説明

放射線応用計測方法,放射線応用計測装置及び放射線応用計測装置用断熱材

【課題】酸・アルカリや有機溶剤などの環境下で使用でき,さらに検出部と線源との間に介在する水分による検出精度の低下を生じない放射線応用測定装置及びコンパクトにして放射線源と検出器が簡単に同一光軸上に設置できるような構造を持つ放射線応用測定装置を提供すること。
【解決手段】放射線源部3と該放射線源部3に対向して配置された放射線検出部5との間に検出対象空洞1を挟んで配置し,放射線源部3から放出され検出対象空洞1を通過した放射線を放射線検出部5で検出することにより検出対象空洞内1の検出対象物の特性を計測する放射線応用計測方法において,放射線検出部5と検出対象空洞1との間に,非吸水性で且つ熱伝導度が0.1W/m・K以下,望ましくは0.1W/m・K以下の部材11を介在させて放射線を検出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,配管,タンクなどの検出対象空洞に取り付けて用いられる放射線応用計測装置における,放射線検出方法,放射線検出装置及び同装置に用いられる断熱材に関する。
【背景技術】
【0002】
放射線応用計測器とは,放射線源(以下,線源という)と放射線検出器(以下,検出器という)を用いて,その間に介在する測定対象の密度,厚さ,レベルなどの物理量を測定するものである。
線源としては,放射性同位元素,X線源などが用いられ,検出器としては,シンチレーションディテクタ,電離箱などが用いられている。
このような放射線応用測定装置としては,特許文献1が知られている。
他の計測方法で密度,厚さやレベルを計測することができるにもかかわらず,放射線応用計測器を選定する理由は,完全な非接触計測ができるという特徴による。このような特徴が生かせる大きな用途として,パイプ,ホッパー,タンクなどの空洞内に設けられた,あるいは流れる,あるいは貯留されている物質,流体などの物理的特性を非接触で計測できることがこの装置の最大のメリットである。
【特許文献1】特開平05−149775号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記検出部と線源との距離は放射線の減衰を考えると近いほうがよいが,両者の距離を近づけると,配管が高温である場合に特に検出部の特に電子部品の劣化が著しい。
電子部品の耐熱温度は50℃であるので,検出部内の温度が50℃以下に保たれていることが必要である。
一方,このような放射線応用測定装置が多く用いられる分野の一つとして,工場内のスチーム配管に適用する分野が提示される。
例えば,化学プラントなどにおいて,配管やタンクに加温が必要な場合,加圧スチームが多く使われる。ボイラなどでつくられた加圧スチームは,プラント各所に供給されるが,供給元での温度が180℃程度の場合が多く,従って,180℃の温度に耐えられれば,化学プラントにおける大半の用途に適用できると言える。
従って,この分野に使われる放射線応用測定装置の検出部と配管との間に断熱材を設けて,しかも検出部を50℃以下の温度に熱的に保護することのできる構造が必要である。
【0004】
このような用途に用いられる断熱材としては種々のものが考えられるが,本発明者がこの放射線検出器における伝熱の程度を鋭意研究したところによると,例えば熱伝導率が0.2 W/(m・K)程度であることが知られているポリカーボネート(PC)の程度の断熱性では,非常に厚いものにならざると得ないので放射線検出器における断熱材としては不適切であることが分った。更に熱伝導率として例えば0.1W/(m・K)以下が少なくとも望ましく,更に望ましいのは熱伝導率が0.05W/(m・K)以下であることが分かった。
【0005】
また,上記製紙工業などの化学工業の現場では,放射線応用計測器が高湿の雰囲気下で用いられる事が多いが,線源と検出器との間に水分が介在すると,放射線が水分に吸収されるため,吸収された水分に応じて計測値が変動するという問題がある。しかしながら,上記化学プロセスなどへの放射線応用計測器について,上記のような厳しい環境への適用はこれからの分野であるため,上記のような高度の断熱率の必要性,あるいは水分吸収性についてこれまでは考慮されていなかった。
【0006】
このような放射線応用特定装置は,上記のような非接触性といった有利な点に鑑み,最近は厳しい環境下で用いられる事例が出てきている。たとえば,ソーダ工業(石灰乳などの濃度)のプロセスの中で,石灰乳スラリ (80〜90℃と塩水からNH4Clを生成する途中の工程において,スラリ(70〜90℃)や,NaOH水溶液の濃度管理などには,放射線検出装置が用いられるが,これらのスラリ,水溶液自身アルカリ性であり,且つ,他にもアルカリ性の物質が多く,プロセス全体がアルカリ雰囲気となっている。
【0007】
