説明

新規なジアミン誘導体、その製造方法およびそれを用いた有機電気素子

本発明は、新規のジアミン誘導体、この製造方法およびこれを用いた有機電子素子に関する。
本発明に係るジアミン誘導体は、有機発光素子をはじめとする有機電子素子で正孔注入、正孔輸送、電子注入、電子輸送、または発光物質の役割を果たすことができ、特に単独で発光物質として用いられ、発光ホストまたは発光ドーパント、特に青色ドーパントとしての役割を果たすことができる。本発明に係る有機電子素子は、効率、駆動電圧、寿命および安定性の面に優れた特性を示す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規なジアミン誘導体、その製造方法およびそれを用いた有機電子素子に関する。
【0002】
本出願は、2006年3月23日に韓国特許庁に提出された韓国特許出願第10−2006−0026468号の出願日の利益を主張し、その内容の全ては本明細書に含まれる。
【背景技術】
【0003】
有機電子素子とは、正孔および電子を用いた、電極と有機物との間における電荷交流を必要とする素子を意味する。有機電子素子は動作原理に応じて下記のように大きく2つに分けることができる。第1は、外部の光源から素子に流入された光子によって有機層からエキシトン(exiton)が形成され、このエキシトンが電子と正孔に分離され、この電子と正孔が各々他の電極に伝達されて電流源(電圧源)として用いられる形態の電子素子である。第2は、2つ以上の電極に電圧を印加または電流を流して、電極と界面をなす有機物半導体に正孔および/または電子を注入し、注入された電子と正孔によって動作する形態の電子素子である。
【0004】
有機電子素子の例としては、有機発光素子、有機太陽電池、有機感光体(OPC)、有機トランジスタなどが挙げられ、これらの全ては、素子の駆動のために正孔の注入または輸送物質、電子の注入または輸送物質、または発光物質を必要とする。
【0005】
以下では主に有機発光素子について具体的に説明するが、前記有機電子素子では正孔の注入または輸送物質、電子の注入または輸送物質、または発光物質が類似する原理によって機能する。
【0006】
一般的に有機発光現象とは有機物質を用いて電気エネルギーを光エネルギーに転換させる現象を言う。有機発光現象を用いる有機発光素子は、通常、正極と負極およびこの間に有機層を含む構造を有する。ここで、有機層は、有機発光素子の効率と安全性を高めるために、それぞれ異なった物質で構成された多層の構造でなされる場合が多く、例えば正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層などからなり得る。このような有機発光素子の構造において、2つの電極の間に電圧をかけると、正極からは正孔が、負極からは電子が有機層に注入されるようになり、注入された正孔と電子が接した時にエキシトン(exciton)が形成され、このエキシトンが再び基底状態に落ちる時に光が放射されるようになる。このような有機発光素子は、自発光、高輝度、高効率、低駆動電圧、広視野角、高コントラスト、高速応答性などの特性を有するものとして知られている。
【0007】
有機発光素子で有機層として用いられる材料は、機能に応じて発光材料と電荷輸送材料、例えば、正孔注入材料、正孔輸送材料、電子輸送材料、電子注入材料などに分類することができる。前記発光材料は、分子量に応じて高分子型と低分子型に分類することができ、発光メカニズムに応じて電子の一重項励起状態に由来する蛍光材料と電子の三重項励起状態に由来する燐光材料に分類することができる。また、発光材料は、発光色に応じて青色、緑色、赤色発光材料と、より優れた天然色を実現するために必要な黄色およびオレンジ色発光材料に区分することができる。
【0008】
一方、発光材料として1つの物質のみを用いる場合には、分子間の相互作用によって最大発光波長が長波長に移動し、色純度が低下したり発光減衰効果によって素子の効率が減少するという問題が発生するため、色純度の増加とエネルギー転移による発光効率を増加させるために発光材料としてホスト/ドーパント系を用いることができる。その原理は、発光層を形成するホストよりエネルギーバンドギャップの小さいドーパントを発光層に少量混合すると、発光層で発生したエキシトンがドーパントに輸送され、効率の高い光を出すというものである。この時、ホストの波長がドーパントの波長帯に移動するので、用いるドーパントの種類に応じて所望の波長の光を得ることができる。
【0009】
有機発光素子が上述した優れた特徴を十分に発揮するためには、素子内の有機層をなす物質、例えば、正孔注入物質、正孔輸送物質、発光物質、電子輸送物質、電子注入物質などが安定し、効率的な材料による裏付けが先行されなければならないが、安定かつ効率的な有機発光素子用の有機層材料の開発が未だ十分になされていない状態である。したがって、新たな材料の開発が求め続けられており、このような材料開発の必要性は前述した他の有機電子素子においても同様である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明者らは、新規なジアミン誘導体を明らかにした。また、前記ジアミン誘導体が有機電子素子で正孔注入、正孔輸送、電子注入、電子輸送または発光物質として用いることができ、有機電子素子の有機層を形成する場合、有機電子素子の効率向上、駆動電圧の下降、寿命の向上および安定性の向上効果に優れているという事実を明らかにした。
【0011】
本発明は、新規なジアミン誘導体、その製造方法およびそれを用いた有機電子素子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、下記化学式1で示されるジアミン誘導体を提供する。
【0013】
【化1】

【0014】
前記化学式1において、
LはC〜C30のアリール基であり、
およびAは、互いに独立的に同一であるか相異しており、
【化2】

であり、
ここで、nは1〜5の整数であり、
前記Xは、少なくとも1つが−GeRR’R”、−SiRR’R”および重水素(D、deuterium)の中から選択され、残りは、水素、CN、NO、C〜C20のアリールアミン基、C〜C20のアリールチオフェン基、C〜C20のシクロアルキル基、−OR、−SR、−SeR、−TeR、−BRR’、−AlRR’、−SnRR’R”、C〜C20のアリール基、C〜C20のアリールアルケニル基、およびC〜C20のアルキレン基が前記フェニル基またはナフチル基に接合(fused)され、縮合環を形成した基の中から選択された1つであり、
およびYは、互いに独立的に同一であるか相異しており、C〜C20のアリーレン基または2価のC〜C20の複素環基であり、
およびZは、互いに独立的に同一であるか相異しており、水素、ハロゲン、重水素、CN、NO、C〜C20のアルキル基、C〜C20のアルコキシ基、C〜C20のアリール基、C〜C20のアリールアミン基、C〜C20のアリールチオフェン基、C〜C20のシクロアルキル基、−OR、−SR、−SeR、−TeR、−BRR’、−AlRR’、−SiRR’R”、−GeRR’R”、−SnRR’R”、C〜C20のアリール基、C〜C20のアリールアルケニル基、およびC〜C20のアルキレン基が前記フェニル基またはナフチル基に接合(fused)され、縮合環を形成した基の中から選択された1つであり、
前記R、R’およびR”は、互いに独立的に同一であるか相異しており、水素、C〜C20のアルキル基、C〜C20のシクロアルキル基、C〜C20のアリール基またはC〜C20の複素環基である。
【0015】
前記化学式1において、
Lは、例えば、アントラセニル、フェナントレニル、ピレニル、ペリレニル、クリセニル、
【化3】

