放電灯点灯装置
【課題】放電灯が点灯を開始する前に放電灯の寿命判断を行う。
【解決手段】放電灯1が寿命末期になると、放電灯1がスムーズに始動できなくなり、始動電圧が放電灯1に印加し続けるようになる。この状態では、カウンタ13bのカウント時間は時間tに達することになる。カウンタ13bのカウント時間が時間tに達すると、CPU13は放電灯1の寿命末期を判断し、点灯回路2の動作を停止させる。また、表示手段に寿命情報を送信し放電灯が寿命になったことを知らせる。
【解決手段】放電灯1が寿命末期になると、放電灯1がスムーズに始動できなくなり、始動電圧が放電灯1に印加し続けるようになる。この状態では、カウンタ13bのカウント時間は時間tに達することになる。カウンタ13bのカウント時間が時間tに達すると、CPU13は放電灯1の寿命末期を判断し、点灯回路2の動作を停止させる。また、表示手段に寿命情報を送信し放電灯が寿命になったことを知らせる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放電灯の寿命末期を判断する放電灯点灯装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の放電灯点灯装置としては、ランプ電流とランプ電圧を検出し、これをデジタル変換して演算部に取り込み、この演算部では放電灯の始動から安定点灯に至る過渡点灯時におけるランプ電力を求め、この検出したランプ電力と予め設定した電力量の基準値との差の絶対値を所定値と比較し、差の絶対値が所定値よりも大きい場合に放電灯の劣化を判断するものが知られている。(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平10−69989号公報(段落「0010」〜「0016」、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、このようにランプ電力を検出するものは、放電灯を点灯させてからでないと放電灯の劣化を判断することができず、実際に放電灯が劣化していた場合フィラメント電極が異常加熱するなどの問題があった。
【0004】
そこで本発明は、放電灯が点灯を開始する前に放電灯の寿命判断ができる放電灯点灯装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、点灯回路によって点灯制御される放電灯と、この放電灯のフィラメント電極間のランプ電圧を検出する電圧検出手段と、この電圧検出手段からの検出値をデジタル変換する変換手段と、点灯回路を駆動制御し、放電灯に対する予熱制御を行わせるとともに予熱期間終了後にt時間だけ始動電圧の出力を行わせる演算制御手段とを備え、演算制御手段は、予熱期間終了後の始動電圧印加時において変換手段からの電圧検出値が予め設定した始動電圧値になっている時間をカウントするカウンタを設け、このカウンタのカウント時間がt時間に達するか、あるいはt時間よりも小さい所定時間に達すると放電灯の寿命末期を判断することにある。
【0006】
また、本発明の演算制御手段は、不揮発性メモリと、予熱期間終了後の始動電圧印加時において変換手段からの電圧検出値が予め設定した始動電圧値になっている時間をカウントするカウンタを設け、このカウンタのカウント時間を始動時間データとして不揮発性メモリに記憶するとともにカウンタのカウント時間が不揮発性メモリに記憶している始動時間データよりも小さければそのカウント時間を新たな始動時間データとして不揮発性メモリを更新するようにし、カウンタのカウント時間が、不揮発性メモリに記憶した始動時間データに所定の係数を乗じた時間に達すると放電灯の寿命末期を判断することにある。
【発明の効果】
【0007】
発明によれば、放電灯が点灯を開始する前に放電灯の寿命判断ができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
【0009】
(第1の実施の形態)
【0010】
図1に示すように、放電灯1を点灯回路2で点灯制御するようになっている。前記点灯回路2は、例えば、直流電源3に1対のFET(電界効果トランジスタ)4,5の直列回路を接続し、一方のFET4にコンデンサ6及びインダクタ7を直列に介して前記放電灯1の各フィラメント電極1a,1bの一端を接続している。前記放電灯1の各フィラメント電極1a,1bの他端間に予熱用コンデンサ8を接続している。また、駆動回路9を設け、この駆動回路9によって前記各FET4,5を高周波スイッチング動作するようになっている。
【0011】
前記放電灯1の各フィラメント電極1a,1b及び予熱用コンデンサ8に流れる予熱電流を例えばカレントトランスを使用した電流検出手段10によって検出し、前記フィラメント電極1bの端子間電圧を例えば検出抵抗を使用した電圧検出手段11によって検出するようにしている。なお、電流検出手段10及び電圧検出手段11の構成はこれに限定されるものではない。
【0012】
前記電流検出手段10にて検出した電流検出値及び前記電圧検出手段11にて検出した電圧検出値をA/D変換手段12においてデジタルデータに変換し、そのデジタルデータを演算制御手段としてのCPU(中央処理装置)13に供給している。前記A/D変換手段としては、例えば、検出したアナログ値を標本化した後量子化してデジタル変換するようになっている。なお、通常のA/D変換器を使用してもよい。
【0013】
前記CPU13は、予熱時及び点灯時にはインターフェース14を介して前記駆動回路9を駆動制御するようになっている。
【0014】
前記CPU13は、予熱時には点灯回路2に予熱制御を開始させ、その予熱制御の開始直後において前記A/D変換手段12から電流と電圧のデジタル化した検出値を取り込み、この検出値から予熱開始時のフィラメント抵抗値Rcを算出しこの抵抗値Rcをメモリ15に格納するようになっている。
【0015】
前記CPU13は、内部に予熱制御開始とともに経過時間のカウントを開始するタイマー13aを設け、このタイマー13aにより時間間隔Tで経過時間をカウントするようになっている。従って、カウント値がn(但し、nは1以上の整数)のときには、経過時間はnTとなる。
【0016】
前記CPU13は、予熱期間において前記タイマー13aがカウント値を1つインクリメントする毎に前記A/D変換手段12から電流と電圧のデジタル化した検出値を取り込み、この検出値からその時点でのフィラメント抵抗値Rhを算出しこの抵抗値Rhと前記メモリ15に格納してある抵抗値Rcとから、抵抗値の比Rh/Rcを求め前記メモリ15に格納するようになっている。
【0017】
前記CPU13は、タイマー13aのカウント値が(n−1)のときの比Rh(n−1)/Rc=r[n−1]とカウント値がnのときの比Rh(n)/Rc=r[n]から、その差r[n]−r[n−1]を求め、その差が該当する所定値a[n]を超えていたときには前記放電灯1の寿命末期を判断するようになっている。
【0018】
さらに、詳しく述べると、図2に予熱時間と抵抗比Rh/Rcとの関係をグラフで示すように、グラフg1は放電灯1のフィラメント電極に塗布されているエミッターeが図3に示すように十分に付着している正常状態のときの予熱時間に対する抵抗比Rh/Rcの変化を示している。また、グラフg2は放電灯1のフィラメント電極に塗布されているエミッターeが図4に示すように消耗してほとんど無くなっている寿命末期のときの予熱時間に対する抵抗比Rh/Rcの変化を示している。
【0019】
