説明

新規な化合物およびそれを用いた有機電子素子

本発明は、新規な化合物および前記化合物を用いた有機発光素子に関し、本発明に係る化合物は、有機発光素子の寿命、効率、電気化学的安定性および熱的安定性を大きく向上させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機発光素子の寿命、効率、電気化学的安定性および熱的安定性を大きく向上させられる新規な化合物および前記化合物が有機化合物層に含まれている有機電子素子に関する。本出願は2008年10月8日に韓国特許庁に提出された韓国特許出願第10−2008−0098493号の出願日の利益を主張し、その内容の全ては本明細書に含まれる。
【背景技術】
【0002】
有機発光現象は特定有機分子の内部プロセスによって電流が可視光に転換される例の1つである。有機発光現象の原理は次の通りである。正極と負極との間に有機物層を位置させた時、2つの電極の間に電圧を印加すれば、負極と正極から各々電子と正孔が有機物層へ注入される。有機物層へ注入された電子と正孔は再結合してエキシトン(exciton)を形成し、このエキシトンが再び基底状態に落ちて光が出る。このような原理を利用する有機発光素子は、一般的に負極と正極およびその間に位置した有機物層、例えば、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層を含む有機物層で構成することができる。
【0003】
有機発光素子に用いられる物質としては純粋有機物質または有機物質と金属が錯体をなす錯化合物が大部分を占めており、用途により、正孔注入物質、正孔輸送物質、発光物質、電子輸送物質、電子注入物質などに区分することができる。ここで、正孔注入物質や正孔輸送物質としてはp−タイプの性質を有する有機物質、すなわち、酸化し易く、酸化時に電気化学的に安定した状態を有する有機物が主に用いられている。一方、電子注入物質や電子輸送物質としてはn−タイプ性質を有する有機物質、すなわち、還元し易く、還元時に電気化学的に安定した状態を有する有機物が主に用いられている。発光層物質としてはp−タイプ性質とn−タイプ性質を同時に有した物質、すなわち、酸化と還元状態において全て安定した形態を有する物質が好ましく、エキシトンが形成された時にこれを光に転換する発光効率の高い物質が好ましい。
【0004】
上記で言及したことの他に、有機発光素子に用いられる物質は次のような性質をさらに有することが好ましい。
【0005】
第1に、有機発光素子に用いられる物質は熱的安定性に優れることが好ましい。有機発光素子内においては、電荷の移動によるジュール熱(joule heating)が発生するためである。現在、正孔輸送層物質として主に用いられるNPBはガラス転移温度が100℃以下の値を有するため、高い電流を必要とする有機発光素子には用い難いという問題がある。
【0006】
第2に、低電圧駆動が可能な高効率の有機発光素子を得るためには、有機発光素子内に注入された正孔または電子が円滑に発光層に伝達されると同時に、注入された正孔と電子が発光層の外に出てはいけない。このため、有機発光素子に用いられる物質は、適切なバンドギャップ(band gap)とHOMOまたはLUMOエネルギー準位を有しなければならない。現在、溶液塗布法によって製造される有機発光素子において、正孔輸送物質として用いられるPEDOT:PSSの場合、発光層物質として用いられる有機物のLUMOエネルギー準位に比べてLUMOエネルギー準位が低いため、高効率および長寿命の有機発光素子の製造が困難である。
【0007】
この他に、有機発光素子に用いられる物質は、化学的安定性、電荷移動度、電極や隣接した層との界面特性などに優れていなければならない。すなわち、有機発光素子に用いられる物質は水分や酸素による物質の変形が小さなければならない。また、適切な正孔または電子移動度を有することにより、有機発光素子の発光層において正孔と電子の密度が均衡をなすようにしてエキシトンの形成を極大化するべきである。また、素子の安定性のために金属または金属酸化物を含む電極との界面を良くするべきである。
【0008】
したがって、当技術分野においては、前記のような要件を備えた有機物の開発が要求されつつある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】韓国特許出願第10−2008−0098493号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、前記のような従来技術の問題点を解決するためのものであり、本発明の目的は、有機発光素子に使用可能な物質に要求される条件、例えば、適切なエネルギー準位、電気化学的安定性および熱的安定性などを満足させることができ、置換基に応じて有機発光素子に要求される多様な役割を果たせる化学構造を有するヘテロ化合物誘導体およびそれを含む有機発光素子を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記目的を達成するための本発明の一側面は下記化学式1で示される化合物を提供する。
【0012】
【化1】

【0013】
前記化学式1において、l、mおよびnは各々独立に0〜5の整数であり、
〜Yは、各々独立に、ハロゲン基、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアリールアルキル基、置換もしくは非置換のアリールアルケニル基、置換もしくは非置換の複素環基、ニトリル基およびアセチレン基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換されたC2−40のアルケニレン基;ハロゲン基、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアリールアルキル基、置換もしくは非置換のアリールアルケニル基、置換もしくは非置換の複素環基、ニトリル基およびアセチレン基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換されたC6−40のアリーレン基;ハロゲン基、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、置換もしくは非置換のアリールアミン基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアリールアルキル基、置換もしくは非置換のアリールアルケニル基、置換もしくは非置換の複素環基、ニトリル基およびアセチレン基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換され、異種原子としてO、NまたはSを有するC4−40の2価の複素環基;アルキル基、アルケニル基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアリールアルキル基、置換もしくは非置換のアリールアルケニル基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換された2価のアミン基;アルキル基、アルケニル基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアリールアルキル基、置換もしくは非置換のアリールアルケニル基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換されたフルオレニレン基;アミド基;エステル基;シラン基およびゲルマニウム基からなる群から選択され、
、RおよびRは、各々独立に、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアリールアルキル基、置換もしくは非置換のアリールアルケニル基、置換もしくは非置換の複素環基、ニトリル基およびアセチレン基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換されたC1−40のアルキル基;ハロゲン基、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアリールアルキル基、置換もしくは非置換のアリールアルケニル基、置換もしくは非置換の複素環基、ニトリル基およびアセチレン基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換されたC1−40のアルコキシ基;ハロゲン基、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアリールアルキル基、置換もしくは非置換のアリールアルケニル基、置換もしくは非置換の複素環基、ニトリル基およびアセチレン基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換されたC2−40のアルケニル基;ハロゲン基、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、置換もしくは非置換のアリールアミン基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアリールアルキル基、置換もしくは非置換のアリールアルケニル基、置換もしくは非置換の複素環基、ニトリル基およびアセチレン基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換されたC6−40のアリール基;ハロゲン基、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、置換もしくは非置換のアリールアミン基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアリールアルキル基、置換もしくは非置換のアリールアルケニル基、置換もしくは非置換の複素環基、ニトリル基およびアセチレン基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換され、異種原子としてO、NまたはSを有するC4−40の複素環基;アルキル基、アルケニル基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアリールアルキル基、置換もしくは非置換のアリールアルケニル基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換されたアミン基;アルキル基、アルケニル基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアリールアルキル基、置換もしくは非置換のアリールアルケニル基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換されたフルオレニル基;ビススピロフルオレニル基;ニトリル基;シアノ基;ニトロ基;アミド基;エステル基;シラン基およびゲルマニウム基からなる群から選択され、
は、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアリールアルキル基、置換もしくは非置換のアリールアルケニル基、置換もしくは非置換の複素環基、ニトリル基およびアセチレン基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換されたC1−40のアルキル基;ハロゲン基、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアリールアルキル基、置換もしくは非置換のアリールアルケニル基、置換もしくは非置換の複素環基、ニトリル基およびアセチレン基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換されたC1−40のアルコキシ基;ハロゲン基、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアリールアルキル基、置換もしくは非置換のアリールアルケニル基、置換もしくは非置換の複素環基、ニトリル基およびアセチレン基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換されたC6−40のアリール基;ハロゲン基、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアリールアルキル基、置換もしくは非置換のアリールアルケニル基、置換もしくは非置換の複素環基、ニトリル基およびアセチレン基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換され、異種原子としてO、NまたはSを有するC4−40の複素環基;アルキル基、アルケニル基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアリールアルキル基、置換もしくは非置換のアリールアルケニル基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換されたフルオレニル基;ビススピロフルオレニル基;ニトリル基;シアノ基;ニトロ基;エステル基;シラン基;ゲルマニウム基およびハロゲン基からなる群から選択され、
またはRのうちの少なくとも1つは下記化学式2の構造を含み、
【0014】
【化2】

