説明

支持体のためのホルムアルデヒド不含の水性結合剤の使用

本発明は幅の広い分子量分布を有する、支持体のためのホルムアルデヒド不含水性結合剤の使用に関する。前記結合剤は(A)エチレン性不飽和酸無水物またはカルボン酸基が無水物基を形成できるエチレン性不飽和ジカルボン酸またはその混合物0〜100質量%、(B)エチレン性不飽和化合物100〜0質量%、(C)少なくとも1種の多官能性架橋剤またはその混合物を含有する。ラジカル付加重合により得られるA)およびB)から形成されるポリマーは、その平均分子量Mwおよび多分散度により座標系で分類される場合に、一次方程式y=1.25x+20000により定義され、y方向に平行に少なくとも+3000だけ移動した直線より上の領域に配置している。x軸が質量平均分子量を表し、y軸が10000倍した多分散度を表す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は支持体のための広い分子量分布を有するホルムアルデヒド不含の水性結合剤の使用に関し、前記結合剤は
(A)エチレン性不飽和酸無水物またはカルボン酸基が無水物基を形成できるエチレン性不飽和ジカルボン酸またはその混合物0〜100質量%
(B)エチレン性不飽和化合物100〜0質量%
(C)少なくとも1種の多官能性架橋剤またはその混合物
からなり、ラジカル付加重合により得られるA)およびB)のポリマーが、平均分子量Mおよび多分散度により座標で分類される場合に、一次方程式y=1.25x+20000により定義され、y方向に平行に少なくとも+3000だけ移動した直線の上の領域に位置し、その際x軸は質量平均分子量を表し、y軸は10000倍した多分散度を表す。
【0002】
本発明は更に結合剤自体および成形品、マットまたは板、例えば特に繊維状および粒子状支持体、例えば繊維ウェブ、ガラス繊維、ミネラルウール、再生綿、天然繊維または合成繊維のための結合剤の使用に関する。
【0003】
シート状繊維構造品または繊維ウェブの団結は例えば純粋機械的に針で縫うことによりまたは湿式堆積ウェブまたは空気堆積ウェブの水流団結によりまたはウェブとポリマー結合剤の化学的団結により行われる。結合剤を一般に含浸、噴霧または被覆により適用する。ウェブの湿潤強度および耐熱性を高めるために、ホルムアルデヒドを放出する架橋剤を含有する結合剤がしばしば使用される。ホルムアルデヒドの排出を避けるために、当業者により既存の結合剤の代用案が探求される。
【0004】
米国特許第6221973号は耐熱性不織布、例えばガラス繊維の結合剤として使用するための、ポリ酸、ポリオール、およびリン含有反応促進剤からなるホルムアルデヒド不含の架橋可能な水性組成物を記載する。
【0005】
欧州特許第990727号は低分子ポリカルボン酸ポリマーおよびポリオールを含有する、無機繊維の結合剤を記載し、結合剤のpH値は3.5以下である。
【0006】
米国特許第5932665号はポリカルボン酸ポリマーをベースとする結合剤を記載し、この系は分子量およびコポリマー組成を調節することによりホモポリアクリル酸からなる匹敵する系の場合より低い温度で硬化可能である。
【0007】
欧州特許第882074号は繊維ウェブの被覆剤、含浸剤および結合剤としてのエチレン性不飽和酸無水物またはエチレン性不飽和ジカルボン酸およびアルカノールアミンからなるホルムアルデヒド不含の水性結合剤を記載する。
【0008】
技術水準に今日まで記載された結合剤は低分子量または高分子量ポリカルボン酸、すなわちラジカル付加重合に典型的な分子量分布を有するポリカルボン酸を使用する。高分子量結合剤を使用して製造した支持体は高い強度、例えば引張り強さ測定により決定された特性を有する。ポリカルボン酸をベースとする低分子量結合剤は、高い流動性(動的機械的分析、動的貯蔵弾性率G′の決定により測定された)を有するので支持体に効果的に分配されるが、得られた強度特性が不足する。
【0009】
本発明の課題は、高い強度と高い流動性を両立した、成形品、マットまたは板のような支持体に使用するための結合剤を提供することである。
【0010】
前記課題は、広い分子量分布を有し、
(A)エチレン性不飽和酸無水物またはカルボン酸基が無水物基を形成できるエチレン性不飽和ジカルボン酸またはその混合物0〜100質量%
(B)エチレン性不飽和化合物100〜0質量%
(C)少なくとも1種の多官能性架橋剤またはその混合物
を含有するホルムアルデヒド不含の水性結合剤の使用により解決され、ラジカル付加重合により得られるA)およびB)のポリマーが、平均分子量Mおよび多分散度により座標で分類される場合に、一次方程式y=1.25x+20000により定義され、y方向に平行に少なくとも+3000だけ移動した直線の上の領域に位置し、その際x軸は質量平均分子量を表し、y軸は10000倍した多分散度を表す。
【0011】
本発明の広い分子量分布を有するポリカルボン酸を使用する場合に、結合剤の高い分子量割合は支持体での高い強度を保証し、一方低い分子量割合は同時に支持体上の結合剤の高い流動性を保証する。
【0012】
本発明の水性結合剤は、エチレン性不飽和酸無水物またはカルボン酸基が無水物基を形成できるエチレン性不飽和ジカルボン酸の単位0〜100質量%、有利に5〜50質量%、より有利に10〜40質量%を含有するポリマーA)を含む。
【0013】
有利な酸無水物はジカルボン酸無水物である。適当なエチレン性不飽和ジカルボン酸は一般に隣接する炭素原子上にカルボン酸基を有するジカルボン酸である。
【0014】
カルボン酸は塩の形で存在することもできる。
【0015】
有利なモノマーA)はマレイン酸、フマル酸、無水マレイン酸、イタコン酸、1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸、1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸無水物、そのアルカリ金属塩およびアンモニウム塩またはその混合物である。マレイン酸および無水マレイン酸が特に有利である。
【0016】
使用できるモノマーB)は例えば以下のものを含む。
モノエチレン性不飽和C〜C10−モノカルボン酸(モノマーb)、例えばアクリル酸、メタクリル酸、エチルアクリル酸、アリル酢酸、クロトン酸、ビニル酢酸、マレイン酸モノエステル、例えばモノメチルマレエート、その混合物およびそのアルカリ金属塩およびアンモニウム塩、
直鎖状1−オレフィン、分枝鎖状1−オレフィン、または環状オレフィン(モノマーb)、例えばエテン、プロペン、ブテン、イソブテン、ペンテン、シクロペンテン、ヘキセン、シクロヘキセン、オクテン、単独または2,4,4−トリメチル−2−ペンテンと混合した2,4,4−トリメチル−1−ペンテン、C〜C10−オレフィン、1−ドデセン、C12〜C14−オレフィン、オクタデセン、1−エイコセン(C20)、C20〜C24−オレフィン、メタロセン触媒により製造され、末端二重結合を有するオリゴオレフィン、例えばオリゴプロペン、オリゴヘキセンおよびオリゴオクタデセン、カチオン重合により製造され、α−オレフィン部分を有するオレフィン、例えばポリイソブテン、
