説明

支持装置及びそれを備えた画像形成装置及び給紙装置

【課題】床面を傷つけることがなく、また床面に対して滑ることがなく、更に分解が簡単であり、構成部材を容易に再利用することができる支持装置、及びそれを備えた画像形成装置と給紙装置を提供する。
【解決手段】支持装置は、装置筐体に取り付けられ、装置筐体を支持する。支持装置は、軸部31bと鍔部31cを有する脚部材31と、弾性材からなり、鍔部31cに装着するための嵌入孔を有する装着面34dと、床面と接する接地面34aを有する接地部材34と、接地部材34の脚部材31からの離脱を防止すると共に、接地部材34の脚部材31からの取り外しが可能なフィルム部材37とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機器を支持する支持装置、及び支持装置を備えた複写機、プリンタ、ファクシミリ、それらの複合機等の画像形成装置、及び支持装置を備えた給紙装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置として、デスクトップタイプの小型の装置から床置タイプの大型の装置まで様々なタイプのものが知られている。これらの画像形成装置には、装置筐体の底面の四隅に脚部材が取り付けられる固定式、或いは脚部材とともにキャスタが取り付けられている可動式のものとがある。床置タイプの大型の装置では、装置の移動を容易にするために可動式のものが取り付けられ、キャスタによって装置を所望の位置に移動させた後に、四隅の脚部材が床に接地するようになっている(特許文献1)。
【0003】
通常、脚部材は、装置の荷重に耐え得るだけの十分な強度を備えるように、金属部品で構成されている。しかしながら、脚部材から床面に加わる装置の荷重によって、床面のたわみや凹みが発生し、また地震等の振動に起因して、脚部材が床面を滑り、装置が移動するおそれがある。
【0004】
そこで、特許文献2では、装置を支持する支持装置は、脚部材と、脚部材の底部が嵌められる剛性部材と、剛性部材の下面に貼り合わされたウレタン発泡材の板状弾性部材と、板状弾性部材の下面の床面に接する面に貼り合わされたシリコンゴムのシート状滑り止め部材を備える。支持装置が装置を支持するときに、板状剛性部材の剛性により床面のたわみを防止し、また、板状弾性部材とシート状滑り止め部材によって、脚部材が地震等の振動により滑ることがなく、更に床面に凹み等傷をつけることもない。
【0005】
ところで、近年では、製造物を廃棄処分する場合、それを構成素材毎に分解・分別して回収し、ゴミを減量するとともに資源の再利用が図られるようになってきている。しかしながら、上述した先行技術では、剛性部材と板状弾性部材をビニル重合体等の接着剤で貼りあわせ、また板状弾性部材とシート状滑り止め部材もビニル重合体等の接着剤で貼りあわせているので、剛性部材と板状弾性部材とシート状滑り止め部材との分解が難しく、分別作業が煩雑となる。また分別せずに廃棄されると、ゴミが増加し、資源の有効な再利用が図れないという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−126605号公報(段落[0017]〜[0019]、図2)
【特許文献2】特開2006−158473号公報(段落[0033]〜[0038]、図3)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、床面を傷つけることがなく、また床面に対して滑ることがなく、更に、分解が簡単であり、構成部材を容易に再利用することができる支持装置、及びそれを備えた画像形成装置と給紙装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために本発明は、装置筐体に取り付けられ、装置筐体を支持する支持装置において、軸部と鍔部を有する脚部材と、弾性材からなり、前記鍔部に装着するための嵌入孔を有する装着面と、床面と接する接地面を有する接地部材と、前記嵌入孔の開口部周辺に、前記接地部材の前記脚部材からの離脱を防止すると共に、前記接地部材の脚部材からの取り外しが可能な阻止手段とを備えることを特徴としている。
【0009】
この構成によれば、弾性材からなる接地部材は、脚部材を一体的に保持し、脚部材を介して、支持する装置の荷重を支える。振動等があっても、阻止手段は接地部材の脚部材からの離脱を阻止し、接地部材は床面に対して滑ることがない。支持装置を分解するときには、阻止手段を取り外し、接地部材を弾性に抗して脚部材の鍔部から外す。
