説明

擬似乱数型パルス列を使うライダーシステム

【課題】レーザーの電力を効果的に増やすよう作用するレーザーパルス列により電力に付随する非線形的影響を減じ、背景ノイズの影響を受けにくいライダーシステムを提供する。
【解決手段】光検出及び測距システムは、複数の光パルスを有する送信光パルスタイミング列30を疑似乱数型タイミングでターゲット36に向けて送信する送信器12を具備する。光学的受信器14は複数の光パルスを有する反射光パルスタイミング列40をターゲット36から受信する。電子制御ユニットは送信光パルスタイミング列30と反射光パルスタイミング列40の間の遅延時間を、送信及び反射光パルスタイミング列40の間の相関関数として識別する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、参照によりここに協同される、2008年8月19日出願の米国暫定出願第61/089,965号の利益を請求するものである。
【0002】
本発明は光学式走査型測距(ranging)システムに関する。本発明は特に、光検出及び測距{ライダー(LIDAR)}システムと連携して応用されるので、特に該応用を参照して説明する。しかしながら、本発明が他の応用にも受け入れ可能なことは評価されよう。
【背景技術】
【0003】
光検出及び測距(ライダー)システムは光パルスを送信し(例えばレーザーから)、該パルスはターゲットから反射される。光学的受信器は該反射光を検出し、該ターゲットまでの距離は、該光パルスの送信及び該反射光の検出の間の遅延時間から計算される。該受信器視野及び該送信光ビームは、最大光収集効率を保証するよう、マッチングされ、一緒に整合されるのが普通である。
【0004】
遠方の範囲にあるターゲットは該光学受信器では比較的低い輝度を有する反射光パルスをもたらすのが典型的である。従って、該光学的受信器で検出される光学的背景ノイズと受信器電子ノイズとは、該ターゲットからの追加パルスとして不正確に視認される。これらの偽りの追加パルスは混乱を引き起こし勝ちで、従って、該ターゲットまでの不正確な距離決定へ導く。例えば、これらの追加パルスは該光学的受信器に於ける偽トリガーに帰着する。光学的パルスの電力を増やすことは又該レーザー内の他の非線形効果を増加させ、より多くの背景ノイズを招き勝ちである。
【0005】
本発明は上記で参照した問題に取り組む新しく改良されたライダーシステムを提供する。
【発明の概要】
【0006】
1実施例では、光検出及び測距システムは複数の光パルスを有する送信擬似乱数型光パルスタイミング列を疑似乱数型タイミングでターゲットに向かって送信する送信器を具備する。光学的受信器は複数の光パルスを有する反射光パルスタイミング列を該ターゲットから受信する。電子制御ユニットは、送信光パルスタイミング列と反射光パルスタイミング列の間の遅延時間を、送信及び反射光パルスタイミング列の間の相関関数として識別する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本明細書に組み込まれ、その1部を構成する附属図面に於いて、上記で与えられる本発明の一般的説明及び下記で与えられる詳細説明と共に、本発明の実施例を例示するため役立つ本発明の実施例が図で示される。
【図1】本発明の原理を図解する装置の1実施例により、例示的光学的走査ライダーシステムの簡単な部品図の略図を図解する。
【図2】本発明の原理を図解する装置の1実施例により送信器の略図を図解する。
【図3】本発明の1実施例により送信光パルス列を図解する。
【図4】図3の送信光パルス列の方形波表現を図解する。
【図5】本発明の1実施例により反射光パルス列を図解する。
【図6】図4の該方形波表現と重ねて置かれた図5の反射光パルス列を図解する。
【図7】図5の反射光パルス列と615nsの相対遅延時間を有する図4の該方形波との間の相関のグラフを図解する。
【図8】本発明のもう1つの実施例により反射光パルス列を図解する。
【図9】図8の反射光パルス列と図4のクリップされた波又は方形の波の表現との間の相関のグラフを図解する。
【図10】本発明のもう1つの実施例により反射光パルス列を図解する。
【図11】図10の反射光パルス列と図4のクリップされた波又は方形の波の表現との間の相関のグラフを図解する。
【図12】本発明の原理を図解する装置の1実施例により、反射光パルスの、対応する送信光パルス列の方形波表現と相関を取る電子機器の略図を図解する。
