説明

操作装置

【課題】 温水暖房システムにおいて、操作性に優れ使い勝手のよい操作装置を提供する。
【解決手段】 操作部の操作に応じて表示部11に操作可能な事項を表示する操作事項選択画面を表示し、この操作事項選択画面のタグT1〜T3の表示に従って操作事項が選択されると、当該選択された操作事項に関する操作入力画面を表示するように構成された操作装置において、「ふろ予約」に関する操作入力画面に、予め関連付けられた「浴室暖房予約」に関する操作入力画面に画面を遷移させるタグT2を設け、このタグT2の表示に基づいて操作部が操作されると、表示部11の表示を「浴室暖房予約」に関する操作入力画面に切り替える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は操作装置に関し、より詳細には、浴槽への湯張り機能と、浴室等の暖房装置への温水供給機能とを備えた温水暖房システムにおける操作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近時、浴槽への湯張り等を行う給湯熱源機から供給される温水を暖房用の熱源として用いる温水暖房装置(たとえば、浴室暖房乾燥機や床暖房パネルなど)が提供されており、このような温水暖房装置を用いて浴室や居室などを暖房するようにした温水暖房システムが提案されている。
【0003】
ところで、このような温水暖房システムにおいては、通常、給湯温度や湯張水位の設定などいわゆる給湯機能に関する事項の設定・操作を行う操作装置(以下、給湯器リモコンと称する)と、暖房温度や風量の設定などの暖房機能に関する事項の設定・操作を行う操作装置(以下、暖房リモコンと称する)とは別体に構成されている。そのため、たとえば入浴時(浴槽への湯張り時)に浴室や脱衣場を暖房しようとすると、互いに離れた場所に設置されている給湯器リモコンと暖房リモコンの双方で湯張り・暖房の各操作を行わねばならず操作が煩雑であった。
【0004】
本願出願人は、このような操作の煩雑さを解消し、操作性に優れた温水暖房システムを提供するため、給湯熱源機と温水暖房装置とを相互に通信可能に接続し、これにより、給湯器リモコンを用いて温水暖房装置の設定・操作ができるようにした温水暖房システムを提案している(下記の特許文献1参照)
【0005】
すなわち、この特許文献1に示す温水暖房システムでは、たとえば、温水暖房装置の運転予約を行う場合、操作者に、まず給湯器リモコン上の「設定」スイッチの操作により、給湯機能に関する操作と、暖房機能に関する操作と、内部時計の設定に関する操作のいずれを行うかを選択させる。そして、この操作により暖房機能に関する操作が選択されると、表示部に暖房表示画面を表示し、この画面上で、暖房運転の入/切操作または暖房予約の設定操作のいずれを行うかの選択を求め、この画面の表示に従って暖房予約の設定操作が選択されると、次に、居間、寝室などいずれの場所に設置された温水暖房装置の暖房予約を行うかを選択させ、さらにこの選択後に予約時刻の設定操作を行わせるように構成されている。
【0006】
つまり、この特許文献1に示す温水暖房システムでは、給湯器リモコンによる温水暖房装置の設定・操作を可能にするにあたり、給湯器リモコンで設定・操作可能な事項を、予め、給湯機能に関する操作と、暖房機能に関する操作と、内部時計の設定に関する操作との3項目に大別するとともに、リモコン操作にあたっては、まず「設定」スイッチでこの3項目のいずれの分類に属する操作であるかを選択させ、具体的な設定・操作事項の選択は、この分類選択後に表示される表示部の画面の指示に従って行うように構成されている。
【0007】
【特許文献1】特開2004−101046号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、このように温水暖房装置の設定・操作ができるように給湯器リモコンを構成しても、未だ以下に示すような問題があった。
【0009】
すなわち、上記特許文献1に示す温水暖房システムにおいては、リモコン操作にあたり、まず、給湯機能に関する操作と、暖房機能に関する操作と、内部時計の設定に関する操作のいずれの操作であるかを選択させる構成を採用しているため、たとえば、浴槽への湯張り運転(ふろ自動運転)の予約と温水暖房装置の運転予約の双方を同時に行う場合には、操作者は、まず、上記「設定」スイッチで給湯機能に関する操作を選択し、その際に表示部に表示される画面上の指示に従って湯張り運転の予約操作を行った後、再び「設定」スイッチで暖房機能に関する操作を選択し直して、改めて温水暖房装置の運転予約の操作を行わなければならなかった。