【0010】
また、請求項2に記載の発明では、前記阻止手段は、前記軸部が貫通する貫通孔と、前記装着面に貼り付け可能な貼付け面を有するフィルム部材からなるとを特徴としている。この構成によれば、弾性材からなる接地部材は、脚部材を一体的に保持し、脚部材を介して、支持する装置の荷重を支える。脚部材はフィルム部材の貫通孔に嵌まり、更に、貼り付け面は接地部材の上面に貼り付くことにより、振動等があっても、接地部材が脚部材から離脱するのを阻止され、接地部材は床面に対して滑ることがない。支持装置を分解するときには、フィルム部材を接地部材から剥し、接地部材を弾性に抗して脚部材の鍔部から外す。
【0011】
また、請求項3に記載の発明では、前記接地部材は前記嵌入孔の開口部から外方に延びるボス部が設けられ、前記阻止手段は、前記ボス部に弾性変形によって外嵌するリング状の止め輪部材からなることを特徴としている。この構成によれば、弾性材からなる接地部材は、脚部材を一体的に保持し、脚部材を介して、支持する装置の荷重を支える。止め輪部材はボス部に弾性力によって係合することによって、振動等があっても、接地部材が脚部材から離脱するのを阻止され、接地部材は床面に対して滑ることがない。支持装置を分解するときには、止め輪部材を弾性に抗してボス部から取り外し、更に、接地部材を弾性に抗して脚部材の鍔部から外す。
【0012】
また、請求項4に記載の発明では、前記脚部材の鍔部には環状の凹部が形成され、前記接地部材には前記凹部に嵌まり得る環状の凸部が形成され、前記阻止手段は前記凹部と前記凸部からなることを特徴としている。この構成によれば、弾性材からなる接地部材は、脚部材を一体的に保持し、脚部材を介して、支持する装置の荷重を支える。凹部及び凸部が嵌合することによって、振動等があっても、接地部材が脚部材から離脱するのを阻止され、接地部材は床面に対して滑ることがない。支持装置を分解するときには、凹部及び凸部の嵌合を外し、接地部材を弾性に抗して脚部材の鍔部から外す。
【0013】
また、請求項5に記載の発明では、前記阻止手段は、前記脚部材の軸部が貫通する貫通孔と、前記接地部材に装着面側から外嵌する嵌合凹部と、前記軸部に形成される係止溝に弾性変形によって係合可能な係止部とを有するカバー部材からなることを特徴としている。この構成によれば、弾性材からなる接地部材は、脚部材を一体的に保持し、脚部材を介して、支持する装置の荷重を支える。脚部材はカバー部材の貫通孔に嵌まるとともに嵌合凹部に嵌まり、更に、カバー部材の係止部は脚部材の係止溝に弾性的に係合することにより、振動等があっても、接地部材が脚部材から離脱するのを阻止され、接地部材は床面に対して滑ることがない。支持装置を分解するときには、カバー部材の係止部を弾性に抗して係止溝から外して、カバー部材を脚部材から抜き出し、次に、接地部材を弾性に抗して脚部材の鍔部から外す。
【0014】
また、請求項6に記載の発明では、上記の構成の支持装置に支持される画像形成装置である。
【0015】
また、請求項7に記載の発明では、上記の構成の支持装置に支持される給紙装置である。
【発明の効果】
【0016】
請求項1に記載の発明によれば、弾性材からなる接地部材は、脚部材を一体的に保持し、脚部材を介して、支持する装置の荷重を支えるので、床面を傷つけることがない。また、振動等があっても、阻止手段は接地部材の脚部材からの離脱を阻止し、接地部材は床面に対して滑ることがなく、支持装置は装置を堅固に安定して支持する。更に、阻止手段を取り外し、接地部材を弾性に抗して脚部材の鍔部から外すことにより、支持装置が簡単に分解され、構成部材を容易に再利用することができる。
【0017】
また、請求項2に記載の発明によれば、弾性材からなる接地部材は、脚部材を一体的に保持し、脚部材を介して、支持する装置の荷重を支えるので、床面を傷つけることがない。また、脚部材はフィルム部材の貫通孔に嵌まり、更に、貼り付け面は接地部材の上面に貼り付くことによって、振動等があっても、接地部材が脚部材から離脱するのを阻止され、接地部材は床面に対して滑ることがない。従って、支持装置は装置を堅固に安定して支持する。更に、フィルム部材を接地部材から剥し、接地部材を弾性に抗して脚部材の鍔部から外すことにより、支持装置が簡単に分解され、構成部材を容易に再利用することができる。
