説明

新規なビス(2−(メタ)アクリルオキシアルコキシ)ナフタレン化合物、その製造方法、およびその用途

【課題】 新規なビス(2−(メタ)アクリルオキシアルコキシ)ナフタレン化合物、その製造方法、およびその用途を提供すること。
【解決手段】 第一発明は、構造式(1)で示されるビス(2−(メタ)アクリルオキシアルコキシ)ナフタレン化合物を要旨とし、第二発明はその製造方法、第三発明は上記化合物を有効成分とする光増感剤を要旨とし、第四発明はこの光増感剤を含む光硬化性組成物を要旨とする。
【化1】

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビス(2−(メタ)アクリルオキシアルコキシ)ナフタレン化合物に関する。さらに詳しくは、光重合増感剤として有用な、ビス(2−(メタ)アクルオキシアルコキシ)ナフタレン化合物、その製造方法、およびその用途に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から光カチオン重合において、ジヒドロキシナフタレンが光重合増感剤として機能することは良く知られている(特許文献1参照)。しかしながら、従来のジヒドロキシナフタレンは昇華性が高く、レジスト作成時の加熱工程で揮発するという欠点があった。そのため、ナフタレン骨格にアクリル基の導入を試みたが、得られたアクリレート体は光増感性能に乏しく、望ましいものではなかった(特許文献2参照)。
【特許文献1】特開平11−263804号公報
【特許文献2】特開昭62−192340号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明者らは、かかる状況に鑑み、これら欠点を排除した技術を提供すべく鋭意検討した結果、本発明を完成するに至ったものである。すなわち、本発明の目的は、次のとおりである。
1.光重合増感性能に優れた新規な化合物を提供すること。
2.上記化合物を光重合増感剤として含む光硬化性組成物を提供すること。
3.上記化合物を光重合増感剤として含み、光硬化させる際の加熱工程で揮発(昇華)し難い光硬化性組成物を提供すること。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するために、第一発明では、構造式(1)で示されるビス(2−(メタ)アクリルオキシアルコキシ)ナフタレン化合物を提供する。
【0005】
【化1】

【0006】
構造式(1)において、R1、2同一でも異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシメチル基、アリルオキシメチル基、アリールオキシメチル基のいずれかを示し、R3、は同一でも異なっていてもよく、水素原子またはメチル基を示し、X、Yは同一でも異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、カルボキシル基、スルホン酸基のいずれかを示す。
【0007】
また第二発明では、ビス(2−ヒドロキシアルコキシ)ナフタレン化合物に、酸化アルキレンを付加反応させて1,4−ビス(2−ヒドロキシアルコキシ)ナフタレン化合物とし、ついで、この化合物に塩化アクリロイルまたは塩化メタアクリロイルと反応させることを特徴とする、第一発明に係るビス(2−(メタ)アクリルオキシアルコキシ)ナフタレン化合物の製造方法を提供する。
【0008】
さらに第三発明では、第一発明に係るビス(2−(メタ)アクリルオキシアルコキシ)ナフタレン化合物有効成分として含有することを特徴とする、光重合増感剤を提供する。
【0009】
さらにまた第四発明では、第三発明に係る光重合増感剤、光重合開始剤および光重合性モノマーからなることを特徴とする光硬化性組成物を提供する。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、以下詳細に説明するとおりであり、次のような特別に有利な効果を奏し、その産業上の利用価値は極めて大である。
1.第一発明に係るビス(2−(メタ)アクリルオキシアルコキシ)ナフタレン化合物は新規な化合物であり、光ラジカル重合、光カチオン重合における光重合増感剤として優れた効果を発揮する。
2.第二発明に係る製造方法によれば、第一発明に係る化合物を、工業的有利に製造することができる。
3.第三発明に係る光重合増感剤は、これを含む光硬化性組成物を硬化させる際の加熱工程で揮発(昇華)し難い。
4.第四発明に係る光硬化性組成物を光硬化させた後の製品は、残留成分が溶出・揮発し難く、優れている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の第一発明に係る化合物は、上記構造式(1)によって示されるビス(2−(メタ)アクリルオキシアルコキシ)ナフタレン化合物である。
【0012】
構造式(1)において、R、Rで表されるアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基等が挙げられる。アリール基としては、フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、p−メトキシフェニル基、p−エトキシフェニル基、ナフチル基が挙げられる。アルコキシメチル基としては、メトキシメチル基、ブトキシメチル基、2−エチルヘキシルオキシメチル基、2−オクチルオキシメチル基等が挙げられる。アルキルオキシメチル基としては、アリルオキシメチル基、メタリルオキシメチル基等が挙げられ、アリールオキシメチル基としては、フェノキシメチル基などが挙げられる。
【0013】
構造式(1)において、X、Yで表されるアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル碁、n−ブチル基、i−ブチル碁、アミル基、2-エチルヘキシルなどが挙げられる。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基,n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、ヘキシルオキシ基、フェノキシ基などが挙げられる。アルキルチオ基としては、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ブチルチオ基、ヘキシルチオ基などが挙げられる。アリールチオ基としては、フェニルチオ基、o−トリルチオ基、m−トリルチオ碁、p−トリルチオ基、p−ヒドロキシフェニルチオ基などが挙げられる。
【0014】
構造式(1)で示されるビス(2−(メタ)アクリルオキシアルコキシ)ナフタレン化合物の具体例としては、次のような化合物が挙げられる。すなわち、2,6−ビス(2−アクリルオキシエトキシ)ナフタレン、2,6−ビス(2−メタクリルオキシエトキシ)ナフタレン、2,6−ビス(2−アクリルオキシプロポキシ)ナフタレン、2,6−ビス(2−メタクリルオキシプロポキシ)ナフタレン、2,6−ビス(2−アクリルオキシブトキシ)ナフタレン、2,6−ビス(2−メタクリルオキシブトキシ)ナフタレン、2,6−ビス(2−アクリルオキシヘプチルオキシ)ナフタレン、2,6−ビス(2−メタクリルオキシヘプチルオキシ)ナフタレン、2,6−ビス(2−アクリルオキシオクチルオキシ)ナフタレン−ビス(2−メタクリルオキシオクチルオキシ)ナフタレン、2,6−ビス(2−アクリルオキシ−2−フェニルエトキシ)ナフタレン、2,6−ビス(2−メタクリルオキシ−2−フェニルエトキシ)ナフタレン、2,6−ビス(2−アクリルオキシ−3−メトキシプロポキシ)ナフタレン、2,6−ビス(2−メタクリルオキシ−3−メトキシプロポキシ)ナフタレン、2,6−ビス(2−アクリルオキシ−3−ブトキシプロポキシ))ナフタレン、2,6−ビス(2−メタクリルオキシ−3−ブトキシプロポキシ)ナフタレン、2,6−ビス(2−アクリルオキシ−3−アリルオキシプロポキシ)ナフタレン、2,6−ビス(2−メタクリルオキシ−3−アリルオキシプロポキシ)ナフタレン、2,6−ビス(2−アクリルオキシ−3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロポキシ)ナフタレン、2,6−ビス(2−メタクリルオキシ−3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロポキシ)ナフタレン、2,6−ビス(2−アクリルオキシ−3−ステアリルオキシプロポキシ)ナフタレン、2,6−ビス(2−メタクリルオキシ−3−ステアリルオキシプロポキシ)ナフタレン、2,6−ビス(2−アクリルオキシ−3−フェノキシプロポキシ)ナフタレン、2,6−ビス(2−メタクリルオキシ−3−フェノキシプロポキシ)ナフタレンなどである。
【0015】
さらに、2,7−ビス(2−アクリルオキシエトキシ)ナフタレン、2,7−ビス(2−メタクリルオキシエトキシ)ナフタレン、2,7−ビス(2−アクリルオキシプロポキシ)ナフタレン、2,7−ビス(2−メタクリルオキシプロポキシ)ナフタレン、2,7−ビス(2−アクリルオキシブトキシ)ナフタレン、2,7−ビス(2−メタクリルオキシブトキシ)ナフタレン、2,7−ビス(2−アクリルオキシヘプチルオキシ)ナフタレン、2,7−ビス(2−メタクリルオキシヘプチルオキシ)ナフタレン、2,7−ビス(2−アクリルオキシオクチルオキシ)ナフタレン−ビス(2−メタクリルオキシオクチルオキシ)ナフタレン、2,7−ビス(2−アクリルオキシ−2−フェニルエトキシ)ナフタレン、2,7−ビス(2−メタクリルオキシ−2−フェニルエトキシ)ナフタレン、2,7−ビス(2−アクリルオキシ−3−メトキシプロポキシ)ナフタレン、2,7−ビス(2−メタクリルオキシ−3−メトキシプロポキシ)ナフタレン、2,7−ビス(2−アクリルオキシ−3−ブトキシプロポキシ))ナフタレン、2,7−ビス(2−メタクリルオキシ−3−ブトキシプロポキシ)ナフタレン、2,7−ビス(2−アクリルオキシ−3−アリルオキシプロポキシ)ナフタレン、2,7−ビス(2−メタクリルオキシ−3−アリルオキシプロポキシ)ナフタレン、2,7−ビス(2−アクリルオキシ−3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロポキシ)ナフタレン、2,7−ビス(2−メタクリルオキシ−3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロポキシ)ナフタレン、2,7−ビス(2−アクリルオキシ−3−ステアリルオキシプロポキシ)ナフタレン、2,7−ビス(2−メタクリルオキシ−3−ステアリルオキシプロポキシ)ナフタレン、2,7−ビス(2−アクリルオキシ−3−フェノキシプロポキシ)ナフタレン、2,7−ビス(2−メタクリルオキシ−3−フェノキシプロポキシ)ナフタレンなどが挙げられる。
【0016】
また、1,6−ビス(2−アクリルオキシエトキシ)ナフタレン、1,6−ビス(2−メタクリルオキシエトキシ)ナフタレン、1,6−ビス(2−アクリルオキシプロポキシ)ナフタレン、1,6−ビス(2−メタクリルオキシプロポキシ)ナフタレン、1,6−ビス(2−アクリルオキシブトキシ)ナフタレン、1,6−ビス(2−メタクリルオキシブトキシ)ナフタレン、1,6−ビス(2−アクリルオキシヘプチルオキシ)ナフタレン、1,6−ビス(2−メタクリルオキシヘプチルオキシ)ナフタレン、1,6−ビス(2−アクリルオキシオクチルオキシ)ナフタレン、1,6−ビス(2−メタクリルオキシオクチルオキシ)ナフタレン、1,6−ビス(2−アクリルオキシ−2−フェニルエトキシ)ナフタレン、1,6−ビス(2−メタクリルオキシ−2−フェニルエトキシ)ナフタレン、1,6−ビス(2−アクリルオキシ−3−メトキシプロポキシ)ナフタレン、1,6−ビス(2−メタクリルオキシ−3−メトキシプロポキシ)ナフタレン、1,6−ビス(2−アクリルオキシ−3−ブトキシプロポキシ)ナフタレン、1,6−ビス(2−メタクリルオキシ−3−ブトキシプロポキシ)ナフタレン、1,6−ビス(2−アクリルオキシ−3−アリルオキシプロポキシ)ナフタレン、1,6−ビス(2−メタクリルオキシ−3−アリルオキシプロポキシ)ナフタレン、1,6−ビス(2−アクリルオキシ−3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロポキシ)ナフタレン、1,6−ビス(2−メタクリルオキシ−3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロポキシ)ナフタレン、1、6−ビス(2−アクリルオキシ−3−ステアリルオキシプロポキシ)ナフタレン、1,6−ビス(2−メタクリルオキシ−3−ステアリルオキシプロポキシ)ナフタレン、1,6−ビス(2−アクリルオキシ−3−フェノキシプロポキシ)ナフタレン、1,6−ビス(2−メタクリルオキシ−3−フェノキシプロポキシ)ナフタレンなどが挙げられる。