アルキル基に1〜40個の炭素原子を有するビニルおよびアリルアルキルエーテル、アルキル基は他の置換基、例えばヒドロキシル基、アミノ基またはジアルキルアミノ基または1個以上のアルコキシレート基を有することができる(モノマーb)、例えばメチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、ビニルシクロヘキシルエーテル、ビニル−4−ヒドロキシブチルエーテル、デシルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、2−(ジエチルアミノ)エチルビニルエーテル、2−(ジ−n−ブチルアミノ)エチルビニルエーテル、メチルジグリコールビニルエーテル、および相当するアリルエーテルおよびその混合物、
アクリルアミドおよびアルキル置換アクリルアミド(モノマーb)、例えばアクリルアミド、メタクリルアミド、N−t−ブチルアクリルアミド、およびN−メチル(メタ)アクリルアミド、
スルホ基含有モノマー(モノマーb)、例えばアリルスルホン酸、メタリルスルホン酸、スチレンスルホネート、ビニルスルホン酸、アリルオキシベンゼンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、その相当するアルカリ金属塩またはアンモニウム塩またはその混合物、
アクリル酸、メタクリル酸またはマレイン酸のC〜C−アルキルエステルまたはC〜C−ヒドロキシアルキルエステル、またはエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドまたはその混合物2〜50モルでアルコキシル化されたC〜C18−アルコールのアクリル酸、メタクリル酸またはマレイン酸エステル(モノマーb)、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ブタン−1,4−ジオールモノアクリレート、ジブチルマレエート、エチルジグリコールアクリレート、メチルポリグリコールアクリレート(EO11)、エチレンオキシド3,5,7,10または30モルと反応させたC13/C15オキソアルコールの(メタ)アクリル酸エステルまたはその混合物、
アルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートまたはアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミドまたはその四級化生成物(モノマーb)、例えば2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル(メタ)アクリレート、3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピル(メタ)アクリレート、2−(N,N,N−トリメチルアンモニオ)エチル(メタ)アクリレートクロリド、2−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、3−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、および3−トリメチルアンモニオプロピル(メタ)アクリルアミドクロリド、
〜C30−モノカルボン酸のビニルおよびアリルエステル(モノマーb)、例えばビニルホルメート、ビニルアセテート、ビニルプロピオネート、ビニルブチレート、ビニルバレレート、ビニル2−エチルヘキサノエート、ビニルノナノエート、ビニルデカノエート、ビニルピバレート、ビニルパルミテート、ビニルステアレートおよびビニルラウレート。
【0017】
他の可能なモノマーbは以下のものを含む。
N−ビニルホルムアミド、N−ビニル−N−メチルホルムアミド、スチレン、α−メチルスチレン、3−メチルスチレン、ブタジエン、N−ビニルピロリドン、N−ビニルイミダゾール、1−ビニル−2−メチルイミダゾール、1−ビニル−2−メチルイミダゾリン、N−ビニルカプロラクタム、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アリルアルコール、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド、塩化ビニリデン、塩化ビニル、アクロレイン、メタクロレイン、およびビニルカルバゾールおよびその混合物。
【0018】
ポリマーはモノマーA)のほかに有利に付加的にモノマーB)を50〜95質量%、より有利に60〜90質量%の量で含有する。
【0019】
有利なモノマーはアクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸またはメタクリル酸のエステル、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、エテン、プロペン、ブテン、イソブテン、シクロペンテン、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、アクリルアミド、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ビニルアセテート、スチレン、ブタジエン、アクリロニトリル、モノメチルマレエートまたはその混合物である。
【0020】
アクリル酸、メタクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、エテン、アクリルアミド、スチレン、およびアクリロニトリル、モノメチルマレエート、またはその混合物が特に有利である。
【0021】
アクリル酸、メタクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、モノメチルマレエート、またはその混合物がきわめて有利である。
【0022】
ポリマーは通常の重合法、例えば塊状重合、乳化重合、懸濁重合、分散重合、沈殿重合または溶液重合により製造できる。前記重合法は有利に酸素の不在で、有利に窒素流中で運転する。すべての重合法に関して通常の装置を使用し、例としては攪拌容器、攪拌容器カスケード、オートクレーブ、管形反応器、および混合機である。溶液重合、乳化重合、沈殿重合、または懸濁重合の方法により運転することが有利である。溶液重合および乳化重合の方法が特に有利である。重合を溶剤または希釈剤、例えばトルエン、o−キシレン、p−キシレン、クメン、クロロベンゼン、エチルベンゼン、技術的等級のアルキル芳香族化合物の混合物、シクロヘキサン、技術的等級の脂肪族化合物の混合物、アセトン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、グリコール、およびグリコール誘導体、ポリアルキレングリコール、およびその誘導体、ジエチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、メチルアセテート、イソプロパノール、エタノール、水または例えばイソプロパノール/水混合物のような混合物中で実施できる。有利な溶剤または希釈剤は60質量%までのアルコールまたはグリコール部分を有するかまたは有しない水である。水の使用が特に有利である。
【0023】
重合は20〜300℃、有利に60〜200℃の温度で実施することができる。重合条件の選択により例えば800〜5000000、特に1000〜1000000の質量平均分子量を得ることが可能である。質量平均分子量Mは有利に3000より多い。3000〜600000の数平均分子量が特に有利である。Mはゲル浸透クロマトグラフィーにより決定する(実施例に詳しく記載する)。
【0024】
