説明

断熱容器および断熱容器用液面計

【課題】断熱容器内の液化ガスの圧力が変化しても、その圧力に応じた正確な液量を知り、かつ液化ガスの種類、内容器の形状、寸法に応じた換算表が不要で、断熱容器内の液化ガスの正確な液量を知る。
【解決手段】断熱容器本体1の内容器1a内の液化ガスの気相の圧力P1を測定する圧力計5と、この圧力P1と液相底部の圧力との差圧P3を求める差圧計7と、液化ガスの種類毎の差圧と液高と内容器の形状、寸法で定まる貯蔵容量との関係を記憶する第1のメモリー11と、液化ガスの種類毎の飽和液密度と圧力P1との関係を記憶する第2のメモリー12と、圧力P1から第2のメモリーでの関係を参照して飽和液密度を求め、差圧P3から第1のメモリーでの関係を参照して貯蔵容量を求め、さらに飽和液密度に貯蔵容量を乗じて貯蔵重量を求める演算部10と、この貯蔵重量を表示する表示部13を備えた断熱容器。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、液化アルゴン、液化窒素、液化酸素などの液化ガスを貯蔵して輸送したり、この液化ガスを気化して使用元に供給したりするための断熱容器およびこの断熱容器に用いられる液面計に関する。
【背景技術】
【0002】
酸素、窒素、アルゴンなどのガスを大量に消費する使用者に対し、これらを液化ガスとして貯蔵する断熱容器を使用者の敷地内に設置し、ユースポイントに供給することが行われている。この断熱容器内の液化ガスの液量は、断熱容器に設けられている液面計により表示され、使用者は自己の消費量を勘案し、液面計の指示値に基づき新たな液化ガスの発注を行っている。そのため、液面計には液化ガスの液面の高さとガスとして消費した際の使用可能量が目安として表されるようになっている。
【0003】
これら液化ガスは超低温であり、加圧状態で貯蔵されるため、断熱容器には、良好な保温性能が必要とされ、内容器と外容器との間を真空断熱構造としたものなどが用いられている。また、容器壁には、大気圧、内圧が作用するため、耐圧を確保するため、容器の上下端面を半円球状とした円柱状の形状となっている。
【0004】
このように、断熱容器は、二重構造になっているので、液化ガスの液量を確認するため、断熱容器に小窓を設けるなどして、直接目視にて確認することはできず、また対象が極低温の液化ガスであるため、電気測定機器が高価となることにより、製造する断熱容器の内容器の内寸法から液高さに応じた液溜めの容積を計算し、貯蔵する液化ガスの種類に対応した液密度に基づいて液重量を算出し、液重量に基づきヘッド圧に応じた目盛りを有する液面計を設置することが行われている。
【0005】
汎用性のある断熱容器では、容量に応じてシリーズ化され、胴径、高さが特定され、ガス種に応じた換算表を作成しておくことが可能であるが、特注品となると、設計の都度、胴径、高さ、ガス種から換算表を作成する必要がある。これら液面計の種類としては膨大な数となるため、在庫として予め製造しておくことはできず、液面計はその種類毎に製作する必要があり、製造納期を要するなどの問題があった。
【0006】
また、断熱容器からガスを供給する場合、一般に使用者のユースポイントへの供給圧力が決められており、断熱容器からの供給圧力はユースポイントの圧力よりも高めに設定され、液化ガスを気化する蒸発器の後段に減圧弁を設け、減圧して圧力調整が行われている。
【0007】
使用者のユースポイントでの使用量が増加した場合、液化ガスを蒸発器で蒸発させ、断熱容器の気相部に戻し、加圧し、供給する。しかし、液化ガスは極低温であるので、常時外部熱が侵入しており、使用先での使用量が減少すると液化ガスが気化し、圧力が上昇する。その場合、圧力上昇したガスが優先的に使用されるものの、使用量に伴う圧力減少以上に入熱が多くなると圧力は上昇しつづける。
【0008】
断熱容器の設計圧力以上になると、断熱容器保護のため安全弁でガスを放出することが行われている。特に、液化ガス充填後など、断熱容器内の液化ガス量が多く、気相の体積が少ない時には圧力上昇は顕著となる。安全弁でガスを放出することはロスとなるため、使用者は使用量を勘案して液化ガスを注文することになるため、正確な残量を表示することが求められていた。
【0009】
しかしながら、断熱容器では圧力上昇に伴い、液化ガスの液密度が変化し、液面計の表示と実貯蔵量が異なるという問題があった。
