説明

斜め堆積を用いて生成されたナノ構造薄膜およびその方法

【課題】勾配型屈折率を備えた多孔質を含む単層構造をした透明導電性のナノ構造薄膜とその製造方法を提供する。
【解決手段】電子ビームシステム100を用いて、ターゲットソースが斜め堆積法により蒸着される。複数の調整可能な試料ステージ104上に蒸着基板114が配置される。プロセスチャンバー101内でガスの流量および温度を制御するため、熱源と複数のガス制御弁107および108が備えられる。蒸着後、薄膜構造と光電子特性を向上させるため、アニール工程が行われる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的には蒸着法に関し、特に、光電子デバイスの機能電極として使用されるナノ構造薄膜を生成するための斜め堆積法に関する。
【背景技術】
【0002】
持続可能なエネルギーおよび省エネという方針のため、太陽電池と発光ダイオードは、光電子デバイスの研究における見込みと革新的な開発とをそなえた二大主要技術となっている。太陽電池は、光エネルギーを電気エネルギーに直接変換するために使用される。光ベースのエネルギー源は、火力発電により生じる汚染の問題を防ぐことができるだけでなく、無尽蔵のエネルギー供給が可能である。発光ダイオード(LED)を照明用に適用した場合、発光ダイオード装置は長寿命、長耐久性、コンパクトで、その発光効率は既存の電球照明をはるかに上回る。そのため、LEDは、21世紀の省エネ傾向にとてきわめて適用性が高い。
【0003】
二大光電子技術の研究において、装置の製造と材料の開発は、当業界にとって、常に障壁であり、研究の方向である。太陽電池装置の製造に関する限りでは、装置の受光面を増やすそうとすると、金属面電極の面積は必然的に狭くなる。金属電極の個数を減らすと、蓄積される光電流も減ることになる。一方、光電流をより蓄積しようとすれば、金属電極の配置面積を拡大せざるを得ないが、この方法もまた受光面を減少させる。この問題は、発光ダイオードを適用する場合にも生じる。そのため、受光面と金属電極面積との二律背反関係は、光電子デバイスの変換効率に制限を与えている。
【0004】
光電子デバイスの製造においては、透明導電性酸化物(TCO)を装置表面に塗布して、光電荷の蓄積性または電流拡散性を高めている。従来のTCO膜の透過率は、80%から90%であった。光電子デバイスの透過率を高め、より良好な装置効率を得るためには、反射防止膜等の付加的な工程を製造時に導入する。
【0005】
反射防止層および装置電極の製造は、2つの別々の工程である。伝統的には、TCO膜はスパッタリングまたは堆積により被覆され、反射防止層は堆積により生成される。最近、学界において、ナノ構造反射防止膜の生成に関する研究が幾つか発表されているが、複雑な工程が、依然、克服すべき障壁となっている。さらに、TCO膜は、光電子特性全体を最適化し、統合するためには、常に欠くことのできない層であるため、これが付加的なコストを増大させている。反射防止層が導電性を備えていれば、光電子デバイスの変換効率をさらに増強することができ、あるいは電極にまったく取って替わることができる。
【0006】
先行する研究では、勾配型屈折率を備えた反射防止層と、周囲空気中におけるその広帯域反射防止特性についての調査が行われている。光電子デバイスの反射防止層の場合、インターフェースにおける反射率は通常、入射光の波長につれて変化する。入射面は、特定の波長スペクトルをもつ入射光のみ通過させるため、装置に入射する実際の光の量は大幅に減じられる。さらに、入射角も、反射率の変更にとって重要な要因である。研究によって示されていることによると、反射率は光入射角が特定の数値より大きい場合に増大されるが、これもまた同時に、光の透過率を減じ、光電子デバイスの変換効率の低下の原因となっている。フレネルの反射の法則は、光が2つの異なる媒体を通過する際、2つの屈折率の差が大きい場合に、光の反射の可能性が大きくなり、またより多くの光の反射が生じると、装置が失うエネルギーが多くなる、ことを示している。この理由のため、周囲空気中で動作する場合には、膜材料は、空気の屈折率に極めて近い屈折率をもっている必要がある。自然界には、屈折率が1から1.4の屈折率をもつ固体は存在しない。幾つかの人工的な多孔質の物質はこの要求条件を満たし得るが、それらの膜の膜厚は光学膜として使用するのに充分な厚さではない。屈折率は屈折される光の量に影響を与えるだけでなく、光の反射および回折特性にも影響を及ぼす。一般には、屈折率が低い(すなわち、1に近い)高品質の薄膜の生成には、堆積がよく使われる。フレネルの反射を排除するためには、全方位の広帯域特性を備えた薄膜が非常に好ましい。