【実施例1】
【0008】
図1を参照すると、本発明の1実施例により、例示の光学的走査式ライダーシステム10の簡単な構成図が示されている。
【0009】
図1を参照すると、光学的走査式ライダーシステム10は送信器12,光学的受信器14及びミラーユニット16を有する。1実施例では、送信器12と光学的受信器14の両者は1方向の一定回転(速度)で一緒に回転(走査)する。特に、回転要素、特定するとミラーユニット16、は走査軸線26の周りに予め決められた速度で(24で示される様に)回転する。
【0010】
送信器12を離れる送信擬似乱数型光パルスタイミング列30は、送信光パルスタイミング列30をコリメートする少なくとも1つのレンズ32を通過する。送信器12はマスター発振器電力増幅器{エムオーピーエイ(MOPA)}フアイバーレーザーであると考えられる。光パルスタイミング列30が“擬似乱数型”と考えられるのは、該タイミング列が真の乱数の特性を近似する数列を作るアルゴリズムで、例えば素数を使うアルゴリズム、により発生されるからである。同じ擬似乱数型パルス列は各送信インターバルで作られる。この場合、光パルスタイミング列30は疑似乱数型タイミングを有する。
【0011】
送信光パルス列30は第1ミラー(例えば平面ミラー)34でミラーユニット16の方へ反射されるが、ミラーユニット16では送信光パルス列30はターゲット36の方へ反射される。1実施例では、ミラーユニット16及び第1ミラー34は受信器テレスコープと呼ばれる。送信光パルス列30はターゲット36で反射光パルスタイミング列40としてミラーユニット16の方へ戻り反射する。反射光パルス列40はミラーユニット16で非円形(例えば、非球形)ミラー42の方へ反射されるが、非円形ミラーは反射光パルス列40を第2ミラー44(例えば平面ミラー)の方へ反射する。反射光パルス列40は第2ミラー44で反射され、少なくとも1つのレンズ46を通過し、光学的受信器14により検出される。送信光パルス30が送信器12を離れて、反射光パルス列40が光学的受信器14で受信される間の時間は遅延時間と呼ばれる。
【0012】
送信器12及び光学的受信器14と通信する電子機器50は、ターゲット36までの距離を遅延時間の関数として決定する。1実施例では、ターゲット36の距離は、光学的受信器14で受信した反射光パルス列の送信光パルス列30に対する遅延時間を測定し、送受信の光路での路長差を修正することにより決定される。
【0013】
図2を参照すると、本発明の1実施例による送信器12の例示的線図が図解されている。送信器12は送信電氣パルスを創るパルス形成ネットワーク52を有する。パルス形成ネットワーク52からの送信電氣パルスは変換器60(例えば、レーザーダイオード)により光学的レーザーパルス54に変換される。光学的レーザーパルス54はスプリッター56へ送信される。スプリッター56は光学的レーザーパルス54を分割光パルス62に分割する。パルス62の水平スケールは受信器サンプリングレート(例えば、10GHzであり、その場合各カウントは1/10nsを表す)により決まる時間インクレメントを表す。
【0014】
スプリッター56に入る光学的レーザーパルス54は、5つの別々の光パルスに分けられ、別々の光パルスは5つのそれぞれの光送信ライン64,64,64,64,64を経由するようスプリッター56を出る。これら送信ラインは光パルスをコンビナー66へ送信する。光送信ライン64,64,64,64,64の各々はユニークな長さを有するよう示されている。ライン64,64,64,64はそれらのライン内の追加長さを表すためにコイル状にされている(ライン64,64は2重コイル状にされている)。光送信ライン64,64,64,64,64の異なる長さは、それぞれの光パルスがスプリッター56を出て、コンビナー66に達する間の時間に影響する。特に、スプリッター56を出てライン64に沿ってコンビナー66へ進む光パルスは、スプリッター56を出てライン64に沿ってコンビナー66へ進む光パルスの前にコンビナー66に達する。スプリッター56とコンビナー66の間の遅延時間は光送信ライン64,64,64,64,64のそれぞれの長さに比例すると考えられる。1実施例では、光送信ライン64,64,64,64,64の長さは、素数に関係付けられた時間インターバルにコンビナー66に達する光パルスに基づいている。
【0015】
