説明

放射線画像撮影システム

【課題】術者が被検体と放射線画像とを同時に観察しながら治療を行うことができ、かつ術者に照射される放射線の被曝線量を低減することができる放射線画像撮影システムを提供する。
【解決手段】撮影システム10が、放射線検出器36、及び表示面が放射線検出器36の照射面と反対方向を向くように放射線検出器36の照射面36Aの反対側に配置され、放射線検出器36から出力された画像情報に基づいた放射線画像が表示面に表示されるディスプレイ28が設けられた電子カセッテ20と、カテーテルの先端の患者の体内における位置を示す座標情報を取得すると共に、当該座標情報により示される位置を含む照射領域内でかつ当該位置を含む放射線検出器36の照射面の部分領域に放射線が照射されるようにモータ146,148,150,152を制御するコンソール26と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射線画像撮影システムに係り、特に、画像を表示する表示手段を備えた可搬型放射線画像検出装置を備えた放射線画像撮影システムに関する。
【背景技術】
【0002】
先端に様々な器具を取り付けたカテーテルを患者(以下、「被検体」とも言う。)の体内に挿入して、患者の体内の状態をモニターに表示される放射線画像によりリアルタイムで観察しながら、カテーテルの先端を病変部にまで到達させ、カテーテルを体外で操作することにより治療を行う、いわゆるIVR(Interventional Radiology)が急速に普及しだしている。
【0003】
ところで、IVRでは、術者がモニターに表示される放射線画像を観察しながら治療を行うが、患者と放射線画像とを同時に観察しながら治療を行うことが難しい、という問題点があった。
【0004】
特許文献1には、外部から照射された放射線により表わされる放射線画像を示す画像情報を生成する撮像パネルと、背面に設けられ、当該画像情報により示される放射線画像を表示する表示手段と、を備えた可搬型放射線画像検出装置が開示されている。
【0005】
特許文献2には、関心領域に絞って患者に対して放射線を照射する技術が開示されている。
【特許文献1】特開2000−131785号公報
【特許文献2】特開平10−248835号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の技術では、被検体と表示手段に表示される放射線画像とを同時に観察しながら治療を行うことができるものの、術者は表示手段を覗き込んだ際に被曝してしまう、という問題点があった。
【0007】
また、特許文献2の技術では、術者に照射される放射線の被曝線量を低減することはできるものの、関心領域がカテーテルの動きに追従しないため、術者は放射線画像を観察しながら治療を行うことができない、という問題点があった。
【0008】
本発明は上記問題点を解決するために成されたものであり、術者が被検体と放射線画像とを同時に観察しながら治療を行うことができ、かつ術者に照射される放射線の被曝線量を低減することができる放射線画像撮影システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の放射線画像撮影システムは、放射線を照射する照射手段による照射領域を変更する変更手段と、前記照射手段から照射された放射線が照射される照射面を備え、被検体を透過して前記照射面から照射された放射線を検出して、検出した放射線量に応じた放射線画像を示す画像情報を出力する放射線検出手段、及び表示面を備え、前記表示面が前記照射面と反対方向を向くように前記放射線検出手段の前記照射面の反対側に配置され、前記放射線検出手段から出力された前記画像情報に基づいた放射線画像が前記表示面に表示される表示手段が設けられた可搬型放射線画像検出装置と、前記被検体の内部に挿入された医療器具の特定部位の前記被検体内部における位置を示す位置情報を取得する取得手段と、前記取得手段で取得された前記位置情報により示される位置を含む照射領域内でかつ前記位置を含む前記照射面の部分領域に放射線が照射されるように前記変更手段を制御する制御手段と、を含んで構成されている。
【0010】
請求項1に記載の放射線画像撮影システムによれば、変更手段により、放射線を照射する照射手段による照射領域が変更される。
【0011】
また、本発明では、可搬型放射線画像検出装置に設けられ、照射手段から照射された放射線が照射される照射面を備えた放射線検出手段により、被検体を透過して照射面から照射された放射線が検出され、検出された放射線量に応じた放射線画像を示す画像情報が出力される。
【0012】
また、本発明では、可搬型放射線画像検出装置に設けられ、表示面を備え、表示面が照射面と反対方向を向くように放射線検出手段の照射面の反対側に配置された表示手段により、放射線検出手段から出力された画像情報に基づいた放射線画像が表示面に表示される。
【0013】
そして、本発明では、取得手段により、被検体の内部に挿入された医療器具の特定部位の被検体内部における位置を示す位置情報が取得され、制御手段により、取得手段で取得された位置情報により示される位置を含む照射領域内でかつ前記位置を含む照射面の部分領域に放射線が照射されるように変更手段が制御される。
