説明

新規のピリミジン・カルボキサミド

本発明は、一般式(I)の新規化合物、それらの誘導体、それらのアナログ、それらの互変異性体、それらの立体異性体、それらの多型、それらの水和物、それらの溶媒和物、それらの医薬として許容される塩及び組成物、それらの代謝物及びプロドラッグに関する。本発明は、より具体的に、一般式(I)の新規のピリミジン・カルボキサミドに関する。哺乳動物における疼痛障害、免疫疾患、炎症、関節リウマチ;骨粗鬆症;多発性骨髄腫;ブドウ膜炎;急性及び慢性骨髄性白血病;虚血性心疾患;粥状動脈硬化;癌;虚血性細胞損傷;膵β細胞破壊;骨関節炎;リウマチ性脊椎炎;痛風性関節炎;炎症性腸疾患;成人呼吸促迫症候群(ARDS);乾癬;クローン病;アレルギー疾患;潰瘍性大腸炎;アナフィラキシー;接触皮膚炎;筋変性;悪液質;喘息;骨吸収病;虚血再灌流傷害;頭部外傷;多発性硬化症;敗血症;敗血症性ショック;毒素性ショック症候群;感染症のため生じる発熱及び筋肉痛の予防又は治療方法であって、式(I)の化合物の有効量を投与することを含む方法が含まれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般式(I):
【化1】

で表される新規の化合物、その誘導体、そのアナログ、その互変異性体、その立体異性体、その多型、その水和物、その溶媒和物、その医薬として許容される塩及び組成物、その代謝物及びそれらのプロドラッグに関する。本発明はより具体的に、一般式(I)で表される新規のピリミジン・カルボキサミドに関する。
【0002】
本発明は、上記式(I)の新規化合物、その誘導体、アナログ、互変異性体、立体異性体、多型、水和物、溶媒和物、医薬として許容される塩及び組成物、代謝物、及びそれらのプロドラッグの製造方法も提供する。本発明は、このような化合物の製造に有用な中間体にも関する。
【0003】
本発明の新規化合物は、炎症及び免疫疾患の治療に有用であり、特にTNF-α、IL-1、IL-6、IL-1β、IL-8、IL-12などのサイトカイン及びCOX-2及びCOX-3などのシクロオキシゲナーゼにより媒介される疾患、並びにトロンボキサン・シンターゼにより媒介される疾患の治療に有用である。
【0004】
本発明の化合物は、関節リウマチ;骨粗鬆症;多発性骨髄腫;ブドウ膜炎;急性及び慢性骨髄性白血病;虚血性心疾患;粥状動脈硬化;癌;虚血性細胞損傷;膵臓のβ細胞破壊;骨関節炎;リウマチ性脊椎炎;痛風性関節炎;炎症性腸疾患;成人呼吸促迫症候群(ARDS);乾癬;クローン病;アレルギー疾患;潰瘍性大腸炎;アナフィラキシー;接触皮膚炎;喘息;筋変性;悪液質;I型及びII型糖尿病;骨吸収病;虚血再灌流傷害;頭部外傷;多発性硬化症;敗血症;敗血症性ショック;毒素性ショック症候群;感染症のため生じる発熱及び筋肉痛の治療に有用である。
【背景技術】
【0005】
細胞増殖、分化、生体調節分子、病原体及び生理的ストレスに対する応答に必須のシグナルは、遺伝子発現の割合の変化に関与する。この様なシグナル事象に適切に応答する能力は、細胞の生存、ひいては生物の生存に対し挑戦することになる。これらの特異的遺伝子応答の通常調節の撹乱は、急性及び慢性疾患を導く発病事象をもたらす。ある自己免疫疾患又は慢性炎症状態では、T細胞の連続的活性化が、最終的に、通常組織又は臓器の自己永続的な破壊をもたらす。これは、接着分子、白血球走化、白血球の活性化及び炎症メディエーターの生成により引き起こされる。これらの事象の全ては、新たなタンパク質、例えばサイトカインの産生のための転写レベルで制御される。サイトカイン、並びに多くのほかの細胞レギュレーターの産生は、転写因子(TF)として知られているタンパク質のファミリーにより制御される。これらの転写因子は、活性化された場合に、DNAの特異的領域に結合し、そして遺伝子発現を誘導又は上方制御する分子スイッチ又はメッセンジャーとして作用する。これらのTFの活性化は、生理的ストレスを含む様々な外部シグナル、感染物質、及び他の生物調節分子により引き起こされる。これらのTFの活性化は、生理的ストレス、感染物質及び他の生体制御分子を含む様々な外部シグナルにより引き起こされる。ひとたび原形質膜受容体が活性化されると、タンパク質キナーゼのカスケード及び第2メッセンジャーが誘導され、これは次にRNA転写物の生産をもたらす。最終的な結果は、RNA転写物の生産、並びにRNA転写産物の翻訳及びプロセッシングを介した炎症性タンパク質の生産である。
【0006】
活性化システムは、時折かなり強力でありうる。外部シグナルの特異的セットは、所定の疾患の原因となる多くのタンパク質を誘導する1の転写因子をもたらしうる。その結果、活性化TFの生産を撹乱することによりこのプロセスを制御することは、関連する病原タンパク質の生産を軽減する能力を有し、それにより疾患のコースを停止又は逆行させる。
【0007】
2個の転写因子、NFκB及びAP-1は、免疫炎症疾患において増大された多くの関連タンパク質及び炎症性サイトカインの生産を調節することが示されてきた。これらのTFは、様々な細胞型においてインターロイキン-1(IL-1)、インターロイキン-2(IL-2)、腫瘍壊死因子-α(TNF-α)、インターロイキン-6(IL-6)及びインターロイキン-8(IL-8)のレベルを調節する。例えば、NFκB及び他の関連複合体は、その遺伝子の産物が細胞を外部刺激に晒した際に保護的かつ増殖的な応答において機能するところの遺伝子の迅速な誘導に関する。同様に、AP-1は、T細胞活性化の間にIL-2及びTNF-α転写の調節において重要な役割を有する。さらに、TNF-α及びIL-1は、コラゲナーゼ、ゼラチナーゼ及びストロメライシン遺伝子の発現の強力なアクチベーターであり、これらの発現は、遺伝子のプロモーター部位において1のAP-1結合部位を必要とする。その結果、NFκB及び/又はAP-1活性化の阻害剤は、1連のプロテイナーゼの活性化を協調的に抑制する。さらに、細胞接着分子も、これらのTFにより制御される。これらのタンパク質の全ては、疾患、例えば、骨関節炎、移植片拒絶、虚血、再灌流傷害、外傷、ある癌、ウイルス障害、及び自己免疫疾患、例えば関節リウマチ、多発性硬化症、乾癬、炎症性腸疾患、糸球体腎炎、ループス及び若年性糖尿病において役割を果たすことが示された。つまり、これらのTFの役割は、免疫、炎症及び急性期反応を導く一定の刺激のトランスデューサーとして作用することである。
【0008】
多くの疾患が、タンパク質の不適切な生産により引き起こされるので、慣用される治療アプローチは、個々のエフェクタータンパク質の機能又は活性化を抑制することに焦点を当ててきた。これらの治療は、常に有効であるとは証明されておらず、そして時折、多くの不所望の副作用を伴った。その結果、免疫炎症及び自己免疫疾患の予防及び/又は治療のための新たな治療について必要性が存在する。より具体的に、初期段階で転写を抑制することにより、免疫炎症及び自己免疫疾患に関連するタンパク質の生産を予防する化合物について必要性がある。さらに、これらの化合物は、NFκB及びAP1などのTFの活性化を調節するキナーゼを抑制すべきである。本発明は、これらの必要性を満たし、そしてさらに関連する利点を提供する。
【0009】
本発明は、免疫疾患又は炎症の治療に関連し、特にこの様な疾患は、サイトカイン又はシクロオキシゲナーゼにより媒介される。当該免疫系の主な成分は、マクロファージ又は抗原提示細胞、T細胞及びB細胞である。NK細胞、好塩基球、マスト細胞および樹状細胞などのほかの免疫細胞の役割が知られているが、原発性免疫学障害におけるそれらの役割は確かではない。マクロファージは、両方の炎症の重要なメディエーターであり、そしてT細胞刺激及び増殖についての必要な「支援」を提供する。最も重要なことに、マクロファージは、IL-1、IL-12及びTNF-αを生産し、これら全ては強力な炎症性分子であり、そしてT細胞についての支援を提供する。さらに、マクロファージの活性化は、酵素、例えばシクロオキシゲナーゼ-2(COX-2)及びシクロオキシゲナーゼ-3(COX-3)、誘導性一酸化窒素合成酵素(iNOS)などの酵素の誘導、並びに通常の細胞を損傷できる遊離ラジカルの産生をもたらす。多くの因子は、例えば細菌生成物、超抗原及びインターフェロンγはマクロファージを活性化する。ホスホチロシンキナーゼ及び他の未定義の細胞キナーゼが、活性化プロセスに関与することが信じられている。
【0010】
サイトカインは、免疫応答により分泌される分子であり、そして多数の慢性及び急性状態は、炎症応答の撹乱に関連すると認識されてきた。IL-1、IL-6、IL-8及びTNFを含む多くのサイトカインはこの応答に参画する。炎症の調節におけるこれらのサイトカインの活性は、少なくとも部分的に細胞シグナル経路の酵素、CSBP及びRKとして知られているMAPのメンバーについての酵素の活性化に少なくとも部分的に依存する。このキナーゼは、生理化学ストレスによる刺激の後の二重リン酸化、リポ多糖又はIL-1及びTNFなどの炎症性サイトカインでの処理により活性化される。その結果、p38のキナーゼ活性の阻害剤は、有用な抗炎症性の薬剤である。
【0011】
サイトカインは、免疫応答を媒介するのに重要である免疫細胞により分泌される分子である。サイトカインの産生は、他のサイトカインの分泌、細胞機能の改変、細胞分裂又は分化を導きうる。炎症は、傷害又は感染に対する体の通常の応答である。しかしながら、リュウマチ性関節炎などの炎症性疾患において、病原炎症過程は、病的状態及び死亡につながりうる。サイトカインであるTNF-αは、炎症応答において中心的な役割を果たし、そして炎症疾患における治療介入の重点として標的化される。TNF-αは、活性化マクロファージ及び他の細胞により放出されるポリペプチドホルモンである。低濃度では、白血球を活性化し、そして炎症の血管外部位への白血球の移動を促進することにより、TNF-αは保護的抗炎症応答に寄与する(Moserら、J Clin Invest, 83, 444-55,1989)。高濃度では、TNF-αは、強力なパイロジェンとして作用し、そして他の炎症性サイトカインの生産を誘導する(Haworthら、Eur J Immunol, 21, 2575-79, 1991; Brennanら, Lancet, 2, 244-7, 1989)。TNF-αはまた、急性期タンパク質の合成を刺激する。米国の人口の約1%が罹患する慢性及び進行性の炎症性疾患であるリュウマチ性関節炎では、TNF-αは、関節損傷及び破壊を導くサイトカインカスケードを媒介する(Arendら、Arthritis Rheum, 38, 151-60, 1995)。可溶性TNF受容体(エタネルセプト)(Goldenberg Clin Ther, 21, 75-87, 1999)及び抗-TNF-α抗体(インフリキシマブ)(Luongら、Ann Pharmacother, 34, 743-60, 2000)を含むTNF-α阻害剤は、近年、リュウマチ性関節炎の治療薬としてU.S.FDAにより承認された。
【0012】
高いレベルのTNF-αは、多くのほかの障害及び疾患状態、例えば悪液室、敗血性ショック症候群、骨関節炎、炎症性腸疾患、例えばクローン病及び潰瘍性大腸炎などを含む多くのほかの障害及び疾患に関わった。
【0013】
基礎レベルを超える高いレベルのTNF-α及び/又はIL-1は、関節リウマチ;骨粗鬆症;多発性骨髄腫;ブドウ膜炎;急性及び慢性骨髄性白血病;膵臓のβ細胞破壊;骨関節炎;リウマチ性脊椎炎;痛風性関節炎;炎症性腸疾患;成人呼吸促迫症候群(ARDS);乾癬;クローン病;アレルギー疾患;潰瘍性大腸炎;アナフィラキシー;接触皮膚炎;喘息;筋変性;悪液質;I型及びII型糖尿病;骨吸収病;虚血再灌流傷害;粥状動脈硬化;頭部外傷;多発性硬化症;脳性マラリア;敗血症;敗血症性ショック;毒素性ショック症候群;感染症のため生じる発熱及び筋肉痛を含む多数の疾患状態を媒介又は悪化させることに関わった。HIV-1、HIV-2、HIV-3、サイトメガロウイルス(CMV)、インフルエンザ、アデノウイルス、ヘルペスウイルス(例えば、HSV-1、HSV-2)、及び帯状疱疹もTNF-αによって悪化される。
【0014】
TNF-アルファの阻害剤が、多様な疾患の治療において潜在的に有用であることを理解することができる。TNF-αを阻害する化合物が、幾つかの特許において記載されてきた。IL-6の過剰産生が、幾つかの疾患状態と関わり、そしてIL-6生産を阻害する化合物を開発することがかなり望まれている。IL-6を阻害する化合物が、米国特許第6,004,813号、第5,527,546号及び第5,166,137号に記載された。
【0015】
サイトカインIL-1βはまた、炎症応答にも関与する。サイトカインIL-1βは、胸腺細胞の増殖、線維芽細胞増殖因子の活性、並び滑膜細胞からのプロスタグランジンの放出を刺激する。サイトカインであるIL-1βの高いレベル又は未制御のレベルは、非限定的に、成人呼吸促迫症候群、アレルギー、アルツハイマー病などを含む多数の炎症性疾患、例えば、非限定的に、成人呼吸器疾患症候群、アレルギー、アルツハイマー疾患などを伴った。IL-1βの過剰生産が、多数の疾患状態と関連するので、IL-1βの生産又は活性を阻害する化合物を開発することが望まれる。
【0016】
動物の関節リュウマチモデルでは、複数回のIL-1の関節内注射は、関節炎の急性及び変性形態を導いた(Chandrasekharら、Clinical Immunol Immunopathol. 55, 382, 1990)。培養されたリュウマチ性滑膜細胞を用いた研究では、IL-1は、TNF-αよりも強力なストロメライシンの誘導物質である(Firestein, Am. J. Pathol. 140, 1309, 1992)。局所注射部位では、好中球、リンパ球、及び単球遊出が観察された。当該湧出は、ケモカイン(例えば、IL-8)の誘導に寄与し、そして接着分子の上方制御に寄与する(Dinarello, Eur. Cytokine Netw. 5, 517-531, 1994)。
【0017】
関節リウマチでは、IL-1及びTNF-αの両者が、滑膜細胞及び軟骨細胞のコラゲナーゼ及び中性プロテアーゼの産生を誘導する。これらは、関節炎を起こしている関節内の組織破壊を導く。関節炎のモデル(ラット又はマウスにおけるコラーゲン誘導性関節炎、つまりCIA)では、CIAの誘導前又は後におけるTNF-αの関節内投与は、関節炎の急激な開始及び疾患コースの重篤化を導いた(Brahnら、Lymphokine Cytokine Res. 11, 253, 1992;及びCooper, Clin. Exp. Immunol. 898,244,1992)。
【0018】
IL-8は、炎症又は損傷(例えば虚血)部位への多量の好中球浸潤を媒介する多くの疾患状態を悪化させるか及び/又は当該状態を引き起こすのに関与する。IL-8の化学走化性は、非限定的に以下の喘息、炎症成長疾患、乾癬、成人呼吸窮迫症候群、心臓及び腎臓再灌流傷害、血栓症、及び糸球体腎炎を含む。好中球についての化学走化性効果に加えて、IL-8は、好中球を活性化する能力も有する。こうして、IL-8レベルの低下は、好中球浸潤の低下を引き起こしうる。シクロオキシゲナーゼ酵素が3個のイソ型、つまりCOX-1、COX-2、及びCOX-3で存在することが報告された。COX-1酵素は欠くことのできないものであり、そして主に胃液の制御に関与する。一方、COX-2酵素は基礎レベルで存在しており、そして炎症反応におけるプロスタグランジン合成における主要な役割を有することが報告された。これらのプロスタグランジンは、体内で炎症を引き起こすことが知られている。それゆえ、これらのプロスタグランジンの合成がCOX-2酵素を阻害することにより停止されたならば、炎症及びその関連する障害は治療されうる。COX-3は、グリコシル化依存性シクロオキシゲナーゼ活性を有する。イヌCOX-3活性とマウスCOX-1及びCOX-2の活性を比較することにより、当該酵素が、アセトアミノフェン、フェナセチン、アンチピリン、ジピロンなどの抗アレルギー/抗発熱薬により選択的に抑制されるということが示され、そして幾つかの非ステロイド性抗炎症薬により強く阻害される。こうして、COX-3の阻害は、これらの薬剤が疼痛そしておそらく熱を低減する主な中心的メカニズムを示しうる。コキシブ(Coxib's)の開発前の初期の報告により、COX-1酵素の阻害が胃潰瘍を引き起こす一方、COX-2及びCOX-3酵素の選択的阻害剤が、この機能を欠いており、それゆえ安全であると考えられるということが示された。しかしながら、最近の報告では、選択的COX-2阻害剤(コキシブ)は、心血管系のリスクと関連するということが示された。こうして、心血管系のリスク及びCOX-1の阻害により生じる胃潰瘍を引き起こすことなくCOX-2を阻害することが安全であることが示され、そしてこのことが本発明に関係する。
【0019】
西洋社会において死亡率及び疾病率の主要な原因のままである心血管病原は、幾つかの疾患、例えば心筋梗塞が最も重要な形態を表す虚血性の心臓病を含む。虚血性心臓病は、冠動脈狭窄又は閉塞のため生じる冠動脈血流の低下に関連する酸素を多く含む血液の需要と供給との間の不均衡により特徴付けられる。この動脈閉塞は、アテローム性動脈硬化損傷、急性血栓症、浮腫、アテローム性プラークの膨潤、又は出血により引き起こされることが多い(Pearsonら、Am.J.Pathol, 86, 657-664, 1977; Horieら, Br Heart J. 40: 153 - 161, 1978; Koenig, Cardiol.Review, 9:31-35, 2001)。TXA2は、強力な血小板アクチベーター及び血管及び気管支平滑筋の収縮物質である。TXA2は、シクロオキシゲナーゼ経路により生成される短寿命の脂質メディエーターであり、血小板、マクロファージ、及び肺柔細胞により主に産生される。TXA2は、強力な血小板アクチベーターであり、そして血管及び気管支平滑筋の収縮物質である。TXA2受容体を拮抗するか、又はトロンボキサン・シンターゼ(TS)を阻害することができる薬剤が、心筋虚血の重篤度を低減することが示され(Schrorら、Am.J.Physiol, 238: 87 -92, 1980; Burkeら、Br J Clin Pharmacol, 15:97S- 101S, 1983; Hockら, Eur. J. Pharmacol, 122:213-219, 1986; Brezinskyら、 J.Cardio-vasc Pharmacol, 9:65-71, 1987)、そしてこれが本発明に関係する。
【0020】
近い化合物を開示する従来技術の参考文献を以下に与える:
i)WO2005/084368は、以下の式:
【化2】