モノマーA)およびB)を含有するポリマーは平均分子量Mおよび多分散度により座標系で分類する場合は、一次方程式y=1.25x+20000により定義され、y方向に平行に+5000だけ移動した直線より上の領域に位置し、x軸は質量平均分子量を表し、y軸は1000倍した多分散度を表す。
【0025】
重合は有利にラジカルを形成する化合物の存在で実施する。これらの化合物は重合に使用されるモノマーに対して30質量%まで、有利に0.05〜15質量%、より有利に0.2〜8質量%の量で必要とされる。多成分開始剤系(例えばレドックス開始剤系)の場合は前記の質量の数は成分の全合計に対する。
【0026】
適当な重合開始剤の例はペルオキシド、ヒドロペルオキシド、ペルオキソ二硫酸塩、過炭酸塩、ペルオキシエステル、過酸化水素およびアゾ化合物を含む。水溶性または水不溶性である開始剤の例は過酸化水素、ジベンゾイルペルオキシド、ジシクロヘキシルペルオキソ二炭酸塩、ジラウロイルペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシド、アセチルアセトンペルオキシド、t−ブチルヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、t−ブチルペルネオデカノエート、t−アミルペルピバレート、t−ブチルペルピバレート、t−ブチルペルネオヘキサノエート、t−ブチルペル−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルペルベンゾエート、ペルオキソ二硫酸リチウム、ナトリウム、カリウムおよびアンモニウム、アゾジイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、2−(カルバモイルアゾ)イソブチロニトリルおよび4,4−アゾビス(4−シアノバレリアン酸)である。
【0027】
開始剤は単独でまたは互いの混合物の形で使用することができ、例は過酸化水素とペルオキソ二硫酸ナトリウムの混合物である。水性媒体中の重合のために水溶性開始剤を使用することが有利である。
【0028】
重合開始剤として公知のレドックス開始剤系を使用することが同様に可能である。これらのレドックス開始剤系は少なくとも1種のペルオキシド化合物をレドックス同時開始剤と組み合わせて含有し、例は還元硫黄化合物、例えばアルカリ金属およびアンモニウム化合物の重亜硫酸塩、亜硫酸塩、チオ硫酸塩、亜ジチオン酸塩、およびテトラチオン酸塩である。例えばペルオキソ二硫酸塩とアルカリ金属またはアンモニウム亜硫酸水素塩の組合せ、例えばペルオキソ二硫酸アンモニウムと二亜硫酸アンモニウムの組合せを使用できる。レドックス同時開始剤に対するペルオキシド化合物の量は30:1〜0.05:1である。
【0029】
開始剤またはレドックス開始剤系との組み合わせに更に遷移金属触媒を使用することが可能であり、例は鉄、コバルト、ニッケル、銅、バナジウムおよびマンガンの塩である。適当な塩の例は硫酸鉄(II)、塩化コバルト(II)、硫酸ニッケル(II)および塩化銅(I)を含む。モノマーに対して還元遷移金属塩は0.1〜1000ppmの濃度で使用する。例えば過酸化水素0.5〜30%およびモール塩0.1〜500ppmのような過酸化水素と鉄(II)塩の組合せを使用できる。
【0030】
有機溶剤中の重合も前記開始剤と組み合わせてレドックス同時開始剤および/または遷移金属触媒を使用して実施することができ、前記同時開始剤および/または触媒の例はベンゾイン、ジメチルアニリン、アスコルビン酸、および有機溶剤に溶解する重金属、例えば銅、コバルト、鉄、マンガン、ニッケルおよびクロムの錯体である。ここで一般に使用されるレドックス同時開始剤または遷移金属触媒の量は使用されるモノマーの量に対して一般に約0.1〜1000ppmである。
【0031】
反応混合物の重合を重合に適した温度範囲の下限で開始し、引き続き高温で終了する場合は、異なる温度で分解する少なくとも2個の異なる開始剤を使用することが有利であり、ラジカルの十分な濃度がそれぞれの温度間隔内部で使用できる。
【0032】
開始剤は複数の段階で添加することもでき、または開始剤添加速度を時間にわたり変動することができる。
【0033】
低い平均分子量を有するポリマーを製造するために、調節剤の存在で共重合を行うことがしばしば有利である。この目的のために、通常の調節剤、例えばSH含有有機化合物、例えば2−メルカプトエタノール、2−メルカプトプロパノール、メルカプト酢酸、t−ブチルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、およびt−ドデシルメルカプタン、C〜C−アルデヒド、例えばホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ヒドロキシ硫酸アンモニウムのようなヒドロキシアンモニウム塩、蟻酸、重亜硫酸ナトリウム、または次亜リン酸またはその塩またはイソプロパノールを使用することが可能である。重合調節剤はモノマーに対して一般に0.1〜20質量%の量で使用する。平均分子量は適当な溶剤の選択により影響される。例えばベンジル水素原子を有する希釈剤の存在でまたは例えばイソプロパノールのような第二級アルコールの存在での重合は連鎖移動の結果として平均分子量の減少を生じる。低分子量ポリマーは温度および/または開始剤濃度の変動によっても得られる。
【0034】
高分子量コポリマーを製造するために、架橋剤の存在で重合を行うことがしばしば有利である。これらの架橋剤は2個以上のエチレン性不飽和基を有する化合物、例えば少なくとも二価の飽和アルコールのジアクリレートまたはジメタクリレート、例えばエチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,2−プロピレングリコールジアクリレート、1,2−プロピレングリコールジメタクリレート、ブタン−1,4−ジオールジアクリレート、ブタン−1,4−ジオールジメタクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、3−メチルペンタンジオールジアクリレート、3−メチルペンタンジオールジメタクリレートである。2より多いOH基を有するアルコールのアクリル酸およびメタクリル酸エステル、例えばトリメチロールプロパントリアクリレートまたはトリメチロールプロパントリメタクリレートは架橋剤として使用できる。他の種類の架橋剤はそれぞれ200〜9000の分子量を有するポリエチレングリコールまたはポリプロピレングリコールのジアクリレートまたはジメタクリレートである。ジアクリレートまたはジメタクリレートを製造するために使用されるポリエチレングリコールまたはポリプロピレングリコールは有利にそれぞれ400〜2000の分子量を有する。エチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドのホモポリマーのほかにエチレンオキシドとプロピレンオキシドのブロックコポリマーまたはランダムな分布でエチレンオキシドとプロピレンオキシドを含有するエチレンオキシドとプロピレンオキシドのコポリマーを使用することもできる。架橋剤を製造するためにエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドのオリゴマー、例えばジエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレートおよび/またはテトラエチレングリコールジメタクリレートが同様に適している。
【0035】
