説明

新規アミドプロピオン酸誘導体を含有する医薬組成物

【課題】S1P受容体アゴニスト活性を有し、免疫抑制剤として有用であり、かつ副作用が少なく経口投与が可能な医薬組成物を提供すること。
【解決手段】一般式(I)
【化1】


[式中、Vは−NH−CO−または−CO−NH−を表し、
Aは−COOR(ここで、Rは水素原子、またはアルキル基を表す)等を表し;R、R、RおよびRは、それぞれ独立して水素原子、水酸基、アミノ基、またはアルキル基を表し;RおよびRは、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、またはアルコキシ基を表し;Qは−CHO−、−CH−CH−、−CH=CH−、−CH−O−N=CR−、−CONR−、−NR10CO−、−CHNR11CO−または−CHCHNR12CO−を表し;YおよびZは、それぞれベンゼン、または芳香族複素環から形成される基を表す。]
で表される化合物、その塩、またはそれらの溶媒和物を含有する医薬組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規アミドプロピオン酸誘導体、特にスフィンゴシン-1-リン酸受容体アゴニスト活性を有し、免疫抑制剤として用いることができる化合物を有効成分として含有する医薬組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
スフィンゴシン-1-リン酸(以下、S1Pという)は、真核細胞で刺激に応じて細胞膜のスフィンゴミエリンから合成される。S1Pは血小板の凝集に伴い血液中に放出される。S1Pの受容体は、G蛋白関連型受容体であるEndothelial Differentiation Gene(EDG)ファミリーに属し、S1P1、S1P2、S1P3、S1P4およびS1P5の5種類のサブタイプからなり、それぞれEDG-1、EDG-5、EDG-3、EDG-6およびEDG-8とも呼ばれている。S1Pは、種々の細胞においてカルシウム流入、走化性、アポトーシス誘導などの生理活性作用を有することが知られている。
【0003】
スフィンゴシン類似構造を持つFTY720(2−アミノ−2−〔2−(4−オクチルフェニル)エチル〕−1,3−プロパンジオール塩酸塩)は、以前より免疫抑制作用を有することが知られていた(特許文献1)。FTY720はin vitroではIL-2などのサイトカインの産生を抑制する作用を持たず、既存の免疫抑制剤であるFK506やサイクロスポリンとは異なる作用機作であると考えられていたが、最近になって、FTY720は生体内でリン酸化され、S1P受容体アゴニストとして作用し、免疫抑制作用を示すことが明らかとなった(非特許文献1)。FTY720は、移植および多発性硬化症を対象として臨床試験が行なわれているが、副作用として徐脈が起きることが報告されている。(非特許文献2)。そこでかかる問題点を克服し、かつ高い効果を示す新しい免疫抑制剤の開発が望まれている。
【0004】
一方、S1P1(EDG-1)受容体アゴニスト作用を有するアミノアルキルホスホネート誘導体化合物やS1P4(EDG-6)受容体結合能を有するカルボン酸誘導体化合物が、免疫抑制作用を発現することが開示されているが(特許文献2、3)、優れた効果を発揮し、副作用が少なく、かつ経口投与可能な新規な低分子S1P受容体アゴニスト化合物が望まれている。
【特許文献1】国際公開第94/008943号パンフレット
【特許文献2】国際公開第03/062248号パンフレット
【特許文献3】国際公開第2005/020882号パンフレット
【非特許文献1】Science, 296, 346-349(2002)
【非特許文献2】Journal of the American Society of Nephrology, 13(4), 1073-1083(2002)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、S1P受容体アゴニスト活性を有し、免疫抑制剤としての優れた効果を発揮し、かつ副作用が少なく経口投与が可能な新規な化合物を有効成分として含有する医薬組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは上記の課題を解決するため、鋭意研究を行なった結果、従来の化合物とは異なるアミドプロピオン酸構造を有する新規な化合物が、S1P受容体アゴニスト活性を有し、マウスin vivoモデルにおいて経口投与でマウス末梢血中リンパ球数を減少させ、徐脈などの副作用の少ない免疫抑制剤の有効成分として用いることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち本発明は、
(1)以下の一般式(I)
【0008】
【化1】