すなわち、フィラメント電極はエミッターeが十分に付着している状態では予熱時間が経過してもフィラメント抵抗値Rhはそれほど大きくならないが、エミッターeが消耗すると温度上昇が大きくなって予熱時間の経過とともにフィラメント抵抗値Rhは急激に増大する。従って、抵抗比Rh/Rcの変化が大きくなる。従って、放電灯1の正常時には、差r[n]−r[n−1]は小さいが寿命末期になると、差r[n]−r[n−1]は大きくなる。
【0020】
そこで、所定値a[n]を放電灯1の寿命末期を判断するのに適した値にしておけば、{r[n]−r[n−1]}>a[n]によって放電灯1の寿命末期を判断することができる。所定値a[n]は前記メモリ15に予め記憶しておくが、この所定値a[n]はカウント値nの値毎に異なる値であり、それぞれ放電灯1の寿命末期を判断するのに適した値になっている。従って、前記メモリ15にはn個の所定値a[n]が記憶されることになる。
【0021】
前記CPU13は、タイマー13aのカウント値nが1つインクリメントする毎にそのときの{r[n]−r[n−1]}とメモリ15から該当する所定値a[n]を読み出して、{r[n]−r[n−1]}>a[n]か、否かの判断を行うことになる。
【0022】
前記CPU13は、{r[n]−r[n−1]}>a[n]を判断すると放電灯1の寿命末期を判断し、インターフェース14を介して点灯回路2の動作が停止するように駆動回路9を制御する。
【0023】
また、前記CPU13は、LEDや液晶ディスプレイ等の表示手段(図示せず)に寿命情報を出力し、この表示手段によって放電灯が寿命になったことを表示し知らせるようになっている。なお、表示手段は、放電灯点灯装置の器具側に設けてもよい。また、リモコン対応器具の場合は、表示手段をリモコン上に配置し、寿命情報をリモコンに送信し、リモコン上で表示させてもよい。さらに、制御システムとともに使用される場合は、表示手段を制御盤上に配置し、その制御盤上で表示させてもよい。
【0024】
このような構成においては、CPU13は放電灯1を点灯するに先立って点灯回路2に予熱制御を開始させる。そして、タイマー13aのカウント動作を開始させるとともにA/D変換手段12から電流と電圧のデジタル化した検出値を取り込み、この検出値から予熱開始時のフィラメント抵抗値Rcを算出しこの抵抗値Rcをメモリ15に格納する。
【0025】
そして、タイマー13aのカウント値nが1つインクリメントする毎にA/D変換手段12から電流と電圧のデジタル化した検出値を取り込み、この検出値からフィラメント抵抗値Rhを算出し、抵抗値Rhとメモリ15に格納した抵抗値Rcとから、抵抗値の比Rh/Rcを求め、その値rをメモリ15に格納する。予熱開始時はRc=Rhであり、r=1となる。
【0026】
予熱時間の経過と共にフィラメント抵抗値Rhは増加するので、Rh/Rcの値rは大きくなる。タイマー13aのカウント値が(n−1)のときの比がRh(n−1)/Rc=r[n−1]で、カウント値がnのときの比がRh(n)/Rc=r[n]であったとすると、その差r[n]−r[n−1]を算出する。そして、該当する所定値a[n]をメモリ15から読み出して{r[n]−r[n−1]}>a[n]か、否かを判断する。
【0027】
放電灯1のフィラメント電極が正常な場合は予熱期間において抵抗値の比Rh/Rcが図2のグラフg1に示すように緩やかに変化するので、このときには{r[n]−r[n−1]}>a[n]とならないのでCPU15は放電灯1の寿命末期を判断することはない。従って、予熱期間が終了するとCPU15は点灯回路2による放電灯1の始動点灯動作を開始させる。
【0028】
しかし、放電灯1のフィラメント電極のエミッターが消耗してくると、抵抗値の比Rh/Rcが大きく変化するようになる。そして、抵抗値の比Rh/Rcが図2のグラフg2に示すように急激に変化するようになると、{r[n]−r[n−1]}>a[n]となり、CPU15は放電灯1の寿命末期を判断する。そして、点灯回路2の動作が停止するように駆動回路9を制御する。また、表示手段に寿命情報を送信し放電灯が寿命になったことを知らせる。
【0029】
このように、点灯を開始する前の予熱段階で放電灯1の寿命末期を判断することができる。従って、放電灯1が点灯する前に点灯回路2の動作を停止させることができ、フィラメント電極が異常加熱されることはない。また、放電灯が寿命末期になったことが知らされるので、使用者の利便性を図ることができる。
【0030】
(第2の実施の形態)
【0031】
この実施の形態におけるハード構成は第1の実施の形態と同じである。異なる点はCPU13による予熱時の処理にある。
【0032】
すなわち、前記CPU13は、図5に示す処理を行う。予熱を開始すると、先ず、S1にて、タイマー13aをスタートさせ、S2にて、A/D変換手段12から電流と電圧のデジタル化した検出値を取り込み、この検出値から予熱開始時のフィラメント抵抗値Rcを算出しこの抵抗値Rcをメモリ15に格納する。
【0033】
そして、S3にて、タイマー13aのカウント値を1つインクリメントし、S4にて、A/D変換手段12から電流と電圧のデジタル化した検出値を取り込み、この検出値からフィラメント抵抗値Rhを算出し、抵抗値Rhとメモリ15に格納した抵抗値Rcとから、抵抗値の比Rh/Rcを求める。続いて、S5にて、Rh/Rcをメモリ15に予め記憶した寿命末期を判断するための所定値Aと比較する。この場合の所定値Aとしては、例えば寿命末期においてフィラメント抵抗値Rhが予熱開始時のフィラメント抵抗値Rcに対して4倍以上になる場合は、「4」という数値を設定することになる。
【0034】
そして、Rh/Rc≦Aであれば、続いて、S6にて、タイマー13aのカウント値が予熱期間に対応した値Bを超えているか否かを判断し、超えていなければS3に戻って所定のタイミングでタイマー13aのカウント値を1つインクリメントして再度S4、S5の処理を行い、また、超えていれば予熱期間の終了を判断し、S7にて、点灯回路2の駆動回路9を制御して点灯回路2に始動電圧を発生させて放電灯1に印加させる。
【0035】
また、Rh/RcとAとの比較においてRh/Rc>Aであれば、放電灯1の寿命末期を判断し、S8にて、点灯回路2の駆動回路9を制御して点灯回路2の動作を停止させる。また、表示手段に寿命情報を送信し放電灯が寿命になったことを知らせる。
【0036】
このようにこの実施の形態においても、点灯を開始する前の予熱段階で放電灯1の寿命末期を判断することができる。従って、放電灯1が点灯する前に点灯回路2の動作を停止させることができ、フィラメント電極が異常加熱されることはない。
【0037】
また、算出したRh/Rcと予め設定した値Aとを直接比較するので、処理を簡単化できる。また、放電灯が寿命末期になったことが知らされるので、使用者の利便性を図ることができる。
【0038】
(第3の実施の形態)
【0039】
この実施の形態におけるハード構成は第1の実施の形態と同じである。異なる点はCPU13による予熱時の処理にある。
【0040】
すなわち、前記CPU13は、図6に示す処理を行う。予熱を開始すると、先ず、S11にて、タイマー13aをスタートさせ、S12にて、A/D変換手段12から電流と電圧のデジタル化した検出値を取り込み、この検出値から予熱開始時のフィラメント抵抗値Rcを算出しこの抵抗値Rcをメモリ15に格納する。
【0041】
そして、S13にて、タイマー13aのカウント値を1つインクリメントし、S14にて、タイマー13aのカウント値が予熱期間に対応した値Bに達したか否かを判断する。タイマー13aのカウント値がBに達していなければBになるまでカウント値を所定のタイミングで1つずつインクリメントする。
【0042】
