操作装置
【課題】運転者が、指が各ステアリングスイッチに対してどのような位置関係にあるかを容易に把握することができるようにすること。
【解決手段】ステアリングに設けられる複数のステアリングスイッチ60と、各ステアリングスイッチと同様の配置で、各ステアリングスイッチの機能を表す機能表示を配置した案内表示部40とを備える操作装置において、前記ステアリングスイッチに対する指の接触又は接近を検出する接触検出手段69を備え、一のステアリングスイッチに対する指の接触又は接近が前記接触検出手段により検出された場合に、該一のステアリングスイッチに係る機能表示を強調する。
【解決手段】ステアリングに設けられる複数のステアリングスイッチ60と、各ステアリングスイッチと同様の配置で、各ステアリングスイッチの機能を表す機能表示を配置した案内表示部40とを備える操作装置において、前記ステアリングスイッチに対する指の接触又は接近を検出する接触検出手段69を備え、一のステアリングスイッチに対する指の接触又は接近が前記接触検出手段により検出された場合に、該一のステアリングスイッチに係る機能表示を強調する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ステアリングに設けられる複数のステアリングスイッチを備える操作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
運転者が車両走行中にステアリング(ハンドル)から手を離さずに車載機器の種々の操作が可能となるように、ステアリングのスポーク部分にステアリングを把持した運転者が親指で操作できるように設けられた車載機器操作用のスイッチ、いわゆる「ステアリングスイッチ」、が周知である。
【0003】
この種の操作装置に関して、従来から、車両内のステアリング部に配設された複数の操作部を有する操作入力手段と、各種情報を表示する表示手段と、上記操作入力手段を構成する上記各操作部の操作に応じた処理コマンドを上記操作部の数ごとに一覧化した選択メニュー情報を含む選択メニューデータベースを記憶する選択メニューデータベース記憶手段と、上記操作入力手段の操作部が操作されたことに応じて上記選択メニューデータベース記憶手段に記憶された選択メニューデータベースを読み出し、選択メニューに含まれる処理コマンドを上記各操作部に割り当てると共に、選択メニューに含まれる処理コマンドと上記各操作部との対応関係を上記表示手段に表示する表示制御が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、ステアリングスイッチを操作する際に運転者がスイッチ位置・種類を視認するために視線を車両前方(遠方)からステアリング(近傍)に移動させる必要がないように、ステアリングスイッチに指の接触を検知する電極を設け、接触検知時には、ステアリングに設けられた各ステアリングスイッチに対応した各操作項目をヘッドアップ・ディスプレイ上に表示すると共に、運転者が現在触れているスイッチに係る操作項目については反転表示するなどして強調して、運転者がステアリングスイッチを直接視認せずとも、指位置に対応する操作項目が容易にわかるようにすることが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2003−131791号公報
【特許文献2】特開2003−175783号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述の特許文献1に記載の構成では、運転者は、現在指がどのステアリングスイッチに触れているかを、ステアリングスイッチの大きさ等を手触りで判断するか、操作を試験的に行ってみて判断するか、或いは、ステアリングスイッチを直接目視して判断する必要があり、不便である。一方、上述の特許文献2に記載の構成では、運転者は、ステアリングスイッチを直接視認せずとも、現在指がどのステアリングスイッチに触れているかを把握することができる一方で、現在指がその他のステアリングスイッチとどのような位置関係にあるかを把握することができない。このため、運転者が現在触れているステアリングスイッチとは別のステアリングスイッチを操作したい場合には、運転者は、ステアリングスイッチの配置を直接目視して判断する必要があり、不便である。
【0006】
そこで、本発明は、複数のステアリングスイッチを備える操作装置において、運転者が、指が各ステアリングスイッチに対してどのような位置関係にあるかを容易に把握することができるようにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、第1の発明に係る操作装置は、ステアリングに設けられる複数のステアリングスイッチと、
各ステアリングスイッチと同様の配置で、各ステアリングスイッチの機能を表す機能表示を配置した案内表示部とを備える操作装置において、
前記ステアリングスイッチに対する指の接触又は接近を検出する接触検出手段を備え、
一のステアリングスイッチに対する指の接触又は接近が前記接触検出手段により検出された場合に、該一のステアリングスイッチに係る機能表示を強調することを特徴とする。
【0008】
第2の発明は、第1の発明に係る操作装置において、
前記機能表示は、表示状態が可変制御可能な表示であり、
接触又は接近が検出されたステアリングスイッチに係る機能表示は、拡大されることを特徴とする。これにより、ステアリングスイッチに係る機能表示が見易くなると共に、運転者は、現在当該ステアリングスイッチに指が触れていることを容易に理解することができる。
【0009】
第3の発明は、第1又は2の発明に係る操作装置において、
前記機能表示は、表示状態が可変制御可能な表示であり、
前記機能表示は、複数のステアリングスイッチからなるスイッチ群毎に1つずつ割り当てられ、同一スイッチ群に属する各ステアリングスイッチの機能を代表的に表す全体機能表示からなり、各スイッチ群と同様の配置で配置されており、
一のスイッチ群に属する複数のステアリングスイッチうちの一のステアリングスイッチに対する指の接触又は接近が前記接触検出手段により検出された場合に、該一のスイッチ群に係る機能表示は、前記全体機能表示から、該一のスイッチ群に属する各ステアリングスイッチの機能を表す個別機能表示へと変更されることを特徴とする。これにより、多数のステアリングスイッチを配置した場合であっても、機能表示の煩雑化を防止しつつ、必要時には、各ステアリングスイッチの個別機能を運転者が見ることができるようにすることができる。また、全体機能表示から個別機能表示へと変更されるという機能表示の強調により、運転者は、現在の指がどのスイッチ群の位置にあるかを容易に把握することができる。
【0010】
第4の発明は、第3の発明に係る操作装置において、
前記スイッチ群は、同一又は関連するアプリケーションに係る複数のステアリングスイッチを密集して配置することにより構成されることを特徴とする。これにより、運転者は、指の大きな動きを伴わないスイッチ操作により、同一又は関連するアプリケーションを連続的に操作することができる。また、運転者は、そのスイッチ群に属する複数のステアリングスイッチうちの何れか1つに触れるだけで、当該スイッチ群の各ステアリングスイッチの個別機能表示を出現させることができ、これにより、同一又は関連するアプリケーションに係る各ステアリングスイッチの機能及び位置を容易に把握することができる。
【0011】
第5の発明は、第3又は4の発明に係る操作装置において、
前記個別機能表示は、対応する各ステアリングスイッチと同様の配置で、各ステアリングスイッチの機能を表す機能表示部分を有することを特徴とする。これにより、運転者は、ステアリングホイールを目視しなくても、各ステアリングスイッチの機能表示部分の配置を頼りにして、実際の各ステアリングスイッチの位置を把握することができる。
【0012】
第6の発明は、第5の発明に係る操作装置において、
前記個別機能表示は、指の接触又は接近が前記接触検出手段により検出されたステアリングスイッチに対応する機能表示部分が強調されることを特徴とする。これにより、運転者は、ステアリングホイールを目視しなくても、強調された機能表示部分と所望の機能表示部分との位置関係を頼りにして、所望のステアリングスイッチの位置を把握することができる。
【0013】
第7の発明は、第1の発明に係る操作装置において、
前記機能表示は、表示状態が可変制御可能な表示であり、
一のステアリングスイッチに対する指の接触又は接近が検出された場合と、二以上のステアリングスイッチに対する指の接触又は接近が検出された場合とで、該接触又は接近が検出されたステアリングスイッチに係る機能表示の強調態様を異ならせることを特徴とする。これにより、運転者は、ステアリングホイールを目視しなくても、二以上のステアリングスイッチに対して操作可能な位置に指があることを把握することができ、これにより、ステアリングホイールの操舵操作に伴って誤ったステアリングスイッチを操作してしまうことを防止することができる。
【0014】
第8の発明は、第3〜6のいずれかの発明に係る操作装置において、
前記機能表示は、表示状態が可変制御可能な表示であり、
一のステアリングスイッチに対する指の接触又は接近が検出された場合と、二以上のスイッチ群に属する二以上のステアリングスイッチに対する指の接触又は接近が検出された場合とで、該接触又は接近が検出されたステアリングスイッチに係る機能表示の強調態様を異ならせることを特徴とする。これにより、運転者は、ステアリングホイールを目視しなくても、二以上のスイッチ群に属する二以上のステアリングスイッチに対して操作可能な位置に指があることを把握することができ、これにより、ステアリングホイールの操舵操作に伴って誤ったステアリングスイッチを操作してしまうことを防止することができる。
【0015】
第9の発明は、第1〜8のいずれかの発明に係る操作装置において、
前記接触検出手段は、ステアリングスイッチ毎に、対応するステアリングスイッチの操作部材に設けられることを特徴とする。これにより、多数のステアリングスイッチを密集させて配置することができる。
【0016】
第10の発明は、第1の発明に係る操作装置において、
前記接触検出手段は、ステアリングスイッチ毎に、対応するステアリングスイッチの操作部材に隣接した位置に設けられることを特徴とする。これにより、可動部材である操作部材に接触検出手段を設ける必要がなくなり、接触検出手段の低コスト化や電気配線の簡略化を図ることができる。
【0017】
第11の発明は、第10の発明に係る操作装置において、
前記接触検出手段のそれぞれは、対応するステアリングスイッチに対してステアリングハンドル外周側から隣接することを特徴とする。これにより、運転者が一のステアリングスイッチに触れたときには高い確率でそれに対応する接触検出手段に触れるので、簡易な構成で、接触検出手段による接触検知精度を高めることができる。
【0018】
第12の発明は、第10又は11の発明に係る操作装置において、
前記接触又は接近が検出されたステアリングスイッチに係る機能表示の強調は、該機能表示に隣接して設けられるインジケータを点灯させることにより実現されることを特徴とする。これにより、簡易な構成で、運転者に現在の指の位置と各ステアリングスイッチの位置関係を容易に把握してもらうことができる。
【0019】
第13の発明は、第12の発明に係る操作装置において、
一のステアリングスイッチに対する指の接触又は接近が検出された場合と、二以上のステアリングスイッチに対する指の接触又は接近が検出された場合とで、該接触又は接近が検出されたステアリングスイッチに係るインジケータの点灯態様を異ならせることを特徴とする。これにより、簡易な構成で、運転者がステアリングホイールの操舵操作に伴って誤ったステアリングスイッチを操作してしまうことを防止することができる。
【0020】
第14の発明は、第7、8及び13のいずれかの発明に係る操作装置において、
前記二以上のステアリングスイッチに対する指の接触又は接近が検出された場合には、該接触又は接近が検出されたステアリングスイッチに対するスイッチ操作を無効化することを特徴とする。これにより、運転者がステアリングホイールの操舵操作に伴って誤ったステアリングスイッチを操作してしまうことを確実に防止することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、複数のステアリングスイッチを備える操作装置において、運転者が、指が各ステアリングスイッチに対してどのような位置関係にあるかを容易に把握することができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態の説明を行う。
【実施例1】
【0023】
図1は、実施例1に係る操作装置に関連する主要構成の一例を示す機能ブロックを示す。本実施例の操作装置は、図1に示すように、操作部100と、表示制御装置70と、操作部100に対する運転者の操作を支援する操作メニュー画像(後に詳説)を表示する表示部40とを備える。
【0024】
表示制御装置70は、マイクロコンピューターを中心に構成されている。即ち、表示制御装置70は、所与の実行プログラムに従って各種処理を行うCPU、このCPUの実行プログラム、画像データ、演算結果等を格納するメモリ(例えばROM、RAM,EEPROM等)、タイマ、カウンタ、入出力インターフェイス等を有している。これらCPU、メモリ、及び入出力インターフェイスは、データバスにより相互に接続されている。尚、以下で説明する表示制御装置70の各種動作・機能は、CPUによって実行されるプログラムによって実現される。
【0025】
表示制御装置70は、操作部100との間で無線又は有線により通信を行う。表示制御装置70は、操作部100から各種スイッチ信号を受信すると、表示部40での表示画面の切り換え(各種操作メニュー画像の生成)等を行うと共に、他の制御ECU(例えば、カーナビゲーションECU、オーディオECU及びエアコンECU等)に対して、各種スイッチ信号に応じた信号を送る。他の制御ECUは、表示制御装置70からの信号に応答し、各種スイッチ信号に応じた機能を実現するよう車載機器80(例えばナビゲーションシステム、オーディオ及びエアコン等)を制御する。
【0026】
表示制御装置70は、表示部40との間で無線又は有線により通信を行う。本例では、表示部40は、ヘッドアップ・ディスプレイ(HUD)装置である。
【0027】
図2は、ヘッドアップ・ディスプレイ装置の一例を示す断面図である。ヘッドアップ・ディスプレイ装置は、HUDユニット42を備える。HUDユニット42は、フロントウインドシールドガラス46上での表示画像の表示位置に応じて、車室内のインストルメントパネル内の適切な位置に搭載されている。HUDユニット42のケース43の内部には、表示器44が収容されている。表示器44は、表示制御装置70からの映像信号(表示画像)に応じた表示光を出射する。表示器44から出射された表示光は、凹面鏡45を介して、フロントウインドシールドガラス46に到達する。このとき、表示光はフロントウインドシールドガラス46によって観測者(主に運転者)方向に反射され、運転者の前方に表示器44の表示画像に対応する反射像が表示される。尚、ヘッドアップ・ディスプレイ装置は、操作メニュー画像を表示するのみならず、通常的な使用態様として、例えば夜間走行時に、赤外線カメラで撮像した映像を表示してもよい。
【0028】
尚、表示部40は、液晶ディスプレイ等のような、運転者が直接的に見ることができる類の表示器であってもよく、この場合、表示部40は、運転者が見やすい位置、好ましくは、運転者が運転中の視野を大きく変えることなく見ることができるような位置に配置される。例えば、表示部40は、インストルメントパネル上面の中央部に配置されてよい。この場合、表示部40は、ナビゲーションシステムで用いられるディスプレイ等と共用であっても良い。また、表示部40は、メーター内に配置される表示板であってもよい。
【0029】
図3は、操作部100の一実施例を示し、ステアリングホイール10に設けられたステアリングスイッチ60の一例を示している。ステアリングホイール10は、運転席側に配置され、図示しないステアリングシャフトに接続され、車両の車輪を転舵させるために操作される。この例では、ステアリングホイール10は、運転者により把持され回転操作される円環状のハンドル部12と、中央部14と、ハンドル部12と中央部14をつなぐ放射状に延びるスポーク16とを備える。ステアリングホイールの中央部14は、エアバックが実装されるため、比較的大きな領域を占める。
【0030】
ステアリングスイッチ60は、スポーク16の根元付近、即ち中央部の外周側に配設される。実施例1では、ステアリングスイッチ60は、多数配置(左右でそれぞれ6つ以上配置)され、機能が豊富な操作装置を構成する。
【0031】
図3に示すステアリングスイッチ60は、4つスイッチ群をなす。この例では、4つスイッチ群は、望ましくはステアリングを把持した左手で操作されることが意図された左側のスイッチ群101,102と、望ましくはステアリングを把持した右手で操作されることが意図された右側のスイッチ群103,104とからなる。
【0032】
第1のスイッチ群101は、運転者から見て左上側に密集して配置され、例えばオーディシステムを操作するために用いられる。図3に示す第1のスイッチ群101は、互いに密接して配置された5つのステアリングスイッチ60から構成される。具体的には、第1のスイッチ群101は、1つのステアリングスイッチ60を囲繞するように4つのステアリングスイッチ60を配置してなる。5つのステアリングスイッチ60は、例えば、所望の再生メディアを検索するためのシーク(seek)スイッチ、再生出力を増加又は減少させるためのスイッチ、及び、モードスイッチである。各ステアリングスイッチ60の操作部材(スイッチノブ)64の表面には、それぞれの機能を表す文字ないし図柄が付与されている。尚、中央のステアリングスイッチ60は、モードスイッチのような固定機能のスイッチであってもよいが、多機能を実現するマルチファンクションスイッチとして構成されてもよい。
【0033】