[式中、

【化3】

は、独立して単結合又は二重結合を表し;
(a)A、B、及びEは独立してCR1、C(R1)R2、NR1又はNであるか;又は(b)BはA又はEと結合されて、融合5〜8員の部分的に飽和された環であって、R1から独立して選ばれる0〜3個の置換基で置換される環を形成し、そして
A又はE以外は、CR1、C(R1)2、NR1又はNであり;D及びGは独立してCR1、C(R1)2、NR1であり;
W、X、Y及びZは、独立してCR1及びNであり;
P、Q、T及びVは、独立してCR1、C(R1)2、N又はNFであるか;或いはQはV又はPと一緒になって、Rbから独立して選ばれる0〜4個の置換基で置換される融合5〜7員炭素環又は複素環を形成し;
1は、各場合において、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、ニトロ及び式L-Mの群から独立して選ばれ;ここで、Lは独立して、単結合、O、C(=O)、OC(=O)、C(=O)O、OC(=O)O、S(O)m、N(Rx)、C(=O)N(Rx)、N(Rx)C(=O)、N(Rx)S(O)m、S(O)mN(Rx)及びN[S(O)mx]S(O)mから選ばれ;ここでmは各場合において独立して0、1及び2から選ばれ、そしてMは各場合において独立して(a)水素;及び(b)C1-C8アルキル、C2-C8アルケニル、C2-C8アルキニル、モノ及びジ-(C1-C4アルキル)アミノC0-C4アルキル、フェニルC0-C4アルキル、C3-C8シクロアルキルC0-C4アルキル、(5-員環ヘテロアリール)C0-C4アルキル、及び(5-〜7-員環のヘテロシクロアルキル)C0−C4アルキル{この各々は、Rbから独立して選ばれる0〜5個の置換基で置換される}から選ばれ;
1はO、NH及びSから選ばれ;
Uは、C1-C3アルキルであり、オキソ及びC1-C3アルキルから独立して選ばれる0〜3個の置換基で置換され、又は2個の置換基は、一緒になって3〜7員のシクロアルキル又はヘテロシクロアリルを形成する]
で表される新規化合物を開示する。当該発明はさらに、カプサイシン受容体活性化に関連する状態を治療するための、カプサイシン受容体に結合するほかの薬剤を同定するための、そしてプローブとしてカプサイシン受容体の検出および局在を検出するための化合物の使用に関する。
【0021】
これらの化合物の例は、以下の式(1):
【化4】

に示される。
【0022】
ii)米国特許第5,811,428号は、以下の一般構造:
【化5】

[式中、
BがNである場合、AはC-R6であり、BがC-R1である場合、AはNであり、そしてここでR1、R2、R4、R5及びR6は以下に定義される]
を開示する。こうして、AがC-R6であり、そしてBがNであり、構造(I)が以下の構造(II)を有するピリミジン含有化合物であり、そしてAがNであり、そしてBがC-R1である場合、構造(I)は、以下の構造(III)を有するピラジン含有化合物である。当該発明は、細胞内シグナル伝達及び転写因子の活性化を阻害する化合物に一般的に関し、そして免疫炎症及び自己免疫疾患の予防又は治療法に関する。
【化6】

【0023】
これらの化合物の例は以下に示される。
【化7】

【0024】
iii)米国特許第6,835,726号は、以下の:
【化8】

[式中、
Xは、-NR34、-OR3、-SR3、アリール、アルキル又はアリールアルキルを表す。
Yは、共有結合、-N(R6)-、-O-、-S-、-C(=O)-又はアルキレン基を表す。R1及びR2は、独立して水素、アルキル、-O-アルキル、-S-アルキル、アリール、アリールアルキル、-O-アリール、-S-アリール、-NO2、-NR78、-C(O)R9、-CO210、-C(O)NR78、-N(R7)C(O)R9、-N(R7)CO211、-N(R9)C(O)NR78、-S(O)mNR78、-S(O)n9、-CN、ハロゲン、及び-N(R7)S(O)m11から独立して選ばれる。R5及びR6は、独立して水素、アルキル、アリール又はアラルキルである]
で表される一般構造を開示する。化合物及び組成物が提供され、これは、ウイルス感染、特にヒトサイトメガロウイルス感染の治療に有用である。
【0025】
これらの化合物の例が以下の:
【化9】

に示される。
【0026】
iv)US2005/0065145 A1は、以下の:
【化10】

[式中、
Qは、CO、SO、SO2、及びC=NR4からなる群から選ばれ;
Zは、ハロ、ペルハロ(C1-10)アルキル、アミノ、シアノ、チオ、(C1-10)アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、カルボニル(C1-3)アルキル、チオカルボニル(C1-3)アルキル、スルホニル(C1-3)アルキル、スルフィニル(C1-3)アルキル、イミノ(C1-3)アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アルケニル、アルキニル、カルボニル基、イミノ基、スルホニル基、及びスルフィニル基からなる群から選ばれ、各々置換されているか又は非置換であり、そして置換又は非置換4、5、6、又は7員環であり;R2は、水素、(C1-10)アルキル、(C3-12)シクロアルキル、(C3-12)シクロアルキル(C1-5)アルキル、ヘテロ(C3-12)シクロアルキル、ヘテロ(C3-12)シクロアルキル(C1-5)アルキル、アリール(C1-10)アルキル、ヘテロアリール(C1-5)アルキル、(C9-12)ビシクロアリール、(C9-12)ビシクロアリール(C1-5)アルキル、ヘテロ(C4-12)ビシクロアリール、ヘテロ(C8-12)ビシクロアリール(C1-5)アルキル、カルボニル(C1-3)アルキル、チオカルボニル(C1-3)アルキル、スルホニル(C1-3)アルキル、スルフィニル(C1-3)アルキル、イミノ(C1-3)アルキル、アミノ、アリール、ヘテロアリール、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、カルボニル基、イミノ基、スルホニル基及びスルフィニル基からなる群から選ばれ、各々置換又は非置換であり、但しR2はNH又はN=CHではなく;R3が、水素、ハロ、ペルハロ(C1-10)アルキル、アミノ、シアノ、ニトロ、チオ、(C1-10)アルキル、(C3-12)シクロアルキル、ヘテロ(C3-12)シクロアルキル、アリール(C1-10)アルキル、ヘテロアリール(C1-5)アルキル、(C9-12)ビシクロアリール、ヘテロ(C8-12)ビシクロアリール、カルボニル(C1-3)アルキル、チオカルボニル(C1-3)アルキル、スルホニル(C1-3)アルキル、スルフィニル(C1-3)アルキル、イミノ(C1-3)アルキル、アリール、ヘテロアリール、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アルケニル、アルキニル、カルボニル基、イミノ基、スルホニル基及びスルフィニル基からなる群から選ばれるか、各々置換又は非置換であるか、或いはR2及びR3は、一緒になって環を形成し;R4は、水素、(C1-10)アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、ビシクロアリール、ヘテロビシクロアリールからなる群から選ばれ、各々置換又は非置換であり;Lは、Xと、Lが結合する環との間で0〜6の原子を提供するリンカーであり;Xは、(C1-10)アルキル、(C3-12)シクロアルキル、ヘテロ(C3-12)シクロアルキル、アリール(C1-10)アルキル、ヘテロアリール(C1-5)アルキル、(C9-12)ビシクロアリール、ヘテロ(C4-12)ビシクロアリール、カルボニル(C1-3)アルキル、チオカルボニル(C1-3)アルキル、スルホニル (C1-3)アルキル、スルフィニル(C1-3)アルキル、イミノ(C1-3)アルキル、アミノ、アリール、ヘテロアリール、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アルケニル、アルキニル、カルボニル基、シアノ、イミノ基、スルホニル基及びスルフィニル基からなる群から選ばれ、各々置換又は未置換である]
で表される一般構造のDPP-IV阻害剤を開示する。
【化11】

【発明の開示】
【0027】
本発明の目的
本発明者らは、TNF-αの阻害を介して主に作用するサイトカイン阻害剤であって、TNF-α阻害剤又は遮断薬と通常関連する任意の副作用を欠いている阻害剤を同定する研究に焦点をあてた。本発明者らの努力により、式(I)の新規化合物が得られた。その誘導体は、炎症及び免疫学的疾患の治療において有用でありうる。特に、本発明の化合物は、TNF-α、IL-1、IL-6、IL-1β、IL-8、IL-12などのサイトカインにより媒介される免疫学的疾患、及び炎症の治療に有用である。本発明の化合物は、関節リウマチ;骨粗鬆症;多発性骨髄腫;ブドウ膜炎;急性及び慢性骨髄性白血病;虚血性心疾患;粥状動脈硬化;癌;虚血性細胞損傷;膵臓β細胞破壊;骨関節炎;リウマチ性脊椎炎;痛風性関節炎;炎症性腸疾患;成人呼吸促迫症候群;乾癬;クローン病;アレルギー疾患;潰瘍性大腸炎;アナフィラキシー;接触皮膚炎;喘息;筋変性;悪液質;骨吸収病;虚血再灌流傷害;頭部外傷;多発性硬化症;敗血症;敗血症性ショック;毒素性ショック症候群;感染症のため生じる発熱及び筋肉痛の治療に有用でもある。
【0028】
本発明は以下の式(I):
【化12】

[式中、
Aにより表される環は、アリール又はヘテロアリールから選ばれ;
Bにより表される環は、アリール又はヘテロアリールから選ばれ;
Rは独立して水素、ヒドロキシル、アミノ、アジド、アルキル、アルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、SR6、S(O)P7、ハロアルキル、アミノシクロアルキル、アミノアルキル、アミノジアルキル、-NH(C1-C5)n-X、(Xは、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アミノヘテロシクリルを表す)、-NH-(CH2)qOHを表すアミノアルカノール(メチレン基は、例えばアルキル、-OHなどによりさらに置換されうる)、ヒドラジン、アルキルヒドラジンを表し;
1は独立して水素、SR6及びS(O)P7を表し;
2は独立して水素、ヒドロキシル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、アジド、アミノ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、アミノアルキル、アミノジアルキル、アミノアシル、アルコキシカルボニル、アルコキシアルキル基、COR8、カルボン酸及びその誘導体を表し;
3は独立して水素、SR6及び_S(O)p7を表し;
4は独立して水素、ヒドロキシル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、アジド、アミノ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、アミノアルキル、アミノジアルキル、アミノアシル、アルコキシカルボニル、アルコキシアルキル基、COR8、カルボン酸及びその誘導体を表し;
5は独立して水素、ヒドロキシル、アミノ、アジド、アルキル、アルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、SR6、S(O)P7、ハロアルキル、アミノシクロアルキル、アミノアルキル、アミノジアルキル、-NH(C1-C5)n-X、(Xは、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アミノヘテロシクリルを表す)、-NH-(CH2)qOHを表すアミノアルカノール、ヒドラジン、アルキルヒドラジンを表し;
6は、水素、アルキル、アリール、アルキルハライド、アルキルエステルを表し;
7は、アミノ、ヒドロキシル、ヒドラジン、ハロゲン、アルキル、アルキルヒドラジン、アシルヒドラジド、アミノアシル、アリール、アミノアリール、アミノヘテロアリール、アミノヘテロシクリルを表し;
8は、水素、ヒドロキシル、アミノ、ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノアルキル、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、アシルアミノを表し;
m及びnは0〜4の範囲の整数であり;
pは1〜2の範囲の整数であり、そして
qは1〜10の範囲の整数である]
で表される新規化合物、その誘導体、アナログ、互変異性体、立体異性体、多型、水和物、溶媒和物、及び医薬として許容される塩及び組成物に関する。
【0029】
上の記載は単に、本発明の特定の態様を要約し、そしてどのようにも本発明を制限するものとして意図しておらず又は解釈すべきでない。本明細書に引用される全ての特許及び他の公報は、その全てを本明細書に援用される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
本発明は、以下の式(I):
【化13】