また、断熱容器では、上述のように正確に一定の圧力を維持することはできないため、現在では0℃、1気圧にて換算が行われ、液面計に目盛りをつけている。液密度は、0℃、1気圧で最も大きくなるため、使用者が正確な液量を知ろうとするならば、断熱容器に設けられている圧力計からその圧力に基づく液密度を調べ、換算する必要があり、非常な手間を要することになる。
【特許文献1】特開2001−59766号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明における課題は、断熱容器内の液化ガスの圧力が変化しても、その圧力に応じた正確な貯蔵重量を表示することができ、かつ液化ガスの種類、断熱容器の内容器の形状、寸法に応じて、その都度換算表を作成する必要がなく、しかも使用者が現場で換算表を用いることなく、断熱容器内の液化ガスの正確な貯蔵重量を知ることができるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
かかる課題を解決するため、
請求項1にかかる発明は、内容器と外容器との間が断熱構造とされ、内容器内に液化ガスを貯蔵する断熱容器本体と、
内容器内の液化ガスの気相の圧力を測定する圧力計または液化ガスの温度を測定する温度計と、
内容器内の液化ガスの気相の圧力と液相底部の圧力との差圧を求める差圧計と、
液化ガスの種類毎に液化ガスの大気圧における飽和液密度から求められる差圧と液化ガスの液面の高さと断熱容器本体の内容器の形状、寸法で定まる液化ガスの貯蔵容量との相関関係Aを記憶する第1のメモリーと、
液化ガスの種類毎の飽和液密度と内容器内の液化ガスの気相の圧力または内容器内の液化ガスの温度との相関関係Bを記憶する第2のメモリーと、
上記圧力計から得られた液化ガスの気相の圧力または上記温度計から得られた液化ガスの温度から第2のメモリーでの相関関係Bを参照して液化ガスの飽和液密度を求めるとともに、上記差圧計からの差圧から第1のメモリーでの相関関係Aを参照して内容器内の液化ガスの液面の高さを求め、さらにこれから貯蔵容量を求め、ついで上記飽和液密度に上記貯蔵容量を乗じて液化ガスの貯蔵重量を求める演算部と、
上記演算部で得られた液化ガスの貯蔵重量を表示する表示部を備えたことを特徴とする断熱容器である。
【0012】
請求項2にかかる発明は、内容器と外容器との間が断熱構造にされ、内容器内に液化ガスを貯蔵する断熱容器本体に付設され、内容器内の液化ガスの貯蔵重量を表示する液面計であって、
液化ガスの種類毎に液化ガスの大気圧における飽和液密度から求められる差圧と液化ガスの液面の高さと断熱容器本体の内容器の形状、寸法で定まる液化ガスの貯蔵容量との相関関係Aを記憶する第1のメモリーと、
液化ガスの種類毎の飽和液密度と内容器内の液化ガスの気相の圧力または内容器内の液化ガスの温度との相関関係Bを記憶する第2のメモリーと、
内容器内の液化ガスの気相の圧力または液化ガスの温度から第2のメモリーでの相関関係Bを参照して液化ガスの飽和液密度を求めるとともに、内容器内の液化ガスの気相の圧力と液相底部の圧力との差圧から第1のメモリーでの相関関係Aを参照して液化ガスの液面の高さを求め、さらにこれから貯蔵容量を求め、ついで上記飽和液密度に上記貯蔵容量を乗じて液化ガスの貯蔵重量を求める演算部と、
上記演算部で得られた液化ガスの貯蔵重量を表示する表示部を備えたことを特徴とする断熱容器用液面計である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、断熱容器内の液化ガスの気相の圧力が変化し。液化ガスの飽和液密度が変化しても正確な液化ガスの貯蔵重量を知ることができ、液化ガスの種類、断熱容器の形状、寸法が変化しても換算表を用いることなく、正確に貯蔵重量を知ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図1は、本発明の断熱容器の一例を模式的に示すものである。
図1において、符号1は、断熱容器の本体を示す。この本体1は、ステンレス鋼などからなる内容器1aと、この内容器1aを気密に包囲する外容器1bとからなり、内外容器間の空隙が真空とされた真空断熱構造あるいはパーライト粉末などの粉末を充填し、真空とした粉末真空断熱構造となっている。
【0015】