第2のスイッチ群102は、運転者から見て左下側に密集して配置され、例えば空調システム(いわゆるエアコン)を操作するために用いられる。図3に示す第2のスイッチ群102は、互いに密接して配置された5つのステアリングスイッチ60から構成される。具体的には、第2のスイッチ群102は、左右2列に、4つのステアリングスイッチ60を配置し、その下側に2列分の幅の1つのステアリングスイッチ60を配置してなる。5つのステアリングスイッチ60は、例えば、温度を増加又は減少させるためのスイッチ、フロントデフロスタスイッチ、リアデフォッガスイッチ、及び、オート機能のオン/オフスイッチである。各ステアリングスイッチ60の操作部材64の表面には、それぞれの機能を表す文字ないし図柄が付与されている。
【0034】
第3のスイッチ群103は、運転者から見て右上側に密集して配置され、例えば無線通信機能を含む各種音声機能システムを操作するために用いられる。図3に示す第3のスイッチ群103は、互いに密接して配置された5つのステアリングスイッチ60から構成される。具体的には、第3のスイッチ群103は、第1のスイッチ群101と同様、1つのステアリングスイッチ60を囲繞するように4つのステアリングスイッチ60を配置してなる。第3のスイッチ群103の各ステアリングスイッチ60の配置は、第1のスイッチ群101の各ステアリングスイッチ60の配置に対して左右対称であってよい。5つのステアリングスイッチ60は、例えば、携帯電話(又は車両電話)の着呼及び切断のためのスイッチ、認識させる音声を発話する際に押す音声認識スイッチ、ナビゲーション画面の現在地表示に戻すためのMAPスイッチ、及び、各種情報を表示するためのINFOスイッチである。同様に、各ステアリングスイッチ60の操作部材64の表面には、それぞれの機能を表す文字ないし図柄が付与されている。
【0035】
第4のスイッチ群104は、運転者から見て右下側に密集して配置され、例えば車両情報管理システムを操作するために用いられる。図3に示す第4のスイッチ群104は、互いに密接して配置された5つのステアリングスイッチ60から構成される。具体的には、第4のスイッチ群104は、第2のスイッチ群102と同様、左右2列に、4つのステアリングスイッチ60を配置し、その下側に2列分の幅の1つのステアリングスイッチ60を配置してなる。第4のスイッチ群104の各ステアリングスイッチ60の配置は、第2のスイッチ群102の各ステアリングスイッチ60の配置に対して左右対称であってよい。5つのステアリングスイッチ60は、例えば、クリアランスソナーや周辺監視カメラによる周辺監視結果を示す周辺監視画面に切り替えるためのVIEWスイッチ、メーターやディスプレイの表示切替のためのDISPスイッチや、レーザークルーズコントロールにおける車間距離切り替えスイッチや、レーザークルーズコントロールにおける低速追従モード切替スイッチである。同様に、各ステアリングスイッチ60の操作部材64の表面には、それぞれの機能を表す文字ないし図柄が付与されている。
【0036】
図4は、一のステアリングスイッチ60の断面構造の一例を示す断面図である。尚、以下の図4に関する説明では、1つのステアリングスイッチ60の構成について代表して説明するが、他のステアリングスイッチ60についても同様の構成であってよい。
【0037】
図示の例では、ステアリングスイッチ60は、運転者の指が直接触れる操作部材64を備える。操作部材64の裏側は、基板68上に立設される弾性部材からなる脚部(ラバードーム)65により支持される。脚部65の付け根付近には接点(閉回路)66が設けられ、操作部材64が運転者により押圧操作されたときに、脚部65が弾性変形して当該接点66が基板68上の接点(開回路)69に接触する。これにより、ステアリングスイッチ60に対するスイッチ操作が電気的に検出される。尚、ステアリングスイッチ60のスイッチ構造については、各種バネを用いて操作感を出すことも可能であり、また、電気接点式のものに限らず、容量変化検知式等の他の形態であってもよい。ステアリングスイッチ60にて生成されるスイッチ信号は、例えばFPC(フレキシブル印刷回路)を介して表示制御装置70(図1参照)に供給される。表示制御装置70は、他の制御ECUを介して、各種スイッチ信号に応じた機能を実現させるように各種車載機器80を制御する。
【0038】
操作部材64には、タッチセンサ67が埋設される。タッチセンサ67は、運転者の操作する指の接触ないし接近(以下、「接触」に代表させる)を検出する。図示の例では、タッチセンサ67は、樹脂等で形成されるステアリングスイッチ60の操作部材64の表面に埋設される。タッチセンサ67は、接触電流、静電容量、赤外線測距等の方法で、当該ステアリングスイッチ60に対する運転者の操作する指の接触を感知するものであってもよい。また、ステアリングスイッチ60及びタッチセンサ67は、2段階の操作段階(接触段階/操作段階)を2段階の静電容量や感圧量により検知する類の一体型のスイッチとして構成されてもよい。タッチセンサ67からの接触検知信号は、例えばFPCを介して表示制御装置70(図1参照)に供給される。表示制御装置70は、後述する如く、接触検知信号に応じて、表示部40の機能表示の表示状態を適切に制御する。
【0039】
図5は、ステアリングスイッチ60に対する運転者の指の位置に関連して表示制御装置70により実現される主要処理を示すフローチャートである。
【0040】
ステップ100では、先ず、所定の起動条件が判断される。起動条件は、例えば、各ステアリングスイッチ60の何れかに対する指の接触が検知されることであってよい。起動条件が満たされると、表示部40の表示状態がオン状態となる(ステップ110)。本例では、表示器44から所定の表示光が出射され、フロントウインドシールドガラス46によって運転者方向に反射され、運転者の前方に表示器44の表示画像(操作メニュー画像)が表示される。このようにして一旦起動条件が成立すると、表示部40は、所定の終了条件が成立するまで(ステップ170の肯定判定)、継続的にオン状態が維持される。尚、終了条件は、例えば、所定時間以上、何れのステアリングスイッチ60に対しても接触ないし操作がなされていないことであってよい。所定の終了条件が成立すると、表示器44からの表示光の出射が停止され、運転者の前方に映し出される表示器44の表示画像(反射像)が消える(表示部40の表示状態がオフ状態となる)。
【0041】
表示部40がオン状態にあるとき、ステップ120からステップ160の処理が繰り返し実行される。
【0042】
ステップ120では、ステアリングスイッチ60が操作中であるか否かが判断される。この判断は、ステアリングスイッチ60から何らかのスイッチ信号が入力されているか否かに基づいて実現される。ステアリングスイッチ60が操作中である場合、表示制御装置70は、入力されたスイッチ信号に応じて、各種車載機器80を制御すると共に、必要に応じて、表示部40の表示画面の切り替えを行う。表示部40の表示画面の切り替えは、操作メニュー画像から例えば詳細な操作案内画像への移行(遷移)や、操作メニュー画像から、現在操作中の車載機器80の状態を示す状態表示画像への移行等を含む。操作が終了すると、表示画面は、操作メニュー画像の通常の表示状態(図6参照)に復帰する。
【0043】
ステアリングスイッチ60が操作中で無い場合には、ステップ130からステップ150の処理が繰り返し実行される。
【0044】
ステップ130では、表示制御装置70は、随時入力されうる接触検知信号に基づいて、現在、ステアリングスイッチ60の何れかに対する指の接触が検知されているか否かを、判断する。即ち、接触検知信号が入力されているか否かを判断する。接触検知信号が入力されていない場合には(ステップ130の否定判定)、操作メニュー画像を通常の表示状態で表示する(ステップ150)。接触検知信号が入力されている場合には(ステップ130の肯定判定)、指の接触が検知されたステアリングスイッチ60に属するスイッチ群に係る機能表示を強調すると共に、指の接触が検知されたステアリングスイッチ60に係る機能表示部分を強調する態様で、操作メニュー画像を表示する(ステップ140)(詳細は、後述する)。
【0045】
ここで、図6及び図7を参照して、上記のステップ150で実現される操作メニュー画像の通常の表示状態と、上記のステップ140で実現される操作メニュー画像の強調表示状態について、詳説する。
【0046】
図6は、操作メニュー画像の通常の表示状態を示す。操作メニュー画像は、操作部100に対する運転者の操作を支援するための画像であり、操作部100の各ステアリングスイッチ60に対する操作で実現される各種機能を、運転者に知らせると共に、当該各種機能を実現するために操作されるべき各ステアリングスイッチ60の位置を、運転者に知らせる役割を果たす。操作メニュー画像は、表示部40において実行される表示画面の切り替えの際にも、基本となる画像であり、詳細な操作案内画像等の他の表示画像に対する入口となる画像である。
【0047】
図6に示すように、操作メニュー画像の通常の表示状態では、図3に示したステアリングスイッチ60の配置と同様の配置で、各ステアリングスイッチ60の機能を表す機能表示が表示される。
【0048】
ところで、上述の如く、ステアリングスイッチ60を多数配置する構成では、一のステアリングスイッチ60毎に、全てのステアリングスイッチ60について、その個別機能を表示しようとすると、操作メニュー画像における機能表示が、ステアリングスイッチ60の配置と同様に密集して見づらくなる。
【0049】
そこで、本実施例では、図6に示すように、運転者の指が何れのステアリングスイッチ60にも触れていない場合には、操作メニュー画像の通常の表示状態として、同一群に属する複数のステアリングスイッチ60の各機能を1つの代表的な機能で表す全体機能表示が表示される。具体的には、通常の表示状態では、図6に示すように、第1のスイッチ群101に属する各ステアリングスイッチ60に係る機能表示は、オーディオ機能を代表的に表す“音符”を模した図形の全体機能表示からなる。同様に、第2のスイッチ群102に属する各ステアリングスイッチ60に係る機能表示は、空調機能を代表的に表す“ブロア”を模した図形の全体機能表示からなり、第3のスイッチ群103に属する各ステアリングスイッチ60に係る機能表示は、音声機能を代表的に表す“電話”を模した図形の全体機能表示からなり、第4のスイッチ群104に属する各ステアリングスイッチ60に係る機能表示は、車両情報管理機能を代表的に表す“車両”を模した図形の全体機能表示からなる。
【0050】
このように、本実施例によれば、多数のステアリングスイッチ60をステアリングホイール10に配置し、ステアリングホイール10でのスイッチ操作により実現できる機能の数を多くする一方で、その弊害(多数のステアリングスイッチ60に対応した個別機能が密集表示されて見づらくなること)が防止され、全体機能表示により比較的大きな見やすい表示を行うことができる。また、全体機能表示は、各スイッチ群101〜104(ひいてはそれぞれの群に属する各ステアリングスイッチ60)と同様の配置で配置されているので、運転者は、全体機能表示の位置関係を頼りに、各スイッチ群101〜104のおよその位置関係を把握することができる。
【0051】
図7(A)は、運転者が一のステアリングスイッチ60に触れている状態を一例として示し、図7(B)は、そのときの操作メニュー画像の表示状態を示す。
【0052】
図7に示す例では、第2のスイッチ群102の一のステアリングスイッチ60(本例では、オート機能オン/オフスイッチ)に運転者の指が触れているので、当該ステアリングスイッチ60が属する第2のスイッチ群102の機能表示が、図7(B)に示すように、拡大表示される。この際、第2のスイッチ群102の機能表示は、画面中央へと移動しつつ拡大され、それと同時に、全体機能表示から、第2のスイッチ群102に属する各ステアリングスイッチ60の機能を個別に表す個別機能表示へと変更される。本例では、個別機能表示は、第2のスイッチ群102の5つのステアリングスイッチ60と同様の配置で、温度を増加又は減少させる機能、フロントデフロスタ機能、リアデフォッガ機能、及び、オート機能のオン/オフ機能からなる5つの機能を個別に表す機能表示部分を含む。各機能表示部分は、図3及び図7(B)に示すように、対応する各ステアリングスイッチ60の操作部材64の表面に描かれた文字ないし図柄に対応する文字ないし図柄の表示を含んでよい。
【0053】
この個別機能表示は、図7(B)に示すように、拡大されることで、他の拡大されない全体機能表示を全面的に覆ってもよいが(即ち、画面全体に拡大されてもよいが)、好ましくは、他の拡大されない全体機能表示が見える範囲で拡大される。これは、現在触れているスイッチ群に関連した各ステアリングスイッチ60の機能及び位置に、運転者が現在最も関心がある場合もあれば、現在、所望のスイッチ群を探している段階であり、現在触れているスイッチ群に対する所望のスイッチ群の相対的な位置を、運転者が知りたい場合もあるからである。なお、本例では、空調機能に係る全体機能表示が拡大されることによって、オーディオ機能に係る全体機能表示が部分的に覆われているだけであるので、オーディオ機能に係る全体機能表示の位置自体は把握可能である。また、空調機能に係る個別機能表示は、元の全体機能表示から徐々にクローズアップされる態様で拡大されているので、個別機能表示が表示されている状態においても、当該個別機能表示に係る位置が左下であることは、把握可能である。これにより、運転者は、他の所望のスイッチ群に対する現在の指の位置を容易に把握することができる。例えば、オーディオ機能を操作したい場合、運転者は、現在の指の位置から上方に指を動かす必要があることを容易に理解することができる。
【0054】
このように本実施例によれば、空調機能に関連する複数のステアリングスイッチ60が集合する領域に、運転者の指が触れると、空調機能に関連する各ステアリングスイッチ60の個別の機能が拡大して表示される(強調表示される)。従って、運転者は、ステアリングスイッチ60が配設されたステアリングホイール10を直接的に目視しなくても、現在、自己の指が操作部100における空調領域に存在し、空調機能を操作できる状態にあることを容易に把握することができる。加えて、運転者は、個別機能表示を見ることで、各ステアリングスイッチ60の個別の機能を、容易に把握することができる。このように、本実施例のように多数のステアリングスイッチ60をステアリングホイール10に配置する構成においても、全体機能表示と個別機能表示とを適切に切り替えることで、多数のステアリングスイッチ60に対応した個別機能が密集表示されて煩雑で見づらくなることを防止しつつ、必要時には、各ステアリングスイッチ60の個別機能を運転者が見ることができるようにすることができる。
【0055】
また、図7に示す例では、第2のスイッチ群102のオート機能オン/オフスイッチに運転者の指が触れているので、第2のスイッチ群102に係る個別機能表示のおける、オート機能オン/オフスイッチに係る機能表示部分が、ハイライト表示(強調)されている。尚、ハイライト表示は、例えば他の機能表示部分に比べて、輝度やコントラスト、色等を変化させることにより実現されてよい。このため、本実施例によれば、運転者は、ステアリングホイール10を直接的に目視しなくても、個別機能表示の強調されている領域を見るだけで、現在、自己の指が空調領域におけるオート機能オン/オフスイッチの位置にあることを把握することができる。また、本実施例では、個別機能表示は、上述の如く、第2のスイッチ群102の各ステアリングスイッチ60の配置に対応した配置で、各ステアリングスイッチ60の個別機能を表す機能表示部分を有する。このため、本実施例によれば、運転者は、ステアリングホイール10を直接的に目視しなくても、個別機能表示のハイライト表示されている機能表示部分と、その他のハイライト表示されていない機能表示部分との位置関係を、個別機能表示の配列を見るだけで把握することができ、これにより、現在自己の指が触れているステアリングスイッチ60と、同群におけるその他のステアリングスイッチ60との位置関係を把握することができる。従って、運転者は、表示部40を見ながら、操作部100を操作することができる(いわゆるステアリングホイール10への目視を必要としないブラインド操作を行うことができる)。
【0056】
尚、上述では、主に、第2のスイッチ群102に属する1つのステアリングスイッチ60に対する指の接触があった場合に関する例を説明しているが、他のスイッチ群101.103,104においても同様であってよい。
【0057】
図8は、表示制御装置70により実現される主要処理のその他の実施例を示すフローチャートである。図8に示す処理は、図5に示した処理に対して、2以上のステアリングスイッチ60に対して指が同時に接触している場合を考慮する点が異なる。尚、図5に示した処理と同様の処理については、同一の参照符号を付して、説明を省略する。
【0058】
ステップ200では、異なる群に属する2以上のステアリングスイッチ60に係る接触検知信号が同時に入力されているか否かが判断される。2以上の接触検知信号が同時に入力されていないと判断される場合、即ち1つのステアリングスイッチ60に指が触れていると判断される場合や、2つ以上のステアリングスイッチ60に指が触れているが、それらのステアリングスイッチ60が同一のスイッチ群に属すると判断される場合には、ステップ140の処理が実行される。この場合、表示器40には、上述の個別機能表示が表示され、指が触れているステアリングスイッチ60の属するスイッチ群の各ステアリングスイッチ60の個別機能が表示される。一方、2以上の接触検知信号が同時に入力されている場合には、ステップ210に進む。
【0059】
ステップ210では、指が触れられている2以上のステアリングスイッチ60に関する機能表示(2以上の全体機能表示)が、ハイライト表示される。即ち、指が触れられているステアリングスイッチ60に係る機能表示は、通常の表示状態で実現される上述の全体機能表示から、個別機能表示へと変更されることはなく、その代わりに、通常の表示状態とは異なる表示態様で、該当する全体機能表示がハイライト表示される。尚、このハイライト表示は、例えば通常の表示状態の他の全体機能表示に比べて、輝度やコントラスト、色等を変化させることにより実現されてよい。
【0060】
図9(A)は、運転者が2つのステアリングスイッチ60に同時に触れている状態を一例として示し、図9(B)は、そのときの操作メニュー画像の表示状態を示す。図9(A)に示す例では、運転者は、第1のスイッチ群101に属するステアリングスイッチ60と、第3のスイッチ群103に属するステアリングスイッチ60とを同時に触れているので(操作はしていない)、図9(B)に示すように、オーディオ機能と音声機能とを表す全体機能表示が、他の2つの全体機能表示に比べて異なる態様で、強調表示されている。本例では、それぞれの全体機能表示の両側ないし外枠がハイライト表示されている。