【0017】
さらにまた、1,5−ビス(2−アクリルオキシエトキシ)ナフタレン、1,5−ビス(2−メタクリルオキシエトキシ)ナフタレン、1,5−ビス(2−アクリルオキシプロポキシ)ナフタレン、1,5−ビス(2−メタクリルオキシプロポキシ)ナフタレン、1,5−ビス(2−アクリルオキシブトキシ)ナフタレン、1,5−ビス(2−メタクリルオキシブトキシ)ナフタレン、1,5−ビス(2−アクリルオキシヘプチルオキシ)ナフタレン、1,5−ビス(2−メタクリルオキシヘプチルオキシ)ナフタレン、1,5−ビス(2−アクリルオキシオクチルオキシ)ナフタレン−ビス(2−メタクリルオキシオクチルオキシ)ナフタレン、1,5−ビス(2−アクリルオキシ−2−フェニルエトキシ)ナフタレン、1,5−ビス(2−メタクリルオキシ−2−フェニルエトキシ)ナフタレン、1,5−ビス(2−アクリルオキシ−3−メトキシプロポキシ)ナフタレン、1,5−ビス(2−メタクリルオキシ−3−メトキシプロポキシ)ナフタレン、1,5−ビス(2−アクリルオキシ−3−ブトキシプロポキシ))ナフタレン、1,5−ビス(2−メタクリルオキシ−3−ブトキシプロポキシ)ナフタレン、1,5−ビス(2−アクリルオキシ−3−アリルオキシプロポキシ)ナフタレン、1,5−ビス(2−メタクリルオキシ−3−アリルオキシプロポキシ)ナフタレン、1,5−ビス(2−アクリルオキシ−3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロポキシ)ナフタレン、1,5−ビス(2−メタクリルオキシ−3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロポキシ)ナフタレン、1,5−ビス(2−アクリルオキシ−3−ステアリルオキシプロポキシ)ナフタレン、1,5−ビス(2−メタクリルオキシ−3−ステアリルオキシプロポキシ)ナフタレン、1,5−ビス(2−アクリルオキシ−3−フェノキシプロポキシ)ナフタレン、1,5−ビス(2−メタクリルオキシ−3−フェノキシプロポキシ)ナフタレンなどが挙げられる。
【0018】
またさらに、1−メチル−2,6−ビス(2−アクリルオキシエトキシ)ナフタレン、1−メチル−2,6−ビス(2−メタクリルオキシエトキシ)ナフタレン、1−メチル−2,6−ビス(2−アクリルオキシプロポキシ)ナフタレン、1−メチル−2,6−ビス(2−メタクリルオキシプロポキシ)ナフタレン、1−メチル−2,6−ビス(2−アクリルオキシブトキシ)ナフタレン、1−メチル−2,6−ビス(2−メタクリルオキシブトキシ)ナフタレン、1−メチル−2,6−ビス(2−アクリルオキシヘプチルオキシ)ナフタレン、1−メチル−2,6−ビス(2−メタクリルオキシヘプチルオキシ)ナフタレン、1−メチル−2,6−ビス(2−アクリルオキシオクチルオキシ)ナフタレン−ビス(2−メタクリルオキシオクチルオキシ)ナフタレン、1−メチル−2,6−ビス(2−アクリルオキシ−2−フェニルエトキシ)ナフタレン、1−メチル−2,6−ビス(2−メタクリルオキシ−2−フェニルエトキシ)ナフタレン、1−メチル−2,6−ビス(2−アクリルオキシ−3−メトキシプロポキシ)ナフタレン、1−メチル−2,6−ビス(2−メタクリルオキシ−3−メトキシプロポキシ)ナフタレン、1−メチル−2,6−ビス(2−アクリルオキシ−3−ブトキシプロポキシ)ナフタレン、1−メチル−2,6−ビス(2−メタクリルオキシ−3−ブトキシプロポキシ)ナフタレン、1−メチル−2,6−ビス(2−アクリルオキシ−3−アリルオキシプロポキシ)ナフタレン、1−メチル−2,6−ビス(2−メタクリルオキシ−3−アリルオキシプロポキシ)ナフタレン、1−メチル−2,6−ビス(2−アクリルオキシ−3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロポキシ)ナフタレン、1−メチル−2,6−ビス(2−メタクリルオキシ−3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロポキシ)ナフタレン、1−メチル−2,6−ビス(2−アクリルオキシ−3−ステアリルオキシプロポキシ)ナフタレン、1−メチル−2,6−ビス(2−メタクリルオキシ−3−ステアリルオキシプロポキシ)ナフタレン、1−メチル−2,6−ビス(2−アクリルオキシ−3−フェノキシプロポキシ)ナフタレン、1−メチル−2,6−ビス(2−メタクリルオキシ−3−フェノキシプロポキシ)ナフタレン、1−メチル−2,7−ビス(2−アクリルオキシエトキシ)ナフタレン、1−メチル−2,7−ビス(2−メタクリルオキシエトキシ)ナフタレン、1−メチル−2,7−ビス(2−アクリルオキシプロポキシ)ナフタレン、1−メチル−2,7−ビス(2−メタクリルオキシプロポキシ)ナフタレン、1−メチル−2,7−ビス(2−アクリルオキシブトキシ)ナフタレン、1−メチル−2,7−ビス(2−メタクリルオキシブトキシ)ナフタレン、1−メチル−2,7−ビス(2−アクリルオキシヘプチルオキシ)ナフタレン、1−メチル−2,7−ビス(2−メタクリルオキシヘプチルオキシ)ナフタレン、1−メチル−2,7−ビス(2−アクリルオキシオクチルオキシ)ナフタレン−ビス(2−メタクリルオキシオクチルオキシ)ナフタレン、1−メチル−2,7−ビス(2−アクリルオキシ−2−フェニルエトキシ)ナフタレン、1−メチル−2,7−ビス(2−メタクリルオキシ−2−フェニルエトキシ)ナフタレン、1−メチル−2,7−ビス(2−アクリルオキシ−3−メトキシプロポキシ)ナフタレン、1−メチル−2,7−ビス(2−メタクリルオキシ−3−メトキシプロポキシ)ナフタレン、1−メチル−2,7−ビス(2−アクリルオキシ−3−ブトキシプロポキシ))ナフタレン、1−メチル−2,7−ビス(2−メタクリルオキシ−3−ブトキシプロポキシ)ナフタレン、1−メチル−2,7−ビス(2−アクリルオキシ−3−アリルオキシプロポキシ)ナフタレン、1−メチル−2,7−ビス(2−メタクリルオキシ−3−アリルオキシプロポキシ)ナフタレン、1−メチル−2,7−ビス(2−アクリルオキシ−3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロポキシ)ナフタレン、1−メチル−2,7−ビス(2−メタクリルオキシ−3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロポキシ)ナフタレン、1−メチル−2,7−ビス(2−アクリルオキシ−3−ステアリルオキシプロポキシ)ナフタレン、1−メチル−2,7−ビス(2−メタクリルオキシ−3−ステアリルオキシプロポキシ)ナフタレン、1−メチル−2,7−ビス(2−アクリルオキシ−3−フェノキシプロポキシ)ナフタレン、1−メチル−2,7−ビス(2−メタクリルオキシ−3−フェノキシプロポキシ)ナフタレンなどが挙げられる。
【0019】
さらに、2−メチル−1,6−ビス(2−アクリルオキシエトキシ)ナフタレン、2−メチル−1,6−ビス(2−メタクリルオキシエトキシ)ナフタレン、2−メチル−1,6−ビス(2−アクリルオキシプロポキシ)ナフタレン、2−メチル−1,6−ビス(2−メタクリルオキシプロポキシ)ナフタレン、2−メチル−1,6−ビス(2−アクリルオキシブトキシ)ナフタレン、2−メチル−1,6−ビス(2−メタクリルオキシブトキシ)ナフタレン、2−メチル−1,6−ビス(2−アクリルオキシヘプチルオキシ)ナフタレン、2−メチル−1,6−ビス(2−メタクリルオキシヘプチルオキシ)ナフタレン、2−メチル−1,6−ビス(2−アクリルオキシオクチルオキシ)ナフタレン−ビス(2−メタクリルオキシオクチルオキシ)ナフタレン、2−メチル−1,6−ビス(2−アクリルオキシ−2−フェニルエトキシ)ナフタレン、2−メチル−1,6−ビス(2−メタクリルオキシ−2−フェニルエトキシ)ナフタレン、2−メチル−1,6−ビス(2−アクリルオキシ−3−メトキシプロポキシ)ナフタレン、2−メチル−1,6−ビス(2−メタクリルオキシ−3−メトキシプロポキシ)ナフタレン、2−メチル−1,6−ビス(2−アクリルオキシ−3−ブトキシプロポキシ))ナフタレン、2−メチル−1,6−ビス(2−メタクリルオキシ−3−ブトキシプロポキシ)ナフタレン、2−メチル−1,6−ビス(2−アクリルオキシ−3−アリルオキシプロポキシ)ナフタレン、2−メチル−1,6−ビス(2−メタクリルオキシ−3−アリルオキシプロポキシ)ナフタレン、2−メチル−1,6−ビス(2−アクリルオキシ−3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロポキシ)ナフタレン、2−メチル−1,6−ビス(2−メタクリルオキシ−3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロポキシ)ナフタレン、2−メチル−1、6−ビス(2−アクリルオキシ−3−ステアリルオキシプロポキシ)ナフタレン、2−メチル−1,6−ビス(2−メタクリルオキシ−3−ステアリルオキシプロポキシ)ナフタレン、2−メチル−1,6−ビス(2−アクリルオキシ−3−フェノキシプロポキシ)ナフタレン、2−メチル−1,6−ビス(2−メタクリルオキシ−3−フェノキシプロポキシ)ナフタレン、2−メチル−1,5−ビス(2−アクリルオキエトキシ)ナフタレン、2−メチル−1,5−ビス(2−メタクリルオキシエトキシ)ナフタレン、2−メチル−1,5−ビス(2−アクリルオキシプロポキシ)ナフタレン、2−メチル−1,5−ビス(2−メタクリルオキシプロポキシ)ナフタレン、2−メチル−1,5−ビス(2−アクリルオキシブトキシ)ナフタレン、2−メチル−1,5−ビス(2−メタクリルオキシブトキシ)ナフタレン、2−メチル−1,5−ビス(2−アクリルオキシヘプチルオキシ)ナフタレン、2−メチル−1,5−ビス(2−メタクリルオキシヘプチルオキシ)ナフタレン、2−メチル−1,5−ビス(2−アクリルオキシオクチルオキシ)ナフタレン−ビス(2−メタクリルオキシオクチルオキシ)ナフタレン、2−メチル−1,5−ビス(2−アクリルオキシ−2−フェニルエトキシ)ナフタレン、2−メチル−1,5−ビス(2−メタクリルオキシ−2−フェニルエトキシ)ナフタレン、2−メチル−1,5−ビス(2−アクリルオキシ−3−メトキシプロポキシ)ナフタレン、2−メチル−1,5−ビス(2−メタクリルオキシ−3−メトキシプロポキシ)ナフタレン、2−メチル−1,5−ビス(2−アクリルオキシ−3−ブトキシプロポキシ)ナフタレン、2−メチル−1,5−ビス(2−メタクリルオキシ−3−ブトキシプロポキシ)ナフタレン、2−メチル−1,5−ビス(2−アクリルオキシ−3−アリルオキシプロポキシ)ナフタレン、2−メチル−1,5−ビス(2−メタクリルオキシ−3−アリルオキシプロポキシ)ナフタレン、2−メチル−1,5−ビス(2−アクリルオキシ−3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロポキシ)ナフタレン、2−メチル−1,5−ビス(2−メタクリルオキシ−3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロポキシ)ナフタレン、2−メチル−1,5−ビス(2−アクリルオキシ−3−ステアリルオキシプロポキシ)ナフタレン、2−メチル−1,5−ビス(2−メタクリルオキシ−3−ステアリルオキシプロポキシ)ナフタレン、2−メチル−1,5−ビス(2−アクリルオキシ−3−フェノキシプロポキシ)ナフタレン、2−メチル−1,5−ビス(2−メタクリルオキシ−3−フェノキシプロポキシ)ナフタレンなどが挙げられる。