この本体1の内容器1a内には、液化アルゴン、液化酸素、液化窒素などの液化ガスが貯蔵されている。この液化ガスの内容器1aへの注入は、管2から行われ、液化ガスは管3から抜き出され、加圧蒸発器4で気化され、内容器1aの気相に戻され、管14から抜き出され、蒸発器15で気化され、使用元に送給されるようになっている。
【0016】
また、図中符号5は、圧力計を示し、この圧力計5は、管6によって内容器1aの上部に連通されており、内容器1aに満たされた液化ガスの気相の圧力P1が計測されるようになっている。
【0017】
また、管6は、差圧計7にも連通しており、差圧計7においても圧力P1が計測されるようになっている。また、差圧計7は、管8によって内容器1aの底部に連通されており、内容器1aに満たされた液化ガスの最底部での圧力P2が計測されるようになっており、さらにはこの圧力P2と圧力P1との差圧P3を算出するようになっている。この差圧P3は、液化ガスの自重によるものであり、圧力P1が変動しても、液高が変化しなければ、一定となる。
【0018】
また、符号9は、温度計を示し、この温度計9のセンサー部分9aは内容器1aの内部にまで延びており、内容器1aに満たされた液化ガスの温度Tを計測するようになっている。
さらに、上記圧力計5からの圧力P1の電気信号、差圧計7からの差圧P3の電気信号、温度計9からの温度Tの電気信号は、演算部10に入力されるようになっている。
【0019】
図1中符号11は、第1のメモリーを示し、この第1のメモリー11には、液化ガスの種類毎の差圧と、液化ガスの液面の高さと、断熱容器の形状で定まる液化ガスの貯蔵容量との相関関係Aが記憶されており、この相関関係Aが必要に応じて演算部10に取り込まれるようになっている。
【0020】
また、符号12は、第2のメモリーを示し、この第2のメモリー12は、液化ガスの種類毎の飽和液密度と内容器内の液化ガスの気相の圧力との相関関係B、または液化ガスの種類毎の飽和液密度と内容器内の液化ガスの温度との相関関係Bが記憶されており、必要に応じて演算部10に取り込まれるようになっている。
【0021】
演算部10は、上述のようにして入力されたデータおよび必要に応じて取り込まれる相関関係A、Bに基づいて、内容器1a内の液化ガスの正確な貯蔵重量を算出するもので、この演算過程については後述する。
演算部10で算出された貯蔵重量は、表示部13にて表示されるようになっている。表示部13は、ディジタル表示が可能なものが好ましく、液晶表示装置、蛍光管表示装置、ブラウン管表示装置などが用いられる。この表示部13は、断熱容器本体1から離れた遠隔地に配置されていてもよい。
【0022】
【表1】

【0023】
上記表1は、第1のメモリー11に記憶される相関関係Aの第1の例を示すものである。第1のメモリー11に記憶される相関関係Aは、断熱容器本体1の内容器1aの形状、寸法毎によって作成されるもので、表1に示したものは、例えばA型と指称される内容器1aについてのものである。
【0024】
このA型の断熱容器本体1にあっては、液化ガスを内容器1a内に液高が1000mmとなるように満たしたときにその貯蔵容量が1099リットルとなり、液高が2000mmとなるように満たしたときには貯蔵容量が2327リットルとなる形状、寸法を有しているものであり、この関係は、内容器1aの設計段階で予め求められる。
【0025】
表1において、差圧とは、液化ガスの大気圧における飽和液密度から算出されたものである。例えば、アルゴンの飽和液密度は、大気圧で1.398kg/リットルであるから、これを液高1000mmに満たしたとすれば、飽和液密度に液高を乗じて0.014MPaとなる。同様に、液化酸素であれば、飽和液密度が1.141kg/リットルであるので、液高1000mmとすると、差圧は0.011MPaとなり、液化窒素であれば、飽和液密度が0.809kg/リットルであるので、液高1000mmとすると、差圧は、0.008MPaとなる。
【0026】
この差圧は、内容器1a内に満たされた液化ガス自体の重量によるものであるから、この値は、上述の差圧計7で求められた差圧P3と同じ意味を有するものである。
この表1から、液化アルゴンが貯蔵されたA型の断熱容器本体1の内容器1aでの差圧P3が0.014MPaであれば、その液高が1000mmで、その時の貯蔵容量が1099リットルであることを知ることができる。
【0027】
【表2】

【0028】
表2は、例えばB型と指称される断熱容器本体1の内容器1aについての相関関係Aを示すもので、このものでは、A型のものよりも大容量の内容器1aを備えており、液高が1000mmでは、液化ガスの貯蔵容量が2000リットルとなるものである。
