説明

斜出射電子線プローブマイクロX線分析方法およびそれに用いられるプログラム、並びに、斜出射電子線プローブマイクロX線分析装置

【課題】試料のセット時に生じる試料表面の傾斜を補正する方法を提供すること。
【解決手段】斜出射電子線プローブマイクロX線分析方法は、試料ステージに載置された試料に電子線を照射し、試料内部から発せられる特性X線が試料表面での全反射現象により検出されない角度以下に試料ステージを傾斜させて特性X線の取出角度を設定することにより試料の表層から発せられる特性X線のみをX線検出器で選択的に検出する斜出射電子線プローブマイクロX線分析方法において、所定の基準面に対する試料表面の傾斜角度を求める工程と、求められた傾斜角度が相殺されるように試料ステージを傾斜させて特性X線の取出角度を設定する工程を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、斜出射電子線プローブマイクロX線分析方法およびそれに用いられるプログラム、並びに、斜出射電子線プローブマイクロX線分析装置に関し、詳しくは、試料のセット時に生じる試料表面の傾斜を補正する方法、及びそれに用いられるプログラム、並びに斜出射電子線プローブマイクロX線分析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
試料の微小領域や表面の元素分析を行う分析装置として、試料に電子線を照射し、照射された微小領域や表面から励起される特性X線をX線検出器により検出する電子線プローブマイクロX線分析装置(EPMA)が知られている。
EPMAは電子線を試料に照射すると、その照射領域に存在する各元素がそれぞれ固有のエネルギーや波長を有する特性X線を放出することを利用する。
電子線により励起された特性X線のエネルギースペクトラムや波長分布を分析することにより、照射領域に存在する元素を知ることができる。
【0003】
しかし、従来のEPMAでは、例えば、試料表面上の厚さがマイクロメーター以下の薄層の元素を分析することは困難であった。
これは、試料から放出される特性X線には、試料内部と試料表面の薄層との両方から放出される特性X線が含まれ、しかも試料内部から放出されるX線強度が、試料表面の薄層から放出される特性X線に比べて強いので、薄層から放出される特性X線のみを選択的に抽出して分析できないからである。
【0004】
この点に関して、低エネルギー(低加速)の電子線を照射して試料内部への電子線の進入深度を浅くすることによって、試料表面近傍からのみ特性X線を励起させる方法が考えられる。
しかし、低エネルギー電子線の使用は検出可能な元素を限定してしまうため、例えば、検出すべき元素が未知であり全ての元素を検出対象とする必要がある場合などには適切でない。
【0005】
試料表面の薄層の組成を分析しようとすれば、電子線プローブなどで薄層に電子線を照射し、電子線により励起される特性X線を分析することとなるが、試料内部からも大量の特性X線が発生するため、薄層のみの組成分析は困難であった。
【0006】
このような問題の解決策として、斜出射X線測定による新しいEPMA(以下、「斜出射EPMA」と呼ぶ)が提案された。
この斜出射EPMAは、電子線の照射方向に対し、試料内部から発せられる特性X線が全反射現象により試料表面から放出されない角度範囲に試料を傾斜させ、試料表面に存在する薄層から放出される特性X線のみを検出し分析するものである(例えば、特許文献1、特許文献2、非特許文献1および非特許文献2参照)。
【0007】
【特許文献1】特開2001−208708号公報
【特許文献2】特開2002−286661号公報
【非特許文献1】K.Tsuji et al.,Anal.Chem.71(1999):2497−2501
【非特許文献2】K.Tsuji et al.,Spectrochimica Acta Part B: Atomic Spectroscopy 56 (2001):2497−2504
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
現在、斜出射EPMA装置としての市販品は存在しないが、比較的容易に市販のEPMA装置を用いて斜出射測定が可能である。
斜出射EPMAでは、試料表面の薄層から放出されX線検出器に入射する特性X線の試料表面に対する角度(特性X線の取出角度)を制御することが重要であり、このために試料ホルダを傾斜させる方法、X線検出器(エネルギー分散型X線検出器(Energy Dispersive X-ray Spectrometer:EDS)および波長分散型X線検出器(Wavelength Dispersive X-ray Spectrometer:WDS))を移動させる方法、試料ステージを上下に移動させる方法などが考えられている。
【0009】