【0010】
つまり、この特許文献1に示す温水暖房システムでは、給湯器リモコンでの操作事項が、予め大別された項目のうち異なる項目に属するような場合に、各事項の操作の都度、上記項目の選択からやり直さなければならず、設定操作が煩雑であった。殊に、上述した湯張り運転の予約操作と温水暖房装置の運転予約操作は、日常のリモコン操作で比較的頻繁に同時に操作されるため、その操作性の向上が強く求められていた。
【0011】
本発明はかかる従来の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、温水暖房システムにおいて、操作性に優れ使い勝手のよい操作装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するため、本発明の請求項1に記載の操作装置は、給湯熱源機が浴槽への湯張り機能と温水暖房装置への温水供給機能とを備えた温水暖房システムに用いられる操作装置であって、操作部の所定操作に応じて表示部に該操作装置で操作可能な事項を表示する操作事項選択画面を表示し、この操作事項選択画面の表示に従って操作事項が選択されると、当該選択された操作事項に関する操作入力画面を表示するように構成された操作装置において、上記選択可能な操作事項として、少なくとも浴槽への湯張り運転の動作予約が備えられ、この湯張り運転の動作予約を行うための操作入力画面の表示中に、上記操作部での所定操作を条件に、上記表示中の画面を、上記湯張り運転の動作予約と予め関連付けられた特定の操作事項の操作入力画面に切り替えるように設定されていることを特徴とする。
【0013】
すなわち、この請求項1に記載の操作装置では、たとえば、該操作装置の操作可能事項として、浴槽への湯張り運転の動作予約の設定と、浴室暖房装置の動作予約の設定とが選択可能に設けられている場合に、これらを予め関連付けておくことにより、浴槽への湯張り運転の予約時刻の設定を行う操作入力画面の表示中に、操作部で所定操作(たとえば、画面の切替を要求する操作や、湯張り運転の予約時刻の設定完了操作、さらには、同設定完了操作がなされないまま所定時間が経過するなど)がなされると、表示中の画面が、湯張り運転の予約時刻の操作入力画面から浴室暖房装置の動作予約時刻の設定を行う操作入力画面に自動的に移行する。そのため、この請求項1に記載の発明によれば、湯張り運転の予約と浴室暖房運転の予約の双方を同時に行う場合に、湯張り運転予約操作後に改めて操作事項選択画面に戻って浴室暖房装置の運転予約の設定を選択操作することなく、湯張り運転予約の操作と浴室暖房装置の運転予約の操作とを連続して行うことができ、迅速に浴室暖房装置の運転予約を行うことができる。
【0014】
また、この請求項1に記載の操作装置では、上記浴槽への湯張り運転の予約と、これに関連付けられた特定の操作事項(たとえば、浴室暖房装置の運転の予約)とを、それぞれ別個に操作事項選択画面から選択してそれぞれ個別に設定・操作できる一方で、これらの設定・操作をその都度操作選択画面に戻ることなく連続的に操作することもできる。したがって、ユーザは設定・操作を行う状況等に応じて上記いずれの方法により設定・操作を行うかを選択できるので、使い勝手の良い操作装置を提供できる。
【0015】
また、本発明の請求項2に記載の操作装置は、請求項1に記載の操作装置において、上記浴槽への湯張り運転の動作予約の操作入力画面中に、上記湯張り運転の動作予約と予め関連付けられた1または複数の特定の操作事項を示す選択表示が含まれ、該選択表示に従って1の操作事項が選択されると、上記表示中の画面を、上記選択された操作事項の操作入力画面に切り替えるように設定されていることを特徴とする。
【0016】
すなわち、この請求項2に記載の操作装置では、たとえば、該操作装置の操作可能事項として、浴槽への湯張り運転の動作予約の設定と、浴室暖房装置の動作予約の設定と、さらに脱衣室の床暖房装置の動作予約の設定とが選択可能に設けられているような場合、これらを予め関連付けておくことにより、浴槽への湯張り運転予約時刻の設定を行う操作入力画面の表示中に、浴室暖房装置の運転予約の設定と、脱衣室の床暖房装置の運転予約の設定のいずれを行うかを選択させる表示が同画面中に表示される。したがって、湯張り運転予約の設定に続いて脱衣室の床暖房装置の運転予約を行いたい場合には、この選択表示に従って脱衣室の床暖房装置の運転予約を選択することで、表示中の画面が、湯張り運転予約時刻の操作入力画面から脱衣室の床暖房装置の運転予約時刻の設定を行う操作入力画面に自動的に移行する。そのため、この請求項2に記載の発明によれば、湯張り運転の予約と関連付けられた操作事項が複数ある場合であっても、一々操作事項選択画面に戻ることなく所望の操作を行うことができる。
