離間して形成されている。
【0069】
第2シートは、非導電性を有する合成樹脂製のシートであり、第1シートを保護するほか、前述の各接点332,333と後述する第3接点336とを離間させるスペーサーとして機能する。この第2シートには、各接点332,333における長手方向の両端近傍に対応する位置に、当該接点332,333の間に中心を有し、かつ、これら各接点332,333の外側に広がる一対の開口部334が形成されている。
【0070】
第3シート335は、導電性を有する素材(例えばカーボン)により形成された一対の第3接点336を備え、当該各第3接点336は、開口部334内に位置している。この一対の第3接点336は、第1接点332及び第2接点333に跨って形成されているが、前述の第2シートにより、接点332,333とは所定の間隔を隔てて配置されている。これら第3接点336は、キー23Lの押下時に、接点ゴム34の押圧部342により押圧され、第1接点332と第2接点333とを電気的に接続する。なお、押圧部342の中心位置は、第3接点336の中心位置と略同じ位置に設定され、また、当該押圧部342の寸法は、第3接点336の寸法より僅かに小さく設定されている。
【0071】
具体的に、キー23Lの略中央が押下された場合には、押圧部342により、各第3接点336が押圧され、これにより、当該各第3接点336を介して第1接点332と第2接点333とが電気的に接続される。
一方、キー23Lの長手方向における一方の端部が押下された場合には、当該一方の端部側の第3接点336が、押圧部342により押圧され、当該第3接点336を介して、第1接点332と第2接点333とが電気的に接続される。
このように、第1接点332と第2接点333とが、第3接点336を介して接続されると、第1接点332及び第2接点333のうちの一方に流れる電流が、他方に導通する。これにより、第1接点332及び第2接点333とFPC32を介して接続された制御基板31に、キー23Lが入力されたことを示す電気信号として当該電流が出力される。
【0072】
なお、キー23Rと、当該キー23Rに応じて設けられる設置部及び接点基板とについては、左右対称である以外は、キー23L、設置部4及び接点基板33と同様の構成であるので、これらの説明は省略する。また、キー23Rの押下時の動作についても、左右対称である点を除いてキー23Lの押下時の動作と同様であるので、説明を省略する。
【0073】
以上説明した本実施形態に係る携帯情報端末1によれば、以下の効果がある。なお、キー23Lにより奏することのできる効果は、左右対称であることを除いてキー23Lと同様の構成を有するキー23Rによっても同様に奏することができる。
キー23Lが押下されていない状態では、接点ゴム34の付勢力により、軸部234は規制部411,421に当接し、軸部235は、規制部462,55に当接するので、リアケース22からのキー23Lの脱落が防止される。
【0074】
上面23Aにおける左右方向の略中央が押下された場合、キー23Lの押下方向への移動は、軸部234を挟むガイド部461,54により案内される。この際、当該ガイド部461,54により、キー23Lの左右方向への揺動を規制することができる。また、上面23Aにおける左端側及び右端側が押下された場合でも、当該ガイド部461,54により、左右方向へのキー23Lの揺動を規制することができる。
従って、キー23Lのどの位置が押下された場合であっても、当該キー23Lの突没に応じた左右方向(S1方向)への揺動を抑制することができるので、キー23Lの入力を確実に行うことができるほか、当該キー23Lの動作を安定化することができる。更に、キー23Lは、押下位置に応じて、押下方向への移動又は回動を行うので、キー全体を押下方向に移動させるための長いガイドを設ける必要がない。このため、携帯情報端末1の小型化を図ることができる。
【0075】
設置部4に固定される保持部材5、及び、正面部22Aの内面が、それぞれガイド部54,461を有し、キー23Lが軸部234を有するので、リアケース22が軸部を有し、キー23Lがガイド部を有する場合に比べ、キー23Lの小型化を図ることができる。これにより、キー23Lの移動範囲を小さくすることができ、リアケース22の小型化を図ることができる。従って、携帯情報端末1を一層小型化することができる。
【0076】
また、軸部235は、背面側及び正面側に位置する規制部411,421によりS2方向への移動が規制されるので、キー23Lのがたつきを抑制することができるほか、当該キー23Lにおける軸部234側端部が押下された場合の回動を安定化することができる。同様に、軸部234は、当該軸部234の正面側の端部を挟むガイド部461と、背面側の端部を挟むガイド部54とにより、S2方向への移動が案内されるので、当該軸部234の移動を安定化することができる。従って、キー23Lの動作を安定化することができる。
【0077】
ガイド部461及び規制部462,463は、長穴46の端縁として形成され、また、ガイド部54及び規制部55,56は、長孔53の端縁として形成されるので、これらガイド部461,54及び規制部462,463,55,56を簡易に形成することができるほか、設置部4、ひいては、リアケース22の内面の構成を簡略化することができる。
また、規制部411,421は、リアケース22の内面に一体的に形成されているので、当該規制部411,421を簡易に形成することができ、リアケース22の構成を一層簡略化することができる。更に、規制部411,421が、S1方向に沿うように形成されていることにより、キー23Lの軸部234側の端部が押下された際に、当該軸部234から離間する方向に移動する軸部235と規制部411,421との当接状態を維持することができるので、当該軸部235を支点とするキー23Lの回動を円滑に行うことができる。
【0078】
リアケース22は、正面視略長円形状を有する略扁平状に形成されていることにより、使用者は、左右の両側面部22D,22Eに指(例えば、人差し指)を沿わせるようにしてリアケース22を把持することができるので、当該リアケース22を把持しやすくすることができる。また、このようにしてリアケース22を把持した場合に、当該指の指先が位置する上面部22Bの左右両端に、キー23L,23Rが配置されていることにより、当該キー23L,23Rを押下しやすくすることができる。また、各キー23L,23Rが前述の構成を有していることにより、指のかかり具合に依らずに、当該各キー23L,23Rを確実に押下することができる。従って、携帯情報端末1の操作性を向上することができる。
【0079】
軸部234は、設置部4にキー23Lを配置した際に、軸部235に対して上面22Bにおける中央寄りの位置に配置される。この軸部234の両端は、ガイド部461,54によりそれぞれ挟まれるので、キー23Lの移動時及び回動時に、当該軸部234は左右方向(S1方向)にほぼ移動しない。このため、軸部235を回動軸として回動する際に、軸部234の左右方向の移動が規制されずに、当該軸部234側のキー23Lの端部が円弧状の軌道で回動する場合に比べ、当該軸部234側のキーの端部(右端部)と、上面部22B(開口部22B4の端縁)との間のクリアランスを一層小さくすることができる。従って、上面部22Bの寸法を小さくすることができ、リアケース22、ひいては、携帯情報端末1の更なる小型化を図ることができる。
【0080】
キー23Lは、上面部22Bと左側面部22Dとに跨るように配置され、上面23Aは、上面部22Bに沿う面23A1と、左側面部22Dに沿う面23A2とにより形成される。これによれば、リアケース22を把持する指をキー23Lに容易に沿わせることができる。従って、キー23Lを一層確実に押下することができ、携帯情報端末1の操作性を一層向上することができる。更に、リアケース22外部に露出するキー23Lの形状が、当該リアケース22の形状に沿うこととなるので、携帯情報端末1の外観を良好にすることができる。
【0081】
〔2.第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態に係る携帯情報端末について説明する。
本実施形態に係る携帯情報端末1Aは、前述の携帯情報端末1と同様の構成を備えるが、当該携帯情報端末1では、接点基板33は、それぞれ略L字状を有する第1接点332及び第2接点333を備えていたが、携帯情報端末1Aの接点基板35では、互いに向かい合わせに配置された櫛歯状の第1接点及び第2接点を備える点で、当該携帯情報端末1Aと、携帯情報端末1とは相違する。なお、以下の説明では、既に説明した部分と同一または略同一である部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0082】
図18は、本実施形態に係る携帯情報端末1Aの接点基板35を示す平面図である。
本実施形態に係る携帯情報端末1Aは、接点基板33及び接点ゴム34に代えて、接点基板35及び接点ゴム36を備えるほかは、前述の携帯情報端末1と同様の構成を備えている。また、接点ゴム36は、一対の押圧部342に代えて、押圧部233との当接面に応じた横長の押圧部362を備えるほかは、接点ゴム34と同様の構成を備えている。
【0083】
接点基板35は、図18に示すように、基板351と、当該基板351に積層される第1シート、第2シート(ともに図示省略)及び第3シート355とを有する。
基板351に積層される第1シートには、それぞれ櫛歯状を有し、互いに向かい合わせに離間して配置された電極である第1接点352及び第2接点353が形成されている。これら第1接点352及び第2接点353は、基板351の長手方向に沿う方向の両端部、すなわち、キー23Lの長手方向に沿う方向の両端部に、互いに略平行に延出する延出部3521,3531を有する。
第2シートは、前述の第2シートと同様の機能を有し、第1シートに貼付される。この第2シートは、第1接点352及び第2接点353の形成範囲内に、基板351の長手方向(キー23L,23Rの長手方向と一致)に沿って長い略長円形状の開口部354を有する。
【0084】
第3シート355は、第2シートに貼付され、接点基板35の外表面を形成する。この第3シート355には、開口部354に応じた位置に、導電性を有する素材(例えばカーボン)により形成された第3接点356が形成されている。
この第3接点356は、開口部354の形状に応じて略長円形状に形成され、第1接点352及び第2接点353に跨るように、これら各接点352,353とは所定の間隔を隔てて配置されている。そして、第3接点356には、当該第3接点356より僅かに小さく、かつ、横長形状に形成された押圧部362が、長手方向を一致させるようにして当接される。この押圧部362により押圧されると、第3接点356は、第1接点352と第2接点353とを電気的に接続する。
【0085】