予熱期間終了近くになってタイマー13aのカウント値がBに達すると、S15にて、A/D変換手段12から電流と電圧のデジタル化した検出値を取り込み、この検出値からフィラメント抵抗値Rhを算出し、抵抗値Rhとメモリ15に格納した抵抗値Rcとから、抵抗値の比Rh/Rcを求める。続いて、S16にて、Rh/Rcをメモリ15に予め記憶した寿命末期を判断するための所定値Aと比較する。
【0043】
そして、Rh/Rc≦Aであれば、S17にて、点灯回路2の駆動回路9を制御して点灯回路2に始動電圧を発生させて放電灯1に印加させる。また、Rh/Rc>Aであれば、放電灯1の寿命末期を判断し、S18にて、点灯回路2の駆動回路9を制御して点灯回路2の動作を停止させる。また、表示手段に寿命情報を送信し放電灯が寿命になったことを知らせる。
【0044】
このようにこの実施の形態においても、点灯を開始する前の予熱段階で放電灯1の寿命末期を判断することができる。従って、放電灯1が点灯する前に点灯回路2の動作を停止させることができ、フィラメント電極が異常加熱されることはない。
【0045】
また、算出したRh/Rcと予め設定した値Aとを直接比較し、しかも、この比較処理を予熱期間の終了近くで1回だけ行えばよいので、処理をより簡単化できる。また、放電灯が寿命末期になったことが知らされるので、使用者の利便性を図ることができる。
【0046】
(第4の実施の形態)
【0047】
この実施の形態におけるハード構成は第1の実施の形態と同じである。異なる点はCPU13による予熱時の処理にある。
【0048】
すなわち、前記CPU13は、図7に示す処理を行う。予熱を開始すると、先ず、S21にて、タイマー13aをスタートさせ、S22にて、A/D変換手段12から電流と電圧のデジタル化した検出値を取り込み、この検出値から予熱開始時のフィラメント抵抗値Rcを算出し、さらに、S23にて、この抵抗値Rcに所定の係数αを乗算した値Rc*αをメモリ15に格納する。
【0049】
なお、係数αは放電灯1の寿命末期を判断するために設定された係数で、予熱時におけるフィラメント電極の抵抗値Rhが、予熱開始時のフィラメント抵抗値Rcの何倍になったら寿命末期として判断するかを決めるための係数である。
【0050】
続いて、S24にて、タイマー13aのカウント値を1つインクリメントし、S25にて、A/D変換手段12から電流と電圧のデジタル化した検出値を取り込み、この検出値からフィラメント抵抗値Rhを算出する。そして、S26にて、抵抗値Rhをメモリ15に予め記憶した寿命末期を判断する値Rc*αと比較する。
【0051】
そして、Rh≦Rc*αであれば、続いて、S27にて、タイマー13aのカウント値が予熱期間に対応した値Bを超えているか否かを判断し、超えていなければS24に戻って所定のタイミングでタイマー13aのカウント値を1つインクリメントして再度S25、S26の処理を行い、また、超えていれば予熱期間の終了を判断し、S28にて、点灯回路2の駆動回路9を制御して点灯回路2に始動電圧を発生させて放電灯1に印加させる。
【0052】
また、RhとRc*αとの比較においてRh>Rc*αであれば、放電灯1の寿命末期を判断し、S29にて、点灯回路2の駆動回路9を制御して点灯回路2の動作を停止させる。また、表示手段に寿命情報を送信し放電灯が寿命になったことを知らせる。
【0053】
このようにこの実施の形態においても、点灯を開始する前の予熱段階で放電灯1の寿命末期を判断することができる。従って、放電灯1が点灯する前に点灯回路2の動作を停止させることができ、フィラメント電極が異常加熱されることはない。
【0054】
また、算出したRhと予熱開始時に設定した値Rc*αとを直接比較するので、処理を簡単化できる。また、値Rc*αは予熱開始時のフィラメント抵抗値Rcに基づいて決められるので、放電灯1のフィラメント抵抗値にバラツキがあっても寿命末期を正確に判断できる。さらに、放電灯が寿命末期になったことが知らされるので、使用者の利便性を図ることができる。
【0055】
(第5の実施の形態)
【0056】
この実施の形態におけるハード構成は第1の実施の形態と同じである。異なる点はCPU13による予熱時の処理にある。
【0057】
すなわち、前記CPU13は、図8に示す処理を行う。予熱を開始すると、先ず、S31にて、タイマー13aをスタートさせ、S32にて、A/D変換手段12から電流と電圧のデジタル化した検出値を取り込み、この検出値から予熱開始時のフィラメント抵抗値Rcを算出し、さらに、S33にて、この抵抗値Rcに所定の係数αを乗算した値Rc*αをメモリ15に格納する。
【0058】
続いて、S34にて、タイマー13aのカウント値を1つインクリメントし、S35にて、タイマー13aのカウント値が予熱期間に対応した値Bに達したか否かを判断する。タイマー13aのカウント値がBに達していなければBになるまでカウント値を所定のタイミングで1つずつインクリメントする。
【0059】
予熱期間終了近くになってタイマー13aのカウント値がBに達すると、S36にて、A/D変換手段12から電流と電圧のデジタル化した検出値を取り込み、この検出値からフィラメント抵抗値Rhを算出する。そして、S37にて、抵抗値Rhをメモリ15に予め記憶した寿命末期を判断する値Rc*αと比較する。
【0060】
そして、Rh≦Rc*αであれば、S38にて、点灯回路2の駆動回路9を制御して点灯回路2に始動電圧を発生させて放電灯1に印加させる。また、Rh>Rc*αであれば、放電灯1の寿命末期を判断し、S39にて、点灯回路2の駆動回路9を制御して点灯回路2の動作を停止させる。また、表示手段に寿命情報を送信し放電灯が寿命になったことを知らせる。
【0061】
このようにこの実施の形態においても、点灯を開始する前の予熱段階で放電灯1の寿命末期を判断することができる。従って、放電灯1が点灯する前に点灯回路2の動作を停止させることができ、フィラメント電極が異常加熱されることはない。
【0062】
また、算出したRhと予熱開始時に設定した値Rc*αとを直接比較し、しかも、この比較処理を予熱期間の終了近くで1回だけ行えばよいので、処理をより簡単化できる。
【0063】
また、値Rc*αは予熱開始時のフィラメント抵抗値Rcに基づいて決められるので、放電灯1のフィラメント抵抗値にバラツキがあっても寿命末期を正確に判断できる。さらに、放電灯が寿命末期になったことが知らされるので、使用者の利便性を図ることができる。
【0064】
(第6の実施の形態)
【0065】
なお、図1に示すハード構成と同一の部分には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0066】
図9に示すように、図1における電流検出手段10及び電圧検出手段11に代えて、放電灯1の各フィラメント電極1a,1b間にランプ電圧を検出するランプ電圧検出手段16を接続している。前記ランプ電圧検出手段16が検出するランプ電圧をA/D変換手段121でデジタルデータに変換した後CPU13に供給している。
【0067】
前記CPU13は、予熱時及び点灯時にはインターフェース14を介して点灯回路2を制御するが、図10に示すように、一定の予熱期間が経過すると始動電圧が放電灯1に印加されるように前記点灯回路2を制御するが、無負荷時やt時間が経過しても放電灯1が点灯しない場合には、t時間経過後に始動電圧の印加を停止させて点灯回路2を保護するようになっている。
【0068】
前記CPU13は、前記A/D変換手段121から検出したランプ電圧のデジタルデータを取り込むが、このデータが始動電圧に対応した電圧を示すデータのときには内部に設けたカウンタ13bにその間の時間をカウントさせるようになっている。