【0020】
前記構造式(1)で表されるビス(2−(メタ)アクリルオキシアルコキシ)ナフタレン化合物の代表的なものは、以下の構造式(2)〜構造式(9)として示されるものである。
【0021】
【化2】

【0022】
【化3】

【0023】
【化4】

【0024】
【化5】

【0025】
【化6】

【0026】
【化7】

【0027】
【化8】

【0028】
【化9】

【0029】
第一発明の係るビス(2−(メタ)アクリルオキシアルコキシ)ナフタレン化合物は、まず、第一反応によって、ジヒドロキシナフタレン化合物に、塩基の存在または非存在下、溶剤の存在下または非存在下、酸化アルキレンを付加反応させて、ビス(2−ヒドロキシアルコキシ)ナフタレン化合物とし、ついで、第二反応によって、第一反応によって得られたビス(2−ヒドロキシアルコキシ)ナフタレン化合物に、塩基の存在下または非存在下、溶剤の存在下または非存在下、塩化アクリロイルまたは塩化メタアクリロイルと反応させて、(メタ)アクリル化することによって得られる。
【0030】
第一反応で使用できるジヒドロキシナフタレン化合物としては、例えば、次のような化合物が挙げられる。すなわち、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2−メチル−2,6−ジヒドロキシナフタレン、2−エチル−2,6−ジヒドロキシナフタレン、2−(t−ブチル)−2,6−ジヒドロキシナフタレン、2−クロル−2,6−ジヒドロキシナフタレン、2−メトキシ−2,6−ジヒドロキシナフタレン、2−フェノキシ−2,6−ジヒドロキシナフタレン、2−エチルチオ−2,6−ジヒドロキシナフタレン、2−フェニルチオ−2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン−2−カルボン酸、2,6−ジヒドロキシナフタレン−2−スルホン酸、2,7−ジヒドロキシナフタレン、1−メチル−2,7−ジヒドロキシナフタレン、1−エチル−2,7−ジヒドロキシナフタレン、1−(t−ブチル)−2,7−ジヒドロキシナフタレン、1−クロル−2,7−ジヒドロキシナフタレン、1−メトキシ−2,7−ジヒドロキシナフタレン、1−フェノキシ−2,7−ジヒドロキシナフタレン、1−エチルチオ−2,7−ジヒドロキシナフタレン、1−フェニルチオ−2,7−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン−1−カルボン酸、2,7−ジヒドロキシナフタレン−1−スルホン酸、1,5−ジヒドロキシナフタレン、2−メチル−1,5−ジヒドロキシナフタレン、2−エチル−1,5−ジヒドロキシナフタレン、2−(t−ブチル)−1,5−ジヒドロキシナフタレン、2−クロル−1,5−ジヒドロキシナフタレン、2−メトキシ−1,5−ジヒドロキシナフタレン、2−フェノキシ−1,5−ジヒドロキシナフタレン、2−エチルチオ−1,5−ジヒドロキシナフタレン、2−フェニルチオ−1,5−ジヒドロキシナフタレン、1,5−ジヒドロキシナフタレン−2−カルボン酸、1,5−ジヒドロキシナフタレン−2−スルホン酸、1,6−ジヒドロキシナフタレン、2−メチル−1,6−ジヒドロキシナフタレン、2−エチル−1,6−ジヒドロキシナフタレン、2−(t−ブチル)−1,6−ジヒドロキシナフタレン、2−クロル−1,6−ジヒドロキシナフタレン、2−メトキシ−1,6−ジヒドロキシナフタレン、2−フェノキシ−1,6−ジヒドロキシナフタレン、2−エチルチオ−1,6−ジヒドロキシナフタレン、2−フェニルチオ−1,6−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン−2−カルボン酸、1,6−ジヒドロキシナフタレン−2−スルホン酸などである。
【0031】
第一の反応において、ジヒドロキシナフタレン化合物との付加反応に使用される酸化アルキレンとしては、例えば、酸化エチレン、酸化プロピレン、酸化ブチレン、1−ヘキセンオキサイド、シクロヘキセンオキサイド、メチルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、2−メチル−オクチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテルなどが挙げられる。これらのうち特に好ましいのは、酸化エチレン、酸化プロピレンである。
【0032】
第一反応において、塩基としてアルカリ性化合物を使用する場合は、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムのような無機化合物が好適である。アルカリ性化合物は、通常、水溶液として使用される。溶媒は、使用しても使用しなくてもよい。使用する場合の溶媒としては、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒、エーテル系溶媒、アミド系溶媒、アミン系溶媒などが挙げられる。アルコール系溶媒の具体例としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどが挙げられ、ケトン系溶媒の具体例としてはアセトン、メチルエチルケトン、アセトンなどが挙げられ、エーテル系溶媒の具体例としては、テトラヒドフラン、1,4−ジオキサンなどが挙げられ、アミド系溶媒の具体例としては、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどが挙げられ、アミン系溶媒の具体例としては、ピリジン、ピペリジンなどが挙げられる。
【0033】
ジヒドロキシナフタレン化合物に対する酸化アルキレンの添加量は、前者に対して後者を2モル倍〜10モル倍の範囲で選ぶのが好ましい。前者に対する後者の添加量が2モル倍以下であると、未反応のジヒドロキシナフタレン化合物が残留し、生成物の純度が低下し、他方10モル倍以上では反応液から生成物の結晶が析出しにくくなる場合があり、好ましくない。前者に対する後者の添加量のより好ましい量は、2.2モル倍〜5モル倍の範囲である。反応系にアルカリ化合物を存在させる場合は、通常、ジヒドロキシナフタレン化合物に対して、2モル倍程度使用するのが好ましい。第一反応は、通常、室温で行われる。反応の進行が遅い場合は、50℃前後に加熱することもできる。第一反応が進行するにつれて、ジヒドロキシナフタレン化合物のアルカリ金属塩に由来する赤色が消えるので、反応の進行を容易に確認することができる。反応終了後、反応液を冷却し、結晶が析出しない場合には反応液に水を加え、析出した結晶を濾別・乾燥して、相当するビス(2−ヒドロキシアルコキシ)ナフタレン化合物を得ることができる。
【0034】
第二反応では、第一反応で得られたビス(2−ヒドロキシアルコキシ)ナフタレン化合物と、塩化アクリロイルまたは塩化メタアクリロイルとを、塩基の存在または非存在下反応させ、相当するビス(2−(メタ)アクリルオキシアルコキシ)ナフタレン化合物が得られる。
【0035】
第二反応において、原料として使用できるものは、第一反応において、ジヒドロキシナフタレン化合物に酸化アルキレンを付加して得られた、ビス(2−ヒドロキシアルコキシ)ナフタレン化合物である。具体的には、次の化合物が挙げられる。すなわち、2,6−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ナフタレン、2,6−ビス(2−ヒドロキシプロポキシ)ナフタレン、2,6−ビス(2−ヒドロキシブトキシ)ナフタレン、2,6−ビス(2−ヒドロキシヘプチルオキシ)ナフタレン、2,6−ビス(2−ヒドロキシオクチルオキシ)ナフタレン、2,6−ビス(2−ヒドロキシ−2−フェニルエトキシ)ナフタレン、2,6−ビス(2−ヒドロキシ−3−メトキシプロポキシ)ナフタレン、2,6−ビス(2−ヒドロキシ−3−ブトキシプロポキシ)ナフタレン、2,6−ビス(2−ヒドロキシ−3−アリルオキシプロポキシ)ナフタレン、2,6−ビス(2−ヒドロキシ−3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロポキシ)ナフタレン、2,6−ビス(2−ヒドロキシ−3−ステアリルオキシプロポキシ)ナフタレン、2,6−ビス(2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロポキシ)ナフタレン、1−メチル−2,6−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ナフタレン、1−メチル−2,6−ビス(2−ヒドロキシプロポキシ)ナフタレン、1−メチル−2,6−ビス(2−ヒドロキシブトキシ)ナフタレン、1−メチル−2,6−ビス(2−ヒドロキシヘプチルオキシ)ナフタレン、1−メチル−2,6−ビス(2−ヒドロキシオクチルオキシ)ナフタレン、1−メチル−2,6−ビス(2−ヒドロキシ−2−フェニルエトキシ)ナフタレン、1−メチル−2,6−ビス(2−ヒドロキシ−3−メトキシプロポキシ)ナフタレン、1−メチル−2,6−ビス(2−ヒドロキシ−3ブトキシプロポキシ)ナフタレン、1−メチル−2,6−ビス(2−ヒドロキシ−3−アリルオキシプロポキシ)ナフタレン、1−メチル−2,6−ビス(2−ヒドロキシ−3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロポキシ)ナフタレン、1−メチル−2,6−ビス(2−ヒドロキシ−3−ステアリルオキシプロポキシ)ナフタレン、1−メチル−2,6−ビス(2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロポキシ)ナフタレンなどである。
【0036】
さらに、1−クロロ−2,6−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ナフタレン、1−クロロ−2,6−ビス(2−ヒドロキシプロポキシ)ナフタレン、1−クロロ−2,6−ビス(2−ヒドロキシブトキシ)ナフタレン、1−クロロ−2,6−ビス(2−ヒドロキシヘプチルオキシ)ナフタレン、1−クロロ−2,6−ビス(2−ヒドロキシオクチルオキシ)ナフタレン、1−クロロ−2,6−ビス(2−ヒドロキシ−2−フェニルエトキシ)ナフタレン、1−クロロ−2,6−ビス(2−ヒドロキシ−3−メトキシプロポキシ)ナフタレン、1−クロロ−2,6−ビス(2−ヒドロキシ−3ブトキシプロポキシ)ナフタレン、1−クロロ−2,6−ビス(2−ヒドロキシ−3−アリルオキシプロポキシ)ナフタレン、1−クロロ−2,6−ビス(2−ヒドロキシ−3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロポキシ)ナフタレン、1−クロロ−2,6−ビス(2−ヒドロキシ−3−ステアリルオキシプロポキシ)ナフタレン、1−クロロ−2,6−ビス(2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロポキシ)ナフタレンなどが挙げられる。
【0037】
