文字読取装置
【課題】 台形状に歪んだ領域を長方形に補正でき、至近距離から撮像された画像の文字を読み取ることのできる文字読取装置を得る。
【解決手段】 入力画像内の文字の傾き量を求める傾き量計測手段と、前記傾き量計測手段の求めた文字の傾き量とその文字の位置座標から、位置座標と傾き量との関係を表す関係式を求める傾き量算式決定手段と、前記傾き量算式決定手段の求めた関係式に基づいて台形状の領域を求め、当該台形状の領域を長方形に変換する歪み補正手段と、前記歪み補正手段の補正した領域の画像から文字パターンを抽出して認識する文字認識手段とを備える。
【解決手段】 入力画像内の文字の傾き量を求める傾き量計測手段と、前記傾き量計測手段の求めた文字の傾き量とその文字の位置座標から、位置座標と傾き量との関係を表す関係式を求める傾き量算式決定手段と、前記傾き量算式決定手段の求めた関係式に基づいて台形状の領域を求め、当該台形状の領域を長方形に変換する歪み補正手段と、前記歪み補正手段の補正した領域の画像から文字パターンを抽出して認識する文字認識手段とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、歪んで変形して見える画像から、自動的に文字を読み取る文字読取装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
カメラで斜め方向からナンバープレートを撮像すると、長方形であるナンバープレートが画像中では歪んで変形して見えるため、この歪みを補正してから読み取りを行う必要がある。歪み補正を伴う従来の読み取り技術としては、例えば、特開平8−320990号公報(特許文献1)に示されるものがある。この技術では、検出したナンバープレートの一連番号(大きな4桁の数字)から回帰直線を算出し、その傾きからアフィン変換マトリックスを求めることで、平行四辺形に歪んだナンバープレート画像を補正し、読み取りを行う。
【0003】
また、歪み補正に関する他の従来技術としては、特開平11−73514号公報(特許文献2)に示されるものがあり、この技術では、画像から四角形を検出して各辺の傾きを求め、対辺が平行となるように画像変換することで、任意の四角形を長方形に補正する。
【0004】
【特許文献1】特開平8−320990号公報(段落番号[0017]から[0022]、図1)
【特許文献2】特開平11−73514号公報(段落番号[0005]から[0006])
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記特許文献1に示された従来のナンバープレート読取装置では、平行四辺形の歪みにしか対応していないため、至近距離から撮像して台形状に歪んだナンバープレートは適正に補正することができないという課題があった。前記特許文献2の歪み補正法を用いれば台形状の歪みも補正できるが、車両とナンバープレートが同じような色の場合や、影がかかっている場合など、画像から直接ナンバープレートの各辺を求めることが難しいケースも多く、このような場合には適正に補正できない。
【0006】
この発明は、前記のような課題を解決するためになされたものであり、ナンバープレート等の領域の各辺が画像から検出できない場合でも、台形状に歪んだ領域を長方形に補正でき、至近距離から撮像された画像の文字を読み取ることのできる文字読取装置を得ることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係る文字読取装置は、入力画像内の文字の傾き量を求める傾き量計測手段と、前記傾き量計測手段の求めた文字の傾き量とその文字の位置座標から、位置座標と傾き量との関係を表す関係式を求める傾き量算式決定手段と、前記傾き量算式決定手段の求めた関係式に基づいて台形状の領域を求め、当該台形状の領域を長方形に変換する歪み補正手段と、前記歪み補正手段の補正した領域の画像から文字パターンを抽出して認識する文字認識手段とを備えたものである。
【発明の効果】
【0008】
この発明によれば、位置座標と傾き量との関係を表す関係式に基づいて台形状の領域を求め、当該台形状の領域を長方形に変換するようにしたので、画像中で台形状に歪んだ領域を長方形に補正でき、当該領域の文字を確実に読み取ることができる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1について説明する。
まず、本実施の形態の構成について説明する。図1は、この発明の実施の形態1の構成を示す概略構成図である。図において、1は、撮像された画像を入力する画像入力手段である。2は、前記画像入力手段1によって入力された入力画像からナンバープレートを検出するナンバープレート検出手段である。3は、入力画像内の文字の傾き量を求める傾き量計測手段であり、ここでは、前記ナンバープレート検出手段2で入力画像から検出されたナンバープレート内の文字の傾き量を求める。4は、前記傾き量計測手段3の求めた文字の傾き量とその文字の位置座標から、位置座標と傾き量との関係を表す関係式を求める傾き量算式決定手段であり、ここでは、前記傾き量計測手段3の求めた複数文字の各文字の傾き量とその文字の位置座標から、ナンバープレート内における傾き量と位置座標との関係式を求める。5は、前記傾き量算式決定手段4の求めた関係式に基づいて台形状の領域を求め、当該台形状の領域を長方形に変換する歪み補正手段である。6は、前記歪み補正手段5の補正した領域の画像から文字パターンを抽出して認識する文字認識手段であり、ここでは、前記歪み補正手段5の補正したナンバープレート領域の画像からナンバープレートの文字パターンを抽出して認識するナンバープレート認識手段である。
【0010】
次に、図2から図10までを用いて動作を説明する。図2は、本実施の形態の処理の流れを示す処理フロー図である。図3は、入力画像の例を示す説明図であり、8が入力画像、9がナンバープレート、10が一連番号を示す。図4、は検出した一連番号のパターンに所定の傾きを加えた例を示す説明図であり、11が検出したパターン、12から15までが検出パターン11を傾けたパターンである。図5と図6は、各一連番号の傾き量の計測方法を説明するための説明図であり、16から20までが各パターンの幅、21から25までが各パターンの垂直投影データである。図7は、傾き量算式決定手段4の動作を説明するための説明図であり、26から29までが各一連番号の中心のX座標と傾き量を示す点であり、30が近似直線である。図8と図9は、歪み補正手段5の動作を説明するための説明図であり、31と32がナンバープレート左右端の推定位置、33から36までがナンバープレートの歪み補正の基準位置、37が歪み補正対象領域の外接矩形を示す。図10は、歪み補正手段5の処理結果を示す説明図である。
【0011】
まず、画像入力手段1が撮像された画像を入力し(ステップS1)、ナンバープレート検出手段2が入力画像中のナンバープレートを検出する(ステップS2)。ここで、画像の入力は例えばカメラ等を用いて行い、ナンバープレートの検出は、例えば、三菱電機技報 Vol.62 No.2 pp.9−12 「ナンバープレート認識技術」の4章「ナンバープレート抽出と下段文字切出し」に記載の方法を用いる。この結果、図3の入力画像からはナンバープレート9の一連番号10の各パターンが検出され、それぞれの位置座標が得られる。なお、今後の説明において、位置座標は、図3に示す通り、入力画像の左上を原点とし、垂直座標をY軸、水平座標をX軸で表現する。
【0012】
次に、傾き量計測手段3が一連番号の各パターンの傾き量を求める(ステップS3)。この傾き量は、図4に示すように、検出した一連番号パターン11をそれぞれ異なる所定の角度傾けて複数パターン作成し、この中で傾きの最も小さいパターンを選択することで求める。例えば、パターン11を−10度傾けてパターン12を作成し、同様に、−20度傾けてパターン13を、10度傾けてパターン14を、20度傾けてパターン15を作成する。この時、傾きのないパターンとしてパターン12が選択できれば、−10度傾けたものが傾きなしパターンであるのだから、元のパターン11は逆に10度傾いたパターンであると判断できる。なお、傾き量計測手段3の出力する傾き量は、前記傾き角度の正接関数値とする。すなわち、傾き角度10度であれば傾き量はtan(10)とする。
【0013】
傾き角度の異なる複数パターンから傾き最小パターンを選択する方法としては、例えば、パターン幅を評価値として、この値が最も小さいものを選択する方法がある。図5がこの例であり、パターン11〜15の幅16〜20のうち最小となるのは幅18であり、対応するパターン12が傾き最小のパターンとなる。あるいは、各パターンの形状と、事前に保持しておいた一連番号(0〜9すべて)の傾きなしの形状データとを比較し、その差を評価値として、評価値最小のものを選択するという方法もある。この形状データとは、例えば、文字パターンそのものであり、パターンの幅・高さを所定サイズに合わせた後、画素毎に比較して、値の異なる画素の数をカウントし、当該カウント値を評価値にする。また、形状データの他の例としては、より高速に照合可能な文字パターンの垂直投影データも考えられ、この場合は、図6に示すように、パターン11〜15から垂直投影データ21〜25をそれぞれ作成し、データ長(幅)を所定サイズに拡大・縮小した後、事前に保持しておいた垂直投影データと比較し、差の絶対値の総和を評価値として、評価値最小のものを選択する。
【0014】