【0018】
また、請求項3に記載の発明によれば、弾性材からなる接地部材は、脚部材を一体的に保持し、脚部材を介して、支持する装置の荷重を支えるので、床面を傷つけることがない。また、止め輪部材は接地部材のボス部に弾性力によって係合することによって、振動等があっても、接地部材が脚部材から離脱するのを阻止され、接地部材は床面に対して滑ることがなく、支持装置は装置を堅固に安定して支持する。更に、止め輪部材を弾性に抗してボス部から取り外し、更に、接地部材を弾性に抗して脚部材の鍔部から外すことにより、支持装置が簡単に分解され、構成部材を容易に再利用することができる。
【0019】
また、請求項4に記載の発明によれば、弾性材からなる接地部材は、脚部材を一体的に保持し、脚部材を介して、支持する装置の荷重を支えるので、床面を傷つけることがない。また、凹部及び凸部が嵌合することによって、振動等があっても、接地部材が脚部材から離脱するのを阻止され、接地部材は床面に対して滑ることがなく、支持装置は装置を堅固に安定して支持する。更に、凹部及び凸部の嵌合を外し、接地部材を弾性に抗して脚部材の鍔部から外すことにより、支持装置が簡単に分解され、構成部材を容易に再利用することができる。
【0020】
また、請求項5に記載の発明によれば、弾性材からなる接地部材は、脚部材を一体的に保持し、脚部材を介して、支持する装置の荷重を支えるので、床面を傷つけることがない。また、脚部材はカバー部材の貫通孔に嵌まるとともに嵌合凹部に嵌まり、更に、カバー部材の係止部は脚部材の係止溝に弾性的に係合することによって、振動等があっても、接地部材が脚部材から離脱するのを阻止され、接地部材は床面に対して滑ることがない。従って、支持装置は装置を堅固に安定して支持する。更に、カバー部材の係止部を弾性に抗して係止溝から外して、カバー部材を脚部材から抜き出し、次に、接地部材を弾性に抗して脚部材の鍔部から外すことにより、支持装置が簡単に分解され、構成部材を容易に再利用することができる。
【0021】
また、請求項6に記載の発明によれば、床面を傷つけることがなく、また床面に対して滑ることがなく、更に、分解が簡単であり、構成部材を容易に再利用することができる支持装置を備える画像形成装置にすることができる。
【0022】
また、請求項7に記載の発明によれば、床面を傷つけることがなく、また床面に対して滑ることがなく、更に、分解が簡単であり、構成部材を容易に再利用することができる支持装置を備える給紙装置にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】は、本発明の第1実施形態である支持装置を備えた給紙装置を示す斜視図である。
【図2】は、本発明の第1実施形態である支持装置における阻止手段を取り付ける前の状態を示す斜視図である。
【図3】は、本発明の第1実施形態である支持装置の要部を示す一部断面した斜視図である。
【図4】は、本発明の第2実施形態である支持装置における阻止手段を取り付ける前の状態を示す斜視図である。
【図5】は、本発明の第2実施形態である支持装置を示す斜視図である。
【図6】は、本発明の第3実施形態である支持装置の要部を示す一部断面した斜視図である。
【図7】は、本発明の第4実施形態である支持装置おける阻止手段を取り付ける前の状態を示す斜視図である。
【図8】は、本発明の第4実施形態である支持装置を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に本発明の実施形態について図面を参照して説明するが、本発明は、この実施形態に限定されない。また発明の用途やここで示す用語等はこれに限定されるものではない。
【0025】
(第1実施形態)
図1は、本発明の支持装置を備えた給紙装置を示す斜視図である。給紙装置1は、オプション機器として、図示しない画像形成装置の下部に着脱自在に取り付けられ、画像形成装置に装着されると、画像形成装置に用紙を供給することができる。
【0026】
給紙装置1は、装置筐体1a内に給紙カセット11、12を備える。給紙カセット11、12は、載置台上に多数枚の用紙を重ねて収容する。給紙時には、用紙の量に応じて載置台が上昇させられることにより、収容された多数枚の用紙のうち最上位にある用紙がピックアップローラに押し当てられる。ピックアップローラによって、最上位置の用紙から1枚ずつ画像形成装置に給紙するようになっている。