【0009】
[式中、
Vは−NH−CO−または−CO−NH−(ここで、各基の左側の結合手が一般式(I)中のフェニレン基と結合していることを表す)を表し、
Aは−COOR(ここで、Rは水素原子、または置換基を有していてもよいC1〜C5の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基を表す)、またはテトラゾール−5−イル基を表し、
、R、RおよびRは、それぞれ独立して水素原子、水酸基、アミノ基、またはC1〜C5の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基を表し、
およびRは、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいC1〜C5の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基、または置換基を有していてもよいC1〜C5の直鎖もしくは分岐鎖のアルコキシ基を表し、
Qは−CHO−、−CH−CH−、−CH=CH−、−CH−O−N=CR−、−CONR−、−NR10CO−、−CHNR11CO−または−CHCHNR12CO−(ここで、各基の左側の結合手が一般式(I)中のYと結合していることを表し、R、R、R10、R11およびR12は、それぞれ独立して水素原子、またはC1〜C5の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基を表す)を表し、
Yは、ベンゼン、および5〜6員環の芳香族複素環からなる群より選ばれる1つから形成される2価の基(これらの基は置換基を1つ有していてもよい)を表し、
Zは置換基を有していてもよいフェニル基、または置換基を有していてもよい5〜6員環の芳香族複素環基を表す。]
で表される化合物、その塩、またはそれらの溶媒和物を含有する医薬組成物、
(2)一般式(I)におけるZが置換基を有していてもよいフェニル基である前記(1)に記載の医薬組成物、
(3)一般式(I)におけるYが、フラン、チオフェン、オキサゾール、チアゾール、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾール、ベンゼン、ピリジン、ピリダジンおよびピリミジンからなる群より選ばれる1つから形成される2価の基(これらの基は置換基を1つ有していてもよい)である前記(1)または(2)に記載の医薬組成物、
(4)一般式(I)におけるYが、チオフェン、チアゾールおよびピラゾールからなる群より選ばれる1つから形成される2価の基(これらの基は置換基を1つ有していてもよい)である前記(1)〜(3)のいずれか1つに記載の医薬組成物、
(5)一般式(I)におけるYがチオフェンから形成される2価の基(この基は置換基を1つ有していてもよい)である、前記(1)〜(4)のいずれか1つに記載の医薬組成物、
(6)一般式(I)におけるYが、フェニル基、C1〜C5の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基、およびハロゲン原子で置換されたC1〜C5の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基からなる群より選ばれる1つの基で置換された基である、前記(1)〜(5)のいずれか1つに記載の医薬組成物、
(7)一般式(I)におけるYが、1つのフェニル基で置換された基である、前記(1)〜(6)のいずれか1つに記載の医薬組成物、
(8)一般式(I)におけるYが、ハロゲン原子で置換された、1つのC1〜C5の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基で置換された基である、前記(1)〜(6)のいずれか1つに記載の医薬組成物、
(9)一般式(I)におけるVが−NH−CO−である前記(1)〜(8)のいずれか1つに記載の医薬組成物、
(10)一般式(I)におけるR、R、RおよびRのいずれか1つまたは2つがそれぞれ独立して水酸基、アミノ基、またはC1〜C5の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基であり、R、R、RおよびRの残りの基が水素原子である、前記(1)〜(9)のいずれか1つに記載の医薬組成物、
(11)一般式(I)におけるRが水酸基、アミノ基、またはC1〜C5の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基であり、R、RおよびRが水素原子である前記(1)〜(10)のいずれか1つに記載の医薬組成物、
(12)一般式(I)におけるR、RおよびRが水素原子であり、Rが水酸基、アミノ基、またはC1〜C5の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基である、前記(1)〜(10)のいずれか1つに記載の医薬組成物、
(13)一般式(I)におけるRおよびRが水酸基であり、RおよびRが水素原子である前記(1)〜(10)のいずれか1つに記載の医薬組成物、
(14)一般式(I)におけるR、R、RおよびRがいずれも水素原子である、前記(1)〜(9)のいずれか1つに記載の医薬組成物、
(15) 一般式(I)におけるRおよびRがともに水素原子である前記(1)〜(14)のいずれか1つに記載の医薬組成物、
(16)一般式(I)におけるQが−CHO−、−CH−CH−、−CH=CH−または−CH−O−N=CR−である前記(1)〜(15)のいずれか1つに記載の医薬組成物、
(17)一般式(I)におけるQが−CHO−である前記(1)〜(16)のいずれか1つに記載の医薬組成物、
(18)一般式(I)におけるQが−CH=CH−である前記(1)〜(16)のいずれか1つに記載の医薬組成物、
(19)一般式(I)における−CH=CH−がトランス配置である前記(18)に記載の医薬組成物、
(20)一般式(I)におけるAが−COORである前記(1)〜(19)のいずれか1つに記載の医薬組成物、
(21)一般式(I)におけるAが−COORであり、Rが水素原子である、前記(1)〜(20)のいずれか1つに記載の医薬組成物、
(22)(S)−3−ヒドロキシ−4−オキソ−4−{4−[(4−フェニル−5−トリフルオロメチル−2−チエニル)メトキシ]フェニルアミノ}酪酸、(R)−3−メチル−4−オキソ−4−{4−[(4−フェニル−5−トリフルオロメチル−2−チエニル)メトキシ]フェニルアミノ}酪酸、(R)−3−ヒドロキシ−4−オキソ−4−{4−[(4−フェニル−5−トリフルオロメチル−2−チエニル)メトキシ]フェニルアミノ}酪酸、4−オキソ−4−{4−[(4−フェニル−5−トリフルオロメチル−2−チエニル)メトキシ]フェニルアミノ}酪酸、(R)−2−ヒドロキシ−4−オキソ−4−{4−[(4−フェニル−5−トリフルオロメチル−2−チエニル)メトキシ]フェニルアミノ}酪酸、(S)−2−ヒドロキシ−4−オキソ−4−{4−[(4−フェニル−5−トリフルオロメチル−2−チエニル)メトキシ]フェニルアミノ}酪酸、3,3−ジメチル−4−オキソ−4−{4−[(4−フェニル−5−トリフルオロメチル−2−チエニル)メトキシ]フェニルアミノ}酪酸、(S)−3−メチル−4−オキソ−4−{4−[(4−フェニル−5−トリフルオロメチル−2−チエニル)メトキシ]フェニルアミノ}酪酸、(2S,3R)−2,3−ジメチル−4−オキソ−4−{4−[(4−フェニル−5−トリフルオロメチル−2−チエニル)メトキシ]フェニルアミノ}酪酸、(2R,3R)−2,3−ジヒドロキシ−4−オキソ−4−{4−[(4−フェニル−5−トリフルオロメチル−2−チエニル)メトキシ]フェニルアミノ}酪酸、(2S,3S)−2,3−ジヒドロキシ−4−オキソ−4−{4−[(4−フェニル−5−トリフルオロメチル−2−チエニル)メトキシ]フェニルアミノ}酪酸、(R)−3−アミノ−4−オキソ−4−{4−[(4−フェニル−5−トリフルオロメチル−2−チエニル)メトキシ]フェニルアミノ}酪酸、(S)−3−アミノ−4−オキソ−4−{4−[(4−フェニル−5−トリフルオロメチル−2−チエニル)メトキシ]フェニルアミノ}酪酸、(S)−2−アミノ−4−オキソ−4−{4−[(4−フェニル−5−トリフルオロメチル−2−チエニル)メトキシ]フェニルアミノ}酪酸、(R)−2−アミノ−4−オキソ−4−{4−[(4−フェニル−5−トリフルオロメチル−2−チエニル)メトキシ]フェニルアミノ}酪酸、(S)−3−ヒドロキシ−4−オキソ−4−{4−[(4−フェニル−5−トリフルオロメチル−2−チエニル)エチル]フェニルアミノ}酪酸、(S)−3−ヒドロキシ−4−オキソ−4−{4−[(E)−2−(4−フェニル−5−トリフルオロメチル−2−チエニル)エテニル]フェニルアミノ}酪酸、4−オキソ−4−{4−[(5−メチル−4−フェニル−2−チアゾリル)メトキシ]フェニルアミノ}酪酸、4−オキソ−4−{4−[(5−フェニル−4−トリフルオロメチル−2−チアゾリル)メトキシ]フェニルアミノ}酪酸、4−オキソ−4−{[4−(1,5−ジフェニル−1H−ピラゾール−3−イル)メトキシ]フェニルアミノ}酪酸、4−オキソ−4−{[4−(1−tert−ブチル−5−フェニル−1H−ピラゾール−3−イル)メトキシ]フェニルアミノ}酪酸、4−オキソ−4−{[4−(1−フェニル−5−トリフルオロメチル−1H−ピラゾール−3−イル)メトキシ]フェニルアミノ}酪酸、4−オキソ−4−(4−{1−[(E)−4−ビフェニルメトキシイミノ]エチル}フェニルアミノ)酪酸、(R)−3−ヒドロキシ−4−オキソ−4−{4−[(4,5−ジフェニル−2−チエニル)メトキシ]フェニルアミノ}酪酸、(S)−3−ヒドロキシ−4−オキソ−4−{4−[(4,5−ジフェニル−2−チエニル)メトキシ]フェニルアミノ}酪酸、4−オキソ−4−{4−[(4,5−ジフェニル−2−チエニル)メトキシ]フェニルアミノ}酪酸、(R)−2−ヒドロキシ−4−オキソ−4−{4−[(4,5−ジフェニル−2−チエニル)メトキシ]フェニルアミノ}酪酸、(S)−2−ヒドロキシ−4−オキソ−4−{4−[(4,5−ジフェニル−2−チエニル)メトキシ]フェニルアミノ}酪酸、3−{4−[(4−フェニル−5−トリフルオロメチルチオフェン−2−イル)メトキシ]ベンゾイルアミノ}プロピオン酸、2−ヒドロキシ−3−{4−[(4−フェニル−5−トリフルオロメチルチオフェン−2−イル)メトキシ]ベンゾイルアミノ}プロピオン酸、および、3−メチル−3−{4−[(4−フェニル−5−トリフルオロメチルチオフェン−2−イル)メトキシ]ベンゾイルアミノ}プロピオン酸から選ばれるいずれか1つの化合物、その塩、またはそれらの溶媒和物を有効成分として含有する医薬組成物、
(23)免疫を抑制するために用いられる、前記(1)〜(22)のいずれか1つに記載の医薬組成物、
(24)移植に対する拒絶反応を抑制するために用いられる、前記(1)〜(22)のいずれか1つに記載の医薬組成物、
(25)自己免疫性疾患を治療および/または予防するために用いられる、前記(1)〜(22)のいずれか1つに記載の医薬組成物、
(26)アレルギー性疾患を治療および/または予防するために用いられる、前記(1)〜(22)のいずれか1つに記載の医薬組成物
を提供するものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明の医薬組成物に含有される新規アミドプロピオン酸誘導体、その塩、およびそれらの溶媒和物は、S1P受容体アゴニスト活性を有し、また、マウスin vivoモデルにおいて経口投与でマウス末梢血中リンパ球数を減少させるため、免疫抑制剤などの医薬の有効成分として有用であり、例えば、哺乳動物、特にヒトにおける移植に対する拒絶反応、自己免疫性疾患、アレルギー性疾患の治療剤および/または予防剤の有効成分として有用である。また、経口投与でマウス末梢血中リンパ球数を減少させたことから、これらの医薬組成物は、経口投与が可能と考えられる。さらに、これらの医薬組成物は、他のS1P受容体アゴニストで見られる徐脈などの副作用の少ないものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下に、本明細書中に記載の置換基について説明する。
「C1〜C5の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基」とは、炭素数1から5の直鎖状または分岐鎖状の飽和炭化水素基を示し、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、1−エチルプロピル基および2,2−ジメチルプロピル基などが挙げられる。
【0012】
「C1〜C5の直鎖もしくは分岐鎖のアルコキシ基」とは炭素数1から5の直鎖状または分岐鎖状のアルキルオキシ基を示し、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブチルオキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、1−エチルプロポキシ基および2,2−ジメチルプロポキシ基などが挙げられる。
【0013】
「5〜6員環の芳香族複素環」とは、酸素原子、窒素原子および硫黄原子から選択される1〜3個のヘテロ原子を含む5員もしくは6員の単環の芳香族複素環を示し、例えばフラン、チオフェン、ピロール、オキサゾール、チアゾール、イミダゾール、イソオキサゾール、イソチアゾール、ピラゾール、トリアゾール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジンおよびピラジンなどが挙げられる。
【0014】
「5〜6員環の芳香族複素環基」とは、酸素原子、窒素原子および硫黄原子から選択される1〜3個のヘテロ原子を含む5員もしくは6員の単環の芳香族複素環基を示し、例えばフリル基、チエニル基、ピロリル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、イミダゾリル基、イソオキサゾリル基、イソチアゾリル基、ピラゾリル基、トリアゾリル基、ピリジル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基およびピラジニル基などが挙げられる。
【0015】
「ハロゲン原子」とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子を示す。
【0016】
、R、RおよびZにおける「置換基を有していてもよい」の置換基とは、特に限定されないが、例えばハロゲン原子、水酸基およびアミノ基などが挙げられ、置換基の数は一つであっても複数であってもよく、複数の置換基を有する場合のそれぞれの置換基は同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0017】
Yにおける「これらの基は置換基を1つ有していてもよい」の置換基とは、特に限定されないが、フェニル基、C1〜C5の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基、およびハロゲン原子で置換されたC1〜C5の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基を示す。ここで「C1〜C5の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基」とは、炭素数1から5の直鎖状または分岐鎖状の飽和炭化水素基を示し、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、1−エチルプロピル基および2,2−ジメチルプロピル基などが挙げられる。また、「ハロゲン原子で置換されたC1〜C5の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基」におけるハロゲン原子の数は1つであっても複数であってもよく、複数のハロゲン原子で置換されている場合のハロゲン原子の種類は同じであってもよいし、異なっていてもよい。「ハロゲン原子で置換されたC1〜C5の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基」としては、例えばクロロメチル基、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、2−クロロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、1,1,2,2−テトラフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基、1,1,2−トリフルオロ−2−クロロエチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、2,3−ジクロロプロピル基、2−クロロエチル基および3−クロロプロピル基などが挙げられる。
【0018】
以下に、V、A、R〜R、Q、YおよびZの好ましい態様について説明する。
【0019】
一般式(I)におけるVは−NH−CO−または−CO−NH−(ここで、各基の左側の結合手が一般式(I)中のフェニレン基と結合していることを表す)を表し、−NH−CO−が好ましい。
【0020】
一般式(I)におけるAは−COOR(Rは水素原子、または置換基を有していてもよいC1〜C5の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基を表す)、またはテトラゾール−5−イル基を表し、−COORが好ましい。ここでRとしては水素原子、メチル基およびエチル基が好ましく、水素原子が特に好ましい。
【0021】
一般式(I)におけるR、R、RおよびRはそれぞれ独立して水素原子、水酸基、アミノ基、またはC1〜C5の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基を表し、このうち、それぞれ独立して水素原子、水酸基、またはC1〜C5の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基であるのが好ましい。R、R、RおよびRのC1〜C5の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基としては、メチル基が好ましい。
【0022】
ただし、RおよびRの両方が水酸基であるもの、RおよびRの両方がアミノ基であるもの、及びRおよびRの一方が水酸基でもう一方がアミノ基であるものは、安定に存在しない可能性がある。また、RおよびRの両方が水酸基であるもの、RおよびRの両方がアミノ基であるもの、及びRおよびRの一方が水酸基でもう一方がアミノ基であるものは、安定に存在しない可能性がある。また、Vが−CO−NH−(ここで、基の左側の結合手が一般式(I)中のフェニレン基と結合していることを表す)である場合には、RおよびRの少なくとも一方が水酸基であるもの、RおよびRの少なくとも一方がアミノ基であるものは、安定に存在しない可能性がある。
【0023】
、R、RおよびRは、いずれか1つまたは2つがそれぞれ独立して水酸基、アミノ基、またはC1〜C5の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基であり、R、R、RおよびRの残りの基が水素原子である場合;ならびにR、R、RおよびRがいずれも水素原子である場合が好ましい。ここで、C1〜C5の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基としてはメチル基が好ましい。
【0024】
より具体的には、Rが水酸基、アミノ基、またはC1〜C5の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基であり、R、RおよびRが水素原子である場合;R、RおよびRが水素原子であり、Rが水酸基、アミノ基、またはC1〜C5の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基である場合;RおよびRが水酸基であり、RおよびRが水素原子である場合;R、R、RおよびRが水素原子である場合;ならびにRおよびRがメチル基であり、RおよびRが水素原子である場合がより好ましい。
【0025】
このうち、Rが水酸基またはアミノ基であり、R、RおよびRが水素原子である場合;R、RおよびRが水素原子であり、Rが水酸基またはアミノ基である場合;R、RおよびRが水素原子であり、Rがメチル基である場合;ならびにRおよびRが水酸基であり、RおよびRが水素原子である場合が特に好ましい。
【0026】
一般式(I)におけるRおよびRはそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいC1〜C5の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基、または置換基を有していてもよいC1〜C5の直鎖もしくは分岐鎖のアルコキシ基を表す。ここで、RおよびRはともに水素原子であることが好ましい。
【0027】
一般式(I)におけるQは−CHO−、−CH−CH−、−CH=CH−、−CH−O−N=CR−、−CONR−、−NR10CO−、−CHNR11CO−または−CHCHNR12CO−(ここで、各基の左側の結合手が一般式(I)中のYと結合していることを表し、R、R、R10、R11およびR12は、それぞれ独立して水素原子、またはC1〜C5の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基を表す)を表す。Rとしてはメチル基が好ましく、R、R10、R11およびR12としては水素原子が好ましい。Qとしては−CHO−、−CH−CH−、−CH=CH−および−CH−O−N=CR−が好ましく、−CHO−および−CH=CH−がさらに好ましく、−CH=CH−である場合はトランス配置であることが好ましい。
【0028】
一般式(I)におけるYは、ベンゼン、および5〜6員環の芳香族複素環からなる群より選ばれる1つから形成される2価の基(これらの基は置換基を1つ有していてもよい)を表し、ここで、5〜6員環の芳香族複素環としては、フラン、チオフェン、ピロール、オキサゾール、チアゾール、イミダゾール、イソオキサゾール、イソチアゾール、ピラゾール、トリアゾール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジンおよびピラジンが挙げられる。Yとしては、フラン、チオフェン、オキサゾール、チアゾール、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾール、ベンゼン、ピリジン、ピリダジンおよびピリミジンからなる群より選ばれる1つから形成される2価の基(これらの基は置換基を1つ有していてもよい)が好ましく、チオフェン、チアゾールおよびピラゾールからなる群より選ばれる1つから形成される2価の基(これらの基は置換基を1つ有していてもよい。)がより好ましく、チオフェンから形成される2価の基(この基は置換基を1つ有していてもよい)がさらに好ましい。Yは置換基を1つ有していることが好ましく、その置換基としては、フェニル基、C1〜C5の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基、およびハロゲン原子で置換されたC1〜C5の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基が好ましく、フェニル基、およびハロゲン原子で置換されたC1〜C5の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基がさらに好ましい。Yに置換する基としては、具体的には、フェニル基、メチル基、tert−ブチル基およびトリフルオロメチル基が好ましい。
【0029】
Yがフランから形成される2価の基である場合、Qはフランの2位に結合し、Zはフランの4位または5位のいずれかに結合していることが好ましく、ここでそのフランが置換基を1つ有している場合には、当該置換基はフランの4位および5位のうちZが結合していない残りの一方に結合していることが好ましい。
【0030】
Yがチオフェンから形成される2価の基である場合、Qはチオフェンの2位に結合し、Zはチオフェンの4位または5位のいずれかに結合していることが好ましく、ここでそのチオフェンが置換基を1つ有している場合には、当該置換基はチオフェンの4位および5位のうちZが結合していない残りの一方に結合していることが好ましい。
【0031】
Yがオキサゾールから形成される2価の基である場合、Qはオキサゾールの2位に結合し、Zはオキサゾールの4位および5位のいずれかに結合していることが好ましく、ここでそのオキサゾールが置換基を1つ有している場合には、当該置換基はオキサゾールの4位および5位のうちZが結合していない残りの一方に結合していることが好ましい。
【0032】
Yがチアゾールから形成される2価の基である場合、Qはチアゾールの2位に結合し、Zはチアゾールの4位または5位のいずれかに結合していることが好ましく、ここでそのチアゾールが置換基を1つ有している場合には、当該置換基はチアゾールの4位および5位のうちZが結合していない残りの一方に結合していることが好ましい。
【0033】
Yがイミダゾールから形成される2価の基である場合、Qはイミダゾールの4位に結合し、Zはイミダゾールの1位および2位のいずれかに結合していることが好ましく、ここでそのイミダゾールが置換基を1つ有している場合には、当該置換基はイミダゾールの1位および2位のうちZが結合していない残りの一方に結合していることが好ましい。
【0034】
Yがピラゾールから形成される2価の基である場合、Qはピラゾールの3位に結合し、Zはピラゾールの1位または5位のいずれかに結合していることが好ましく、ここでそのピラゾールが置換基を1つ有している場合には、当該置換基はピラゾールの1位および5位のうちZが結合していない残りの一方に結合していることが好ましい。
【0035】
Yがトリアゾールから形成される2価の基である場合、トリアゾールとしては1,2,4−トリアゾールが好ましく、Qはトリアゾールの3位に結合し、Zはトリアゾールの1位および5位のいずれかに結合していることが好ましく、ここでそのトリアゾールが置換基を1つ有している場合には、当該置換基はトリアゾールの1位および5位のうちZが結合していない残りの一方に結合していることが好ましい。
【0036】
Yがベンゼンから形成される2価の基である場合、Qはベンゼンの1位に結合し、Zはベンゼンの3位、4位および5位のいずれかに結合していることが好ましく、ここでそのベンゼンが置換基を1つ有している場合には、当該置換基はベンゼンの3位、4位および5位のうちZが結合していない残りのいずれかに結合していることが好ましい。
【0037】
Yがピリジンから形成される2価の基である場合、Qはピリジンの2位または3位に結合し、Zはピリジンの5位および6位のいずれかに結合していることが好ましく、ここでそのピリジンが置換基を1つ有している場合には、当該置換基はピリジンの5位および6位のうちZが結合していない残りの一方に結合していることが好ましい。
【0038】
Yがピリダジンから形成される2価の基である場合、Qはピリダジンの3位に結合し、Zはピリダジンの5位および6位のいずれかに結合していることが好ましく、ここでそのピリダジンが置換基を1つ有している場合には、当該置換基はピリダジンの5位および6位のうちZが結合していない残りの一方に結合していることが好ましい。
【0039】
Yがピリミジンから形成される2価の基である場合、Qはピリミジンの2位に結合し、Zはピリミジンの4位および5位のいずれかに結合していることが好ましく、ここでそのピリミジンが置換基を1つ有している場合には、当該置換基はピリミジンの4位および5位のうちZが結合していない残りの一方に結合していることが好ましい。
【0040】
Zは置換基を有していてもよいフェニル基、または置換基を有していてもよい5〜6員環の芳香族複素環基を表し、置換基を有していてもよいフェニル基が好ましく、置換基を有していないフェニル基がより好ましい。
【0041】
一般式(I)で表される化合物の具体例としては、(S)−3−ヒドロキシ−4−オキソ−4−{4−[(4−フェニル−5−トリフルオロメチル−2−チエニル)メトキシ]フェニルアミノ}酪酸、(R)−3−メチル−4−オキソ−4−{4−[(4−フェニル−5−トリフルオロメチル−2−チエニル)メトキシ]フェニルアミノ}酪酸、(R)−3−ヒドロキシ−4−オキソ−4−{4−[(4−フェニル−5−トリフルオロメチル−2−チエニル)メトキシ]フェニルアミノ}酪酸、4−オキソ−4−{4−[(4−フェニル−5−トリフルオロメチル−2−チエニル)メトキシ]フェニルアミノ}酪酸、(R)−2−ヒドロキシ−4−オキソ−4−{4−[(4−フェニル−5−トリフルオロメチル−2−チエニル)メトキシ]フェニルアミノ}酪酸、(S)−2−ヒドロキシ−4−オキソ−4−{4−[(4−フェニル−5−トリフルオロメチル−2−チエニル)メトキシ]フェニルアミノ}酪酸、3,3−ジメチル−4−オキソ−4−{4−[(4−フェニル−5−トリフルオロメチル−2−チエニル)メトキシ]フェニルアミノ}酪酸、(S)−3−メチル−4−オキソ−4−{4−[(4−フェニル−5−トリフルオロメチル−2−チエニル)メトキシ]フェニルアミノ}酪酸、(2S,3R)−2,3−ジメチル−4−オキソ−4−{4−[(4−フェニル−5−トリフルオロメチル−2−チエニル)メトキシ]フェニルアミノ}酪酸、(2R,3R)−2,3−ジヒドロキシ−4−オキソ−4−{4−[(4−フェニル−5−トリフルオロメチル−2−チエニル)メトキシ]フェニルアミノ}酪酸、(2S,3S)−2,3−ジヒドロキシ−4−オキソ−4−{4−[(4−フェニル−5−トリフルオロメチル−2−チエニル)メトキシ]フェニルアミノ}酪酸、(R)−3−アミノ−4−オキソ−4−{4−[(4−フェニル−5−トリフルオロメチル−2−チエニル)メトキシ]フェニルアミノ}酪酸、(S)−3−アミノ−4−オキソ−4−{4−[(4−フェニル−5−トリフルオロメチル−2−チエニル)メトキシ]フェニルアミノ}酪酸、(S)−2−アミノ−4−オキソ−4−{4−[(4−フェニル−5−トリフルオロメチル−2−チエニル)メトキシ]フェニルアミノ}酪酸、(R)−2−アミノ−4−オキソ−4−{4−[(4−フェニル−5−トリフルオロメチル−2−チエニル)メトキシ]フェニルアミノ}酪酸、(S)−3−ヒドロキシ−4−オキソ−4−{4−[(4−フェニル−5−トリフルオロメチル−2−チエニル)エチル]フェニルアミノ}酪酸、(S)−3−ヒドロキシ−4−オキソ−4−{4−[(E)−2−(4−フェニル−5−トリフルオロメチル−2−チエニル)エテニル]フェニルアミノ}酪酸、4−オキソ−4−{4−[(5−メチル−4−フェニル−2−チアゾリル)メトキシ]フェニルアミノ}酪酸、4−オキソ−4−{4−[(5−フェニル−4−トリフルオロメチル−2−チアゾリル)メトキシ]フェニルアミノ}酪酸、4−オキソ−4−{[4−(1,5−ジフェニル−1H−ピラゾール−3−イル)メトキシ]フェニルアミノ}酪酸、4−オキソ−4−{[4−(1−tert−ブチル−5−フェニル−1H−ピラゾール−3−イル)メトキシ]フェニルアミノ}酪酸、4−オキソ−4−{[4−(1−フェニル−5−トリフルオロメチル−1H−ピラゾール−3−イル)メトキシ]フェニルアミノ}酪酸、4−オキソ−4−(4−{1−[(E)−4−ビフェニルメトキシイミノ]エチル}フェニルアミノ)酪酸、(R)−3−ヒドロキシ−4−オキソ−4−{4−[(4,5−ジフェニル−2−チエニル)メトキシ]フェニルアミノ}酪酸、(S)−3−ヒドロキシ−4−オキソ−4−{4−[(4,5−ジフェニル−2−チエニル)メトキシ]フェニルアミノ}酪酸、4−オキソ−4−{4−[(4,5−ジフェニル−2−チエニル)メトキシ]フェニルアミノ}酪酸、(R)−2−ヒドロキシ−4−オキソ−4−{4−[(4,5−ジフェニル−2−チエニル)メトキシ]フェニルアミノ}酪酸、(S)−2−ヒドロキシ−4−オキソ−4−{4−[(4,5−ジフェニル−2−チエニル)メトキシ]フェニルアミノ}酪酸、3−{4−[(4−フェニル−5−トリフルオロメチルチオフェン−2−イル)メトキシ]ベンゾイルアミノ}プロピオン酸、2−ヒドロキシ−3−{4−[(4−フェニル−5−トリフルオロメチルチオフェン−2−イル)メトキシ]ベンゾイルアミノ}プロピオン酸、および、3−メチル−3−{4−[(4−フェニル−5−トリフルオロメチルチオフェン−2−イル)メトキシ]ベンゾイルアミノ}プロピオン酸が挙げられ、4−オキソ−4−{4−[(4−フェニル−5−トリフルオロメチル−2−チエニル)メトキシ]フェニルアミノ}酪酸、(R)−2−ヒドロキシ−4−オキソ−4−{4−[(4−フェニル−5−トリフルオロメチル−2−チエニル)メトキシ]フェニルアミノ}酪酸、(S)−2−ヒドロキシ−4−オキソ−4−{4−[(4−フェニル−5−トリフルオロメチル−2−チエニル)メトキシ]フェニルアミノ}酪酸、(S)−3−メチル−4−オキソ−4−{4−[(4−フェニル−5−トリフルオロメチル−2−チエニル)メトキシ]フェニルアミノ}酪酸、(2R,3R)−2,3−ジヒドロキシ−4−オキソ−4−{4−[(4−フェニル−5−トリフルオロメチル−2−チエニル)メトキシ]フェニルアミノ}酪酸、(S)−2−アミノ−4−オキソ−4−{4−[(4−フェニル−5−トリフルオロメチル−2−チエニル)メトキシ]フェニルアミノ}酪酸、(S)−3−ヒドロキシ−4−オキソ−4−{4−[(E)−2−(4−フェニル−5−トリフルオロメチル−2−チエニル)エテニル]フェニルアミノ}酪酸、および、3−{4−[(4−フェニル−5−トリフルオロメチルチオフェン−2−イル)メトキシ]ベンゾイルアミノ}プロピオン酸が好ましく、(S)−2−ヒドロキシ−4−オキソ−4−{4−[(4−フェニル−5−トリフルオロメチル−2−チエニル)メトキシ]フェニルアミノ}酪酸、(S)−3−メチル−4−オキソ−4−{4−[(4−フェニル−5−トリフルオロメチル−2−チエニル)メトキシ]フェニルアミノ}酪酸、および、(S)−3−ヒドロキシ−4−オキソ−4−{4−[(E)−2−(4−フェニル−5−トリフルオロメチル−2−チエニル)エテニル]フェニルアミノ}酪酸が特に好ましい。
【0042】
一般式(I)で表される化合物が分子中に1個又はそれ以上の不斉中心を有するとき、特に明示していない場合は鏡像体、ラセミ体、ジアステレオマーおよびそれらの混合物をも包含する。また一般式(I)で表される化合物が幾何異性体を含むとき、特に明示していない場合はシス配置化合物、トランス配置化合物およびそれらの混合物、さらに一般式(I)で表される化合物が互変異性体を含むとき、特に明記していない場合はいずれの互変異性体およびそれらの混合物を包含する。
【0043】
本発明は、これら一般式(I)で表される化合物、その塩、及びそれらの溶媒和物を有効成分として含有する医薬組成物を包含する。
【0044】
一般式(I)で表される化合物の塩としては例えばカリウム、ナトリウム、リチウムなどのアルカリ金属の塩、カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ土類金属の塩、テトラメチルアンモニウム塩、テトラブチルアンモニウム塩などのアンモニウム塩、トリエチルアミン、メチルアミン、ジメチルアミン、N−メチルグルカミン、トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミンなどの有機アミンの塩、塩酸塩、リン酸塩、硝酸塩などの無機酸塩、酢酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、シュウ酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、クエン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩などの有機酸塩などが挙げられる。
【0045】
一般式(I)で表される化合物の溶媒和物としては、例えば水和物、メタノール和物、エタノール和物などが挙げられる。
【0046】
一般式(I)で表される化合物、その塩、またはそれらの溶媒和物は、プロドラッグとして存在することもできる。プロドラッグとしては、例えば一般式(I)で表される化合物のカルボキシル基がエステル化またはアミド化された化合物などが挙げられる。
【0047】
以下に、一般式(I)で表される化合物の製造方法について述べる。
【0048】
一般式(I)で表される化合物の製造方法としては、大別して下記のA法とB法の2つの方法を挙げることができる。
【0049】
【化2】