また、1−フェノキシ−2,6−ビス(2−ヒドロキシプロポキシ)ナフタレン、1−フェノキシ−2,6−ビス(2−ヒドロキシブトキシ)ナフタレン、1−フェノキシ−2,6−ビス(2−ヒドロキシヘプチルオキシ)ナフタレン、1−フェノキシ−2,6−ビス(2−ヒドロキシオクチルオキシ)ナフタレン、1−フェノキシ−2,6−ビス(2−ヒドロキシ−2−フェニルエトキシ)ナフタレン、1−フェノキシ−2,6−ビス(2−ヒドロキシ−3−メトキシプロポキシ)ナフタレン、1−フェノキシ−2,6−ビス(2−ヒドロキシ−3ブトキシ)プロポキシナフタレン、1−フェノキシ−2,6−ビス(2−ヒドロキシ−3−アリルオキシプロポキシ)ナフタレン、1−フェノキシ−2,6−ビス(2−ヒドロキシ−3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロポキシ)ナフタレン、1−フェノキシ−2,6−ビス(2−ヒドロキシ−3−ステアリルオキシ)プロポキシナフタレン、1−フェノキシ−2,6−ビス(2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロポキシ)ナフタレン、1−フェニルチオ−2,6−ビス(2−ヒドロキシプロポキシ)ナフタレン、1−フェニルチオ−2,6−ビス(2−ヒドロキシブトキシ)ナフタレン、1−フェニルチオ−2,6−ビス(2−ヒドロキシヘプチルオキシ)ナフタレン、1−フェニルチオ−2,6−ビス(2−ヒドロキシオクチルオキシ)ナフタレン、1−フェニルチオ−2,6−ビス(2−ヒドロキシ−2−フェニルエトキシ)ナフタレン、1−フェニルチオ−2,6−ビス(2−ヒドロキシ−3−メトキシプロポキシ)ナフタレン、1−フェニルチオ−2,6−ビス(2−ヒドロキシ−3−ブトキシプロポキシ)ナフタレン、1−フェニルチオ−2,6−ビス(2−ヒドロキシ−3−アリルオキシプロポキシ)ナフタレン、1−フェニルチオ−2,6−ビス(2−ヒドロキシ−3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロポキシ)ナフタレン、1−フェニルチオ−2,6−ビス(2−ヒドロキシ−3−ステアリルオキシプロポキシ)ナフタレン、1−フェニルチオ−2,6−ビス(2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロポキシ)ナフタレンなどが挙げられる。
【0038】
またさらに、2,6−ビス(2−ヒドロキシプロポキシ)ナフタレン−1−カルボン酸、2,6−ビス(2−ヒドロキシブトキシ)ナフタレン−1−カルボン酸、2,6−ビス(2−ヒドロキシヘプチルオキシ)ナフタレン−1−カルボン酸、2,6−ビス(2−ヒドロキシオクチルオキシ)ナフタレン−1−カルボン酸、2,6−ビス(2−ヒドロキシ−2−フェニルエトキシ)ナフタレン−1−カルボン酸、2,6−ビス(2−ヒドロキシ−3−メトキシプロポキシ)ナフタレン−1−カルボン酸、2,6−ビス(2−ヒドロキシ−3−ブトキシプロポキシ)ナフタレン−1−カルボン酸、2,6−ビス(2−ヒドロキシ−3−アリルオキシプロポキシ)ナフタレン−1−カルボン酸、2,6−ビス(2−ヒドロキシ−3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロポキシ)ナフタレン−1−カルボン酸、2,6−ビス(2−ヒドロキシ−3−ステアリルオキシプロポキシ)ナフタレン2−カルボン酸、2,6−ビス(2−ヒドロキシ−3−フェノキシ)プロポキシナフタレン−1−カルボン酸、2,6−ビス(2−ヒドロキシプロポキシ)ナフタレン−1−スルホン酸、2,6−ビス(2−ヒドロキシブトキシ)ナフタレン2−スルホン酸、2,6−ビス(2−ヒドロキシヘプチルオキシ)ナフタレン−1−スルホン酸、2,6−ビス(2−ヒドロキシオクチルオキシ)ナフタレン2−スルホン酸、2,6−ビス(2−ヒドロキシ−2−フェニルエトキシ)ナフタレン−1−スルホン酸、2,6−ビス(2−ヒドロキシ−3−メトキシプロポキシ)ナフタレン−1−スルホン酸、2,6−ビス(2−ヒドロキシ−3ブトキシプロポキシ)ナフタレン−1−スルホン酸、2,6−ビス(2−ヒドロキシ−3−アリルオキシプロポキシ)ナフタレン−1−スルホン酸、2,6−ビス(2−ヒドロキシ−3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロポキシ)ナフタレン−1−スルホン酸、2,6−ビス(2−ヒドロキシ−3−ステアリルオキシプロポキシ)ナフタレン−1−スルホン酸、2,6−ビス(2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロポキシ)ナフタレン−1−スルホン酸、2,7−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ナフタレン、2,7−ビス(2−ヒドロキシプロポキシ)ナフタレン、2,7−ビス(2−ヒドロキシブトキシ)ナフタレン、2,7−ビス(2−ヒドロキシヘプチルオキシ)ナフタレン、2,7−ビス(2−ヒドロキシオクチルオキシ)ナフタレン、2,7−ビス(2−ヒドロキシ−2−フェニルエトキシ)ナフタレン、2,7−ビス(2−ヒドロキシ−3−メトキシプロポキシ)ナフタレン、2,7−ビス(2−ヒドロキシ−3−ブトキシプロポキシ)ナフタレン、2,7−ビス(2−ヒドロキシ−3−アリルオキシプロポキシ)ナフタレン、2,7−ビス(2−ヒドロキシ−3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロポキシ)ナフタレン、2,7−ビス(2−ヒドロキシ−3−ステアリルオキシプロポキシ)ナフタレン、2,7−ビス(2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロポキシ)ナフタレンなどが挙げられる。
【0039】
さらにまた、1−メチル−2,7−ビス(2−ヒドロキシプロポキシ)ナフタレン、1−メチル−2,7−ビス(2−ヒドロキシプロポキシ)ナフタレン、1−メチル−2,7−ビス(2−ヒドロキシブトキシ)ナフタレン、1−メチル−2,7−ビス(2−ヒドロキシヘプチルオキシ)ナフタレン、1−メチル−2,7−ビス(2−ヒドロキシオクチルオキシ)ナフタレン、1−メチル−2,7−ビス(2−ヒドロキシ−2−フェニルエトキシ)ナフタレン、1−メチル−2,7−ビス(2−ヒドロキシ−3−メトキシプロポキシ)ナフタレン、1−メチル−2,7−ビス(2−ヒドロキシ−3ブトキシプロポキシ)ナフタレン、1−メチル−2,7−ビス(2−ヒドロキシ−3−アリルオキシプロポキシ)ナフタレン1−メチル−2,7−ビス(2−ヒドロキシ−3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロポキシ)ナフタレン、1−メチル−2,7−ビス(2−ヒドロキシ−3−ステアリルオキシプロポキシ)ナフタレン、1−メチル−2,7−ビス(2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロポキシ)ナフタレン、1−クロロ−2,7−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ナフタレン、1−クロロ−2,7−ビス(2−ヒドロキシプロポキシ)ナフタレン、1−クロロ−2,7−ビス(2−ヒドロキシブトキシ)ナフタレン、1−クロロ−2,7−ビス(2−ヒドロキシヘプチルオキシ)ナフタレン、1−クロロ−2,7−ビス(2−ヒドロキシオクチルオキシ)ナフタレン、1−クロロ−2,7−ビス(2−ヒドロキシ−2−フェニルエトキシ)ナフタレン、1−クロロ−2,7−ビス(2−ヒドロキシ−3−メトキシプロポキシ)ナフタレン、1−クロロ−2,7−ビス(2−ヒドロキシ−3ブトキシプロポキシ)ナフタレン、1−クロロ−2,7−ビス(2−ヒドロキシ−3−アリルオキシプロポキシ)ナフタレン、1−クロロ−2,7−ビス(2−ヒドロキシ−3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロポキシ)ナフタレン、1−クロロ−2,7−ビス(2−ヒドロキシ−3−ステアリルオキシプロポキシ)ナフタレン、1−クロロ−2,7−ビス(2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロポキシ)ナフタレン、1−フェノキシ−2,7−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ナフタレン、1−フェノキシ−2,7−ビス(2−ヒドロキシプロポキシ)ナフタレンなどが挙げられる。
【0040】
さらに、1−フェノキシ−2,7−ビス(2−ヒドロキシブトキシ)ナフタレン、1−フェノキシ−2,7−ビス(2−ヒドロキシヘプチルオキシ)ナフタレン、1−フェノキシ−2,7−ビス(2−ヒドロキシオクチルオキシ)ナフタレン、1−フェノキシ−2,7−ビス(2−ヒドロキシ−2−フェニルエトキシ)ナフタレン、1−フェノキシ−2,7−ビス(2−ヒドロキシ−3−メトキシプロポキシ)ナフタレン、1−フェノキシ−2,7−ビス(2−ヒドロキシ−3ブトキシ)プロポキシナフタレン、2−フェノキシ−2,7−ビス(2−ヒドロキシ−3−アリルオキシプロポキシ)ナフタレン、1−フェノキシ−2,7−ビス(2−ヒドロキシ−3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロポキシ)ナフタレン、1−フェノキシ−2,7−ビス(2−ヒドロキシ−3−ステアリルオキシ)プロポキシナフタレン、1−フェノキシ−2,7−ビス(2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロポキシ)ナフタレン、1−フェニルチオ−2,7−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ナフタレン、1−フェニルチオ−2,7−ビス(2−ヒドロキシプロポキシ)ナフタレン、1−フェニルチオ−2,7−ビス(2−ヒドロキシブトキシ)ナフタレン、1−フェニルチオ−2,7−ビス(2−ヒドロキシヘプチルオキシ)ナフタレン、1−フェニルチオ−2,7−ビス(2−ヒドロキシオクチルオキシ)ナフタレン、1−フェニルチオ−2,7−ビス(2−ヒドロキシ−2−フェニルエトキシ)ナフタレン、1−フェニルチオ−2,7−ビス(2−ヒドロキシ−3−メトキシプロポキシ)ナフタレン、1−フェニルチオ−2,7−ビス(2−ヒドロキシ−3−ブトキシプロポキシ)ナフタレン、1−フェニルチオ−2,7−ビス(2−ヒドロキシ−3−アリルオキシプロポキシ)ナフタレン、1−フェニルチオ−2,7−ビス(2−ヒドロキシ−3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロポキシ)ナフタレン、1−フェニルチオ−2,7−ビス(2−ヒドロキシ−3−ステアリルオキシプロポキシ)ナフタレン、1−フェニルチオ−2,7−ビス(2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロポキシ)ナフタレンなどが挙げられる。
【0041】
さらに、2,7−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ナフタレン−1−カルボン酸、2,7−ビス(2−ヒドロキシプロポキシ)ナフタレン2−カルボン酸、2,7−ビス(2−ヒドロキシブトキシ)ナフタレン−1−カルボン酸、2,7−ビス(2−ヒドロキシヘプチルオキシ)ナフタレン−1−カルボン酸、2,7−ビス(2−ヒドロキシオクチルオキシ)ナフタレン−1−カルボン酸、2,7−ビス(2−ヒドロキシ−2−フェニルエトキシ)ナフタレン−1−カルボン酸、2,7−ビス(2−ヒドロキシ−3−メトキシプロポキシ)ナフタレン−1−カルボン酸、2,7−ビス(2−ヒドロキシ−3−ブトキシプロポキシ)ナフタレン−1−カルボン酸、2,7−ビス(2−ヒドロキシ−3−アリルオキシプロポキシ)ナフタレン−1−カルボン酸、2,7−ビス(2−ヒドロキシ−3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロポキシ)ナフタレン−1−カルボン酸、2,7−ビス(2−ヒドロキシ−3−ステアリルオキシプロポキシ)ナフタレン−1−カルボン酸、2,7−ビス(2−ヒドロキシ−3−フェノキシ)プロポキシナフタレン2−カルボン酸、2,7−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ナフタレン−1−スルホン酸、2,7−ビス(2−ヒドロキシプロポキシ)ナフタレン−1−スルホン酸、2,7−ビス(2−ヒドロキシブトキシ)ナフタレンー1−スルホン酸、2,7−ビス(2−ヒドロキシヘプチルオキシ)ナフタレン−1−スルホン酸、2,7−ビス(2−ヒドロキシオクチルオキシ)ナフタレン−1−スルホン酸、2,7−ビス(2−ヒドロキシ−2−フェニルエトキシ)ナフタレン−1−スルホン酸、2,7−ビス(2−ヒドロキシ−3−メトキシプロポキシ)ナフタレン−1−スルホン酸、2,7−ビス(2−ヒドロキシ−3ブトキシプロポキシ)ナフタレン−1−スルホン酸、2,7−ビス(2−ヒドロキシ−3−アリルオキシプロポキシ)ナフタレン−1−スルホン酸、2,7−ビス(2−ヒドロキシ−3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロポキシ)ナフタレン−1−スルホン酸、2,7−ビス(2−ヒドロキシ−3−ステアリルオキシプロポキシ)ナフタレン−1−スルホン酸、2,7−ビス(2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロポキシ)ナフタレン−1−スルホン酸などが挙げられる。