【0069】
ところで、放電灯1においてはフィラメント電極1a,1bにエミッターが塗布され、放電が良好に行われるようになっている。従って、エミッターが電極に十分に付着している状態では、図11に示すように、予熱期間が終了して始動電圧が印加されると放電灯1はスムーズに点灯される。そして、点灯が開始されるとランプ電流が流れ、ランプ電圧が低下する。このように、エミッターが電極に十分に付着している状態では、始動電圧の出力期間は短い。
【0070】
しかし、消耗して電極に付着するエミッターの量が少なくなると、図12に示すように始動がスムーズに行われなくなり、放電開始に至るまでの時間がかかるようになる。すなわち、始動電圧の出力期間は長くなる。
【0071】
そこで、CPU13は、取り込んだランプ電圧のデジタルデータが予め設定されている始動電圧値に略等しくなると前記カウンタ13bが時間カウントを開始し、略等しい状態が継続している限りは時間カウントを継続するようになっている。そして、前記カウンタ13bのカウント値がt時間に達すると、インターフェース14を介して点灯回路2の動作を停止するようになっている。また、表示手段に寿命情報を送信するようになっている。
【0072】
このような構成においては、CPU13は予熱期間が終了すると始動電圧を放電灯1に印加するように点灯回路2を制御する。そして、A/D変換手段121からのデジタルデータが始動電圧値になっていることを判断してカウンタ13bをカウント動作させる。
【0073】
放電灯1のフィラメント電極1a,1bにエミッターが十分に付着している状態では放電灯1はスムーズに短時間で点灯するようになるので、ランプ電圧検出手段16が検出するランプ電圧は短時間で始動電圧から点灯時の電圧に低下する。従って、カウンタ13bがカウントする始動電圧の期間は短く、カウント時間は時間tに比べて十分に小さい。
【0074】
エミッターが消耗して付着量が減ってくると、放電灯1の始動に時間が掛かるようになる。すなわち、カウンタ13bがカウントする始動電圧の期間は次第に長くなる。しかし、寿命末期に至らない状態ではカウント時間は時間tに比べてまだ小さい。
【0075】
放電灯1が寿命末期になると、放電灯1がスムーズに始動できなくなり、始動電圧が放電灯1に印加し続けるようになる。この状態では、カウンタ13bのカウント時間は時間tに達することになる。カウンタ13bのカウント時間が時間tに達すると、CPU13は放電灯1の寿命末期を判断し、点灯回路2の動作を停止させる。また、表示手段に寿命情報を送信し放電灯が寿命になったことを知らせる。
【0076】
このように、この実施の形態においても、予熱期間は経過しているが、放電灯1が点灯を開始する前の始動電圧印加期間において放電灯1の寿命末期を判断することができる。従って、放電灯1が点灯する前に点灯回路2の動作を停止させることができ、フィラメント電極が異常加熱されることはない。また、放電灯が寿命末期になったことが知らされるので、使用者の利便性を図ることができる。
【0077】
なお、この実施の形態においては、カウンタ13bのカウント時間が回路保護のために予め設定された始動電圧の最大印加時間tに達したとき寿命末期を判断して点灯回路2の動作を停止させるようにしたがこれに限定するものではない。
【0078】
例えば、始動電圧の最大印加時間tよりも短い時間t1を設定し、カウンタ13bのカウント時間がこの時間t1に達したとき寿命末期を判断して点灯回路2の動作を停止させるようにしてもよい。
【0079】
また、不揮発性メモリを設け、この不揮発性メモリにカウンタ13bがカウントする始動電圧の印加時間のうち、最も短い時間が記憶されるように更新を行い、この不揮発性メモリに記憶した時間に所定の係数を乗算した時間t2をメモリ15に記憶し、放電灯1の始動時においてカウンタ13bがカウントする始動電圧の印加時間がt2に達したとき寿命末期を判断して点灯回路2の動作を停止させるようにしてもよい。なお、この場合において算出した時間t2が始動電圧の最大印加時間tを超えるような場合は、時間t2として時間tを設定し、時間t2が始動電圧の最大印加時間tを超えないようにする必要が有る。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本発明の、第1の実施の形態を示す一部ブロックを含む回路構成図。
【図2】同実施の形態のフィラメント電極における予熱期間の抵抗値変化を予熱時間と抵抗比との関係で示すグラフ。
【図3】同実施の形態のフィラメント電極における正常時のエミッター付着状態を示す図。
【図4】同実施の形態のフィラメント電極における寿命末期のエミッター付着状態を示す図。
【図5】本発明の、第2の実施の形態を示す予熱期間におけるCPUの処理を示す流れ図。
【図6】本発明の、第3の実施の形態を示す予熱期間におけるCPUの処理を示す流れ図。
【図7】本発明の、第4の実施の形態を示す予熱期間におけるCPUの処理を示す流れ図。
【図8】本発明の、第5の実施の形態を示す予熱期間におけるCPUの処理を示す流れ図。
【図9】本発明の、第6の実施の形態を示す一部ブロックを含む回路構成図。
【図10】同実施の形態において無負荷あるいは放電灯が点灯しない場合の始動電圧の出力状態を示す図。
【図11】同実施の形態においてエミッターが電極に十分に付着している状態で放電灯が点灯した場合の始動電圧の出力状態を示す図。
【図12】同実施の形態においてエミッターが消耗した状態で放電灯が点灯した場合の始動電圧の出力状態を示す図。
【符号の説明】
【0081】
1…放電灯、2…点灯回路、10…電流検出手段、11…電圧検出手段、12…A/D変換手段、13…CPU(演算制御手段)、13a…タイマー、15…メモリ。
【技術分野】
【0001】
本発明は、放電灯の寿命末期を判断する放電灯点灯装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の放電灯点灯装置としては、ランプ電流とランプ電圧を検出し、これをデジタル変換して演算部に取り込み、この演算部では放電灯の始動から安定点灯に至る過渡点灯時におけるランプ電力を求め、この検出したランプ電力と予め設定した電力量の基準値との差の絶対値を所定値と比較し、差の絶対値が所定値よりも大きい場合に放電灯の劣化を判断するものが知られている。(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平10−69989号公報(段落「0010」〜「0016」、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、このようにランプ電力を検出するものは、放電灯を点灯させてからでないと放電灯の劣化を判断することができず、実際に放電灯が劣化していた場合フィラメント電極が異常加熱するなどの問題があった。
【0004】
そこで本発明は、放電灯が点灯を開始する前に放電灯の寿命判断ができる放電灯点灯装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、点灯回路によって点灯制御される放電灯と、この放電灯のフィラメント電極間のランプ電圧を検出する電圧検出手段と、この電圧検出手段からの検出値をデジタル変換する変換手段と、点灯回路を駆動制御し、放電灯に対する予熱制御を行わせるとともに予熱期間終了後にt時間だけ始動電圧の出力を行わせる演算制御手段とを備え、演算制御手段は、予熱期間終了後の始動電圧印加時において変換手段からの電圧検出値が予め設定した始動電圧値になっている時間をカウントするカウンタを設け、このカウンタのカウント時間がt時間に達するか、あるいはt時間よりも小さい所定時間に達すると放電灯の寿命末期を判断することにある。
