説明

放射線検出器及び放射線撮像装置

【課題】 モジュール間のギャップに因る信号歪が少なく、ギャップ分のデータ補間が容易で、且つ、製造も容易な放射線検出器を提供する。
【解決手段】X線検出器30は、シンチレータ31と、夫々が2次元に配列された画素を画成し、かつ夫々がシンチレータからの光信号を規定サイズの画素毎に電気信号に処理する処理回路を実装した回路基板32〜35と、を備える。シンチレータでは、所定サイズのシンチレータ要素を行方向及び列方向の少なくとも一方に2つ以上、平面状に配置される。シンチレータ及び回路基板の対を一つのモジュールとして、行方向及び列方向の少なくとも一方に2つ以上、平面状にかつ隙間を持たせて配置される。各モジュールは、互いに隣接する2つのモジュールの間に存在する隙間に因る画素不存在の領域が、規定サイズの隣接方向における値の整数倍になるように、前記規定サイズの前記隣接方向の値よりも小さい値に設定したサイズの画素の並びを当該隣接方向における最外側の端部に有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、X線撮像装置などの放射線機器に搭載されて放射線源から曝射される放射線を検出する放射線検出器、及び、この検出器を用いた放射線撮像装置に係り、とくに、入射した放射線を、その放射線の量に応じたデジタル量の電気信号に変換して出力する放射線検出器、及び、この検出器を用いた放射線撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
医用のX線撮像装置は、医用の分野で使用されている放射線機器の代表的な機器の一つである。この医用X線撮像装置では、放射線源としてのX線管から曝射されて被検体を透過してきたX線を、放射線検出器であるX線検出器で検出している。
【0003】
このX線検出器には、多種多様なものが使用されている。例えば、X線フィルムカセッテや、シンチレータと光電変換器を組み合わせたX線検出器が用いられている。また、X線検出器として、GOS、CsI、CWOなどの2次元固体検出器(シンチレータとフォトダイオードなどの半導体光素子との組み合わせによる検出器)を用いたデジタル型X線検出器も用いられるようになっている。
【0004】
このデジタル形X線検出器においては、検出面積をより大きくするため、且つ、製造し易くするために、検出全体を複数のモジュールに分けて製造し、このモジュール同士を繋いで一つの検出器を仕上げることが行われている(例えば特許文献1を参照)。この場合、その繋ぎ目は狭いほど良いが、製造上、完全に密着させることはできない。このため、どうしてもギャップができるので、そのギャップ部分に入射するX線の補間や補正の処理を、後処理として行う必要がある。
【0005】
この後処理を容易にしようとして、各モジュールの一端を隣接モジュールに乗り上げさせたり、一枚置きにモジュールの両端を両方の隣接するモジュール端に載せたりする構造のものが知られている。つまり、何れの構造の場合も、検出不可の領域であるギャップ部を無くするようにモジュールの一部を積層する構造を採っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−298530
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかながら、上述のギャップ部を無くするための、モジュールの一部に積層構造を採用する場合であっても、その重なり部分でのX線の散乱状況の変化に伴って、その部分で検出されるX線に含まれる被写体からの散乱線の影響が微妙に異なり、画像データとしてみた場合に重なり部の均一性変化が大きくなる。この均一性変化は結局、後処理で補正する必要があり、その補正演算が複雑で演算負荷が大きい。また、モジュールを一部重ねることは、その製造精度及び機械的強度の低下の問題も指摘されている。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、モジュール間のギャップに因る信号(データ)の変化が少なく、そのギャップ分のデータの補間が容易で、且つ、製造も容易なモジュールタイプの放射線検出器、及び、この検出器を用いた放射線撮像装置を提供することを、その目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した目的を達成するために、本発明に係る放射線検出器は、放射線源から照射された放射線を受けて当該放射線を検出する2次元の放射線検出器において、前記放射線を入射させる第1の面と当該第1の面に対向した第2面を有し、当該入射面に入射した前記放射線に応じた光信号を発生させて当該光信号を前記第2の面から出力するプレート状のシンチレータと、前記シンチレータの前記第2の面に沿って配置されるとともに、それぞれが2次元に配列された画素を画成し、かつそれぞれが当該第2の面から出力される前記光信号を規定サイズの画素毎に電気信号に処理する処理回路を実装したプレート状の回路基板と、を備え、前記シンチレータ及び前記回路基板の対を一つのモジュールとして、前記2次元配列の行方向及び列方向の少なくとも一方に2つ以上、平面状にかつ隙間を持たせて配置し、前記複数のモジュールのそれぞれは、互いに隣接する2つのモジュールの間に存在する前記隙間に因る領域が、前記規定サイズの前記隣接方向における値の整数倍(1以上の正の整数倍又は0を含む正の整数倍)になるように、前記規定サイズの前記隣接方向の値よりも小さい値に設定したサイズの画素の並びを当該隣接方向における最外側の端部に有することを特徴とする。
