説明

支持構造及び画像形成装置

【課題】筐体の位置決め精度を確保しつつ、筐体へ伝達される振動を好適に抑制する支持構造及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】光学素子を収容する筐体と、該筐体を支持する支持ユニットと、前記筐体を前記支持ユニットに対して位置決めする位置決め要素と、前記支持ユニットから前記筐体へ向かう振動を抑制する防振要素と、前記筐体から前記支持ユニットに向けて延出する延出部と、を備え、前記支持ユニットは、前記延出部が挿入される開口部を形成する第1面を含み、前記位置決め要素は、前記延出部を前記第1面から離間させるように支持しつつ、前記開口部内で前記延出部を位置決めし、前記防振要素は、前記第1面と前記延出部との間に配設されることを特徴とする支持構造。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、筐体を支持するための支持構造及び支持構造を用いた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
光学素子は、様々な技術分野で用いられている。例えば、コピー機、プリンタ、ファクシミリ或いはこれらの機能を備える複合機といった画像形成装置は、感光体ドラムに静電潜像を形成するために光学素子を利用する。画像形成装置に用いられる光学素子は、一般的に、露光装置の筐体内に収容される。
【0003】
画像形成装置は、多くの動的機械要素を備える。動的機械要素として、例えば、上述の感光体ドラム、感光体ドラムにトナーを供給する現像装置やシートを搬送するための搬送装置が用いられる。これらの機械要素の運動は、画像形成装置の筐体或いは画像形成装置が備える他の機械要素へ伝達される振動を潜在的に引き起こす。
【0004】
上述の露光装置といった光学素子を利用する光学設備は比較的振動に弱い。例えば、露光装置を支持する画像形成装置の筐体を介して露光装置へ伝達された振動は、例えば、ジッタ画像(意図せず生ずる筋模様が入った画像)を引き起こす。
【0005】
特許文献1は、光学設備へ伝達される振動を抑制する支持構造を開示する。特許文献1に開示される支持構造によれば、光学読み取り部を支持するプレートは、防振バネを用いて支持される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実開平1−93697号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1のプレートは、シャーシに取り付けられた位置決めボス及びプレートに形成された開口部に挿通される防振ゴムによってシャーシに対して位置決めされる。位置決め精度を向上させるためには、防振ゴムの硬度は高い方が好ましい。しかしながら、高い硬度を有する防振ゴムは、一般的に、防振性能に劣る。防振性能を向上させるために、低い硬度を有する防振ゴムを使用すると、シャーシに対するプレートの位置決め精度が悪くなる。
【0008】
本発明は、防振機能と位置決め機能との間の両立が図られた支持構造及び支持構造を用いた画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一局面に係る支持構造は、光学素子を収容する筐体と、該筐体を支持する支持ユニットと、前記筐体を前記支持ユニットに対して位置決めする位置決め要素と、前記支持ユニットから前記筐体へ向かう振動を抑制する防振要素と、前記筐体から前記支持ユニットに向けて延出する延出部と、を備え、前記支持ユニットは、前記延出部が挿入される開口部を形成する第1面を含み、前記位置決め要素は、前記延出部を前記第1面から離間させるように支持しつつ、前記開口部内で前記延出部を位置決めし、前記防振要素は、前記第1面と前記延出部との間に配設されることを特徴とする(請求項1)。
【0010】
上記構成によれば、光学素子を収容する筐体は支持ユニットにより支持される。筐体から支持ユニットに向けて延出する延出部は、開口部内に挿通される。位置決め要素は、開口部を形成する第1面から離間させるように支持しつつ、開口部内で延出部を位置決めする。位置決め要素が延出部を開口部内で位置決めすることにより、光学素子を収容する筐体は支持ユニットに対して適切に位置決めされる。加えて、第1面から延出部が離間されることにより、支持ユニットと延出部との間の直接的な接触部分が低減される。この結果、支持ユニットから筐体への振動の伝達が好適に抑制される。第1面から延出部が離間される結果、防振要素が第1面と延出部との間に配設可能となる。第1面と延出部との間の防振要素は、支持ユニットから筐体へ伝達される振動の抑制に一層の貢献を果たす。かくして、防振機能及び位置決め機能の両立が図られた支持構造が提供される。
【0011】
上記構成において、前記防振要素は、前記位置決め要素に対向するように配設されることが好ましい(請求項2)。
【0012】
上記構成によれば、位置決め要素に対向するように配設された防振要素によって、位置決め要素から筐体へ伝達された振動成分は好適に吸収されることとなる。したがって、筐体内に収容された光学素子に対する振動の影響が一層低減される。
【0013】
上記構成において、前記位置決め要素は、前記第1面から突出する第1突起部、第2突起部及び第3突起部を含み、前記防振要素は、前記第1突起部に対向するように配設された第1防振部材、前記第2突起部に対向するように配設された第2防振部材及び前記第3突起部に対向するように配設された第3防振部材を含むことが好ましい(請求項3)。
【0014】
上記構成によれば、第1突起部、第2突起部及び第3突起部によって延出部が支持されることにより、開口部内での延出部の位置決めが比較的高い精度でなされる。また、第1突起部、第2突起部及び第3突起部それぞれに対向するように配設された第1防振部材、第2防振部材及び第3防振部材によって、第1突起部、第2突起部及び第3突起部から筐体へ伝達された振動成分が好適に吸収される。かくして、防振機能及び位置決め機能の両立が図られた支持構造が提供される。
【0015】
上記構成において、前記第1突起部、前記第2突起部及び前記第3突起部は、前記第1面に沿って等間隔に配設されることが好ましい(請求項4)。