【0014】
このように、請求項1に記載の放射線画像撮影システムによれば、表示面が放射線検出手段の照射面と反対方向を向くように放射線検出手段の照射面の反対側に配置された表示手段によって放射線画像が表示されると共に、被検体の内部に挿入された医療器具の特定部位の被検体内部における位置を含む照射領域内でかつ当該位置を含む照射面の部分領域に放射線が照射されるので、術者が被検体と放射線画像とを同時に観察しながら治療を行うことができ、かつ術者に照射される放射線の被曝線量を低減することができる。
【0015】
なお、請求項1に記載の放射線画像撮影システムは、請求項2に記載の発明のように、前記表示手段が、略実寸サイズの大きさの放射線画像を表示するものとしてもよい。これにより、略実寸サイズの大きさの放射線画像が表示されるので、被検体と放射線画像とを見比べた際の大きさの違いに起因する違和感を軽減することができる。
【0016】
また、請求項1または請求項2に記載の放射線画像撮影システムは、請求項3に記載の発明のように、前記被検体を載置するための放射線が透過可能な部材で構成された載置台と、前記載置台の前記被検体が載置される側に配置されると共に、当該載置台に設けられ、前記可搬型放射線画像検出装置を支持する支持部材と、を更に含んで構成されてもよい。これにより、可搬型放射線画像検出装置を持つ人が不要となるので、人件費を削減することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、術者が被検体と放射線画像とを同時に観察しながら治療を行うことができ、かつ術者に照射される放射線の被曝線量を低減することができる、という効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
【0019】
先ず、本実施形態に係る放射線画像撮影システム10(以下、「撮影システム10」とも称する。)の構成について説明する。図1には、本実施形態に係る撮影システム10を配置した様子の一例として、撮影システム10が手術室内に設置された様子が示されている。
【0020】
撮影システム10は、医師12や放射線技師の操作により放射線画像の撮影を行うものである。撮影システム10は、患者14が載置されるベッド16と、撮影条件に従った放射線量からなる放射線Xを患者14に照射する放射線照射装置18と、患者14を透過した放射線Xを検出して、検出した放射線量に応じた放射線画像を示す放射線画像情報(以下、単に「画像情報」とも言う。)を生成し、当該画像情報を予め定められた記憶領域に記憶することにより撮影を行う可搬型撮影装置20(以下、「電子カセッテ20」とも言う。)と、ベッド16に設けられ、ベッド16の患者14が載置される側で電子カセッテ20を片持ち支持する支持部材22と、放射線照射装置18及び電子カセッテ20を制御するコンソール26と、を備えている。
【0021】
ベッド16は、放射線Xを透過させる材料で構成され、患者14が載置される略矩形平板状の載置台16Aと、載置台16Aの四隅に設けられ、載置台16Aを支持する脚部16Bと、を備えている。
【0022】
放射線照射装置18は、載置台16Aの裏側(患者14が載置される側と反対側)から載置台16A上の患者14に放射線Xが照射されるように載置台16Aの裏側に配置されている。
【0023】
電子カセッテ20は、裏面に、撮影した放射線画像が表示されるディスプレイ28を備え、ディスプレイ28の表示面28Aを上方に向けた状態で、放射線照射装置18から照射された放射線Xが載置台16A及び患者14を透過して後述する放射線検出器36により検出されるように載置台16Aの表側(患者14が載置される側)に配置されている。
【0024】
載置台16Aの患者14が載置される側の面には支持部材22が設けられている。支持部材22は、略L字状に屈曲しており、基端部が載置台16Aに固定されており、先端部には電子カセッテ20が着脱自在に取付けられている。
【0025】
図2には、本実施形態に係る電子カセッテ20の内部構成が示されている。
【0026】
同図に示すように、電子カセッテ20は、放射線Xを透過させる材料からなる略矩形平板状の筐体30を備えている。電子カセッテ20は、手術室等で使用されるとき、血液やその他の雑菌が付着するおそれがある。そこで、筐体30を防水性、密閉性を有する構造として、必要に応じて殺菌洗浄することにより、1つの電子カセッテ20を繰り返し続けて使用することができる。筐体30の側面には通信ケーブルを接続するための接続端子20Aが設けられている。筐体30の内部には、放射線Xが照射される筐体30の照射面32側から、放射線Xの散乱線を除去するグリッド34と、ディスプレイ28の表示面28Aと反対方向を向くように表示面28Aの反対側に配置され、放射線Xが照射される略矩形状の照射面36Aを備え、患者14を透過して照射面36Aから照射された放射線Xを検出して、検出した放射線量に応じた放射線画像を示す画像情報を出力する放射線検出器36と、ディスプレイ28と放射線検出器36との間に介在され、放射線Xのバック散乱線を吸収する鉛板38と、が順に配設される。