【0010】
なお、本発明に係る放射線検出器としては、シンチレータを設けない構成を採用することもできる。つまり、上述の放射線検出器の場合には、シンチレータと、画素構成された光電変換器と、画素化されたプレート状の回路基板(CMOS)とを組み合わせる構成としたが、シンチレータと画素構成された光電変換器の組み合わせの部分を、画素化された直接変換形(X線から電気信号への変換)の半導体検出器に置き換えてもよい。また、直接変換型の検出器と画素化されたプレート状の回路基板(CMOS)とが画素毎に1対1に対応する場合でも本発明に含まれる。同様に、シンチレータと画素構成された光電変換器と画素化されたプレート状の回路基板(CMOS)とが組合された構成において、シンチレータと回路基板とが画素毎に1対1に対応していてもよい。また、シンチレータと、画素構成された光電変換器及び画素化されたプレート状の回路基板(CMOS)との間をファイバーオプティクプレート(FOS)などを介在せずに接続することができる。この場合、それの間を、柱状に光学的に画素毎に分離された構成にするとよい。
【0011】
また、本発明に係る他の態様に係る放射線検出器も、放射線源から照射された放射線を受けて当該放射線を検出する2次元の放射線検出器である。この放射線検出器は、前記放射線を入射させる第1の面と当該第1の面に対向した第2面を有し、当該入射面に入射した前記放射線に応じた光信号を発生させて当該光信号を前記第2の面から出力するプレート状のシンチレータと、前記シンチレータの前記第2の面に沿って配置されるとともに、それぞれが2次元に配列された画素を構成し、かつそれぞれが当該第2の面から出力される前記光信号を画素毎に電気信号に処理する処理回路を実装したプレート状の回路基板(C−MOS)と、を備え、前記シンチレータは、所定サイズを有するシンチレータ要素を前記2次元配列の行方向及び列方向の少なくとも一方に2つ以上、平面状に配置し、前記回路基板は、前記2次元配列の行方向及び列方向にそれぞれに2つ以上配列するように当該回路基板を分割した構造の複数のモジュールを前記シンチレータ毎に有し、前記複数のモジュールのうち、前記行方向及び前記列方向のそれぞれの一方向において隣のモジュールに面している特定のモジュールの、前記隣接するモジュールに面した最外側の並びに属する複数の画素のサイズr1をその残りの画素のサイズrよりも小さい値に設定し(r1<r)、かつ前記特定のモジュールと前記隣接するモジュールとの間の隙間g1がGA=r−r1になるように前記複数のモジュールを配置した、ことを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る放射線撮像装置は、放射線を照射する放射線源と、この放射線源から照射された放射線を検出する2次元の放射線検出器と、この放射線検出器で検出した放射線の情報を補正する補正手段とを備えた放射線撮像装置である。この放射線撮像装置において、前記放射線検出器は、前記放射線を入射させる第1の面と当該第1の面に対向した第2面を有し、当該入射面に入射した前記放射線に応じた光信号を発生させて当該光信号を前記第2の面から出力するプレート状のシンチレータと、前記シンチレータの前記第2の面に沿って配置されるとともに、それぞれが2次元に配列された画素を画成し、かつそれぞれが当該第2の面から出力される前記光信号を画素毎に電気信号に処理する処理回路を実装したプレート状の回路基板(C−MOS)と、を備え、前記シンチレータは、所定サイズを有するシンチレータ要素を前記2次元配列の行方向及び列方向の少なくとも一方に2つ以上、平面状に配置し、前記基板ユニットは、前記2次元配列の行方向及び列方向にそれぞれに2つ以上配列するように当該回路基板を分割した構造の複数のモジュールを前記シンチレータ毎に有し、前記複数のモジュールのうち、前記行方向及び前記列方向のそれぞれの一方向において隣のモジュールに面している特定のモジュールの、前記隣接するモジュールに面した最外側の並びに属する複数の画素のサイズr1をその残りの画素のサイズrよりも小さい値に設定し(r1<r)、かつ前記特定のモジュールと前記隣接するモジュールとの間の隙間GAがGA=r−r1になるように前記複数のモジュールを配置し、かつ、前記複数のシンチレータ要素を、隣接するシンチレータ要素同士の間に、GB=(f+1)r−r1 (f=1,2,…)の隙間を空けて配置する一方で、前記補正手段は、前記隙間GA及びGBの量に基づいた画素数を参照して前記情報を補正する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