【0016】
上記構成によれば、第1面に沿って等間隔に配設された第1突起部、第2突起部及び第3突起部によって、延出部は開口部内で高い精度で位置決めされることとなる。
【0017】
本発明の他の局面に係る画像形成装置は、レーザ光を照射する露光装置と、該露光装置からの前記レーザ光によって形成された静電潜像を担持する像担持体と、前記像担持体にトナーを供給し、トナー画像を現像する現像装置と、前記露光装置を支持する支持ユニットと、を備え、前記露光装置は、前記レーザ光の光路を規定する光学素子を収容する筐体と、前記筐体を前記支持ユニットに対して位置決めする位置決め要素と、前記支持ユニットから前記筐体へ向かう振動を抑制する防振要素と、前記筐体から前記支持ユニットに向けて延出する延出部と、を備え、前記支持ユニットは、前記延出部が挿入される開口部を形成する第1面を含み、前記位置決め要素は、前記延出部を前記第1面から離間させるように支持しつつ、前記開口部内で前記延出部を位置決めし、前記防振要素は、前記第1面と前記延出部との間に配設されることを特徴とする(請求項5)。
【0018】
上記構成によれば、露光装置からのレーザ光によって形成された静電潜像にトナーが供給されることにより像担持体上にトナー画像が形成される。レーザ光の光路を規定する光学素子を収容する露光装置の筐体は支持ユニットにより支持される。筐体から支持ユニットに向けて延出する延出部は、開口部内に挿通される。位置決め要素は、開口部を形成する第1面から離間させるように支持しつつ、開口部内で延出部を位置決めする。位置決め要素が延出部を開口部内で位置決めすることにより、光学素子を収容する筐体は支持ユニットに対して適切に位置決めされる。加えて、第1面から延出部が離間されることにより、支持ユニットと延出部との間の直接的な接触部分が低減される。この結果、支持ユニットから筐体への振動の伝達が好適に抑制される。第1面から延出部が離間される結果、防振要素が第1面と延出部との間に配設可能となる。第1面と延出部との間の防振要素は、支持ユニットから筐体へ伝達される振動の抑制に一層の貢献を果たす。かくして、防振機能及び位置決め機能の両立が図られた画像形成装置が提供される。
【発明の効果】
【0019】
上述の如く、本発明は、筐体の位置決め精度を確保しつつ、筐体へ伝達される振動を好適に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施形態に係る画像形成装置の斜視図である。
【図2】図1に示される画像形成装置の内部構造を概略的に示す図である。
【図3】図1に示される画像形成装置に組み込まれた4つの露光装置の斜視図である。
【図4】図3に示される4つの露光装置を支持する枠体の斜視図である。
【図5】図3に示される4つの露光装置のうち1つの斜視図である。
【図6】図5に示される露光装置と図4に示される枠体の第2支持部との接続を示す斜視図である。
【図7】図6に示される第4延出部と第2支持部との接続を示す拡大斜視図である。
【図8】図4に示される枠体への露光装置の取り付けを概略的に示す展開斜視図である。
【図9】図8に示される枠体に対する露光装置を位置決め及び枠体から露光装置へ伝達される振動を抑制するための構造を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態が説明される。尚、以下の説明で用いられる「上」、「下」、「左」や「右」などの方向を表す用語は、単に、説明の明瞭化を目的とするものであり、何ら本発明を限定するものではない。
【0022】
(画像形成装置)
図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置の外観斜視図である。尚、図1の画像形成装置は、プリンタである。代替的に、コピー機、ファクシミリ、これらの機能を備える複合機やシートに画像を形成可能な他の装置が画像形成装置として用いられてもよい。
【0023】
画像形成装置1は、略直方体形状の主筐体2と、主筐体2の正面側に突出するトレイ510と、トレイ510の下方に配設されるカセット300とを備える。主筐体2は、シートに画像を形成するのに必要な様々な機器(例えば、後述される画像形成部を構成する要素)を収容する。トレイ510は、主筐体2に、トレイ510の下縁を軸に回動可能に取り付けられる。図1に示されるトレイ510は、上述の如く、主筐体2から突出する突出位置にある。使用者は、突出位置にあるトレイ510上にシートを載置することができる。トレイ510上のシートは、後述される給紙構造体によって、シートに画像を形成する画像形成部に向けて給紙される。使用者が、トレイ510を突出位置から主筐体2に近づけるように回動させると、トレイ510は主筐体2に形成された凹領域21内に収容される。カセット300は、主筐体2に対して、挿脱可能に形成される。カセット300には、上方に開口した開口部が形成される。使用者は、カセット300を主筐体2から正面側に引き抜き、開口部を通じて、カセット300内にシートを収容することができる。カセット300内に所望のシートを収容した後、使用者はカセット300を主筐体2内に挿入することができる。
【0024】
トレイ510の上方に操作パネル22が配設される。使用者は、操作パネル22を操作し、画像形成装置1に所望の動作をさせることができる。操作パネル22は、例えば、トナー画像の濃さを調節するためのボタンを含んでもよい。画像形成装置1は、操作パネル22への使用者による入力及び外部装置(例えば、パーソナルコンピュータ)から送られる画像信号(印刷対象となる画像に関する情報を含む信号)に従って、シートにトナー画像を形成する。
【0025】
トレイ510又はカセット300から給紙されたシートは、画像形成部によってトナー画像の形成がなされた後、主筐体2の上面に形成された排紙トレイ23上に排出される。排紙トレイ23の上側には、略三角柱状の空間が形成され、当該空間内に画像形成処理が施与されたシートが蓄積されることとなる。
【0026】
図2は、画像形成装置1の内部構造を概略的に示す。図1及び図2を参照しつつ、画像形成装置1が更に説明される。
【0027】