その後、傾き量算式決定手段4は、傾き量計測手段3の求めた各一連番号の傾き量と各一連番号の位置座標からナンバープレート内における傾き量と位置座標との関係式を求める(ステップS4)。例えば関係式を1次式とすると、一連番号の傾き量をm、一連番号の中心位置のX座標をXとして、下記の式1で表わせ、本式における定数aとbを求めることで、関係式が得られる。これは、図7に示すように、各一連番号の中心X座標と傾き量を示す点26〜29から、その近似直線30を求めることに相当する。
【0015】
m=a×X+b … (式1)
【0016】
定数aとbを求める方法としては、例えば、共立出版発行 金谷健一著「これなら分かる応用数学教室」pp.1−2に記載の最小二乗法が使用できる。あるいは、新技術コミュニケーションズ発行 「コンピュータビジョン:技術評論と将来展望」pp.198−200に記載されたロバスト統計に基づく推定法を使用すれば、計測値に大きな誤差が含まれるような場合でも適正な関係式を求めることができる。
【0017】
なお、一連番号の中心位置のY座標が大きく異なる場合は、このY座標差の影響を除外するため、上記の式1のXをnに置き換えた下記の式2を用いても良い。
【0018】
m=a×n+b … (式2)
【0019】
ただし、nはY座標差の影響を除外するため一連番号の中心位置のX座標を傾き量で補正した値(以下、補正後X座標と呼ぶ)であり、一連番号各桁の補正後X座標は下記の式3で計算できる。
【0020】
ni=Xi+(Yi−Y´)×mi … (式3)
【0021】
ここで、ni、Xi、Yiは一連番号i桁目の座標情報であり、niが補正後X座標、Xiが補正前のX座標(中心位置のX座標)、Yiが中心位置のY座標である。また、miはステップS3において一連番号i桁目から求めた傾き量であり、Y´は式3における補正の基準となるY座標(以下、補正基準Y座標と呼ぶ)である。この補正基準Y座標は、一連番号の存在領域内であればどんな値でも良く、例えば、一連番号中心位置のY座標の平均値が使用できる。
【0022】
次に、歪み補正手段5が、ナンバープレートの左右端位置と当該位置における傾き量を推定する(ステップS5)。この際、まずはナンバープレートの左右端位置を求めるが、車両のナンバープレートの様式(大きさや文字の配置)は、交文社発行 「自動車登録関係通達・情報集」pp.1101−1103に記載のように法令で定められており、この様式情報と検出した一連番号の座標から求められる。例えば、左右端のX座標は以下の式4と式5で算出できる。
【0023】
XL=X1−CL×(X4−X1)÷D … (式4)
XR=X4+CR×(X4−X1)÷D … (式5)
【0024】
ここで、XLとXRとX1とX4は画像中のX座標であり、XLがナンバープレート左端、XRがナンバープレート右端、X1が一連番号の1桁目中心位置、X4が4桁目中心位置である。また、CLとCRとDは様式情報における水平方向(X軸方向)の距離であり、CLはナンバープレート左端と一連番号の1桁目中心位置との距離、CRは一連番号の4桁目中心位置とナンバープレート右端との距離、Dは一連番号の1桁目中心位置と4桁目中心位置との距離を示す。
【0025】
左右端のY座標については、前記ステップS4で式2を用いた場合は、左端も右端も補正基準Y座標の値とする。式2を用いなかった場合は、例えば、最も近い一連番号(左端なら1桁目、右端なら4桁目)の中心位置のY座標を用いる。図8の例で説明すると、ここまでの処理により、ナンバープレート9の左端位置31と右端位置32の位置座標が決定できる。ナンバープレート左右端の位置座標が決まった後、それぞれの傾き量を、傾き量算式決定手段4の決定した算式に基づいて計算する。
【0026】
その後、歪み補正手段5は、ナンバープレート左右端の位置と傾き量から、歪み補正の基準とする位置座標を決定する(ステップS6)。この際、まずナンバープレートを含む領域の上端と下端のY座標を定める。これは、例えば、以下の式6と式7で計算できる。
【0027】
YU=Min(Y1,Y4)−DU×HA÷HF … (式6)
YD=Max(Y1,Y4)+DD×HA÷HF … (式7)
【0028】
ここで、YUは上端Y座標、YDは下端Y座標、Y1は一連番号1桁目の、Y4は4桁目の中心位置のY座標である。Minは最小値をとる演算子、Maxは最大値をとる演算子であり、HAは一連番号の中で最も高さが大きいものの高さの値である。DU、DD、HFは前述のナンバープレート様式情報で規定される数値であり、DUは一連番号中心位置とナンバープレート上端との垂直方向距離、DDは一連番号中心位置とナンバープレート下端との垂直方向距離、HFは一連番号の数字の高さである。図9に示すような、ナンバープレートの垂直方向の傾きがない画像であれば、YUはナンバープレート上辺のY座標に、YDは下辺のY座標と概ね同じ位置となる。
【0029】
次に、ステップS5で求めたナンバープレート左右端位置から、それぞれの傾き量に従って上下方向に伸ばした直線が上記の上端・下端Y座標で通る点を求め、これを歪み補正基準位置とする。この歪み補正基準位置で特定される領域が、歪み補正の対象となる台形状のナンバープレート領域である。ナンバープレート左右端位置が実際のプレート左辺・右辺上にあり、かつ上端Y座標と下端Y座標が実際のプレート上辺・下辺に一致している場合は、図8に示すように、歪み補正基準位置33〜36はナンバープレートの四隅と一致する。なお、この歪み補正基準位置は必ずしもナンバープレートの四隅の点である必要はなく、内部にナンバープレートを含む位置の点であれば良いので、確実にナンバープレートの全領域が含まれるように、歪み補正基準位置を外側にずらすための定数項を式4〜7に加えても良い。
【0030】
さらに歪み補正手段5は、ステップS6で求めた基準位置に基づき、台形を長方形とする画像変換を行う(ステップS7)。図9の例で説明すると、歪み補正基準位置33〜36を頂点とする台形の領域(台形状のナンバープレート領域)を歪み補正対象とし、当該領域の外接矩形37を求め、歪み補正対象領域の水平ラインがそれぞれ外接矩形37の幅いっぱいになるように、水平ライン毎に拡大する。この画像変換の結果、図10に示す画像が得られる。
【0031】
この画像変換を行うと一連番号の位置もずれてしまうため、歪み補正手段5は、画像変換後、ステップS2で得た各一連番号の座標を補正し、変換後画像における一連番号位置を求め直す(ステップS8)。図9における外接矩形37の左上の点(歪み補正基準位置33)を原点として座標系をとりなおすと、基準位置33が基準位置35より左にあり、かつ基準位置34が基準位置36より右にある場合、画像変換後の座標(OX,OY)と画像変換前の座標(X,Y)は式8〜9の関係にある。このため、ステップS8では、例えば、補正前の一連番号の座標(外接矩形の四隅の座標)に対応した画像変換後の座標を式8〜9で計算した後、当該座標に対応した変換後画像の領域から一連番号と見なせる連結領域を検出し、当該連結領域の位置座標を補正後の一連番号の座標とする。
【0032】
OX=(X+ML×Y)×W÷(W−Y×(MR−ML)) … (式8)
OY=Y … (式9)
【0033】
ここで、MLはナンバープレート左端の傾き量、MRはナンバープレート右端の傾き量、Wは外接矩形37の幅である。基準位置33と基準位置35の位置関係からML≦0で、基準位置34と基準位置36の位置関係からMR≧0となる。
【0034】
最後に、ナンバープレート認識手段6が、ステップS8で補正した一連番号の位置座標を用い、歪み補正後の画像を対象として、一連番号以外の文字の検出と、全文字の認識を行う(ステップS9)。ここでは、例えば、前記三菱電機技報における「ナンバープレート認識技術」の5章「上段文字切出し」と6章「文字認識」に記載の方法を用いる。
【0035】
この実施の形態では、以上の工程を経ることで、位置座標と傾き量との関係を表す関係式に基づいて台形状の領域を求め、当該台形状の領域を長方形に変換するようにしたので、画像中で台形状に歪んだ領域、ここではナンバープレートの領域を長方形に補正でき、当該領域(ナンバープレートの領域)の文字を確実に読み取ることができる。また、大きく安定した一連番号の位置と傾き量からナンバープレート左右端を含む任意の位置の傾き量を推定できるようにしたので、ナンバープレートの各辺が画像から直接検出できない場合でも、歪み補正を実行できる。
【0036】
なお、本実施の形態では、一連番号の位置と傾き量からナンバープレート左右端の位置と傾き量を推定し、歪み補正基準位置を求めるようにしたが、歪み補正基準位置をナンバープレートの四隅の点の近辺にするのでなければ、ナンバープレート左右端の位置と傾き量を求める必要はなく、一連番号の位置と傾き量から歪み補正基準位置を直接求めるようにしても良い。また、歪み補正はナンバープレート全体が含まれる画像領域を対象に行ったが、これは、画像領域をより細かく分け、文字の存在する可能性のある領域だけを選んで実施しても良い。あるいは、ナンバープレート上の文字をすべて検出した後、当該検出パターンを対象に歪み補正する手順にしても良い。また、ナンバープレートの検出や認識の方法として文献記載の方法を用いたが、これは別の方法でも良く、ナンバープレートの検出で一連番号が検出できれば良い。また、傾き角度の異なる複数パターンから傾き最小パターンを選択する方法を3種類説明したが、これは別の方法でも良く、複数の方法を組み合わせても良い。また、ナンバープレート内における傾き量と位置座標との関係式を1次式としたが、これは2次以上の式にしても良い。
【0037】
実施の形態2.
