説明

放流警報制御監視装置

【課題】接続された制御対象の放流警報装置のうち、一部の範囲の複数の放流警報装置に対して簡易な操作で放流警報を出力させることが可能な放流警報制御監視装置を提供する。
【解決手段】接続された複数の放流警報装置20−1〜20−12に該当する放流警報局A〜Lに関する情報を記憶する制御対象局情報記憶部11と、複数の放流警報装置20−1〜20−12のうち、操作員の操作で指示された放流警報の出力対象とする放流警報局の範囲を入力する指示入力部13と、入力された情報により指示された範囲の複数の放流警報装置に対し、放流警報を出力させるための放流警報出力信号を所定順序で順次送信する範囲順次制御部143とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダムの下流に設置された放流警報装置における放流警報の出力を制御および監視する放流警報制御監視装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ダム管理所に設置された放流警報制御監視装置では、ダムの下流の複数箇所の放流警報局にそれぞれ設置された放流警報装置を集中管理しており、必要に応じて各放流警報装置から放流警報を出力させるよう遠隔で制御を行っている。この放流警報は、ダムの放流や降雨による河川増水に対し、河川利用者や河川近隣住民に注意喚起を行い、水害による災害を未然に防ぐ目的で報知するものであり、音声スピーカによる放送、サイレンの吹鳴、回転灯・表示板の点灯などにより行われる。
【0003】
放流警報制御監視装置において各放流警報装置からの放流警報の出力を制御するときは、特許文献1に記載されているように、予め設定された局間タイマーの設定時間に従って制御対象の全放流警報装置間を順次制御する全局タイマー順次制御方式が多く利用されている。この全局タイマー順次制御方式では、操作員による1回の制御操作で全放流警報装置を制御することが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−343616号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、この全局タイマー順次制御方式により放流警報の出力が制御されているときには、予期せぬ事態により制御を途中で中止しなければならないことがある。例えば、全局タイマー順次制御方式により放流警報の出力が制御されているときに各放流警報装置において正常に放流警報の出力が行われているかどうかを監視員が車両で順次確認する場合があるが、このときに交通渋滞により予め設定された時間間隔で各放流警報装置を確認できないときには一旦制御が中止される。
【0006】
この場合、まだ放流警報が出力されていない一部の放流警報装置に対しては、監視員の車両が到着後に放流警報の出力制御を再開することになるが、その際放流警報制御監視装置では、(1)再度全局タイマー順次制御方式によりすべての放流警報装置に制御を行うか、または、(2)まだ放流警報が出力されていない放流警報装置を個別に制御するか、いずれかの処理を行うことが必要であった。
【0007】
しかし、(1)再度全局タイマー順次制御方式により制御を行うと、既に放流警報が出力された放流警報装置からも再度放流警報が出力されることになり、近隣の住民に迷惑になるという問題があった。また、(2)まだ放流警報が出力されていない放流警報装置を個別に制御すると、局数が多いほど操作員の操作の負担が大きくなるという問題があった。
【0008】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、接続された制御対象の放流警報装置のうち、一部の範囲の複数の放流警報装置に対して簡易な操作で放流警報を出力させることが可能な放流警報制御監視装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するための本発明の放流警報制御監視装置は、接続された複数の放流警報装置に関する情報を記憶した放流警報制御監視装置であって、前記複数の放流警報装置のうち、前記放流警報の出力対象とする放流警報装置の範囲を指示する情報を入力する指示入力部と、前記指示入力部で入力された情報により指示された範囲の複数の放流警報装置に対し、前記放流警報を出力させるための放流警報出力信号を所定順序で順次送信する範囲順次制御部とを備えることを特徴とする。
【0010】