の中から選択されるのが好ましく、
およびYは、例えば、フェニル、ビフェニル、ナフタレニル、テトラリニル、アントラセニル、スチルベニル、フェナントレニル、ピレニル、ペリレニル、クリセニルおよびカルバゾリルの中から選択されるのが好ましく、
およびZは、例えば、水素、C〜C20のアリール基、C〜C20のアリールアミン基、−BRR’、−SiRR’R”、−GeRR’R”またはC〜C20のアルキレン基が前記フェニル基またはナフチル基に接合(fused)され、縮合環を形成した基が好ましく、
前記R、R’およびR”は、例えば、C〜C20のアルキル基またはC〜C20のアリール基が好ましい。
【0016】
本発明に係る化学式1の化合物の具体的な例を下記に示すが、これらに限定されない。
【化4】

【0017】
【化5】

【0018】
【化6】

【0019】
【化7】

【0020】
【化8】

【0021】
【化9】

【0022】
【化10】

【0023】
【化11】

【0024】
【化12】

【0025】
【化13】

【0026】
【化14】

【0027】
【化15】

【0028】
【化16】

【0029】
【化17】

【0030】
【化18】

【0031】
【化19】

【0032】
また、本発明は、前記化学式1で示されるジアミン誘導体の製造方法を提供する。
【0033】
本発明に係るジアミン誘導体は、ジブロモアリール化合物とアリールアミン化合物をパラジウム触媒下で反応させて製造され得る。
【0034】
前記アリールアミン化合物は、ゲルマニウム基、シリル基および重水素の中から選択された1つ以上を含むのが好ましい。
【0035】
また、本発明は、前記化学式1の化合物を用いた有機電子素子を提供する。
【0036】
本発明の有機電子素子は、上述した化合物を用いて1層以上の有機層を形成することを除いては、通常の有機電子素子の製造方法および材料によって製造され得る。
【0037】
以下では、有機発光素子について例示する。
【0038】
上述した本発明の化合物は、有機発光素子において、正孔注入、正孔輸送、電子注入、電子輸送、または発光物質の役割を果たし、特に単独で発光物質の役割を果たすだけでなく、適切な発光ドーパントとともに発光ホスト、または適切な発光ホストとともに発光ドーパント、特に青色ドーパントとしての役割を果たす。
【0039】
本発明の一実施態様において、有機発光素子は、第1電極と第2電極およびこの間に配置された有機層を含む構造でなされることができ、前述した本発明に係る化合物を有機発光素子の有機層のうちの1層以上に用いることを除いては、通常の有機発光素子の製造方法および材料を用いて製造されることができる。
【0040】
本発明に係る有機発光素子の構造は、図1に例示されている。
【0041】
例えば、本発明に係る有機発光素子は、スパッタリング(sputtering)や電子ビーム蒸発(e−beam evaporation)のようなPVD(physical vapor deposition)法を用い、基板上に金属または導電性を有する金属酸化物またはこれらの合金を蒸着させて正極を形成し、その上に正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層を含む有機層を形成した後、その上に負極で使用可能な物質を蒸着させることによって製造されることができる。このような方法の他にも、基板上に負極物質から有機層、正極物質を順に蒸着させて有機発光素子を作ることもできる。
【0042】
前記有機層は、正孔注入層、正孔輸送層、発光層および電子輸送層などを含む多層構造でもあり得るが、これに限定されず、単層構造でもあり得る。また、前記有機層は、多様な高分子素材を用いて蒸着法ではなく溶媒工程(solvent process)、例えば、スピンコーティング、ディップコーティング、ドクターブレード、スクリーン印刷、インクジェット印刷、熱転写法などの方法によってさらに少数の層で製造することができる。
【0043】
前記正極物質としては、通常、有機層に正孔注入が円滑になされるように、仕事関数が大きい物質が好ましい。本発明で用いられる正極物質の具体的な例としては、バナジウム、クロム、銅、亜鉛、金のような金属またはこれらの合金;亜鉛酸化物、インジウム酸化物、インジウムスズ酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)のような金属酸化物;ZnO:AlまたはSnO:Sbのような金属と酸化物の組み合わせ;ポリ(3−メチルチオフェン)、ポリ[3,4−(エチレン−1,2−ジオキシ)チオフェン](PEDT)、ポリピロールおよびポリアニリンのような導電性高分子などがあるが、これらだけに限定されるものではない。
【0044】
前記負極物質としては、通常、有機層に電子注入が容易なように、仕事関数が小さい物質であることが好ましい。負極物質の具体的な例としては、マグネシウム、カルシウム、ナトリウム、カリウム、チタニウム、インジウム、イットリウム、リチウム、ガドリニウム、アルミニウム、銀、スズおよび鉛と同じ金属またはこれらの合金;LiF/AlまたはLiO/Alのような多層構造物質などがあるが、これらだけに限定されるものではない。
【0045】
前記正孔注入物質としては、低い電圧で正極から正孔が適切に注入されることができる物質として、正孔注入物質のHOMO(highest occupied molecular orbital)が正極物質の仕事関数と周辺有機層のHOMOとの間であることが好ましい。正孔注入物質の具体的な例としては、金属ポルフィリン(porphyrine)、オリゴチオフェン、アリールアミン系列の有機物、ヘキサニトリルヘキサアザトリフェニレン、キナクリドン(quinacridone)系列の有機物、ペリレン(perylene)系列の有機物、アントラキノンおよびポリアニリンとポリチオフェン系列の導電性高分子などがあるが、これらだけに限定されるものではない。
【0046】
前記正孔輸送物質としては、正極や正孔注入層から正孔を輸送されて発光層に移すことができる物質として、正孔に対する移動性が大きい物質が適合する。具体的な例としては、アリールアミン系列の有機物、導電性高分子および共役部分と非共役部分がともにあるブロック共重合体などがあるが、これらだけに限定されるものではない。
【0047】
前記発光物質としては、正孔輸送層と電子輸送層から正孔と電子がそれぞれ輸送されて結合させることで可視光線領域の光を出すことができる物質として、蛍光や燐光に対する量子効率に優れた物質が好ましい。具体的な例としては、8−ヒドロキシ−キノリンアルミニウム錯体(Alq);カルバゾール系列化合物;二量体化スチリル(dimerized styryl)化合物;BAlq;10−ヒドロキシベンゾキノリン−金属化合物;ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾールおよびベンゾイミダゾール系列の化合物;ポリ(p−フェニレンビニレン)(PPV)系列の高分子;スピロ(spiro)化合物;ポリフルオレン、ルブレンなどがあるが、これらだけに限定されるものではない。
【0048】
前記電子輸送物質としては、負極から電子が適切に注入されて発光層に移すことができる物質として、電子に対する移動性が大きい物質が適合する。具体的な例としては、8−ヒドロキシキノリンのAl錯体;Alqを含む錯体;有機ラジカル化合物;ヒドロキシフラボン−金属錯体などがあるが、これらだけに限定されるものではない。
【0049】
本発明に係る有機発光素子は、用いられる材料によって、前面発光型、後面発光型または両面発光型となり得る。
【0050】
本発明に係る化合物は、有機太陽電池、有機感光体、有機トランジスタなどをはじめとする有機電子素子でも、有機発光素子に適用されるものと類似した原理で作用することができる。
【発明の効果】
【0051】
本発明に係るジアミン誘導体は、有機発光素子をはじめとする有機電子素子において、正孔注入、正孔輸送、電子注入、電子輸送、または発光物質の役割を果たすことができ、特に単独で発光物質として用いられて発光ホストまたは発光ドーパント、特に青色ドーパントとしての役割を果たす。本発明に係る有機電子素子は、効率、駆動電圧、寿命および安定性の面に優れた特性を示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0052】
以下、本発明の理解のために好ましい実施例を提示する。しかし、下記の実施例は、本発明をより容易に理解するために提供されたものに過ぎず、これによって本発明の内容が限定されるものではない。
【0053】
本発明に係る化学式1の化合物は、多段階化学反応で製造することができる。前記化合物の製造は、下記実施例によって記述される。実施例に示した通り、一部の中間体化合物が先に製造され、その中間体化合物から化学式1の化合物が製造される。例証的な中間体化合物は、以下の化合物A〜Mである。これら化合物において、“Br”は任意の他の反応性原子または官能基に置換されることができる。
【0054】
【化20】