【0050】
(式中、R〜R、A、V、Q、YおよびZは前記と同じものを表し、XとXは、互いに反応してVを与える基を表し、XとXは、互いに反応してQを与える基を表す。)
まず、上記のA法について詳細に述べる。
[製法A−1−1]
一般式(I)で示される化合物のうち、Vが−NH−CO−である化合物は、下記の方法で製造可能である。
【0051】
【化3】

【0052】
(式中、R〜R、A、Q、YおよびZは前記と同じものを表し、Vは−NH−CO−を表し、Wは水酸基または脱離基を表す。)
一般式(I)で表される化合物は、化合物(1a)と化合物(2a)との反応でアミド結合(−NH−CO−)を形成することにより製造することができる。この製造においては、ペプチドの製造に用いられる一般的な方法を準用すればよい。
【0053】
ペプチドの製造に用いられる一般的な方法としては、例えば、アジド法、酸クロリド法、酸無水物法、DCC(ジシクロヘキシルカルボジイミド)法、活性エステル法、N,N’−カルボニルジイミダゾール法、DCC/HOBT(1−ヒドロキシベンゾトリアゾール)法、水溶性カルボジイミドを使用する方法、ジエチルシアノホスフェートを使用する方法を挙げることができ、それらの方法は、M. Bodanszky, Y. S. Klausner及びA. Ondetti著“Peptide Synthesis”(A Wiley-interscience publication, New York, 1976年)、G. R. Pettit著“Synthetic Peptides”(Elsevier Scientific Publication Company, New York, 1976年)、日本化学会編“第4版実験化学講座22巻,有機合成IV”(丸善株式会社、1991年)等に記載されている。
【0054】
具体的には、化合物(2a)のWが水酸基である場合には、ペプチドを製造する際に使用される一般的な縮合剤を使用して化合物(1a)と化合物(2a)を縮合すればよく、あるいは水酸基であるWをアジド、塩素原子等の脱離基に変換した後、塩基存在下に化合物(1a)と反応させればよい。一般的な縮合剤としては、例えば、DCC(ジシクロヘキシルカルボジイミド)、水溶性カルボジイミド、DCC/HOBT(1−ヒドロキシベンゾトリアゾール)、N,N’−カルボニルジイミダゾールが挙げられる。溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、アセトニトリル、トルエン、ジクロロメタン、N,N−ジメチルホルムアミドを用いればよい。反応温度は、例えば、−20〜100℃とすればよい。
【0055】
また、化合物(2a)のWが脱離基である場合には、化合物(2a)と化合物(1a)を非プロトン系の溶媒中で塩基存在下に反応させることにより、一般式(I)で表される化合物を製造することができる。ここで、脱離基の例としては、塩素原子、アジド基、p−ニトロフェニルオキシ基等を挙げることができる。非プロトン系の溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、アセトニトリル、トルエン、ジクロロメタン、N,N−ジメチルホルムアミドが挙げられる。反応温度は、例えば、−20〜100℃とすればよい。
【0056】
これらの反応において用いる塩基としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムや炭酸セシウム等のアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の炭酸塩のような無機塩基;ピリジン、2,6−ルチジン、コリジン、4−ジメチルアミノピリジン、トリエチルアミン、N−メチルモルホリン、ジイソプロピルエチルアミン、ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン(DBU)のような有機塩基を挙げることができる。
【0057】
これらの反応においては、化合物(I)中に水酸基やアミノ基、カルボキシル基、トリアゾリル基等の官能基がある場合には必要に応じてそれらの官能基を適当な保護基で保護し、アミド結合を形成した後に保護基を除去する。ここで保護基としては、tert−ブチル基、メチル基、エチル基、ベンジル基、p−メトキシベンジル基、トリメチルシリル基、アセチル基、トリフルオロアセチル基、ベンゾイル基、低級アルコキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基を挙げることができる。保護基としては、上記した以外にも容易にかつ選択的に除去できる基であれば特に限定されない。
[製法A−1−2]
また、一般式(I)で表される化合物のうち、Vが−NH−CO−である化合物は、下記の方法でも製造することができる。
【0058】
【化4】

【0059】
(式中の記号は前記と同じものを表す。)
一般式(I)で表される化合物は、化合物(1a)と化合物(2b)との反応でアミド結合(−NH−CO−)を形成することにより製造することができる。具体的には、化合物(1a)と化合物(2b)を非プロトン系の溶媒中、必要に応じて塩基を加えて反応することにより一般式(I)で表される化合物を製造することができる。この反応に用いる非プロトン系の溶媒としては、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、アセトニトリル、トルエン、ジクロロメタン、N,N−ジメチルホルムアミド等を挙げることができる。塩基としては、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、ピリジン、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム等を挙げることができる。反応温度は、例えば、0〜100℃とすればよい。
【0060】
この反応においても、必要に応じて、水酸基、アミノ基等の官能基を適当な保護基で保護し、アミド結合を形成した後に保護基を除去する。ここで保護基としては、上記製法A−1−1に挙げたものが使用可能である。
【0061】
なお、化合物(2b)は公知の方法、例えばJ. Org. Chem., 1985, 50(26), 5480、J. Org. Chem., 1990, 55(15), 4763、Eur J Med Chem., 2002, 37(6), 469、Can J Chem, 1986, 64(1), 104に記載された方法、またはそれに準じた方法で合成することができる。
[製法A−2]
一般式(I)で表される化合物のうち、Vが−CO−NH−である化合物は、下記の方法で製造可能である。
【0062】
【化5】