また、他の形態の放流警報制御監視装置は、接続された複数の放流警報装置に関する情報を記憶する記憶部と、前記複数の放流警報装置の全てに対し、前記放流警報を出力させるための放流警報出力信号を所定順序で順次送信する全局順次制御を実行する全局順次制御部と、前記全局順次制御部による全局順次制御の実行中に、この全局順次制御を中止するための制御中止指示を取得すると、実行中の全局順次制御を中止させる制御中止処理部とを備えた放流警報制御監視装置において、前記制御中止処理部により前記全局順次制御が中止されたことを検知すると、前記放流警報出力信号を送信したことにより送信先の放流警報装置から送信される正常制御応答に基づいて放流警報が出力されていない放流警報装置の範囲を抽出し、抽出した範囲の放流警報装置に対し、前記放流警報出力信号を所定順序で順次送信する範囲順次制御部を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の放流警報制御監視装置によれば、接続された制御対象の放流警報装置のうち、一部の範囲の複数の放流警報装置に対して簡易な操作で放流警報を出力させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第1実施形態および第2実施形態による放流警報制御監視装置を利用した放流警報システムの構成を示す全体図である。
【図2】本発明の第1実施形態および第2実施形態による放流警報制御監視装置を使用した放流警報システムの動作を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1実施形態および第2実施形態による放流警報制御監視装置で実行される全局順次制御の動作を示すフローチャートである。
【図4】本発明の第1実施形態および第2実施形態による放流警報制御監視装置に表示されるメイン画面の一例を示す画面構成図である。
【図5】本発明の第1実施形態による放流警報制御監視装置で実行される範囲順次制御の動作を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第1実施形態による放流警報制御監視装置に表示される警報局一覧を含む画面の一例を示す画面構成図である。
【図7】本発明の第1実施形態による放流警報制御監視装置に表示される警報局一覧を含む画面の一例を示す画面構成図である。
【図8】本発明の第1実施形態による放流警報制御監視装置に表示される警報局一覧を含む画面の一例を示す画面構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
《第1実施形態》
〈第1実施形態による放流警報システムの構成〉
本発明の第1実施形態による放流警報制御監視装置を利用した放流警報システムの構成について、図1を参照して説明する。
【0014】
放流警報システム1は、ダム管理所に設置された放流警報制御監視装置10と、ダムの下流の河川に所定間隔で設けられた複数の放流警報局にそれぞれ設置された放流警報装置とが、無線で通信可能な状態で接続されて構成されている。本実施形態においては、放流警報局はA〜Lの12箇所にあり、それぞれに放流警報装置20−1〜20−12が設置されているものとする。
【0015】
放流警報制御監視装置10は、図2に示すように、制御対象局情報記憶部11と、表示部12と、指示入力部13と、制御部14と、無線通信部15とを有する。
【0016】
制御対象局情報記憶部11は、接続された制御対象の放流警報局A〜Lに関する情報を記憶する。
【0017】
表示部12は、制御対象の放流警報局A〜Lにそれぞれ設置された放流警報装置20−1〜20−12に対する放流警報の出力制御に関し、操作員が操作するための画面、および制御による放流警報出力状況を操作員に提供するための画面を表示する。
【0018】
指示入力部13は、ダム管理所の操作員による表示部12の操作により、制御対象局情報記憶部11に記憶された全放流警報局A〜Lを放流警報出力対象として選択する全局選択指示、制御対象局情報記憶部11に記憶された中から一部の範囲の放流警報局を放流警報出力対象として選択する範囲選択指示、全局選択指示または範囲選択指示により選択された放流警報局に設置された放流警報装置に所定時間間隔および所定順序で順次放流警報を出力させる順次制御指示、または順次制御指示により実行されている制御を中止させる制御中止指示を入力する。
【0019】
制御部14は、全局順次制御部141と、制御中止処理部142と、範囲順次制御部143とを有する。
【0020】
全局順次制御部141は、指示入力部13から全局選択指示が入力され、さらに順次制御指示が入力されると、放流警報を出力させるための放流警報出力信号を生成し、選択された全放流警報局A〜Lにそれぞれ設置された放流警報装置20−1〜20−12に対し、放流警報出力信号を所定時間間隔および所定順序で順次送信させる全局順次制御を実行する。
【0021】