で表される新規の化合物、その誘導体、アナログ、互変異性体、立体異性体、多型、水和物、溶媒和物、及び医薬として許容される塩及び組成物に関する。
ここで、Aにより表される適切な環系は、フェニル、ナフチル、ピリジル、チエニル、ピリミジニルなどから選ばれ、これは置換されていてもよい。
Bにより表される適切な環系は、フェニル、ナフチル、ピリジル、チエニル、ピリミジニルなどから選ばれ、これらは置換されていてもよい。
【0031】
Rは独立して、水素、ハロゲン(例えばフッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、ヒドロキシル、アジド、アミノ、直線状又は分岐状(C1-C4)アルキル基、例えばメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチルなど;ハロアルキル基、例えばクロロメチル、クロロエチル、トリフルオロメチル、トリフルオロエチル、ジクロロメチル、ジクロロエチルなど;SR6、S(O)q7;アミノシクロアルキル基、例えば-NH-シクロプロピル、-NH-シクロペンチル、-NH-シクロヘキシルなど;モノアルキルアミノ基、例えば-NHCH3、-NHC25、-NHC37、-NHC613など(これらは置換されてもよく);ジアルキルアミノ基、例えば-N(CH3)2、-NCH3(C25)、-N(C25)2など;-NH(C1-C5)n-X(ここで、直線状又は分岐状(C1-C5)アルキル基、例えばメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチルなどを表し;Xは、アリール又はへテロアリールであり、アリール基、例えばフェニル、ナフチルなどであり、そしてヘテロアリール基、例えばピリジル、チエニル、フリル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、テトラゾリル、ピリミジニル、ベンゾピラニル、ベンゾフラニル、ベンズイミダゾリル、ベンズオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾピロリル、ベンゾキサジアゾリル、ベンゾチアジアゾリルなど;ヘテロシクリル基、例えばピロリジニル、モルフォリニル、チオモルホリニル、ピペリジニル、ピペラジニルなど;アミノへテロシクリル基、例えばアミノピペラジニルなどである); アミノアルカノール、例えば-NH-(CH2)qOH(メチレン基は、さらに例えば、アルキル、-OHなどに置換されてもよい);ヒドラジン;アルキルヒドラジン、例えば-N(CH3)NH2、-N(C25)NH2、-N(C37)NH2などを表す。
【0032】
1により表される適切な基は、水素、SR6及びS(O)P7から選ばれる。
2により表される適切な基は、水素、ヒドロキシル、ハロゲン原子、例えばフッ素、塩素、臭素、ヨウ素;ヒドロキシル、ニトロ、シアノ、アジド、アミノ、直線状又は分岐状(C1-C4)アルキル基、例えばメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチルなど;ハロアルキル基、例えばクロロメチル、クロロエチル、トリフルオロメチル、トリフルオロエチル、ジクロロメチル、ジクロロエチルなど;直線状又は分岐状(C1-C6)アルコキシ基、例えばメトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシなど;アミノアルキル基、例えば-NHCH3、-NHC25、-NHC37など;アミノジアルキル基、例えば-N(CH3)2、-NCH3(C25)、-N(C25)2など;アシル基、例えば-C(=O)CH3、-C(=O)CF3、-C(=O)C25、-C(=O)C37、-C(=S)CH3、-C(=S)CF3、-C(=S)C25、-C(=S)C37、ベンゾイル;アミノアシル基、例えば-NHC(=O)CH3、-NHC(=O)CF3、-NHC(=O)C25、-NHC(=O)C37など;アルコキシカルボニル基、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、n-プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニルなど;アルコキシアルキル基、例えばメトキシメチル、エトキシメチル、メトキシエチル、エトキシエチルなど;COR8;カルボン酸及びその誘導体、例えばエステル、アミド、酸ハロゲン化物などから選ばれる。
【0033】
3により表される適切な基は、水素、SR6及びS(O)P7から選ばれる。
4により表される適切な基は、水素、ヒドロキシル、ハロゲン原子、例えばフッ素、塩素、臭素、ヨウ素;ヒドロキシル、ニトロ、シアノ、アジド、アミノ、直線状又は分岐状(C1-C4)アルキル基、例えばメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチルなど;ハロアルキル基、例えばクロロメチル、クロロエチル、トリフルオロメチル、トリフルオロエチル、ジクロロメチル、ジクロロエチルなど;直線状又は分岐状(C1-C6)アルコキシ基、例えばメトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシなど;アミノアルキル基、例えば-NHCH3、-NHC25、-NHC37など;アミノジアルキル基、例えば-N(CH3)2、-NCH3(C25)、-N(C25)2など;アシル基、例えば-C(=O)CH3、-C(=O)CF3、-C(=O)C25、-C(=O)C37、-C(=S)CH3、-C(=S)CF3、-C(=S)C25、-C(=S)C37、ベンゾイル;アミノアシル基、例えば-NHC(=O)CH3、-NHC(=O)CF3、-NHC(=O)C25、-NHC(=O)C37など;アルコキシカルボニル基、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、n-プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニルなど;アルコキシアルキル基、例えばメトキシメチル、エトキシメチル、メトキシエチル、エトキシエチルなど;COR8;カルボン酸及びその誘導体、例えばエステル、アミド、酸ハロゲン化物などを表す。
【0034】
5は独立して、水素、ヒドロキシル、アジド、アミノ、直線状又は分岐状(C1-C4)アルキル基、例えばメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチルなど;ハロアルキル基、例えばクロロメチル、クロロエチル、トリフルオロメチル、トリフルオロエチル、ジクロロメチル、ジクロロエチルなど;SR6、S(O)q7;アミノシクロアルキル基、例えば-NH-シクロプロピル、-NH-シクロペンチル、-NH-シクロヘキシルなど;モノアルキルアミノ基、例えば-NHCH3、-NHC25、-NHC37、-NHC613など、これらは置換されてもよい;ジアルキルアミノ基、例えば-N(CH3)2、-NCH3(C25)、-N(C25)2など;-NH(C1-C5)n-X、(ここで、直線状又は分岐状(C1-C5)アルキル基、例えばメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチルなどであり;Xは、アリール又はヘテロアリール、アリール基、例えばフェニル、ナフチルなど、そしてヘテロアリール基、例えばピリジル、チエニル、フリル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、テトラゾリル、ピリミジニル、ベンゾピラニル、ベンゾフラニル、ベンズイミダゾリル、ベンズオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾピロリル、ベンゾキサジアゾリル、ベンゾチアジアゾリルなど;ヘテロシクリル基、例えばピロリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペリジニル、ピペラジニルなど;アミノへテロシクリル基、例えばアミノピペラジニルである);アミノアルカノール、例えば-NH-(CH2)qOH;ヒドラジン;アルキルヒドラジン、例えば-N(CH3)NH2、-N(C25)NH2、-N(C37)NH2などを表す。
【0035】
6により表される適切な基は、水素、直線状又は分岐状(C1-C6)アルキル基、例えばメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、t-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、ヘキシルなど;アリール基、例えばフェニル、ナフチルなど;アルキルハライド、例えば-CH2Cl、-CH2CH2Clなど;アルキルエステル、例えば-CH2OCOC25、-CH2OCOC37などから選ばれる。
【0036】
7により表される適切な基は、アミノ、ヒドロキシル、ヒドラジン、ハロゲン原子、例えばフッ素、塩素、臭素、ヨウ素;直線状又は分岐状(C1-C6)アルキル基、例えばメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、t-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、ヘキシルなど;アルキルヒドラジン基、例えば-N(CH3)NH2、-N(C25)NH2など;アシルヒドラジド基、例えば-NHNH(C=O)CH3、-NHNH(C=O)CF3など;アミノアシル基、例えば-NHC(=O)CH3、-NHC(=O)CF3、-NHC(=O)C25、-NHC(=O)C37、-NHC(=O)C613;アミノアルカノール、例えば-NH-(CH2)qOH;アリール基、例えばフェニル、ナフチルなど;アミノアリール基、例えばフェニルアミノ、ナフチルアミノなど;アミノヘテロアリール基、例えばチエニルアミノ、ピリジルアミノ、ピリミジルアミノなど;アミノへテロシクリル基、例えばアミノピペラジン、アミノモルホリンなどから選ばれる。
【0037】
8により表される適切な基は、水素、ヒドロキシル、アミノ、ハロゲン原子、例えばフッ素、塩素、臭素、ヨウ素; 直線状又は分岐状(C1-C4)アルキル基、例えばメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、t-ブチルなど;ハロアルキル基、例えばクロロメチル、クロロエチル、トリフルオロメチル、トリフルオロエチル、ジクロロメチル、ジクロロエチルなど;直線状又は分岐状(C1-C4)アルコキシ基、例えばメトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシなど;アリールオキシ基、例えばフェノキシ、ナフトキシなど;アミノアルキル基、例えば-NHCH3、-NHC25、-NHC37、-NHC613など、これらは置換されてもよい;ジアルキルアミノ基、例えば-N(CH3)2、-NCH3(C25)、-N(C25)2など;アリールアミノ基、例えばフェニルアミノ、ナフチルアミノなど;ヘテロアリールアミノ基、例えばチエニルアミノ、ピリジルアミノ、ピリミジルアミノなど、アシルアミノ基、例えば-NHC(=O)CH3、-NHC(=O)CF3、-NHC(=O)C25、-NHC(=O)C37、-NHC(=O)C613などから選ばれる。
【0038】
m及びnは、0〜4の範囲の整数であり;pは1又は2の整数であり;qは1〜10の範囲の整数である。
【0039】
R、R1、R2、R3、R4、及びR5が置換される場合、置換されるという用語は、1以上の水素原子が、置換基、例えば非限定的に、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、アジド、ニトロソ、アミノ、アミジノ、ヒドラジン、ホルミル、アルキル、アリール、シクロアルキル、アルコキシ、アリールオキシ(例えば、フェノキシ)、アラルキル(例えば、ベンジル)、アラルコキシ(例えば、ベンジルオキシ)、アシル、アシルオキシアシル、カルボアルコキシ(例えば、アシルオキシ)、カルボキシアルキル(例えば、エステル)、カルボキサミド、アミノカルボニル、カルボニル、アルキレンジオキシ、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアラルコキシ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アシルアミノ、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル、アルキルチオ、アリールチオ、スルファニル、スルフィニル、スルホニル、スルファモイル、チオ、アルコキシアルキル基、カルボン酸、及びその誘導体により置換されると言うことを意味する。さらに、当該置換基が置換されてもよい。
【0040】
さらに、A及びBが環である場合、これらは、置換又は非置換5〜10員環系を表し、そして当該環は、単環又は二環の飽和部分的に飽和、又は芳香族であって、O、S及びNなどから選ばれる1〜4個のヘテロ原子を含むものであってもよい。
【0041】
アナログという用語は、1以上のC、N、O又はS原子により親構造とは異なる化合物を含む。それゆえ、親構造におけるN原子のうちの1つが、S原子により置き換えられた化合物は、当該化合物のアナログである。
【0042】
立体異性体という用語は、原子が空間に配置される様式の点で互いに異なっているが、その化学式及び構造はその他の点で同一である異性体を含む。立体異性体は、エナンチオマー及びジアステレオマーを含む。
【0043】
互変異性体という用語は、平衡状態で容易に相互交換型の異性体を含む。エノール-ケト互変異性体が一例である。
【0044】
多型という用語は、化学的に同一な構造を有する化合物の結晶学的に区別される形態を含む。
【0045】
医薬として許容される溶媒和物は、溶媒分子と分子又は溶質化合物のイオンとの組合せを含む。
【0046】
誘導体という用語は、1以上の官能基を変換する簡単な化学プロセスにより、例えば酸化、水素化、アルキル化、エステル化、ハロゲン化などにより、式(I)に記載される化合物、アナログ、互変異性体、立体異性体、多型、水和物、医薬として許容される塩又は医薬として許容されるその溶媒和物から得られる化合物を指す。
【0047】
本発明の医薬として許容される塩として、Li、Na、Kの塩などのアルカリ金属塩、Ca及びMg塩などのアルカリ土類金属塩、有機塩基、例えばジエタノールアミン、α-フェニルエチルアミン、ベンジルアミン、ピペリジン、モルホリン、ピリジン 、ヒドロキシエチルピロリジン、ヒドロキシエチルピペリジン、グアニジン、コリンなどの有機塩基の塩、アンモニウム又は置換アンモニウム塩、アルミニウム塩が挙げられる。塩として、アミノ酸塩、例えばグリシン、アラニン、システイン、リジン、アルギニン、フェニルアラニンなどの塩が挙げられる。塩としては、流酸塩、硝酸塩、リン酸塩、過塩素酸塩、ホウ酸塩、ハイドロハライド(hydrohalide)、酢酸塩、酒石酸塩、マレイン酸塩、クエン酸塩、コハク酸塩塩、シュウ酸塩、パモ酸塩、メタンスルホン酸塩、トシル酸塩、安息香酸塩、サリチル酸塩、ヒドロキシナフトエ酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、アスコルビン酸塩、グリセロリン酸塩、ケトグルタル酸塩などが挙げられうる。医薬として許容される溶媒和物は、水和物であってもよいし、又はアルコールなどの他の結晶溶媒を含む。
【0048】
本発明に記載される特に有用な化合物として、以下の化合物が挙げられる:
1. 4-ヒドロキシ-N-(4-メチルフェニル)-6-(メチルチオ)-2-[4-(メチルチオ)フェニル]ピリミジン-5-カルボキサミド;
2. 4-ヒドロキシ-N-(3,4-ジメチルフェニル)-6-(メチルチオ)-2-[4-(メチルチオ)フェニル]ピリミジン-5-カルボキサミド;
3. 2-(4-フルオロフェニル)-4-ヒドロキシ-6-(メチルチオ)-N-[4-(メチルチオ)フェニル]ピリミジン-5-カルボキサミド;
4. 4-クロロ-N-(4-メチルフェニル)-6-(メチルチオ)-2-[4-(メチルチオ)フェニル]ピリミジン-5-カルボキサミド;
5. 4-(メチルアミノ)-N-(4-メチルフェニル)-6-(メチルチオ)-2-[4-(メチルチオ)フェニル]ピリミジン-5-カルボキサミド;
6. N-(4-メトキシフェニル)-4-(メチルアミノ)-6-(メチルチオ)-2-ピリジン-3-イルピリミジン-5-カルボキサミド;
7. N-(3,4-ジメチルフェニル)-4,6-ビス(メチルアミノ)-2-ピリジン-3-イルピリミジン-5-カルボキサミド;
8. N-(4-エチルフェニル)-4-(メチルアミノ)-6-(メチルチオ)-2-[4-(メチルチオ)フェニル]ピリミジン-5-カルボキサミド;
9. N-(3,4-ジメチルフェニル)-4-(メチルアミノ)-6-(メチルチオ)-2-[4-(メチルチオ)フェニル]ピリミジン-5-カルボキサミド;
10. 2-[4-(アミノスルホニル)フェニル]-4,6-ビス(メチルアミノ)-N-(3,4-ジメチルフェニル)ピリミジン-5-カルボキサミド;
【0049】
11. 2-[4-(アミノスルホニル)フェニル]-N-(3,4-ジメチルフェニル)-4-(メチルアミノ)-6-(メチルチオ)ピリミジン-5-カルボキサミド;
12. 2-[4-(アミノスルホニル)フェニル]-4-(メチルアミノ)-N-(4-メチルフェニル)-6-(メチルチオ)ピリミジン-5-カルボキサミド;
13. 2-[4-(アミノスルホニル)フェニル]-4,6-ビス(メチルアミノ)-N-(4-メチルフェニル)ピリミジン-5-カルボキサミド;
14. N-(4-メトキシフェニル)-4-(メチルアミノ)-6-(メチルチオ)-2-ピリジン-4-イルピリミジン-5-カルボキサミド;
15. N-(4-エトキシフェニル)-4,6-ビス(メチルアミノ)-2-ピリジン-4-イルピリミジン-5-カルボキサミド;
16. 2-[4-(アミノスルホニル)フェニル]-4,6-ビス(メチルアミノ)-N-(4-エチルフェニル)ピリミジン-5-カルボキサミド;
17. 2-[4-(アミノスルホニル)フェニル]-N-(4-エチルフェニル)-4-(メチルアミノ)-6-(メチルチオ)ピリミジン-5-カルボキサミド;
18. N-(4-フルオロフェニル)-4-(メチルアミノ)-6-(メチルチオ)-2-ピリジン-4-イルピリミジン-5-カルボキサミド;
19. 4-(メチルアミノ)-2-[4-(メチルスルフィニル)フェニル]-N-(4-メトキシフェニル)-6-(メチルチオ)ピリミジン-5-カルボキサミド;
20. 4-(メチルアミノ)-N-(4-メトキシフェニル)-6-(メチルチオ)-2-[4-(メチルチオ)フェニル]ピリミジン-5-カルボキサミド;
【0050】
21. N-(4-エチルフェニル)-4-(メチルアミノ)-6-(メチルチオ)-2-ピリジン-4-イルピリミジン-5-カルボキサミド;
22. N-(4-エチルフェニル)-4-(メチルアミノ)-6-(メチルチオ)-2-ピリジン-3-イルピリミジン-5-カルボキサミド;
23. 4-[(2-ヒドロキシエチル)アミノ]-N-(4-メトキシフェニル)-6-(メチルチオ)-2-ピリジン-3-イルピリミジン-5-カルボキサミド;
24. 4-(メチルアミノ)-N-(4-メチルフェニル)-6-(メチルチオ)-2-ピリジン-4-イルピリミジン-5-カルボキサミド;
25. N-(3,4-ジメチルフェニル)-4-(メチルアミノ)-6-(メチルチオ)-2-ピリジン-4-イルピリミジン-5-カルボキサミド;
26. N-(3,4-ジメチルフェニル)-4,6-ビス(メチルアミノ)-2-ピリジン-4-イルピリミジン-5-カルボキサミド;
27. 4,6-ビス(メチルアミノ)-N-(4-メチルフェニル)-2-ピリジン-4-イルピリミジン-5-カルボキサミド;
28. N-(4-メトキシフェニル)-4,6-ビス(メチルアミノ)-2-ピリジン-3-イルピリミジン-5-カルボキサミド;
29. N-(4-フルオロフェニル)-4-[(2-ヒドロキシエチル)アミノ]-6-(メチルチオ)-2-ピリジン-4-イルピリミジン-5-カルボキサミド;
【0051】
30. 4-[(2-ヒドロキシエチル)アミノ]-N-(4-メトキシフェニル)-6-(メチルチオ)-2-[4-(メチルチオ)フェニル]ピリミジン-5-カルボキサミド;
31. N-(4-エチルフェニル)-4-[(2-ヒドロキシエチル)アミノ]-6-(メチルチオ)-2-ピリジン-4-イルピリミジン-5-カルボキサミド;
32. N-(3,4-ジメチルフェニル)-4-[(2-ヒドロキシエチル)アミノ]-6-(メチルチオ)-2-[4-(メチルチオ)フェニル]ピリミジン-5-カルボキサミド;
33. N-(4-イソプロピルフェニル)-4-(メチルアミノ)-6-(メチルチオ)-2-ピリジン-3-イルピリミジン-5-カルボキサミド;
34. N-(4-イソプロピルフェニル)-4-(メチルアミノ)-6-(メチルチオ)-2-ピリジン-4-イルピリミジン-5-カルボキサミド;
35. 4-[(2-ヒドロキシエチル)アミノ]-N-(4-メチルフェニル)-6-(メチルチオ)-2-ピリジン-4-イルピリミジン-5-カルボキサミド;
36. N-(4-ブチルフェニル)-4-[(2-ヒドロキシエチル)アミノ]-6-(メチルチオ)-2-[4-(メチルチオ)フェニル]ピリミジン-5-カルボキサミド;
37. N-(3,4-ジメチルフェニル)-4-[(2-ヒドロキシエチル)アミノ]-6-(メチルチオ)-2-ピリジン-4-イルピリミジン-5-カルボキサミド;
38. 4-(メチルアミノ)-6-(メチルチオ)-N,2-ビス[4-(メチルチオ)フェニル]ピリミジン-5-カルボキサミド;
39. N-(2,4-ジメチルフェニル)-4-(メチルアミノ)-6-(メチルチオ)-2-[4-(メチルチオ)フェニル]ピリミジン-5-カルボキサミド;
【0052】
40. N-(4-エトキシフェニル)-4-(メチルアミノ)-6-(メチルチオ)-2-[4-(メチルチオ)フェニル]ピリミジン-5-カルボキサミド;
41. 4-クロロ-N-(3,4-ジメチルフェニル)-6-(メチルチオ)-2-[4-(メチルチオ)フェニル]ピリミジン-5-カルボキサミド;
42. N-(3,4-ジメチルフェニル)-6-(メチルチオ)-2-[4-(メチルチオ)フェニル]-4-ピペリジン-1-イルピリミジン-5-カルボキサミド;
43. 4-(ベンジルアミノ)-N-(3,4-ジメチルフェニル)-6-(メチルチオ)-2-[4-(メチルチオ)フェニル]ピリミジン-5-カルボキサミド;
44. N-(3,4-ジメチルフェニル)-4-(4-メチルピペリジン-1-イル)-6-(メチルチオ)-2-[4-(メチルチオ)フェニル]ピリミジン-5-カルボキサミド;
45. 2-(4-フルオロフェニル)-4-(メチルアミノ)-6-(メチルチオ)-N-[4-(メチルチオ)フェニル]ピリミジン-5-カルボキサミド;
46. N-(4-フロモフェニル)-4-[(2-ヒドロキシエチル)アミノ]-6-(メチルチオ)-2-ピリジン-4-イルピリミジン-5-カルボキサミド;
47. N-(4-クロロフェニル)-4-[(2-ヒドロキシエチル)アミノ]-6-(メチルチオ)-2-ピリジン-4-イルピリミジン-5-カルボキサミド;
48. N-(3,4-ジメチルフェニル)-4-ヒドラジノ-6-(メチルチオ)-2-[4-(メチルチオ)フェニル]ピリミジン-5-カルボキサミド;
49. N-(2,4-ジメチルフェニル)-4-[(2-ヒドロキシエチル)アミノ]-6-(メチルチオ)-2-ピリジン-4-イルピリミジン-5-カルボキサミド;
50. N-(3,4-ジフルオロフェニル)-4-[(2-ヒドロキシエチル)アミノ]-6-(メチルチオ)-2-[4-(メチルチオ)フェニル]ピリミジン-5-カルボキサミド;
【0053】
51. 4-[エチル(ヒドロキシメチル)アミノ]-N-(4-メチルフェニル)-6-(メチルチオ)-2-ピリジン-4-イルピリミジン-5-カルボキサミド;
52. N-(3,4-ジフルオロフェニル)-4-(メチルアミノ)-6-(メチルチオ)-2-[4-(メチルチオ)フェニル]ピリミジン-5-カルボキサミド;
53. 2-(3-フルオロフェニル)-4-[(2-ヒドロキシエチル)アミノ]-6-(メチルチオ)-N-[(4-メチルチオ)フェニル]ピリミジン-5-カルボキサミド;
54. N-(3,4-ジフルオロフェニル)-2-(4-エトキシフェニル)-4-[(2-ヒドロキシエチル)アミノ]-6-(メチルチオ)ピリミジン-5-カルボキサミド;
55. 4-[(2-ヒドロキシエチル)アミノ]-N-(4-メトキシフェニル)-6-(メチルチオ)-2-ピリジン-4-イルピリミジン-5-カルボキサミド;
56. N-(4-フルオロフェニル)-4-{[1-(ヒドロキシメチル)プロピル]アミノ}-6-(メチルチオ)-2-ピリジン-4-イルピリミジン-5-カルボキサミド;
57. 2-[4-(ジメチルアミノ)フェニル]-4-(メチルアミノ)-N-(4-メトキシフェニル)-6-(メチルチオ)ピリミジン-5-カルボキサミド;
58. N-(3,4-ジメチルフェニル)-4-[(2-ヒドロキシエチル)アミノ]-2-(4-{[(2-ヒドロキシエチル)アミノ]スルホニル}フェニル)-6-(メチルチオ)ピリミジン-5-カルボキサミド;
59. N-(4-メトキシフェニル)-4-(メチルアミノ)-6-(メチルチオ)-2-ピリジン-3-イルピリミジン-5-カルボキサミド・オルトリン酸塩;
60. N-(4-メトキシフェニル)-4-(メチルアミノ)-6-(メチルチオ)-2-ピリジン-3-イルピリミジン-5-カルボキサミド塩酸塩;
61. N-(4-メトキシフェニル)-4-(メチルアミノ)-6-(メチルチオ)-2-ピリジン-3-イルピリミジン-5-カルボキサミド・ジ-メシル酸塩;
62. N-(4-メトキシフェニル)-4-(メチルアミノ)-6-(メチルチオ)-2-ピリジン-3-イルピリミジン-5-カルボキサミド・メシル酸塩;
63. N-(4-メトキシフェニル)-4-(メチルアミノ)-6-(メチルチオ)-2-ピリジン-3-イルピリミジン-5-カルボキサミド・シュウ酸塩;及び
64. N-(4-メトキシフェニル)-4-(メチルアミノ)-6-(メチルチオ)-2-ピリジン-3-イルピリミジン-5-カルボキサミド・ベシル酸塩。
【0054】
上の化合物のリストについての好ましい塩は、塩酸塩、ホスホン酸塩、メシル酸塩、ベシル酸塩、トシル酸塩、及びシュウ酸塩である。
【0055】
本発明の別の実施態様では、式(I)[式中、全ての記号は上で定義された通りである]の新規のピリミジンの製造方法を提供する。
【0056】
スキーム1
本出願人の米国特許2004-259891号に開示される式(Ia)の化合物を、置換又は非置換アルキルアミンと反応させて、式(I)の化合物を製造する。
【化14】