コンビナー66を出た後、5つの分割された光パルス62は利得増幅器70を通過するが、増幅器70は全てのパルスが予め決められた送信されるしきい値72より大きい振幅を持つように光パルスを増幅する。パルス列72の水平スケールは受信器サンプリングレート(例えば、10GHz、その場合各カウントは1/10nsを表す)により決定される時間インクレメントを表す。増幅されて分割された光パルス列は送信擬似乱数型光パルスタイミング列30で疑似乱数型タイミングをもっており、パルスタイミング列30も又5つの光パルスを有する。
【0016】
図3を参照すると、1実施例では、送信光パルスタイミング列30は、それぞれの時間インターバル80,80,80,80で予め決められた送信されるしきい値72より上の(例えば、予め決められた振幅より上の)ピーク76,76,76,76,76を有する5つの光パルス74,74,74,74,74を備える。時間インターバルはユニークで、例えば光送信ライン64,64,64,64,64(図2参照)の長さにより変調できると考えられる。更に、隣接ピーク間の時間インターバルが素数に関係付けられることが考えられる。例えば、もしそれぞれのピーク76,76,76,76,76が0.7ns、1.3ns、24.1ns、47.9ns、そして76.9ns(すなわち、7カウント、13カウント、241カウント、479カウント、そして769カウント)にあれば、それぞれの時間インターバル80,80,80,80は0.6ns、22.8ns、23.8そして29.0nsである。従って、送信光パルス列30の図示実施例は、素数に関係付けられた時刻に5つのそれぞれのピークを有する5つのパルスを備える。しかしながら、他の実施例も考えられることを理解されるべきである。図3の振幅(y軸線)は単に指標として意図されており、従って、何等かの単位では識別されない。図3−11のパルス列の水平スケールは受信器サンプリングレート(例えば、10GHzで、この場合に各カウントは1/10nsを表す)により決められる時間インクレメントを表す。
【0017】
送信器12により創られる図3の送信光パルス列30は0.7ns、1.3ns、24.1ns、47.9ns、そして76.9nsに5つのピークを有する。図4を参照すると、送信器12により創られる送信光パルス列32の方形波82(クリップされた1ビットとも呼ばれる)表現も0.7ns、1.3ns、24.1ns、47.9ns、そして76.9nsに於いて〜1.0の振幅を有する5つの方形ピークを備える。図4の振幅(y軸線)は図3のクリップされないパルス列の振幅しきい値に対応する移行タイミングを有する“1”又は“0”である。
【0018】
図5を参照すると、反射光パルス列40(ノイズ無しの)は実質的に似ているが、送信光パルス列30(図3参照)から615nsだけ時間シフトされている。特に、反射光パルス列40は62.2ns、62.8ns、85.6ns、109.4ns、そして138.4nsに於いて、〜1.0の振幅を有する5つのピーク84,84,84,84,84を備える。図3の様に、図5の振幅(y軸線)は単に指標として意図されており、従って何等かの単位で識別はされない。
【0019】
図6を参照すると、反射光パルス列40は、与えられた遅延時間で光パルス列30の方形波82表現(ゼロの遅延時間の)と重ねられている。電子機器50(図1参照)は反射光パルス列40を、反射光パルス列40と送信光パルス列30の方形波82表現との間の種々の時間シフト(遅延時間)にある光パルス列30の方形波82表現と、相関を取る。特に、反射光パルス列40と送信光パルス列30の方形波82表現との間の複数の異なる時間シフトの各々で、電子機器50は、方形波82表現の正の値内で反射光パルス列40を表す対応数値の和を決定する。
【0020】
図示された実施例では、方形波82の振幅(図4参照)は〜1.0なので、電子機器50は反射光パルス列40を表す数値の和を近似的に決定するに過ぎない。しかしながら、例えば送信光パルス列30が反射光パルス列40と相関を取られる他の実施例(送信光パルス列30の方形波表現82の代わりに)では、送信光パルス列30と反射光パルス列40を表す対応する数値の全部が、異なる時間シフトの各々で掛け算される。次いで、それぞれの時間シフトの各々用の積の全部が一緒に合計される。現実のパルス列振幅よりも寧ろクリップされた擬似乱数型列を使うことは相関過程を速め、簡単化する。
【0021】