制御中止処理部142は、全局順次制御部141による全局順次制御の実行中に指示入力部13から制御中止指示が入力されると、実行中の全局順次制御を中止させる。
【0022】
範囲順次制御部143は、指示入力部13から制御対象の放流警報局の範囲を選択する範囲選択指示が入力され、さらに順次制御指示が入力されると、放流警報出力信号を生成し、当該範囲選択指示により選択された範囲の放流警報局に設置された放流警報装置に対し、放流警報出力信号を所定時間間隔および所定順序で順次送信させる範囲順次制御を実行する。
【0023】
無線通信部15は、放流警報装置20−1〜20−12と、無線にて通信を行う。
【0024】
放流警報装置20−1〜20−12は、制御対象の河川の複数箇所の複数の放流警報局にそれぞれ設置され、放流警報制御監視装置10から放流警報出力信号を受信すると音声スピーカ放送、サイレン吹鳴、回転灯・表示板の点灯等による放流警報を出力するとともに、正常に出力が行われたときには正常制御応答を、正常に出力が行われなかったときには異常制御応答を放流警報制御監視装置10に送信する。
【0025】
〈第1実施形態による放流警報システムの動作〉
次に、本実施形態による放流警報システム1において、放流警報制御監視装置10により放流警報局A〜Lでの放流警報の出力を制御するときの動作について説明する。本実施形態において、放流警報システム1の放流警報制御監視装置10内の制御対象局情報記憶部11には、接続された制御対象の放流警報局として放流警報局A〜Lに関する情報が記憶されているものとする。
【0026】
また本実施形態において、各放流警報局において正常に放流警報が出力されているか否かを、監視員が警報車で移動しながら確認するものとする。
【0027】
(a)全局順次制御が実行される場合の動作
放流警報システム1において全局順次制御が実行されるときの放流警報制御監視装置10の動作について、図3のフローチャートを参照して説明する。
【0028】
まず、放流警報システム1が利用されるにあたり放流警報制御監視装置10が起動されると、図4に示すメイン画面30が表示部12に表示される。
【0029】
このメイン画面30には、制御対象局情報記憶部11に記憶された制御対象の放流警報局A〜Lの位置を地図上で示す水系図を表示させるための水系図タブ31と、制御対象の放流警報局A〜Lの情報を一覧表示させるための警報局一覧タブ32と、全局選択指示を入力するための全局選択ボタン33と、範囲選択指示を入力するための範囲選択ボタン34と、順次制御指示を入力するための制御ボタン35と、制御中止指示を入力するための制御復帰ボタン36とを有する。水系図タブ31により表示される水系図と警報局一覧タブ32により表示される警報局一覧とは切り替え可能な状態でいずれかが表示されており、初期状態では水系図が表示されている。
【0030】
このメイン画面30が表示されている状態で、表示部12に表示されたメイン画面30上の全局選択ボタン33がダム管理所の操作員により操作されると、指示入力部13から全局選択指示が入力され(S1)、制御対象局情報記憶部11に記憶されている全放流警報局A〜Lが放流警報出力対象として選択された状態になる。
【0031】
さらに操作員によりメイン画面30上の制御ボタン35が操作されると、指示入力部13から順次制御指示が入力される(S2)。
【0032】
全放流警報局A〜Lが選択された状態で順次制御指示が入力されると、制御部14の全局順次制御部141において、放流警報を出力させるための放流警報出力信号が生成され(S3)、選択された全放流警報局A〜Lにそれぞれ設置された放流警報装置20−1〜20−12に無線通信部15から所定時間間隔および所定順序で順次送信させる全局順次制御が実行される(S4)。本実施形態において放流警報出力信号が送信される時間間隔は、河川の流量が増加する時間差に伴って設定される間隔、例えば5分間隔であり、また放流警報出力信号が送信される順序は、上流から下流に向かう順、つまり放流警報局A→放流警報局L(放流警報装置20−1→20−12)の順である。
【0033】
各放流警報装置20−1〜20−12では、放流警報制御監視装置10から送信された警報出力信号が受信されると音声スピーカ放送、サイレン吹鳴、回転灯・表示板の点灯等により放流警報が出力される。そして正常に放流警報の出力が行われた放流警報装置からは、放流警報制御監視装置10に対して正常制御応答が送信されて放流警報が正常に出力されたことが通知され、正常に放流警報の出力が行われなかった放流警報装置からは、放流警報制御監視装置10に対して異常制御応答が送信されて放流警報が正常に出力されなかったことが通知される。
【0034】