また,上記製紙工業におけるクラフトパルプ製造過程で得られる「黒液」(濃度20%程度)は,そのままでは燃料とはならないが,エバポレータという装置で70%程度まで煮詰めると,回収ボイラでの燃焼が可能となる。そのため「黒液」中の有機分を燃焼させ,発生するエネルギーを蒸気・電力に変換し,工場内で利用する。
一方,上記「黒液」を燃焼させた後に残る無機分は水に溶け,「緑液」となる。これを,製薬工程で,もとの「白液」にもどし,蒸解工程で再利用する。
上記「白液」には,水酸化ナトリウムが含まれており,アルカリ性である。このアルカリ性を利用して,チップを分解し,繊維を取り出す。この時に得られる黒液(当然強いアルカリ性)が,工場のエネルギとして利用されるが,その濃縮工程でガンマ線密度計が利用される。
このとき,複数のエバポレータで白液,黒液の段階的に濃度を上げるが,その各段階で濃度を管理する必要がある。さらに各段階で配管温度は異なるが,最高130〜140℃になり,前記のように装置の耐熱性が必要である。
【0008】
上記のように,近年,放射線応用計測装置が存在意義を発揮し始めた製紙工業などの化学工業の分野では,酸やアルカリのミストが存在する環境や,酸・アルカリや有機溶剤の飛沫がかかるような環境が多く存在する。従って,放射線応用計測器に耐薬品性が求められるようになってきている。
【0009】
この点,上記検出器や線源は,それ自身放射線の漏れ対策などの為に,高精度にシールされているので,本来的に耐薬品性の高いものとなっているが,上記断熱材やあるいは保持具などの放射線を横切って取り付けられる部材については,全くシール性がないので,今後上記のような酸性やアルカリ性の雰囲気中で使用するためには耐薬品性が考慮されねばならない。
このような考慮がないと,上記断熱材や上記保持具などの部材が上記薬品によって早期に腐食してその密度や材質が変化し,そこを通る放射線の減衰の程度が変化してしまうので放射線の検出誤差が発生するという重要な問題が生じる。
【0010】
またたとえ配管が高温でなくても,上記検出部と線源とを配管に安定的に取り付けるためには,検出部と線源との配管に対する保持具が必要で,これらの保持具が放射線を横切るために保持具などの部材が,放射線を減衰させないように配慮する必要がある。
【0011】
さらに,前記検出部は,測定対象が通過する配管径に比べて大きい寸法であるので,取り扱いが難しく,線源と検出部が簡単に且つ安定的に同一光軸上に設置できるような構造が求められていた。
【0012】
従って,本発明が第1の目的とするところは,近年の放射線応用測定装置が高温下で使用されることの多い特性に基づいて,特に検出部を熱的に保護することができ,且つ検出部と線源との間に介在する水分による検出値の変動を生じない放射線応用測定装置における測定方法を提供することにある。
【0013】
また本発明が第2の目的とするところは,酸・アルカリや有機溶剤などの環境下で使用でき,さらに検出部と線源との間に介在する水分による検出値の変動を生じない放射線応用測定装置における測定方法を提供することにある。
【0014】
更に第3の目的は,コンパクトにして放射線源と検出器が簡単に同一光軸上に設置できるような構造を持つ放射線応用測定装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記課題を解決するために,本発明が採用する方法面での主な手段は,
放射線源部と該放射線源部に対向して配置された放射線検出部との間に検出対象空洞を挟んで配置し,上記放射線源部から放出され上記検出対象空洞を通過した放射線を上記放射線検出部で検出することにより上記検出対象空洞内の検出対象物の特性を計測する放射線応用計測方法において,
上記放射線検出部と上記検出対象空洞との間に,非吸水性で且つ熱伝導度が0.1W/(m・K)以下,望ましくは0.05W/(m・K)以下の部材を介在させて放射線を検出することを特徴とする放射線応用計測方法である。
上記のように,上記放射線検出部と上記検出対象空洞との間に介在させる部材が,非吸水性かつ高度の断熱性を有するものであれば,近年特に必要とされる高温下での空洞ないの物質の特性測定を行う場合であって,更に水分の多い製紙工業などに用いても,空洞内の高温で検出部が劣化したり,あるいは断熱材が水分を吸収して放射線の減衰の程度が変化して測定値に誤差が発生するような不都合が回避される。
上記のような非吸水性で且つ熱伝導度が0.05W/(m・K)以下の部材が,耐薬品性を有する断熱材であれば,薬品による劣化によって放射線の減衰の程度が変化し測定値に誤差が発生したりしないので,化学工業などの分野における酸性,あるいはアルカリ性の雰囲気でも使用することができる。
【0016】
上記放射線応用計測方法においては,上記放射線源部及び上記放射線検出部が上記検出対象空洞に金属製の保持具を介して取り付けられ,且つ断熱材などの部材が,上記放射線検出部と上記保持具との間に介在されてなるようなものが好ましい。