【0027】
また、筐体30の内部の一端側には、マイクロコンピュータを含む電子回路及び充電可能な二次電池を収容するケース40が配置されている。放射線検出器36及び電子回路は、ケース40に収容された二次電池から供給される電力によって作動する。ケース40内部に収容された各種回路が放射線Xの照射に伴って損傷することを回避するため、ケース40の照射面32側には鉛板等の放射線を遮蔽する遮蔽部材を配設しておくことが望ましい。
【0028】
図3には、本実施形態に係る放射線照射装置18の要部構成を示す斜視図が示されている。
【0029】
同図に示されるように、放射線照射装置18は、放射線Xを出力する放射線源42と、放射線源42と電子カセッテ20の照射面32との間に配置され、放射線源42による電子カセッテ20の照射面32に対しての縦方向(X方向)の照射領域をX方向に相対的に移動することにより変更するスリット板44,46と、放射線源42と電子カセッテ20の照射面32との間でスリット板44,46に重なるように配置され、放射線源42による電子カセッテ20の照射面32に対しての横方向(Y方向)の照射領域をY方向に相対的に移動することにより変更するスリット板48,50と、を備えている。
【0030】
また、放射線照射装置18は、放射線Xを遮蔽する材料(例えば、鉛やタングステンなど)で構成され、放射線源42が収容される収容箱52を備えている(図1参照)。収容箱52には、放射線源42からの放射線Xを電子カセッテ20の照射面32に向けて照射するための開口部が形成されており、スリット板44,46は、当該開口部をX方向に開放及び閉塞可能に収容箱52に設けられている。また、スリット板48,50は、上記開口部をY方向に開放及び閉塞可能に収容箱52に設けられている。
【0031】
スリット板44は、モータ146(図5参照。)の駆動力が図示しない伝達手段を介して伝達されてX方向に移動し、スリット板46は、モータ148(図5参照。)の駆動力が図示しない伝達手段を介して伝達されてX方向に移動し、スリット板48は、モータ150(図5参照。)の駆動力が図示しない伝達手段を介して伝達されてY方向に移動し、スリット板50は、モータ152(図5参照。)の駆動力が図示しない伝達手段を介して伝達されてY方向に移動する。
【0032】
図4には、患者14に対してIVRを実施している様子を示す概略図が示されている。
【0033】
同図に示されるように、IVRでは、カテーテル60が用いられる。カテーテル60の表面は、伸長方向に沿って白黒の縞模様に色付けされている。当該縞模様は、幅広の黒色領域、幅狭の白色領域、幅狭の黒色領域、及び幅広の白色領域からなり、幅広の黒色領域、幅狭の白色領域、幅狭の黒色領域、及び幅広の白色領域がカテーテル60の伸長方向に沿って順に並んでおり、各々の領域が一定の間隔で複数形成されている。
【0034】
患者14におけるカテーテル60の挿入口付近の皮膚には当該挿入口に挿入されるカテーテル60の表面に対し光線を照射して当該光線の反射光を受光可能なように反射型フォトセンサ62が取り付けられている。反射型フォトセンサ62は、カテーテル60の表面の幅広の黒色領域、幅狭の白色領域、幅狭の黒色領域、及び幅広の白色領域の各々で反射した反射光を受光し、これらを電気信号に変換してコンソール26へ送信するように構成されている。
【0035】
図5には、本実施形態に係る撮影システム10の構成を示すブロック図が示されている。
【0036】
放射線照射装置18には、コンソール26と通信を行うための接続端子18Aが設けられている。コンソール26には、放射線照射装置18と通信を行うための接続端子26A、電子カセッテ20と通信を行うための接続端子26B、及び反射型フォトセンサ62からの電気信号を受信するための接続端子26Cが設けられている。
【0037】
放射線照射装置18は、通信ケーブル70を介してコンソール26に接続されている。反射型フォトセンサ62は、通信ケーブル71を介してコンソール26に接続されている。電子カセッテ20は、放射線画像の撮影時に、接続端子20Aに通信ケーブル72が接続され、当該通信ケーブル72を介してコンソール26に接続される。なお、本実施形態では、電子カセッテ20とコンソール26との間のデータ転送の高速化を図るために、通信ケーブル72に光ファイバを採用した光通信ケーブルを用いており、光通信によって電子カセッテ20とコンソール26との間でデータの転送を行っている。
【0038】
電子カセッテ20に内蔵された放射線検出器36は、TFTアクティブマトリクス基板74上に、放射線Xを吸収し、電荷に変換する光電変換層が積層されて構成されている。光電変換層は例えばセレンを主成分(例えば含有率50%以上)とする非晶質のa−Se(アモルファスセレン)から成り、放射線Xが照射されると、照射された放射線量に応じた電荷量の電荷(電子−正孔の対)を内部で発生することで、照射された放射線Xを電荷へ変換する。なお、放射線検出器36は、アモルファスセレンのような放射線Xを直接的に電荷に変換する放射線-電荷変換材料の代わりに、蛍光体材料と光電変換素子(フォトダイオード)を用いて間接的に電荷に変換しても良い。蛍光体材料としては、ガドリニウム硫酸化物(GOS)やヨウ化セシウム(CsI)が良く知られている。この場合、蛍光材料によって放射線X−光変換を行い、光電変換素子のフォトダイオードによって光−電荷変換を行なう。