以下、この発明の実施の形態2について説明する。
まず、本実施の形態の構成について説明する。図11は、この発明の実施の形態2の構成を示す概略構成図である。前述の図と同一又は相当部分に同一符号を付し、説明を省略する。図において、7は、垂直方向の歪み補正を行う垂直方向歪み補正手段である。なお、歪み補正手段5は、ナンバープレート領域を長方形に変換した後、水平方向に拡大・縮小するように構成されている。
【0038】
次に、図12から図16までを用いて動作を説明する。図12は、本実施の形態の処理の流れを示す処理フロー図である。図13は、ナンバープレートが垂直方向に傾いている入力画像の例を示す説明図であり、38が入力画像である。図14と図15は、垂直方向歪み補正手段7の動作を説明するための説明図であり、39は一連番号中心位置を結ぶ直線、40は垂直方向歪み補正後の画像の例である。図16は、歪み補正手段5の水平方向拡大・縮小の動作を説明するための説明図であり、41は台形→長方形の画像変換後のプレート領域画像、42から45までは一連番号中心位置のX座標、46から48までは隣接する一連番号の中心位置間の水平方向距離である。
【0039】
まず、実施の形態1と同様の手順で、画像入力手段1が撮像された画像を入力し(ステップT1)、ナンバープレート検出手段2が入力画像中のナンバープレートを検出する(ステップT2)。この実施の形態では、画像入力の際、ナンバープレートの左上方の至近距離から角度をつけて撮像したものとする。この場合、図13の入力画像38のように、画像中のナンバープレートには垂直方向の大きな傾きが加わる。また、撮像倍率も不均一となり、同じナンバープレートの内部でも、カメラに近い部分は大きく、遠い部分は小さく写る。
【0040】
次に、垂直方向歪み補正手段7が、垂直方向の傾き量を計測し(ステップT3)、この傾きがなくなるように画像変換を行う(ステップT4)。このうち傾き量計測では、例えば、実施の形態1で説明した最小二乗法等を用い、検出した一連番号の中心位置を結ぶ直線を求めて、この直線の傾きを垂直方向の傾きとする。図14の直線39がこの例である。垂直方向の画像変換では、ステップT3で求めた垂直方向の傾き量と逆方向に画像をずらし、垂直方向の歪み補正後画像を得る。図14の画像38に対する垂直方向歪み補正後画像が図15の画像40である。
【0041】
さらに垂直方向歪み補正手段7は、ステップT2で得た一連番号の位置を補正し、垂直方向の歪み補正後の画像に対応した一連番号の位置情報を得る(ステップT5)。本ステップの基本的な処理内容は、実施の形態1におけるステップS8と同様であり、補正前の一連番号の座標に対応した画像変換後の座標を求めた後、当該座標に対応した変換後画像の領域から一連番号と見なせる連結領域を検出し、当該連結領域の位置座標を一連番号の座標とする。
【0042】
以降のステップT6〜T11は実施の形態1におけるステップS3〜S8と同様であり、傾き量計測手段3が一連番号の傾き量を求め(ステップT6)、傾き量算式決定手段4がナンバープレート内における傾き量と位置座標との関係式を求める(ステップT7)。さらに歪み補正手段5が、ナンバープレート左右端の位置・傾き量を推定し(ステップT8)、歪み補正の基準位置を決定し(ステップT9)、台形を長方形とする画像変換を行って(ステップT10)、この画像変換に伴う一連番号の位置座標のずれを補正する(ステップT11)。
【0043】
その後、歪み補正手段5は、歪み補正後画像を水平方向に拡大・縮小する(ステップT12)。これは前述の撮像倍率の不均一性を補正するために行うものであり、大きく写っている部分を縮小すると共に、小さく写っている部分を拡大し、全体として同等の倍率になるようにする。ナンバープレートは横長の形状であるため、垂直方向よりも水平方向の方が撮像倍率の不均一性は大きく、従って拡大・縮小は水平方向に行う。実現方法としては、例えば、実施の形態1で説明したナンバープレートの様式情報に基づいて隣接する一連番号間の水平方向距離の標準値をあらかじめ定めておき、画像中の距離と当該標準値との比率に基づいて拡大・縮小する。この動作を図16で説明する。図16において、例えば、プレート領域画像41における水平方向距離46が30画素、水平方向距離47が42画素、水平方向距離48が24画素であったとする。前記水平方向距離の標準値として、一連番号1桁目と2桁目の中心間を27画素、2桁目と3桁目の中心間を42画素、3桁目と4桁目の中心間を27画素と定めておいた場合、X座標42より左側の領域とX座標42〜43の領域は約0.9倍(27÷30)に縮小し、X座標43〜44の領域は標準値に一致するので拡大・縮小せず、X座標44〜45の領域とX座標45より右側の領域は約1.1倍(27÷24)に拡大する。
【0044】
さらに歪み補正手段5は、ステップT11で補正した一連番号の位置座標を、ステップT12で拡大・縮小した後の画像に合わせて、再度補正する(ステップT13)。水平方向の拡大・縮小では斜めに傾ける画像変換は行われないので、本ステップの座標補正では、画像から連結領域を検出するような動作は必要なく、補正前の一連番号の座標値と拡大・縮小の比率から計算により求められる。最後に、ナンバープレート認識手段6が、実施の形態1と同様に、歪み補正後の画像を対象として、一連番号以外の文字の検出と、全文字の認識を行う(ステップT14)。
【0045】
この実施の形態では、以上の工程を経ることで、画像中のナンバープレートに垂直方向の大きな傾きが加わっている場合でも、垂直方向の歪み補正を行うようにしたので、台形状の領域を適正に長方形に補正でき、当該ナンバープレートの文字をより確実に読み取ることができる。
【0046】
また、歪み補正の後に、例えば、ナンバープレート内の文字の間隔に基づいて、水平方向の拡大・縮小を行うことで、ナンバープレート内の撮像倍率の不均一性を補正でき、至近距離から斜めに撮った画像のナンバープレートも読み取ることができる。
【0047】
なお、本実施の形態では、垂直方向歪み補正を行った後の画像に対して台形→長方形変換を行ったが、この両方の画像変換を同時に行うようにしても良い。また、垂直方向の傾き量計測と画像変換の方法として、一連番号の中心位置を結ぶ直線の傾きを垂直方向の傾きとし、この直線が水平になるように画像変換する方法を用いたが、これは別の方法でも良く、例えば、特開2002−7961号公報の図2及びpp.5−6に記載の補正方法を用いても良い。この方法を用いれば、プレートの上辺と下辺が平行でない画像が入力された場合でも、上辺と下辺の両方が水平になるように変換できる。また、水平方向の拡大・縮小において、ナンバープレート領域を三つの部分に分け、それぞれ異なる倍率で拡大・縮小したが、これはもっと多くの部分に分けても良い。
【0048】
実施の形態3.
以下、この発明の実施の形態3について説明する。
概略構成図は実施の形態1と同じく図1である。ただし、傾き量計測手段3は、入力画像内の文字の傾き量に加え、文字が所定プレート上に配置された入力画像から、当該入力画像内の所定プレートの左辺部分と右辺部分の傾き量を求めるように構成されている。ここでは、ナンバープレートの左辺部分と右辺部分の傾き量を求める。また、傾き量算式決定手段4は、文字の傾き量とその文字の位置座標に加え、前記所定プレートの左辺部分と右辺部分の傾き量とその左辺部分と右辺部分の位置座標から、位置座標と傾き量との関係を表す関係式を求めるように構成されている。ここでは、一連番号とナンバープレート左辺・右辺の位置座標と傾き量から、ナンバープレート内における傾き量と位置座標との関係式を求める。
【0049】
次に、図3と図17から図19を用いて動作を説明する。
図17は、本実施の形態の処理の流れを示す処理フロー図である。図18は、傾き量計測手段3が処理対象とするナンバープレート左辺部分と右辺部分を説明するための説明図であり、49が左辺の検出対象領域、50が右辺の検出対象領域である。図19は、傾き量算式決定手段4の動作を説明するための説明図であり、51がナンバープレート左辺のX座標と傾き量を示す点、52がナンバープレート右辺のX座標と傾き量を示す点、53が近似直線である。
【0050】
まず、実施の形態1におけるステップS1〜S3と同様に、画像入力手段1が画像を入力し(ステップU1)、ナンバープレート検出手段2が入力画像中のナンバープレートを検出し(ステップU2)、傾き量計測手段3が一連番号の各パターンの傾き量を求める(ステップU3)。
【0051】
その後、傾き量計測手段3は、入力画像からナンバープレートの左辺と右辺を検出すると共に、その傾き量を計測する(ステップU4)。まず、ナンバープレートの左辺と右辺の大まかな位置は、実施の形態1における式4と式5で計算できるので、この位置を中心とした所定サイズの領域を左辺・右辺の検出対象領域とする。例えば、図3の入力画像8については、図18の破線枠49が左辺の検出対象領域、破線枠50が右辺の検出対象領域となる。この検出対象領域から左辺・右辺を検出する方法としては、例えば、電子情報通信学会論文誌 Vol.J70−D No.7 pp.1383−1389 「ピラミッド階層化高速ハフ変換を用いたナンバプレート領域抽出」の6.1節に記載された垂直線の抽出法を用いる。これは、ナンバープレートの左辺と右辺を直線として検出するもので、この方法により、左辺・右辺の位置と傾き量が得られる。
【0052】
そして、傾き量算式決定手段4は、一連番号とナンバープレート左辺・右辺の位置座標と傾き量から、ナンバープレート内における傾き量と位置座標との関係式を求める(ステップU5)。この実現方法としては、例えば、実施の形態1と同様に、関係式を1次式として定数を求める。これは、図19に示すように、各一連番号の中心X座標と傾き量を示す点26〜29に、さらに左辺のX座標と傾き量を表わす点51と、右辺のX座標と傾き量を表わす点52を加えて、近似直線53を求めることに相当する。用いる点の数が増えることで、より精度の良い関係式が求められる。また、例えばステップU2で一連番号4桁のうち1桁しか検出できなかった場合、一連番号の情報だけでは関係式を求めることができないが、左辺と右辺の情報を加えることで、関係式が求められるようになる。
【0053】
以降のステップU6〜U10は実施の形態1におけるステップS5〜S9と同一であり、歪み補正手段5が、ナンバープレート左右端の位置・傾き量を推定し(ステップU6)、歪み補正の基準位置を決定し(ステップU7)、台形を長方形とする画像変換を行い(ステップU8)、この画像変換に伴う一連番号の位置座標のずれを補正して(ステップU9)、最後にナンバープレート認識手段6が文字検出・認識を行う(ステップU10)。
【0054】
この実施の形態では、以上の工程を経ることで、一連番号とナンバープレート左辺・右辺の位置座標と傾き量から、ナンバープレート内における傾き量と位置座標との関係式を求めるようにしたので、ナンバープレート内における傾き量と位置座標との関係式がより精度良く求められると共に、一連番号の多くが検出できなかった場合でも、適正に歪み補正が行える。
【0055】
実施の形態4.