さらに上記のような構成において,上記放射線源部及び上記放射線検出部が上記検出対象空洞に金属製の保持具を介して取り付けられ,且つ上記保持具が,上記放射線源部に接触する放射線源部側保持具と,上記放射線源部側保持具に対して締結可能で上記放射線検出部に接触する放射線検出部側保持具とから構成されてなるものであることが望ましい。
上記のような保持具を用いることで,線源と検出部とが簡単にしかも同軸状態を維持して上記配管などの検出対象空洞に取り付けうることになり,操作性を著しく向上させることが出来る。
【0017】
上記保持具は,放射線源部に接触する放射線源部側保持具と,上記放射線源部側保持具に対して締結可能で上記放射線検出部に接触する放射線検出部側保持具とから構成されてなることが望ましい。
このような構成によって,保持具が簡単に測定対象空洞に取り付け可能となる。
【0018】
上記放射線源部側保持具としては,上記検出対象空洞に3点で接触する金属板状体により構成され,上記放射線検出部側保持具が,上記検出対象空洞に1点で接触する金属板状体により構成されてなるものが想定されうる。
これらの構成によって,保持具の測定対象空洞への取り付け状態が安定し,結果的に測定精度が向上することになる。
【0019】
上記測定方法を実施しうる放射線応用計測装置としては,
放射線源部と該放射線源部に対向して配置された放射線検出部との間に検出対象空洞を挟んで配置し,上記放射線源部から放出され上記検出対象空洞を通過した放射線を上記放射線検出部で検出することにより上記検出対象空洞内の検出対象物の特性を計測する放射線応用計測装置において,
上記放射線検出部と上記検出対象空洞との間に,非吸水性で且つ熱伝導度が0.05W/(m・K)以下の部材が取り付けられてなることを特徴とする放射線応用計測装置が提案される。
内容としては,前記した放射線応用計測方法と同じであるので,説明を省略する。
【0020】
また,放射線源部と該放射線源部に対向して配置された放射線検出部との間に検出対象空洞を挟んで配置し,上記放射線源部から放出され上記検出対象空洞を通過した放射線を上記放射線検出部で検出することにより上記検出対象空洞内の検出対象物の特性を計測する放射線応用計測装置の上記放射線検出部と上記検出対象空洞との間に取り付けられて用いられる断熱材であって,
上記部材が,非吸水性で且つ熱伝導度が0.05W/(m・K)以下の断熱材である放射線応用計測装置用断熱材が提案される。
これも内容としては前記放射線応用計測方法と同じであるので,説明を省略する。
この場合,断熱材が,上記検出対象空洞表面温度が180℃あるいはその近傍である場合に,上記放射線検出部で50℃以下まで熱伝導を遮断する非吸水性を有する断熱材であることが望ましい。このような条件を満足することによって,スチーム配管内の流動体の性状,特性などを非接触で検出する場合に,熱的損傷によって放射線の測定精度が低下する不都合が解消される。
上記断熱材は,耐アルカリ性および/もしくは耐酸性を有するものであることが望ましい。
【0021】
本発明に用いられる放射線源とは,ガンマ線あるいはX線を発生する放射性同位元素あるいはX線発生装置のことであり,その測定対象の密度や厚さによってそのエネルギー及び強度を適切に選定すればよい。
本発明に用いられる検出器とは,シンチレーションディテクタ,半導体検出器,電離箱の内どれを用いても良いが,配管やタンク内の物体の計測のためには,一般的にはシンチレーションディテクタが用いられ得る。
本発明が提供しようとする放射線応用計測器は,特に使用目的は限定されないが,広く化学・製紙産業などのプロセス管理,土木工事の土砂搬送量管理などに使用されるものが考えられるが,当然ながら本発明の適用範囲はこれに限定されるものではない。
【0022】
本発明で用いられる線源のケースは,耐薬品性を持たせるために,ステンレスやアルマイト処理をしたアルミニウムあるいは塗装をした鋼材,タングステンの他ガラス繊維,カーボン繊維,アラミド繊維,ビニロン繊維,ボロン繊維などで補強したFRPなどが有利な実施例として用いられるが,本発明の範囲としてはこれに限定されるものではない。
更に本発明で用いられる配管固定用保持具は,前記実施例では金属製のものが提案されているが,必ずしも金属である必要はなく,耐薬品性を持たせるために,ステンレスやアルマイト処理をしたアルミニウムあるいは塗装をした鋼材の他ガラス繊維,カーボン繊維,アラミド繊維,ビニロン繊維,ボロン繊維などで補強したFRPなどが主に用いられるが,これ以外に現存するもの,あるいは今後提案される全ての材料が適用可能である。
【0023】
本発明で用いられる検出部のケースは,耐薬品性を持たせるために,ステンレスやアルマイト処理あるいは塗装をしたアルミニウムあるいは塗装をした鋼材,タングステンの他ガラス繊維,カーボン繊維,アラミド繊維,ビニロン繊維,ボロン繊維などで補強したFRPなどが用いられる。
本発明で要求される非吸水性は,測定中に結露,洗浄用の水などが発泡体や樹脂に吸収されることによって計測誤差が発生するのを防ぐためである。具体的には吸水率が2%以下であることが好ましく,吸水率が1%以下であることがさらに好ましい。