【0017】
また、本発明の請求項3に記載の操作装置は、請求項1または2に記載の操作装置において、上記特定の操作事項が浴槽への湯張り運転の動作予約とは異なる他の機能の動作予約とされ、上記特定の操作事項の操作入力画面を表示した際に動作予約時刻として表示される時刻の初期値が、上記湯張り運転の動作予約の操作入力画面において設定された動作予約時刻と、予め設定される時刻設定用の修正値とに基づいて自動的に設定されることを特徴とする。
【0018】
すなわち、この請求項3に記載の操作装置では、たとえば、該操作装置の操作可能事項として、浴槽への湯張り運転(第1の機能の動作)の予約の設定と、浴室暖房装置の暖房運転(他の機能の動作)の予約の設定とが選択可能に設けられ、これらが予め関連付けられている場合(つまり、これら第1の機能と第2の機能の動作予約の設定操作を連続的に操作できるようにしておきたい場合など)において、浴槽への湯張り運転予約時刻の設定を行う操作入力画面の表示中に、操作部で所定操作がなされると、表示中の画面が、湯張り運転予約時刻の操作入力画面から浴室暖房装置の運転予約時刻の設定を行う操作入力画面に自動的に移行する。その際、浴室暖房装置の運転予約時刻の操作入力画面には、湯張り運転予約時刻の設定入力画面で設定された時刻を時刻設定用の修正値で修正した時刻(たとえば、湯張り運転予約時刻の10分前など)が表示される。したがって、この請求項3の操作装置によれば、湯張り運転と浴室暖房運転のように予約時刻が通常近接するような機能について、上記修正値を適宜設定することにより、手動による予約時刻の修正操作を省略することができる。
【0019】
なお、その際、浴室暖房装置の運転予約時刻の設定を行う操作入力画面に表示される時刻は、あくまで同時刻の初期値であり、最終的な動作予約時刻の確定前に適宜修正・変更操作が可能であることはもちろんである。つまり、本発明では、第1の機能の動作予約時刻と第2の機能の動作予約時刻とは自動的に設定(確定)されるのではなく、あくまでもそれぞれ個別に設定可能とされている。
【0020】
また、本発明の請求項4に記載の操作装置は、請求項3に記載の操作装置において、上記時刻設定用の修正値が任意に設定変更可能とされていることを特徴とする。これにより、操作者の好み等に応じて、第1の機能と第2の機能の動作タイミング(時間差)を予め自由に設定できるので、予約操作毎に一々時刻設定をし直さなくてもよく、使い勝手の良い操作装置を提供することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、操作部の所定操作に応じて表示部に該操作装置で操作可能な事項を表示する操作事項選択画面を表示し、この操作事項選択画面の表示に従って操作事項が選択されると、当該選択された操作事項に関する操作入力画面を表示するように構成された操作装置において、選択可能な操作事項として、少なくとも浴槽への湯張り運転の動作予約が備えられ、この湯張り運転の動作予約を行うための操作入力画面の表示中に、上記操作部での所定操作を条件に、上記表示中の画面を、上記湯張り運転の動作予約と予め関連付けられた特定の操作事項の操作入力画面に切り替えるように設定されていることから、関連する操作事項について、その都度操作事項選択画面に戻ることなく設定・操作が行えるので操作性の優れた操作装置を提供することができる。
【0022】
また、上記浴槽への湯張り運転の動作予約の操作入力画面中に、上記湯張り運転の動作予約と予め関連付けられた1または複数の特定の操作事項を示す選択表示が含まれ、該選択表示に従って1の操作事項が選択されると、上記表示中の画面を、上記選択された操作事項の操作入力画面に切り替えるように設定されていることにより、浴槽への湯張り運転の予約と関連する特定の操作事項が複数ある場合でも、これらの設定・操作を容易且つ迅速に行うことができ、操作性の優れた操作装置を提供できる。
【0023】