【0042】
また、1,5−ビス(2−ヒドロキシトキシ)ナフタレン、1,5−ビス(2−ヒドロキシプロポキシ)ナフタレン、1,5−ビス(2−ヒドロキシブトキシ)ナフタレン、1,5−ビス(2−ヒドロキシヘプチルオキシ)ナフタレン、1,5−ビス(2−ヒドロキシオクチルオキシ)ナフタレン、1,5−ビス(2−ヒドロキシ−2−フェニルエトキシ)ナフタレン、1,5−ビス(2−ヒドロキシ−3−メトキシプロポキシ)ナフタレン、1,5−ビス(2−ヒドロキシ−3−ブトキシプロポキシ)ナフタレン、1,5−ビス(2−ヒドロキシ−3−アリルオキシプロポキシ)ナフタレン、1,5−ビス(2−ヒドロキシ−3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロポキシ)ナフタレン、1,5−ビス(2−ヒドロキシ−3−ステアリルオキシプロポキシ)ナフタレン、1,5−ビス(2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロポキシ)ナフタレン、2−メチル−1,5−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ナフタレン、2−メチル−1,5−ビス(2−ヒドロキシプロポキシ)ナフタレン、2−メチル−1,5−ビス(2−ヒドロキシブトキシ)ナフタレン、2−メチル−1,5−ビス(2−ヒドロキシヘプチルオキシ)ナフタレン、2−メチル−1,5−ビス(2−ヒドロキシオクチルオキシ)ナフタレン、2−メチル−1,5−ビス(2−ヒドロキシ−2−フェニルエトキシ)ナフタレン、2−メチル−1,5−ビス(2−ヒドロキシ−3−メトキシプロポキシ)ナフタレン、2−メチル−1,5−ビス(2−ヒドロキシ−3ブトキシプロポキシ)ナフタレン、2−メチル−1,5−ビス(2−ヒドロキシ−3−アリルオキシプロポキシ)ナフタレン、2−メチル−1,5−ビス(2−ヒドロキシ−3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロポキシ)ナフタレン、2−メチル−1,5−ビス(2−ヒドロキシ−3−ステアリルオキシプロポキシ)ナフタレン、2−メチル−1,5−ビス(2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロポキシ)ナフタレン、2−クロロ−1,5−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ナフタレン、2−クロロ−1,5−ビス(2−ヒドロキシプロポキシ)ナフタレン、2−クロロ−1,5−ビス(2−ヒドロキシブトキシ)ナフタレン、2−クロロ−1,5−ビス(2−ヒドロキシヘプチルオキシ)ナフタレン、2−クロロ−1,5−ビス(2−ヒドロキシオクチルオキシ)ナフタレン、2−クロロ−1,5−ビス(2−ヒドロキシ−2−フェニルエトキシ)ナフタレン、2−クロロ−1,5−ビス(2−ヒドロキシ−3−メトキシプロポキシ)ナフタレン、2−クロロ−1,5−ビス(2−ヒドロキシ−3ブトキシプロポキシ)ナフタレン、2−クロロ−1,5−ビス(2−ヒドロキシ−3−アリルオキシプロポキシ)ナフタレン、2−クロロ−1,5−ビス(2−ヒドロキシ−3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロポキシ)ナフタレン、2−クロロ−1,5−ビス(2−ヒドロキシ−3−ステアリルオキシプロポキシ)ナフタレン、2−クロロ−1,5−ビス(2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロポキシ)ナフタレン、2−フェノキシ−1,5−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ナフタレン、2−フェノキシ−1,5−ビス(2−ヒドロキシプロポキシ)ナフタレン、2−フェノキシ−1,5−ビス(2−ヒドロキシブトキシ)ナフタレン、1,5−ビス(2−ヒドロキシヘプチルオキシ)ナフタレン、2−フェノキシ−1,5−ビス(2−ヒドロキシオクチルオキシ)ナフタレン、2−フェノキシ−1,5−ビス(2−ヒドロキシ−2−フェニルエトキシ)ナフタレンなどが挙げられる。
【0043】
またさらに、2−フェノキシ−1,5−ビス(2−ヒドロキシ−3−メトキシプロポキシ)ナフタレン、2−フェノキシ−1,5−ビス(2−ヒドロキシ−3ブトキシ)プロポキシナフタレン、2−フェノキシ−1,5−ビス(2−ヒドロキシ−3−アリルオキシプロポキシ)ナフタレン、2−フェノキシ−1,5−ビス(2−ヒドロキシ−3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロポキシ)ナフタレン、2−フェノキシ−1,5−ビス(2−ヒドロキシ−3−ステアリルオキシ)プロポキシナフタレン、2−フェノキシ−1,5−ビス(2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロポキシ)ナフタレン、2−フェニルチオ−1,5−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ナフタレン、2−フェニルチオ−1,5−ビス(2−ヒドロキシプロポキシ)ナフタレン、2−フェニルチオ−1,5−ビス(2−ヒドロキシブトキシ)ナフタレン、2−フェニルチオ−1,5−ビス(2−ヒドロキシヘプチルオキシ)ナフタレン、2−フェニルチオ−1,5−ビス(2−ヒドロキシオクチルオキシ)ナフタレン、2−フェニルチオ−1,5−ビス(2−ヒドロキシ−2−フェニルエトキシ)ナフタレン、2−フェニルチオ−1,5−ビス(2−ヒドロキシ−3−メトキシプロポキシ)ナフタレン、2−フェニルチオ−1,5−ビス(2−ヒドロキシ−3−ブトキシプロポキシ)ナフタレン、2−フェニルチオ−1,5−ビス(2−ヒドロキシ−3−アリルオキシプロポキシ)ナフタレン、2−フェニルチオ−1,5−ビス(2−ヒドロキシ−3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロポキシ)ナフタレン、2−フェニルチオ−1,5−ビス(2−ヒドロキシ−3−ステアリルオキシプロポキシ)ナフタレン、2−フェニルチオ−1,5−ビス(2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロポキシ)ナフタレン、1,5−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ナフタレン−2−カルボン酸、1,5−ビス(2−ヒドロキシプロポキシ)ナフタレン−2−カルボン酸、1,5−ビス(2−ヒドロキシブトキシ)ナフタレン−2−カルボン酸、1,5−ビス(2−ヒドロキシヘプチルオキシ)ナフタレン−2−カルボン酸、1,5−ビス(2−ヒドロキシオクチルオキシ)ナフタレン−2−カルボン酸、1,5−ビス(2−ヒドロキシ−2−フェニルエトキシ)ナフタレンー2−カルボン酸、1,5−ビス(2−ヒドロキシ−3−メトキシプロポキシ)ナフタレン−2−カルボン酸、1,5−ビス(2−ヒドロキシ−3−ブトキシプロポキシ)ナフタレン−2−カルボン酸、1,5−ビス(2−ヒドロキシ−3−アリルオキシプロポキシ)ナフタレンー2−カルボン酸、1,5−ビス(2−ヒドロキシ−3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロポキシ)ナフタレン−2−カルボン酸、1,5−ビス(2−ヒドロキシ−3−ステアリルオキシプロポキシ)ナフタレン−2−カルボン酸、1,5−ビス(2−ヒドロキシ−3−フェノキシ)プロポキシナフタレン−2−カルボン酸、1,5−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ナフタレン−2−スルホン酸、1,5−ビス(2−ヒドロキシプロポキシ)ナフタレン−2−スルホン酸、1,5−ビス(2−ヒドロキシブトキシ)ナフタレン−2−スルホン酸、1,5−ビス(2−ヒドロキシヘプチルオキシ)ナフタレン−2−スルホン酸、1,5−ビス(2−ヒドロキシオクチルオキシ)ナフタレン−2−スルホン酸、1,5−ビス(2−ヒドロキシ−2−フェニルエトキシ)ナフタレン−2−スルホン酸、1,5−ビス(2−ヒドロキシ−3−メトキシプロポキシ)ナフタレン−2−スルホン酸、1,5−ビス(2−ヒドロキシ−3ブトキシプロポキシ)ナフタレン−2−スルホン酸、1,5−ビス(2−ヒドロキシ−3−アリルオキシプロポキシ)ナフタレン−2−スルホン酸、1,5−ビス(2−ヒドロキシ−3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロポキシ)ナフタレン−2−スルホン酸、1,5−ビス(2−ヒドロキシ−3−ステアリルオキシプロポキシ)ナフタレン−2−スルホン酸、1,5−ビス(2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロポキシ)ナフタレン−2−スルホン酸などが挙げられる。
【0044】
さらに、1,6−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ナフタレン、1,6−ビス(2−ヒドロキシプロポキシ)ナフタレン、1,6−ビス(2−ヒドロキシブトキシ)ナフタレン、1,6−ビス(2−ヒドロキシヘプチルオキシ)ナフタレン、1,6−ビス(2−ヒドロキシオクチルオキシ)ナフタレン、1,6−ビス(2−ヒドロキシ−2−フェニルエトキシ)ナフタレン、1,6−ビス(2−ヒドロキシ−3−メトキシプロポキシ)ナフタレン、1,6−ビス(2−ヒドロキシ−3−ブトキシプロポキシ)ナフタレン、1,6−ビス(2−ヒドロキシ−3−アリルオキシプロポキシ)ナフタレン、1,6−ビス(2−ヒドロキシ−3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロポキシ)ナフタレン、1,6−ビス(2−ヒドロキシ−3−ステアリルオキシプロポキシ)ナフタレン、1,6−ビス(2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロポキシ)ナフタレン、2−メチル−1,6−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ナフタレン、2−メチル−1,6−ビス(2−ヒドロキシプロポキシ)ナフタレン、2−メチル−1,6−ビス(2−ヒドロキシブトキシ)ナフタレン、2−メチル−1,6−ビス(2−ヒドロキシヘプチルオキシ)ナフタレン、2−メチル−1,6−ビス(2−ヒドロキシオクチルオキシ)ナフタレン、2−メチル−1,6−ビス(2−ヒドロキシ−2−フェニルエトキシ)ナフタレン、2−メチル−1,6−ビス(2−ヒドロキシ−3−メトキシプロポキシ)ナフタレン、2−メチル−1,6−ビス(2−ヒドロキシ−3ブトキシプロポキシ)ナフタレン、2−メチル−1,6−ビス(2−ヒドロキシ−3−アリルオキシプロポキシ)ナフタレン、2−メチル−1,6−ビス(2−ヒドロキシ−3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロポキシ)ナフタレン、2−メチル−1,6−ビス(2−ヒドロキシ−3−ステアリルオキシプロポキシ)ナフタレン、2−メチル−1,6−ビス(2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロポキシ)ナフタレン、2−クロロ−1,6−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ナフタレン、2−クロロ−1,6−ビス(2−ヒドロキシプロポキシ)ナフタレン、2−クロロ−1,6−ビス(2−ヒドロキシブトキシ)ナフタレン、2−クロロ−