本出願人の米国特許2004-259891号に開示される式(Ia)の化合物:
[式中、
Xは、酸素、硫黄又はNR(ここで、Rは水素、ヒドロキシル、アシル、アルキル、アルコキシ、アリール、アミノ、ヒドロキシルアミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アシルアミノ、アルコキシアミノ基を表す)を表し;
A及びBにより表される環は、アリール又はヘテロアリールから選ばれ;
1及びR3は、同じであるか又は異なっており、そして独立して水素、SR7、S(O)P8を表し;
2及びR4は、同じであるか又は異なってもよく、そして独立して水素、ハロゲン、ヒドロキシル、ニトロ、シアノ、アジド、ニトロソ、アミノ、ホルミル、アルキル、ハロアルキル、アシル、アルコキシ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アシルアミノ、アルコキシカルボニル、SR7、S(O)P8、アルコキシアルキル基又はカルボン酸又はその誘導体を表し;
5及びR6は、同じであるか又は異なっており、そして独立して水素、ハロゲン、ヒドロキシル、ニトロ、シアノ、アジド、ニトロソ、アミノ、ホルミル、アルキル、アリール、アラルキル、ハロアルキル、アシル、アルコキシ、アリールオキシ、アラルコキシ、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アシルアミノ、アルコキシカルボニル、SR7、S(O)P8、アルコキシアルキル基又はCOR9であり;
7は水素、アルキル又はアリールを表し;
8は、ハロゲン、アルキル、アミノ、アシルアミノ、アリールアミノ又はアリール基を表し;
9は、水素、ヒドロキシル、アミノ、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、アリールオキシ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アシルアミノ、アリールアミノ基を表し;
mは整数であり、かつ0〜4の範囲であり;
nは整数であり、かつ0〜4の範囲であり;
pは1又は2の整数を表す。但し、R1が水素を表す場合、R2は水素ではない]
【0057】
スキームII:式(I)の化合物は、以下のステップにより製造されうる:
ステップ:I
式(Ia)の化合物を塩基と反応させて、式(II)の化合物を与える。式中、全ての記号は、酸性/塩基性触媒条件下で上に定義された通りである:
【化15】

【0058】
ステップ:II
式(I)の化合物[式中、Rはヒドロキシルを表し、そして他の記号の全ては、上で記載された通りである]は、上記式(II)の化合物を環化することにより製造することができる。
【化16】

【0059】
ステップ:III
式(I)の化合物[式中、Rはハロゲン原子を表し、そして他の記号の全ては、上で定義された通りである]は、ハロゲン化試薬を用いて式(I、ここでRは-OHを表す)の化合物を反応させることにより製造できる。
【化17】

【0060】
ステップ:IV
式(I、ここでRはハロゲンである)の化合物を反応させて、式(I)の化合物[式中、他の記号の全ては、適切な求核試薬を用いて上に定義されるとおりである]を与える。
【化18】

【0061】
上に記載される方法において記載された反応は、本明細書に記載される方法を用いることにより行なわれる:
スキーム1:
式(Ia)の化合物を、置換又は非置換アルキルアミンと反応することは、水、トルエン、キシレン、THF、ジオキサン、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、o-ジクロロベンゼン、アセトン、酢酸エチル、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ピリジン、エタノール、メタノール、イソプロピルアルコール、tert-ブチルアルコール、酢酸、プロピオン酸など、その混合物を用いて、又は希釈されない反応により行われてもよい。縮合反応は、鉱酸/有機酸を用いた酸条件下で行なわれうるか、又は塩基条件、すなわちアルカリ金属及びアルカリ土類金属の炭酸塩、炭酸水素塩、水素化物、水酸化物、アルキル及びのアルコキシドなどを用いた条件下で行なわれうる。当該反応は、相間移動触媒、すなわちトリエチルベンジルアンモニウム・クロリド、テトラブチルアンモニウム・ブロミド、テトラブチルアンモニウム・ハイドロゲンサルフェート、トリカプリルメチルアンモニウム・クロリド(aliquat336)などの存在下で行なわてもよい。当該反応は、冷却〜還流条件下で通常行なわれる。最終生成物は、クロマトグラフィー技術を用いるか、又は再結晶化により精製される。反応は、30分から20時間の範囲で行なわれうる。
【0062】
スキームII:
ステップ1:
式(Ia)の変換は、塩基条件の存在下、すなわち、1当量以上のアルカリ金属及びアルカリ土類金属の炭酸塩、炭酸水素塩、水素化物、水酸化物、アルキル及びアルコキシドを溶解した適切な溶媒、例えば水、エタノール、メタノール、イソプロピルアルコール、tert-ブチルアルコール、トルエン、キシレン、THF、ジオキサン、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、o-ジクロロベンゼン、アセトン、酢酸エチル、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ピリジン、又はこれらの混合物などの中で行なわれうる。当該反応は、相間移動触媒、すなわちトリエチルベンジルアンモニウム・クロリド、テトラブチルアンモニウム・ブロミド、テトラブチルアンモニウム・ハイドロゲンサルフェート、トリカプリルメチルアンモニウム・クロリド(aliquat336)などの存在下で行なわれうる。当該反応は、通常、30分〜20時間、冷却〜還流条件下で行なわれる。最終生成物は、クロマトグラフィー技術により、又は再結晶化により精製する。
【0063】
ステップ2:
式(II)の化合物を式(III)の化合物(式中、Rはヒドロキシルを表す)へと変換することは、乾燥塩化水素ガスを用いて、エタノール、メタノール、ジオキサン、トルエン、キシレン、THF、ジオキサン、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、o-ジクロロベンゼン、ジフェニルエーテルなど、又はその混合液中で行なわれるか、或いはオキシ塩化リン、塩化チオニル、三塩化リン、五塩化リン、塩化オキサリルなど又はそれらの混合物を、トルエン、キシレン、THF、ジオキサン、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、o-ジクロロベンゼン、ジフェニルエーテルなどの溶媒の存在下又は非存在下で、ジメチルアニリン、N,N-ジエチルアニリンなどの存在下又は不存在下で用いることにより行なわれる。当該反応は、20℃〜還流温度の範囲の温度で2〜12時間の範囲で行なわれる。
【0064】
ステップ3:
式(III)の化合物を式(IV)の化合物(式中、Rはハロゲンを表す)へと変換することは、オキシ塩化リン、塩化チオニル、三塩化リン、五塩化リン、塩化オキサリルなど、又はそれらの混合物などの試薬を、トルエン、キシレン、THF、ジオキサン、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、o-ジクロロベンゼン、ジフェニルエーテルなど又はそれらの混合物などの溶媒の存在下又は不存在下で、ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアニリン、N,N-ジエチルアニリンなどの存在下又は不存在下で使用して行なわれる。当該反応は、20℃〜還流温度の範囲の温度で、2〜12時間の範囲で行なわれうる。
【0065】
ステップ4:
式(IV)の変換は、1当量以上のアジ化金属、例えばLiN3、NaN3、トリアルキルシリルアジドなど、又はヒドラジン水和物又は置換ヒドラジン又はアルキルアミン又はアミノアルカノール又はへテロシクリルアミン又は環状アミン又はベンジルアミン又はアリール又はヘテロアリール又はアンモニアの存在下で行なわれうる。当該反応は、トルエン、キシレン、THF、ジオキサン、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、o-ジクロロベンゼン、アセトン、酢酸エチル、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、エタノール、メタノール、イソプロピルアルコール、tert-ブチルアルコール、ジフェニルエーテルなど、又はそれらの混合物などの溶媒の存在下で行なわれうる。縮合反応は、鉱酸/有機酸を用いて酸性条件下で行なわれうるか、又は塩基性条件下、すなわちアルカリ金属及びアルカリ土類金属の炭酸塩、炭酸水素塩、水素化物、ヒドロキシド、アルキル及びアルコキシドを用いて行なわれうる。当該反応は、相移動触媒、すなわちトリエチルベンジルアンモニウム・クロリド、テトラブチルアンモニウム・ブロミド、テトラブチルアンモニウムハイドロゲンサルフェート、トリカプリルメチルアンモニウムクロリド(aliquat336)などを用いて行なわれうる。当該反応は、室温〜溶媒の還流温度の範囲の温度で、好ましくは80〜100℃で行なわれうる。反応時間は0.5〜18時間の範囲でありうる。
【0066】
本発明のさらに別の実施態様では、適切な酸化剤を用いることによる式(I)の新規のピリミジンの変換のための方法が提供され、ここで、R若しくはR5若しくはR1若しくはR3基のいずれかは、SR6を表し、そしてR6は、式(I)のアルキル/アリール・ピリミジンを表し、ここでR若しくはR5若しくはR1若しくはR3基のいずれかは、S(O)P7を表し、ここでpは、1又は2を表し、そしてR7はアルキル又はアリールを表す。酸化剤は、過酸化一硫酸カリウム(potassium peroxymonosulfate)(オキソン)、過酸化水素、tert-ブチルペルオキシド、ジョーンズ試薬、過酸[例えば過酢酸、過安息香酸、m-クロロペル安息香酸など]、クロム酸、過マンガン酸カリウム、過ヨウ素酸アルカリ金属[例えば、過ヨウ素酸ナトリウムなど]、ペルオキシフタル酸、四酸化オスミウム/N-メチルモルホリン-N-オキシド、タングステン酸ナトリウムなどから選ばれうる。酸化は、通常、反応に有害な影響を与えない溶媒、例えば酢酸、ジクロロメタン、アセトン、酢酸エチル、クロロホルム、水、アルコール類、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノールなど、又はそれらの混合物中で行なわれる。当該反応は、冷却〜還流条件下で通常行なわれる。
【0067】
本発明の別の実施態様に従って、式(I)の新規のピリミジン[式中、R又はR5又はR1又はR3基のいずれかは、SR6を表し、そしてここでR6は、アルキルを表す]を、慣用される条件下で塩化スルフリルを用いることにより、式(I)の新規のピリミジン[式中、R又はR5又はR1又はR3基のいずれかが-SCH2Clを表す]へと変換する方法が提供される。
【0068】
本発明のさらに別の実施態様では、式(I)の新規のピリミジン[式中、R又はR5又はR1又はR3は、S(O)p7を表し、かつpが1又は2であり、かつR7がアルキルを表す]を、文献(Huangら, Tetrahedron Lett., 39, 7201, 1994)において記載される方法を用いることにより、式(I)の新規のピリミジン[式中、R1又はR3がS(O)pR7を表し、ここでpは1又は2でありかつR7がアミノを表す]へと変換する方法が提供される。
【0069】
或いは、式(I)の新規のピリミジン[式中、R1又はR3のいずれかは、S(O)p7を表し、ここでR7は独立してアミノ、アルキルアミノ、ヒドラジン、アルキルヒドラジン、アリールヒドラジノ基を表し、pは1又は2の整数を表しかつ他の記号全ては上に定義される通りである]の製法は、以下の式(V):
【化19】