さらに、上記特定の操作事項が浴槽への湯張り運転の動作予約とは異なる他の機能の動作予約とされ、上記特定の操作事項の操作入力画面を表示した際に動作予約時刻として表示される時刻の初期値が、上記湯張り運転の動作予約の操作入力画面において設定された動作予約時刻と、予め設定される時刻設定用の修正値とに基づいて自動的に設定されることにより、予約時刻が通常近接するような機能について、上記修正値を適宜設定することにより手動による予約時刻の修正操作を省略することができる。また、上記時刻設定用の修正値が任意に設定変更可能とされることにより、操作者の好み等に応じて、湯張り運転の動作タイミングと他の機能の動作タイミング(時間差)を予め自由に設定できるので、予約操作毎に一々時刻設定をし直さなくてもよく、使い勝手の良い操作装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0025】
図1は本発明の操作装置を備えた温水暖房システムの概略構成を示す説明図である。図示のように、この温水暖房システムは、カランやシャワー等への給湯機能および浴槽Bへの湯張り機能と、温水暖房装置(図示例では浴室暖房装置Cのみを示し、その他の温水暖房装置については図示を省略する)への温水供給機能とを備えた給湯熱源機Aに、浴槽Bと浴室暖房装置Cとがそれぞれ配管接続されて構成される。
【0026】
そして、上記給湯熱源機Aには、その操作装置1として、台所に設置される台所リモコン1aと浴室に設置される浴室リモコン1bの二つのリモートコントローラがリモコンコード(通信線)L1を介して接続されている。ここで、上記給湯熱源機Aと上記各リモコン1a,1bとは、いわゆる電源重畳通信方式により通信接続されている。したがって、上記各リモコン1a,1bは、図示しないその制御部が上記リモコンコードL1を介して給湯熱源機Aの制御部(図示せず)と制御信号のやり取りを行うとともに、上記給湯熱源機Aから電力供給を受けるように構成されている。
【0027】
一方、浴室暖房装置Cは、図示しない電源から電力の供給を受けるように構成されており、その操作装置としてワイヤレスリモートコントローラ2を備えている。そして、この浴室暖房装置Cと上記給湯熱源機Aとは、上記リモコンコードL1とは異なる通信線L2により接続され、この通信線L2を介して上記給湯熱源機Aの制御部と浴室暖房装置Cの制御部(図示せず)とが制御信号を双方向で通信するように構成されている。
【0028】
本発明の操作装置は、このように構成された温水暖房システムにおける給湯熱源機Aの操作装置1に好適に使用される。そこで、以下においては、本発明の操作装置を台所リモコン1aに適用した場合について説明する。
【0029】
図2は、上記台所リモコン1aの外観構成の一例を示す正面図である。この台所リモコン1aは、その制御部が、上記給湯熱源機Aの制御部との制御信号のやり取りによって該給湯熱源機Aの遠隔操作を行う他、該給湯熱源機Aの制御部を介して該給湯熱源機Aと通信接続された温水暖房装置(図示例では浴室暖房装置)Cの遠隔操作も可能なようにプログラミングされた操作装置であって、図示のように、装置正面に表示部11と操作部12とを備えて構成されている。
【0030】
具体的には、上記表示部11は、台所リモコン1aの制御部から指令に基づいて文字や図形を自由に表示できる蛍光管ドットマトリクスよりなる表示パネルで構成される。また、上記操作部12としては、給湯熱源機Aを給湯可能状態と給湯停止状態とを切り替えるための運転スイッチ12aと、給湯熱源機Aによる浴槽Bへの自動湯張り運転を開始させるためのふろ自動スイッチ12bと、後述する表示部11の画面の切り替え等を行うためのメニュースイッチ12cと、給湯設定温度の上げ/下げ等を入力するためのアップスイッチ12dおよびダウンスイッチ12eと、後述する表示部11の操作事項選択画面の表示に従って操作事項を選択等するための選択スイッチ12f〜12hとが備えられており、これらの操作信号が上記台所リモコン1aの制御部に与えられるように構成されている。
【0031】
なお、ここで上記ふろ自動スイッチ12bの操作によって行われる自動湯張り運転とは、台所リモコン1aが接続される給湯熱源機Aの機種(機能)によってその態様が相違する。すなわち、この自動湯張り運転には、給湯熱源機Aの機種によって、たとえば、ふろ湯水の設定温度の湯を設定水位(あるいは設定湯量)になるまで浴槽Bに落とし込むものや、所定温度の湯を設定水位(あるいは設定湯量)になるまで浴槽Bに落とし込み、その後、ふろ湯水の設定温度まで追い焚きして沸き上げるもの、さらには、これらに加えて、ふろ湯水の湯温低下に応じてふろ湯水の設定温度を維持するように追い焚きするものや、水位低下に応じて足し湯を行うものなど様々である。
【0032】
そこで、次に、この台所リモコン1aの機能について、表示部11の画面表示を示しながら説明する。
【0033】
