説明

文書廃棄装置、文書廃棄管理システム

【課題】文書を誤って文書廃棄装置にかけて廃棄しても簡単な操作で文書を復元し、さらに、情報漏洩を防止する、文書廃棄装置、文書廃棄管理システムを提供する。
【解決手段】シュレッダ10は、文書を裁断する前に、文書をスキャンして文書の画像データを生成し、記録する。そして、文書を裁断する。また、画像データに含まれる文書の識別情報を抽出し、抽出した識別情報を解析し、文書の有効期限を得る。その後、文書の有効期限が経過すると、シュレッダ10は、記録している文書の画像データを削除する。文書の作成者は、文書の画像データがシュレッダ10に記録されている間は、PC20を利用して、当該画像データにアクセスすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、文書を誤ってシュレッダ等の文書廃棄装置にかけて廃棄した場合であっても、当該文書を簡易な操作で復元できる文書廃棄装置、文書廃棄管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、セキュリティ保護の観点から、文書は、文書の内容を判読不能にして廃棄するシュレッダ等で裁断した上で廃棄される。しかし、文書を誤ってシュレッダにかけて廃棄してしまうと、この文書を復元することは極めて困難である。
【0003】
そこで、特許文献1には、文書を裁断する前に当該文書をスキャンし、該文書の画像データを記録するシュレッダが開示されている。ユーザが誤って文書を裁断した場合であっても当該文書の画像データがシュレッダに記録されているので、当該文書を復元することができる。
【0004】
また、特許文献2には、文書に記載された、保管期間が記録されたコード情報を読み取り、保管期間を過ぎた文書のみを廃棄(裁断)する廃棄装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−249228号公報
【特許文献2】特開2008−43839号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に開示のシュレッダを利用すると、裁断する文書の画像データが記録され続けてしまう。その結果、前記画像データが漏洩してしまう恐れがある。特に、文書が重要文書の場合、当該文書の画像データが記録され続けるのはセキュリティ保護の面から好ましくない。また、無制限に画像データを記録すると、記録可能容量が減り、新たに画像データを記録できなくなる。
【0007】
また、特許文献2に開示の廃棄装置では、保管期間を過ぎても廃棄してはいけない文書を誤って廃棄した場合には、簡単な操作で復元することはできない。
【0008】
本発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであり、文書を誤ってシュレッダにかけて廃棄しても簡単な操作で文書を復元し、さらに、情報漏洩を防止する、文書廃棄装置、文書廃棄管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の技術手段は、投入された文書の内容を判読不能にして廃棄する廃棄部と、前記投入された文書をスキャンし当該文書の画像データを生成するスキャナと、前記スキャナが生成した画像データを記録する記録部と、前記記録部に記録された画像データから、前記文書の作成者、当該文書の有効期限が記録された識別情報を抽出し当該画像データと共に記録管理するデータ管理部とを備え、前記記録部に記録された前記画像データの前記有効期限が経過したことを検知すると、当該画像データを削除することを特徴とする文書廃棄装置である。
【0010】
第2の技術手段は、第1の技術手段において、電子メール等のデータ送信処理/データ受信処理を実行する送受信部を備え、前記画像データを記録したことを、当該画像データに対応する文書の作成者に電子メール等を介して通知することを特徴とするものである。
【0011】
第3の技術手段は、第1の技術手段において、前記画像データを削除する前に、前記画像データを削除することを、当該画像データに対応する文書の作成者に電子メール等を介して通知し、当該文書の作成者から当該通知に対する削除承認通知を受信した場合に、前記画像データを削除することを特徴とするものである。
【0012】
第4の技術手段は、投入された文書の内容を判読不能にして廃棄する廃棄部と、前記投入された文書をスキャンし当該文書の画像データを生成するスキャナとを備え、前記スキャナが生成した画像データを送信する文書廃棄装置と、前記文書廃棄装置から送信された画像データを記録する記録部と、前記記録部に記録された画像データから、前記文書の作成者、当該文書の有効期限が記録された識別情報を抽出し当該画像データと共に記録管理するデータ管理部とを備え、前記記録部に記録された前記画像データの前記有効期限が経過したことを検知すると、当該画像データを削除する文書管理サーバとがネットワークを介して接続されることを特徴とする文書廃棄管理システムである。