適当な架橋剤は更にビニルアクリレート、ビニルメタクリレート、ビニルイタコネート、ジビニルアジペート、ブタンジオールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、アリルアクリレート、アリルメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、トリアリルスクロース、ペンタアリルスクロース、ペンタアリルサッカロース、メチレンビス(メタ)アクリルアミド、ジビニルエチレン尿素、ジビニルプロピレン尿素、ジビニルベンゼン、ジビニルジオキサン、トリアリルシアヌレート、テトラアリルシラン、テトラビニルシラン、ビスまたはポリアクリロイルシロキサン(例えばTegomers Th.Goldschmidt社)を含む。架橋剤は有利に重合されるモノマーに対して10ppm〜5質量%の量で使用する。
【0036】
乳化重合、沈殿重合、懸濁重合、または分散重合の方法を使用する場合に、界面活性助剤を使用してポリマー液滴またはポリマー粒子を有利に安定化できる。典型的な乳化剤または保護コロイドをこの目的に使用する。適当な乳化剤はアニオン性乳化剤、非イオン性乳化剤、カチオン性乳化剤、および両性乳化剤を含む。アニオン性乳化剤の例はアルキルベンゼンスルホン酸、スルホン化脂肪酸、スルホスクシネート、脂肪アルコールスルフェート、アルキルフェノールスルフェート、脂肪アルコールエーテルスルフェートである。使用できる非イオン性乳化剤の例はアルキルフェノールエトキシレート、第一級アルコールエトキシレート、脂肪酸エトキシレート、アルカノールアミドエトキシレート、脂肪アミンエトキシレート、EO/POブロックコポリマー、およびアルキルポリグルコシドを含む。使用されるカチオン性乳化剤および両性乳化剤の例は四級化アミンアルコキシレート、アルキルベタイン、アルキルアミドベタインおよびスルホベタインを含む。
【0037】
典型的な保護コロイドの例はセルロース誘導体、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレングリコールとプロピレングリコールのコポリマー、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコールポリビニルエーテル、澱粉、澱粉誘導体、デキストラン、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピリジン、ポリエチレンイミン、ポリビニルイミダゾール、ポリビニルスクシンイミド、ポリビニル−2−メチルスクシンイミド、ポリビニル−1,3−オキサゾリド−2−オン、ポリビニル−2−メチルイミダゾリン、および例えばドイツ特許第2501123号に記載されるマレイン酸または無水マレイン酸コポリマーを含む。
【0038】
乳化剤または保護コロイドは一般にモノマーに対して0.05〜20質量%の濃度で使用する。
【0039】
重合を水溶液または希釈剤中で実施する場合は、重合の前または間に塩基でモノマーを完全にまたは部分的に中和することができる。適当な塩基の例はアルカリ金属化合物およびアルカリ土類金属化合物、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、酸化マグネシウム、炭酸ナトリウム、アンモニア、第一級アミン、第二級アミン、および第三級アミン、例えばエチルアミン、プロピルアミン、モノイソプロピルアミン、モノブチルアミン、ヘキシルアミン、エタノールアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリブチルアミン、トリエタノールアミン、ジメトキシエチルアミン、2−エトキシエチルアミン、3−エトキシプロピルアミン、ジメチルエタノールアミン、ジイソプロパノールアミンまたはモルホリンを含む。
【0040】
ポリ塩基性アミン、例えばエチレンジアミン、2−ジエチルアミノエチルアミン、2,3−ジアミノプロパン、1,2−プロピレンジアミン、ジメチルアミノプロピルアミン、ネオペンタンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、4,9−ジオキサドデカン−1,12−ジアミン、ポリエチレンイミン、またはポリビニルアミンを使用して中和を実施することもできる。
【0041】
重合の前または間のエチレン性不飽和カルボン酸の部分的なまたは完全な中和のためにアンモニア、トリエタノールアミンおよびジエタノールアミンを使用することが有利である。
【0042】
特に有利にエチレン性不飽和カルボン酸は重合の前または間に中和しない。有利に重合の後にアルカノールアミンB)を除いて中和剤を添加しない。重合は連続的にまたは不連続的に多くの変形により行うことができる。一般に最初の装入物としてモノマーの一部を、場合により適当な希釈剤または溶剤中で、場合により乳化剤、保護コロイド、または他の助剤の存在で導入し、雰囲気を不活性にして、所望の重合温度に達するまで温度を上昇する。しかし最初の装入物は適当な希釈剤だけであってもよい。ラジカル開始剤、他のモノマーおよび他の助剤、例えば調節剤または架橋剤を、場合によりそれぞれ希釈剤中で、決められた時間にわたり供給する。供給時間は異なる長さであってもよい。例えば開始剤供給をモノマー供給のために選択される時間より長い時間にわたり行うこともできる。
【0043】
広い分子量分布を有するポリマーを、まず低分子量部分を合成し(決められた開始剤濃度/温度で)、モノマー0〜100%の添加後、反応混合物中の開始剤の濃度を低下するおよび/または温度を低下することによりその場で、1工程で製造することができ、または多モードポリマーを、まず高分子量部分を合成し(決められた開始剤濃度/温度で)、モノマー100〜0%の添加に続いて、反応混合物中の開始剤濃度を上昇するおよび/または温度を上昇することによりその場で、1工程で製造することができる。
【0044】
溶液重合法により水中でポリマーが得られる場合は、一般に溶剤を分離することが必要ない。それにもかかわらずポリマーの単離が必要な場合は、これを例えば噴霧乾燥により行うことができる。
【0045】
水蒸気揮発性溶剤または溶剤混合物中で溶液重合法、沈殿重合法、または懸濁重合法によりポリマーを製造する場合は、水蒸気を導入することにより溶剤を除去し、水溶液または分散液を得ることができる。乾燥作業により有機希釈剤からポリマーを分離することができる。
【0046】
A)およびB)のポリマーは有利に固形分10〜80質量%、特に40〜65質量%を有する水性分散液または溶液の形で存在する。
【0047】
ポリマーA)はマレイン酸または無水マレイン酸、またはマレイン酸または無水マレイン酸を有するモノマー混合物を、グラフト基剤にグラフトすることにより得ることができる。適当なグラフト基剤の例は単糖類、オリゴ糖、変性ポリサッカリドおよびアルキルポリグリコールエーテルである。この種のグラフトポリマーは例えばドイツ特許第4003172号および欧州特許第116930号に記載される。
【0048】
成分C)の多官能性架橋剤は例えば少なくとも2個のOH基を有するアルカノールアミンである。一般式I:
【0049】
【化1】

(式中、Rは水素原子、C〜C10−アルキル基またはC〜C10−ヒドロキシアルキル基であり、RおよびRはそれぞれC〜C10−ヒドロキシアルキル基である)のアルカノールアミンが有利である。
【0050】