【0063】
(式中、R〜R、A、Q、YおよびZは前記と同じものを表し、Vは−CO−NH−を表し、Wは水酸基または脱離基を表す。)
一般式(I)で表される化合物は、化合物(1b)と化合物(2c)との反応でアミド結合(−CO−NH−)を形成することにより製造することができる。
【0064】
化合物(1b)のWが水酸基である場合には、ペプチドを製造する際に使用される一般的な縮合剤を使用した縮合反応を用いればよい。一般的な縮合剤としては、例えば、DCC(ジシクロヘキシルカルボジイミド)、N,N’−カルボニルジイミダゾール、水溶性カルボジイミド等を挙げることができる。溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、アセトニトリル、トルエン、ジクロロメタン、N,N−ジメチルホルムアミドが挙げられる。反応温度は、例えば、−20〜100℃とすればよい。
【0065】
また、化合物(1b)のWが脱離基である場合には、化合物(1b)と化合物(2c)を非プロトン系の溶媒中で塩基存在下に反応させることにより、一般式(I)で表される化合物を製造することができる。ここで、脱離基の例としては、塩素原子、アジド基、p−ニトロフェニルオキシ基等を挙げることができる。非プロトン系溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、アセトニトリル、トルエン、ジクロロメタン、N,N−ジメチルホルムアミドが挙げられる。塩基としては、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、ピリジン、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム等を挙げることができる。反応温度は、例えば、−20〜100℃とすればよい。
【0066】
これらの反応においては、必要に応じて、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、トリアゾリル基等の官能基を適当な保護基で保護し、アミド結合を形成した後に保護基を除去する。保護基としては、tert−ブチル基、メチル基、エチル基、ベンジル基、p−メトキシベンジル基、トリメチルシリル基、アセチル基、トリフルオロアセチル基、ベンゾイル基、低級アルコキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基を挙げることができる。保護基としては、上記した以外にも容易にかつ選択的に除去できる基であれば特に限定されない。
【0067】
次に、上記のB法について詳細に述べる。
[製法B−1]
一般式(I)で表される化合物のうち、Qが−CHO−である化合物は、下記の方法で製造可能である。
【0068】
【化6】

【0069】
(式中、R〜R、A、YおよびZは前記と同じものを表し、Vは−NH−CO−または−CO−NH−を表し、Qは−CHO−を表し、Wは水酸基または脱離基を表す。)
一般式(I)で表される化合物(I)は、化合物(3a)と化合物(4a)との反応によりQに相当する−CHO−結合(以下、エーテル結合という)を形成することにより製造することができる。
【0070】
具体的には、化合物(4a)のWが水酸基の場合には、化合物(4a)と化合物(3a)との光延反応でエーテル結合を形成することにより、一般式(I)で表される化合物を製造することができる。この光延反応は、例えば、有機溶媒(テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、アセトニトリル、トルエン、ジクロロメタン等)中、アゾ化合物(アゾジカルボン酸ジエチル、アゾジカルボン酸ジイソプロピル、1,1’−(アゾジカルボニル)ジピペリジン、1,1’−アゾビス(N,N−ジメチルホルムアミド)等)とホスフィン化合物(トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリメチルホスフィン等)の存在下、0〜80℃で反応させることにより行われる。
【0071】
また、化合物(4a)のWが脱離基の場合には、塩基存在下に化合物(3a)を化合物(4a)でアルキル化してエーテル結合を形成することにより、一般式(I)で表される化合物を製造することができる。脱離基としてのWとしては、ハロゲン原子、メタンスルホニルオキシ基、トルエンスルホニルオキシ基、ベンゼンスルホニルオキシ基等を挙げることができる。塩基としては、アルカリ金属の水酸化物(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等)、アルカリ金属の水素化物(水素化ナトリウム、水素化カリウム等)、あるいは炭酸塩(炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム等)を挙げることができる。反応に用いる溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、テトラヒドロフラン、クロロホルム、ジクロロメタン、ジエチルエーテル、アセトニトリル等を挙げることができる。反応温度は、例えば、0〜150℃とすればよい。
【0072】
これらの反応においては、必要に応じて、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、トリアゾリル基等の官能基を適当な保護基で保護し、エーテル結合を形成した後に保護基を除去する。保護基としては、tert−ブチル基、メチル基、エチル基、ベンジル基、p−メトキシベンジル基、トリメチルシリル基、アセチル基、トリフルオロアセチル基、ベンゾイル基、低級アルコキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基を挙げることができる。保護基としては、上記した以外にも容易にかつ選択的に除去できる基であれば特に限定されない。
[製法B−2]
一般式(I)で表される化合物のうち、Qが−CH=CH−である化合物は、下記の方法で製造可能である。
【0073】
【化7】

【0074】
(式中、R〜R、A、V、YおよびZは前記と同じものを表し、Qは−CH=CH−を表し、R13は低級アルキル基を表す。)
すなわち、塩基存在下に化合物(3b)と化合物(4b)を反応させて−CH=CH−結合を形成することにより、一般式(I)で表される化合物を製造することができる。R13における低級アルキル基としては、C1〜C4の直鎖状の飽和炭化水素基が挙げられ、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基を挙げることができる。塩基としては、水素化ナトリウム、水素化カリウム、ナトリウムメトキシド、カリウムエトキシド、カリウムtert−ブトキシド、ナトリウムtert−ブトキシド、ナトリウムビストリメチルシリルアミド、カリウムビストリメチルシリルアミド、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等を挙げることができる。反応に用いる溶媒としては、テトラヒドロフラン、tert−ブチルメチルエーテル、トルエン、メタノール、エタノール、tert−ブタノール等を挙げることができる。反応温度は、例えば、0〜150℃とすればよい。
【0075】
この反応においては、必要に応じて、水酸基,アミノ基、カルボキシル基、トリアゾリル基等の官能基を適当な保護基で保護し、Qに相当する−CH=CH−結合を形成した後に保護基を除去する。保護基としては、tert−ブチル基、メチル基、エチル基、ベンジル基、p−メトキシベンジル基、トリメチルシリル基、アセチル基、トリフルオロアセチル基、ベンゾイル基、低級アルコキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基を挙げることができる。保護基としては、上記した以外にも容易にかつ選択的に除去できる基であれば特に限定されない。
【0076】
また、上記の製造法で得られたQが−CH=CH−である化合物(I)を接触還元すれば、Qが−CH−CH−である化合物(I)を製造可能である。接触還元の触媒としては、Pd−炭素、白金等を用いればよい。溶媒としては、メタノール、エタノール、N,N−ジメチルホルムアミド、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、酢酸等を挙げることができる。
[製法B−3]
一般式(I)で表される化合物のうち、Qが−CH−O−N=CR−である化合物は、下記の方法で製造可能である。
【0077】
【化8】

【0078】
(式中、R〜R、R、A、V、YおよびZは前記と同じものを表し、Qは−CH−O−N=CR−を表す。)
すなわち、化合物(3c)と化合物(4c)を必要に応じて塩基存在下に反応させて−CH−O−N=CR−結合を形成することにより、一般式(I)で表される化合物を製造することができる。反応に用いる溶媒としては、テトラヒドロフラン、tert−ブチルメチルエーテル、トルエン、メタノール、エタノール、tert−ブタノール、N,N−ジメチルホルムアミド等を挙げることができる。塩基としては、水素化ナトリウム、水素化カリウム、ナトリウムメトキシド、カリウムエトキシド、カリウムtert−ブトキシド、ナトリウムtert−ブトキシド、ナトリウムビストリメチルシリルアミド、カリウムビストリメチルシリルアミド、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム等を挙げることができる。反応温度は、例えば、0〜150℃とすればよい。
【0079】
この反応においては、必要に応じて、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、トリアゾリル基等の官能基を適当な保護基で保護し、Qに相当する−CH−O−N=CR−結合を形成した後に保護基を除去する。保護基としては、tert−ブチル基、メチル基、エチル基、ベンジル基、p−メトキシベンジル基、トリメチルシリル基、アセチル基、トリフルオロアセチル基、ベンゾイル基、低級アルコキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基を挙げることができる。保護基としては、上記した以外にも容易にかつ選択的に除去できる基であれば特に限定されない。
【0080】
また、一般式(I)で表される化合物のうち、Qが−CH−O−N=CR−である化合物は、下記の方法でも製造することができる。
【0081】
【化9】

【0082】
(式中、R〜R、R、A、V、YおよびZは前記と同じものを表し、Qは−CH−O−N=CR−を表し、Wは脱離基を表す。)
すなわち、塩基存在下に化合物(3d)と化合物(4d)とを反応させてQに相当する−CH−O−N=CR−結合を形成することにより、一般式(I)で表される化合物を製造することができる。化合物(4d)中のWとしては、ハロゲン原子、メタンスルホニルオキシ基、トルエンスルホニルオキシ基、ベンゼンスルホニルオキシ基等を挙げることができる。塩基としては、水素化ナトリウム、水素化カリウム、ナトリウムメトキシド、カリウムエトキシド、カリウムtert−ブトキシド、ナトリウムtert−ブトキシド、ナトリウムビストリメチルシリルアミド、カリウムビストリメチルシリルアミド、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム等を挙げることができる。反応に用いる溶媒としては、テトラヒドロフラン、tert−ブチルメチルエーテル、トルエン、メタノール、エタノール、tert−ブタノール、N,N−ジメチルホルムアミド等を挙げることができる。反応温度は、例えば、0〜150℃とすればよい。
【0083】
なお、化合物(3d)は、化合物(3c)にヒドロキシルアミンを反応させて製造すればよく、反応条件などについては一般的にオキシムを製造する時に用いられるものを準用すればよい。
【0084】
この反応においては、必要に応じて、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、トリアゾリル基等の官能基を適当な保護基で保護し、Qに相当する−CH−O−N=CR−結合を形成した後に保護基を除去する。保護基としては、tert−ブチル基、メチル基、エチル基、ベンジル基、p−メトキシベンジル基、トリメチルシリル基、アセチル基、トリフルオロアセチル基、ベンゾイル基、低級アルコキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基を挙げることができる。保護基としては、上記した以外にも容易にかつ選択的に除去できる基であれば特に限定されない。
[製法B−4]
一般式(I)で表される化合物のうち、Qが−CONR−である化合物は、下記の方法で製造可能である。
【0085】
【化10】

【0086】
(式中、R〜R、R、A、V、YおよびZは前記と同じものを表し、Qは−CONR−を表し、Wは水酸基または脱離基を表す。)
すなわち、化合物(3e)と化合物(4e)との反応でアミド結合(−CONR−)を形成することにより、一般式(I)で表される化合物を製造することができる。
【0087】
化合物(4e)のWが水酸基である場合には、前述の製法A−1−1と同様の反応条件で化合物(I)を製造することができる。また、Wの脱離基としての例としては、塩素原子、p−ニトロフェニルオキシ基、アジド基等を挙げることができ、この場合に行われる反応の条件は前述の製法A−1−1と同様である。溶媒、保護基、塩基に関しても、前述の製法A−1−1で用いられるものが使用可能である。
[製法B−5]
一般式(I)で表される化合物のうち、Qが−NR10CO−である化合物は、下記の方法で製造可能である。
【0088】
【化11】

【0089】
(式中、R〜R、R10、A、Q、V、YおよびZは前記と同じものを表し、Qは−NR10CO−を表し、Wは水酸基または脱離基を表す。)
一般式(I)で表される化合物は、化合物(3f)と化合物(4f)との反応でアミド結合(−NR10CO−)を形成することにより製造することができる。
【0090】
化合物(3f)のWが水酸基である場合には、前述の製法A−1−1と同様の反応で化合物(I)を製造することができる。また、Wの脱離基としての例としては、塩素原子、p−ニトロフェニルオキシ基、アジド基等を挙げることができ、この場合にも反応条件は前述の製法A−1−1と同様である。溶媒、保護基、塩基に関しても、前述の製法A−1−1で用いられるものが使用可能である。
[製法B−6]
一般式(I)で表される化合物のうち、Qが−CHNR11CO−である化合物は、下記の方法で製造可能である。
【0091】
【化12】

【0092】
(式中、R〜R、R11、A、V、YおよびZは前記と同じものを表し、Qは−CHNR11CO−を表し、Wは水酸基または脱離基を表す。)
すなわち、化合物(3f)と化合物(4g)との反応でアミド結合(−CHNR11CO−)を形成することにより、一般式(I)で表される化合物を製造することができる。
【0093】
化合物(3f)のWが水酸基である場合には、前述の製法A−1−1と同様の反応条件で化合物(I)を製造することができる。また、Wが脱離基である例としては、塩素原子、p−ニトロフェニルオキシ基、アジド基等を挙げることができ、この場合にも反応条件は前述の製法A−1−1と同様である。溶媒、保護基、塩基に関しても、前述の製法A−1−1で用いられるものが使用可能である。
[製法B−7]
一般式(I)で表される化合物のうち、Qが−CHCHNR12CO−である化合物は、下記の方法で製造可能である。
【0094】
【化13】

