説明

新規のエチレン性コポリマー、該コポリマーを含有する組成物、調製及び処理方法

本発明は、特定の中和剤で中和された、ポリエチレングリコール(メタ)アクリラートモノマー、カチオン性モノマー、及び場合によっては両性、アニオン性及び/又は親水性の非イオン性モノマーを含有する、新規のエチレン性コポリマーに関する。また本発明は、前記コポリマーを含有する特定の化粧品用又は製薬用組成物、並びに該コポリマーの調製方法、及びそれらを使用する美容処理方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【発明の開示】
【0001】
本発明は、新規のポリマー、特に化粧品におけるそれらの用途、及びそれらを含有する組成物に関する。
【0002】
例えば毛髪に保持力又はボリューム(body)を付与するために、化粧品、特にヘアケアにおいてはポリマーを使用することが知られている。「すすがれる」毛髪用組成物、例えばシャンプー又は毛髪用コンディショナーの分野においては、水溶性の合成カチオン性ポリマーが特に使用されており、毛髪に良好な化粧品特性を付与することが知られているが;これらのポリマーでは、任意の毛髪に成形効果を提供できない。同様に、天然由来のカチオン性ポリマー、例えば変性グアールのケースでも、化粧品特性は付与するが、毛髪の成形はできない。スタイリングを可能にし、許容可能な化粧品特性を有する組成物は、すすがれる組成物の分野においては知られていない。「そのまま残る」毛髪用組成物、例えばスタイリング用のラッカー、ゲル又はスプレー型のスタイリング用製品の分野においては、毛髪にスタイリング効果及び保持力を付与するポリマーが、継続して探究されている。アミン単位を有するポリマー、例えばビニルピロリドン及びジメチルアミノエチルメタクリラートをベースにしたポリマー(ガフィックス(Gaffix)ポリマー)が、スタイリング用製品において公知である。しかしながら、得られた組成物は、経時的な保持力が不十分であった。第4級化されたビニルイミダゾール及びビニルピロリドンをベースにしたルビクアット(Luviquat)型のポリマーも公知であり、柔軟性を付与するが、組成物を増粘させてしまう。
【0003】
本発明の目的は、実際にスタイリング効果を付与可能であると同時に、組成物の許容可能な化粧品特性を保存可能なポリマー、特にそれらを含有する組成物の粘度をごくわずかしか変化させない難粘性ポリマーを提案することにある。多くの研究により、本出願人は、とりわけ、以下に記載するポリエチレングリコール(メタ)アクリラート型モノマーを含有するポリマーを使用すると、適切な化粧品特性を有するスタイリング用組成物を調製可能であることを示している。
ポリエチレングリコール(メタ)アクリラート(MPEG)単位を有するポリマーは、従来技術に記載されている。
例えば、欧州特許第372546号には、MPEGとC1-C8アルキル(メタ)アクリルアミド型のモノマーをベースにし、カチオン性モノマーを含んでいてもよいコポリマーが開示されている。しかしながら、これらのポリマーは、少ない割合でしかカチオン性モノマーを含有しておらず、適切な化粧品効果を生じ、特に所望の特性を提供するのに十分な程度で毛髪に付与することができなかった。
毛髪に前記ポリマーを満足のいく程度に付与するために、高カチオン性電荷量を有するポリマーを使用することが好ましいことに気付いていることが、本出願人の功績である。
【0004】
日本国特許第2002-322219号公報には、ポリプロピレングリコール(PPO)又はポリテトラメチレンオキシドをベースにした疎水性モノマーと、カチオン性モノマーとを組合せて、MPEG単位を有するポリマーが記載されている。しかしながら、疎水性モノマーを有するこれらのポリマーでは、満足のいく化粧品特性を得ることができないことが見出された。
PEG型のモノマーが第4級アミン単位を有するモノマーと組合せられたカチオン性ポリマーを含有する組成物も、日本国特許第2002-284627号において公知である。しかしながら、第4級単位の存在により、適用中、徐々に過剰付与が誘発されるおそれがあり、あるケースにおいては、組成物の化粧品質に害をなすおそれもある。さらに、これらのポリマーは、約0.5%〜6%と低含有量のカチオン性電荷を有しており、毛髪との最適親和性が許容できない。
【0005】
また、日本国特許第2003-055164号には、MPEG型の単位を有するポリマーが開示されているが;これらのポリマーは架橋しており、合成の制御が困難になってしまう。
日本国特許第2000-302649号には、カチオン性又は両性モノマー、特にPEG又はPPO型のポリエーテル基を有するモノマー、さらに主として疎水性であってもよい任意のポリマー(例えばメタクリル酸ステアリル)を含むポリマーを含有するヘアケア用組成物が記載されている。
【0006】
イオン性、カチオン性又は両性モノマー、及び主として疎水性であるC1-C24(メタ)アクリル酸アルキル型の付加的なモノマーと組合せて、MPEG型のモノマーを含むポリマーを含有するヘアケア用組成物も、日本国特許第07-285831号にて公知である。
しかしながら、例えばアクリル酸ブチル又はステアリル型の疎水性コモノマーが存在することにより、適切な化粧品特性を得ることはできなくなり、特にシャンプー直後の湿った毛髪のもつれを良好にほぐすことができない。
また、2つのエチレン性ブロックで囲まれたポリ(アルキレングリコール)ブロックを有する直鎖状のブロックコポリマーについて記載している、国際公開第03/075867号も公知である。これらのポリマーには、高質量のポリ(アルキレングリコール)型の中心ブロックを有するという欠点があり、ポリマーには高結晶化度が付与され、不透明な製品及び/又は脂性感のある製品に至るおそれがあった。
【0007】
本出願人は、化粧品であるヘアケア用製品に、スタイリング及びコンディショニング効果を付与可能な、新規のポリマーを見出した。
驚くべきことに、本発明のポリマーは、例えばシャンプータイプの調製物の適用中、優れた化粧品特性を有し;特にシャンプー中、及び/又は毛髪がまだ湿っている時のもつれを容易にほぐし;さらに毛髪を柔軟にすることが見出され;また乾燥後、本発明の組成物により、毛髪が乾燥すると直ぐに、特に有利なことであるが、毛髪を成形することができるようになる。
本説明により束縛されることを望むものではないが、このことは、特にポリマー鎖中にPEG(メタ)アクリラート(MPEG)単位が存在するためであろうと考えられ、これらの単位は得られる効果にかなり寄与している。特に、これらの効果は、カチオン性ポリマーとPEG型のポリマーとを単に混合することで得られるものではないことが見出されている。
またこれらの効果は、ポリマーのカチオン性単位が中和されているという事実、特に有機の中和剤で中和されているという事実に関連している。
【0008】
よって、本発明の主題の一つは、ポリマーの全重量に対する重量パーセントで:
−a)10〜80重量%の一又は複数の以下に記載する式(I)のモノマー;
−b)20〜90重量%の、以下に記載する式(IIa)のモノマーから選択される、少なくとも一のカチオン性モノマー又はその塩;
を含有するエチレン性コポリマーであって;
該コポリマーが、ブレンステッドの意味の有機酸から選択される少なくとも一の中和剤で少なくとも部分的に中和されているコポリマーにある。
本発明の他の主題は、生理学的に許容可能な媒体に、少なくとも一のこのようなコポリマーを含有せしめてなる組成物にある。
【0009】
本発明のさらなる他の主題は、ポリマーの構造に含まれるモノマーのアミン単位、特に式(IIa)のカチオン性モノマーのアミン単位を、それらの重合前に中和し、ついで、中和されたモノマーを、所望のコポリマーを得るために共重合させる、前記エチレン性コポリマーを調製するための方法にある。
また本発明のさらなる他の主題は、コポリマーの構造に含まれる中和されていないモノマーを共重合させ、ついで形成後に、該コポリマーを中和する、前記エチレン性コポリマーを調製するための方法にある。
【0010】
よって、本発明のポリマーにより、特に毛髪が湿っている時、またそればかりでなく毛髪が乾燥している時にも、良好な化粧品特性、特にもつれのほぐれやすさ及び/又は滑らかさが付与される。またこれらのポリマーにより、毛髪には柔軟性も付与される。
さらに本発明は、一般的に水により搬送させる、すなわち水溶性又は水分散性のポリマーを提案するといった利点を有し、それにより、特にスキンケア又はヘアケア用で、一般的に水をベースとした化粧品用組成物に有利に使用することができる。
【0011】
「水溶性」なる用語は、ポリマーが、25℃、少なくとも5重量%の割合で、透明な水溶液を形成することを意味する。
「水分散性」なる用語は、ポリマーが、25℃、5重量%の濃度で、水中に、微細で、一般的には球形粒子の安定した懸濁液又は分散液を形成することを意味する。前記分散液を構成する粒子の平均径は1μm未満であり、より一般的には5〜400nm、好ましくは10〜250nmの範囲である。これらの粒子径は光散乱により測定される。
【0012】
本記載の残余において、「環状基」なる用語は、一又は複数の飽和及び/又は不飽和であり、置換されていてもよい環であってよい単環基又は多環基(例えば、シクロヘキシル、シクロデシル、ベンジル又はフルオレニル)、さらには一又は複数の該基を有する基(例えば、p-tert-ブチルシクロヘキシル又は4-ヒドロキシベンジル)を意味する。
「飽和及び/又は不飽和の基」なる用語は、芳香族基を含む、全体的に不飽和の基、全体的に飽和した基、さらには一又は複数の二重結合及び/又は三重結合を有し、残りの結合が単結合である基を意味する。
【0013】
よって、本発明のエチレン性コポリマーは、単独で又は混合物として存在し得る、少なくとも一の次の式(I):
【化1】

[上式中:
− R1は、水素原子、又はpが1〜12の整数であるC2p+1型の、直鎖状又は分枝状の炭化水素ベース基であり;
− Zは、-COO-、-CONH-、-CONCH-、-OCO-、-O-、-SO-、-CO-O-CO-及び-CO-CH-CO-から選択される二価の基であり;
− xは0又は1であり;
− R2は、飽和又は不飽和、芳香族であってもよく、直鎖状、分枝状又は環状で、場合によってはO、N、S、F、Si及びPから選択される1〜18のヘテロ原子を有し、1〜30の炭素原子を有する炭素ベースの二価の基であり;
− mは0又は1であり;
− nは3〜300の整数であり;
− R3は、水素原子、又は飽和又は不飽和、芳香族であってもよく、直鎖状、分枝状又は環状で、場合によってはO、N、S、F、Si及びPから選択される1〜20のヘテロ原子を有し、1〜30の炭素原子を有する炭素ベースの基である]
のモノマー及びそれらの塩を含有する。
【0014】
R1は、特にメチル、エチル、プロピル又はブチル基を表してよい。好ましいR1は水素又はメチル基を表す。
好ましくは、ZはCOO又はCONHを表す。
好ましくは、xは1に等しい。
【0015】
R2基において、ヘテロ原子(類)が存在する場合、それらは該R2基の鎖中に挿入されてよく、又は、該R2基は、ヒドロキシ又はアミノ(R'及びR''が同一でも異なっていてもよい、直鎖状又は分枝状のC1-C22アルキル、特にメチル又はエチルを表す、NH2、NHR'又はNR'R'')等を含む一又は複数の基で置換されていてもよい。
R2は、特に:
− アルキレン基、例えばメチレン、エチレン、プロピレン、n-ブチレン、イソブチレン、tert-ブチレン、n-ヘキシレン、n-オクチレン、n-ドデシレン、n-オクタデシレン、n-テトラデシレン又はn-ドコサニレン;
− O、N、S、F、Si及びPから選択される1〜25のヘテロ原子を有していてもよい、C1-C12アルキル基で置換されていてもよいフェニレン基-C-(オルト、メタ又はパラ);又はO、N、S、F、Si及びPから選択される1〜8のヘテロ原子を有していてもよい、C1-C12アルキル基で置換されていてもよいベンジレン基-C-CH-;
− 次の式:
【化2】

[R'1ないしR'4は同一でも異なっていてもよく、O、N、S、F、Si及びPから選択される1〜8のヘテロ原子を有していてもよい、C1-C12アルキル基、及びHから選択され;R'1ないしR'4は、特にメチル及び/又はエチルであってよい]
のピリジニウム基;
− 式-CH-O-CO-O-、CH-CH-O-CO-O-、-CH-CO-O-、-CH-CH-CO-O-、-CH-O-CO-NH-、-CH-CH-O-CO-NH-;-CH-NH-CO-NH-、-CH-CH-NH-CO-NH-;-CH-CHOH-、-CH-CH-CHOH-、-CH-CH-CH(NH)-、-CH-CH(NH)-、-CH-CH-CH(NHR')-、-CH-CH(NHR')-、-CH-CH-CH(NR'R'')-、-CH-CH(NR'R'')-、-CH-CH-CH-NR'-、-CH-CH-CH-O-;-CH-CH-CHR'-O-で、R'及びR''が、O、N、S、F、Si及びPから選択される1〜12のヘテロ原子を有していてもよい、直鎖状又は分枝状のC1-C22アルキルを表すもの;又は
− これらの基の混合物;
であってよい。
【0016】
好ましくは、nは5〜200、好ましくは7〜100、特に9〜50である。
好ましくは、R3は水素原子;O、N、S、F、Si及びPから選択される1〜8のヘテロ原子を有していてもよい、C1-C12アルキル基で置換されていてもよいベンジル又はフェニル基;O、N、S、F、Si及びPから選択される1〜18のヘテロ原子を有していてもよい、C1-C30、特にC1-C22、又はC2-C16アルキル基である。
これらのベンジル、フェニル又はアルキル基は、特に次の官能基:
【表1】

から選択され;又は-SOH、-COOH、-PO、- NR5R6及び-NR5R6R7で、R5、R6及びR7は互いに独立して、H、及び直鎖状、分枝状又は環状のC1-C18アルキル、特にメチルで、一又は複数のヘテロ原子を有していてよく、t-ブチルオキシカルボニル(BOCとしても公知)又は9-フルオレニルメトキシカルボニル(Fmocとしても公知)等の、保護基を担持していてもよいものから選択される官能基をさらに含んでいてもよい。
【0017】
R3基としては、メチル、エチル、プロピル、ベンジル、エチルヘキシル、ラウリル、ステアリル及びベヘニル(-(CH)21-CH)鎖、さらにフルオロアルキル鎖、例えばヘプタデカフルオロオクチルスルホニルアミノエチルCF-(CF)-SO-N(C)-CH-CH;又は-CH-CH-CN、スクシンイミド、マレイミド、メシチル、トシル、トリエトキシシラン又はフタルイミド鎖を挙げることができる。
式(I)のモノマーの可能なアミン単位は、以下に記載する方式において中和されてもよい。
【0018】
特に好ましい式(I)のモノマーとしては:
− R1がH又はメチルであり;ZがCOOであり、x=1、m=0及びR3=Hである、ポリ(エチレングリコール)(メタ)アクリラート;
− R1がH又はメチルであり、ZがCOOであり、x=1、m=0及びR3=メチルである、メトキシポリ(エチレングリコール)(メタ)アクリラートとしても公知の、メチルポリ(エチレングリコール)(メタ)アクリラート;
− R1がH又はメチルであり、ZがCOOであり、x=1、m=0及びR3=アルキルである、アルキルポリ(エチレングリコール)(メタ)アクリラート;
− R1がH又はメチルであり、ZがCOOであり、x=1、m=0及びR3=フェニルである、ポリ(エチレングリコール)フェニルエーテル(メタ)アクリラートとしても公知の、フェニルポリ(エチレングリコール)(メタ)アクリラート;
− 次のモノマー
【化3】