トレイ510又はカセット300から搬送されたシートは、主筐体2内で形成された搬送路に案内されつつ、シートにトナー画像を形成する画像形成部410及びトナー画像をシートに定着させる定着部430へ搬送される。その後、シートは、排出部450を通じて、排紙トレイ23上に排出される。
【0028】
搬送路は、画像形成部410に給紙する給紙構造体520を基端として、主筐体2の背面壁24に向けて延びる第1給紙搬送路530と、第1給紙搬送路530の下方に位置するカセット300の下流端(図2中、右端)から上方に向けて延びる第2給紙搬送路310とを含む。給紙構造体520は、トレイ510上のシートを主筐体2内へ引き込む。第1給紙搬送路530及び第2給紙搬送路310は、画像形成部410の画像形成工程とタイミングを合わせて、画像形成部410にシートを送るレジストローラ対320の上流で合流する。
【0029】
搬送路は更に、レジストローラ対320から定着部430までの区間においてシートを案内する主搬送路330と、定着部430から排出部450までの区間においてシートを案内する排出搬送路340とを含む。主搬送路330に沿って移動するシートに画像形成部410はトナー画像を形成する。その後、定着部430は、シートにトナー画像を定着させる。使用者が片面印刷を画像形成装置1にさせるとき、定着部430から排出搬送路340へ送り出されたシートを排出部450は主筐体2外へ排出する。排出されたシートは、排紙トレイ23上に積層されることとなる。
【0030】
使用者が両面印刷を画像形成装置1にさせるとき、排出部450は、定着部430から排出搬送路340へ送り出されたシートを所定量だけ主筐体2外へ送り出した後、主筐体2内へ引き戻すスイッチバック動作を行う。搬送路は更に、排出部450によって引き戻されたシートを案内するための戻し搬送路350を含む。戻し搬送路350は、排出部450から主筐体2の背面壁24へ向かって延び、その後、下方に向けて延びる。更にその後、戻し搬送路350は、第2給紙搬送路310に向けて延び、最終的に、第2給紙搬送路310と合流する。
【0031】
第1給紙搬送路530、第2給紙搬送路310、主搬送路330、排出搬送路340及び戻し搬送路350の適所には、これら搬送路に案内されるシートを搬送するための搬送ローラ対360が配設される。
【0032】
上述の如く、トレイ510上に載置されたシートは、給紙構造体520によって、第1給紙搬送路530に送り込まれる。給紙構造体520は、主筐体2に向けて下方に傾斜したトレイ510上のシートの先頭縁を押し上げるリフト板521と、リフト板521によって押し上げられたシートの先頭縁と接触可能に配設された給紙ローラ522と、給紙ローラ522の下方に配設された分離パッド523とを含む。給紙ローラ522が回転すると、シートは、給紙ローラ522と分離パッド523との間を通過し、第1給紙搬送路530内へ送り込まれる。分離パッド523は、給紙ローラ522と分離パッド523との間を通過するシートに対して摩擦力を与える。したがって、給紙ローラ522が複数枚のシートを第1給紙搬送路530へ送り込もうとするとき、分離パッド523は最上位にあるシート(給紙ローラ522と直接的に接触するシート)以外のシートに搬送方向と逆方向に作用する摩擦力を与え、第1給紙搬送路530内への搬送を妨げる。この結果、シートは1枚ずつ第1給紙搬送路530内へ送り込まれることとなる。
【0033】
他のもう1つの給紙源として用いられるカセット300は、カセット300の内部に収容されたシートを支持するリフト板305を含む。リフト板305は、カセット300内のシートの先頭縁を上方に(カセット300の開口部及び/又は後述のピックアップローラ311に向けて)押し上げるように傾斜する。リフト板305の下流端の上方には、ピックアップローラ311が配設される。ピックアップローラ311は、リフト板305が押し上げたシートの先頭縁に接触する。この結果、ピックアップローラ311が回転すると、シートはカセット300から下流へ送り出される。
【0034】
ピックアップローラ311の下流には、給紙ローラ312及び給紙ローラ312の下方に位置するリタードローラ313が配設される。ピックアップローラ311は、給紙ローラ312とリタードローラ313との間にシートを送り込む。給紙ローラ312は、シートを更に下流へ送り出すように回転する。リタードローラ313の回転は、トルクリミッタにより制御される。ピックアップローラ311が2以上のシートを給紙ローラ312とリタードローラ313との間に送り込んだとき、トルクリミッタが作動し、リタードローラ313を回転不能にする。この結果、リタードローラ313は、最上位にあるシート(給紙ローラ312と直接的に接触するシート)以外のシートの搬送に抗する摩擦力を与えることとなる。ピックアップローラ311が1枚のシートを給紙ローラ312とリタードローラ313との間に送り込んだとき、トルクリミッタは作動せず、リタードローラ313はシートの搬送に従って回転する。この結果、シートは1枚ずつ第2給紙搬送路310へ送り込まれることとなる。
【0035】
第2給紙搬送路310へ送り込まれたシートは、第2給紙搬送路310に設けられた搬送ローラ対360によってレジストローラ対320に向けて送り出される。上述の戻し搬送路350は、第2給紙搬送路310の搬送ローラ対360の上流で合流する。したがって、第2給紙搬送路310の搬送ローラ対360は、戻し搬送路350を通じて第2給紙搬送路310に供給されたシートも同様にレジストローラ対320へ送り出す。レジストローラ対320の上流で、第1給紙搬送路530及び第2給紙搬送路310は合流する。したがって、レジストローラ対320は、第1給紙搬送路530又は第2給紙搬送路310を通じて搬送されたシートを画像形成部410へ供給する。
【0036】
画像形成部410は、イエロー用トナーコンテナ900Y、マゼンタ用トナーコンテナ900M、シアン用トナーコンテナ900C、ブラック用トナーコンテナ900Bkを含む。これらコンテナの下方には、YMCBk各色に対応する現像装置10Y、10M、10C、10Bkがそれぞれ配設される。画像形成部410は、これらトナーコンテナ900Y、900M、900C、900Bkに収容されたトナーを用いて、シートに画像を形成する。