近年、ガラス面上での化学的なエッチング浸出工程、最近報告されたゾルゲル法、2つのコヒーレント光ビームによる干渉パターン形成等を含めて、特に周囲空気中で使用するための、勾配型屈折率のプロファイルを備えた薄膜を生成する多くの方法が提案されている。だが、こうした方法の大半は、勾配型屈折率プロファイルをうまく制御することができず、また一部の方法は実現するためにより多くのの複雑なプロセスを採用している。『A letter in joarnal of nature photonics誌』(第1号、2007年、3月)には、フレネルの反射を排除する、広帯域、低屈折率の光学膜材料が発表されている。この研究では、SiOとTiO等、組成の異なる多層被覆を生成することにより、勾配型屈折率を達成している。多層構造であるということは、複数の工程が必要とされ、製造コストが高くなることを暗示している。
【0007】
一方、高品質の透明電極は、外部量子効率と変換効率を増大させると同時に熱発生を押さえるためには、卓越した透過率と低抵抗率を備えていなければならない。配置面積が大きく抵抗率の低い透明電極は電流拡散効果が大きく、そのルミネセンス効率をさらに増大し得る。
【0008】
そのため、光学膜の勾配型屈折率の配分に対する効率的な制御は、多くの用途で大変求められている、広帯域、低抵抗率、高透過特性を備えた高品質の薄膜を生成するために極めて重要である。
【発明の開示】
【0009】
本発明は、斜め堆積により、透明導電性酸化物のナノ構造薄膜を生成する方法を開示する。本発明の実施例では、電子ビームによる斜め堆積技術を使用する;本工程中に、適切な量の酸素および窒素を導入する;その後、熱アニールを行い、Si基板およびガラス基板上に薄膜を生成する。ナノ構造膜は、可視スペクトルから近赤外線スペクトルまでにわたる広帯域特性ならびに高透過率を備え、また電荷蓄積と電流拡散を促進する卓越した導電性を備えている。この工程は、太陽電池、発光ダイオード等、半導体デバイスにおける透明電極の製造において、その変換効率を高めるために、広く使用することができる。
【0010】
本発明の1つの実施例では、金属電極として使用される、多孔質のナノロッド構造を備えた導電性の薄膜を形成するために、電子ビームによる蒸気堆積(すなわち、蒸着)を用いる。本発明における電子ビームによる蒸着システムは、傾斜角を調整可能な試料ステージを少なくとも1台と、透明導電性酸化物の蒸着源として使用されるターゲット材料と、上部電極蒸着基板とを備えている。さらに、工程中、温度と真空圧力が制御される。本書で記述する装置は従来の技量のものであり、以下の説明では不要な詳細は省いてある。堆積工程では、導入されるガスの流量、チャンバー温度、および堆積基板の角度を調整することにより、多孔質あるいは柱状構造の機能電極が形成され、より良好な光電子デバイス特性を得るため、以下の熱アニール工程が行われる。
【0011】
本発明の別の実施例では、多孔質の柱状の導電性薄膜の生成方法は、電子ビームによる蒸着により提供されている。本実施例では、堆積温度を100゜Cから450゜Cの間に制御し、真空圧力を工程の間中維持している。堆積源には、インジウムスズ酸化物(ITO)、アルミ亜鉛酸化物(AZO)、ZnO、および透明導電性膜を生成可能なその他の材料が含まれる。上部堆積基板として使用する基板には以下のものが含まれる: Si基板、GaAs基板、ガラス基板、フレキシブル基板等。試料ステージは傾斜角度を0°から90°の間で変更することができ、50°から90°の角度範囲が好ましい。プロセスガスには酸素、窒素、またはそれらを組み合わせたものが含まれ、ガスの流量は0sccmから50sccm(立方センチメートル毎分)に制御される。これに続く熱アニール工程は1分から60分続き、温度は200°Cから900°C程度に維持される。アニール工程中は酸素も導入される。
【0012】
本発明の1つの態様は、受光量を増やし、卓越した導電性の補助電極特性を提供するため、広帯域、高透過率、低反射率、また低シート抵抗のナノ構造導電性薄膜を提供することである。ナノ構造薄膜は、電流拡散を増大するため、光発散角が大きめで、発光ダイオードや太陽電池等の光電子デバイスにおいて極めて適用性が高い。
【0013】
本発明の別の曲面は、ナノ構造薄膜を生成する方法を提供することである。本発明では、電子ビームによる斜め堆積法をもちいて、ナノメートル規模の柱状微細構造を生成している。
【0014】