【0039】
また、TFTアクティブマトリクス基板74上には、光電変換層で発生された電荷を蓄積する蓄積容量76と、蓄積容量76に蓄積された電荷を読み出すためのTFT78とを備えた画素部80(図5では個々の画素部80に対応する光電変換層を光電変換部82として模式的に示している)がマトリクス状に多数個配置されており、電子カセッテ20への放射線Xの照射に伴って光電変換層で発生された電荷は、個々の画素部80の蓄積容量76に蓄積される。これにより、電子カセッテ20に照射された放射線Xに担持されていた画像情報は電荷情報へ変換されて放射線検出器36に保持される。
【0040】
また、TFTアクティブマトリクス基板74には、一定方向(行方向)に延設され個々の画素部80のTFT78をオンオフさせるための複数本のゲート配線84と、ゲート配線84と直交する方向(列方向)に延設されオンされたTFT78を介して蓄積容量76から蓄積電荷を読み出すための複数本のデータ配線86が設けられている。個々のゲート配線84はゲート線ドライバ88に接続されており、個々のデータ配線86は信号処理部90に接続されている。個々の画素部80の蓄積容量76に電荷が蓄積されると、個々の画素部80のTFT78は、ゲート線ドライバ88からゲート配線84を介して供給される信号により行単位で順にオンされ、TFT78がオンされた画素部80の蓄積容量76に蓄積されている電荷は、電荷信号としてデータ配線86を伝送されて信号処理部90に入力される。従って、個々の画素部80の蓄積容量76に蓄積されている電荷は行単位で順に読み出される。
【0041】
図6には、本実施形態に係る放射線検出器36の1画素部分に注目した等価回路図が示されている。
【0042】
同図に示すように、TFT78のソースは、データ配線86に接続されており、このデータ配線86は、信号処理部90に接続されている。また、TFT78のドレインは蓄積容量76及び光電変換部82に接続され、TFT78のゲートはゲート配線84に接続されている。
【0043】
信号処理部90は、個々のデータ配線86毎にサンプルホールド回路92を備えている。個々のデータ配線86を伝送された電荷信号はサンプルホールド回路92に保持される。サンプルホールド回路92はオペアンプ92Aとコンデンサ92Bを含んで構成され、電荷信号をアナログ電圧に変換する。また、サンプルホールド回路92にはコンデンサ92Bの両電極をショートさせ、コンデンサ92Bに蓄積された電荷を放電させるリセット回路としてスイッチ92Cが設けられている。
【0044】
サンプルホールド回路92の出力側にはマルチプレクサ94、A/D変換器96が順に接続されており、個々のサンプルホールド回路に保持された電荷信号はアナログ電圧に変換されてマルチプレクサ94に順に(シリアルに)入力され、A/D変換器96によってデジタルの画像情報へ変換される。
【0045】
信号処理部90にはラインメモリ98が接続されており(図5参照。)、信号処理部90のA/D変換器96から出力された画像情報はラインメモリ98に順に記憶される。ラインメモリ98は放射線画像を示す画像情報を所定ライン分記憶可能な記憶容量を有しており、1ラインずつ電荷の読み出しが行われる毎に、読み出された1ライン分の画像情報がラインメモリ98に順次記憶される。
【0046】
ラインメモリ98は電子カセッテ20全体の動作を制御するカセッテ制御部100と接続されている。カセッテ制御部100は、マイクロコンピュータによって実現されており、光通信制御部102が接続されている。この光通信制御部102は、接続端子20Aに接続されており、接続端子20Aを介して接続された外部機器との間での各種情報の伝送の制御を行う。カセッテ制御部100は、光通信制御部102を介して外部機器との間で各種情報の送受信が可能とされている。
【0047】
また、電子カセッテ20は、ディスプレイ28の表示制御を行うディスプレイドライバ104を備えており、ディスプレイドライバ104にはカセッテ制御部100が接続されている。カセッテ制御部100は、ラインメモリ98に記憶されている画像情報を読み出し、当該画像情報により示される放射線画像をディスプレイ28の表示面28Aに表示させる。なお、本実施形態に係るディスプレイ28には、放射線検出器36により得られた画像情報により示される放射線画像が略実寸サイズで表示される。
【0048】
更に、電子カセッテ20は電源部106を備えており、上述した各種回路や各素子(ゲート線ドライバ88、信号処理部90、ラインメモリ98、光通信制御部102やカセッテ制御部100として機能するマイクロコンピュータ)は、電源部106から供給された電力によって作動する。電源部106は、電子カセッテ20の可搬性を損なわないように、バッテリ(充電可能な二次電池)を内蔵しており、充電されたバッテリから各種回路・素子へ電力を供給する。