【0024】
耐熱性の観点からすると,ポリカーボネートの通常品(発泡体でないもの)の耐熱性は140℃,ポリエチレンテレフタレートの通常品では,70〜120℃,ポリカーボネ―トの発泡体では140℃,ポリエチレンテレフタレートの発泡体(熱処理による結晶化なし)では,70〜120℃,ポリエチレンテレフタレートの発泡体(熱処理による結晶化あり)では,180℃である。
更に,熱伝導率の観点からは,ポリカーボネートの通常品(発泡体でないもの)の熱伝導率は0.2 W/(m・K),ポリエチレンテレフタレートの通常品では,0.2 W/(m・K),ポリカーボネ―トの発泡体では0.03W/(m・K),ポリエチレンテレフタレートの発泡体(熱処理による結晶化なし)では,0.03W/(m・K),ポリエチレンテレフタレートの発泡体(熱処理による結晶化あり)では,0.03W/(m・K)である。
【0025】
従って,例えば,180℃のスチーム配管を流れる測定対象に用いる放射線応用測定装置の場合に,1層の断熱材を用いるとすれば,上の例では熱処理による結晶化されたポリエチレンテレフタレートの発泡体を用いることが望ましい。
しかし,断熱材は複数層に積層して用いることも可能である。例えば,2層で考えるならば,180℃のスチームに近い層に上記熱処理による結晶化されたポリエチレンテレフタレートの発泡体を用いて伝達される熱を減少させ,検出器に近い層に用いる断熱材の耐熱温度まで温度を低下させれば,検出器に近い側にポリエチレンテレフタレートの通常品や,ポリカーボネ―トの発泡体,あるいはポリエチレンテレフタレートの発泡体(熱処理による結晶化なし)を用いることもできる。このようにして,高価な熱処理されたポリエチレンテレフタレートの発泡体と価格の安いほかの材質を組み合わせることで,断熱材のトータルとしての価格を減少させることができる。
【0026】
このように,本発明で用いる検出部と保持具の間に設けられる非吸水性かつ低熱伝導度の材質としては,発泡体が望ましく,以下の非吸水性かつ断熱性の発泡体及び樹脂の何れを用いてもよい。さらに好ましくは,以下のポリエチレンテレフタレート発泡体,フッ素ゴム発泡体,発泡セラミックス,ポリイミド発泡体を単独で用いるか,以下の発泡体の配管側に非吸水性かつ耐薬品性かつ断熱性の樹脂を積層して用いてもよい。
非吸水性かつ断熱性の発泡体の例としては,積水化成品(株)のポリエチレンテレフタレート発泡体 セルペット(熱処理により結晶化させたもの),三福工業(株)のフッ素ゴム発泡体 DF700,DF900,DF700S-86,DF-700-37HSなど,クラレ(株)の発泡セラミックス クランセルライト,宇部興産(株)のポリイミド発泡体 ユーピレックスフォーム,積水化学工業(株)ライトロン,積水化成品工業のミクロレンシート,ネオミクロレンシートなどのポリプロピレン発泡体などが挙げられる。
【0027】
非吸水性かつ断熱性の樹脂の例としては,
a.帝人化成(株)のFR-PET3030シリーズ,ウインテックポリマー(株)のFR-PET,DuPont社のRynite,東洋紡(株)のEMC355,EMC532,EMC545などガラス繊維強化ポリエチレンテレフタレート
b.宇部興産(株)のUBEナイロン 強化グレード,三菱エンジニアリングプラスチック(株)のノバミッド強化系6ナイロン,東レ(株)のアミランなどのガラス繊維強化ナイロン6
c.宇部興産(株)のUBEナイロン66,三菱エンジニアリングプラスチック(株)のノバミッド強化系66ナイロン及び非強化系66ナイロン,東レ(株)のアミラン,旭化成(株)のレオナなどのナイロン66
d.ポリプラスチック(株)のベクトラ住友化学(株)のスミカスーパーLCP ,DuPont社のゼナイト6000/7000シリーズ,新日本石油(株)のザイダー,東レ(株)のシベラス,上野製薬のUENO LCP,などの液晶ポリマー
e.日立化成(株)のエポキシ多層材料MCL-E-679,GEA-679N,MCL-E-679(LD),GEA-679N(LD)など,松下電工(株)のガラスエポキシマルチR-5610S,R-5610,R-1661Tなどのガラスエポキシ材料
f.DuPont社のVESPELなどのポリイミド樹脂
g.Solvey Advanced Polymers社のTORLONなどのポリアミドイミド樹脂
h.GE社のULTEMなどのポリエーテルイミド樹脂
i.DuPont社のTeflon PTFE,旭硝子のFluon PTFE,ダイキン工業のポリフロンPTFEなどのPTFE樹脂
j.BASF社のUltrason,住友化学のスミカエクセルPES,Solvey Advanced Polymers社のRADEL Aなどのポリエーテルサルホン樹脂
k.Solvey Advanced Polymers社のRADEL Rなどのポリフェニルサルホン樹脂