【0055】
製造例1:化合物Aの製造
ジブロモベンゼン(20g,84.78mmol)を室温において窒素雰囲気下で乾燥テトラヒドロフラン(THF,200mL)に溶解させた。前記溶液を−78℃に冷却させた。n−ブチルリチウム(34mL,2.5Mペンタン溶液)を−78℃で前記溶液に徐々に加え、混合物を約1時間かけて0℃にゆっくりと上げた。ここに、トリメチルゲルマニウムブロミド(trimethylgerumanium bromide;18ml,101.74mmol)を入れ、1時間かけて常温に上げた。反応が完結したのを確認し、混合物をエチルアセテートで抽出した後、硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧下で分別蒸留して化合物Aを得た(20g,90%)。MS(M+)273
【0056】
製造例2:化合物Bの製造
窒素雰囲気下で化合物A(18g,65.45mmol)、アニリン(6.6ml,72mmol)、Pd(dba)(0.125g,0.13mmol)、P(t−Bu)(0.04g,0.2mmol)およびナトリウムt−ブトキシド(1.80g,18.7mmol)をトルエン(200mL)に入れ、3時間ほど還流させた。反応が終わった後、常温に冷却し、反応混合液をTHFとHOの混合液に入れた。有機層を層分離して硫酸マグネシウムで乾燥した後、濃縮させた。カラムクロマトグラフィーで精製した後、化合物B(16g,85%)を得た。MS[M]=286
【0057】
製造例3:化合物Cの製造
製造例2において、アニリン(6.6ml,72mmol)の代わりに5,6,7,8−テトラヒドロ−1−ナフチルアミン(10.6g,72mmol)を用いることを除いては、製造例2の方法と同様に化合物C(17g,78%)を得た。MS[M]=340
【0058】
製造例4:化合物Dの製造
ジブロモベンゼン(20g,84.78mmol)を室温において窒素雰囲気下で乾燥テトラヒドロフラン(THF,200mL)に溶解させた。前記溶液を−78℃に冷却させた。n−ブチルリチウム(34mL,2.5Mペンタン溶液)を−78℃で前記溶液に徐々に加え、混合物を約1時間かけて0℃にゆっくりと上げた。ここに、クロロトリメチルシラン(chloro trimethylsilane;13ml,101.74mmol)を入れ、1時間かけて常温に上げた。反応が完結したのを確認して混合物をエチルアセテートで抽出し、硫酸マグネシウム上で乾燥した後、減圧下に分別蒸留して化合物Dを得た(18g,93%)。MS(M+)=229
【0059】
製造例5:化合物Eの製造
窒素雰囲気下で、化合物D(15g,65.45mmol)、アニリン(6.6ml,72mmol)、Pd(dba)(0.125g,0.13mmol)、P(t−Bu)(0.04g,0.2mmol)およびナトリウムt−ブトキシド(1.80g,18.7mmol)をトルエン(200mL)に入れ、3時間ほど還流させた。反応が終わった後、常温に冷却し、反応混合液をTHFとHOの混合液に入れた。有機層を層分離してMgSOで乾燥した後、濃縮させた。カラムクロマトグラフィーで精製した後、化合物E(15g,86%)を得た。MS[M]=143
【0060】
製造例6:化合物Fの製造
窒素雰囲気下で、1,6−ジブロモピレン(3g,8.5mmol)、4−クロロフェニルボロン酸(2.9g,18.7mmol)、Pd(PPh(0.29g,0.26mmol)を2M KCO水溶液(20mL)とTHF(80mL)に入れ、約12時間還流攪拌させた。反応が終わった後、常温に冷却し、反応混合液で有機層を層分離して有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧蒸留後、カラムクロマトグラフィーで精製して化合物F(2.5g,70%)を得た。:MS[M+H]+=422
【0061】
製造例7:化合物Gの製造
窒素雰囲気下で、3,9−ジブロモペリレン(3.5g,8.5mmol)、4−クロロフェニルボロン酸(2.9g,18.7mmol)、Pd(PPh(0.29g,0.26mmol)を2M KCO水溶液(20mL)とTHF(80mL)に入れ、約12時間還流攪拌させた。反応が終わった後、常温に冷却し、反応混合液で有機層を層分離して有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧蒸留後、カラムクロマトグラフィーで精製して化合物G(3.0g,75%)を得た。:MS[M+H]+=472
【0062】
製造例8:化合物Hの製造
窒素雰囲気下で、9,10−ジブロモアントラセン(2.86g,8.5mmol)、4−クロロフェニルボロン酸(2.9g,18.7mmol)、Pd(PPh(0.29g,0.26mmol)を2M KCO水溶液(20mL)とTHF(80mL)に入れ、約12時間還流攪拌させた。反応が終わった後、常温に冷却し、反応混合液で有機層を層分離して有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧蒸留後、カラムクロマトグラフィーで精製して化合物H(3.0g,90%)を得た。:MS[M+H]+=398
【0063】
製造例9:化合物Iの製造
窒素雰囲気下で、9,10−ジブロモクリセン(3.28g,8.5mmol)、4−クロロフェニルボロン酸(2.9g,18.7mmol)、Pd(PPh(0.29g,0.26mmol)を2M KCO水溶液(20mL)とTHF(80mL)に入れ、約12時間還流攪拌させた。反応が終わった後、常温に冷却し、反応混合液で有機層を層分離して有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧蒸留後、カラムクロマトグラフィーで精製して化合物I(2.9g,75%)を得た。:MS[M+H]+=448
【0064】
製造例10:化合物Jの製造
窒素雰囲気下で、ブロモベンゼン−d(10.6g,65.45mmol)、アニリン(6.6ml,72mmol)、Pd(dba)(0.125g,0.13mmol)、P(t−Bu)(0.04g,0.2mmol)およびナトリウムt−ブトキシド(1.80g,18.7mmol)をトルエン(80mL)に入れ、3時間ほど還流させた。反応が終わった後、常温に冷却し、反応混合液をTHFとHOの混合液に入れた。有機層を層分離して硫酸マグネシウムで乾燥した後、濃縮させた。カラムクロマトグラフィーで精製した後、化合物J(16g,85%)を得た。MS[M]=174
【0065】
製造例11:化合物Kの製造
窒素雰囲気下で、ブロモベンゼン−d(10.6g,65.45mmol)、アニリン−2,3,4,5,6−D5(6.6ml,72mmol)、Pd(dba)(0.125g,0.13mmol)、P(t−Bu)(0.04g,0.2mmol)およびナトリウムt−ブトキシド(1.80g,18.7mmol)をトルエン(80mL)に入れ、3時間ほど還流させた。反応が終わった後、常温に冷却し、反応混合液をTHFとHOの混合液に入れた。有機層を層分離して硫酸マグネシウムで乾燥した後、濃縮させた。カラムクロマトグラフィーで精製した後、化合物K(16g,85%)を得た。MS[M]=179