【0061】
ところで、ステアリングスイッチ60は、ステアリングホイール10を把持した状態で無理の無い指の動きで自然に操作できるような位置に配置される。一方、運転者は、ステアリングホイールを把持しながらスイッチ操作を行うので、意図しないステアリングスイッチ60にも指が触れやすくなる。例えば、左の親指で左側の第1のスイッチ群101のステアリングスイッチ60を操作するつもりであるにも拘らず、同時に、右の親指が右側の第3のスイッチ群103にも意図せず触れている場合がありうる。この場合、例えばステアリングホイール10の操作に伴って、右の親指に力が付与されてしまうと、運転者の意図しない第3のスイッチ群103に属するステアリングスイッチ60の機能が実現されてしまう虞がある。
【0062】
これに対して、本実施例によれば、2以上のスイッチ群に属するステアリングスイッチ60に同時に指が触れられた場合には、何れか一方のスイッチ群に係る個別機能表示が表示されることはなく、当該指が触れられているステアリングスイッチ60が属する二以上のスイッチ群に係る全体機能表示がハイライト表示される。これにより、運転者は、ステアリングホイール10を直接的に目視しなくても、ステアリングスイッチ60に触れているのに個別機能表示が出現されないという異変や、2以上のスイッチ群に属する全体機能表示がハイライト表示されるという異変に気付くことで、現在自己の指が、2以上のスイッチ群に属する2以上のステアリングスイッチ60に触れていることを把握することができる。これにより、運転者は、指の位置を変える等を行うことで、意図しないスイッチ操作を未然に防止することができる。
【0063】
本実施例において、同一のスイッチ群に属する2以上のステアリングスイッチ60に同時に同時に指が触れていると判断された場合には、表示制御装置70は、当該2以上のステアリングスイッチ60に係るスイッチ群の機能表示を、全体機能表示から個別機能表示に変更してよい。この際、表示制御装置70は、当該2以上のステアリングスイッチ60に係る個別機能部分を、一のステアリングスイッチ60に指が触れている場合の個別機能部分の協調態様とは異なる態様で、強調させてもよい。これにより、運転者は、ステアリングホイール10を直接的に目視しなくても、個別機能表示において2以上のステアリングスイッチ60の個別機能部分がハイライト表示されるという異変に気付くことで、現在自己の指が、同一のスイッチ群における2以上のステアリングスイッチ60に触れていることを把握することができる。これにより、運転者は、指の位置を変える等を行うことで、意図しないスイッチ操作を未然に防止することができる。
【0064】
図10は、表示制御装置70により実現される主要処理のその他の実施例を示すフローチャートである。図10に示す処理は、図8に示した処理に対して、2以上のステアリングスイッチ60に対して指が同時に接触している場合に、該ステアリングスイッチ60に対する操作を無効化する点が異なる。尚、図8に示した処理と同様の処理については、同一の参照符号を付して、説明を省略する。
【0065】
ステップ220では、表示制御装置70は、指が触れられている2以上のステアリングスイッチ60に対する運転者による操作を無効化する。これにより、以後、運転者が、当該2以上のステアリングスイッチ60のいずれかを操作し、ステップ120で肯定判定された場合であっても、ステップ140においては、操作されたステアリングスイッチ60に対応する作動(機能)が実現されない。この無効化は、例えば、当該2以上のステアリングスイッチ60からのスイッチ信号(操作時のスイッチ信号)に対する処理を行わないことで実現されてよい。この無効化は、2以上のステアリングスイッチ60に対する運転者の指の接触がなくなった時点で、解除されてよい。
【0066】
ところで、上述の如く、運転者は、ステアリングホイール10を把持しながらスイッチ操作を行うので、意図しないステアリングスイッチ60にも指が触れやすくなる。この場合、例えばステアリングホイール10の操舵操作に伴って、右の親指に力が付与されてしまうと、運転者の意図しないステアリングスイッチ60に対する操作が実現されてしまい、その機能が実現されてしまう虞がある。
【0067】
これに対して、本実施例によれば、2以上のスイッチ群に属するステアリングスイッチ60に同時に指が触れられた場合には、これらのステアリングスイッチ60に対するスイッチ操作が無効化される。これにより、運転者が、例えばステアリングホイール10の操舵操作に伴って、現在指が接触している2以上のステアリングスイッチ60のうちの意図しないステアリングスイッチ60を誤って押してしまった場合であっても、それに基づく動作が何ら実行されないので、運転者による意図しないスイッチ操作を未然に防止することができる。
【0068】
尚、本実施例において、上述と同様の観点から、表示制御装置70は、個別機能表示が表示されている間のみ、当該個別機能表示により個別機能が表示された各ステアリングスイッチ60に対するスイッチ操作を許容することとしてもよい。この場合、個別機能表示が出現されて初めて、特定のステアリングスイッチ60に対するスイッチ操作が許容される。これにより、個別機能表示が表示されない段階では、運転者が、例えばステアリングホイール10の操舵操作に伴って、現在指が接触している2以上のステアリングスイッチ60のうちの意図しないステアリングスイッチ60を誤って押してしまった場合であっても、それに基づく動作が何ら実行されないので、運転者による意図しないスイッチ操作を未然に防止することができる。
【0069】
本実施例において、同一のスイッチ群に属する2以上のステアリングスイッチ60に同時に同時に指が触れていると判断された場合には、表示制御装置70は、当該2以上のステアリングスイッチ60に対するスイッチ操作を無効化してよい。これにより、運転者は、ステアリングホイール10を直接的に目視しなくても、個別機能表示において2以上のステアリングスイッチ60の個別機能部分がハイライト表示されるという異変に気付くことで、現在自己の指が、2以上のステアリングスイッチ60に触れていることを把握することができる。これにより、現在指が接触している2以上のステアリングスイッチ60のうちの意図しないステアリングスイッチ60を誤って押してしまった場合であっても、それに基づく動作が何ら実行されないので、運転者による意図しないスイッチ操作を未然に防止することができる。
【0070】
尚、上述の実施例1では、多数の機能をステアリングスイッチ60にて実現可能としつつ、それらの操作性を高めるために、多数のステアリングスイッチ60を設定しつつ、それらを機能別に4つの群に分けて配設しているが、同様の数のステアリングスイッチ60を群に分けずに(左右の2群のみに分けて)配置してもよい。また、上述の実施例1では、多数のステアリングスイッチ60を4つの群に分けて配設しているが、3つの群又は5つ以上の群に分けてもよい。
【実施例2】
【0071】
図11は、実施例2に係る操作装置に関連する主要構成の一例を示す機能ブロックを示す。尚、上述の実施例1と同様の構成要素については、同一の参照符号を付して、説明を省略する。本実施例の操作装置は、図11に示すように、操作部100’と、操作部100’に対する運転者の操作を支援する表示部40’と、表示制御装置70’と、表示部40’の機能表示を強調させるインジケータ50とを備える。
【0072】
表示制御装置70’は、マイクロコンピューターを中心に構成されている。尚、以下で説明する表示制御装置70’の各種動作・機能は、CPUによって実行されるプログラムによって実現される。
【0073】
表示制御装置70’は、操作部100’との間で無線又は有線により通信を行う。表示制御装置70’は、操作部100’から各種スイッチ信号を受信すると、他の制御ECU(例えば、カーナビゲーションECU、オーディオECU及びエアコンECU等)に対して、各種スイッチ信号に応じた信号を送る。他の制御ECUは、表示制御装置70’からの信号に応答し、各種スイッチ信号に応じた機能を実現するよう車載機器80(例えばナビゲーションシステム、オーディオ及びエアコン等)を制御する。
【0074】
図12は、本実施例による操作部100’の一例を示し、ステアリングホイール10’に設けられたステアリングスイッチ60’の一例を示している。ステアリングスイッチ60’は、ステアリングホイール10’の中央部14’の左右両側に対称的に配設される。実施例2では、ステアリングスイッチ60’は、比較的少数(左右でそれぞれ5つ以下)がステアリングホイール10’に配置され、機能が簡易な操作装置を構成する。即ち、実施例2によるステアリングスイッチ60’は、上述の実施例1によるステアリングスイッチ60に比べて、数が有意に少なく、各種アプリケーションのうちの使用頻度ないし重要度の高い機能を実現するステアリングスイッチ60’のみが厳選されて配置されている。
【0075】
図12に示すステアリングスイッチ60’は、2つスイッチ群をなす。この例では、望ましくはステアリングを把持した左手で操作されることが意図された左側のスイッチ群101’と、望ましくはステアリングを把持した右手で操作されることが意図された右側のスイッチ群102’とからなる。
【0076】
左側のスイッチ群101’は、運転者から見てステアリングホイール10’の左側に列をなして配置され、例えばオーディシステムを操作するために用いられる。図示の例では、左側のスイッチ群101’は、ステアリングホイール10’の周方向に沿って(ハンドル部12から略等距離で)一列に5つのステアリングスイッチ60’を配置してなる。5つのステアリングスイッチ60’は、例えば、音量を増加又は減少させるためのスイッチ、所望の再生メディアを検索するためのシークスイッチ、及び、モードスイッチである。各ステアリングスイッチ60’の操作部材(スイッチノブ)64’の表面には、それぞれの機能を表す文字ないし図柄が付与されている。
【0077】
右側のスイッチ群102’は、運転者から見てステアリングホイール10’の右側に列をなして配置され、例えば音声機能システム等を操作するために用いられる。図示の例では、右側のスイッチ群102’は、4つのステアリングスイッチ60’から構成され、4つのステアリングスイッチ60’は、例えば、携帯電話の着呼及び切断のためのスイッチ、周辺監視画面に切り替えるためのVIEWスイッチ、及び、認識させる音声を発話する際に押す音声認識スイッチである。同様に、各ステアリングスイッチ60’の操作部材64’の表面には、それぞれの機能を表す文字ないし図柄が付与されている。
【0078】
図13は、図12のA−A断面を示す断面図である。尚、以下の図13に関する説明では、1つのステアリングスイッチ60’の構成について代表して説明するが、他のステアリングスイッチ60’についても同様の構成であってよい。
【0079】
図示の例では、ステアリングスイッチ60’は、ピン62を軸として回動する操作部材64’を備える。操作部材64’の裏側は、基板68’上に立設される弾性部材からなる脚部65により支持される。脚部65の付け根付近には接点66が設けられ、操作部材64が運転者により押圧操作されたときに、脚部65が弾性変形して当該接点66が基板68上の電極69に接触する。これにより、ステアリングスイッチ60’に対するスイッチ操作が電気的に検出される。尚、ステアリングスイッチ60’のスイッチ構造については、各種バネを用いて操作感を出すことも可能であり、また、電気接点式のものに限らず、容量変化検知式等の他の形態であってもよい。ステアリングスイッチ60’にて生成されるスイッチ信号は、例えばFPCを介して表示制御装置70’(図11参照)に供給される。表示制御装置70’は、他の制御ECUを介して、各種スイッチ信号に応じた機能を実現させるように各種車載機器80を制御する。
【0080】
操作部材64’には、タッチセンサ67’が隣接して設けられる。タッチセンサ67’は、運転者の操作する指の接触ないし接近(以下、「接触」に代表させる)を検出する。図示の例では、タッチセンサ67’は、接触検知用の電極である。タッチセンサ67’は、図12にも示すように、操作部材64’に対してステアリングハンドル外周側から隣接して設けられる。即ち、タッチセンサ67’は、操作部材64’の外側に隣接して、ステアリングホイール10’の表皮層に設定ないし埋設される。タッチセンサ67’からの接触検知信号は、例えばFPCを介して表示制御装置70’(図11参照)に供給される。表示制御装置70’は、後述する如く、接触検知信号に応じて、表示部40’に設けられるインジケータ50の点灯状態を適切に制御する。
【0081】
図14(A)は、運転者が正規の正しい操作姿勢でステアリングホイール10’のステアリングスイッチ60’を操作している状態を示す図であり、図14(B)は、操作されているステアリングスイッチ60’に対する手の関係を示す断面図である。
【0082】
本実施例では、上述の如く、タッチセンサ67’が、対応するステアリングスイッチ60’に対してステアリングハンドル外周側から隣接する位置に配設されるので、図14(A)及び図14(B)に示すように、ある任意のステアリングスイッチ60’を操作する際には必然的に、当該ステアリングスイッチ60’に対応するタッチセンサ67’に指が触れることになる。図示の例では、VIEWスイッチを操作する位置へとステアリングホイール10’の径方向内側に運転者の指を伸ばすと、必然的に、VIEWスイッチに隣接するタッチセンサ67’に指の一部が触れることになる。これにより、上述の実施例1のように可動部品であるステアリングスイッチ60の操作部材64にタッチセンサ67を設ける必要がなくなるので、上述の実施例1の構成に比べて、タッチセンサ67’の接触検知信号を取り出すための配線構造を簡素化することができる。また、タッチセンサ67’は、図13に示したように、接触検知用の電極により構成することができ、静電容量センサに比べて安価な接触検出手段を実現することができる。
【0083】
図15は、本実施例による表示部40’の一例を示す図である。図15に示す例では、表示部40’は、インストルメントパネルやメーター内に配置される表示板と、バックライトを備える。表示部40’の表示板には、ステアリングスイッチ60’毎に、それぞれのステアリングスイッチ60’に対応する機能表示(個別機能表示)が設けられる。この機能表示は、通常的なメーター表示板の各種表示のように、バックライトによりオンオフされ、可視状態が可変される。或いは、機能表示は、表示板にプリント等により固着された固定的なものであってもよい。この場合、バックライトを不要とした非常に簡易な構成を実現することができる。尚、固定的な機能表示の場合も、蛍光塗料等により夜間でも周囲の光を受けて可視可能な状態にすることが望ましい。
【0084】
機能表示は、図15に示すように、各ステアリングスイッチ60’と同様の配列で、配列されている。機能表示は、図12及び図15に示すように、対応する各ステアリングスイッチ60’の操作部材64’の表面に描かれた文字ないし図柄に対応する文字ないし図柄の表示を含んでよい。
【0085】
表示部40’には、ステアリングスイッチ60’毎に、それぞれのステアリングスイッチ60’に対応するインジケータ50が設けられる。インジケータ50は、各ステアリングスイッチ60’の機能表示に隣接して配置される。本例では、図15に示すように、インジケータ50は、各ステアリングスイッチ60’の機能表示に対して外側から隣接する位置に配置される。即ち、インジケータ50は、ステアリングスイッチ60’に対するタッチセンサ67’の位置関係に対応した配置で、各ステアリングスイッチ60’の機能表示に対して配置される。
【0086】
インジケータ50は、例えばLED(light-emitting diode)により構成され、表示制御装置70’による制御下で、点灯状態が電気的に制御可能である。インジケータ50は、通常時は消灯しており、後述の如くステアリングスイッチ60’に対して運転者の手が接触したときに点灯される。
【0087】
図16は、ステアリングスイッチ60’に対する運転者の指の位置に関連して表示制御装置70’により実現される主要処理を示すフローチャートである。
【0088】
ステップ300では、所定の起動条件が成立したか否かが判断される。所定の起動条件は、ステアリングスイッチ60’への手の接近ないし接触が検出された場合に満たされるものであってよい。所定の起動条件が成立したと判断された場合には、ステップ310に進む。
【0089】
ステップ310では、表示部40’の表示板に対するバックライトがオンにされ、表示板に図15に示したような各種機能表示が表示される。これにより、ユーザにとって必要なときにだけ、各種機能表示を表示させることができる。
【0090】
ステップ320では、ステアリングスイッチ60’が操作中であるか否かが判断される。この判断は、ステアリングスイッチ60’から何らかのスイッチ信号が入力されているか否かに基づいて実現される。ステアリングスイッチ60’が操作中である場合(ステップ320の肯定判定)、表示制御装置70’は、入力されたスイッチ信号に応じて、他の制御ECUを介して各種車載機器80を制御する(ステップ350)。この場合、その後、ステップ360にて所定の終了条件が判断され、終了条件が満たされない場合には、ステップ320に戻り、終了条件が満たされた場合には、表示部40’の表示板に対するバックライトがオフにされ(ステップ370)、処理が終了される。所定の終了条件は、ステアリングスイッチ60’への手の接近ないし接触が検出されなくなってから所定時間経過した場合満たされるものであってよい。
【0091】
一方、ステップ320において、ステアリングスイッチ60’が操作中で無い場合(ステップ320の否定判定)には、ステップ330に進む。
【0092】
ステップ330では、表示制御装置70’は、随時入力されうる接触検知信号に基づいて、現在、ステアリングスイッチ60’の何れかに対する指の接触が検知されているか否かを、判断する。即ち、接触検知信号が入力されているか否かを判断する。接触検知信号が入力されていない場合には(ステップ330の否定判定)、現在点灯中のインジケータ50が存在する場合にはそれを消灯させ、ステップ360にて所定の終了条件が判断され、終了条件が満たされない場合には、ステップ320に戻り、終了条件が満たされた場合には、表示部40’の表示板に対するバックライトがオフにされ(ステップ370)、処理が終了される。