【0049】
一方、コンソール26は、サーバ・コンピュータとして構成されており、ディスプレイ上に透過型のタッチパネルが重ねられたタッチパネルディスプレイ等から構成され、操作メニューや撮影された放射線画像等の各種情報がディスプレイの表示面に表示されると共に、ユーザがタッチペンでタッチパネルに触れることにより所望の情報や指示が入力されるUIパネル110と、複数のキーを含んで構成され、各種の情報や操作指示が入力される操作パネル112と、を備えている(図1も参照。)。
【0050】
また、コンソール26は、装置全体の動作を司るCPU(Central Processing Unit)114と、制御プログラムを含む各種プログラム等が予め記憶されたROM(Read Only Memory)116と、各種データを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)118と、各種データを記憶して保持するHDD(Hard Disk Drive)120と、UIパネル110のディスプレイの制御を行うと共に、タッチパネルに対する操作状態を検出するUIパネル制御部122と、操作パネル112に対する操作状態を検出する操作入力検出部124と、接続端子26Aに接続され、接続端子26A及び通信ケーブル70を介して放射線照射装置18との間で曝射条件や放射線照射装置18の状態情報等の各種情報の送受信を行う通信インタフェース(I/F)部126と、接続端子26Bに接続され、接続端子26B及び通信ケーブル72を介して電子カセッテ20との間で画像情報等の各種情報の送受信を行う光通信制御部128と、接続端子26Cに接続され、接続端子26C及び通信ケーブル71を介して反射型フォトセンサ62からの電気信号の受信を行う外部I/F部130と、を備えている。
【0051】
CPU114、ROM116、RAM118、HDD120、UIパネル制御部122、操作入力検出部124、通信I/F部126、光通信制御部128、及び外部I/F部130は、システムバスBUSを介して相互に接続されている。従って、CPU114は、ROM116、RAM118、HDD120へのアクセスを行うことができると共に、UIパネル制御部122を介したUIパネル110のディスプレイへの各種情報の表示の制御、UIパネル制御部122を介したUIパネル110のタッチパネルに対するユーザの操作状態の把握、操作入力検出部124を介した操作パネル112に対するユーザの操作状態の把握、通信I/F部126を介した放射線照射装置18との各種情報の送受信の制御、光通信制御部128を介した電子カセッテ20との各種情報の送受信の制御、外部I/F部130を介した反射型フォトセンサ62の検出結果の取得、を各々行うことができる。
【0052】
なお、本実施形態に係るUIパネル110のタッチパネルは、透明電極を用いた多数のスイッチがマトリクス状に配列されて構成されている。UIパネル110のディスプレイの画面に患者14の放射線画像が表示されている状態で、ユーザがタッチペン(図示省略)でUIパネル110のディスプレイの画面に触れると、タッチパネルの多数のスイッチのうちの何れか1つがオンする。UIパネル制御部122は、タッチパネルの何れかのスイッチがオンになると、オンになったスイッチの位置をマトリクスにおける2次元直交座標で表した座標情報をCPU114へ出力する。CPU114は、UIパネル制御部122から座標情報が入力されると、当該座標情報をHDD120に記憶する。
【0053】
一方、放射線照射装置18は、放射線照射装置18全体の動作を制御する照射装置制御部140を備えている。照射装置制御部140はマイクロコンピュータによって実現されており、通信I/F部142が接続されている。通信I/F部142は、接続端子18Aに接続されており、接続端子18Aを介して接続されたコンソール26との間での各種情報の伝送の制御を行う。照射装置制御部140は、通信I/F部142を介してコンソール26との間での各種情報の送受信が可能とされている。また、照射装置制御部140には放射線源42が接続されており、照射装置制御部140は、通信I/F部142を介して受信した曝射条件に基づいて放射線源42を制御する。
【0054】
また、放射線照射装置18は、スリット板44を移動させるための駆動力を発生するモータ146と、スリット板46を移動させるための駆動力を発生するモータ148と、スリット板48を移動させるための駆動力を発生するモータ150と、スリット板50を移動させるための駆動力を発生するモータ152と、を備えている。
【0055】
また、放射線照射装置18は、モータ146の駆動制御を行うモータドライバ154と、モータ148の駆動制御を行うモータドライバ156と、モータ150の駆動制御を行うモータドライバ158と、モータ152の駆動制御を行うモータドライバ160と、を備えている。
【0056】