【0066】
製造例12:化合物Lの製造
窒素雰囲気下で、前記製造例4の化合物D(15g,65.45mmol)、アニリン−2,3,4,5,6−D5(6.6ml,72mmol)、Pd(dba)(0.125g,0.13mmol)、P(t−Bu)(0.04g,0.2mmol)およびナトリウムt−ブトキシド(1.80g,18.7mmol)をトルエン(80mL)に入れ、3時間ほど還流させた。反応が終わった後、常温に冷却し、反応混合液をTHFとHOの混合液に入れた。有機層を層分離して硫酸マグネシウムで乾燥した後、濃縮させた。カラムクロマトグラフィーで精製した後、化合物L(16g,85%)を得た。MS[M]=246
【0067】
製造例13:化合物Mの製造
窒素雰囲気下で、前記製造例1の化合物A(18g,65.45mmol)、アニリン−2,3,4,5,6−D5(6.6ml,72mmol)、Pd(dba)(0.125g,0.13mmol)、P(t−Bu)(0.04g,0.2mmol)およびナトリウムt−ブトキシド(1.80g,18.7mmol)をトルエン(80mL)に入れ、3時間ほど還流させた。反応が終わった後、常温に冷却し、反応混合液をTHFとHOの混合液に入れた。有機層を層分離して硫酸マグネシウムで乾燥した後、濃縮させた。カラムクロマトグラフィーで精製した後、化合物M(16g,85%)を得た。MS[M]=291
【0068】
実施例1:化合物1の製造
窒素雰囲気下で、1,6−ジブロモピレン(3.0g,8.5mmol)、化合物B(5.83g,20.4mmol)、Pd(dba)(0.097g,0.17mmol)、P(t−Bu)(0.05g,0.255mmol)およびナトリウムt−ブトキシド(2.45g,25.5mmol)をトルエン(100mL)に入れ、2時間ほど還流させた。反応が終わった後、常温に冷却し、反応混合液をTHFとHOの混合液に入れた。有機層を層分離してMgSOで乾燥した後、濃縮させた。カラムクロマトグラフィーで精製した後、化合物1(4.06g,62%)を得た。MS[M]=770
【0069】
実施例2:化合物21の製造
実施例1において、1,6−ジブロモピレン(3.0g,8.5mmol)の代わりに3,9−ジブロモペリレン(3.5g,8.5mmol)を用いることを除いては、実施例1の方法と同様に化合物21(4.18g,60%)を得た。MS[M]=820
【0070】
実施例3:化合物23の製造
実施例1において、1,6−ジブロモピレン(3.0g,8.5mmol)の代わりに3,9−ジブロモペリレン(3.5g,8.5mmol)、化合物B(5.83g,20.4mmol)の代わりに化合物C(6.94g,20.4mmol)を用いることを除いては、実施例1の方法と同様に化合物23(5.05g,64%)を得た。MS[M]=928
【0071】
実施例4:化合物27の製造
実施例1において、1,6−ジブロモピレン(3.0g,8.5mmol)の代わりに3,9−ジブロモペリレン(3.5g,8.5mmol)、化合物B(5.83g,20.4mmol)の代わりに化合物E(2.92g,20.4mmol)を用いることを除いては、実施例1の方法と同様に化合物27(3.85g,62%)を得た。MS[M]=730
【0072】
実施例5:化合物36の製造
実施例1において、1,6−ジブロモピレン(3.0g,8.5mmol)の代わりに9,10−ジブロモアントラセン(2.86g,8.5mmol)を用いることを除いては、実施例1の方法と同様に化合物36(4.12g,65%)を得た。MS[M]=746
【0073】
実施例6:化合物40の製造
実施例1において、1,6−ジブロモピレン(3.0g,8.5mmol)の代わりに9,10−ジブロモアントラセン(2.86g,8.5mmol)、化合物B(5.83g,20.4mmol)の代わりに化合物C(6.94g,20.4mmol)を用いることを除いては、実施例1の方法と同様に化合物40(3.42g,65%)を得た。MS[M]=620
【0074】
実施例7:化合物45の製造
実施例1において、1,6−ジブロモピレン(3.0g,8.5mmol)の代わりに9,10−ジブロモアントラセン(2.86g,8.5mmol)、化合物B(5.83g,20.4mmol)の代わりに化合物E(4.55g,20.4mmol)を用いることを除いては、実施例1の方法と同様に化合物45(3.63g,65%)を得た。MS[M]=656
【0075】
実施例8:化合物53の製造
実施例1において、1,6−ジブロモピレン(3.0g,8.5mmol)の代わりに9,10−ジブロモクリセン(3.28g,8.5mmol)、化合物B(5.83g,20.4mmol)の代わりに化合物C(6.94g,20.4mmol)を用いることを除いては、実施例1の方法と同様に化合物53(2.00g,61%)を得た。MS[M]=386
【0076】
実施例9:化合物56の製造
実施例1において、1,6−ジブロモピレン(3.0g,8.5mmol)の代わりに9,10−ジブロモクリセン(3.28g,8.5mmol)、化合物B(5.83g,20.4mmol)の代わりに化合物E(2.92g,20.4mmol)を用いることを除いては、実施例1の方法と同様に化合物56(3.9g,65%)を得た。MS[M]=706
【0077】
実施例10:化合物64の製造
実施例1において、1,6−ジブロモピレン(3.0g,8.5mmol)の代わりに前記製造例6で合成した化合物F(3.6g,8.5mmol)を用いることを除いては、実施例1の方法と同様に化合物64(4.86g,62%)を得た。MS[M]=922
【0078】
実施例11:化合物73の製造
実施例1において、1,6−ジブロモピレン(3.0g,8.5mmol)の代わりに前記製造例7で合成した化合物G(4.0g,8.5mmol)を用いることを除いては、実施例1の方法と同様に化合物73(5.37g,65%)を得た。MS[M]=972
【0079】
実施例12:化合物77の製造
実施例1において、1,6−ジブロモピレン(3.0g,8.5mmol)の代わりに前記製造例7で合成した化合物G(4.0g,8.5mmol)、化合物B(5.83g,20.4mmol)の代わりに化合物E(2.92g,20.4mmol)を用いることを除いては、実施例1の方法と同様に化合物77(4.87g,65%)を得た。MS[M]=882
【0080】
実施例13:化合物81の製造
実施例1において、1,6−ジブロモピレン(3.0g,8.5mmol)の代わりに前記製造例8で合成した化合物H(3.4g,8.5mmol)を用いることを除いては、実施例1の方法と同様に化合物81(4.96g,65%)を得た。MS[M]=898
【0081】
実施例14:化合物86の製造
実施例1において、1,6−ジブロモピレン(3.0g,8.5mmol)の代わりに前記製造例8で合成した化合物H(3.4g,8.5mmol)、化合物B(5.83g,20.4mmol)の代わりに化合物E(2.92g,20.4mmol)を用いることを除いては、実施例1の方法と同様に化合物86(4.46g,65%)を得た。MS[M]=808
【0082】
実施例15:化合物90の製造