【0015】
前記化学式2において、R〜Rは、各々独立に、水素;ハロゲン基;ハロゲン基、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアリールアルキル基、置換もしくは非置換のアリールアルケニル基、置換もしくは非置換の複素環基、ニトリル基およびアセチレン基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換されたC1−40のアルキル基;ハロゲン基、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアリールアルキル基、置換もしくは非置換のアリールアルケニル基、置換もしくは非置換の複素環基、ニトリル基およびアセチレン基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換されたC1−40のアルコキシ基;ハロゲン基、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアリールアルキル基、置換もしくは非置換のアリールアルケニル基、置換もしくは非置換の複素環基、ニトリル基およびアセチレン基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換されたC2−40のアルケニル基;ハロゲン基、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアリールアルキル基、置換もしくは非置換のアリールアルケニル基、置換もしくは非置換の複素環基、ニトリル基およびアセチレン基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換されたC6−40のアリール基;ハロゲン基、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、置換もしくは非置換のアリールアミン基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアリールアルキル基、置換もしくは非置換のアリールアルケニル基、置換もしくは非置換の複素環基、ニトリル基およびアセチレン基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換され、異種原子としてO、NまたはSを有するC4−40の複素環基;アルキル基、アルケニル基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアリールアルキル基、置換もしくは非置換のアリールアルケニル基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換されたアミン基;ニトリル基;ニトロ基;アミド基;エステル基;シラン基およびゲルマニウム基からなる群から選択され、ここで、これらは互いに隣接する基と脂肪族またはヘテロの縮合環を形成することができる。
【0016】
前記目的を達成するための本発明のまた他の側面は、前記化合物を有機物層に含む有機電子素子を提供する。
【発明の効果】
【0017】
本発明の化合物は、有機発光素子において、有機物層物質、特に正孔注入物質および/または正孔輸送物質として用いることができ、この化合物を有機発光素子に用いる場合、素子の駆動電圧を下げ、光効率を向上させ、化合物の熱的安定性によって素子の寿命特性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】基板1、正極2、発光層3、負極4からなる有機発光素子の例を示すものである。
【図2】基板1、正極2、正孔注入層5、正孔輸送層6、発光層7、電子輸送層8および負極4からなる有機発光素子の例を示すものである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明をより具体的に説明する。
【0020】
本発明の一側面は前記化学式1で示される化合物に関するものである。
【0021】
前記化学式1の置換基を詳細に説明すれば次の通りである。
【0022】
前記化学式1のl、mおよびnは0〜5の整数である。
【0023】
また、前記化学式1のアルキル基、アルキレン基、アルコキシ基の炭素数は特に限定されないが、1〜40が好ましく、1〜20がより好ましい。
【0024】
また、前記化学式1のアルケニル基、アルケニレン基、アセチル基、アセチレン基の炭素数は特に限定されないが、2〜40が好ましく、2〜20がより好ましい。
【0025】
また、前記化学式1のアリール基、アリーレン基の炭素数は特に限定されないが、6〜40が好ましく、6〜20がより好ましい。
【0026】
また、前記化学式1の複素環基の炭素数は特に限定されないが、4〜40が好ましく、4〜20がより好ましく、異種原子としてO、NまたはSを有するものが好ましい。
【0027】
また、前記化学式1のアリールアルキル基の炭素数は特に限定されないが、7〜40が好ましく、7〜20がより好ましい。
【0028】
また、前記化学式1のアリールアルケニル基の炭素数は特に限定されないが、7〜40が好ましく、7〜20がより好ましい。
【0029】
また、前記化学式1のアリールアミン基の炭素数は特に限定されないが、6〜40が好ましく、6〜20がより好ましい。
【0030】
前記化学式1において特別な説明がない場合、「置換もしくは非置換」という用語はハロゲン基、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アリール基、アリールアルキル基、アリールアルケニル基、複素環基、カルバゾリル基、フルオレニル基、ニトリル基およびアセチレン基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換されることが好ましいが、これらだけに限定されるものではない。
【0031】
化合物中に含まれているアルキル基の長さは、化合物の共役長には影響を及ぼさないが、但し、付随的に化合物の有機発光素子への適用方法、例えば、真空蒸着法または溶液塗布法の適用に影響を及ぼし得る。
【0032】
前記化学式1において、Y〜Yは、各々独立に、ハロゲン基、C1−20のアルキル基、C6−20のアリール基、C7−20のアリールアルキル基およびC4−20の複素環基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換されたC6−20のアリーレン基;ハロゲン基、C1−20のアルキル基、C6−24のアリールアミン基、C6−20のアリール基、C7−20のアリールアルキル基およびC4−20の複素環基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換され、異種原子としてO、NまたはSを有するC4−20の2価の複素環基;およびC1−20のアルキル基、C6−20のアリール基およびC7−20のアリールアルキル基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換されたフルオレニレン基からなる群から選択することが好ましい。
【0033】
また、前記化学式1において、Y〜Yは、各々独立に、フェニル基、ビフェニル基、テルフェニル基、スチルベン、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントレン基、ピレニル基、ペリレニル基、フルオレン基、チオフェン基、フラン基、ピロール基、イミダゾール基、チアゾール基、オキサゾール基、オキサジアゾール基、トリアゾール基、ピリジル基、ピラダジン基、キノリニル基、イソキノリン基およびアクリジル基からなる群から選択することができる。
【0034】
また、前記化学式1において、Y〜Yのうちの2価の複素環基の例としてはチオフェン基、フラン基、ピロール基、イミダゾール基、チアゾール基、オキサゾール基、オキサジアゾール基、トリアゾール基、ピリジル基、ピラダジン基、キノリニル基、イソキノリン基、アクリジル基などが挙げられるが、これらだけに限定されるものではない。
【0035】
前記化学式1において、R、RおよびRは、各々独立に、C1−20のアルキル基、C6−20のアリール基、C7−20のアリールアルキル基およびC4−20の複素環基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換されたC1−20のアルキル基;ハロゲン基、C1−20のアルキル基、C12−24のアリールアミン基、C6−20のアリール基、C7−20のアリールアルキル基およびC4−20の複素環基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換されたC6−20のアリール基;ハロゲン基、C1−20のアルキル基、C6−24のアリールアミン基、C6−20のアリール基、C7−20のアリールアルキル基およびC4−20の複素環基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換され、異種原子としてO、NまたはSを有するC4−20の複素環基;C1−20のアルキル基、C6−20のアリール基およびC7−20のアリールアルキル基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換されたアミン基;C1−20のアルキル基またはC6−20のアリール基で置換されたフルオレニル基;ビススピロフルオレニル基;シアノ基;ニトロ基;およびC6−20のアリール基で置換されたシラン基からなる群から選択することができ、
前記化学式1において、Rは、C1−20のアルキル基、C6−20のアリール基、C7−20のアリールアルキル基およびC4−20の複素環基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換されたC1−20のアルキル基;ハロゲン基、C1−20のアルキル基、C6−20のアリール基、C7−20のアリールアルキル基およびC4−20の複素環基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換されたC6−20のアリール基;ハロゲン基、C1−20のアルキル基、C6−20のアリール基、C7−20のアリールアルキル基およびC4−20の複素環基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換され、異種原子としてO、NまたはSを有するC4−20の複素環基;C1−20のアルキル基またはC6−20のアリール基で置換されたフルオレニル基;ビススピロフルオレニル基;シアノ基;ニトロ基;C6−20のアリール基で置換もしくは非置換されたシラン基;およびハロゲン基からなる群から選択することができ、
前記化学式2において、R〜Rは、各々独立に、水素;ハロゲン基;ハロゲン基、C1−20のアルキル基、C6−20のアリール基、C7−20のアリールアルキル基およびC4−20の複素環基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換されたC1−20のアルキル基;ハロゲン基、C1−20のアルキル基、C6−20のアリール基、C7−20のアリールアルキル基およびC4−20の複素環基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換されたC6−20のアリール基;およびハロゲン基、C1−20のアルキル基、C12−24のアリールアミン基、C6−20のアリール基、C7−20のアリールアルキル基およびC4−20の複素環基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換され、異種原子としてO、NまたはSを有するC4−40の複素環基からなる群から選択することができ、ここで、これらは互いに隣接する基と脂肪族またはヘテロの縮合環を形成することができる。
【0036】
前記化学式1および化学式2において、R〜Rは、各々独立に、フェニル基、ビフェニル基、テルフェニル基、スチルベン、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントレン基、ピレニル基、ペリレニル基、フルオレン基、チオフェン基、フラン基、ピロール基、イミダゾール基、チアゾール基、オキサゾール基、オキサジアゾール基、トリアゾール基、ピリジル基、ピラダジン基、キノリニル基、イソキノリン基およびアクリジル基からなる群から選択することができる。
【0037】
また、前記化学式1および化学式2において、R〜Rは、アリール基として、好ましくは、フェニル基、ビフェニル基、テルフェニル基、スチルベンなどの単環式芳香族、およびナフチル基、アントラセニル基、フェナントレン基、ピレニル基、ペリレニル基、フルオレン基などの多環式芳香族環があるが、これらだけに限定されるものではない。
【0038】
また、前記化学式1および化学式2において、R〜Rは、複素環基として、好ましくは、チオフェン基、フラン基、ピロール基、イミダゾール基、チアゾール基、オキサゾール基、オキサジアゾール基、トリアゾール基、ピリジル基、ピラダジン基、キノリニル基、イソキノリン基、アクリジル基などがあるが、これらだけに限定されるものではない。
【0039】
また、前記化学式1において、Rはメチル基、エチル基、プロピル基などのアルキル基;フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基などのアリール基;フルオレニル基;およびビススピロフルオレニル基からなる群から選択されることが好ましいが、これらだけに限定されるものではない。
【0040】
また、前記化学式1において、Rはチオフェン基、フラン基などの複素環基;メトキシ基、エトキシ基などのアルコキシ基;シアノ基;ニトロ基;シラン基;およびハロゲン基からなる群から選択されることが好ましいが、これらだけに限定されるものではない。
【0041】
上記のように、本発明に係る化合物は、化学式1のRが、メチル基、エチル基、プロピル基などのアルキル基;フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基などのアリール基;フルオレニル基;ビススピロフルオレニル基;チオフェン基、フラン基などの複素環基;メトキシ基、エトキシ基などのアルコキシ基;シアノ基;ニトロ基;シラン基;およびハロゲン基からなる群から選択される場合、本発明に係る化合物を有機発光素子に用いる場合、素子の駆動電圧を下げ、光効率を向上させ、化合物の熱的安定性によって素子の寿命特性をより向上させることができる。
【0042】
前記化学式2で示される化合物は下記構造式のうちの1つであることが好ましいが、これらに限定されるものではない。
【0043】
【化3−1】