以上のように、本発明に係るデジタル型放射線検出器及び放射線撮像装置は、その放射線検出器がモジュール構造の製造方法を採るときに、そのモジュール間に設定するギャップの大きさを画素サイズに関連付けて決めてある。このため、放射線検出器で検出される信号を上記ギャップ部の均一性変化を補正するときに、その補正が極めて簡単になり、且つ、画素ピッチの歪が低減されて、より高精度で安定した画像データが得られる。また、実装が極めてやり易く、検出器の一部が故障した場合にその一部の交換が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、本発明の第1の実施形態に係る放射線検出器を搭載した放射線撮像装置としてのX線CTスキャナの概略構成を説明する斜視図。
【図2】図2は、X線CTスキャナに搭載した放射線検出器としてのX線検出器の概略構成を説明する斜視図。
【図3】図3は、X線検出器の積層構造を部分的に説明する側面図。
【図4】図4は、X線検出器の回路の概要を説明するブロック図。
【図5】図5は、X線検出器のメインモジュール構造の概要を説明する部分平面図。
【図6】図6は、X線検出器の1つのサブモジュールの画素配列を説明する図。
【図7】図7は、X線検出器の1つのメインモジュールにおけるサブモジュールの配置を説明する図。
【図8】図8は、本発明の第2の実施形態に係る放射線検出器としてのX線検出器の概略構成を説明する部分斜視図。
【図9】図9は、第2の実施形態で採用したX線検出器の1つのモジュールを示す平面図。
【図10】図10は、X線検出器の変形例を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。
(第1の実施形態)
図1〜7を参照して、本発明に係るデジタル型放射線検出器及び放射線撮像装置の第1の実施形態を説明する。
【0016】
図1は、本発明に係る放射線撮像装置としてのX線CT(Computed Tomography)スキャナの構成の概要を示す。このX線CTスキャナには、本発明に係る放射線検出器としてのX線検出器が搭載されている。なお、この放射線撮像装置は、X線CTスキャナに限定されず、X線撮像装置のほか、ガンマカメラ、SPECT(single
photon emission computed tomography)装置などであってもよい。
【0017】
図1に示すように、X線CTスキャナ1は、ガントリ2、高電圧発生装置3、寝台4、及びコンソール5を備える。ガントリ2の内部には、図示しないX線源(放射線源)としてのX線管11及びX線検出器(放射線検出器)12が円筒状の開口部OPを介して対向配置され、且つ、このX線管11及びX線検出器12の対がガントリ2内で開口部OPの周りで回転可能に配置されている。
【0018】
X線管11には高電圧発生装置3から高電圧が供給され、これにより、例えば連続スペクトルを有するパルス状のX線が開口部OPに向けて曝射されるようになっている。この開口部OPには、寝台4の天板4Pが進退自在に挿入される。天板4P上には被検体Pが載置されるので、X線管11から曝射されたX線は被検体Pを透過して、その開口部OPの反対側に向かう。
【0019】
X線検出器12は、図2に示すように、2次元のプレート状の構造を有するので、説明の便宜のために、これに3次元の直交座標系に基づく方向を設定する。例えば、被検体Pの体軸方向に相当するスライス方向としてのX軸(行方向)と、スライス方向に直交するチャンネル方向としてのY軸(列方向Y)と、X軸及びY軸の直交するZ軸とを設定できる。なお、このX線検出器12のY軸方向(チャンネル方向)は特に、X線管11からのX線ビームの広がり角度を考慮して湾曲を持たせている。X線検出器12の全体の形状は平板状であってもよい。
【0020】
図3〜図7を参照して、X線検出器12の構造をより詳しく説明する。
【0021】
このX線検出器12は、図3に示す如く、シンチレータ21、FOS(Fiber Optics Plate)22、CMOS(complementary metal-oxide semiconductor)形の光電変換器23、及びCMOS形のプリアンプを含む処理回路24から成る4つの要素及び電気回路をプレート状または層状に形成し、相互に積層した構造を採用している。具体的には、この積層方向、つまりZ軸方向の下側からシンチレータ21、FOS22、光電変換器23、及び処理回路24の順に積層し、この積層体を図示しない保持体で一体に保持している。このシンチレータ21から処理回路24までのブロック図を、図4に示す。
【0022】
シンチレータ21は、放射線を光に変換するCsI材料をプレート状に形成したもので、放射線を入射させる入射面21Aと光を出射する出射面21Bと互いに背中合わせの状態で有する。FOS22は、径の細い(直径5〜10um)光ファイバを束ね且つ面状に直立して敷き詰めた束体であり、この束体を、各光ファイバの軸方向がZ軸となるように、シンチレータ21及び光電変換器23の間に介在させている。このため、シンチレータ21に出射面21Bから出射される光をZ軸方向にスルーして次層の光電変換器23に指向性良く出力する。
【0023】
光電変換器23は、FOS22を通して入射する光を電気信号に変換する半導体層であり、基板上にCMOSを用いて光電変換素子が各画素に作り込まれる。つまり、作り込まれる個々の光電変換素子の大きさが画素に対応しており、画素のサイズpは、本実施例では、縦横が同一ピッチの200μm×180μmになっている。なお、画素サイズpの縦横のピッチが互いに同じであってもよい。