[式中、R1又はR3のいずれかは水素を表し、かつ他の記号全ては上で記載されたとおりである]
で表される化合物を、クロロスルホン酸と反応させ、続いてアンモニア、アルキルアミン、ヒドラジン、アルキルヒドラジン、アリールヒドラジンなどの求核試薬と反応させることを含む。
【0070】
クロロスルホン酸及びアンモニアとの式(V)の化合物の反応は、酢酸、ジクロロメタン、アセトン、THF、ジオキサン、酢酸エチル、クロロホルム、水、アルコールなど又はその混合物などの溶媒の存在下、又は溶媒の不存在下で行われてもよい。反応は、2〜24時間の間、0℃〜還流温度の範囲の温度で行なわれうる。
【0071】
本発明の化合物のN-オキシドは、当業者に知られている方法により製造することができる。例えば、N-オキシドは、約0℃で、適切な不活性有機溶媒(例えば、ハロゲン化炭化水素、例えばジクロロメタン)中で、当該化合物の未酸化形態を酸化剤(例えば、トリフルオロ酢酸、過マレイン酸、過安息香酸、過酢酸、メタ-クロロペル安息香酸など)で処理することにより製造することができる。或いは、N-オキシドは、適切な開始物質のN-オキシドから製造することができる。
【0072】
上記反応のいずれにおいても、基質分子の任意の反応基は、慣用される化学慣用方法に従って保護されてもよいということが認められる。上記反応のいずれかにおける適切な保護基は、当該技術分野に慣用的に使用される反応である。この様な保護基の製造及び除去方法は、保護される分子に適切な慣用方法である。保護基は、当該分子の残りの部分に影響を与えない条件下で取り除かれる。
【0073】
医薬として許容される塩は、式(I)の化合物を、エーテル、テトラヒドロフラン、メタノール、t-ブタノール、ジオキサン、イソプロパノール、エタノールなどの溶媒中で、1〜10当量の塩基、例えば水酸化ナトリウム、ナトリウムメトキシド、水素化ナトリウム、カリウムt-ブトキシド、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウムなどと反応させることにより製造される。溶媒の混合物が使用されてもよい。ジエタノールアミン、α-フェニルエチルアミン、ベンジルアミン、ピペリジン、モルホリン、ピリジン 、ヒドロキシエチルピロリジン、ヒドロキシエチルピペリジン、コリン、グアニジンなどの有機塩基、アンモニウム又は置換アンモニウム塩、アルミニウム塩が使用されうる。アミノ酸、例えば、グリシン、アラニン、シスチン、システイン、リジン、アルギニン、フェニルアラニンなどが、アミノ酸塩の製造のために使用されてもよい。或いは、適用可能な場合酸添加塩が、塩酸、ヒドロ臭素酸、硝酸、硫酸、リン酸、p-トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、酢酸、クエン酸、マレイン酸、サリチル酸、ヒドロキシナフトエ酸、アスコルビン酸、パルミチン酸、コハク酸、安息香酸、ベンゼンスルホン酸、酒石酸、シュウ酸などを含む酢酸エチル、エーテル、アルコール、アセトン、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどで処理することにより製造される。溶媒の混合物が使用されてもよい。
【0074】
本発明の化合物は、互変異性体で存在しうる基を含む場合があり、そして1の形態が命名され、記載され、示され、そして本出願において特許請求されている場合でも、全ての互変異性体がこの様な名前、記載、表示及び/又は特許請求の範囲に含まれることを意図するということに注意すべきである。
【0075】
本発明の一部を形成する化合物の立体異性体は、可能な場合製造過程において、1のエナンチオマー形態の反応物質を用いることによって、1のエナンチオマー形態の試薬若しくは触媒の存在下で反応を行なうことによって、又は立体異性体の混合物を慣用方法により分離することによって製造することができる。好ましい方法の幾つかは、微生物分離を使用すること、適用可能な場合、キラル酸、例えばマンデル酸、カンファースルホン酸、酒石酸、乳酸などと形成されたジアステレオ異性体の塩を分離することにより、又はブルシン、キナアルカロイド、その誘導体などを用いることを含む。一般的に使用される方法は、Jaquesらにより"Enantiomers、Racemates and Resolution" (Wiley Interscience、1981)に編纂された。より具体的に、式(I)の化合物は、キラルアミン、アミノ酸、アミノ酸から生成されたアミノアルコールで処理することによりジアステレオマーアミドの1:1混合物に変換され;慣用される反応条件を使用して、酸をアミドへと変換させ;ジアステレオマーを画結晶化又はクロマトグラフィーにより分離し、そして式(I)の化合物の立体異性体を純粋なジアステレオマーアミドを加水分解することにより製造することができる。
【0076】
式(I)の化合物のプロドラッグも本発明により意図される。プロドラッグとは、当該プロドラッグを患者へと投与した後に、in vivo生理作用、例えば加水分解、代謝などを介して本発明の化合物へと化学的に改変される活性又は不活性化合物である。
【0077】
本発明の一部を形成する一般式(I)の化合物の様々な多型は、異なる条件下で式(I)の化合物を結晶化することにより製造されてもよい。例えば、種々の一般的に使用される溶媒を用いること、又はその混合物を再結晶化に用いること;種々の温度で結晶化をすること;様々な冷却様式を使用すること、結晶化の間にかなり迅速からかなりゆっくりな範囲で冷却することを含む。化合物を加熱又は溶融した後に、徐々に又は急激に冷却をすることにより、多型を得ることができる。多型の存在は、固体プローブNMR分光法、IR分光法、示差走査熱量計及び粉末X線回折又は他のそのような技術により測定することができる。
【0078】
本発明はまた、炎症、関節炎、疼痛、発熱、乾癬、アレルギー疾患、喘息、炎症性 腸 症候群、消化性潰瘍、心血管障害、例えば虚血性心疾患、粥状動脈硬化、癌、虚血性細胞損傷、特に脳卒中により引き起こされる脳損傷及び遊離ラジカルに関連する他の病理学的障害の治療に有用である医薬組成物であって、上に定義される一般式(I)の1以上の化合物、その誘導体、そのアナログ、その互変異性体、その立体異性体、その多型、その水和物、その代謝物、そのプロドラッグ、その医薬として許容される塩、その医薬として許容される溶媒和物を、通常の医薬として使用される担体と組み合わせて含む、組成物を提供する。
【0079】
医薬組成物は、通常使用される形態、例えば錠剤、カプセル、粉末、シロップ、溶液、懸濁液などであってもよく、香味剤、甘味料などを適切な固体又は液体担体又は希釈剤中に含んでもよいし、又は適切な滅菌培地中に含んで、注射溶液又は懸濁液を形成してもよい。組成物は、当該技術分野に知られている方法により製造されてもよい。組成物中の活性成分の量は、当該技術分野において知られている方法により製造されてもよい。組成物中の活性成分の量は、70重量%未満であってもよい。この様な組成物は、典型的に1〜25%、好ましくは1〜15重量%の活性成分を含み、当該組成物の残りは、医薬として許容される担体、希釈剤、賦形剤又は溶媒である。
【0080】
適切な医薬として許容される担体としては、固体充填剤又は希釈剤、及び滅菌水溶液又は有機溶液を含む。活性化合物は、上に記載される範囲の所望される用量を提供するために十分な量で医薬組成物中に存在するであろう。こうして、経口投与では、化合物は、適切な固体又は液体担体又は希釈剤と組み合わせてカプセル、錠剤、粉末、シロップ、溶液、懸濁液などを形成することができる。医薬組成物は所望される場合、香味剤、甘味料、賦形剤などの追加成分を含んでもよい。経口投与用に化合物は、滅菌水性溶媒又は有機溶媒と組み合わせて、注射用の溶液又は懸濁液を形成できる。例えば、ごま油又はピーナッツ油の溶液、水性プロピレングリコールなどが使用でき、並びに当該化合物の医薬として許容される水溶性の酸添加塩又はアルカリ又はアルカリ土類金属塩の水溶液を使用することができる。この様式で製造される注射溶液は、次に静脈内、腹腔内、皮下、筋肉内投与することができる。ヒトでは筋肉内投与が好ましい。
【0081】
本発明の医薬組成物は、in vitro並びに動物モデルで示されたように、TNF-α及びIL-6レベルを低減し、潰瘍を伴うことなくCOX-2活性を低減し、血小板凝集を抑制する点で、並びに抗癌活性の点で有効である。本発明の医薬組成物は、こうして、関節リウマチ、骨関節炎、リウマチ性脊椎炎、痛風性関節炎、炎症性腸疾患、乾癬、クローン病、アレルギー疾患、潰瘍性大腸炎、骨吸収病、及び骨粗鬆症の治療に有効である。本発明の医薬組成物は、虚血性心疾患、虚血性細胞損傷、虚血再灌流傷害、粥状動脈硬化、頭部外傷、多発性硬化症、敗血症、敗血症性ショック、毒素性ショック症候群、感染症のため生じる発熱及び筋肉痛の治療にも有効である。本発明の医薬組成物は、癌、急性及び慢性骨髄性白血病、多発性骨髄腫、及び膵臓β細胞破壊の治療に有効である。さらに、本発明の医薬組成物は、成人呼吸促迫症候群(ARDS)、アナフィラキシー、接触皮膚炎、喘息、筋変性、悪液質、I型及びII型糖尿病を含む障害の治療のために有用である。一般的に、患者において具体的な病気を治療するために有効な用量は、状態又は疾患の症状又は適応症を軽減する治療の間に、医師により決定され、そして調節されうる。一般的に、約0.01〜1000mg/kg体重の範囲の活性化合物の一日用量は、有効な結果を得るための投与に適している。一日用量は、一回用量で投与されるか又は数回の用量に分割されて投与されてもよい。ある場合には、個々の応答に左右されて、最初に処方された一日用量から増量又は減量させる必要性がある場合もある。一般的な医薬製剤は、通常1投与あたり約0.2〜約500mgの式Iの活性化合物、及び/又はその医薬として活性な塩又は溶媒和物を含む。
【0082】
本発明の化合物を単一の活性医薬品として投与することができる一方、本発明の化合物は、本発明の1以上の化合物又は他の薬剤と組み合わせて使用することができる。組合せとして投与される場合、治療薬は、同時又は異なる時間に与えられる個別の組成物として剤形されうるし、又は当該治療薬は、1の組成物として与えられうる。
【0083】
「治療有効量」又は「有効量」という語句は、このような治療を必要とする哺乳動物に単独で又は他の治療と組み合わせて投与された場合に、以下に定義されるように治療に影響するために十分である化合物又は式Iの化合物の混合物の量を指す。より具体的に、TNF-α、IL-1、IL-6、IL-1β、IL-8、IL-12などのサイトカイン及びCOX-2及びCOX-3などのシクロオキシゲナーゼを低減し、並びにトロンボキサン・シンターゼにより媒介される疾患を低減して、自己免疫疾患、炎症、免疫疾患、及び癌を治療するために十分である量である。本明細書に使用される「動物」という語句は、全ての動物、そして特にヒトを含むことを意味する。この様な動物は、本明細書に治療を必要とする対象又は患者として本明細書に記載される。治療有効量は、対象及び治療される疾患状態、対象の体重及び年齢、疾患状態の重篤度、式Iの選択された化合物、行なわれる投与計画、投与のタイミング、投与様式などに依存して変化し、この全ては、当業者により容易に決定される。
【0084】
「治療」又は「治療する」という語句は、哺乳動物における疾患の処置の全てを意味し、例えば、
a)疾患の予防、つまり、疾患の臨床症状が発達しないようにすること
b)疾患の抑制、つまり、臨床症状の発達を緩めるか又は停止させること;及び/又は
c)疾患の回復、つまり、臨床症状の退行させること
を含む。
【0085】
上の記載から、当業者は、本発明の必須の特徴を容易に確定することができ、そして本発明の特徴及び範囲から逸脱することなく、本発明の様々な変化及び改変を行なって、本発明を様々な用途及び状態に適合させることができる。
【0086】
本発明は、以下に与えられる実施例により提供される。当該実施例は、例示の方法により提供され、そして本発明の範囲を制限することを意図すべきでない。当業者に明らかである変形及び変更は、添付の特許請求の範囲に定義される本発明の範囲及び性質の範囲内であることを意図する。
【実施例】
【0087】
製法1:
N-[(1E)-2-シアノ-3-[(4-メチルフェニル)アミノ]-1-(メチルチオ)-3-オキソプロパ-1-エン-1-イル]-4-(メチルチオ)ベンズアミド
【化20】

5-シアノ-1-(4-メチルフェニル)-4-(メチルチオ)-2-[4-(メチルチオ)フェニル]-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリミジン(2.5g、6.59mmol)を含むエタノール(30ml)の懸濁液に、連続攪拌下で及び室温で、無水炭酸カリウム(1.3g、9.4mmol)を加えた。懸濁液を5時間の攪拌下で60℃にゆっくり熱した。続いて、反応混合液をろ過し、そして水で洗浄し、次にエタノールで洗浄し、そして吸引下で乾燥させて、標題の化合物(2.12g、80.8%、融点:173〜175℃、純度91.6%、HPLC)を生成した。
【化21】

【0088】
製法2:
N-[(1E)-2-シアノ-3-[(3,4-ジメチルフェニル)アミノ]-1-(メチルチオ)-3-オキソプロパ-1-エン-1-イル]-4-(メチルチオ)ベンズアミドの合成
【化22】

標題の化合物を、製法1において記載されたのと同じ手順に従うことにより、5-シアノ-1-(3,4-ジメチルフェニル)-4-(メチルチオ)-2-[4-(メチルチオ)フェニル]-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリミジン(10g、25mmol)から得た(8.1g、77.45%の収率、m.p.:163〜166℃、純度99.7%、HPLC)。
【化23】

【0089】
実施例1:
4-ヒドロキシ-N-(4-メチルフェニル)-6-(メチルチオ)-2-[4-(メチルチオ)フェニル]ピリミジン-5-カルボキサミドの合成
【化24】