【0093】
一方、ステップ330において、接触検知信号が入力されている場合には(ステップ330の肯定判定)、表示制御装置70’は、指の接触が検知されたステアリングスイッチ60’に対応するインジケータ50を点灯させる(ステップ340)。このインジケータ50の点灯により、点灯したインジケータ50の隣接する機能表示、即ち指が触れているステアリングスイッチ60’に対応する機能表示が強調される。例えば、図14に示したように、運転者は、VIEWスイッチを操作する位置へと指を伸ばすと、必然的に、VIEWスイッチに隣接するタッチセンサ67’に指の一部が触れることになるので、当該タッチセンサ67’の接触検知信号が入力され、図15に示すように、VIEWスイッチに隣接するインジケータ50が点灯される。
【0094】
このように本実施例によれば、ステアリングスイッチ60’に運転者の指が触れると、当該ステアリングスイッチ60’に係る機能表示がインジケータ50の点灯により強調される。従って、運転者は、ステアリングスイッチ60’が配設されたステアリングホイール10’を直接的に目視しなくても、現在、自己の指が操作部100’におけるVIEWスイッチを操作できる位置にあることを容易に把握することができる。
【0095】
また、本実施例では、機能表示は、上述の如く、各ステアリングスイッチ60’の配置に対応した配置で配置されている。このため、本実施例によれば、運転者は、ステアリングホイール10’を直接的に目視しなくても、インジケータ50が点灯されている機能表示と所望の機能表示との位置関係を、表示部40’にて把握することができ、この結果、現在自己の指が触れているステアリングスイッチ60’と、所望のステアリングスイッチ60’との位置関係を把握することが可能となる。これにより、運転者は、表示部40’を見ながら、所望のステアリングスイッチ60’へと指を動かして操作することができる(いわゆるステアリングホイール10’への目視を必要としないブラインド操作を行うことができる)。
【0096】
尚、上述では、主に、VIEWスイッチに対する指の接触があった場合に関する例を説明しているが、他のステアリングスイッチ60’
に対する指の接触があった場合も同様であってよい。
【0097】
また、本実施例では、各種機能表示に隣接するインジケータ50を点灯させているが、インジケータ50に加えて又はそれに代えて、各機能表示に対して例えばLED等を設定し、指の接触が検知されたステアリングスイッチ60’に対応する機能表示を、その輝度や色等により強調させてもよい。
【0098】
図17は、表示制御装置70’により実現される主要処理のその他の実施例を示すフローチャートである。図17に示す処理は、図16に示した処理に対して、2以上のステアリングスイッチ60’に対して指が同時に接触している場合を考慮する点が異なる。尚、図16に示した処理と同様の処理については、同一の参照符号を付して、説明を省略する。
【0099】
ステップ332では、異なる2以上のステアリングスイッチ60’に係る接触検知信号が同時に入力されているか否かが判断される。2以上の接触検知信号が同時に入力されていないと判断される場合、即ち1つのステアリングスイッチ60’に指が触れていると判断される場合には、ステップ340の処理が実行される。この場合、表示制御装置70’は、指の接触が検知されたステアリングスイッチ60’に対応するインジケータ50を第1の色(例えば青色)で点灯させる。一方、2以上の接触検知信号が同時に入力されている場合には、ステップ334に進む。
【0100】
ステップ334では、表示制御装置70’は、指が触れられている2以上のステアリングスイッチ60’に対応する2以上のインジケータ50を、第2の色(例えば赤色)で点灯させる。
【0101】
図18(A)は、運転者が2つのステアリングスイッチ60’に同時に触れている状態を一例として示し、図18(B)は、そのときの表示部40’の状態を示す図である。図18(A)に示す例では、運転者は、左側のスイッチ群101’に属するステアリングスイッチ60’(MODEスイッチ)と、右側のスイッチ群102’に属するステアリングスイッチ60’(VIEWスイッチ)とを同時に触れているので(操作はしていない)、図18(B)に示すように、MODEスイッチとVIEWスイッチの双方の機能表示に隣接する2つのインジケータ50が、図15の点灯色とは異なる色(図示せず)で、点灯されている。
【0102】
ところで、ステアリングスイッチ60’は、ステアリングホイール10’を把持した状態で無理の無い手の動きで自然に操作できるような位置に配置される。一方、運転者は、ステアリングホイール10’を把持しながらスイッチ操作を行うので、意図しないステアリングスイッチ60’にも指が触れやすくなる。例えば、左の親指で左側のスイッチ群101’のステアリングスイッチ60’を操作するつもりであるにも拘らず、同時に、右の親指が右側のスイッチ群102’にも意図せずに触れている場合がありうる。この場合、例えばステアリングホイール10’の操作に伴って、右の親指に力が付与されてしまうと、運転者の意図しないスイッチ群102’に属するステアリングスイッチ60’の機能が実現されてしまう虞がある。
【0103】
これに対して、本実施例によれば、2以上のステアリングスイッチ60’に同時に指が触れられた場合には、何れか一方のステアリングスイッチ60’に係るインジケータ50が第1の色で点灯されるのではなく、当該指が触れられている双方のステアリングスイッチ60’に係るインジケータ50が第2の色で点灯される。これにより、運転者は、ステアリングホイール10’を直接的に目視しなくても、ステアリングスイッチ60’に触れているのに第1の色で点灯されないという異変や、2以上のインジケータ50が第2の色で点灯されるという異変に気付くことで、現在自己の指が、2以上のステアリングスイッチ60’に触れていることを把握することができる。これにより、運転者は、指の位置を変える等を行うことで、意図しないスイッチ操作を未然に防止することができる。
【0104】
尚、本実施例では、2以上のステアリングスイッチ60’に指が触れられている状態と、1つのステアリングスイッチ60’に指が触れられている状態とを、インジケータ50の点灯色を変化させることで運転者に識別可能としているが、第1の色と第2の色による点灯色の変更に代えて又は加えて、輝度等を変化させもよいし、2以上のステアリングスイッチ60’に指が触れられている状態でインジケータ50を点灯させないこととしてもよい。また、ステアリングスイッチ60’が操作されている場合にもインジケータ50を点灯させる構成の場合、ステアリングスイッチ60’が操作中である場合の点灯態様は、上述の接触検知時の点灯態様と異なるようにすることが望ましい。
【0105】
図19は、表示制御装置70’により実現される主要処理のその他の実施例(その2)を示すフローチャートである。図19に示す処理は、図17に示した処理に対して、2以上のステアリングスイッチ60’に対して指が同時に接触している場合に、該ステアリングスイッチ60’に対する操作を無効化する点が異なる。尚、図17に示した処理と同様の処理については、同一の参照符号を付して、説明を省略する。
【0106】
ステップ336では、表示制御装置70は、指が触れられている2以上のステアリングスイッチ60’に対する運転者による操作を無効化する。これにより、以後、運転者が、当該2以上のステアリングスイッチ60’のいずれかを操作し、ステップ320で肯定判定された場合であっても、ステップ350においては、操作されたステアリングスイッチ60’に対応する作動(機能)が実現されない。この無効化は、例えば、当該2以上のステアリングスイッチ60’からのスイッチ信号(操作時のスイッチ信号)に対する処理を行わないことで実現されてよい。この無効化は、2以上のステアリングスイッチ60’に対する運転者の指の接触がなくなった時点で、解除されてよい。
【0107】
ところで、上述の如く、運転者は、ステアリングホイール10’を把持しながらスイッチ操作を行うので、ステアリングホイール10’を回転操作している際に、意図しないステアリングスイッチ60’にも指が触れやすくなる。この場合、例えばステアリングホイール10’の操舵操作に伴って、右の親指に力が付与されてしまうと、運転者の意図しないステアリングスイッチ60’に対する操作が実現されてしまい、その機能が実現されてしまう虞がある。
【0108】
これに対して、本実施例によれば、2以上のステアリングスイッチ60’に同時に指が触れられた場合には、これらのステアリングスイッチ60’に対するスイッチ操作が無効化される。これにより、運転者が、例えばステアリングホイール10’の操舵操作に伴って、現在指が接触している2以上のステアリングスイッチ60’のうちの意図しないステアリングスイッチ60’を誤って押してしまった場合であっても、それに基づく動作が何ら実行されないので、運転者による意図しないスイッチ操作を未然に防止することができる。
【0109】
尚、本実施例において、上述と同様の観点から、表示制御装置70’は、インジケータ50が第1の色で点灯されている間のみ、当該インジケータ50に対応するステアリングスイッチ60’に対するスイッチ操作を許容することとしてもよい。この場合、インジケータ50が点灯されて初めて、特定のステアリングスイッチ60’に対するスイッチ操作が許容される。これにより、インジケータ50が点灯されない段階では、運転者が、例えばステアリングホイール10’の操舵操作に伴って、現在指が接触している2以上のステアリングスイッチ60’のうちの意図しないステアリングスイッチ60’を誤って押してしまった場合であっても、それに基づく動作が何ら実行されないので、運転者による意図しないスイッチ操作を未然に防止することができる。
【0110】
以上、本発明の好ましい実施例について詳説したが、本発明は、上述した実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
【0111】
例えば、上述の実施例では、ステアリングホイール10、10’に設けられる全てのステアリングスイッチ60、60’に対して、各ステアリングスイッチ60、60’の配置態様に対応した配置で機能表示を割り当てているが、多数のステアリングスイッチ60、60’の一部の特殊なスイッチに対しては、その位置に対応しない機能表示を設けてもよいし、機能表示を省略してもよい。
【0112】
また、上述の実施例1では、多数のステアリングスイッチ60が配設される関係上、全体機能表示と個別機能表示を切り換えて表示しているが、上述の実施例2のように比較的少数のステアリングスイッチ60’しか配設されない構成の場合には、個別機能表示が通常の表示状態として表示されてもよい。この場合、同様に、一のステアリングスイッチ60’に対して指の接触が検知された場合に、当該ステアリングスイッチ60’に係る個別機能表示がそのまま拡大されてよい。これにより、運転者は、現在、当該ステアリングスイッチ60’に触れていることを容易に把握することができる。これに代えて又は加えて、一のステアリングスイッチ60’に対して指の接触が検知された場合に、当該ステアリングスイッチ60’に係る個別機能表示がハイライト表示に変化されてもよい。この場合も、同様に、運転者は、現在、当該ステアリングスイッチ60’に触れていることを容易に把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0113】
【図1】実施例1に係る操作装置に関連する主要構成の一例を示す機能ブロック図である。
【図2】ヘッドアップ・ディスプレイ装置の一例を示す断面図である。
【図3】ステアリングホイールに設けられたステアリングスイッチ60の一例を示す平面図である。
【図4】ステアリングスイッチ60の断面構造の一例を示す断面図である。
【図5】ステアリングスイッチ60の操作前段階において表示制御装置70により実現される主要処理を示すフローチャートである。
【図6】操作メニュー画像の通常の表示状態を示す図である。
【図7】図7(A)は、運転者が一のステアリングスイッチ60に触れている状態を一例として示す図であり、図7(B)は、そのときの操作メニュー画像の表示状態を示す図である。
【図8】表示制御装置70により実現される主要処理のその他の実施例(その1)を示すフローチャートである。
【図9】図9(A)は、運転者が2つのステアリングスイッチ60に同時に触れている状態を一例として示す図であり、図9(B)は、そのときの操作メニュー画像の表示状態を示す図である。
【図10】表示制御装置70により実現される主要処理のその他の実施例(その2)を示すフローチャートである。
【図11】実施例2に係る操作装置に関連する主要構成の一例を示す機能ブロック図である。
【図12】ステアリングホイールに設けられたステアリングスイッチ60’の一例を示す平面図である。
【図13】ステアリングスイッチ60’の断面構造の一例を示す断面図である。
【図14】図14(A)は、運転者が正規の正しい操作姿勢でステアリングホイール10’のステアリングスイッチ60’を操作している状態を示す図であり、図14(B)は、操作されているステアリングスイッチ60’に対する手の関係を示す断面図である。
【図15】実施例2による表示部40’の一例を示す図である。
【図16】ステアリングスイッチ60’に対する運転者の指の位置に関連して表示制御装置70’により実現される主要処理を示すフローチャートである。
【図17】表示制御装置70’により実現される主要処理のその他の実施例(その1)を示すフローチャートである。
【図18】図18(A)は、運転者が2つのステアリングスイッチ60’に同時に触れている状態を一例として示し、図18(B)は、そのときの表示部40’の状態を示す図である。
【図19】表示制御装置70’により実現される主要処理のその他の実施例(その2)を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0114】
100 操作部
40、40’ 表示部
50 インジケータ
60、60’ ステアリングスイッチ
67、67’ タッチセンサ
70、70’ 表示制御装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、ステアリングに設けられる複数のステアリングスイッチを備える操作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
運転者が車両走行中にステアリング(ハンドル)から手を離さずに車載機器の種々の操作が可能となるように、ステアリングのスポーク部分にステアリングを把持した運転者が親指で操作できるように設けられた車載機器操作用のスイッチ、いわゆる「ステアリングスイッチ」、が周知である。
【0003】
この種の操作装置に関して、従来から、車両内のステアリング部に配設された複数の操作部を有する操作入力手段と、各種情報を表示する表示手段と、上記操作入力手段を構成する上記各操作部の操作に応じた処理コマンドを上記操作部の数ごとに一覧化した選択メニュー情報を含む選択メニューデータベースを記憶する選択メニューデータベース記憶手段と、上記操作入力手段の操作部が操作されたことに応じて上記選択メニューデータベース記憶手段に記憶された選択メニューデータベースを読み出し、選択メニューに含まれる処理コマンドを上記各操作部に割り当てると共に、選択メニューに含まれる処理コマンドと上記各操作部との対応関係を上記表示手段に表示する表示制御が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、ステアリングスイッチを操作する際に運転者がスイッチ位置・種類を視認するために視線を車両前方(遠方)からステアリング(近傍)に移動させる必要がないように、ステアリングスイッチに指の接触を検知する電極を設け、接触検知時には、ステアリングに設けられた各ステアリングスイッチに対応した各操作項目をヘッドアップ・ディスプレイ上に表示すると共に、運転者が現在触れているスイッチに係る操作項目については反転表示するなどして強調して、運転者がステアリングスイッチを直接視認せずとも、指位置に対応する操作項目が容易にわかるようにすることが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2003−131791号公報
【特許文献2】特開2003−175783号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述の特許文献1に記載の構成では、運転者は、現在指がどのステアリングスイッチに触れているかを、ステアリングスイッチの大きさ等を手触りで判断するか、操作を試験的に行ってみて判断するか、或いは、ステアリングスイッチを直接目視して判断する必要があり、不便である。一方、上述の特許文献2に記載の構成では、運転者は、ステアリングスイッチを直接視認せずとも、現在指がどのステアリングスイッチに触れているかを把握することができる一方で、現在指がその他のステアリングスイッチとどのような位置関係にあるかを把握することができない。このため、運転者が現在触れているステアリングスイッチとは別のステアリングスイッチを操作したい場合には、運転者は、ステアリングスイッチの配置を直接目視して判断する必要があり、不便である。
【0006】
そこで、本発明は、複数のステアリングスイッチを備える操作装置において、運転者が、指が各ステアリングスイッチに対してどのような位置関係にあるかを容易に把握することができるようにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、第1の発明に係る操作装置は、ステアリングに設けられる複数のステアリングスイッチと、
各ステアリングスイッチと同様の配置で、各ステアリングスイッチの機能を表す機能表示を配置した案内表示部とを備える操作装置において、
前記ステアリングスイッチに対する指の接触又は接近を検出する接触検出手段を備え、
一のステアリングスイッチに対する指の接触又は接近が前記接触検出手段により検出された場合に、該一のステアリングスイッチに係る機能表示を強調することを特徴とする。