それぞれの方法には、長所・短所がある。市販されているEPMAやSEM−EDS装置では、電子源とX線検出器が真空チャンバーに固定されているため、X線検出器を移動させる方法は採用できない。
市販のEPMA装置における取出角度の制御方法として、試料ステージを傾斜させる方法、又は、試料ステージを上下移動させる方法が容易である。
【0010】
しかし、試料ステージを上下移動させる方法には、X線取出角度の範囲に制限がある。一方、試料ステージを傾斜させる方法は、幅広いX線取出角度の実現が可能であり、斜出射EPMA分析に適している。
【0011】
斜出射EPMAでは、上述のとおり特性X線の取出角度を厳密に制御することが重要であるが、そのためには、試料ステージを傾斜させる前の状態における試料表面の傾斜角度も厳密に制御されていなければならない。
つまり、通常、EPMA装置にセットされた試料の表面は必ずしも完全な水平とはならず、セットを行う度に僅かな傾斜(狂い)が生じるため、EPMA装置にセットされた試料表面の傾斜角度が精密に制御(補正)されていなければ、試料ステージの傾斜角度を精密に制御しても実際のX線取出角度に変動が生じてしまう。
以下に試料表面の傾斜角度が制御されない場合の問題例を記す。
【0012】
問題例(1)
ある試料におけるX線取出角度と分析膜厚の相関を求めたとする。求めた相関関係から、X線取出角度が(A)のときに分析膜厚が(B)となることが分かるが、試料のセットをやり直すと、X線取出角度が(A)のときに分析膜厚が(C)になってしまう。
これは、試料のセットをやり直したことにより試料表面の傾斜角度が変動し、X線取出角度(A)を再現するべく試料ステージを傾斜させても、実際のX線取出角度は(A)とはならず(A')になってしまうからである。
つまり、以前に求めたX線取出角度と分析膜厚の相関が使えなくなる問題が生じる。
【0013】
問題例(2)
斜出射EPMAで組成定量分析を行う際には、精度の点から検量線法が望ましい。つまり組成が既知である複数の試料と被分析試料とで組成定量を行う。
このとき、複数の試料間では試料表面の傾斜角度に相対的な差が生じているので、各試料のX線取出角度も自ずと異なることになる。
全試料のX線取出角度が等しくなければ各試料の分析膜厚も異なり、正確な組成定量が行えない。
【0014】
この発明は以上のような事情を考慮してなされたものであり、試料のセット時に生じる試料表面の傾斜を補正する方法、及びそれに用いられるプログラム、並びに斜出射電子線プローブマイクロX線分析装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
この発明は、試料ステージに載置された試料に電子線を照射し、試料内部から発せられる特性X線が試料表面での全反射現象により検出されない角度以下に試料ステージを傾斜させて特性X線の取出角度を設定することにより試料の表層から発せられる特性X線のみをX線検出器で選択的に検出する斜出射電子線プローブマイクロX線分析方法において、所定の基準面に対する試料表面の傾斜角度を求める工程と、求められた傾斜角度が相殺されるように試料ステージを傾斜させて特性X線の取出角度を設定する工程を備える斜出射電子線プローブマイクロX線分析方法を提供するものである。
【発明の効果】
【0016】
この発明による斜出射電子線プローブマイクロX線分析方法によれば、試料ステージを傾斜させる前に所定の基準面に対する試料表面の傾斜角度が求められ、求められた傾斜角度が相殺されるように試料ステージを傾斜させることにより特性X線の取出角度が設定されるので、試料を試料ステージに載置する際に生じる試料表面の傾斜が適切に補正され正確なX線取出角度の設定が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
この発明による斜出射電子線プローブマイクロX線分析方法は、試料ステージに載置された試料に電子線を照射し、試料内部から発せられる特性X線が試料表面での全反射現象により検出されない角度以下に試料ステージを傾斜させて特性X線の取出角度を設定することにより試料の表層から発せられる特性X線のみをX線検出器で選択的に検出する斜出射電子線プローブマイクロX線分析方法において、所定の基準面に対する試料表面の傾斜角度を求める工程と、求められた傾斜角度が相殺されるように試料ステージを傾斜させて特性X線の取出角度を設定する工程を備えることを特徴とする。
【0018】
この発明による斜出射電子線プローブマイクロX線分析方法において、特性X線の取出角度とは、電子線の照射により励起され、試料表面から放出されてX線検出器に入射する特性X線の試料表面に対する角度を意味する。換言すればX線検出器へ向かって放出される特性X線と試料表面とのなす角度のことである。
また、試料表面の傾斜角度とは、試料ステージを傾斜させる前における所定の基準面に対する試料表面の傾斜角度を意味する。
【0019】