【0006】
また、本発明の演算制御手段は、不揮発性メモリと、予熱期間終了後の始動電圧印加時において変換手段からの電圧検出値が予め設定した始動電圧値になっている時間をカウントするカウンタを設け、このカウンタのカウント時間を始動時間データとして不揮発性メモリに記憶するとともにカウンタのカウント時間が不揮発性メモリに記憶している始動時間データよりも小さければそのカウント時間を新たな始動時間データとして不揮発性メモリを更新するようにし、カウンタのカウント時間が、不揮発性メモリに記憶した始動時間データに所定の係数を乗じた時間に達すると放電灯の寿命末期を判断することにある。
【発明の効果】
【0007】
発明によれば、放電灯が点灯を開始する前に放電灯の寿命判断ができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
【0009】
(第1の実施の形態)
【0010】
図1に示すように、放電灯1を点灯回路2で点灯制御するようになっている。前記点灯回路2は、例えば、直流電源3に1対のFET(電界効果トランジスタ)4,5の直列回路を接続し、一方のFET4にコンデンサ6及びインダクタ7を直列に介して前記放電灯1の各フィラメント電極1a,1bの一端を接続している。前記放電灯1の各フィラメント電極1a,1bの他端間に予熱用コンデンサ8を接続している。また、駆動回路9を設け、この駆動回路9によって前記各FET4,5を高周波スイッチング動作するようになっている。
【0011】
前記放電灯1の各フィラメント電極1a,1b及び予熱用コンデンサ8に流れる予熱電流を例えばカレントトランスを使用した電流検出手段10によって検出し、前記フィラメント電極1bの端子間電圧を例えば検出抵抗を使用した電圧検出手段11によって検出するようにしている。なお、電流検出手段10及び電圧検出手段11の構成はこれに限定されるものではない。
【0012】
前記電流検出手段10にて検出した電流検出値及び前記電圧検出手段11にて検出した電圧検出値をA/D変換手段12においてデジタルデータに変換し、そのデジタルデータを演算制御手段としてのCPU(中央処理装置)13に供給している。前記A/D変換手段としては、例えば、検出したアナログ値を標本化した後量子化してデジタル変換するようになっている。なお、通常のA/D変換器を使用してもよい。
【0013】
前記CPU13は、予熱時及び点灯時にはインターフェース14を介して前記駆動回路9を駆動制御するようになっている。
【0014】
前記CPU13は、予熱時には点灯回路2に予熱制御を開始させ、その予熱制御の開始直後において前記A/D変換手段12から電流と電圧のデジタル化した検出値を取り込み、この検出値から予熱開始時のフィラメント抵抗値Rcを算出しこの抵抗値Rcをメモリ15に格納するようになっている。
【0015】
前記CPU13は、内部に予熱制御開始とともに経過時間のカウントを開始するタイマー13aを設け、このタイマー13aにより時間間隔Tで経過時間をカウントするようになっている。従って、カウント値がn(但し、nは1以上の整数)のときには、経過時間はnTとなる。
【0016】
前記CPU13は、予熱期間において前記タイマー13aがカウント値を1つインクリメントする毎に前記A/D変換手段12から電流と電圧のデジタル化した検出値を取り込み、この検出値からその時点でのフィラメント抵抗値Rhを算出しこの抵抗値Rhと前記メモリ15に格納してある抵抗値Rcとから、抵抗値の比Rh/Rcを求め前記メモリ15に格納するようになっている。
【0017】
前記CPU13は、タイマー13aのカウント値が(n−1)のときの比Rh(n−1)/Rc=r[n−1]とカウント値がnのときの比Rh(n)/Rc=r[n]から、その差r[n]−r[n−1]を求め、その差が該当する所定値a[n]を超えていたときには前記放電灯1の寿命末期を判断するようになっている。
【0018】
さらに、詳しく述べると、図2に予熱時間と抵抗比Rh/Rcとの関係をグラフで示すように、グラフg1は放電灯1のフィラメント電極に塗布されているエミッターeが図3に示すように十分に付着している正常状態のときの予熱時間に対する抵抗比Rh/Rcの変化を示している。また、グラフg2は放電灯1のフィラメント電極に塗布されているエミッターeが図4に示すように消耗してほとんど無くなっている寿命末期のときの予熱時間に対する抵抗比Rh/Rcの変化を示している。
【0019】
すなわち、フィラメント電極はエミッターeが十分に付着している状態では予熱時間が経過してもフィラメント抵抗値Rhはそれほど大きくならないが、エミッターeが消耗すると温度上昇が大きくなって予熱時間の経過とともにフィラメント抵抗値Rhは急激に増大する。従って、抵抗比Rh/Rcの変化が大きくなる。従って、放電灯1の正常時には、差r[n]−r[n−1]は小さいが寿命末期になると、差r[n]−r[n−1]は大きくなる。
【0020】
そこで、所定値a[n]を放電灯1の寿命末期を判断するのに適した値にしておけば、{r[n]−r[n−1]}>a[n]によって放電灯1の寿命末期を判断することができる。所定値a[n]は前記メモリ15に予め記憶しておくが、この所定値a[n]はカウント値nの値毎に異なる値であり、それぞれ放電灯1の寿命末期を判断するのに適した値になっている。従って、前記メモリ15にはn個の所定値a[n]が記憶されることになる。
【0021】
前記CPU13は、タイマー13aのカウント値nが1つインクリメントする毎にそのときの{r[n]−r[n−1]}とメモリ15から該当する所定値a[n]を読み出して、{r[n]−r[n−1]}>a[n]か、否かの判断を行うことになる。
【0022】
前記CPU13は、{r[n]−r[n−1]}>a[n]を判断すると放電灯1の寿命末期を判断し、インターフェース14を介して点灯回路2の動作が停止するように駆動回路9を制御する。
【0023】
また、前記CPU13は、LEDや液晶ディスプレイ等の表示手段(図示せず)に寿命情報を出力し、この表示手段によって放電灯が寿命になったことを表示し知らせるようになっている。なお、表示手段は、放電灯点灯装置の器具側に設けてもよい。また、リモコン対応器具の場合は、表示手段をリモコン上に配置し、寿命情報をリモコンに送信し、リモコン上で表示させてもよい。さらに、制御システムとともに使用される場合は、表示手段を制御盤上に配置し、その制御盤上で表示させてもよい。
【0024】
このような構成においては、CPU13は放電灯1を点灯するに先立って点灯回路2に予熱制御を開始させる。そして、タイマー13aのカウント動作を開始させるとともにA/D変換手段12から電流と電圧のデジタル化した検出値を取り込み、この検出値から予熱開始時のフィラメント抵抗値Rcを算出しこの抵抗値Rcをメモリ15に格納する。
【0025】
そして、タイマー13aのカウント値nが1つインクリメントする毎にA/D変換手段12から電流と電圧のデジタル化した検出値を取り込み、この検出値からフィラメント抵抗値Rhを算出し、抵抗値Rhとメモリ15に格納した抵抗値Rcとから、抵抗値の比Rh/Rcを求め、その値rをメモリ15に格納する。予熱開始時はRc=Rhであり、r=1となる。
【0026】
予熱時間の経過と共にフィラメント抵抗値Rhは増加するので、Rh/Rcの値rは大きくなる。タイマー13aのカウント値が(n−1)のときの比がRh(n−1)/Rc=r[n−1]で、カウント値がnのときの比がRh(n)/Rc=r[n]であったとすると、その差r[n]−r[n−1]を算出する。そして、該当する所定値a[n]をメモリ15から読み出して{r[n]−r[n−1]}>a[n]か、否かを判断する。