【0013】
第5の技術手段は、第4の技術手段において、前記文書管理サーバは、電子メール等のデータ送信処理/データ受信処理を実行する送受信部を備え、前記画像データを記録したことを、当該画像データに対応する文書の作成者に電子メール等を介して通知することを特徴とするものである。
【0014】
第6の技術手段は、第4の技術手段において、前記文書管理サーバは、前記画像データを削除する前に、前記画像データを削除することを、当該画像データに対応する文書の作成者に電子メール等を介して通知し、当該文書の作成者から当該通知に対する削除承認通知を受信した場合に、前記画像データを削除することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、廃棄する文書の画像データを記録するので、文書を誤って文書廃棄装置(シュレッダ)にかけて廃棄しても簡単な操作で復元できる。また、文書の有効期限経過後は当該文書の画像データを自動的に削除するので、情報漏洩を防止することができる。さらに、データ記録可能容量を増やすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に係る文書廃棄装置(シュレッダ)の概略図である。
【図2】廃棄対象となる文書を説明する図である。
【図3】シュレッダ、PCの機能ブロック図である。
【図4】シュレッダで実行される裁断処理、記録処理について説明するフロー図である。
【図5】識別情報を管理する管理テーブルの一例である。
【図6】シュレッダで実行される画像データの削除処理について説明するフロー図である。
【図7】本発明に係る文書廃棄管理システムの概略図である。
【図8】シュレッダ、画像形成装置、PCの機能ブロック図である。
【図9】廃棄システムで実行される裁断処理、記録処理について説明するフロー図である。
【図10】廃棄システムで実行される画像データの削除処理について説明するフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(実施例1)
図1は、本発明に係る文書廃棄装置の概略図で、文書廃棄装置は、投入された文書の内容を判読不能にして廃棄する廃棄部を備えた、例えば、シュレッダ10である。また、シュレッダ10にPC20がLANや専用線などのネットワークNを介して接続されている。
【0018】
図2は、シュレッダにかける文書、すなわち、廃棄対象となる文書30を説明する図である。文書30の右上隅、左下隅には、文書30の識別情報31が記録(印刷)されている。識別情報31は、文書30の作成者名、管理者名、有効期限など文書30に関連する様々な情報を意味する。なお、識別情報31は、テキストデータであってもよいし、QRコードであってもよいし、地紋模様として文書の背景に印刷してもよい。
【0019】
以下に、実施例1の詳細を説明する。
シュレッダ10は、文書30を裁断する前に、文書30をスキャンして文書30の画像データを生成し、記録する。そして、文書30を裁断する。
次に、画像データに含まれる文書30の識別情報31を抽出し、抽出した識別情報31を解析し、文書30の有効期限を得る。なお、前述のように、識別情報31には有効期限が含まれる。
その後、文書30の有効期限が経過すると、シュレッダ10は、記録している文書30の画像データを削除する。文書30の作成者などは、文書30の画像データがシュレッダ10に記録されている間は、PC20を利用して、当該画像データにアクセスすることができる。
【0020】
図3は、シュレッダ10、PC20の機能ブロック図である。なお、図示はしないが、シュレッダ10、PC20は、ネットワークNを介して接続されている(図1参照)。
(シュレッダ10)
シュレッダ10の機能ブロックについて説明する。
101は、ネットワークI/Fで、ネットワークNに対するインターフェイス機能を提供し、当該ネットワークNに接続しているPC20とデータ送受信を実行する。
102は、シュレッダ10に投入された文書30の画像データ(スキャンデータ)を生成するスキャナ、103は、シュレッダ10に投入された文書30の内容を判読不能にして廃棄する破棄部である。破棄部103は、例えば、投入された文書を細かく裁断する機能を有する。
【0021】
111は、スキャナ102が生成した画像データを記録するデータ記録部である。
【0022】
112は、データ送信部で、PC20からの要求に応じて、データ記録部111に記録された文書30の画像データ等をPC20に送信する処理を制御する。