特に有利にRおよびRは互いに独立にそれぞれC〜C−ヒドロキシアルキル基であり、Rは水素原子、C〜C−アルキル基またはC〜C−ヒドロキシアルキル基である。
【0051】
一般式Iの化合物の例はジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、メチルジエタノールアミン、ブチルジエタノールアミンおよびメチルジイソプロパノールアミンを含む。トリエタノールアミンが特に有利である。
【0052】
多官能性架橋剤C)は例えば二官能性または多官能性アルコール、例えばグリセリン、メチロール化メラミンまたはフェノールであってもよい。
【0053】
成分C)として使用できる他の多官能性架橋剤は欧州特許第902796号に記載され、例としてはトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ネオペンチルグリコール、グルコース、ソルビトール、ヘキサンジオール、リシンおよびポリビニルアルコールである。
【0054】
成分C)として有利にアルカノールアミン、特にトリエタノールアミンを使用する。
【0055】
本発明によるホルムアルデヒド不含の結合剤を製造するために、A)およびB)のポリマーおよびコモノマーC)を、有利に成分A)およびB)のカルボキシル基と成分C)のヒドロキシル基のモル比が20:1〜1:1、より有利に8:1〜5:1、特に有利に5:1〜1.7:1である(ここで無水物基は2個のカルボキシル基として計算する)ような互いに対する比で使用する。
【0056】
本発明のホルムアルデヒド不含水性結合剤は例えばA)およびB)のポリマーの水性分散液または溶液に成分C)を添加することにより簡単に製造する。
【0057】
本発明の結合剤は有利にリン含有反応促進剤、A)、B)およびC)の合計に対して1.0質量%未満、より有利に0.5質量%未満、きわめて有利に0.3質量%未満、特に0.1質量%未満を含有する。リン含有反応促進剤は欧州特許第651088号、欧州特許583086号、ドイツ特許第19621523号、欧州特許第826710号で言及される。前記促進剤は特にアルカリ金属次亜リン酸塩、アルカリ金属亜リン酸塩、アルカリ金属ポリリン酸塩、アルカリ金属リン酸二水素塩、ポリリン酸、次亜リン酸、リン酸、アルキルホスフィン酸、またはこれらの塩および酸のオリゴマーおよびポリマーである。
【0058】
本発明の結合剤は有利にリン含有反応促進剤を含有しないかまたは反応の促進に有効な量のリン含有化合物を含有しない。本発明の結合剤はエステル化触媒、例えば硫酸またはp−トルエンスルホン酸を含有することができる。本発明の結合剤は含浸剤または被覆剤として使用することができる。本発明の結合剤は含浸剤または被覆剤の唯一の成分であってもよい。しかし含浸剤または被覆剤は予想される個々の使用に適した他の添加剤を含有することもできる。適当な例は染料、顔料、殺菌剤、可塑剤、増粘剤、付着推進剤(例えばアルコキシシラン、例えばγ−アミノプロピルトリエトキシシラン、Witco:SilquestA−1100silane)、還元剤、エステル交換触媒、難燃剤(例えば珪酸アルミニウム、水酸化アルミニウム、ホウ酸塩またはリン酸塩)、メラミン/ホルムアルデヒド樹脂、分散剤(アクリレート、スチレン−ブタジエン分散剤)、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、乳化剤(イオン性、非イオン性)、疎水化剤(シリコーン)または保留剤を含む。
【0059】
本発明の結合剤は乾燥して(50℃で72時間)、厚さ0.3〜1mmの皮膜を形成し、空気中、150℃で引き続き15分間硬化の後に有利に50質量%より多い、より有利に60質量%より多い、きわめて有利に70質量%、特に75質量%のゲル含量を有する。
【0060】
硬化が終了すると硬化した皮膜を23℃で48時間貯蔵する。可溶性部分が水中に残留する。引き続き皮膜を50℃で一定の質量に乾燥し、計量する。この質量がゲル含量に相当する。ゲル含量は可溶性部分を分離する前の質量に対する質量%で計算する。3時間にわたる質量の減少が0.5質量%未満、特に0.1質量%未満である場合に一定の質量が達成される。
【0061】
本発明の結合剤は支持体の結合剤、繊維、くずまたは削りくずから形成される成形品、マットまたは板を製造するための、有利に繊維状または粒子状支持体の結合剤として有用である。繊維ウェブの例はセルロース、セルロースアセテート、セルロースのエステルおよびエーテル、綿、麻、サイザル麻、ジュート、亜麻、ココヤシ繊維またはバナナ繊維、コルク、羊毛または毛織物のような動物性繊維のウェブ、および特に合成繊維または無機繊維、例えばアラミド、炭素、ポリアクリロニトリル、ポリエステル、鉱物、PVCまたはガラス繊維のウェブを含む。
【0062】
本発明の結合剤は繊維ウェブの結合剤として使用する場合に、例えば以下の添加剤を含有することができる。珪酸塩、シリコーン、ホウ素化合物、潤滑剤、湿潤剤。
【0063】
ガラス繊維ウェブが有利である。結合していない繊維ウェブ、特にガラス繊維のウェブは本発明の結合剤により結合され、すなわち団結される。
【0064】
この目的のために本発明の結合剤を結合されていない繊維ウェブに例えば繊維/ポリマーA(固体)質量比25:1〜1:1、より有利に20:1〜3:1で被覆、噴霧、含浸および/または飽和により適用する。
【0065】
本発明の結合剤はこの場合に有利に水95〜40質量%を含有する希釈した水性組成物の形で使用する。
【0066】
本発明の結合剤を結合されていない繊維ウェブに適用した後に有利に100〜400℃、特に130〜280℃、きわめて有利に130〜230℃で、有利に10秒〜10分、特に10秒〜3分の時間にわたり一般に乾燥する。
【0067】
得られた結合された繊維ウェブは乾燥したおよび湿った状態で高い強度を有する。乾燥後結合されたウェブは黄変を示さないかまたは実質的に全く示さない。本発明の結合剤は特に短い乾燥時間および低い乾燥温度を可能にする。
【0068】
結合された繊維ウェブ、特にガラス繊維ウェブは屋根用膜としてまたは屋根用膜に、壁紙の裏張り材料としてまたは床敷物、例えばPVCからなる被覆の内張りまたは裏張り材料として有用である。PVCプラスチゾルおよび本発明の結合剤で団結したガラス繊維を使用して製造されるPVC床敷物は黄色化傾向がほとんどない。
【0069】
屋根用膜として使用する場合に、結合した繊維ウェブは一般にビチューメンで被覆する。
【0070】
本発明の結合剤は付加的に前記繊維、特に鉱物繊維およびガラス繊維のような無機繊維を含有する断熱材に結合剤として使用できる。
【0071】
これまで一般的なフェノール−ホルムアルデヒド縮合樹脂をベースとするこの種の結合剤は結合剤から顕著な量のフェノール、ホルムアルデヒドおよび低分子量縮合生成物が断熱材の製造中に蒸気の形で排出するという欠点を有する。これらの環境に有害な物質を抑制するために多くの費用と努力が伴う。更に完成した断熱生成物からホルムアルデヒドが放出することがあり、これが特に住宅用建造物に使用される場合に好ましくない。
【0072】
断熱材用繊維は工業的に多くの程度で相当する原料の溶融物の紡糸により製造される(例えば欧州特許第567480号参照)。
【0073】