【0027】
放電灯1のフィラメント電極が正常な場合は予熱期間において抵抗値の比Rh/Rcが図2のグラフg1に示すように緩やかに変化するので、このときには{r[n]−r[n−1]}>a[n]とならないのでCPU15は放電灯1の寿命末期を判断することはない。従って、予熱期間が終了するとCPU15は点灯回路2による放電灯1の始動点灯動作を開始させる。
【0028】
しかし、放電灯1のフィラメント電極のエミッターが消耗してくると、抵抗値の比Rh/Rcが大きく変化するようになる。そして、抵抗値の比Rh/Rcが図2のグラフg2に示すように急激に変化するようになると、{r[n]−r[n−1]}>a[n]となり、CPU15は放電灯1の寿命末期を判断する。そして、点灯回路2の動作が停止するように駆動回路9を制御する。また、表示手段に寿命情報を送信し放電灯が寿命になったことを知らせる。
【0029】
このように、点灯を開始する前の予熱段階で放電灯1の寿命末期を判断することができる。従って、放電灯1が点灯する前に点灯回路2の動作を停止させることができ、フィラメント電極が異常加熱されることはない。また、放電灯が寿命末期になったことが知らされるので、使用者の利便性を図ることができる。
【0030】
(第2の実施の形態)
【0031】
この実施の形態におけるハード構成は第1の実施の形態と同じである。異なる点はCPU13による予熱時の処理にある。
【0032】
すなわち、前記CPU13は、図5に示す処理を行う。予熱を開始すると、先ず、S1にて、タイマー13aをスタートさせ、S2にて、A/D変換手段12から電流と電圧のデジタル化した検出値を取り込み、この検出値から予熱開始時のフィラメント抵抗値Rcを算出しこの抵抗値Rcをメモリ15に格納する。
【0033】
そして、S3にて、タイマー13aのカウント値を1つインクリメントし、S4にて、A/D変換手段12から電流と電圧のデジタル化した検出値を取り込み、この検出値からフィラメント抵抗値Rhを算出し、抵抗値Rhとメモリ15に格納した抵抗値Rcとから、抵抗値の比Rh/Rcを求める。続いて、S5にて、Rh/Rcをメモリ15に予め記憶した寿命末期を判断するための所定値Aと比較する。この場合の所定値Aとしては、例えば寿命末期においてフィラメント抵抗値Rhが予熱開始時のフィラメント抵抗値Rcに対して4倍以上になる場合は、「4」という数値を設定することになる。
【0034】
そして、Rh/Rc≦Aであれば、続いて、S6にて、タイマー13aのカウント値が予熱期間に対応した値Bを超えているか否かを判断し、超えていなければS3に戻って所定のタイミングでタイマー13aのカウント値を1つインクリメントして再度S4、S5の処理を行い、また、超えていれば予熱期間の終了を判断し、S7にて、点灯回路2の駆動回路9を制御して点灯回路2に始動電圧を発生させて放電灯1に印加させる。
【0035】
また、Rh/RcとAとの比較においてRh/Rc>Aであれば、放電灯1の寿命末期を判断し、S8にて、点灯回路2の駆動回路9を制御して点灯回路2の動作を停止させる。また、表示手段に寿命情報を送信し放電灯が寿命になったことを知らせる。
【0036】
このようにこの実施の形態においても、点灯を開始する前の予熱段階で放電灯1の寿命末期を判断することができる。従って、放電灯1が点灯する前に点灯回路2の動作を停止させることができ、フィラメント電極が異常加熱されることはない。
【0037】
また、算出したRh/Rcと予め設定した値Aとを直接比較するので、処理を簡単化できる。また、放電灯が寿命末期になったことが知らされるので、使用者の利便性を図ることができる。
【0038】
(第3の実施の形態)
【0039】
この実施の形態におけるハード構成は第1の実施の形態と同じである。異なる点はCPU13による予熱時の処理にある。
【0040】
すなわち、前記CPU13は、図6に示す処理を行う。予熱を開始すると、先ず、S11にて、タイマー13aをスタートさせ、S12にて、A/D変換手段12から電流と電圧のデジタル化した検出値を取り込み、この検出値から予熱開始時のフィラメント抵抗値Rcを算出しこの抵抗値Rcをメモリ15に格納する。
【0041】
そして、S13にて、タイマー13aのカウント値を1つインクリメントし、S14にて、タイマー13aのカウント値が予熱期間に対応した値Bに達したか否かを判断する。タイマー13aのカウント値がBに達していなければBになるまでカウント値を所定のタイミングで1つずつインクリメントする。
【0042】
予熱期間終了近くになってタイマー13aのカウント値がBに達すると、S15にて、A/D変換手段12から電流と電圧のデジタル化した検出値を取り込み、この検出値からフィラメント抵抗値Rhを算出し、抵抗値Rhとメモリ15に格納した抵抗値Rcとから、抵抗値の比Rh/Rcを求める。続いて、S16にて、Rh/Rcをメモリ15に予め記憶した寿命末期を判断するための所定値Aと比較する。
【0043】
そして、Rh/Rc≦Aであれば、S17にて、点灯回路2の駆動回路9を制御して点灯回路2に始動電圧を発生させて放電灯1に印加させる。また、Rh/Rc>Aであれば、放電灯1の寿命末期を判断し、S18にて、点灯回路2の駆動回路9を制御して点灯回路2の動作を停止させる。また、表示手段に寿命情報を送信し放電灯が寿命になったことを知らせる。
【0044】
このようにこの実施の形態においても、点灯を開始する前の予熱段階で放電灯1の寿命末期を判断することができる。従って、放電灯1が点灯する前に点灯回路2の動作を停止させることができ、フィラメント電極が異常加熱されることはない。
【0045】
また、算出したRh/Rcと予め設定した値Aとを直接比較し、しかも、この比較処理を予熱期間の終了近くで1回だけ行えばよいので、処理をより簡単化できる。また、放電灯が寿命末期になったことが知らされるので、使用者の利便性を図ることができる。
【0046】
(第4の実施の形態)
【0047】
この実施の形態におけるハード構成は第1の実施の形態と同じである。異なる点はCPU13による予熱時の処理にある。
【0048】
すなわち、前記CPU13は、図7に示す処理を行う。予熱を開始すると、先ず、S21にて、タイマー13aをスタートさせ、S22にて、A/D変換手段12から電流と電圧のデジタル化した検出値を取り込み、この検出値から予熱開始時のフィラメント抵抗値Rcを算出し、さらに、S23にて、この抵抗値Rcに所定の係数αを乗算した値Rc*αをメモリ15に格納する。
【0049】
なお、係数αは放電灯1の寿命末期を判断するために設定された係数で、予熱時におけるフィラメント電極の抵抗値Rhが、予熱開始時のフィラメント抵抗値Rcの何倍になったら寿命末期として判断するかを決めるための係数である。
【0050】
続いて、S24にて、タイマー13aのカウント値を1つインクリメントし、S25にて、A/D変換手段12から電流と電圧のデジタル化した検出値を取り込み、この検出値からフィラメント抵抗値Rhを算出する。そして、S26にて、抵抗値Rhをメモリ15に予め記憶した寿命末期を判断する値Rc*αと比較する。
【0051】
そして、Rh≦Rc*αであれば、続いて、S27にて、タイマー13aのカウント値が予熱期間に対応した値Bを超えているか否かを判断し、超えていなければS24に戻って所定のタイミングでタイマー13aのカウント値を1つインクリメントして再度S25、S26の処理を行い、また、超えていれば予熱期間の終了を判断し、S28にて、点灯回路2の駆動回路9を制御して点灯回路2に始動電圧を発生させて放電灯1に印加させる。