以下、この発明の実施の形態4について説明する。
概略構成図は実施の形態1と同じく図1である。ただし、傾き量算式決定手段4は、平行四辺形状の歪みに対応した関係式と、台形状の歪みに対応した関係式の二つを求めた後、所定の評価基準に従ってどちらかを選択するように構成されている。
【0056】
次に、図20から図22を用いて動作を説明する。
図20は、本実施の形態の処理の流れを示す処理フロー図である。図21と図22は、傾き量算式決定手段4の動作を説明するための説明図であり、54〜57が一連番号中心位置のX座標と傾き量を示す点、58が台形→長方形変換に対応した関係式を示す直線、59が平行四辺形→長方形変換に対応した関係式を示す直線である。
【0057】
まず、実施の形態1におけるステップS1〜S3と同様に、画像入力手段1が画像を入力し(ステップV1)、ナンバープレート検出手段2が入力画像中のナンバープレートを検出し(ステップV2)、傾き量計測手段3が一連番号の各パターンの傾き量を求める(ステップV3)。そして、傾き量算式決定手段4が、一連番号の位置座標と傾き量から、ナンバープレート内における傾き量と位置座標との関係式を推定する(ステップV4)。この推定では、実施の形態1におけるステップS4の方法で求める関係式(以下、これを台形対応関係式と呼ぶ)と、ナンバープレートが平行四辺形状に歪んでいることを仮定した関係式(以下、これを平行四辺形対応関係式と呼ぶ)の二つを求める。平行四辺形状の歪みの場合は、位置座標にかかわらず傾き量が一定となるので、平行四辺形対応関係式は例えば下記の式10で表わせる。この関係式を図で表現したものが図21と図22であり、一連番号の中心位置のX座標と傾き量を示す点54〜57から求めた台形対応関係式を求めると図21の直線58となり、平行四辺形対応関係式を求めると図22の直線59となる。
【0058】
m=c … (式10)
【0059】
ただし、mは傾き量、cは定数。cは、例えば、各一連番号から求めた傾き量を平均して求める
【0060】
次に、傾き量算式決定手段4は、所定の評価基準に従ってステップV4で求めた二つの関係式のどちらかを選択する(ステップV5)。本実施の形態では、式11と式12で関係式の評価値を求め、この評価値が小さい方を選択するものとする。
【0061】
EV1=ER1 … (式11)
EV2=ER2−d … (式12)
【0062】
ただし、EV1は台形対応関係式の評価値、EV2は平行四辺形対応関係式の評価値、dは調整用の定数である。また、ER1とER2は関係式の当てはまり度合いを示す誤差値であり、例えば、ER1は図21における点54〜57のそれぞれと直線58との垂直距離の2乗和、ER2は図22における点54〜57のそれぞれと直線59との垂直距離の2乗和である。
【0063】
台形対応関係式は、台形状の歪みに対応できるものの、一連番号から求めた傾き量の誤差が大きい場合は、かえって悪影響を及ぼす可能性がある。一方、平行四辺形対応関係式は、平行四辺形状の歪みにしか対応できないが、一連番号すべてから一つの傾き量を求めれば良いので、台形対応関係式に比べて入力値の誤差に対する耐性が強い。ステップV5における関係式の選択は、この両者の良いところを取り入れるために行うもので、入力画像におけるナンバープレートが平行四辺形に近い形状であれば、誤差の影響を受けにくい平行四辺形対応関係式を選択し、平行四辺形からかけ離れた形状なら台形対応関係式を選択することになる。
【0064】
以降のステップV6〜V10は、ステップV5で選択した関係式を使うことを除き、実施の形態1におけるステップS5〜S9と同一であり、歪み補正手段5が、ナンバープレート左右端の位置・傾き量を推定し(ステップV6)、歪み補正の基準位置を決定し(ステップV7)、台形を長方形とする画像変換を行い(ステップV8)、この画像変換に伴う一連番号の位置座標のずれを補正して(ステップV9)、最後にナンバープレート認識手段6が文字検出・認識を行う(ステップV10)。なお、ステップV8では常に台形を長方形とする画像変換が行われることになるが、平行四辺形は台形に含まれるので、同じ処理で台形対応関係式にも平行四辺形対応関係式にも対応でき、問題ない。
【0065】
この実施の形態では、以上の工程を経ることで、平行四辺形状の歪みに対応した関係式と、台形状の歪みに対応した関係式の二つを求めた後、所定の評価基準に従ってどちらかを選択するようにしたので、平行四辺形の歪みを安定して補正できると同時に、台形の歪みも補正することができ、歪みの形状によらず、ナンバープレートの文字を確実に読み取ることができる。
【0066】
なお、本実施の形態では、関係式の評価値として式11と式12を用いたが、これは両者を比較できるものなら、別の式を用いても良い。
【0067】
なお、実施の形態1〜4では、普通自動車のナンバープレートを読み取る場合で説明したが、これは、プレート上に刻印または印刷された文字の大きさ・配置などの様式情報が定められたプレートであれば、普通自動車以外のナンバープレートでも良く、あるいは、他のプレートでも良い。また、実施の形態1〜4の各構成を適宜組み合わせて用いても良い。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】実施の形態1、3、4による文字読取装置の構成を示す概略構成図である。
【図2】実施の形態1の処理の流れを示す処理フロー図である。
【図3】入力画像の例を示す説明図である。
【図4】一連番号のパターンに所定の傾きを加えた例を示す説明図である。
【図5】各一連番号の傾き量の計測方法を説明するための説明図である。
【図6】各一連番号の傾き量の計測方法を説明するための説明図である。
【図7】傾き量算式決定手段4の動作を説明するための説明図である。
【図8】歪み補正手段5の動作を説明するための説明図である。
【図9】歪み補正手段5の動作を説明するための説明図である。
【図10】歪み補正手段5の処理結果を示す説明図である。
【図11】実施の形態2による文字読取装置の構成を示す概略構成図である。
【図12】実施の形態2の処理の流れを示す処理フロー図である。
【図13】ナンバープレートが垂直方向に傾いている入力画像の例を示す説明図である。
【図14】垂直方向歪み補正手段7の動作を説明するための説明図である。
【図15】垂直方向歪み補正手段7の動作を説明するための説明図である。
【図16】歪み補正手段5の水平方向拡大・縮小の動作を説明するための説明図である。
【図17】実施の形態3の処理の流れを示す処理フロー図である。
【図18】ナンバープレート左辺部分と右辺部分を説明するための説明図である。
【図19】傾き量算式決定手段4の動作を説明するための説明図である。
【図20】実施の形態4の処理の流れを示す処理フロー図である。
【図21】傾き量算式決定手段4の動作を説明するための説明図である。
【図22】傾き量算式決定手段4の動作を説明するための説明図である。
【符号の説明】
【0069】
1 画像入力手段、2 ナンバープレート検出手段、3 傾き量計測手段、4 傾き量算式決定手段、5 歪み補正手段、6 ナンバープレート認識手段、7 垂直方向歪み補正手段。
【技術分野】
【0001】
この発明は、歪んで変形して見える画像から、自動的に文字を読み取る文字読取装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
カメラで斜め方向からナンバープレートを撮像すると、長方形であるナンバープレートが画像中では歪んで変形して見えるため、この歪みを補正してから読み取りを行う必要がある。歪み補正を伴う従来の読み取り技術としては、例えば、特開平8−320990号公報(特許文献1)に示されるものがある。この技術では、検出したナンバープレートの一連番号(大きな4桁の数字)から回帰直線を算出し、その傾きからアフィン変換マトリックスを求めることで、平行四辺形に歪んだナンバープレート画像を補正し、読み取りを行う。
【0003】
また、歪み補正に関する他の従来技術としては、特開平11−73514号公報(特許文献2)に示されるものがあり、この技術では、画像から四角形を検出して各辺の傾きを求め、対辺が平行となるように画像変換することで、任意の四角形を長方形に補正する。
【0004】
【特許文献1】特開平8−320990号公報(段落番号[0017]から[0022]、図1)
【特許文献2】特開平11−73514号公報(段落番号[0005]から[0006])
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記特許文献1に示された従来のナンバープレート読取装置では、平行四辺形の歪みにしか対応していないため、至近距離から撮像して台形状に歪んだナンバープレートは適正に補正することができないという課題があった。前記特許文献2の歪み補正法を用いれば台形状の歪みも補正できるが、車両とナンバープレートが同じような色の場合や、影がかかっている場合など、画像から直接ナンバープレートの各辺を求めることが難しいケースも多く、このような場合には適正に補正できない。