1,6−ビス(2−ヒドロキシヘプチルオキシ)ナフタレン、2−クロロ−1,6−ビス(2−ヒドロキシオクチルオキシ)ナフタレン、2−クロロ−1,6−ビス(2−ヒドロキシ−2−フェニルエトキシ)ナフタレン、2−クロロ−1,6−ビス(2−ヒドロキシ−3−メトキシプロポキシ)ナフタレン、2−クロロ−1,6−ビス(2−ヒドロキシ−3ブトキシプロポキシ)ナフタレン、2−クロロ−1,6−ビス(2−ヒドロキシ−3−アリルオキシプロポキシ)ナフタレン、2−クロロ−1,6−ビス(2−ヒドロキシ−3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロポキシ)ナフタレン、2−クロロ−1,6−ビス(2−ヒドロキシ−3−ステアリルオキシプロポキシ)ナフタレン、2−クロロ−1,6−ビス(2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロポキシ)ナフタレン、2−フェノキシ−1,6−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ナフタレン、2−フェノキシ−1,6−ビス(2−ヒドロキシプロポキシ)ナフタレン、2−フェノキシ−1,6−ビス(2−ヒドロキシブトキシ)ナフタレン、1,6−ビス(2−ヒドロキシヘプチルオキシ)ナフタレン、2−フェノキシ−1,6−ビス(2−ヒドロキシオクチルオキシ)ナフタレン、2−フェノキシ−1,6−ビス(2−ヒドロキシ−2−フェニルエトキシ)ナフタレン、2−フェノキシ−1,6−ビス(2−ヒドロキシ−3−メトキシプロポキシ)ナフタレン、2−フェノキシ−1,6−ビス(2−ヒドロキシ−3ブトキシ)プロポキシナフタレン、2−フェノキシ−1,6−ビス(2−ヒドロキシ−3−アリルオキシプロポキシ)ナフタレン、2−フェノキシ−1,6−ビス(2−ヒドロキシ−3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロポキシ)ナフタレン、2−フェノキシ−1,6−ビス(2−ヒドロキシ−3−ステアリルオキシ)プロポキシナフタレン、2−フェノキシ−1,6−ビス(2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロポキシ)ナフタレン、2−フェニルチオ−1,6−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ナフタレン、2−フェニルチオ−1,6−ビス(2−ヒドロキシプロポキシ)ナフタレン、2−フェニルチオ−1,6−ビス(2−ヒドロキシブトキシ)ナフタレン、2−フェニルチオ−1,6−ビス(2−ヒドロキシヘプチルオキシ)ナフタレン、2−フェニルチオ−1,6−ビス(2−ヒドロキシオクチルオキシ)ナフタレン、2−フェニルチオ−1,6−ビス(2−ヒドロキシ−2−フェニルエトキシ)ナフタレン、2−フェニルチオ−1,6−ビス(2−ヒドロキシ−3−メトキシプロポキシ)ナフタレン、2−フェニルチオ−1,6−ビス(2−ヒドロキシ−3−ブトキシプロポキシ)ナフタレン、2−フェニルチオ−1,6−ビス(2−ヒドロキシ−3−アリルオキシプロポキシ)ナフタレン、2−フェニルチオ−1,6−ビス(2−ヒドロキシ−3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロポキシ)ナフタレン、2−フェニルチオ−1,6−ビス(2−ヒドロキシ−3−ステアリルオキシプロポキシ)ナフタレン、2−フェニルチオ−1,6−ビス(2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロポキシ)ナフタレン、1,6−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ナフタレン−2−カルボン酸、1,6−ビス(2−ヒドロキシプロポキシ)ナフタレン−2−カルボン酸、1,6−ビス(2−ヒドロキシブトキシ)ナフタレン−2−カルボン酸、1,6−ビス(2−ヒドロキシヘプチルオキシ)ナフタレン−2−カルボン酸、1,6−ビス(2−ヒドロキシオクチルオキシ)ナフタレン−2−カルボン酸、1,6−ビス(2−ヒドロキシ−2−フェニルエトキシ)ナフタレン−2−カルボン酸、1,6−ビス(2−ヒドロキシ−3−メトキシプロポキシ)ナフタレン−2−カルボン酸、1,6−ビス(2−ヒドロキシ−3−ブトキシプロポキシ)ナフタレン−2−カルボン酸、1,6−ビス(2−ヒドロキシ−3−アリルオキシプロポキシ)ナフタレン−2−カルボン酸、1,6−ビス(2−ヒドロキシ−3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロポキシ)ナフタレン−2−カルボン酸、1,6−ビス(2−ヒドロキシ−3−ステアリルオキシプロポキシ)ナフタレン−2−カルボン酸、1,6−ビス(2−ヒドロキシ−3−フェノキシ)プロポキシナフタレン−2−カルボン酸、1,6−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ナフタレン−2−スルホン酸、1,6−ビス(2−ヒドロキシプロポキシ)ナフタレン−2−スルホン酸、1,6−ビス(2−ヒドロキシブトキシ)ナフタレン−2−スルホン酸、1,6−ビス(2−ヒドロキシヘプチルオキシ)ナフタレン−2−スルホン酸、1,6−ビス(2−ヒドロキシオクチルオキシ)ナフタレン−2−スルホン酸、1,6−ビス(2−ヒドロキシ−2−フェニルエトキシ)ナフタレン−2−スルホン酸、1,6−ビス(2−ヒドロキシ−3−メトキシプロポキシ)ナフタレン−2−スルホン酸、1,6−ビス(2−ヒドロキシ−3ブトキシプロポキシ)ナフタレン−2−スルホン酸、1,6−ビス(2−ヒドロキシ−3−アリルオキシプロポキシ)ナフタレン−2−スルホン酸、1,6−ビス(2−ヒドロキシ−3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロポキシ)ナフタレン2−スルホン酸、1,6−ビス(2−ヒドロキシ−3−ステアリルオキシプロポキシ)ナフタレン−2−スルホン酸、1,6−ビス(2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロポキシ)ナフタレン−2−スルホン酸などが挙げられる。
【0045】
第二反応を遂行する際、ビス(2−ヒドロキシアルコキシ)ナフタレン化合物と、塩化アクリロイルもしくは塩化メタアクリロイルとの添加モル比率は、好ましくは2.0〜10.0の範囲で選ばれる。前者に対する後者の添加モル比率が2.0未満では、未反応のナフタレン化合物が残り、また添加比率が10.0を超えると、第二反応で使用した塩化アクリロイルまたは塩化メタアクリロイル自体が重合するため、目的物である1,4−ビス(2−(メタ)アクリルオキシアルコキシ)ナフタレン化合物の単離が困難となり、目的物の純度が低下するので好ましくない。上記の添加モル比は、より好ましいのは2.2〜3.0の範囲である。
【0046】
第二反応を塩基の存在下で遂行する場合、使用できる塩基としては、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、ジエチルアミン、ジブチルアミン、ピペリジン、ピリジン、α−ピコリン、γ−ピコリンのような有機塩基、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウムのような無機塩基などが挙げられる。これら塩基の塩化アクリロイルまたは塩化メタクリロイルに対する添加モル比は、好ましくは1.0〜1.5である。この添加モル比が1.0未満であると、ナフタレン化合物が未反応のまま残存し、1.5を超えると、生成物の反応液に対する溶解性が高くなって結晶化し難くなるため好ましくない。この添加モル比は、より好ましくは1.1〜1.2である。
【0047】
第二反応を溶媒の存在下で遂行する場合、使用できる反応溶媒としては、塩化アクリロイルまたは塩化メタアクリロイルなどと反応しないものであればよく、特に種類を選ばない。具体的には、ベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、エチルベンゼン、i−プロピルベンゼン、クロルベンゼン、o−ジクロルベンゼン、メチルナフタレン、クロルナフタレンなどの芳香族系溶媒、塩化メチレン、クロロホルム、1,2−ジクロルエタン、1,2−ジクロロエチレンなどのハロゲン化炭化水素系溶媒、メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドのようなアミド系溶媒、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサンなどのエーテル系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶媒が挙げられる。反応温度は、0℃〜80℃の範囲で選ぶのが好ましい。温度が0℃以下であると、反応速度が遅く時間がかかりすぎ、また80℃以上であると、塩化アクリロイルまたは塩化メタアクリロイル自体の重合が進行し、生成物の純度が低下するため好ましくない。より好ましい反応温度は、20℃〜50℃の範囲である。溶媒に対する反応物の濃度は、特に制限はなく、溶媒に溶解し難い場合には、反応物をスラリー状態に分散させて反応させることもできる。
【0048】
得られた反応生物は、赤外スペクトル分析法、マススペクトル分析法、H−NMRスペクトル分析法などによって、これらの化合物がビス(2−(メタ)アクリルオキシアルコキシ)ナフタレン化合物であることを確認することができる。いずれの化合物も、赤外スペクトル分析法では、波長が1720cm−1付近にエステル基に帰因する強いCO伸縮振動を示し、H−NMRスペクトル分析法では、ABX型のアクリル基特有のスペクトルを示すので、容易に確認することができる。
【0049】
<化合物の用途>
上記反応によって得られる第一発明に係る化合物、すなわち、ビス(2−(メタ)アクリルオキシアルコキシ)ナフタレン化合物は、新規化合物である。この第一発明に係る化合物は、光重合性モノマーの光増感剤として使用できるほか、この化合物を配合して光硬化性組成物を調製することができる。
【0050】
第一発明に係る化合物を光増感剤として使用する場合は、光重合性モノマーに光重合開始剤とともに配合して光硬化性組成物を調製する。この光硬化性組成物は、光を照射により容易に硬化させることができる。
【0051】
光重合性モノマーとしては、カチオン重合性モノマー、ラジカル重合性モノマーであってもよく、これらの混合物であってもよい。光重合性のカチオン重合性モノマーとしては、エポキシ化合物類、ビニルエーテル類などが挙げられる。エポキシ化合物類として一般的なものは、脂環式エポキシ化合物、エポキシ変性シリコーン、芳香族のグリシジルエーテルなどである。脂環式エポキシ化合物としては、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペートが挙げられる。市販されている製品としては、例えば、ダウ・ケミカル社製、商品名:UVR6105、UVR6110などが挙げられる。エポキシ変性シリコーンとしては、東芝GEシリコーン社製、商品名:UV−9300などが挙げられる。芳香族グリシジル化合物としては、2,2’−ビス(4−グリシジルオキシフェニル)プロパンなどが挙げられ、ビニルエーテルとしては、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテルなどが挙げられる。
【0052】
光重合性のラジカル重合性モノマーとしては、例えば、スチレン、酢酸ビニル、アクリル酸、メタクリル酸、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルなどが挙げられる。(メタ)アクリル酸エステルの具体例としては、アクリル酸メチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、テトラエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリブタジエンアクリレート、ポリオールアクリレート、ポリエーテルアクリレート、シリコーン樹脂アクリレート、イミドアクリレートなどが挙げられる。これらラジカル重合性モノマーは、一種でも二種以上の混合物であってもよい。