【0052】
また、RhとRc*αとの比較においてRh>Rc*αであれば、放電灯1の寿命末期を判断し、S29にて、点灯回路2の駆動回路9を制御して点灯回路2の動作を停止させる。また、表示手段に寿命情報を送信し放電灯が寿命になったことを知らせる。
【0053】
このようにこの実施の形態においても、点灯を開始する前の予熱段階で放電灯1の寿命末期を判断することができる。従って、放電灯1が点灯する前に点灯回路2の動作を停止させることができ、フィラメント電極が異常加熱されることはない。
【0054】
また、算出したRhと予熱開始時に設定した値Rc*αとを直接比較するので、処理を簡単化できる。また、値Rc*αは予熱開始時のフィラメント抵抗値Rcに基づいて決められるので、放電灯1のフィラメント抵抗値にバラツキがあっても寿命末期を正確に判断できる。さらに、放電灯が寿命末期になったことが知らされるので、使用者の利便性を図ることができる。
【0055】
(第5の実施の形態)
【0056】
この実施の形態におけるハード構成は第1の実施の形態と同じである。異なる点はCPU13による予熱時の処理にある。
【0057】
すなわち、前記CPU13は、図8に示す処理を行う。予熱を開始すると、先ず、S31にて、タイマー13aをスタートさせ、S32にて、A/D変換手段12から電流と電圧のデジタル化した検出値を取り込み、この検出値から予熱開始時のフィラメント抵抗値Rcを算出し、さらに、S33にて、この抵抗値Rcに所定の係数αを乗算した値Rc*αをメモリ15に格納する。
【0058】
続いて、S34にて、タイマー13aのカウント値を1つインクリメントし、S35にて、タイマー13aのカウント値が予熱期間に対応した値Bに達したか否かを判断する。タイマー13aのカウント値がBに達していなければBになるまでカウント値を所定のタイミングで1つずつインクリメントする。
【0059】
予熱期間終了近くになってタイマー13aのカウント値がBに達すると、S36にて、A/D変換手段12から電流と電圧のデジタル化した検出値を取り込み、この検出値からフィラメント抵抗値Rhを算出する。そして、S37にて、抵抗値Rhをメモリ15に予め記憶した寿命末期を判断する値Rc*αと比較する。
【0060】
そして、Rh≦Rc*αであれば、S38にて、点灯回路2の駆動回路9を制御して点灯回路2に始動電圧を発生させて放電灯1に印加させる。また、Rh>Rc*αであれば、放電灯1の寿命末期を判断し、S39にて、点灯回路2の駆動回路9を制御して点灯回路2の動作を停止させる。また、表示手段に寿命情報を送信し放電灯が寿命になったことを知らせる。
【0061】
このようにこの実施の形態においても、点灯を開始する前の予熱段階で放電灯1の寿命末期を判断することができる。従って、放電灯1が点灯する前に点灯回路2の動作を停止させることができ、フィラメント電極が異常加熱されることはない。
【0062】
また、算出したRhと予熱開始時に設定した値Rc*αとを直接比較し、しかも、この比較処理を予熱期間の終了近くで1回だけ行えばよいので、処理をより簡単化できる。
【0063】
また、値Rc*αは予熱開始時のフィラメント抵抗値Rcに基づいて決められるので、放電灯1のフィラメント抵抗値にバラツキがあっても寿命末期を正確に判断できる。さらに、放電灯が寿命末期になったことが知らされるので、使用者の利便性を図ることができる。
【0064】
(第6の実施の形態)
【0065】
なお、図1に示すハード構成と同一の部分には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0066】
図9に示すように、図1における電流検出手段10及び電圧検出手段11に代えて、放電灯1の各フィラメント電極1a,1b間にランプ電圧を検出するランプ電圧検出手段16を接続している。前記ランプ電圧検出手段16が検出するランプ電圧をA/D変換手段121でデジタルデータに変換した後CPU13に供給している。
【0067】
前記CPU13は、予熱時及び点灯時にはインターフェース14を介して点灯回路2を制御するが、図10に示すように、一定の予熱期間が経過すると始動電圧が放電灯1に印加されるように前記点灯回路2を制御するが、無負荷時やt時間が経過しても放電灯1が点灯しない場合には、t時間経過後に始動電圧の印加を停止させて点灯回路2を保護するようになっている。
【0068】
前記CPU13は、前記A/D変換手段121から検出したランプ電圧のデジタルデータを取り込むが、このデータが始動電圧に対応した電圧を示すデータのときには内部に設けたカウンタ13bにその間の時間をカウントさせるようになっている。
【0069】
ところで、放電灯1においてはフィラメント電極1a,1bにエミッターが塗布され、放電が良好に行われるようになっている。従って、エミッターが電極に十分に付着している状態では、図11に示すように、予熱期間が終了して始動電圧が印加されると放電灯1はスムーズに点灯される。そして、点灯が開始されるとランプ電流が流れ、ランプ電圧が低下する。このように、エミッターが電極に十分に付着している状態では、始動電圧の出力期間は短い。
【0070】
しかし、消耗して電極に付着するエミッターの量が少なくなると、図12に示すように始動がスムーズに行われなくなり、放電開始に至るまでの時間がかかるようになる。すなわち、始動電圧の出力期間は長くなる。
【0071】
そこで、CPU13は、取り込んだランプ電圧のデジタルデータが予め設定されている始動電圧値に略等しくなると前記カウンタ13bが時間カウントを開始し、略等しい状態が継続している限りは時間カウントを継続するようになっている。そして、前記カウンタ13bのカウント値がt時間に達すると、インターフェース14を介して点灯回路2の動作を停止するようになっている。また、表示手段に寿命情報を送信するようになっている。
【0072】
このような構成においては、CPU13は予熱期間が終了すると始動電圧を放電灯1に印加するように点灯回路2を制御する。そして、A/D変換手段121からのデジタルデータが始動電圧値になっていることを判断してカウンタ13bをカウント動作させる。
【0073】
放電灯1のフィラメント電極1a,1bにエミッターが十分に付着している状態では放電灯1はスムーズに短時間で点灯するようになるので、ランプ電圧検出手段16が検出するランプ電圧は短時間で始動電圧から点灯時の電圧に低下する。従って、カウンタ13bがカウントする始動電圧の期間は短く、カウント時間は時間tに比べて十分に小さい。
【0074】
エミッターが消耗して付着量が減ってくると、放電灯1の始動に時間が掛かるようになる。すなわち、カウンタ13bがカウントする始動電圧の期間は次第に長くなる。しかし、寿命末期に至らない状態ではカウント時間は時間tに比べてまだ小さい。
【0075】
放電灯1が寿命末期になると、放電灯1がスムーズに始動できなくなり、始動電圧が放電灯1に印加し続けるようになる。この状態では、カウンタ13bのカウント時間は時間tに達することになる。カウンタ13bのカウント時間が時間tに達すると、CPU13は放電灯1の寿命末期を判断し、点灯回路2の動作を停止させる。また、表示手段に寿命情報を送信し放電灯が寿命になったことを知らせる。
【0076】
このように、この実施の形態においても、予熱期間は経過しているが、放電灯1が点灯を開始する前の始動電圧印加期間において放電灯1の寿命末期を判断することができる。従って、放電灯1が点灯する前に点灯回路2の動作を停止させることができ、フィラメント電極が異常加熱されることはない。また、放電灯が寿命末期になったことが知らされるので、使用者の利便性を図ることができる。