この発明による斜出射電子線プローブマイクロX線分析方法において、試料表面の傾斜角度を求める前記工程は、試料ステージを所定の基準面として試料表面の絶対的な傾斜角度を求める工程であってもよい。
【0020】
この発明による斜出射電子線プローブマイクロX線分析方法において、試料が複数であるとき、試料表面の傾斜角度を求める前記工程は、任意の1つの試料の表面を基準として複数の試料間の相対的な傾斜角度の差を求める工程であってもよい。
【0021】
このような構成によれば、任意の1つの試料の表面を基準として複数の試料間の相対的な傾斜角度の差が求められるので、求められた差に応じて試料ステージの傾斜角を各試料毎に調整することにより、複数の試料間で特性X線の取出角度を一致させることができる。
しかし、一致させられた取出角度が真に正しい絶対的な取出角度であるか、それとも複数の試料間における取出角度を一致させるために便宜的に設定された取出角度に過ぎないのかは定かでない。
【0022】
というのは、複数の試料間の相対的な傾斜角度の差を求める際に基準とされた試料の絶対的な傾斜角度、すなわち試料ステージに対する傾斜角度が0°でない限り、上記の便宜的に設定された取出角度は基準とされた試料表面の傾斜角度を含み、真の絶対的に正しい取出角度とはなり得ないからである。
したがって、任意に定めた1つの試料を基準として複数の試料間の相対的な傾斜角度の差を求め、便宜的に複数の試料間の取出角度の一致を図る上記手法は、特性X線の取出角度と分析膜厚との相関データを求めるような場合には必ずしも適切とは言えない。
【0023】
この発明による、斜出射電子線プローブマイクロX線分析方法において、試料が複数であるとき、試料表面の傾斜角度を求める前記工程は、任意の1つの試料の表面を基準面として複数の試料間の相対的な傾斜角度の差を求めると共に、試料ステージを所定の基準面として任意の1つの試料における絶対的な傾斜角度を求め、複数の試料間の相対的な傾斜角度の差と前記任意の1つの試料の絶対的な傾斜角度から、複数の試料について試料ステージを基準面とする絶対的な傾斜角度を求める工程であってもよい。
【0024】
このような構成によれば、複数の試料間の相対的な傾斜角度と1つの試料の絶対的な傾斜角度とに基づいて、複数の試料について試料ステージを基準面とする絶対的な傾斜角度が効率よく求められるので、絶対的な取出角度の一致を図ることができ、精度よく組成定量分析を行えるだけでなく、特性X線の取出角度と分析膜厚との相関関係を求める場合にも適したものとなる。
【0025】
複数の試料間の相対的な傾斜角度の差と任意の1つの試料の絶対的な傾斜角度から、複数の試料について試料ステージを基準面とする絶対的な傾斜角度を求める上記構成において、前記任意の1つの試料の絶対的な傾斜角度は、光学顕微鏡を用いた光学的手法によって求められてもよい。
【0026】
このような構成によれば、予め求められた取出角度と特性X線強度との相関関係などに頼ることなく試料ステージに対する絶対的な傾斜角度を求めることができ、分析すべき構成元素が未知な場合や、利用可能な相関関係が整備されていない場合などに有用な手法となる。
【0027】
また、前記任意の1つの試料の絶対的な傾斜角度は、所定の試料における所定の元素について予め求められた特性X線の取出角度と特性X線の強度との相関関係に基づいて求められてもよい。
【0028】
このような構成によれば、上記のような光学顕微鏡を用いた焦点調整や、距離測定などの煩雑な作業を経ることなく、予め求められた相関関係に基づいて試料ステージに対する試料表面の絶対的な傾斜角度を一義的かつ容易に導き出すことができ、効率よく組成定量分析を行うことができる。
【0029】
また、予め求められた相関関係に基づいて任意の1つの試料の絶対的な傾斜角度が求められる上記構成において、前記任意の1つの試料の絶対的な傾斜角度は、前記相関関係から導き出された所定の特性X線強度が得られる所定の取出角度に基づいて求められてもよい。
【0030】
また、予め求められた相関関係に基づいて任意の1つの試料の絶対的な傾斜角度が求められる上記構成において、前記任意の1つの試料の絶対的な傾斜角度は、前記相関関係から導き出された特性X線強度の臨界角度に基づいて求められてもよい。
【0031】
また、予め求められた相関関係に基づいて任意の1つの試料の絶対的な傾斜角度が求められる上記構成において、前記任意の1つの試料の絶対的な傾斜角度は、前記相関関係から導き出された特性X線強度の消失角度に基づいて定められてもよい。
【0032】
この発明による斜出射電子線プローブマイクロX線分析方法において、試料は半導体ウェハーであってもよい。
【0033】