放流警報制御監視装置10では、各放流警報装置20−1〜20−12から送信された正常制御応答または異常制御応答が無線通信部15から受信されると、これらの情報が表示部12に表示され操作員に提供される。
【0035】
また、各放流警報局において順次正常に放流警報が出力されているか否かが、監視員により放流警報局Aから順に警報車で移動しながら確認される。
【0036】
(b)全局順次制御が途中で中止される場合の動作
ここで、上述したような全局順次制御部141による全局順次制御の実行中の、例えば放流警報局A〜Cまで放流警報出力が制御された後に、交通渋滞により監視員が乗車した警報車が次の放流警報局Dの放流警報出力時に到着できない旨がダム管理所の操作員に通知されたとする。そして操作員により全局順次制御を一旦中止することが判断され、制御復帰ボタン36が操作されると、指示入力部13から制御中止指示が入力される。
【0037】
指示入力部13から制御中止指示が入力されると、制御部14の制御中止処理部142の制御により、全局順次制御部141で実行中の全局順次制御が中止される。
【0038】
(c)範囲順次制御が実行される場合の動作
全局順次制御が中止された後、監視員が乗車した警報車が放流警報局Dに到着した旨がダム管理所の操作員に通知されたとする。そして操作員によりまだ放流警報の出力が行われていない放流警報局D〜Lに対し放流警報の出力制御を再開することが判断され、この放流警報局D〜Lに対する範囲順次制御が指示される。放流警報の出力が既に行われているか否かは、表示部12に表示された放流警報装置からの正常制御応答の有無により、操作員に判断される。
【0039】
放流警報システム1において範囲順次制御が指示され実行されるときの放流警報制御監視装置10の動作について、図5のフローチャートを参照して説明する。
【0040】
上述したメイン画面30が表示されている状態で、表示部12に表示されたメイン画面30上の範囲選択ボタン34が操作員により操作されると、図6に示すように画面に警報局一覧タブ32による警報局一覧が表示される。
【0041】
次に、表示された警報局一覧の中から、放流警報出力の対象とする範囲の最初の放流警報局が操作員の操作により指定される。ここでは、放流警報局Dが放流警報出力の対象とする範囲の最初の放流警報局として指定されたものとする。
【0042】
次に、表示された警報局一覧の中から、放流警報出力の対象とする範囲の最後の放流警報局が操作員の操作により指定される。ここでは、放流警報局Lが放流警報出力の対象とする範囲の最後の放流警報局として指定されたものとする。この操作により、制御対象局情報記憶部11に記憶された中から放流警報出力の対象とする範囲を放流警報局D〜Lとする範囲選択指示が指示入力部13から入力され(S11)、放流警報局D〜Lが選択された状態になる。
【0043】
さらに操作員によりメイン画面30上の制御ボタン35が操作されると、指示入力部13から順次制御指示が入力される(S12)。
【0044】
放流警報出力の対象とする範囲として放流警報局D〜Lが選択された状態で順次制御指示が入力されると、制御部14の範囲順次制御部143において、放流警報を出力させるための放流警報出力信号が生成され(S13)、選択された放流警報局D〜Lにそれぞれ設置された放流警報装置20−4〜20−12に無線通信部15から所定時間間隔および所定順序で順次送信させる範囲順次制御が実行される(S4)。このときも、放流出力信号の送信は、全局順次制御のときと同様の間隔、例えば5分間隔で警報出力河川の上流から下流に向かう順、つまり放流警報局D→放流警報局L(放流警報装置20−4〜20−12)の順に実行される。
【0045】
各放流警報装置20−4〜20−12では、上述した(a)の場合と同様に放流警報が出力されるとともに正常制御応答または異常制御応答が放流警報制御監視装置10に送信される。
【0046】
以上の本実施形態によれば、放流警報局の放流警報装置に対する全局順次制御を途中で中止した後にも、まだ放流警報が出力されていない複数の放流警報装置のみに対し簡易な操作で順次制御を実行することができ、操作者の操作の負担が軽減される。
【0047】
また、上述した範囲順次制御の実行中に制御復帰ボタン36が操作されることにより実行中の放流警報出力信号の順次送信を再度中止し、さらにその時点でまだ放流警報の出力が行われていない放流警報装置に対し範囲順次制御を行うことも可能である。
【0048】
《第2実施形態》
〈第2実施形態による放流警報システムの構成〉
本発明の第2実施形態による放流警報制御監視装置を利用した放流警報システムの構成は、第1実施形態による放流警報システム1の構成と同様であるため、同一機能を有する構成部分についての詳細な説明は省略する。
【0049】