l.Solvey Advanced Polymers社のUDELなどのポリサルホン樹脂
m.ポリフェニレンサルファイド(PPS)
n.Victrex社のVictrex PEEKなどのポリエーテルエーテルケトン樹脂
などが挙げられる。
【0028】
また本発明においては,耐薬品性が断熱性についで重要な要素である。
耐薬品性についての材質の例示は,後記の表1を参照されたい。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば,高温の環境下で使用でき,さらに検出部と線源との間に介在する水分による検出精度の低下を生じない放射線応用測定装置における測定方法が提供される。
また本発明によれば,酸・アルカリや有機溶剤などの環境下で使用でき,さらに検出部と線源との間に介在する水分による検出精度の低下を生じない放射線応用測定装置における測定方法が提供される。
更に,本発明における上記のような構成によって,コンパクトにして放射線源と検出器が簡単に同一光軸上に設置できるような構造を持つ放射線応用測定装置が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下添付図面を参照しながら,本発明の実施の形態について説明し,本発明の理解に供する。尚,以下の実施の形態は,本発明を具体化した一例であって,本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
ここに,図1は本発明の一実施の形態に係る放射線応用計測装置(樹脂製の断熱材を備えた実施形態)の線源側から見た上面図,図2は同放射線応用計測装置のパイプ(空洞の一例)断面方向から見た側面図,図3は同放射線応用計測装置のパイプ(空洞の一例)側面方向から見た正面図である。
まず図1〜3を用いて本発明を具体化した実施形態について説明し,本発明の理解に供する。
【0031】
本発明が提供しようとする放射線応用計測器は,特に使用目的は限定されないが,広く化学・製紙産業などのプロセス管理,土木工事の土砂搬送量管理などに使用されるものが考えられるが,当然ながら本発明の適用範囲はこれに限定されるものではない。
この実施形態では,空洞の一例としてパイプ1内を流れる被測定対象である流体の密度を測定する放射線応用計測装置Aについて説明する。
上記放射線応用計測装置Aは,放射線源部の一例である線源3と該線源3に対向して配置された放射線検出部の一例である検出部5との間に,検出対象空洞の一例であるパイプ1を挟んで配置し,上記線源3から放出され上記パイプ1を通過した放射線を上記検出部5で検出することにより,上記パイプ1内の流体の密度などの特性を計測する。
即ち,この装置では上記線源3(放射線源部の一例)と検出部5(放射線検出部の一例)とは,上記線源3に接触する金属板状の放射線源部側保持具7aと,上記放射線源部側保持具7aに対してボルト9によって締結され上記放射線検出部に接触する金属板状の放射線検出部側保持具7bとからなる保持具7によって上記パイプ1に固定される。
従って,上記ボルト9を緩めると,上記放射線源部側保持具7aと放射線検出部側保持具7bとの距離が離れ,線源3と検出部5とは,パイプ1から取り外し可能となる。
【0032】
さらに望ましい実施形態では,上記放射線計測部側保持具7bは,上記パイプ1に3点(A,B,C)で接触する金属板状体により構成され,上記放射線源部側保持具7aが,上記パイプ1に1点(D)で接触する金属板状体により構成されている。
このように上記放射線検出部側保持具7bが,上記パイプ1に3点(A,B,C)で接触することによって,パイプ1に対する上記放射線計測部側保持具7b即ち検出部5の取り付け状態が極めて安定する。
また上記のようにパイプ1に対して安定的に取り付けられた上記放射線計測部側保持具7bに締結される放射線源部側保持具7aとしても上記点D及び2本のボルト9,9によって3点で取り付けられるので,結果的にその取り付け状態が極めて安定する。
【0033】
上記検出部5と上記パイプ1との間には,非吸水性でかつ断熱性の部材11が取り付けられている。
次に上記各構成要素の材質などについて詳細に説明する。
この実施形態に用いられる線源3とは,ガンマ線あるいはX線を発生する放射性同位元素あるいはX線発生装置のことであり,その測定対象の密度や厚さなどの測定対象の物理的特性によってそのエネルギー及び強度を適切に選定すればよい。
また前記線源3と共に用いられる検出部5の具体例としては,シンチレーションディテクタ,半導体検出器,電離箱の内どれを用いても良いが,配管やタンク内の物体の計測のためには,一般的にはシンチレーションディテクタが用いられることが多い。
【0034】
いずれの実施形態でも線源3はケース内に収納されているが,このケースは,耐薬品性を持たせるために,ステンレスやアルマイト処理をしたアルミニウムあるいは塗装をした鋼材,タングステンの他ガラス繊維,カーボン繊維,アラミド繊維,ビニロン繊維,ボロン繊維などで補強したFRPなどが有利な実施例として用いられる。ただしこれらの材質は本発明の範囲を限定するものではない。