[上式中、nは、好ましくは3〜100、特に5〜50、又は7〜30である]
を挙げることができる。
【0019】
好ましくは、式(I)のモノマーは、350〜13000g/mol、特に500〜8000g/molの分子量を有する。
特に好ましい式(I)のモノマーは、ポリ(エチレングリコール)(メタ)アクリラート類及びメチルポリ(エチレングリコール)(メタ)アクリラート類で、好ましくは350〜13000g/mol、特に500〜8000g/molの分子量を有するものから選択される。
ポリ(エチレングリコール)(メタ)アクリラート、特に350〜13000g/mol、中でも500〜8000g/molの分子量を有するものが最も好ましい。
【0020】
市販されているモノマーの例は:
− サートマー・ケミカル社(Sartomer Chemicals)から販売されている、CD550(メトキシポリ(エチレングリコール550)メタクリラート)、及びCD350(メトキシポリ(エチレングリコール350)メタクリラート);
− シン-ナカムラ・ケミカル社(Shin-Nakamura Chemicals)から入手可能な、M230G(メトキシポリエチレングリコールメタクリラート(23の繰り返し単位))、及びM90G(メトキシポリエチレングリコールメタクリラート(9の繰り返し単位));
− シグマ-アルドリッチ社(Sigma-Aldrich)から入手可能な、平均分子量300、475又は1100を有するメトキシポリ(エチレングリコール)メタクリラート;
− シグマ-アルドリッチ社から入手可能な、平均分子量426を有するメトキシポリ(エチレングリコール)アクリラート;
− 商品名:MPEG350、MPEG550、S10W、S20Wとしてラポルト社(Laporte)から入手可能な、メトキシポリ(エチレングリコール)メタクリラート;
− ポリサイエンス社(Polysciences)からの、平均分子量1900又は5000を有するポリ(エチレングリコール)モノメチルエーテル、モノ(スクシンイミジルスクシナート)エステル;
− シポマー(Sipomer)BEMの名称で、ローディア社(Rhodia)から入手可能な、ベヘニルポリ(エチレングリコールPEG-25)メタクリラート;
− アルドリッチ社から入手可能な、平均分子量236、280又は324を有するポリ(エチレングリコール)フェニルエーテルアクリラート;
− フルカ社(Fluka)から商業的に入手可能なメトキシポリエチレングリコール5000-2-(ビニルスルホニル)エチルエーテル;
− アルドリッチ社から入手可能なポリエチレングリコールエチルエーテルメタクリラート;
− モノマー&ポリマーダジャックラボラトリー(Monomer & Polymer Dajac Laboratories)からの、ポリエチレングリコール8000、4000、2000メタクリラート;
− ネクター・モリキュール・エンジニアリング(Nektar Molecule Engineering)(Shearwater)から商業的に入手可能なポリエチレングリコール-N-ヒドロキシスクシンイミドビニルスルホン;
である。
【0021】
式(I)のモノマーは、単独で又は混合物として、最終ポリマーの重量に対して10重量%〜80重量%、特に20重量%〜60重量%、好ましくは30重量%〜50重量%の割合で存在している。
【0022】
また本発明のエチレン性コポリマーは、式(IIa)のモノマーから選択される、少なくとも一のカチオン性モノマー又はその塩を含有する。
式(IIb)のもの及び/又は無水マレイン酸から選択されるアニオン性モノマー、及び/又は式(IIc)及び(IId)の両性モノマーから選択される、一又は複数の付加的なイオン性モノマーをさらに含有していてもよい。
【0023】
「カチオン性モノマー」なる用語は、3〜12の範囲のpHにおいて、カチオン電荷を担持可能な単位を有するモノマーを意味する。これらの単位はpHにかかわらず、永久荷電を必ずしも有さない。カチオン性単位は、これらのpH値のそれぞれにおいて、プロトン化される必要ない。
例えば、カチオン性モノマー又はその塩は、次の式(IIa)
【化4】

のモノマーから選択される。
− R1は、水素原子、又はpが1〜12の整数であるC2p+1型の直鎖状又は分枝状の炭化水素ベース基である。
R1は特に、メチル、エチル、プロピル又はブチル基を表してよい。またR1は水素又はメチル基を表すのが好ましい。
− Z'は、-COO-、-CONH-、-CONCH-、-OCO-、又は-O-、-SO-、-CO-O-CO-又は-CO-CH-CO-から選択される二価の基である。
好ましくは、Z'はCOO及びCONHから選択される。
− x'は0又は1、好ましくは1である。
【0024】
− R'2は、飽和又は不飽和、芳香族であってもよく、直鎖状、分枝状又は環状で、場合によってはO、N、S、F、Si及びPから選択される1〜18のヘテロ原子を有し、1〜30の炭素原子を有する炭素ベースの二価の基である。
R'2基において、ヘテロ原子(類)が存在する場合、該ヘテロ原子は該R'2基の鎖中に挿入されてよく、又は、該R'2基は、ヒドロキシル又はアミノ(R'及びR''が同一でも異なっていてもよい、直鎖状又は分枝状のC1-C22アルキル、特にメチル又はエチルを表す、NH2、NHR'又はNR'R'')等を含む一又は複数の基で置換されていてもよい。
R'2は、特に:
− アルキレン基、例えばメチレン、エチレン、プロピレン、n-ブチレン、イソブチレン、tert-ブチレン、n-ヘキシレン、n-オクチレン、n-ドデシレン、n-オクタデシレン、n-テトラデシレン又はn-ドコサニレン;
− N、O、S、F、Si及び/又はPから選択される1〜25のヘテロ原子を有していてもよい、C1-C12アルキル基で置換されていてもよいフェニレン基-C-(オルト、メタ又はパラ);又はO、N、S、F、Si及びPから選択される1〜25のヘテロ原子を有していてもよい、C1-C12アルキル基で置換されていてもよいベンジレン基-C- CH-;
− 式-CH-O-CO-O-、CH-CH-O-CO-O-、-CH-CO-O-、-CH-CH-CO-O-、-[(CH)-CO-O]-、-CH-CH(CH)-O-、-(CH)-O-、-CH-O-CO-NH-、-CH-CH-O-CO-NH-;-CH-NH-CO-NH-又は-CH-CH-NH-CO-NH-、-CH-CHOH-、-CH-CH-CHOH-、-CH-CH-CH(NH)-、-CH-CH(NH)-、-CH-CH-CH(NHR')-、-CH-CH(NHR')-、-CH-CH-CH(NR'R'')-、-CH-CH(NR'R'')-、-CH-CH-CH-NR'-、-CH-CH-CH-O-;-CH-CH-CHR'-O-で、R'及びR''が、O、N、S、F、Si及びPから選択される1〜12のヘテロ原子を有していてもよい、直鎖状又は分枝状のC1-C22アルキルを表すもの;又は
− これらの基の混合物;
であってよい。
【0025】
− m'は0又は1である;
− Xは、グアニジノ又はアミジノ基、又は式-N(R)(R)又は-P(R)(R)又は-Pの基であり、ここでR6、R7及びR8は互いに独立して、(i)水素原子、又は(ii)直鎖状、分枝状又は環状で飽和又は不飽和であり、芳香族であってもよく、場合によってはO、N、S、F、Si及びPから選択される1〜10のヘテロ原子を有し、1〜18の炭素原子を有するアルキル基を表し、又は(iii)R6及びR7が窒素又はリン原子と共同して、全体で5、6、7又は8の原子、特に4、5又は6の炭素原子、及び/又はO、S及びNから選択される2〜4のヘテロ原子を有し、芳香族であってもよい飽和又は不飽和の第1の環を形成してよく;該第1の環は、5、6又は7の原子、特に4、5、6又は7の炭素原子、及び/又はO、S及びNから選択される2〜4のヘテロ原子をそれぞれ有し、芳香族であってもよい一又は複数の他の飽和又は不飽和の環と縮合可能である。
例えば、R6及びR7は、水素、及びメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、t-ブチル、イソブチル、オクチル、ラウリル又はステアリル基から選択されてよい。
好ましくは、R6及びR7はそれぞれ独立して、H、CH及びCから選択される。
【0026】
また、Xは-R'6-N-R'7-基を表してよく、ここでR'6及びR'7は窒素原子と共同して、全体で5、6、7又は8の原子、特に4、5又は6の炭素原子、及び/又はO、S及びNから選択される2〜4のヘテロ原子を有し、芳香族であってもよい飽和又は不飽和の環を形成し;該環は、5、6又は7の原子、特に4、5、6、7又は8の炭素原子、及び/又はO、S及びNから選択される2〜4のヘテロ原子をそれぞれ有し、芳香族であってもよい一又は複数の他の飽和又は不飽和の環と縮合可能である。
例えば、Xは、第3級アミン基を有する芳香族又は非芳香族環を構成してよく、又は第3級窒素を有する芳香族又は非芳香族の複素環を表してもよい。
これらの好ましいX基としては、ピリジン、インドリル、イソインドリニル、イミダゾリル、イミダゾリニル、ピペリジル、ピラゾリニル、ピラゾリル、キノリン、ピラゾリニル、ピリジル、ピペラジニル、ピロリジニル、キニジニル、チアゾリニル、モルホリン、グアニジノ又はアミジノ型の基、及びそれらの混合物を挙げることができる。
グアニジノ及びアミジノ基は、それぞれ次の式:
【表2】

のものである。
【0027】
式(IIa)のモノマーのカチオン性単位(アミン類)は、以下に記載の方式において、この段階で中和されてもよい。
式(IIa)の好ましいモノマーとしては、次の式:
【化5】

のものを挙げることができる。
特に好ましい式(IIa)のモノマーとしては、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリラート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリラート、ビニルイミダゾール、ビニルピリジン、及びモルホリノエチル(メタ)アクリラート、及びそれらの混合物を挙げることができる。
【0028】
言うまでもなく、コポリマーは、種々の式(IIa)のカチオン性モノマーの混合物をさらに含有してよい。
式(IIa)のカチオン性モノマーは、最終ポリマーの重量に対して、好ましくは20重量%〜90重量%、特に40重量%〜80重量%、さらに好ましくは50重量%〜70重量%の割合で存在する。
【0029】
また、エチレン性コポリマーは、式(IIb)のもの及び/又は無水マレイン酸から選択されるアニオン性モノマー、及び/又は式(IIc)及び(IId)の両性モノマーから選択される、少なくとも一の付加的なイオン性モノマーをさらに含有していてもよく、ここで、該モノマーは以下の式のモノマーである。
【化6】