【0090】
乾燥HClガスを、N-[(1E)-2-シアノ-3-[(4-メチルフェニル)アミノ]-1-(メチルチオ)-3-オキソプロパ-1-エン-1-イル]-4-(メチルチオ)ベンズアミド(2g、5mmol、製法1に記載された方法に従って製造される)を含むエタノール(50ml)溶液に、0℃で4時間通過させた。当該反応混合液を次に完了まで4時間還流した;続いて、得られた固体をろ過し、そしてエタノールで洗浄した。こうして得られた固体をジクロロメタン中に懸濁し(50ml)、ろ過し、そして最終的に吸引下で乾燥させて、標題の化合物を生成した(1.8g、90%、純度99.78%、HPLC、m.p.:302-305℃)。
【化25】

【0091】
実施例2:
4-ヒドロキシ-N-(3,4-ジメチルフェニル)-6-(メチルチオ)-2-[4-(メチルチオ)フェニル]ピリミジン-5-カルボキサミド
【化26】

【0092】
標題の化合物を、実施例1に記載される手順に従うことにより、N-[(1E)-2-シアノ-3-[(3,4-ジメチルフェニル)アミノ]-1-(メチルチオ)-3-オキソプロパ-1-エン-1-イル]-4-(メチルチオ)ベンズアミド(4.4g、10mmol、製法1に記載される方法に従って製造された)から得た(3.3g、収率75%、及び純度99.89%、HPLC、mp:303-305℃)。
【化27】

【0093】
化合物3を実施例2に記載される方法により製造した
【表1】

【0094】
実施例4:
4-クロロ-N-(4-メチルフェニル)-6-(メチルチオ)-2-[4-(メチルチオ)フェニル]ピリミジン-5-カルボキサミドの合成
【化28】

4-ヒドロキシ-N-(4-メチルフェニル)-6-(メチルチオ)-2-[4-(メチルチオ)フェニル]ピリミジン-5-カルボキサミド(0.5g、1.25mmol)をオキシ塩化リン中で3時間還流し(10ml)、そして続いて室温に冷却した。反応混合物を氷水の混合物中に注ぎ、飽和炭酸水素ナトリウム溶液で中和し、そしてこうして分離された固体を酢酸エチルで抽出した。有機相を水で洗浄し;無水硫酸ナトリウムで乾燥し、そして減圧下で濃縮して標題の化合物を与えた:(0.3g、収率57%)
【化29】

【0095】
実施例5:
4-(メチルアミノ)-N-(4-メチルフェニル)-6-(メチルチオ)-2-[4-(メチルチオ)フェニル]ピリミジン-5-カルボキサミドの合成
【化30】

5-シアノ-1-(4-メチルフェニル)-4-(メチルチオ)-2-[4-(メチルチオ)フェニル]-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリミジン(2g、5.3mmol、出願人の米国特許2004/0259891号に開示される手順に従って製造される)を含むDMFの溶液に、メチルアミン(0.32g、10.5mmol)を攪拌しながら加えた。溶液を45℃にゆっくりと温め、そしてこの温度で1時間維持した。反応の完了を、酢酸エチル:ヘキサン(1:1)を溶媒系として用いたTLCにより確認した。得られた反応質量は、氷上に注がれ、そしてろ過され、こうして得られた粗固体を、酢酸エチル:ヘキサンを用いてカラムクロマトグラフィーにより精製して、標題の化合物を与えた。
【化31】

【0096】
実施例5は、以下の方法により代替して合成することができる
4-クロロ-N-(4-メチルフェニル)-6-(メチルチオ)-2-[4-(メチルチオ)フェニル]ピリミジン-5-カルボキサミド(0.05g、0.12mmol、実施例4に記載される方法に従って得られる)を含むTHF(5ml)の溶液に、10%メチルアミンを含むTHF(5ml、0℃でメチルアミンガスをTHFへとパージして、10%溶液を得る)を0℃で攪拌しながら加えた。反応混合液を、反応が完了するまで(TLC)この温度で攪拌し、そして氷水の混合物に注ぎ、そして酢酸エチレンで抽出した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、そして吸引下で蒸留して、標題の化合物を生成した(0.03g、収率61%)MS m/z:411.1(M++1)。
【0097】
実施例6:
N-(4-メトキシフェニル)-4-(メチルアミノ)-6-(メチルチオ)-2-ピリジン-3-イルピリミジン-5-カルボキサミドの合成
【化32】

メチルアミンを含むTHFの溶液(45%溶液、-20℃で乾燥メチルアミンガスをTHFにパージすることにより調製される)に、-20℃で攪拌しながら1-(4-メトキシフェニル)-4-(メチルチオ)-6-オキソ-2-ピリジン-3-イル-1,6-ジヒドロピリミジン-5-カルボニトリル(1.6g、4.1mmol、本出願人の米国特許第2004-259891号に開示される手順に従って製造される)を加えた。反応の完了を酢酸エチル:ヘキサン(1:1)を用いたTLCにより確認されるまで、得られた反応物を同じ温度で攪拌した。続いて固体が分離されるまで、激しく攪拌しながら反応混合液を氷水混合物に注いだ。固体をろ別し、そして冷水で完全に洗浄して、標題の化合物を生成した(1.47g、収率84.44%、純度96.6%、HPLC,m.p.:184〜197℃)。
【化33】

【0098】
実施例7:
N-(3,4-ジメチルフェニル)-4,6-ビス(メチルアミノ)-2-ピリジン-3-イルピリミジン-5-カルボキサミドの合成
【化34】

5-シアノ-1-(3,4-ジメチルフェニル)-4-(メチルチオ)-6-オキソ-2-ピリジン-3-イル-1,6-ジヒドロピリミジン(0.6g、1.72mmol、出願人の米国特許第2004/0259891号に開示される手段に従って製造される)を含むTHFの溶液に、室温で攪拌しながらメチルアミン(0.36g、11.6mmol)を加え、そして反応の完了が酢酸エチル:ヘキサン(1:1)を用いてTLCにより確認されるまで反応混合液をこの温度で4時間維持した。得られた反応物を氷上に注ぎ、そしてろ過した。こうして得られた粗製固体を、酢酸エチルヘキサンを用いたカラムクロマトグラフィーにより精製して、標題の化合物を与えた(0.23g、収率38.44%、純度94.3%、HPLC、m.p.:285〜286℃)。
【化35】

【0099】
一般的な手順
1,2-ジアリール-5-シアノ-4-メチルチオ-1,6-ジヒドロ-ピリミジン-6-オン(出願人の米国特許2004-259891号に開示される手段に従って製造される)を含む適切な溶媒、例えば、DMF、アセトニトリル、エタノール、イソプロパノール、ジオキサン、THF、ジクロロメタン、クロロホルム又はそれらの混合物の懸濁液/溶液に、触媒量の炭酸カリウムの存在下又は不存在下において-20℃〜還流温度で攪拌しながら1〜30mol量のメチルアミン/エタノールアミン又は置換アルキルアミンを加えた。(TLCにより確認される)反応完了まで反応物を攪拌した。続いて、こうして分離された結果物である固体をろ過し、水で洗浄し、そして乾燥させて粗製物を生成し、当該粗製物をカラムクロマトグラフィーで精製して標題の化合物を与えた。
【0100】
以下の化合物は、上に記載される一般的手順により製造された:
【表2】

【0101】
【表3】

【0102】
【表4】

【0103】
【表5】

【0104】
【表6】

【0105】
【表7】

【0106】
【表8】

【0107】
【表9】

【0108】
【表10】

【0109】
【表11】

【0110】
【表12】

【表13】

【表14】

【0111】
実施例59
N-(4-メトキシフェニル)-4-(メチルアミノ)-6-(メチルチオ)-2-ピリジン-3-イルピリミジン-5-カルボキサミド(2.5g、6.55mmol、実施例5に記載される手順に従って製造される)を含むアセトン(250ml)の透明溶液に、オルトリン酸(1.6g、16.38mmol)を攪拌しながら一回で加えた。固体が分離するまで攪拌を続けた。得られた固体をろ別し、そしてゆっくり洗浄し、そしてアセトン(5ml)を滴下した。得られた固体を吸引下で乾燥して、所望の塩を生成した(3.78g、収率97.8%、塩基のアッセイ(asay of base) 68.3%、HPLC、及びリン酸含量30.09%アッセイ、m.p.:222〜225℃。
【化36】

【0112】
塩の一般的製造方法
N,2-ジアリール-4-(メチルアミノ)-6-(メチルチオ)-ピリミジン-5-カルボキサミド(上の実施例に記載される方法に従って製造される)を含む適切な溶媒、例えばエタノール、イソプロパノール、ジクロロメタン、酢酸エチル、ヘキサン、THF、アセトン、エーテル、アセトニトリル、ジオキサン又は当該溶媒の1:1から1:10の比の組合せ/混合物に、3〜10モル量の酸を、室温〜還流温度で攪拌しながら加えた。当該酸として、無機/有機起源の塩酸水溶液又は乾燥塩化水素ガス、オルトリン酸、硝酸、硫酸、コハク酸、シュウ酸、クエン酸、サリチル酸、メタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、安息香酸などが挙げられる。続いて、固体が分離され、又は適切な溶媒を加えることにより沈殿され、ろ別されるか、又は当該溶媒が吸引下で取り除かれた。これは、純粋な形態でモノ又はジ、又はトリ塩として標的の塩をもたらした。こうして形成された当該塩は、分析技術及び評価を用いることにより特徴決定された。
【0113】
以下の塩が、上に記載された一般的手順により製造される
【表15】

【0114】
【表16】

【0115】
本発明の化合物の効力を見出すために用いられる医薬アッセイの例が記載され、ここで、そのプロトコル及び結果が提供される。
【0116】
シクロオキシゲナーゼ-2(COX-2)阻害活性のin vivo評価
本発明の化合物が、COX-2のin vitroでの抑制を示した。実施例に記載される化合物のCOX-2阻害活性は、以下の方法により決定された。
【0117】
ヒト全血アッセイ
ヒト全血は、選択的COX-2阻害剤などの抗炎症化合物の生化学効果の研究に適したタンパク質及び多細胞環境を提供する。通常のヒト血液がCOX-2酵素を含まないことが研究により示されてきた。これは、通常の血液においてCOX-2阻害剤がプロスタグランジンE2(PGE2)産生に影響を与えないという観察結果と一致する。これらの阻害剤は、ヒト血液をリポ多糖(LPS)とインキュベートした後にのみ活性であり、LPSは血液中でCOX-2生産を誘導する。
【0118】
静脈穿刺により健常な男性ボランティアの新鮮血をヘパリンナトリウム含有チューブ中に回収した。対象は、明らかな炎症状態を有しておらず、そして血液採取前少なくとも7日間の間NSAIDを摂取していないはずである。COX-1を不活性化するために、血液をin vitroで6時間アスピリンとプレインキュベートした(12μg/ml、ゼロ時間)。次に試験化合物(様々な濃度)又はビヒクルを血液に加えた。その後、血液をLPS B:4で刺激し(10μg/ml)、そしてさらに18時間37℃で水浴にてインキュベートした。その後、血液を遠心し、結晶を分離し、そして-80℃で貯蔵した(J. Pharmacol. Exp.Ther, 271, 1705, 1994; Proc. Natl. Acad. Sci. USA., 96, 7563, 1999)。製造者により概説される手順に従ってCaymanELISAキットを用いて、血漿をPGE2についてアッセイした。COX-2阻害性の代表的な結果を表Iに示す。
【0119】
【表17】

【0120】
COX-1及びCOX-2酵素に基づくアッセイ
精製された組換えCOX-1/COX-2酵素によるプロスタグランジンの産生についての試験化合物の阻害能力を調べるためにCOX-1及びCOX-2酵素に基づくアッセイを行なった(Proc. Nat. Acad. Sci. USA, 88, 2692-2696, 1991; J. Clin. Immunoassay 15, 116-120, 1992)。このアッセイでは、COX-1又はCOX-2のいずれかによるアラキドン酸からのプロスタグランジンの生産を阻害する試験化合物の能力が計測された。これは、良好な再現性で選択的COX阻害を評価する酵素に基づくin vitroアッセイである。
【0121】
試験化合物の存在下又は不存在下において、アラキドン酸はCOX-1/COX-2によりPGH2(中間体)へと変換された。当該反応は37℃で行なわれ、そして2分後に、1M・HClを加えることにより停止した。中間体生成物であるPGH2を、SnCl2還元により安定なプロスタノイド産物であるPGF2αへと変換した。当該反応において産生されるPGF2αの量は、試験化合物のCOX阻害能力に反比例した。プロスタグランジンの主要な形態の全てに結合する広範特異性抗体を用い、CaymanELISAキットをその製造者であるCayman Chemicals, Ann Arbor,USAにより概説された方法に従って用いて、プロスタノイド産物を酵素免疫結合アッセイ(EIA)により定量した。阻害の代表的な結果を表IIに示す。
【0122】
【表18】

【0123】
腫瘍壊死因子α(TNF-α)のin vitro計測
このアッセイは、ヒト末梢血単核細胞(PBMC)において、TNF-αの生産についての試験化合物の効果を決定する。ヒトPBMCにおいて、TNF-αの活性を阻害する能力について化合物を試験した。BD Vacutainer CPT(商標)(細胞調製チューブ、BD Bio Science)を用いて(健常ボラティアから得た)血液からPBMCを単離し、そしてRPMI培地中に懸濁した(Physiol. Res. 52: 593-598, 2003)。試験化合物をPBMCと15分間37℃でプレインキュベートし(50万個/インキュベートウェル)、そして次にリポ多糖(大腸菌:B4;1μg/ml)で18時間37℃にて5%CO2中で刺激した。細胞培養培地中のTNF-αのレベルを、製造者(R&D Systems, Inc. 614 McKinley Place NE, Minneapolis, MN 55413, USA)の方法に従って96ウェル形式で行なわれた酵素結合免疫吸着アッセイを用いて評価した。TNF-α阻害の代表的な結果を表3に示す。
【0124】
【表19】

【0125】
インターロイキン-6(IL-6)及びインターロイキン-1β(IL-1β)のin vitro計測
当該アッセイは、ヒトPBMCにおけるIL-6及びIL1βの生産に対する試験化合物の効果を決定する(Physiol. Res. 52: 593-598, 2003)。ヒトPBMCのIL-6及びIL1βの活性を阻害する能力について化合物を試験した。PBMCをBD Vacutainer CPT(商標)調製試験管(BD Bio Science)を用いて血液から単離した。試験化合物をPBMCと15分間37℃でプレインキュベートし(50万個/インキュベートウェル)、そして次にリポ多糖(大腸菌B4;1μg/ml)で18時間37℃、5%CO2中で刺激した。細胞培地中のIL-6及びIL1βのレベルを、製造者(R&D Systems, Inc. 614 McKinley Place NE, Minneapolis, MN55413, USA)の方法に従って96ウェル形式で行なわれた酵素結合免疫吸着アッセイを用いて評価した。IL-6とIL-1β阻害の代表的な結果を以下の表IVに示す。
【0126】
【表20】

【0127】
ラットにおけるカラギーナン誘導性四肢浮腫試験
カラギーナン四肢浮腫試験を、Winterら(Proc.Soc.Exp.Biol.Med, 111, 544, 1962)により記載されるように行なった。雄ウィスターラットを各群において体重が等しくなるなるように選択した。水を自由に摂取させて、ラットを18時間絶食させた。0.25%カルボキシメチルセルロース及び0.5%Tween80を含むビヒクル中に懸濁された試験化合物をラットに経口投与した。対照ラットにビヒクルのみを投与した。1時間後、ラットの右後ろ足の足裏に(Sub-plantar)0.1mlの1%カラギーナン溶液を含む0.9%生理食塩水を注射した。カラギーナン注射の前、及び注射後3時間で、デジタルプレチスモグラフを用いて足の体積を測定した。薬剤処理された動物における足の平均膨大を対照動物の平均膨大と比較した。抗炎症活性は、対照群と比較された浮腫の阻害割合として表現された[Arzneim-Forsch/Drug Res., 43 (I), 1, 44-50, 1993; Otterness and Bliven、Laboratory Models for Testing NSAIDs、In Non-Steroidal Anti-Inflammatory Drugs、(J. Lombardino編、1985)]。浮腫の抑制の代表的な結果を表Vに示す。
【0128】
【表21】