113は、データ受信部で、各種データ受信処理を制御する。
データ送信部112、データ受信部113は、電子メール等のデータ送信処理/データ受信処理を実行する送受信部としても機能する。
【0023】
114は、データ管理部で、データ記録部111に記録された文書30の画像データの管理処理を制御する。
データ管理部114の識別情報抽出部114aは、文書30の画像データから識別情報を抽出する。識別情報解析部114bは、識別情報抽出部114aが抽出した識別情報を解析し、文書30の作成者名、管理者名、有効期限など文書30に関連する様々な情報を得る。
データ管理部114は、文書30の画像データと共に文書30に関連する様々な情報を記録管理する。
【0024】
データ削除部114cは、データ記録部111に記録された文書30の画像データの有効期限が経過したことを検知すると、当該画像データを削除する。なお、削除前に、文書30の作成者、管理者に削除してもよいか確認するようにしてもよい。
【0025】
115は、各機能ブロックを制御する制御部で、文書30の画像データの有効期限が切れたか否かを検知する際に必要な時計機能(計時機能)などを備える。
【0026】
(PC20)
PC20の機能ブロックについて説明する。
201は、ネットワークI/Fで、ネットワークNに対するインターフェイス機能を提供し、当該ネットワークNに接続しているシュレッダ10とデータ送受信を実行する。
【0027】
202は、入力I/Fで、キーボード、マウス等の入力装置(図示せず)に対するインターフェイス機能を提供する。203は、表示I/Fで、液晶パネル等の表示装置(図示せず)に対するインターフェイス機能を提供する。
【0028】
204は、各種制御情報などを記憶するROM、RAM等から構成されるメモリ、205は、ワープロソフト、表計算ソフト、ブラウザ等のアプリケーションや、各種データを記録するHDDである。
【0029】
211は、データアクセス部で、シュレッダ10のデータ記録部111に記録されている文書30の画像データに対するアクセス処理を制御する。
【0030】
212は、識別情報設定部で、文書30に記録する識別情報31を設定する処理を制御する。
【0031】
次に、図4のフロー図を用いて本発明に係るシュレッダ1で実行される裁断処理、記録処理について説明する。
【0032】
裁断処理、記録処理の説明の前に、文書の作成について説明する。まず、ユーザは、PC20のワープロソフト等を利用して文書(データ)を作成する。そして、PC20の入力I/F202を介して、文書の識別情報、例えば、ユーザ名(文書の作成者名)、文書の管理者名(例えば、文書の作成者の上司など)、文書の有効期限情報を入力する。PC20の識別情報設定部212は、入力された識別情報を、例えば、QRコード等に変換し、前記文書データの右上隅、左下隅(図2参照)に配置する。ユーザは、識別情報を含む文書データを、画像形成装置を利用して印刷する。この印刷物を図2の文書30とする。
【0033】
ユーザ、第三者などが、文書30をシュレッダ10にかけると(ステップS1)、シュレッダ10のスキャナ102は、文書30をスキャンして文書30の画像データを生成し、データ記録部111に記録する(ステップS2)。また、破棄部103は、文書30を裁断する(ステップS3)。
【0034】
次に、データ管理部114の識別情報抽出部114aは、データ記録部111に記録された文書30の画像データから識別情報を抽出する(ステップS4)。そして、識別情報解析部114bは、識別情報抽出部114aが抽出した識別情報を解析し、文書30の作成者名、管理者名、有効期限など文書30に関連する様々な情報を得る(ステップS5)。このとき、例えば、図5に示す管理テーブル40に示すように、文書30の画像データと共に当該画像データの名称、当該画像データの前記情報をデータ記録部111に記録する。なお、文書30の作成者、管理者の連絡先情報、例えば、電子メールアドレスも記録することが好ましい。この、電子メールアドレスは、例えば、作成者名、管理者名と共に識別情報に記録されているものとする。
【0035】
そして、データ管理部114は、文書30の作成者、管理者などに文書30が裁断され、文書30の画像データがシュレッダ10に記録されたことを通知する(ステップS6)。前記通知の方法としては、例えば、データ送信部112が、前記通知の内容を含む電子メールを作成し、文書30の作成者などの電子メールアドレスに送信すればよい。このとき、メールの本文等に、文書30の画像データ記録先情報を含めることが好ましい。記録先情報としては、URLやファイルパス等である。
【0036】