【0027】
給紙装置1は、前面部1bと、側面部1c、1dと、背面部1e及び底面部1fで包囲されることにより、上面が開口した箱形状をなしている。給紙カセット11、12は装置筐体1aに対してレール部材を介して前面部1b側に引き出し可能に支持されている。給紙カセット11、12を装置筐体1aから引き出した状態において、用紙が給紙カセット11、12に補給される。底面部1fの四隅には、キャスタ21と支持装置30が設けられる。
【0028】
キャスタ21は、例えば、円筒状のコロと、コロの内周面に嵌め込まれた回転軸と、この回転軸を回転自在に保持する保持部材を備える。このキャスタ21によって、給紙装置1を所望の位置に移動させることができる。
【0029】
支持装置30は、床面に給紙装置1を設置し、給紙装置1に画像形成装置を装着した状態で、給紙装置1と画像形成装置の荷重を支えることになる。支持装置30には、上下高さの調整機構が設けられる。給紙装置1をキャスタ21によって移動させているときには、調整機構によって、支持装置30は床面に接触しないように高さを調整され、給紙装置1を床面に設置するときには、調整機構によって、支持装置30は床面に接地するように高さを調整される。
【0030】
次に、支持装置30を図2、図3に基づいて詳しく説明する。図2は支持装置における阻止手段を取り付ける前の状態を示す斜視図であり、図3は支持装置における阻止手段を取り付けた状態の要部を示す一部断面した斜視図である。
【0031】
図2に示すように、支持装置30は、脚部材31と、接地部材34と、阻止手段であるフィルム部材37とを備える。
【0032】
脚部材31は、金属製の軸で構成され、上部にネジ部31aを有する。このネジ部31aは装置筐体1aの底面部1f(図1参照)に設けたネジに螺合し、互いのネジ間で回転することによって、脚部材31の上下方向の高さが調整される。
【0033】
接地部材34は、ウレタンゴム等の弾性変形可能な弾性材で円筒状に形成され、接地面34aと、その反対側に装着面34bを有する。尚、接地部材34は円筒形に限らず角形でもよい。装着面34bには、後述する開口部が形成され、この開口部には脚部材31の下部を挿入することができる。接地面34aは、給紙装置1の設置状態で床面に接地し、給紙装置1と画像形成装置の荷重を受けることになる。
【0034】
フィルム部材37はシート状で環状をなしている。フィルム部材37に形成した孔に脚部材31を嵌め込んで、フィルム部材37の下面を接地部材34の装着面34bに貼り付ける。装置を移動時、支持装置30は上方へ退避させているが、絨毯、床の段差があると接地部材34が段差に当たることがあるが、この段差に当たっても、接地部材34が脚部材31から外れるの阻止することができる。
【0035】
図3を用いて、接地部材34が脚部材31から離脱するのを阻止する構成、作用を詳しく説明する。
【0036】
脚部材31は、前述のネジ部31aと、ネジ部31aの下方に形成される軸部31bと、軸部31bの下方に形成される鍔部31cとを有する。鍔部31cは軸部31bより大きい外径で円形をなしている。
【0037】
接地部材34には、夫々同心の円形状の開口である上側開口部34c、鍔嵌装開口部34d及び下側開口部34eが形成されている。鍔嵌装開口部34dは脚部材31の鍔部31cの外径と略同じ大きさであり、また、上側開口部34cは、軸部31bの外径より大きくて鍔部31cの外径より小さく、更に、下側開口部34eは鍔部31cの外径より小さい。従って、接地部材34の弾性変形を利用して、上側開口部34cを広げ、鍔部31cを上側開口部34cから挿入すると、鍔嵌装開口部34dは、その上側当接面34fと下側当接面34gとともに、鍔部31cを囲んで挟持することになる。これによって、脚部材31は接地部材34に安定して保持される。これらの上側開口部34cと、上側当接面34fと、鍔嵌装開口部34及び下側当接面34gは、鍔部31cを装着する嵌入孔を構成する。
【0038】
フィルム部材37は、ポリエチレンテレフタレートシートからなり、軸部31bに嵌装する貫通孔37aと、接地部材34の装着面34bに対面する貼り付け面37bとを有する。貼り付け面37bは、その表面に粘着剤を塗布して形成される。または、貼り付け面37bは基材の両面に粘着剤を有する両面テープで構成される。
【0039】