更に前記保持具7は,耐薬品性を持たせるために,ステンレスやアルマイト処理をしたアルミニウムあるいは塗装をした鋼材の他ガラス繊維,カーボン繊維,アラミド繊維,ビニロン繊維,ボロン繊維などで補強したFRPなどが主に用いられるが,これ以外に現存するもの,あるいは今後提案される耐薬品性があり,非吸水性の全ての材料が適用可能である。
【0035】
詳細に述べれば前記検出部5もケースに収納されており,上記検出部5用のケースは,耐薬品性を持たせるために,ステンレスやアルマイト処理あるいは塗装をしたアルミニウムあるいは塗装をした鋼材,タングステンの他ガラス繊維,カーボン繊維,アラミド繊維,ビニロン繊維,ボロン繊維などで補強したFRPなどが用いられる。
【0036】
前記したように,本発明で要求される非吸水性は,測定中に結露,洗浄用の水などが発泡体や樹脂に吸収されることによって計測誤差が発生するのを防ぐためである。具体的には吸水率が2%以下であることが好ましく,吸水率が1%以下であることがさらに好ましい。
【0037】
また本発明で用いる検出部5と放射線検出部側保持具7bの間に設けられる,断熱材としての非吸水性のある部材11としては,樹脂あるいは独立気泡の発泡体が考えられ,以下の非吸水性かつ耐薬品性かつ断熱性の発泡体及び樹脂の何れを用いてもよい。さらに好ましくは,以下のポリエチレンテレフタレート発泡体,フッ素ゴム発泡体,発泡セラミックス,ポリイミド発泡体を単独で用いるか,以下の発泡体の配管側に非吸水性かつ断熱性の樹脂を積層して用いてもよい。
【0038】
耐熱性の観点からすると,ポリカーボネートの通常品(発泡体でないもの)の耐熱性は140℃,ポリエチレンテレフタレートの通常品では,70〜120℃,ポリカーボネ―トの発泡体では140℃,ポリエチレンテレフタレートの発泡体(熱処理による結晶化なし)では,70〜120℃,ポリエチレンテレフタレートの発泡体(熱処理による結晶化あり)では,180℃である。
更に,熱伝導率の観点からは,ポリカーボネートの通常品(発泡体でないもの)の熱伝導率は0.2 W/(m・K),ポリエチレンテレフタレートの通常品では,0.2 W/(m・K),ポリカーボネ―トの発泡体では0.03W/(m・K),ポリエチレンテレフタレートの発泡体(熱処理による結晶化なし)では,0.03W/(m・K),ポリエチレンテレフタレートの発泡体(熱処理による結晶化あり)では,0.03W/(m・K)である。
【0039】
従って,例えば,180℃のスチーム配管を流れる測定対象に用いる放射線応用測定装置の場合に,1層の断熱材を用いるとすれば,上の例では熱処理により結晶化されたポリエチレンテレフタレートの発泡体を用いることが望ましい。
しかし断熱材は複数層に積層して用いることも可能である。例えば,2層で考えるならば,180℃のスチームに近い層に上記熱処理により結晶化されたポリエチレンテレフタレートの発泡体を用いて伝達される熱を減少させ,検出器に近い層に用いる断熱材の耐熱温度まで温度を低下させれば,検出器に近い側にポリエチレンテレフタレートの通常品や,ポリカーボネ―トの発泡体,あるいはポリエチレンテレフタレートの発泡体(熱処理による結晶化なし)を用いることもできる。このようにして,高価な熱処理されたポリエチレンテレフタレートの発泡体と価格の安いほかの材質を組み合わせることで,断熱材のトータルとしての価格を減少させることができる。
【0040】
前記したようにここで用いられる断熱性の部材は,アルカリ性,あるいは酸性の雰囲気内で用いられる場合があり,これらの薬品による腐食によって放射線の減衰特性が変化するために測定精度が低下することを防止するためには,耐薬品性のある材質であることが望ましい。
これらの部材11を構成しうる非吸水性かつ耐薬品性のある断熱材の例が表1に挙げられる。
【0041】
【表1】

【0042】
耐熱性と断熱性とは,理想的には高温に耐えることが出来ればそれに越したことはないが,必ずしも両方が所定値である必要はない。例えば,耐熱性については,前記のような環境に耐えうるものとして,180℃以上の耐熱性があれば問題ないことが多い。従って,上記のような断熱材を用いる場合,それ自体が180℃以上の耐熱性を備えていれば問題はないが,180℃以上の耐熱性を備えた樹脂と,180℃以下の耐熱性を備えた発泡体(断熱材)を積層化して上記,樹脂側を配管(熱源)側に配置することでも,実際上は問題ない。
【0043】
以下のこれらの断熱材を用いた場合の実施例および比較例を示す。これらの事例から,断熱効果の高い材料とそうでない材料,および耐熱性が比較される。
【0044】
(実施例1)