断熱材の製造において水性結合剤溶液を有利になお熱い、新たに製造した繊維に噴霧する。大部分の水が蒸発し、樹脂が実質的に硬化していない状態で繊維に付着する粘着性の固形分の多い材料として残る。引き続き繊維を使用して結合剤を含有する繊維マットを製造し、これが適当なコンベアベルト硬化用炉に搬送される。炉内で樹脂が約150〜350℃の炉温度で硬化する。硬化炉の後に断熱材マットを適当な方法で仕上げ、すなわち最終使用者に適した形に切断する。
【0074】
断熱材を製造するために実際に使用される結合剤は通常の助剤および添加剤を含有することができる。これらの例はシリコーン油のような疎水化剤、カップリング剤として3−アミノプロピルトリエトキシシランのようなアルコキシシラン、潤滑剤として可溶性または乳化性油、ダスト結合剤、および湿潤助剤である。
【0075】
断熱材に使用される無機繊維またはガラス繊維の大部分は直径0.5〜20μmおよび長さ0.5〜10cmを有する。
【0076】
断熱材の一般的な使用形は長方形または三角形の断熱シートおよび巻き上げウェブである。断熱材の厚さおよび密度は広い範囲内で変動でき、所望の断熱作用を有する生成物の製造を可能にする。一般的厚さは1〜20cmであり、一般的な密度は5〜300kg/mの範囲である。断熱作用は熱伝導率λ(nW/m°K)により特徴付けられる。断熱シートは高い乾燥および湿潤強度を有する。
【0077】
本発明の結合剤は研磨用布の製造に適しており、例は結合した繊維ウェブをベースとするなべクリーナーまたはなべ汚れ落としである。適当な繊維は天然繊維および合成繊維(例えばナイロン)を含む。なべクリーナーおよび汚れ落としの場合は繊維ウェブは有利に噴霧工程で団結する。
【0078】
結合剤は付加的に木材チップボードまたは木材繊維ボードのような木材ベース材料の製造に適しており(Ullmanns Encyclopaedie der technischen Chemie,第4版、1976、12巻、709−727)、これらは例えば木材チップおよび木材繊維のような分解木材を接着することにより製造できる。
【0079】
木材ベース材料の耐水性は結合剤に商業的に一般的な水性パラフィン分散液または他の疎水化剤を添加することによりまたはこれらの疎水化剤を前にまたは後で繊維、チップまたは削りくずに添加することにより高めることができる。
【0080】
チップボードの製造は一般に知られており、例えばH.J.Deppe、K.Ernst Taschenbuch der Spanplattentechnik、第2版、Verlag Leinfelden1982に記載されている。
【0081】
平均厚さ0.1〜2mm、特に0.2〜0.5mmであり、水6質量%未満を有するチップを使用することが有利である。結合剤は木材チップにきわめて均一に適用する。(A)+B)として計算した)固形物に関する結合剤:木材チップ質量比は有利に0.02:1〜0.3:1である。例えば結合剤を微細に分散した形でチップに噴霧することにより均一な分布を達成できる。
【0082】
接着した木材チップを引き続き分散して高い均一な表面を有する層を形成し、層の厚さは完成したチップボードの所望の厚さにより導かれる。分散した層を例えば100〜250℃、有利に140〜225℃の温度で、一般に10〜750バールの圧力を適用することにより圧縮して寸法安定なボードを形成する。必要な圧縮時間は広い範囲で変動することができ、一般に15秒〜30分である。
【0083】
結合剤から中密度繊維ボード(MDF)を製造するために必要な適当な特性の木材繊維を樹皮のない木材チップから約180℃の温度で特定のミルまたは精製装置で粉砕することにより製造できる。
【0084】
接着のために木材繊維を一般に空気流中で回転させ、結合剤をノズルにより得られた繊維流に導入する(吹き込み法)。乾燥物質含量または固形分にもとづく木材繊維と結合剤の比は一般に40:1〜3:1、有利に20:1〜4:1である。接着した繊維を繊維流中で例えば130〜180℃の温度で乾燥し、分散して繊維ウェブを形成し、20〜40バールの圧力下に圧縮してボードまたは成形品を形成する。
【0085】
選択的にドイツ特許第2417243号に記載されるように、接着した木材繊維を搬送可能な繊維マットに処理することができる。この中間生成物を引き続き例えば第2の一時的および空間的に分離した工程で、ボードまたは成形部品、例えば自動車のドア内装パネルに更に処理することができる。
【0086】
本発明の結合剤は付加的に一般に知られた製造工程により合板および木工ボードを製造するために有用である。
【0087】
サイザル、ジュート、麻、アマ、ケナフ、ココヤシ繊維、バナナ繊維および他の天然繊維のような他の天然繊維材料も同様に結合剤で処理してボードおよび成形品を形成できる。天然繊維材料はポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリアミド、またはポリアクリロニトリルのような合成繊維との混合物で使用できる。この場合にこれらの合成繊維は本発明の結合剤のほかに同時結合剤として機能することができる。合成繊維の割合はすべての削り屑、チップまたは繊維に対して有利に50質量%未満、特に30質量%未満、きわめて有利に10質量%未満である。繊維は木材繊維ボードに使用される方法により処理できる。選択的に予め形成された天然繊維マットに湿潤助剤を場合により添加して本発明の結合剤を含浸させる。含浸させたマットを引き続き結合剤が湿ったまたは予め乾燥した状態で、例えば100〜250℃の温度および10〜100バールの圧力で圧縮してボードまたは成形部品を形成する。
【0088】
本発明により得られた成形品は低い吸水性、水貯蔵後の厚さの少ない増加(膨張)、高い強度、およびホルムアルデヒドの不在を特徴とする。前記成形品は例えば自動車工業に使用できる。
【0089】
本発明の結合剤の他の用途は研磨剤、特に研磨紙、研磨布(織布または不織布)または他の研磨製品の製造における使用である。これに関して水性ポリマー分散液を該当する紙または布または相当する製品に適用する前に種々の有機塩基または無機塩基の添加により3〜8、特に3〜5のpH値に調節することが勧められる。適当な塩基はアンモニア、有機一官能性アミンまたは多官能性アミン、アルコキシド、および金属アルキル化合物を含むが、例えば水酸化ナトリウムまたは炭酸ナトリウムのような無機塩基も含む。
【0090】
この方法で得られる同様の本発明の研磨剤は例えば鋼玉、石英、ガーネット、軽石、トリペル、炭化珪素、エメリー、アルミナ、ジルコニア、珪藻土、砂、セッコウ、炭化ホウ素、ホウ化物、炭化物、窒化物、酸化セリウムまたは珪酸塩をベースとする一般的な研磨剤粒子を含有する。
【0091】
本発明の研磨剤を製造する方法はまず紙、布または該当する製品に水性ポリマー溶液を適用し、適当な場合は例えば分散液で変性し、引き続き選択された研磨剤粒子を添加し、最後に更なる量の水性ポリマー溶液を添加し、適当な場合は例えばサイズコートと呼ばれる分散液で再び変性することからなる。
【0092】
本発明による水性ポリマー溶液の使用は、好ましい研磨特性を有し、研磨剤粒子が完全に結合している、高い柔軟性、靱性/弾性、引張り強さおよび破断時伸びを含む特性を特徴とする改良された研磨剤を生じる。
【0093】