この発明は別の観点からみると、試料ステージに載置された試料に電子線を照射し、試料内部から発せられる特性X線が試料表面での全反射現象により検出されない角度以下に試料ステージを傾斜させて特性X線の取出角度を設定することにより試料の表層から発せられる特性X線のみをX線検出器で選択的に検出する斜出射電子線プローブマイクロX線分析方法において、所定の基準面に対する試料表面の傾斜角度を求める工程と、求められた傾斜角度が相殺されるように試料ステージを傾斜させて特性X線の取出角度を設定する工程を備える斜出射電子線プローブマイクロX線分析方法に用いられるプログラムであって、コンピュータに、入力された情報に基づいて所定の基準面に対する試料表面の傾斜角度を求めさせる手順と、試料表面の傾斜角度が相殺されるように試料ステージを傾斜させるのに必要な試料ステージの制御データを求めさせる手順と、求められた制御データに基づいて試料ステージを駆動させる手順とを実行させるプログラムを提供するものでもある。
【0034】
この発明は更に別の観点からみると、試料ステージと、試料ステージを駆動する駆動部と、試料ステージに載置された試料に対して電子線を照射する電子線照射部と、試料表面から発せられる特性X線を検出するX線検出部と、駆動部、電子線照射部およびX線検出部を制御する制御部を備え、制御部は入力された情報に基づいて所定の基準面に対する試料表面の傾斜角度を求め、求められた傾斜角度が相殺されるように試料ステージを傾斜させて特性X線の取出角度を設定する斜出射電子線プローブマイクロX線分析装置を提供するものでもある。
【0035】
以下、図面に示す実施例に基づいてこの発明を詳細に説明する。
【実施例】
【0036】
図1〜3に基づいて、この発明の実施例による斜出射電子線プローブマイクロX線分析方法について説明する。
図1は実施例による斜出射電子線プローブマイクロX線分析方法に用いられる斜出射電子線プローブマイクロX線分析装置の概略的な説明図、図2は図1に示される斜出射電子線プローブマイクロX線分析装置における波長分散型X線検出器の配置を概略的に示す説明図、図3はAl−Kα線の強度測定結果を示すグラフ図である。
【0037】
図1に示される斜出射電子線プローブマイクロX線分析装置1は、試料ステージ2と、試料ステージ2を駆動する駆動部3と、試料4の表面における任意の分析点に焦点を合わせるための光学顕微鏡5と、試料ステージ2に保持(載置)された試料4に対して電子線Eを走査するための電子線走査部(電子線照射部)6と、試料4の表面から発せられる特性X線Cを検出するX線検出部7と、駆動部3、電子線走査部6およびX線検出部7を制御する制御部8とを備えている。
【0038】
また、斜出射電子線プローブマイクロX線分析装置1は、試料4の表面における任意の位置の位置情報(X座標、Y座標およびZ座標(高さ))を制御部8に入力するための入力部9を備えている。
制御部8は入力部9を介して入力された情報に基づいて所定の基準面に対する試料4の表面の傾斜角度を求め、求められた傾斜角度が相殺されるように試料ステージ2を傾斜させて特性X線Cの取出角度を設定する。
【0039】
斜出射電子線プローブマイクロX線分析装置1は、上記構成に加えて、電子線Eの照射を受けた試料から発せられる二次電子Sを検出する二次電子検出部10と、二次電子検出部10によって検出された二次電子Sに基づいて可視化された電子顕微鏡画像を表示する表示部11とをさらに備えている。
【0040】
より詳しくは、斜出射電子線プローブマイクロX線分析装置1は、電子線走査部6が収容される鏡筒12、試料ステージ2が収容される試料室13、X線分光が行われる分光室14とから主に構成されている。
試料室13に収容される試料ステージ2は、X軸ステージ2a、Y軸ステージ2b、Z軸ステージ2c、回転ステージ2dおよび傾斜ステージ2eとから構成されており、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向に移動でき、かつ、任意の方向に傾斜・回転できる構成となっている。
X軸ステージ2a、Y軸ステージ2b、Z軸ステージ2c、回転ステージ2dおよび傾斜ステージ2eは、駆動部3としてのパルスモータ(図示せず)でそれぞれ駆動される。
試料4は、試料ホルダ15にセットされたうえで図示しない試料出入口から試料ステージ2上に運ばれる。
【0041】
鏡筒12に収容される電子線走査部6は、電子線Eを出射する電子銃と16と、電子銃16から出射された電子線Eを収束させる収束レンズ17と、収束レンズ17によって収束された電子線Eを走査させる走査コイルと18と、電子線Eを細く絞って電子プローブ状にする電磁対物レンズ19とから主に構成されている。
電磁対物レンズ19の近傍には、光学対物レンズ20が配置され、光学反射鏡21によって反射された試料像は試料室13に装着された光学顕微鏡5に入射するように構成されている。
光学顕微鏡5は焦点調整を行う際に利用されるもので、光学顕微鏡5の焦点調整とZ軸ステージ2cの移動は連動しており、光学顕微鏡5の像が鮮明になるように調整することにより試料4の高さ調整が行われる。
【0042】