その後、前記メールを受信した作成者は、PC20を介してシュレッダ10に記録された文書30の画像データにアクセスすることができる。この場合、PC20のデータアクセス部211は、前記作成者の名称(ID)を含むアクセス依頼コマンドをシュレッダ10に送信する。
前記アクセス依頼コマンドを受信したシュレッダ10のデータ管理部114は、前記作成者に対応する文書30の画像データに対するアクセスを許可する。
【0037】
アクセス方法としては様々な方法をとることができる。例えば、シュレッダ10がWEBサーバ機能を有していればPC20からブラウザを介して文書30の画像データにアクセス(ブラウザ表示)することもできるし、シュレッダ10から画像データをダウンロードすることもできる。また、シュレッダ10が、作成者のメールアドレスに画像データを添付したメールを送信してもよい。他にも、文書30の画像データを画像形成装置により印刷してもよい。
【0038】
このようにすることで、文書の作成者などは文書が廃棄されたことを知ることができる。また、簡易な操作で、誤って廃棄された文書の復元が可能になる。
【0039】
なお、セキュリティレベルに応じて文書30の画像データへのアクセスを制限してもよい。例えば、文書30の識別情報31に文書30のセキュリティレベルを含め、シュレッダ10のデータ管理部114が、図5に示す管理テーブル40に、このセキュリティレベルを記録する。
そして、データ管理部114は、セキュリティレベルに応じたアクセス制限、例えば、ブラウザ表示不可、ダウンロード不可、電子メール・FAX等の送信不可、印刷不可などのアクセス制限を行う。
【0040】
このようにアクセス制限をすることで、情報漏洩を効果的に防ぐことができる。
なお、ステップS2において、データ記録部111に文書30の画像データを記録した際に、既に有効期限が経過していた場合、即削除してもよい。
【0041】
次に、図6のフロー図を用いて、図4のステップS2で記録した文書30の画像データの削除処理について説明する。
ここでは既に、シュレッダ10のデータ記録部111に文書30の画像データが記録されているものとする。
シュレッダ10のデータ管理部114は、定期的に図5に示す管理テーブル40を参照し、有効期限が経過した画像データがデータ記録部111に記録されているか検知する(ステップS11)。
【0042】
有効期限が経過した画像データがデータ記録部111に記録されている場合(ステップS12/YES)、データ管理部114は、当該画像データを自動的に削除してよいか当該画像データに対応する文書30の作成者に確認する(ステップS13)。なお、作成者だけでなく、管理者にも確認してもよい。
すなわち、文書30の画像データを削除する前に、前記画像データを削除することを、当該画像データに対応する文書の作成者に電子メール等を介して通知する。
【0043】
この確認処理(通知)は、様々な方法を用いることができる。例えば、データ送信部112が、文書30の作成者のメールアドレスに、メール本文に削除確認用URLが記載された電子メールを送信する。そして、この電子メールを受信した作成者が削除確認用URLにアクセスすれば、作成者は削除を承認したものとする。また、前記電子メールを受信した文書30の作成者が当該電子メールをそのまま返信すれば、削除を承認するとしてもよい。
【0044】
前記画像データを削除してよいと確認できた場合(ステップS14/YES)、すなわち、文書30の作成者から前記電子メール(通知)に対する削除承認通知を受信した場合、データ管理部114のデータ削除部114cは、当該画像データを削除する(ステップS15)。このとき、データ管理部114は、図5に示す管理テーブル40から前記画像データの識別情報を削除する。
【0045】
なお、前記削除の確認処理を行わずに削除することも可能である。この場合、一律に削除してもよいし、例えば、文書30の識別情報31に削除確認フラグを含め、データ管理部114が、削除確認フラグがオフになっていることを確認すると、前記削除の確認処理を行わないようにする。
【0046】
このように有効期限が過ぎた文書の画像データを自動的に削除することで、情報漏洩を防止することができる。また、削除の前に削除実行の確認をすることで、たとえ有効期限が経過しても保存しなければならないデータの削除を防止することができる。
【0047】
(実施例2)
図7は、本発明に係る文書廃棄管理システム1の概略図で、文書廃棄管理システム1は、シュレッダ50、画像形成装置60から構成され、各装置はLANや専用線などのネットワークNを介して接続されている。また、文書廃棄管理システム1にPC20がネットワークNを介して接続している。画像形成装置60は、各種文書データを管理する文書管理サーバとして機能する。
【0048】
以下に、実施例2の詳細を説明する。