− R1、Z'、x'、R'2及びm'は、式(IIa)で上述した同様の意味を有する。
− Yは、-COOH、-SOH、-OSOH、-PO及び-OPOから選択される基である。従来技術において、SO及びPOH基は、それぞれS及びP原子を介してR'2に結合していると理解されている。
【0030】
− X'は、式-N(R)(R)-の二価の基であり、ここでR6及びR7は互いに独立して、(i)水素原子、又は(ii)直鎖状、分枝状又は環状で、芳香族であってもよく、場合によってはO、N、S及びPから選択される1〜20のヘテロ原子を有し、1〜25の炭素原子を有するアルキル基を表し、又は(iii)R6及びR7は窒素原子と共同して、全体で5、6、7又は8の原子、特に4、5、6又は7の炭素原子、及び/又はO、S及びNから選択される2〜3のヘテロ原子を有し、芳香族であってもよい飽和又は不飽和の第1の環を形成してよく;該第1の環は、5、6、7又は8の原子、特に4、5、6又は7の炭素原子、及び/又はO、S及びNから選択される2〜3のヘテロ原子をそれぞれ有し、芳香族であってもよい一又は複数の他の飽和又は不飽和の環と縮合可能である。
例えば、R6及びR7は、水素、及びメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、t-ブチル又はイソブチル基から選択されてよい。
好ましいX'基としては、ピリジン、インドリル、イソインドリニル、イミダゾリル、イミダゾリニル、ピペリジル、ピラゾリニル、ピラゾリル、キノリン、ピラゾリニル、ピリジル、ピペラジニル、ピロリジニル、キニジニル、チアゾリニル、モルホリン、グアニジノ又はアミジノ型の基、及びそれらの混合物を挙げることができる。
− Y'は、-COO、-SO、-OSO、-PO2−及び-OPO2−から選択される基である。
【0031】
− R'3は、飽和又は不飽和、芳香族であってもよく、直鎖状、分枝状又は環状で、場合によってはO、N、S、F、Si及びPから選択される1〜18のヘテロ原子を有し、1〜30の炭素原子を有する炭素ベースの二価の基である。
R'3基において、ヘテロ原子(類)が存在する場合、該ヘテロ原子は該R'3基の鎖中に挿入されてよく、又は、該R'3基は、ヒドロキシル又はアミノ(R'及びR''が同一でも異なっていてもよい、直鎖状又は分枝状のC1-C18アルキル、特にメチル又はエチルを表す、NH、NHR'又はNR'R'')等を含む一又は複数の基で置換されていてもよい。
R'3は、特に:
− アルキレン基、例えばメチレン、エチレン、プロピレン、n-ブチレン、イソブチレン、tert-ブチレン、n-ヘキシレン、n-オクチレン、n-ドデシレン、n-オクタデシレン、n-テトラデシレン又はn-ドコサニレン;
− O、N、S、F、Si及びPから選択される1〜5のヘテロ原子を有していてもよい、C1-C12アルキル基で置換されていてもよいフェニレン基-C-(オルト、メタ又はパラ);又はO、N、S、F、Si及びPから選択される1〜5のヘテロ原子を有していてもよい、C1-C12アルキル基で置換されていてもよいベンジレン基-C-CH-;
− 式-CH-O-CO-O-、CH-CH-O-CO-O-、-CH-CO-O-、-CH-CH-CO-O-、-[(CH)-CO-O]-、-CH-CH(CH)-O-、-(CH)-O-、-CH-O-CO-NH-、-CH-CH-O-CO-NH-;-CH-NH-CO-NH-又は-CH-CH-NH-CO-NH-、-CH-CHOH-、-CH-CH-CHOH-、-CH-CH-CH(NH)-、-CH-CH(NH)-、-CH-CH-CH(NHR')-、-CH-CH(NHR')-、-CH-CH-CH(NR'R'')-、-CH-CH(NR'R'')-、-CH-CH-CH-NR'-、-CH-CH-CH-O-;-[CH-CH-O]-及び-[CH-CH(CH)-O]-、-CH-CH-CHR'-O-で、R'及びR''が、O、N、S、F、Si及びPから選択される1〜12のヘテロ原子を有していてもよい、直鎖状又は分枝状のC1-C22アルキルを表すもの;又は
− これらの基の混合物;
であってよい。
− n'は1〜100、好ましくは1〜5である。
【0032】
− X''は式-Nの基であり、ここでR6、R7及びR8は互いに独立して、(i)水素原子、又は(ii)直鎖状、分枝状又は環状で、芳香族であってもよく、場合によってはO、N、S及びPから選択される1〜5のヘテロ原子を有し、1〜18の炭素原子を有するアルキル基を表し、又は(iii)R6及びR7が窒素原子と共同して、全体で5、6又は7の原子、特に4、5又は6の炭素原子、及び/又はO、S及びNから選択される2〜3のヘテロ原子を有し、芳香族であってもよい飽和又は不飽和の第1の環を形成してよく;該第1の環は、5、6又は7の原子、特に4、5、6又は7の炭素原子、及び/又はO、S及びNから選択される2〜3のヘテロ原子をそれぞれ有し、芳香族であってもよい一又は複数の他の飽和又は不飽和の環と縮合可能である。
例えば、R6、R7及びR8は、水素、及びメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、t-ブチル、イソブチル、オクチル、ラウリル又はステアリル基から選択されてよい。
好ましいX''基としては、トリメチルアンモニウム;トリエチルアンモニウム;N,N-ジメチル-N-オクチルアンモニウム;N,N-ジメチル-N-ラウリルアンモニウム基を挙げることができる。
【0033】
好ましいアニオン性モノマーとしては、無水マレイン酸、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸、2-カルボキシエチルアクリラート(CH=CH-C(O)-O-(CH)-COOH);スチレンスルホン酸、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、ビニル安息香酸、ビニルリン酸及びスルホプロピル(メタ)アクリラート、及びそれらの塩を挙げることができる。
【0034】
式(IIc)又は(IId)の好ましいモノマーとしては、N,N-ジメチル-N-(2-メタクリロイルオキシエチル)-N-(3-スルホプロピル)アンモニウムベタイン(特にラッシング(Rasching)社からのSPE);N,N-ジメチル-N-(3-メタクリルアミドプロピル)-N-(3-スルホプロピル)アンモニウムベタイン(ラッシング社のSPP)、及び1-(3-スルホプロピル)-2-ビニルピリジニウムベタイン(ラッシング社のSPV)、また2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンを挙げることができる。
【0035】
言うまでもなく、コポリマーは種々の付加的なイオン性モノマーの混合物を含有していてよい。
コポリマーが、付加的なイオン性モノマー、又は付加的なイオン性モノマーの混合物を含有している場合、該付加的なイオン性モノマーは、「付加的なカチオン性+イオン性モノマー」の混合物の重量に対して、好ましくは5重量%〜40重量%、特に10重量%〜30重量%、さらに好ましくは15重量%〜25重量%の割合で存在している。
イオン性モノマー(類)、すなわちカチオン性モノマー(類)+任意の付加的なイオン性モノマー(類)は、最終ポリマーの重量に対して20重量%〜90重量%、特に40重量%〜80重量%、好ましくは50重量%〜70重量%の割合で存在している。
好ましくは、本発明のポリマーは、式(I)のモノマーとイオン性モノマー(カチオン性モノマー+任意の両性及びアニオン性ポリマー)を、60/40〜40/60の範囲の重量比、好ましくは50/50の重量比で含有する。
【0036】
また、本発明のエチレン性コポリマーは、付加的な非イオン性モノマーをさらに含有していてもよい。付加的な非イオン性モノマーが含有されている場合、それらは、本発明の趣意においては「親水性」であるモノマーから好ましく選択される。
本記載において、「親水性」モノマーなる用語は、log P値としても公知である、1-オクタノール/水の見かけの分配係数の対数値が、2以下、例えば−8〜2、好ましくは1.5以下、特に1以下、中でも−7〜1、さらには−6〜0であるモノマーを意味する。
logP値は公知であり、1-オクタノールと水における、モノマーの濃度を測定する標準的なテストに従い決定される。
前記値は、特にACDソフトウェア(Advanced Chemistry Development)ソフトウェアソラリス(Solaris)V4.67を使用して算出されてよく;また探査QSAR:疎水性、電子及びステアリン酸定数(hydrophobic, electronic and stearic constants)(ACS専門参考図書(professional reference book), 1995)から得てもよい。さらに算出した値を提供するウェブサイトも存在する(アドレス:http://esc.syrres.com/interkow/kowdemo.htm)。
ACDソフトウェアを使用して決定された所定の一般的モノマーのlog P値を以下に付与する。
【表3】


【0037】
付加的な親水性の非イオン性モノマーは、単独で又は混合物として、次の式(III):
【化7】

[上式中:
− R'は水素又は-CHであり;
− Z''は、-COO-、-CONH-、-CONCH-、-OCO-、-SO-、-CO-O-CO-、-CO-CH-CO-及び-O-;好ましくはCOO及びCONHから選択される二価の基であり;
− x''は0又は1であり;
− R''は、飽和又は不飽和、芳香族であってもよく、直鎖状、分枝状又は環状で、場合によってはO、N、S、F、Si及びPから選択される1〜18のヘテロ原子を有し、1〜30の炭素原子を有する炭素ベース基である]
のものから特に選択され得る。
【0038】
R''基において、ヘテロ原子(類)が存在する場合、それらは該基の鎖に挿入されていてよく、又は該基は、ヒドロキシル、エステル、アミド、ウレタン又は尿素等、それらに含まれる一又は複数の基で置換されていてもよい。
R''は、特にメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、フェニル又はベンジル基、又は式-CH-CH-CHOH、-CH-CH-OH、-CH-CH-CHOH又はフルフリル基であってよい。
【0039】
付加的な親水性の非イオン性モノマーは、特に次のモノマー:メタクリル酸メチル、アクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸イソプロピル、メタクリル酸テトラヒドロフルフリル、アクリル酸テトラヒドロフルフリル、2-ヒドロキシエチルメタクリラート、2-ヒドロキシエチルアクリラート、メタクリル酸エトキシエチル、アクリル酸エトキシエチル、N-イソプロピルアクリルアミド、N-イソプロピルメタクリルアミド、N,N-ジメチルアクリルアミド、N,N-ジメチルメタクリルアミド、酢酸ビニル、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ビニルピロリドン、ビニルカプロラクタム、N-ビニルアセトアミド、アクリル酸ヒドロキシプロピル、N-ビニルラクタム、アクリルアミド、N-メチルアクリルアミド、N,N-ジメチルアクリルアミド、N-メチル-N-ビニルアセトアミド、N-ビニルホルムアミド、N-メチル-N-ビニルホルムアミド、ビニルアルコール(酢酸ビニルの形態に共重合させ、ついで加水分解)から特に選択される。
【0040】
付加的な親水性の非イオン性モノマーは、単独で又は混合物として、本発明のポリマーに存在しない(0%)か、又は最終ポリマーの重量に対して50重量%までの範囲の量で存在してよく;特に、ポリマーの全重量に対して0.1重量%〜35重量%、好ましくは1重量%〜25重量%、例えば3重量%〜15重量%、さらには5重量%〜9.5重量%の量で存在してよい。
しかしながら、この付加的な親水性の非イオン性モノマーがアクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、及びアクリル酸イソプロピルから選択される場合、これらのモノマーは、10重量%以上の量で存在することができないことが見出されている。例えば、これらのモノマーは、最終ポリマーの重量に対して、0〜9.5重量%、特に0.1重量%〜8重量%、好ましくは1重量%〜5重量%の割合で存在してよい。
【0041】
本発明の特定の一実施態様において、ポリマーは、単独で又は混合物として式(I)のモノマー、及び単独で又は混合物として式(IIa)のモノマーから本質的になり;該コポリマーは以下に定めるようにして中和されている。
本発明の組成物を調製するために使用準備を整える場合、例えば、本発明のコポリマーは、ブレンステッドの意味の有機酸から選択される少なくとも一の特定の中和剤で中和された形態(アミン単位が中和)である。
このことは、モノマー、特に式(IIa)のもの及び/又はポリマーが、少なくとも一のこのような中和剤で中和されていることを意味する。
例えば、重合前に、ポリマーの構造に含まれるモノマーのアミン単位、特に式(IIa)のカチオン性モノマーのアミン単位を中和し、ついで、本発明のポリマーを得るために、中和されたモノマーを共重合させることができ;このことは前中和と称されるであろう。
また、まず中和されていないモノマーを重合させ、ついでポリマーの形成後に、該ポリマーを中和することもできる。
好ましくは、ポリマーは形成後に中和される。
【0042】
有機酸型の中和剤は、直鎖状、分枝状又は環状の脂肪族酸、及び/又は不飽和又は芳香族の酸から選択されてよく、特に1〜1000の炭素原子、中でも2〜500の炭素原子を有するものであってよい。それらは、ブレンステッドの意味の少なくとも一の酸性官能基、特に一又は複数のカルボン酸、スルホン酸及び/又はリン酸基を有する。またそれらは、例えばヒドロキシル基の形態で、O、N、Si、F及びPから選択される一又は複数のヘテロ原子を有していてもよい。
【0043】
特に使用され得る中和剤には、直鎖状、分枝状又は環状で飽和又は不飽和であり、芳香族であってよく、6〜32、特に8〜28の炭素原子を有し、また少なくとも一のCOOH又はスルホン酸(-SOH)官能基を有する脂肪酸が含まれる。
また、直鎖状、分枝状又は環状で飽和又は不飽和であり、芳香族であってもよく、6〜32、特に8〜28の炭素原子を有し、また少なくとも一のCOOH又はスルホン酸(-SOH)官能基を有するヒドロキシ酸、特にα-ヒドロキシ酸を使用してもよい。
アルキル基が4〜30、特に6〜24の炭素原子を有するアルキルベンゼンスルホン酸を使用してもよい。
さらに、アルキル基が1〜30、特に4〜24、又は6〜22の炭素原子を有する、アルキルベタイン又はアルキルアミドプロピルベタイン型の両性中和剤を使用してもよく;特にココアミドプロピルベタインを挙げることができる。
【0044】
特に、α-ヒドロキシエタン酸、α-ヒドロキシオクタン酸、α-ヒドロキシカプリル酸、アスコルビン酸、酢酸、安息香酸、ベヘン酸、カプリン酸、クエン酸、カプロン酸、カプリル酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、2-エチルカプロン酸、葉酸、フマル酸、ガラクタル酸、グルコン酸、グリコール酸、2-ヘキサデシルエイコサン酸、ヒドロキシカプロン酸、12-ヒドロキシステアリン酸、イソラウリン酸(又は2-ブチルオクタン酸)、イソミリスチン酸(又は2-ヘキシルオクタン酸)、イソアラキドン酸(又は2-オクチルドデカン酸)、イソリグノセリン酸(又は2-デシルテトラデカン酸)、乳酸、ラウリン酸、リンゴ酸、ミリスチン酸、オレイン酸、パルミチン酸、プロピオン酸、セバシン酸、ステアリン酸、酒石酸、テレフタル酸、トリメシン酸、ウンデシレン酸、プロピルベタイン、ココアミドプロピルベタイン、及び式[(CH)N+CHCOH.Cl-]の塩酸ベタイン、及びそれらの混合物を挙げることができる。
カプロン酸、2-エチルカプロン酸、オレイン酸、ベヘン酸、ステアリン酸、酢酸、クエン酸、酒石酸、塩酸ベタイン及び/又はグルコン酸、さらには塩酸ベタイン及び/又はベヘン酸が、中和剤として好ましく使用される。
【0045】
有利には、中和剤は、2以下、例えば−8〜2、好ましくは−6〜1、特に−6〜0のlog P値を有してよい。
しかしながら、2を越える、好ましくは2.5以上、特に3を越える、さらには3〜15、またさらに3.5〜10のlog P値を有してもよい。
logP値は公知であり、上述したようにして、1-オクタノールと水における、モノマーの濃度を測定する標準的なテストに従い決定される。
所定の一般的な酸のlog P値を、情報目的において以下に付与する。
【表4】