【0037】
画像形成部410は、各色のトナー像を担持する像担持体として用いられる感光体ドラム17(電子写真方式で潜像が形成される感光体)を含む。感光体ドラム17として、アモルファスシリコン(a−Si)系材料を用いた感光体ドラムを用いることができる。各感光体ドラム17には、トナーコンテナ900Y、900M、900C、900Bkからそれぞれイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナーが供給される。
【0038】
感光体ドラム17の周囲には、帯電器16、現像装置10Y、10M、10C、10Bk、転写器19及びクリーニング装置18が配置される。帯電器16は、感光体ドラム17の表面を均一に帯電する。帯電後の感光体ドラム17の周面は、露光装置600からのレーザ光によって露光される。この結果、静電潜像が感光体ドラム17の周面に形成される。露光装置600は、例えば、外部装置からの画像信号(画像情報を含む信号)に基づき、帯電後の感光体ドラム17の表面にレーザ光を出射する。静電潜像を担持した感光体ドラム17の周面は、現像装置10Y、10M、10C、10Bkに向かう。現像装置10Y、10M、10C、10Bkは、それぞれトナーコンテナ900Y、900M、900C、900Bkから供給される各色のトナーを対応する感光体ドラム17へ供給する。この結果、各々の感光体ドラム17上に形成された静電潜像に合致するトナー画像が形成される。転写器19は、中間転写ベルト921を挟んで感光体ドラム17とニップ部を形成し、感光体ドラム17上のトナー像を中間転写ベルト921上に一次転写する。クリーニング装置18は、トナー像転写後の感光体ドラム17の周面を清掃する。
【0039】
各現像装置10Y、10M、10C、10Bkは、現像筐体20を備える。現像筐体20の内部には、磁性キャリアとトナーとを有する2成分現像剤が収納される。また、現像筐体20内には、現像筐体20の底部近傍に長手方向を軸方向として並列に2本の攪拌ローラ11、12が回転可能に配置される。
【0040】
現像筐体20の内部底面には、現像剤の循環経路が設定される。攪拌ローラ11、12は循環経路内に配設される。攪拌ローラ11、12の間の軸方向には、現像筐体20の底部から立設された仕切り壁201が設けられる。仕切り壁201は、循環経路を区画する。仕切り壁201の周囲を周回するように、循環経路が形成される。2成分現像剤は、循環経路を攪拌ローラ11及び12によって攪拌、搬送されながら帯電される。
【0041】
2成分現像剤は、攪拌ローラ11及び12によって攪拌されつつ、現像筐体20内を循環し、トナーが帯電される。攪拌ローラ11上の2成分現像剤は、上側に位置する磁気ローラ14に吸引されて搬送される。吸引された2成分現像剤は、磁気ローラ14上に磁気ブラシ(図示せず)を形成する。磁気ブラシは、ドクターブレード13によって層厚規制される。現像ローラ15上のトナー層は、磁気ローラ14と現像ローラ15との間の電位差によって形成される。トナー層によって感光体ドラム17上の静電潜像が現像される。
【0042】
露光装置600は、光源、ポリゴンミラー、反射ミラー及び偏光ミラーといった各種の光学系機器を有し、画像形成部410の各々に設けられた感光体ドラム17の周面に、画像信号に基づく光を出射して、静電潜像を形成する。
【0043】
中間転写ユニット92は、中間転写ベルト921、駆動ローラ922及び従動ローラ923を備える。中間転写ベルト921上には、複数の感光体ドラム17からトナー像が重ね塗りされる(一次転写)。重ね塗りされたトナー像は、カセット300又はトレイ510から供給されるシートに二次転写部98において二次転写される。二次転写部98は、駆動ローラ922、駆動ローラ922に巻回される中間転写ベルト921及び当該中間転写ベルト921に圧接される転写ローラ981を含む。中間転写ベルト921を周回駆動させる駆動ローラ922及び従動ローラ923は、主筐体2によって回転自在に支持される。
【0044】
レジストローラ対320から送り出されたシートは、二次転写部98を構成する中間転写ベルト921及び転写ローラ981との間に供給される。中間転写ベルト921と転写ローラ981との間を通過するシートに中間転写ベルト921上のトナー画像が転写される。その後、シートは二次転写部98によって転写されたトナー画像を担持しつつ、定着部430へ送り出される。
【0045】
定着部430は、ヒータ431を内蔵する加熱ローラ432と、加熱ローラ432に圧接される加圧ローラ433とを含む。二次転写部98から送り出されたシートは、加熱ローラ432と加圧ローラ433との間に送り込まれる。シート上のトナーは加熱ローラ432からの熱エネルギを受け溶融し、加圧ローラ433からの圧力を受けることにより、シートに定着される。定着部430は、シートにトナーを定着した後、排出搬送路340を介してシートを排出部450へ送る。
【0046】
排出部450は、排出ローラ対451を含む。排出ローラ対451は正転・逆転可能に形成される。この結果、上述のスイッチバック動作が達成される。
【0047】
(露光装置)
図3は、露光装置600及び露光装置600を支持する枠体の斜視図である。図1乃至図3を参照しつつ、露光装置600及び枠体が説明される。
【0048】
略矩形状の外形輪郭を有する枠体610は、4つの露光装置600を支持するための支持ユニットとして用いられる。枠体610は、画像形成装置1の主筐体2の内壁面に取り付けられる。図3中、最も左方に配設される露光装置600Yは、イエローのトナーを用いてトナー画像を形成する感光体ドラム17にレーザ光線を出射する。露光装置600Yの右側の露光装置600Mは、マゼンタのトナーを用いてトナー画像を形成する感光体ドラム17にレーザ光線を出射する。露光装置600Mの右側の露光装置600Cは、シアンのトナーを用いてトナー画像を形成する感光体ドラム17にレーザ光線を出射する。図3中、最も右方に配設される露光装置600Bkは、ブラックのトナーを用いてトナー画像を形成する感光体ドラム17にレーザ光線を出射する。
【0049】