モータ146は、モータドライバ154を介して照射装置制御部140に、モータ148は、モータドライバ156を介して照射装置制御部140に、モータ150は、モータドライバ158を介して照射装置制御部140に、モータ152は、モータドライバ160を介して照射装置制御部140に、各々接続されている。従って、モータ146,148,150,152の駆動は、コンソール26からの指示に応じて、照射装置制御部140によって制御される。
【0057】
なお、モータ146,148,150,152及びスリット板44,46,48,50が本発明の変更手段に相当する。
【0058】
次に、本実施形態に係る撮影システム10の作用を説明する。
【0059】
本実施形態に係る撮影システム10を利用して患者14に対してIVRを実施する場合、先ず、載置台16Aに患者14を横たわらせ、患者14を載置台16Aに固定する。そして、放射線照射装置18から放射線検出器36の照射面36Aの全面に対して放射線Xを照射し、患者14におけるカテーテル60の挿入口及び病変部が含まれるように放射線画像を撮影する。コンソール26は、電子カセッテ20に記憶されている画像情報を取得し、当該画像情報により示される放射線画像をUIパネル110のディスプレイに表示する。ここで、術者は、UIパネル110のディスプレイに表示されている放射線画像上の患者14の体内におけるカテーテル60の進入予定経路をタッチペンでなぞることにより、UIパネル110のタッチパネルにおけるカテーテル60の進入予定経路の座標情報を入力する。UIパネル110を介して入力されたタッチパネルにおけるカテーテル60の進入予定経路の座標情報はCPU114によってHDD120に記憶される。この後、コンソール26に対してIVRの開始指示が入力されると、コンソール26では患者14の体内に挿入されたカテーテル60の先端の患者14の体内における位置を推定する位置推定処理が実行される。
【0060】
次に、図7を参照して、上記位置推定処理を実行する際のコンソール26の処理ルーチンを説明する。なお、図7は、所定時間(例えば、0.1秒)毎にコンソール26のCPU114によって実行される位置推定処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートであり、当該プログラムはROM116の所定領域に予め記憶されている。
【0061】
同図のステップ200では、反射型フォトセンサ62からの電気信号を受信したか否かを判定し、否定判定となった場合には本位置推定処理プログラムを終了する一方、肯定判定となった場合には、ステップ202へ移行し、上記ステップ200で受信した電気信号に基づいてカテーテル60の患者14の体内への進入量を算出する。
【0062】
次のステップ204では、HDD120に記憶されているUIパネル110のタッチパネルにおけるカテーテル60の進入予定経路の座標情報、及び上記ステップ202で算出したカテーテル60の患者14の体内への進入量に基づいて、UIパネル110のタッチパネルにおけるカテーテル60の先端の位置の座標情報を導出することにより、カテーテル60の先端の位置を推定する。
【0063】
次のステップ206では、上記ステップ204で導出した座標情報を放射線照射装置18に送信し、本位置推定処理プログラムを終了する。
【0064】
放射線照射装置18では、照射装置制御部140がコンソール26から送信された座標情報を受信すると、当該座標情報により示されるカテーテル60の先端の位置を含む照射領域内でかつ当該位置を含む照射面36Aの部分領域(本実施形態では、照射面36Aを縦横に各々二等分して得られる4つの区域の1つ(図3参照。))に放射線Xが照射されるように、放射線源42を作動させると共に、モータ146,148,150,152の駆動を制御する。
【0065】
ところで、図8に示すように、電子カセッテ20のディスプレイ28の全画面に放射線画像を表示する場合には、照射面36Aの全面に対して放射線Xを照射する必要がある。
【0066】
しかし、本実施形態に係る撮影システム10では、図9に示すように、放射線Xが照射されている照射面36Aの部分領域に対応する画面(本実施形態では、ディスプレイ28の画面を縦横に各々二等分して得られる4つの区域の1つ)にのみ放射線画像が表示されるので、図8に示すようにディスプレイ28の全画面に放射線画像を表示する場合に比較して、照射面36Aにおける放射線Xの照射領域が小さくなる。従って、放射線画像がディスプレイ28の全画面に表示される場合に比較して、医師12に照射される放射線の被曝線量を低減することができる。しかも、カテーテル60の先端に追従するように照射面36Aに対して照射される放射線Xの領域が変更されるので、ディスプレイ28に常にカテーテル60の先端が含まれる放射線画像を表示することができる。
【0067】