実施例1において、1,6−ジブロモピレン(3.0g,8.5mmol)の代わりに前記製造例9で合成した化合物I(3.4g,8.5mmol)を用いることを除いては、実施例1の方法と同様に化合物90(5.24g,65%)を得た。MS[M]=948
【0083】
実施例16:化合物94の製造
実施例1において、1,6−ジブロモピレン(3.0g,8.5mmol)の代わりに前記製造例9で合成した化合物I(3.4g,8.5mmol)、化合物B(5.83g,20.4mmol)の代わりに化合物E(2.92g,20.4mmol)を用いることを除いては、実施例1の方法と同様に化合物94(4.74g,65%)を得た。MS[M]=858
【0084】
実施例17:化合物98の製造
実施例1において、化合物B(5.83g,20.4mmol)の代わりに化合物J(3.55g,20.4mmol)を用いることを除いては、実施例1の方法と同様に化合物98(3.02g,65%)を得た。MS[M]=546
【0085】
実施例18:化合物103の製造
実施例1において、化合物B(5.83g,20.4mmol)の代わりに化合物K(3.66g,20.4mmol)を用いることを除いては、実施例1の方法と同様に化合物103(2.93g,62%)を得た。MS[M]=556
【0086】
実施例19:化合物110の製造
実施例1において、化合物B(5.83g,20.4mmol)の代わりに化合物L(5.07g,20.4mmol)を用いることを除いては、実施例1の方法と同様に化合物110(3.046g,59%)を得た。MS[M]=690
【0087】
実施例20:化合物111の製造
実施例1において、化合物B(5.83g,20.4mmol)の代わりに化合物M(5.94g,20.4mmol)を用いることを除いては、実施例1の方法と同様に化合物111(4.04g,61%)を得た。MS[M]=780
【0088】
実施例21:化合物119の製造
実施例1において、1,6−ジブロモピレン(3.0g,8.5mmol)の代わりに前記製造例6で合成した化合物F(3.6g,8.5mmol)、化合物B(5.83g,20.4mmol)の代わりに化合物J(3.55g,20.4mmol)を用いることを除いては、実施例1の方法と同様に化合物119(3.68g,62%)を得た。MS[M]=698
【0089】
実施例22:化合物120の製造
実施例1において、1,6−ジブロモピレン(3.0g,8.5mmol)の代わりに前記製造例6で合成した化合物F(3.6g,8.5mmol)、化合物B(5.83g,20.4mmol)の代わりに化合物K(3.66g,20.4mmol)を用いることを除いては、実施例1の方法と同様に化合物120(3.61g,60%)を得た。MS[M]=708
【0090】
実施例23:化合物121の製造
実施例1において、1,6−ジブロモピレン(3.0g,8.5mmol)の代わりに前記製造例6で合成した化合物F(3.6g,8.5mmol)、化合物B(5.83g,20.4mmol)の代わりに化合物L(5.07g,20.4mmol)を用いることを除いては、実施例1の方法と同様に化合物121(4.43g,62%)を得た。MS[M]=842
【0091】
実施例24:化合物122の製造
実施例1において、1,6−ジブロモピレン(3.0g,8.5mmol)の代わりに前記製造例6で合成した化合物F(3.6g,8.5mmol)、化合物B(5.83g,20.4mmol)の代わりに化合物M(5.94g,20.4mmol)を用いることを除いては、実施例1の方法と同様に化合物122(4.75g,60%)を得た。MS[M]=932
【0092】
実施例25:化合物123の製造
実施例1において、1,6−ジブロモピレン(3.0g,8.5mmol)の代わりに3,9−ジブロモペリレン(3.5g,8.5mmol)、化合物B(5.83g,20.4mmol)の代わりに化合物J(3.55g,20.4mmol)を用いることを除いては、実施例1の方法と同様に化合物123(3.14g,62%)を得た。MS[M]=596
【0093】
実施例26:化合物124の製造
実施例1において、1,6−ジブロモピレン(3.0g,8.5mmol)の代わりに3,9−ジブロモペリレン(3.5g,8.5mmol)、化合物B(5.83g,20.4mmol)の代わりに化合物K(3.66g,20.4mmol)を用いることを除いては、実施例1の方法と同様に化合物124(2.63g,60%)を得た。MS[M]=606
【0094】
実施例27:化合物125の製造
実施例1において、1,6−ジブロモピレン(3.0g,8.5mmol)の代わりに3,9−ジブロモペリレン(3.5g,8.5mmol)、化合物B(5.83g,20.4mmol)の代わりに化合物L(5.07g,20.4mmol)を用いることを除いては、実施例1の方法と同様に化合物125(3.96g,63%)を得た。MS[M]=740
【0095】
実施例28:化合物126の製造
実施例1において、1,6−ジブロモピレン(3.0g,8.5mmol)の代わりに3,9−ジブロモペリレン(3.5g,8.5mmol)、化合物B(5.83g,20.4mmol)の代わりに化合物M(5.94g,20.4mmol)を用いることを除いては、実施例1の方法と同様に化合物126(4.23g,60%)を得た。MS[M]=830
【0096】
実施例29:化合物141の製造
実施例1において、1,6−ジブロモピレン(3.0g,8.5mmol)の代わりに前記製造例7で合成した化合物G(4.0g,8.5mmol)、化合物B(5.83g,20.4mmol)の代わりに化合物J(3.55g,20.4mmol)を用いることを除いては、実施例1の方法と同様に化合物141(3.94g,62%)を得た。MS[M]=748
【0097】
実施例30:化合物142の製造
実施例1において、1,6−ジブロモピレン(3.0g,8.5mmol)の代わりに前記製造例7で合成した化合物G(4.0g,8.5mmol)、化合物B(5.83g,20.4mmol)の代わりに化合物K(3.66g,20.4mmol)を用いることを除いては、実施例1の方法と同様に化合物142(3.87g,60%)を得た。MS[M]=758
【0098】
実施例31:化合物143の製造
実施例1において、1,6−ジブロモピレン(3.0g,8.5mmol)の代わりに前記製造例7で合成した化合物G(4.0g,8.5mmol)、化合物B(5.83g,20.4mmol)の代わりに化合物L(5.07g,20.4mmol)を用いることを除いては、実施例1の方法と同様に化合物143(4.78g,63%)を得た。MS[M]=892
【0099】
実施例32:化合物144の製造
実施例1において、1,6−ジブロモピレン(3.0g,8.5mmol)の代わりに前記製造例7で合成した化合物G(4.0g,8.5mmol)、化合物B(5.83g,20.4mmol)の代わりに化合物M(5.94g,20.4mmol)を用いることを除いては、実施例1の方法と同様に化合物144(5.00g,60%)を得た。MS[M]=982
【0100】
実施例33:化合物145の製造