【0095】
(式中、R〜R、R12、A、V、YおよびZは前記と同じものを表し、Qは−CHCHNR12CO−を表し、Wは水酸基または脱離基を表す。)
一般式(I)で表される化合物は、化合物(3f)と化合物(4h)との反応でアミド結合(−CHCHNR12CO−)を形成することにより製造することができる。
【0096】
化合物(3f)のWが水酸基である場合には、前述の製法A−1−1と同様の反応条件で化合物(I)を製造することができる。また、Wの脱離基としての例としては、塩素原子、p−ニトロフェニルオキシ基、アジド基等を挙げることができ、この場合にも反応条件は前述の製法A−1−1と同様である。溶媒、保護基、塩基に関しても、前述の製法A−1−1で用いられるものが使用可能である。
【0097】
前述のとおり、S1P受容体アゴニストは、免疫抑制剤として有用である。一般式(I)で表される化合物、その塩、およびそれらの溶媒和物は、S1P受容体(特にS1P1受容体)に対してアゴニスト作用を有することから、免疫抑制剤の有効成分として有用であり、哺乳動物、特にヒトにおける移植に対する拒絶反応、自己免疫性疾患、アレルギー性疾患などの治療剤および/または予防剤の有効成分として有用である。また、一般式(I)で表される化合物、その塩、およびそれらの溶媒和物は、マウスin vivoモデルにおいて経口投与でマウス末梢血中リンパ球数を減少させたことから、経口投与可能な免疫抑制剤等の医薬組成物の有効成分として用いることができると考えられる。従って、一般式(I)で表される化合物、その塩、およびそれらの溶媒和物を含有する本発明の医薬組成物は、免疫を抑制するため、移植に対する拒絶反応を抑制するため、自己免疫性疾患を治療および/または予防するため、あるいは、アレルギー性疾患を治療および/または予防するために用いることができる。また、本発明の医薬組成物は、他のS1P受容体アゴニストで見られる徐脈などの副作用が少ないものである。
【0098】
ここで移植に対する拒絶反応とは、肝臓、腎臓、心臓、肺、小腸、皮膚、角膜、骨、胎児組織、骨髄細胞、造血幹細胞、末梢血幹細胞、臍帯血幹細胞、膵島細胞、肝細胞、神経細胞、腸管上皮細胞などの移植片を移植後、3ヶ月以内に起こる急性拒絶反応およびそれ以降に起こる慢性拒絶反応、ならびに移植片対宿主病を表す。
【0099】
また、自己免疫性疾患としては例えば膠原病、全身性エリテマトーデス、関節リウマチ、多発性硬化症、ネフローゼ症候群、ループス腎炎、シューグレン症候群、強皮症、多発性筋炎、乾癬、炎症性腸疾患、クローン病、混合型結合組織病、原発性粘液水腫、アジソン病、再生不良性貧血、自己免疫性溶血性貧血、自己免疫性血小板減少症、自己免疫性糖尿病、ブドウ膜炎、抗受容体病、重症筋無力症、甲状腺中毒症、甲状腺炎、橋本病などが挙げられる。
【0100】
また、アレルギー性疾患としては例えばアトピー性皮膚炎、喘息、鼻炎、結膜炎、花粉症などが挙げられる。
【0101】
一般式(I)で表される化合物、その塩、またはそれらの溶媒和物を含有する本発明の医薬組成物を哺乳動物(特にヒト)に投与する場合には、全身的または局所的に、経口または非経口で投与することができる。
【0102】
本発明の医薬組成物は、投与方法に応じて適当な形態を選択し、通常用いられている各種製剤の調製法によって調製できる。
【0103】
経口用の医薬組成物の形態としては、錠剤、丸剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤、水剤、懸濁剤、乳剤、シロップ剤、エリキシル剤などが挙げられる。かかる形態の医薬組成物の調製は、添加剤として通常用いられている賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、膨潤剤、膨潤補助剤、コーティング剤、可塑剤、安定剤、防腐剤、抗酸化剤、着色剤、溶解補助剤、懸濁化剤、乳化剤、甘味剤、保存剤、緩衝剤、希釈剤、湿潤剤などから必要に応じて適宜選択したものを用いて、常法に従って行うことができる。
【0104】
非経口用の医薬組成物の形態としては、注射剤、軟膏剤、ゲル剤、クリーム剤、湿布剤、貼付剤、噴霧剤、吸入剤、スプレー剤、点眼剤、点鼻剤、座剤、吸入剤などが挙げられる。かかる形態の医薬組成物の調製は、添加剤として通常用いられている安定化剤、防腐剤、溶解補助剤、保湿剤、保存剤、抗酸化剤、着香剤、ゲル化剤、中和剤、溶解補助剤、緩衝剤、等張剤、界面活性剤、着色剤、緩衝化剤、増粘剤、湿潤剤、充填剤、吸収促進剤、懸濁化剤、結合剤などから必要に応じて適宜選択したものを用いて、常法に従って行うことができる。
【0105】
本発明の医薬組成物はまた、一般式(I)で表される化合物、その塩、またはそれらの溶媒和物と、免疫抑制剤、免疫抑制に用いる抗体、拒絶反応治療薬、抗生物質およびステロイド薬から選択される1種または2種以上を組み合わせてなる医薬組成物としてもよい。これらの医薬組成物は、一般式(I)で表される化合物、その塩、またはそれらの溶媒和物と、他の薬剤の1種または2種以上とを組み合わせて併用剤として投与されるものであり、一般式(I)で表される化合物、その塩、またはそれらの溶媒和物と他の薬剤との併用剤は、1つの製剤中に両成分が配合された合剤としてもよく、別々の製剤として投与されるものでもよい。別々に投与される場合、それぞれの製剤は同時に投与してもよく、時間差をおいて投与してもよい。また、それぞれの製剤の投与方法は同じであってもよいし、異なっていてもよい。これらの医薬組成物は、一般式(I)で表される化合物、その塩、またはそれらの溶媒和物と、免疫抑制剤、免疫抑制に用いる抗体、拒絶反応治療薬、抗生物質およびステロイド薬から選択される1種または2種以上等の他の薬剤とを組み合わせたキットとしてもよい。
【0106】
より具体的には、免疫抑制剤、免疫抑制に用いる抗体、拒絶反応治療薬としては例えばシクロスポリンA、タクロリムス(FK506)、アザチオプリン、ミゾリビン、メトトレキサート、ミコフェノール酸モフェチル、シクロホスファミド、シロリムス、エベロリムス、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、オルソクローンOKT3、抗ヒトリンパ球グロブリン、デオキシスパーガリンなどが挙げられる。
【0107】
抗生物質としては例えばセフロキシムナトリウム、メロペネム三水和物、硫酸ネチルマイシン、硫酸シソマイシン、セフチブテン、PA-1806、IB-367、トブラマイシン、PA-1420、ドキソルビシン、硫酸アストロマイシン、塩酸セフェタメトピボキシルなどが挙げられる。
【0108】
ステロイド薬としては例えばプロピオン酸クロベタゾール、酢酸ジフロラゾン、フルオシノニド、フランカルボン酸モメタゾン、ジプロピオン酸ベタメタゾン、酪酸プロピオン酸ベタメタゾン、吉草酸ベタメタゾン、ジフルプレドナート、ブデソニド、吉草酸ジフルコルトロン、アムシノニド、ハルシノニド、デキサメタゾン、プロピオン酸デキサメタゾン、吉草酸デキサメタゾン、酢酸デキサメタゾン、酢酸ヒドロコルチゾン、酪酸ヒドロコルチゾン、酪酸プロピオン酸ヒドロコルチゾン、プロピオン酸デプロドン、吉草酸酢酸プレドニゾロン、フルオシノロンアセトニド、プロピオン酸ベクロメタゾン、トリアムシノロンアセトニド、ピバル酸フルメタゾン、プロピオン酸アルクロメタゾン、酪酸クロベタゾン、プレドニゾロン、プロピオン酸ペクロメタゾン、フルドロキシコルチド、酢酸コルチゾン、ヒドロコルチゾン、リン酸ヒドロコルチゾンナトリウム、コハク酸ヒドロコルチゾンナトリウム、酢酸フルドロコルチゾン、酢酸プレドニゾロン、コハク酸プレドニゾロンナトリウム、ブチル酢酸プレドニゾロン、リン酸プレドニゾロンナトリウム、酢酸ハロプレドン、メチルプレドニゾロン、酢酸メチルプレドニゾロン、コハク酸メチルプレドニゾロンナトリウム、トリアムシノロン、酢酸トリアムシノロン、リン酸デキサメタゾンナトリウム、パルミチン酸デキサメタゾン、酢酸パラメサゾン、ベタメタゾン、プロピオン酸フルチカゾン、フルニソリド、ST-126P、シクレソニド、デキサメタゾンパロミチオネート、モメタゾンフランカルボネート、プラステロンスルホネート、デフラザコート、メチルプレドニゾロンスレプタネート、メチルプレドニゾロンナトリウムスクシネートなどが挙げられる。
【0109】
本発明の医薬組成物に含有される一般式(I)で表される化合物、その塩、またはそれらの溶媒和物の投与量は、症状、年齢、体重、組み合わせて投与する薬剤の種類や投与量などによって異なるが、通常、化合物(I)換算量で成人一人一回につき1ngから1000mgの範囲で、全身的または局所的に、一日一回から数回経口または非経口投与されるか、または一日1時間から24時間の範囲で静脈内に持続投与されるのが好ましい。
【実施例】
【0110】
以下に、製造例を示して具体的に本発明の医薬組成物に含有される化合物の製造について詳細に説明する。また、試験例を示して、本発明の医薬組成物に含有される化合物の薬理作用を説明する。
【0111】
[製造例1](S)−3−ヒドロキシ−4−オキソ−4−{4−[(4−フェニル−5−トリフルオロメチル−2−チエニル)メトキシ]フェニルアミノ}酪酸
(1)(4−フェニル−5−トリフルオロメチル−2−チエニル)メタノール
【0112】
【化14】

【0113】
4−フェニル−5−トリフルオロメチルチオフェン−2−カルボン酸(3.52g)をテトラヒドロフラン(60ml)に溶解させ、室温下、ボラン−テトラヒドロフランコンプレックスの1.0Mテトラヒドロフラン溶液(26ml)を滴下した。反応液を3時間加熱還流させた後0℃に冷却し、水を滴下して反応を止めた。反応液を酢酸エチルで抽出し、得られた有機層を飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥、濃縮して標記化合物(3.42g)を油状物として得た。
NMR(CDCl3)δ:1.99(1H,t,J=6.0Hz),4.87(2H,d,J=5.6Hz),6.98-7.00(1H,m),7.37-7.42(5H,m).
【0114】
(2)2−トリフルオロメチル−5−(4−ニトロフェノキシメチル)−3−フェニルチオフェン
【0115】
【化15】

【0116】
(4−フェニル−5−トリフルオロメチル−2−チエニル)メタノール(1.85g)の乾燥テトラヒドロフラン溶液(70ml)に、アゾジカルボン酸ジイソプロピルエステル(1.5ml)及びトリフェニルフォスフィン(2.0g)を0℃にて加えて30分間攪拌した。次いでp−ニトロフェノール(996mg)を加えて室温で2時間攪拌した。反応混液に水を加えた後、酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=20:1)で精製し、標記化合物(2.02g)を油状物として得た。
NMR(CDCl3)δ:5.33(2H,d,J=0.7Hz),7.05-7.09(2H,m),7.12-7.13(1H,m),7.41-7.43(5H,m),8.23-8.27(2H,m).
【0117】
(3)4−[(4−フェニル−5−トリフルオロメチル−2−チエニル)メトキシ]フェニルアミン
【0118】
【化16】

【0119】
2−トリフルオロメチル−5−(4−ニトロフェノキシメチル)−3−フェニルチオフェン(2.02g)及び10%水酸化パラジウム(2.0g)をエタノール(50ml)に懸濁させ、水素雰囲気下に17時間攪拌した。反応混液をろ過後、得られたろ液を濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィーに付し、ヘキサン:酢酸エチル(5:1)で溶出し、標記化合物(1.02g)を油状物として得た。
NMR(CDCl3)δ:5.13-5.15(2H,m),6.64-6.68(2H,m),6.81-6.85(2H,m),7.04-7.05(1H,m),7.38-7.43(5H,m).
MS(ESI)m/z:350(M+H).
【0120】
(4)(S)−3−ヒドロキシ−4−オキソ−4−{4−[(4−フェニル−5−トリフルオロメチル−2−チエニル)メトキシ]フェニルアミノ}酪酸
【0121】
【化17】



【0122】
4−[(4−フェニル−5−トリフルオロメチル−2−チエニル)メトキシ]フェニルアミン(150mg)の乾燥テトラヒドロフラン溶液に(S)−2,5−ジオキソテトラヒドロフラン−3−イル トリフルオロアセテート(273mg)を加えて18間攪拌した。反応混液を減圧濃縮した後、得られた残渣を逆相分取HPLCにて精製した。得られた油状物にヘキサンを加え、析出晶をろ取して標記化合物(115.2mg)を固体として得た。
NMR(DMSO-d6)δ:2.43-2.48(1H,m),2.71(1H,dd,J=15.6,4.2Hz),4.37(1H,q,J=4.2Hz),5.36(2H,s),7.00-7.03(2H,m),7.37(1H,d,J=1.2Hz),7.43-7.55(5H,m),7.62-7.66(2H,m),9.67(1H,s)
MS(ESI)m/z:466(M+H).
【0123】
[製造例2](R)−3−メチル−4−オキソ−4−{4−[(4−フェニル−5−トリフルオロメチル−2−チエニル)メトキシ]フェニルアミノ}酪酸
【0124】
【化18】

【0125】
4−[(4−フェニル−5−トリフルオロメチル−2−チエニル)メトキシ]フェニルアミン(30mg)のテトラヒドロフラン溶液に(R)−2−メチルコハク酸 1−メチルエステル(22μl)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(16mg)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(5mg)を加えて18時間攪拌した。溶媒を留去し、得られた残渣をジメチルスルホキシド(1ml)に溶解させた後、5規定水酸化ナトリウム水溶液(100μl)を加えて21時間攪拌した。反応液に濃塩酸(50μl)を加えて中和し、逆相分取HPLCにて精製して標記化合物(16.1mg)を固体として得た。
NMR(DMSO-d6)δ:1.12(3H,d,J=7.3Hz),2.25-2.39(1H,m),2.76-2.84(1H,m),5.35(2H,s),6.98-7.02(2H,m),7.36-7.38(1H,m),7.43-7.54(7H,m),9.84(1H,s)
MS(ESI)m/z:464(M+H).
【0126】
[製造例3](R)−3−ヒドロキシ−4−オキソ−4−{4−[(4−フェニル−5−トリフルオロメチル−2−チエニル)メトキシ]フェニルアミノ}酪酸
【0127】
【化19】