本発明の前述の形態および他の形態、目的、および態様、ならびに特徴および利点は、付属の図面とともに読み解けば、現在の望ましい実施例に関する以下の詳細な記述から、さらに明らかになるであろう。詳細な記述および図面は、添付の請求項およびこれに相当するものにより明らかにされている本発明の範囲を制限するというよりは、単に本発明の説明のためのものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
ここでは、本発明の望ましい実施例および添付の図面をもちいて、本発明についてより詳細に説明する。ただし、本発明の望ましい実施例は説明用のみのものであることを認識されたい。ここで提示する実施例の他に、本発明は、明示的に説明されているものの他に、他の実施例の広範な範囲で実現することができ、本発明の範囲は、添付の請求項で指定されている場合を除き、明示的には制限されない。
【0016】
まず図1aを参照すると、これは、本発明の1つの実施例にしたがい、透明電極膜を生成するための、斜め堆積法による電子ビーム蒸着システム100を示したものである。本システムには以下のものが含まれる:電子ビーム蒸着システム100の構成要素を受け、プロセススペースを明確にする外部チャンバー101。良好なプロセス品質を提供するため、チャンバー内の圧力および温度は安定した状態に制御される。中央ディスク102は、周囲に複数のカンチレバーが吊り下がった、チャンバー内部の表面中央に配置されている;支持シャフト103は中央ディスク102の中心に接続され、これは、より良好な工程の均一性を得るため、中央ディスク102と共に軸方向に回転できる。各々のカンチレバー106は、試料ステージ104と接続するため、下部端に回転部品105を備えている。蒸着基板(図1bの114)は試料ステージ104上に固定することができ、回転部品105は試料ステージ104の傾斜角度を調整するために使用する。試料ステージ104の傾斜角度は、基板に対する蒸着微粒子の入射角を帰るため、最終製品の特性が変わる。坩堝110は、蒸着されるターゲットソースを配置するための中央ディスク102の真下に配置される。坩堝110は、工程中、中に置かれるターゲットソースと反応し合わない高温物質で製作されている。チャンバー内には、さまざまなガスの流量を制御するため、複数のガス制御弁107および108が配置されている。さらに、プロセス温度を制御、維持するための熱源111が配置されている。チャンバー101内には、温度を測定するため、熱電対112を任意に設置してもよい。図1aの点線Lは、蒸着基板に入射する蒸着源の方向を示しており、詳細は図1bでの次の実施例で記述する。
【0017】
次に図1bを参照すると、これは試料ステージ104上に設置する蒸着基板114の概略図を示したものである。本発明の斜め堆積装置は、ターゲットソースを蒸着するための電子ビーム蒸着システム100を含む;ガス制御弁107および108は、ガスの流量を制御するため、チャンバー内に配置される;熱源111は、温度を維持するために使用される;角度制御装置、すなわち、図1の回転部品105は、斜め堆積工程で基板の傾斜角度を制御するのに使用する。図1bに示すように、入射角は、ターゲット微粒子118の入射方向115と堆積基板114の法線方向との間に挟まれる角度117により規定される。ターゲット微粒子の入射角は、薄膜の物理的特性に顕著な影響を与える。
【0018】
本発明の別の実施例では、電子ビーム斜め堆積法による、多孔質のナノロッド構造を備えた導電性薄膜を生成する方法を開示する。調整可能な試料ステージを備えた電子ビーム蒸着システムは、斜め堆積効果を達成するために使用する。図2に示すように、本ステージは、以下のものからなる: 1。蒸着基板の傾斜角度、チャンバー内の蒸着温度、導入ガスの流量等、工程(201)における各々のパラメータを調整、安定化する。例えば、本工程での傾斜角度は0°から90°であり、50°から90°の角度が好ましい;2。本工程における全パラメータは、基板上のターゲット材料を堆積するため、電子ビーム蒸着システムを用いて安定化される(202)。本工程では、電子を加速するため高電位が印加され、電子の軌跡を制御するための電磁界を発生させる。加速された電子はターゲット材料(すなわち、蒸着源)と衝突し、ターゲット材料を蒸発させてガス状にするための熱源を生み出す。本発明の実施例での蒸着基板114のように、ターゲットガスは、高真空環境内では基板上に塗布される。本発明で使用されるターゲット材料あるいは蒸着源には、インジウムスズ酸化物(ITO),