【0046】
「中和」なる用語は、上述したモノマー及び/又はポリマーの全て又は一部での、ブレンステッドセンスにおける少なくとも一の酸性官能基を有し、ブレンステッドセンスにおける少なくとも一の塩基性官能基を有する、本発明の有機酸の作用を意味する。
単独又は混合物としての中和剤は、ポリマー又はモノマーの全アミン官能基に対して、0.01〜3、特に0.05〜2.5モル当量、又は0.1〜2モル当量の量で添加されてよい。
例えば、ポリマーを過小中和(underneutralize)することもでき、すなわち、中和剤は、ポリマー又はモノマーの全アミン官能基の1%〜99%、特に5%〜90%、又は10%〜80%を中和するのに必要な量で存在してよく;このことは、0.01〜0.99、特に0.05〜0.9モル当量、又は0.1〜0.8モル当量の量で存在することを意味する。
またポリマーを過剰中和(overneutralize)することもでき、すなわち、中和剤は、ポリマー又はモノマーの全アミン官能基の101%〜300%、特に120%〜250%、又は150%〜200%を中和するのに必要な量で存在してよく;このことは、考慮される調製物に関し、ポリマーが確実に適切なpH範囲及び/又はイオン強度を有するようにすることが所望されるケースにおけるものであってよい。例えば、ポリマー又はモノマーの全アミン官能基に対し、1.01〜3、特に1.2〜2.5モル当量、又は1.5〜2モル当量の量で存在してよい。
好ましくは、単独又は混合物としての中和剤は、ポリマー又はモノマーの全アミン官能基に対して化学量論的量で存在しており;例えば、ポリマー又はモノマーのアミン単位の100%を中和するのに必要な量、すなわち1モル当量存在している。
また好ましくは、中和剤の性質及び量は、最終的に水溶性又は水分散性のポリマーが得られるように、当業者により決定されてよい。
【0047】
特に好ましいポリマーは:
− 式(I)のモノマーが、単独で又は混合物として、最終ポリマーの重量に対して10重量%〜80重量%、特に20重量%〜60重量%、好ましくは30重量%〜50重量%の割合で存在し、また単独で又は混合物として、ポリ(エチレングリコール)、(メタ)アクリラート類、好ましくは350〜13000g/mol、特に500〜8000g/molの分子量を有するものから選択され;
− 「必須カチオン性」モノマーが、最終ポリマーの重量に対して、20重量%〜90重量%、特に40重量%〜80重量%、好ましくは50重量%〜70重量%の割合で存在し、また単独で又は混合物として、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリラート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリラート、ビニルイミダゾール、ビニルピリジン、及びモルホリノエチル(メタ)アクリラートから選択されるもので、また:
− ポリマーは、2-エチルカプロン酸、オレイン酸、ベヘン酸、ステアリン酸、酢酸、クエン酸、酒石酸、塩酸ベタイン、及び/又はグルコン酸、好ましくはベヘン酸及び/又は塩酸ベタインから選択される中和剤で中和されている。
【0048】
さらに好ましいポリマーは:
− 式(I)のモノマーが、単独で又は混合物として、最終ポリマーの重量に対して、10重量%〜80重量%、特に20重量%〜60重量%、好ましくは30重量%〜50重量%の割合で存在し、また単独で又は混合物として、ポリ(エチレングリコール)(メタ)アクリラート、好ましくは350〜13000g/mol、特に500〜8000g/molの分子量を有するものから選択され;及び
− 「必須カチオン性」モノマーが、最終ポリマーの重量に対して、20重量%〜90重量%、特に40重量%〜80重量%、好ましくは50重量%〜70重量%の割合で存在し、また単独で又は混合物として、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドから選択されるもので、
− ポリマーは、ベヘン酸及び/又は塩酸ベタインから選択される中和剤で中和されている。
【0049】
本発明のポリマーは、例えばGnanouらによる「Chimie et physicochimie des polymeres」(Dunodにより出版)に記載されているように、当業者に公知の通常の標準的なラジカル重合法に従い調製され得る。
これらのポリマーは、特に:
− 場合によってはカチオン性単位を前中和し、水中で直接溶液重合させる;
− 場合によっては界面活性剤を使用してカチオン性単位を前中和し、水中でエマルション重合させる;
− 場合によってはカチオン性単位を前中和し、エタノール又はメチルエチルケトン等の有機溶媒中で重合させ;続いて溶媒の蒸発を伴う、溶解又は分散工程を行うことにより調製され得る。
これらの重合は、モノマーの全重量に対して0.3重量%〜5重量%の割合で存在し得る、過硫酸アンモニウムカリウム、又はアゾ型(AIBN V50:2,2'-アゾビス(2-アミジノプロパン)ジヒドロクロリド)、又は過酸化物型(Trigonox 21S:tert-ブチル-ペルオキシ-2-エチルヘキサノアート)のラジカル開始剤の存在下で実施されてよい。
【0050】
本発明のポリマーは架橋していない。それらは、PEG基(PEG基は骨格に沿ってペンダントしている)を有する一又は複数のエチレン性モノマーと、中和されたカチオン性官能基(非第4級化中和アミン)を有する一又は複数のエチレン性モノマーと、場合によっては一又は複数の他の非イオン性及び/又は両性及び/又はアニオン性で親水性のエチレン性コモノマー、好ましくは一価のものの、統計的な、好ましくは皮膜形成性のエチレン性コポリマーの形態をしている。
「エチレン性」ポリマーなる用語は、エチレン性の不飽和モノマーの重合により得られるポリマーを意味する。
「皮膜形成」ポリマーなる用語は、それ自身で、又は皮膜形成補助剤の存在下、特にケラチン物質等の支持体に付着する連続皮膜を形成可能なポリマーを意味する。
【0051】
それらは、好ましくは500〜5000000、特に1000〜3000000、好ましくは2000〜2000000、さらに4000〜500000、とりわけ7000〜400000、さらに好ましくは20000〜350000、より好ましくは150000〜300000の重量平均分子量(Mw)を有する。重量平均分子量(Mw)は、方法の可能性(考慮されるポリマーの溶解性)に応じて、ゲル浸透クロマトグラフィー又は光散乱により測定される。
本発明のポリマーは好ましくは水性媒体で運ばれうる。つまりそれらは好ましくは水溶性又は水分散性である。
水への溶解又は分散は、可溶性ならば、ポリマーを直接溶解させることにより、又は水中にポリマーを溶解又は分散させるためには、アミン単位を中和させることによりなされ得る。
また水への溶解又は分散は、有機溶媒に溶解させる中間工程を介し、有機溶媒を蒸発させる前に水を添加することで実施され得る。
【0052】
さらに、本発明のポリマーは、有利には、考慮される用途に適切な水中での粘度を有することが見出されており、それは、例えば1〜1000mPa.s、好ましくは1.5〜750mPa.s、さらに好ましくは2〜500mPa.sであってよい。
粘度は、ブルックフィールド(Brookfield)粘度計を使用し、水又はメチルエチルケトン(ポリマーの溶解性及び/又は重合方法に応じて選択される溶媒)に15重量%のポリマーを含有する溶液を、25℃にて、ブルックフィールド社のモデル番号00〜07から選択される針型スピンドル、好ましくは1号スピンドルを用い、測定時間5分、0.1〜6rpmの速度にて測定される。粘度は、水又はメチルエチルケトンに全てのポリマーが溶解した後に測定される。
【0053】
さらに、本発明のポリマーは、−150℃〜20℃、特に−120℃〜10℃、さらに好ましくは−100℃〜0℃のガラス転移温度(Tg)を有してよく;Tgは実施例の前に付与された方法に従い測定される。
本発明のポリマーは、−100℃〜80℃、特に−80℃〜50℃、好ましくは−70℃〜45℃、さらに好ましくは−10℃〜25℃の融点(m.p.)を有することが好ましい。
さらに本発明のポリマーは、75%の相対湿度(75% RH)で、好ましくは3重量%〜150重量%、さらに好ましくは4重量%〜100重量%、特に5重量%〜50重量%の水分取込度を有し;水分取込度は実施例の前に付与された方法に従い測定される。
またそれらは85%の相対湿度(85% RH)で、3重量%〜200重量%、好ましくは55重量%〜150重量%、特に60重量%〜120重量%、さらには70重量%〜100重量%の水分取込度であってよい。
【0054】
本発明のポリマーは、化粧品の分野において、特に最も多くの用途が見出されている。それらは、水又は有機溶媒等に溶解した形態、もしくは水性又は有機分散液の形態の組成物に存在していてよい。
それらは、組成物の全重量に対して0.01重量%〜50重量%、特に0.1重量%〜30重量%、さらには0.3重量%〜10重量%、好ましくは1重量%〜3重量%の固体量の割合で、本発明の化粧品用又は製薬用組成物に使用され得る。
【0055】
本発明の化粧品用又は製薬用組成物は、前記ポリマーの他に、生理学的に許容可能な媒体、特に化粧品的、皮膚科学的又は製薬的に許容可能な媒体、すなわち顔又は体の皮膚、毛髪、睫毛、眉毛及び爪等のケラチン物質と融和性のある媒体を含有する。
よって、組成物は、水、又は水と親水性有機溶媒(類)、例えばアルコール類、特に直鎖状又は分枝状のC1-C6モノアルコール類、例えばエタノール、イソプロパノール又はn-プロパノール、及びポリオール類、例えばグリセロール、ジグリセロール、プロピレングリコール、ソルビトール、又はペンチレングリコール、及びポリエチレングリコール類との混合物、又は親水性Cエーテル及びC-Cアルデヒド類を含む、親水性媒体を含有していてもよい。
水、又は水と親水性有機溶媒との混合物は、組成物の全重量に対して0.1重量%〜99重量%、好ましくは10重量%〜80重量%の含有量で、本発明の組成物に存在していてよい。
【0056】
また組成物は、室温(一般的に25℃)で液状の脂肪物質、及び/又は室温で固体状の脂肪物質、例えばロウ、ペースト状の脂肪物質、及びガム類、及びそれらの混合物を含んでいてもよい脂肪相をさらに含有し得る。これらの脂肪物質は動物、植物、鉱物又は合成由来のものであってよい。この脂肪相は、脂質親和性の有機溶媒をさらに含有し得る。
【0057】
多くの場合油と称され、本発明で使用されてもよい室温で液状の脂肪物質としては、動物由来の炭化水素ベース油、例えばペルヒドロスクワレン;炭化水素ベースの植物性油、例えば4〜10の炭素原子を有する脂肪酸の液状トリグリセリド、例えばヘプタン酸又はオクタン酸のトリグリセリド、又はヒマワリ油、コーン油、大豆油、グレープシード油、ゴマ種油、アプリコット油、マカダミア油、ヒマシ油、アボカド油、カプリル/カプリン酸トリグリセリド類、ホホバ油、シェアバター、鉱物又は合成由来で直鎖状又は分枝状の炭化水素、例えば流動パラフィン及びそれらの誘導体、ワセリン、ポリデセン、水素化ポリイソブテン、例えばパーリーム(parleam);合成エステル及びエーテル、特に脂肪酸とのもの、例えばプルセリン油、ミリスチン酸イソプロピル、2-エチルヘキシルパルミタート、2-オクチルドデシルステアラート、2-オクチルドデシルエルカート、イソステアリン酸イソステアリル;ヒドロキシル化エステル、例えば乳酸イソステアリル、ヒドロキシステアリン酸オクチル、ヒドロキシステアリン酸オクチルドデシル、リンゴ酸ジイソステアリル、クエン酸トリイソセチル、及び脂肪アルコールのヘプタノアート、オクタノアート及びデカノアート;ポリオールエステル、例えばプロピレングリコールジオクタノアート、ネオペンチルグリコールジヘプタノアート、及びジエチレングリコールジイソノナノアート;及びペンタエリトリトールのエステル;12〜26の炭素原子を有する脂肪アルコール、例えばオクチルドデカノール、2-ブチルオクタノール、2-ヘキシルデカノール、2-ウンデシルペンタデカノール及びオレイルアルコール;部分的に炭化水素ベースのフルオロ油及び/又は部分的にシリコーンベースのフルオロ油;シリコーン油、例えば、室温で液状又はペースト状であり、揮発性又は非揮発性で直鎖状又は環状のポリメチルシロキサン類(PDMS)、例えばシクロメチコーン類、ジメチコーン類で、場合によってはフェニル基を有しているもの、例えばフェニルトリメチコーン類、フェニルトリメチルシロキシジフェニルシロキサン類、ジフェニルメチルジメチルトリシロキサン類、ジフェニルジメチコーン類、フェニルジメチコーン類及びポリメチルフェニルシロキサン類;それらの混合物を挙げることができる。
これらの油は、組成物の全重量に対して0.01重量%〜90重量%、好ましくは0.1重量%〜85重量%の範囲の含有量で存在し得る。
【0058】
本発明の組成物は、一又は複数の生理学的に許容可能な有機溶媒をさらに含有していてよい。
これらの溶媒は、組成物の全重量に対して、一般的に0.1重量%〜90重量%、好ましくは0.5重量%〜85重量%、より好ましくは10重量%〜80重量%、さらに好ましくは30重量%〜50重量%の範囲の含有量で存在し得る。
【0059】
上述した親水性有機溶媒の他にも、特に室温で液状のケトン類、例えばメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、イソホロン、シクロヘキサノン及びアセトン;室温で液状のプロピレングリコールエーテル、例えばプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセタート、及びジプロピレングリコールモノ-n-ブチルエーテル;短鎖のエステル(全体で3〜8の炭素原子を有するもの)、例えば酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸プロピル、n-ブチルアセタート及び酢酸イソペンチル;25℃で液状のエーテル、例えばジエチルエーテル、ジメチルエーテル又はジクロロジエチルエーテル;25℃で液状のアルカン類、例えばデカン、ヘプタン、ドデカン、イソドデカン及びシクロヘキサン;25℃で液状の芳香族環状化合物、例えばトルエン及びキシレン;25℃で液状のアルデヒド類、例えばベンズアルデヒド及びアセトアルデヒド、及びそれらの混合物を挙げることができる。
【0060】
本発明の目的において、「ロウ」なる用語は、25℃以上で、120℃までであってよい融点を有し、可逆的な固体/液体状態変化を受け、室温(25℃)で固体状の脂質親和性化合物を意味する。ロウを液体状態(融解)させることで、存在可能な油と混和させ、顕微鏡的に均一な混合物を形成させることができるが、混合物の温度を周囲温度に戻すことにより、混合物の油においてロウの結晶化がなされる。ロウの融点は、示差走査熱量計(DSC)、例えばメトラー社(Mettler)からDSC30の名称で販売されている熱量計を使用して測定され得る。
ロウは、炭化水素ベースロウ、フルオロロウ及び/又はシリコーンロウであってよく、また植物、鉱物、動物及び/又は合成由来のものであってよい。特に、ロウは30℃を超える、好ましくは45℃を超える融点を有する。本発明の組成物に使用され得るロウとしては、ミツロウ、カルナウバロウ又はキャンデリラロウ、パラフィン、マイクロクリスタリンワックス、セレシン又はオゾケライト、合成ロウ、例えばポリエチレンロウ又はフィッシャー-トロプシュロウ、及びシリコーンロウ、例えばアルキル又はアルコキシジメチコーン類で、16〜45の炭素原子を有するものを挙げることができる。
【0061】
ガム類は、一般的に、高分子量のポリジメチルシロキサン類(PDMSs)又はセルロースガム又は多糖類であり、ペースト状物質は、一般的に炭化水素ベース化合物、例えばラノリン類とその誘導体、又はPDMSである。
固体状物質の種類及び量は、所望する機械的特性及びテクスチャーに依存する。指針として、組成物は、組成物の全重量に対して0.1重量%〜50重量%、好ましくは1重量%〜30重量%のロウを含有し得る。
【0062】
さらに、本発明の組成物は、化粧品用組成物に通常使用されているフィラー及び/又は真珠母及び/又は顔料を粒子相に含有するものであってもよい。
組成物は、当業者によく知られている水溶性染料及び/又は脂溶性染料から選択される、他の染料をさらに含有していてもよい。
「顔料」なる用語は、組成物を着色させることを意図しており、生理学的な媒体に不溶な、白色又は有色で、任意の形状の無機又は有機粒子を意味すると理解されるべきである。
「フィラー」なる用語は、組成物にボリューム又は剛性、及び/又は柔軟性、メークアップ結果にマット効果及び均一性を付与することを意図した、無色又は白色で、無機又は合成のラメラ状又は非ラメラ状粒子を意味すると理解されるべきである。
「真珠母」なる用語は、特にある種の軟体動物により貝殻の内部に生成されるか合成等された、任意の形状をした真珠光沢のある粒子を意味すると理解されるべきである。
【0063】
顔料は、最終組成物の重量に対して0.01重量%〜25重量%の割合、好ましくは3重量%〜10重量%の割合で組成物中に存在し得る。それらは、白色又は有色で、無機又は有機であってよい。酸化チタン、酸化ジルコニウム又は酸化セリウム、並びに酸化亜鉛、酸化鉄又は酸化クロム、フェリックブルー、クロム水和物、カーブンブラック、ウルトラマリン(アルミノシリカートポリスルフィド)、ピロリン酸マンガン、及びある種の金属パウダー、例えば銀又はアルミニウムパウダーを挙げることができる。また、唇及び皮膚にメークアップ効果を付与するために通常使用されるカルシウム、バリウム、アルミニウム、ストロンチウム又はジルコニウム塩のレーキ類、又はD&C型の顔料を挙げることもできる。
真珠母は、0.01重量%〜20重量%の割合、好ましくは3重量%〜10重量%の割合で組成物中に存在し得る。考慮され得る真珠母としては、天然の真珠母、酸化チタン、酸化鉄、天然顔料又はオキシ塩化ビスマスで被覆されたマイカ、並びに有色のチタンマイカを挙げることができる。
【0064】
組成物の全重量に対して0.001重量%〜15重量%、好ましくは0.01重量%〜5重量%、特に0.1重量%〜2重量%の割合で、単独で又は混合物として組成物に存在し得る脂溶性又は水溶性染料としては、ポンソーの二ナトリウム塩、アリザリングリーンの二ナトリウム塩、キノリンイエロー、アマランスの三ナトリウム塩、タートラジンの二ナトリウム塩、ローダミンの一ナトリウム塩、フクシン、キサントフィル、メチレンブルーの二ナトリウム塩、コチニールカルミン、ハロアシッド染料、アゾ染料、アントラキノン染料、硫酸銅、硫酸鉄、スーダンブラウン(Sudan brown)、スーダンレッド及びアナトー、及びビート根汁及びカロテンを挙げることができる。
【0065】
本発明の組成物は、組成物の全重量に対して、特に0.01重量%〜50重量%の範囲、好ましくは0.02重量%〜30重量%の範囲の含有量で、一又は複数のフィラーをさらに含有してよい。フィラーは、血漿板形、球形又は長形等の任意の形態の無機物又は有機物であってよい。タルク、マイカ、シリカ、カオリン、ポリアミド(ナイロン(登録商標))パウダー、ポリ-β-アラニンパウダー及びポリエチレンパウダー、テトラフルオロエチレンポリマーのパウダー(テフロン(登録商標))、ラウロイルリジン、スターチ、窒化ホウ素、中空ポリマーミクロスフィア、例えば塩化ポリビニリデン/アクリロニトリルのもの、例えばエクスパンセル(Expancel(登録商標))(ノーベルインダストリー社(Nobel Industrie))、又はアクリル酸コポリマーのもの(ダウ・コーニング社(Dow Corning)のポリトラップ(登録商標))、及びシリコーン樹脂のマイクロビーズ(例えば、東芝(Toshiba)のトスパール(Tospearl(登録商標))、ポリオルガノシロキサンエラストマー粒子、沈降性炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸水素マグネシウム、ヒドロキシアパタイト、中空シリカミクロスフィア(マプレコス社(Maprecos)のシリカビーズ(登録商標))、ガラス又はセラミックのマイクロカプセル、及び8〜22の炭素原子、好ましくは12〜18の炭素原子を有する有機カルボン酸から誘導される金属石鹸、例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム又はステアリン酸リチウム、ラウリン酸亜鉛又はミリスチン酸マグネシウムを挙げることができる。
【0066】
また組成物は、付加的なポリマー、例えば皮膜形成ポリマーをさらに含有していてよい。本発明において「皮膜形成ポリマー」なる用語は、ポリマーそれ自体で又は皮膜形成補助剤の存在下で、支持体、特にケラチン物質に付着する連続皮膜を形成可能なポリマーを意味する。本発明の組成物に使用され得る皮膜形成ポリマーとしては、フリーラジカルタイプ又は重縮合タイプの合成ポリマー、天然由来のポリマー、及びそれらの混合物、特にアクリルポリマー、ポリウレタン、ポリエステル、ポリアミド、ポリ尿素、及びセルロースベースのポリマー、例えばニトロセルロースを挙げることができる。
【0067】
組成物は、組成物の全重量に対して約0.01重量%〜50重量%、好ましくは0.1重量%〜40重量%、より好ましくは0.5重量%〜30重量%の量で一般的に存在している、少なくとも一の界面活性剤を有利には含有していてよい。
この界面活性剤は、アニオン性、両性、非イオン性及びカチオン性の界面活性剤、又はそれらの混合物から選択され得る。
【0068】
本発明の実施に適した界面活性剤は、単独で又は混合物として、特に次のものである:
− アニオン性界面活性剤としては、単独で又は混合物として、次の化合物:アルキルスルファート類、アルキルエーテルスルファート類、アルキルアミドエーテルスルファート類、アルキルアリールポリエーテルスルファート類、モノグリセリドスルファート類;アルキルスルホナート類、アルキルホスファート類、アルキルアミドスルホナート類、アルキルアリールスルホナート類、α-オレフィンスルホナート類、パラフィンスルホナート類;アルキルスルホスクシナート類、アルキルエーテルスルホスクシナート類、アルキルアミドスルホスクシナート類;アルキルスルホスクシナマート類;アルキルスルホアセタート類;アルキルエーテルホスファート類;アシルサルコシナート類;アシルイセチオナート類、及びN-アシルタウラート類で、これら全ての種々の化合物のアルキル又はアシル基が好ましくは8〜24の炭素原子を有し、好ましくはアリール基がフェニル又はベンジル基を示すものの塩(特にアルカリ性の塩、中でもナトリウム塩、アンモニウム塩、アミン塩、アミノアルコール塩又はマグネシウム塩)を挙げることができる。
また脂肪酸塩、例えば、オレイン酸、リシノール酸、パルミチン酸及びステアリン酸、ヤシ油酸又は水素化ヤシ油酸の塩;アシル基が8〜20の炭素原子を有するアシルラクチラート類;アルキル-D-ガラクトシドウロン酸及びそれらの塩、並びにポリオキシアルキレン化(C-C24)アルキルエーテルカルボン酸、ポリオキシアルキレン化(C-C24)アルキルアリールエーテルカルボン酸、ポリオキシアルキレン化(C-C24)アルキルアミドエーテルカルボン酸及びそれらの塩、特に2〜50のエチレンオキシド基を有するもの、及びそれらの混合物を挙げることもできる。
【0069】
− 非イオン性界面活性剤としては、単独で又は混合物として、例えば8〜18の炭素原子を有する脂肪鎖を有するポリエトキシル化、ポリプロポキシル化、又はポリグリセロール化された脂肪酸、アルキルフェノール類、α-ジオール類又はアルコール類を挙げることができ、エチレンオキシド又はプロピレンオキシド基の数を特に2〜50の範囲、グリセロール基の数を特に2〜30の範囲とすることができる。
エチレンオキシド及びプロピレンオキシドのコポリマー、脂肪アルコールとエチレンオキシド及びプロピレンオキシドの縮合物;好ましくは2〜30モルのエチレンオキシドを有するポリエトキシル化脂肪アミド類、平均1〜5、特に1.5〜4のグリセロール基を有するポリグリセロール化脂肪アミド類;2〜30モルのエチレンオキシドを有するオキシエチレン化されたソルビタンの脂肪酸エステル;スクロースの脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールの脂肪酸エステル、アルキルポリグリコシド類、N-アルキルグルカミン誘導体、アミンオキシド類、例えば(C10-C14)アルキルアミンオキシド又はN-アシルアミノプロピルモルホリンオキシドを挙げることができる。
【0070】
− 両性界面活性剤としては、単独で又は混合物として、脂肪族基が8〜22の炭素原子を有する直鎖状又は分枝状の鎖であり、少なくとも一の水溶性のアニオン性基(例えば、カルボキシラート、スルホナート、スルファート、ホスファート又はホスホナート)を有する、脂肪族の第2級又は第3級アミンの誘導体を挙げることができ;さらに(C-C20)アルキルベタイン類、スルホベタイン類、(C-C20)アルキルアミド(C-C)アルキルベタイン類又は(C-C20)アルキルアミド(C-C)アルキルスルホベタイン類を挙げることができる。
【0071】
− カチオン性界面活性剤としては、単独で又は混合物として、以下のものを挙げることができる:
A)次の一般式(XVI)の第4級アンモニウム塩:
【化8】