このような接点基板35においては、キー23Lの一端側及び他端側が押下され、押圧部362により各接点352,353の一端側及び他端側に応じた領域Ar1,Ar2がそれぞれ個別に押圧された場合でも、第3接点356を介して、これら延出部3521,3531間が電気的に接続される。また、キー23Lの中央が押下され、押圧部362により、各接点352,353の中央が押圧された場合でも、同様に、第3接点356を介して、当該各接点352,353間が電気的に接続される。これにより、各接点352,353のうちの一方を流れる電流が、他方に導通して制御基板31に電気信号として出力され、制御基板31が、キー23Lが押下されたことを認識する。
【0086】
以上説明した本実施形態に係る携帯情報端末1Aによれば、前述の携帯情報端末1と同様の効果がある。
なお、当該携帯情報端末1Aの接点ゴム36は、横長の押圧部362を備えるとしたが、前述の接点ゴム34と同様に、一対の押圧部を備える構成としてもよい。この場合、各押圧部が、領域Ar1,Ar2内における少なくとも第3接点356を覆う位置にそれぞれ配置されるように構成すればよい。
【0087】
〔3.実施形態の変形〕
本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
前記各実施形態では、第2軸部としての軸部234が、ガイド部54,461により案内される第2軸部として機能するとしたが、本発明はこれに限らない。すなわち、軸部235の端部を挟むようにガイド部を設け、当該軸部235が第2軸部として機能するように構成してもよい。また、これら軸部234,235の他に、第1軸部又は第2軸部として機能する他の軸部をキーに設けてもよく、当該軸部を挟むガイド部をリアケースに更に設ける構成としてもよい。この場合、当該他の軸部及びガイド部の位置は、適宜設定してよい。なお、キー23Lに限らず、キー23Rにおいても同様である。
【0088】
前記各実施形態では、キー23Lが第2軸部として機能する軸部234を有し、設置部4及び保持部材5がガイド部461,54を有するとしたが、本発明はこれに限らない。例えば、キーがガイド部を有し、筐体としてのリアケースが当該ガイド部により案内される軸部を有していてもよい。また、キーを挟んで対向配置される各ガイド部は、リアケース22の内面にそれぞれ形成されていてもよく、保持部材5のように、リアケース22に取り付けられる部材にそれぞれ形成されていてもよい。なお、キー23L及び設置部4に限らず、キー23R及び当該キー23Rが設置される設置部においても同様である。
【0089】
前記各実施形態では、軸部234の端部を挟むガイド部461,54が、キー23Lを挟んで正面部22A側及び背面部22F側にそれぞれ設けられ、また、当該軸部234のS2方向への突出を規制する規制部462,55が、同様にキー23Lを挟んで正面部22A側及び背面部22F側にそれぞれ設けられ、更に、軸部235のS2方向への突出を規制する規制部421,411が、同様にキー23Lを挟んで正面部22A側及び背面部22F側にそれぞれ設けられるとしたが、本発明はこれに限らない。すなわち、軸部234に係合するガイド部及び規制部、並びに、軸部235に係合する規制部は、それぞれ正面部側及び背面部側の少なくとも一方に設けられていればよい。
【0090】
前記各実施形態では、各規制部421,411は、正面部22A及び背面部22Fの各内面に一体的に形成されているとしたが、本発明はこれに限らず、リアケース22内に位置していればよい。
前記各実施形態では、ガイド部461及び規制部462,463は、軸部234が挿入される長穴46の端縁を形成し、ガイド部54及び規制部55,56は、同じく軸部234が挿入される長孔53の端縁を形成するとしたが、本発明はこれに限らない。すなわち、ガイド部と規制部とは離間配置されていてもよい。
【0091】
前記各実施形態では、筐体としてのリアケース22は、正面部22Aと、背面部22Fと、これら正面部22A及び背面部22Fを接続する上面部22B、下面部22C及び左右の両側面部22D,22Eとを備え、正面視略長円形状を有する略扁平状に形成されるとしたが、本発明はこれに限らない。すなわち、筐体は、正面視略長方形状でも正面視略円形状でもよく、当該筐体の形状は問わない。なお、筐体は、少なくとも一方の手で把持できる形状及び寸法であることが好ましい。
また、前記各実施形態では、リアケース22に対してフロントケース21がスライド自在に設けられているとしたが、本発明はこれに限らず、これらが一体化された1つの筐体であってもよい。
【0092】
前記各実施形態では、キー23L,23Rを上面部22Bにおける左右方向の両端部に設けるとしたが、本発明はこれに限らず、当該上面部22Bにおける中央でもよく、更には、他の側面部でもよい。すなわち、キーの配置位置及び数は適宜設定してよく、キーの長手方向も筐体の左右方向と一致しなくてもよい。更には、当該キーがフロントケース21に設けられていてもよい。
【0093】
前記各実施形態では、本発明の操作装置及び携帯情報端末として、ゲームプログラム、画像データ及び音声データを処理可能な携帯情報端末1を挙げたが、本発明はこれに限らない。例えば、据置型のゲーム機及びPC等に接続されるコントローラーに、本発明を適用することも可能である。また、携帯情報端末としては、ゲームプログラム、画像データ及び音声データのうちの少なくともいずれかを処理可能なものであってもよく、或いは、別のアプリケーションプログラムを実行可能なものでもよい。すなわち、携帯可能で、かつ、何らかのプログラム及びデータを処理可能な携帯情報端末であれば、本発明を適用することが可能であり、例えば、デジタルカメラ等に本発明を適用してもよい。なお、デジタルカメラに適用する場合には、本発明のキーとして、シャッターキーを挙げることができる。
【産業上の利用可能性】
【0094】
本発明は、ゲーム機、携帯電話及びPDA等の携帯情報端末に利用できる他、据置型のゲーム機及びPC等に接続されるコントローラーにも利用することができる。
【符号の説明】
【0095】
1,1A…携帯情報端末(操作装置)、22…リアケース(筐体)、23(23L,23R)…キー、34,36…接点ゴム(付勢部材)、46…長穴、53…長孔(長穴)、54…ガイド部、55…規制部(第2規制部)、22A…正面部、22B…上面部(側面部)、22D…左側面部(他の側面部)、22E…右側面部(他の側面部)、22F…背面部、231…本体部、234…軸部(第2軸部)、235…軸部(第1軸部)、23A…上面、411,421…規制部(第1規制部)、461…ガイド部、462…規制部(第2規制部)、23A1…面(第1面)、23A2…面(第2面)。
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作装置及び携帯情報端末に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、据置型のゲーム機や、PC(Personal Computer)等に接続される操作装置(コントローラー)が知られている。また、所定の情報を処理する端末装置と操作装置とを一体化した携帯情報端末が知られている。このような操作装置には、入力操作を行うためのキーが複数配設されている。しかしながら、操作装置は、使用者の両手で把持されて使用されることが多いため、必然的に入力可能なキーの数及び配置は限られたものとなる。このような操作装置の正面部には、左側に左手の親指で押下される方向キーが配置され、右側に右手の親指で押下される独立した複数のキーが配置されることが多い。
【0003】
近年、複雑な入力操作を要求されるゲーム等のアプリケーションが多数開発されており、操作装置に配設されるキーの増加が要望されていた。このような要望に対して、操作装置を把持した際の上面部に、一対のキーを配設した携帯型電子機器が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1に記載の携帯型電子機器は、正面部及び背面部と、これらを接続する側面部とを有し、当該機器を把持した際に上側に位置する側面部(上面)の左右両端部に、主に左右の人差し指により入力されるキーがそれぞれ配設されている。これらキーは、筐体の上面に沿って延出する受け部分にキーの一端が係合し、当該キーに近接する筐体の側面に形成された受け部分に他端が係合する。
【0004】
詳述すると、キーの一端には、上面側の受け部分に当接する係止手段が設けられ、当該係止手段は、受け部分に当接することで当該キーの上方への飛び出しを規制するとともに、当該キーの他端側が押下されて回動する際の支点となる。一方、キーの他端には、側面側の受け部分に当接する係止手段が設けられ、当該係止手段は、同様に、キーの飛び出しを規制するとともに、当該キーの一端側が押下されて回動する際の支点となる。
このようなキーは、一端側、他端側及び中央のどの位置が押下された場合でも、下方に配置された通電部材とスイッチ接点とを電気的に接続できるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許出願公開第2005/0247550号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
近年、携帯性の向上等のために、筐体を小型化する要望が高まっている。これに対し、筐体を小型化すると、使用者の持ち方、及び、使用者の手(指)の大きさ等によって、キーの押下位置が変化してしまう。このため、キーのどの位置が押下された場合でも、キーを適切に突没させて、当該キーの入力を検出できる構成が要望されている。
【0007】
本発明の目的は、キーを確実に入力することができる操作装置及び携帯情報端末を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記した目的を達成するために、本発明の操作装置は、少なくとも1つのキーが突没自在に設けられた筐体を有する操作装置であって、前記キーは、第1方向に長い横長形状に形成された本体部と、前記本体部における前記第1方向の一端側に位置し、前記第1方向及び前記筐体からの当該キーの突出方向である第2方向のそれぞれに略直交する第3方向に沿って延出する第1軸部とを有し、前記筐体は、前記キーを前記第2方向に付勢する付勢部材と、前記第1軸部に対して前記第2方向側に位置し、前記付勢部材により付勢された前記第1軸部と当接する第1規制部とを有し、前記キー及び前記筐体のいずれか一方は、前記第1方向の他端側に位置し、かつ、前記第3方向に沿って延出する第2軸部を有し、他方は、前記第2軸部の端部を挟み、かつ、当該第2軸部の前記第2方向への移動を案内するガイド部と、前記付勢部材により付勢された前記第2軸部と当接する第2規制部とを有することを特徴とする。
【0009】
なお、長手方向となる第1方向のキーの寸法としては、使用者の指により当該第1方向における一方の端部が押下された際に、当該キー全体が筐体内に没入するのではなく、他方の端部側を支点としてキーが回動して、当該一方の端部側が筐体内に没入する程度の寸法とすることができる。このような寸法として、例えば、使用者の手の指先から第1関節(遠位指節間関節)までの寸法、或いは、それ以上の寸法とすることができる。