【0024】
さらに、処理回路24も、基板上にCMOSで形成され、光電変換器23から出力される画素毎の電気信号を増幅する。この画素毎の電気信号は、次いで、図4に示す如く、6種類の比較器251〜256の比較入力端に並列に入力する。これらの比較器251〜256の基準入力端には、エネルギ弁別のための互いに異なる閾値DC1〜DC6(例えばDC1<DC2、…、DC5<DC6)が与えられている。このため、ある画素に入力したX線の光子のエネルギレベルに応じた6個のディスクリミネータが形成される。比較器251〜256の出力端はカウンタ261〜266に夫々接続され、それらのカウンタ261〜266の計数値はシリアルなフォーマットで読み出される。したがって、上記ディスクリミネータで画素毎のX線(光子)のエネルギが弁別され、各エネルギ領域に属するエネルギを有するX線の光子数が次段のカウンタ261(〜266)で計測され、デジタル量の計測値としてシリアルに出力される。
【0025】
なお、処理回路24の基板の裏面(図3では上側の面)に信号読出しの回路や信号読出しのための制御信号の供給回路などが実装される。これらの回路は必ずしも基板の裏面でなくてもよく、表面の回路と一体に設けていてもよい。
【0026】
上述したX線検出器12のモジュール構造を説明する。X線検出器12はシンチレータ21から処理回路24まで要素を上述の如く積層した構造ではあるが、これは実際の製造では複数のモジュールに分けて製造し、メインモジュール同士を互いに接続して一体化するようになっている。
【0027】
これを図5で説明すると、X線検出器12の積層体全体を、シンチレータ21を単位として、すなわちシンチレータ21毎に1つのメインモジューF1を製造し、このメインモジュールF1を複数個(n×m個:n、mの少なくとも一方は2以上の正の整数)、X軸及びY軸方向に併置且つ相互接続している。さらに、一つのメインモジュールF1、すなわちシンチレータ単位のメインモジュールF1上に複数のサブモジュールF2(行方向にK個×列方向にJ個:K,Jの少なくとも一方は2以上の正の整数)を2次元配列するように構成している。この複数のサブモジュールF2のそれぞれには、FOS22とCMOS積層体、すなわち光電変換器23及び処理回路24とが形成されている(図3参照)。
【0028】
このサブモジュールF2をZ軸方向から見たときの概要を図6に示す。同図に碁盤目状に示すように、1つのサブモジュールF2にはX軸及びY軸の方向にN×M個の画素Pが作り込まれている。各画素Pのサイズp×qは上述したように一例として、一部の行方向及び列方向の並びに属する画素を除き、p×q=200μm×180μmである。上記「一部の並びに属する画素」とは、図5の例示の場合、行方向のうちの一方の端部であって且つその行方向において隣接するサブモジュールF2に対向する端部の行(並び)に属するN個の画素P1と、列方向のうちの一方の端部であって且つその列方向において隣接するサブモジュールF2に対向する端部の列(並び)に属するM子の画素P2を言う。つまり、図6の例に示すサブモジュールF2の場合、最右端部に位置する列と最下端部に位置する行とを形成している複数の画素P1、P2である。このうち、一方の画素P1のピッチp1(<p)は160μmと小さくなり、他方の画素P2のピッチq1(<q)は150μmと小さくなっている。
【0029】
この小さい画素ピッチ(サイズ)p1、q1は、小さめの画素P1、P2は作り込むCMOS形の光電変換器23及び処理回路24の実装精度などを加味して決められる。つまり、この画素ピッチp1、q1は、小さめの画素P1、P2であっても、残りの画素Pと電気的且つ機械的な性能上が問題の無い状態であって、且つ後述するギャップG1のサイズを考慮して決められている。
【0030】
このサブモジュールF2(1)に対してX軸及びY軸それぞれにおける一方向(図5の例で言えば下向き方向及び右向き方向)に隣接するサブモジュールF2(2)、F2(3)との間には、ギャップG1、G2が設けられる。一方のギャップG1のサイズg1はg1=p−p1に設定されている。また、他方のギャップG1のサイズg2はg2=q−q1に設定されている。つまり、p1=160μmの場合、g1=200μm−160μm=40μmとなっている。またq1=150μmの場合、g2=180μm−150μm=30μmとなっている。このため、サブモジュールF2(1)の最右端部に位置する列と最下端部に位置する行とに属する画素P1、P2にとってみれば、隣のギャップG1、G2のサイズg1、g2の分と合わせて、つまり
p1+g1=160μm+40μm=200μm=p
及び
q1+g2=150μm+30μm=180μm=q
となって、小さめではない「規定」の画素Pのサイズp×qと同一値になっている。
【0031】