図7を参照すると、反射光パルス列40(図5参照)と光パルス列30の方形波82(図4参照)表現の間の相関を示すグラフ86が図示されている。相関グラフ86で、相関しきい値92(振幅)の上のピーク90が約615カウント(〜61.5ns)にあることは明らかである。従って、電子機器50は、送信光パルス列と反射光パルス列の間の遅延時間は約61.5nsであると決定する。ピーク90に於ける信号対雑音比が相関過程に固有の平均化により改善されることは評価されるべきである。より低い相関ピークは、パルス列の個別パルスのクリップされたパルス列内のピークとの整合を表す。高い相関ピークは両パルス列のピークが全て整合する遅延時間に存在する。擬似乱数型パルス列の素数間隔はこれが1つの遅延時間でのみ起こることを保証する。
【0022】
図示された実施例では、送信光パルス列のピーク間の時間インターバルは、反射光パルス列の多数のピークが、ピーク90と組み合わされる遅延時間に於ける場合を除けば、送信光パルス列の方形波表現82(図4参照)のピークと整合しない可能性を減じるために素数だけ分離されている。従って、送信光パルス列は擬似乱数型列と呼ばれ、送信光パルス列が、該ピーク90と組み合わされる遅延時間に於ける場合を除けば、反射光パルス列と整合される様には見えない意味で乱数型であるが、送信光パルス列のピークが規定された関数(例えば、素数)により分離される意味で完全には乱数型ではない。
【0023】
電子機器50はターゲット36までの距離を遅延時間の関数として決める。
【0024】
図8を参照すると、乱数型ノイズを含み、それぞれの距離にある3つの異なるターゲットからの3つの異なる遅延時間(例えば、〜300ns、〜350ns、そして〜430ns)を有する反射光パルス列を表すもう1つの実施例のグラフ94が図示されている。一旦、グラフ94が、対応する送信光パルス列の方形波表現(図4参照)と相関を取られると、相関しきい値98より上の3つのピーク96,96,96がグラフ100内で明らかである(図9参照)。ピーク96,96,96は〜300ns、〜350ns、そして〜430nsの遅延時刻にある。前の実施例を参照して論じた様に、電子機器は3つのターゲットまでの3つのそれぞれの距離を、遅延時間の関数として決定する。
【0025】
図10を参照すると、それぞれの距離の3つの異なるターゲットからの3つの異なる遅延時間(例えば、〜350ns、〜351.5ns、そして〜430ns)を有する反射光パルス列を表すグラフ102が図解される。一旦、グラフ102が対応する送信光パルス列の方形波表現(図4参照)と相関を取られると、相関しきい値106より上の3つのピーク104,104,104がグラフ110内で明らかである(図11参照)。ピーク104,104,104は〜350ns、〜351.5ns、そして〜430nsの遅延時間にある。この実施例で、ピーク104,104はピーク96,96よりも実質的に相近接している(図9参照)。上記で論じた様に、電子機器は3つのターゲットまでの3つのそれぞれの距離をこれらの遅延時間の関数として決める。図10及び11を参照して論じた実施例は、相互に比較的近接した{例えば、相互に203.2mm(8インチ)以内の}多数のターゲットは、もし該受信器14と電子機器50がそのピーク104,104,104を充分短い時間間隔(例えば、0.1ns)内にデジタル化し、処理することが出来るなら、区別され得ることを図示している。加えて、比較的に相近接したこの様なターゲット(すなわち、個別光パルス巾より大きいか又はそれと比肩される遅延時間差)について距離が決定され得る。
【0026】
図12を参照すると、反射光パルスを、送信光パルス列の対応する方形波表現と、実時間式に近い仕方で相関を取る電子機器50の1実施例が図解されている。光学的反射光パルス列110はデジタイザー112によりデジタル化される。反射光パルス列は予め決められたサンプリング周波数(例えば、毎ナノ秒に10回)でサンプルされる。各サンプルについて、対応する遅延時間に於ける反射光パルス列の振幅(ピーク)がデジタル化され、レジスター114へ送信される。レジスター114の各々内のデータがデジタル化レートで次のレジスターへシフトされる(例えば、レジスター114内のデータがレジスター114へシフトされる)と、次のサンプルのデジタル化された振幅がレジスター114へ送信される。
【0027】