【化3−2】

【化3−3】

【0044】
前記化学式1で示される化合物は、好ましくは、下記構造式1〜構造式80のうちのいずれか1つで示されることが好ましいが、これらに限定されるものではない。
【0045】
【化4−1】

【化4−2】

【化4−3】

【化4−4】

【化4−5】

【化4−6】

【化4−7】

【化4−8】

【化4−9】

【化4−10】

【化4−11】

【化4−12】

【化4−13】

【化4−14】

【0046】
本発明の第2側面は、第1電極、第2電極、および前記第1電極と第2電極との間に配置された1層以上の有機物層を含む有機電子素子であって、前記有機物層のうちの1層以上は前記化学式1で示される化合物を含むことを特徴とする有機電子素子に関するものである。
【0047】
前記化学式1で示される化合物は、有機発光素子の製造時、真空蒸着法だけでなく、溶液塗布法によって有機物層として形成される。ここで、溶液塗布法とはスピンコーティング、ディップコーティング、インクジェット印刷、スクリーン印刷、スプレー法、ロールコーティングなどを意味するが、これらだけに限定されるものではない。
【0048】
本発明の有機電子素子は、有機物層のうちの1層以上が本発明の化合物、すなわち、前記化学式1で示される化合物を含むことを除いては、当技術分野で知られている材料と方法によって製造することができる。
【0049】
本発明の有機電子素子の有機物層は単層構造であってもよいが、2層以上の有機物層が積層された多層構造であってもよい。
【0050】
すなわち、前記有機電子素子において、前記有機物層は正孔注入層および正孔輸送層のうちの少なくとも1つの層を含み、この正孔注入層または正孔輸送層が前記化学式1で示される化合物を含むことができる。
【0051】
また、前記有機物層は発光層を含み、この発光層が前記化学式1で示される化合物を含むことができる。
【0052】
例えば、本発明の有機電子素子は、有機物層として、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層などを含む構造を有してもよい。しかし、有機電子素子の構造はこれに限定されず、より少ない数の有機物層を含むことができる。
【0053】
また、前記有機電子素子は、有機発光素子、有機燐光素子、有機太陽電池、有機感光体(OPC)および有機トランジスタからなる群から選択される。
【0054】
本発明の有機電子素子は、例えば、基板上に第1電極、有機物層および第2電極を順次積層させることによって製造することができる。この時、スパッタリング法(sputtering)や電子ビーム蒸着法(e−beam evaporation)のようなPVD(Physical Vapor Deposition)方法などを用いることができるが、これらの方法だけに限定されるものではない。
【実施例】
【0055】
前記化学式1で示される化合物の製造方法およびこれらを用いた有機発光素子の製造は以下の製造例および実施例で具体的に説明する。但し、下記製造例および実施例は本発明を例示するためのものであって、本発明の範囲がこれらによって限定されるものではない。
【0056】
<製造例1>構造式1で示される化合物の製造
【化5】