さらに、図2に戻って説明すると、n×m個の複数のメインモジュールF1が配設されるが、その隣接するメインモジュールF1同士の間にはY軸方向(列方向)にてギャップG3が形成され、X軸方向(行方向)においてギャップG4が形成される。このうち、X軸方向におけるギャップG3のサイズg3はg3=(J+1)p−p1(J:正の整数)に設定され、またY軸方向におけるギャップG4のサイズg4はg4=(K+1)q−q1に(K:正の整数)に設定されている。つまり、ギャップG3,G4はそれぞれ、「規定」の画素Pのサイズp×qの整数倍になっている。好適な一例は、J=K=1である。
【0032】
なお、上述では、「規定」の画素Pのサイズp×q=200μm×180μmとして説明したが、縦横のサイズを同じ値にして、例えばp×q=200μm×200μmとしてもよい。この場合、サブモジュールF2同士のギャップG1,G2をG1=G2=50μm(つまりp1=q1=150μm)に、またメインモジュールF1同士のギャップG3,G4をG3=G4=200μmに設定される。
【0033】
なお、本発明においては、p、q=rと一般化し、G1,G2=GAと一般化し、G3,G4=GBと一般化して表している。
【0034】
上述のX線検出器12によって検出される画素毎の電気量の検出信号は、コンソール5に送られる。コンソール5には、コンピュータを備え、このコンピュータにより、所定のプログラムを実行して寝台や架台の駆動を制御したり、X線検出器12が検出した信号を用いて画像再構成を行ったりする処理を行う。
【0035】
この再構成には、検出信号をA/D変換する処理や、ギャップG1、G2及びG3,G4に関して検出信号を補間する処理が含まれる。なお、信号積分型の検出器を用いる場合、再構成にはA/D変換の処理も含まれる。サブモジュールF2の相互間のギャップG1、G2については、ギャップG1,G2が在るにも関わらず、それらのギャップG1,G2が存在する並びからも画素P1,G2による検出信号が得られる。ただ、これらの画素P1,P2は、その残りの「規定」画素Pよりは受光面積が若干小さいので、その分、受光感度が低い。このため、その不足分の受光強度を補う感度補正が行なわれる。
【0036】
一方、メインモジュールF1の相互間に存在するギャップG3,G4については、その大きさが行方向及び列方向の双方共に、画素ピッチ(サイズ)のJ倍、K倍と整数倍になっている。このため、X線検出器12の検出信号を読み込む際、そのギャップG3(G4)に相当する画素分だけ、検出信号を読み飛ばす。その代わりに、ギャップG3(G4)の両端の有効な所定数の画素から信号を束ねて(加算平均など)、ギャップG3(G4)に存在すると仮定できるJ画素分(K画素分)の信号を推定する。
【0037】
これにより、X線検出器12に与えられている、ギャップの分を含む全画素のデータが揃うので、このデータを用いて粗い画像を作成する。この後に、一般に知られている補間方法を用いて多数の連続する時系列画像からギャップG1,G2及びG3,G4に相当する画素分の画素値をより精細に補正する。
【0038】
このように補正したデータを含む画像データを用いて、所望の断面の断層像が所定のアルゴリズムに従って再構成され、コンピュータのディスプレイに表示され、又は、外部装置に転送される。
【0039】
このように本実施形態によれば、モジュール(メインモジュール、サブモジュール)構造のX線検出器12において、容易に推定し易いように画素の整数倍の大きさになっている。このため、ギャップ部分に相当する画素データをより容易に且つ精度良く作り出すこができる。つまり、ギャップ部分に相当する画素データの補正が簡単になり、且つ、その繋ぎ部分のデータ上での歪も低減される。
【0040】
また、従来のようにモジュールの一部を隣接するモジュールに重ねる必要はなく、単に、寸法が制御されたギャップを以って互いに離間して配置できる。このため、一部重ねて繋ぎ目を作ることに因る不確定なX線散乱の影響が少ない。したがって、この点でのデータ補間も容易であり、より精度の高い補間データが生成され、再生される断層像のノイズや解像度を向上させる。さらに、重ねることに因る機械的な荷重偏重も無い。このため、モジュールの機械的な強度も高まる。
【0041】
(第2の実施形態)
次いで、図8及び図9を参照して、本発明の第2の実施形態に係る放射線検出器としてのX線検出器を説明する。なお、前述した第1の実施形態と同一又は同等の構成要素には同一符号を付して、その説明を省略又は簡略化する。
【0042】
図8には、本実施形態に係るX線検出器30の部分斜視図を示す。同図に示すように、このX線検出器32も第1の実施形態で説明したX線検出器12と同様にX線CTスキャナやガンマカメラ、SPECT装置などのモダリティに搭載される。このX線検出器32も、シンチレータ31、FOS32、C−MOS形の光電変換器33、及びCMOS形の処理回路34から成る4つの要素及び電気回路をプレート状または層状に形成し、相互に積層した構造を採用している。さらに、これらの積層体はマザーボード35に搭載されている。
【0043】
なお、図8は、図3などの、第1の実施形態で説明したものと図示の方向が異なり、上側にシンチレータ31を示している。また、図8においては、シンチレータ31とFOS32は一つの層を以って描出されている。
【0044】