【0010】
本発明によれば、キーが押下されていない場合では、付勢部材の付勢力による第2方向への第1軸部の移動が、第1規制部及び第2規制部により規制されるので、筐体からのキーの脱落を防止することができる。
一方、本体部における第1方向(長手方向)の略中央が押下された場合では、キーはガイド部及び第2軸部により案内され、付勢部材の付勢力に抗しつつ押下方向に沿って筐体内に没入する。この際、ガイド部は、第2軸部の端部を挟んでいるので、キーの突没時における第1方向へのキーの揺動を抑制することができる。
【0011】
他方、本体部における第1方向の一端側が押下された場合では、付勢部材により付勢されて第2規制部に当接している第2軸部を支点として、キーは押下方向に回動する。また、本体部における第1方向の他端側が押下された場合でも、同様に付勢されて第1規制部に当接している第1軸部を支点として、キーは押下方向に回動する。このようなキーの回動時においても、ガイド部により第1方向への第2軸部の移動が規制されるので、当該キーの突没時における第1方向への揺動を抑制することができる。
よって、キーのどの位置が押下された場合であっても、当該キーの移動に応じた第1方向への揺動を抑制することができる。また、第2軸部がガイド部により挟まれていることにより、当該第2軸部が位置する側のキーの端部は回動時に第1方向へのずれが生じないので、当該端部と筐体との間に大きなクリアランスを形成する必要がない。これにより、操作装置の小型化を図ることができる。
【0012】
更に、キーは、押下位置に応じて、押下方向への移動又は回動を行うので、どの位置が押下されてもキー全体を押下方向に移動させる長いガイドを設ける必要がない。このため、操作装置の小型化を図ることができる。
従って、キーのどの位置が押下された場合でも、当該キーの入力を確実に行うことができるほか、操作装置の小型化を図ることができる。
【0013】
本発明では、前記筐体は、前記ガイド部を有し、前記キーは、前記第2軸部を有することが好ましい。
ここで、筐体が第2軸部を有し、押下方向に移動又は回動するキーが、当該キーの移動量に応じて寸法が設定されるガイド部を有している場合を想定すると、キーが大型化するとともに、当該キーの移動範囲が大きくなる。このため、当該キーが設けられる筐体も大型化してしまう。
これに対し、本発明では、筐体がガイド部を有し、キーが第2軸部を有するので、前述の場合に比べ、キー自体の小型化を図ることができるほか、当該キーの移動範囲を小さくすることができる。従って、筐体を更に小型化することができ、ひいては、操作装置を一層小型化することができる。
【0014】
本発明では、前記筐体は、前記ガイド部及び前記第2規制部により端縁が形成され、内部に前記第2軸部が挿入される長穴を有することが好ましい。
本発明によれば、第2軸部が挿入される長穴を筐体に形成することにより、前述のガイド部及び第2規制部を構成することができるので、これらを簡易に形成することができる。また、これにより、筐体の構成を簡略化することができる。
【0015】
本発明では、前記第1規制部、前記第2規制部及び前記ガイド部の少なくともいずれかは、前記キーを挟んで、前記第3方向側及び当該第3方向側の反対側にそれぞれ設けられることが好ましい。
本発明によれば、第1規制部がキーを挟むように一対設けられている場合には、各第1規制部に第1軸部が当接するので、キーのがたつきを抑制することができるほか、キーにおける第2軸部側が押下された場合の当該キーの回動を安定化することができる。なお、第2規制部がキーを挟むように一対設けられている場合でも同様である。
また、ガイド部がキーを挟むように一対設けられている場合には、当該各ガイド部により、第2方向への第2軸部の移動を安定化することができる。
従って、キーの動作を安定化することができる。
【0016】
本発明では、前記第1規制部は、前記筐体の内面から前記第1方向に沿って起立し、当該筐体と一体的に形成されていることが好ましい。
本発明によれば、射出成形等により、第1規制部を筐体に一体形成することができるので、当該第1規制部を簡易に形成することができるほか、筐体の構成を簡略化することができる。また、第1規制部が、第1方向に沿って延出して形成されているので、キーの他端側が押下されてキーが回動する際に、第1方向にずれる第1軸部が、当該第1規制部から外れることを防ぐことができる。従って、キーの回動を円滑に行うことができる。
【0017】
本発明では、前記筐体は、正面部と、背面部と、当該正面部及び背面部を接続する側面部とを備え、正面視略長円形状を有する略扁平状に形成され、前記キーは、前記側面部のうち、前記筐体が把持された際の上方に位置する側面部における左右方向の少なくとも一方の端部に、前記第1方向と左右方向とが略一致するように配置されることが好ましい。
【0018】
このような操作装置の寸法としては、少なくとも片手で把持される程度の寸法であることが好ましい。
本発明によれば、筐体が正面視略長円形状を有する略扁平状に形成されていることにより、使用者は、筐体における左右の両側面部のうちの少なくとも一方の側面部に、指(例えば、人差し指)を沿わせるようにして把持することができるので、当該筐体を把持しやすくすることができる。また、このようにして筐体を把持した場合、当該指は左右の少なくともいずれかの側面部と、上方に位置する側面部である上面部とに跨るように位置するため、指先は、上面部における左右の少なくとも一方の端部近傍に位置する。このような上面部における左右方向の少なくとも一方の端部に、当該左右方向と第1方向とが一致するように前述のキーが配置されていることにより、当該キーを押下しやすくすることができる。また、これにより、キーに対する指のかかり具合に依らずに、キーを確実に入力することができる。従って、操作装置の操作性を向上することができる。
【0019】
本発明では、前記第2軸部は、前記上方に位置する側面部における中央寄りの位置に配置されることが好ましい。
本発明によれば、上方に位置する側面部における中央寄りの位置に配置される第2軸部は、ガイド部により挟まれているので、前述のように、キーの移動時及び回動時においては第1方向にほぼ移動しない。これによれば、当該第2軸部側のキーの端部と筐体とのクリアランスを小さくすることができる。従って、当該側面部の寸法を小さくすることができるので、操作装置の更なる小型化を図ることができる。
【0020】
本発明では、前記キーは、前記上方に位置する側面部と、当該側面部に連続する他の前記側面部とに跨って配置され、前記キーの上面は、前記上方に位置する側面部に沿う第1面と、前記他の側面部に沿う第2面とを有することが好ましい。
本発明によれば、キーが上方に位置する側面部である上面部と、当該上面部に連続する他の側面部とに跨るように配置され、当該キーの上面、すなわち、使用者の指がかかるキーの面が、上面部に沿う第1面と、当該他の側面部に沿う第2面とを有することにより、筐体を把持する前述の指をキーに容易に沿わせることができる。従って、キーを押下しやすくすることができ、操作装置の操作性を一層向上することができる。更に、筐体外部に露出するキーの形状が、当該筐体の形状に沿うこととなるので、操作装置の外観を良好にすることができる。
【0021】
また、本発明の携帯情報端末は、前述の操作装置を備えることを特徴とする。
本発明によれば、前述の操作装置と同様の効果を奏することができ、キーの動作が安定化されるので、当該キーを確実に入力することができ、小型化を図ることができる携帯情報端末を構成することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、押下に伴うキーの揺動を抑制することができるので、キーの動作を安定化することができるほか、小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の一実施形態に係る携帯情報端末を正面側から見た図。
【図2】前記実施形態における携帯情報端末を正面側から見た図。
【図3】前記実施形態における携帯情報端末を上方から見た図。
【図4】前記実施形態における携帯情報端末を下方から見た図。
【図5】前記実施形態における携帯情報端末を左側から見た図。
【図6】前記実施形態における携帯情報端末を右側から見た図。
【図7】前記実施形態における携帯情報端末を背面側から見た図。
【図8】前記実施形態における携帯情報端末の縦断面を示す図。
【図9】前記実施形態におけるキーを背面側から見た斜視図。
【図10】前記実施形態におけるキー及び設置部を正面側から見た斜視図。
【図11】前記実施形態におけるキー及び設置部を背面側から見た斜視図。
【図12】前記実施形態におけるキー及び設置部を背面側から見た図。
【図13】前記実施形態における保持部材を取り外した状態のキー及び設置部を背面側から見た図。
【図14】前記実施形態における略中央が押下された際のキーを背面側から見た図。
【図15】前記実施形態における左側が押下された際のキーを背面側から見た図。
【図16】前記実施形態における右側が押下された際のキーを背面側から見た図。
【図17】前記実施形態における接点基板を示す平面図。
【図18】本発明の第2実施形態に係る携帯情報端末の接点基板を示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
〔1.第1実施形態〕
以下、本発明の第1実施形態を、図面に基づいて説明する。
〔携帯情報端末の外観構成〕
図1及び図2は、本実施形態に係る携帯情報端末1を正面側から見た図である。このうち、図2は、図1の状態から携帯情報端末1を構成するフロントケース21をリアケース22に対して上方にスライドさせた状態を示す図である。
本実施形態に係る携帯情報端末1は、本発明の操作装置及び携帯情報端末に相当し、装着されたメモリーカード等の記憶媒体に記憶されたプログラム及びデータ、並びに、サーバー等の外部機器と通信して取得したプログラム及びデータを処理するものであり、例えば、ゲームプログラム、画像データ及び音声データを処理する。このような携帯情報端末1は、図1及び図2に示すように、外装ケース2と、当該外装ケース2内に収納され、前述の処理を実行する端末本体3(図8)を備えている。
【0025】
外装ケース2は、携帯情報端末1を把持する使用者にとっての手前側(正面側)に位置するフロントケース21と、当該フロントケース21の背面側に位置するリアケース22とを備えており、これらのうち、リアケース22は、本発明の筐体に相当する。
これらフロントケース21及びリアケース22は、それぞれ、正面側(使用者に対向する側)から見た場合、左右方向(図1及び図2における左右方向)に長い長方形における左右の両端縁を円弧状に膨出させた正面視略長円形状を有し、フロントケース21に対してリアケース22が僅かに大きく形成されている。具体的に、リアケース22は、フロントケース21寄りの外縁を覆う金属製の枠体220を備え、当該枠体220の寸法分だけ、当該リアケース22は、フロントケース21より大きい。そして、これら各ケース21,22は、それぞれ略扁平状に形成され、一方に対して他方が上下方向にスライド自在に構成されている。なお、これら各ケース21,22は、本実施形態では、合成樹脂により形成されているが、金属により形成してもよい。