接地部材34が脚部材31の鍔部31cを囲んで挟持した状態で、フィルム部材37の貫通孔37aを脚部材31の軸部31bに嵌装し、貼り付け面37bを接地部材34の装着面34bに貼り付けると、支持装置30は、給紙装置1と画像形成装置を堅固に安定して支持する。
【0040】
支持装置30を廃棄処分するために、それを構成部材毎に分解する場合には、支持装置30を給紙装置1から外し、まず、接地部材34と脚部材31に貼り付けたフィルム部材37を剥す。次に、接地部材34の弾性に抗して、脚部材31の鍔部31cを上側開口部34cから引き出すと、支持装置30は接地部材34と脚部材31に分解され、ゴム材と金属材を分別して回収することができる。また、リサイクル用の両面テープを使用すると、取り外しが更に良好となる。
【0041】
(第2実施形態)
図4及び図5は、本発明の第2実施形態に係る支持装置を示す斜視図である。図4は、支持装置230における阻止手段を取り付ける前の状態を示す斜視図であり、図5は阻止手段を取り付けた状態を示す斜視図である。尚、第1実施形態と異なる、阻止手段について説明し、以降、第1実施形態と同じ部分の説明を省略する。
【0042】
図4に示すように、脚部材231は、金属製の軸で構成され、上部にネジ部231aと、ネジ部231aの下方に形成される軸部231bと、軸部231bの下方に形成される、図示しない鍔部とを有する。ネジ部231aは装置筐体1aの底面部1f(図1参照)に設けたネジに螺合し、互いのネジ間で回転することによって、脚部材231の上下方向の高さが調整される。鍔部は第1実施形態の鍔部31cと同じ構成作用を有する。
【0043】
接地部材234は、ウレタンゴム等の弾性変形可能な弾性材で円筒状に形成され、接地面234aと、その反対側に装着面234bを有する。尚、接地部材234は円筒形に限らず角形でもよい。
【0044】
接地面234aは、給紙装置1の設置状態で床面に接地し、給紙装置1と画像形成装置の荷重を受けることになる。
【0045】
装着面234bには、開口部234cとボス部である係合凹部234dが形成される。開口部234cは、装着面234bから上側に突出する部位に形成される開口である。この開口部234cから脚部材231の鍔部を挿入することが可能であり、挿入された鍔部は、第1実施形態と同様に、開口内で挟持される。これによって、脚部材231は接地部材234に安定して保持される。
【0046】
係合凹部234dは、開口部234cの形成される部位の外周に凹状に形成される。係合凹部234dには阻止手段である止め輪部材237が係合することができる。
【0047】
止め輪部材237は、ステンレス鋼等のバネ線材からなり、リング状のリング部237aとスナップ部237bとを有する。スナップ部237bは、リング部237aの両端でリングの外側に向けて折り曲げて形成される。各スナップ部237bを互いに近づけるように保持すると、リング部237aの内径が大きくなり、逆に、スナップ部237bの保持を止めると、弾性によって、リング部237aが元の内径の大きさを戻る。尚、止め輪部材237は、線材に替えて、バネ板材で形成してもよい。
【0048】
接地部材234が脚部材231の鍔部を囲んで挟持した状態で、図4に示すように、止め輪部材237のリング部237aの内径を広げるように、スナップ部237bを保持して、止め輪部材237を脚部材231に通す。リング部237aの内径を大きくした状態のままで、リング部237aを接地部材234の係合凹部234dに合わせ、スナップ部237bの保持を止めると、リング部237aの弾性によってその内径が小さくなり、リング部237aは係合凹部234dを締め付けるように係合する(図5参照)。これで、支持装置230は、給紙装置1と画像形成装置を堅固に安定して支持することになる。
【0049】
支持装置230を廃棄処分するために、それを構成部材毎に分解する場合には、支持装置230を給紙装置1から外し、まず、接地部材234に係合した止め輪部材237を係合凹部234dから外す。次に、接地部材234の弾性に抗して、脚部材231の鍔部を開口部234cから引き出すと、支持装置230は接地部材234と脚部材231に分解され、ゴム材と金属材を分別して回収することができる。
【0050】
(第3実施形態)
図6は、本発明の第3実施形態である支持装置330の要部を示す一部断面した斜視図である。
【0051】