【0053】
第一発明に係る化合物を光増感剤として使用する場合の配合量は、上記光重合性モノマーに対して、0.01〜2.0重量%の範囲が好ましい。光増感剤の配合量が少なすぎると、光硬化性組成物の硬化速度が遅くなり、また光増感剤の配合量が多すぎると、硬化物の物性が悪化するので、いずれも好ましくない。光増感剤のより好ましい配合量は、0.1〜1.0重量%の範囲である。
【0054】
光重合開始剤としては、オニウム塩を使用することができる。オニウム塩としては、通常、スルホニウム塩またはヨードニウム塩が使用される。スルホニウム塩としては、S,S,S’,S’−テトラフェニル−S,S’−(4、4’−チオジフェニル)ジスルホニウム、ビスヘキサフルオロフォスフェート、ジフェニル−4−フェニルチオフェニルスルホニウムヘキサフルオロフォスフェート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロフォスフェートなどが挙げられる。市販されている製品としては、例えば、ダウ・ケミカル社製、商品名:UVI6992が挙げられる。一方、ヨードニウム塩としては、4−イソブチルフェニル−4’−メチルフェニルヨードニウムヘキサフルオロフォスフェート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−イソプロピルフェニルー4’−メチルフェニルヨードニウムテトラキスペンタフルオロフェニルボレートが挙げられる。市販されている製品としては、例えば、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製、商品名:イルガキュア250、ローディア社製、商品名:2074などが挙げられる。開始剤の光重合性モノマーに対する添加量は、0.01〜5.0重量%の範囲が好ましく、さらに好ましいのは0.05〜2.0重量%の範囲である。
【0055】
本発明の第四発明に係る光硬化性組成物には、光重合性モノマー、第一発明に係る化合物を光増感剤、光重合開始剤より構成され、さらに、本発明の効果を損なわない範囲で、希釈剤、着色剤、有機または無機の充填剤、レベリング剤、界面活性剤、消泡剤、増粘剤、難燃剤、酸化防止剤、安定剤、滑剤、可塑剤などの各種樹脂添加剤を、通常の使用範囲で配合することができる。
【0056】
希釈剤としては、エポキシアクリレートなどのようなエポキシ系希釈剤、オキサシクロブタンなどのオキセタン系希釈剤、ビニルエーテル系希釈剤、(メタ)アクリル単量体系希釈剤などが挙げられる。着色剤としては、青色顔料、赤色顔料、白色顔料、黒色顔料などが挙げられる。黒色顔料としては、例えば、カーボンブラック、アセチレンブラック、ランプブラック、アニリンブラックなどが挙げられる。黄色顔料としては、例えば、黄鉛、亜鉛黄、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、ミネラルファストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルスイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキなどが挙げられる。
【0057】
赤色顔料としては、例えば、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀カドミウム、パーマネントレッド4R,リソールレッド、レーキレッドDブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3Bなどが挙げられる。青色顔料としては、例えば、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩化物、ファーストスカイブルー、インダスレンブルーBCなどが挙げられる。白色顔料としては、例えば、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛などが挙げられる。その他の顔料としては、例えば、バライト粉、炭酸バリウム、クレー、シリカ、ホワイトカーボン、タルク、アルミナホワイトなどが挙げられる。
【0058】
本発明の第四発明に係る光硬化性組成物は、これを基材上に塗布したのち、この塗布膜に紫外領域の光線を照射することにより硬化させることができる。
塗布方法は、光硬化性組成物を基材上に塗布できる方法であれば特に制限はなく、バーコート法、スプレーコート法などによることができる。基材は、鋼板、印刷製版、フィルム、紙、アルミニウム箔などの外観が平面を呈するもののほか、曲面を呈するもの、塊状を呈するものなど、いずれであってもよい。基材上に塗布した光硬化性組成物は、特に波長領域300〜400nmの光線を照射することにより、速やかに硬化させることができる。この場合の光源としては、波長領域300〜400nmに含まれる光線を発光できる光源であれば特に制限はなく、例えば、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、ハロゲンランプ、太陽光、メタルハライドランプ、キセノンランプ、紫外線(UV)LEDランプ、フュージョン社製のHランプ、Dランプなどが挙げられる。
【0059】
光照射は、酸素非存在下で行うのが好ましい。酸素存在下で照射すると、酸素により光重合反応の進行が阻害され、硬化膜の表面のベタツキ(タック)が取れず、開始剤を大量添加する必要がある。酸素非存在下での光硬化方法としては、窒素ガス、ヘリウムガスなどの不活性ガス雰囲気下で行う方法が挙げられる。また、酸素非過性の膜によって被覆し、膜の上方から光を照射する方法を採用することもできる。なお、光硬化完了の確認は、タック(ベタツキ)フリーテスト(指触テスト)によって行うことができる。このタックフリーテストは、フィルムなどの基材表面の硬化膜を指先で触り、タックを確認し、硬化膜のタックがなくなるまでの時間を「タック・フリー・タイム」(光照射時間)とし、この時間の長短で硬化反応の遅速を判定することができる。「タック・フリー・タイム」が短いほど、硬化速度が速いことを意味する。
【0060】
本発明の第四発明に係る光硬化性組成物を、例えば、フィルム表面に塗布して硬化させるには、次の手順で行う。すなわち、フィルム表面に、光硬化性組成物をバーコート法により塗布する。基材がフィルムの場合、その厚さが通常30〜100μm程度のものに、塗布膜の厚さが数μm〜数十μmになるようなロッドナンバーのバーコーターを使用して塗布する。このようにして得られた塗布物に、上記した光源の光を照射することにより、光重合性モノマーを含む光重合性組成物を、速やかに硬化させることができる。
【実施例】
【0061】
以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明するが、本発明はその趣旨を超えない限り、以下の記載例に限定されるものではない。
【0062】
[実施例1]
<2,6−ビス(2−アクリルオキシプロポキシ)ナフタレンの合成>
(第一反応)
攪拌機、温度計を装備した容量が100mlの三口フラスコに、ナフタレン−2,6−ジオール3.2g(20ミリモル)をメタノール20mlに溶解して仕込み、つづいて酸化プロピレン7g(120ミリモル)を仕込んだ。ついで、水酸化ナトリウム1.6gを水8mlに溶解した水溶液を仕込んだ。内容物を、常温で放置した。水酸化ナトリウム水溶液を仕込んだ直後、反応液の温度が若干(約5℃)上昇した。2日経過後、反応液中に多量の結晶が析出した。反応液に10%濃度の硫酸水溶液を8g加え、吸引濾過・乾燥し、白い結晶状の2,6−ビス(2−ヒドロキシプロポキシ)ナフタレン4.4gを得た。生成物のナフタレン−2,6−ジオールに対する収率は80モル%であり、融点(JIS K0064に準拠した、ゲレンキャンプ社製の融点測定装置、型式:MFB−595で測定)は146〜148℃であった。
【0063】
(第二反応)
攪拌機、温度計を装備した容量が100mlの三口フラスコに、上記第一反応で得られた2,6−ビス(2−ヒドロキプロポキシ)ナフタレン2.8g(10ミリモル)をアセトン20g中に分散させて仕込んだ。この三口フラスコに、塩化アクリロイル1.8g(20ミリモル)仕込んだ。ついで、三口フラスコを外側から氷水で冷却しながら、トリエチルアミン2g(20ミリモル)を添加した。トリエチルアミンを仕込んだ直後、反応液の温度が若干(約3℃)上昇した。反応液は均一溶液となるが、すぐにトリエチルアミンの塩酸塩が析出した。反応液の温度を室温に戻し、30分攪拌した後に水20g加えた。析出した塩酸塩は、全て反応液に溶解した。反応液を常温で放置すると結晶が沈殿したので、吸引濾過・乾燥して無色の結晶0.8gを得た。生成物の2,6−ビス(2−ヒドロキプロポキシ)ナフタレンに対する収率は、20モル%であった。
【0064】
得られた無色結晶について、(1)融点(JIS K0064に準拠した、ゲレンキャンプ社製の融点測定装置、型式:MFB−595で測定)、(2)赤外線(IR)分光光度計(日本分光社製、型式:IR−810)によるIRスペクトル、(3)核磁気共鳴装置(NMR)(日本電子社製、型式:GSX FT NMR Spectorometer)によるH−NMR、(4)Massスペクトル(島津製作所社製、質量分析計、型式:GCMS−QP5000)などを測定した。
【0065】
測定結果は次のとおりであり、無色結晶は2,6−ビス(2−アクリルオキシプロポキシ)ナフタレンであると確認された。
(1)融点:78〜80℃
(2)赤外線(IR)吸収スペクトル(KBr、cm−1):2980、2930、2860、1715、1596、1500、1400、1300、1275、1224、1200、1150、1080、1040、942、852、800、700などの波長に吸収が認められた。
(3)H−NMR(CDCl、270MHz)δ:1.42(d,J=7Hz,6H)、4.13(m,4H)、5.40(m,2H)、5.85(d,J=11Hz,1H)、6.16(dd,J=11Hz、J=17Hz,1H)、6.44(d,J=17Hz,1H)、7.10(s,2H)、7.15(d,J=10Hz,2H),7.64(d,J=10Hz,2H)
(4)Massスペクトル:(EI−MS)m/z=384(M
【0066】
[実施例2]
<2,7−ビス(2−アクリルオキシプロポキシ)ナフタレンの合成>
(第一反応)
攪拌機、温度計を装備した容量が100mlの三口フラスコに、ナフタレン−2,7−ジオール3.2g(20ミリモル)をメタノール20mlに溶解して仕込んだ。つづいて、酸化プロピレン7g(120ミリモル)を仕込み、ついで、水酸化ナトリウム1.6gを水4mlに溶解した水溶液を仕込んだ。内容物を、常温で2日間放置した。2日後に得られた黒紫色の反応液に、10%濃度の硫酸水溶液を20ml加えた。反応液は徐々に固化してくるので、水20gを追加、攪拌してスラリー状とし、このスラリー状反応液を吸引濾過し、固体をメタノールによって洗浄し、乾燥して、4.8gの薄紫色の粉末状2,7−ビス(2−ヒドロキシプロポキシ)ナフタレンを得た。生成物のナフタレン−2,7−ジオールに対する収率は、85モル%であり、融点は110〜112℃であった。
【0067】
(第二反応)
攪拌機、温度計を装備した容量が100mlの三口フラスコに、上記第一反応で得られた2.7−ビス(2−ヒドロキプロポキシ)ナフタレン2.8g(10ミリモル)をアセトン20gに溶解した液を仕込み、さらに塩化アクリロイル1.8g(20ミリモル)仕込んだ。ついで、三口フラスコを外側から氷水で冷却しながら、トリエチルアミン2g(20ミリモル)をした。三口フラスコ内の反応液の温度が、若干(約3℃)上昇し、すぐにトリエチルアミンの塩酸塩が析出した。反応液の温度を室温に戻し、30分攪拌した後に水20g加えた。析出した塩酸塩は、全て反応液に溶解した。反応液を放置したところ、粘稠なオイル状物(反応生成物)が沈むので、このものを反応液から分離した。反応性生物を減圧下に溶媒を留去し、0.43gの薄黄色のオイル状生成物を得た。生成物の2.7−ビス(2−ヒドロキプロポキシ)ナフタレンに対する収率は、11モル%であった。