試料室13に収容された二次電子検出部10は、図示しない二次電子検出器および増幅器とから構成され、表示部11は図示しない画像処理装置と表示装置とから構成され、二次電子検出器に捉えられた二次電子Sに基づいて形成された電子顕微鏡画像が表示部11に表示される。
【0043】
制御部8は図示しないI/Oポート、CPU、制御用のプログラムを格納したROM、CPUにワークエリアを提供するRAM、各種ドライバ回路とから主に構成されるコンピュータであり、制御用のプログラムに基づいて試料ステージ2を制御する制御データを求め、求めた制御データに基づいて駆動部3を駆動制御する。
上述の駆動部3、電子線走査部6、X線検出部7、入力部9および表示部11は、バスライン22を介して制御部8に接続され、制御部8の制御の下に一連の動作を行う。
また、図示しないが、鏡筒12、試料室13および分光室14は真空排気装置と接続されており、制御部8は真空排気装置の制御も行う。
【0044】
X線検出部7は、試料室13に特性X線Cの入射口23aが突き出たエネルギー分散型X線検出器(EDS)23と、分光室14に収容された波長分散型X線検出器(WDS)24とからなる。
なお、図1では1つのWDS24しか示されていないが、図2に示されるようにWDS24は試料室の周囲にチャンネル1(CH1)〜チャンネル5(CH5)まで5つ設けられている。
【0045】
EDS23は、特性X線Cを検出して特性X線のエネルギーに比例したパルス電流を生み出す半導体検出器(図示せず)と、半導体検出器によって生み出されたパルス電流を選別する多チャンネル波分析器(図示せず)とから主に構成される。
EDS23が用いられる場合、EDS23の入射口23aと電子線Eが照射された試料4の表面とを結ぶ線が試料4の表面に対してなす角度を特性X線Cの取出角度と定義することができる。
【0046】
一方、WDS24は、分光室14に収容され特定波長のX線を選別(分光)する分光結晶25と、分光結晶により分光されたX線を検出するX線検出器26とから主に構成される。
チャンネル1〜5の分光室14には分光するX線の波長範囲に応じて種類の異なる分光結晶がそれぞれ収容されている。
WDS24が用いられる場合、分光結晶25の中心と電子線Eが照射された試料4の表面とを結ぶ線が試料4の表面に対してなす角度を特性X線Cの取出角度と定義することができる。
【0047】
EDS23およびWDS24はいずれもバスライン22に接続され、EDS23およびWDS24によって検出されたデータは制御部8によって処理され、表示部11に分析結果が表示される。
【0048】
以下、このような斜出射電子線プローブマイクロX線分析装置1を用いた斜出射電子線プローブマイクロX線分析方法について実施例1〜6に基づいて詳しく説明する。以下の説明で引用する装置各部の符号については適宜図1を参照されたい。
【0049】
以下の実施例1〜6は、互いに異なる元素濃度を有するAlGaAs試料(1)、(2)および(3)のうち、試料(1)および(2)により検量線を作成し、特性X線Cの取出角度が1°となるように試料ステージ2を傾斜させて試料(3)の定量分析を行うものである。
試料(1)〜(3)の元素濃度は以下の表1に示されるとおりである。
【0050】
【表1】

【0051】
なお、本実施例では特性X線Cの検出にWDS24が用いられる。検出すべき特性X線Cの種類に応じて以下のチャンネルが用いられる。
・Al−Kα:2CH−TAP
・Ga−Kα:3CH−LIFH
・As−Lα:2CH−TAP
・Si−Kα:2CH−TAP
・In−Lα:3CH−PETH
・P−Kα:3CH−PETH
【0052】
本発明は試料4を試料ホルダ15(試料ステージ2)にセットする際に生じる試料4の表面の傾斜を適切に補正することにより、正しい取出角度で斜出射EPMA測定を実施することを目的とする。この目的が達成されるかどうかを確認する必要があるため、以下の実施例ではいずれも測定の実施前に試料ホルダ15に対して試料4をセットし直す。
【0053】
実施例1
試料(1)〜(3)を試料ホルダ15にセットし、各試料について斜出射電子線プローブマイクロX線分析装置1に搭載されている光学顕微鏡5により、水平方向に1.5mm離れた各試料の上端と下端、すなわち特性X線Cの取出方向に沿った試料の両端に対して焦点調整を行い、Z方向(鉛直方向)の高低差ΔZを求め、以下の式(1)により、各試料を試料ホルダ15にセットする
際に生じた試料(1)〜(3)の表面における傾斜角度θをそれぞれ求める。
tanθ=ΔZ/L・・・(1)
【0054】
なお、上記の式(1)においてLは特性X線Cの取出方向に沿った試料の両端間の水平方向の距離であり、ここでは各試料とも1.5mmである。
また、このような光学顕微鏡5を用いて求められた試料表面の傾斜角度は、試料ホルダ15の試料載置面(試料ステージ2)を基準とした絶対的な傾斜角度である。
