説明

改善された抗腫瘍治療

本発明は、アプリジンまたはアプリジン類似体と他の抗腫瘍薬との組合せ、および癌の治療、特に肺癌、乳癌、大腸癌、前立腺癌、腎臓癌、黒色腫、多発性骨髄腫、白血病およびリンパ腫の治療におけるこれらの組合せの使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アプリジン(Aplidine)またはアプリジン類似体と他の抗腫瘍薬との組合せ、および癌の治療、特に、肺癌、乳癌、大腸癌、前立腺癌、腎臓癌、黒色腫、多発性骨髄腫、白血病およびリンパ腫の治療におけるこれらの組合せの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
アプリジン(デヒドロジデムニンB)は、地中海海洋性被嚢類のアプリジウムアルビカンス(Aplidium albicans)から単離された環状デプシペプチドであり、WO9104985の主題である。それは、ジデムニンとして知られる化合物に関連しており、以下の構造を有する。
【0003】
【化1】

【0004】
アプリジン、アプリジン類似体、その用途、製剤および合成法に関するさらなる情報は、特許出願WO9942125、WO0135974、WO0176616、WO0230441、WO0202596、WO0333013およびWO2004080477に見出すことができる。これらのPCT文書のそれぞれの内容を具体的な参照により援用する。
【0005】
動物における前臨床試験およびヒトにおける第I相臨床試験の両方において、アプリジンは、白血病およびリンパ腫を含む広範な種類の腫瘍に対して細胞傷害の潜在性を有することが示された。例えば、
Faircloth, G.他、「Dehydrodidemnin B (DDB) a new marine derived anticancer agent with activity against experimental tumour models」、第9回NCI-EORTC Symp. New Drugs Cancer Ther. (3月、12〜15頁、Amsterdam)1996年、Abst 111頁;
Faircloth, G.他、「Preclinical characterization of aplidine, a new marine anticancer depsipeptide」、Proc. Amer. Assoc. Cancer Res. 1997年、38: Abst 692頁;
Depenbrock H、Peter R、Faircloth GT、Manzanares I、Jimeno J、Hanauske AR.「In vitro activity of Aplidine, a new marine-derived anti-cancer compound, on freshly explanted clonogenic human tumour cells and haematopoietic precursor cells」Br. J. Cancer、1998年、78、739〜744頁;
Faircloth G、Grant W、Nam S、Jimeno J、Manzanares I、Rinehart. K.「Schedule-dependency of Aplidine, a marine depsipeptide with antitumor activity」、Proc. Am. Assoc. Cancer Res. 1999年、40、394頁;
Broggini M、Marchini S、D'Incalci M、Taraboletti G、Giavazzi R、Faircloth G、Jimeno J.「Aplidine blocks VEGF secretion and VEGF/VEGF-R1 autocrine loop in a human leukemic cell line」、Clin. Cancer Res. 2000年、6 (追補)、4509頁;
Erba E、Bassano L、Di Liberti G、Muradore I、Chiorino G、Ubezio P、Vignati S、Codegoni A、Desiderio MA、Faircloth G、Jimeno JおよびD'Incalci M.「Cell cycle phase perturbations and apoptosis in tumour cells induced by aplidine」、Br. J. Cancer 2002年、86:1510〜1517頁;
Paz-Ares L、Anthony A、Pronk L、Twelves C、Alonso S、Cortes-Funes H、Celli N、Gomez C、Lopez-Lazaro L、Guzman C、Jimeno J、Kaye S.「Phase I clinical and pharmacokinetic study of aplidine, a new marine didemnin, administered as 24-hour infusion weekly」Clin. Cancer Res. 2000年、6 (追補)、4509;
Raymond E、Ady-Vago N、Baudin E、Ribrag V、Faivre S、Lecot F、Wright T、Lopez Lazaro L、Guzman C、Jimeno J、Ducreux M、Le Chevalier T、Armand JP.「A phase I and pharmacokinetic study of aplidine given as a 24-hour continuous infusion every other week in patients with solid tumor and lymphoma」、Clin. Cancer Res. 2000年、6 (追補)、4510頁;
Maroun J、Belanger K、Seymour L、Soulieres D、Charpentier D、Goel R、Stewart D、Tomiak E、Jimeno J、Matthews S.「Phase I study of aplidine in a 5 day bolus q 3 weeks in patients with solid tumors and lymphomas」、Clin. Cancer Res. 2000年、6 (追補)、4509頁;
Izquierdo MA、Bowman A、Martinez M、Cicchella B、Jimeno J、Guzman C、Germa J、Smyth J.「Phase I trial of Aplidine given as a 1 hour intravenous weekly infusion in patients with advanced solid tumors and lymphoma」、Clin. Cancer Res. 2000年、6 (追補)、4509頁を参照されたい。
【0006】
機構研究によって、アプリジンはALL-MOLT4細胞においてVEGF分泌を遮断することができることが示唆され、インビトロでは、新規または再発したALLおよびAMLを有する小児患者のAMLおよびALL試料において、低濃度(5nM)で細胞傷害活性が認められた。アプリジンは、インビトロでは、薬剤処理した白血病細胞において、G1とG2の両方の停止を誘導すると考えられる。VEGF受容体を下方制御すること以外では、アプリジンの作用様式についてはほとんど知られていない。
【0007】
アプリジンの第I相臨床試験において、骨髄毒性予防のために、L-カルニチンを24時間前処理として投与するか、または共投与した。例えば、WO0230441を参照されたい。L-カルニチンを共投与すると、薬剤誘導性筋肉毒性の回復を改善できることが証明されており、アプリジンの投与の段階的増大が可能になった。
【0008】
既に、他の抗癌剤とアプリジンとを組み合わせて実施されたインビトロおよびインビボアッセイによって、アッセイした薬剤の組合せは、白血病およびリンパ腫を治療するための併用治療に有用であることが示された。WO2004080421において、白血病およびリンパ腫を治療するために、アプリジンは、具体的には、メトトレキセート、シトシンアラビノシド、ミトキサントロン、ビンブラスチン、メチルプレドニゾロンおよびドキソルビシンと組み合わせて評価された。
【0009】
癌は動物およびヒトにおける主要な死因であるので、癌に罹患した患者に投与するのに有効かつ安全な抗腫瘍治療薬を得るために、様々な努力がなされてきたし、現在もなされている。本発明によって解決すべき問題は、癌の治療において有用な抗腫瘍治療薬を提供することである。
【特許文献1】WO9104985
【特許文献2】WO9942125
【特許文献3】WO0135974
【特許文献4】WO0176616
【特許文献5】WO0230441
【特許文献6】WO0202596
【特許文献7】WO0333013
【特許文献8】WO2004080477
【特許文献9】WO2004080421
【非特許文献1】Faircloth, G.他、「Dehydrodidemnin B (DDB) a new marine derived anticancer agent with activity against experimental tumour models」、第9回、NCI-EORTC Symp. New Drugs Cancer Ther. (3月、12〜15頁、Amsterdam)1996年、Abst 111頁
【非特許文献2】Faircloth, G.他、「Preclinical characterization of aplidine, a new marine anticancer depsipeptide」、Proc. Amer. Assoc. Cancer Res. 1997年、38: Abst 692頁
【非特許文献3】Depenbrock H、Peter R、Faircloth GT、Manzanares I、Jimeno J、Hanauske AR.「In vitro activity of Aplidine, a new marine-derived anti-cancer compound, on freshly explanted clonogenic human tumour cells and haematopoietic precursor cells」Br. J. Cancer、1998年、78、739〜744頁
【非特許文献4】Faircloth G、Grant W、Nam S、Jimeno J、Manzanares I、Rinehart. K.「Schedule-dependency of Aplidine, a marine depsipeptide with antitumor activity」、Proc. Am. Assoc. Cancer Res. 1999年、40、394頁
【非特許文献5】Broggini M、Marchini S、D'Incalci M、Taraboletti G、Giavazzi R、Faircloth G、Jimeno J.「Aplidine blocks VEGF secretion and VEGF/VEGF-R1 autocrine loop in a human leukemic cell line」、Clin. Cancer Res. 2000年、6 (追補)、4509頁
【非特許文献6】Erba E、Bassano L、Di Liberti G、Muradore I、Chiorino G、Ubezio P、Vignati S、Codegoni A、Desiderio MA、Faircloth G、Jimeno JおよびD'Incalci M.「Cell cycle phase perturbations and apoptosis in tumour cells induced by aplidine」、Br. J. Cancer 2002年、86:1510〜1517頁
【非特許文献7】Paz-Ares L、Anthony A、Pronk L、Twelves C、Alonso S、Cortes-Funes H、Celli N、Gomez C、Lopez-Lazaro L、Guzman C、Jimeno J、Kaye S.「Phase I clinical and pharmacokinetic study of aplidine, a new marine didemnin, administered as 24-hour infusion weekly」Clin. Cancer Res. 2000年、6 (追補)、4509
【非特許文献8】Raymond E、Ady-Vago N、Baudin E、Ribrag V、Faivre S、Lecot F、Wright T、Lopez Lazaro L、Guzman C、Jimeno J、Ducreux M、Le Chevalier T、Armand JP.「A phase I and pharmacokinetic study of aplidine given as a 24-hour continuous infusion every other week in patients with solid tumor and lymphoma」、Clin. Cancer Res. 2000年、6 (追補)、4510頁
【非特許文献9】Maroun J、Belanger K、Seymour L、Soulieres D、Charpentier D、Goel R、Stewart D、Tomiak E、Jimeno J、Matthews S.「Phase I study of aplidine in a 5 day bolus q 3 weeks in patients with solid tumors and lymphomas」、Clin. Cancer Res. 2000年、6 (追補)、4509頁
【非特許文献10】Izquierdo MA、Bowman A、Martinez M、Cicchella B、Jimeno J、Guzman C、Germa J、Smyth J.「Phase I trial of Aplidine given as a 1 hour intravenous weekly infusion in patients with advanced solid tumors and lymphoma」、Clin. Cancer Res. 2000年、6 (追補)、4509頁
【非特許文献11】Laska E他、Biometrics (1994) 50:834〜841頁
【非特許文献12】Greco他、Pharmacol Rev. (1995) 47: 331〜385頁
【非特許文献13】Sirohi B他、Lancet(2004)363:875〜87頁
【非特許文献14】San Miguel JF他、Curr. Treat. Options Oncol.(2003)4:247〜58頁
【非特許文献15】Greenstein S.他、Exp. Hernatol(2003)31:271〜82頁
【非特許文献16】Chou TC他、Adv. Enzyme Regul.(1984)22:27〜55頁
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
我々は、アプリジンおよびアプリジン類似体が他の抗癌剤を増強し、したがって、癌を治療するための併用治療でうまく利用できることを立証した。本発明は、これらの併用治療を使用して癌を治療するための医薬組成物、医薬品投与形態、キット、方法ならびに併用治療のための医薬品の製造におけるアプリジンおよびアプリジン類似体の使用を対象とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一態様では、癌の治療に有効な他の薬剤を使用した、アプリジンおよびアプリジン類似体をベースにした有効な併用療法を提供する。好ましくは、他の1つまたは複数の薬剤は、肺癌、乳癌、大腸癌、前立腺癌、腎臓癌、黒色腫、多発性骨髄腫、白血病およびリンパ腫から選択される癌の治療に有効である。最も好ましくは、他の1つまたは複数の薬剤は、パクリタキセル(Taxol(登録商標))、ドキソルビシン、シスプラチン、三酸化ヒ素、5-フルオロウラシル(5-FU)、シトシンアラビノシド(AraC)、カルボプラチン、7-エチル-10-ヒドロキシカンプトテシン(SN38)、エトポシド(VP16)、メルファラン、デキサメタゾン、シクロホスファミド、ボルテゾミブ、エルロチニブ、トラスツズマブ、レナリドミド(Revlimid(登録商標))、インターロイキン-2(IL-2)、インターフェロン-α2(INF-α)、ダカルバジン(DTIC)、ベバシズマブ(Avastin(登録商標))、イダルビシン、およびリツキシマブからなる群から選択される。
【0012】