【0026】
このうち、フロントケース21の上面部21B(図3)、下面部21C(図4)、左側面部21D(図5)及び右側面部21E(図6)は、リアケース22から離間する方向に向かうに従って、当該フロントケース21の中央に近接する方向に傾斜(湾曲)している。このため、図3〜図6に示すように、フロントケース21は、縦断面視及び横断面視略台形状に形成されている。
【0027】
〔正面部の構成〕
フロントケース21の正面部21Aにおける略中央には、図1及び図2に示すように、当該ケース21内に収納され、かつ、液晶パネルにより構成された表示部211が配置されている。この表示部211に応じたフロントケース21の領域には、透光部21A1が形成されている。このため、使用者は、透光部21A1を介して、表示部211に表示された画像を観察する。なお、表示部211は、液晶パネルに代えて、有機EL(Electro-Luminescence)等の他の表示手段を採用してもよい。
【0028】
透光部21A1の左右には、同様に、フロントケース21内に収納されたスピーカー(図示省略)からの音声が出力される一対の音声出力口21A2が形成されている。
これら音声出力口21A2の上方には、左右にそれぞれインジケーター21A3,21A4が配置されている。このうち、左側のインジケーター21A3は、後述する無線モジュールによる通信状態を示すものであり、右側のインジケーター21A4は、端末本体3のBluetooth(登録商標)による通信状態を示すものである。これら各インジケーター21A3,21A4は、それぞれLED(Light Emitting Diode)により構成されている。
また、正面部21Aにおける左側で、かつ、左側の音声出力口21A2の下方には、奥行き方向に向かって押下可能なキー21A5が設けられている。このキー21A5は、実行中のプログラムを切り替えるための「HOME」キーである。
【0029】
リアケース22の正面部22Aにおける当該ケース22に対してフロントケース21を上方にスライドさせた際に露出する領域には、図2に示すように、左側に上下左右及び斜方の8方向に入力可能な方向キー22A1が配置され、右側に菱形の頂点にそれぞれ位置する4つのキー22A2が配設されている。更に、これら方向キー22A1及びキー22A2に挟まれるように、正面部22Aに沿って摺動可能に構成され、かつ、摺動方向を検出するアナログデバイス22A3が左側に配置され、上下に並列配置された半円形状の一対のキー22A4,22A5が右側に配置されている。これらキー22A4,22A5は、それぞれゲームプログラム等の実行中に利用される「SELECT」キー及び「START」キーである。
【0030】
また、正面部22Aの左側端部には、ストラップ(図示省略)を取り付けるための取付口22A6が形成されている。この取付口22A6は、前述の枠体220に形成されている。
更に、正面部22Aにおける左右両端で、上下方向における略中央には、一対のインジケーター22A7,22A8が配置されている。このうち、左側のインジケーター22A7は、後述する挿抜口22D1(図5)を介して端末本体3に装着されたメモリーカード(図示省略)に対するデータの読取/記録状態を示すものであり、右側のインジケーター22A8は、携帯情報端末1の電源のオン/オフ状態を示すものであり、LEDにより構成されている。これらインジケーター22A7,22A8は、図1に示すように、それぞれ、正面部22Aにおけるフロントケース21と重ならない位置に配置されている。このため、フロントケース21とリアケース22とを重ね合わせた状態でも、各インジケーター22A7,22A8の点灯状態を確認することができる。
【0031】
〔上面部の構成〕
図3は、携帯情報端末1を上方から見た図である。
リアケース22の上面部22Bには、図3に示すように、左右方向の両端に一対のLRキー23(上面部22Bにおける左側のキーを23Lとし、右側のキーを23Rとする)が配置されている。これらキー23L,23Rは、略L字状に形成されており、これらのうちの一辺が上面部22Bに沿い、他辺がそれぞれ左側面部22D及び右側面部22Eに沿うように形成されている。すなわち、キー23L,23Rは、上面部22Bと、左右の両側面部22D,22Eとに跨るように配置される。
また、上面部22Bの略中央には、前述のスピーカーにより出力される音声の音量を増減させるための一対の音量調節キー22B1が設けられている。更に、キー23Lと音量調節キー22B1との間、及び、当該音量調節キー22B1とキー23Rとの間にも、それぞれキー22B2,22B3が設けられている。
【0032】
更に、上面部22Bは、左側端部に、キー23Lの一端が挿入され、かつ、一部が左側面部22Dに跨るように形成された開口部22B4(図7及び図8)と、開口部22B4に応じて形成され、当該開口部22B4の背面側に位置する段差部22B5とを有している。また、上面部22Bは、同様に右側端部に、同様にキー23Rの一端が挿入され、かつ、一部が右側面部22Eに跨るように形成された開口部22B4(図7及び図8)と、同様に当該開口部22B4に応じて形成され、当該開口部22B4の背面側に位置する段差部22B5とを有している。なお、キー23L,23R、開口部22B4及び段差部22B5については、後に詳述する。
【0033】
〔下面部の構成〕
図4は、携帯情報端末1を下方から見た図である。
リアケース22の下面部22Cにおける左側には、図4に示すように、ヘッドホンを接続するためのイヤホンジャックにより構成された端子22C1が設けられ、右側には、外部機器としてのクレードル(図示省略)と接続するための端子22C2が設けられている。このような下面部22C及び下面部21Cは、それぞれ略平坦に形成されている。
なお、下面部21Cの下端と、下面部22Cとの位置関係については、後に詳述する。
【0034】
〔左側面部の構成〕
図5は、携帯情報端末1を左側から見た図である。
リアケース22の左側面部22Dの上端は、前述のキー23Lの一部により覆われている。この左側面部22Dにおける上方には、メモリーカード(図示省略)を挿抜するための挿抜口22D1が形成されている。この挿抜口22D1には、当該挿抜口22D1を閉塞するカバー22D2が取り付けられる。加えて、左側面部22Dにおける下方には、左側面部22Dに沿って摺動自在に設けられたキー22D3が配置されている。このキー22D3は、端末本体3(図8)が有する無線モジュールのオン/オフ状態を切り替えるためのキーである。
【0035】
なお、図5に示すように、リアケース22から離間するに従って中央に近接する方向に傾斜する下面部21Cにおける下端は、フロントケース21の背面部21Fに対して略直交するリアケース22の下面部22Cに対して、前述の枠体220の分だけ僅かに上方に位置している。このため、下面部22Cに沿わせた指をフロントケース21側に移動させることで、当該指を下面部21Cに掛けることができ、下面部21C、ひいては、フロントケース21を容易に上方に向かってスライドさせることができる。
【0036】
〔右側面部の構成〕
図6は、携帯情報端末1を右側から見た図である。なお、図6では、リアケース22に対してフロントケース21を上方にスライドさせている。
リアケース22の右側面部22Eの上端は、左側面部22Dと同様に、前述のキー23Rの一部により覆われている。この右側面部22Eの下方には、当該右側面部22Eに沿って摺動自在に設けられた電源キー22E1が配置されている。このキー22E1を上方にスライドさせることで、携帯情報端末1の電源がオンされ、再度、上方にスライドさせることで電源がオフされる。また、当該キー22E1を下方にスライドさせると、他のキーの入力がキャンセルされるホールド状態に切り替えることができる。
【0037】
〔背面部の構成〕
図7は、リアケース22に対してフロントケース21を上方にスライドさせた状態の携帯情報端末1を背面側から見た図である。
フロントケース21の背面部21Fは、内側に窪んでおり、リアケース22の正面部22Aに配置された各キー22A1〜22A4を押圧しないように形成されている。この背面部21Fの略中央には、前述の表示部211を駆動させる回路基板(図示省略)が収納される収納部21F1が形成されている。この回路基板は、リアケース22内に収納される端末本体3(図8)と電気的に接続され、当該端末本体3から出力される画像信号に応じて表示部211を駆動させ、当該画像信号に応じた画像を表示させる。
【0038】
リアケース22の背面部22Fにおける略中央には、左右に一対の脚部22F1が設けられている。これら一対の脚部22F1は、それぞれ互いに向かい合わせとなる略円弧状の合成樹脂により形成されている。これら脚部22F1は、背面部22Fを設置面に対向させるようにして携帯情報端末1を配置した際に、当該設置面に外装ケース2の背面が直接接触しないようにするほか、携帯情報端末1を把持しやすくさせるためのものである。
【0039】
具体的に、携帯情報端末1を把持する際には、左右の人差し指は、上面部22B及び両側面部22D,22Eに沿うように位置し、左右の中指及び薬指は、背面部22Fに沿うように位置する。この際、当該背面部22Fにおける略中央に、前述の略円弧状の脚部22F1が、当該背面部22Fから突出するように設けられていることにより、当該脚部22F1に中指及び薬指の各指先を掛けることができる。これによれば、携帯情報端末1を把持した際のホールド感を生じさせることができ、持ちやすさ及び把持時の安定性を向上することができる。
【0040】
〔LRキーの配置位置〕
LRキー23(23L,23R)は、前述のように、上面部22Bの左右両端部にそれぞれ設けられている。この上面部22Bの左右両端部には、図7に示すように、キー23の後述する本体部231の一端が挿通される開口部22B4がそれぞれ形成されている。これら開口部22B4の一部は、前述のように、開口部22B4に近い側面部22D,22Eに跨っている。
これら開口部22B4の背面側には、前述のように、当該開口部22B4の位置に応じて、リアケース22の内側に向かって凹んだ段差部22B5がそれぞれ形成されている。この段差部22B5の上端は、前述の音量調節キー22B1等が配置される上面部22B及び各側面部22D,22Eより低い位置(リアケース22における中央寄りの位置)となっている。そして、これら段差部22B5の上端面は、キー23L,23Rの後述する延出部232により覆われる。
【0041】
〔LRキーの構成〕
図8は、携帯情報端末1の一部(特にキー23L)を示す縦断面図である。