露光装置600は、略直方体形状の筐体620を備える。枠体610によって支持される筐体620内には、レーザ光線を作り出すための光源及び光源から出射されたレーザ光を感光体ドラム17まで結ぶ光路を形成するための光学素子が収容される。
【0050】
筐体620は、防塵ガラスから形成される略矩形状の窓部621を含む。窓部621は、筐体620の上面の右縁に沿い、露光装置600の主走査方向に延びる。筐体620内に配設された光源からのレーザ光線は、窓部621を透過し、感光体ドラム17の周面に照射される。
【0051】
露光装置600は、窓部621の左縁に沿って延びるスクリュシャフト631と、スクリュシャフト631に接続される清掃部632とを含む。清掃部632は、スクリュシャフト631に取り付けられるリング部633と、リング部633から延出し、窓部621に接触するワイパ部634とを含む。リング部633はスクリュシャフト631の回転によって、主走査方向に往復移動可能である。かくして、窓部621はワイパ部634によって好適に清掃される。
【0052】
枠体610は、連設された4つの露光装置600を支持する第1支持部611と、第1支持部611に対して反対側に配設されるとともに第1支持部611に対して略平行に延びる第2支持部612とを含む。筐体620は、第1支持部611に沿う第1壁622と、第1壁622に対して反対側に位置する第2壁623とを含む。第2支持部612は第2壁623に沿うように形成される。第1支持部611には、筐体620内の光学素子の角度設定を調整するための調整穴641が設けられる。使用者は、調整穴641に所定の工具を挿入して、光学素子の角度設定を変更することができる。したがって、第1支持部611が配設される側は、調節側と称される。第2支持部612の外面には、スクリュシャフト631を駆動するための駆動機構635の一部を収容する駆動ハウジング637が取り付けられる。駆動ハウジング637と第2壁623との間には、スクリュシャフト631を駆動するための駆動機構635の一部が露出する。したがって、第2支持部612が配設される側は、駆動側と称される。枠体610の角隅部には、駆動機構635を駆動するための駆動源636が取り付けられる。
【0053】
図4は、枠体610の外観斜視図である。図3及び図4を参照しつつ、枠体610が説明される。
【0054】
枠体610の第1支持部611は、断面略U字形状の梁部材であり、第1上縁面615と、第1上縁面615の下方に配設される下縁面619と、第1上縁面615と下縁面619との間の主板652と、を備える。第1支持部611には、第1切り欠き部613及び第2切り欠き部614が交互に凹設される。第1切り欠き部613及び第2切り欠き部614は、第1上縁面615から主板652に跨って凹設される。第1上縁面615中において、第1切り欠き部613及び第2切り欠き部614は、第1上縁面615の内縁から調整側方向に向けて延びる。また、主板652中において、第1切り欠き部613及び第2切り欠き部614は、下方に向けて延びる。
【0055】
枠体610の第2支持部612には、第3切り欠き部616が凹設される。第3切り欠き部616は、第2上縁面617を略U字形状に切り欠いてなる開口部を形成するとともに、第2上縁面617を支持する第2支持部612の主板699に対し、略半円弧状の凹空間を形成する。第3切り欠き部616は、第1切り欠き部613に対向する。かくして、露光装置600は、第1切り欠き部613、第2切り欠き部614及び第3切り欠き部616を介して、上方から枠体610の内部に配設することができる。
【0056】
第2支持部612の第2上縁面617上に吸収部材618が取り付けられる。吸収部材618は、枠体610に伝達された振動を吸収する役割を担う。かくして、吸収部材618によって、露光装置600へ伝達される振動が抑制されることとなる。吸収部材618は、第2切り欠き部614に略対向する位置に取り付けられる。
【0057】
図5は、露光装置600の外観斜視図である。図3乃至図5を参照しつつ、露光装置600が説明される。
【0058】
露光装置600の筐体620は、第1支持部611に沿う第1壁622と、第2支持部612に沿う第2壁623とを備える。第1壁622は、第1支持部611へ向けて延出する略円筒形状の第1延出部624及び第2延出部625を備える。本実施形態において、第1延出部624及び第2延出部625それぞれは、筐体620から支持ユニットに向けて延出する延出部として例示される。第1延出部624は、第1切り欠き部613に取付られ、第2延出部625は、第2切り欠き部614に取付られる。第1延出部624と第2延出部625との間には取付穴626が形成される。第1支持部611の第1上縁面615と下縁面619との間の主板652に形成された穴部651を通じて取り付けられた固定具(例えば、ねじやビス)が取付穴626に螺合されることにより、筐体620は枠体610に固定される。穴部651は、調整穴641に連通される。取付穴626の下方には、筐体620の内部空間に連通する連通穴627が形成される。使用者は、上述の如く、調整穴641及び連通穴627を通じて、筐体620の内部に工具の先端を挿入することによって、筐体620内部の光学素子の角度設定を調整可能となる。
【0059】
図6は、露光装置600と第2支持部612との間の接続構造を示す斜視図である。図4乃至図6を参照しつつ、露光装置600と第2支持部612との間の接続が説明される。
【0060】
露光装置600の第2壁623は、第2支持部612に向けて延出する第3延出部628を備える。第1延出部624の略反対側の位置に形成される略円筒形状の第3延出部628は、第2支持部612に形成された第3切り欠き部616に取付られる。第2壁623は、第2支持部612に向けて延出する第4延出部629を備える。第4延出部629は、第2延出部625の略反対側の位置に形成される。第4延出部629は、第2支持部612の第2上縁面617に沿って延びる。
【0061】
図7は、第4延出部629の拡大斜視図である。図5乃至図7を参照しつつ、第4延出部629と第2支持部612との間の接続が説明される。
【0062】