本発明の結合剤の他の使用はフィルター材料、特に濾紙または濾布の製造である。可能な布材料の例はセルロース、綿、ポリエステル、ポリアミド、PE、PP、ガラスウェブ、およびガラスウールを含む。水性ポリマー溶液を相当する紙または布に適用する前に種々の有機または無機塩基の添加により2〜8、特に3.0〜6.5のpH値に調節することが勧められる。適当な塩基はトリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、ヒドロキシアルキルアミン、アンモニア、有機一官能性アミンまたは多官能性アミン、アルコキシド、金属アルキル化合物、例えば水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムのような無機塩基を含む。前記の値の範囲へのpH値の調節は特に貯蔵または熱暴露の後の破裂強度の低下、従って高い熱安定性の達成の作用を有する。
【0094】
本発明のフィルター材料、すなわち濾紙または濾布に使用するためのポリマー溶液の適用は有利に含浸法によりまたは噴霧により達成される。これらの場合に水性ポリマー溶液をフィルター材料に樹脂加工により適用する。フィルター材料を水性ポリマー溶液で樹脂加工した後に、100〜250℃、特に110〜220℃の温度で0.1〜60分、特に1〜60分加熱して硬化する。
【0095】
本発明の水性ポリマー溶液のフィルター材料の結合剤としての使用は処理されるフィルター材料が特に湿った条件下および高温で貯蔵後に、特に増加した機械的安定性(高い引張り強さおよび破裂強度)を有することを意味する。本発明による水性結合剤の使用は得られたフィルター材料が例えばフィルター材料の浸透性(孔径)に作用せずに、溶剤に対する高い化学的耐性を含む特性により特徴付けられる作用を有する。水性ポリマー溶液の使用により前記ポリマー溶液がフィルター材料に乾燥した後でも(乾燥引張り強さ)、水性ポリマー溶液の硬化温度より低い温度で乾燥した後でもなお高い強度を生じることが認められ、フィルター材料は折り曲げ、溝をつくりまたはひだをつけることによりなお容易に変形できる。引き続く熱硬化(熱処理)の結果、ポリマー溶液は結果として生じる同様に本発明のフィルター材料、主に濾紙または濾布に高い寸法安定性を生じる。この特性は中間生成物の製造および製造工程を個々の独立の製造工程に分類することを可能にする。
【0096】
本発明の水性ポリマー溶液の他の使用はコルク、コルクウェブ、コルクマットまたはコルクボードの結合剤である。
【0097】
以下の例は本発明を説明するためのものであり、本発明は実施例に限定されない。
【0098】
実施例
一般的製造方法
a)現場
広い分子量分布を有するポリマーを、現場で1つの工程でまず(決められた開始剤濃度/温度で)低分子量部分を合成し、モノマーの0〜100%を添加した後に反応混合物中の開始剤濃度を低下するおよび/または温度を低下する(徐々にまたは連続的に)ことにより製造できる。または多モードポリマーをその場で1つの工程でまず(決められた開始剤濃度/温度で)高分子量部分を合成し、モノマーの0〜100%を添加した後に反応混合物中の開始剤濃度を上昇するおよび/または温度を上昇することにより製造できる。
【0099】
b)混合
種々の分子量を有するポリマーを混合することにより広い分子量分布を有するポリマーを製造できる。
【0100】
c)他の成分の存在での1つの成分の重合
低いまたは高い分子量を有する1つのポリマーを高いまたは低い分子量を有する第2ポリマーの存在で合成することにより広い分子量分布を有するポリマーを製造できる。
【0101】
分析法および試験法
ゲル浸透クロマトグラフィー
以下の分離材料を有する4個の分離カラム(それぞれ内径7.8mm、長さ30cm、カラム温度35℃)の組合せを使用した。
【0102】
【表1】

【0103】
使用される溶離剤は0.008モルトリス緩衝液(トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、Merck、Darmstadt)、蒸留水中pH7であり、NaCl0.15モル/lおよびNaN0.01モル/lを添加した。
【0104】
それぞれの試料溶液400μlを注入した。
【0105】
流速は0.5ml/分であった。この流速で分離カラム組合せの棚段の数は37000であった。
【0106】
使用される検出器はERC7510示差式リフラクトメーター、ERMA社であった。
【0107】
39.6ml(M(NaPAA)約642)の体積を導入した(積分限界)後で評価を終了した。得られたクロマトグラムはDIN55672−1により±3%の精度で積分された。
【0108】
動的機械的測定
貯蔵弾性率G′の測定を変形制御モジュール流量計、Rheometrics社、モデルARESを使用して行った。2K FRTN1タイプ力変換器を使用した。測定装置:平行な板の形状、板直径25mm、試料厚さ約1mm。貯蔵弾性率G′は温度の関数として測定され、測定周波数は1Hzであり、加熱速度は1℃/分であった。
【0109】
性能試験
結合剤組成:SilquestA−1100それぞれ1%(固体に対して)
ベースウェブ:ガラスウェブ約50g/m
硬化
長さ32cmおよび幅28cmのベースウェブに長手方向に連続的PESスクリーンベルトによりまず20%結合剤液を通過させ、引き続き吸引装置を案内する。ベルト速度は0.6m/分である。吸引の濃度を調節することにより湿った付着物を配量する。湿った付着物が約100%の場合に結合剤液濃度20%で20%±2%の乾燥付着物が得られる。含浸したウェブの硬化をMathis乾燥機中でPESネット支持体上で200℃で2分間硬化する(熱い空気を最大に調節する)。
【0110】
試験体の製造
ウェブから引張り強さを試験するために5個の試験体および長手方向の曲げ剛性を試験するために6個の試験体を切断した。ウェブの大きさは以下のとおりである。
23℃で更に処理していない引張り強さに関して(引張り強さ、RT)
240×50mm
熱水中80℃で15分間貯蔵後の引張り強さに関して(引張り強さ、湿潤)
240×50mm
曲げ剛性試験に関して
70×30mm。
【0111】
試験
a)引張り強さ:N/5cmで平均した試験結果が報告される。乾燥および湿潤引張り強さ試験のための固定した長さは200mmである。取り出し速度を25mm/分に調節する。引張り強さを質量に関して60g/mに補正する。
(計算式:Fmax・60[g/cm]/実際の質量[g/m])。
【0112】
b)曲げ剛性:試験ストリップを固定手段に固定し、ホルダーにより10mmの距離で20°の角度に曲げる。試験ストリップの高さは30mmである。測定した力は曲げ剛性を表す。全部で6個の試験体を表側からおよび裏側から測定し、平均値を決定する。
【0113】
【表2】

【0114】
【表3】

【0115】
例1.8
撹拌機、窒素供給手段および配量手段を有する圧力反応器に蒸留水1275g、無水マレイン酸560gおよび硫酸鉄七水和物4.6mgを充填し、窒素を注入し、引き続き排気し、この工程を3回実施し、引き続き内部温度100℃に加熱する。引き続きアクリル酸1547gおよび蒸留水473gの混合物を5時間かけて添加し、30%過酸化水素溶液516gを2つの別々の供給で添加する(配量プログラム参照)。
【0116】
温度プログラム(供給の開始とともに開始する)
100℃で1時間、4時間で130℃に加熱、130℃で3時間。
【0117】
過酸化水素供給
1h:21g、2h:30g、3h:51g、4h:89g、5h:137g、6h:185g。
【0118】
これにより黄みがかった澄んだ溶液が得られ、K値(水中5%)19.4および平均分子量M33100g/モル、PD8.9(溶液の固形分:50.5質量%)である。
【0119】
生成物を引き続き固形分に関して30%トリエタノールアミンと混合する。