【0006】
この発明は、前記のような課題を解決するためになされたものであり、ナンバープレート等の領域の各辺が画像から検出できない場合でも、台形状に歪んだ領域を長方形に補正でき、至近距離から撮像された画像の文字を読み取ることのできる文字読取装置を得ることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係る文字読取装置は、入力画像内の文字の傾き量を求める傾き量計測手段と、前記傾き量計測手段の求めた文字の傾き量とその文字の位置座標から、位置座標と傾き量との関係を表す関係式を求める傾き量算式決定手段と、前記傾き量算式決定手段の求めた関係式に基づいて台形状の領域を求め、当該台形状の領域を長方形に変換する歪み補正手段と、前記歪み補正手段の補正した領域の画像から文字パターンを抽出して認識する文字認識手段とを備えたものである。
【発明の効果】
【0008】
この発明によれば、位置座標と傾き量との関係を表す関係式に基づいて台形状の領域を求め、当該台形状の領域を長方形に変換するようにしたので、画像中で台形状に歪んだ領域を長方形に補正でき、当該領域の文字を確実に読み取ることができる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1について説明する。
まず、本実施の形態の構成について説明する。図1は、この発明の実施の形態1の構成を示す概略構成図である。図において、1は、撮像された画像を入力する画像入力手段である。2は、前記画像入力手段1によって入力された入力画像からナンバープレートを検出するナンバープレート検出手段である。3は、入力画像内の文字の傾き量を求める傾き量計測手段であり、ここでは、前記ナンバープレート検出手段2で入力画像から検出されたナンバープレート内の文字の傾き量を求める。4は、前記傾き量計測手段3の求めた文字の傾き量とその文字の位置座標から、位置座標と傾き量との関係を表す関係式を求める傾き量算式決定手段であり、ここでは、前記傾き量計測手段3の求めた複数文字の各文字の傾き量とその文字の位置座標から、ナンバープレート内における傾き量と位置座標との関係式を求める。5は、前記傾き量算式決定手段4の求めた関係式に基づいて台形状の領域を求め、当該台形状の領域を長方形に変換する歪み補正手段である。6は、前記歪み補正手段5の補正した領域の画像から文字パターンを抽出して認識する文字認識手段であり、ここでは、前記歪み補正手段5の補正したナンバープレート領域の画像からナンバープレートの文字パターンを抽出して認識するナンバープレート認識手段である。
【0010】
次に、図2から図10までを用いて動作を説明する。図2は、本実施の形態の処理の流れを示す処理フロー図である。図3は、入力画像の例を示す説明図であり、8が入力画像、9がナンバープレート、10が一連番号を示す。図4、は検出した一連番号のパターンに所定の傾きを加えた例を示す説明図であり、11が検出したパターン、12から15までが検出パターン11を傾けたパターンである。図5と図6は、各一連番号の傾き量の計測方法を説明するための説明図であり、16から20までが各パターンの幅、21から25までが各パターンの垂直投影データである。図7は、傾き量算式決定手段4の動作を説明するための説明図であり、26から29までが各一連番号の中心のX座標と傾き量を示す点であり、30が近似直線である。図8と図9は、歪み補正手段5の動作を説明するための説明図であり、31と32がナンバープレート左右端の推定位置、33から36までがナンバープレートの歪み補正の基準位置、37が歪み補正対象領域の外接矩形を示す。図10は、歪み補正手段5の処理結果を示す説明図である。
【0011】
まず、画像入力手段1が撮像された画像を入力し(ステップS1)、ナンバープレート検出手段2が入力画像中のナンバープレートを検出する(ステップS2)。ここで、画像の入力は例えばカメラ等を用いて行い、ナンバープレートの検出は、例えば、三菱電機技報 Vol.62 No.2 pp.9−12 「ナンバープレート認識技術」の4章「ナンバープレート抽出と下段文字切出し」に記載の方法を用いる。この結果、図3の入力画像からはナンバープレート9の一連番号10の各パターンが検出され、それぞれの位置座標が得られる。なお、今後の説明において、位置座標は、図3に示す通り、入力画像の左上を原点とし、垂直座標をY軸、水平座標をX軸で表現する。
【0012】
次に、傾き量計測手段3が一連番号の各パターンの傾き量を求める(ステップS3)。この傾き量は、図4に示すように、検出した一連番号パターン11をそれぞれ異なる所定の角度傾けて複数パターン作成し、この中で傾きの最も小さいパターンを選択することで求める。例えば、パターン11を−10度傾けてパターン12を作成し、同様に、−20度傾けてパターン13を、10度傾けてパターン14を、20度傾けてパターン15を作成する。この時、傾きのないパターンとしてパターン12が選択できれば、−10度傾けたものが傾きなしパターンであるのだから、元のパターン11は逆に10度傾いたパターンであると判断できる。なお、傾き量計測手段3の出力する傾き量は、前記傾き角度の正接関数値とする。すなわち、傾き角度10度であれば傾き量はtan(10)とする。
【0013】
傾き角度の異なる複数パターンから傾き最小パターンを選択する方法としては、例えば、パターン幅を評価値として、この値が最も小さいものを選択する方法がある。図5がこの例であり、パターン11〜15の幅16〜20のうち最小となるのは幅18であり、対応するパターン12が傾き最小のパターンとなる。あるいは、各パターンの形状と、事前に保持しておいた一連番号(0〜9すべて)の傾きなしの形状データとを比較し、その差を評価値として、評価値最小のものを選択するという方法もある。この形状データとは、例えば、文字パターンそのものであり、パターンの幅・高さを所定サイズに合わせた後、画素毎に比較して、値の異なる画素の数をカウントし、当該カウント値を評価値にする。また、形状データの他の例としては、より高速に照合可能な文字パターンの垂直投影データも考えられ、この場合は、図6に示すように、パターン11〜15から垂直投影データ21〜25をそれぞれ作成し、データ長(幅)を所定サイズに拡大・縮小した後、事前に保持しておいた垂直投影データと比較し、差の絶対値の総和を評価値として、評価値最小のものを選択する。
【0014】
その後、傾き量算式決定手段4は、傾き量計測手段3の求めた各一連番号の傾き量と各一連番号の位置座標からナンバープレート内における傾き量と位置座標との関係式を求める(ステップS4)。例えば関係式を1次式とすると、一連番号の傾き量をm、一連番号の中心位置のX座標をXとして、下記の式1で表わせ、本式における定数aとbを求めることで、関係式が得られる。これは、図7に示すように、各一連番号の中心X座標と傾き量を示す点26〜29から、その近似直線30を求めることに相当する。
【0015】
m=a×X+b … (式1)
【0016】
定数aとbを求める方法としては、例えば、共立出版発行 金谷健一著「これなら分かる応用数学教室」pp.1−2に記載の最小二乗法が使用できる。あるいは、新技術コミュニケーションズ発行 「コンピュータビジョン:技術評論と将来展望」pp.198−200に記載されたロバスト統計に基づく推定法を使用すれば、計測値に大きな誤差が含まれるような場合でも適正な関係式を求めることができる。
【0017】
なお、一連番号の中心位置のY座標が大きく異なる場合は、このY座標差の影響を除外するため、上記の式1のXをnに置き換えた下記の式2を用いても良い。
【0018】
m=a×n+b … (式2)
【0019】
ただし、nはY座標差の影響を除外するため一連番号の中心位置のX座標を傾き量で補正した値(以下、補正後X座標と呼ぶ)であり、一連番号各桁の補正後X座標は下記の式3で計算できる。
【0020】
ni=Xi+(Yi−Y´)×mi … (式3)
【0021】
ここで、ni、Xi、Yiは一連番号i桁目の座標情報であり、niが補正後X座標、Xiが補正前のX座標(中心位置のX座標)、Yiが中心位置のY座標である。また、miはステップS3において一連番号i桁目から求めた傾き量であり、Y´は式3における補正の基準となるY座標(以下、補正基準Y座標と呼ぶ)である。この補正基準Y座標は、一連番号の存在領域内であればどんな値でも良く、例えば、一連番号中心位置のY座標の平均値が使用できる。
【0022】
次に、歪み補正手段5が、ナンバープレートの左右端位置と当該位置における傾き量を推定する(ステップS5)。この際、まずはナンバープレートの左右端位置を求めるが、車両のナンバープレートの様式(大きさや文字の配置)は、交文社発行 「自動車登録関係通達・情報集」pp.1101−1103に記載のように法令で定められており、この様式情報と検出した一連番号の座標から求められる。例えば、左右端のX座標は以下の式4と式5で算出できる。
【0023】
XL=X1−CL×(X4−X1)÷D … (式4)