キー23Lは、図8に示すように、リアケース22内に収納された端末本体3を構成する制御基板31とFPC(Flexible Printed Circuits)32を介して電気的に接続された接点基板33を、接点ゴム34を介して押圧する。具体的に、キー23Lが使用者により押下されると、当該キー23Lの一端が係合する接点ゴム34の可撓性を有する脚部341が、キー23Lの押下方向に座屈し、当該脚部341の内側に設けられた押圧部342が接点基板33を押圧する。これにより、接点基板33を構成する接点332,333(図16参照)が電気的に導通し、制御基板31にキー23Lが押下されたことを示す電気信号が出力される。
【0042】
一方、キー23Lの押下が解除されると、脚部341の座屈が解消されることにより、キー23Lが押し上げられて、図8に示す状態に戻る。すなわち、接点ゴム34は、キー23Lを押し上げる方向に付勢する付勢部材としても機能する。
なお、接点ゴム34は、接点基板33上に固定され、当該接点基板33は、リアケース22内に形成された台座部43に固定されている。また、制御基板31は、リアケース22に図示しない固定部材により固定されている。
【0043】
このようなキー23Lが挿通する開口部22B4は、上面部22Bにおいてリアケース22の厚さ方向(図8における左右方向)の中央を含むように開口している。なお、本実施形態では、開口部22B4の厚さ方向における中心位置は、リアケース22の厚さ方向の略中央に設定されている。
また、当該開口部22B4の厚さ方向の寸法は、リアケース22の厚さ方向の寸法より小さく、詳述すると、当該リアケース22の厚さ方向の寸法の1/2以下(本実施形態では、略1/3)に設定されている。換言すると、当該開口部22B4の厚さ方向の寸法は、段差部22B5の上端面における厚さ方向の寸法と略一致し、キー23Lの後述する上面23Aの厚さ方向の寸法の略1/2に設定されている。
【0044】
また、開口部22B4の端縁を形成する正面側の端面22B6(枠体220の背面側の端面22B6)は平坦面であり、当該端面22B6は、開口部22B4を挿通するキー23Lの突没時のガイド面となる。詳述すると、端面22B6の下端(図8における下方の端部)は、キー23Lの後述する面231Aの下端と略一致し、端面22B6の高さ方向の寸法(図8における上下方向の寸法)は、当該面231Aの上下方向の寸法に応じて設定されている。これにより、キー23Lの突没が、端面22B6により案内され、適切に行われる。なお、詳しくは後述するが、本実施形態では、端面22B6は、面231Aより僅かに小さく形成され、これにより、キー23Lの上面23Aが、上面部22B(枠体220の上面)より上方に突出する。
【0045】
このようなキー23Lは、本体部231と、当該本体部231から延出する延出部232とを有する断面視略L字状に形成されている。
本体部231は、下端が開口部22B4を挿通し、上端がリアケース22の外部に露出して、キー23Lの押下時に、リアケース22に対して突没する部位である。この本体部231が挿通する開口部22B4は、前述のように、上面部22Bにおける厚さ方向の略中央に中心を有するので、当該本体部231は、上面部22Bにおける厚さ方向の略中央に配置される。このような本体部231における正面側の面231Aは平坦に形成され、当該キー23Lの突没は、当該正面側の面231Aに対向する端面22B6により案内される。そして、本体部231の厚さ方向の寸法は、前述の開口部22B4の厚さ方向の寸法から僅かなクリアランスを引いた寸法に設定されている。
【0046】
この本体部231の下端には、前述の接点ゴム34を押圧する押圧部233が形成されている。この押圧部233には、押圧部342に応じた位置に形成された接点ゴム34の突出部343が嵌合される穴部2331が形成されており、これによりキー23Lと接点ゴム34とは連結される。また、押圧部233は、当該押圧部233から背面側に向かって突出する突出部2332が形成されている。この突出部2332の先端部分は、開口部22B4外へのキー23Lの脱落を防ぐために、当該開口部22B4の端縁より背面側に位置している。しかしながら、当該先端部分は、延出部232の延出方向の先端部分より正面側に位置している。これにより、キー23Lの突没が背面部22Fの内面に当接するなどして妨げられることを防ぐことができるほか、リアケース22の厚さ方向の寸法を小さくすることができる。
なお、突出部2332の上端面は、本体部231に対して傾斜し、下端面は、本体部231に略直交する。このため、突出部2332は、突出方向に向かうに従って、上下方向の寸法が小さくなるテーパー状を有している。
【0047】
延出部232は、本体部231における押圧部233とは反対側の端部から、上面部22Bに沿って背面側に延出し、段差部22B5の上端面を覆うように形成されている。この延出部232の本体部231からの延出寸法は、開口部22B4の前述の厚さ方向の寸法より大きく形成されている。この延出部232における本体部231からの延出方向先端側の端部は、背面部22Fより正面部22A側に位置している。すなわち、当該端部は、前述の脚部22F1が設置面に接するように携帯情報端末1を配置した際に、当該設置面に当接しないように形成されている。
【0048】
また、延出部232の下面232Aは、本体部231の背面側の面に対する略直交方向に延びる面である。更に、下面232Aは、当該下面232Aが対向する段差部22B5の上面、及び、開口部22B4の端縁に応じた形状を有し、下面232Aと段差部22B5の上面とは略平行となる。このため、当該段差部22B5が、押下時のキー23Lの没入を妨げることがなく、当該キー23Lの突没を適切に行うことができる。
【0049】
このようなキー23Lの上面23Aは、本体部231の上面と、当該上面に連続する延出部232の上面とにより形成されている。そして、使用者の指が接触する当該上面23Aは、上面部22Bより外側(上方)に位置している。しかしながら、当該上面23Aは、背面側に向かうに従って、上面部22B(段差部22B5)に近接する方向に傾斜している。このため、上面23Aは、各ケース21,22が互いに重なる状態(図1及び図5に示す状態)では、フロントケース21の上面部21Bに沿う略湾曲状を有している。
【0050】
このような上面23Aは、本体部231に対して傾斜するように形成されているのに対し、延出部232の下面232Aは、前述のように、本体部231に対して略直交する。このため、延出部232は、延出方向先端に向かうに従って、上下方向の寸法が小さくなるテーパー状を有している。
そして、上面23Aの厚さ方向の寸法は、開口部22B4の厚さ方向の寸法より大きく設定され、詳述すると、上面23Aの厚さ方向の寸法は、当該開口部22B4及び段差部22B5の厚さ方向の寸法を合算した寸法と略一致するように設定されている。このため、上面23Aの厚さ方向の寸法は、開口部22B4の厚さ方向の寸法の略2倍となり、延出部232が形成されていないキーを用いた場合に比べ、上面23Aの面積を拡大することができ、使用者の指がかかる面積を拡大することができる。
【0051】
更に、延出部232の延出方向が背面側であり、前述のように、開口部22B4が上面
部22Bの厚さ方向の中央を含んで開口し、かつ、当該開口部22B4の厚さ方向の寸法が、リアケース22の厚さ方向の寸法の1/2以下(本実施形態では略1/3)であるので、キー23Lとフロントケース21との間には、上面部22Bにおける正面側の寸法(枠体220の厚さ方向の寸法)に応じたクリアランスが確保される。これによれば、キー23Lを操作(押下)する指が、フロントケース21に干渉することを抑制ことができる。従って、キー23Lの操作性を向上することができる。
【0052】
図9は、キー23Lを背面側から見た斜視図である。
以下、キー23Lについて詳述する。
キー23Lは、前述のように、前述の本体部231、延出部232及び押圧部233を備えるほか、図9に示すように、軸部234,235と、突出部236とを備えている。そして、キー23Lは、全体として左右方向(左方向を示す図9におけるS1方向及び当該S1方向の反対方向であり、本発明の第1方向)に長い横長形状を有するとともに、正面視及び縦断面略L字状を有する合成樹脂製の一体成形品として形成されている。このため、前述の上面23Aは、後述する設置部4に設置された際に、上面部22Bに沿う面23A1と、左側面部22Dに沿う面23A2とにより形成される。これら面23A1,23A2は、本発明の第1面及び第2面に、それぞれ相当する。
【0053】
軸部234は、本発明の第2軸部に相当し、また、軸部235は、本発明の第1軸部に相当する。これら軸部234,235は、前述の押圧部233を挟むように、本体部231の左右両端から正面側及び背面側に突出しており、それぞれ略円筒状に形成されている。これら軸部234,235は、リアケース22の後述する設置部4にキー23Lが設置された際に、左右方向(本発明の第1方向)と、キー23Lの突出方向である上方向(図9におけるS2方向であり、本発明の第2方向)とにそれぞれ直交する方向(背面側に向かう方向を示す図9におけるS3方向及び当該S3方向の反対方向であり、本発明の第3方向)に沿って延出する。
【0054】
これらのうち、右側に形成された軸部234は、キー23Lの左側が押下された際に当該キー23Lの回動軸となる。
また、左側に形成された軸部235は、キー23Lの右側が押下された際に当該キー23Lの回動軸となる。なお、このようなキー23Lの回動については、後に詳述する。
【0055】
突出部236は、軸部235の更に外側(軸部234から離間する側)に、本体部231から下方に突出するように形成されている。このような突出部236は、キー23Lの右側(軸部234側)の端部が押下された際にリアケース22(側面部22Dの内面)と係合して、当該キー23Lの不要な回動を規制するほか、開口部22B4を介してリアケース22内部が視認されてしまうことを防ぐためのものである。
【0056】
〔設置部の構成〕
図10〜図13は、キー23L及び当該キー23Lが設置される設置部4を示す図である。具体的に、図10及び図11は、キー23L及び設置部4をそれぞれ正面側及び背面側から見た斜視図であり、図12は、これらを背面側から見た図である。また、図13は、図12に示した状態から、保持部材5を取り外した状態を背面側から見た図である。なお、図10以降の図に示されるS1〜S3方向は、前述のS1〜S3方向とそれぞれ同方向である。
リアケース22は、前述のキー23Lが設置される設置部4と、キー23Rが設置される設置部(図示省略)とを備える。
このうち、設置部4は、図10〜図13に示すように、左側に位置する起立部41(図10及び図12),42(図13)と、中央に位置する台座部43(図10〜図12)と、当該台座部43の下方に形成されたボス44,45(図11及び図13)と、長穴46(図13)と、ボス44に固定され、設置部4の右側に配置される保持部材5(図10〜図12)とを備える。
【0057】
起立部41は、図10及び図12に示すように、背面部22Fの内面から面外方向(背面側)に起立して形成されている。この起立部41は、S1方向に沿って延出する一対の規制部411,412により構成されている。そして、キー23Lが設置部4に設置された際には、当該規制部411,412間に、軸部235が配置される。