この台所リモコン1aは、上記運転スイッチ12aを押圧操作することで、台所リモコン1aの制御部から上記給湯熱源機Aに対して、該給湯熱源機Aを給湯可能状態(つまり、カランやシャワー等が開栓されると出湯を開始する状態)に移行させる制御信号が出力されるとともに、上記表示部11には予め設定された初期画面(たとえば、給湯設定温度や現在時刻等を表示する画面)が表示される。そして、この初期画面の表示中に、上記アップスイッチ12dやダウンスイッチ12eが押圧操作されると、その操作に応じて給湯設定温度が修正・変更され、その変更後の給湯設定温度データが給湯熱源機Aに送信される。また、この状態で上記ふろ自動スイッチ12bが押圧操作されると、給湯熱源機Aに対して自動湯張り運転の開始を指示する制御信号が送信され、この制御信号に基づいて給湯熱源機Aが浴槽Bへの湯張りが開始される。
【0034】
また、この台所リモコン1aには、上述したような給湯設定温度の修正・変更操作や自動湯張り運転の開始操作といった操作事項の他にも、たとえば、予め設定した時刻に自動湯張り運転を開始させる「ふろ予約」や、浴室暖房装置Cに暖房運転を開始/停止させる「浴室暖房」、さらには、予め設定した時刻に浴室暖房装置Cに暖房運転を開始させる「浴室暖房予約」といった他の多くの操作事項が設定されている。これらの操作事項は、上記メニュースイッチ12cの押圧操作によって表示部11に表示される操作事項選択画面の表示に従って選択可能とされている。
【0035】
図3は、このように選択可能に構成された操作事項の一例を示した説明図である。本実施形態に示す台所リモコン1aでは、このように多くの操作事項を表示部11に表示するにあたり、これらの操作事項を所定数ずつ(図示例では選択スイッチ12f〜12hに対応して3項目ずつ)表示部11に表示するように構成し、上記メニュースイッチ12cの押圧操作によって表示中の画面の頁送り(項目送り)ができるように構成されている。
【0036】
つまり、表示部11に上記初期画面が表示されている状態でメニュースイッチ12cが1度押圧操作されると、表示部11の操作事項選択画面には1頁目にあたる操作事項(「ふろ予約」,「ふろ洗浄」,「排水栓」の3項目を表示するタグT1〜T3)が表示される(図4(a)参照)。そして、この状態で、さらにもう1度メニュースイッチ12cが押圧操作されると、次の頁にあたる操作事項(「即湯」,「「即湯予約」,「暖房」の3項目を表示するタグ)が表示される。以後同様に、メニュースイッチ12cの押圧操作を繰り返す毎に操作事項選択画面の頁送りがなされ、最終頁でメニュースイッチ12cが押圧操作されると、再び第1頁目に戻るように設定される。なお、図4(a)において、表示部11の左上方に表示される「メニュー 1/7」との表示は、操作事項選択画面が全体で7頁あり、そのうちの第1頁目を表示中であることを示している。
【0037】
なお、図3に示す操作事項の一例は、本実施形態に示す温水暖房システムが自動ふろ洗浄装置や自動排水栓、即出湯機能などを備えて構成されている場合を示すものであり、たとえば、自動ふろ洗浄装置が接続されていないような場合には、台所リモコン1aの制御部は、自動ふろ洗浄装置の未接続を、たとえば図示しない自動ふろ洗浄装置の制御部からの通信がないことに基づいて検出して、上記操作事項選択画面において自動ふろ洗浄装置の操作に関する「ふろ洗浄」のタグを表示しないように構成される。つまり、この場合は、操作事項選択画面の第1頁目のタグT2には、自動排水栓の操作に関する「排水栓」のタグが表示され、タグT3には即出湯機能の操作に関する「即湯」のタグが表示される。つまり、上記操作事項選択画面には、台所リモコンで操作可能な事項のみがタグとして表示される。
【0038】
また、上記各操作事項選択画面で表示される操作事項は、上記選択スイッチ12f〜12hの上方位置に、各選択スイッチ12f〜12hに対応するように表示される。つまり、1頁目の操作事項選択画面の場合、表示部11には、上記選択スイッチ12fに対応するように「ふろ予約」を示すタグT1が表示され、また、選択スイッチ12gに対応するように「ふろ洗浄」を示すタグT2が表示され、さらに、選択スイッチ12hに対応するように「排水栓」を示すタグT3が表示される。
【0039】
そして、各操作事項の選択は、表示された操作事項(タグ)に対応する選択スイッチ12f〜12hの押圧操作によって行われる。したがって、1頁目の操作事項選択画面が表示されている際に、上記選択スイッチ12fが押圧操作されると、この選択スイッチ12fに対応する位置に表示されたタグT1の操作事項、つまり、「ふろ予約」が選択され、「ふろ予約」に関する操作入力画面が表示される(図4(b)参照)。また、これに伴い、台所リモコン1aの制御部は、自動湯張り運転の予約設定モードに突入する。