一方の末端を閉じた100AのSGP配管に2mm厚のポリエチレンテレフタレート発泡体セルペット(熱処理により結晶化させたもの)5枚を介して検出部及び線源部を配管固定用治具で固定した。配管内にシリコンオイルを満たし,投げ込みヒータで加熱して配管表面温度を180℃とした。配管表面温度を1時間180℃に維持した後,検出部内の温度を測定したところ,48℃であった。
電子部品の耐熱温度は50℃であるので,この実施例1)のように,検出部内の温度が50℃以下に保たれていれば,所定の耐熱性を有することになる。
以下の実施例についても同様である。
【0045】
(実施例2)
一方の末端を閉じた100AのSGP配管に,10mm厚の三福工業(株)のフッ素ゴム発泡体 DF700を介して検出部及び線源部を配管固定用治具で固定した。配管内にシリコンオイルを満たし,投げ込みヒータで加熱して配管表面温度を180℃とした。配管表面温度を1時間180℃に維持した後,検出部内の温度を測定したところ,47℃であり,十分な断熱性を確認した。
【0046】
(実施例3)
一方の末端を閉じた100AのSGP配管に,積水化成品工業のポリカーボネート発泡体ミラポリカボード 3mm厚品を2枚と4mm厚品1枚に加え,ダイキン工業のポリフロンPTFE3mm厚品を配管側に重ねたものを介して検出部及び線源部を配管固定用治具で固定した。配管内にシリコンオイルを満たし,投げ込みヒータで加熱して配管表面温度を180℃とした。配管表面温度を1時間180℃に維持した後,検出部内の温度を測定したところ,45℃であり,十分な断熱性を確認した。
【0047】
(比較例1)
一方の末端を閉じた100AのSGP配管に2mm厚のポリエチレンテレフタレート発泡体セルペット(熱処理により結晶化させたもの)4枚を取付けた検出部及び線源部を配管固定用治具で固定した。配管内にシリコンオイルを満たし,投げ込みヒータで加熱して配管表面温度を180℃とした。配管表面温度を1時間180℃に維持した後,検出部内の温度を測定したところ,59℃であった。実施例1と較べて,ポリエチレンテレフタレート発泡体セルペットの枚数(即ちトータルの厚さ)によって,断熱効果が低下することが分る。
【0048】
(比較例2)
一方の末端を閉じた100AのSGP配管に8mm厚の三福工業(株)のフッ素ゴム発泡体 DF700を取付けた検出部及び線源部を配管固定用治具で固定した。配管内にシリコンオイルを満たし,投げ込みヒータで加熱して配管表面温度を180℃とした。配管表面温度を1時間180℃に維持した後,検出部内の温度を測定したところ,58℃であった。
実施例2と較べて,断熱材フッ素ゴム発泡体の厚さによって断熱効果が不十分となることが理解される。
【0049】
(比較例3)
一方の末端を閉じた100AのSGP配管に 積水化成品工業のポリカーボネート発泡体ミラポリカボード 3mm厚品を2枚と4mm厚品1枚を重ねて取付けた検出部及び線源部を配管固定用治具で固定した。配管内にシリコンオイルを満たし,投げ込みヒータで加熱して配管表面温度を180℃とした。配管表面温度を1時間180℃に維持した後,検出部内の温度を測定したところ,63℃となり,さらに,ポリカーボネート発泡体の中央部が溶融し,数cmの穴が開いてしまった。
実施例3との比較で,ダイキン工業のポリフロンPTFE3mm厚品の有無によって断熱効果が変動するばかりでなく,配管からの熱によって耐熱性の低いポリカーボネート発泡体が溶融損傷することが理解される。
【0050】
表1に記載されたもの,あるいは全ての樹脂について,非吸湿性は確保されていると考えてよい。従って,断熱性および耐薬品性更には非吸湿性を考慮し180℃の配管に貼り付けて使用することを前提とした上記以外の実施例としては,10mm厚保以上の,宇部興産(株)のポリイミド発泡体 ユーピレックスフォーム,クラレ(株)の発泡セラミックス クランセルライト,あるいは10mm厚以上の積水化学工業(株)ライトロン,積水化成品工業のミクロレンシート,ネオミクロレンシートなどのポリプロピレン発泡体,JPS(株)のミラポリカボードなどのポリカーボネート発泡体に3mm厚以上の表1のP-1〜P-14の中の1種を積層して用いれば良い。
【0051】
以上述べたところから明らかなように,この実施形態では,放射線源部と該放射線源部に対向して配置された放射線検出部との間に検出対象空洞を挟んで配置し,上記放射線源部から放出され上記検出対象空洞を通過した放射線を上記放射線検出部で検出することにより上記検出対象空洞内の検出対象物の特性を計測する放射線応用計測方法において,
上記放射線検出部と上記検出対象空洞との間に,非吸水性で且つ熱伝導度が0.05W/(m・K)以下の部材を介在させて放射線を検出することを特徴とする放射線応用計測方法が提供される。
【0052】
このように上記放射線検出部と上記検出対象空洞との間に介在する部材が,非吸水性かつ熱伝導度が0.1W/(m・K)以下,望ましくは0.05W/(m・K)以下断熱性の部材であるので,放射線応用測定装置の新しい適用分野としての製紙工業や化学工業などにおいて用いられる高温の厳しい環境の中でも高い測定精度を維持することが出来る。また,これらの化学関係の適用分野では,湿度の高い雰囲気となることが多いが,この実施形態では上記のように検出部と線源との間に介在する部材を非吸湿性の部材によって構成したので,検出部と線源との間における結露や湿気が多く介在することで放射線が減衰し,検出精度が低下するといった問題も解決される。