【0068】
得られた薄黄色オイル状生成物について、(1)屈折率(JIS K0062に準拠した屈折率測定装置、アタゴ社製、型式:IT)、(2)赤外線(IR)吸収スペクトル(KBr、cm−1)、(3)H−NMR(CDCl3,ppm)および(4)Massスペクトルなどを測定した結果は、次のとおりであり、2,7−ビス(2−アクリルオキシプロポキシ)ナフタレンであると確認された。
(1)屈折率:n= 1.549
(2)赤外線(IR)吸収スペクトル(KBr、cm−1):2990、2950、2900、1720、1655、1520、1410、1300、1215、1065、990、740、720、475などの波長に吸収が認められた。
(3)H−NMR(CDCl、270MHz)δ:1.47(d,J=8Hz,6H)、4.12(m,4H)、5.40(m,2H)、5.86(d,J=11Hz,2H)、6.18(dd,J=11Hz,J=17Hz,2H)、6.45(d,J=17Hz,2H)、7.06(dd,J=3Hz,J=9Hz,2H)、7.30(s,2H)、7.66(d,J=9Hz,2H)
(4)Massスペクトル:(EI−MS)m/z=384(M
【0069】
[実施例3]
<1,6−ビス(2−アクリルオキシプロポキシ)ナフタレンの合成>
(第一反応)
攪拌機、温度計を装備した容量が100mlの三口フラスコに、ナフタレン−1,6−ジオール3.2g(20ミリモル)をメタノール20mlに溶解した溶液を仕込んだ。ついで、酸化プロピレン7g(120ミリモル)を仕込み、つぎに、水酸化ナトリウム1.6gの水8mlに溶解した水溶液を添加し、放置した。水酸化ナトリウム水溶液を添加した直後、フラスコ内の反応液の温度が、若干(約5℃)上昇した。内容物を、常温で2日間放置した。2日後、反応液に結晶が沈殿していた。この反応液に10%濃度の硫酸水溶液10gを加え、吸引濾過・乾燥し、3.6gの灰色粉末状の1,6−ビス(2−ヒドロキシプロポキシ)ナフタレンを得た。生成物のナフタレン−1,6−ジオールに対する収率は、66モル%であり、融点は101〜103℃であった。
【0070】
(第二反応)
攪拌機、温度計を装備した容量が100mlの三口フラスコに、上記第一反応で得られた1,6−ビス(2−ヒドロキプロポキシ)ナフタレン2.8g(10ミリモル)をアセトン20gに溶解した溶液を仕込み、さらに塩化アクリロイル1.8g(20ミリモル)仕込んだ。ついで、三口フラスコを外側から氷水で冷却しながら、トリエチルアミン2g(20ミリモル)を添加した。トリエチルアミン添加後反応液の温度が、若干(約3℃)上昇し、すぐにトリエチルアミンの塩酸塩が析出した。反応液の温度を室温に戻し、30分間攪拌した後に水20g加えた。析出した塩酸塩は、全て反応液に溶解した。反応液を放置したところ、粘稠なオイル状物(反応性生物)が沈むので、このものを反応液から分離した。反応性生物減圧下に溶媒を留去し、0.34gの薄黄色のオイル状生成物を得た。生成物の1,6−ビス(2−ヒドロキプロポキシ)ナフタレンに対する収率は、9モル%であった。
【0071】
得られた薄黄色オイル状生成物について、実施例2におけると同様の項目について、同例におけると同様の手順で分析したところ、1,6−ビス(2−アクリルオキシプロポキシ)ナフタレンであると確認された。
(1)屈折率:n=1.537
(2)赤外線(IR)吸収スペクトル(KBr、cm−1):2980、2940、2880、1720、1630、1600、1590、1510、1440、1405、1380、1280、1200、1050、990、710、690、660などの波長に吸収が認められた。
(3)H−NMR(CDCl、270MHz)δ:1.45(d,J=8Hz、3H)、1.48(d,J=8Hz,3H)、4.16(m,4H)、5.41(m,1H)、5.56(m,1H)、5.87(d,J=11Hz,2H)、6.18(dd,J=11Hz、J=17Hz,2H)、6.45(d,J=17Hz,2H)、6.70(d,J=8Hz,1H)、7.10(s,1H)、7.17(d,J=9Hz,1H)、7.32(m,2H)、8.14(d,J=9Hz、1H)
(4)Massスペクトル:(EI−MS)m/z=384(M
【0072】
[光重合増感剤としての評価試験−1]
モノマーとしてトリメチロールプロパントリアクリレート100重量部に、トリル−i−ブチルフェニルヨードニウム ヘキサフルオロホスフェート(チバ・スペシャリティー社製、商品名:イルガキュア250、以下同じ)を2重量部部、実施例1に記載の方法で製造した2,6−ビス(2−アクリルオキシプロポキシ)ナフタレン1.0重量部を加え、均一な光硬化性組成物とした。この光硬化性組成物をバーコーターによってポリエステルフィルム(東レ製、商品名:ルミラー、膜厚100ミクロン、以下同じ)上に、膜厚12ミクロンになるように塗布した。ついで窒素雰囲気下、UV−LEDランプ(波長が395nmで最も強い光線を有する光源、サンダー社製、商品名:SDL−10MCUV、以下同じ)を、照射強度3mw/cmとして照射した。べたつき(タック)がなくなるまでの「タック・フリー・タイム(光照射時間)」は、2.2分であった。
【0073】
[光重合増感剤としての評価試験−2]
モノマーとしてトリメチロールプロパントリアクリレート100重量部に、トリル−i−ブチルフェニルヨードニウム ヘキサフルオロホスフェートを2重量部、実施例2に記載の方法で製造した2,7−ビス(2−アクリルオキシプロポキシ)ナフタレン1.0重量部を加え、均一な光硬化性組成物とした。この光硬化性組成物を、バーコーターによってポリエステルフィルム上に、膜厚12ミクロンになるように塗布した。ついで窒素雰囲気下、UV−LEDランプ(上に同じ)を、照射強度3mw/cmとして照射した。べたつき(タック)がなくなるまでの光照射時間「タック・フリー・タイム」を測定した結果、5.2分であった。
【0074】
[光重合増感剤としての評価試験−3]
モノマーとしてトリメチロールプロパントリアクリレート100重量部に、トリル−i−ブチルフェニルヨードニウム ヘキサフルオロホスフェートを2重量部、実施例3に記載の方法で製造した1,6−ビス(2−アクリルオキシプロポキシ)ナフタレン1.0重量部を加え、均一な光硬化性組成物とした。この光硬化性組成物を、バーコーターによってポリエステルフィルム(上に同じ)上に、膜厚12ミクロンになるように塗布した。ついで窒素雰囲気下、UV−LEDランプ(上に同じ)を、照射強度3mw/cmとして照射した。べたつき(タック)がなくなるまでのタック・フリー・タイム(光照射時間)を測定した結果、2.3分であった。
【0075】
[光重合増感剤としての評価試験−比較例]
光重合増感剤としての評価試験−1に記載の例において、2,6−ビス(2−アクリルオキシプロポキシ)アントラセンを添加しなかった他は、同例におけると同様の手順で光硬化組成物を調製し、UV−LEDランプ(上に同じ)を、照射強度3mw/cmとして照射し、タック・フリー・タイム(光照射時間)を調査した結果、30分光照射しても塗布膜は硬化しなかった。
【0076】
[昇華試験例−1]
光重合増感剤としての評価試験−3に記載の例において調製した光硬化性樹脂組成物を塗布したポリエステルフィルム(上に同じ)を、180℃に温度調節したオーブン中で加熱した。ポリエステルフィルムを一定時間ごとにオーブンから出して、1,6−ビス(2−アクリルオキシプロポキシ)ナフタレンに起因するUV吸収スペクトルのうち、波長が330nmの吸光強度を、紫外・可視分光光度計(島津製作所製、型式:UV2200)によって測定した。図1と図2に、この例で測定したUV吸収スペクトルを示した。波長が330nm付近の吸光度ピーク高さを、加熱前(図1)と加熱後(図2)とを比較し、加熱後の吸光度ピークの低下割合を調べて、昇華の程度を判定した。その結果、波長が330nmの吸収強度は加熱の前後でほとんど変化せず、1,6−ビス(2−アクリルオキシプロポキシ)ナフタレンはほとんど昇華していないことが分かった。
【0077】
[昇華試験例−2(比較例)]
1,6−ビス(2−アクリルオキシプロポキシ)ナフタレンの代わりに1,6−ジエトキシナフタレンを使用したほか、光重合増感剤としての評価試験−3におけると同様の手順で光硬化性組成物を塗布したポリエステルフィルム(上に同じ)を調製した。このポリエステルフィルムを、180℃に温度調節したオーブン中で加熱した。ポリエステルフィルムを一定時間ごとにオーブンから出して、UV吸収スペクトルを測定し、1,6−ジエトキシナフタレンに起因する波長が330nmの吸収強度を、上記例におけると同様に調べて、光硬化性組成物の昇華の程度を判定した。図3と図4に、この例で測定したUV吸収スペクトルを示した。波長が330nm付近の吸光度ピーク高さを、加熱前(図3)と加熱後(図4)とを比較し、加熱後の吸光度ピークの低下割合を調べて、昇華の程度を判定した。その結果、波長が330nmの吸収強度の減少から、10分後に83%昇華していることが判明した。
【産業上の利用可能性】
【0078】
本発明の第一発明に係るビス(2−(メタ)アクリルオキシアルコキシ)ナフタレン化合物は、新規な化合物であり、この化合物は光重合性モノマー、および光重合開始剤よりなる光硬化性組成物に配合して、光重合増感剤として活用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】昇華試験例−1における加熱前の試料のIRスペクトルである。
【図2】昇華試験例−1における加熱後の試料のIRスペクトルである。
【図3】昇華試験例−2における加熱前の試料のIRスペクトルである。
【図4】昇華試験例−2における加熱後の試料のIRスペクトルである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造式(1)で示されるビス(2−(メタ)アクリルオキシアルコキシ)ナフタレン化合物。
【化1】

{構造式(1)において、R1、2同一でも異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシメチル基、アリルオキシメチル基、アリールオキシメチル基のいずれかを示し、R3、は同一でも異なっていてもよく、水素原子またはメチル基を示し、X、Yは同一でも異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、カルボキシル基、スルホン酸基のいずれかを示す。}
【請求項2】
ビス(2−ヒドロキシアルコキシ)ナフタレン化合物に、酸化アルキレンを付加反応させて1,4−ビス(2−ヒドロキシアルコキシ)ナフタレン化合物とし、ついで、この化合物に塩化アクリロイルまたは塩化メタアクリロイルを反応させることを特徴とする、請求項1に記載のビス(2−(メタ)アクリルオキシアルコキシ)ナフタレン化合物の製造方法。
【請求項3】
酸化アルキレンが、酸化エチレンまたは酸化プロピレンである、請求項2に記載の1,4−ビス(2−(メタ)アクリルオキシアルコキシ)ナフタレン化合物の製造方法。
【請求項4】
光重合増感剤において、請求項1に記載の1,4−ビス(2−(メタ)アクリルオキシアルコキシ)ナフタレン化合物を有効成分として含有することを特徴とする、光重合増感剤。
【請求項5】
光硬化性組成物において、請求項4に記載の光重合増感剤、光重合開始剤および光重合性モノマーからなることを特徴とする光硬化性組成物。
【請求項6】
光重合開始剤が、オニウム塩である請求項4に記載の光硬化組成物。







【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−1641(P2008−1641A)
【公開日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−172959(P2006−172959)
【出願日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【出願人】(000199795)川崎化成工業株式会社 (133)
【Fターム(参考)】