【0040】
そして、本実施形態では、この「ふろ予約」に関する操作入力画面において、浴槽Bへの自動湯張りの動作予約時刻(図示例では「沸き上がり時刻」と表示)の設定と、予めこの「ふろ予約」と関連付けられた他の操作事項(具体的には,「浴室暖房予約」)の操作入力画面への画面切り替えの双方の操作が行えるように設定されている。なお、ここで、本実施形態では、自動湯張りの動作予約時刻を「沸き上がり時刻」と表示した場合を示したが、上述したように自動湯張り運転の態様には様々なものがあるので、この表示は自動湯張り運転の態様に応じて適宜変更可能であるのはもちろんである。
【0041】
また、上記自動湯張りにおける動作予約時刻(図示例の「沸き上がり時刻」)は、自動湯張り運転がふろ湯水の設定温度の湯を設定水位(あるいは設定湯量)になるまで浴槽Bに落とし込むもタイプのものにあっては、通常、湯張りの完了時刻を意味するが、たとえば、所定温度の湯を設定水位(あるいは設定湯量)になるまで浴槽Bに落とし込み後、ふろ湯水の設定温度まで追い焚きして沸き上げるタイプのものにあっては、湯張り後の最初の追い焚き完了時刻(すなわち、ふろ湯水の温度低下後に温度維持のために行われる2回目以降の追い焚き完了時刻等は除く)とするなど、具体的にどの時点をもって「沸き上がり時刻」とするかは適宜設定可能である。
【0042】
すなわち、自動湯張りの動作予約時刻の設定は、たとえば、前回の操作で設定された「ふろ予約」の動作予約時刻を初期値として表示部11に動作予約時刻が表示される(図示例では「PM11:50」)。その際、この初期値として設定された動作予約時刻の修正・変更が必要な場合は、上記アップスイッチ12d,ダウンスイッチ12eで時刻の上げ修正,下げ修正が可能とされる。
【0043】
ここで、「ふろ予約」の設定のみを行う場合、つまり「浴室暖房予約」の設定を行わない場合には、上記表示部11の表示(具体的には、「予約完了」のタグT1の表示)に従って、この表示に対応する上記選択スイッチ12fを押圧操作することにより「ふろ予約」の動作予約時刻の設定が完了し、表示部11に設定完了を示す画面(図4(d)参照)を一定時間表示した後に上述した初期画面に戻る。また、これにより台所リモコン1aの制御部は、自動湯張り運転の予約設定モードを解除する。
【0044】
一方、「ふろ予約」の設定に続いて「浴室暖房予約」の設定を行う場合には、上記表示部11の表示(具体的には、「浴室暖房予約」を示す「浴暖予約」のタグT2の表示)に従って、この表示に対応する上記選択スイッチ12gを押圧操作する。これにより、表示部11の表示が、「ふろ予約」に関する操作入力画面から「浴室暖房予約」に関する操作入力画面(図4(c)参照)に切り替えられる。つまり、台所リモコン1aの制御部は、この選択スイッチ12gの操作により、自動湯張り運転の予約設定モードから浴室暖房装置Cの予約設定モードに移行する。
【0045】
ここで、「浴室暖房予約」の操作入力画面では、図4(c)に示すように、浴室暖房装置Cの運転についての動作予約時刻(図示例では「浴室暖房予約」と表示)の設定操作が行えるようにされている。そして、この操作入力画面に表示される動作予約時刻の初期値(図示例では「PM 11:40」)は、上記「ふろ予約」の操作入力画面で設定された自動湯張りの動作予約時刻に基づいて自動的に設定される。
【0046】
具体的には、この「浴室暖房予約」における動作予約時刻の初期値をt3とし、上記「ふろ予約」で設定された動作予約時刻t1とし、この動作予約時刻t1を修正するための修正値t2とすると、上記初期値t3は、台所リモコン1aの制御部により、t3=t1+t2の数式を用いて演算・設定される。つまり、本実施形態では、上記修正値t2が「−10分」に設定されており、ふろの沸き上がり時刻の10分前に浴室暖房装置Cが暖房運転を開始するようにされている。これは、「ふろ予約」と「浴室暖房予約」の双方を同時に設定する場合、通常は、浴槽Bへの湯張り完了時には浴室が所望の温度まで暖房されていることを希望することが多いので、沸き上がり時刻の前に浴室暖房装置Cが動作を開始するようにしたためである。
【0047】