【0008】
第2の発明は、第1の発明に係る操作装置において、
前記機能表示は、表示状態が可変制御可能な表示であり、
接触又は接近が検出されたステアリングスイッチに係る機能表示は、拡大されることを特徴とする。これにより、ステアリングスイッチに係る機能表示が見易くなると共に、運転者は、現在当該ステアリングスイッチに指が触れていることを容易に理解することができる。
【0009】
第3の発明は、第1又は2の発明に係る操作装置において、
前記機能表示は、表示状態が可変制御可能な表示であり、
前記機能表示は、複数のステアリングスイッチからなるスイッチ群毎に1つずつ割り当てられ、同一スイッチ群に属する各ステアリングスイッチの機能を代表的に表す全体機能表示からなり、各スイッチ群と同様の配置で配置されており、
一のスイッチ群に属する複数のステアリングスイッチうちの一のステアリングスイッチに対する指の接触又は接近が前記接触検出手段により検出された場合に、該一のスイッチ群に係る機能表示は、前記全体機能表示から、該一のスイッチ群に属する各ステアリングスイッチの機能を表す個別機能表示へと変更されることを特徴とする。これにより、多数のステアリングスイッチを配置した場合であっても、機能表示の煩雑化を防止しつつ、必要時には、各ステアリングスイッチの個別機能を運転者が見ることができるようにすることができる。また、全体機能表示から個別機能表示へと変更されるという機能表示の強調により、運転者は、現在の指がどのスイッチ群の位置にあるかを容易に把握することができる。
【0010】
第4の発明は、第3の発明に係る操作装置において、
前記スイッチ群は、同一又は関連するアプリケーションに係る複数のステアリングスイッチを密集して配置することにより構成されることを特徴とする。これにより、運転者は、指の大きな動きを伴わないスイッチ操作により、同一又は関連するアプリケーションを連続的に操作することができる。また、運転者は、そのスイッチ群に属する複数のステアリングスイッチうちの何れか1つに触れるだけで、当該スイッチ群の各ステアリングスイッチの個別機能表示を出現させることができ、これにより、同一又は関連するアプリケーションに係る各ステアリングスイッチの機能及び位置を容易に把握することができる。
【0011】
第5の発明は、第3又は4の発明に係る操作装置において、
前記個別機能表示は、対応する各ステアリングスイッチと同様の配置で、各ステアリングスイッチの機能を表す機能表示部分を有することを特徴とする。これにより、運転者は、ステアリングホイールを目視しなくても、各ステアリングスイッチの機能表示部分の配置を頼りにして、実際の各ステアリングスイッチの位置を把握することができる。
【0012】
第6の発明は、第5の発明に係る操作装置において、
前記個別機能表示は、指の接触又は接近が前記接触検出手段により検出されたステアリングスイッチに対応する機能表示部分が強調されることを特徴とする。これにより、運転者は、ステアリングホイールを目視しなくても、強調された機能表示部分と所望の機能表示部分との位置関係を頼りにして、所望のステアリングスイッチの位置を把握することができる。
【0013】
第7の発明は、第1の発明に係る操作装置において、
前記機能表示は、表示状態が可変制御可能な表示であり、
一のステアリングスイッチに対する指の接触又は接近が検出された場合と、二以上のステアリングスイッチに対する指の接触又は接近が検出された場合とで、該接触又は接近が検出されたステアリングスイッチに係る機能表示の強調態様を異ならせることを特徴とする。これにより、運転者は、ステアリングホイールを目視しなくても、二以上のステアリングスイッチに対して操作可能な位置に指があることを把握することができ、これにより、ステアリングホイールの操舵操作に伴って誤ったステアリングスイッチを操作してしまうことを防止することができる。
【0014】
第8の発明は、第3〜6のいずれかの発明に係る操作装置において、
前記機能表示は、表示状態が可変制御可能な表示であり、
一のステアリングスイッチに対する指の接触又は接近が検出された場合と、二以上のスイッチ群に属する二以上のステアリングスイッチに対する指の接触又は接近が検出された場合とで、該接触又は接近が検出されたステアリングスイッチに係る機能表示の強調態様を異ならせることを特徴とする。これにより、運転者は、ステアリングホイールを目視しなくても、二以上のスイッチ群に属する二以上のステアリングスイッチに対して操作可能な位置に指があることを把握することができ、これにより、ステアリングホイールの操舵操作に伴って誤ったステアリングスイッチを操作してしまうことを防止することができる。
【0015】
第9の発明は、第1〜8のいずれかの発明に係る操作装置において、
前記接触検出手段は、ステアリングスイッチ毎に、対応するステアリングスイッチの操作部材に設けられることを特徴とする。これにより、多数のステアリングスイッチを密集させて配置することができる。
【0016】
第10の発明は、第1の発明に係る操作装置において、
前記接触検出手段は、ステアリングスイッチ毎に、対応するステアリングスイッチの操作部材に隣接した位置に設けられることを特徴とする。これにより、可動部材である操作部材に接触検出手段を設ける必要がなくなり、接触検出手段の低コスト化や電気配線の簡略化を図ることができる。
【0017】
第11の発明は、第10の発明に係る操作装置において、
前記接触検出手段のそれぞれは、対応するステアリングスイッチに対してステアリングハンドル外周側から隣接することを特徴とする。これにより、運転者が一のステアリングスイッチに触れたときには高い確率でそれに対応する接触検出手段に触れるので、簡易な構成で、接触検出手段による接触検知精度を高めることができる。
【0018】
第12の発明は、第10又は11の発明に係る操作装置において、
前記接触又は接近が検出されたステアリングスイッチに係る機能表示の強調は、該機能表示に隣接して設けられるインジケータを点灯させることにより実現されることを特徴とする。これにより、簡易な構成で、運転者に現在の指の位置と各ステアリングスイッチの位置関係を容易に把握してもらうことができる。
【0019】
第13の発明は、第12の発明に係る操作装置において、
一のステアリングスイッチに対する指の接触又は接近が検出された場合と、二以上のステアリングスイッチに対する指の接触又は接近が検出された場合とで、該接触又は接近が検出されたステアリングスイッチに係るインジケータの点灯態様を異ならせることを特徴とする。これにより、簡易な構成で、運転者がステアリングホイールの操舵操作に伴って誤ったステアリングスイッチを操作してしまうことを防止することができる。
【0020】
第14の発明は、第7、8及び13のいずれかの発明に係る操作装置において、
前記二以上のステアリングスイッチに対する指の接触又は接近が検出された場合には、該接触又は接近が検出されたステアリングスイッチに対するスイッチ操作を無効化することを特徴とする。これにより、運転者がステアリングホイールの操舵操作に伴って誤ったステアリングスイッチを操作してしまうことを確実に防止することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、複数のステアリングスイッチを備える操作装置において、運転者が、指が各ステアリングスイッチに対してどのような位置関係にあるかを容易に把握することができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態の説明を行う。
【実施例1】
【0023】
図1は、実施例1に係る操作装置に関連する主要構成の一例を示す機能ブロックを示す。本実施例の操作装置は、図1に示すように、操作部100と、表示制御装置70と、操作部100に対する運転者の操作を支援する操作メニュー画像(後に詳説)を表示する表示部40とを備える。
【0024】
表示制御装置70は、マイクロコンピューターを中心に構成されている。即ち、表示制御装置70は、所与の実行プログラムに従って各種処理を行うCPU、このCPUの実行プログラム、画像データ、演算結果等を格納するメモリ(例えばROM、RAM,EEPROM等)、タイマ、カウンタ、入出力インターフェイス等を有している。これらCPU、メモリ、及び入出力インターフェイスは、データバスにより相互に接続されている。尚、以下で説明する表示制御装置70の各種動作・機能は、CPUによって実行されるプログラムによって実現される。
【0025】
表示制御装置70は、操作部100との間で無線又は有線により通信を行う。表示制御装置70は、操作部100から各種スイッチ信号を受信すると、表示部40での表示画面の切り換え(各種操作メニュー画像の生成)等を行うと共に、他の制御ECU(例えば、カーナビゲーションECU、オーディオECU及びエアコンECU等)に対して、各種スイッチ信号に応じた信号を送る。他の制御ECUは、表示制御装置70からの信号に応答し、各種スイッチ信号に応じた機能を実現するよう車載機器80(例えばナビゲーションシステム、オーディオ及びエアコン等)を制御する。
【0026】
表示制御装置70は、表示部40との間で無線又は有線により通信を行う。本例では、表示部40は、ヘッドアップ・ディスプレイ(HUD)装置である。
【0027】
図2は、ヘッドアップ・ディスプレイ装置の一例を示す断面図である。ヘッドアップ・ディスプレイ装置は、HUDユニット42を備える。HUDユニット42は、フロントウインドシールドガラス46上での表示画像の表示位置に応じて、車室内のインストルメントパネル内の適切な位置に搭載されている。HUDユニット42のケース43の内部には、表示器44が収容されている。表示器44は、表示制御装置70からの映像信号(表示画像)に応じた表示光を出射する。表示器44から出射された表示光は、凹面鏡45を介して、フロントウインドシールドガラス46に到達する。このとき、表示光はフロントウインドシールドガラス46によって観測者(主に運転者)方向に反射され、運転者の前方に表示器44の表示画像に対応する反射像が表示される。尚、ヘッドアップ・ディスプレイ装置は、操作メニュー画像を表示するのみならず、通常的な使用態様として、例えば夜間走行時に、赤外線カメラで撮像した映像を表示してもよい。
【0028】
尚、表示部40は、液晶ディスプレイ等のような、運転者が直接的に見ることができる類の表示器であってもよく、この場合、表示部40は、運転者が見やすい位置、好ましくは、運転者が運転中の視野を大きく変えることなく見ることができるような位置に配置される。例えば、表示部40は、インストルメントパネル上面の中央部に配置されてよい。この場合、表示部40は、ナビゲーションシステムで用いられるディスプレイ等と共用であっても良い。また、表示部40は、メーター内に配置される表示板であってもよい。
【0029】
図3は、操作部100の一実施例を示し、ステアリングホイール10に設けられたステアリングスイッチ60の一例を示している。ステアリングホイール10は、運転席側に配置され、図示しないステアリングシャフトに接続され、車両の車輪を転舵させるために操作される。この例では、ステアリングホイール10は、運転者により把持され回転操作される円環状のハンドル部12と、中央部14と、ハンドル部12と中央部14をつなぐ放射状に延びるスポーク16とを備える。ステアリングホイールの中央部14は、エアバックが実装されるため、比較的大きな領域を占める。
【0030】
ステアリングスイッチ60は、スポーク16の根元付近、即ち中央部の外周側に配設される。実施例1では、ステアリングスイッチ60は、多数配置(左右でそれぞれ6つ以上配置)され、機能が豊富な操作装置を構成する。
【0031】
図3に示すステアリングスイッチ60は、4つスイッチ群をなす。この例では、4つスイッチ群は、望ましくはステアリングを把持した左手で操作されることが意図された左側のスイッチ群101,102と、望ましくはステアリングを把持した右手で操作されることが意図された右側のスイッチ群103,104とからなる。
【0032】
第1のスイッチ群101は、運転者から見て左上側に密集して配置され、例えばオーディシステムを操作するために用いられる。図3に示す第1のスイッチ群101は、互いに密接して配置された5つのステアリングスイッチ60から構成される。具体的には、第1のスイッチ群101は、1つのステアリングスイッチ60を囲繞するように4つのステアリングスイッチ60を配置してなる。5つのステアリングスイッチ60は、例えば、所望の再生メディアを検索するためのシーク(seek)スイッチ、再生出力を増加又は減少させるためのスイッチ、及び、モードスイッチである。各ステアリングスイッチ60の操作部材(スイッチノブ)64の表面には、それぞれの機能を表す文字ないし図柄が付与されている。尚、中央のステアリングスイッチ60は、モードスイッチのような固定機能のスイッチであってもよいが、多機能を実現するマルチファンクションスイッチとして構成されてもよい。
【0033】
第2のスイッチ群102は、運転者から見て左下側に密集して配置され、例えば空調システム(いわゆるエアコン)を操作するために用いられる。図3に示す第2のスイッチ群102は、互いに密接して配置された5つのステアリングスイッチ60から構成される。具体的には、第2のスイッチ群102は、左右2列に、4つのステアリングスイッチ60を配置し、その下側に2列分の幅の1つのステアリングスイッチ60を配置してなる。5つのステアリングスイッチ60は、例えば、温度を増加又は減少させるためのスイッチ、フロントデフロスタスイッチ、リアデフォッガスイッチ、及び、オート機能のオン/オフスイッチである。各ステアリングスイッチ60の操作部材64の表面には、それぞれの機能を表す文字ないし図柄が付与されている。
【0034】
第3のスイッチ群103は、運転者から見て右上側に密集して配置され、例えば無線通信機能を含む各種音声機能システムを操作するために用いられる。図3に示す第3のスイッチ群103は、互いに密接して配置された5つのステアリングスイッチ60から構成される。具体的には、第3のスイッチ群103は、第1のスイッチ群101と同様、1つのステアリングスイッチ60を囲繞するように4つのステアリングスイッチ60を配置してなる。第3のスイッチ群103の各ステアリングスイッチ60の配置は、第1のスイッチ群101の各ステアリングスイッチ60の配置に対して左右対称であってよい。5つのステアリングスイッチ60は、例えば、携帯電話(又は車両電話)の着呼及び切断のためのスイッチ、認識させる音声を発話する際に押す音声認識スイッチ、ナビゲーション画面の現在地表示に戻すためのMAPスイッチ、及び、各種情報を表示するためのINFOスイッチである。同様に、各ステアリングスイッチ60の操作部材64の表面には、それぞれの機能を表す文字ないし図柄が付与されている。
【0035】
第4のスイッチ群104は、運転者から見て右下側に密集して配置され、例えば車両情報管理システムを操作するために用いられる。図3に示す第4のスイッチ群104は、互いに密接して配置された5つのステアリングスイッチ60から構成される。具体的には、第4のスイッチ群104は、第2のスイッチ群102と同様、左右2列に、4つのステアリングスイッチ60を配置し、その下側に2列分の幅の1つのステアリングスイッチ60を配置してなる。第4のスイッチ群104の各ステアリングスイッチ60の配置は、第2のスイッチ群102の各ステアリングスイッチ60の配置に対して左右対称であってよい。5つのステアリングスイッチ60は、例えば、クリアランスソナーや周辺監視カメラによる周辺監視結果を示す周辺監視画面に切り替えるためのVIEWスイッチ、メーターやディスプレイの表示切替のためのDISPスイッチや、レーザークルーズコントロールにおける車間距離切り替えスイッチや、レーザークルーズコントロールにおける低速追従モード切替スイッチである。同様に、各ステアリングスイッチ60の操作部材64の表面には、それぞれの機能を表す文字ないし図柄が付与されている。
【0036】
図4は、一のステアリングスイッチ60の断面構造の一例を示す断面図である。尚、以下の図4に関する説明では、1つのステアリングスイッチ60の構成について代表して説明するが、他のステアリングスイッチ60についても同様の構成であってよい。
【0037】
図示の例では、ステアリングスイッチ60は、運転者の指が直接触れる操作部材64を備える。操作部材64の裏側は、基板68上に立設される弾性部材からなる脚部(ラバードーム)65により支持される。脚部65の付け根付近には接点(閉回路)66が設けられ、操作部材64が運転者により押圧操作されたときに、脚部65が弾性変形して当該接点66が基板68上の接点(開回路)69に接触する。これにより、ステアリングスイッチ60に対するスイッチ操作が電気的に検出される。尚、ステアリングスイッチ60のスイッチ構造については、各種バネを用いて操作感を出すことも可能であり、また、電気接点式のものに限らず、容量変化検知式等の他の形態であってもよい。ステアリングスイッチ60にて生成されるスイッチ信号は、例えばFPC(フレキシブル印刷回路)を介して表示制御装置70(図1参照)に供給される。表示制御装置70は、他の制御ECUを介して、各種スイッチ信号に応じた機能を実現させるように各種車載機器80を制御する。
【0038】
操作部材64には、タッチセンサ67が埋設される。タッチセンサ67は、運転者の操作する指の接触ないし接近(以下、「接触」に代表させる)を検出する。図示の例では、タッチセンサ67は、樹脂等で形成されるステアリングスイッチ60の操作部材64の表面に埋設される。タッチセンサ67は、接触電流、静電容量、赤外線測距等の方法で、当該ステアリングスイッチ60に対する運転者の操作する指の接触を感知するものであってもよい。また、ステアリングスイッチ60及びタッチセンサ67は、2段階の操作段階(接触段階/操作段階)を2段階の静電容量や感圧量により検知する類の一体型のスイッチとして構成されてもよい。タッチセンサ67からの接触検知信号は、例えばFPCを介して表示制御装置70(図1参照)に供給される。表示制御装置70は、後述する如く、接触検知信号に応じて、表示部40の機能表示の表示状態を適切に制御する。
【0039】
図5は、ステアリングスイッチ60に対する運転者の指の位置に関連して表示制御装置70により実現される主要処理を示すフローチャートである。