【0058】
これらのうち、規制部411は、本発明の第1規制部に相当する。この起立部411には、キー23Lが押下されていない状態では、接点ゴム34により上方(S2方向)に付勢されたキー23Lの軸部235が当接し、設置部4からのキー23Lの脱落が防止される。
また、規制部412には、キー23Lの略中央及び左側が押下された際に軸部235が当接し、当該キー23Lの必要以上の移動が規制される。
【0059】
起立部42は、キー23Lを挟んで、起立部41とは反対側に位置する。具体的に、起立部41が背面部22Fに形成されているのに対し、起立部42は、図13に示すように、正面部22Aの内面に一体的に形成されている。この起立部42は、当該内面から面外方向に延出する一対の規制部421,422により構成されている。
規制部421は、本発明の第1規制部に相当し、左右方向(S1方向)に沿って延出し、起立部422は、略逆T字状に形成されている。そして、これら規制部421,422は、それぞれ規制部411,412に対応する位置に形成され、当該規制部411,412と同様に機能する。
台座部43は、図10〜図13に示すように、左右方向に沿う平板状に、正面部22Aの内面から面外方向に突出して形成されている。この台座部43の上面には、前述の接点基板33及び接点ゴム34が配置される。
【0060】
ボス44,45は、図13に示すように、正面部22Aの内面にそれぞれ略円筒状に突設され、保持部材5を正面部22Aの内面に取り付けるための構成である。
このうち、ボス44は、背面側に向かって開口したねじ孔441を有し、当該ねじ孔441には、保持部材5を固定するねじ47(図11及び図12)が背面側から螺合する。
ボス45は、ボス44に比べて小さな外径寸法を有し、保持部材5に形成された孔部52を挿通して、当該保持部材5を位置決めする。
【0061】
長穴46は、図13に示すように、正面部22Aの内面に形成され、内部に軸部234が挿入される。この長穴46は、S2方向にそれぞれ延出するガイド部461と、それぞれS1方向に延出し、ガイド部461のS2方向先端側及び基端側を接続する規制部462,463とにより端縁が形成されている。
これらのうち、軸部234を挟むガイド部461は、当該軸部234のS2方向に沿う移動を案内するとともに、S1方向への移動を規制する。
また、規制部462,463は、軸部234の移動範囲を設定し、S2方向先端側の規制部462は、接点ゴム34の付勢力によりS2方向に移動する軸部234が当接することにより、キー23Lのリアケース22からの飛び出しを規制する。このような規制部462は、本発明の第2規制部に相当する。
【0062】
〔保持部材の構成〕
保持部材5は、背面側から見て略L字状に形成された合成樹脂又は金属により形成された部材であり、キー23Lのリアケース22外への脱落を規制するほか、当該キー23Lの突没を案内する。この保持部材5は、図10〜図12に示すように、孔部51,52と、ガイド部54及び規制部55,56により端縁が形成される長孔53とを有する。
孔部51は、保持部材5の左端部に位置し、背面側より正面側の内径が小さくなるように形成されている。この孔部51には、ボス44(図11)に保持部材5を固定する前述のねじ47が挿通する。
孔部52には、保持部材5を位置決めボス45(図11及び図12)が挿通する。
【0063】
長孔53は、長穴46とともに、本発明の長穴に相当する。この長孔53は、略矩形状に形成されており、当該長孔53には、軸部234が挿通する。この長孔53の左右の端縁を形成するガイド部54は、上下方向(キー23Lが突没する方向)に沿って形成されている。これらガイド部54間の距離は、軸部234の外径寸法に、所定のクリアランスを加えた寸法程度に設定されている。そして、ガイド部54は、キー23Lの略中央及び右端が押下された際に、軸部234のS2方向とは反対方向への移動を案内するほか、当該軸部234のS1方向への移動を規制する。
【0064】
長孔53の上下の端縁を形成する規制部55,56のうち、軸部234の上方に位置する規制部55は、本発明の第2規制部に相当する。
この規制部55には、キー23Lが押下されていない状態では、前述の接点ゴム34の付勢力により上方に押し上げられた軸部234が当接し、前述の規制部462と同様に、当該キー23Lの必要以上の突出、及び、設置部4からのキー23Lの脱落を規制する。
また、規制部56には、キー23Lの中央近傍及び右端が押下され、当該キー23Lが移動した際に軸部234が当接して、当該キー23Lの必要以上の移動を規制する。
【0065】
〔押下時のキーの動作〕
以下、キー23Lが押下された際の当該キー23Lの動作について説明する。
図14は、上面23Aの中央が押下された際のキー23Lを背面側から見た図である。
図12に示した状態(非押下状態)から、上面23Aの左右方向における中央が押下されると、図14に示すように、キー23L全体が押下方向に移動する。この際、軸部234は、規制部462及び規制部55に当接した状態から、ガイド部461及びガイド部54に沿って下方に移動する。また、軸部235は、規制部411,421に当接した状態から下方に移動する。このようなキー23Lの移動により、押圧部233が接点ゴム34を介して接点基板33を押圧する。
なお、この状態でキー23Lへの押下を解除すると、接点ゴム34の付勢力により、キー23Lが押し上げられ、当該キー23Lは、非押下状態に戻る。
【0066】
図15は、上面23Aの左側(図15における右側)が押下された際のキー23Lを背面側から見た図である。
図12に示した状態から、上面23Aの左側が押下されると、図15に示すように、キー23Lは、接点ゴム34の付勢力により規制部462,55に当接した状態の軸部234を中心として押下方向に回動し、押圧部233が、接点ゴム34を介して接点基板33を押圧する。この際、軸部234は、ガイド部461,54により左右方向の移動が規制されているため、当該軸部234は、下方にも左右にも移動しないが、規制部411,421に当接していた軸部235は、略円弧状の軌跡を描きつつ下方に移動する。
なお、この状態でキー23Lへの押下を解除すると、接点ゴム34の付勢力により、軸部235側も押し上げられるため、当該キー23Lは、非押下状態に戻る。
【0067】
図16は、上面23Aの右側(図16における左側)が押下された際のキー23Lを背面側から見た図である。
図12に示した状態から、上面23Aの右側が押下されると、図16に示すように、キー23Lは、接点ゴム34の付勢力により規制部411,421に当接した状態の軸部235を中心として押下方向に回動し、押圧部233が、接点ゴム34を介して接点基板33を押圧する。この際、軸部234は、ガイド部461,54により左右への動きが規制されているが、軸部235の左右方向の移動は規制されていないので、当該軸部234のガイド部461,54に沿った下方への移動に伴って、軸部235が、規制部411,421に当接した状態のまま、軸部234から離間する方向(左方向)にずれる。このため、キー23Lの右側が押下された状態でも、当該キー23Lの回動が滞りなく行われる。
なお、この状態でキー23Lへの押下を解除すると、接点ゴム34の付勢力により、軸部234側も押し上げられ、これに伴って、軸部235が規制部411,421に当接したまま、軸部234に近接する方向に移動する。これにより、キー23Lは、非押下状態に戻る。
【0068】
〔接点基板の構成〕
図16は、接点基板33を示す平面図である。
接点基板33は、前述のように、接点ゴム34を介してキー23Lにより押圧され、当該キー23Lの入力を検出する。この接点基板33は、基板331と、当該基板331上に積層形成される第1シート、第2シート(ともに図示省略)及び第3シート335とを有し、第1シートが基板331上に形成され、第3シート335が接点基板33の外表面を形成する。
第1シートは、互いに所定間隔を隔てて形成され、かつ、それぞれ導電性を有する第1接点332及び第2接点333を備える。これら各接点332,333は、第1シートの略中央に、一辺が基板331の長手方向に沿う平面視略L字状に形成された電極であり、FPC32を介して、制御基板31と接続される。この長手方向は、キー23Lの長手方向(左右方向)に一致する。そして、これら各接点332,333は、L字状の各辺が、それぞれ互いに略平行となり、かつ、互いに離間して形成されている。
【0069】
第2シートは、非導電性を有する合成樹脂製のシートであり、第1シートを保護するほか、前述の各接点332,333と後述する第3接点336とを離間させるスペーサーとして機能する。この第2シートには、各接点332,333における長手方向の両端近傍に対応する位置に、当該接点332,333の間に中心を有し、かつ、これら各接点332,333の外側に広がる一対の開口部334が形成されている。
【0070】
第3シート335は、導電性を有する素材(例えばカーボン)により形成された一対の第3接点336を備え、当該各第3接点336は、開口部334内に位置している。この一対の第3接点336は、第1接点332及び第2接点333に跨って形成されているが、前述の第2シートにより、接点332,333とは所定の間隔を隔てて配置されている。これら第3接点336は、キー23Lの押下時に、接点ゴム34の押圧部342により押圧され、第1接点332と第2接点333とを電気的に接続する。なお、押圧部342の中心位置は、第3接点336の中心位置と略同じ位置に設定され、また、当該押圧部342の寸法は、第3接点336の寸法より僅かに小さく設定されている。
【0071】
具体的に、キー23Lの略中央が押下された場合には、押圧部342により、各第3接点336が押圧され、これにより、当該各第3接点336を介して第1接点332と第2接点333とが電気的に接続される。
一方、キー23Lの長手方向における一方の端部が押下された場合には、当該一方の端部側の第3接点336が、押圧部342により押圧され、当該第3接点336を介して、第1接点332と第2接点333とが電気的に接続される。
このように、第1接点332と第2接点333とが、第3接点336を介して接続されると、第1接点332及び第2接点333のうちの一方に流れる電流が、他方に導通する。これにより、第1接点332及び第2接点333とFPC32を介して接続された制御基板31に、キー23Lが入力されたことを示す電気信号として当該電流が出力される。
【0072】
なお、キー23Rと、当該キー23Rに応じて設けられる設置部及び接点基板とについては、左右対称である以外は、キー23L、設置部4及び接点基板33と同様の構成であるので、これらの説明は省略する。また、キー23Rの押下時の動作についても、左右対称である点を除いてキー23Lの押下時の動作と同様であるので、説明を省略する。
【0073】
以上説明した本実施形態に係る携帯情報端末1によれば、以下の効果がある。なお、キー23Lにより奏することのできる効果は、左右対称であることを除いてキー23Lと同様の構成を有するキー23Rによっても同様に奏することができる。