アルミ亜鉛酸化物(AZO)、ZnO、および、透明導電性膜を生成可能なその他の物質が含まれる。本発明での蒸着基板には、Si基板、GaAs基板、ガラス基板、フレキシブル基板等が含まれる。この工程中、蒸着基板は特定の角度に調整され、望ましい透明電極構造を得るため、基板の法線方向とターゲット微粒子の入射方向との間に挟まれる角度は0°から90°内に制御されるが、図1bの挟まれ角117に示されるように、望ましい角度は50°から90°である。一般に、窒素、酸素、あるいはアセチレン等、プロセスガスが蒸着時に導入される場合には、ガスのタイプと流量の両方が、蒸着される薄膜の電気的特性と光学的特性に影響を及ぼす。本発明の実施例では、蒸着工程時、チャンバーには、酸素、窒素、またはこれらを組み合わせたもの、が導入される。ガスの流量は0sccmから50sccmの間で構成される。蒸着システムは、望ましい電気的特性と光学的特性を得るため、同時にチャンバーの圧力を10トルから10トルの間に維持する。その結果を、次の実施例で説明する。蒸着工程の前に、プロセスチャンバーはプロセス温度まで予熱される。本発明の実施例では、電子ビーム蒸着システム内の温度は、約100°Cから450°Cに構成される。蒸着が完了すると、透明導電性薄膜が蒸着基板上に生成される。望ましい薄膜電極構造を得るため、蒸着後、熱アニールの工程が適用される(203)。アニールの工程中に酸素が導入され、温度は200°Cから900°Cに構成され、本工程の持続時間は約1分から60分である。本発明における熱アニールの工程により、薄膜の微細構造の透過率がさらに増大し、その抵抗率はさらに減少する。
【0019】
次に図3aを参照すると、これは斜め堆積による薄膜微細構造の概略図を示したものだる。図に示すように、上記の方法により生成された薄膜はナノロッド構造119を有し、これは蒸着基板114上に均一に分布している。図3bおよび図3cは、ナノロッド構造119の上面画像と横断面の画像をそれぞれ示したものである。ナノロッド構造119は、布に包んだ繊維と同様、段板上の柱状の集合体である。ナノロッド構造は蒸着基板上に緊密に配列され、コンパクトな多孔質の薄膜微細構造を成している。さらに、図3aに示すように、本実施例でのナノロッドは端部が細くなっている。蒸着基板に近い方の水平面は膜の密度が高く、膜の表面に近い水平面は密度が低くなっている。こうした構造により、単層内で勾配型の屈折率効果を得ることができる。一方、先行技術による手法では、単一の基板上で複数の蒸着工程を行うことにより、多層による薄膜構造を生成しており、個々の層のターゲット材料を変えることもできる。比較するならば、本発明の利点は、蒸着工程のパラメータを調整することにより、単層で勾配型の屈折率効果を得られることである。そのため、必要なプロセス材料およびコストが削減され、透明薄膜電極の卓越した電気的特性が達成される。
【0020】
本発明の本により生成されたナノ構造薄膜は、卓越した透明電極特性を備えている。図4は、ガラス基板上に塗布されたナノ構造薄膜の透過率分布を示したものである。図に示されているように、本発明で生成された透明薄膜電極は、450nmから800nmの範囲の波長の入射光の下で最高98%の透過率を備え、本発明での薄膜の有効波長は可視スペクトルから近赤外線スペクトルまでにわたる。光電子デバイスでの透明電極に適用した場合、透過率が高いということは、より多くの入射光を受光できるということである。単一の入射光は、波長の数値は別として、特定の波長範囲を有し、広帯域特性をもつ透明電極は、実質上より多くの入射光を受光する。さらに、図5に示すように、本発明における透明電極のシート抵抗は、導入ガスの流量によって変わる。LEDの適用に関する限りでは、透明電極と基板間の抵抗が増すと、デバイスの変換効率が劣化するだけでなく、不要な熱が発生して、デバイスの寿命を縮める。本発明の実施例では、窒素を導入することにより、シート抵抗は50Ω/□へと減じられ、透明電極が良好な電流拡散性および卓越した導電性を有するようになる。Si基板の適用の場合、図6は、本発明における透明電極構造の反射率の分布を示したものである。図に示すように、反射率の分布は、使用するターゲットソース(例えば、ITOやSiO)と導入するガスのタイプ(NやO)によって変わる。本発明で生成されたナノロッド薄膜では、550nmから800nmまでの範囲の波長をもつ入射光の反射率性能は10%未満である。反射率が低いと、入射光のエネルギー損失は少なくなり、太陽電池の電気効率は大幅に向上する。
【0021】
そのため、本発明の方法は、広帯域、高透過率(98%超)、低反射率(10%未満)、および低シート抵抗(50Ω/□)といった特性を備えたナノ構造の導電性薄膜を生成することができるため、受光量を増大させ、導電性補助電極に卓越した吸光性をもたらし、これは太陽電池の表面薄膜の用途に適応することができる。さらに、ナノロッド構造により生成された薄膜は、光発散角度を拡大し、電流拡散性を上げるため、ある程度の表面粗さを備えている。そのため、本発明は、LED装置の光電子特性を向上することができる。