複数の算術演算子116はレジスター114のそれぞれのグループと電気的に通信する。方形波表現82(図4参照)が5つのピークを有するので、5つの算術演算子116を有することが考えられる。図示する目的で、3つの算術演算子116,116,116のみ示される。
【0028】
図示された例では、算術演算子116の各々はレジスター114のそれぞれのグループと電気的に通信する。図示された実施例では、各グループは、各々のレジスターグループが方形波82(図4参照)内のそれぞれのパルスの巾全体と、反射光パルス列内のそれぞれのパルスの巾と、を取り込むことを保証するために、4つのレジスター114を有している。従って、それぞれの算術演算子と電気的に通信するレジスターの数は、方形波82(図4参照)と反射光パルス列の中のパルスの巾の関数である。
【0029】
加えて、算術演算子116の各々は、方形波表現82(図4参照)内の1つの回のパルスと組み合わされる。従って、算術演算子116と組み合わされたレジスターは方形波
82(図4参照)の0.7nsに於けるパルスと組み合わされ、算術演算子116と組み合わされるレジスターは方形波82(図4参照)の47.9nsに於けるパルスと組み合わされ、そして算術演算子116と組み合わされるレジスターは方形波82(図4参照)の76.9nsに於けるパルスと組み合わされる。追加の算術演算子(示されてない)が1.3ns及び24.1nsに於けるパルスと組み合わされることは理解されるべきである。
【0030】
かくして反射光パルス列を表すレジスター114内のデータ値は、予め決められたサンプリング周波数で(例えば、レジスターのシフトの各々の後で)上記で論じた様に、(算術演算子116を使って)送信光パルス列の方形波表現の“0”又は“1”の値により掛け算され、次いで(算術演算子116を使って)全て合算される。それぞれの和の各々に付随する遅延時間は起こったレジスターシフトの数の関数として決定される。反射光パルス列のレジスターを通してのシフトと、反射光パルス列のシフトされない方形波表現のレジスター内の値との積の合算と、は方形波表現に対して送信光パルス列を移動させる効果を有する。上記で論じた様に、送信光パルス列と送信光パルス列の方形波表現との積の和はピーク90(図7参照)を発生し、ピークでは送信光パルス列と方形波表現が実質的に整合されている。
【0031】
上記説明のレーザーパルス列はレーザーの電力を効果的に増やすよう作用する一方、単一パルスレーザーの現実に増やされた電力に典型的に付随する何等かの非線形的影響を減じる。
【0032】
本発明がその実施例の説明により図示され、実施例が可成り詳細に説明されたが、附属する請求項の範囲をこの様な詳細に制限すること、又は何等かの仕方で限定することは出願人の意図ではない。当業者には追加の利点と変型が容易に明らかになるだろう。従って、本発明は、その広い側面で、図示し説明された特定の詳細、代表的装置そして図示例に限定されない。かくして、この様な詳細から発したものは本出願人の一般的発明概念の精神又は範囲から逸脱するものではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の光パルスを有し、擬似乱数型タイミングを有する送信光パルスタイミング列をターゲットに向かって送信する送信器と、
複数の光パルスを有する反射光パルスタイミング列をターゲットから受信する光学的受信器と、そして
送信光パルスタイミング列と反射光パルスタイミング列の間の遅延時間を、送信及び反射光パルスタイミング列の間の相関関数として識別する電子制御ユニットと、を具備することを特徴とする光検出及び測距システム。
【請求項2】
送信光パルスタイミング列の光パルスがそれぞれの時間インターバルで予め決められた送信されるしきい値の上のピークを有することを特徴とする請求項1記載の光検出及び測距システム。
【請求項3】
送信光パルスタイミング列ピーク間の時間インターバルが偽りの自己相関を減じるよう選ばれることを特徴とする請求項2記載の光検出及び測距システム。
【請求項4】
送信光パルスタイミング列ピーク間の時間インターバルが素数に関係付けられることを特徴とする請求項3記載の光検出及び測距システム。
【請求項5】
相関が、反射光パルスタイミング列と重ねられ、そして反射光パルスタイミング列からシフトされる、送信光パルスタイミング列の表現であり、
それぞれのシフトが該送信及び反射光パルスタイミング列の間の時間を表し、