【0057】
構造式1Aの製造
カルバゾール(10g、59.8mmol)、ヨードベンゼン(13.4g、65.8mmol)をキシレン200mlに溶解させ、ナトリウム−Tert−ブトキシド(5.5g、71.7mmol)、Pd[P(t−Bu)(153mg、0.299mmol)を添加した後、窒素気流下で1時間加熱攪拌した。反応液に蒸留水200mlを添加した後、生成された固体を濾過し、水100ml、エタノール50mlで洗浄し真空乾燥して、構造式1A(13.2g、収率91%)を得た。
MS:[M+H]=244
【0058】
構造式1Bの製造
構造式1A(13.2g、54.3mmol)をクロロホルム(300mL)に溶かし、N−ブロモスクシンイミド(20.3g、114.0mmol)を添加した後、常温で3時間攪拌した。反応溶液に蒸留水を入れて終了させ、有機層を抽出した。反応液を濃縮し、EtOHで再結晶して、構造式1B(18.9g、収率87%)を得た。
MS:[M+H]=402
【0059】
構造式1Cの製造
構造式1B(18.9g、47.1mmol)を無水テトラヒドロフラン200mlに溶かし、−78℃に冷却した後、2.5Mのn−ブチルリチウム(18.8ml、47.1mmol)を徐々に添加した後、1時間攪拌した。この反応液にヨードメタン(3.2ml、51.8mmol)を添加した後、温度を常温に徐々に上げながら2時間攪拌した後、塩化アンモニウム水溶液を入れて反応を終了させた後、有機層を抽出した。反応液を濃縮し、石油エーテルで再結晶して、構造式1C(11.2g、収率71%)を得た。
MS:[M+H]=337
【0060】
構造式1Dの製造
2−ブロモ−9,9−ジメチルフルオレン(30g、109.8mmol)、4−クロロベンゼンボロン酸(20.6g、131.8mmol)をテトラヒドロフラン200mlに溶解させ、2M炭酸カリウム水溶液150mlを添加した後、Pd(PPh(1.3g、1.1mmol)を入れて5時間加熱攪拌した。常温に温度を下げた後に有機層を抽出し、濃縮後、エタノールで再結晶して、構造式1D(29.4g、収率88%)を得た。
MS:[M+H]=306
【0061】
構造式1Eの製造
構造式1D(10g、32.8mmol)とアニリン(2.8ml、31.2mmol)をトルエン100mlに溶解させ、ナトリウム−Tert−ブトキシド(3.5g、36.1mmol)、Pd[P(t−Bu)(84mg、0.164mmol)を添加した後、窒素気流下で1時間加熱攪拌した。反応液に蒸留水100mlを添加した有機層を抽出し、カラム精製して、構造式1E(8.2g、収率69%)を得た。
MS:[M+H]=362
【0062】
構造式1の製造
構造式1C(11.2g、33.3mmol)と構造式1E(11.4g、31.6mmol)をキシレン150mlに溶解させ、ナトリウム−Tert−ブトキシド(3.6g、37.9mmol)、Pd[P(t−Bu)(81mg、0.158mmol)を添加した後、窒素気流下で1時間加熱攪拌した。反応液に蒸留水100mlを添加した有機層を抽出し、濃縮後、エタノールで再結晶して、構造式1(14.9g、収率76%)を得た。
MS:[M+H]=618
【0063】
<製造例2>構造式14で示される化合物の製造
【化6】

【0064】
構造式14Aの製造
ヨードベンゼンの代わりにブロモナフタレンを用いたことを除いては、構造式1Aの製造方法と同じ方法により構造式14Aを得た。
MS:[M+H]=294
【0065】
構造式14Bの製造
構造式1Aの代わりに構造式14Aを用いたことを除いては、構造式1Bの製造方法と同じ方法により構造式14Bを得た。
MS:[M+H]=452
【0066】
構造式14Cの製造
構造式1Bの代わりに構造式14Bを用いたことを除いては、構造式1Cの製造方法と同じ方法により構造式14Cを得た。
MS:[M+H]=387
【0067】
構造式14Dの製造
2−ブロモ−9,9−ジメチルフルオレン(15g、54.9mmol)を無水テトラヒドロフラン150mlに溶かし、−78℃に冷却した後、2.5Mのn−ブチルリチウム(24.2ml、60.4mmol)を徐々に添加した後、1時間攪拌した。この反応液にトリメチルボレート(9.2ml、82.4mmol)を添加した後に30分間攪拌し、6N HCl 50mlを添加した後、温度を常温に上げて1時間攪拌した。有機層を抽出し、濃縮後、n−ヘキサンで再結晶して、構造式14D(10g、収率77%)を得た。
MS:[M+H]=239
【0068】
構造式14Eの製造
構造式14D(10g、42.0mmol)、4−ブロモアニリン(6.9g、39.9mmol)をテトラヒドロフラン100mlに溶解させ、2M炭酸カリウム水溶液100mlを添加した後、Pd(PPh(485mg、0.42mmol)を入れ、5時間加熱攪拌した。常温に温度を下げた後に有機層を抽出し、濃縮後、エタノールで再結晶して、構造式14E(10.4g、収率91%)を得た。
MS:[M+H]=286
【0069】
構造式14Fの製造
構造式14E(10.4g、36.4mmol)と構造式14C(14.1g、36.4mmol)をトルエン100mlに溶解させ、ナトリウム−Tert−ブトキシド(4.2g、43.7mmol)、Pd[P(t−Bu)(93mg、0.182mmol)を添加した後、窒素気流下で1時間加熱攪拌した。反応液に蒸留水100mlを添加した有機層を抽出し、カラム精製して、構造式14F(16.6g、収率77%)を得た。
MS:[M+H]=592
【0070】
構造式14Gの製造
ジフェニルアミン(15g、88.6mmol)、4−クロロヨードベンゼン(21.1g、88.6mmol)、ヨウ化第1銅(844mg、4.4mmol)、N,N’−ジメチルエチレンジアミン(0.943ml、8.8mmol)、炭酸カリウム(14.7g、106.3mmol)をキシレン150mlに入れ、24時間加熱攪拌した。常温に温度を下げた後、反応液をセライトパッドに濾過し、濃縮後、メタノールで再結晶して、構造式14G(20g、収率81%)を得た。
MS:[M+H]=280
【0071】
構造式14の製造
構造式14F(10g、16.9mmol)と構造式14G(5.2g、18.6mmol)をキシレン100mlに溶解させ、ナトリウム−Tert−ブトキシド(1.9g、20.3mmol)、Pd[P(t−Bu)(43mg、0.085mmol)を添加した後、窒素気流下で1時間加熱攪拌した。反応液に蒸留水100mlを添加した有機層を抽出し、濃縮後、メタノールで再結晶して、構造式14(11.1g、収率79%)を得た。
MS:[M+H]=835
【0072】
<製造例3>構造式18で示される化合物の製造
【化7】

【0073】
構造式18Aの製造
ヨードベンゼンの代わりに3−ブロモビフェニルを用いたことを除いては、構造式1Aの製造方法と同じ方法により構造式18Aを得た。
MS:[M+H]=835
【0074】
構造式18Bの製造
構造式1Aの代わりに構造式18Aを用いたことを除いては、構造式1Bの製造方法と同じ方法により構造式18Bを得た。
MS:[M+H]=478
【0075】
構造式18Cの製造
構造式1Bの代わりに構造式18Bを用いたことを除いては、構造式1Cの製造方法と同じ方法により構造式18Cを得た。
MS:[M+H]=413
【0076】
構造式18Dの製造
2−ブロモ−9,9−ジフェニルフルオレン(15g、37.8mmol)、4−クロロベンゼンボロン酸(6.5g、41.5mmol)をテトラヒドロフラン150mlに溶解させ、2M炭酸カリウム水溶液100mlを添加した後、Pd(PPh(437mg、0.38mmol)を入れ、5時間加熱攪拌した。常温に温度を下げた後に有機層を抽出し、濃縮後、エタノールで再結晶して、構造式18D(11.9g、収率73%)を得た。
MS:[M+H]=430
【0077】
構造式18Eの製造
構造式18D(11.9g、27.7mmol)とアニリン(2.4ml、26.4mmol)をトルエン100mlに溶解させ、ナトリウム−Tert−ブトキシド(3.0g、31.7mmol)、Pd[P(t−Bu)(67mg、0.132mmol)を添加した後、窒素気流下で1時間加熱攪拌した。反応液に蒸留水100mlを添加した有機層を抽出し、濃縮後、メタノールで再結晶して、構造式18E(8.3g、収率65%)を得た。
MS:[M+H]=486
【0078】
構造式18の製造
構造式18E(8.3g、17.1mmol)と構造式18C(7.0g、17.1mmol)をキシレン100mlに溶解させ、ナトリウム−Tert−ブトキシド(2.0g、20.5mmol)、Pd[P(t−Bu)(44mg、0.085mmol)を添加した後、窒素気流下で1時間加熱攪拌した。反応液に蒸留水100mlを添加した有機層を抽出し、濃縮後、カラム精製して、構造式18(10.5g、収率75%)を得た。
MS:[M+H]=818
【0079】
<製造例4>構造式21で示される化合物の製造
【化8】