本実施形態における放流警報制御監視装置10の制御部14の範囲順次制御部143は、制御中止処理部142により全局順次制御が中止されたことを検知すると、全局順次制御部141の制御で送信された放流警報出力信号に応答して各放流警報装置から受信した正常制御応答に基づいてまだ放流警報が出力されていない範囲の放流警報装置を抽出し、順次制御指示が入力されたときにこの抽出された放流警報装置に対し放流警報出力信号を所定時間間隔および所定順序で順次送信させる範囲順次制御を実行する。
【0050】
〈第2実施形態による放流警報システムの動作〉
次に、本実施形態による放流警報システム1において、放流警報制御監視装置10により放流警報局A〜Lでの放流警報の出力を制御するときの動作について説明する。本実施形態において、(a)全局順次制御が実行される場合の動作、および(b)全局順次制御が途中で中止される場合の動作は第1実施形態の場合と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0051】
(c)範囲順次制御が実行される場合の動作
全局順次制御が中止されると、全局順次制御部141から送信した放流警報出力信号に応答して各放流警報装置から送信された正常制御応答に基づいて、まだ放流警報が出力されていない範囲の放流警報装置が範囲順次制御部143により抽出される。ここでは、放流警報装置20−1〜20−3から既に正常制御応答を受信しているため、放流警報装置20−4〜20−12がまだ放流警報が出力されていない範囲の放流警報装置として抽出されたものとする。
【0052】
この放流警報装置20−4〜20−12が抽出された状態で操作員によりメイン画面30上の制御ボタン35が操作されると、指示入力部13から順次制御指示が入力され、抽出された放流警報装置20−4〜20−12に対し、第1実施形態の場合と同様に無線通信部15から所定時間間隔および所定順序で順次放流警報出力信号が送信される。
【0053】
以上の本実施形態によれば、全局順次制御を途中で中止した後にも、放流警報装置から放流警報制御監視装置に送信される制御応答に基づいてまだ放流警報が出力されていない放流警報装置を自動で判断し、これに基づいて順次制御を再開させることができ、操作者の操作の負担はさらに軽減される。
【符号の説明】
【0054】
1…放流警報システム
10…放流警報制御監視装置
11…制御対象局情報記憶部
12…表示部
13…指示入力部
14…制御部
15…無線通信部
20−1〜20−12…放流警報装置
30…メイン画面
31…水系図タブ
32…警報局一覧タブ
33…全局選択ボタン
34…範囲選択ボタン
35…制御ボタン
36…制御復帰ボタン
141…全局順次制御部
142…制御中止処理部
143…範囲順次制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
接続された複数の放流警報装置に関する情報を記憶した放流警報制御監視装置において、
前記複数の放流警報装置のうち、前記放流警報の出力対象とする放流警報装置の範囲を指示する情報を入力する指示入力部と、
前記指示入力部で入力された情報により指示された範囲の複数の放流警報装置に対し、前記放流警報を出力させるための放流警報出力信号を所定順序で順次送信する範囲順次制御部と、
を備えることを特徴とする放流警報制御監視装置。
【請求項2】
接続された複数の放流警報装置に関する情報を記憶する記憶部と、
前記複数の放流警報装置の全てに対し、前記放流警報を出力させるための放流警報出力信号を所定順序で順次送信する全局順次制御を実行する全局順次制御部と、
前記全局順次制御部による全局順次制御の実行中に、この全局順次制御を中止するための制御中止指示を取得すると、実行中の全局順次制御を中止させる制御中止処理部と、
を備えた放流警報制御監視装置において、
前記制御中止処理部により前記全局順次制御が中止されたことを検知すると、前記放流警報出力信号を送信したことにより送信先の放流警報装置から送信される正常制御応答に基づいて放流警報が出力されていない放流警報装置の範囲を抽出し、抽出した範囲の放流警報装置に対し、前記放流警報出力信号を所定順序で順次送信する範囲順次制御部
を有することを特徴とする放流警報制御監視装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−28369(P2011−28369A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−171094(P2009−171094)
【出願日】平成21年7月22日(2009.7.22)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】