キー23Lが押下されていない状態では、接点ゴム34の付勢力により、軸部234は規制部411,421に当接し、軸部235は、規制部462,55に当接するので、リアケース22からのキー23Lの脱落が防止される。
【0074】
上面23Aにおける左右方向の略中央が押下された場合、キー23Lの押下方向への移動は、軸部234を挟むガイド部461,54により案内される。この際、当該ガイド部461,54により、キー23Lの左右方向への揺動を規制することができる。また、上面23Aにおける左端側及び右端側が押下された場合でも、当該ガイド部461,54により、左右方向へのキー23Lの揺動を規制することができる。
従って、キー23Lのどの位置が押下された場合であっても、当該キー23Lの突没に応じた左右方向(S1方向)への揺動を抑制することができるので、キー23Lの入力を確実に行うことができるほか、当該キー23Lの動作を安定化することができる。更に、キー23Lは、押下位置に応じて、押下方向への移動又は回動を行うので、キー全体を押下方向に移動させるための長いガイドを設ける必要がない。このため、携帯情報端末1の小型化を図ることができる。
【0075】
設置部4に固定される保持部材5、及び、正面部22Aの内面が、それぞれガイド部54,461を有し、キー23Lが軸部234を有するので、リアケース22が軸部を有し、キー23Lがガイド部を有する場合に比べ、キー23Lの小型化を図ることができる。これにより、キー23Lの移動範囲を小さくすることができ、リアケース22の小型化を図ることができる。従って、携帯情報端末1を一層小型化することができる。
【0076】
また、軸部235は、背面側及び正面側に位置する規制部411,421によりS2方向への移動が規制されるので、キー23Lのがたつきを抑制することができるほか、当該キー23Lにおける軸部234側端部が押下された場合の回動を安定化することができる。同様に、軸部234は、当該軸部234の正面側の端部を挟むガイド部461と、背面側の端部を挟むガイド部54とにより、S2方向への移動が案内されるので、当該軸部234の移動を安定化することができる。従って、キー23Lの動作を安定化することができる。
【0077】
ガイド部461及び規制部462,463は、長穴46の端縁として形成され、また、ガイド部54及び規制部55,56は、長孔53の端縁として形成されるので、これらガイド部461,54及び規制部462,463,55,56を簡易に形成することができるほか、設置部4、ひいては、リアケース22の内面の構成を簡略化することができる。
また、規制部411,421は、リアケース22の内面に一体的に形成されているので、当該規制部411,421を簡易に形成することができ、リアケース22の構成を一層簡略化することができる。更に、規制部411,421が、S1方向に沿うように形成されていることにより、キー23Lの軸部234側の端部が押下された際に、当該軸部234から離間する方向に移動する軸部235と規制部411,421との当接状態を維持することができるので、当該軸部235を支点とするキー23Lの回動を円滑に行うことができる。
【0078】
リアケース22は、正面視略長円形状を有する略扁平状に形成されていることにより、使用者は、左右の両側面部22D,22Eに指(例えば、人差し指)を沿わせるようにしてリアケース22を把持することができるので、当該リアケース22を把持しやすくすることができる。また、このようにしてリアケース22を把持した場合に、当該指の指先が位置する上面部22Bの左右両端に、キー23L,23Rが配置されていることにより、当該キー23L,23Rを押下しやすくすることができる。また、各キー23L,23Rが前述の構成を有していることにより、指のかかり具合に依らずに、当該各キー23L,23Rを確実に押下することができる。従って、携帯情報端末1の操作性を向上することができる。
【0079】
軸部234は、設置部4にキー23Lを配置した際に、軸部235に対して上面22Bにおける中央寄りの位置に配置される。この軸部234の両端は、ガイド部461,54によりそれぞれ挟まれるので、キー23Lの移動時及び回動時に、当該軸部234は左右方向(S1方向)にほぼ移動しない。このため、軸部235を回動軸として回動する際に、軸部234の左右方向の移動が規制されずに、当該軸部234側のキー23Lの端部が円弧状の軌道で回動する場合に比べ、当該軸部234側のキーの端部(右端部)と、上面部22B(開口部22B4の端縁)との間のクリアランスを一層小さくすることができる。従って、上面部22Bの寸法を小さくすることができ、リアケース22、ひいては、携帯情報端末1の更なる小型化を図ることができる。
【0080】
キー23Lは、上面部22Bと左側面部22Dとに跨るように配置され、上面23Aは、上面部22Bに沿う面23A1と、左側面部22Dに沿う面23A2とにより形成される。これによれば、リアケース22を把持する指をキー23Lに容易に沿わせることができる。従って、キー23Lを一層確実に押下することができ、携帯情報端末1の操作性を一層向上することができる。更に、リアケース22外部に露出するキー23Lの形状が、当該リアケース22の形状に沿うこととなるので、携帯情報端末1の外観を良好にすることができる。
【0081】
〔2.第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態に係る携帯情報端末について説明する。
本実施形態に係る携帯情報端末1Aは、前述の携帯情報端末1と同様の構成を備えるが、当該携帯情報端末1では、接点基板33は、それぞれ略L字状を有する第1接点332及び第2接点333を備えていたが、携帯情報端末1Aの接点基板35では、互いに向かい合わせに配置された櫛歯状の第1接点及び第2接点を備える点で、当該携帯情報端末1Aと、携帯情報端末1とは相違する。なお、以下の説明では、既に説明した部分と同一または略同一である部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0082】
図18は、本実施形態に係る携帯情報端末1Aの接点基板35を示す平面図である。
本実施形態に係る携帯情報端末1Aは、接点基板33及び接点ゴム34に代えて、接点基板35及び接点ゴム36を備えるほかは、前述の携帯情報端末1と同様の構成を備えている。また、接点ゴム36は、一対の押圧部342に代えて、押圧部233との当接面に応じた横長の押圧部362を備えるほかは、接点ゴム34と同様の構成を備えている。
【0083】
接点基板35は、図18に示すように、基板351と、当該基板351に積層される第1シート、第2シート(ともに図示省略)及び第3シート355とを有する。
基板351に積層される第1シートには、それぞれ櫛歯状を有し、互いに向かい合わせに離間して配置された電極である第1接点352及び第2接点353が形成されている。これら第1接点352及び第2接点353は、基板351の長手方向に沿う方向の両端部、すなわち、キー23Lの長手方向に沿う方向の両端部に、互いに略平行に延出する延出部3521,3531を有する。
第2シートは、前述の第2シートと同様の機能を有し、第1シートに貼付される。この第2シートは、第1接点352及び第2接点353の形成範囲内に、基板351の長手方向(キー23L,23Rの長手方向と一致)に沿って長い略長円形状の開口部354を有する。
【0084】
第3シート355は、第2シートに貼付され、接点基板35の外表面を形成する。この第3シート355には、開口部354に応じた位置に、導電性を有する素材(例えばカーボン)により形成された第3接点356が形成されている。
この第3接点356は、開口部354の形状に応じて略長円形状に形成され、第1接点352及び第2接点353に跨るように、これら各接点352,353とは所定の間隔を隔てて配置されている。そして、第3接点356には、当該第3接点356より僅かに小さく、かつ、横長形状に形成された押圧部362が、長手方向を一致させるようにして当接される。この押圧部362により押圧されると、第3接点356は、第1接点352と第2接点353とを電気的に接続する。
【0085】
このような接点基板35においては、キー23Lの一端側及び他端側が押下され、押圧部362により各接点352,353の一端側及び他端側に応じた領域Ar1,Ar2がそれぞれ個別に押圧された場合でも、第3接点356を介して、これら延出部3521,3531間が電気的に接続される。また、キー23Lの中央が押下され、押圧部362により、各接点352,353の中央が押圧された場合でも、同様に、第3接点356を介して、当該各接点352,353間が電気的に接続される。これにより、各接点352,353のうちの一方を流れる電流が、他方に導通して制御基板31に電気信号として出力され、制御基板31が、キー23Lが押下されたことを認識する。
【0086】
以上説明した本実施形態に係る携帯情報端末1Aによれば、前述の携帯情報端末1と同様の効果がある。
なお、当該携帯情報端末1Aの接点ゴム36は、横長の押圧部362を備えるとしたが、前述の接点ゴム34と同様に、一対の押圧部を備える構成としてもよい。この場合、各押圧部が、領域Ar1,Ar2内における少なくとも第3接点356を覆う位置にそれぞれ配置されるように構成すればよい。
【0087】
〔3.実施形態の変形〕
本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
前記各実施形態では、第2軸部としての軸部234が、ガイド部54,461により案内される第2軸部として機能するとしたが、本発明はこれに限らない。すなわち、軸部235の端部を挟むようにガイド部を設け、当該軸部235が第2軸部として機能するように構成してもよい。また、これら軸部234,235の他に、第1軸部又は第2軸部として機能する他の軸部をキーに設けてもよく、当該軸部を挟むガイド部をリアケースに更に設ける構成としてもよい。この場合、当該他の軸部及びガイド部の位置は、適宜設定してよい。なお、キー23Lに限らず、キー23Rにおいても同様である。
【0088】
前記各実施形態では、キー23Lが第2軸部として機能する軸部234を有し、設置部4及び保持部材5がガイド部461,54を有するとしたが、本発明はこれに限らない。例えば、キーがガイド部を有し、筐体としてのリアケースが当該ガイド部により案内される軸部を有していてもよい。また、キーを挟んで対向配置される各ガイド部は、リアケース22の内面にそれぞれ形成されていてもよく、保持部材5のように、リアケース22に取り付けられる部材にそれぞれ形成されていてもよい。なお、キー23L及び設置部4に限らず、キー23R及び当該キー23Rが設置される設置部においても同様である。
【0089】