【0128】
4−[(4−フェニル−5−トリフルオロメチル−2−チエニル)メトキシ]フェニルアミン(105mg)、(R)−2,5−ジオキソテトラヒドロフラン−3−イル トリフルオロアセテート(131mg)、乾燥テトラヒドロフラン(1.5ml)を混合し、室温で一晩撹拌した。反応液を濃縮後、逆相分取HPLCで精製し標記化合物(39mg)を得た。
NMR(DMSO-d6)δ:2.43-2.47(1H,m),2.71(1H,dd,15.6,4.3Hz),4.34-4.40(1H,m),5.36(2H,s),5.98(1H,d,J=6.1Hz),7.01(2H,dt,J=10.0,2.8Hz),7.37(1H,d,J=1.2Hz),7.42-7.53(5H,m),7.62-7.66(2H,m),9.67(1H,s),12.24(1H,br s).
MS(ESI)m/z:466(M+H).
【0129】
[製造例4]4−オキソ−4−{4−[(4−フェニル−5−トリフルオロメチル−2−チエニル)メトキシ]フェニルアミノ}酪酸
【0130】
【化20】

【0131】
4−[(4−フェニル−5−トリフルオロメチル−2−チエニル)メトキシ]フェニルアミン(105mg)、無水コハク酸(60mg)、乾燥テトラヒドロフラン(1.5ml)を混合し、室温で一晩撹拌した。反応液を濃縮後、逆相分取HPLCで精製し標記化合物(71mg)を得た。
NMR(DMSO-d6)δ:2.49-2.53(4H,m),5.35(2H,s),7.00(2H,dt,J=10.0,2.8Hz),7.37(1H,d,J=1.2Hz),7.42-7.54(7H,m),9.86(1H,s).
MS(ESI)m/z:450(M+H).
【0132】
[製造例5](R)−2−ヒドロキシ−4−オキソ−4−{4−[(4−フェニル−5−トリフルオロメチル−2−チエニル)メトキシ]フェニルアミノ}酪酸
【0133】
【化21】

【0134】
(R)−2,5−ジオキソテトラヒドロフラン−3−イル トリフルオロアセテート(218mg)のメタノール溶液(1.5ml)を室温で5時間振とう後、濃縮した。残渣に4−[(4−フェニル−5−トリフルオロメチル−2−チエニル)メトキシ]フェニルアミン(349mg)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(192mg)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(触媒量)およびトリエチルアミン(139μl)のテトラヒドロフラン溶液(2ml)を加えて室温で一晩振とうした。反応液を濃縮後、テトラヒドロフラン(1ml)、メタノール(2ml)および1規定水酸化ナトリウム水溶液(1.5ml)を加えて室温で3時間振とうした。反応液に1規定塩酸(1.5ml)を加えた後、濃縮して得られた残渣を逆相分取HPLCで精製し標記化合物(48mg)を得た。
NMR(DMSO-d6)δ:2.44-2.46(1H,m),2.55-2.56(1H,m),2.66-2.70(1H,m),4.34-4.38(1H,m),5.35(2H,s),7.01(2H,d,J=9.1Hz),7.37(1H,s),7.42-7.52(6H,m),7.64(1H,d,J=9.1Hz),9.67(1H,s),9.89(1H,s).
MS(ESI)m/z:466(M+H).
【0135】
[製造例6](S)−2−ヒドロキシ−4−オキソ−4−{4−[(4−フェニル−5−トリフルオロメチル−2−チエニル)メトキシ]フェニルアミノ}酪酸
【0136】
【化22】

【0137】
(S)−2,5−ジオキソテトラヒドロフラン−3−イル トリフルオロアセテート(218mg)のメタノール溶液(1.5ml)を室温で5時間振とう後、濃縮した。残渣に4−[(4−フェニル−5−トリフルオロメチル−2−チエニル)メトキシ]フェニルアミン(349mg)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(192mg)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(触媒量)およびトリエチルアミン(139μl)のテトラヒドロフラン溶液(2ml)を加えて室温で一晩振とうした。反応液を濃縮後、残渣にテトラヒドロフラン(1ml)、メタノール(2ml)および1規定水酸化ナトリウム水溶液(1.5ml)を加えて室温で3時間振とうした。反応液に1規定塩酸(1.5ml)を加えて濃縮し、得られた残渣を逆相分取HPLCで精製し標記化合物(63mg)を得た。
NMR(DMSO-d6)δ:2.44-2.46(1H,m),2.54-2.57(1H,m),2.62-2.74(1H,m),4.34-4.39(1H,m),5.35(2H,s),7.01(2H,d,J=9.0Hz),7.37(1H,s),7.42-7.55(6H,m),7.64(1H,d,J=9.0Hz),9.67(1H,s),9.90(1H,s).
MS(ESI)m/z:466(M+H).
【0138】
[製造例7]3,3−ジメチル−4−オキソ−4−{4−[(4−フェニル−5−トリフルオロメチル−2−チエニル)メトキシ]フェニルアミノ}酪酸
【0139】
【化23】

【0140】
4−[(4−フェニル−5−トリフルオロメチル−2−チエニル)メトキシ]フェニルアミン(24mg)、3,3−ジメチル−テトラヒドロフラン−2,5−ジオン(97mg)の乾燥テトラヒドロフラン溶液(0.5ml)を室温で一晩振とうした。反応液を濃縮後、得られた残渣を逆相分取HPLCで精製し標記化合物(12mg)を得た。
NMR(DMSO-d6)δ:1.19(6H,s),2.53(2H,s),5.35(2H,s),6.99(2H,d,J=9.1Hz),7.37(1H,s),7.42-7.51(7H,m),9.79(1H,s),12.03(1H,br s).
MS(ESI)m/z:478(M+H).
【0141】
[製造例8](S)−3−メチル−4−オキソ−4−{4−[(4−フェニル−5−トリフルオロメチル−2−チエニル)メトキシ]フェニルアミノ}酪酸
【0142】
【化24】

【0143】
4−[(4−フェニル−5−トリフルオロメチル−2−チエニル)メトキシ]フェニルアミン(105mg)、(S)−3−メチル−テトラヒドロフラン−2,5−ジオン(60mg)の乾燥テトラヒドロフラン溶液(1.5ml)を室温で一晩攪拌した。反応液を濃縮後、得られた残渣を逆相分取HPLCで精製し標記化合物(71mg)を得た。
NMR(DMSO-d6)δ:1.12(3H,d,J=7.1Hz),2.24-2.39(1H,m),2.54-2.66(1H,m),2.75-2.86(1H,m),5.35(2H,s),7.00(2H,d,J=9.1Hz),7.37(1H,s),7.42-7.55(7H,m),9.83(1H,s),12.11(1H,br s).
MS(ESI)m/z:464(M+H).
【0144】
[製造例9](2S,3R)−2,3−ジメチル−4−オキソ−4−{4−[(4−フェニル−5−トリフルオロメチル−2−チエニル)メトキシ]フェニルアミノ}酪酸
【0145】
(1)(3R,4S)−3,4−ジメチル−テトラヒドロフラン−2,5−ジオン
【0146】
【化25】

【0147】
(2S,3R)−2、3−ジメチルコハク酸(731mg)に無水トリフルオロ酢酸(1.81ml)を加え、0℃で3時間攪拌した。反応液を濃縮し標記化合物(650mg)を得た。
【0148】
(2)(2S,3R)−2,3−ジメチル−4−オキソ−4−{4−[(4−フェニル−5−トリフルオロメチル−2−チエニル)メトキシ]フェニルアミノ}酪酸
【0149】
【化26】

【0150】
(3R,4S)−3,4−ジメチル−テトラヒドロフラン−2,5−ジオン(10mg)に4−[(4−フェニル−5−トリフルオロメチル−2−チエニル)メトキシ]フェニルアミン(28mg)のテトラヒドロフラン溶液(1ml)を加え、室温で一晩撹拌した。反応液を濃縮後、得られた残渣を逆相分取HPLCで精製し標記化合物(6.5mg)を得た。
NMR(DMSO-d6)δ:1.06(3H,d,J=7.0Hz), 1.07(3H,d,J=6.8Hz),2.44-2.67(2H,m),5.36(2H,s),6.99-7.03(2H,m),7.37(1H,s),7.42-7.56(7H,m),9.99(1H、br s).
MS(ESI)m/z:478(M+H).
【0151】
[製造例10](2R,3R)−2,3−ジヒドロキシ−4−オキソ−4−{4−[(4−フェニル−5−トリフルオロメチル−2−チエニル)メトキシ]フェニルアミノ}酪酸
【0152】
【化27】

【0153】
(+)−ジアセチル−L−酒石酸無水物(17mg)と4−[(4−フェニル−5−トリフルオロメチル−2−チエニル)メトキシ]フェニルアミン(28mg)のテトラヒドロフラン溶液(1ml)を加え、室温で一晩撹拌した。反応液を濃縮後、残渣に1規定水酸化ナトリウム水溶液(250μl)、テトラヒドロフラン(250μl)、メタノール(250μl)を加えて室温で2時間振とうした。これに1規定塩酸(250μl)を加えて濃縮し、逆相分取HPLCで精製し標記化合物(9.1mg)を得た。
NMR(DMSO-d6)δ:4.36(1H,br s),4.40(1H,br
s),5.36(2H,s),7.02(2H,dt,J=9.8,2.8Hz),7.38(1H,d,J=1.2Hz),7.42-7.51(5H,m),7.64-7.68(2H,m),9.91(1H,s).
MS(ESI)m/z:482(M+H).
【0154】
[製造例11](2S,3S)−2,3−ジヒドロキシ−4−オキソ−4−{4−[(4−フェニル−5−トリフルオロメチル−2−チエニル)メトキシ]フェニルアミノ}酪酸
【0155】
【化28】

【0156】
(−)−ジアセチル−L−酒石酸無水物(17mg)と4−[(4−フェニル−5−トリフルオロメチル−2−チエニル)メトキシ]フェニルアミン(28mg)のテトラヒドロフラン溶液(1ml)を加え、室温で一晩撹拌した。反応液を濃縮後、残渣に1規定水酸化ナトリウム水溶液(250μl)、テトラヒドロフラン(250μl)、メタノール(250μl)を加えて室温で2時間振とうした。これに1規定塩酸(250μl)を加えて濃縮し、得られた残渣を逆相分取HPLCで精製し標記化合物(6.9mg)を得た。
NMR(DMSO-d6)δ:4.36(1H,d,J=2.2Hz),4.39(1H,d,J=2.2Hz),5.36(2H,s),6.99-7.04(2H,m),7.38(1H,d,J=1.2Hz),7.42-7.51(5H,m),7.66(2H,d,J=8.8Hz),9.51(1H,s).
MS(ESI)m/z:482(M+H).
【0157】
[製造例12](R)−3−アミノ−4−オキソ−4−{4−[(4−フェニル−5−トリフルオロメチル−2−チエニル)メトキシ]フェニルアミノ}酪酸
【0158】
【化29】

【0159】
4−[(4−フェニル−5−トリフルオロメチル−2−チエニル)メトキシ]フェニルアミン(100mg)をジクロロメタン(5ml)−アセトニトリル(1ml)に溶解し、(R)−2−トリフルオロアセトアミドコハク酸無水物(64.2mg)を加えた。室温にて15分撹拌した後、溶媒を留去し、固体(170mg)を得た。この固体をメタノール(10ml)に溶解し1規定水酸化ナトリウム水溶液(3.0ml)を加え、60℃にて8時間加熱撹拌した。反応液を1規定塩酸で中和した後、溶媒を減圧留去した。得られた残留物を逆相分取HPLCで精製し、標記化合物(34.2mg)を固体として得た。
NMR(DMSO-d6)δ:2.33(1H,dd,J=16,9.2Hz),2.55(1H,dd,J=16,5.2Hz),3.76(1H,dd,J=9.2,5.2Hz),5.36(2H,br s),7.03(2H,m),7.37(1H,m),7.43-7.50(5H,m),7.55(2H,m).
MS(ESI)m/z:465(M+H).
【0160】
[製造例13](S)−3−アミノ−4−オキソ−4−{4−[(4−フェニル−5−トリフルオロメチル−2−チエニル)メトキシ]フェニルアミノ}酪酸
【0161】
【化30】

【0162】
4−[(4−フェニル−5−トリフルオロメチル−2−チエニル)メトキシ]フェニルアミン(100mg)をジクロロメタン(5ml)とアセトニトリル(1ml)の混液に溶解した後、(S)−2−トリフルオロアセトアミドコハク酸無水物(64.2mg)を加えた。室温にて15分撹拌した後、溶媒を留去し、固体(170mg)を得た。この固体をメタノール(10ml)に溶解した後、1規定水酸化ナトリウム水溶液(3.0ml)を加え、60℃にて8時間加熱撹拌した。反応液を1規定塩酸で中和した後、溶媒を減圧留去した。得られた残留物を逆相分取HPLCで精製し、標記化合物(26.1mg)を固体として得た。
NMR(DMSO-d6)δ:2.34(1H,dd,J=16,9.2Hz),2.56(1H,dd,J=16,5.2Hz),3.77(1H,dd,J=9.2,5.2Hz),5.36(2H,br s),7.03(2H,m),7.37(1H,m),7.43-7.49(5H,m),7.55(2H,m).
MS(ESI)m/z:465(M+H).
【0163】
[製造例14](S)−2−アミノ−4−オキソ−4−{4−[(4−フェニル−5−トリフルオロメチル−2−チエニル)メトキシ]フェニルアミノ}酪酸
【0164】
【化31】