上述の如く、吸収部材618は、第2支持部612の第2上縁面617上に載置される。第4延出部629は、吸収部材618上に据え付けられる。吸収部材618としては、例えば、ゴム板片が好適に用いられる。第1延出部624及び第3延出部628は、略一直線上に形成される。また、第1延出部624及び第2延出部625が形成される第1壁622は、第1延出部624及び第3延出部628を結ぶ直線を直角方向に横切るように形成される。したがって、第1延出部624、第2延出部625及び第3延出部628の基端部同士を結ぶ線は、略直角三角形を形成する。第2延出部625の基端部と第3延出部628の基端部とを結ぶ線は、直角三角形の斜辺を形成し、第1延出部624の基端部と第3延出部628の基端部とを結ぶ線より長い。第1延出部624、第2延出部625及び第3延出部628と第1切り欠き部613、第2切り欠き部614及び第3切り欠き部616との間の接続のみでは、第2延出部625の基端部と第3延出部628の基端部とを結ぶ線周りの回転モーメントを生ずる。吸収部材618を介して第4延出部629を支持する第2支持部612は、第2延出部625の基端部と第3延出部628の基端部とを結ぶ線周りの回転モーメントによる回転に抗するため、枠体610は、安定的に筐体620(露光装置600)を支持することができる。また、第4延出部629によって吸収部材618が適度に圧縮される程度に吸収部材618が第2支持部612の第2上縁面617及び第4延出部629の下面に圧接されるので、吸収部材618が露光装置600の筐体620から離間することなく適切に振動吸収作用を発揮することができる。
【0063】
図8は、枠体610への露光装置600の接続を示す。図4乃至図6並びに図8を参照しつつ、枠体610への露光装置600の接続が説明される。
【0064】
露光装置600は、上方から枠体610内へ挿入される。この結果、第1延出部624は、第1支持部611に形成された第1切り欠き部613に取付られる。また、第2延出部625は、第1支持部611に形成された第2切り欠き部614に取付られる。第3延出部628は、第2支持部612に形成された第3切り欠き部616に取付られる。更に、上述の如く、第4延出部629は、吸収部材618上に据え付けられる。
【0065】
枠体610内に挿入された露光装置600は、略矩形板状の固定片660を用いて枠体610に固定される。本実施形態において、固定片660は、枠体610の第1支持部611とともに、露光装置600の筐体620を支持する支持ユニットとして用いられる。固定片660には、第1延出部624に相補的な形状をなす第1穴部661と第2延出部625に相補的な形状をなす第2穴部662が形成される。本実施形態において、第1穴部661及び第2穴部662は、延出部が挿入される開口部として例示される。第1穴部661には、第1切り欠き部613に取付られた第1延出部624の先端部が挿入される。また、第2穴部662には、第2切り欠き部614に取付られた第2延出部625が挿入される。第1支持部611の主板652には、固定片660を固定するための固定穴653が形成される。固定片660には、固定穴653と連通する貫通穴663が形成される。第1延出部624及び第2延出部625が嵌入された固定片660は、ビスやねじといった副固定具664を、貫通穴663を介して固定穴653に螺合させることにより、第1支持部611に固定される。この結果、露光装置600は、枠体610に対して上下方向の移動を規制されることとなる。
【0066】
第1穴部661と第2穴部662との間の略中間位置に貫通穴665が更に形成される。固定具666(例えば、ねじやビス)は、貫通穴665及び貫通穴665に連通する主板652の略扇形の穴部651に挿通される。固定具666の先端は、第1壁622に形成された取付穴626に螺合される。この結果、筐体620及び固定片660は第1支持部611に圧接されて固定されることとなる。固定具666の頭部と固定片660との間には、固定具666を巻回するコイルバネ667が配設される。コイルバネ667によって、露光装置600は、調整側に付勢されることとなる。
【0067】
筐体620の主走査方向の全長は、第1支持部611の内面と第2支持部612の内面との間の距離よりも短い方が好ましい。この結果、筐体620内の光学素子の駆動に起因する熱によって筐体620が主走査方向に膨張しても、枠体610から過度の応力を受けることが抑制される。コイルバネ667によって、上述の如く、露光装置600が調整側へ付勢されることにより、筐体620の主走査方向の全長と第1支持部611の内面と第2支持部612の内面との間の距離との間の差にかかわらず、露光装置600は、主走査方向に適切に位置決めされることとなる。
【0068】
露光装置600が調整側に付勢される結果、筐体620の第2壁623は、枠体610の第2支持部612から若干離間される。かくして、第2支持部612から露光装置600の筐体620への振動の伝達が好適に抑制される。
【0069】
固定片660は更に、上述の調整穴641を形成する円筒状の突出筒668を含む。上述の如く、調整穴641は、主板652に形成された穴部651及び第1壁622に形成された連通穴627に連通する。かくして、使用者は、所定の工具を調整穴641に挿入し、筐体620の光学素子の角度調整を行うことが可能となる。
【0070】
(筐体の位置決め及び防振)
図9は、固定片660に形成された第1穴部661の周囲の拡大図である。図8及び図9を参照しつつ、固定片660が更に説明される。尚、第1穴部661に設けられる位置決め並びに防振のための構造は、固定片660に形成された第2穴部662にも適用される。
【0071】
固定片660は、第1穴部661を形成する第1面681を含む。第1面681は、第1穴部661に挿入された第1延出部624の周面に対向する。第1面681から第1穴部661の中心に向けて、第1突起部682、第2突起部683及び第3突起部684が突出する。本実施形態において、第1突起部682、第2突起部683及び第3突起部684は、露光装置600の筐体620を支持ユニット(本実施形態において、枠体610及び/又は固定片660)に対して位置決めする位置決め要素として例示される。
【0072】