また上記部材が断熱材であれば,検出対象空洞が高温であっても,その熱が検出部に伝わることを阻止することが出来るので,熱に弱い電子部品を多く使用する検出部の熱による損傷を回避し,高い検出精度を維持することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の一実施の形態に係る放射線応用計測装置(樹脂製の断熱材を備えた実施形態)の線源側から見た上面図。
【図2】本発明の一実施の形態に係る放射線応用計測装置のパイプ(空洞の一例)断面方向から見た側面図。
【図3】本発明の一実施の形態に係る放射線応用計測装置のパイプ(空洞の一例)側面方向から見た正面図。
【符号の説明】
【0054】
1…パイプ(検出対象空洞)
3…線源
5…検出部
7…保持具
7a…放射線源部側保持具
7b…放射線検出部側保持具
9…ボルト
11…部材(断熱材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線源部と該放射線源部に対向して配置された放射線検出部との間に検出対象空洞を挟んで配置し,上記放射線源部から放出され上記検出対象空洞を通過した放射線を上記放射線検出部で検出することにより上記検出対象空洞内の検出対象物の特性を計測する放射線応用計測方法において,
上記放射線検出部と上記検出対象空洞との間に,非吸水性で且つ熱伝導度が0.1W/(m・K)以下,望ましくは0.1W/(m・K)以下の部材を介在させて放射線を検出することを特徴とする放射線応用計測方法。
【請求項2】
非吸水性で且つ熱伝導度が0.1W/(m・K)以下,望ましくは0.1W/(m・K)以下の部材が,耐薬品性を有する断熱材である請求項1に記載の放射線応用計測方法。
【請求項3】
上記放射線源部及び上記放射線検出部が,これらを上記検出対象空洞に固定するための保持具を介して取り付けられ,且つ断熱材が,上記放射線検出部と上記保持具との間に介在されてなる請求項1あるいは2のいずれかに記載の放射線応用計測方法。
【請求項4】
上記放射線源部及び上記放射線検出部が上記検出対象空洞に金属製の保持具を介して取り付けられ,且つ上記保持具が,上記放射線源部に接触する放射線源部側保持具と,上記放射線源部側保持具に対して締結可能で上記放射線検出部に接触する放射線検出部側保持具とから構成されてなる請求項3に記載の放射線応用計測方法。
【請求項5】
上記放射線源部側保持具が,上記検出対象空洞に3点で接触する金属板状体により構成され,上記放射線検出部側保持具が,上記検出対象空洞に1点で接触する金属板状体により構成されてなる請求項3あるいは4のいずれかに記載の放射線応用計測方法。
【請求項6】
放射線源部と該放射線源部に対向して配置された放射線検出部との間に検出対象空洞を挟んで配置し,上記放射線源部から放出され上記検出対象空洞を通過した放射線を上記放射線検出部で検出することにより上記検出対象空洞内の検出対象物の特性を計測する放射線応用計測装置において,
上記放射線検出部と上記検出対象空洞との間に,非吸水性で且つ熱伝導度が0.05以下の部材が取り付けられてなることを特徴とする放射線応用計測装置。
【請求項7】
放射線源部と該放射線源部に対向して配置された放射線検出部との間に検出対象空洞を挟んで配置し,上記放射線源部から放出され上記検出対象空洞を通過した放射線を上記放射線検出部で検出することにより上記検出対象空洞内の検出対象物の特性を計測する放射線応用計測装置の上記放射線検出部と上記検出対象空洞との間に取り付けられて用いられる断熱材であって,
上記部材が,非吸水性で且つ熱伝導度が0.05以下の断熱材である放射線応用計測装置用断熱材。
【請求項8】
断熱材が,上記検出対象空洞表面温度が180℃あるいはその近傍である場合に,上記放射線検出部で50℃以下まで熱伝導を遮断する非吸水性を有する断熱材である請求項7に記載の放射線応用計測装置用断熱材。
【請求項9】
耐アルカリ性および/もしくは耐酸性を有する請求項7あるいは8のいずれかに記載の放射線応用計測装置用断熱材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−2971(P2008−2971A)
【公開日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−173029(P2006−173029)
【出願日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【出願人】(506025464)ナノグレイ株式会社 (1)
【Fターム(参考)】