【0165】
4−[(4−フェニル−5−トリフルオロメチル−2−チエニル)メトキシ]フェニルアミン(120mg)と(S)−2−トリフルオロアセトアミドコハク酸 1−メチルエステル(84.1mg)をジクロロメタン(5ml)とジメチルホルムアミド(1ml)の混合液に溶解し、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(72.3mg)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(55.7mg)を加えて室温で12時間攪拌した。溶媒を留去して得られた残留物を酢酸エチル(30ml)に溶解し、得られた溶液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(5ml)、10%クエン酸水溶液(5ml)、水(5ml)および飽和食塩水(5ml)で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去して得られた固体をヘキサン/エーテル(1:1)(5ml)で2回洗浄した後、減圧下で乾燥させて粉末(142mg)を得た。この粉末をメタノール(10ml)に溶解した後、1規定水酸化ナトリウム水溶液(3ml)を加え、70℃にて12時間加熱撹拌した。反応液を1規定塩酸にて中和した後、溶媒を減圧留去した。得られた残留物を逆相分取HPLCで精製し、標記化合物を固体(21.3mg)として得た。
NMR(DMSO-d6)δ:2.93(1H,dd,J=17,5.1Hz),3.52(1H,dd,J=7.3,5.1Hz),5.35(2H,br s),7.02(2H,m),7.37(1H,m),7.43-7.54(8H,m),10.6(1H,br s).
MS(ESI)m/z:465(M+H).
【0166】
[製造例15](R)−2−アミノ−4−オキソ−4−{4−[(4−フェニル−5−トリフルオロメチル−2−チエニル)メトキシ]フェニルアミノ}酪酸
【0167】
【化32】

【0168】
4−[(4−フェニル−5−トリフルオロメチル−2−チエニル)メトキシ]フェニルアミン(160mg)と(R)−2−トリフルオロアセトアミドコハク酸 1−メチルエステル(134mg)をジクロロメタン(5ml)とジメチルホルムアミド(1ml)の混合液に溶解し、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(114mg)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(80.4mg)を加えて室温で12時間攪拌した。溶媒を留去し、残留物を酢酸エチル(30ml)に溶解し、得られた溶液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(5ml)、10%クエン酸水溶液(5ml)、水(5ml)および飽和食塩水(5ml)で順次洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去し得られた固体をヘキサン/エーテル(1:1)(5ml)で2回洗浄した後、減圧下で乾燥して粉末(179mg)を得た。この粉末をメタノール(10ml)に溶解した後、1規定水酸化ナトリウム水溶液(3ml)を加え、70℃にて12時間加熱撹拌した。反応液を1規定塩酸にて中和した後、溶媒を減圧留去した。得られた残留物を逆相分取HPLCで精製し、標記化合物(29.5mg)を固体として得た。
NMR(DMSO-d6)δ:2.93(1H,dd,J=16,4.8Hz),3.52(1H,t,J=4.8Hz),5.35(2H,br s),7.01(2H,m),7.37(1H,m),7.43-7.54(8H,m),10.6(1H,br s).
MS(ESI)m/z:465(M+H).
【0169】
[製造例16](S)−3−ヒドロキシ−4−オキソ−4−{4−[(4−フェニル−5−トリフルオロメチル−2−チエニル)エチル]フェニルアミノ}酪酸
【0170】
(1)5−クロロメチル−3−フェニル−2−トリフルオロメチルチオフェン
【0171】
【化33】

【0172】
(4−フェニル−5−トリフルオロメチル−2−チエニル)メタノール(482mg)のジクロロメタン溶液(7.0ml)に、室温にて塩化チオニル(708μl)を加えた。50℃で16時間撹拌後、減圧下に濃縮し、得られたオイル状の残渣をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサンで溶出して標記化合物(434mg)をオイル状物質として得た。
NMR(CDCl3)δ:4.77(2H,d,J=0.7Hz),7.07(1H,br s),7.35-7.44(5H,m).
【0173】
(2)5−[(E)−2−(4−ニトロフェニル)エテニル]−3−フェニル−2−トリフルオロメチルチオフェン
【0174】
【化34】

【0175】
5−クロロメチル−3−フェニル−2−トリフルオロメチルチオフェン(400mg)に、室温にてトリエチルフォスファイト(520μl)を加え、150℃で5時間撹拌した。反応液を減圧下に濃縮後、得られたオイル状の残渣をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサン/酢酸エチル(75:25→0:100)で溶出し、トリエチルフォスファイトを含む(4−フェニル−5−トリフルオロメチル−2−チエニル)メチルホスホン酸ジエチルエステル(480mg)を得た。これをテトラヒドロフラン(3.0ml)に溶解し、0℃にて水素化ナトリウム(55%オイルサスペンジョン)(60.0mg)を加え、室温にて30分間撹拌した。反応液に4−ニトロベンズアルデヒド(190mg)のテトラヒドロフラン溶液(5.0ml)を加えた。室温で10時間撹拌後、反応液に水(30ml)及び酢酸エチル(20ml)を加え分液し、水層を酢酸エチル(20ml)で抽出した。有機層を合わせて飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下に溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサン/酢酸エチル(100:0→90:10)で溶出し標記化合物(112mg)を固体として得た。
NMR(CDCl3)δ:7.06(1H,d,J=16.1Hz),7.15(1H,br s),7.32(1H,d,J=16.1Hz),7.37-7.47(5H,m),7.62(2H,d,J=8.9Hz),8.24(2H,d,J=8.9Hz).
【0176】
(3)4−[2−(4−フェニル−5−トリフルオロメチル−2−チエニル)エチル]アニリン
【0177】
【化35】

【0178】
5−[(E)−2−(4−ニトロフェニル)エテニル]−3−フェニル−2−トリフルオロメチルチオフェン(95.0mg)のテトラヒドロフラン(5.0ml)溶液に、室温にてメタノール(10ml)及び20%水酸化パラジウム(47.5mg)を加え、水素雰囲気下、室温にて1時間撹拌した。反応液を濾過後、濾液を減圧下に濃縮し、得られた残渣を分取用シリカゲル薄層クロマトグラフィーに付し、ヘキサン/ジエチルエーテル(2:1)で溶出し標記化合物(88.8mg)を油状物として得た。
NMR(DMSO-d6)δ:2.90(2H,t,J=8.3Hz),3.08(2H,t,J=8.3Hz),3.59(2H,br s),6.64(2H,d,J=8.2Hz),6.75(1H,br s),6.99(2H,d,J=8.2Hz),7.33-7.43(5H,m).
MS(ESI)m/z:348(M+H).
【0179】
(4)(S)−3−ヒドロキシ−4−オキソ−4−{4−[(4−フェニル−5−トリフルオロメチル−2−チエニル)エチル]フェニルアミノ}酪酸
【0180】
【化36】

【0181】
4−[2−(4−フェニル−5−トリフルオロメチル−2−チエニル)エチル]アニリン(85mg)のテトラヒドロフラン溶液(3.0ml)に室温にて(S)−2,5−ジオキソテトラヒドロフラン−3−イル−トリフルオロアセテート(156mg)を加え室温で1時間撹拌した。反応液を減圧下に濃縮し、得られた残渣を分取用シリカゲル薄層クロマトグラフィーに付し、クロロホルム/メタノール(10:1)で展開し標記化合物(92.5mg)を固体として得た。
NMR(CDCl3)δ:2.45(1H,dd,J=15.6,8.3Hz),2.68(1H,dd,J=15.6,4.2Hz),2.93(2H,t,J=7.6Hz),3.16(2H,t,J=7.6Hz),4.36(1H,dd,J=8.3,4.2Hz),7.04(1H,s),7.19(2H,d,J=8.5Hz),7.36-7.50(5H,m),7.62(2H,d,J=8.5Hz),9.7(1H,s).
MS(ESI)m/z:464(M+H).
【0182】
[製造例17](S)−3−ヒドロキシ−4−オキソ−4−{4−[(E)−2−(4−フェニル−5−トリフルオロメチル−2−チエニル)エテニル]フェニルアミノ}酪酸
【0183】
(1)4−[(E)−2−(4−フェニル−5−トリフルオロメチル−2−チエニル)エテニル]安息香酸メチルエステル
【0184】
【化37】

【0185】
5−クロロメチル−3−フェニル−2−トリフルオロメチルチオフェン(500mg)に、室温にてトリエチルフォスファイト(650μl)を加え、150℃で5時間撹拌した。減圧下に濃縮後、得られた油状の残渣をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサン/酢酸エチル(75:25→0:100)で溶出し標記化合物とトリエチルフォスファイトの3:1の混合物(703mg)を油状物として得た。この混合物のテトラヒドロフラン(5.0ml)溶液を、0℃にて水素化ナトリウム(55%オイルサスペンジョン)(84.3mg)のテトラヒドロフラン懸濁液(3.0ml)に滴下した。0℃にて30分間撹拌後、0℃にて反応液に4−ホルミル安息香酸メチルエステル(264mg)のテトラヒドロフラン溶液(3.0ml)を滴下した。室温で13時間撹拌後、反応液に水(10ml)、飽和塩化アンモニウム水溶液(20ml)、及びジエチルエーテル(20ml)を加え分液し、水層をジエチルエーテル(20ml)で抽出した。有機層を合わせて無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下に溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサン/クロロホルム(100:0→0:100)で溶出し標記化合物(367mg)を固体として得た。
NMR(CDCl3)δ:3.93(3H,s),7.05(1H,d,J=16.1Hz),7.10(1H,br s),7.26(1H,d,J=16.1Hz),7.39-7.47(5H,m),7.54(2H,d,J=8.4Hz),8.04(2H,d,J=8.9Hz).
【0186】
(2)4−[(E)−2−(4−フェニル−5−トリフルオロメチル−2−チエニル)エテニル]安息香酸
【0187】
【化38】

【0188】
4−[(E)−2−(4−フェニル−5−トリフルオロメチル−2−チエニル)エテニル]安息香酸メチルエステル(365mg)のテトラヒドロフラン溶液(4.0ml)に、室温にてメタノール(2.0ml)及び1規定水酸化ナトリウム水溶液(1.88ml)を加えた。室温にて18時間撹拌後、反応液を減圧下でメタノール及びテトラヒドロフランを留去し、残渣に水(10ml)及び1規定塩酸(1.88ml)を加え、生じた沈殿を濾取し、乾燥することにより標記化合物(250mg)を固体として得た。
NMR(DMSO-d6)δ:7.33(1H,d,J=16.1Hz),7.42-7.52(6H,m),7.62(1H,d,J=16.1Hz),7.72(2H,d,J=7.8Hz),7.94(2H,d,J=7.8Hz).
【0189】
(3)4−[(E)−2−(4−フェニル−5−トリフルオロメチル−2−チエニル)エテニル]フェニルカルバミン酸 tert−ブチルエステル
【0190】
【化39】

【0191】
4−[(E)−2−(4−フェニル−5−トリフルオロメチル−2−チエニル)エテニル]安息香酸(100mg)のtert−ブチルアルコール溶液(4.0ml)に、室温にてアジ化ジフェニルホスフォリル(74.8μl)及びトリエチルアミン(48.4μl)を加えた。80℃にて4時間撹拌後、反応液を減圧下に濃縮し、得られた残渣を分取用シリカゲル薄層クロマトグラフィーに付しトルエンで展開し、標記化合物(85.0mg)を固体として得た。
NMR(CDCl3)δ:1.53(9H,s),6.52(1H,br s),6.97(1H,d,J=16.1Hz),7.01(1H,d,J=1.2Hz),7.06(1H,d,J=16.1Hz),7.33-7.48(9H,m).
MS(ESI)m/z:390(M+H-イソブテン).
【0192】
(4)4−[(E)−2−(4−フェニル−5−トリフルオロメチル−2−チエニル)エテニル]フェニルアミン
【0193】
【化40】

【0194】
4−[(E)−2−(4−フェニル−5−トリフルオロメチル−2−チエニル)エテニル]フェニルカルバミン酸 tert−ブチルエステル(82.0mg)に4規定塩酸ジオキサン溶液(4.0ml)を室温にて加えた。室温にて2時間撹拌後、反応液を減圧下に濃縮し、得られた残渣にジエチルエーテル(20ml)及び飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(20ml)を加えて分液し、水層をジエチルエーテル(10ml)で抽出した。有機層を合わせて無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下に溶媒を留去した。得られた残渣を分取用シリカゲル薄層クロマトグラフィーに付し、ヘキサン/酢酸エチル(3:1)で精製し、標記化合物(50.3mg)をカラメル状物質として得た。
NMR(CDCl3)δ:3.81(2H,s),6.67(2H,d,J=8.5Hz),6.90-7.00(3H,m),7.30(2H,d,J=8.5Hz),7.35-7.50(5H,m).
MS(ESI)m/z:346(M+H).
【0195】
(5)(S)−3−ヒドロキシ−4−オキソ−4−{4−[(E)−2−(4−フェニル−5−トリフルオロメチル−2−チエニル)エテニル]フェニルアミノ}酪酸
【0196】
【化41】

【0197】
4−[(E)−2−(4−フェニル−5−トリフルオロメチル−2−チエニル)エテニル]フェニルアミン(48.7mg)のテトラヒドロフラン溶液(3.0ml)に、室温にて(S)−2,5−ジオキソテトラヒドロフラン−3−イル−トリフルオロアセテート(90mg)を加え室温で1時間撹拌した。反応液を減圧下に濃縮し、得られた残渣を分取用シリカゲル薄層クロマトグラフィーに付し、ジクロロメタン/メタノール(10:1)で展開し標記化合物(45.1mg)を固体として得た。
NMR(DMSO-d6)δ:2.50(1H,dd,J=15.6,8.1Hz),2.72(1H,dd,J=15.6,4.4Hz),4.40(1H,dd,J=8.1,4.4Hz),7.20(1H,d,J=16.4Hz),7.37(1H,br s),7.40(1H,d、J=16.4Hz),7.43-7.44(5H,m),7.57(2H,d,J=8.6Hz),7.77(2H,d,J=8.6Hz),9.92(1H,s).
MS(ESI)m/z:346(M+H).
【0198】
[製造例18]4−オキソ−4−{4−[(5−メチル−4−フェニル−2−チアゾリル)メトキシ]フェニルアミノ}酪酸
【0199】
(1)5−メチル−4−フェニル−チアゾール−2−カルボン酸エチルエステル
【0200】
【化42】