別の実施形態では、本発明は、治療有効量のアプリジンもしくはアプリジン類似体または薬学的に許容されるそのプロドラッグ、塩、溶媒和物もしくは水和物をこのような治療を必要とする患者に投与し、アプリジンまたはアプリジン類似体投与の前、投与中または後に、治療有効量の癌の治療に有効な別の薬剤または薬学的に許容されるそのプロドラッグ、塩、溶媒和物もしくは水和物を投与するステップを含む癌の治療方法を包含する。本発明のさらなる実施形態では、治療有効量の第3の薬剤を、アプリジンもしくはアプリジン類似体および第2の薬剤の投与の前、投与中または後に投与する。
【0013】
好ましくは、他の1つまたは複数の薬剤は、肺癌、乳癌、大腸癌、前立腺癌、腎臓癌、黒色腫、多発性骨髄腫、白血病およびリンパ腫から選択される癌の治療に有効である。最も好ましくは、他の1つまたは複数の薬剤は、パクリタキセル(Taxol(登録商標))、ドキソルビシン、シスプラチン、三酸化ヒ素、5-フルオロウラシル(5-FU)、シトシンアラビノシド(AraC)、カルボプラチン、7-エチル-10-ヒドロキシカンプトテシン(SN38)、エトポシド(VP16)、メルファラン、デキサメタゾン、シクロホスファミド、ボルテゾミブ、エルロチニブ、トラスツズマブ、レナリドミド(Revlimid(登録商標))、インターロイキン-2(IL-2)、インターフェロン-α2(INF-α)、ダカルバジン(DTIC)、ベバシズマブ(Avastin(登録商標))、イダルビシン、サリドマイドおよびリツキシマブからなる群から選択される。他の1つまたは複数の薬剤は、同一組成物の一部を形成するか、または同時、もしくは異なるときに投与するための別々の組成物として提供することができる。
【0014】
別の態様では、本発明は、癌の治療に有効な薬剤、好ましくは肺癌、乳癌、大腸癌、前立腺癌、腎臓癌、黒色腫、多発性骨髄腫、白血病およびリンパ腫から選択される癌の治療に有効な薬剤、最も好ましくは、パクリタキセル(Taxol(登録商標))、ドキソルビシン、シスプラチン、三酸化ヒ素、5-フルオロウラシル(5-FU)、シトシンアラビノシド(AraC)、カルボプラチン、7-エチル-10-ヒドロキシカンプトテシン(SN38)、エトポシド(VP16)、メルファラン、デキサメタゾン、シクロホスファミド、ボルテゾミブ、エルロチニブ、トラスツズマブ、レナリドミド(Revlimid(登録商標))、インターロイキン-2(IL-2)、インターフェロン-α2(INF-α)、ダカルバジン(DTIC)、ベバシズマブ(Avastin(登録商標))、イダルビシン、サリドマイドおよびリツキシマブからなる群から選択された薬剤、または薬学的に許容されるそのプロドラッグ、塩、溶媒和物もしくは水和物の治療有効性を増大させる方法であって、ある量のアプリジンもしくはアプリジン類似体または薬学的に許容されるそのプロドラッグ、塩、溶媒和物もしくは水和物をそれらを必要とする患者に投与するステップを含む方法を包含する。アプリジンもしくはアプリジン類似体は、他の薬剤の投与の前、投与中、または後に投与する。本発明のさらなる実施形態では、治療有効量の第3の薬剤を、アプリジンもしくはアプリジン類似体および第2の薬剤の投与の前、投与中または後に投与する。好ましくは、第3の薬剤は、肺癌、乳癌、大腸癌、前立腺癌、腎臓癌、黒色腫、多発性骨髄腫、白血病およびリンパ腫から選択される癌の治療に有効である。最も好ましくは、第3の薬剤は、パクリタキセル(Taxol(登録商標))、ドキソルビシン、シスプラチン、三酸化ヒ素、5-フルオロウラシル(5-FU)、シトシンアラビノシド(AraC)、カルボプラチン、7-エチル-10-ヒドロキシカンプトテシン(SN38)、エトポシド(VP16)、メルファラン、デキサメタゾン、シクロホスファミド、ボルテゾミブ、エルロチニブ、トラスツズマブ、レナリドミド(Revlimid(登録商標))、インターロイキン-2(IL-2)、インターフェロン-α2(INF-α)、ダカルバジン(DTIC)、ベバシズマブ(Avastin(登録商標))、イダルビシン、サリドマイドおよびリツキシマブまたは薬学的に許容されるそのプロドラッグ、塩、溶媒和物もしくは水和物からなる群から選択される。
【0015】
さらなる態様では、本発明は、アプリジンもしくはアプリジン類似体、または薬学的に許容されるそのプロドラッグ、塩、溶媒和物もしくは水和物および癌の治療に有効な別の薬剤を含む医薬組成物を包含する。本発明のさらなる実施形態では、医薬組成物は癌の治療にも有効である第3の薬剤をさらに含む。好ましくは、他の1つまたは複数の薬剤は、肺癌、乳癌、大腸癌、前立腺癌、腎臓癌、黒色腫、多発性骨髄腫、白血病およびリンパ腫から選択される癌の治療に有効である。最も好ましくは、他の1つまたは複数の薬剤は、パクリタキセル(Taxol(登録商標))、ドキソルビシン、シスプラチン、三酸化ヒ素、5-フルオロウラシル(5-FU)、シトシンアラビノシド(AraC)、カルボプラチン、7-エチル-10-ヒドロキシカンプトテシン(SN38)、エトポシド(VP16)、メルファラン、デキサメタゾン、シクロホスファミド、ボルテゾミブ、エルロチニブ、トラスツズマブ、レナリドミド(Revlimid(登録商標))、インターロイキン-2(IL-2)、インターフェロン-α2(INF-α)、ダカルバジン(DTIC)、ベバシズマブ(Avastin(登録商標))、イダルビシン、サリドマイドおよびリツキシマブからなる群から選択される。
【0016】
本発明はまた、投与形態のアプリジンもしくはアプリジン類似体または薬学的に許容されるそのプロドラッグ、塩、溶媒和物もしくは水和物、投与形態の、癌の治療に有効な別の薬剤または薬学的に許容されるそのプロドラッグ、塩、溶媒和物もしくは水和物、および癌の治療または予防についてそれぞれの作用体を組み合わせて使用するための説明書を含む癌の治療または予防において使用するためのキットを包含する。本発明のさらなる実施形態では、このキットは、投与形態の、癌の治療にも有効な第3の薬剤または薬学的に許容されるそのプロドラッグ、塩、溶媒和物もしくは水和物をさらに含む。好ましくは、他の1つまたは複数の薬剤は、肺癌、乳癌、大腸癌、前立腺癌、腎臓癌、黒色腫、多発性骨髄腫、白血病およびリンパ腫から選択される癌の治療に有効である。最も好ましくは、他の1つまたは複数の薬剤は、パクリタキセル(Taxol(登録商標))、ドキソルビシン、シスプラチン、三酸化ヒ素、5-フルオロウラシル(5-FU)、シトシンアラビノシド(AraC)、カルボプラチン、7-エチル-10-ヒドロキシカンプトテシン(SN38)、エトポシド(VP16)、メルファラン、デキサメタゾン、シクロホスファミド、ボルテゾミブ、エルロチニブ、トラスツズマブ、レナリドミド(Revlimid(登録商標))、インターロイキン-2(IL-2)、インターフェロン-α2(INF-α)、ダカルバジン(DTIC)、ベバシズマブ(Avastin(登録商標))、イダルビシン、サリドマイドおよびリツキシマブからなる群から選択される。
【0017】
3種の薬剤、アプリジンおよびアプリジン類似体ならびに2種のさらなる薬剤(第2の薬剤および第3の薬剤)の使用をベースにした有効な併用治療も本発明によって包含される。
【0018】
好ましい一態様では、本発明は相乗的組合せに関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
「癌」は、腫瘍、新生物および任意の他の悪性組織または細胞を含むことを意味する。本発明は、一般的に癌の治療のため、より好ましくは肺癌、乳癌、大腸癌、前立腺癌、腎臓癌、黒色腫、多発性骨髄腫、白血病およびリンパ腫の治療のために組み合わせたアプリジンまたはアプリジン類似体の使用を対象とする。
【0020】
他の抗癌剤とアプリジンの考えられる増強について研究するために、前述の種類の癌において使用可能な薬剤の組合せの体系的な研究を開始した。薬剤併用の研究は、様々な種類の細胞系について実施した。インビトロにおける研究は、アプリジンに対する感受性が異なる(低いものから高いものまで)NSCL A549、乳癌MX1、前骨髄球性白血病HL60、大腸腺癌HT29、前立腺腺癌PC3、乳腺癌SKBR3および急性リンパ芽球性白血病(MOLT3)などの腫瘍細胞系を使用して実施した。白血病、リンパ腫、多発性骨髄腫および黒色腫細胞系でもさらに研究を実施した。さらに、黒色腫、腎臓、骨髄腫およびリンパ腫を使用したインビトロの研究では、異種移植を使用して、他の標準的薬剤と組み合わせたアプリジンの効果を立証した。最後に、インビトロ研究は、アプリジンと2種のさらなる標準的薬剤(第2および第3の薬剤)を組み合わせた3種の組合せを使用して、多発性骨髄腫細胞系で実施した。
【0021】
一般的結論として、腫瘍細胞におけるアプリジンの細胞傷害性は、この評価で使用した標準的薬剤の多くと組み合わせると著しく増強されることが発見された。主要な相乗効果は、アプリジンとパクリタキセル(Taxol(登録商標))、ドキソルビシン、シスプラチン、三酸化ヒ素、5-フルオロウラシル(5-FU)、シトシンアラビノシド(AraC)、カルボプラチン、7-エチル-10-ヒドロキシカンプトテシン(SN38)、エトポシド(VP16)、メルファラン、デキサメタゾン、シクロホスファミド、ボルテゾミブ、エルロチニブ、トラスツズマブ、レナリドミド(Revlimid(登録商標))、インターロイキン-2(IL-2)、インターフェロン-α2(INF-α)、ダカルバジン(DTIC)、ベバシズマブ(Avastin(登録商標))、イダルビシン、サリドマイドおよびリツキシマブとの組合せで認められた。さらに、細胞傷害性の増強はまた、アプリジンと前述の薬剤の3種の組合せでも得られることが発見された。
【0022】
特に好ましいのは、癌の治療、より詳細には乳癌、白血病および前立腺癌から選択される癌の治療におけるアプリジンとパクリタキセルの組合せである。
【0023】
特に好ましいのは、癌の治療、より詳細には肺癌、大腸癌、前立腺癌および多発性骨髄腫から選択される癌の治療におけるアプリジンとドキソルビシンの組合せである。
【0024】
特に好ましいのは、癌の治療、より詳細には乳癌および大腸癌から選択される癌の治療におけるアプリジンとシスプラチンの組合せである。
【0025】
特に好ましいのは、癌の治療、より詳細には肺癌、大腸癌および前立腺癌から選択される癌の治療におけるアプリジンと三酸化ヒ素の組合せである。
【0026】
特に好ましいのは、癌の治療、より詳細には白血病、肺癌、乳癌および前立腺癌から選択される癌の治療におけるアプリジンと5-フルオロウラシルの組合せである。
【0027】
特に好ましいのは、癌の治療、より詳細には肺癌、乳癌および前立腺癌から選択される癌の治療におけるアプリジンとシトシンアラビノシドの組合せである。
【0028】
特に好ましいのは、癌の治療、より詳細には大腸癌、前立腺癌および黒色腫から選択される癌の治療におけるアプリジンとカルボプラチンの組合せである。
【0029】
特に好ましいのは、癌の治療、より詳細には肺癌の治療におけるアプリジンとSN38の組合せである。
【0030】
特に好ましいのは、癌の治療、より詳細にはリンパ腫および多発性骨髄腫から選択される癌の治療におけるアプリジンとエトポシドの組合せである。
【0031】
特に好ましいのは、癌の治療、より詳細には多発性骨髄腫の治療におけるアプリジンとデキサメタゾンの組合せである。
【0032】
特に好ましいのは、癌の治療、より詳細には多発性骨髄腫の治療におけるアプリジンとレナリドミドの組合せである。
【0033】
特に好ましいのは、癌の治療、より詳細には多発性骨髄腫の治療におけるアプリジンとボルテゾミブの組合せである。
【0034】
特に好ましいのは、癌の治療、より詳細には黒色腫の治療におけるアプリジンとデカルバジンの組合せである。
【0035】
特に好ましいのは、癌の治療、より詳細には腎臓癌の治療におけるアプリジンとベバシズマブの組合せである。
【0036】
特に好ましいのは、癌の治療、より詳細には腎臓癌の治療におけるアプリジンとインターロイキン-2の組合せである。
【0037】
特に好ましいのは、癌の治療、より好ましくは多発性骨髄腫の治療におけるアプリジンとメルファランの組合せである。
【0038】
特に好ましいのは、癌の治療、より詳細には白血病の治療におけるアプリジンとイダルビシンの組合せである。
【0039】
特に好ましいのは、癌の治療、より詳細にはリンパ腫の治療におけるアプリジンとリツキシマブの組合せである。
【0040】
特に好ましいのは、癌の治療、より詳細には多発性骨髄腫の治療におけるアプリジンとサリドマイドの組合せである。
【0041】
特に好ましいのは、癌の治療、より詳細には多発性骨髄腫の治療におけるアプリジンとレナリドミドおよびデキサメタゾンの3種の組合せである。
【0042】
特に好ましいのは、癌の治療、より詳細には多発性骨髄腫の治療におけるアプリジンとボルテゾミブおよびデキサメタゾンの3種の組合せである。
【0043】
特に好ましいのは、癌の治療、より詳細には多発性骨髄腫の治療におけるアプリジンとボルテゾミブおよびレナリドミドの3種の組合せである。
【0044】
特に好ましいのは、癌の治療、より詳細には多発性骨髄腫の治療におけるアプリジンとボルテゾミブおよびサリドマイドの3種の組合せである。
【0045】
特に好ましいのは、癌の治療、より詳細には多発性骨髄腫の治療におけるアプリジンとデキサメタゾンおよびサリドマイドの3種の組合せである。
【0046】
特に好ましいのは、癌の治療、より詳細には多発性骨髄腫の治療におけるアプリジンとデキサメタゾンおよびメルファランの3種の組合せである。
【0047】
特に好ましいのは、癌の治療、より詳細には多発性骨髄腫の治療におけるアプリジンとメルファランおよびボルテゾミブの3種の組合せである。
【0048】
本発明の組成物は、薬学的に許容される単一の製剤中に全成分(薬物)を含めることができる。あるいは、成分を別々に製剤化し、互いに組み合わせて投与することができる。当業者に周知である、薬学的に許容される様々な製剤を本発明に使用できる。本発明で使用するために適切な製剤の選択は、投与様式および組成物の成分の溶解特性に基づいて当業者が通常実施することができる。
【0049】
アプリジンまたはアプリジン類似体を含有する医薬組成物の例には、静脈内投与に適した液体組成物(溶液、懸濁液またはエマルジョン)が含まれ、それらは、単一化合物を含有するか、または任意の担体もしくは薬理学的に活性のある他の化合物と組み合わせて含有してよい。可溶化したアプリジンは、熱および光ストレス試験条件下で実質的な分解を示し、凍結乾燥投与形態が開発された。本明細書に参照により援用したWO9942125を参照されたい。
【0050】
アプリジンまたは本発明の組成物の投与は、好ましくは静脈注入による投薬プロトコールに基づく。注入時間は72時間までを使用することが好ましく、より好ましくは1から24時間まで、最も好ましくは約1時間、約3時間または約24時間である。一晩入院することなく治療を実施することが可能な短い注入時間が特に望ましい。しかし、注入は、必要であれば、約24時間またはそれより長くてもよい。注入は、様々な様式で適切な間隔で、例示的には、週に1回、週に2回、またはさらに頻繁には毎週、場合によっては、通常1週間もしくは数週間の合間をおいて毎週繰り返して実施してよい。
【0051】
組み合わせた化合物の正確な投薬量は、特定の製剤、適用の様式、特定部位、宿主および治療する腫瘍に応じて様々となる。年齢、体重、性別、食事、投与時間、排泄率、宿主の状態、薬剤の組合せ、反応感受性および疾患の重症度などの他の因子を考慮するものとする。投与は、最大許容用量内で、連続的または断続的に実施することができる。アプリジン投与のためのさらなる指針は、全体を参照により本明細書に援用したWO0135974に挙げられている。
【0052】
一態様では、本発明は、アプリジンもしくはアプリジン類似体を使用した相乗的組合せに関する。相乗作用の指標は、組合せを試験し、例えば線形回帰分析により結果を分析することによって容易に得ることができる。
【0053】
図1を参照することによりこの点を例示する。アイソボログラム分析などの代替の方法は、相乗作用を明らかにするのに利用可能であり、本発明の目的のために使用することができる。
【0054】
適切なアプリジン類似体には、WO0202596の請求項1によって定義された化合物、特に請求項1に従属した請求項のいずれかによって定義された化合物が含まれる。特許請求の範囲を含めて、アプリジンの類似体である化合物のWO0202596での開示を具体的な参照により援用する。
【実施例】
【0055】
(実施例1:別の標準薬と組み合わせたアプリジンの腫瘍細胞系に対する効果を測定するためのインビトロ研究)
【0056】
細胞傷害性の違いを測定するために、単一の薬剤として、または選択された標準的化学療法薬と組み合わせて、アプリジンをいくつかの腫瘍細胞系に対して評価した。
【0057】
以下の標準薬は、単一の薬剤として、またアプリジンと組み合わせるために選択した。パクリタキセル(Taxol(登録商標))、ドキソルビシン、シスプラチン、三酸化ヒ素(Trisonex(登録商標))、5-フルオロウラシル(5-FU)、シトシンアラビノシド(AraC)、カルボプラチンおよび7-エチル-10-ヒドロキシカンプトテシン(SN38)。
【0058】
単一薬剤としてのアプリジンは、いくつかの種類の癌に対して様々な効力の細胞傷害性を示す。このため、アプリジンに対する感受性が低い、中程度または高い代表的な腫瘍細胞系を選択した。使用した腫瘍細胞系を表1に挙げる。
【0059】
【表1】