【0040】
ステップ100では、先ず、所定の起動条件が判断される。起動条件は、例えば、各ステアリングスイッチ60の何れかに対する指の接触が検知されることであってよい。起動条件が満たされると、表示部40の表示状態がオン状態となる(ステップ110)。本例では、表示器44から所定の表示光が出射され、フロントウインドシールドガラス46によって運転者方向に反射され、運転者の前方に表示器44の表示画像(操作メニュー画像)が表示される。このようにして一旦起動条件が成立すると、表示部40は、所定の終了条件が成立するまで(ステップ170の肯定判定)、継続的にオン状態が維持される。尚、終了条件は、例えば、所定時間以上、何れのステアリングスイッチ60に対しても接触ないし操作がなされていないことであってよい。所定の終了条件が成立すると、表示器44からの表示光の出射が停止され、運転者の前方に映し出される表示器44の表示画像(反射像)が消える(表示部40の表示状態がオフ状態となる)。
【0041】
表示部40がオン状態にあるとき、ステップ120からステップ160の処理が繰り返し実行される。
【0042】
ステップ120では、ステアリングスイッチ60が操作中であるか否かが判断される。この判断は、ステアリングスイッチ60から何らかのスイッチ信号が入力されているか否かに基づいて実現される。ステアリングスイッチ60が操作中である場合、表示制御装置70は、入力されたスイッチ信号に応じて、各種車載機器80を制御すると共に、必要に応じて、表示部40の表示画面の切り替えを行う。表示部40の表示画面の切り替えは、操作メニュー画像から例えば詳細な操作案内画像への移行(遷移)や、操作メニュー画像から、現在操作中の車載機器80の状態を示す状態表示画像への移行等を含む。操作が終了すると、表示画面は、操作メニュー画像の通常の表示状態(図6参照)に復帰する。
【0043】
ステアリングスイッチ60が操作中で無い場合には、ステップ130からステップ150の処理が繰り返し実行される。
【0044】
ステップ130では、表示制御装置70は、随時入力されうる接触検知信号に基づいて、現在、ステアリングスイッチ60の何れかに対する指の接触が検知されているか否かを、判断する。即ち、接触検知信号が入力されているか否かを判断する。接触検知信号が入力されていない場合には(ステップ130の否定判定)、操作メニュー画像を通常の表示状態で表示する(ステップ150)。接触検知信号が入力されている場合には(ステップ130の肯定判定)、指の接触が検知されたステアリングスイッチ60に属するスイッチ群に係る機能表示を強調すると共に、指の接触が検知されたステアリングスイッチ60に係る機能表示部分を強調する態様で、操作メニュー画像を表示する(ステップ140)(詳細は、後述する)。
【0045】
ここで、図6及び図7を参照して、上記のステップ150で実現される操作メニュー画像の通常の表示状態と、上記のステップ140で実現される操作メニュー画像の強調表示状態について、詳説する。
【0046】
図6は、操作メニュー画像の通常の表示状態を示す。操作メニュー画像は、操作部100に対する運転者の操作を支援するための画像であり、操作部100の各ステアリングスイッチ60に対する操作で実現される各種機能を、運転者に知らせると共に、当該各種機能を実現するために操作されるべき各ステアリングスイッチ60の位置を、運転者に知らせる役割を果たす。操作メニュー画像は、表示部40において実行される表示画面の切り替えの際にも、基本となる画像であり、詳細な操作案内画像等の他の表示画像に対する入口となる画像である。
【0047】
図6に示すように、操作メニュー画像の通常の表示状態では、図3に示したステアリングスイッチ60の配置と同様の配置で、各ステアリングスイッチ60の機能を表す機能表示が表示される。
【0048】
ところで、上述の如く、ステアリングスイッチ60を多数配置する構成では、一のステアリングスイッチ60毎に、全てのステアリングスイッチ60について、その個別機能を表示しようとすると、操作メニュー画像における機能表示が、ステアリングスイッチ60の配置と同様に密集して見づらくなる。
【0049】
そこで、本実施例では、図6に示すように、運転者の指が何れのステアリングスイッチ60にも触れていない場合には、操作メニュー画像の通常の表示状態として、同一群に属する複数のステアリングスイッチ60の各機能を1つの代表的な機能で表す全体機能表示が表示される。具体的には、通常の表示状態では、図6に示すように、第1のスイッチ群101に属する各ステアリングスイッチ60に係る機能表示は、オーディオ機能を代表的に表す“音符”を模した図形の全体機能表示からなる。同様に、第2のスイッチ群102に属する各ステアリングスイッチ60に係る機能表示は、空調機能を代表的に表す“ブロア”を模した図形の全体機能表示からなり、第3のスイッチ群103に属する各ステアリングスイッチ60に係る機能表示は、音声機能を代表的に表す“電話”を模した図形の全体機能表示からなり、第4のスイッチ群104に属する各ステアリングスイッチ60に係る機能表示は、車両情報管理機能を代表的に表す“車両”を模した図形の全体機能表示からなる。
【0050】
このように、本実施例によれば、多数のステアリングスイッチ60をステアリングホイール10に配置し、ステアリングホイール10でのスイッチ操作により実現できる機能の数を多くする一方で、その弊害(多数のステアリングスイッチ60に対応した個別機能が密集表示されて見づらくなること)が防止され、全体機能表示により比較的大きな見やすい表示を行うことができる。また、全体機能表示は、各スイッチ群101〜104(ひいてはそれぞれの群に属する各ステアリングスイッチ60)と同様の配置で配置されているので、運転者は、全体機能表示の位置関係を頼りに、各スイッチ群101〜104のおよその位置関係を把握することができる。
【0051】
図7(A)は、運転者が一のステアリングスイッチ60に触れている状態を一例として示し、図7(B)は、そのときの操作メニュー画像の表示状態を示す。
【0052】
図7に示す例では、第2のスイッチ群102の一のステアリングスイッチ60(本例では、オート機能オン/オフスイッチ)に運転者の指が触れているので、当該ステアリングスイッチ60が属する第2のスイッチ群102の機能表示が、図7(B)に示すように、拡大表示される。この際、第2のスイッチ群102の機能表示は、画面中央へと移動しつつ拡大され、それと同時に、全体機能表示から、第2のスイッチ群102に属する各ステアリングスイッチ60の機能を個別に表す個別機能表示へと変更される。本例では、個別機能表示は、第2のスイッチ群102の5つのステアリングスイッチ60と同様の配置で、温度を増加又は減少させる機能、フロントデフロスタ機能、リアデフォッガ機能、及び、オート機能のオン/オフ機能からなる5つの機能を個別に表す機能表示部分を含む。各機能表示部分は、図3及び図7(B)に示すように、対応する各ステアリングスイッチ60の操作部材64の表面に描かれた文字ないし図柄に対応する文字ないし図柄の表示を含んでよい。
【0053】
この個別機能表示は、図7(B)に示すように、拡大されることで、他の拡大されない全体機能表示を全面的に覆ってもよいが(即ち、画面全体に拡大されてもよいが)、好ましくは、他の拡大されない全体機能表示が見える範囲で拡大される。これは、現在触れているスイッチ群に関連した各ステアリングスイッチ60の機能及び位置に、運転者が現在最も関心がある場合もあれば、現在、所望のスイッチ群を探している段階であり、現在触れているスイッチ群に対する所望のスイッチ群の相対的な位置を、運転者が知りたい場合もあるからである。なお、本例では、空調機能に係る全体機能表示が拡大されることによって、オーディオ機能に係る全体機能表示が部分的に覆われているだけであるので、オーディオ機能に係る全体機能表示の位置自体は把握可能である。また、空調機能に係る個別機能表示は、元の全体機能表示から徐々にクローズアップされる態様で拡大されているので、個別機能表示が表示されている状態においても、当該個別機能表示に係る位置が左下であることは、把握可能である。これにより、運転者は、他の所望のスイッチ群に対する現在の指の位置を容易に把握することができる。例えば、オーディオ機能を操作したい場合、運転者は、現在の指の位置から上方に指を動かす必要があることを容易に理解することができる。
【0054】
このように本実施例によれば、空調機能に関連する複数のステアリングスイッチ60が集合する領域に、運転者の指が触れると、空調機能に関連する各ステアリングスイッチ60の個別の機能が拡大して表示される(強調表示される)。従って、運転者は、ステアリングスイッチ60が配設されたステアリングホイール10を直接的に目視しなくても、現在、自己の指が操作部100における空調領域に存在し、空調機能を操作できる状態にあることを容易に把握することができる。加えて、運転者は、個別機能表示を見ることで、各ステアリングスイッチ60の個別の機能を、容易に把握することができる。このように、本実施例のように多数のステアリングスイッチ60をステアリングホイール10に配置する構成においても、全体機能表示と個別機能表示とを適切に切り替えることで、多数のステアリングスイッチ60に対応した個別機能が密集表示されて煩雑で見づらくなることを防止しつつ、必要時には、各ステアリングスイッチ60の個別機能を運転者が見ることができるようにすることができる。
【0055】
また、図7に示す例では、第2のスイッチ群102のオート機能オン/オフスイッチに運転者の指が触れているので、第2のスイッチ群102に係る個別機能表示のおける、オート機能オン/オフスイッチに係る機能表示部分が、ハイライト表示(強調)されている。尚、ハイライト表示は、例えば他の機能表示部分に比べて、輝度やコントラスト、色等を変化させることにより実現されてよい。このため、本実施例によれば、運転者は、ステアリングホイール10を直接的に目視しなくても、個別機能表示の強調されている領域を見るだけで、現在、自己の指が空調領域におけるオート機能オン/オフスイッチの位置にあることを把握することができる。また、本実施例では、個別機能表示は、上述の如く、第2のスイッチ群102の各ステアリングスイッチ60の配置に対応した配置で、各ステアリングスイッチ60の個別機能を表す機能表示部分を有する。このため、本実施例によれば、運転者は、ステアリングホイール10を直接的に目視しなくても、個別機能表示のハイライト表示されている機能表示部分と、その他のハイライト表示されていない機能表示部分との位置関係を、個別機能表示の配列を見るだけで把握することができ、これにより、現在自己の指が触れているステアリングスイッチ60と、同群におけるその他のステアリングスイッチ60との位置関係を把握することができる。従って、運転者は、表示部40を見ながら、操作部100を操作することができる(いわゆるステアリングホイール10への目視を必要としないブラインド操作を行うことができる)。
【0056】
尚、上述では、主に、第2のスイッチ群102に属する1つのステアリングスイッチ60に対する指の接触があった場合に関する例を説明しているが、他のスイッチ群101.103,104においても同様であってよい。
【0057】
図8は、表示制御装置70により実現される主要処理のその他の実施例を示すフローチャートである。図8に示す処理は、図5に示した処理に対して、2以上のステアリングスイッチ60に対して指が同時に接触している場合を考慮する点が異なる。尚、図5に示した処理と同様の処理については、同一の参照符号を付して、説明を省略する。
【0058】
ステップ200では、異なる群に属する2以上のステアリングスイッチ60に係る接触検知信号が同時に入力されているか否かが判断される。2以上の接触検知信号が同時に入力されていないと判断される場合、即ち1つのステアリングスイッチ60に指が触れていると判断される場合や、2つ以上のステアリングスイッチ60に指が触れているが、それらのステアリングスイッチ60が同一のスイッチ群に属すると判断される場合には、ステップ140の処理が実行される。この場合、表示器40には、上述の個別機能表示が表示され、指が触れているステアリングスイッチ60の属するスイッチ群の各ステアリングスイッチ60の個別機能が表示される。一方、2以上の接触検知信号が同時に入力されている場合には、ステップ210に進む。
【0059】
ステップ210では、指が触れられている2以上のステアリングスイッチ60に関する機能表示(2以上の全体機能表示)が、ハイライト表示される。即ち、指が触れられているステアリングスイッチ60に係る機能表示は、通常の表示状態で実現される上述の全体機能表示から、個別機能表示へと変更されることはなく、その代わりに、通常の表示状態とは異なる表示態様で、該当する全体機能表示がハイライト表示される。尚、このハイライト表示は、例えば通常の表示状態の他の全体機能表示に比べて、輝度やコントラスト、色等を変化させることにより実現されてよい。
【0060】
図9(A)は、運転者が2つのステアリングスイッチ60に同時に触れている状態を一例として示し、図9(B)は、そのときの操作メニュー画像の表示状態を示す。図9(A)に示す例では、運転者は、第1のスイッチ群101に属するステアリングスイッチ60と、第3のスイッチ群103に属するステアリングスイッチ60とを同時に触れているので(操作はしていない)、図9(B)に示すように、オーディオ機能と音声機能とを表す全体機能表示が、他の2つの全体機能表示に比べて異なる態様で、強調表示されている。本例では、それぞれの全体機能表示の両側ないし外枠がハイライト表示されている。
【0061】
ところで、ステアリングスイッチ60は、ステアリングホイール10を把持した状態で無理の無い指の動きで自然に操作できるような位置に配置される。一方、運転者は、ステアリングホイールを把持しながらスイッチ操作を行うので、意図しないステアリングスイッチ60にも指が触れやすくなる。例えば、左の親指で左側の第1のスイッチ群101のステアリングスイッチ60を操作するつもりであるにも拘らず、同時に、右の親指が右側の第3のスイッチ群103にも意図せず触れている場合がありうる。この場合、例えばステアリングホイール10の操作に伴って、右の親指に力が付与されてしまうと、運転者の意図しない第3のスイッチ群103に属するステアリングスイッチ60の機能が実現されてしまう虞がある。
【0062】
これに対して、本実施例によれば、2以上のスイッチ群に属するステアリングスイッチ60に同時に指が触れられた場合には、何れか一方のスイッチ群に係る個別機能表示が表示されることはなく、当該指が触れられているステアリングスイッチ60が属する二以上のスイッチ群に係る全体機能表示がハイライト表示される。これにより、運転者は、ステアリングホイール10を直接的に目視しなくても、ステアリングスイッチ60に触れているのに個別機能表示が出現されないという異変や、2以上のスイッチ群に属する全体機能表示がハイライト表示されるという異変に気付くことで、現在自己の指が、2以上のスイッチ群に属する2以上のステアリングスイッチ60に触れていることを把握することができる。これにより、運転者は、指の位置を変える等を行うことで、意図しないスイッチ操作を未然に防止することができる。
【0063】
本実施例において、同一のスイッチ群に属する2以上のステアリングスイッチ60に同時に同時に指が触れていると判断された場合には、表示制御装置70は、当該2以上のステアリングスイッチ60に係るスイッチ群の機能表示を、全体機能表示から個別機能表示に変更してよい。この際、表示制御装置70は、当該2以上のステアリングスイッチ60に係る個別機能部分を、一のステアリングスイッチ60に指が触れている場合の個別機能部分の協調態様とは異なる態様で、強調させてもよい。これにより、運転者は、ステアリングホイール10を直接的に目視しなくても、個別機能表示において2以上のステアリングスイッチ60の個別機能部分がハイライト表示されるという異変に気付くことで、現在自己の指が、同一のスイッチ群における2以上のステアリングスイッチ60に触れていることを把握することができる。これにより、運転者は、指の位置を変える等を行うことで、意図しないスイッチ操作を未然に防止することができる。
【0064】
図10は、表示制御装置70により実現される主要処理のその他の実施例を示すフローチャートである。図10に示す処理は、図8に示した処理に対して、2以上のステアリングスイッチ60に対して指が同時に接触している場合に、該ステアリングスイッチ60に対する操作を無効化する点が異なる。尚、図8に示した処理と同様の処理については、同一の参照符号を付して、説明を省略する。
【0065】
ステップ220では、表示制御装置70は、指が触れられている2以上のステアリングスイッチ60に対する運転者による操作を無効化する。これにより、以後、運転者が、当該2以上のステアリングスイッチ60のいずれかを操作し、ステップ120で肯定判定された場合であっても、ステップ140においては、操作されたステアリングスイッチ60に対応する作動(機能)が実現されない。この無効化は、例えば、当該2以上のステアリングスイッチ60からのスイッチ信号(操作時のスイッチ信号)に対する処理を行わないことで実現されてよい。この無効化は、2以上のステアリングスイッチ60に対する運転者の指の接触がなくなった時点で、解除されてよい。
【0066】
ところで、上述の如く、運転者は、ステアリングホイール10を把持しながらスイッチ操作を行うので、意図しないステアリングスイッチ60にも指が触れやすくなる。この場合、例えばステアリングホイール10の操舵操作に伴って、右の親指に力が付与されてしまうと、運転者の意図しないステアリングスイッチ60に対する操作が実現されてしまい、その機能が実現されてしまう虞がある。
【0067】
これに対して、本実施例によれば、2以上のスイッチ群に属するステアリングスイッチ60に同時に指が触れられた場合には、これらのステアリングスイッチ60に対するスイッチ操作が無効化される。これにより、運転者が、例えばステアリングホイール10の操舵操作に伴って、現在指が接触している2以上のステアリングスイッチ60のうちの意図しないステアリングスイッチ60を誤って押してしまった場合であっても、それに基づく動作が何ら実行されないので、運転者による意図しないスイッチ操作を未然に防止することができる。
【0068】