シュレッダ50は、文書30を裁断する前に、文書30をスキャンして文書30の画像データを生成し、画像形成装置60に送信する。そして、文書30を裁断する。
前記画像データを受信した画像形成装置60は、当該画像データを記録する。そして、画像データに含まれる文書30の識別情報31を抽出し、抽出した識別情報31を解析し、文書30の有効期限を得る。なお、前述のように、識別情報31には有効期限が含まれる。
その後、文書30の有効期限が経過すると、画像形成装置60は、記録している文書30の画像データを削除する。文書30の作成者などは、文書30の画像データが画像形成装置60に記録されている間は、PC20を利用して、当該画像データにアクセスすることができる。
【0049】
図8は、PC20、シュレッダ50、画像形成装置60の機能ブロック図である。なお、PC20の機能ブロックの説明については、図3で説明したので省略する。
(シュレッダ50)
シュレッダ50の機能ブロックについて説明する。
501は、ネットワークI/Fで、ネットワークNに対するインターフェイス機能を提供し、当該ネットワークNに接続している画像形成装置60等の他の装置とデータ送受信を実行する。
502は、図3のスキャナ102と同じ機能を有するスキャナ、503は、図2の破棄部103と同じ機能を有する破棄部である。
504は、スキャナ502が生成した文書30の画像データ等を一時的に記憶するメモリ、505は、画像形成装置60にメモリ504に記憶された画像データを送信する処理を制御するデータ送信部、506は各機能ブロックを制御する制御部である。
【0050】
(画像形成装置60)
画像形成装置60の機能ブロックについて説明する。
601は、ネットワークI/Fで、ネットワークNに対するインターフェイス機能を提供し、当該ネットワークNに接続しているシュレッダ50等の他の装置とデータ送受信を実行する。
602は、画像形成装置60を操作するための操作パネル、603は、スキャナ、印字ユニット等を備え画像形成を実行する画像形成部である。
【0051】
604は、各種制御情報などを記憶するメモリ、605は、PC20から送信された印刷ジョブデータ等を記録するHDDである。
【0052】
611は、データ受信部で、シュレッダ50から送信された文書30の画像データ等を受信する処理を制御する。データ受信部611が受信した画像データはデータ記録部612に記録される。
613は、データ送信部で、PC20等からの要求に応じて、データ記録部612に記録された文書30の画像データ等をPC20等に送信する処理を制御する。
【0053】
データ受信部611、データ送信部613は、電子メール等のデータ送信処理/データ受信処理を実行する送受信部としても機能する。
【0054】
614は、データ管理部で、データ記録部612に記録された文書30の画像データの管理処理を制御する。
データ管理部614の識別情報抽出部614aは、文書30の画像データから識別情報を抽出する。識別情報解析部614bは、識別情報抽出部614aが抽出した識別情報を解析し、文書30の作成者名、管理者名、有効期限など文書30に関連する様々な情報を得る。
データ管理部614は、文書30の画像データと共に文書30に関連する様々な情報を記録管理する。
【0055】
データ削除部614cは、データ記録部612に記録された文書30の画像データの有効期限が切れると、当該画像データを削除する。なお、削除前に、文書30の作成者名、管理者名に削除してもよいか確認するようにしてもよい。
【0056】
615は、各機能ブロックを制御する制御部で、文書30の画像データの有効期限が切れたか否かを検知する際に必要な時計機能(計時機能)などを備える。
【0057】
次に、図9のフロー図を用いて本発明に係る文書廃棄管理システム1で実行される裁断処理、記録処理について説明する。なお、既に、前述した図2の文書30(印刷物)があるものとする。
【0058】
ユーザ、第三者などが、文書30をシュレッダ50にかけると(ステップS21)、シュレッダ50のスキャナ502は、文書30をスキャンして文書30の画像データを生成し、メモリ504に一時的に記憶する(ステップS22)。次に、データ送信部505は、画像形成装置60に、メモリ504に記憶された文書30の画像データを送信する(ステップS23)。また、破棄部503は、文書30を裁断する(ステップS24)。
【0059】
前記文書30の画像データを受信した画像形成装置60のデータ受信部611は、当該画像データをデータ記録部612に記録する(ステップS31)。
次に、データ管理部614の識別情報抽出部614aは、データ記録部612に記録された文書30の画像データから識別情報を抽出する(ステップS32)。そして、識別情報解析部614bは、識別情報抽出部614aが抽出した識別情報を解析し、文書30の作成者名、管理者名、有効期限など文書30に関連する様々な情報を得る(ステップS33)。このとき、例えば、図5に示す管理テーブル40に示すように、文書30の画像データと共に当該画像データの名称、当該画像データの前記情報をデータ記録部612に記録する。