【0060】
スクリーニングは2つに分けて実施した。
【0061】
a. 第1の組のアッセイでは、腫瘍細胞系のそれぞれにおいて薬剤に72時間曝露した後、各化合物についてIC50値を測定した。
【0062】
細胞系は全て、それぞれの増殖培地中で、37℃、CO25%および湿度98%で維持した。培地調合には全て抗生物質を含めなかった。細胞を播種する前日に、培養物全てに新鮮な完全増殖培地を供給した。収集(播種)日に、トリパンブルー排除染色法(基本的細胞培養)によって細胞を計数した。細胞を収集し、96ウェルマイクロタイタープレートに1ウェル当たり培地190μl中10000個の細胞を播種し、24時間インキュベートして、薬剤を添加する前に細胞を接着させた。細胞を薬剤で処理し、細胞傷害作用を、生細胞数を測定するための比色法であるMTSアッセイ(テトラゾリウム)によって測定した。薬剤と72時間インキュベートした後、MTS+PMS溶液25μLを各マイクロタイターウェルに添加し、37℃で4時間インキュベートした。次に、プレートをインキュベーターから取り出し、プレート振盪機に5分間置いた(遮光のためアルミホイルで覆った)。光学密度は、分光光度計プレートリーダーで490nmで読み取った。データは、SoftMax v3.12プログラムを使用して分析した。
【0063】
IG50(50%増殖阻害が測定される濃度)にほぼ等しいIC50を計算した。SoftMaxプログラムを使用して回帰曲線を作成し、次に50%阻害濃度を手動で求め、その濃度を化合物の分子量で除することによってモル(M)に変換した。個々のIC50値(72時間薬剤曝露)を表2に示す。IC50値は薬剤濃度の100%を表す。
【0064】
【表2】

【0065】
【表3】

【0066】
b. 第2の組のアッセイでは、固有のIC50濃度の以下の組合せで前述の標準薬のそれぞれとアプリジンを組み合わせて、各細胞系とインキュベートした。
アプリジンのIC50 標準薬のIC50
100% 0%
75% 25%
60% 40%
50% 50%
40% 60%
30% 70%
25% 75%
0% 100%
0% 0%
【0067】
このマイクロタイタープレートをCO25%および37℃で72時間インキュベートした。細胞傷害作用をMTSアッセイによって測定した。光学密度は490nmで読み取った。標準化したデータをプロットして、記載のように解釈した。データは以下のように分析した。
1.Prism(Graphpad)ソフトウェアプログラムを使用して対照値に対してデータを標準化した(100%=薬剤(薬物)不在下での細胞増殖、0%=盲検(ブランクコントロール))。
2.標準化したデータを散布図としてプロットした。各薬剤(薬物)の100%IC50の値をつなぐ直線を引いた。この直線を有意に上回る値は拮抗を示し、下回る場合は相乗性を示し、直線上は相加性を示す。
【0068】
データの統計処理は、Laska E他、Biometrics (1994) 50:834〜841頁およびGreco他、Pharmacol Rev. (1995) 47: 331〜385頁に従った。試験した用量比での組合せで、細胞増殖の阻害が、各薬剤の個別の最大阻害値(100%IC50)を上回るとき、相乗的であると判断した。反対に、阻害が両方の最大値より低いときは、拮抗的であると判断した。組合せの効果が両方の薬剤の最大値と有意に異ならないときは相加的であると判断した。統計学的有意性は、各薬剤の最大阻害に対する各用量比での阻害についてのスチューデントt検定を実施することによって評価した。各細胞系についての薬剤の組合せの全体の有意性は、用量比の50%を上回る統計学的有意性を示すことに依存していた。
【0069】
視覚的な補助として、x軸に用量比、y軸に%応答値をとって、応答値を散布図にプロットした。水平線は、2つの終点の応答値の間(例えば、アプリジンの100%IC50での応答値とスタンダード化学療法薬の100%IC50での応答値との間)に引いた。2つの終点での応答値がほぼ等しい場合、この相加性の予測線の上下にある点は、薬剤の拮抗的または相乗的相互作用それぞれを表すものと解釈することができる。
【0070】
各薬剤とアプリジンとのインビトロにおける組合せは、相乗的、相加的または拮抗的である可能性を有する。腫瘍細胞に対する相乗的細胞傷害性は最適な効果であり、アプリジンと別の薬剤の組合せがそれぞれの薬剤単独よりも有効であることを意味している。
【0071】
このアッセイでは、以下のことがわかった。
a.アプリジンとパクリタキセルの組合せは、乳腺癌SKBR3細胞(図2)、急性リンパ芽球性白血病MOLT3細胞(図3)および前立腺腺癌PC3細胞(図4)において相乗性を示した。相加性の傾向は、前骨髄球性白血病HL60細胞(図5)、乳癌MX1細胞(図6)およびNSCL A549細胞(図7)において認められた。
【0072】
b.アプリジンとドキソルビシンの組合せは、NSCL A549細胞(図8)、大腸腺癌HT29細胞(図9)および前立腺腺癌PC3細胞(図10)において相乗性を示した。相加性は、急性リンパ芽球性白血病MOLT3細胞(図11)、乳癌MX1細胞(図12)および乳腺癌SKBR3細胞(図13)において認められた。
【0073】
c.アプリジンとシスプラチンの組合せは、乳癌MX1細胞(図14)および大腸腺癌HT29細胞(図15)において相乗性を示した。相加性は、乳腺癌SKBR3細胞(図16)および急性リンパ芽球性白血病MOLT3細胞(図17)において認められ、NSCL A549細胞(図18)においては相乗性の傾向が見出された。
【0074】
d.アプリジンと三酸化ヒ素の組合せは、NSCL A549細胞(図19)、大腸腺癌HT29細胞(図20)および前立腺腺癌PC3細胞(図21)において相乗性を示した。相加性は、急性リンパ芽球性白血病MOLT3細胞において認められた(図22)。
【0075】
e.アプリジンと5-フルオロウラシルの組合せは、前骨髄球性白血病HL60細胞(図23)、乳腺癌SKBR3細胞(図24)、NSCL A549細胞(図25)および前立腺腺癌PC3細胞(図26)において相乗性を示した。相加性は、大腸腺癌HT29細胞において認められた(図27)。
【0076】
f.アプリジンとシトシンアラビノシドの組合せは、乳腺癌SKBR3細胞(図28)、NSCL A549細胞(図29)および前立腺腺癌PC3細胞(図30)において相乗性を示した。相加性は、前骨髄球性白血病HL60細胞(図31)および大腸腺癌HT29細胞(図32)において見出された。
【0077】
g.アプリジンとカルボプラチンの組合せは、前立腺癌PC3細胞(図33)および大腸腺癌HT29細胞(図34)において相乗性を示した。相加性は、NSCL A549細胞(図35)、急性リンパ芽球性白血病MOLT3細胞(図36)および乳癌MX1細胞(図37)において認められた。
【0078】
h.アプリジンとSN38の組合せは、NSCL A549細胞(図38)において相乗性を示した。相加性は、乳腺癌SKBR3細胞(図39)、前骨髄球性白血病HL60細胞(図40)および前立腺腺癌PC3細胞(図41)において認められた。
【0079】
(実施例2:白血病、リンパ腫、多発性骨髄腫および黒色腫腫瘍細胞系に対する別の標準薬と組み合わせたアプリジンの効果を測定するためのインビトロ研究)
実施例1で開示したのと同様の方法に従って、アプリジンの細胞傷害性の違いを測定するために、単一の薬剤として、または選択された標準的化学療法薬と組み合わせて、いくつかの腫瘍細胞系に対して評価した。
【0080】
以下の標準薬:エトポシド(VP16)およびカルボプラチンは、単一の薬剤として、またアプリジンとの組合せのために選択した。このアッセイのために選択した腫瘍細胞系を表3に示す。
【0081】
【表4】

【0082】
[細胞培養法]
細胞系は全て、それぞれの増殖培地中で、37℃、CO25%および湿度98%で維持した。培地調合には全て抗生物質を含めなかった。細胞を播種する前日に、培養物全てに新鮮な完全増殖培地を供給した。収集(播種)日に、細胞をトリパンブルー排除染色法によって計数した。
【0083】
[細胞播種]
細胞を収集し、96ウェルマイクロタイタープレートに1ウェル当たり培地190μl中に15000個の細胞を播種し、24時間インキュベートして、薬剤を添加する前に細胞を接着させた。
【0084】
[薬剤処理]
アプリジンの保存溶液は100%DMSO中5mg/mlに調製した。化学療法薬VP16およびカルボプラチンの保存溶液は、両薬剤とも100%DMSO中で濃度2mg/mlに調製した。
【0085】
細胞は、以下に挙げる範囲のアプリジンおよび他の標準薬で処理し、プレート毎に3連で個々の薬剤濃度を作製した。使用した試験薬剤の濃度は、実施例1のように測定した個々の薬剤のIC50のパーセントとして表される。
【0086】
アプリジンのIC50 標準薬のIC50
100% 0%
75% 25%
60% 40%
50% 50%
40% 60%
30% 70%
25% 75%
0% 100%
【0087】
各細胞系について各薬剤の個々のIC50値を表4に示す。
【0088】
【表5】