尚、本実施例において、上述と同様の観点から、表示制御装置70は、個別機能表示が表示されている間のみ、当該個別機能表示により個別機能が表示された各ステアリングスイッチ60に対するスイッチ操作を許容することとしてもよい。この場合、個別機能表示が出現されて初めて、特定のステアリングスイッチ60に対するスイッチ操作が許容される。これにより、個別機能表示が表示されない段階では、運転者が、例えばステアリングホイール10の操舵操作に伴って、現在指が接触している2以上のステアリングスイッチ60のうちの意図しないステアリングスイッチ60を誤って押してしまった場合であっても、それに基づく動作が何ら実行されないので、運転者による意図しないスイッチ操作を未然に防止することができる。
【0069】
本実施例において、同一のスイッチ群に属する2以上のステアリングスイッチ60に同時に同時に指が触れていると判断された場合には、表示制御装置70は、当該2以上のステアリングスイッチ60に対するスイッチ操作を無効化してよい。これにより、運転者は、ステアリングホイール10を直接的に目視しなくても、個別機能表示において2以上のステアリングスイッチ60の個別機能部分がハイライト表示されるという異変に気付くことで、現在自己の指が、2以上のステアリングスイッチ60に触れていることを把握することができる。これにより、現在指が接触している2以上のステアリングスイッチ60のうちの意図しないステアリングスイッチ60を誤って押してしまった場合であっても、それに基づく動作が何ら実行されないので、運転者による意図しないスイッチ操作を未然に防止することができる。
【0070】
尚、上述の実施例1では、多数の機能をステアリングスイッチ60にて実現可能としつつ、それらの操作性を高めるために、多数のステアリングスイッチ60を設定しつつ、それらを機能別に4つの群に分けて配設しているが、同様の数のステアリングスイッチ60を群に分けずに(左右の2群のみに分けて)配置してもよい。また、上述の実施例1では、多数のステアリングスイッチ60を4つの群に分けて配設しているが、3つの群又は5つ以上の群に分けてもよい。
【実施例2】
【0071】
図11は、実施例2に係る操作装置に関連する主要構成の一例を示す機能ブロックを示す。尚、上述の実施例1と同様の構成要素については、同一の参照符号を付して、説明を省略する。本実施例の操作装置は、図11に示すように、操作部100’と、操作部100’に対する運転者の操作を支援する表示部40’と、表示制御装置70’と、表示部40’の機能表示を強調させるインジケータ50とを備える。
【0072】
表示制御装置70’は、マイクロコンピューターを中心に構成されている。尚、以下で説明する表示制御装置70’の各種動作・機能は、CPUによって実行されるプログラムによって実現される。
【0073】
表示制御装置70’は、操作部100’との間で無線又は有線により通信を行う。表示制御装置70’は、操作部100’から各種スイッチ信号を受信すると、他の制御ECU(例えば、カーナビゲーションECU、オーディオECU及びエアコンECU等)に対して、各種スイッチ信号に応じた信号を送る。他の制御ECUは、表示制御装置70’からの信号に応答し、各種スイッチ信号に応じた機能を実現するよう車載機器80(例えばナビゲーションシステム、オーディオ及びエアコン等)を制御する。
【0074】
図12は、本実施例による操作部100’の一例を示し、ステアリングホイール10’に設けられたステアリングスイッチ60’の一例を示している。ステアリングスイッチ60’は、ステアリングホイール10’の中央部14’の左右両側に対称的に配設される。実施例2では、ステアリングスイッチ60’は、比較的少数(左右でそれぞれ5つ以下)がステアリングホイール10’に配置され、機能が簡易な操作装置を構成する。即ち、実施例2によるステアリングスイッチ60’は、上述の実施例1によるステアリングスイッチ60に比べて、数が有意に少なく、各種アプリケーションのうちの使用頻度ないし重要度の高い機能を実現するステアリングスイッチ60’のみが厳選されて配置されている。
【0075】
図12に示すステアリングスイッチ60’は、2つスイッチ群をなす。この例では、望ましくはステアリングを把持した左手で操作されることが意図された左側のスイッチ群101’と、望ましくはステアリングを把持した右手で操作されることが意図された右側のスイッチ群102’とからなる。
【0076】
左側のスイッチ群101’は、運転者から見てステアリングホイール10’の左側に列をなして配置され、例えばオーディシステムを操作するために用いられる。図示の例では、左側のスイッチ群101’は、ステアリングホイール10’の周方向に沿って(ハンドル部12から略等距離で)一列に5つのステアリングスイッチ60’を配置してなる。5つのステアリングスイッチ60’は、例えば、音量を増加又は減少させるためのスイッチ、所望の再生メディアを検索するためのシークスイッチ、及び、モードスイッチである。各ステアリングスイッチ60’の操作部材(スイッチノブ)64’の表面には、それぞれの機能を表す文字ないし図柄が付与されている。
【0077】
右側のスイッチ群102’は、運転者から見てステアリングホイール10’の右側に列をなして配置され、例えば音声機能システム等を操作するために用いられる。図示の例では、右側のスイッチ群102’は、4つのステアリングスイッチ60’から構成され、4つのステアリングスイッチ60’は、例えば、携帯電話の着呼及び切断のためのスイッチ、周辺監視画面に切り替えるためのVIEWスイッチ、及び、認識させる音声を発話する際に押す音声認識スイッチである。同様に、各ステアリングスイッチ60’の操作部材64’の表面には、それぞれの機能を表す文字ないし図柄が付与されている。
【0078】
図13は、図12のA−A断面を示す断面図である。尚、以下の図13に関する説明では、1つのステアリングスイッチ60’の構成について代表して説明するが、他のステアリングスイッチ60’についても同様の構成であってよい。
【0079】
図示の例では、ステアリングスイッチ60’は、ピン62を軸として回動する操作部材64’を備える。操作部材64’の裏側は、基板68’上に立設される弾性部材からなる脚部65により支持される。脚部65の付け根付近には接点66が設けられ、操作部材64が運転者により押圧操作されたときに、脚部65が弾性変形して当該接点66が基板68上の電極69に接触する。これにより、ステアリングスイッチ60’に対するスイッチ操作が電気的に検出される。尚、ステアリングスイッチ60’のスイッチ構造については、各種バネを用いて操作感を出すことも可能であり、また、電気接点式のものに限らず、容量変化検知式等の他の形態であってもよい。ステアリングスイッチ60’にて生成されるスイッチ信号は、例えばFPCを介して表示制御装置70’(図11参照)に供給される。表示制御装置70’は、他の制御ECUを介して、各種スイッチ信号に応じた機能を実現させるように各種車載機器80を制御する。
【0080】
操作部材64’には、タッチセンサ67’が隣接して設けられる。タッチセンサ67’は、運転者の操作する指の接触ないし接近(以下、「接触」に代表させる)を検出する。図示の例では、タッチセンサ67’は、接触検知用の電極である。タッチセンサ67’は、図12にも示すように、操作部材64’に対してステアリングハンドル外周側から隣接して設けられる。即ち、タッチセンサ67’は、操作部材64’の外側に隣接して、ステアリングホイール10’の表皮層に設定ないし埋設される。タッチセンサ67’からの接触検知信号は、例えばFPCを介して表示制御装置70’(図11参照)に供給される。表示制御装置70’は、後述する如く、接触検知信号に応じて、表示部40’に設けられるインジケータ50の点灯状態を適切に制御する。
【0081】
図14(A)は、運転者が正規の正しい操作姿勢でステアリングホイール10’のステアリングスイッチ60’を操作している状態を示す図であり、図14(B)は、操作されているステアリングスイッチ60’に対する手の関係を示す断面図である。
【0082】
本実施例では、上述の如く、タッチセンサ67’が、対応するステアリングスイッチ60’に対してステアリングハンドル外周側から隣接する位置に配設されるので、図14(A)及び図14(B)に示すように、ある任意のステアリングスイッチ60’を操作する際には必然的に、当該ステアリングスイッチ60’に対応するタッチセンサ67’に指が触れることになる。図示の例では、VIEWスイッチを操作する位置へとステアリングホイール10’の径方向内側に運転者の指を伸ばすと、必然的に、VIEWスイッチに隣接するタッチセンサ67’に指の一部が触れることになる。これにより、上述の実施例1のように可動部品であるステアリングスイッチ60の操作部材64にタッチセンサ67を設ける必要がなくなるので、上述の実施例1の構成に比べて、タッチセンサ67’の接触検知信号を取り出すための配線構造を簡素化することができる。また、タッチセンサ67’は、図13に示したように、接触検知用の電極により構成することができ、静電容量センサに比べて安価な接触検出手段を実現することができる。
【0083】
図15は、本実施例による表示部40’の一例を示す図である。図15に示す例では、表示部40’は、インストルメントパネルやメーター内に配置される表示板と、バックライトを備える。表示部40’の表示板には、ステアリングスイッチ60’毎に、それぞれのステアリングスイッチ60’に対応する機能表示(個別機能表示)が設けられる。この機能表示は、通常的なメーター表示板の各種表示のように、バックライトによりオンオフされ、可視状態が可変される。或いは、機能表示は、表示板にプリント等により固着された固定的なものであってもよい。この場合、バックライトを不要とした非常に簡易な構成を実現することができる。尚、固定的な機能表示の場合も、蛍光塗料等により夜間でも周囲の光を受けて可視可能な状態にすることが望ましい。
【0084】
機能表示は、図15に示すように、各ステアリングスイッチ60’と同様の配列で、配列されている。機能表示は、図12及び図15に示すように、対応する各ステアリングスイッチ60’の操作部材64’の表面に描かれた文字ないし図柄に対応する文字ないし図柄の表示を含んでよい。
【0085】
表示部40’には、ステアリングスイッチ60’毎に、それぞれのステアリングスイッチ60’に対応するインジケータ50が設けられる。インジケータ50は、各ステアリングスイッチ60’の機能表示に隣接して配置される。本例では、図15に示すように、インジケータ50は、各ステアリングスイッチ60’の機能表示に対して外側から隣接する位置に配置される。即ち、インジケータ50は、ステアリングスイッチ60’に対するタッチセンサ67’の位置関係に対応した配置で、各ステアリングスイッチ60’の機能表示に対して配置される。
【0086】
インジケータ50は、例えばLED(light-emitting diode)により構成され、表示制御装置70’による制御下で、点灯状態が電気的に制御可能である。インジケータ50は、通常時は消灯しており、後述の如くステアリングスイッチ60’に対して運転者の手が接触したときに点灯される。
【0087】
図16は、ステアリングスイッチ60’に対する運転者の指の位置に関連して表示制御装置70’により実現される主要処理を示すフローチャートである。
【0088】
ステップ300では、所定の起動条件が成立したか否かが判断される。所定の起動条件は、ステアリングスイッチ60’への手の接近ないし接触が検出された場合に満たされるものであってよい。所定の起動条件が成立したと判断された場合には、ステップ310に進む。
【0089】
ステップ310では、表示部40’の表示板に対するバックライトがオンにされ、表示板に図15に示したような各種機能表示が表示される。これにより、ユーザにとって必要なときにだけ、各種機能表示を表示させることができる。
【0090】
ステップ320では、ステアリングスイッチ60’が操作中であるか否かが判断される。この判断は、ステアリングスイッチ60’から何らかのスイッチ信号が入力されているか否かに基づいて実現される。ステアリングスイッチ60’が操作中である場合(ステップ320の肯定判定)、表示制御装置70’は、入力されたスイッチ信号に応じて、他の制御ECUを介して各種車載機器80を制御する(ステップ350)。この場合、その後、ステップ360にて所定の終了条件が判断され、終了条件が満たされない場合には、ステップ320に戻り、終了条件が満たされた場合には、表示部40’の表示板に対するバックライトがオフにされ(ステップ370)、処理が終了される。所定の終了条件は、ステアリングスイッチ60’への手の接近ないし接触が検出されなくなってから所定時間経過した場合満たされるものであってよい。
【0091】
一方、ステップ320において、ステアリングスイッチ60’が操作中で無い場合(ステップ320の否定判定)には、ステップ330に進む。
【0092】
ステップ330では、表示制御装置70’は、随時入力されうる接触検知信号に基づいて、現在、ステアリングスイッチ60’の何れかに対する指の接触が検知されているか否かを、判断する。即ち、接触検知信号が入力されているか否かを判断する。接触検知信号が入力されていない場合には(ステップ330の否定判定)、現在点灯中のインジケータ50が存在する場合にはそれを消灯させ、ステップ360にて所定の終了条件が判断され、終了条件が満たされない場合には、ステップ320に戻り、終了条件が満たされた場合には、表示部40’の表示板に対するバックライトがオフにされ(ステップ370)、処理が終了される。
【0093】
一方、ステップ330において、接触検知信号が入力されている場合には(ステップ330の肯定判定)、表示制御装置70’は、指の接触が検知されたステアリングスイッチ60’に対応するインジケータ50を点灯させる(ステップ340)。このインジケータ50の点灯により、点灯したインジケータ50の隣接する機能表示、即ち指が触れているステアリングスイッチ60’に対応する機能表示が強調される。例えば、図14に示したように、運転者は、VIEWスイッチを操作する位置へと指を伸ばすと、必然的に、VIEWスイッチに隣接するタッチセンサ67’に指の一部が触れることになるので、当該タッチセンサ67’の接触検知信号が入力され、図15に示すように、VIEWスイッチに隣接するインジケータ50が点灯される。
【0094】
このように本実施例によれば、ステアリングスイッチ60’に運転者の指が触れると、当該ステアリングスイッチ60’に係る機能表示がインジケータ50の点灯により強調される。従って、運転者は、ステアリングスイッチ60’が配設されたステアリングホイール10’を直接的に目視しなくても、現在、自己の指が操作部100’におけるVIEWスイッチを操作できる位置にあることを容易に把握することができる。
【0095】
また、本実施例では、機能表示は、上述の如く、各ステアリングスイッチ60’の配置に対応した配置で配置されている。このため、本実施例によれば、運転者は、ステアリングホイール10’を直接的に目視しなくても、インジケータ50が点灯されている機能表示と所望の機能表示との位置関係を、表示部40’にて把握することができ、この結果、現在自己の指が触れているステアリングスイッチ60’と、所望のステアリングスイッチ60’との位置関係を把握することが可能となる。これにより、運転者は、表示部40’を見ながら、所望のステアリングスイッチ60’へと指を動かして操作することができる(いわゆるステアリングホイール10’への目視を必要としないブラインド操作を行うことができる)。
【0096】
尚、上述では、主に、VIEWスイッチに対する指の接触があった場合に関する例を説明しているが、他のステアリングスイッチ60’
に対する指の接触があった場合も同様であってよい。
【0097】
また、本実施例では、各種機能表示に隣接するインジケータ50を点灯させているが、インジケータ50に加えて又はそれに代えて、各機能表示に対して例えばLED等を設定し、指の接触が検知されたステアリングスイッチ60’に対応する機能表示を、その輝度や色等により強調させてもよい。
【0098】
図17は、表示制御装置70’により実現される主要処理のその他の実施例を示すフローチャートである。図17に示す処理は、図16に示した処理に対して、2以上のステアリングスイッチ60’に対して指が同時に接触している場合を考慮する点が異なる。尚、図16に示した処理と同様の処理については、同一の参照符号を付して、説明を省略する。
【0099】
ステップ332では、異なる2以上のステアリングスイッチ60’に係る接触検知信号が同時に入力されているか否かが判断される。2以上の接触検知信号が同時に入力されていないと判断される場合、即ち1つのステアリングスイッチ60’に指が触れていると判断される場合には、ステップ340の処理が実行される。この場合、表示制御装置70’は、指の接触が検知されたステアリングスイッチ60’に対応するインジケータ50を第1の色(例えば青色)で点灯させる。一方、2以上の接触検知信号が同時に入力されている場合には、ステップ334に進む。
【0100】
ステップ334では、表示制御装置70’は、指が触れられている2以上のステアリングスイッチ60’に対応する2以上のインジケータ50を、第2の色(例えば赤色)で点灯させる。
【0101】
図18(A)は、運転者が2つのステアリングスイッチ60’に同時に触れている状態を一例として示し、図18(B)は、そのときの表示部40’の状態を示す図である。図18(A)に示す例では、運転者は、左側のスイッチ群101’に属するステアリングスイッチ60’(MODEスイッチ)と、右側のスイッチ群102’に属するステアリングスイッチ60’(VIEWスイッチ)とを同時に触れているので(操作はしていない)、図18(B)に示すように、MODEスイッチとVIEWスイッチの双方の機能表示に隣接する2つのインジケータ50が、図15の点灯色とは異なる色(図示せず)で、点灯されている。
【0102】