XR=X4+CR×(X4−X1)÷D … (式5)
【0024】
ここで、XLとXRとX1とX4は画像中のX座標であり、XLがナンバープレート左端、XRがナンバープレート右端、X1が一連番号の1桁目中心位置、X4が4桁目中心位置である。また、CLとCRとDは様式情報における水平方向(X軸方向)の距離であり、CLはナンバープレート左端と一連番号の1桁目中心位置との距離、CRは一連番号の4桁目中心位置とナンバープレート右端との距離、Dは一連番号の1桁目中心位置と4桁目中心位置との距離を示す。
【0025】
左右端のY座標については、前記ステップS4で式2を用いた場合は、左端も右端も補正基準Y座標の値とする。式2を用いなかった場合は、例えば、最も近い一連番号(左端なら1桁目、右端なら4桁目)の中心位置のY座標を用いる。図8の例で説明すると、ここまでの処理により、ナンバープレート9の左端位置31と右端位置32の位置座標が決定できる。ナンバープレート左右端の位置座標が決まった後、それぞれの傾き量を、傾き量算式決定手段4の決定した算式に基づいて計算する。
【0026】
その後、歪み補正手段5は、ナンバープレート左右端の位置と傾き量から、歪み補正の基準とする位置座標を決定する(ステップS6)。この際、まずナンバープレートを含む領域の上端と下端のY座標を定める。これは、例えば、以下の式6と式7で計算できる。
【0027】
YU=Min(Y1,Y4)−DU×HA÷HF … (式6)
YD=Max(Y1,Y4)+DD×HA÷HF … (式7)
【0028】
ここで、YUは上端Y座標、YDは下端Y座標、Y1は一連番号1桁目の、Y4は4桁目の中心位置のY座標である。Minは最小値をとる演算子、Maxは最大値をとる演算子であり、HAは一連番号の中で最も高さが大きいものの高さの値である。DU、DD、HFは前述のナンバープレート様式情報で規定される数値であり、DUは一連番号中心位置とナンバープレート上端との垂直方向距離、DDは一連番号中心位置とナンバープレート下端との垂直方向距離、HFは一連番号の数字の高さである。図9に示すような、ナンバープレートの垂直方向の傾きがない画像であれば、YUはナンバープレート上辺のY座標に、YDは下辺のY座標と概ね同じ位置となる。
【0029】
次に、ステップS5で求めたナンバープレート左右端位置から、それぞれの傾き量に従って上下方向に伸ばした直線が上記の上端・下端Y座標で通る点を求め、これを歪み補正基準位置とする。この歪み補正基準位置で特定される領域が、歪み補正の対象となる台形状のナンバープレート領域である。ナンバープレート左右端位置が実際のプレート左辺・右辺上にあり、かつ上端Y座標と下端Y座標が実際のプレート上辺・下辺に一致している場合は、図8に示すように、歪み補正基準位置33〜36はナンバープレートの四隅と一致する。なお、この歪み補正基準位置は必ずしもナンバープレートの四隅の点である必要はなく、内部にナンバープレートを含む位置の点であれば良いので、確実にナンバープレートの全領域が含まれるように、歪み補正基準位置を外側にずらすための定数項を式4〜7に加えても良い。
【0030】
さらに歪み補正手段5は、ステップS6で求めた基準位置に基づき、台形を長方形とする画像変換を行う(ステップS7)。図9の例で説明すると、歪み補正基準位置33〜36を頂点とする台形の領域(台形状のナンバープレート領域)を歪み補正対象とし、当該領域の外接矩形37を求め、歪み補正対象領域の水平ラインがそれぞれ外接矩形37の幅いっぱいになるように、水平ライン毎に拡大する。この画像変換の結果、図10に示す画像が得られる。
【0031】
この画像変換を行うと一連番号の位置もずれてしまうため、歪み補正手段5は、画像変換後、ステップS2で得た各一連番号の座標を補正し、変換後画像における一連番号位置を求め直す(ステップS8)。図9における外接矩形37の左上の点(歪み補正基準位置33)を原点として座標系をとりなおすと、基準位置33が基準位置35より左にあり、かつ基準位置34が基準位置36より右にある場合、画像変換後の座標(OX,OY)と画像変換前の座標(X,Y)は式8〜9の関係にある。このため、ステップS8では、例えば、補正前の一連番号の座標(外接矩形の四隅の座標)に対応した画像変換後の座標を式8〜9で計算した後、当該座標に対応した変換後画像の領域から一連番号と見なせる連結領域を検出し、当該連結領域の位置座標を補正後の一連番号の座標とする。
【0032】
OX=(X+ML×Y)×W÷(W−Y×(MR−ML)) … (式8)
OY=Y … (式9)
【0033】
ここで、MLはナンバープレート左端の傾き量、MRはナンバープレート右端の傾き量、Wは外接矩形37の幅である。基準位置33と基準位置35の位置関係からML≦0で、基準位置34と基準位置36の位置関係からMR≧0となる。
【0034】
最後に、ナンバープレート認識手段6が、ステップS8で補正した一連番号の位置座標を用い、歪み補正後の画像を対象として、一連番号以外の文字の検出と、全文字の認識を行う(ステップS9)。ここでは、例えば、前記三菱電機技報における「ナンバープレート認識技術」の5章「上段文字切出し」と6章「文字認識」に記載の方法を用いる。
【0035】
この実施の形態では、以上の工程を経ることで、位置座標と傾き量との関係を表す関係式に基づいて台形状の領域を求め、当該台形状の領域を長方形に変換するようにしたので、画像中で台形状に歪んだ領域、ここではナンバープレートの領域を長方形に補正でき、当該領域(ナンバープレートの領域)の文字を確実に読み取ることができる。また、大きく安定した一連番号の位置と傾き量からナンバープレート左右端を含む任意の位置の傾き量を推定できるようにしたので、ナンバープレートの各辺が画像から直接検出できない場合でも、歪み補正を実行できる。
【0036】
なお、本実施の形態では、一連番号の位置と傾き量からナンバープレート左右端の位置と傾き量を推定し、歪み補正基準位置を求めるようにしたが、歪み補正基準位置をナンバープレートの四隅の点の近辺にするのでなければ、ナンバープレート左右端の位置と傾き量を求める必要はなく、一連番号の位置と傾き量から歪み補正基準位置を直接求めるようにしても良い。また、歪み補正はナンバープレート全体が含まれる画像領域を対象に行ったが、これは、画像領域をより細かく分け、文字の存在する可能性のある領域だけを選んで実施しても良い。あるいは、ナンバープレート上の文字をすべて検出した後、当該検出パターンを対象に歪み補正する手順にしても良い。また、ナンバープレートの検出や認識の方法として文献記載の方法を用いたが、これは別の方法でも良く、ナンバープレートの検出で一連番号が検出できれば良い。また、傾き角度の異なる複数パターンから傾き最小パターンを選択する方法を3種類説明したが、これは別の方法でも良く、複数の方法を組み合わせても良い。また、ナンバープレート内における傾き量と位置座標との関係式を1次式としたが、これは2次以上の式にしても良い。
【0037】
実施の形態2.
以下、この発明の実施の形態2について説明する。
まず、本実施の形態の構成について説明する。図11は、この発明の実施の形態2の構成を示す概略構成図である。前述の図と同一又は相当部分に同一符号を付し、説明を省略する。図において、7は、垂直方向の歪み補正を行う垂直方向歪み補正手段である。なお、歪み補正手段5は、ナンバープレート領域を長方形に変換した後、水平方向に拡大・縮小するように構成されている。
【0038】
次に、図12から図16までを用いて動作を説明する。図12は、本実施の形態の処理の流れを示す処理フロー図である。図13は、ナンバープレートが垂直方向に傾いている入力画像の例を示す説明図であり、38が入力画像である。図14と図15は、垂直方向歪み補正手段7の動作を説明するための説明図であり、39は一連番号中心位置を結ぶ直線、40は垂直方向歪み補正後の画像の例である。図16は、歪み補正手段5の水平方向拡大・縮小の動作を説明するための説明図であり、41は台形→長方形の画像変換後のプレート領域画像、42から45までは一連番号中心位置のX座標、46から48までは隣接する一連番号の中心位置間の水平方向距離である。
【0039】
まず、実施の形態1と同様の手順で、画像入力手段1が撮像された画像を入力し(ステップT1)、ナンバープレート検出手段2が入力画像中のナンバープレートを検出する(ステップT2)。この実施の形態では、画像入力の際、ナンバープレートの左上方の至近距離から角度をつけて撮像したものとする。この場合、図13の入力画像38のように、画像中のナンバープレートには垂直方向の大きな傾きが加わる。また、撮像倍率も不均一となり、同じナンバープレートの内部でも、カメラに近い部分は大きく、遠い部分は小さく写る。
【0040】