【0089】
生細胞数を測定するための比色法であるMTSアッセイ(テトラゾリウム)によって細胞傷害性効果を測定した。
【0090】
試験薬剤と72時間インキュベートした後、MTS+PMS溶液25μLを各マイクロタイターウェルに添加し、37℃で4時間インキュベートした。次に、プレートをインキュベーターから取り出し、プレート振盪機に5分間置いた(遮光のためアルミホイルで覆った)。光学密度は分光光度計プレートリーダーで490nmで読み取った。データは以下のように分析した。
1.Prism(Graphpad)ソフトウェアプログラムを使用して対照値に対してデータを標準化した(100%=薬剤(薬物)不在下での細胞増殖、0%=盲検(ブランクコントロール))。
2.標準化したデータを散布図としてプロットした。各薬剤(薬物)の100%IC50の値に関連して直線を引いた。この直線を著しく上回る値は拮抗を示し、下回る場合は相乗性を示し、直線上は相加性を示す。
【0091】
データの統計処理は、Laska E他、Biometrics (1994) 50:834〜841頁およびGreco他、Pharmacol Rev. (1995) 47: 331〜385頁に従った。試験した用量比での組合せは、細胞増殖の阻害が、各薬剤の個別の最大阻害値(100%IC50)を上回るとき、相乗的であると判断した。反対に、阻害が両方の最大値より低いときは、拮抗的であると判断した。組合せの効果が両方の薬剤の最大値と有意に異ならないときは相加的であると判断した。統計学的有意性は、各薬剤の最大阻害に対する各用量比での阻害についてのスチューデントt検定を実施することによって評価した。各細胞系についての薬剤の組合せの全体の有意性は、用量比の50%を上回る統計学的有意性を示すことに依存した。
【0092】
視覚的な補助として、x軸に用量比、y軸に%応答値をとって、応答値を散布図にプロットした。水平線は、2つの終点の応答値の間(例えば、アプリジンの100%IC50での応答値とスタンダード化学療法薬の100%IC50での応答値との間)に引いた。2つの終点での応答値がほぼ等しい場合、この相加性予測線の上または下にある点は、薬剤の拮抗的または相乗的相互作用それぞれを表すものと解釈することができる。
【0093】
図42Aおよび42BではVP16と組み合わせたアプリジンの、HL60細胞に対するインビトロ活性データを示している。このデータによれば、相加的効果が認められる。
【0094】
図43Aおよび43Bでは、VP16と組み合わせたアプリジンのK562細胞に対するインビトロ活性データを示している。このデータによれば、相加性が認められる。
【0095】
図44Aおよび44Bでは、VP16と組み合わせたアプリジンのMOLT-3細胞に対するインビトロ活性データを示している。このデータによれば、相加性が認められる。
【0096】
図45Aおよび45Bでは、VP16と組み合わせたアプリジンのMMC116細胞に対するインビトロ活性データを示している。このデータによれば、この腫瘍細胞系において相加性が認められる。
【0097】
図46Aおよび46Bでは、VP16と組み合わせたアプリジンのRAMOS細胞に対するインビトロ活性データを示している。このデータによれば、この腫瘍細胞系において相乗性が認められる。
【0098】
図47Aおよび47Bでは、VP16と組み合わせたアプリジンのU937細胞に対するインビトロ活性データを示している。このデータによれば、相加性が認められる。
【0099】
図48Aおよび48Bでは、VP16と組み合わせたアプリジンのNCI-H929細胞に対するインビトロ活性データを示している。このデータによれば、相乗性が認められる。
【0100】
図49Aおよび49Bでは、VP16と組み合わせたアプリジンのHUNS-1細胞に対するインビトロ活性データを示している。このデータによれば、この腫瘍細胞系において相加性が認められる。
【0101】
図50Aおよび50Bでは、VP16と組み合わせたアプリジンのU266B-1細胞に対するインビトロ活性データを示している。このデータによれば、この腫瘍細胞系において相加性が認められる。
【0102】
図51Aおよび51Bでは、VP16と組み合わせたアプリジンのRPMI8226細胞に対するインビトロ活性データを示している。このデータによれば、この腫瘍細胞系において相加性が認められる。
【0103】
図52では、カルボプラチンと組み合わせたアプリジンのLOX-I-MVI細胞に対するインビトロ活性データを示している。このデータによれば、この腫瘍細胞系において相加性が認められる。
【0104】
図53では、カルボプラチンと組み合わせたアプリジンのUACC-257細胞に対するインビトロ活性データを示している。このデータによれば、この腫瘍細胞系において相乗性が認められる。
【0105】
(実施例3:他の標準薬と組み合わせたアプリジンの多発性骨髄腫細胞系に対する効果を測定するためのインビトロ研究)
多発性骨髄腫(MM)は、骨髄で増殖し、蓄積する血漿細胞のクローンから一般的に生じる血漿細胞の悪性疾患である。骨髄腫患者の臨床病理学的特徴には、血液中または尿中へのモノクローナルタンパク質の蓄積、溶解性骨病変、貧血および腎不全が含まれる(Sirohi B他、Lancet(2004)363:875〜87頁)。
【0106】
骨髄腫の実際の治療は、幹細胞移植によって支援される高用量療法を利用している。ここ10年で進歩は見られたが、現在のところ、MMは、患者の全体生存率中央値が2年から5年である不治の病であることには変わりがない(Sirohi B.他、Lancet(2004)363: 875〜87頁)。新たな治療の取り組みには、以下の3つの主要な研究の方向によって患者の転帰を改善することが必要である。a)高用量を使用することによって化学療法の効果を高めること、b)骨髄腫細胞に対する宿主の免疫応答を高めること、およびc)骨髄腫細胞だけでなく骨髄微小環境にも干渉することができるより特異的な標的を有する新規薬剤を開発すること(San Miguel JF他、Curr. Treat. Options Oncol.(2003)4:247〜58頁)。うまくいけば、これらの治療薬の2種以上の組合せによって、抗MM効果が改善され生存率がより長期となるであろう。
【0107】
これとともに、多発性骨髄腫の治療における新たな薬剤としてのアプリジンの効果についていくつかの研究を報告する。これらの研究には、
1)細胞生存率(MTTアッセイ)およびアポトーシス(アネキシンV染色)アッセイを使用したいくつかのMM細胞系に対するアプリジン(単独または併用)の細胞傷害性効果。
2)この疾患の治療におけるアプリジンと他の古典的および近年開発された薬剤との組合せの細胞傷害性効果
が含まれる。
【0108】
[材料および方法]
[細胞系および細胞培養試薬]
4種のMM由来細胞系をこの研究に使用した。Bethesda MDのS.Rudikoff博士から恵与されたヒト多発性骨髄腫細胞系MM.1(Greenstein S.他、Exp. Hernatol(2003)31:271〜82頁)のデキサメタゾン感受性(MM.1S)変異体およびデキサメタゾン耐性(MM.1R)変異体ならびにU266およびそのメルファラン耐性対応物U266LR7細胞系はTampa、FLのW. Dalton博士から入手した。MM細胞系は全て、10%熱不活性化ウシ胎児血清、ペニシリン100U/ml、ストレプトマイシン100μg/mlおよびL-グルタミン2mMを補給したRPMI1640培地中で増殖させた。細胞培養用培地および試薬は全て、Invitrogen Corporation(Carlsbad、CA)から購入した。
【0109】
[細胞生存率アッセイ]
MM細胞増殖の分析は、メチルチオテトラゾール(MTT、Sigma、St.Louis MO)比色アッセイを使用して評価した。MM細胞系は、48ウェルプレートに1ウェル当たり50000細胞/200μl培地の密度で播種し、決定した薬剤用量および時間で処理した。処理終了の2時間前に、MTT溶液(5mg/ml PBS溶液、通常各ウェルの体積の10%)を添加し、テトラゾリウム塩を、代謝活性のある細胞によって着色したホルマザン結晶に還元させた。一晩10%SDS-HCl溶液とインキュベートすることによってこれらの結晶を可溶化した後、吸収を570nmで測定し、630nmで修正した。4個のウェルをそれぞれの条件について分析し、結果は、少なくとも3回繰り返した4連の代表的実験の平均±SDとして表す。
【0110】
[ウェスタンブロット]
細胞を収集し、PBSで洗浄し、全細胞溶解物は、氷冷した溶解緩衝液(NaCl 140mM、EDTA 10mM、10%グリセロール、1%ノニデットP-40、20mM Tris(pH7.0)、ペプスタチン1μM、アプロチニン1μg/ml、ロイペプチン1μg/ml、オルトバナジン酸ナトリウム1mM)中でインキュベートした後に得られた。次に、試料を4℃で10000gで10分間遠心して、上清中の等量のタンパク質を6%〜12.5%SDS-PAGEによって分離した。次に、タンパク質をニトロセルロースまたはPVDF膜に移し、PBST緩衝液(PBSに溶かした0.05% Tween20)に溶かした5%脱脂粉乳中でインキュベートすることによってブロックし、その後、特異的な1次抗体Cruz Technologies(抗p-c-jun、抗p-Erk1/2および抗Erk5抗体は、Santa Cruz Biotechnologies (Santa Cruz、CA)から購入し、一方、抗p-p38はCell Signaling (Danvers、MA)から入手し、抗PARP抗体はBecton Dickinson Biosciences (Bedford、MA)から入手した)とインキュベートした。対応する2次抗体と2回目のインキュベーションをした後、イムノブロットを高感度化学発光系(ECL、Amersham、Arlington Heights、IL)によって発光させた。活性化されたJNKおよびErk5の同定には、タンパク質溶解物を対応する特異的抗体およびプロテインAセファロースで予め免疫沈降することが必要であった。
【0111】
[アイソボログラム分析]
アプリジンと他の抗MM薬との間の相互作用は、Calcusynソフトウェアプログラム(Biosoft、Ferguson、MO)を使用して分析した。細胞生存率アッセイ(MTT)によって得られたデータは、未処理細胞(対照)と比較した薬剤処理細胞における用量(Fa)によって影響を受けた細胞のfractionとして表された。このプログラムは、Chou-Talalay法(Chou TC他、Adv. Enzyme Regul.(1984)22:27〜55頁)に基づいており、以下の式CI=(D)1/(Dx)1+(D)1(D)2/(Dx)1(Dx)2(式中、(D)1および(D)2は、単独で使用したとき同じx効果を有する薬剤1および2の用量である)に従う。CI値が1.0未満ならば相乗性を示し、CI値が=約1.0ならば相加作用を示し、一方、値が1を上回れば、拮抗作用に対応する。
【0112】
[結果]
[MM由来細胞系におけるアプリジンの用量反応]
まず、従来の治療薬に感受性および耐性である両方のMM由来細胞系におけるMTTアッセイを使用して、アプリジンが細胞生存率に影響を及ぼすかどうかを決定した。図54に示したように、アプリジンで48時間処理すると、試験した細胞系全てにおいて、用量に応じて類似の細胞生存率減少が引き起こされる。48h処理後の生細胞の50パーセント減少(IC50)は、試験した4種の細胞系では1〜10nMの範囲内であった。
【0113】
MMの治療におけるアプリジンの効果を、他の古典的薬剤(メルファラン、デキサメタゾン)および新規薬剤(ボルテゾミブ)とも比較した。図55は、MM.1S細胞系について0.1〜1nM用量で48時間試験したときの他の薬剤と比較したアプリジンの優れた効力を示しており、その効果は、ボルテゾミブの最大容量(10〜100nM)の効果と類似していた。
【0114】
[アプリジンの2種の組合せにおける相乗性の評価]
MM化学療法に対する継続的な曝露は、毒性の増加および新規薬剤耐性の発生と関連する場合が多いので、アプリジンおよび他の薬剤の最小限の毒性濃度での組合せでMM細胞生存率に影響を及ぼすかどうかを試験した。具体的には、アプリジンをMMの治療における古典的薬剤(例えば、デキサメタゾンまたはメルファラン)と組み合わせ、近年開発された骨髄腫阻害薬(ボルテゾミブ)および骨髄微小環境を特異的に標的とする薬剤(レナリドミド(Revlimid(登録商標))とも組み合わせた。
【0115】
記載した治療薬について、コンビナトリアル実験のために適切な最適以下用量(10%から30%の増殖阻害)を決定するために、ならびに治療期間を検討するために、1、2、3および6日目の経時的実験も実施した。アプリジンおよび残りの薬剤の併用実験は、3日間または6日間インキュベートした後に実施した。MM.1S細胞系の細胞増殖は、前述のようにMTTアッセイによって測定し、阻害の割合はCalcusynプログラムによって分析した。組合せの結果を判断するためにコンピュータによって算出した併用係数(combination index;CI)を使用した。CI>1は拮抗作用を示し、CI=1は相加作用を示し、CI<1は相乗作用を示す。median-effect principleに対するデータの一致は、median-effectプロット:log(fa/fu)=mlog(D)-mlog(Dm)(Dは用量、Dmは50%効果に必要な容量、faは用量によって影響を受けるfraction、fuは影響を受けないfraction、mは用量効果曲線のシグモイド形の係数である)の直線相関係数(r)によって容易に表すことができる。それぞれの2種の組合せでは、比率が一定ではない組合せを使用した。各実験を3回反復し、各単一薬剤および3種の組合せの3個のデータ点の最小値を実施した。
【0116】
[アプリジンとデキサメタゾンの組合せ]
3日目に、アプリジン0.5nM/デキサメタゾン1nMおよび10nMの組合せで相乗性が認められた(図56)。
【0117】
図57に示したように、この組合せは6日目により相乗性があった。
【0118】
[アプリジンとメルファランの組合せ]
以下の組合せは、3日目および6日目にほぼ相加的な効果を示した(それぞれ、図58および59)。
【0119】
[アプリジンとドキソルビシンの組合せ]
3日目に、唯一の組合せが中程度の相乗性を示し(図60、組合せ1)、2種の組合せが相加性であった(図60、組合せ3および4)。
【0120】
6日目に、2種の組合せのみが相加性であった(図61、組合せ7および8)。
【0121】
[アプリジンとレナリドミド(Revlimid(登録商標))の組合せ]
この研究において、アプリジンとレナリドミド(Revlimid(登録商標))の組合せは、調べた他の組合せ全てよりも程度の高い相乗性を示した(図62)。
【0122】
珍しいことに、相乗性は6日目においてより重大であった(図63)。
【0123】
[アプリジンとボルテゾミブの組合せ]
この組合せは、3日目に拮抗性を示し(図64)、6日目に2種の組合せついて相乗性が見出された(図65、組合せ4および6)。
【0124】
(実施例4:黒色腫および腎臓異種移植における他の標準薬と組み合わせたアプリジンの効果を測定するためのインビボ研究)
この研究の目的は、メスの胸腺欠損マウスへのいくつかの種類の腫瘍の異種移植において、複数の投与計画を使用して抗腫瘍標準薬と共に投与したときのアプリジンの抗腫瘍活性を評価することであった。
【0125】
メスの胸腺欠損ヌードマウスは、Madison、Wisconsin のHarlan Sprague Dawleyから4〜5週齢で入手した。マウスは、腫瘍移植前に少なくとも1週間研究室に馴化させた。動物は、固定ケージに収容し、食餌および水は自由に摂取させた。実験動物には、移植が確立したヒト腫瘍から得られた腫瘍断片またはインビトロ培養から直接得られた細胞を移植した。腫瘍は、0日目に右脇腹の皮下に移植した。
【0126】
腫瘍の大きさの測定は、ノギスを使用して4日目または5日目から週2回記録した。長楕円の体積を計算する式は、2次元腫瘍測定から腫瘍体積を概算するために使用した:腫瘍体積(mm3)=(長さ×幅2)÷2。単位密度を推定して、体積を重量に変換した(すなわち、1mm3=1mg)。腫瘍の近似体積が100±15mgの範囲に達したとき、マウスを無作為に治療群および対照群に振り分けた。治療は、個々の体重に基づいて開始し、投与した。用量範囲を見出す研究は、併用研究において使用する各化合物の適切な用量レベルを決定するための各腫瘍モデルについて実施された。
【0127】
併用治療が、単独療法として投与された2種の薬剤の活性を合わせたものと比較したとき、より高い抗腫瘍活性を提供するかどうかを決定するために、様々な種類の癌(適応症)の以下の標準的治療薬をアプリジン(APL)と組み合わせた。
【0128】
【表6】

【0129】
表5〜10は、黒色腫および腎臓癌の異種移植において、単独の、または標準的治療薬と組み合わせたアプリジンで治療を開始した後の正味腫瘍体積(平均±S.E.M.、mg)の動態を示す。
【0130】
表5および図66および図67は、MRI-H187黒色腫の異種移植において、単独薬剤として、またはDTICおよびカルボプラチンと組み合わせたアプリジン(Aplidin(登録商標))で治療を開始した後の正味腫瘍体積の動態を示す。アプリジンは、腹腔内(i.p.)注射によって9日間毎日連続して投与し、生理食塩水対照(滅菌生理食塩水)はi.p.注射によって9日間毎日連続して投与し、DTICはi.p.注射によって5日間毎日連続して投与し、カルボプラチンはi.p.注射によって4日毎に1回計4回投与した。
【0131】
【表7】

【0132】
【表8】

【0133】
【表9】

【0134】
この異種移植研究から、黒色腫MRI-H187細胞において、アプリジンとDTICおよびアプリジンとカルボプラチンの組合せは、明らかに統計学的に有意な抗腫瘍活性能力を示し、カルボプラチンと組み合わせた場合がより著しいという結論に達した。
【0135】
表6および図68および図69は、MRI-H-187黒色腫の異種移植において、単独薬剤として、またはインターロイキン-2(IL-2)およびインターフェロン-α2a(INF-α)と組み合わせたアプリジン(Aplidin(登録商標))で治療を開始した後の正味腫瘍体積の動態を示す。アプリジンは、腹腔内(i.p.)注射によって9日間毎日連続して投与し、生理食塩水対照(滅菌生理食塩水)はi.p.注射によって9日間毎日連続して投与し、IL-2はi.p.注射によって平日(月曜〜金曜)5日間は毎日3週間投与し、INF-αは皮下(S.C.)注射によって平日(月曜〜金曜)5日間は毎日3週間投与した。
【0136】
【表10】