実施例1において、1,6−ジブロモピレン(3.0g,8.5mmol)の代わりに9,10−ジブロモアントラセン(2.86g,8.5mmol)、化合物B(5.83g,20.4mmol)の代わりに化合物L(5.07g,20.4mmol)を用いることを除いては、実施例1の方法と同様に化合物145(3.57g,63%)を得た。MS[M]=666
【0101】
実施例34:化合物146の製造
実施例1において、1,6−ジブロモピレン(3.0g,8.5mmol)の代わりに9,10−ジブロモアントラセン(2.86g,8.5mmol)、化合物B(5.83g,20.4mmol)の代わりに化合物M(5.94g,20.4mmol)を用いることを除いては、実施例1の方法と同様に化合物146(3.86g,60%)を得た。MS[M]=756
【0102】
実施例35:化合物156の製造
実施例1において、1,6−ジブロモピレン(3.0g,8.5mmol)の代わりに前記製造例8で合成した化合物H(3.4g,8.5mmol)、化合物B(5.83g,20.4mmol)の代わりに化合物L(5.07g,20.4mmol)を用いることを除いては、実施例1の方法と同様に化合物156(4.39g,63%)を得た。MS[M]=818
【0103】
実施例36:化合物158の製造
実施例1において、1,6−ジブロモピレン(3.0g,8.5mmol)の代わりに前記製造例8で合成した化合物H(3.4g,8.5 mmol)、化合物B(5.83g,20.4mmol)の代わりに化合物M(5.94g,20.4mmol)を用いることを除いては、実施例1の方法と同様に化合物158(4.86g,63%)を得た。MS[M]=908
【0104】
実施例37:化合物161の製造
実施例1において、1,6−ジブロモピレン(3.0g,8.5mmol)の代わりに9,10−ジブロモクリセン(3.28g,8.5mmol)、化合物B(5.83g,20.4mmol)の代わりに化合物J(3.55g,20.4mmol)を用いることを除いては、実施例1の方法と同様に化合物161(3.01g,62%)を得た。MS[M]=572
【0105】
実施例38:化合物163の製造
実施例1において、1,6−ジブロモピレン(3.0g,8.5mmol)の代わりに9,10−ジブロモクリセン(3.28g,8.5mmol)、化合物B(5.83g,20.4mmol)の代わりに化合物K(3.66g,20.4mmol)を用いることを除いては、実施例1の方法と同様に化合物163(2.97g,60%)を得た。MS[M]=582
【0106】
実施例39:化合物172の製造
実施例1において、1,6−ジブロモピレン(3.0g,8.5mmol)の代わりに9,10−ジブロモクリセン(3.28g,8.5mmol)、化合物B(5.83g,20.4mmol)の代わりに化合物L(5.07g,20.4mmol)を用いることを除いては、実施例1の方法と同様に化合物172(3.83g,63%)を得た。MS[M]=716
【0107】
実施例40:化合物173の製造
実施例1において、1,6−ジブロモピレン(3.0g,8.5mmol)の代わりに9,10−ジブロモクリセン(3.28g,8.5mmol)、化合物B(5.83g,20.4mmol)の代わりに化合物M(5.94g,20.4mmol)を用いることを除いては、実施例1の方法と同様に化合物173(4.11g,60%)を得た。MS[M]=806
【0108】
実施例41:化合物174の製造
実施例1において、1,6−ジブロモピレン(3.0g,8.5mmol)の代わりに前記製造例9で製造した化合物I(3.4g,8.5mmol)、化合物B(5.83g,20.4mmol)の代わりに化合物J(3.55g,20.4mmol)を用いることを除いては、実施例1の方法と同様に化合物174(3.82g,62%)を得た。MS[M]=724
【0109】
実施例42:化合物175の製造
実施例1において、1,6−ジブロモピレン(3.0g,8.5mmol)の代わりに前記製造例9で製造した化合物I(3.4g,8.5mmol)、化合物B(5.83g,20.4mmol)の代わりに化合物K(3.66g,20.4mmol)を用いることを除いては、実施例1の方法と同様に化合物175(4.00g,60%)を得た。MS[M]=734
【0110】
実施例43:化合物176の製造
実施例1において、1,6−ジブロモピレン(3.0g,8.5mmol)の代わりに前記製造例9で製造した化合物I(3.4g,8.5mmol)、化合物B(5.83g,20.4mmol)の代わりに化合物L(5.07g,20.4mmol)を用いることを除いては、実施例1の方法と同様に化合物176(4.65g,63%)を得た。MS[M]=868
【0111】
実施例44:化合物177の製造
実施例1において、1,6−ジブロモピレン(3.0g,8.5mmol)の代わりに前記製造例9で製造した化合物I(3.4g,8.5mmol)、化合物B(5.83g,20.4mmol)の代わりに化合物M(5.94g,20.4mmol)を用いることを除いては、実施例1の方法と同様に化合物177(4.89g,60%)を得た。MS[M]=958
【0112】
実験例1:
ITO(インジウムスズ酸化物)が1000Å厚さで薄膜コーティングされたガラス基板(corning 7059 glass)を、洗浄剤を溶かした蒸留水に入れ、超音波で洗浄した。洗浄剤はFischer Co.の製品を使用し、蒸留水はMillipore Co.製品のフィルタ(Filter)で2次ろ過した蒸留水を使用した。ITOを30分間洗浄した後、蒸留水で超音波洗浄を2回繰り返して10分間行った。蒸留水洗浄が終わった後、イソプロピルアルコール、アセトン、メタノール溶剤の順に超音波洗浄をして乾燥させた後、プラズマ洗浄機に輸送し、酸素プラズマを用いて前記基板を5分間洗浄した後、真空蒸着機に基板を輸送した。
前記ITO電極上に、3,6−ビス−2−ナフチルフェニルアミノ−N−[4−(2−ナフチルフェニル)アミノフェニル]カルバゾール(800Å)および4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(NPB)(300Å)を蒸着させて正孔注入層および正孔輸送層を形成し、前記実施例1で製造した化合物1(2wt%)を下記化合物Nとともに(300Å)蒸着させて発光層を形成した後、9,10−ビス−2−ナフチル−2−[4−(N−フェニルベンゾイミダゾイル)フェニル]アントラセン(300Å)を熱真空蒸着して電子輸送層を順に形成した。
前記電子輸送層上に順次12Å厚さのフッ化リチウム(LiF)と2000Å厚さのアルミニウムを蒸着して負極を形成し、有機発光素子を製造した。
前記過程において、有機物の蒸着速度は0.4〜0.7Å/secを維持し、負極のフッ化リチウムは0.3Å/sec、アルミニウムは2Å/secの蒸着速度を維持し、蒸着時の真空度は2×10−7〜5×10−8torrを維持した。
上記で製造された有機発光素子に7.8Vの順方向電界を加えた結果、100mA/cmの電流密度において1931 CIE color coordinate基準でx=0.170、y=0.150に該当する4.9cd/Aの青色発光が観察された。
【0113】
【化21】