【0120】
例2.4
撹拌機、窒素供給手段および配量手段を有する圧力反応器に蒸留水855g、無水マレイン酸923gおよび硫酸鉄七水和物4.6mgを充填し、窒素を注入し、引き続き排気し、この工程を3回実施し、引き続き内部温度130℃に加熱する。引き続きアクリル酸1118gおよび蒸留水789gの混合物を5時間かけて添加し、30%過酸化水素溶液516gを2つの別々の供給で添加する(配量プログラム参照)。
【0121】
温度プログラム(供給の開始とともに開始する)
130℃で1時間、4時間で100℃に冷却、100℃で3時間。
【0122】
過酸化水素供給
1h:182g、2h:137g、3h:86g、4h:50g、5h:30g、6h:20.5g。
【0123】
これにより黄みがかった澄んだ溶液が得られ、K値(水中5%)12.0および平均分子量M7100g/モル、PD8.1(溶液の固形分:52.2質量%)である。
【0124】
生成物を引き続き固形分に関して30%トリエタノールアミンと混合した。
【0125】
【表4】

【0126】
【表5】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
幅の広い分子量分布を有し、
(A)エチレン性不飽和酸無水物またはカルボン酸基が無水物基を形成できるエチレン性不飽和ジカルボン酸またはその混合物0〜100質量%、
(B)エチレン性不飽和化合物100〜0質量%
(C)少なくとも1種の多官能性架橋剤またはその混合物
を含有するホルムアルデヒド不含水性結合剤であり、ラジカル付加重合により得られるA)およびB)からのポリマーが、その平均分子量Mwおよび多分散度により座標系で分類される場合に、一次方程式y=1.25x+20000により定義され、y方向に平行に少なくとも+3000だけ移動した直線より上の領域に位置しており、その際x軸が質量平均分子量を表し、y軸が10000倍した多分散度を表す、ホルムアルデヒド不含水性結合剤の使用。
【請求項2】
A)およびB)のポリマーが幅の広い分子量分布を有する請求項1記載のホルムアルデヒド不含水性結合剤の使用。
【請求項3】
水性結合剤がA)、B)およびC)の合計に対して1.5質量%未満のリン含有反応促進剤を含有する請求項1または2記載のホルムアルデヒド不含水性結合剤の使用。
【請求項4】
A)およびB)のポリマーがマレイン酸5〜100質量%を含有する請求項1から3までのいずれか1項記載のホルムアルデヒド不含水性結合剤の使用。
【請求項5】
A)およびB)のポリマーがアクリル酸およびマレイン酸を含有する請求項4記載のホルムアルデヒド不含水性結合剤の使用。
【請求項6】
C)に記載されるアルカノールアミンが一般式I:
【化1】

(式中、Rは水素、C〜C10−アルキル基またはC〜C10−ヒドロキシアルキル基であり、RおよびRはそれぞれC〜C10−ヒドロキシアルキル基である)で表される化合物であるホルムアルデヒド不含水性結合剤の使用。
【請求項7】
C)に記載されるアルカノールアミンがトリエタノールアミンである請求項1から6までのいずれか1項記載のホルムアルデヒド不含水性結合剤の使用。
【請求項8】
繊維、繊維マットおよび繊維ウェブの結合剤としての請求項1から7までのいずれか1項記載のホルムアルデヒド不含水性結合剤の使用。
【請求項9】
ガラス繊維、ガラス繊維ウェブ、ガラス繊維マット、無機繊維、無機繊維ウェブおよび無機繊維マットの結合剤としての請求項1から7までのいずれか1項記載のホルムアルデヒド不含水性結合剤の使用。
【請求項10】
繊維ウェブを請求項1から7までのいずれか1項記載の水性結合剤を使用して被覆、噴霧または含浸させ、引き続き乾燥させることを特徴とする結合した繊維ウェブの製造方法。
【請求項11】
結合したガラス繊維ウェブまたはマットを製造する請求項10記載の方法。
【請求項12】
請求項1から7までのいずれか1項記載のホルムアルデヒド不含水性結合剤を使用することにより得られる結合した繊維ウェブまたはマット。
【請求項13】
請求項1から7までのいずれか1項記載のホルムアルデヒド不含水性結合剤を使用することにより得られる結合したガラス繊維ウェブまたはマット。
【請求項14】
請求項12記載の結合した繊維ウェブまたはマットを含有する屋根用膜。
【請求項15】
請求項13記載の結合したガラス繊維ウェブまたはマットを含有する屋根用膜。
【請求項16】
請求項12記載の結合した繊維ウェブまたはマットを含有する断熱材。
【請求項17】
請求項12記載の結合した繊維ウェブまたはマットを含有する床敷物。
【請求項18】
請求項13記載の結合したガラス繊維ウェブまたはマットを含有する断熱材。
【請求項19】
請求項13記載の結合したガラス繊維ウェブまたはマットを含有する床敷物。
【請求項20】
請求項1から7までのいずれか1項記載のホルムアルデヒド不含水性結合剤の、成形品を製造するための繊維、チップまたは削り屑の結合剤としての使用。
【請求項21】
繊維、チップまたは削り屑が再生可能な原料からなる請求項20記載の使用。
【請求項22】
繊維が天然繊維または合成繊維またはその混合物である請求項20または21記載の使用。
【請求項23】
木材繊維、木材チップ、ジュート、サイザルアサ、アマ、アサまたはケナフである請求項20から22までのいずれか1項記載の使用。
【請求項24】
木材チップボードパネルである請求項20から23までのいずれか1項記載の使用。
【請求項25】
繊維材料の結合剤としての請求項1から7までのいずれか1項記載のホルムアルデヒド不含水性結合剤の使用。
【請求項26】
研磨剤の結合剤としての請求項1から7までのいずれか1項記載のホルムアルデヒド不含水性結合剤の使用。
【請求項27】
コルクの結合剤としての請求項1から7までのいずれか1項記載のホルムアルデヒド不含水性結合剤の使用。
【請求項28】
幅の広い分子量分布を有し、
(A)エチレン性不飽和酸無水物またはカルボン酸基が無水物基を形成できるエチレン性不飽和ジカルボン酸またはその混合物0〜100質量%、
(B)エチレン性不飽和化合物100〜0質量%
(C)少なくとも1種の多官能性架橋剤またはその混合物
を含有する、支持体のためのホルムアルデヒド不含水性結合剤であり、ラジカル付加重合により得られるA)およびB)からのポリマーが、その平均分子量Mwおよび多分散度により座標系で分類される場合に、一次方程式y=1.25x+20000により定義され、y方向に平行に少なくとも+3000だけ移動した直線より上の領域に位置しており、その際x軸が質量平均分子量を表し、y軸が10000倍した多分散度を表す、支持体のためのホルムアルデヒド不含水性結合剤。

【公表番号】特表2007−506002(P2007−506002A)
【公表日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−526560(P2006−526560)
【出願日】平成16年9月9日(2004.9.9)
【国際出願番号】PCT/EP2004/010056
【国際公開番号】WO2005/026433
【国際公開日】平成17年3月24日(2005.3.24)
【出願人】(595123069)ビーエーエスエフ アクチェンゲゼルシャフト (847)
【氏名又は名称原語表記】BASF Aktiengesellschaft
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】