以上詳細に説明したように、本実施形態に係る撮影システム10では、放射線Xを照射する放射線照射装置18による照射領域を変更するスリット板44,46,48,50及びモータ146,148,150,152と、放射線照射装置18から照射された放射線Xが照射される照射面36Aを備え、患者14を透過して照射面36Aから照射された放射線Xを検出して、検出した放射線量に応じた放射線画像を示す画像情報を出力する放射線検出器36、及び表示面28Aを備え、表示面28Aが照射面36Aと反対方向を向くように放射線検出器36の照射面36Aの反対側に配置され、放射線検出器36から出力された画像情報に基づいた放射線画像が表示面28Aに表示されるディスプレイ28が設けられた電子カセッテ20と、患者14の体内に挿入されたカテーテル60の特定部位(ここでは、先端)の患者14の体内における位置を示す位置情報(ここでは、座標情報)を取得すると共に、当該位置情報により示される位置を含む照射領域内でかつ当該位置を含む照射面36Aの部分領域に放射線Xが照射されるようにモータ146,148,150,152を制御するコンソール26と、を備えているので、医師12が患者14と放射線画像とを同時に観察しながら治療を行うことができ、かつ医師12に照射される放射線の被曝線量を低減することができる。
【0068】
また、本実施形態に係る撮影システム10では、ディスプレイ28が略実寸サイズの大きさの放射線画像を表示するので、患者14と放射線画像とを見比べた際の大きさの違いに起因する違和感を軽減することができる。
【0069】
また、本実施形態に係る撮影システム10では、患者14を載置するための放射線Xが透過可能な部材で構成された載置台16Aと、載置台16Aの患者14が載置される側に配置されると共に、載置台16Aに設けられ、電子カセッテ20を支持する支持部材22と、を備えることにより、電子カセッテ20を持つ人が不要となるので、人件費を削減することができる。
【0070】
以上、本発明を上記実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。発明の主旨を逸脱しない範囲で上記実施形態に多様な変更または改良を加えることができ、当該変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0071】
また、上記実施形態は、特許請求の範囲に記載された発明を限定するものではなく、また、上記実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における状況に応じた組み合わせにより種々の発明を抽出できる。上記実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、効果が得られる限りにおいて、この幾つかの構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0072】
例えば、上記実施形態では、患者14の体内におけるカテーテル60の進入量を利用してカテーテル60の先端の患者14の体内における位置を推定する場合の形態例を挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、カテーテル60の先端に磁石を取り付けると共に、電子カセッテ20の照射面32の放射線検出器36と重ならない位置(例えば、ケース40の位置)に、カテーテル60の先端に取り付けられた磁石の磁力の大きさを測定する測定器を設け、当該測定器により測定された磁力の大きさから、測定器からカテーテル60の先端に取り付けられた磁石までの距離を推定し、当該距離及びUIパネル110のタッチパネルにおけるカテーテル60の進入予定経路の座標情報に基づいてUIパネル110のタッチパネルにおけるカテーテル60の先端の位置を推定してもよい。
【0073】
また、カテーテル60の先端に取り付けられた磁石の磁力の大きさを測定すると共に、当該磁力の発生源の方角を取得することによりカテーテル60の先端の位置を推定してもよい。この場合、UIパネル110のタッチパネルにおけるカテーテル60の進入予定経路の座標情報は不要となる。また、磁石の代わりに超音波発信器やγ線発信器などを用いてもよく、この場合、当該発信器から発信される物理量の大きさを測定することにより測定器から当該発信器までの距離を推定し、当該距離を利用してカテーテル60の先端の位置を推定する。このように、患者14の体内に挿入されたカテーテル60の先端の患者14の体内における位置を推定する方法は如何なる方法であってもよい。
【0074】
また、上記実施形態では、患者14の体内に挿入されたカテーテル60の先端の患者14の体内における位置を推定する場合の形態例を挙げて説明したが、同様の方法により、患者14の体内に挿入されたカテーテル60の先端以外の部位の患者14の体内における位置を推定することも可能である。
【0075】
また、上記実施形態では、照射面36Aを縦横に各々二等分して得られる4つの区域の1つに放射線Xを照射する場合の形態例を挙げたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、照射面36Aを縦横に各々三等分して得られる9つの区域の1つに放射線Xを照射してもよい。この場合、ディスプレイ28の表示面28Aを縦横に各々三等分して得られる9つの区域の1つに放射線画像が表示されることになる。このように、患者14の体内に挿入されたカテーテル60の特定部位の患者14の体内における位置を含む照射領域内でかつ当該位置を含む照射面36Aの部分領域に放射線Xが照射されるのであれば照射面36Aの如何なる領域に放射線Xが照射されてもよい。