【0114】
実験例2:
前記実験例1において、化合物1の代わりに化合物56を用いることを除いては、前記実験例1と同一の方法をもって有機発光素子を製造した。
上記で製造された有機発光素子に7.9Vの順方向電界を加えた結果、100mA/cmの電流密度において1931 CIE color coordinate基準でx=0.170、y=0.151に該当する4.7cd/Aの青色発光が観察された。
【0115】
実験例3:
前記実験例1において、化合物1の代わりに化合物86を用いることを除いては、前記実験例1と同一の方法をもって有機発光素子を製造した。
上記で製造された有機発光素子に7.7Vの順方向電界を加えた結果、100mA/cmの電流密度において1931 CIE color coordinate基準でx=0.171、y=0.153に該当する4.8cd/Aの青色発光が観察された。
【0116】
実験例4:
前記実験例1において、化合物1の代わりに化合物111を用いることを除いては、前記実験例1と同一の方法をもって有機発光素子を製造した。
上記で製造された有機発光素子に7.7Vの順方向電界を加えた結果、100mA/cmの電流密度において1931 CIE color coordinate基準でx=0.171、y=0.153に該当する4.9cd/Aの青色発光が観察された。
【0117】
実験例5:
前記実験例1において、化合物1の代わりに化合物156を用いることを除いては、前記実験例1と同一の方法をもって有機発光素子を製造した。
上記で製造された有機発光素子に7.8Vの順方向電界を加えた結果、100mA/cmの電流密度において1931 CIE color coordinate基準でx=0.172、y=0.153に該当する4.8cd/Aの青色発光が観察された。
【0118】
実験例6:
前記実験例1において、化合物1の代わりに化合物173を用いることを除いては、前記実験例1と同一の方法をもって有機発光素子を製造した。
上記で製造された有機発光素子に7.9Vの順方向電界を加えた結果、100mA/cmの電流密度において1931 CIE color coordinate基準でx=0.173、y=0.152に該当する4.9cd/Aの青色発光が観察された。
【図面の簡単な説明】
【0119】
【図1】図1は、本発明に係る有機発光素子の構造を例示する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記化学式1で示されるジアミン誘導体。
【化1】