【0080】
構造式21Aの製造
構造式14E(10g、35.0mmol)と構造式1D(10.7g、35.0mmol)をトルエン150mlに溶解させ、ナトリウム−Tert−ブトキシド(4.0g、42.0mmol)、Pd[P(t−Bu)(89mg、0.175mmol)を添加した後、窒素気流下で1時間加熱攪拌した。反応液に蒸留水100mlを添加した有機層を抽出し、濃縮後、エタノールで再結晶して、構造式21A(14.7g、収率76%)を得た。
MS:[M+H]=554
【0081】
構造式21の製造
構造式21A(14.7g、26.5mmol)と構造式1C(8.9g、26.5mmol)をキシレン150mlに溶解させ、ナトリウム−Tert−ブトキシド(3.1g、31.8mmol)、Pd[P(t−Bu)(68mg、0.133mmol)を添加した後、窒素気流下で1時間加熱攪拌した。反応液に蒸留水100mlを添加した有機層を抽出し、濃縮後、エタノールで再結晶して、構造式21(16.3g、収率76%)を得た。
MS:[M+H]=809
【0082】
<製造例5>構造式27で示される化合物の製造
【化9】

【0083】
構造式27Aの製造
2−ブロモ−9,9−ジメチルフルオレンの代わりに構造式1Cを用いたことを除いては、構造式14Dの製造方法と同じ方法により構造式27Aを得た。
MS:[M+H]=302
【0084】
構造式27Bの製造
構造式27A(15g、49.8mmol)、4−ブロモアセトアニリド(10.1g、47.3mmol)をテトラヒドロフラン100mlに溶解させ、2M炭酸カリウム水溶液100mlを添加した後、Pd(PPh(575mg、0.50mmol)を入れ、5時間加熱攪拌した。常温に温度を下げた後に有機層を抽出し、濃縮後、エタノールで再結晶して、構造式27B(15.2g、収率78%)を得た。
MS:[M+H]=391
【0085】
構造式27Cの製造
構造式27B(15g、38.4mmol)、4−ヨードビフェニル(12.9g、46.1mmol)、ヨウ化第1銅(366mg、1.9mmol)、N,N’−ジメチルエチレンジアミン(0.409ml、3.8mmol)、炭酸カリウム(6.4g、46.1mmol)をキシレン150mlに入れ、24時間加熱攪拌した。常温に温度を下げた後、反応液をセライトパッドに濾過し、濃縮後、メタノールで再結晶して、構造式27C(16.9g、収率81%)を得た。
MS:[M+H]=543
【0086】
構造式27Dの製造
構造式27C(16.9g、31.1mmol)をテトラヒドロフラン50mlとエタノール50mlに入れて溶かした後、水酸化カリウム過量を入れ、常温で1時間攪拌した。反応液を濃縮した後、クロロホルム100mlに完全に溶かし、水100mlを入れ、常温で10分間攪拌した。有機層を抽出し、濃縮後、石油エーテルで再結晶して、構造式27D(15g、収率96%)を得た。
MS:[M+H]=501
【0087】
構造式27の製造
構造式27D(15g、30.0mmol)と構造式1D(9.1g、30.0mmol)をキシレン100mlに溶解させ、ナトリウム−Tert−ブトキシド(3.5g、36.0mmol)、Pd[P(t−Bu)(77mg、0.15mmol)を添加した後、窒素気流下で1時間加熱攪拌した。反応液に蒸留水100mlを添加した有機層を抽出し、濃縮後、カラム精製して、構造式27(15.7g、収率68%)を得た。
MS:[M+H]=770
【0088】
<製造例6>構造式33で示される化合物の製造
【化10】

【0089】
構造式33Aの製造
構造式1A(15g、61.6mmol)をクロロホルム(300mL)に溶かし、N−ブロモスクシンイミド(11.0g、61.6mmol)を添加した後、常温で1時間攪拌した。反応溶液に蒸留水を入れて終了させ、有機層を抽出した。反応液を濃縮し、n−ヘキサンで再結晶して、構造式33A(17g、収率86%)を得た。
MS:[M+H]=323
【0090】
構造式33Bの製造
2−ブロモ−9,9−ジメチルフルオレンの代わりに構造式1Aを用いたことを除いては、構造式14Dの製造方法と同じ方法により構造式33Bを得た。
MS:[M+H]=288
【0091】
構造式33Cの製造
フェニルボロン酸(15g、123.0mmol)、2−ブロモチオフェン(11.3ml、116.9mmol)をテトラヒドロフラン150mlに溶解させ、2M炭酸カリウム水溶液100mlを添加した後、Pd(PPh(1.4g、1.2mmol)を入れ、5時間加熱攪拌した。常温に温度を下げた後に有機層を抽出し、濃縮後、n−ヘキサンで再結晶して、構造式33C(17.4g、収率93%)を得た。
MS:[M+H]=161
【0092】
構造式33Dの製造
構造式1Aの代わりに構造式33Cを用いたことを除いては、構造式33Aの製造方法と同じ方法により構造式33Dを得た。
MS:[M+H]=240
【0093】
構造式33Eの製造
構造式27Aの代わりに構造式33Bを、4−ブロモアセトアニリドの代わりに構造式33Dを用いたことを除いては、構造式27Bの製造方法と同じ方法により構造式33Eを得た。
MS:[M+H]=402
【0094】
構造式33Fの製造
構造式33E(15g、37.4mmol)をクロロホルム(200mL)に溶かし、N−ブロモスクシンイミド(7.0g、39.2mmol)を添加した後、常温で1時間攪拌した。反応溶液に蒸留水を入れて終了させ、有機層を抽出した。反応液を濃縮し、エタノールで再結晶して、構造式33F(16g、収率89%)を得た。
MS:[M+H]=481
【0095】
構造式33Gの製造
構造式14Cの代わりに構造式33Fを用いたことを除いては、構造式14Fの製造方法と同じ方法により構造式33Gを得た。
MS:[M+H]=686
【0096】
構造式33の製造
構造式33G(10g、14.6mmol)と1−ブロモナフタレン(2.2ml、16.1mmol)をキシレン150mlに溶解させ、ナトリウム−Tert−ブトキシド(1.7g、17.5mmol)、Pd[P(t−Bu)(37mg、0.073mmol)を添加した後、窒素気流下で1時間加熱攪拌した。反応液に蒸留水100mlを添加した有機層を抽出し、濃縮後、カラム精製して、構造式33(8.5g、収率72%)を得た。
MS:[M+H]=812
【0097】
<製造例7>構造式48で示される化合物の製造
【化11】