この実施形態においても、X線検出器32は、上述した積層体構造を保持し、かつ、マザーボード35に2次元配列される複数のモジュールから構成されている。シンチレータ31の大きさに対応したメインモジュールF1がサブモジュールF2でもあるので、以下単に「モジュールF」と呼ぶ。
【0045】
この積層体において、処理回路34の基板は、列方向(Y軸方向)の両端部がシンチレータ31、FOS32、及び光電変換器33の積層体よりも列方向に所定サイズだけ突出するように形成されている。
【0046】
この様子を図9に示す。同図は、図8に示すモジュールFの一つを上から見た平面図である。一例として、行方向XのサイズがA=15.95mmで80画素を有し、列方向YのサイズがB=15.95mmで80画素を有する。このうち、モジュールFの行方向(X)における上下端の各一行の並びA1,A2に属する画素はそれぞれ175μmを持つ。また、モジュールFの列方向(Y)における左右端の各1列の並びB1,B2に属する画素はそれぞれ150μmの長さを持つ。この列方向(Y)については、処理回路34を構成する基板がBm分だけ横方向に突出し、突出部分34Pを構成するようになっている。この例では、Bm=125μmである。このため、モジュールFの行方向(X)及び列方向(Y)の最外周の行及び列の並びに属する画素Psは、その内部の「規定」の画素P(200μm×200μm)よりも小さいサイズになっている。このように画素サイズを小さくする理由は、第1の実施形態で説明したものと同様である。
【0047】
隣接するモジュールFは、処理回路34の基板同士が互いにギャップG1=50μmだけ離間するように配置される。このため、隣接する光電変換器33(シンチレータ31、FOS32)の基板は互いにギャップG2=300μmだけ離間する。つまり、隣接する2つのモジュールFにおいて、一方の列方向(Y)における右側最外端の列に属する画素Ps(150μm)は、125μm+50μm+125μm=300μmの隙間を隔てて隣のモジュールFの左側最外端の画素列に到達する。したがって、規定の画素P、すなわち200μm×200μmの升目の広がりに直して計測してみると、300μmの隙間のうち、50μmずつが相対する2つのモジュールFの右側最外端の画素列及び左側最外側の画素列に組み込まれて列方向の1画素となるので、両者間には残り200μm、つまり丁度、1画素分の隙間が残る。このように隣接する2つのモジュールFは、その列方向(Y)については、最外側の狭い画素列による間隔調整作用によって、実際にデータ収集できない隙間を正確に1画素分に抑えることができる。
【0048】
また、行方向(X)における隣接するモジュールFの間にはG1=50μmの隙間が形成される。この場合は、一方の行方向(X)における上側最外端の行に属する画素Ps(175μm)は、50μmの隙間を隔てて隣のモジュールFの下側最外端の画素列に到達する。このため、上述と同様に、規定の画素P、すなわち200μm×200μmの升目の広がりに直して計測してみると、50μmの隙間のうち、25μmずつが相対する2つのモジュールFの上側最外端の画素列及び下側最外端の画素列に組み込まれて行方向の1画素となるので、両者間には0μm、つまり隙間が無いことになる。このように隣接する2つのモジュールFは、その行方向(X)については、最外側の狭い画素列による間隔調整作用によって、実際にデータ収集できない隙間を無くすることができる。
【0049】
このため、各モジュールFの外側の並びの画素列が狭いことで、モジュール間のギャップは常に実際に配置する画素で埋められ(実施例の行方向)、また、容易に推定し易いように画素の整数倍の大きさになっている(実施例の列方向)。このため、ギャップ部分に相当する画素データをより容易に且つ精度良く作り出すこができる。つまり、ギャップ部分に相当する画素データの補正が簡単になり、且つ、その繋ぎ部分のデータ上での歪も低減される。
【0050】
加えて、本実施形態にあっては、処理回路34の列方向(Y)に並んだ画素との間に対する収集信号や回路駆動に必要な制御信号の授受は、処理回路34の列方向(Y)の両端の突出部分34Pを利用している。例えば、処理回路24の画素を一列毎に、また複数列をまとめて交互に読み出すようにして収集信号の引出線が処理回路34の一方の突出部分34P上に引き出される。また、制御信号の引出線も処理回路34の他方の突出部分34P上に引き回して実施されている。これらの引出線LNは、その両方の突出部分34Pのそれぞれにバンプ形成技術によってされバンプBPと、それらの突出部分34に設けたスルーホールHLを介してマザーボード35に至る。このマザーボード35にはデータ収集装置や駆動装置などの各種の必要な機器が電気的に接続されている。この結果、処理回路34の裏面に引出線を実装しなくてもよく、マザーボード35を使って、処理回路34との必要な電気的接続を行うことができる。
【0051】
さらに、本実施形態に係るX線検出器30には、シンチレータ31に入射するX線をコリメートしたり、散乱線の入射を抑制したりするためにコリメータ36が設置されている。このコリメータ36は、それを成す鉛製のブレードの位置がモジュールF間の隙間G1に一致し、その隙間G1を塞ぐように固定配置されている。このため、コリメータ36のブレードの陰になる領域を極力少なくしている。隙間G1に相当する画素は補完されるので、この隙間G1の位置をコリメータ36の配置に兼用する構成になっている。