シフトの各々について、複数の時間に於いて送信及び反射光パルスタイミング列の値のそれぞれの積が決定され、
シフトの各々について、積の和が決定され、
予め決められたしきい値の上の相関ピークを有する和が識別され、そして
送信及び反射光パルス間の遅延時間が相関ピークに於ける送信及び反射光パルスタイミング列間のシフトの関数として決定されることを特徴とする請求項1記載の光検出及び測距システム。
【請求項6】
予め決められたしきい値の上の第2相関ピークを有する第2和が識別され、そして
送信及び反射光パルス間の第2遅延時間が、第2相関ピークに於ける送信及び反射光パルスタイミング列間のシフトの関数として決定されることを特徴とする請求項5記載の光検出及び測距システム。
【請求項7】
第2ターゲットと受信器の間の第2距離が第2遅延時間の関数として決定されることを特徴とする請求項6記載の光検出及び測距システム。
【請求項8】
相関が反射光パルスタイミング列と重ねられ、そして反射光パルスタイミング列からシフトされる、送信光パルスタイミング列の方形波表現の表示であることを特徴とする請求項1記載の光検出及び測距システム。
【請求項9】
複数の光パルスを有し、擬似乱数型タイミングを有する送信光パルスタイミング列をターゲットに向けて送信する過程と、
複数の光パルスを有する反射光パルスタイミング列を光学的受信器で該ターゲットから受信する過程と、そして
送信光パルスタイミング列と反射光パルスタイミング列の間の遅延時間を、送信及び反射光パルスタイミング列間の相関関数として識別する過程と、を具備することを特徴とするターゲットまでの距離を決定する方法。
【請求項10】
送信する過程が
それぞれの時間インターバルに於いて、予め決められた送信されるしきい値の上のピークを、光パルス内で、送信する過程を備えることを特徴とする請求項9記載のターゲットまでの距離を決定する方法。
【請求項11】
送信光パルスタイミング列ピーク間の時間インターバルを素数に関係付ける過程を更に具備することを特徴とする請求項10記載のターゲットまでの距離を決定する方法。
【請求項12】
送信光パルスタイミング列の表現を反射光パルスタイミング列の表現からシフトする過程と、そして
送信光パルスタイミング列の表現をシフトされた反射光パルスタイミング列と重ね合わす過程と、を備える送信及び反射光パルスタイミング列の間の相関を創る過程を更に具備することを特徴とする請求項9記載のターゲットまでの距離を決定する方法。
【請求項13】
送信及び反射光パルスタイミング列の間の時間を表すそれぞれのシフトを決定する過程と、
シフトの各々について、複数の時間に於いて送信及び反射光パルスタイミング列の値のそれぞれの積を決定する過程と、
シフトの各々について、積の和を決定する過程と、
予め決められたしきい値の上の相関ピークを有する和を識別する過程と、そして
送信及び反射光パルス間の遅延時間を該相関ピークに於ける送信及び反射光パルスタイミング列の間のシフトの関数として決定する過程と、を更に具備することを特徴とする請求項12記載のターゲットまでの距離を決定する方法。
【請求項14】
電気パルスを発生するパルス形成ネットワークと、
電気パルスを光学的パルスに変換する変換器と、
光学的パルスを、複数の光パルスを有し、擬似乱数型タイミングを有する送信光パルスタイミング列を形成する分割光パルスに分割するスプリッターと、
送信光パルスタイミング列をターゲットに向かって送信する送信器と、
複数の光パルスを有する反射光パルスタイミング列をターゲットから受信する光学的受信器と、そして
送信光パルスタイミング列と反射光パルスタイミング列の間の遅延時間を送信及び反射光パルスタイミング列の間の相関関数として識別する電子制御ユニットと、を具備することを特徴とする光検出及び測距システム。
【請求項15】
変換器がダイオードであることを特徴とする請求項14記載の光検出及び測距システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−48810(P2010−48810A)
【公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−189210(P2009−189210)
【出願日】平成21年8月18日(2009.8.18)
【出願人】(505002277)ローズマウント・エアロスペース・インコーポレーテツド (5)
【Fターム(参考)】