【0098】
構造式48Aの製造
2−ブロモビフェニル(15ml、87.0mmol)を無水テトラヒドロフラン250mlに溶かし、−78℃に冷却した後、2.5Mのn−ブチルリチウム(36.6ml、91.4mmol)を徐々に添加した後、1時間攪拌した。この反応液に2−ブロモフルオレノン(21.4g、82.7mmol)を添加した後、温度を常温に徐々に上げながら3時間攪拌した。塩化アンモニウム水溶液を入れて反応を終了させた後、有機層を抽出し、濃縮後、石油エーテルで再結晶して、構造式48A(27.3g、収率80%)を得た。
MS:[M+H]=413,398
【0099】
構造式48Bの製造
構造式48A(27.3g、66.1mmol)を氷酢酸200mlに入れ、加熱後、硫酸0.1mlを添加した後、1時間加熱攪拌した。常温に温度を下げた後、生成された固体を濾過し、水300ml、エタノール100mlで洗浄し乾燥して、構造式48B(25.4g、収率97%)を得た。
MS:[M+H]=396
【0100】
構造式48Cの製造
4−クロロベンゼンボロン酸(10g、63.9mmol)、構造式48B(24g、60.7mmol)をテトラヒドロフラン150mlに溶解させ、2M炭酸カリウム水溶液100mlを添加した後、Pd(PPh(701mg、0.607mmol)を入れ、5時間加熱攪拌した。常温に温度を下げた後に有機層を抽出し、濃縮後、エタノールで再結晶して、構造式48C(20.4g、収率79%)を得た。
MS:[M+H]=428
【0101】
構造式48Dの製造
構造式14Cの代わりに構造式48Cを用いたことを除いては、構造式14Fの製造方法と同じ方法により構造式48Dを得た。
MS:[M+H]=676
【0102】
構造式48Eの製造
4−クロロベンゼンボロン酸(15g、95.9mmol)、構造式1C(30.6g、91.1mmol)をテトラヒドロフラン350mlに溶解させ、2M炭酸カリウム水溶液200mlを添加した後、Pd(PPh(1.1g、0.911mmol)を入れ、5時間加熱攪拌した。常温に温度を下げた後に有機層を抽出し、濃縮後、エタノールで再結晶して、構造式48E(25.6g、収率76%)を得た。
MS:[M+H]=368
【0103】
構造式48の製造
構造式48D(15g、22.2mmol)と構造式48E(8.2g、22.2mmol)をキシレン200mlに溶解させ、ナトリウム−Tert−ブトキシド(2.6g、26.6mmol)、Pd[P(t−Bu)(57mg、0.111mmol)を添加した後、窒素気流下で1時間加熱攪拌した。反応液に蒸留水100mlを添加した有機層を抽出し、濃縮後、カラム精製して、構造式48(16.1g、収率72%)を得た。
MS:[M+H]=1008
【0104】
<製造例8>構造式56で示される化合物の製造
【化12】

【0105】
構造式56Aの製造
ヨードベンゼンの代わりにヨードビフェニルを用いたことを除いては、構造式1Aの製造方法と同じ方法により構造式56Aを得た。
MS:[M+H]=320
【0106】
構造式56Bの製造
構造式1Aの代わりに構造式56Aを用いたことを除いては、構造式33Aの製造方法と同じ方法により構造式56Bを得た。
MS:[M+H]=399
【0107】
構造式56Cの製造
2−ブロモチオフェンの代わりに構造式56Bを用いたことを除いては、構造式33Cの製造方法と同じ方法により構造式56Cを得た。
MS:[M+H]=396
【0108】
構造式56Dの製造
構造式1Aの代わりに構造式56Cを用いたことを除いては、構造式33Aの製造方法と同じ方法により構造式56Dを得た。
MS:[M+H]=475
【0109】
構造式56Eの製造
2−ブロモ−9,9−ジメチルフルオレンの代わりに構造式56Dを用いたことを除いては、構造式1Dの製造方法と同じ方法により構造式56Eを得た。
MS:[M+H]=507
【0110】
構造式56Fの製造
構造式1D(10g、32.8mmol)とp−トルイジン(3.6ml、32.8mmol)をトルエン200mlに溶解させ、ナトリウム−Tert−ブトキシド(3.8g、39.4mmol)、Pd[P(t−Bu)(84mg、0.164mmol)を添加した後、窒素気流下で1時間加熱攪拌した。反応液に蒸留水100mlを添加した有機層を抽出し、濃縮後、石油エーテルで再結晶して、構造式56F(9.1g、収率74%)を得た。
MS:[M+H]=376
【0111】
構造式56の製造
構造式56E(12.3g、24.2mmol)と構造式56F(9.1g、24.2mmol)をキシレン200mlに溶解させ、ナトリウム−Tert−ブトキシド(2.8g、29.0mmol)、Pd[P(t−Bu)(62mg、0.121mmol)を添加した後、窒素気流下で1時間加熱攪拌した。反応液に蒸留水200mlを添加した有機層を抽出し、濃縮後、カラム精製して、構造式56(15.0g、収率74%)を得た。
MS:[M+H]=846
【0112】
<製造例9>構造式59で示される化合物の製造
【化13】

【0113】
構造式59Aの製造
2−ブロモチオフェンの代わりに構造式33Aを用いたことを除いては、構造式33Cの製造方法と同じ方法により構造式51Aを得た。
MS:[M+H]=320
【0114】
構造式59Bの製造
構造式1Aの代わりに構造式59Aを用いたことを除いては、構造式33Aの製造方法と同じ方法により構造式59Bを得た。
MS:[M+H]=399
【0115】
構造式59Cの製造
構造式1Cの代わりに構造式59Bを用いたことを除いては、構造式48Eの製造方法と同じ方法により構造式59Cを得た。
MS:[M+H]=431
【0116】
構造式59Dの製造
1−アミノナフタレン(15g、104.8mmol)と2−ブロモ−9,9−ジメチルフルオレン(28.6g、104.8mmol)をトルエン200mlに溶解させ、ナトリウム−Tert−ブトキシド(12.1g、125.8mmol)、Pd[P(t−Bu)(268mg、0.524mmol)を添加した後、窒素気流下で1時間加熱攪拌した。反応液に蒸留水200mlを添加した有機層を抽出し、濃縮後、カラム精製して、構造式59D(29.5g、収率84%)を得た。
MS:[M+H]=336
【0117】
構造式59の製造
構造式59C(10g、23.3mmol)と構造式59D(7.8g、23.3mmol)をキシレン150mlに溶解させ、ナトリウム−Tert−ブトキシド(2.7g、28.0mmol)、Pd[P(t−Bu)(60mg、0.117mmol)を添加した後、窒素気流下で1時間加熱攪拌した。反応液に蒸留水150mlを添加した有機層を抽出し、濃縮後、カラム精製して、構造式59(12.4g、収率73%)を得た。
MS:[M+H]=730
【0118】
<製造例10>構造式75で示される化合物の製造
【化14】

【0119】
構造式75Aの製造
ヨードベンゼンの代わりに4−フルオロヨードベンゼンを用いたことを除いては、構造式1Aの製造方法と同じ方法により構造式75Aを得た。
MS:[M+H]=262
【0120】
構造式75Bの製造
構造式1Aの代わりに構造式75Aを用いたことを除いては、構造式1Bの製造方法と同じ方法により構造式75Bを得た。
MS:[M+H]=420
【0121】
構造式75Cの製造
構造式1Bの代わりに構造式75Bを用いたことを除いては、構造式1Cの製造方法と同じ方法により構造式75Cを得た。
MS:[M+H]=355
【0122】
構造式75Dの製造
2−ブロモ−9,9−ジメチルフルオレンの代わりに構造式75Cを用いたことを除いては、構造式14Dの製造方法と同じ方法により構造式75Dを得た。
MS:[M+H]=320
【0123】
構造式75Eの製造
構造式14Dの代わりに構造式75Dを用いたことを除いては、構造式14Eの製造方法と同じ方法により構造式75Eを得た。
MS:[M+H]=367
【0124】
構造式75の製造
構造式75E(15g、40.9mmol)と構造式1D(26.2g、86.0mmol)をキシレン300mlに溶解させ、ナトリウム−Tert−ブトキシド(9.4g、98.2mmol)、Pd[P(t−Bu)(209mg、0.409mmol)を添加した後、窒素気流下で1時間加熱攪拌した。反応液に蒸留水200mlを添加した有機層を抽出し、濃縮後、カラム精製して、構造式75(29.8g、収率81%)を得た。
MS:[M+H]=903
【0125】
<実施例1>
ITO(インジウムスズ酸化物)が1,000Å厚さで薄膜コーティングされたガラス基板(corning 7059 glass)を、分散剤を溶かした蒸留水に入れて超音波で洗浄した。洗剤としてはFischer Co.の製品を使用し、蒸留水としてはMillipore Co.製品のフィルタ(Filter)で2次濾過した蒸留水を使用した。ITOを30分間洗浄した後、蒸留水で2回繰り返し超音波洗浄を10分間進行した。蒸留水洗浄が終わった後、イソプロピルアルコール、アセトン、メタノールの溶剤順に超音波洗浄をして乾燥した。
【0126】
このように準備したITO透明電極上に、ヘキサニトリルヘキサアザトリフェニレン(hexanitrile hexaazatriphenylene)を500Å厚さで熱真空蒸着して、正孔注入層を形成した。その上に、正孔を輸送する物質である、上記製造例で合成した構造式1(400Å)を真空蒸着した後、発光層として、ホストH1とドーパントD1化合物を300Å厚さで真空蒸着した。その次、E1化合物(300Å)を電子注入および輸送層として順次熱真空蒸着した。前記電子輸送層上に12Å厚さのフッ化リチウム(LiF)と2,000Å厚さのアルミニウムを順次蒸着して負極を形成し、有機発光素子を製造した。
【0127】
前記正孔輸送層の比較例としてNPBを用いた。
【0128】
前記過程において、有機物の蒸着速度は1Å/secを維持し、フッ化リチウムは0.2Å/sec、アルミニウムは3〜7Å/secの蒸着速度を維持した。
【0129】
【化15】