【0055】
試料(1)〜(3)の試料両端の高低差ΔZおよび試料表面の傾斜角度θ、並びに、特性X線Cの取出角度を1°に設定するうえで適切となる試料ステージ2の傾斜角度(試料表面の傾斜が相殺される試料ステージ2の傾斜角度)は以下の表2に示される通りである。
【0056】
【表2】

【0057】
なお、各試料の表面における絶対的な傾斜角度θは、各試料について測定されたΔZの値と、特性X線Cの取出方向に沿った試料の両端間の水平方向の距離Lの値を入力部9を介して制御部8に入力することにより、上記の式(1)に基づいて制御部8によって自動的に算出される。
【0058】
また、特性X線Cの取出角度を1°に設定するうえで適切となる試料ステージ2の傾斜角度も、上述のようにして求められた試料(1)〜(3)の表面における絶対的な傾斜角度と、設定したい所望の取出角度とを、入力部9を介して制御部8に入力することにより、制御部8が以下の式(2)に基づいて自動的に算出する。ここで制御部8には試料ステージ2が傾斜させられる前の初期状態の取出角度(本実施例では40°)が予め入力されているものとする。
θ1=θ2−(θ3+θ4)・・・(2)
【0059】
なお、上記の式(2)において、θ1は試料表面の傾斜が相殺されるように試料ステージ2を傾斜させるうえで適切となる試料ステージ2の傾斜角度、θ2は試料ステージ2を傾斜させる前の初期状態の取出角度、θ3は設定したい所望の取出角度、θ4は試料表面の絶対的な傾斜角度(表2のθ)である。θ4の値は試料表面の傾斜方向によっては負の値となることもある。
【0060】
制御部8は適切な試料ステージ2の傾斜角度θ1を算出した後、上記傾斜角度が反映された制御データに基づいて駆動部3を駆動制御し、各試料毎に所望の取出角度を実現させる。
【0061】
以上のように、試料毎に試料ホルダ15に対する試料表面の絶対的な傾斜角度を求め、求められた傾斜角度が相殺されるように試料ステージ2を試料毎に傾斜させることにより、試料(1)〜(3)の全てについて特性X線Cの取出角度を1°に正確に一致させることができる。
これにより、試料(1)および(2)に基づいて正確な検量線を作成することができ、試料(3)の定量分析を良好に行うことができる。
【0062】
実施例2
実施例2は、試料(1)の表面を基準として、試料(1)に対する試料(2)および(3)の相対的な傾斜角度の差を測定することにより、試料(1)〜(3)の取出角度を便宜的に一致させるものである。
試料(1)〜(3)を試料ホルダ15にセットし、試料(1)を基準として試料(1)〜(3)間の相対的な傾斜角度の差をレーザー角度測定器により測定する。結果は以下の表3に示す通りである。
【0063】
【表3】

【0064】
試料表面の傾斜が相殺されるように試料ステージ2を傾斜させるうえで適切となる試料ステージの傾斜角度は、上述の実施例1の式(2)と同様の式によって求められる。但し、上記の式(2)における試料表面の絶対的な傾斜角度θ4は、実施例2では試料(1)〜(3)の相対角度となる。
実施例2で設定された取出角度が真に正しい1°であるのかどうかは、基準とされた試料(1)の表面における絶対的な傾斜角度(試料ホルダ15の試料載置面を基準とした傾斜角度)が不明であるため定かでないが、試料(1)〜(3)の取出角度は一致させられる。
このため、試料(1)および(2)によって信頼性の高い検量線を作成でき、試料(3)の定量分析を良好に行うことができる。
【0065】
実施例3
実施例3では、上述の実施例2の方法で試料(1)の表面を基準とする試料(1)〜(3)間の相対的な傾斜角度の差を求めると共に、基準とされた試料(1)の表面における絶対的な傾斜角度、すなわち試料ホルダ15の試料載置面に対する傾斜角度を上述の実施例1の方法で求める。
試料(1)の表面における絶対的な傾斜角度が求められるので、試料(1)に対する試料(2)および(3)の相対的な傾斜角度の差に試料(1)の表面の絶対的な傾斜角度をそれぞれ加算することにより、試料(2)および(3)の絶対的な傾斜角度を求めることができる。
よって、上述の実施例1の式(2)を用いることにより、試料表面の傾斜が相殺されるように試料ステージ2を傾斜させるうえで適切となる試料ステージ2の傾斜角度を求めることができる。結果は以下の表4に示すとおりである。
【0066】
【表4】

【0067】
このように、実施例3では、任意の1つの試料を基準とした複数の試料間の相対的な傾斜角度の差と、任意の1つの試料の絶対的な傾斜角度から全ての試料について絶対的な傾斜角度を求めることができる。
【0068】
実施例4
上述の実施例3では実施例1に記載の光学顕微鏡を用いる手法で試料(1)の絶対的な傾斜角度を求めた。
これに対し、実施例4では、取出角度と特性X線強度との相関関係が予め既知のGaAs試料を用い、Ga−Kα線強度がある強度になるとき、特性X線の取出角度が0.5°になっていると決めてしまう方法を用いて、GaAs試料表面の絶対的な傾斜角度を求める。