第1突起部682、第2突起部683及び第3突起部684は、第1延出部624の周面を第1面681から離間させるとともに、第1穴部661に対して同軸となるように第1延出部624を第1穴部661内で位置決めする。上述の如く、第1穴部661内に設けられた突起構造(第1突起部682、第2突起部683及び第3突起部684)は、第2穴部662にも適用されるので、露光装置600の筐体620は、枠体610及び/又は固定片660に対して適切に位置決めされることとなる。
【0073】
第1突起部682、第2突起部683及び第3突起部684は、好ましくは、第1面681に沿って等間隔に配設される。代替的に、第1延出部624を第1穴部661内で適切に位置決め可能な第1突起部682、第2突起部683及び第3突起部684の配置が用いられてもよい。
【0074】
本実施形態において、第1突起部682、第2突起部683及び第3突起部684は、第1面681から一体的に突出している。代替的に、第1突起部682、第2突起部683及び第3突起部684は、第1延出部624の周面から一体的に突出してもよい。必要に応じて、第1面681及び/又は第1延出部624の周面とは別体に形成された第1突起部682、第2突起部683及び第3突起部684が、第1面681と第1延出部624の周面との間に配設されてもよい。
【0075】
本実施形態において、第1延出部624の位置決めのために3つの突起部(第1突起部682、第2突起部683及び第3突起部684)が用いられている。代替的に、2以下の突起部或いは4以上の突起部が第1延出部624の位置決めのために用いられてもよい。第1延出部624の位置決めのために用いられる突起部の数は、例えば、第1延出部624の断面形状(例えば、矩形断面、三角形断面或いは多角形断面)によって適宜決定されてもよい。
【0076】
本実施形態において、第1突起部682、第2突起部683及び第3突起部684は、固定片660と同様に樹脂から成型される。代替的に、第1突起部682、第2突起部683及び第3突起部684は、第1延出部624を適切に位置決めできるのに十分な硬度を有する他の材料から形成されてもよい。
【0077】
本実施形態において、第1突起部682、第2突起部683及び第3突起部684は、調整側に付勢される露光装置600(図8参照)の第1壁622と第1支持部611との直接的な接触を避けるために用いられてもよい。例えば、第1延出部624の基端部に第1突起部682、第2突起部683及び第3突起部684のうち少なくとも1つと接触するように形成された突出部が形成されてもよい。第1延出部624の基端部に形成された突出部と第1面681から突出する突起部(第1突起部682、第2突起部683及び第3突起部684のうち少なくとも1つ)との接触により、調整側へ向かう筐体620の過度の変位が抑制される。この結果、第1壁622は、第1支持部611からわずかに離間した位置に保たれる。かくして、第1支持部611から第1壁622へ直接的に伝達される振動が抑制される。
【0078】
第1突起部682に対向する第1防振部材685が、第1面681と第1延出部624の周面との間に配設される。第2突起部683に対向する第2防振部材686が、第1面681と第1延出部624の周面との間に配設される。第3突起部684に対向する第3防振部材687が、第1面681と第1延出部624の周面との間に配設される。本実施形態において、第1防振部材685、第2防振部材686及び第3防振部材687は、支持ユニット(本実施形態において、枠体610及び/又は固定片660)から露光装置600の筐体620へ向かう振動を抑制する防振要素として例示される。
【0079】
第1防振部材685、第2防振部材686及び第3防振部材687は、第1面681及び第1延出部624の周面に接触する。第1防振部材685は、主に、第1突起部682から第1延出部624へ伝達された振動を吸収する。第2防振部材686は、主に、第2突起部683から第1延出部624へ伝達された振動を吸収する。第3防振部材687は、主に、第3突起部684から第1延出部624へ伝達された振動を吸収する。また、第1防振部材685、第2防振部材686及び第3防振部材687は、第1防振部材685、第2防振部材686及び第3防振部材687と第1面681との間の界面から第1延出部624へ向かう振動成分を好適に低減する。かくして、枠体610及び固定片660へ伝達された他の設備(例えば、図2に関連して説明された感光体ドラム17、現像装置10Y,10M,10C,10Bkや搬送ローラ対360)の動作に起因する振動は、第1防振部材685、第2防振部材686及び第3防振部材687によって好適に吸収される。加えて、第1延出部624と固定片660の第1面681との間の接触面積は、第1穴部661内での第1延出部624の位置決めに必要な大きさに留められている。したがって、枠体610及び固定片660へ伝達された振動は、第1延出部624へほとんど到達しない。かくして、露光装置600は、枠体610及び/又は固定片660に対して、好適に位置決めされるとともに露光装置600へ伝達される振動が好適に抑制される。
【0080】
第1防振部材685の両端部は、第2突起部683及び第3突起部684それぞれから若干離間している。第2防振部材686の両端部は、第1突起部682及び第3突起部684それぞれから若干離間している。第3防振部材687の両端部は、第1突起部682及び第2突起部683それぞれから若干離間している。かくして、第1支持部611が第1穴部661に挿入されたときに、第1面681に接着された第1防振部材685、第2防振部材686及び第3防振部材687が、突起部(第1突起部682、第2突起部683及び第3突起部684)と第1延出部624の周面との間に挟み込まれることが抑制される。
【0081】
本実施形態において、第1防振部材685、第2防振部材686及び第3防振部材687は第1面681に接着されている。代替的に、第1防振部材685、第2防振部材686及び第3防振部材687は、第1延出部624の周面に接着されてもよい。必要に応じて、第1防振部材685、第2防振部材686及び第3防振部材687は、第1延出部624が第1穴部661内で位置決めされた後、第1面681と第1延出部624の周面との間に形成された空隙内に埋め込まれてもよい。