ここで、Xは、ハロゲン化物(塩化物、臭化物又はヨウ化物)又は(C-C)アルキルスルファート、特にメチルスルファート、ホスファート、アルキル又はアルキルアリールスルホナート、アセタート又はラクタート等の有機酸から誘導されるアニオンの群から選択されるアニオンである。
a)RないしRの基は同一でも異なっていてもよく、直鎖状又は分枝状で1〜4の炭素原子を有する脂肪族基、又はアリール又はアルキルアリールのような芳香族基を表す。脂肪族基は、特に酸素、窒素、硫黄又はハロゲン等のヘテロ原子を有していてもよい。脂肪族基は、例えば、アルキル、アルコキシ及びアルキルアミド基から選択される。
は、16〜30の炭素原子を有する直鎖状又は分枝状のアルキル基を示す。
好ましくは、カチオン性界面活性剤は、ベヘニルトリメチルアンモニウム塩(例えば塩化物)である。
b)R及びRの基は同一でも異なっていてもよく、1〜4の炭素原子を有する直鎖状又は分枝状の脂肪族基、又はアリール又はアルキルアリールのような芳香族基を表す。脂肪族基は、特に酸素、窒素、硫黄又はハロゲン等のヘテロ原子を有していてもよい。脂肪族基は、例えば、約1〜4の炭素原子を有するアルキル、アルコキシ、アルキルアミド及びヒドロキシアルキル基から選択され;R及びRは同一でも異なっていてもよく、12〜30の炭素原子を有する直鎖状又は分枝状のアルキル基を示し、該基は少なくとも一のエステル又はアミド官能基を有する。
及びRは、特に(C12-C22)アルキルアミド(C-C)アルキル、及び(C12-C22)アルキルアセタート基から選択される。
好ましくは、カチオン性界面活性剤は、ステアラミドプロピルジメチル(ミリスチルアセタート)アンモニウム塩(例えば塩化物)である。
【0072】
B)− イミダゾリニウムの第4級アンモニウム塩、例えば、次の式(XVII)のもの:
【化9】

ここで、Rは、8〜30の炭素原子を有するアルケニル又はアルキル基、例えば獣脂の脂肪酸誘導体を表し、Rは水素原子、C-Cアルキル基、又は8〜30の炭素原子を有するアルケニル又はアルキル基を表し、RはC-Cアルキル基を表し、Rは水素原子、又はC-Cアルキル基を表し、Xはハロゲン化物、ホスファート類、アセタート類、ラクタート類、アルキルスルファート類、アルキルスルホナート類又はアルキルアリールスルホナート類からなる群から選択されるアニオンである。好ましくは、RとRは12〜21の炭素原子を有するアルケニル又はアルキル基の混合物、例えば獣脂の脂肪酸誘導体を示し、Rはメチルを示し、Rは水素を示す。このような製品は、例えば、ウィトゥコ社(Witco)から、「リウォカット(Rewoquat)」W75、W90、W75PG及びW75HPGの名称で販売されているとクアテルニウム(Quaternium)-27(CTFA 1997)又はクアテルニウム-83(CTFA 1997)である。
【0073】
C)− 次の式(XVIII)のジ第4級アンモニウム塩:
【化10】

ここで、Rは約16〜30炭素原子を有する脂肪族基を示し、R10、R11、R12、R13及びR14は同一でも異なっていてもよく、水素、及び1〜4の炭素原子を有するアルキル基から選択され、Xはハロゲン化物、アセタート類、ホスファート類、ニトラート類及び硫酸メチルからなる群から選択されるアニオンである。このようなジ第4級アンモニウム塩には、特にプロパン獣脂ジアンモニウムジクロリドが含まれる。
【0074】
D)− 次の式(XIX)の、少なくとも一のエステル官能基を有する第4級アンモニウム塩:
【化11】