【0052】
なお、上述した第2の実施形態では、各モジュールFの行方向(X)及び列方向(Y)の両方に、規定サイズの画素を作り出すともにモジュールFを隣接して実装させる上で必要な規定幅の隙間G1を持たせるために、許容される範囲で縮小された幅を持つ画素Psの並びを行方向(X)の両端部のそれぞれ及び列方向(Y)の両端部のそれぞれに形成している。しかしながら、必ずしもこれに限定されるものではない。そのような縮小幅の画素Psの並びは行方向(X)又は列方向(Y)にのみ形成してもよいし、行方向(X)の両端部の一方と列方向(Y)の両端部の一方であってもよい。また、モジュールFが検出器30の全体のどこの位置(角部か中央部か)によって、それらの縮小幅の画素Psの並びを決めることができる。
【0053】
また、第2の実施形態における処理回路34の突出部分34Pの位置も必ずしも前述したものに限定されない。それらの突出部分34Pを行方向(X)の両端部に設けてもよいし、行方向(X)又は列方向(Y)の両端部のうち、何れか一方にのみ設けるようにしてもよい。
【0054】
さらに、前述した第2の実施形態にあっては、列方向(Y)で隣接するモジュール間で実際には信号収集しない画素並びを正確に1画素分とし、行方向(X)で隣接するモジュール間では実際に隙間は設けるものの信号収集しない画素並びを作らないように、相互間の隙間Gや端部の画素並びの幅を決めたが、これは一例である。例えば、列方向について言えば2画素分など2以上の整数倍分の非信号収集域を作るように、相互間の隙間Gや端部の画素並びの幅を決めてもよい。
【0055】
また、図10に示すように、X線検出器12Aは、平面状検出器と一方の中心部に幅方向に画素を持つ長細い検出器を組み合わせたような変形した形状を有していても良い。このX検出器12Aの検出領域の一部、又は、全部に本発明に係るモジュール構造を適用することができる。この場合は、歯科で最近普及しているコーンビームCTの他、セファロメトリーやパノラマ撮影にも対応可能な検出器を提供できる。
【0056】
また、前述した実施例では、シンチレータと画素構成された光電変換器と画素化されたプレート状の回路基板(CMOS)との構成で説明したが、シンチレータと画素構成された光電変換器との組み合わせが、画素化された直接変換形の半導体検出器の組み合わせに置き換わったとしても、同様の構成を採り得る。またその時に、直接変換型の検出器と画素化されたプレート状の回路基板(CMOS)が画素毎に1対1に対応する場合でも本発明に含まれる。
【0057】
同様にシンチレータと画素構成された光電変換器と画素化されたプレート状の回路基板(CMOS)の構成において、シンチレータと回路基板が画素毎に1対1にするようにしても良い。
【0058】
また、シンチレータと、画素構成された光電変換器及び画素化されたプレート状の回路基板(CMOS)との間をファイバーオプティクプレート(FOS)などを介在せずに接続することができる。この場合、それの間を、柱状に光学的に画素毎に分離された構成にするとよい。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明に係る放射線検出器及び放射線撮像装置は、制御されたギャップを以ってモジュールを繋ぎ合わせて容易に製造でき且つデータ補間も容易であるので、ギャップ部の均一性の変化や歪が少なく、より高画質の断層像や透過像を提供できる、より安価な放射線検出器及び放射線撮像装置を提供できる。
【符号の説明】
【0060】
1 X線CTスキャナ(放射線撮像装置)
5 コンソール
11 X線管(放射線源)
12、30 X線検出器(放射線検出器)
21,31 シンチレータ
22,32 FOS
23,33 光電変換器
24,34 処理回路
36 マザーボード
G1,G2,G3、G4 ギャップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線源から照射された放射線を受けて当該放射線を検出する2次元の放射線検出器において、
前記放射線を入射させる第1の面と当該第1の面に対向した第2面を有し、当該入射面に入射した前記放射線に応じた光信号を発生させて当該光信号を前記第2の面から出力するプレート状のシンチレータと、
前記シンチレータの前記第2の面に沿って配置されるとともに、それぞれが2次元に配列された画素を画成し、かつそれぞれが当該第2の面から出力される前記光信号を規定サイズの画素毎に電気信号に処理する処理回路を実装したプレート状の回路基板と、を備え、
前記シンチレータ及び前記回路基板の対を一つのモジュールとして、前記2次元配列の行方向及び列方向の少なくとも一方に2つ以上、平面状にかつ隙間を持たせて配置し、
前記複数のモジュールのそれぞれは、互いに隣接する2つのモジュールの間に存在する前記隙間に因る領域が、前記規定サイズの前記隣接方向における値の整数倍(1以上の正の整数倍又は0を含む正の整数倍)になるように、前記規定サイズの前記隣接方向の値よりも小さい値に設定したサイズの画素の並びを当該隣接方向における最外側の端部に有することを特徴とする放射線検出器。