ところで、ステアリングスイッチ60’は、ステアリングホイール10’を把持した状態で無理の無い手の動きで自然に操作できるような位置に配置される。一方、運転者は、ステアリングホイール10’を把持しながらスイッチ操作を行うので、意図しないステアリングスイッチ60’にも指が触れやすくなる。例えば、左の親指で左側のスイッチ群101’のステアリングスイッチ60’を操作するつもりであるにも拘らず、同時に、右の親指が右側のスイッチ群102’にも意図せずに触れている場合がありうる。この場合、例えばステアリングホイール10’の操作に伴って、右の親指に力が付与されてしまうと、運転者の意図しないスイッチ群102’に属するステアリングスイッチ60’の機能が実現されてしまう虞がある。
【0103】
これに対して、本実施例によれば、2以上のステアリングスイッチ60’に同時に指が触れられた場合には、何れか一方のステアリングスイッチ60’に係るインジケータ50が第1の色で点灯されるのではなく、当該指が触れられている双方のステアリングスイッチ60’に係るインジケータ50が第2の色で点灯される。これにより、運転者は、ステアリングホイール10’を直接的に目視しなくても、ステアリングスイッチ60’に触れているのに第1の色で点灯されないという異変や、2以上のインジケータ50が第2の色で点灯されるという異変に気付くことで、現在自己の指が、2以上のステアリングスイッチ60’に触れていることを把握することができる。これにより、運転者は、指の位置を変える等を行うことで、意図しないスイッチ操作を未然に防止することができる。
【0104】
尚、本実施例では、2以上のステアリングスイッチ60’に指が触れられている状態と、1つのステアリングスイッチ60’に指が触れられている状態とを、インジケータ50の点灯色を変化させることで運転者に識別可能としているが、第1の色と第2の色による点灯色の変更に代えて又は加えて、輝度等を変化させもよいし、2以上のステアリングスイッチ60’に指が触れられている状態でインジケータ50を点灯させないこととしてもよい。また、ステアリングスイッチ60’が操作されている場合にもインジケータ50を点灯させる構成の場合、ステアリングスイッチ60’が操作中である場合の点灯態様は、上述の接触検知時の点灯態様と異なるようにすることが望ましい。
【0105】
図19は、表示制御装置70’により実現される主要処理のその他の実施例(その2)を示すフローチャートである。図19に示す処理は、図17に示した処理に対して、2以上のステアリングスイッチ60’に対して指が同時に接触している場合に、該ステアリングスイッチ60’に対する操作を無効化する点が異なる。尚、図17に示した処理と同様の処理については、同一の参照符号を付して、説明を省略する。
【0106】
ステップ336では、表示制御装置70は、指が触れられている2以上のステアリングスイッチ60’に対する運転者による操作を無効化する。これにより、以後、運転者が、当該2以上のステアリングスイッチ60’のいずれかを操作し、ステップ320で肯定判定された場合であっても、ステップ350においては、操作されたステアリングスイッチ60’に対応する作動(機能)が実現されない。この無効化は、例えば、当該2以上のステアリングスイッチ60’からのスイッチ信号(操作時のスイッチ信号)に対する処理を行わないことで実現されてよい。この無効化は、2以上のステアリングスイッチ60’に対する運転者の指の接触がなくなった時点で、解除されてよい。
【0107】
ところで、上述の如く、運転者は、ステアリングホイール10’を把持しながらスイッチ操作を行うので、ステアリングホイール10’を回転操作している際に、意図しないステアリングスイッチ60’にも指が触れやすくなる。この場合、例えばステアリングホイール10’の操舵操作に伴って、右の親指に力が付与されてしまうと、運転者の意図しないステアリングスイッチ60’に対する操作が実現されてしまい、その機能が実現されてしまう虞がある。
【0108】
これに対して、本実施例によれば、2以上のステアリングスイッチ60’に同時に指が触れられた場合には、これらのステアリングスイッチ60’に対するスイッチ操作が無効化される。これにより、運転者が、例えばステアリングホイール10’の操舵操作に伴って、現在指が接触している2以上のステアリングスイッチ60’のうちの意図しないステアリングスイッチ60’を誤って押してしまった場合であっても、それに基づく動作が何ら実行されないので、運転者による意図しないスイッチ操作を未然に防止することができる。
【0109】
尚、本実施例において、上述と同様の観点から、表示制御装置70’は、インジケータ50が第1の色で点灯されている間のみ、当該インジケータ50に対応するステアリングスイッチ60’に対するスイッチ操作を許容することとしてもよい。この場合、インジケータ50が点灯されて初めて、特定のステアリングスイッチ60’に対するスイッチ操作が許容される。これにより、インジケータ50が点灯されない段階では、運転者が、例えばステアリングホイール10’の操舵操作に伴って、現在指が接触している2以上のステアリングスイッチ60’のうちの意図しないステアリングスイッチ60’を誤って押してしまった場合であっても、それに基づく動作が何ら実行されないので、運転者による意図しないスイッチ操作を未然に防止することができる。
【0110】
以上、本発明の好ましい実施例について詳説したが、本発明は、上述した実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
【0111】
例えば、上述の実施例では、ステアリングホイール10、10’に設けられる全てのステアリングスイッチ60、60’に対して、各ステアリングスイッチ60、60’の配置態様に対応した配置で機能表示を割り当てているが、多数のステアリングスイッチ60、60’の一部の特殊なスイッチに対しては、その位置に対応しない機能表示を設けてもよいし、機能表示を省略してもよい。
【0112】
また、上述の実施例1では、多数のステアリングスイッチ60が配設される関係上、全体機能表示と個別機能表示を切り換えて表示しているが、上述の実施例2のように比較的少数のステアリングスイッチ60’しか配設されない構成の場合には、個別機能表示が通常の表示状態として表示されてもよい。この場合、同様に、一のステアリングスイッチ60’に対して指の接触が検知された場合に、当該ステアリングスイッチ60’に係る個別機能表示がそのまま拡大されてよい。これにより、運転者は、現在、当該ステアリングスイッチ60’に触れていることを容易に把握することができる。これに代えて又は加えて、一のステアリングスイッチ60’に対して指の接触が検知された場合に、当該ステアリングスイッチ60’に係る個別機能表示がハイライト表示に変化されてもよい。この場合も、同様に、運転者は、現在、当該ステアリングスイッチ60’に触れていることを容易に把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0113】
【図1】実施例1に係る操作装置に関連する主要構成の一例を示す機能ブロック図である。
【図2】ヘッドアップ・ディスプレイ装置の一例を示す断面図である。
【図3】ステアリングホイールに設けられたステアリングスイッチ60の一例を示す平面図である。
【図4】ステアリングスイッチ60の断面構造の一例を示す断面図である。
【図5】ステアリングスイッチ60の操作前段階において表示制御装置70により実現される主要処理を示すフローチャートである。
【図6】操作メニュー画像の通常の表示状態を示す図である。
【図7】図7(A)は、運転者が一のステアリングスイッチ60に触れている状態を一例として示す図であり、図7(B)は、そのときの操作メニュー画像の表示状態を示す図である。
【図8】表示制御装置70により実現される主要処理のその他の実施例(その1)を示すフローチャートである。
【図9】図9(A)は、運転者が2つのステアリングスイッチ60に同時に触れている状態を一例として示す図であり、図9(B)は、そのときの操作メニュー画像の表示状態を示す図である。
【図10】表示制御装置70により実現される主要処理のその他の実施例(その2)を示すフローチャートである。
【図11】実施例2に係る操作装置に関連する主要構成の一例を示す機能ブロック図である。
【図12】ステアリングホイールに設けられたステアリングスイッチ60’の一例を示す平面図である。
【図13】ステアリングスイッチ60’の断面構造の一例を示す断面図である。
【図14】図14(A)は、運転者が正規の正しい操作姿勢でステアリングホイール10’のステアリングスイッチ60’を操作している状態を示す図であり、図14(B)は、操作されているステアリングスイッチ60’に対する手の関係を示す断面図である。
【図15】実施例2による表示部40’の一例を示す図である。
【図16】ステアリングスイッチ60’に対する運転者の指の位置に関連して表示制御装置70’により実現される主要処理を示すフローチャートである。
【図17】表示制御装置70’により実現される主要処理のその他の実施例(その1)を示すフローチャートである。
【図18】図18(A)は、運転者が2つのステアリングスイッチ60’に同時に触れている状態を一例として示し、図18(B)は、そのときの表示部40’の状態を示す図である。
【図19】表示制御装置70’により実現される主要処理のその他の実施例(その2)を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0114】
100 操作部
40、40’ 表示部
50 インジケータ
60、60’ ステアリングスイッチ
67、67’ タッチセンサ
70、70’ 表示制御装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステアリングに設けられる複数のステアリングスイッチと、
各ステアリングスイッチと同様の配置で、各ステアリングスイッチの機能を表す機能表示を配置した案内表示部とを備える操作装置において、
前記ステアリングスイッチに対する指の接触又は接近を検出する接触検出手段を備え、
一のステアリングスイッチに対する指の接触又は接近が前記接触検出手段により検出された場合に、該一のステアリングスイッチに係る機能表示を強調することを特徴とする、操作装置。
【請求項2】
前記機能表示は、表示状態が可変制御可能な表示であり、
接触又は接近が検出されたステアリングスイッチに係る機能表示は、拡大される、請求項1に記載の操作装置。
【請求項3】
前記機能表示は、表示状態が可変制御可能な表示であり、
前記機能表示は、複数のステアリングスイッチからなるスイッチ群毎に1つずつ割り当てられ、同一スイッチ群に属する各ステアリングスイッチの機能を代表的に表す全体機能表示からなり、各スイッチ群と同様の配置で配置されており、
一のスイッチ群に属する複数のステアリングスイッチうちの一のステアリングスイッチに対する指の接触又は接近が前記接触検出手段により検出された場合に、該一のスイッチ群に係る機能表示は、前記全体機能表示から、該一のスイッチ群に属する各ステアリングスイッチの機能を表す個別機能表示へと変更される、請求項1又は2に記載の操作装置。
【請求項4】
前記スイッチ群は、同一又は関連するアプリケーションに係る複数のステアリングスイッチを密集して配置することにより構成される、請求項3に記載の操作装置。
【請求項5】
前記個別機能表示は、対応する各ステアリングスイッチと同様の配置で、各ステアリングスイッチの機能を表す機能表示部分を有する、請求項3又は4に記載の操作装置。
【請求項6】
前記個別機能表示は、指の接触又は接近が前記接触検出手段により検出されたステアリングスイッチに対応する機能表示部分が強調される、請求項5に記載の操作装置。
【請求項7】
前記機能表示は、表示状態が可変制御可能な表示であり、
一のステアリングスイッチに対する指の接触又は接近が検出された場合と、二以上のステアリングスイッチに対する指の接触又は接近が検出された場合とで、該接触又は接近が検出されたステアリングスイッチに係る機能表示の強調態様を異ならせる、請求項1に記載の操作装置。
【請求項8】
前記機能表示は、表示状態が可変制御可能な表示であり、
一のステアリングスイッチに対する指の接触又は接近が検出された場合と、二以上のスイッチ群に属する二以上のステアリングスイッチに対する指の接触又は接近が検出された場合とで、該接触又は接近が検出されたステアリングスイッチに係る機能表示の強調態様を異ならせる、請求項3〜6のいずれかに記載の操作装置。
【請求項9】
前記接触検出手段は、ステアリングスイッチ毎に、対応するステアリングスイッチの操作部材に設けられる、請求項1〜8のいずれかに記載の操作装置。
【請求項10】
前記接触検出手段は、ステアリングスイッチ毎に、対応するステアリングスイッチの操作部材に隣接した位置に設けられる、請求項1に記載の操作装置。
【請求項11】
前記接触検出手段のそれぞれは、対応するステアリングスイッチに対してステアリングハンドル外周側から隣接する、請求項10に記載の操作装置。
【請求項12】
前記接触又は接近が検出されたステアリングスイッチに係る機能表示の強調は、該機能表示に隣接して設けられるインジケータを点灯させることにより実現される、請求項10又は11に記載の操作装置。
【請求項13】
一のステアリングスイッチに対する指の接触又は接近が検出された場合と、二以上のステアリングスイッチに対する指の接触又は接近が検出された場合とで、該接触又は接近が検出されたステアリングスイッチに係るインジケータの点灯態様を異ならせる、請求項12に記載の操作装置。
【請求項14】
前記二以上のステアリングスイッチに対する指の接触又は接近が検出された場合には、該接触又は接近が検出されたステアリングスイッチに対するスイッチ操作を無効化する、請求項7、8及び13のいずれかに記載の操作装置。
【請求項1】
ステアリングに設けられる複数のステアリングスイッチと、
各ステアリングスイッチと同様の配置で、各ステアリングスイッチの機能を表す機能表示を配置した案内表示部とを備える操作装置において、
前記ステアリングスイッチに対する指の接触又は接近を検出する接触検出手段を備え、
一のステアリングスイッチに対する指の接触又は接近が前記接触検出手段により検出された場合に、該一のステアリングスイッチに係る機能表示を強調することを特徴とする、操作装置。
【請求項2】
前記機能表示は、表示状態が可変制御可能な表示であり、
接触又は接近が検出されたステアリングスイッチに係る機能表示は、拡大される、請求項1に記載の操作装置。
【請求項3】
前記機能表示は、表示状態が可変制御可能な表示であり、
前記機能表示は、複数のステアリングスイッチからなるスイッチ群毎に1つずつ割り当てられ、同一スイッチ群に属する各ステアリングスイッチの機能を代表的に表す全体機能表示からなり、各スイッチ群と同様の配置で配置されており、
一のスイッチ群に属する複数のステアリングスイッチうちの一のステアリングスイッチに対する指の接触又は接近が前記接触検出手段により検出された場合に、該一のスイッチ群に係る機能表示は、前記全体機能表示から、該一のスイッチ群に属する各ステアリングスイッチの機能を表す個別機能表示へと変更される、請求項1又は2に記載の操作装置。
【請求項4】
前記スイッチ群は、同一又は関連するアプリケーションに係る複数のステアリングスイッチを密集して配置することにより構成される、請求項3に記載の操作装置。
【請求項5】
前記個別機能表示は、対応する各ステアリングスイッチと同様の配置で、各ステアリングスイッチの機能を表す機能表示部分を有する、請求項3又は4に記載の操作装置。
【請求項6】
前記個別機能表示は、指の接触又は接近が前記接触検出手段により検出されたステアリングスイッチに対応する機能表示部分が強調される、請求項5に記載の操作装置。
【請求項7】
前記機能表示は、表示状態が可変制御可能な表示であり、
一のステアリングスイッチに対する指の接触又は接近が検出された場合と、二以上のステアリングスイッチに対する指の接触又は接近が検出された場合とで、該接触又は接近が検出されたステアリングスイッチに係る機能表示の強調態様を異ならせる、請求項1に記載の操作装置。
【請求項8】
前記機能表示は、表示状態が可変制御可能な表示であり、
一のステアリングスイッチに対する指の接触又は接近が検出された場合と、二以上のスイッチ群に属する二以上のステアリングスイッチに対する指の接触又は接近が検出された場合とで、該接触又は接近が検出されたステアリングスイッチに係る機能表示の強調態様を異ならせる、請求項3〜6のいずれかに記載の操作装置。
【請求項9】
前記接触検出手段は、ステアリングスイッチ毎に、対応するステアリングスイッチの操作部材に設けられる、請求項1〜8のいずれかに記載の操作装置。
【請求項10】
前記接触検出手段は、ステアリングスイッチ毎に、対応するステアリングスイッチの操作部材に隣接した位置に設けられる、請求項1に記載の操作装置。
【請求項11】
前記接触検出手段のそれぞれは、対応するステアリングスイッチに対してステアリングハンドル外周側から隣接する、請求項10に記載の操作装置。
【請求項12】
前記接触又は接近が検出されたステアリングスイッチに係る機能表示の強調は、該機能表示に隣接して設けられるインジケータを点灯させることにより実現される、請求項10又は11に記載の操作装置。
【請求項13】
一のステアリングスイッチに対する指の接触又は接近が検出された場合と、二以上のステアリングスイッチに対する指の接触又は接近が検出された場合とで、該接触又は接近が検出されたステアリングスイッチに係るインジケータの点灯態様を異ならせる、請求項12に記載の操作装置。
【請求項14】
前記二以上のステアリングスイッチに対する指の接触又は接近が検出された場合には、該接触又は接近が検出されたステアリングスイッチに対するスイッチ操作を無効化する、請求項7、8及び13のいずれかに記載の操作装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2007−290562(P2007−290562A)
【公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−120983(P2006−120983)
【出願日】平成18年4月25日(2006.4.25)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年4月25日(2006.4.25)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】
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