ここで:
− R15はC-Cアルキル基とC-Cのヒドロキシアルキル又はジヒドロキシアルキル基から選択され;
− R16は、
− 次の基:
【化12】

− 直鎖状又は分枝状で飽和又は不飽和のC-C22炭化水素ベース基であるR20
− 水素原子
から選択され、
− R18は、
− 次の基:
【化13】

− 直鎖状又は分枝状で飽和又は不飽和のC-C炭化水素ベース基であるR22
− 水素原子
から選択され、
− R17,R19及びR21は同一でも異なっていてもよく、直鎖状又は分枝状で飽和又は不飽和のC-C22炭化水素ベース基から選択され;
− n、p及びrは同一でも異なっていてもよく、2〜6の範囲の整数であり;
− yは1〜10の範囲の整数であり;
− xとzは同一でも異なっていてもよく、0〜10の範囲の整数であり;
− Xは単純又は複合した有機又は無機のアニオンであり;
但し、x+y+zの合計は1〜15であり、xが0であればR16はR20を示し、zが0であれば、R18はR22を示す。
【0075】
本発明の組成物は、化粧品に一般的に使用されている成分、例えばビタミン類、香料、真珠母、増粘剤、ゲル化剤、微量元素、柔軟剤、金属イオン封鎖剤、香料、酸性化又は塩基性化剤、防腐剤、サンスクリーン剤、界面活性剤、酸化防止剤、抜毛防止剤、抗フケ剤、噴霧剤、及びセラミド類、又はそれらの混合物をさらに含有していてよい。言うまでもなく、当業者であれば、考慮される添加により本発明の組成物の有利な特性が悪影響を受けないか又は実質的に受けないように留意して、これ又はこれらの任意の付加的な化合物(類)及び/又はそれらの量を選択するであろう。
【0076】
本発明の組成物は、懸濁液、小胞体により水に油が分散したもの等の分散液;場合によっては増粘又はゲル化していてもよい油性溶液:水中油型、油中水型又は多相エマルション;ゲル又はムース;油性又は乳化したゲル;特に脂質小胞体等の小胞体の分散液;2相又は多相ローション;スプレーの形態であってもよい。この組成物は、ローション、クリーム、膏薬、柔軟なペースト、軟膏、特に棒状又は皿状等の成形又は鋳型の固形物、又は圧密された固形物の外観を有するものであってもよい。
【0077】
当業者であれば、第1に使用される成分の性質、特に支持体における溶解性、第2に組成物の使用用途を考慮し、自身の一般的知識に基づき、適切なガレノス形態及びその調製方法を選択するであろう。
本発明の化粧品用組成物は、体又は顔の皮膚、唇及び毛髪の手入れ及び/又はメークアップ用製品、抗日光又は自己サンタン製品、又はヘアケア用製品の形態であってもよい。
それは、ヘアケアの分野において、特にヘアスタイルの保持、又は毛髪の成形のために、特に有利に使用されることが見出されている。毛髪用組成物は、好ましくはシャンプー、ヘアセット用ゲル又はローション、ブロー乾燥用ローション、及び固定用及びスタイリング用組成物、例えばラッカー又はスプレーである。ローションは、噴霧された形態又はムースの形態で組成物を適用するために、種々の形態、特に噴霧器又はポンプ式ディスペンサーボトル、又はエアゾール容器に包装されてよい。
【0078】
好ましい一実施態様において、本発明の組成物は、ケラチン物質、例えば毛髪、皮膚、睫毛、眉毛、爪、唇及び頭皮、特に毛髪を洗浄又はトリートメントするために使用され得る。
本発明の組成物は、洗浄用組成物、例えばシャンプー、シャワーゲル及び泡風呂であってよい。本発明のこの実施態様において、組成物は、一般的に水性であり、5重量%〜35重量%の界面活性剤を含有していてもよい、少なくとも一の洗浄ベースを含む。
よって、本発明の主題は、ケラチン物質に上述した化粧品用組成物を適用し、ついで、場合によっては水ですすぐことからなることを特徴とする、皮膚又は毛髪等のケラチン物質のトリートメント方法にある。
例えば本発明のこの方法により、ヘアスタイルの保持、皮膚、毛髪又は任意の他のケラチン物質のトリートメント、洗浄又は手入れ、又はメークアップの除去が可能になる。
【0079】
他の好ましい実施態様において、本発明の組成物は、すすがれる又はそのまま残る毛髪用コンディショナー、毛髪のパーマネントウェーブ、リラクシング、染色又は脱色用組成物の形態、あるいは染色、脱色、パーマネントウェーブ又はリラクシングの前後、あるいはパーマネントウェーブもしくは毛髪のリラクシング施術の2つの工程の間に適用されてすすがれる組成物の形態であってもよい。
組成物がすすがれてもよい毛髪用コンディショナーの形態である場合、有利には、組成物の全重量に対して、例えば0.1重量%〜10重量%、好ましくは0.5重量%〜5重量%の一般的濃度で、少なくとも一のカチオン性界面活性剤を含有している。
【0080】
また本発明の組成物は、皮膚の洗浄用組成物の形態、特に浴用又はシャワー溶液もしくはゲルあるいはメークアップ除去製品の形態であってよい。
本発明の組成物は、皮膚の手入れ及び/又はヘアケア用の水性又は水性-アルコールローションの形態であってもよい。
【0081】
また本発明の主題は、上述した化粧品用組成物を、体又は顔の皮膚、爪、毛髪及び/又は睫毛等のケラチン物質に適用することを含む、該物質のメークアップ又は手入れのための美容方法にある。
本発明を以下の実施態様においてさらに詳細に例証する。
【実施例】
【0082】
Tgの測定
6重量%のポリマーを含有する水溶液を使用し、相対湿度50%で25℃のコントロールされた雰囲気下、48時間乾燥させて皮膜を作製する。このように得られた皮膜は10〜20μmの厚みを有する。
測定装置はDSC(TAインスツルメント)である。
皮膜から得られたサンプルを密閉るつぼに配し、次のプロトコルに従い加熱する:
− 当初温度Tiで平衡;
− 加熱1:最終温度:Tf(℃)まで+10℃/分の割合で温度を上昇させる;
− 1分間の等温線;
− Ti(℃)まで−10℃/分の割合で温度を低下させる;
− 加熱2:Tf(℃)まで+10℃/分の割合で温度を上昇させる;
− 1分間の等温線:
Ti:当初温度−120℃
Tf:最終温度+120℃
Tg値を加熱工程1及び2の間に測定する。
【0083】
水分取込度の測定
約1gの乾燥ポリマーを直径4.5cmのアルミニウム製るつぼ(0.01m)に配する。減圧下、60℃のオーブン中にて約48時間放置して乾燥させる。るつぼを取り出し、即座(オーブンから取り出して1分未満)に計量する。W1を得る。
ついで、るつぼを付与された相対湿度(75% RH又は85% RH)を有するグローブボックスに配し、そこに6時間放置する。ついで、グローブボックスから取り出した直後に、再度それらを計量する。W2を得る。
水分取込度を次の方法で算出する:
[(W2-W1)x100]/W1
【0084】
実施例1
工程1
75mlのメチルエチルケトン(MEK)を、2つの付加漏斗、コンデンサー及び機械的攪拌機が搭載された反応器(四首フラスコ)に配し、80℃にする。
平行して、モノマー:50gのポリエチレングリコールメタクリラート(MPEG550)、50gのジメチルアミノプロピルメタクリルアミド(DMAPMA)、及び開始剤:0.5gの(トリゴノックス(Trigonox)21S)を含有する溶液1を調製する。
さらに、75mlのメチルエチルケトンと0.5gの開始剤(トリゴノックス21S)を含有する溶液2を調製する。
溶液1は1時間以上かけて、溶液2は2時間以上かけて、四首フラスコ反応器に滴下する。ついで、得られた混合物を5時間、80℃で保持する。得られたオレンジ-黄色の溶液を冷却する。95gのポリマーが得られる。
ポリマーは、7.5mPa.s、0.1rpmの速度で、1号針型スピンドルを用いて測定し、25℃、MEKにおいて15%でのブルックフィールド粘度を有する。
【0085】
工程2
ついで、次の方式でポリマーを中和してもよい:水に溶解させた45gの塩酸ベタインを95gのポリマーに添加し;次に、減圧下(80mbar及び56℃)にて、溶媒(MEK)をロータベーパー(rotavapor)にて蒸発させる。
本発明の中和されたポリマーを水に溶解させる(少なくとも50重量%まで)。
Tgは−66℃である。85% RHでは、80%の水分取込度を有する。
【0086】
比較工程2
比較目的のために、工程1で得られたポリマーを次の方式で中和する:290mlの1N HClを、攪拌しつつ、95gのポリマー及び200mlの蒸留水に添加し;ついで溶媒(MEK)を蒸発させる。
中和された比較ポリマーを水に溶解させる(少なくとも50重量%まで)。
Tgは−60℃である。85% RHでは、51%の水分取込度を有する。
【0087】
実施例2
100mlの水を、2つの付加漏斗、コンデンサー及び機械的攪拌機が搭載された反応器(四首フラスコ)に配し、80℃にする。
平行して、50gのモノマーMPEG550、1gの開始剤(過硫酸カリウムKPS)、及び50mlの水を含有する溶液1を調製する。
さらに、塩酸ベタインで100%中和された50gのモノマーDMAPMA、及び50gの水を含有する溶液2も調製する。
溶液1と溶液2を、1時間以上かけて四首フラスコに注ぐ。80℃で1時間後、50mlの水に1gのKPSが入った混合物を、15分以上かけてそこに滴下する。
ついで、得られた混合物を3時間、80℃で保持する。塩酸ベタインで中和されたポリマーが90g得られる。
ポリマーは、164mPa.s、6rpmの速度で、1号針型スピンドルを用いて測定し、25℃、水において15%でのブルックフィールド粘度を有する。
ポリマーを水に溶解させる(少なくとも50重量%まで)。
Tgは−60℃である。中和されたポリマーは、85% RHで90%の水分取込度を有する。
【0088】
実施例3ないし25
次のポリマーを実施例1(溶媒方法)又は実施例2(水中方法)の方法に従い調製する。
中和は、重合前のカチオン性モノマー(前重合)又はポリマー(後重合)において実施してよい。
【表5】



− MPEG:ポリエチレングリコールメタクリラート(MW=550、2000又は5000を有する)
− DMAPMA:ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド
− 次の式:
【化14】

のジェファミン(Jeffamine)M-1000アクリルアミド
− THF MA:テトラヒドロフルフリルメタクリラート
【0089】
実施例26
次の成分(重量%)を含有する組成物を調製する:
− 7.5%のラウリルエーテルスルファート
− 2.5%のココベタイン両性界面活性剤(コグニス社(Cognis)のデハイトン(Dehyton)AB30)
− 5%のココポリグルコシド界面活性剤(コグニス社のプランタケア(Plantacare)818UP)
− 1.5%の実施例3のポリマー
− 100%にする量の水
得られたシャンプー用組成物は良好なスタイリング効果を付与する。湿った毛髪における化粧品特性は満足のいくものであった。頭部への適用後に得られるスタイリング結果は良好であり、乾燥した毛髪における化粧品特性は特に良好であった。この組成物により、一般的なコンディショニングシャンプーにより提供されるものと等しい化粧品特性:同等のスタイリングにとっては従来技術のものよりも優れた化粧品特性が提供され;ある種の化粧品基準(滑らかさ、柔軟性及び光沢)は、本発明の組成物ではより良好であった。
【0090】
実施例27
次の成分(重量%)を含有する組成物を調製する:
− 7.5%のラウリルエーテルスルファート
− 2.5%のココベタイン両性界面活性剤
− 5%のココポリグルコシド界面活性剤
− 1.5%の実施例24のポリマー
− 100%にする量の水
得られた組成物を頭部に単独適用し、次の基準(6人の審査員)について評価する:
− 湿った毛髪:滑らかさ及びもつれのほぐれやすさ
− 乾燥した毛髪:巻き上げられ、乾燥した毛髪の束の反発力(スタイリング効果)、もつれのほぐれやすさ及び光沢。
次の結果が得られる:
− 湿った毛髪:もつれのほぐれやすさ及び光沢は非常に良好;
− 乾燥した毛髪:スタイリング効果は良好;化粧品特性は良好で、同等のスタイリング効果にとっては従来技術のものより優秀;ある種の化粧品基準(滑らかさ、柔軟性及び光沢)は、本発明の組成物ではより良好。
【0091】
結果を次の表にまとめる(実施例24のポリマーを含有する実施例27の組成物、及び実施例3のポリマーを含有する実施例26の組成物でテストを実施):
【表6】

【0092】
実施例28
次の成分(重量%)を含有する組成物を調製する:
− 6%の実施例1のポリマー
− 0.001%の防腐剤
− 100%にする量の水
組成物は、ポンプ式ディスペンサーボトルに導入され;乾燥してスタイリングされた毛髪に適用され、次の基準について評価される:巻き上げられ、乾燥した毛髪の束の反発力(スタイリング効果)。ナショナル・スターチ社(National Starch)のレジン(Resin)28-29-30ポリマー(VA/クロトナート/ネオデカン酸ビニルのコポリマー)を6%、防腐剤を0.001%、及び全体を100%にする量の水を含有する対照組成物で処理された毛髪の束と比較して、カールの反発力及びスタイリング効果が改善されていることが見出された。
【0093】
実施例29
次の成分(重量%)を含有するシャンプーを調製する:
− 7.5%のラウリルエーテルスルファート
− 2.5%のココベタイン両性界面活性剤(コグニス社のデハイトンAB30)
− 5%のココポリグルコシド界面活性剤(コグニス社のプランタケア818UP)
− 適量の防腐剤
− 1.5%のポリマー活性物質
− 100%にする量の水
得られた組成物を頭部に単独適用し、次の基準(6人の審査員)について評価する:
− 湿った毛髪:滑らかさ、明度及びもつれのほぐれやすさ
− 乾燥した毛髪:巻き上げられ、乾燥した毛髪の束の反発力(スタイリング効果)。
【0094】
次の2つのポリマーを比較し、以下の結果を得る:
【表7】

本発明の組成物で処理された毛髪の束は柔軟でよりシルクのようであり;よりトリートメントされていると思われる。毛髪の束の活発さ(反発力)は同等である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリマーの全重量に対する重量パーセントで:
−a)10〜80重量%の次の式(I):
【化1】

[上式中:
− R1は、水素原子、又はpが1〜12の整数であるC2p+1型の、直鎖状又は分枝状の炭化水素ベース基であり;
− Zは、-COO-、-CONH-、-CONCH-、-OCO-、-O-、-SO-、-CO-O-CO-及び-CO-CH-CO-から選択される二価の基であり;
− xは0又は1であり;
− R2は、飽和又は不飽和で、芳香族であってもよく、直鎖状、分枝状又は環状の1〜30の炭素原子を有する炭素ベースの二価の基であって、O、N、S、F、Si及びPから選択される1〜18のヘテロ原子を有していてもよいものであり;
− mは0又は1であり;
− nは3〜300の整数であり;
− R3は、水素原子、又は飽和又は不飽和、芳香族であってもよく、直鎖状、分枝状又は環状の1〜30の炭素原子を有する炭素ベースの基であって、O、N、S、F、Si及びPから選択される1〜20のヘテロ原子を有していてもよいものである]
の一又は複数のモノマー及びその塩;
−b)20〜90重量%の、次の式(IIa):
【化2】

[上式中:
− R1は、水素原子、又はpが1〜12の整数であるC2p+1型の、直鎖状又は分枝状の炭化水素ベース基;好ましくは水素又はメチル、エチル、プロピル又はブチル基であり;
− Z'は、-COO-、-CONH-、-CONCH-、-OCO-、又は-O-、-SO-、-CO-O-CO-又は-CO-CH-CO-;好ましくはCOO及びCONHから選択される二価の基であり;
− x'は0又は1、好ましくは1であり;
− R'2は、飽和又は不飽和、芳香族であってもよく、直鎖状、分枝状又は環状の1〜30の炭素原子を有する炭素ベースの二価の基であって、O、N、S、F、Si及びPから選択される1〜18のヘテロ原子を有していてもよいものであり;
− m'は0又は1であり;
− Xは、
(a)グアニジノ又はアミジノ基であり、又は
(b)式-N(R)(R)又は-P(R)(R)又は-Pの基であり、ここでR6、R7及びR8は互いに独立して、(i)水素原子、又は(ii)直鎖状、分枝状又は環状で飽和又は不飽和であり、芳香族であってもよい1〜18の炭素原子を有するアルキル基であって、O、N、S、F、Si及びPから選択される1〜10のヘテロ原子を有していてもよいものを表し、又は(iii)R6及びR7は窒素又はリン原子と共同して、全体で5、6、7又は8の原子、特に4、5又は6の炭素原子、及び/又はO、S及びNから選択される2〜4のヘテロ原子を有し、芳香族であってもよい飽和又は不飽和の第1の環を形成してよく;該第1の環は、5、6又は7の原子、特に4、5、6又は7の炭素原子、及び/又はO、S及びNから選択される2〜4のヘテロ原子をそれぞれ有し、芳香族であってもよい一又は複数の他の飽和又は不飽和の環と縮合可能であり;又は
(c)Xは-R'6-N-R'7-基であり、R'6及びR'7は窒素原子と共同して、全体で5、6、7又は8の原子、特に4、5又は6の炭素原子、及び/又はO、S及びNから選択される2〜4のヘテロ原子を有し、芳香族であってもよい飽和又は不飽和の環を形成し;該環は、5、6又は7の原子、特に4、5、6、7又は8の炭素原子、及び/又はO、S及びNから選択される2〜4のヘテロ原子をそれぞれ有し、芳香族であってもよい一又は複数の他の飽和又は不飽和の環と縮合可能である]
のモノマーから選択される、少なくとも一のカチオン性モノマー、又はその塩;
を含有するエチレン性コポリマーであって;
ブレンステッドの意味の有機酸から選択される少なくとも一の中和剤で少なくとも部分的に中和されているコポリマー。
【請求項2】
式(I)において、R1が、水素、又はメチル、エチル、プロピル又はブチル基を表す、請求項1に記載のポリマー。
【請求項3】
式(I)において、Zが、COO又はCONHを表す、請求項1又は2に記載のポリマー。
【請求項4】
式(I)において、R2基が:
− メチレン、エチレン、プロピレン、n-ブチレン、イソブチレン、tert-ブチレン、n-ヘキシレン、n-オクチレン、n-ドデシレン、n-オクタデシレン、n-テトラデシレン又はn-ドコサニレン等のアルキレン基;
− O、N、S、F、Si及びPから選択される1〜25のヘテロ原子を有していてもよい、C1-C12アルキル基で置換されていてもよいフェニレン基-C-(オルト、メタ又はパラ);又はO、N、S、F、Si及びPから選択される1〜8のヘテロ原子を有していてもよい、C1-C12アルキル基で置換されていてもよいベンジレン基-C- CH-;
− 次の式:
【化3】