【0076】
また、上記実施形態では、コンソール26のCPU114が位置推定処理を実行する場合の形態例を挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、放射線照射装置18の照射装置制御部140または電子カセッテ20のカセッテ制御部100が位置推定処理を実行してもよい。
【0077】
その他、上記実施形態で説明した撮影システム10の構成(図1〜図6を参照。)は一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において状況に応じて変更可能であることは言うまでもない。
【0078】
また、上記実施形態で説明した位置推定処理プログラムの処理の流れ(図7を参照。)も一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりすることができることは言うまでもない。
【0079】
また、上記実施形態では、術式と患者14の体内に挿入する医療器具として、IVRにおけるカテーテル60を例に挙げて説明したが、その他の術式と医療器具(IVRにおけるガイドワイヤ、骨折治療におけるスクリューやプレートや髄内釘)にも適用できることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】実施形態に係る撮影システムが設置された手術室の様子を示す図である。
【図2】実施形態に係る電子カセッテの内部構成を示す斜視図である。
【図3】実施形態に係る放射線照射装置の要部構成を示す斜視図である。
【図4】患者に対してIVRを実施している様子を示す概略図である。
【図5】実施形態に係る撮影システムの構成を示すブロック図である。
【図6】実施形態に係る放射線検出器の1画素部分に注目した等価回路図である。
【図7】実施形態に係る位置推定処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】実施形態に係る放射線検出器の照射面の全面に放射線を照射することによりディスプレイの表示面に表示される放射線画像の一例を示す図である。
【図9】実施形態に係る放射線検出器の照射面の部分領域に放射線を照射することによりディスプレイの表示面に表示される放射線画像の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0081】
10 放射線画像撮影システム
14 患者(被検体)
16A 載置台
18 放射線照射装置(照射手段)
20 電子カセッテ(可搬型放射線画像検出装置)
22 支持部材
26 コンソール(取得手段、制御手段)
28 ディスプレイ(表示手段)
28A 表示面
36 放射線検出器(放射線検出手段)
36A 照射面
44,46,48,50 スリット板
60 カテーテル(医療器具)
146,148,150,152 モータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線を照射する照射手段による照射領域を変更する変更手段と、
前記照射手段から照射された放射線が照射される照射面を備え、被検体を透過して前記照射面から照射された放射線を検出して、検出した放射線量に応じた放射線画像を示す画像情報を出力する放射線検出手段、及び表示面を備え、前記表示面が前記照射面と反対方向を向くように前記放射線検出手段の前記照射面の反対側に配置され、前記放射線検出手段から出力された前記画像情報に基づいた放射線画像が前記表示面に表示される表示手段が設けられた可搬型放射線画像検出装置と、
前記被検体の内部に挿入された医療器具の特定部位の前記被検体内部における位置を示す位置情報を取得する取得手段と、
前記取得手段で取得された前記位置情報により示される位置を含む照射領域内でかつ前記位置を含む前記照射面の部分領域に放射線が照射されるように前記変更手段を制御する制御手段と、
を含む放射線画像撮影システム。
【請求項2】
前記表示手段は、略実寸サイズの大きさの放射線画像を表示する請求項1記載の放射線画像撮影システム。
【請求項3】
前記被検体を載置するための放射線が透過可能な部材で構成された載置台と、
前記載置台の前記被検体が載置される側に配置されると共に、当該載置台に設けられ、前記可搬型放射線画像検出装置を支持する支持部材と、を更に含む請求項1または請求項2に記載の放射線画像撮影システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−51572(P2010−51572A)
【公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−220115(P2008−220115)
【出願日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】