【0029】
【表3】

【0030】
上記表3は、第2のメモリー12に記憶される液化ガスの気相の圧力P1と飽和液密度との相関関係Bを示すもので、液化ガスがアルゴン、酸素、窒素についての関係をまとめて一覧としている。この相関関係Bは、既に広く知られたものであり、各種便覧、ハンドブックなどに記載されている。
【0031】
次に、演算部10での演算について、液化アルゴンを例とし、断熱容器本体1の内容器1aが表1でのA型であるものを例として説明する。
演算部10に差圧計7からの差圧P3が入力されると、第1のメモリー11から表1に示された相関関係Aが読み込まれ、この相関関係Aの差圧と差圧P3とが参照され、差圧P3からその時の液高と貯蔵容量が求められる。例えば、差圧P3が0.014MPaであれば、液高は1000mmであり、この時の液化アルゴンの貯蔵容量は1099リットルとなる。
【0032】
同時に、演算部10に圧力計5からの圧力P1が入力されると、第2のメモリー12から、表3に示した相関関係Bが読み込まれ、この相関関係Bでの圧力からその時の飽和液密度が参照されて求められる。例えば、圧力P1が0.70MPaであれば、液化アルゴンの飽和液密度は、1.236kg/リットルとなる。
【0033】
演算部10は、ついで液化アルゴンの貯蔵容量1099リットルに飽和液密度1.236kg/リットルを乗じて液化アルゴンの貯蔵重量1359.3kgを算出する。
この貯蔵重量の値は、表示部13に送られて表示される。この際、表示部13には、貯蔵重量以外に、圧力P1、差圧P3、飽和液密度などのデータを同時に表示するようにしてもよい。
【0034】
また、断熱容器本体1の内容器1aがB型になった場合には、第1のメモリー11から表2に示されている相関関係Aを参照する以外は、全く同様にして、また、液化ガスが他の液化酸素、液化窒素の場合でも全く同様にして正しい貯蔵重量を知ることができる。
【0035】
先に示した断熱容器本体1の内容器1aがA型で、液化ガスが液化アルゴンであり、圧力P1が0.7MPaで、貯蔵重量が1359.3kgである例について、液化アルゴンを使用せずに気相の圧力P1が0.8MPaに上昇した場合には、表3に示した相関関係から圧力P1の時の飽和液密度1.221kg/リットルを求め、これに貯蔵容量1099リットルを乗じて貯蔵重量は1341.5kgとなる。
これに対して、従来の0℃、1atmに換算して貯蔵重量を求めた場合には、貯蔵重量は1536.4kgとなり、先のものとは200kg以上も値が異なり、この発明によれば正確な貯蔵重量を知ることができることがわかる。
【0036】
上述の説明では、液化ガスの気相の圧力P1を求めて、表3に示した相関関係Bから液化ガスの飽和液密度を求めているが、これ以外に液化ガスの温度Tを温度計9で測定し、これを演算部10に入力して、貯蔵重量を求めるようにしてもよい。
この場合には、第2のメモリー12には、以下の表4に示すような液化ガスの温度Tと飽和液密度との相関関係Bが記憶されている。
【0037】
【表4】

【0038】
演算部10に液化ガスの温度Tが入力されると、第2のメモリー12から表4に示された温度と飽和液密度との相関関係Bが読み出され、これに温度Tを参照して飽和液密度を求め、この飽和液密度に貯蔵容量を乗じて貯蔵重量を算出することになる。
【0039】
本発明の断熱容器用液面計は、例えば図1に示したものにおいて、一点鎖線で囲った範囲D内の構成部材、すなわち演算部10、第1のメモリー11、第2のメモリー12および表示部13を備えたものである。この液面計の機能は、先に説明したとおりである。この液面計は、断熱容器本体1に近傍に配置してもよく、また離れた場所、例えば使用元に配置してもよい。
【0040】
本発明は、液化アルゴン、液化酸素、液化窒素に限定されるものではなく、その他の液化炭酸ガス、液化天然ガス等の液化ガスに対応することができる。
また、温度計は、必ずしも内容器1aを貫通させる必要はなく、内容器1aの外表面温度を測定する、または管8など内容器1aの液体部に接続されている管を貫通させて測定してもよい。
【0041】