【0137】
【表11】

【0138】
この異種移植研究から、黒色腫MRI-H187細胞において、アプリジンとIL-2およびアプリジンとINF-αの組合せは相加性を示すという結論に達した。
【0139】
表7および図70および図71は、LOX-IMVI黒色腫の異種移植において、単独薬剤として、またはDTICおよびカルボプラチンと組み合わせたアプリジン(APL)で治療を開始した後の正味腫瘍体積の動態を示す。アプリジンは、i.p.注射によって9日間毎日連続して投与し、生理食塩水対照(滅菌生理食塩水)はi.p.注射によって9日間毎日連続して投与し、DTICはi.p.注射によって5日間毎日連続して投与し、カルボプラチンはi.p.注射によって4日毎に1回計4回投与した。
【0140】
【表12】

【0141】
この異種移植研究から、黒色腫LOX-IMVI細胞において、アプリジンとDTICの組合せは相加的パターンを示し、アプリジンとカルボプラチンの組合せは相乗性の傾向を示すという結論に達することができる。
【0142】
表8および図72および図73は、LOX-IMVI黒色腫の異種移植において、単独薬剤として、またはインターロイキン-2(IL-2)およびインターフェロン-α2a(INF-α)と組み合わせたアプリジン(APL)で治療を開始した後の正味腫瘍体積の動態を示す。アプリジンは、腹腔内(i.p.)注射によって9日間毎日連続して投与し、生理食塩水対照(滅菌生理食塩水)はi.p.注射によって9日間毎日連続して投与し、IL-2はi.p.注射によって平日(月曜〜金曜)5日間は毎日3週間投与し、INF-αはs.c.注射によって平日(月曜〜金曜)5日間は毎日3週間投与した。
【0143】
【表13】

【0144】
この異種移植研究から、黒色腫LOX-IMVI細胞において、アプリジンとIL-2およびアプリジンとINF-αの組合せは相加性を示すという結論に達した。
【0145】
表9および図74、図75および図76は、CaKi-1腎臓癌の異種移植において単独薬剤として、またはベバシズマブ(Avastin(登録商標))、インターロイキン-2(IL-2)およびインターフェロン-α2a(INF-α)と組み合わせたアプリジン(APL)で治療を開始した後の正味腫瘍体積の動態を示す。アプリジンは、i.p.注射によって9日間毎日連続して投与し、生理食塩水対照(滅菌生理食塩水)はi.p.注射によって9日間毎日連続して投与し、ベバシズマブ(Avastin(登録商標))はi.p.注射によって3日毎計4回投与し、IL-2はi.p.注射によって平日(月曜〜金曜)5日間は毎日3週間投与し、INF-αはs.c.注射によって平日(月曜〜金曜)5日間は毎日3週間投与した。
【0146】
【表14】

【0147】
【表15】

【0148】
この異種移植研究から、腎臓CaKi-1細胞において、アプリジンとAvastin(登録商標)およびアプリジンとIL-2の組合せは相乗性を示し、IL-2との組合せの場合はより著しいという結論に達した。他方、アプリジンとINF-αとの組合せは、相加的パターンを示す。
【0149】
表10および図77、図78および図79は、MRI-H121腎臓癌の異種移植において、単独薬剤として、またはベバシズマブ(Avastin(登録商標))、インターロイキン-2(IL-2)およびインターフェロン-α2a(INF-α)との組合せとしてのアプリジン(APL)で治療を開始した後の正味腫瘍体積の動態を示す。アプリジンは、i.p.注射によって9日間毎日連続して投与し、生理食塩水対照(滅菌生理食塩水)はi.p.注射によって9日間毎日連続して投与し、ベバシズマブ(Avastin(登録商標))はi.p.注射によって3日毎計4回投与し、IL-2はi.p.注射によって平日(月曜〜金曜)5日間は毎日3週間投与し、INF-αはs.c.注射によって平日(月曜〜金曜)5日間は毎日3週間投与した。
【0150】
【表16】

【0151】
【表17】

【0152】
この異種移植研究から、腎臓MRI-H121細胞において、3種の組合せは相加性パターンを示すという結論に達した。
【0153】
(実施例5:多発性骨髄腫(RPMI-8226およびU266B1)細胞系におけるさらなるインビトロアッセイを、2種の標準的な医療用化学療法薬(ボルテゾミブおよびメルファラン)と組み合わせたアプリジンの効果を測定するために実施した)
【0154】
単独薬剤として、またはボルテゾミブまたはメルファランと組み合わせたアプリジンは、多発性骨髄腫細胞系、特にRPMI-8226およびU266B1細胞系に対して評価した。
【0155】
これらの細胞系は、10%FBSおよび1%L-グルタミンを含んだRPMI1640培地中で培養した。それぞれの細胞系を96ウェルプレートに1ウェル当たり20000細胞で播種した。
【0156】
まず、アプリジン、ボルテゾミブおよびメルファランを単独で試験して、それらそれぞれのIC50値を個々に測定した。IC50値を測定するために、実施例1で開示した方法に従って、様々な範囲の薬剤濃度で各薬剤を調査した。表11は、2種の多発性骨髄腫細胞系に対する3種の薬剤それぞれから得られた個々のIC50を示す。
【0157】
【表18】

【0158】
次の段階では、ボルテゾミブまたはメルファランのいずれかをアプリジンと一緒にした。これらの実験では、アプリジンの濃度は、1:10系列希釈で使用した。各系列希釈は、ボルテゾミブまたはメルファランの4種の異なる濃度を一組にした。
【0159】
このプレートを37℃およびCO25%で3日間インキュベートした。このプレートは、生細胞によって波長490nmで蛍光を放つホルマザンに代謝されるMTSを用いたPromega MTSアッセイ系を使用して読み取った。これは、細胞生存率の間接的測定である。これらは、対照ウェルのパーセントに基づいて細胞生存率を測定するSoftmax Proプログラムを使用して分析した。次に、IC50データを、併用係数(combination index;CI)分析のためにCalcusynプログラムに移した。Calcusynは、併用係数を測定するためのアルゴリズムを使用して、薬剤単独のIC50値を、組み合わせた薬剤の値と比較する。併用係数(CI)は2種の薬剤の併用効果を反映していることに注意することが重要である:CI=1は相加効果を示し、CI<1は相乗効果を示し、CI>1は拮抗効果を示す。
【0160】
表12は、アプリジンとボルテゾミブの組合せでRMPI8226細胞系に対して相乗効果が認められた用量をまとめて示している。
【0161】
【表19】

【0162】
表13は、アプリジンとメルファランの組合せでRMPI8226細胞系に対して相乗効果が認められた用量をまとめて示している。
【0163】
【表20】

【0164】
表14は、アプリジンとボルテゾミブの組合せでU266B1細胞系に対して相乗効果が認められた用量をまとめて示している。
【0165】
【表21】

【0166】
表15は、アプリジンとメルファランの組合せでU266B1細胞系に対して相乗効果が認められた用量をまとめて示している。
【0167】
【表22】

【0168】
(実施例6:白血病(MOLT4およびK-562)細胞系におけるさらなるインビトロアッセイを、イダルビシンなどの治療用の標準的な化学療法薬と組み合わせたアプリジンの効果を測定するために実施した)
【0169】
単独薬剤として、またはイダルビシンと組み合わせたアプリジンは、白血病細胞系、特にMOLT4およびK562細胞系に対して評価した。
【0170】
これらの細胞系は、10%FBSおよびL-グルタミン2mMを含んだRPMI1640培地中で培養した。それぞれの細胞系は96ウェルプレートに1ウェル当たり20000個の細胞を播種した。
【0171】
まず、アプリジンおよびイダルビシンを単独で試験して、それらそれぞれのIC50値を個々に測定した。IC50値を測定するために、実施例1で開示した方法に従って、様々な範囲の薬剤濃度で各薬剤を調査した。表16は、2種の白血病細胞系に対する2種の薬剤それぞれから得られた個々のIC50を示す。
【0172】
【表23】

【0173】
次の段階では、イダルビシンをアプリジンと一緒にした。MOLT4細胞系に関連した実験では、1:10に系列希釈したアプリジンの濃度を使用した。各系列希釈は、イダルビシンの異なる4種の濃度を一組とした。K562細胞系に関連した実験では、アプリジンの濃度は1:5系列希釈で使用し、イダルビシン濃度は比をベースにして設定した様々な組合せに添加した。したがって、組合せAは1:1であり、組合せBは0.008:1であり、組合せCは6.4E-05:1であり、組合せDは5.12E-07:1であった。
【0174】
このプレートを37℃およびCO25%で3日間インキュベートした。このプレートは、生細胞によって波長490nmで蛍光を放つホルマザンに代謝されるMTSを用いたPromega MTSアッセイ系を使用して読み取った。これは、細胞生存率の間接的測定法である。これらは、対照ウェルのパーセントに基づいて細胞生存率を測定するSoftmax Proプログラムを使用して分析した。次に、このIC50データを、併用係数(combination index;CI)分析のためにCalcusynプログラムに移した。Calcusynは、併用係数を測定するためのアルゴリズムを使用して、薬剤単独のIC50値を、組み合わせた薬剤の値と比較する。併用係数(CI)は2種の薬剤の併用効果を反映していることに注意することが重要である:CI=1は相加効果を示し、CI<1は相乗効果を示し、CI>1は拮抗効果を示す。
【0175】
表17は、アプリジンとイダルビシンの組合せでMOLT4細胞系に対して相乗効果が認められた用量をまとめて示している。
【0176】
【表24】

【0177】
表18は、アプリジンとイダルビシンの組合せでK562細胞系に対して相乗効果が認められた用量をまとめて示している。
【0178】
【表25】

【0179】
(実施例7:黒色腫の異種移植における別の標準薬と組み合わせたアプリジンの効果を測定するためのインビボ研究)
この研究の目的は、メスの胸腺欠損NCr-nu/nuマウスに皮下移植したUACC-257ヒト黒色腫細胞に対して、カルボプラチンと組み合わせて投与したときのアプリジンの抗腫瘍効果を評価することであった。
【0180】
動物をマイクロアイソレーターケージに、ケージ当たり5匹まで収容し、12時間の明暗周期とした。6週齢のメス胸腺欠損NCr-nu/nuマウスは、実験前に1週間研究室に馴化させた。
【0181】
インビトロ細胞培養から得られたUACC-257ヒト黒色腫細胞を23ゲージの針を使用して、各マウスの右脇腹近くに皮下接種した。それぞれのマウスに、Matrigel(登録商標)0.2mLに懸濁した2×107個の細胞を投与した。凍結したUACC-257ヒト黒色腫細胞を入れたバイアルを解凍し、低濃度のグルコース(2000mg/L)、重炭酸ナトリウム(1500mg/mL)、L-グルタミン2mMおよび10%ウシ胎児血清を含有するRPMI1640培地(完全培地)中で培養し、マウスに接種するために必要な細胞数が得られるまで、+37℃のインキュベーター内で、CO25%の湿潤雰囲気中で増殖させた。細胞は、4回継代培養した後収集した。細胞をフラスコから取り出し、50mLの遠心管に入れ、冷蔵遠心機で1000rpmで10分間遠心した。この細胞ペレットを新鮮な完全培地に再懸濁した。細胞数および生存率をBeckman Coulter VI CELL XR細胞計数器および生存率分析機で測定した。細胞懸濁液を遠心し、細胞ペレットをMatrigel(登録商標)に細胞密度1.0×108細胞/mLで再懸濁し、氷上に置いた。細胞懸濁液中のMatrigel(登録商標)の最終濃度は、56.9%であった。細胞収集日の細胞生存率は98.9%であった。
【0182】
腫瘍細胞接種の日を0日目として指定した。個々の腫瘍は、治療開始日である腫瘍細胞接種後13日目に150〜245mgの重量(大きさ150〜245mm3)に増大した。適切な範囲内の大きさの腫瘍を有する40匹の動物を、治療第1日目の腫瘍重量中央値が互いに可能な限り近接するように、4個の治療群に割り当てた。
【0183】
実験は、マウス10匹の媒体治療対照群および群当たりマウス10匹の3種の薬剤治療群から構成され、治療1日目、腫瘍細胞接種後13日目のマウスは全部で40匹であった。1群の動物は、9日間(13〜21日目)毎日連続して生理食塩水で希釈したアプリジンの媒体でi.p.治療した。アプリジンは、9日間(13日目〜21日目)毎日、単独で(2群)、またはカルボプラチンと組み合わせて(4群)、60μg/kg/用量の投与量でi.p.投与した。カルボプラチンは、4日間隔で、計3回(13、17、および21日目)、単独で(3群)、またはアプリジンと組み合わせて(4群)、50μg/kg/用量の投与量でi.v.投与した。4群では両方の化合物を投与する日に、アプリジンを最初に群の全動物10匹に注射し、直後にカルボプラチンを投与した(4群)。
【0184】
1群は、0.18%クレモフォアEL/0.18%エタノール/0.84%WFI/98.8%生理食塩水(注射容量:0.1mL/10g体重)でi.p.治療した。アプリジンは、15%クレモフォアEL/15%エタノール/70%WFIを含有し、生理食塩水で希釈した媒体で復元した(注射容量:0.1mL/10g体重)。カルボプラチンは、WFI(注射容量:0.1mL/10g体重)で調製した。
【0185】
動物は毎日観察し、臨床徴候に注意した。s.c.腫瘍を測定し、動物は治療1日目である13日目から、週2回体重を測定した。腫瘍体積は、ノギスによって測定し(mm)、楕円球体については、式、
L×W2/2=mm3
を使用し、LおよびWは、各測定時に収集した長径および短径の長さのことである。この式はまた、単位密度(1mm3=1mg)と仮定して腫瘍重量を計算するために使用した。
【0186】
23日目(処理終了後2日目)および70日目(研究終了日)の治療群の腫瘍重量中央値(T)と対照群の腫瘍重量中央値との比較(T/C×100%)を、抗腫瘍効果の評価に使用した。各処理の%T/Cを表19で報告する。
【0187】
【表26】