【0069】
つまり、試料ステージを傾斜させる前の初期状態の取出角度が40°、試料ステージ2を傾斜させる前のGaAs試料表面の傾斜角度が0°であれば、試料ステージを39.5°まで傾斜させたときに取出角度が0.5°になるはずである。
よって、GaAs試料の取出角度が0.5°となったときの試料ステージの傾斜角度をみることにより、GaAs試料の表面の絶対的な傾斜角度を求めることができる。
【0070】
GaAs試料の表面の絶対的な傾斜角度をθ5、GaAs試料の取出角度が0.5°となったときの試料ステージ2の傾斜角度をθ6、試料ステージ2を傾斜させる前の初期状態の取出角度θ7とすると、GaAs試料の表面の絶対的な傾斜角度θ5は次の式(3)により求められる。
GaAs試料の取出角度が0.5°となったときの試料ステージ2の傾斜角度を入力部9を介して制御部8に入力することにより、制御部8にGaAs試料の表面における絶対的な傾斜角度を算出させることができる。なお、この場合、試料ステージ2が傾斜させられる前の初期状態の取出角度(本実施例では40°)が制御部8に予め入力されているものとする。
θ5=θ7−(θ6+0.5)・・・(3)
【0071】
このようにしてGaAs試料の表面の絶対的な傾斜角度を求めると共に、GaAs試料を基準とした試料(1)〜(3)の相対的な傾斜角度の差を求め、GaAs試料表面の絶対的な傾斜角度に試料(1)〜(3)の相対的な傾斜角度の差をそれぞれ加算することにより、全ての試料の表面について絶対的な傾斜角度を求めることができる。
後は、上述の実施例1の式(2)を用いることにより、試料表面の傾斜が相殺されるように試料ステージ2を傾斜させるうえで適切となる試料ステージ2の傾斜角度を求めることができる。
【0072】
実施例5
上述の実施例4では、取出角度と特性X線強度との相関関係が予め既知のGaAs試料を用い、Ga−Kα線強度がある強度になるとき、特性X線の取出角度が0.5°になっていると決めてしまう方法を用いて、GaAs試料表面の絶対的な傾斜角度を求めた。
実施例5も実施例4に類似するもので、Si試料のSi−Kα線強度のX線取出角度依存性測定を行い、臨界角度を求め、その角度を1.02度と決めてしまう方法を用いて、Si試料表面の絶対的な傾斜角度を求める。そして求められたSi試料表面の絶対的な傾斜角度に基づいて試料(1)〜(3)の表面の絶対的な傾斜角度を求め、各試料について適切な試料ステージ2の傾斜角度を求める。
【0073】
実施例6
実施例6も上述の実施例4および5に類似するもので、GaInP(30nm)/AlGaInP試料を用いてAl−Kα線の強度測定を行い、下地からの信号であるAl−Kα線強度が消失する角度を0.3°と決めてしまう方法を用いて、GaInP/AlGaInP試料表面の絶対的な傾斜角度を求める。
そして求められたGaInP/AlGaInP試料表面の絶対的な傾斜角度に基づいて試料(1)〜(3)の表面の絶対的な傾斜角度を求め、各試料について適切な試料ステージ2の傾斜角度を求める。参考までにAl−Kα線の強度測定結果を図3に示す。
【0074】
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、試料のセット時に生じた傾斜を適切に補正することができ、正確な取出角度で斜出射EPMA測定を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】この発明の実施例による斜出射電子線プローブマイクロX線分析方法に用いられる斜出射電子線プローブマイクロX線分析装置の概略的な構成図である。
【図2】図1に示される斜出射電子線プローブマイクロX線分析装置における波長分散型X線検出器の配置を概略的に示す説明図である。
【図3】Al−Kα線の強度測定結果を示すグラフ図である。
【符号の説明】
【0076】
1・・・斜出射電子線プローブマイクロX線分析装置
2・・・試料ステージ
2a・・・X軸ステージ
2b・・・Y軸ステージ
2c・・・Z軸ステージ
2d・・・回転ステージ
2e・・・傾斜ステージ
3・・・駆動部
4・・・試料
5・・・光学顕微鏡
6・・・電子線走査部
7・・・X線検出部
8・・・制御部
9・・・入力部
10・・・二次電子検出部
11・・・表示部
12・・・鏡筒
13・・・試料室
14・・・分光室
15・・・試料ホルダ
16・・・電子銃
17・・・収束レンズ
18・・・走査コイル
19・・・電磁対物コイル
20・・・光学対物レンズ
21・・・光学反射鏡
22・・・バスライン
23・・・エネルギー分散型X線検出器(EDS)
23a・・・入射口
24・・・波長分散型X線検出器(WDS)
25・・・分光結晶
26・・・X線検出器
C・・・特性X線
E・・・電子線