脚部材331は、金属製の軸で構成され、上部に図示しないネジ部と、ネジ部の下方に形成される軸部331bと、軸部331bの下方に形成される鍔部331cとを有する。このネジ部は装置筐体1aの底面部1f(図1参照)に設けたネジに螺合し、互いのネジ間で回転することによって、脚部材331の上下方向の高さが調整される。鍔部331cは軸部331bより大きい外径で円形をなしている。鍔部331cの上面には、環状をした環状凹部331dが形成される。
【0052】
接地部材334は、ウレタンゴム等の弾性変形可能な弾性材で円筒状に形成され、接地面334aと、その反対側に装着面334bを有する。尚、接地部材334は円筒形に限らず角形でもよい。また、接地部材334は、第1実施形態と同様に、脚部材331の鍔部331cを囲い挟持する開口を有する。更に、装着面334bに形成される上側開口部334cの周囲には、環状をした環状凸部334hが形成されている。この環状凸部334hは、上側当接面334fから下側に突出し、脚部材331の環状凹部331dに対向する。環状凸部334hと環状凹部331dは阻止手段を構成する。
【0053】
接地部材334が脚部材331の鍔部331cを囲んで挟持した状態で、環状凸部334hを脚部材331の環状凹部331dに嵌装すると、支持装置330は、給紙装置1と画像形成装置を堅固に安定して支持する。
【0054】
支持装置330を廃棄処分するために、それを構成部材毎に分解する場合には、支持装置330を給紙装置1から外し、まず、環状凸部334hを弾性に抗して脚部材331の環状凹部331dから外す。更に、接地部材334の弾性に抗して、脚部材331の鍔部331cを上側開口部334cから引き出すと、支持装置330は接地部材334と脚部材331に分解され、ゴム材と金属材を分別して回収することができる。
【0055】
(第4実施形態)
図7及び図8は、本発明の第4実施形態に係る支持装置を示す斜視図である。図7は、支持装置430おける阻止手段を取り付ける前の状態を示す斜視図であり、図8は阻止手段を取り付けた状態を示す斜視図である。
【0056】
脚部材431は、金属製の軸で構成され、上部にネジ部431aと、ネジ部431aの下方に形成される軸部431bと、軸部431bの下方に形成される、図示しない鍔部とを有する。軸部431bの周上には、環状の係止溝431cが形成されている。係止溝431cには、後述するカバー部材の係止部が係合し得る。ネジ部431aは装置筐体1aの底面部1f(図1参照)に設けたネジに螺合し、互いのネジ間で回転することによって、脚部材431の上下方向の高さが調整される。鍔部は第1実施形態の鍔部31cと同じ構成作用を有する。
【0057】
接地部材434は、ウレタンゴム等の弾性変形可能な弾性材で円筒状に形成され、接地面434aと、その反対側に装着面434bを有する。尚、接地部材434は円筒形に限らず角形でもよい。装着面434bには開口部434cが形成される。この開口部434cから脚部材431の鍔部を挿入することが可能であり、挿入された鍔部は、第1実施形態と同様に、開口内で挟持される。
【0058】
カバー部材437は、合成樹脂で円板状に形成され、脚部材431の軸部431bに嵌装される貫通孔437aと、接地部材434の装着面434bに対面する平面部437bと、接地部材434の外周に嵌合する嵌合凹部437dと、脚部材431の係止溝431cに係合し得る係止部437cとを有する。係止部437cは、カバー部材437の上面から弾性変形可能なように細く立脚して、その先端部に摘み部437c1を有し、更に係止溝431cに対向し得る係止爪437c2を有する。係止爪437c2は係止溝431cに係合可能であり、摘み部437c1を操作すると、係止溝431cに係合している係止爪437c2は、弾性に抗して係止溝431cから外される。カバー部材437は阻止手段を構成する。
【0059】
接地部材434が脚部材431の鍔部を囲んで挟持した状態で、カバー部材437の貫通孔437aを脚部材431の軸部431bに嵌装し、嵌合凹部437dを接地部材434の外周に嵌合させ、図8に示すように、平面部437bを接地部材434の装着面434bに当接させると、係止爪437c2(係止部437c)は、係止溝431cに対向するとともに、その弾性力によって係止溝431cに係合する。これで、支持装置430は、給紙装置1と画像形成装置を堅固に安定して支持することになる。