【0129】
潰瘍誘発能力
浮腫形成についての化合物の役割を評価するために、動物を屠殺し、そして胃を摘出し、そして1%ホルマリンで洗い流した。水を自由に摂取させて動物(雄ウィスターラット200mg)を18時間絶食させ、そして試験化合物を0.5%Tween80及び0.25%CMC(カルボキシメチルセルロース)溶液に懸濁して、均一な懸濁液を製造した。試験化合物の経口投与の4時間後、全ての動物を頚椎脱臼により屠殺した。胃を注意深く切り離し、そして滅菌生理食塩水で満たし、そして6%ホルマリン溶液に包埋した。最終的に胃を長軸方向に切断し、そして潰瘍病変をコンピューター立体顕微鏡で観察した。試験化合物で処理された群をビヒクル処理された群と比較した。選択された用量は50、100、200mg/kgであった(Marco Romanoら、Journal of clinical Investigation、1992; 2409-2421)。
【0130】
ラットにおけるアジュバント関節炎についての阻害活性
Theisen-Poppら(Agents Actions, 42, 50-55, 1994)に記載されたラット・アジュバント誘導性関節炎モデルにおける活性について化合物をアッセイした。6〜7週齢のウィスターラットの体重を量り、識別を付し、そして群に割り当てた[関節炎が誘導されていない陰性対照群(非アジュバント対照)、ビヒクル処理された関節炎対照群、試験物質処理された関節炎群]。ミネラルオイル中に懸濁された0.1mlのマイコバクテリウム・ブチリクム(Mycobacterium btyricum)(Difco)を右後ろ足の足裏に注射することにより、アジュバント誘導性関節炎を誘導した(J. Pharmacol. Exp. Ther., 284, 714, 1998)。全ての群で、体重、足体積を幾つかの日(0、4、14、21日目)に計測した。試験化合物又はビヒクルルの経口投与をアジュバントの注射後に始め(0日目)、そして21日間継続した(治療前群)。治療後群では、試験化合物又はビヒクルは、14日目〜21日目にかけて投与された。21日目に体重及び、右足及び左足の両方の体積を計測した。脾臓及び胸腺重量を測定した。さらに、両後ろ足のレントゲン写真を撮り、脛骨足根骨関節の完全性を評価した。後膝関節以下の後ろ足を取り除き、そして、病理組織学的評価のため1%ホルマリン生理食塩水で固定した。実験の終わりに、血清サンプルを炎症メディエーターについて分析した。胃の病変の有無も観察した。
【0131】
「時間」に対して繰り返された計測値についての分散の2因子(処置及び時間)分析を、体重及び足体積の変化割合(%)について行なった。Dunnettの事後検定を行なって、ビヒクル対象に対する治療の効果を比較した。分散の一元配置分析を胸腺及び脾臓重量に適用し、続いてDunnett検定を行ない、ビヒクルに対する治療効果を比較した。4、14、及び21日目の足体積における阻害割合についての用量応答曲線を、非線形最小二乗法回帰を用いて4パラメーターロジスティック関数により近似した。IC50をビヒクル対照に比較して50%の減少に相当する用量として定義し、そして近似4パラメーター等式からの補間により得た。
【0132】
マウスにおけるTNF-α阻害の計測のためのLPS誘導性敗血症
マウスにおけるLPS誘導性敗血症モデルを、Lessekutら(J Lab Clin Med 1994;124:813-20)により記載される様に行なった。雌スイスアルビノマウスを各群で同等となるように体重について選別した。水を自由に摂取させてマウスを20時間絶食させた。0.5%Tween80を含むカルボキシメチルセルロースナトリウム塩を含むビヒクル中に懸濁された試験化合物をマウスに経口投与した。対照マウスにビヒクルのみを投与した。経口投与の30分後、500μgのリポ多糖(大腸菌、LPS:B4、Sigma製)を含むリン酸緩衝生理食塩水溶液をマウスの腹腔内へと注射した。LPS投与の90分後、マウスから後眼窩穿刺を介して採血した。血液サンプルを一晩4℃で貯蔵した。サンプルを4000rpmにて15分間4℃で遠心することにより血清サンプルを回収した。すぐに、市販のマウスTNF-αELISAキット(Amersham Bioscience)を製品説明書に従って用いて血清サンプルをTNF-αレベルについて分析した。TNF-α阻害の代表的な結果を表VIに示す。
【表22】

【0133】
抗癌性のスクリーニング:
(各化合物につちて5個の濃度を用いて)GI50、TGI及びLC50値について、3個の細胞株における抗癌活性について実験薬剤をスクリーニングした。この細胞株は、10%ウシ胎児血清を含むDMEM中に維持する。96ウェルマイクロタイター・プレートに細胞を含んだ100μlを蒔き、24時間37℃で5%CO2、95%空気、及び100%相対湿度でインキュベートした。5000個のHCT116細胞/ウェル、5000個のNCIH460細胞/ウェル、10000個のU251細胞/ウェル、及び5000個のMDAMB231細胞/ウェルを蒔いた。別々のプレートにこれらの細胞株を蒔いて、化合物の添加前(T0)に細胞生存度を決定した。
【0134】
実験薬剤の添加
24時間のインキュベート後、実験薬剤を96ウェルプレートに加えた。各プレートは上の細胞株のうちの1つ、及び以下の:5個の異なる濃度(0.01、0.1、1、10、及び100μM)の4種の化合物、細胞毒性標準及び対照(未処理)ウェルの適切な希釈液を含み、3回の実験行なった。化合物をジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解して、薬剤添加の日に20mMストック溶液を作成し、そして-20℃で凍結した。これらの20mMのストック溶液の連続希釈液を完全成長培地で作成し、その結果終濃度が0.01、0.1、1、10及び100μMになる100μlのこれらの薬剤溶液を含む培地を細胞に加え、3回の実験を行なった。抗癌活性が良好に記載され、かつ通常用いられる標準薬剤は、ドキソルビシン及びSAHAである。
【0135】
端点計測
細胞を化合物と48時間インキュベートし、続いて10μlの3-(4,5-ジメチル-2-チアゾリル)-2,5-ジフェニル-2H-テトラゾリウム(MTT)溶液を加え、そして続いて37℃で、5%CO2、95%空気及び100%相対湿度、遮光状態でインキュベートした。4時間後、ウェルの内容物を注意深く吸引し、続いて1ウェルあたり150μlDMSOを加えた。プレートを攪拌して、ジメチルスルホキシド中のホルマザンの結晶の溶液を得て、そして570nmで吸光度を読んだ。
【0136】
GI50、TGI及びLC50の計算
対照及びゼロ計測ウェルに対する各化合物の濃度について増殖割合を計測した(T0;化合物添加前のバイアビリティライト(viability right))。試験ウェルのO.D.値がその細胞株のT0計測値よりも大きい場合、以下の:
増殖割合(%)=(試験-ゼロ)/(対照-ゼロ)×100
である。試験ウェルのO.D.値が細胞株のT0計測値よりも小さい場合、
増殖割合(%)=(試験-ゼロ)/ゼロ×100
である。
実験薬剤濃度に対する増殖割合%をプロットすると、GI50は、増殖割合を50%だけ低下させることを必要とする濃度であり;TGIは、増殖割合(%)を100%だけ低下させるために必要とされる濃度であり、そしてLC50は150%だけ増殖割合(%)を低下させるために必要とされる濃度である。代表的な増殖の結果を表VII及びVIIIに示す。
【0137】
【表23】