【0188】
アプリジンおよびカルボプラチンの併用治療では、死亡することなく許容された。併用治療によるT/C値は、23日目で95%、70日目で53%になった。
【0189】
(実施例8:骨髄腫の異種移植における別の標準薬と組み合わせたアプリジンの効果を測定するためのインビボ研究)
この研究の目的は、オスのSCIDマウスに皮下移植したRPMI8226ヒト骨髄腫細胞に対して、ボルテゾミブと組み合わせて投与したときのアプリジンの抗腫瘍効果を評価することであった。
【0190】
動物をマイクロアイソレーターケージに、ケージ当たり5匹まで収容し、12時間の明暗周期とした。6週齢のオスSCIDマウスは、実験前に1週間研究室に馴化させた。
【0191】
インビトロ細胞培養から得られたRPMI8226ヒト骨髄腫細胞を23ゲージの針を使用して、各マウスの右脇腹近くにs.c.接種した。それぞれのマウスに、Matrigel(登録商標)0.2mLに懸濁した2×107個の細胞を投与した。RPMI8226ヒト骨髄腫細胞は、ATCC(ATCC番号:CCL-155)から元々購入した。凍結した細胞を入れたバイアルを解凍し、高濃度のグルコース(4500mg/L)、重炭酸ナトリウム(1500mg/mL)、L-グルタミン2mM、Hepes 10mM、ピルビン酸ナトリウム1mMおよび10%ウシ胎児血清を含有するRPMI1640培地(完全培地)中で培養し、マウスに接種するために必要な細胞数が得られるまで、+37℃のインキュベーター内で、CO25%の湿潤雰囲気中で増殖させた。細胞は、4回継代培養した後収集した。細胞をフラスコから取り出し、50mLの遠心管に入れ、冷蔵遠心機で1000rpmで10分間遠心した。この細胞ペレットを新鮮な完全培地に再懸濁した。細胞数および生存率をBeckman Coulter VI CELL XR細胞計数器および生存率分析機で測定した。細胞懸濁液を再度遠心し、細胞ペレットをMatrigel(登録商標)に細胞密度1.0×108細胞/mLで再懸濁し、氷上に置いた。細胞懸濁液中のMatrigel(登録商標)の最終濃度は、78.3%であった。細胞収集日の細胞生存率は89.3%であった。
【0192】
腫瘍細胞接種の日を0日目とした。個々の腫瘍は、処理開始日である腫瘍細胞接種後の18日目に75〜188mgの重量(大きさ75〜188mm3)に増大した。適切な範囲内の大きさの腫瘍を有する選択された動物を、治療1日目の腫瘍重量中央値が互いに可能な限り近接するように、4個の治療群に割り当てた。
【0193】
実験は、マウス10匹の媒体治療対照群および群当たりマウス10匹の3種の薬剤治療群から構成され、治療1日目、腫瘍細胞接種後18日目のマウスは全部で40匹であった。1群の動物は、9日間毎日連続して計2回(18〜26日目および38〜46日)、生理食塩水で希釈したアプリジンの媒体でi.p.治療した。アプリジンは、9日間毎日連続して計2回(18〜26日目および38〜46日目)、60μg/kg/用量の投与量で、単独で(2群)、またはボルテゾミブと組み合わせて(4群)投与した。ボルテゾミブは、0.35mg/kg/用量の投与量で、単独で(3群)、またはアプリジンと組み合わせて(4群)、18日目から4週間は3日間隔で計2回i.v.投与し、最後の1回は46日目にi.v.注射によって投与した。4群では両方の化合物を投与する日に、アプリジンを最初に群の全動物10匹に注射し、直後にボルテゾミブを投与した(4群)。
【0194】
1群は、0.18%クレモフォアEL/0.18%エタノール/0.84%WFI/98.8%生理食塩水(注射容量:0.1mL/10g体重)でi.p.治療した。アプリジンは、15%クレモフォアEL/15%エタノール/70%WFIを含有する媒体で復元し、生理食塩水で希釈した(注射容量:0.1mL/10g体重)。Velcade(登録商標)(ボルテゾミブ)は、生理食塩水(注射容量:0.1mL/10g体重)で調製した。
【0195】
動物は毎日観察し、臨床徴候に注意した。週2回s.c.腫瘍を測定し動物の体重を測定し、治療の最初の日である腫瘍接種後18日目からそれを開始した。腫瘍体積は、ノギスによって測定し(mm)、実施例7で説明したように楕円球体については、式を使用した。
【0196】
27日目(1回目のアプリジン治療終了後1日目)および48日目(アプリジンおよびボルテゾミブによる治療終了後2日目)の治療群の腫瘍重量中央値(T)と対照群の腫瘍重量中央値との比較(T/C×100%)を、抗腫瘍効果の評価に使用した。各治療の%T/Cを表20に報告する。
【0197】
【表27】

【0198】
アプリジンおよびボルテゾミブの併用治療は、死亡することなく許容された。併用治療はRPMI8226骨髄腫細胞の増殖阻害に有効であり、27日目のT/C値は49%、48日目では31%であった。この併用治療の抗腫瘍活性は、それぞれの化合物の単独投与によって生じた抗腫瘍活性と比較して相加的であった。
【0199】
(実施例9:リンパ腫の異種移植における別の標準薬と組み合わせたアプリジンの効果を測定するためのインビボ研究)
この研究の目的は、メスのSCIDマウスに皮下移植したRLヒトリンパ腫細胞に対して、リツキシマブと組み合わせて投与したときのアプリジンの抗腫瘍効果を評価することであった。
【0200】
動物をマイクロアイソレーターケージに、ケージ当たり5匹まで収容し、12時間の明暗周期とした。6週齢のオスSCIDマウスは、実験前に1週間研究室に馴化させた。
【0201】
インビトロ細胞培養から得られたRLヒトリンパ腫細胞を23ゲージの針を使用して、各マウスの右脇腹近くにs.c.接種した。それぞれのマウスに、Matrigel(登録商標)0.2mLに再懸濁した1.0×107個の細胞を投与した。凍結した細胞を入れたバイアルを解凍し、高濃度のグルコース(4500mg/L)、重炭酸ナトリウム(1500mg/mL)、L-グルタミン2mM、Hepes 10mM、ピルビン酸ナトリウム1mMおよび10%ウシ胎児血清を含有するRPMI1640培地(完全培地)中で培養し、マウスに接種するために必要な細胞数が得られるまで、+37℃のインキュベーター内で、CO25%の湿潤雰囲気中で増殖させた。細胞は、6回継代培養した後収集した。細胞をフラスコから取り出し、50mLの遠心管に入れ、冷蔵遠心機で1000rpmで10分間遠心した。この細胞ペレットを新鮮な完全培地に再懸濁した。細胞計数は、Coulter Model Z1細胞計数器で測定し、生存率は、ヨウ化プロピジウム染色した後測定して、Beckman Coulter EPICS XLフローサイトメトリーを使用して分析した。細胞懸濁液を再度遠心し、細胞ペレットをMatrigel(登録商標)に細胞密度5.0×107細胞/mLで再懸濁し、氷上に置いた。細胞懸濁液中のMatrigel(登録商標)の最終濃度は、73.0%であった。細胞収集日の細胞生存率は98.9%であった。
【0202】
腫瘍細胞接種の日は、0日目とした。個々の腫瘍は、治療開始日である腫瘍細胞接種後の15日目に100〜196mgの重量(大きさ100〜196mm3)に増大した。適切な範囲内の大きさの腫瘍を有する40匹の動物を、治療1日目の全群の腫瘍重量中央値が互いに可能な限り近接するように、4個の治療群に割り当てた。
【0203】
実験は、マウス10匹の媒体治療対照群および群当たりマウス10匹の3種の薬剤治療群から構成され、治療1日目、腫瘍細胞接種後15日目のマウスは全部で40匹であった。1群の動物は、9日間毎日連続して計2回(15〜23日目および28〜36日)生理食塩水で希釈したアプリジンの媒体でi.p.治療した。アプリジンは、9日間毎日連続して計2回(15〜23日目および28〜36日目)60μg/kg/用量の投与量で、単独で(2群)、またはリツキシマブと組み合わせて(4群)投与した。リツキシマブは、20mg/kg/用量の投与量で、単独で(3群)またはアプリジンと組み合わせて(4群)、15日目から4週間は3日間隔で計2回i.p.投与した(q3d×2計画)。4群では両方の化合物を投与する日に、アプリジンを最初に群の全動物10匹に注射し、直後にリツキシマブを投与した(4群)。
【0204】
1群は、0.18%クレモフォアEL/0.18%エタノール/0.84%WFI/98.8%生理食塩水(注射容量:0.1mL/10g体重)でi.p.治療した。アプリジンは、15%クレモフォアEL/15%エタノール/70%WFIを含有する媒体で復元し、生理食塩水で希釈した(注射容量:0.1mL/10g体重)。Rituxan(登録商標)(リツキシマブ)は、生理食塩水(注射容量:0.1mL/10g体重)で調製した。
【0205】
動物は毎日観察し、臨床徴候に注意した。週2回s.c.腫瘍を測定し動物の体重を測定し、治療の最初の日である15日目からそれを開始した。腫瘍体積は、ノギスによって測定し(mm)、実施例7で説明したように楕円球体については、式を使用した。
【0206】
24日目(最初の9日間アプリジン治療の終了後1日目)および38日目(2回目の9日間アプリジン治療の終了後2日目)の治療群の腫瘍重量中央値(T)と対照群の腫瘍重量中央値との比較(T/C×100%)を、抗腫瘍効果の評価に使用した。各治療の%T/Cを表21に報告した。
【0207】
【表28】