[ここで、R'1ないしR'4は同一でも異なっていてもよく、O、N、S、F、Si及びPから選択される1〜8のヘテロ原子を有していてもよい、C1-C12アルキル基、及びHから選択され;R'1ないしR'4は、特にメチル及び/又はエチルであってよい]
のピリジニウム基;
− 式-CH-O-CO-O-、CH-CH-O-CO-O-、-CH-CO-O-、-CH-CH-CO-O-、-CH-O-CO-NH-、-CH-CH-O-CO-NH-;-CH-NH-CO-NH-、-CH-CH-NH-CO-NH-;-CH-CHOH-、-CH-CH-CHOH-、CH-CH-CH(NH)-、-CH-CH(NH)-、-CH-CH-CH(NHR')-、-CH-CH(NHR')-、-CH-CH-CH(NR'R'')-、-CH-CH(NR'R'')-、-CH-CH-CH-NR'-、-CH-CH-CH-O-;-CH-CH-CHR'-O-で、R'及びR''が、O、N、S、F、Si及びPから選択される1〜12のヘテロ原子を有していてもよい、直鎖状又は分枝状のC1-C22アルキルを表すもの;又は
− これらの基の混合物;
から選択される、請求項1ないし3のいずれか一項に記載のポリマー。
【請求項5】
式(I)において、nが5〜200、好ましくは7〜100、特に9〜50である、請求項1ないし4のいずれか一項に記載のポリマー。
【請求項6】
式(I)において、R3が、水素原子;スクシンイミド、マレイミド、メシチル、トシル、トリエトキシシラン、フタルイミド又は-CH-CH-CN基;O、N、S、F、Si及びPから選択される1〜8のヘテロ原子を有していてもよい、C1-C12アルキル基で置換されていてもよいベンジル又はフェニル基;O、N、S、F、Si及びPから選択される1〜18のヘテロ原子を有していてもよい、C1-C30、特にC1-C22、又はC2-C16アルキル基であり;該ベンジル、フェニル又はアルキル基が次の官能基:スクシンイミド;グルタラート-スクシンイミド;グルタラート;マレイミド;メシチル、ベンゾアート;トシル;トリエトキシシラン;フタルイミド;チオエステル;ベンゾトリアゾールカルボナート;ブチルアルデヒド;アセトアルデヒドジエチルアセタール;ビオチン;リン脂質;スクシナート;N-ヒドロキシスクシンイミド;-SOH、-COOH、-PO、- NR5R6又は-NR5R6R7で、R5、R6及びR7は互いに独立して、H、及び直鎖状、分枝状又は環状のC1-C18アルキル、特にメチルで、一又は複数のヘテロ原子-又はt-ブチルオキシカルボニル又は9-フルオレニルメトキシカルボニル等の保護基を有していてもよいものから選択される官能基をさらに含んでいてもよい、請求項1ないし5のいずれか一項に記載のポリマー。
【請求項7】
式(I)のモノマーが、単独で又は混合物として:
− ポリ(エチレングリコール)(メタ)アクリラート;
− メチルポリ(エチレングリコール)(メタ)アクリラート;
− アルキルポリ(エチレングリコール)(メタ)アクリラート;
− フェニルポリ(エチレングリコール)(メタ)アクリラート;
− 次のモノマー:
【化4】

[上式中、nは、好ましくは3〜100、特に5〜50、又は7〜30である]
から選択される、請求項1ないし6のいずれか一項に記載のポリマー。
【請求項8】
式(I)のモノマーが、350〜13000g/mol、特に500〜8000g/molの分子量を有する、請求項1ないし7のいずれか一項に記載のポリマー。
【請求項9】
式(I)のモノマーが、ポリ(エチレングリコール)(メタ)アクリラート及びメチルポリ(エチレングリコール)(メタ)アクリラート、好ましくは350〜13000g/mol、特に500〜8000g/molの分子量を有するものから選択される、請求項1ないし8のいずれか一項に記載のポリマー。
【請求項10】
式(I)のモノマーが、ポリ(エチレングリコール)(メタ)アクリラート、特に350〜13000g/mol、特に500〜8000g/molの分子量を有するものから選択される、請求項1ないし9のいずれか一項に記載のポリマー。
【請求項11】
式(I)のモノマーが、単独で又は混合物として、最終ポリマーの重量に対して20重量%〜60重量%、好ましくは30重量%〜50重量%の割合で存在している、請求項1ないし10のいずれか一項に記載のポリマー。
【請求項12】
式(IIa)のモノマーにおいて、R'2基が:
− メチレン、エチレン、プロピレン、n-ブチレン、イソブチレン、tert-ブチレン、n-ヘキシレン、n-オクチレン、n-ドデシレン、n-オクタデシレン、n-テトラデシレン又はn-ドコサニレン等のアルキレン基;
− N、O、S、F、Si及びPから選択される1〜25のヘテロ原子を有していてもよい、C1-C12アルキル基で置換されていてもよいフェニレン基-C-(オルト、メタ又はパラ);又はO、N、S、F、Si及びPから選択される1〜25のヘテロ原子を有していてもよい、C1-C12アルキル基で置換されていてもよいベンジレン基-C- CH-;
− 式-CH-O-CO-O-、CH-CH-O-CO-O-、-CH-CO-O-、-CH-CH-CO-O-、-[(CH)-CO-O]-、-CH-CH(CH)-O-、-(CH)-O-、-CH-O-CO-NH-、-CH-CH-O-CO-NH-;-CH-NH-CO-NH-又は-CH-CH-NH-CO-NH-、-CH-CHOH-、-CH-CH-CHOH-、-CH-CH-CH(NH)-、-CH-CH(NH)-、-CH-CH-CH(NHR')-、-CH-CH(NHR')-、-CH-CH-CH(NR'R'')-、-CH-CH(NR'R'')-、-CH-CH-CH-NR'-、-CH-CH-CH-O-;-CH-CH-CHR'-O-で、R'及びR''が、O、N、S、F、Si及びPから選択される1〜12のヘテロ原子を有していてもよい、直鎖状又は分枝状のC1-C22アルキルを表すもの;又は
− これらの基の混合物;
から選択される、請求項1ないし11のいずれか一項に記載のポリマー。
【請求項13】
式(IIa)のモノマーにおいて、R6及びR7基が、水素、及びメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、t-ブチル、イソブチル、オクチル、ラウリル又はステアリル基;好ましくは水素、メチル又はエチルから選択される、請求項1ないし12のいずれか一項に記載のポリマー。
【請求項14】
式(IIa)のモノマーにおいて、Xが、ピリジン、インドリル、イソインドリニル、イミダゾリル、イミダゾリニル、ピペリジル、ピラゾリニル、ピラゾリル、キノリン、ピラゾリニル、ピリジル、ピペラジニル、ピロリジニル、キニジニル、チアゾリニル、モルホリン、グアニジノ又はアミジノ型の基、及びそれらの混合物から選択される、請求項1ないし13のいずれか一項に記載のポリマー。
【請求項15】
式(IIa)のモノマーが、単独で又は混合物として、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリラート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリラート、ビニルイミダゾール、ビニルピリジン、及びモルホリノエチル(メタ)アクリラート;及び次の式:
【化5】

のモノマーから選択される、請求項1ないし14のいずれか一項に記載のポリマー。
【請求項16】
式(IIa)のカチオン性モノマーが、最終ポリマーの重量に対して40重量%〜80重量%、好ましくは50重量%〜70重量%の割合で存在している、請求項1ないし15のいずれか一項に記載のポリマー。
【請求項17】
式(IIb)のもの及び/又は無水マレイン酸から選択されるアニオン性モノマー、及び/又は式(IIc)及び(IId)の両性モノマーから選択される、一又は複数の付加的なイオン性モノマーをさらに含有しており、該モノマーが次の式:
【化6】



[上式中:
− R1、Z'、x'、R'2及びm'は、請求項1の式(IIa)で付与された同様の意味を有し;
− Yは、-COOH、-SOH、-OSOH、-PO及び-OPOから選択される基であり;
− X'は、式-N(R)(R)-の二価の基であり、ここでR6及びR7は互いに独立して、(i)水素原子、又は(ii)直鎖状、分枝状又は環状で、芳香族であってもよく、場合によってはO、N、S及びPから選択される1〜20のヘテロ原子を有し、1〜25の炭素原子を有するアルキル基を表し、又は(iii)R6及びR7は窒素原子と共同して、全体で5、6、7又は8の原子、特に4、5、6又は7の炭素原子、及び/又はO、S及びNから選択される2〜3のヘテロ原子を有し、芳香族であってもよい飽和又は不飽和の第1の環を形成してよく;該第1の環は、5、6、7又は8の原子、特に4、5、6又は7の炭素原子、及び/又はO、S及びNから選択される2〜3のヘテロ原子をそれぞれ有し、芳香族であってもよい一又は複数の他の飽和又は不飽和の環と縮合可能であり;
− Y'は、-COO、-SO、-OSO、-PO2−及び-OPO2−から選択される基であり;
− R'3は、飽和又は不飽和、芳香族であってもよく、直鎖状、分枝状又は環状で、場合によってはO、N、S、F、Si及びPから選択される1〜18のヘテロ原子を有し、1〜30の炭素原子を有する炭素ベースの二価の基であり;
− n'は1〜100、好ましくは1〜5であり;
− X''は、式-Nの基であり、ここでR6、R7及びR8は互いに独立して、(i)水素原子、又は(ii)直鎖状、分枝状又は環状で、芳香族であってもよく、場合によってはO、N、S及びPから選択される1〜5のヘテロ原子を有し、1〜18の炭素原子を有するアルキル基を表し、又は(iii)R6及びR7が窒素原子と共同して、全体で5、6又は7の原子、特に4、5又は6の炭素原子、及び/又はO、S及びNから選択される2〜3のヘテロ原子を有し、芳香族であってもよい飽和又は不飽和の第1の環を形成してよく;該第1の環は、5、6又は7の原子、特に4、5、6又は7の炭素原子、及び/又はO、S及びNから選択される2〜3のヘテロ原子をそれぞれ有し、芳香族であってもよい一又は複数の他の飽和又は不飽和の環と縮合可能であり;特にトリメチルアンモニウム;トリエチルアンモニウム;N,N-ジメチル-N-オクチルアンモニウム;N,N-ジメチル-N-ラウリルアンモニウム基である]
のものである、請求項1ないし16のいずれか一項に記載のポリマー。
【請求項18】
式(IIc)及び/又は(IId)のモノマーにおいて、R'3基が:
− メチレン、エチレン、プロピレン、n-ブチレン、イソブチレン、tert-ブチレン、n-ヘキシレン、n-オクチレン、n-ドデシレン、n-オクタデシレン、n-テトラデシレン又はn-ドコサニレン等のアルキレン基;
− O、N、S、F、Si及びPから選択される1〜5のヘテロ原子を有していてもよい、C1-C12アルキル基で置換されていてもよいフェニレン基-C-(オルト、メタ又はパラ);又はO、N、S、F、Si及びPから選択される1〜5のヘテロ原子を有していてもよい、C1-C12アルキル基で置換されていてもよいベンジレン基-C-CH-;
− 式-CH-O-CO-O-、CH-CH-O-CO-O-、-CH-CO-O-、-CH-CH-CO-O-、-[(CH)-CO-O]-、-CH-CH(CH)-O-、-(CH)-O-、-CH-O-CO-NH-、-CH-CH-O-CO-NH-;-CH-NH-CO-NH-又は-CH-CH-NH-CO-NH-、-CH-CHOH-、-CH-CH-CHOH-、-CH-CH-CH(NH)-、-CH-CH(NH)-、-CH-CH-CH(NHR')-、-CH-CH(NHR')-、-CH-CH-CH(NR'R'')-、-CH-CH(NR'R'')-、-CH-CH-CH-NR'-、-CH-CH-CH-O-;-[CH-CH-O]-及び-[CH-CH(CH)-O]-、-CH-CH-CHR'-O-で、R'及びR''が、O、N、S、F、Si及びPから選択される1〜12のヘテロ原子を有していてもよい、直鎖状又は分枝状のC1-C22アルキルを表すもの;又は
− これらの基の混合物;
から選択される、請求項17に記載のポリマー。
【請求項19】
アニオン性モノマーが、無水マレイン酸、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸、2-カルボキシエチルアクリラート(CH=CH-C(O)-O-(CH)-COOH);スチレンスルホン酸、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、ビニル安息香酸、ビニルリン酸及びスルホプロピル(メタ)アクリラート、及びそれらの塩から選択される、請求項17又は18に記載のポリマー。
【請求項20】
式(IIc)又は(IId)のモノマーが、N,N-ジメチル-N-(2-メタクリロイルオキシエチル)-N-(3-スルホプロピル)アンモニウムベタイン、N,N-ジメチル-N-(3-メタクリルアミドプロピル)-N-(3-スルホプロピル)アンモニウムベタイン、1-(3-スルホプロピル)-2-ビニルピリジニウムベタイン、及び2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンから選択される、請求項17ないし19のいずれか一項に記載のポリマー。
【請求項21】
前記付加的なイオン性モノマーが、「付加的なカチオン性+イオン性モノマー」の混合物の重量に対して、5重量%〜40重量%、特に10重量%〜30重量%、好ましくは15重量%〜25重量%の割合で存在している、請求項17ないし20のいずれか一項に記載のポリマー。
【請求項22】
前記イオン性モノマーが、最終ポリマーの重量に対して20重量%〜90重量%、特に40重量%〜80重量%、好ましくは50重量%〜70重量%の割合で存在している、請求項17ないし21のいずれか一項に記載のポリマー。
【請求項23】
単独で又は混合物として、次の式(III):
【化7】