【0060】
支持装置430を廃棄処分するために、それを構成部材毎に分解する場合には、支持装置430を給紙装置1から外し、まず、カバー部材437の摘み部437c1を操作し、係止爪437c2の係止溝431cとの係合を解除するとともに、カバー部材437を脚部材431から抜き出す。次に、接地部材434の弾性に抗して、脚部材431の鍔部を開口部434cから引き出すと、支持装置430は接地部材434と脚部材431に分解され、ゴム材と金属材と樹脂材を分別して回収することができる。
【0061】
尚、上記第1〜第4実施形態では、支持装置を給紙装置に適用した例を示したが、本発明はこれに限らない。支持装置は、電子写真方式を利用した複写機、プリンタ、ファクシミリ、それらの複合機等の画像形成装置に適用してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明は、機器を支持する支持装置、及び支持装置を備えた複写機、プリンタ、ファクシミリ、それらの複合機等の画像形成装置、及び支持装置を備えた給紙装置に利用することができる。
【符号の説明】
【0063】
1 画像形成装置
1a 装置筐体
1b 前面部
1c、1d 側面部
1e 背面部
1f 底面部
21 キャスタ
30、230、330、430 支持装置
31、231、331、431 脚部材
31a、231a、431a ネジ部
31b、231b、431b 軸部
31c、331c 鍔部
34、234、334、434 接地部材
34a、234a、334a、434a 接地面
34b、234b 、334b、434b 装着面
34c、334c 上側開口部(嵌入孔)
34d 鍔嵌装開口部(嵌入孔)
34e 下側開口部
34f 上側当接面(嵌入孔)
34g 下側当接面(嵌入孔)
37 フィルム部材(阻止手段)
37a 貫通孔
37b 貼り付け面
234c、434c 開口部
234d 係合凹部(ボス部)
237 止め輪部材(阻止手段)
237a リング部
237b スナップ部
331d 環状凹部(阻止手段)
334h 環状凸部(阻止手段)
431c 係止溝
437 カバー部材(阻止手段)
437a 貫通孔
437b 平面部
437c 係止部
437d 嵌合凹部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置筐体に取り付けられ、装置筐体を支持する支持装置において、
軸部と鍔部を有する脚部材と、
弾性材からなり、前記鍔部に装着するための嵌入孔を有する装着面と、床面と接する接地面を有する接地部材と、
前記嵌入孔の開口部周辺に、前記接地部材の前記脚部材からの離脱を防止すると共に、前記接地部材の脚部材からの取り外しが可能な阻止手段とを備えることを特徴とする支持装置。
【請求項2】
前記阻止手段は、前記軸部が貫通する貫通孔と、前記装着面に貼り付け可能な貼付け面を有するフィルム部材からなるとを特徴とする請求項1に記載の支持装置。
【請求項3】
前記接地部材は前記嵌入孔の開口部から外方に延びるボス部が設けられ、前記阻止手段は、前記ボス部に弾性変形によって外嵌するリング状の止め輪部材からなることを特徴とする請求項1に記載の支持装置。
【請求項4】
前記脚部材の鍔部には環状の凹部が形成され、前記接地部材には前記凹部に嵌まり得る環状の凸部が形成され、前記阻止手段は前記凹部と前記凸部からなることを特徴とする請求項1に記載の支持装置。
【請求項5】
前記阻止手段は、前記脚部材の軸部が貫通する貫通孔と、前記接地部材に装着面側から外嵌する嵌合凹部と、前記軸部に形成される係止溝に弾性変形によって係合可能な係止部とを有するカバー部材からなることを特徴とする請求項1に記載の支持装置。
【請求項6】
請求項1〜請求項5のいずれかに記載の支持装置に支持される画像形成装置。
【請求項7】
請求項1〜請求項5のいずれかに記載の支持装置に支持される給紙装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−219134(P2010−219134A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−61452(P2009−61452)
【出願日】平成21年3月13日(2009.3.13)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】