【0208】
アプリジンおよびリツキシマブの併用治療は、死亡することなく許容された。併用治療はRLリンパ腫細胞の増殖阻害に有効であり、24日目のT/C値は69%、38日目では74%であった。したがって、アプリジンをリツキシマブと組み合わせると、抗腫瘍活性の増強が認められた。
【0209】
(実施例10:他の標準薬と組み合わせた(3種の併用)アプリジンの多発性骨髄腫細胞系に対する効果を測定するためのインビボ研究)
本研究では、抗腫瘍薬の3種併用を分析した。組合せは全て、非常に敏感なMM細胞系であるMM.1S細胞系における細胞生存率アッセイ(MMT)を使用して試験した。結果は、Calcusynソフトウェアを使用して分析した。
【0210】
[細胞系および細胞培養試薬]
デキサメタゾン感受性MM細胞系MM.1Sは、Bethesda MDのS Rudikoff博士から恵与された。細胞系は、10%熱不活性化ウシ胎児血清、ペニシリン100U/ml、ストレプトマイシン100μg/mlおよびL-グルタミン2mMを補給したRPMI1640中で増殖させた。細胞培養用培地および試薬は全て、Invitrogen Corporation(Carlsbad、CA)から購入した。
【0211】
[細胞生存率アッセイ]
MM細胞増殖の分析は、メチルチオテトラゾール(MTT、Sigma、St.Louis MO)比色アッセイを使用して評価した。MM細胞系は、48ウェルプレートに1ウェル当たり50000細胞/200μl培地の密度で接種し、決定された薬剤用量および時間で処理した。処理終了前2時間に、MTT溶液(5mg/mlPBS溶液、通常各ウェルの体積の10%)を添加し、テトラゾリウム塩は、代謝活性のある細胞によって着色したホルマザン結晶に還元された。一晩10%SDS-HCl溶液とインキュベートすることによってこれらの結晶を可溶化した後、吸収を570nmで測定し、630nmで修正した。4個のウェルをそれぞれの条件について分析し、結果を少なくとも3回繰り返した4連の代表的実験の平均±SDとして表す。
【0212】
[アイソボログラム分析]
アプリジンと他の抗MM薬との間の相互作用は、Calcusynソフトウェアプログラム(Biosoft、Ferguson、MO)を使用して分析した。細胞生存率アッセイ(MTT)によって得られたデータは、未処理細胞(対照)と比較して薬剤処理細胞における用量(Fa)によって影響を受けた細胞のfractionとして表された。このプログラムは、Chou-Talalay法に基づいており、以下の式CI=(D)1/(Dx)1+(D)1(D)2/(Dx)1(Dx)2(式中、(D)1および(D)2は、単独で使用したとき同じx効果を有する薬剤1および2の用量である)に従う。
【0213】
組合せの結果を判断するためにコンピュータによって算出した併用係数(combination index;CI)を使用した。CI>1は拮抗作用を示し、CI=1は相加作用を示し、CI<1は相乗作用を示す。median-effect pricipleに対するデータの一致は、median-effectプロット:log(fa/fu)=mlog(D)-mlog(Dm)(Dは用量、Dmは50%効果に必要な容量、faは用量によって影響を受けるfraction、fuは影響を受けないfraction、mは用量効果曲線のシグモイド形の係数である)の直線相関係数(r)によって容易に表すことができる。それぞれの組合せでは、比率が一定ではない組合せを使用した。
【0214】
[結果]
[アプリジン+レナリドミド(Revlimid(登録商標))+デキサメタゾンの組合せ]
アプリジン+レナリドミドの組合せにデキサメタゾンを添加すると、感受性細胞系(MM1S)で試験した組合せ全てに重大な相乗性を示した(図80)。図80では、アプリジン用量は、nM単位で表し、レナリドミド用量はμM単位で表し、デキサメタゾン用量はnM単位で表す。
【0215】
[アプリジン+ボルテゾミブ+デキサメタゾンの組合せ]
アプリジンとボルテゾミブの組合せにデキサメタゾンを添加すると、相乗性の明らかな傾向があるいくつかの用量が得られた(図81)。図81では、アプリジン用量は、nM単位で表し、ボルテゾミブ用量はnM単位で表し、デキサメタゾン用量はnM単位で表す。
【0216】
[アプリジン+ボルテゾミブ+レナリドミド(Revlimid(登録商標))の組合せ]
アプリジンとレナリドミドなどの免疫調節剤との組合せにボルテゾミブを添加すると、MM1Sにおける相乗性範囲内にCIを有する抗腫瘍効果が明らかに増加した(図82)。図82では、アプリジン用量は、nM単位で表し、ボルテゾミブ用量はnM単位で表し、レナリドミド用量はμM単位で表す。
【0217】
[アプリジン+サリドマイド+デキサメタゾンの組合せ]
この組合せは、図83に認めることができるように、3種の組合せにおいて明らかな相乗性を示した。図83では、アプリジン用量はnM単位で表し、サリドマイド用量はμM単位で表し、デキサメタゾン用量はnM単位で表す。
【0218】
[アプリジン+メルファラン+デキサメタゾンの組合せ]
この組合せはまた、主に高用量の薬剤で明らかな相乗範囲を示した(図84)。図84では、アプリジン用量は、nM単位で表し、メルファラン用量はμM単位で表し、デキサメタゾン用量はnM単位で表す。
【0219】
[アプリジン+メルファラン+ボルテゾミブの組合せ]
この組合せは、高用量で使用したとき、相乗範囲においてCIを生じた(図85)。図85では、アプリジン用量は、nM単位で表し、メルファラン用量はμM単位で表し、ボルテゾミブ用量はnM単位で表す。
【0220】
アプリジンに関するこれらの発見は、アプリジン類似体、誘導体および関連化合物に適用することができる。例えば、本発明は、WO0202596の化合物などの化合物と抗癌剤、好ましくは、パクリタキセル(Taxol(登録商標))、ドキソルビシン、シスプラチン、三酸化ヒ素、5-フルオロウラシル(5-FU)、シトシンアラビノシド(AraC)、カルボプラチン、7-エチル-10-ヒドロキシカンプトテシン(SN38)、エトポシド(VP16)、メルファラン、デキサメタゾン、シクロホスファミド、ボルテゾミブ、エルロチニブ、トラスツズマブ、レナリドミド(Revlimid(登録商標))、インターロイキン-2(IL-2)、インターフェロン-α2(INF-α)、ダカルバジン(DTIC)、ベバシズマブ(Avastin(登録商標))、イダルビシン、サリドマイドおよびリツキシマブとの組合せを提供する。
【0221】
アプリジン自体の代わりに使用できるアプリジン類似体の例には、WO0202596に挙げた好ましい化合物が含まれ、特に、本発明の明細書にWO0202596で挙げた好ましい化合物の考察および関連する態様を組み入れる。より好ましくは、類似体は構造的にアプリジンに近く、通常、1個のアミノ酸または末端側鎖がアプリジンと異なる。異なるアミノ酸は、分子または側鎖の環状部分にあってよい。このような化合物の多くの例はWO0202596に挙げられており、本発明で使用するための候補である。
【図面の簡単な説明】
【0222】
【図1】相乗性の存在を明らかにするための方法である直線回帰分析の一例を示した図である。
【図2】パクリタキセル(Taxol(登録商標))と組み合わせたアプリジン(Aplidin(登録商標))のSKBR3細胞に対するインビトロ活性データを示した図である。
【図3】パクリタキセル(Taxol(登録商標))と組み合わせたアプリジン(Aplidin(登録商標))のMOLT3細胞に対するインビトロ活性データを示した図である。
【図4】パクリタキセル(Taxol(登録商標))と組み合わせたアプリジン(Aplidin(登録商標))のPC3細胞に対するインビトロ活性データを示した図である。
【図5】パクリタキセル(Taxol(登録商標))と組み合わせたアプリジン(Aplidin(登録商標))のHL60細胞に対するインビトロ活性データを示した図である。
【図6】パクリタキセル(Taxol(登録商標))と組み合わせたアプリジン(Aplidin(登録商標))のMX1細胞に対するインビトロ活性データを示した図である。
【図7】パクリタキセル(Taxol(登録商標))と組み合わせたアプリジン(Aplidin(登録商標))のA549細胞に対するインビトロ活性データを示した図である。
【図8】ドキソルビシン(DOX)と組み合わせたアプリジン(Aplidin(登録商標))のA549細胞に対するインビトロ活性データを示した図である。
【図9】ドキソルビシン(DOX)と組み合わせたアプリジン(Aplidin(登録商標))のHT29細胞に対するインビトロ活性データを示した図である。
【図10】ドキソルビシン(DOX)と組み合わせたアプリジン(Aplidin(登録商標))のPC3細胞に対するインビトロ活性データを示した図である。
【図11】ドキソルビシン(DOX)と組み合わせたアプリジン(Aplidin(登録商標))のMOLT3細胞に対するインビトロ活性データを示した図である。
【図12】ドキソルビシン(DOX)と組み合わせたアプリジン(Aplidin(登録商標))のMX1細胞に対するインビトロ活性データを示した図である。
【図13】ドキソルビシン(DOX)と組み合わせたアプリジン(Aplidin(登録商標))のSKBR3細胞に対するインビトロ活性データを示した図である。
【図14】シスプラチン(DDP)と組み合わせたアプリジン(AP、Aplidin(登録商標))のMX1細胞に対するインビトロ活性データを示した図である。
【図15】シスプラチン(シス-DDP)と組み合わせたアプリジン(Aplidin(登録商標))のHT29細胞に対するインビトロ活性データを示した図である。
【図16】シスプラチン(シスDDP、DDP)と組み合わせたアプリジン(APL、Aplidin(登録商標))のSKBR3細胞に対するインビトロ活性データを示した図である。
【図17】シスプラチン(シス-DDP、DDP)と組み合わせたアプリジン(Aplidin(登録商標))のMOLT3細胞に対するインビトロ活性データを示した図である。
【図18】シスプラチン(シス-DDP、DDP)と組み合わせたアプリジン(Aplidin(登録商標))のA549細胞に対するインビトロ活性データを示した図である。
【図19】三酸化ヒ素(TRI)と組み合わせたアプリジン(Aplidin(登録商標))のA549細胞に対するインビトロ活性データを示した図である。
【図20】三酸化ヒ素(TRI)と組み合わせたアプリジン(Aplidin(登録商標))のHT29細胞に対するインビトロ活性データを示した図である。
【図21】三酸化ヒ素(TRI)と組み合わせたアプリジン(Aplidin(登録商標))のPC3細胞に対するインビトロ活性データを示した図である。
【図22】三酸化ヒ素(TRI)と組み合わせたアプリジン(Aplidin(登録商標))のMOLT3細胞に対するインビトロ活性データを示した図である。
【図23】5-フルオロウラシル(5FU)と組み合わせたアプリジン(Aplidin(登録商標))のHT60細胞に対するインビトロ活性データを示した図である。
【図24】5-フルオロウラシル(5FU)と組み合わせたアプリジン(Aplidin(登録商標))のSKBR3細胞に対するインビトロ活性データを示した図である。
【図25】5-フルオロウラシル(5FU)と組み合わせたアプリジン(Aplidin(登録商標))のA549細胞に対するインビトロ活性データを示した図である。
【図26】5-フルオロウラシル(5FU)と組み合わせたアプリジン(Aplidin(登録商標))のPC3細胞に対するインビトロ活性データを示した図である。
【図27】5-フルオロウラシル(5FU)と組み合わせたアプリジン(Aplidin(登録商標))のHT29細胞に対するインビトロ活性データを示した図である。
【図28】シトシンアラビノシド(AraC)と組み合わせたアプリジン(Aplidin(登録商標))のSKBR3細胞に対するインビトロ活性データを示した図である。
【図29】シトシンアラビノシド(AraC)と組み合わせたアプリジン(Aplidin(登録商標))のA549細胞に対するインビトロ活性データを示した図である。
【図30】シトシンアラビノシド(AraC)と組み合わせたアプリジン(Aplidin(登録商標))のPC3細胞に対するインビトロ活性データを示した図である。
【図31】シトシンアラビノシド(AraC)と組み合わせたアプリジン(Aplidin(登録商標))のHL60細胞に対するインビトロ活性データを示した図である。
【図32】シトシンアラビノシド(AraC)と組み合わせたアプリジン(Aplidin(登録商標))のHT29細胞に対するインビトロ活性データを示した図である。
【図33】カルボプラチンと組み合わせたアプリジン(Aplidin(登録商標))のPC3細胞に対するインビトロ活性データを示した図である。
【図34】カルボプラチンと組み合わせたアプリジン(Aplidin(登録商標))のHT29細胞に対するインビトロ活性データを示した図である。
【図35】カルボプラチンと組み合わせたアプリジン(Aplidin(登録商標))のA549細胞に対するインビトロ活性データを示した図である。
【図36】カルボプラチンと組み合わせたアプリジン(Aplidin(登録商標))のMOLT3細胞に対するインビトロ活性データを示した図である。
【図37】カルボプラチンと組み合わせたアプリジン(Aplidin(登録商標))のMX1細胞に対するインビトロ活性データを示した図である。
【図38】SN-38と組み合わせたアプリジン(Aplidin(登録商標))のA549細胞に対するインビトロ活性データを示した図である。
【図39】SN-38と組み合わせたアプリジン(Aplidin(登録商標))のSKBR3細胞に対するインビトロ活性データを示した図である。
【図40】SN-38と組み合わせたアプリジン(Aplidin(登録商標))のHL60細胞に対するインビトロ活性データを示した図である。
【図41】SN-38と組み合わせたアプリジン(Aplidin(登録商標))のPC3細胞に対するインビトロ活性データを示した図である。
【図42A】VP16(B)と組み合わせたアプリジン(A、Aplidin(登録商標))のHL-60細胞に対するインビトロ活性データを示した図である。
【図42B】VP16(B)と組み合わせたアプリジン(A、Aplidin(登録商標))のHL-60細胞に対するインビトロ活性データを示した図である。
【図43A】VP16(B)と組み合わせたアプリジン(A、Aplidin(登録商標))のK562細胞に対するインビトロ活性データを示した図である。
【図43B】VP16(B)と組み合わせたアプリジン(A、Aplidin(登録商標))のK562細胞に対するインビトロ活性データを示した図である。
【図44A】VP16(B)と組み合わせたアプリジン(A、Aplidin(登録商標))のMOLT-3細胞に対するインビトロ活性データを示した図である。
【図44B】VP16(B)と組み合わせたアプリジン(A、Aplidin(登録商標))のMOLT-3細胞に対するインビトロ活性データを示した図である。
【図45A】VP16(B)と組み合わせたアプリジン(A、Aplidin(登録商標))のMC116細胞に対するインビトロ活性データを示した図である。
【図45B】VP16(B)と組み合わせたアプリジン(A、Aplidin(登録商標))のMC116細胞に対するインビトロ活性データを示した図である。
【図46A】VP16(B)と組み合わせたアプリジン(A、Aplidin(登録商標))のRAMOS細胞に対するインビトロ活性データを示した図である。
【図46B】VP16(B)と組み合わせたアプリジン(A、Aplidin(登録商標))のRAMOS細胞に対するインビトロ活性データを示した図である。
【図47A】VP16(B)と組み合わせたアプリジン(A、Aplidin(登録商標))のU937細胞に対するインビトロ活性データを示した図である。
【図47B】VP16(B)と組み合わせたアプリジン(A、Aplidin(登録商標))のU937細胞に対するインビトロ活性データを示した図である。
【図48A】VP16(B)と組み合わせたアプリジン(A、Aplidin(登録商標))のNCI-H929細胞に対するインビトロ活性データを示した図である。
【図48B】VP16(B)と組み合わせたアプリジン(A、Aplidin(登録商標))のNCI-H929細胞に対するインビトロ活性データを示した図である。
【図49A】VP16(B)と組み合わせたアプリジン(A、Aplidin(登録商標))のHUNS-1細胞に対するインビトロ活性データを示した図である。
【図49B】VP16(B)と組み合わせたアプリジン(A、Aplidin(登録商標))のHUNS-1細胞に対するインビトロ活性データを示した図である。
【図50A】VP16(B)と組み合わせたアプリジン(A、Aplidin(登録商標))のU266B1細胞に対するインビトロ活性データを示した図である。
【図50B】VP16(B)と組み合わせたアプリジン(A、Aplidin(登録商標))のU266B1細胞に対するインビトロ活性データを示した図である。
【図51A】VP16(B)と組み合わせたアプリジン(A、Aplidin(登録商標))のRPMI8226細胞に対するインビトロ活性データを示した図である。
【図51B】VP16(B)と組み合わせたアプリジン(A、Aplidin(登録商標))のRPMI8226細胞に対するインビトロ活性データを示した図である。
【図52】カルボプラチンと組み合わせたアプリジン(Aplidin(登録商標))のLOX-I-MV1細胞に対するインビトロ活性データを示した図である。
【図53】カルボプラチンと組み合わせたアプリジン(Aplidin(登録商標))のUACC-257細胞に対するインビトロ活性データを示した図である。
【図54】MM1S、MM1R、U266およびU266-LR7細胞系における(48時間処理)後のアプリジンに対する用量反応を示した図である。
【図55】MM1S細胞系に対するアプリジン(Aplidin(登録商標)および他の薬剤の投与効果(48時間処理)を比較した図である。
【図56】3日目のアプリジン(Aplidin(登録商標))およびデキサメタゾンの組合せを示した図である。A)用量作用曲線。B)Fa-CIプロット。
【図57】6日目のアプリジン(Aplidin(登録商標))およびデキサメタゾンの組合せを示した図である。A)用量作用曲線。B)Fa-CIプロット。
【図58】3日目のアプリジン(Aplidin(登録商標))およびメルファランの組合せを示した図である。A)用量作用曲線。B)Fa-CIプロット。
【図59】6日目のアプリジン(Aplidin(登録商標))およびメルファランの組合せを示した図である。A)用量作用曲線。B)Fa-CIプロット。
【図60】3日目のアプリジン(Aplidin(登録商標))およびドキソルビシンの組合せを示した図である。A)用量作用曲線。B)Fa-CIプロット。
【図61】6日目のアプリジン(Aplidin(登録商標))およびドキソルビシンの組合せを示した図である。A)用量作用曲線。B)Fa-CIプロット。
【図62】3日目のアプリジン(Aplidin(登録商標))およびレナリドミド(Revlimid(登録商標))の組合せを示した図である。A)用量作用曲線。B)Fa-CIプロット。
【図63】6日目のアプリジン(Aplidin(登録商標))およびレナリドミド(Revlimid(登録商標))の組合せを示した図である。A)用量作用曲線。B)Fa-CIプロット。
【図64】3日目のアプリジン(Aplidin(登録商標))およびボルテゾミブの組合せを示した図である。A)用量作用曲線。B)Fa-CIプロット。
【図65】6日目のアプリジン(Aplidin(登録商標))およびボルテゾミブの組合せを示した図である。A)用量作用曲線。B)Fa-CIプロット。
【図66】MRI-H-187黒色腫異種移植において、単独薬剤またはダカルバジンとの組合せとしてアプリジン(Aplidin(登録商標))で治療を開始した後の正味腫瘍体積の動態を示した図である。
【図67】MRI-H-187黒色腫異種移植において、単独薬剤またはカルボプラチンとの組合せとしてアプリジン(Aplidin(登録商標))で治療を開始した後の正味腫瘍体積の動態を示した図である。