【請求項2】
請求項1に記載の放射線検出器において、
前記回路基板は、前記処理回路を搭載する複数の基板を含み、その一部を基板を他の基板よりも前記行方向及び前記列方向の少なくとも一方において外側へ突出させた突出部分を有し、この突出部分に前記処理回路との間の電気的な引出ラインを設けたことを特徴とする放射線検出器。
【請求項3】
放射線源から照射された放射線を受けて当該放射線を検出する2次元の放射線検出器において、
前記放射線を入射させる第1の面と当該第1の面に対向した第2面を有し、当該入射面に入射した前記放射線に応じた光信号を発生させて当該光信号を前記第2の面から出力するプレート状のシンチレータと、
前記シンチレータの前記第2の面に沿って配置されるとともに、それぞれが2次元に配列された画素を画成し、かつそれぞれが当該第2の面から出力される前記光信号を画素毎に電気信号に処理する処理回路を実装したプレート状の回路基板と、を備え、
前記シンチレータは、所定サイズを有するシンチレータ要素を前記2次元配列の行方向及び列方向の少なくとも一方に2つ以上、平面状に配置し、
前記回路基板は、前記2次元配列の行方向及び列方向にそれぞれに2つ以上配列するように当該回路基板を分割した構造の複数のモジュールを前記シンチレータ毎に有し、前記複数のモジュールのうち、前記行方向及び前記列方向のそれぞれの一方向において隣のモジュールに面している特定のモジュールの、前記隣接するモジュールに面した最外側の並びに属する複数の画素のサイズr1をその残りの画素のサイズrよりも小さい値に設定し(r1<r)、かつ前記特定のモジュールと前記隣接するモジュールとの間の隙間g1がGA=r−r1になるように前記複数のモジュールを配置した、ことを特徴とする放射線検出器。
【請求項4】
請求項3に記載の放射線検出器において、
前記複数のシンチレータ要素を、隣接するシンチレータ要素同士の間に、GB=(f+1)r−r1 (f=1,2,…)の隙間を空けて配置した、ことを特徴とする放射線検出器。
【請求項5】
請求項3又は4に記載の放射線検出器において、
前記隙間GA及びGBは、それぞれ、前記行方向及び前記列方向において共に同一値であることを特徴とする放射線検出器。
【請求項6】
請求項3又は4に記載の放射線検出器において、
前記隙間GBはGB=(f+1)r−r1 (f=1)に設定されていることを特徴とする放射線検出器。
【請求項7】
放射線を照射する放射線源と、この放射線源から照射された放射線を検出する2次元の放射線検出器と、この放射線検出器で検出した放射線の情報を補正する補正手段とを備えた放射線撮像装置において、
前記放射線検出器は、
前記放射線を入射させる第1の面と当該第1の面に対向した第2面を有し、当該入射面に入射した前記放射線に応じた光信号を発生させて当該光信号を前記第2の面から出力するプレート状のシンチレータと、
前記シンチレータの前記第2の面に沿って配置されるとともに、それぞれが2次元に配列された画素を画成し、かつそれぞれが当該第2の面から出力される前記光信号を規定サイズの画素毎に電気信号に処理する処理回路を実装したプレート状の回路基板と、を備え、
前記シンチレータ及び前記回路基板の対を一つのモジュールとして、前記2次元配列の行方向及び列方向の少なくとも一方に2つ以上、平面状にかつ隙間を持たせて配置し、
前記複数のモジュールのそれぞれは、互いに隣接する2つのモジュールの間に存在する前記隙間に因る画素不存在の領域が、前記規定サイズの前記隣接方向における値の整数倍になるように、前記規定サイズの前記隣接方向の値よりも小さい値に設定したサイズの画素の並びを当該隣接方向における最外側の端部に有することを特徴とする放射線検出器。
前記補正手段は、前記隙間GA及びGBの量に基づいた画素数を参照して前記情報を補正する、ことを特徴とする放射線撮像装置。
【請求項8】
照射された放射線としての光信号を受けて当該光信号を検出する2次元の放射線検出器において、
それぞれが2次元に配列された画素を画成し、かつそれぞれが前記光信号を規定サイズの画素毎に電気信号に処理する処理回路を実装したプレート状の回路基板と、を備え、
前記回路基板を一つのモジュールとして、前記2次元配列の行方向及び列方向の少なくとも一方に2つ以上、平面状にかつ隙間を持たせて配置し、
前記複数のモジュールのそれぞれは、互いに隣接する2つのモジュールの間に存在する前記隙間に因る領域が、前記規定サイズの前記隣接方向における値の整数倍(1以上の正の整数倍又は0を含む正の整数倍)になるように、前記規定サイズの前記隣接方向の値よりも小さい値に設定したサイズの画素の並びを当該隣接方向における最外側の端部に有することを特徴とする放射線検出器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−243394(P2010−243394A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−93915(P2009−93915)
【出願日】平成21年4月8日(2009.4.8)
【出願人】(591193211)株式会社テレシステムズ (5)
【Fターム(参考)】