【0082】
第1防振部材685、第2防振部材686及び第3防振部材687は、好適には、高い防振性能を有するブチルゴムからなるゴム片から形成される。代替的に、第1防振部材685、第2防振部材686及び第3防振部材687は、防振性を有する他の材料から形成されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0083】
本発明は、複数の処理ユニットを含む処理装置、特に、カラープリンタ、プリンタ、複写機、ファクシミリ装置、これらの機能を併せ持つ複合機といった各種の画像形成装置に適用可能である。
【符号の説明】
【0084】
1・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・画像形成装置
10Y,10M,10C,10Bk・・・・・・・・・・・現像装置
17・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・感光体ドラム(像担持体)
600,600Y,600C,600M,600Bk・・・露光装置
610・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・枠体(支持ユニット)
620・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・筐体
624・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第1延出部(延出部)
625・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第2延出部(延出部)
660・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・固定片(支持ユニット)
661・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第1穴部(開口部)
662・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第2穴部(開口部)
681・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第1面
682・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第1突起部(位置決め要素)
683・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第2突起部(位置決め要素)
684・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第3突起部(位置決め要素)
685・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第1防振部材(防振要素)
686・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第2防振部材(防振要素)
687・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第3防振部材(防振要素)


【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学素子を収容する筐体と、
該筐体を支持する支持ユニットと、
前記筐体を前記支持ユニットに対して位置決めする位置決め要素と、
前記支持ユニットから前記筐体へ向かう振動を抑制する防振要素と、
前記筐体から前記支持ユニットに向けて延出する延出部と、を備え、
前記支持ユニットは、前記延出部が挿入される開口部を形成する第1面を含み、
前記位置決め要素は、前記延出部を前記第1面から離間させるように支持しつつ、前記開口部内で前記延出部を位置決めし、
前記防振要素は、前記第1面と前記延出部との間に配設されることを特徴とする支持構造。
【請求項2】
前記防振要素は、前記位置決め要素に対向するように配設されることを特徴とする請求項1に記載の支持構造。
【請求項3】
前記位置決め要素は、前記第1面から突出する第1突起部、第2突起部及び第3突起部を含み、
前記防振要素は、前記第1突起部に対向するように配設された第1防振部材、前記第2突起部に対向するように配設された第2防振部材及び前記第3突起部に対向するように配設された第3防振部材を含むことを特徴とする請求項2に記載の支持構造。
【請求項4】
前記第1突起部、前記第2突起部及び前記第3突起部は、前記第1面に沿って等間隔に配設されることを特徴とする請求項3記載の支持構造。
【請求項5】
レーザ光を照射する露光装置と、
該露光装置からの前記レーザ光によって形成された静電潜像を担持する像担持体と、
前記像担持体にトナーを供給し、トナー画像を現像する現像装置と、
前記露光装置を支持する支持ユニットと、を備え、
前記露光装置は、前記レーザ光の光路を規定する光学素子を収容する筐体と、
前記筐体を前記支持ユニットに対して位置決めする位置決め要素と、
前記支持ユニットから前記筐体へ向かう振動を抑制する防振要素と、
前記筐体から前記支持ユニットに向けて延出する延出部と、を備え、
前記支持ユニットは、前記延出部が挿入される開口部を形成する第1面を含み、
前記位置決め要素は、前記延出部を前記第1面から離間させるように支持しつつ、前記開口部内で前記延出部を位置決めし、
前記防振要素は、前記第1面と前記延出部との間に配設されることを特徴とする画像形成装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−248235(P2011−248235A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−123209(P2010−123209)
【出願日】平成22年5月28日(2010.5.28)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】