上記実施形態では、第2のメモリー12に、液化ガスの気相の圧力P1と飽和液密度との相関関係B、または液化ガスの温度Tと飽和液密度との相関関係Bを記憶させ、演算部10において圧力P1または温度Tから飽和液密度を求め、これから正確な貯蔵重量を求めるようにしている。そして、この相関関係Bを、表3、表4のように、表として第2のメモリー12に記憶させているが、この相関関係Bを数式;液化ガスの種類毎に作製した相関式として第2のメモリー12に記憶させておき、この相関式を読み出して飽和液密度を求め、貯蔵重量を求めることもできる。
【0042】
本発明での断熱容器は、据置型のものに限られず、可搬型のもの、例えば輸送用ローリーなどであってもよい。また、第1および第2のメモリーが演算部内に収容されていてもよく、演算部と表示部が一体となっていてもよい。さらに、演算部からの貯蔵重量を公衆電話回線や無線回線で液化ガス供給元に送信し、この供給元に設置された表示部にこれを表示させることもでき、これによれば的確なタイミングで液化ガスの供給を行うことができる。
また、表1ないし表4に示した相関関係では、3種の液化ガスについてのものを一覧しているが、個々の液化ガスについての相関関係を示したものとしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の断熱容器の一例を示す概略構成図である。
【符号の説明】
【0044】
1・・・断熱容器本体、1a・・・内容器、5・・・圧力計、7・・・差圧計、9・・・温度計、10・・・演算部、11・・・第1のメモリー、12・・・第2のメモリー、13・・・表示部 D・・・液面計。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容器と外容器との間が断熱構造とされ、内容器内に液化ガスを貯蔵する断熱容器本体と、
内容器内の液化ガスの気相の圧力を測定する圧力計または液化ガスの温度を測定する温度計と、
内容器内の液化ガスの気相の圧力と液相底部の圧力との差圧を求める差圧計と、
液化ガスの種類毎に液化ガスの大気圧における飽和液密度から求められる差圧と液化ガスの液面の高さと断熱容器本体の内容器の形状、寸法で定まる液化ガスの貯蔵容量との相関関係Aを記憶する第1のメモリーと、
液化ガスの種類毎の飽和液密度と内容器内の液化ガスの気相の圧力または内容器内の液化ガスの温度との相関関係Bを記憶する第2のメモリーと、
上記圧力計から得られた液化ガスの気相の圧力または上記温度計から得られた液化ガスの温度から第2のメモリーでの相関関係Bを参照して液化ガスの飽和液密度を求めるとともに、上記差圧計からの差圧から第1のメモリーでの相関関係Aを参照して内容器内の液化ガスの液面の高さを求め、さらにこれから貯蔵容量を求め、ついで上記飽和液密度に上記貯蔵容量を乗じて液化ガスの貯蔵重量を求める演算部と、
上記演算部で得られた液化ガスの貯蔵重量を表示する表示部を備えたことを特徴とする断熱容器。
【請求項2】
内容器と外容器との間が断熱構造にされ、内容器内に液化ガスを貯蔵する断熱容器本体に付設され、内容器内の液化ガスの貯蔵重量を表示する液面計であって、
液化ガスの種類毎に液化ガスの大気圧における飽和液密度から求められる差圧と液化ガスの液面の高さと断熱容器本体の内容器の形状、寸法で定まる液化ガスの貯蔵容量との相関関係Aを記憶する第1のメモリーと、
液化ガスの種類毎の飽和液密度と内容器内の液化ガスの気相の圧力または内容器内の液化ガスの温度との相関関係Bを記憶する第2のメモリーと、
内容器内の液化ガスの気相の圧力または液化ガスの温度から第2のメモリーでの相関関係Bを参照して液化ガスの飽和液密度を求めるとともに、内容器内の液化ガスの気相の圧力と液相底部の圧力との差圧から第1のメモリーでの相関関係Aを参照して液化ガスの液面の高さを求め、さらにこれから貯蔵容量を求め、ついで上記飽和液密度に上記貯蔵容量を乗じて液化ガスの貯蔵重量を求める演算部と、
上記演算部で得られた液化ガスの貯蔵重量を表示する表示部を備えたことを特徴とする断熱容器用液面計。

【図1】
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【公開番号】特開2006−145024(P2006−145024A)
【公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−34135(P2005−34135)
【出願日】平成17年2月10日(2005.2.10)
【出願人】(000231235)大陽日酸株式会社 (642)
【Fターム(参考)】