【0060】
そして、データ管理部614は、文書30の識別情報に含まれている文書30の作成者、管理者などに文書30が裁断され、文書30の画像データが画像形成装置60に記録されたことを通知する(ステップS34)。なお、前記通知の方法としては、実施例1と同様である。
【0061】
その後、前記メールを受信した作成者は、PC20を介して画像形成装置60に記録された文書30の画像データにアクセスすることができる。この場合、PC20のデータアクセス部211は、前記作成者の名称(ID)を含むアクセス依頼コマンドを画像形成装置60に送信する。
前記アクセス依頼コマンドを受信した画像形成装置60のデータ管理部614は、前記作成者に対応する文書30の画像データに対するアクセスを許可する。
【0062】
アクセス方法としては様々な方法をとることができる。例えば、画像形成装置60がWEBサーバ機能を有していればPC20からブラウザを介して文書30の画像データにアクセス(ブラウザ表示)することもできるし、画像形成装置60から画像データをダウンロードすることもできる。また、画像形成装置60が、作成者のメールアドレスに画像データを添付したメールを送信してもよい。他にも、文書30の画像データを画像形成装置60により印刷してもよい。
【0063】
このようにすることで、文書の作成者などは文書が廃棄されたことを知ることができる。また、簡易な操作で、誤って廃棄された文書の復元が可能になる。
【0064】
なお、セキュリティレベルに応じて文書30の画像データへのアクセスを制限してもよいのは実施例1と同様である。また、ステップS31においてデータ記録部612に文書30の画像データを記録した際に、既に有効期限が経過していた場合、即削除してもよい。
【0065】
次に、図10のフロー図を用いて、図9のステップS31で記録した文書30の画像データの削除処理について説明する。
ここでは既に、画像形成装置60のデータ記録部612に文書30の画像データが記録されているものとする。
画像形成装置60のデータ管理部614は、定期的に図5に示す管理テーブル40を参照し、有効期限が経過した画像データがデータ記録部612に記録されているか検知する(ステップS41)。
【0066】
有効期限が経過した画像データがデータ記録部612に記録されている場合(ステップS42/YES)、データ管理部614は、当該画像データを自動的に削除してよいか当該画像データに対応する文書30の作成者に確認する(ステップS43)。なお、作成者だけでなく、管理者にも確認してもよい。
すなわち、文書30の画像データを削除する前に、前記画像データを削除することを、当該画像データに対応する文書の作成者に電子メール等を介して通知する。
この確認処理については、実施例1で説明したので省略する。
【0067】
前記画像データを削除してよいと確認できた場合(ステップS44/YES)、すなわち、文書30の作成者から前記電子メール(通知)に対する削除承認通知を受信した場合、データ管理部614のデータ削除部614cは、当該画像データを削除する(ステップS45)。このとき、データ管理部614は、図5に示す管理テーブル40から前記画像データの識別情報を削除する。
【0068】
なお、前記削除の確認処理を行わずに削除することができるのは実施例1と同様である。
【0069】
このように有効期限が過ぎた文書の画像データを自動的に削除することで、情報漏洩を防止することができる。さらに、データ記録可能容量を増やすことができる。また、削除の前に削除実行の確認をすることで、たとえ有効期限が経過しても保存しなければならないデータの削除を防止することができる。
【0070】
(その他)
一定期間、例えば画像データを記録してから10日が経過したら当該画像データを削除してもよい。
図2では、識別情報31を文書30の右上隅、左下隅に配置した例を説明したが、他の場所に配置してもよい。
文書30の作成者だけでなく、管理者の承認を得た場合に、文書30の画像データを削除するようにしてもよい。このように複数人が削除承認(確認)を行うことで、画像データの誤削除を防止することができる。
【0071】
文書30の作成者の管理者からの承認を得た場合にのみ、PC20からシュレッダ10のデータ記録部111又は画像形成装置60のデータ記録部612に記録された文書30の画像データにアクセス(印刷、ダウンロード等)できるようにしてもよい。この場合、シュレッダ10又は画像形成装置60は、PC20からのアクセス要求を受信すると、前述したように、メール本文にアクセス承認用URLが記載された電子メールを管理者などに送信する。そして、前記電子メールを受信した管理者などがアクセス承認用URLにアクセスすれば、シュレッダ10又は画像形成装置60は、前記画像データに対する作成者のアクセスを許可する。