S・・・二次電子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料ステージに載置された試料に電子線を照射し、試料内部から発せられる特性X線が試料表面での全反射現象により検出されない角度以下に試料ステージを傾斜させて特性X線の取出角度を設定することにより試料の表層から発せられる特性X線のみをX線検出器で選択的に検出する斜出射電子線プローブマイクロX線分析方法において、所定の基準面に対する試料表面の傾斜角度を求める工程と、求められた傾斜角度が相殺されるように試料ステージを傾斜させて特性X線の取出角度を設定する工程を備える斜出射電子線プローブマイクロX線分析方法。
【請求項2】
試料表面の傾斜角度を求める前記工程は、試料ステージを所定の基準面として試料表面の絶対的な傾斜角度を求める工程である請求項1に記載の斜出射電子線プローブマイクロX線分析方法。
【請求項3】
試料が複数であるとき、試料表面の傾斜角度を求める前記工程は、任意の1つの試料の表面を基準面として複数の試料間の相対的な傾斜角度の差を求める工程である請求項1に記載の斜出射電子線プローブマイクロX線分析方法。
【請求項4】
試料が複数であるとき、試料表面の傾斜角度を求める前記工程は、任意の1つの試料の表面を基準面として複数の試料間の相対的な傾斜角度の差を求めると共に、試料ステージを所定の基準面として任意の1つの試料における絶対的な傾斜角度を求め、複数の試料間の相対的な傾斜角度の差と前記任意の1つの試料の絶対的な傾斜角度から、複数の試料について試料ステージを基準面とする絶対的な傾斜角度を求める工程である請求項1に記載の斜出射電子線プローブマイクロX線分析方法。
【請求項5】
前記任意の1つの試料の絶対的な傾斜角度は、光学顕微鏡を用いた光学的手法によって求められる請求項4に記載の斜出射電子線プローブマイクロX線分析方法。
【請求項6】
前記任意の1つの試料の絶対的な傾斜角度は、所定の試料における所定の元素について予め求められた特性X線の取出角度と特性X線の強度との相関関係に基づいて求められる請求項4に記載の斜出射電子線プローブマイクロX線分析方法。
【請求項7】
前記任意の1つの試料の絶対的な傾斜角度は、前記相関関係から導き出された所定の特性X線強度が得られる所定の取出角度に基づいて求められる請求項6に記載の斜出射電子線プローブマイクロX線分析方法。
【請求項8】
前記任意の1つの試料の絶対的な傾斜角度は、前記相関関係から導き出された特性X線強度の臨界角度に基づいて求められる請求項6に記載の斜出射電子線プローブマイクロX線分析方法。
【請求項9】
前記任意の1つの試料の絶対的な傾斜角度は、前記相関関係から導き出された特性X線強度の消失角度に基づいて求められる請求項6に記載の斜出射電子線プローブマイクロX線分析方法。
【請求項10】
試料が半導体ウェハーである請求項1〜9のいずれか1つに記載の斜出射電子線プローブマイクロX線分析方法。
【請求項11】
試料ステージに載置された試料に電子線を照射し、試料内部から発せられる特性X線が試料表面での全反射現象により検出されない角度以下に試料ステージを傾斜させて特性X線の取出角度を設定することにより試料の表層から発せられる特性X線のみをX線検出器で選択的に検出する斜出射電子線プローブマイクロX線分析方法において、所定の基準面に対する試料表面の傾斜角度を求める工程と、求められた傾斜角度が相殺されるように試料ステージを傾斜させて特性X線の取出角度を設定する工程を備える斜出射電子線プローブマイクロX線分析方法に用いられるプログラムであって、コンピュータに、入力された情報に基づいて所定の基準面に対する試料表面の傾斜角度を求めさせる手順と、試料表面の傾斜角度が相殺されるように試料ステージを傾斜させるのに必要な試料ステージの制御データを求めさせる手順と、求められた制御データに基づいて試料ステージを駆動させる手順とを実行させるプログラム。
【請求項12】
試料ステージと、試料ステージを駆動する駆動部と、試料ステージに載置された試料に対して電子線を照射する電子線照射部と、試料表面から発せられる特性X線を検出するX線検出部と、駆動部、電子線照射部およびX線検出部を制御する制御部を備え、制御部は入力された情報に基づいて所定の基準面に対する試料表面の傾斜角度を求め、求められた傾斜角度が相殺されるように試料ステージを傾斜させて特性X線の取出角度を設定する斜出射電子線プローブマイクロX線分析装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−42174(P2009−42174A)
【公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−209856(P2007−209856)
【出願日】平成19年8月10日(2007.8.10)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】