【0138】
【表24】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の式(I):
【化1】

[式中、
Aにより表される適切な環系は、フェニル、ナフチル、ピリジル、チエニル、ピリミジニルなどから選ばれ、これらは置換されてもよく、
Bにより表される適切な環系は、フェニル、ナフチル、ピリジル、チエニル、ピリミジニルなどから選ばれ、これらは置換されてもよく、
Rは、独立して、水素、ハロゲン(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、ヒドロキシル、アジド、アミノ、直線状又は分岐状(C1-C4)アルキル基、例えばメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチルなど;ハロアルキル基、例えばクロロメチル、クロロエチル、トリフルオロメチル、トリフルオロエチル、ジクロロメチル、ジクロロエチルなど;SR6、S(O)q7;アミノシクロアルキル基、例えば-NH-シクロプロピル、-NH-シクロペンチル、-NH-シクロヘキシルなど;モノアルキルアミノ基、例えば-NHCH3、-NHC25、-NHC37、-NHC613など、(これらは置換されてもよい);ジアルキルアミノ基、例えば-N(CH3)2、-NCH3(C25)、-N(C25)2など;-NH(C1-C5)n-X、(ここで直線状又は分岐状(C1-C5)アルキル基は、例えばメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチルなどであり;Xは、アリール又はヘテロアリール、アリール基、例えばフェニル、ナフチルなど、及びヘテロアリール基、例えばピリジル、チエニル、フリル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、テトラゾリル、ピリミジニル、ベンゾピラニル、ベンゾフラニル、ベンズイミダゾリル、ベンズオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾピロリル、ベンゾキサジアゾリル、ベンゾチアジアゾリルなど;ヘテロシクリル基、例えばピロリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペリジニル、ピペラジニルなど;アミノヘテロシクリル基、例えばアミノピペラジニルなどであり);アミノアルカノール、例えば-NH-(CH2)qOH(メチレン基は、例えばアルキル、-OHなどでさらに置換されてもよい);ヒドラジン;アルキルヒドラジン、例えば、-N(CH3)NH2、-N(C25)NH2、-N(C37)NH2などを表し;
1により表される適切な基は、水素、SR6及びS(O)P7から選ばれ;
2により表される適切な基は、水素、ヒドロキシル、ハロゲン原子、例えばフッ素、塩素、臭素、ヨウ素;ヒドロキシル、ニトロ、シアノ、アジド、アミノ、直線状又は分岐状(C1-C4)アルキル基、例えばメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチルなど;ハロアルキル基、例えばクロロメチル、クロロエチル、トリフルオロメチル、トリフルオロエチル、ジクロロメチル、ジクロロエチルなど;直線状又は分岐状(C1-C6)アルコキシ基、例えばメトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシなど;アミノアルキル基、例えば-NHCH3、-NHC25、-NHC37など;アミノジアルキル基、例えば-N(CH3)2、-NCH3(C25)、-N(C25)2など;アシル基、例えば-C(=O)CH3、-C(=O)CF3、-C(=O)C25、-C(=O)C37;-C(=S)CH3、-C(=S)CF3、-C(=S)C25、-C(=S)C37、ベンゾイル;アミノアシル基、例えば-NHC(=O)CH3、-NHC(=O)CF3、-NHC(=O)C25、-NHC(=O)C37など;アルコキシカルボニル基、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、n-プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニルなど;アルコキシアルキル基、例えばメトキシメチル、エトキシメチル、メトキシエチル、エトキシエチルなど;COR8;カルボン酸及びその誘導体、例えばエステル、アミド、酸ハロゲン化物などから選ばれ;
3により表される適切な基は、水素、SR6及びS(O)P7から選ばれ;
4により表される適切な基は、水素、ヒドロキシル、ハロゲン原子、例えばフッ素、塩素、臭素、ヨウ素; ヒドロキシル、ニトロ、シアノ、アジド、アミノ、直線状又は分岐状(C1-C4)アルキル基、例えばメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチルなど;ハロアルキル基、例えばクロロメチル、クロロエチル、トリフルオロメチル、トリフルオロエチル、ジクロロメチル、ジクロロエチルなど;直線状又は分岐状(C1-C6)アルコキシ基、例えばメトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシなど;アミノアルキル基、例えば-NHCH3、-NHC25、-NHC37など;アミノジアルキル基、例えば-N(CH3)2、-NCH3(C25)、-N(C25)2など;アシル基、例えば-C(=O)CH3、-C(=O)CF3、-C(=O)C25、-C(=O)C37、-C(=S)CH3、-C(=S)CF3、-C(=S)C25、-C(=S)C37;ベンゾイル;アミノアシル基、例えば-NHC(=O)CH3、-NHC(=O)CF3、-NHC(=O)C25、-NHC(=O)C37など;アルコキシカルボニル基、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、n-プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニルなど;アルコキシアルキル基、例えばメトキシメチル、エトキシメチル、メトキシエチル、エトキシエチルなど;COR8;カルボン酸及びその誘導体、例えばエステル、アミド、酸ハロゲン化物などから選ばれ;
5は独立して、水素、ヒドロキシル、アジド、アミノ、直線状又は分岐状(C1-C4)アルキル基、例えばメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチルなど;ハロアルキル基、例えばクロロメチル、クロロエチル、トリフルオロメチル、トリフルオロエチル、ジクロロメチル、ジクロロエチルなど;SR6、S(O)q7;アミノシクロアルキル基、例えば-NH-シクロプロピル、-NH-シクロペンチル、-NH-シクロヘキシルなど;モノアルキルアミノ基、例えば-NHCH3、-NHC25、-NHC37、-NHC613など、(これらは置換されうる);ジアルキルアミノ基、例えば-N(CH3)2、-NCH3(C25)、-N(C25)2など;-NH(C1-C5)n-X、(ここで、直線状又は分岐状(C1-C5)アルキル基、例えばメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチルなど;Xは、アリール又はヘテロアリール、アリール基、例えばフェニル、ナフチルなど、及びヘテロアリール基、例えばピリジル、チエニル、フリル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、テトラゾリル、ピリミジニル、ベンゾピラニル、ベンゾフラニル、ベンズイミダゾリル、ベンズオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾピロリル、ベンゾキサジアゾリル、ベンゾチアジアゾリルなど;ヘテロシクリル基、例えば、ピロリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペリジニル、ピペラジニルなど;アミノヘテロシクリル基、例えばアミノピペラジニルなどである);アミノアルカノール、例えば-NH-(CH2)qOH;ヒドラジン;アルキルヒドラジン、例えば-N(CH3)NH2、-N(C25)NH2、-N(C37)NH2などを表し;
6により表される適切な基は、水素、直線状又は分岐状(C1-C6)アルキル基、例えばメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、t-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、ヘキシルなど;アリール基、例えばフェニル、ナフチルなど;ハロゲン化アルキル、例えば-CH2Cl、-CH2CH2Clなど;アルキルエステル、例えば-CH2OCOC25、-CH2OCOC37などから選ばれ;
7により表される適切な基は、アミノ、ヒドロキシル、ヒドラジン、ハロゲン原子、例えばフッ素、塩素、臭素、ヨウ素;直線状又は分岐状(C1-C6)アルキル基、例えばメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、t-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、ヘキシルなど;アルキルヒドラジン基、例えば-N(CH3)NH2、-N(C25)NH2など;アシルヒドラジド基、例えば-NHNH(C=O)CH3、-NHNH(C=O)CF3など;アミノアシル基、例えば-NHC(=O)CH3、-NHC(=O)CF3、-NHC(=O)C25、-NHC(=O)C37、-NHC(=O)C613;アミノアルカノール、例えば-NH-(CH2)qOH;アリール基、例えばフェニル、ナフチルなど;アミノアリール基、例えばフェニルアミノ、ナフチルアミノなど;アミノヘテロアリール基、例えばチエニルアミノ、ピリジルアミノ、ピリミジルアミノなど;アミノヘテロシクリル基、例えばアミノピペラジン、アミノモルホリンなどから選ばれ;
8により表される適切な基は、水素、ヒドロキシル、アミノ、ハロゲン原子、例えばフッ素、塩素、臭素、ヨウ素;直線状又は分岐状(C1-C4)アルキル基、例えばメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、t-ブチルなど;ハロアルキル基、例えばクロロメチル、クロロエチル、トリフルオロメチル、トリフルオロエチル、ジクロロメチル、ジクロロエチルなど;直線状又は分岐状(C1-C4)アルコキシ基、例えばメトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシなど;アリールオキシ基、例えばフェノキシ、ナフトキシなど;アミノアルキル基、例えば-NHCH3、-NHC25、-NHC37、-NHC613など(これらは、置換されてもよい);ジアルキルアミノ基、例えば-N(CH3)2、-NCH3(C25)、-N(C25)2など;アリールアミノ基、例えばフェニルアミノ、ナフチルアミノなど;ヘテロアリールアミノ基、例えばチエニルアミノ、ピリジルアミノ、ピリミジルアミノなど、アシルアミノ基、例えば-NHC(=O)CH3、-NHC(=O)CF3、-NHC(=O)C25、-NHC(=O)C37、-NHC(=O)C613などから選ばれ;
m及びnは0〜4の整数であり;pは1又は2の整数であり;qは1〜10の整数であり、
R、R1、R2、R3、R4及びR5基が置換される場合、「置換」という語句は、1以上の水素原子が置換基、例えば非限定的に、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、アジド、ニトロソ、アミノ、アミジノ、ヒドラジン、ホルミル、アルキル、アリール、シクロアルキル、アルコキシ、アリールオキシ(例えば、フェノキシ)、アラルキル(例えば、ベンジル)、アラルコキシ(例えば、ベンジルオキシ)、アシル、アシルオキシアシル、カルボアルコキシ(例えば、アシルオキシ)、カルボキシアルキル(例えば、エステル)、カルボキサミド、アミノカルボニル、カルボニル、アルキレンジオキシ、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアラルコキシ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アシルアミノ、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル、アルキルチオ、アリールチオ、スルファニル、スルフィニル、スルホニル、スルファモイル、チオ、アルコキシアルキル基、カルボン酸及びその誘導体により置換されるということを意味し;さらに置換基が置換されることもあり、
さらに、A及びBが環である場合、これらは置換されているか又は置換されていない5〜10員環系を表し、そして当該環は、単環又は二環、飽和、部分的に飽和又は芳香族であり、O、S及びNなどから選ばれる1〜4個のヘテロ原子を含む]
で表される新規化合物、その誘導体、アナログ、互変異性体、立体異性体、多型、水和物、溶媒和物、及び医薬として許容されるその塩及び組成物。
【請求項2】
前記化合物が以下の:
1. 4-ヒドロキシ-N-(4-メチルフェニル)-6-(メチルチオ)-2-[4-(メチルチオ)フェニル]ピリミジン-5-カルボキサミド;
2. 4-ヒドロキシ-N-(3,4-ジメチルフェニル)-6-(メチルチオ)-2-[4-(メチルチオ)フェニル]ピリミジン-5-カルボキサミド;
3. 2-(4-フルオロフェニル)-4-ヒドロキシ-6-(メチルチオ)-N-[4-(メチルチオ)フェニル]ピリミジン-5-カルボキサミド;
4. 4-クロロ-N-(4-メチルフェニル)-6-(メチルチオ)-2-[4-(メチルチオ)フェニル]ピリミジン-5-カルボキサミド;
5. 4-(メチルアミノ)-N-(4-メチルフェニル)-6-(メチルチオ)-2-[4-(メチルチオ)フェニル]ピリミジン-5-カルボキサミド;
6. N-(4-メトキシフェニル)-4-(メチルアミノ)-6-(メチルチオ)-2-ピリジン-3-イルピリミジン-5-カルボキサミド;
7. N-(3,4-ジメチルフェニル)-4,6-ビス(メチルアミノ)-2-ピリジン-3-イルピリミジン-5-カルボキサミド;
8. N-(4-エチルフェニル)-4-(メチルアミノ)-6-(メチルチオ)-2-[4-(メチルチオ)フェニル]ピリミジン-5-カルボキサミド;
9. N-(3,4-ジメチルフェニル)-4-(メチルアミノ)-6-(メチルチオ)-2-[4-(メチルチオ)フェニル]ピリミジン-5-カルボキサミド;
10. 2-[4-(アミノスルホニル)フェニル]-4,6-ビス(メチルアミノ)-N-(3,4-ジメチルフェニル)ピリミジン-5-カルボキサミド;
11. 2-[4-(アミノスルホニル)フェニル]-N-(3,4-ジメチルフェニル)-4-(メチルアミノ)-6-(メチルチオ)ピリミジン-5-カルボキサミド;
12. 2-[4-(アミノスルホニル)フェニル]-4-(メチルアミノ)-N-(4-メチルフェニル)-6-(メチルチオ)ピリミジン-5-カルボキサミド;
13. 2-[4-(アミノスルホニル)フェニル]-4,6-ビス(メチルアミノ)-N-(4-メチルフェニル)ピリミジン-5-カルボキサミド;
14. N-(4-メトキシフェニル)-4-(メチルアミノ)-6-(メチルチオ)-2-ピリジン-4-イルピリミジン-5-カルボキサミド;
15. N-(4-エトキシフェニル)-4,6-ビス(メチルアミノ)-2-ピリジン-4-イルピリミジン-5-カルボキサミド;
16. 2-[4-(アミノスルホニル)フェニル]-4,6-ビス(メチルアミノ)-N-(4-エチルフェニル)ピリミジン-5-カルボキサミド;
17. 2-[4-(アミノスルホニル)フェニル]-N-(4-エチルフェニル)-4-(メチルアミノ)-6-(メチルチオ)ピリミジン-5-カルボキサミド;
18. N-(4-フルオロフェニル)-4-(メチルアミノ)-6-(メチルチオ)-2-ピリジン-4-イルピリミジン-5-カルボキサミド;
19. 4-(メチルアミノ)-2-[4-(メチルスルフィニル)フェニル]-N-(4-メトキシフェニル)-6-(メチルチオ)ピリミジン-5-カルボキサミド;
20. 4-(メチルアミノ)-N-(4-メトキシフェニル)-6-(メチルチオ)-2-[4-(メチルチオ)フェニル]ピリミジン-5-カルボキサミド;
21. N-(4-エチルフェニル)-4-(メチルアミノ)-6-(メチルチオ)-2-ピリジン-4-イルピリミジン-5-カルボキサミド;
22. N-(4-エチルフェニル)-4-(メチルアミノ)-6-(メチルチオ)-2-ピリジン-3-イルピリミジン-5-カルボキサミド;
23. 4-[(2-ヒドロキシエチル)アミノ]-N-(4-メトキシフェニル)-6-(メチルチオ)-2-ピリジン-3-イルピリミジン-5-カルボキサミド;
24. 4-(メチルアミノ)-N-(4-メチルフェニル)-6-(メチルチオ)-2-ピリジン-4-イルピリミジン-5-カルボキサミド;
25. N-(3,4-ジメチルフェニル)-4-(メチルアミノ)-6-(メチルチオ)-2-ピリジン-4-イルピリミジン-5-カルボキサミド;
26. N-(3,4-ジメチルフェニル)-4,6-ビス(メチルアミノ)-2-ピリジン-4-イルピリミジン-5-カルボキサミド;
27. 4,6-ビス(メチルアミノ)-N-(4-メチルフェニル)-2-ピリジン-4-イルピリミジン-5-カルボキサミド;
28. N-(4-メトキシフェニル)-4,6-ビス(メチルアミノ)-2-ピリジン-3-イルピリミジン-5-カルボキサミド;
29. N-(4-フルオロフェニル)-4-[(2-ヒドロキシエチル)アミノ]-6-(メチルチオ)-2-ピリジン-4-イルピリミジン-5-カルボキサミド;
30. 4-[(2-ヒドロキシエチル)アミノ]-N-(4-メトキシフェニル)-6-(メチルチオ)-2-[4-(メチルチオ)フェニル]ピリミジン-5-カルボキサミド;
31. N-(4-エチルフェニル)-4-[(2-ヒドロキシエチル)アミノ]-6-(メチルチオ)-2-ピリジン-4-イルピリミジン-5-カルボキサミド;
32. N-(3,4-ジメチルフェニル)-4-[(2-ヒドロキシエチル)アミノ]-6-(メチルチオ)-2-[4-(メチルチオ)フェニル]ピリミジン-5-カルボキサミド;
33. N-(4-イソプロピルフェニル)-4-(メチルアミノ)-6-(メチルチオ)-2-ピリジン-3-イルピリミジン-5-カルボキサミド;
34. N-(4-イソプロピルフェニル)-4-(メチルアミノ)-6-(メチルチオ)-2-ピリジン-4-イルピリミジン-5-カルボキサミド;
35. 4-[(2-ヒドロキシエチル)アミノ]-N-(4-メチルフェニル)-6-(メチルチオ)-2-ピリジン-4-イルピリミジン-5-カルボキサミド;
36. N-(4-ブチルフェニル)-4-[(2-ヒドロキシエチル)アミノ]-6-(メチルチオ)-2-[4-(メチルチオ)フェニル]ピリミジン-5-カルボキサミド;
37. N-(3,4-ジメチルフェニル)-4-[(2-ヒドロキシエチル)アミノ]-6-(メチルチオ)-2-ピリジン-4-イルピリミジン-5-カルボキサミド;
38. 4-(メチルアミノ)-6-(メチルチオ)-N,2-ビス[4-(メチルチオ)フェニル]ピリミジン-5-カルボキサミド;
39. N-(2,4-ジメチルフェニル)-4-(メチルアミノ)-6-(メチルチオ)-2-[4-(メチルチオ)フェニル]ピリミジン-5-カルボキサミド;
40. N-(4-エトキシフェニル)-4-(メチルアミノ)-6-(メチルチオ)-2-[4-(メチルチオ)フェニル]ピリミジン-5-カルボキサミド;
41. 4-クロロ-N-(3,4-ジメチルフェニル)-6-(メチルチオ)-2-[4-(メチルチオ)フェニル]ピリミジン-5-カルボキサミド;
42. N-(3,4-ジメチルフェニル)-6-(メチルチオ)-2-[4-(メチルチオ)フェニル]-4-ピペラジン-1-イルピリミジン-5-カルボキサミド;
43. 4-(ベンジルアミノ)-N-(3,4-ジメチルフェニル)-6-(メチルチオ)-2-[4-(メチルチオ)フェニル]ピリミジン-5-カルボキサミド;
44. N-(3,4-ジメチルフェニル)-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)-6-(メチルチオ)-2-[4-(メチルチオ)フェニル]ピリミジン-5-カルボキサミド;
45. 2-(4-フルオロフェニル)-4-(メチルアミノ)-6-(メチルチオ)-N-[4-(メチルチオ)フェニル]ピリミジン-5-カルボキサミド;
46. N-(4-フロモフェニル)-4-[(2-ヒドロキシエチル)アミノ]-6-(メチルチオ)-2-ピリジン-4-イルピリミジン-5-カルボキサミド;
47. N-(4-クロロフェニル)-4-[(2-ヒドロキシエチル)アミノ]-6-(メチルチオ)-2-ピリジン-4-イルピリミジン-5-カルボキサミド;
48. N-(3,4-ジメチルフェニル)-4-ヒドラジノ-6-(メチルチオ)-2-[4-(メチルチオ)フェニル]ピリミジン-5-カルボキサミド;
49. N-(2,4-ジメチルフェニル)-4-[(2-ヒドロキシエチル)アミノ]-6-(メチルチオ)-2-ピリジン-4-イルピリミジン-5-カルボキサミド;
50. N-(3,4-ジフルオロフェニル)-4-[(2-ヒドロキシエチル)アミノ]-6-(メチルチオ)-2-[4-(メチルチオ)フェニル]ピリミジン-5-カルボキサミド;
51. 4-[エチル(ヒドロキシメチル)アミノ]-N-(4-メチルフェニル)-6-(メチルチオ)-2-ピリジン-4-イルピリミジン-5-カルボキサミド;
52. N-(3,4-ジフルオロフェニル)-4-(メチルアミノ)-6-(メチルチオ)-2-[4-(メチルチオ)フェニル]ピリミジン-5-カルボキサミド;
53. 2-(3-フルオロフェニル)-4-[(2-ヒドロキシエチル)アミノ]-6-(メチルチオ)-N-[(4-メチルチオ)フェニル]ピリミジン-5-カルボキサミド;
54. N-(3,4-ジフルオロフェニル)-2-(4-エトキシフェニル)-4-[(2-ヒドロキシエチル)アミノ]-6-(メチルチオ)ピリミジン-5-カルボキサミド;
55. 4-[(2-ヒドロキシエチル)アミノ]-N-(4-メトキシフェニル)-6-(メチルチオ)-2-ピリジン-4-イルピリミジン-5-カルボキサミド;
56. N-(4-フルオロフェニル)-4-{[1-(ヒドロキシメチル)プロピル]アミノ}-6-(メチルチオ)-2-ピリジン-4-イルピリミジン-5-カルボキサミド;
57. 2-[4-(ジメチルアミノ)フェニル]-4-(メチルアミノ)-N-(4-メトキシフェニル)-6-(メチルチオ)ピリミジン-5-カルボキサミド;
58. N-(3,4-ジメチルフェニル)-4-[(2-ヒドロキシエチル)アミノ]-2-(4-{[(2-ヒドロキシエチル)アミノ]スルホニル}フェニル)-6-(メチルチオ)ピリミジン-5-カルボキサミド;
59. N-(4-メトキシフェニル)-4-(メチルアミノ)-6-(メチルチオ)-2-ピリジン-3-イルピリミジン-5-カルボキサミドオルトリン酸塩;
60. N-(4-メトキシフェニル)-4-(メチルアミノ)-6-(メチルチオ)-2-ピリジン-3-イルピリミジン-5-カルボキサミド塩酸塩;
61. N-(4-メトキシフェニル)-4-(メチルアミノ)-6-(メチルチオ)-2-ピリジン-3-イルピリミジン-5-カルボキサミドジ-メシル酸塩;
62. N-(4-メトキシフェニル)-4-(メチルアミノ)-6-(メチルチオ)-2-ピリジン-3-イルピリミジン-5-カルボキサミドメシル酸塩;
63. N-(4-メトキシフェニル)-4-(メチルアミノ)-6-(メチルチオ)-2-ピリジン-3-イルピリミジン-5-カルボキサミドシュウ酸塩及び
64. N-(4-メトキシフェニル)-4-(メチルアミノ)-6-(メチルチオ)-2-ピリジン-3-イルピリミジン-5-カルボキサミドベンジル酸塩
を含む群から選ばれる、請求項1に記載される新規化合物。
【請求項3】
以下の式(I):
【化2】

[式中、
Aがフェニルであり、
Bがピリジルであり、
Rが-NHCH3であり、
1及びR3が水素であり、
2がメトキシであり、
5が-SCH3であり、
4が水素であり、そして
m及びnが1である]
で表される化合物、及びその医薬として許容される塩。
【請求項4】
前記医薬として許容される塩が、塩酸塩、リン酸塩、メシル酸塩、ベシル酸塩、トシル酸塩、及びシュウ酸塩を含む群からから選ばれる、請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
医薬として許容される担体、希釈剤、賦形剤又は溶媒和物と供に請求項1〜4のいずれか一項に記載される式(I)の化合物を活性成分として含む、医薬組成物。
【請求項6】
前記医薬組成物が、錠剤、カプセル、粉末、シロップ、溶液、エアロゾル又は懸濁液である、請求項5に記載の医薬組成物。
【請求項7】
前記組成物中の請求項1に記載の化合物の量が、70重量%未満である、請求項5に記載の医薬組成物。
【請求項8】
哺乳動物における疼痛障害、炎症、及び免疫疾患の予防又は治療方法であって、請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物の有効量を、予防又は治療を必要とする哺乳動物に投与することを含む、前記方法。
【請求項9】
哺乳動物における関節リウマチ;骨粗鬆症;多発性骨髄腫;ブドウ膜炎;急性及び慢性骨髄性白血病;虚血性心疾患;粥状動脈硬化;癌;虚血性細胞損傷;膵β細胞破壊;骨関節炎;リウマチ性脊椎炎;痛風性関節炎;炎症性腸疾患;成人呼吸促迫症候群(ARDS);乾癬;クローン病;アレルギー疾患;潰瘍性大腸炎;アナフィラキシー;接触皮膚炎;筋変性;悪液質;喘息;骨吸収病;虚血再灌流傷害;頭部外傷;多発性硬化症;敗血症;敗血症性ショック;毒素性ショック症候群;感染症のため生じる発熱及び筋肉痛の予防又は治療方法であって、請求項1〜7のいずれか一項に記載の化合物を、予防又は治療を必要とする哺乳動物に投与することを含む、前記方法。
【請求項10】
TNF-α及びIL(1β、1、6、8、12)のいずれか、又は組合せ、又は全ての血漿濃度を低下する方法であって、請求項1〜7のいずれか一項に記載される化合物の有効量を、当該低下を必要とする哺乳動物に投与することを含む、前記方法。
【請求項11】
TNF-α及びIL(1β、1、6、8、12)などのサイトカインにより媒介される免疫学的疾患を治療する方法であって、請求項1〜7のいずれか一項に記載される化合物の有効量を、治療を必要とする哺乳動物に投与することを含む、前記方法。
【請求項12】
哺乳動物においてシクロオキシゲナーゼ活性(COX-2)を低下させる方法であって、請求項1〜7のいずれか一項に記載される化合物の有効量を、低下を必要とする哺乳動物に投与することを含む、前記方法。

【公表番号】特表2009−508838(P2009−508838A)
【公表日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−530636(P2008−530636)
【出願日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際出願番号】PCT/IB2006/002461
【国際公開番号】WO2007/031829
【国際公開日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【出願人】(507338297)オーキッド リサーチ ラボラトリーズ リミティド (4)
【Fターム(参考)】