なお、この初期値t3は、上述した「ふろ予約」の動作予約時刻と同様に、表示部11に「浴室暖房予約」の操作入力画面(図4(c)参照)が表示されている状態でアップスイッチ12d,ダウンスイッチ12eを操作することにより、時刻の上げ修正,下げ修正が可能とされている。また、上記修正値t2は台所リモコン1aの制御部にデータとして保存されるが、この修正値t2は任意に設定変更可能とされている。すなわち、台所リモコン1aは、その操作事項として上記修正値t2の修正という項目も備えており、この項目を選択することで上記修正値t2をユーザが自由に修正できるようにされている。なお、本実施形態では、上記修正値t2の修正をユーザ側でも行えるように構成したが、修正値t2を固定値とし、ユーザ側では修正は行えないようにすることも可能である。
【0048】
そして、このように「浴室暖房予約」の動作予約時刻の修正等が終わると、最後に、上記表示部11の表示(具体的には、「予約完了」のタグT1の表示)に従って、この表示に対応する上記選択スイッチ12fを押圧操作することにより「浴室暖房予約」の動作予約時刻の設定を終了する。これにより、「ふろ予約」と「浴室暖房予約」の双方についての動作予約時刻が確定し、台所リモコン1aの制御部にこれらの予約時刻として受け付けられ、表示部11に設定完了を示す画面(図4(d)参照)が一定時間表示され、表示部11は上述した初期画面に戻る。また、これにより台所リモコン1aの制御部は、浴室暖房装置Cの予約設定モードを解除する。
【0049】
このように、本発明の操作装置によれば、操作装置における特定の操作事項(上述した実施形態では「ふろ予約」)について予め他の特定の操作事項(上述した実施形態では「浴室暖房予約」)との関連付けがなされ、当該特定の操作事項の操作入力画面の表示中に、操作部12での所定操作がなされると表示部11の表示が上記関連づけられた他の特定の操作事項の操作入力画面に遷移するように設定されていることから、たとえば、連続的に操作を行いたい事項につき予めこの関連付けをしておくことで、関連する操作事項を操作する際に、その都度操作事項選択画面に戻ることなく設定・操作することができ操作性に優れた操作装置を提供できる。また、関連する項目の設定・操作を迅速に行うことができる。
【0050】
なお、上述した実施形態はあくまでも本発明の好適な実施態様を示すものであって、本発明はこれらに限定されることなくその範囲内で種々の設計変更が可能である。
【0051】
たとえば、上述した実施形態では、特定の操作事項としての「ふろ予約」に関連付けられた他の操作事項が「浴室暖房予約」のみである場合を示したが、この他の操作事項は複数設けられていてもよい。たとえば、上記「ふろ予約」に関連づけられた操作事項として「浴室暖房予約」と「床暖房予約」とがある場合には、「ふろ予約」の操作入力画面に「床暖房予約」の操作入力画面への切り替えを選択できるタグT3を追加し、図5(a)のような画面を表示するように構成することも可能である。この場合、タグT3に対応する選択スイッチ12hが操作されると、台所リモコン1aの制御部は、表示部11の画面を「床暖房予約」の操作入力画面に切り替えると共に、床暖房装置の予約設定モードに突入するのは上述した実施形態と同様である。
【0052】
また、上述した実施形態では、「ふろ予約」についてのみ他の操作事項との関連付けを行った場合を示したが、「ふろ予約」以外の操作事項についても他の操作事項との関連付けを行うことも可能である。たとえば、一つの部屋に温水暖房装置としてファンコンベクタと床暖房パネルとが設けられているような場合に、これらのうちの一方の運転予約に他方の運転予約を関連付け、一々操作事項選択画面に戻ることなく両者の設定・操作を行えるようにすることも可能である。
【0053】
なお、この関連付けに関しては、予め台所リモコン1aの制御部に関連付けについての規則をプログラミングしておき、台所リモコン1aにおいて、この規則に適合する機器の接続や機能の具備(たとえば、上述した自動湯張り機能の具備と浴室暖房装置Cの接続)を検出すると自動的に操作事項同士の関連付けを行うように設定しておくことができる他、ユーザが手動で関連付けを行えるようにしておくことも可能である。
【0054】
さらに、上述した実施形態では、この関連付けは1段階しか行わない場合を示したが、たとえば、「ふろ予約」,「浴室暖房予約」,「脱衣室床暖予約」といったように2段階以上の連続的な関連付けを行うことも可能である。つまり、この場合、図5(b)に示すように、「浴室暖房予約」の操作入力画面に、この画面と関連づけられた2段階目の操作事項を示すタグT2(図示例では「脱衣床暖」とのタグ)を表示し、この表示に従って選択スイッチ12gが操作されると、「脱衣室床暖予約」に関する操作入力画面(図5(c)参照)を表示するように構成することも可能である。なお、2段階目以降の関連付けに関しても、上述したように、動作予約時刻の演算・設定につき修正値を用いて他の操作事項における動作予約時刻を利用可能であることはもちろんである。