【0072】
データ管理部114、データ管理部614が、セキュリティレベルに応じたアクセス制限を実行する際に、パスワード入力を求めるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0073】
1…文書廃棄管理システム、10…シュレッダ、101…ネットワークI/F、102…スキャナ、103…破棄部、111…データ記録部、112…データ送信部、113…データ受信部、114…データ管理部、114a…識別情報抽出部、114b…識別情報解析部、114c…データ削除部、115…制御部、20…PC、201…ネットワークI/F、202…入力I/F、203…表示I/F、204…メモリ、205…HDD、211…データアクセス部、212…識別情報設定部、213…制御部、30…文書、31…識別情報、40…管理テーブル、50…シュレッダ、501…ネットワークI/F、502…スキャナ、503…破棄部、504…メモリ、505…データ送信部、506…制御部、60…画像形成装置、601…ネットワークI/F、602…操作パネル、603…画像形成部、604…メモリ、605…HDD、611…データ受信部、612…データ記録部、613…データ送信部、614…データ管理部、614a…識別情報抽出部、614b…識別情報解析部、614c…データ削除部、615…制御部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
投入された文書の内容を判読不能にして廃棄する廃棄部と、
前記投入された文書をスキャンし当該文書の画像データを生成するスキャナと、
前記スキャナが生成した画像データを記録する記録部と、
前記記録部に記録された画像データから、前記文書の作成者、当該文書の有効期限が記録された識別情報を抽出し当該画像データと共に記録管理するデータ管理部とを備え、
前記記録部に記録された前記画像データの前記有効期限が経過したことを検知すると、当該画像データを削除することを特徴とする文書廃棄装置。
【請求項2】
電子メール等のデータ送信処理/データ受信処理を実行する送受信部を備え、前記画像データを記録したことを、当該画像データに対応する文書の作成者に電子メール等を介して通知することを特徴とする請求項1に記載の文書廃棄装置。
【請求項3】
前記画像データを削除する前に、前記画像データを削除することを、当該画像データに対応する文書の作成者に電子メール等を介して通知し、当該文書の作成者から当該通知に対する削除承認通知を受信した場合に、前記画像データを削除することを特徴とする請求項1に記載の文書廃棄装置。
【請求項4】
投入された文書の内容を判読不能にして廃棄する廃棄部と、前記投入された文書をスキャンし当該文書の画像データを生成するスキャナとを備え、前記スキャナが生成した画像データを送信する文書廃棄装置と、
前記文書廃棄装置から送信された画像データを記録する記録部と、前記記録部に記録された画像データから、前記文書の作成者、当該文書の有効期限が記録された識別情報を抽出し当該画像データと共に記録管理するデータ管理部とを備え、前記記録部に記録された前記画像データの前記有効期限が経過したことを検知すると、当該画像データを削除する文書管理サーバとがネットワークを介して接続されることを特徴とする文書廃棄管理システム。
【請求項5】
前記文書管理サーバは、電子メール等のデータ送信処理/データ受信処理を実行する送受信部を備え、前記画像データを記録したことを、当該画像データに対応する文書の作成者に電子メール等を介して通知することを特徴とする請求項4に記載の文書廃棄管理システム。
【請求項6】
前記文書管理サーバは、前記画像データを削除する前に、前記画像データを削除することを、当該画像データに対応する文書の作成者に電子メール等を介して通知し、当該文書の作成者から当該通知に対する削除承認通知を受信した場合に、前記画像データを削除することを特徴とする請求項4に記載の文書廃棄管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−97157(P2011−97157A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−246527(P2009−246527)
【出願日】平成21年10月27日(2009.10.27)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】