【0130】
<実施例2>
前記実施例1において、正孔輸送層として、製造例で合成した構造式1の代わりに構造式14を用いたことを除いては同一に実験した。
【0131】
<実施例3>
前記実施例1において、正孔輸送層として、製造例で合成した構造式1の代わりに構造式18を用いたことを除いては同一に実験した。
【0132】
<実施例4>
前記実施例1において、正孔輸送層として、製造例で合成した構造式1の代わりに構造式21を用いたことを除いては同一に実験した。
【0133】
<実施例5>
前記実施例1において、正孔輸送層として、製造例で合成した構造式1の代わりに構造式27を用いたことを除いては同一に実験した。
【0134】
<実施例6>
前記実施例1において、正孔輸送層として、製造例で合成した構造式1の代わりに構造式33を用いたことを除いては同一に実験した。
【0135】
<実施例7>
前記実施例1において、正孔輸送層として、製造例で合成した構造式1の代わりに構造式48を用いたことを除いては同一に実験した。
【0136】
<実施例8>
前記実施例1において、正孔輸送層として、製造例で合成した構造式1の代わりに構造式56を用いたことを除いては同一に実験した。
【0137】
<実施例9>
前記実施例1において、正孔輸送層として、製造例で合成した構造式1の代わりに構造式59を用いたことを除いては同一に実験した。
【0138】
<実施例10>
前記実施例1において、正孔輸送層として、製造例で合成した構造式1の代わりに構造式75を用いたことを除いては同一に実験した。
【0139】
<比較例1>
前記実施例1において、正孔輸送層として、製造例で合成した構造式1の代わりにNPBを用いたことを除いては同一に実験した。
【0140】
前記実施例のようにそれぞれの化合物を正孔輸送層物質として用いて製造した有機発光素子を実験した結果を表1に示す。
【0141】
【表1】

【0142】
本発明に係る化学式の化合物誘導体は、有機発光素子をはじめとする有機電子素子において正孔注入、正孔輸送、電子注入および輸送、または発光物質の役割を果たすことができ、本発明に係る素子は、効率、駆動電圧、安定性の面に優れた特性を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記化学式1で示される化合物:
【化1】

前記化学式1において、l、mおよびnは各々独立に0〜5の整数であり、
〜Yは、各々独立に、ハロゲン基、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアリールアルキル基、置換もしくは非置換のアリールアルケニル基、置換もしくは非置換の複素環基、ニトリル基およびアセチレン基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換されたC2−40のアルケニレン基;ハロゲン基、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアリールアルキル基、置換もしくは非置換のアリールアルケニル基、置換もしくは非置換の複素環基、ニトリル基およびアセチレン基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換されたC6−40のアリーレン基;ハロゲン基、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、置換もしくは非置換のアリールアミン基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアリールアルキル基、置換もしくは非置換のアリールアルケニル基、置換もしくは非置換の複素環基、ニトリル基およびアセチレン基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換され、異種原子としてO、NまたはSを有するC4−40の2価の複素環基;アルキル基、アルケニル基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアリールアルキル基、置換もしくは非置換のアリールアルケニル基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換された2価のアミン基;アルキル基、アルケニル基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアリールアルキル基、置換もしくは非置換のアリールアルケニル基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換されたフルオレニレン基;アミド基;エステル基;シラン基およびゲルマニウム基からなる群から選択され、
、RおよびRは、各々独立に、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアリールアルキル基、置換もしくは非置換のアリールアルケニル基、置換もしくは非置換の複素環基、ニトリル基およびアセチレン基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換されたC1−40のアルキル基;ハロゲン基、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアリールアルキル基、置換もしくは非置換のアリールアルケニル基、置換もしくは非置換の複素環基、ニトリル基およびアセチレン基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換されたC1−40のアルコキシ基;ハロゲン基、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアリールアルキル基、置換もしくは非置換のアリールアルケニル基、置換もしくは非置換の複素環基、ニトリル基およびアセチレン基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換されたC2−40のアルケニル基;ハロゲン基、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、置換もしくは非置換のアリールアミン基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアリールアルキル基、置換もしくは非置換のアリールアルケニル基、置換もしくは非置換の複素環基、ニトリル基およびアセチレン基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換されたC6−40のアリール基;ハロゲン基、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、置換もしくは非置換のアリールアミン基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアリールアルキル基、置換もしくは非置換のアリールアルケニル基、置換もしくは非置換の複素環基、ニトリル基およびアセチレン基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換され、異種原子としてO、NまたはSを有するC4−40の複素環基;アルキル基、アルケニル基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアリールアルキル基、置換もしくは非置換のアリールアルケニル基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換されたアミン基;アルキル基、アルケニル基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアリールアルキル基、置換もしくは非置換のアリールアルケニル基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換されたフルオレニル基;ビススピロフルオレニル基;ニトリル基;シアノ基;ニトロ基;アミド基;エステル基;シラン基およびゲルマニウム基からなる群から選択され、
は、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアリールアルキル基、置換もしくは非置換のアリールアルケニル基、置換もしくは非置換の複素環基、ニトリル基およびアセチレン基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換されたC1−40のアルキル基;ハロゲン基、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアリールアルキル基、置換もしくは非置換のアリールアルケニル基、置換もしくは非置換の複素環基、ニトリル基およびアセチレン基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換されたC1−40のアルコキシ基;ハロゲン基、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアリールアルキル基、置換もしくは非置換のアリールアルケニル基、置換もしくは非置換の複素環基、ニトリル基およびアセチレン基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換されたC6−40のアリール基;ハロゲン基、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアリールアルキル基、置換もしくは非置換のアリールアルケニル基、置換もしくは非置換の複素環基、ニトリル基およびアセチレン基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換され、異種原子としてO、NまたはSを有するC4−40の複素環基;アルキル基、アルケニル基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアリールアルキル基、置換もしくは非置換のアリールアルケニル基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換されたフルオレニル基;ビススピロフルオレニル基;ニトリル基;シアノ基;ニトロ基;エステル基;シラン基;ゲルマニウム基およびハロゲン基からなる群から選択され、
またはRのうちの少なくとも1つは下記化学式2の構造を含み、
【化2】