【0055】
また、上述した実施形態では、「ふろ予約」の操作入力画面において、「予約完了」と「浴暖予約」の二つのタグを表示する場合を示したが、たとえば、図5(d)に示すように「浴暖あり」,「浴暖なし」のように、浴室暖房の予約を行うか否かを選択させるタグT1,T2を表示するように構成することも可能である。
【0056】
さらに、上述した実施形態では、「ふろ予約」の操作入力画面において、「浴暖予約」のタグT2に対応する選択スイッチ12gが操作されたことを条件に「浴室暖房予約」の操作入力画面に移行するように構成した場合を示したが、「予約完了」の操作が所定時間行われない場合には、自動的に「浴室暖房予約」の操作入力画面に移行するように設定しておくことも可能である。また、「予約完了」の操作がなされた場合に、「浴室暖房予約」の操作入力画面に移行するように設定しておくことも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明に係る操作装置を使用した温水暖房システムの概略構成の一例を示す説明図である。
【図2】同操作装置の外観構成の一例を示す正面図である。
【図3】同操作装置で選択可能な操作事項の一例を示した説明図である。
【図4】同操作装置の操作手順の一例を示す説明図であり、図4(a)は操作事項選択画面の一例を、図4(b)は操作入力画面の一例を、図4(c)は他の操作入力画面の一例を、図4(d)は設定完了を示す画面の一例をそれぞれ示している。
【図5】同操作装置の操作入力画面の改変例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0058】
1 操作装置
1a 台所リモコン
1b 浴室リモコン
2 ワイヤレスリモコン
11 表示部
12 操作部
A 給湯熱源機
B 浴槽
C 浴室暖房装置(温水暖房装置)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
給湯熱源機が浴槽への湯張り機能と温水暖房装置への温水供給機能とを備えた温水暖房システムに用いられる操作装置であって、操作部の所定操作に応じて表示部に該操作装置で操作可能な事項を表示する操作事項選択画面を表示し、この操作事項選択画面の表示に従って操作事項が選択されると、当該選択された操作事項に関する操作入力画面を表示するように構成された操作装置において、
前記選択可能な操作事項として、少なくとも浴槽への湯張り運転の動作予約が備えられ、この湯張り運転の動作予約を行うための操作入力画面の表示中に、前記操作部での所定操作を条件に、前記表示中の画面を、前記湯張り運転の動作予約と予め関連付けられた特定の操作事項の操作入力画面に切り替えるように設定されていることを特徴とする操作装置。
【請求項2】
前記浴槽への湯張り運転の動作予約の操作入力画面中に、前記湯張り運転の動作予約と予め関連付けられた1または複数の特定の操作事項を示す選択表示が含まれ、該選択表示に従って1の操作事項が選択されると、前記表示中の画面を、前記選択された操作事項の操作入力画面に切り替えるように設定されていることを特徴とする請求項1に記載の操作装置。
【請求項3】
前記特定の操作事項が浴槽への湯張り運転の動作予約とは異なる他の機能の動作予約とされ、
前記特定の操作事項の操作入力画面を表示した際に動作予約時刻として表示される時刻の初期値が、前記湯張り運転の動作予約の操作入力画面において設定された動作予約時刻と、予め設定される時刻設定用の修正値とに基づいて自動的に設定されることを特徴とする請求項1または2に記載の操作装置。
【請求項4】
前記時刻設定用の修正値が、任意に設定変更可能とされていることを特徴とする請求項3に記載の操作装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−71115(P2006−71115A)
【公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−251272(P2004−251272)
【出願日】平成16年8月31日(2004.8.31)
【出願人】(000004709)株式会社ノーリツ (1,293)
【Fターム(参考)】