[上式中:
− R'は水素又は-CHであり;
− Z''は、-COO-、-CONH-、-CONCH-、-OCO-、-SO-、-CO-O-CO-、-CO-CH-CO-及び-O-;好ましくはCOO及びCONHから選択される二価の基であり;
− x''は0又は1であり;
− R''は、飽和又は不飽和、芳香族であってもよく、直鎖状、分枝状又は環状で、場合によってはO、N、S、F、Si及びPから選択される1〜18のヘテロ原子を有し、1〜30の炭素原子を有する炭素ベース基;特にメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、フェニル、ベンジル、又は式-CH-CH-CHOH、-CH-CH-OH、-CH-CH-CHOH又はフルフリル基である]
のものから選択される、少なくとも一の付加的な親水性の非イオン性モノマーをさらに含有する、請求項1ないし22のいずれか一項に記載のポリマー。
【請求項24】
付加的な親水性の非イオン性モノマーが:メタクリル酸メチル、アクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸イソプロピル、メタクリル酸テトラヒドロフルフリル、アクリル酸テトラヒドロフルフリル、2-ヒドロキシエチルメタクリラート、2-ヒドロキシエチルアクリラート、メタクリル酸エトキシエチル、アクリル酸エトキシエチル、N-イソプロピルアクリルアミド、N-イソプロピルメタクリルアミド、N,N-ジメチルアクリルアミド、N,N-ジメチルメタクリルアミド、酢酸ビニル、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ビニルピロリドン、ビニルカプロラクタム、N-ビニルアセトアミド、及びアクリル酸ヒドロキシプロピル;N-ビニルラクタム、アクリルアミド、N-メチルアクリルアミド、N,N-ジメチルアクリルアミド、N-メチル-N-ビニルアセトアミド、N-ビニルホルムアミド、N-メチル-N-ビニルホルムアミド、ビニルアルコールで、特に酢酸ビニルの形態に共重合させ、ついで加水分解させたものから選択される、請求項23に記載のポリマー。
【請求項25】
付加的な親水性の非イオン性モノマーが、単独で又は混合物として、ポリマーの全重量に対して0.1重量%〜35重量%、好ましくは1重量%〜25重量%、例えば3重量%〜15重量%、さらには5重量%〜9.5重量%の量で存在している、請求項23又は24に記載のポリマー。
【請求項26】
中和剤が、直鎖状、分枝状又は環状の脂肪族酸、及び/又は不飽和又は芳香族の酸から選択され、特に1〜1000の炭素原子、中でも2〜500の炭素原子を有してよく;またブレンステッドセンスにおいて少なくとも一の酸性官能基、特に一又は複数のカルボン酸、スルホン酸及び/又はリン酸基を有し;ヒドロキシル基等の形態で、O、N、Si、F及びPから選択される一又は複数のヘテロ原子を有していてもよい、請求項1ないし25のいずれか一項に記載のポリマー。
【請求項27】
中和剤が、単独で又は混合物として:
− 直鎖状、分枝状又は環状で飽和又は不飽和であり、芳香族であってよく、6〜32、特に8〜28の炭素原子を有し、また少なくとも一のCOOH又はスルホン酸(-SOH)官能基を有する脂肪酸;
− 直鎖状、分枝状又は環状で飽和又は不飽和であり、芳香族であってよく、6〜32、特に8〜28の炭素原子を有し、また少なくとも一のCOOH又はスルホン酸(-SOH)官能基を有するヒドロキシ酸、特にα-ヒドロキシ酸;
− アルキル基が4〜30、特に6〜24の炭素原子を有していてよいアルキルベンゼンスルホン酸;
− アルキル基が4〜30、特に6〜24の炭素原子を有していてよいアルキルベタイン又はアルキルアミドプロピルベタイン型の両性中和剤;特にココアミドプロピルベタイン;
から選択される、請求項1ないし26のいずれか一項に記載のポリマー。
【請求項28】
中和剤が、α-ヒドロキシエタン酸、α-ヒドロキシオクタン酸、α-ヒドロキシカプリル酸、アスコルビン酸、酢酸、安息香酸、ベヘン酸、カプリン酸、クエン酸、カプロン酸、カプリル酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、2-エチルカプロン酸、葉酸、フマル酸、ガラクタル酸、グルコン酸、グリコール酸、2-ヘキサデシルエイコサン酸、ヒドロキシカプロン酸、12-ヒドロキシステアリン酸、イソラウリン酸(又は2-ブチルオクタン酸)、イソミリスチン酸(又は2-ヘキシルオクタン酸)、イソアラキドン酸(又は2-オクチルドデカン酸)、イソリグノセリン酸(又は2-デシルテトラデカン酸)、乳酸、ラウリン酸、リンゴ酸、ミリスチン酸、オレイン酸、パルミチン酸、プロピオン酸、セバシン酸、ステアリン酸、酒石酸、テレフタル酸、トリメシン酸、ウンデシレン酸、プロピルベタイン、ココアミドプロピルベタイン、及び式[(CH)N+CHCOH.Cl-]の塩酸ベタイン、及びそれらの混合物から選択される、請求項1ないし27のいずれか一項に記載のポリマー。
【請求項29】
中和剤が、カプロン酸、2-エチルカプロン酸、オレイン酸、ベヘン酸、ステアリン酸、酢酸、クエン酸、酒石酸、塩酸ベタイン及び/又はグルコン酸、好ましくは塩酸ベタイン及び/又はベヘン酸から選択される、請求項1ないし28のいずれか一項に記載のポリマー。
【請求項30】
中和剤が、単独で又は混合物として、ポリマー又はモノマーの全アミン官能基に対して、0.01〜3モル当量、特に0.05〜2.5、さらには0.1〜2モル当量の量で添加される、請求項1ないし29のいずれか一項に記載のポリマー。
【請求項31】
中和剤が、単独で又は混合物として、ポリマー又はモノマーの全アミン官能基に対して、0.01〜0.99モル当量、特に0.05〜0.9、さらには0.1〜0.8モル当量の量で添加される、請求項30に記載のポリマー。
【請求項32】
中和剤が、単独で又は混合物として、ポリマー又はモノマーの全アミン官能基に対して、1.01〜3モル当量、特に1.2〜2.5、さらには1.5〜2モル当量の量で添加される、請求項30に記載のポリマー。
【請求項33】
中和剤が、単独で又は混合物として、ポリマー又はモノマーの全アミン官能基に対して、1モル当量の量で添加される、請求項30に記載のポリマー。
【請求項34】
500〜5000000、特に1000〜3000000、好ましくは2000〜2000000、さらに4000〜500000、とりわけ7000〜400000、さらに好ましくは20000〜350000、より好ましくは150000〜300000の重量平均分子量(Mw)を有する、請求項1ないし33のいずれか一項に記載のポリマー。
【請求項35】
水溶性又は水分散性等、水性媒体に搬送されることを特徴とする、請求項1ないし34のいずれか一項に記載のポリマー。
【請求項36】
ブルックフィールド粘度計を使用し、水又はメチルエチルケトンに15重量%のポリマーを含有する溶液を、25℃にて、針型の1号スピンドルを用い;測定時間5分、0.1〜6rpmの速度にて測定して、1〜1000mPa.s、好ましくは1.5〜750mPa.s、さらに好ましくは2〜500mPa.sの粘度を有することを特徴とする、請求項1ないし35のいずれか一項に記載のポリマー。
【請求項37】
−150℃〜20℃、特に−120℃〜10℃、さらに好ましくは−100℃〜0℃のガラス転移温度(Tg)を有することを特徴とする、請求項1ないし36のいずれか一項に記載のポリマー。
【請求項38】
75%の相対湿度(75% RH)で、3重量%〜150重量%、好ましくは4重量%〜100重量%、特に5重量%〜50重量%の水分取込度を有し;及び/又は85%の相対湿度(85% RH)で、3重量%〜200重量%、好ましくは55重量%〜150重量%、特に60重量%〜120重量%、さらには70重量%〜100重量%の水分取込度を有することを特徴とする、請求項1ないし37のいずれか一項に記載のポリマー。
【請求項39】
− 式(I)のモノマーが、単独で又は混合物として、最終ポリマーの重量に対して10重量%〜80重量%、特に20重量%〜60重量%、好ましくは30重量%〜50重量%の割合で存在し、また単独で又は混合物として、ポリ(エチレングリコール) (メタ)アクリラート類、好ましくは350〜13000g/mol、特に500〜8000g/molの分子量を有するものから選択され;
− 「必須カチオン性」モノマーが、最終ポリマーの重量に対して、20重量%〜90重量%、特に40重量%〜80重量%、好ましくは50重量%〜70重量%の割合で存在し、また単独で又は混合物として、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリラート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリラート、ビニルイミダゾール、ビニルピリジン、及びモルホリノエチル(メタ)アクリラートから選択され、また:
− ポリマーが、2-エチルカプロン酸、オレイン酸、ベヘン酸、ステアリン酸、酢酸、クエン酸、酒石酸、塩酸ベタイン、及び/又はグルコン酸、好ましくはベヘン酸及び/又は塩酸ベタインから選択される中和剤で中和されている、
請求項1ないし38のいずれか一項に記載のポリマー。
【請求項40】
− 式(I)のモノマーが、単独で又は混合物として、10重量%〜80重量%、特に20重量%〜60重量%、好ましくは30重量%〜50重量%の割合で存在し、また単独で又は混合物として、ポリ(エチレングリコール) (メタ)アクリラート類、好ましくは350〜13000g/mol、特に500〜8000g/molの分子量を有するものから選択され;及び
− 「必須カチオン性」モノマーが、最終ポリマーの重量に対して、20重量%〜90重量%、特に40重量%〜80重量%、好ましくは50重量%〜70重量%の割合で存在し、また単独で又は混合物として、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドから選択され;
− ポリマーが、ベヘン酸及び/又は塩酸ベタインから選択される中和剤で中和されている、
請求項1ないし39のいずれか一項に記載のポリマー。
【請求項41】
生理学的に許容可能な媒体、特に化粧品的又は製薬的に許容可能な媒体に、請求項1ないし40のいずれか一項に記載の少なくとも一のポリマーを含有せしめてなる化粧品用又は製薬用組成物。
【請求項42】
請求項1ないし40のいずれか一項に記載のポリマーが、水又は有機溶媒に溶解した溶液、又はそれらの水性もしくは有機分散液を含む、請求項41に記載の組成物。
【請求項43】
ポリマーが、組成物の全重量に対して0.01重量%〜50重量%、特に0.1重量%〜30重量%、さらには0.3重量%〜10重量%、好ましくは1重量%〜3重量%の固体量の割合で存在している、請求項41又は42に記載の組成物。
【請求項44】
生理学的に許容可能な媒体が、水;親水性有機溶媒、アルコール類、特に直鎖状又は分枝状のC-Cモノアルコール類、及びポリオール類、及びグリコールエーテル、特にCグリコールエーテル、及び親水性C-Cアルデヒド類;ロウ、ペースト状の脂肪物質、ガム類、及びそれらの混合物で、動物、植物、鉱物又は合成由来のもの;脂質親和性の有機溶媒;動物、植物、鉱物又は合成由来の油;合成エステル及びエーテル;ペンタエリトリトールのエステル;12〜26の炭素原子を有する脂肪アルコール;部分的に炭化水素ベース及び/又はシリコーンベースのフルオロ油;室温で液状又はペースト状であり、揮発性又は非揮発性で直鎖状又は環状のシリコーン油;顔料、真珠母、フィラー、水溶性染料及び脂溶性染料;ポリマー;皮膜形成補助剤;界面活性剤;ビタミン類、香料、真珠光沢剤、増粘剤、ゲル化剤、微量元素、柔軟剤、金属イオン封鎖剤、香料、酸性化又は塩基性化剤、防腐剤、サンスクリーン剤、酸化防止剤、抜毛防止剤、抗フケ剤、噴霧剤、及びセラミド類;それらの混合物から選択される少なくとも一の成分を含有している、請求項41ないし43のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項45】
懸濁液、小胞体により水に油が分散したもの等の分散液;場合によっては増粘又はゲル化していてもよい油性溶液:水中油型、油中水型又は多相エマルション;ゲル又はムース;油性又は乳化したゲル;脂質小胞体等の小胞体の分散液;2相又は多相ローション;スプレー;ローション、クリーム、膏薬、柔軟なペースト、軟膏、棒状又は皿状等の成形又は鋳型の固形物、又は圧密された固形物の形態をしている、請求項41ないし44のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項46】
体又は顔の皮膚、唇及び毛髪の手入れ及び/又はメークアップ用製品、抗日光又は自己サンタン製品、又はヘアケア用製品の形態である、請求項41ないし45のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項47】
特にヘアスタイルの保持又は毛髪の成形のための毛髪用組成物、中でもシャンプー、ヘアセット用ゲル又はローション、ブロー乾燥用ローション、ラッカー又はスプレー等の固定用及びスタイリング用組成物;すすがれる又はそのまま残る毛髪用コンディショナー、毛髪のパーマネントウェーブ、リラクシング、染色又は脱色用組成物の形態、あるいは毛髪の染色、脱色、パーマネントウェーブ又はリラクシングの前後、あるいはパーマネントウェーブもしくは毛髪のリラクシング施術の2つの工程の間に適用されてすすがれる組成物の形態である、請求項41ないし46のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項48】
請求項41ないし47のいずれか一項に記載の化粧品用組成物を、体又は顔の皮膚、爪、体毛、頭髪及び/又は睫毛等のケラチン物質に適用し、ついで場合によっては水ですすぐことからなることを特徴とする、該ケラチン物質をトリートメントするための美容方法。
【請求項49】
請求項41ないし47のいずれか一項に記載の化粧品用組成物を、体又は顔の皮膚、爪、体毛、頭髪及び/又は睫毛等のケラチン物質に適用し、ついで場合によっては水ですすぐことからなることを特徴とする、該ケラチン物質をトリートメント、手入れ、及び/又は洗浄及び/又はメークアップを除去するための、またヘアスタイルを保持するための美容方法。
【請求項50】
ポリマーの構造に含まれるモノマーのアミン単位、特に式(IIa)のカチオン性モノマーのアミン単位を重合前に中和し、ついで所望のコポリマーを得るために、中和されたモノマーを共重合させる、請求項1ないし40のいずれか一項に記載のエチレン性コポリマーの調製方法。
【請求項51】
ポリマーの構造に含まれる中和されていないモノマーを重合させ、ついで形成後に、コポリマーを中和する、請求項1ないし40のいずれか一項に記載のエチレン性コポリマーの調製方法。

【公表番号】特表2008−505242(P2008−505242A)
【公表日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−519833(P2007−519833)
【出願日】平成17年7月1日(2005.7.1)
【国際出願番号】PCT/FR2005/001700
【国際公開番号】WO2006/013269
【国際公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【出願人】(391023932)ロレアル (950)
【Fターム(参考)】