【0022】
ここで開示する本発明の実施例が現在望ましい実施例とみなされている一方で、本発明の精髄および範囲から逸脱することなく、さまざまな変更および修正を行うこともできる。本発明の範囲は添付の請求項に提示されており、これに相当する意味および範囲内に入る全ての変更がその中に包含されるよう意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1a】本発明の1つの実施例にしたがい、透明電極膜を生成するための、斜め堆積法による電子ビーム蒸着システムを示したものである。
【図1b】本発明の1つの実施例にしたがい、入射試料ステージ上に配置される蒸着基板を示したものである。
【図2】本発明の1つの実施例にしたがい、電子ビームによる斜め堆積法によるナノ構造導電性薄膜生成のフローチャートを示したものである。
【図3a】本発明の1つの実施例にしたがい、図2の斜め堆積法により生成した膜の概略図を示したものである。
【図3b】本発明の1つの実施例にしたがい、図3aのナノロッド構造のSEM画像である。
【図3c】本発明の1つの実施例にしたがい、図3aのナノロッド構造の横断面図を示したものである。
【図4】本発明の1つの実施例にしたがい、ガラス基板上に塗布したナノロッド構造の波長の分布を示したものである。
【図5】本発明の1つの実施例にしたがい、ガラス基板上に塗布したナノロッド構造のシート抵抗の分布を示したものである。
【図6】本発明の1つの実施例に従い、ナノロッド構造の反射率の分布を示したものである。
【符号の説明】
【0024】
100:電子ビーム蒸着システム
101:外部チャンバー
102:中央ディスク
103:支持シャフト
104:試料ステージ
105:回転部品
106:カンチレバー
107、108:ガス制御弁
109:ターゲットソース
110:坩堝
111:熱源
112:熱電対
114:堆積基板
115:入射方向
116:法線方向
117:115と116間の角度
118:ターゲット微粒子
119:ナノロッド構造

【特許請求の範囲】
【請求項1】
斜め堆積による薄膜構造の生成方法であって、
電子ビーム堆積システムにより、チャンバー内でターゲットソースを堆積するステップと、
斜め堆積により蒸着基板上に薄膜を生成するため、前記チャンバーにプロセスガスを導入し、前記蒸着基板の傾斜角を調整し、蒸着時、前記チャンバー内のプロセス温度を制御しておくステップと、
多孔質のナノロッド微細構造をもつ薄膜を生成するため、前記蒸着基板をアニールするステップとを含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記の導入されるプロセスガスが酸素、窒素、およびそれを組み合わせたものを含み、
前記の導入されるプロセスガスの流量が0sccmから50sccmまでである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記のターゲットソースの入射方向と前記蒸着基板の法線方向との間に挟まれる角度が0゜から90゜である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】

【請求項5】
前記アニールが1分から60分程度持続し、アニール温度が200゜Cから900゜Cに制御される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
勾配型屈折率と良好な透過率とを備えた単層構造を生成するため、前記膜が、縁部が細くなった、多孔質のナノロッドを含む、電子ビーム斜め堆積により生成される膜。

【図1a】
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【図1b】
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【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【図3c】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−43348(P2010−43348A)
【公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−297210(P2008−297210)
【出願日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【出願人】(503077109)国立交通大学 (34)
【Fターム(参考)】