【図68】MRI-H-187黒色腫異種移植において、単独薬剤またはインターロイキン-2(IL-2)との組合せとしてアプリジン(Aplidin(登録商標))で治療を開始した後の正味腫瘍体積の動態を示した図である。
【図69】MRI-H-187黒色腫異種移植において、単独薬剤またはインターフェロン-α2a(INF-α)との組合せとしてアプリジン(Aplidin(登録商標))で治療を開始した後の正味腫瘍体積の動態を示した図である。
【図70】LOX-IMVI黒色腫異種移植において、単独薬剤またはダカルバジン(DTIC)との組合せとしてアプリジン(APL)で治療を開始した後の正味腫瘍体積の動態を示した図である。
【図71】LOX-IMVI黒色腫異種移植において、単独薬剤またはカルボプラチンとの組合せとしてアプリジン(APL)で治療を開始した後の正味腫瘍体積の動態を示した図である。
【図72】LOX-IMVI黒色腫異種移植において、単独薬剤またはインターロイキン-2(IL-2)との組合せとしてアプリジン(APL、Aplidin(登録商標))で治療を開始した後の正味腫瘍体積の動態を示した図である。
【図73】LOX-IMVI黒色腫異種移植において、単独薬剤またはインターフェロン-α2a(INF-α)との組合せとしてアプリジン(APL、Aplidin(登録商標))による治療を開始した後の正味腫瘍体積の動態を示した図である。
【図74】CaKi-1腎臓癌異種移植において、単独薬剤またはベバシズマブ(Avastin(登録商標))との組合せとしてアプリジン(APL)で治療を開始した後の正味腫瘍体積の動態を示した図である。
【図75】CaKi-1腎臓癌異種移植において、単独薬剤またはインターロイキン-2(IL-2)との組合せとしてアプリジン(APL)で治療を開始した後の正味腫瘍体積の動態を示した図である。
【図76】CaKi-1腎臓癌異種移植において、単独薬剤またはインターフェロン-α2a(IFN-α2a)との組合せとしてアプリジン(APL)で治療を開始した後の正味腫瘍体積の動態を示した図である。
【図77】MRI-H121腎臓癌異種移植において、単独薬剤またはベバシズマブ(Avastin(登録商標))との組合せとしてアプリジン(APL)で治療を開始した後の正味腫瘍体積の動態を示した図である。
【図78】MRI-H121腎臓癌異種移植において、単独薬剤またはインターロイキン-2(IL-2)との組合せとしてアプリジン(APL)で治療を開始した後の正味腫瘍体積の動態を示した図である。
【図79】MRI-H121腎臓癌異種移植において、単独薬剤またはインターフェロン-α2a(INF-α)との組合せとしてアプリジン(APL)で治療を開始した後の正味腫瘍体積の動態を示した図である。
【図80】MM1Sにおいてアプリジン(A)+レナリドミド(Revlimid(登録商標);R)+デキサメタゾン(D)の組合せで72時間治療した後を示した図である。アプリジン用量は、nM単位で表し、レナリドミド用量はμM単位で表し、デキサメタゾン用量はnM単位で表す。
【図81】MM1Sにおいてアプリジン(A)+ボルテゾミブ(B)+デキサメタゾン(D)の組合せで72時間治療した後を示した図である。アプリジン用量は、nM単位で表し、ボルテゾミブ用量はnM単位で表し、デキサメタゾン用量はnM単位で表す。
【図82】MM1Sにおいてアプリジン(A)+ボルテゾミブ(B)+レナリドミド(Revlimid(登録商標);R)の組合せで72時間治療した後を示した図である。アプリジン用量は、nM単位で表し、ボルテゾミブ用量はnM単位で表し、レナリドミド用量はμM単位で表す。
【図83】MM1Sにおいてアプリジン(A)+サリドマイド(T)+デキサメタゾン(D)の組合せで72時間治療した後を示した図である。アプリジン用量は、nM単位で表し、サリドマイド用量はμM単位で表し、デキサメタゾンはnM単位で表す。
【図84】MM1Sにおいてアプリジン(A)+メルファラン(M)+デキサメタゾン(D)の組合せで72時間治療した後を示した図である。アプリジン用量は、nM単位で表し、メルファラン用量はμM単位で表し、デキサメタゾン用量はnM単位で表す。
【図85】MM1Sにおいてアプリジン(A)+メルファラン(M)+ボルテゾミブ(B)の組合せで72時間治療した後を示した図である。アプリジン用量は、nM単位で表し、メルファラン用量はμM単位で表し、ボルテゾミブ用量はnM単位で表す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アプリジンまたはアプリジン類似体と別の薬剤を使用する併用治療によって癌を治療するための医薬品の製造におけるアプリジンまたはアプリジン類似体の使用。
【請求項2】
他の薬剤が、肺癌、乳癌、大腸癌、前立腺癌、腎臓癌、黒色腫、多発性骨髄腫、白血病およびリンパ腫から選択される癌の治療に有効である、請求項1に記載のアプリジンまたはアプリジン類似体の使用。
【請求項3】
アプリジンまたはアプリジン類似体および他の薬剤が同一組成物の一部を形成する、請求項1または2のいずれかに記載のアプリジンまたはアプリジン類似体の使用。
【請求項4】
アプリジンまたはアプリジン類似体および他の薬剤が同時または異なるときに投与するための別々の組成物として提供される、請求項1または2に記載のアプリジンまたはアプリジン類似体の使用。
【請求項5】
他の薬剤が、パクリタキセル、ドキソルビシン、シスプラチン、三酸化ヒ素、5-フルオロウラシル、シトシンアラビノシド、カルボプラチン、7-エチル-10-ヒドロキシカンプトテシン、エトポシド、メルファラン、デキサメタゾン、シクロホスファミド、ボルテゾミブ、エルロチニブ、トラスツズマブ、レナリドミド、インターロイキン-2、インターフェロン-α2、ダカルバジン、ベバシズマブ、イダルビシン、サリドマイドおよびリツキシマブからなる群から選択される、請求項1から4のいずれかに記載のアプリジンもしくはアプリジン類似体の使用。
【請求項6】
アプリジンまたはアプリジン類似体がアプリジンである、請求項1から5のいずれかに記載のアプリジンまたはアプリジン類似体の使用。
【請求項7】
第3の薬剤を投与する、請求項1から6のいずれかに記載のアプリジンまたはアプリジン類似体の使用。
【請求項8】
第2および第3の薬剤が、パクリタキセル、ドキソルビシン、シスプラチン、三酸化ヒ素、5-フルオロウラシル、シトシンアラビノシド、カルボプラチン、7-エチル-10-ヒドロキシカンプトテシン、エトポシド、メルファラン、デキサメタゾン、シクロホスファミド、ボルテゾミブ、エルロチニブ、トラスツズマブ、レナリドミド、インターロイキン-2、インターフェロン-α2、ダカルバジン、ベバシズマブ、イダルビシン、サリドマイドおよびリツキシマブからなる群から選択される、請求項7に記載のアプリジンまたはアプリジン類似体の使用。
【請求項9】
治療有効量のアプリジンまたはアプリジン類似体、および治療有効量の癌の治療に有効な別の薬剤をこのような治療を必要とする患者に投与するステップを含む癌の治療方法。
【請求項10】
治療すべき癌が、肺癌、乳癌、大腸癌、前立腺癌、腎臓癌、黒色腫、多発性骨髄腫、白血病およびリンパ腫から選択される、請求項9に記載の癌の治療方法。
【請求項11】
他の薬剤が、パクリタキセル、ドキソルビシン、シスプラチン、三酸化ヒ素、5-フルオロウラシル、シトシンアラビノシド、カルボプラチン、7-エチル-10-ヒドロキシカンプトテシン、エトポシド、メルファラン、デキサメタゾン、シクロホスファミド、ボルテゾミブ、エルロチニブ、トラスツズマブ、レナリドミド、インターロイキン-2、インターフェロン-α2、ダカルバジン、ベバシズマブ、イダルビシン、サリドマイドおよびリツキシマブからなる群から選択される、請求項9または10に記載の癌の治療方法。
【請求項12】
癌の治療に有効な薬剤の治療効果を増大させる方法であって、ある量のアプリジンまたはアプリジン類似体をそれらを必要とする患者に投与するステップを含む方法。
【請求項13】
治療すべき癌が、肺癌、乳癌、大腸癌、前立腺癌、腎臓癌、黒色腫、多発性骨髄腫、白血病およびリンパ腫から選択される、請求項12に記載の癌の治療に有効な薬剤の治療効果を増大させる方法。
【請求項14】
前記薬剤が、パクリタキセル、ドキソルビシン、シスプラチン、三酸化ヒ素、5-フルオロウラシル、シトシンアラビノシド、カルボプラチン、7-エチル-10-ヒドロキシカンプトテシン、エトポシド、メルファラン、デキサメタゾン、シクロホスファミド、ボルテゾミブ、エルロチニブ、トラスツズマブ、レナリドミド、インターロイキン-2、インターフェロン-α2、ダカルバジン、ベバシズマブ、イダルビシン、サリドマイドおよびリツキシマブからなる群から選択される、請求項12または13に記載の癌の治療に有効な薬剤の治療効果を増大させる方法。
【請求項15】
前記アプリジンまたはアプリジン類似体および他の薬剤が同一組成物の一部を形成する、請求項9から14のいずれかに記載の方法。
【請求項16】
アプリジンまたはアプリジン類似体および他の薬剤が同時または異なるときに投与するための別々の組成物として提供される、請求項9から14のいずれかに記載の方法。
【請求項17】
前記アプリジンまたはアプリジン類似体がアプリジンである、請求項9から16のいずれかに記載の方法。
【請求項18】
治療有効量の第3の薬剤を投与する、請求項9または17のいずれかに記載の方法。
【請求項19】
前記第2および第3の薬剤が、パクリタキセル、ドキソルビシン、シスプラチン、三酸化ヒ素、5-フルオロウラシル、シトシンアラビノシド、カルボプラチン、7-エチル-10-ヒドロキシカンプトテシン、エトポシド、メルファラン、デキサメタゾン、シクロホスファミド、ボルテゾミブ、エルロチニブ、トラスツズマブ、レナリドミド、インターロイキン-2、インターフェロン-α2、ダカルバジン、ベバシズマブ、イダルビシン、サリドマイドおよびリツキシマブからなる群から選択される、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
投与形態のアプリジンまたはアプリジン類似体、投与形態の癌治療に有効な別の薬剤、および癌の治療または予防についてそれぞれの作用体を組み合わせて使用するための説明書を含む、癌の治療または予防において使用するためのキット。
【請求項21】
キットが、肺癌、乳癌、大腸癌、前立腺癌、腎臓癌、黒色腫、多発性骨髄腫、白血病およびリンパ腫から選択される癌の治療または予防において使用するためのものである、請求項20に記載のキット。
【請求項22】
他の薬剤が、パクリタキセル、ドキソルビシン、シスプラチン、三酸化ヒ素、5-フルオロウラシル、シトシンアラビノシド、カルボプラチン、7-エチル-10-ヒドロキシカンプトテシン、エトポシド、メルファラン、デキサメタゾン、シクロホスファミド、ボルテゾミブ、エルロチニブ、トラスツズマブ、レナリドミド、インターロイキン-2、インターフェロン-α2、ダカルバジン、ベバシズマブ、イダルビシン、サリドマイドおよびリツキシマブからなる群から選択される、請求項20または21に記載のキット。
【請求項23】
投与形態の、癌治療に有効な第3の薬剤をさらに含む、請求項20または21に記載のキット。
【請求項24】
前記第2および第3の薬剤が、パクリタキセル、ドキソルビシン、シスプラチン、三酸化ヒ素、5-フルオロウラシル、シトシンアラビノシド、カルボプラチン、7-エチル-10-ヒドロキシカンプトテシン、エトポシド、メルファラン、デキサメタゾン、シクロホスファミド、ボルテゾミブ、エルロチニブ、トラスツズマブ、レナリドミド、インターロイキン-2、インターフェロン-α2、ダカルバジン、ベバシズマブ、イダルビシン、サリドマイドおよびリツキシマブからなる群から選択される、請求項23に記載のキット。
【請求項25】
アプリジンまたはアプリジン類似体および癌の治療に有効な別の薬剤を含む医薬組成物。
【請求項26】
他の薬剤が、肺癌、乳癌、大腸癌、前立腺癌、腎臓癌、黒色腫、多発性骨髄腫、白血病およびリンパ腫から選択される癌の治療に有効である、請求項25に記載の医薬組成物。
【請求項27】
他の薬剤が、パクリタキセル、ドキソルビシン、シスプラチン、三酸化ヒ素、5-フルオロウラシル、シトシンアラビノシド、カルボプラチン、7-エチル-10-ヒドロキシカンプトテシン、エトポシド、メルファラン、デキサメタゾン、シクロホスファミド、ボルテゾミブ、エルロチニブ、トラスツズマブ、レナリドミド、インターロイキン-2、インターフェロン-α2、ダカルバジン、ベバシズマブ、イダルビシン、サリドマイドおよびリツキシマブからなる群から選択される、請求項25または26に記載の医薬組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42B】
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【図43B】
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【図44B】
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【図45B】
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【図46B】
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【図47B】
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【図48B】
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【図49B】
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【図50B】
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【図51B】
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【図52】
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【図53】
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【図54】
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【図56】
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【図57】
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【図58】
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【図59】
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【図60】
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【図61】
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【図62】
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【図63】
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【図64】
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【図65】
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【図66】
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【図67】
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【図68】
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【図69】
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【図70】
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【図71】
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【図72】
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【図73】
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【図75】
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【図76】
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【図77】
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【図78】
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【図80】
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【図81】
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【図82】
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【図83】
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【図84】
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【図85】
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【図42A】
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【図43A】
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【図44A】
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【図45A】
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【図46A】
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【図47A】
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【図48A】
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【図49A】
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【図50A】
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【図51A】
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【図55】
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【公表番号】特表2009−528379(P2009−528379A)
【公表日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−557477(P2008−557477)
【出願日】平成19年2月28日(2007.2.28)
【国際出願番号】PCT/US2007/062936
【国際公開番号】WO2007/101235
【国際公開日】平成19年9月7日(2007.9.7)
【出願人】(501440835)ファルマ・マール・ソシエダード・アノニマ (30)
【Fターム(参考)】