前記化学式2において、R〜Rは、各々独立に、水素;ハロゲン基;ハロゲン基、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアリールアルキル基、置換もしくは非置換のアリールアルケニル基、置換もしくは非置換の複素環基、ニトリル基およびアセチレン基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換されたC1−40のアルキル基;ハロゲン基、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアリールアルキル基、置換もしくは非置換のアリールアルケニル基、置換もしくは非置換の複素環基、ニトリル基およびアセチレン基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換されたC1−40のアルコキシ基;ハロゲン基、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアリールアルキル基、置換もしくは非置換のアリールアルケニル基、置換もしくは非置換の複素環基、ニトリル基およびアセチレン基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換されたC2−40のアルケニル基;ハロゲン基、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアリールアルキル基、置換もしくは非置換のアリールアルケニル基、置換もしくは非置換の複素環基、ニトリル基およびアセチレン基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換されたC6−40のアリール基;ハロゲン基、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、置換もしくは非置換のアリールアミン基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアリールアルキル基、置換もしくは非置換のアリールアルケニル基、置換もしくは非置換の複素環基、ニトリル基およびアセチレン基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換され、異種原子としてO、NまたはSを有するC4−40の複素環基;アルキル基、アルケニル基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアリールアルキル基、置換もしくは非置換のアリールアルケニル基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換されたアミン基;ニトリル基;ニトロ基;アミド基;エステル基;シラン基およびゲルマニウム基からなる群から選択され、ここで、これらは互いに隣接する基と脂肪族またはヘテロの縮合環を形成することができる。
【請求項2】
前記Y〜Yは、各々独立に、ハロゲン基、C1−20のアルキル基、C6−20のアリール基、C7−20のアリールアルキル基およびC4−20の複素環基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換されたC6−20のアリーレン基;ハロゲン基、C1−20のアルキル基、C6−20のアリールアミン基、C6−20のアリール基、C7−20のアリールアルキル基およびC4−20の複素環基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換され、異種原子としてO、NまたはSを有するC4−20の2価の複素環基;およびC1−20のアルキル基、C6−20のアリール基およびC7−20のアリールアルキル基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換されたフルオレニレン基からなる群から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
前記Y〜Yは、各々独立に、フェニル基、ビフェニル基、テルフェニル基、スチルベン、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントレン基、ピレニル基、ペリレニル基、フルオレン基、チオフェン基、フラン基、ピロール基、イミダゾール基、チアゾール基、オキサゾール基、オキサジアゾール基、トリアゾール基、ピリジル基、ピラダジン基、キノリニル基、イソキノリン基およびアクリジル基からなる群から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
前記R、RおよびRは、各々独立に、C1−20のアルキル基、C6−20のアリール基、C7−20のアリールアルキル基およびC4−20の複素環基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換されたC1−20のアルキル基;ハロゲン基、C1−20のアルキル基、C6−20のアリールアミン基、C6−20のアリール基、C7−20のアリールアルキル基およびC4−20の複素環基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換されたC6−20のアリール基;ハロゲン基、C1−20のアルキル基、C6−20のアリールアミン基、C6−20のアリール基、C7−20のアリールアルキル基およびC4−20の複素環基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換され、異種原子としてO、NまたはSを有するC4−20の複素環基;C1−20のアルキル基、C6−20のアリール基およびC7−20のアリールアルキル基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換されたアミン基;C1−20のアルキル基またはC6−20のアリール基で置換されたフルオレニル基;ビススピロフルオレニル基;シアノ基;ニトロ基;およびC6−20のアリール基で置換されたシラン基からなる群から選択され、
〜Rは、各々独立に、水素;ハロゲン基;ハロゲン基、C1−20のアルキル基、C6−20のアリール基、C7−20のアリールアルキル基およびC4−20の複素環基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換されたC1−20のアルキル基;ハロゲン基、C1−20のアルキル基、C6−20のアリール基、C7−20のアリールアルキル基およびC4−20の複素環基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換されたC6−20のアリール基;およびハロゲン基、C1−20のアルキル基、C6−20のアリールアミン基、C6−20のアリール基、C7−20のアリールアルキル基およびC4−20の複素環基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換され、異種原子としてO、NまたはSを有するC4−40の複素環基からなる群から選択され、ここで、これらは互いに隣接する基と脂肪族またはヘテロの縮合環を形成できることを特徴とする、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
前記Rは、C1−20のアルキル基、C6−20のアリール基、C7−20のアリールアルキル基およびC4−20の複素環基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換されたC1−20のアルキル基;ハロゲン基、C1−20のアルキル基、C6−20のアリール基、C7−20のアリールアルキル基およびC4−20の複素環基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換されたC6−20のアリール基;ハロゲン基、C1−20のアルキル基、C6−20のアリール基、C7−20のアリールアルキル基およびC4−20の複素環基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換され、異種原子としてO、NまたはSを有するC4−20の複素環基;C1−20のアルキル基またはC6−20のアリール基で置換されたフルオレニル基;ビススピロフルオレニル基;シアノ基;ニトロ基;C6−20のアリール基で置換もしくは非置換されたシラン基;およびハロゲン基からなる群から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
前記R〜Rは、各々独立に、フェニル基、ビフェニル基、テルフェニル基、スチルベン、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントレン基、ピレニル基、ペリレニル基、フルオレン基、チオフェン基、フラン基、ピロール基、イミダゾール基、チアゾール基、オキサゾール基、オキサジアゾール基、トリアゾール基、ピリジル基、ピラダジン基、キノリニル基、イソキノリン基およびアクリジル基からなる群から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
前記Rは、メチル基、エチル基およびプロピル基からなる群から選択されるアルキル基;フェニル基、ビフェニル基およびナフチル基からなる群から選択されるアリール基;フルオレニル基;およびビススピロフルオレニル基からなる群から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
前記Rは、チオフェン基およびフラン基からなる群から選択される複素環基;メトキシ基およびエトキシ基からなる群から選択されるアルコキシ基;シアノ基;ニトロ基;シラン基;およびハロゲン基からなる群から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
前記化学式2の構造は下記構造式のうちの1つであることを特徴とする、請求項1に記載の化合物。
【化3−1】

【化3−2】

【化3−3】

【請求項10】
前記化合物は下記構造式1〜構造式80のうちのいずれか1つで示される化合物であることを特徴とする、請求項1に記載の化合物。
【化4−1】

【化4−2】

【化4−3】

【化4−4】

【化4−5】

【化4−6】

【化4−7】

【化4−8】

【化4−9】

【化4−10】

【化4−11】

【化4−12】

【化4−13】

【化4−14】

【請求項11】
第1電極、第2電極、および前記第1電極と第2電極との間に配置された1層以上の有機物層を含む有機電子素子であって、前記有機物層のうちの1層以上は請求項1〜10のうちのいずれか1項の化合物を含むことを特徴とする有機電子素子。
【請求項12】
前記有機物層は正孔注入層および正孔輸送層のうちの少なくとも1つを含み、前記正孔注入層または正孔輸送層は前記化学式1で示される化合物を含むことを特徴とする、請求項11に記載の有機電子素子。
【請求項13】
前記有機物層は発光層を含み、前記発光層は前記化学式1で示される化合物を含むことを特徴とする、請求項11に記載の有機電子素子。
【請求項14】
前記有機電子素子は、有機発光素子、有機燐光素子、有機太陽電池、有機感光体(OPC)および有機トランジスタからなる群から選択されることを特徴とする、請求項11に記載の有機電子素子。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2012−505205(P2012−505205A)
【公表日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−530942(P2011−530942)
【出願日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際出願番号】PCT/KR2009/005736
【国際公開番号】WO2010/041872
【国際公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【出願人】(500239823)エルジー・ケム・リミテッド (1,221)
【Fターム(参考)】