次に、垂直方向歪み補正手段7が、垂直方向の傾き量を計測し(ステップT3)、この傾きがなくなるように画像変換を行う(ステップT4)。このうち傾き量計測では、例えば、実施の形態1で説明した最小二乗法等を用い、検出した一連番号の中心位置を結ぶ直線を求めて、この直線の傾きを垂直方向の傾きとする。図14の直線39がこの例である。垂直方向の画像変換では、ステップT3で求めた垂直方向の傾き量と逆方向に画像をずらし、垂直方向の歪み補正後画像を得る。図14の画像38に対する垂直方向歪み補正後画像が図15の画像40である。
【0041】
さらに垂直方向歪み補正手段7は、ステップT2で得た一連番号の位置を補正し、垂直方向の歪み補正後の画像に対応した一連番号の位置情報を得る(ステップT5)。本ステップの基本的な処理内容は、実施の形態1におけるステップS8と同様であり、補正前の一連番号の座標に対応した画像変換後の座標を求めた後、当該座標に対応した変換後画像の領域から一連番号と見なせる連結領域を検出し、当該連結領域の位置座標を一連番号の座標とする。
【0042】
以降のステップT6〜T11は実施の形態1におけるステップS3〜S8と同様であり、傾き量計測手段3が一連番号の傾き量を求め(ステップT6)、傾き量算式決定手段4がナンバープレート内における傾き量と位置座標との関係式を求める(ステップT7)。さらに歪み補正手段5が、ナンバープレート左右端の位置・傾き量を推定し(ステップT8)、歪み補正の基準位置を決定し(ステップT9)、台形を長方形とする画像変換を行って(ステップT10)、この画像変換に伴う一連番号の位置座標のずれを補正する(ステップT11)。
【0043】
その後、歪み補正手段5は、歪み補正後画像を水平方向に拡大・縮小する(ステップT12)。これは前述の撮像倍率の不均一性を補正するために行うものであり、大きく写っている部分を縮小すると共に、小さく写っている部分を拡大し、全体として同等の倍率になるようにする。ナンバープレートは横長の形状であるため、垂直方向よりも水平方向の方が撮像倍率の不均一性は大きく、従って拡大・縮小は水平方向に行う。実現方法としては、例えば、実施の形態1で説明したナンバープレートの様式情報に基づいて隣接する一連番号間の水平方向距離の標準値をあらかじめ定めておき、画像中の距離と当該標準値との比率に基づいて拡大・縮小する。この動作を図16で説明する。図16において、例えば、プレート領域画像41における水平方向距離46が30画素、水平方向距離47が42画素、水平方向距離48が24画素であったとする。前記水平方向距離の標準値として、一連番号1桁目と2桁目の中心間を27画素、2桁目と3桁目の中心間を42画素、3桁目と4桁目の中心間を27画素と定めておいた場合、X座標42より左側の領域とX座標42〜43の領域は約0.9倍(27÷30)に縮小し、X座標43〜44の領域は標準値に一致するので拡大・縮小せず、X座標44〜45の領域とX座標45より右側の領域は約1.1倍(27÷24)に拡大する。
【0044】
さらに歪み補正手段5は、ステップT11で補正した一連番号の位置座標を、ステップT12で拡大・縮小した後の画像に合わせて、再度補正する(ステップT13)。水平方向の拡大・縮小では斜めに傾ける画像変換は行われないので、本ステップの座標補正では、画像から連結領域を検出するような動作は必要なく、補正前の一連番号の座標値と拡大・縮小の比率から計算により求められる。最後に、ナンバープレート認識手段6が、実施の形態1と同様に、歪み補正後の画像を対象として、一連番号以外の文字の検出と、全文字の認識を行う(ステップT14)。
【0045】
この実施の形態では、以上の工程を経ることで、画像中のナンバープレートに垂直方向の大きな傾きが加わっている場合でも、垂直方向の歪み補正を行うようにしたので、台形状の領域を適正に長方形に補正でき、当該ナンバープレートの文字をより確実に読み取ることができる。
【0046】
また、歪み補正の後に、例えば、ナンバープレート内の文字の間隔に基づいて、水平方向の拡大・縮小を行うことで、ナンバープレート内の撮像倍率の不均一性を補正でき、至近距離から斜めに撮った画像のナンバープレートも読み取ることができる。
【0047】
なお、本実施の形態では、垂直方向歪み補正を行った後の画像に対して台形→長方形変換を行ったが、この両方の画像変換を同時に行うようにしても良い。また、垂直方向の傾き量計測と画像変換の方法として、一連番号の中心位置を結ぶ直線の傾きを垂直方向の傾きとし、この直線が水平になるように画像変換する方法を用いたが、これは別の方法でも良く、例えば、特開2002−7961号公報の図2及びpp.5−6に記載の補正方法を用いても良い。この方法を用いれば、プレートの上辺と下辺が平行でない画像が入力された場合でも、上辺と下辺の両方が水平になるように変換できる。また、水平方向の拡大・縮小において、ナンバープレート領域を三つの部分に分け、それぞれ異なる倍率で拡大・縮小したが、これはもっと多くの部分に分けても良い。
【0048】
実施の形態3.
以下、この発明の実施の形態3について説明する。
概略構成図は実施の形態1と同じく図1である。ただし、傾き量計測手段3は、入力画像内の文字の傾き量に加え、文字が所定プレート上に配置された入力画像から、当該入力画像内の所定プレートの左辺部分と右辺部分の傾き量を求めるように構成されている。ここでは、ナンバープレートの左辺部分と右辺部分の傾き量を求める。また、傾き量算式決定手段4は、文字の傾き量とその文字の位置座標に加え、前記所定プレートの左辺部分と右辺部分の傾き量とその左辺部分と右辺部分の位置座標から、位置座標と傾き量との関係を表す関係式を求めるように構成されている。ここでは、一連番号とナンバープレート左辺・右辺の位置座標と傾き量から、ナンバープレート内における傾き量と位置座標との関係式を求める。
【0049】
次に、図3と図17から図19を用いて動作を説明する。
図17は、本実施の形態の処理の流れを示す処理フロー図である。図18は、傾き量計測手段3が処理対象とするナンバープレート左辺部分と右辺部分を説明するための説明図であり、49が左辺の検出対象領域、50が右辺の検出対象領域である。図19は、傾き量算式決定手段4の動作を説明するための説明図であり、51がナンバープレート左辺のX座標と傾き量を示す点、52がナンバープレート右辺のX座標と傾き量を示す点、53が近似直線である。
【0050】
まず、実施の形態1におけるステップS1〜S3と同様に、画像入力手段1が画像を入力し(ステップU1)、ナンバープレート検出手段2が入力画像中のナンバープレートを検出し(ステップU2)、傾き量計測手段3が一連番号の各パターンの傾き量を求める(ステップU3)。
【0051】
その後、傾き量計測手段3は、入力画像からナンバープレートの左辺と右辺を検出すると共に、その傾き量を計測する(ステップU4)。まず、ナンバープレートの左辺と右辺の大まかな位置は、実施の形態1における式4と式5で計算できるので、この位置を中心とした所定サイズの領域を左辺・右辺の検出対象領域とする。例えば、図3の入力画像8については、図18の破線枠49が左辺の検出対象領域、破線枠50が右辺の検出対象領域となる。この検出対象領域から左辺・右辺を検出する方法としては、例えば、電子情報通信学会論文誌 Vol.J70−D No.7 pp.1383−1389 「ピラミッド階層化高速ハフ変換を用いたナンバプレート領域抽出」の6.1節に記載された垂直線の抽出法を用いる。これは、ナンバープレートの左辺と右辺を直線として検出するもので、この方法により、左辺・右辺の位置と傾き量が得られる。
【0052】
そして、傾き量算式決定手段4は、一連番号とナンバープレート左辺・右辺の位置座標と傾き量から、ナンバープレート内における傾き量と位置座標との関係式を求める(ステップU5)。この実現方法としては、例えば、実施の形態1と同様に、関係式を1次式として定数を求める。これは、図19に示すように、各一連番号の中心X座標と傾き量を示す点26〜29に、さらに左辺のX座標と傾き量を表わす点51と、右辺のX座標と傾き量を表わす点52を加えて、近似直線53を求めることに相当する。用いる点の数が増えることで、より精度の良い関係式が求められる。また、例えばステップU2で一連番号4桁のうち1桁しか検出できなかった場合、一連番号の情報だけでは関係式を求めることができないが、左辺と右辺の情報を加えることで、関係式が求められるようになる。
【0053】
以降のステップU6〜U10は実施の形態1におけるステップS5〜S9と同一であり、歪み補正手段5が、ナンバープレート左右端の位置・傾き量を推定し(ステップU6)、歪み補正の基準位置を決定し(ステップU7)、台形を長方形とする画像変換を行い(ステップU8)、この画像変換に伴う一連番号の位置座標のずれを補正して(ステップU9)、最後にナンバープレート認識手段6が文字検出・認識を行う(ステップU10)。
【0054】
この実施の形態では、以上の工程を経ることで、一連番号とナンバープレート左辺・右辺の位置座標と傾き量から、ナンバープレート内における傾き量と位置座標との関係式を求めるようにしたので、ナンバープレート内における傾き量と位置座標との関係式がより精度良く求められると共に、一連番号の多くが検出できなかった場合でも、適正に歪み補正が行える。
【0055】
実施の形態4.