前記各実施形態では、軸部234の端部を挟むガイド部461,54が、キー23Lを挟んで正面部22A側及び背面部22F側にそれぞれ設けられ、また、当該軸部234のS2方向への突出を規制する規制部462,55が、同様にキー23Lを挟んで正面部22A側及び背面部22F側にそれぞれ設けられ、更に、軸部235のS2方向への突出を規制する規制部421,411が、同様にキー23Lを挟んで正面部22A側及び背面部22F側にそれぞれ設けられるとしたが、本発明はこれに限らない。すなわち、軸部234に係合するガイド部及び規制部、並びに、軸部235に係合する規制部は、それぞれ正面部側及び背面部側の少なくとも一方に設けられていればよい。
【0090】
前記各実施形態では、各規制部421,411は、正面部22A及び背面部22Fの各内面に一体的に形成されているとしたが、本発明はこれに限らず、リアケース22内に位置していればよい。
前記各実施形態では、ガイド部461及び規制部462,463は、軸部234が挿入される長穴46の端縁を形成し、ガイド部54及び規制部55,56は、同じく軸部234が挿入される長孔53の端縁を形成するとしたが、本発明はこれに限らない。すなわち、ガイド部と規制部とは離間配置されていてもよい。
【0091】
前記各実施形態では、筐体としてのリアケース22は、正面部22Aと、背面部22Fと、これら正面部22A及び背面部22Fを接続する上面部22B、下面部22C及び左右の両側面部22D,22Eとを備え、正面視略長円形状を有する略扁平状に形成されるとしたが、本発明はこれに限らない。すなわち、筐体は、正面視略長方形状でも正面視略円形状でもよく、当該筐体の形状は問わない。なお、筐体は、少なくとも一方の手で把持できる形状及び寸法であることが好ましい。
また、前記各実施形態では、リアケース22に対してフロントケース21がスライド自在に設けられているとしたが、本発明はこれに限らず、これらが一体化された1つの筐体であってもよい。
【0092】
前記各実施形態では、キー23L,23Rを上面部22Bにおける左右方向の両端部に設けるとしたが、本発明はこれに限らず、当該上面部22Bにおける中央でもよく、更には、他の側面部でもよい。すなわち、キーの配置位置及び数は適宜設定してよく、キーの長手方向も筐体の左右方向と一致しなくてもよい。更には、当該キーがフロントケース21に設けられていてもよい。
【0093】
前記各実施形態では、本発明の操作装置及び携帯情報端末として、ゲームプログラム、画像データ及び音声データを処理可能な携帯情報端末1を挙げたが、本発明はこれに限らない。例えば、据置型のゲーム機及びPC等に接続されるコントローラーに、本発明を適用することも可能である。また、携帯情報端末としては、ゲームプログラム、画像データ及び音声データのうちの少なくともいずれかを処理可能なものであってもよく、或いは、別のアプリケーションプログラムを実行可能なものでもよい。すなわち、携帯可能で、かつ、何らかのプログラム及びデータを処理可能な携帯情報端末であれば、本発明を適用することが可能であり、例えば、デジタルカメラ等に本発明を適用してもよい。なお、デジタルカメラに適用する場合には、本発明のキーとして、シャッターキーを挙げることができる。
【産業上の利用可能性】
【0094】
本発明は、ゲーム機、携帯電話及びPDA等の携帯情報端末に利用できる他、据置型のゲーム機及びPC等に接続されるコントローラーにも利用することができる。
【符号の説明】
【0095】
1,1A…携帯情報端末(操作装置)、22…リアケース(筐体)、23(23L,23R)…キー、34,36…接点ゴム(付勢部材)、46…長穴、53…長孔(長穴)、54…ガイド部、55…規制部(第2規制部)、22A…正面部、22B…上面部(側面部)、22D…左側面部(他の側面部)、22E…右側面部(他の側面部)、22F…背面部、231…本体部、234…軸部(第2軸部)、235…軸部(第1軸部)、23A…上面、411,421…規制部(第1規制部)、461…ガイド部、462…規制部(第2規制部)、23A1…面(第1面)、23A2…面(第2面)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのキーが突没自在に設けられた筐体を有する操作装置であって、
前記キーは、
第1方向に長い横長形状に形成された本体部と、
前記本体部における前記第1方向の一端側に位置し、前記第1方向及び前記筐体からの当該キーの突出方向である第2方向のそれぞれに略直交する第3方向に沿って延出する第1軸部とを有し、
前記筐体は、
前記キーを前記第2方向に付勢する付勢部材と、
前記第1軸部に対して前記第2方向側に位置し、前記付勢部材により付勢された前記第1軸部と当接する第1規制部とを有し、
前記キー及び前記筐体のいずれか一方は、前記第1方向の他端側に位置し、かつ、前記第3方向に沿って延出する第2軸部を有し、他方は、前記第2軸部の端部を挟み、かつ、当該第2軸部の前記第2方向への移動を案内するガイド部と、前記付勢部材により付勢された前記第2軸部と当接する第2規制部とを有することを特徴とする操作装置。
【請求項2】
請求項1に記載の操作装置において、
前記筐体は、前記ガイド部を有し、
前記キーは、前記第2軸部を有することを特徴とする操作装置。
【請求項3】
請求項2に記載の操作装置において、
前記筐体は、前記ガイド部及び前記第2規制部により端縁が形成され、内部に前記第2軸部が挿入される長穴を有することを特徴とする操作装置。
【請求項4】
請求項2又は請求項3に記載の操作装置において、
前記第1規制部、前記第2規制部及び前記ガイド部の少なくともいずれかは、前記キーを挟んで、前記第3方向側及び当該第3方向側の反対側にそれぞれ設けられることを特徴とする操作装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれかに記載の操作装置において、
前記第1規制部は、前記筐体の内面から前記第1方向に沿って起立し、当該筐体と一体的に形成されていることを特徴とする操作装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれかに記載の操作装置において、
前記筐体は、正面部と、背面部と、当該正面部及び背面部を接続する側面部とを備え、正面視略長円形状を有する略扁平状に形成され、
前記キーは、前記側面部のうち、前記筐体が把持された際の上方に位置する側面部における左右方向の少なくとも一方の端部に、前記第1方向と左右方向とが略一致するように配置されることを特徴とする操作装置。
【請求項7】
請求項6に記載の操作装置において、
前記第2軸部は、前記上方に位置する側面部における中央寄りの位置に配置されることを特徴とする操作装置。
【請求項8】
請求項6又は請求項7に記載の操作装置において、
前記キーは、前記上方に位置する側面部と、当該側面部に連続する他の前記側面部とに跨って配置され、
前記キーの上面は、前記上方に位置する側面部に沿う第1面と、前記他の側面部に沿う第2面とを有することを特徴とする操作装置。
【請求項9】
請求項1から請求項8のいずれかに記載の操作装置を備えることを特徴とする携帯情報端末。
【請求項1】
少なくとも1つのキーが突没自在に設けられた筐体を有する操作装置であって、
前記キーは、
第1方向に長い横長形状に形成された本体部と、
前記本体部における前記第1方向の一端側に位置し、前記第1方向及び前記筐体からの当該キーの突出方向である第2方向のそれぞれに略直交する第3方向に沿って延出する第1軸部とを有し、
前記筐体は、
前記キーを前記第2方向に付勢する付勢部材と、
前記第1軸部に対して前記第2方向側に位置し、前記付勢部材により付勢された前記第1軸部と当接する第1規制部とを有し、
前記キー及び前記筐体のいずれか一方は、前記第1方向の他端側に位置し、かつ、前記第3方向に沿って延出する第2軸部を有し、他方は、前記第2軸部の端部を挟み、かつ、当該第2軸部の前記第2方向への移動を案内するガイド部と、前記付勢部材により付勢された前記第2軸部と当接する第2規制部とを有することを特徴とする操作装置。
【請求項2】
請求項1に記載の操作装置において、
前記筐体は、前記ガイド部を有し、
前記キーは、前記第2軸部を有することを特徴とする操作装置。
【請求項3】
請求項2に記載の操作装置において、
前記筐体は、前記ガイド部及び前記第2規制部により端縁が形成され、内部に前記第2軸部が挿入される長穴を有することを特徴とする操作装置。
【請求項4】
請求項2又は請求項3に記載の操作装置において、
前記第1規制部、前記第2規制部及び前記ガイド部の少なくともいずれかは、前記キーを挟んで、前記第3方向側及び当該第3方向側の反対側にそれぞれ設けられることを特徴とする操作装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれかに記載の操作装置において、
前記第1規制部は、前記筐体の内面から前記第1方向に沿って起立し、当該筐体と一体的に形成されていることを特徴とする操作装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれかに記載の操作装置において、
前記筐体は、正面部と、背面部と、当該正面部及び背面部を接続する側面部とを備え、正面視略長円形状を有する略扁平状に形成され、
前記キーは、前記側面部のうち、前記筐体が把持された際の上方に位置する側面部における左右方向の少なくとも一方の端部に、前記第1方向と左右方向とが略一致するように配置されることを特徴とする操作装置。
【請求項7】
請求項6に記載の操作装置において、
前記第2軸部は、前記上方に位置する側面部における中央寄りの位置に配置されることを特徴とする操作装置。
【請求項8】
請求項6又は請求項7に記載の操作装置において、
前記キーは、前記上方に位置する側面部と、当該側面部に連続する他の前記側面部とに跨って配置され、
前記キーの上面は、前記上方に位置する側面部に沿う第1面と、前記他の側面部に沿う第2面とを有することを特徴とする操作装置。
【請求項9】
請求項1から請求項8のいずれかに記載の操作装置を備えることを特徴とする携帯情報端末。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2010−267458(P2010−267458A)
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−117057(P2009−117057)
【出願日】平成21年5月13日(2009.5.13)
【出願人】(395015319)株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメント (871)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年5月13日(2009.5.13)
【出願人】(395015319)株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメント (871)
【Fターム(参考)】
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