【0077】
なお、この実施の形態においては、カウンタ13bのカウント時間が回路保護のために予め設定された始動電圧の最大印加時間tに達したとき寿命末期を判断して点灯回路2の動作を停止させるようにしたがこれに限定するものではない。
【0078】
例えば、始動電圧の最大印加時間tよりも短い時間t1を設定し、カウンタ13bのカウント時間がこの時間t1に達したとき寿命末期を判断して点灯回路2の動作を停止させるようにしてもよい。
【0079】
また、不揮発性メモリを設け、この不揮発性メモリにカウンタ13bがカウントする始動電圧の印加時間のうち、最も短い時間が記憶されるように更新を行い、この不揮発性メモリに記憶した時間に所定の係数を乗算した時間t2をメモリ15に記憶し、放電灯1の始動時においてカウンタ13bがカウントする始動電圧の印加時間がt2に達したとき寿命末期を判断して点灯回路2の動作を停止させるようにしてもよい。なお、この場合において算出した時間t2が始動電圧の最大印加時間tを超えるような場合は、時間t2として時間tを設定し、時間t2が始動電圧の最大印加時間tを超えないようにする必要が有る。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本発明の、第1の実施の形態を示す一部ブロックを含む回路構成図。
【図2】同実施の形態のフィラメント電極における予熱期間の抵抗値変化を予熱時間と抵抗比との関係で示すグラフ。
【図3】同実施の形態のフィラメント電極における正常時のエミッター付着状態を示す図。
【図4】同実施の形態のフィラメント電極における寿命末期のエミッター付着状態を示す図。
【図5】本発明の、第2の実施の形態を示す予熱期間におけるCPUの処理を示す流れ図。
【図6】本発明の、第3の実施の形態を示す予熱期間におけるCPUの処理を示す流れ図。
【図7】本発明の、第4の実施の形態を示す予熱期間におけるCPUの処理を示す流れ図。
【図8】本発明の、第5の実施の形態を示す予熱期間におけるCPUの処理を示す流れ図。
【図9】本発明の、第6の実施の形態を示す一部ブロックを含む回路構成図。
【図10】同実施の形態において無負荷あるいは放電灯が点灯しない場合の始動電圧の出力状態を示す図。
【図11】同実施の形態においてエミッターが電極に十分に付着している状態で放電灯が点灯した場合の始動電圧の出力状態を示す図。
【図12】同実施の形態においてエミッターが消耗した状態で放電灯が点灯した場合の始動電圧の出力状態を示す図。
【符号の説明】
【0081】
1…放電灯、2…点灯回路、10…電流検出手段、11…電圧検出手段、12…A/D変換手段、13…CPU(演算制御手段)、13a…タイマー、15…メモリ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
点灯回路によって点灯制御される放電灯と、
この放電灯のフィラメント電極間のランプ電圧を検出する電圧検出手段と、
この電圧検出手段からの検出値をデジタル変換する変換手段と、
前記点灯回路を駆動制御し、前記放電灯に対する予熱制御を行わせるとともに予熱期間終了後にt時間だけ始動電圧の出力を行わせる演算制御手段とを備え、
前記演算制御手段は、予熱期間終了後の始動電圧印加時において前記変換手段からの電圧検出値が予め設定した始動電圧値になっている時間をカウントするカウンタを設け、このカウンタのカウント時間がt時間に達するか、あるいはt時間よりも小さい所定時間に達すると放電灯の寿命末期を判断することを特徴とする放電灯点灯装置。
【請求項2】
点灯回路によって点灯制御される放電灯と、
この放電灯のフィラメント電極間のランプ電圧を検出する電圧検出手段と、
この電圧検出手段からの検出値をデジタル変換する変換手段と、前記点灯回路を駆動制御し、前記放電灯に対する予熱制御を行わせるとともに予熱期間終了後にt時間だけ始動電圧の出力を行わせる演算制御手段とを備え、
前記演算制御手段は、不揮発性メモリと、予熱期間終了後の始動電圧印加時において前記変換手段からの電圧検出値が予め設定した始動電圧値になっている時間をカウントするカウンタを設け、このカウンタのカウント時間を始動時間データとして前記不揮発性メモリに記憶するとともに前記カウンタのカウント時間が前記不揮発性メモリに記憶している始動時間データよりも小さければそのカウント時間を新たな始動時間データとして前記不揮発性メモリを更新するようにし、前記カウンタのカウント時間が、前記不揮発性メモリに記憶した始動時間データに所定の係数を乗じた時間に達すると放電灯の寿命末期を判断することを特徴とする放電灯点灯装置。
【請求項1】
点灯回路によって点灯制御される放電灯と、
この放電灯のフィラメント電極間のランプ電圧を検出する電圧検出手段と、
この電圧検出手段からの検出値をデジタル変換する変換手段と、
前記点灯回路を駆動制御し、前記放電灯に対する予熱制御を行わせるとともに予熱期間終了後にt時間だけ始動電圧の出力を行わせる演算制御手段とを備え、
前記演算制御手段は、予熱期間終了後の始動電圧印加時において前記変換手段からの電圧検出値が予め設定した始動電圧値になっている時間をカウントするカウンタを設け、このカウンタのカウント時間がt時間に達するか、あるいはt時間よりも小さい所定時間に達すると放電灯の寿命末期を判断することを特徴とする放電灯点灯装置。
【請求項2】
点灯回路によって点灯制御される放電灯と、
この放電灯のフィラメント電極間のランプ電圧を検出する電圧検出手段と、
この電圧検出手段からの検出値をデジタル変換する変換手段と、前記点灯回路を駆動制御し、前記放電灯に対する予熱制御を行わせるとともに予熱期間終了後にt時間だけ始動電圧の出力を行わせる演算制御手段とを備え、
前記演算制御手段は、不揮発性メモリと、予熱期間終了後の始動電圧印加時において前記変換手段からの電圧検出値が予め設定した始動電圧値になっている時間をカウントするカウンタを設け、このカウンタのカウント時間を始動時間データとして前記不揮発性メモリに記憶するとともに前記カウンタのカウント時間が前記不揮発性メモリに記憶している始動時間データよりも小さければそのカウント時間を新たな始動時間データとして前記不揮発性メモリを更新するようにし、前記カウンタのカウント時間が、前記不揮発性メモリに記憶した始動時間データに所定の係数を乗じた時間に達すると放電灯の寿命末期を判断することを特徴とする放電灯点灯装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2008−218420(P2008−218420A)
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−96818(P2008−96818)
【出願日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【分割の表示】特願2002−320072(P2002−320072)の分割
【原出願日】平成14年11月1日(2002.11.1)
【出願人】(000003757)東芝ライテック株式会社 (2,710)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【分割の表示】特願2002−320072(P2002−320072)の分割
【原出願日】平成14年11月1日(2002.11.1)
【出願人】(000003757)東芝ライテック株式会社 (2,710)
【Fターム(参考)】
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