以下、この発明の実施の形態4について説明する。
概略構成図は実施の形態1と同じく図1である。ただし、傾き量算式決定手段4は、平行四辺形状の歪みに対応した関係式と、台形状の歪みに対応した関係式の二つを求めた後、所定の評価基準に従ってどちらかを選択するように構成されている。
【0056】
次に、図20から図22を用いて動作を説明する。
図20は、本実施の形態の処理の流れを示す処理フロー図である。図21と図22は、傾き量算式決定手段4の動作を説明するための説明図であり、54〜57が一連番号中心位置のX座標と傾き量を示す点、58が台形→長方形変換に対応した関係式を示す直線、59が平行四辺形→長方形変換に対応した関係式を示す直線である。
【0057】
まず、実施の形態1におけるステップS1〜S3と同様に、画像入力手段1が画像を入力し(ステップV1)、ナンバープレート検出手段2が入力画像中のナンバープレートを検出し(ステップV2)、傾き量計測手段3が一連番号の各パターンの傾き量を求める(ステップV3)。そして、傾き量算式決定手段4が、一連番号の位置座標と傾き量から、ナンバープレート内における傾き量と位置座標との関係式を推定する(ステップV4)。この推定では、実施の形態1におけるステップS4の方法で求める関係式(以下、これを台形対応関係式と呼ぶ)と、ナンバープレートが平行四辺形状に歪んでいることを仮定した関係式(以下、これを平行四辺形対応関係式と呼ぶ)の二つを求める。平行四辺形状の歪みの場合は、位置座標にかかわらず傾き量が一定となるので、平行四辺形対応関係式は例えば下記の式10で表わせる。この関係式を図で表現したものが図21と図22であり、一連番号の中心位置のX座標と傾き量を示す点54〜57から求めた台形対応関係式を求めると図21の直線58となり、平行四辺形対応関係式を求めると図22の直線59となる。
【0058】
m=c … (式10)
【0059】
ただし、mは傾き量、cは定数。cは、例えば、各一連番号から求めた傾き量を平均して求める
【0060】
次に、傾き量算式決定手段4は、所定の評価基準に従ってステップV4で求めた二つの関係式のどちらかを選択する(ステップV5)。本実施の形態では、式11と式12で関係式の評価値を求め、この評価値が小さい方を選択するものとする。
【0061】
EV1=ER1 … (式11)
EV2=ER2−d … (式12)
【0062】
ただし、EV1は台形対応関係式の評価値、EV2は平行四辺形対応関係式の評価値、dは調整用の定数である。また、ER1とER2は関係式の当てはまり度合いを示す誤差値であり、例えば、ER1は図21における点54〜57のそれぞれと直線58との垂直距離の2乗和、ER2は図22における点54〜57のそれぞれと直線59との垂直距離の2乗和である。
【0063】
台形対応関係式は、台形状の歪みに対応できるものの、一連番号から求めた傾き量の誤差が大きい場合は、かえって悪影響を及ぼす可能性がある。一方、平行四辺形対応関係式は、平行四辺形状の歪みにしか対応できないが、一連番号すべてから一つの傾き量を求めれば良いので、台形対応関係式に比べて入力値の誤差に対する耐性が強い。ステップV5における関係式の選択は、この両者の良いところを取り入れるために行うもので、入力画像におけるナンバープレートが平行四辺形に近い形状であれば、誤差の影響を受けにくい平行四辺形対応関係式を選択し、平行四辺形からかけ離れた形状なら台形対応関係式を選択することになる。
【0064】
以降のステップV6〜V10は、ステップV5で選択した関係式を使うことを除き、実施の形態1におけるステップS5〜S9と同一であり、歪み補正手段5が、ナンバープレート左右端の位置・傾き量を推定し(ステップV6)、歪み補正の基準位置を決定し(ステップV7)、台形を長方形とする画像変換を行い(ステップV8)、この画像変換に伴う一連番号の位置座標のずれを補正して(ステップV9)、最後にナンバープレート認識手段6が文字検出・認識を行う(ステップV10)。なお、ステップV8では常に台形を長方形とする画像変換が行われることになるが、平行四辺形は台形に含まれるので、同じ処理で台形対応関係式にも平行四辺形対応関係式にも対応でき、問題ない。
【0065】
この実施の形態では、以上の工程を経ることで、平行四辺形状の歪みに対応した関係式と、台形状の歪みに対応した関係式の二つを求めた後、所定の評価基準に従ってどちらかを選択するようにしたので、平行四辺形の歪みを安定して補正できると同時に、台形の歪みも補正することができ、歪みの形状によらず、ナンバープレートの文字を確実に読み取ることができる。
【0066】
なお、本実施の形態では、関係式の評価値として式11と式12を用いたが、これは両者を比較できるものなら、別の式を用いても良い。
【0067】
なお、実施の形態1〜4では、普通自動車のナンバープレートを読み取る場合で説明したが、これは、プレート上に刻印または印刷された文字の大きさ・配置などの様式情報が定められたプレートであれば、普通自動車以外のナンバープレートでも良く、あるいは、他のプレートでも良い。また、実施の形態1〜4の各構成を適宜組み合わせて用いても良い。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】実施の形態1、3、4による文字読取装置の構成を示す概略構成図である。
【図2】実施の形態1の処理の流れを示す処理フロー図である。
【図3】入力画像の例を示す説明図である。
【図4】一連番号のパターンに所定の傾きを加えた例を示す説明図である。
【図5】各一連番号の傾き量の計測方法を説明するための説明図である。
【図6】各一連番号の傾き量の計測方法を説明するための説明図である。
【図7】傾き量算式決定手段4の動作を説明するための説明図である。
【図8】歪み補正手段5の動作を説明するための説明図である。
【図9】歪み補正手段5の動作を説明するための説明図である。
【図10】歪み補正手段5の処理結果を示す説明図である。
【図11】実施の形態2による文字読取装置の構成を示す概略構成図である。
【図12】実施の形態2の処理の流れを示す処理フロー図である。
【図13】ナンバープレートが垂直方向に傾いている入力画像の例を示す説明図である。
【図14】垂直方向歪み補正手段7の動作を説明するための説明図である。
【図15】垂直方向歪み補正手段7の動作を説明するための説明図である。
【図16】歪み補正手段5の水平方向拡大・縮小の動作を説明するための説明図である。
【図17】実施の形態3の処理の流れを示す処理フロー図である。
【図18】ナンバープレート左辺部分と右辺部分を説明するための説明図である。
【図19】傾き量算式決定手段4の動作を説明するための説明図である。
【図20】実施の形態4の処理の流れを示す処理フロー図である。
【図21】傾き量算式決定手段4の動作を説明するための説明図である。
【図22】傾き量算式決定手段4の動作を説明するための説明図である。
【符号の説明】
【0069】
1 画像入力手段、2 ナンバープレート検出手段、3 傾き量計測手段、4 傾き量算式決定手段、5 歪み補正手段、6 ナンバープレート認識手段、7 垂直方向歪み補正手段。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力画像内の文字の傾き量を求める傾き量計測手段と、
前記傾き量計測手段の求めた文字の傾き量とその文字の位置座標から、位置座標と傾き量との関係を表す関係式を求める傾き量算式決定手段と、
前記傾き量算式決定手段の求めた関係式に基づいて台形状の領域を求め、当該台形状の領域を長方形に変換する歪み補正手段と、
前記歪み補正手段の補正した領域の画像から文字パターンを抽出して認識する文字認識手段と
を備えたことを特徴とする文字読取装置。
【請求項2】
垂直方向の歪み補正を行う垂直方向歪み補正手段を備え、
前記傾き量計測手段は、前記垂直方向歪み補正手段が垂直方向の歪み補正を行った入力画像内の文字の傾き量を求めるように構成されたことを特徴とする請求項1に記載の文字読取装置。
【請求項3】
前記歪み補正手段は、台形状の領域を長方形に変換した後、水平方向に拡大・縮小するように構成されたことを特徴とする請求項1に記載の文字読取装置。
【請求項4】
前記傾き量計測手段は、入力画像内の文字の傾き量に加え、文字が所定プレート上に配置された入力画像から、当該入力画像内の所定プレートの左辺部分と右辺部分の傾き量を求め、
前記傾き量算式決定手段は、文字の傾き量とその文字の位置座標に加え、前記所定プレートの左辺部分と右辺部分の傾き量とその左辺部分と右辺部分の位置座標から、位置座標と傾き量との関係を表す関係式を求めるように構成されたことを特徴とする請求項1に記載の文字読取装置。
【請求項5】
前記傾き量算式決定手段は、平行四辺形状の歪みに対応した関係式と、台形状の歪みに対応した関係式の二つを求めた後、所定の評価基準に従ってどちらかを選択するように構成されたことを特徴とする請求項1に記載の文字読取装置。
【請求項1】
入力画像内の文字の傾き量を求める傾き量計測手段と、
前記傾き量計測手段の求めた文字の傾き量とその文字の位置座標から、位置座標と傾き量との関係を表す関係式を求める傾き量算式決定手段と、
前記傾き量算式決定手段の求めた関係式に基づいて台形状の領域を求め、当該台形状の領域を長方形に変換する歪み補正手段と、
前記歪み補正手段の補正した領域の画像から文字パターンを抽出して認識する文字認識手段と
を備えたことを特徴とする文字読取装置。
【請求項2】
垂直方向の歪み補正を行う垂直方向歪み補正手段を備え、
前記傾き量計測手段は、前記垂直方向歪み補正手段が垂直方向の歪み補正を行った入力画像内の文字の傾き量を求めるように構成されたことを特徴とする請求項1に記載の文字読取装置。
【請求項3】
前記歪み補正手段は、台形状の領域を長方形に変換した後、水平方向に拡大・縮小するように構成されたことを特徴とする請求項1に記載の文字読取装置。
【請求項4】
前記傾き量計測手段は、入力画像内の文字の傾き量に加え、文字が所定プレート上に配置された入力画像から、当該入力画像内の所定プレートの左辺部分と右辺部分の傾き量を求め、
前記傾き量算式決定手段は、文字の傾き量とその文字の位置座標に加え、前記所定プレートの左辺部分と右辺部分の傾き量とその左辺部分と右辺部分の位置座標から、位置座標と傾き量との関係を表す関係式を求めるように構成されたことを特徴とする請求項1に記載の文字読取装置。
【請求項5】
前記傾き量算式決定手段は、平行四辺形状の歪みに対応した関係式と、台形状の歪みに対応した関係式の二つを求めた後、所定の評価基準に従ってどちらかを選択するように構成されたことを特徴とする請求項1に記載の文字読取装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公開番号】特開2007−172227(P2007−172227A)
【公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−368004(P2005−368004)
【出願日】平成17年12月21日(2005.12.21)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年12月21日(2005.12.21)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
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