前記化学式1において、
LはC〜C30のアリール基であり、
およびAは、互いに独立的に同一であるか相異しており、
【化2】

であり、
ここで、nは1〜5の整数であり、
前記Xは、少なくとも1つが−GeRR’R”、−SiRR’R”および重水素の中から選択され、残りは、水素、CN、NO、C〜C20のアリールアミン基、C〜C20のアリールチオフェン基、C〜C20のシクロアルキル基、−OR、−SR、−SeR、−TeR、−BRR’、−AlRR’、−SnRR’R”、C〜C20のアリール基、C〜C20のアリールアルケニル基、およびC〜C20のアルキレン基が前記フェニル基またはナフチル基に接合(fused)され、縮合環を形成した基の中から選択された1つであり、
およびYは、互いに独立的に同一であるか相異しており、C〜C20のアリーレン基または2価のC〜C20の複素環基であり、
およびZは、互いに独立的に同一であるか相異しており、水素、ハロゲン、重水素、CN、NO、C〜C20のアルキル基、C〜C20のアルコキシ基、C〜C20のアリール基、C〜C20のアリールアミン基、C〜C20のアリールチオフェン基、C〜C20のシクロアルキル基、−OR、−SR、−SeR、−TeR、−BRR’、−AlRR’、−SiRR’R”、−GeRR’R”、−SnRR’R”、C〜C20のアリール基、C〜C20のアリールアルケニル基、およびC〜C20のアルキレン基が前記フェニル基またはナフチル基に接合(fused)され、縮合環を形成した基の中から選択された1つであり、
前記R、R’およびR”は、互いに独立的に同一であるか相異しており、水素、C〜C20のアルキル基、C〜C20のシクロアルキル基、C〜C20のアリール基またはC〜C20の複素環基である。
【請求項2】
前記Lは、アントラセニル、フェナントレニル、ピレニル、ペリレニル、クリセニル、
【化3】

の中から選択された1つであることを特徴とする、請求項1に記載のジアミン誘導体。
【請求項3】
前記YおよびYは、互いに独立的に同一であるか相異しており、フェニル、ビフェニル、ナフタレニル、テトラリニル、アントラセニル、スチルベニル、フェナントレニル、ピレニル、ペリレニル、クリセニルおよびカルバゾリルの中から選択された1つであることを特徴とする、請求項1に記載のジアミン誘導体。
【請求項4】
前記化学式1の化合物は、下記化合物からなる群から選択されることを特徴とする、請求項1に記載のジアミン誘導体。
【化4】

【化5】

【化6】

【化7】

【化8】

【化9】

【化10】

【化11】

【化12】

【化13】

【化14】

【化15】

【化16】

【化17】

【化18】

【化19】

【請求項5】
ジブロモアリール化合物とアリールアミン化合物をパラジウム触媒下に反応させて製造することを特徴とする、請求項1に記載のジアミン誘導体の製造方法。
【請求項6】
前記アリールアミン化合物は、ゲルマニウム基、シリル基および重水素の中から選択された1つ以上を含むことを特徴とする、請求項5に記載のジアミン誘導体の製造方法。
【請求項7】
第1電極、第2電極、および前記第1電極と第2電極の間に配置された1層以上の有機層を含む有機電子素子であって、前記有機層のうちの1層以上は、請求項1〜請求項4のうちのいずれか一項に記載の化合物を含むことを特徴とする有機電子素子。
【請求項8】
前記有機層は、正孔注入層、正孔輸送層、ならびに正孔注入および正孔輸送層からなる層から選択された1層以上の層を含み、前記層のうちの1層が請求項1〜請求項4のうちのいずれか一項に記載の化合物を含むことを特徴とする、請求項7に記載の有機電子素子。
【請求項9】
前記有機層は、発光層を含み、前記発光層が請求項1〜請求項4のうちのいずれか一項の化合物を含むことを特徴とする、請求項7に記載の有機電子素子。
【請求項10】
前記有機層は、電子輸送層を含み、前記電子輸送層が請求項1〜請求項4のうちのいずれか一項に記載の化合物を含むことを特徴とする、請求項7に記載の有機電子素子。
【請求項11】
前記有機電子素子は、有機発光素子、有機太陽電池、有機感光体(OPC)および有機トランジスタからなる群から選択されることを特徴とする、請求項7に記載の有機電子素子。

【図1】
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【公表番号】特表2009−530371(P2009−530371A)
【公表日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−501361(P2009−501361)
【出願日】平成19年3月23日(2007.3.23)
【国際出願番号】PCT/KR2007/001448
【国際公開番号】WO2007/108666
【国際公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【出願人】(500239823)エルジー・ケム・リミテッド (1,221)
【Fターム(参考)】