【0201】
2−ブロモ−1−フェニルプロパン−1−オン(1.59g)をエタノール(20ml)に溶解し70℃でアミノチオキソ酢酸エチルエステル(1.00g)を加えた。反応液を19時間加熱還流し、室温まで冷却した。析出した沈殿をろ去し、得られたろ液を減圧濃縮した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサン/酢酸エチル(95:5→90:10)で溶出し標記化合物(1.29g)を粉末として得た。
NMR(CDCl3)δ:1.44(3H,t,J=7.1Hz),2.63(3H,s),4.48(2H,q,J=7.2Hz),7.35-7.40(1H,m),7.42-7.47(2H,m),7.64-7.68(2H,m).
MS(ESI)m/z:248(M+H).
【0202】
(2)(5−メチル−4−フェニル−2−チアゾリル)メタノール
【0203】
【化43】

【0204】
5−メチル−4−フェニルチアゾール−2−カルボン酸エチルエステル(0.40g)をテトラヒドロフラン(10ml)に溶解し、氷冷下に水素化リチウムアルムニウム(61.4mg)を加え15分間撹拌した。反応液にアセトン(2ml)を加えて撹拌し、10%(+)−酒石酸ナトリウムカリウム水溶液(5ml)を加えた。反応液を減圧下に濃縮して得られた残留物をジクロロメタンで抽出した。有機層を合わせて、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下に溶媒を留去し、得られた残留物を中圧分取用シリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサン/酢酸エチル(57:43→40:60)で溶出し、標記化合物(250mg)を油状物として得た。
NMR(CDCl3)δ:2.56(3H,s),2.66(1H,br s),4.91(2H,d,J=6.1Hz),7.32-7.37(1H,m)、7.41-7.46(2H,m),7.60-7.64(2H,m).
MS(ESI)m/z:206(M+H).
【0205】
(3)1−{4−[(5−メチル−4−フェニル−2−チアゾリル)メトキシ]フェニル}−ピロリジン−2,5−ジオン
【0206】
【化44】

【0207】
(5−メチル−4−フェニル−2−チアゾリル)メタノール(50.0mg)をジクロロメタン(5ml)に溶解し、氷冷下に塩化チオニル(21.2μl)を加えた。反応液を50℃で1.5時間撹拌後、室温で16時間撹拌し、減圧下に濃縮した。残留物にジクロロメタンを加えて濃縮し、更にトルエンを加えて溶媒を留去し、2−クロロメチル−5−メチル−4−フェニルチアゾールを得た。4−オキソ−4−(4−ヒドロキシフェニルアミノ)酪酸メチルエステル(53.6mg)と水素化ナトリウム(11.5mg)をテトラヒドロフラン(5ml)に懸濁し、室温で15分間攪拌した後、50℃で15分間撹拌した。テトラヒドロフランを減圧下に濃縮し、残留物にN,N−ジメチルホルムアミド(5ml)を加え、60℃で5分撹拌後氷冷した。反応液に2−クロロメチル−5−メチル−4−フェニルチアゾールのN,N−ジメチルホルムアミド溶液(5ml)を加え室温で3.5時間撹拌し、水素化ナトリウム(11.5mg)を加えて室温で3日間撹拌した。反応液を減圧下に濃縮し得られた残留物を酢酸エチルと水に分配した。水層を酢酸エチルで3回抽出し、有機層を合わせて飽和食塩水で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去して得られた残留物を中圧分取用シリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサン/酢酸エチル(25:75→0:100)で溶出し、標記化合物(82.1mg)を油状物として得た。
NMR(CDCl3)δ:2.57(3H,s),2.89(4H,s),5.37(2H,s),7.09-7.13(2H,m),7.20-7.24(2H,m),7.34-7.38(1H,m),7.42-7.47(2H,m),7.61-7.65(2H,m).
MS(ESI)m/z:379(M+H).
【0208】
(4)4−オキソ−4−{4−[(5−メチル−4−フェニル−2−チアゾリル)メトキシ]フェニルアミノ}酪酸
【0209】
【化45】

【0210】
1−{4−[(5−メチル−4−フェニル−2−チアゾリル)メトキシ]フェニル}−ピロリジン−2,5−ジオン(45mg)をテトラヒドロフラン(5ml)に溶解し、水酸化リチウム(5.70mg)の水溶液(1ml)を加えて室温で5時間撹拌した。反応液を減圧下に濃縮し、得られた残留物を1規定塩酸水溶液で中和した後、ジクロロメタンで3回抽出した。有機層を合わせて飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去して標記化合物(32.5mg)を粉末として得た。
NMR(CDCl3)δ:2.47-2.50(4H,m),2.52(3H,s),5.33(2H,s),6.99(2H,d,J=9.3Hz),7.35-7.37(1H,m),7.42-7.50(4H,m),7.62-7.66(2H,m),9.91(1H,s).
MS(ESI)m/z:397(M+H).
【0211】
[製造例19]4−オキソ−4−{4−[(5−フェニル−4−トリフルオロメチル−2−チアゾリル)メトキシ]フェニルアミノ}酪酸
【0212】
(1)5−フェニル−4−トリフルオロメチルチアゾール−2−カルボン酸エチルエステル
【0213】
【化46】

【0214】
1,1,1−トリフルオロ−3−フェニルプロパン−2−オン(1.00g)をジクロロメタン(50ml)に溶解し、氷冷下に臭素(0.270ml)を加え室温で2時間撹拌した。反応液を40℃で3.5時間攪拌し、更に室温で20時間撹拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水を加え、水層をジクロロメタンで3回抽出した。有機層を合わせ飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去し油状物を得た。これをエタノール(20ml)に溶解し、アミノチオキソ酢酸エチルエステル(0.40g)を加えて室温で1時間攪拌した後、4時間加熱還流した。反応液を濃縮後、得られた残留物を中圧分取用シリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサン/酢酸エチル(85:15→50:50)で溶出し、標記化合物(0.423)を油状物として得た。
NMR(CDCl3)δ:1.46(3H,t,J=7.1Hz),4.52(2H,q,J=7.1Hz),7.46-7.50(5H,m).
MS(ESI)m/z:302(M+H).
【0215】
(2)(5−フェニル−4−トリフルオロメチル−2−チアゾリル)メタノール
【0216】
【化47】

【0217】
5−フェニル−4−トリフルオロメチルチアゾール−2−カルボン酸エチルエステル(0.2g)をテトラヒドロフラン(10ml)に溶解し、氷冷下に水素化ホウ素リチウム(14.5mg)を加え室温で3時間撹拌した。反応液に水を加えた後、減圧下に濃縮し、得られた残留物をジクロロメタンで抽出した。有機層を合わせ飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下に溶媒を留去し、得られた残留物を中圧分取用シリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサン/酢酸エチル(80:20→50:50)で溶出し、標記化合物(172mg)を粉末として得た。
NMR(CDCl3)δ:2.51(1H,t,J=6.1Hz),4.99(2H,d,J=6.1Hz),7.45(5H,s).
MS(ESI)m/z:260(M+H).
【0218】
(3)1−{4−[(5−フェニル−4−トリフルオロメチルチアゾール−2−イル)メトキシ]フェニル}ピロリジン−2,5−ジオン
【0219】
【化48】

【0220】
(5−フェニル−4−トリフルオロメチル−2−チアゾリル)メタノール(50.0mg)をジクロロメタン(5ml)に溶解し、氷冷下に塩化チオニル(141μl)を加えた。反応液を70℃で19時間撹拌し、減圧下に濃縮した。得られた残留物にジクロロメタンを加えて濃縮し、更にトルエンを加えて減圧濃縮して2−クロロメチル−5−フェニル−4−トリフルオロメチルチアゾールを得た。これに、4−オキソ−4−(4−ヒドロキシフェニルアミノ)酪酸メチルエステル(42.4mg)と炭酸カリウム(28.9mg)をN,N−ジメチルホルムアミド(5ml)に懸濁して加え、70℃で19時間撹拌した。反応液を減圧下に濃縮し得られた残留物を酢酸エチルと水に分配した。水層を酢酸エチルで3回抽出し、有機層を合わせて飽和食塩水で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去して得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサン/酢酸エチル(40:60→10:90)で溶出し、標記化合物(42.0mg)を油状物として得た。
NMR(CDCl3)δ:2.90(4H,s),5.39(2H,s),7.08-7.13(2H,m),7.23-7.27(2H,m),7.41-7.49(5H,m).
MS(ESI)m/z:433(M+H).
【0221】
(4)4−オキソ−4−{4−[(5−フェニル−4−トリフルオロメチル−2−チアゾリル)メトキシ]フェニルアミノ}酪酸
【0222】
【化49】

【0223】
1−{4−[(5−フェニル−4−トリフルオロメチル−2−チアゾリル)メトキシ]フェニル}ピロリジン−2,5−ジオン(42.0mg)をテトラヒドロフラン(5ml)に溶解し、水酸化リチウム(8.15mg)の水溶液(1ml)を加えて室温で2時間撹拌した。反応液を減圧下に濃縮し、得られた残留物を1規定塩酸水溶液で中和した後、クロロホルムで3回抽出した。有機層を合わせて飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去した。得られた残渣をエーテル−ヘキサン混合液に懸濁して攪拌後、析出した固体をろ取して標記化合物(28.0mg)を粉末として得た。
NMR(DMSO-d6)δ:2.49-2.52(4H,m),5.46(2H,s),7.03-7.06(2H,m),7.51-7.55(7H,m),9.89(1H,s).
MS(ESI)m/z:451(M+H).
【0224】
[製造例20]4−オキソ−4−{[4−(1,5−ジフェニル−1H−ピラゾール−3−イル)メトキシ]フェニルアミノ}酪酸
【0225】
(1)1,5−ジフェニル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸メチルエステル
【0226】
【化50】

【0227】
2,4−ジオキソ−4−フェニル酪酸メチルエステル(206mg)のメタノール溶液(10ml)に、フェニルヒドラジン(108mg)と濃塩酸(88μl)を加え、1.5時間加熱還流した。反応液を放冷後、飽和重曹水(20ml)と酢酸エチル(25m)を加えて分配し、有機層を分取後、飽和食塩水(20ml)で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮して、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサン/酢酸エチル(100:0→40:60)で溶出し、標記化合物(224mg)を固体として得た。
NMR(CDCl3)δ:3.98(3H,s),7.06(1H,s),7.20-7.37(10H,m).
MS(ESI)m/z:279(M+H).
【0228】
(2)(1,5−ジフェニル−1H−ピラゾール−3−イル)メタノール
【0229】
【化51】

【0230】
1,5−ジフェニル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸メチルエステル(218mg)のテトラヒドロフラン溶液(5ml)に、メタノール(38μl)と水素化ホウ素リチウム(21mg)を加え、1時間加熱還流した。反応液を放冷後、水(10ml)を加えて撹拌した後、クロロホルム(15ml×2)で抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮し、標記化合物(196mg)を固体として得た。
NMR(CDCl3)δ:2.20(1H,t,J=6.0Hz),4.80(2H,d,J=5.9Hz),6.52(1H,s),7.20-7.36(10H,m).
MS(ESI)m/z:251M+H).
【0231】
(3)3−クロロメチル−1,5−ジフェニル−1H−ピラゾール
【0232】
【化52】

【0233】
(1,5−ジフェニル−1H−ピラゾール−3−イル)メタノール(189mg)のジクロロメタン溶液(3ml)に、塩化チオニル(110μl)を加え、室温で21時間撹拌した。反応液を減圧濃縮し、得られた残渣に飽和重曹水(15ml)を加え、クロロホルム(15ml×2)で抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮することにより、標記化合物(208mg)を油状物として得た。
NMR(CDCl3)δ:4.71(2H,s),6.59(1H,s),7.21-7.36(10H,m).
MS(ESI)m/z:269(M+H).
【0234】
(4)4−オキソ−4−{[4−(1,5−ジフェニル−1H−ピラゾール−3−イル)メトキシ]フェニルアミノ}酪酸
【0235】
【化53】

【0236】
3−クロロメチル−1,5−ジフェニル−1H−ピラゾール(50mg)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液(3ml)に、4−オキソ−4−(4−ヒドロキシフェニルアミノ)酪酸メチルエステル(42mg)と炭酸カリウム(39mg)を加え、80℃で18時間加熱撹拌した。反応後、溶媒を減圧留去し、得られた残渣をメタノール(2ml)に溶解した後、1規定水酸化ナトリウム水溶液(372μl)を加え、室温で24時間撹拌した。反応液に1規定塩酸(10ml)を加え酸性とした後、クロロホルム(10ml×3)で抽出し、飽和食塩水(20ml)で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、クロロホルム/メタノール(50:1→30:1→10:1)で溶出し、標記化合物(41mg)を固体として得た。
NMR(DMSO-d6)δ:2.43-2.55(4H,m),5.08(2H,s),6.74(1H,s),7.01(2H,d,J=9.0Hz),7.21-7.44(10H,m),7.51(2H,d,J=9.0Hz),9.95(1H,s).
MS(ESI)m/z:443(M+H).
【0237】
[製造例21]4−オキソ−4−{[4−(1−tert−ブチル−5−フェニル−1H−ピラゾール−3−イル)メトキシ]フェニルアミノ}酪酸
【0238】
(1)1−tert−ブチル−5−フェニル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸メチルエステル
【0239】
【化54】

【0240】
2,4−ジオキソ−4−フェニル酪酸メチルエステル(206mg)のメタノール溶液(5ml)に、tert−ブチルヒドラジン塩酸(125mg)とトリエチルアミン(139ml)を加え、21時間加熱還流した。反応液を減圧濃縮後、飽和重曹水(25ml)と酢酸エチル(25m)に分配し、有機層を飽和食塩水(25ml)で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮して得られた残渣を分取用シリカゲル薄層クロマトグラフィーに付しヘキサン/酢酸エチル(8:1)で展開し、標記化合物(149mg)を固体として得た。
NMR(CDCl3)δ:1.50(9H,s),3.92(3H,s),6.69(1H,s),7.32-7.46(5H,m).
MS(ESI)m/z:259(M+H).
【0241】
(2)(1−tert−ブチル−5−フェニル−1H−ピラゾール−3−イル)メタノール
【0242】
【化55】



【0243】
1−tert−ブチル−5−フェニル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸メチルエステル(148mg)のテトラヒドロフラン溶液(5ml)に、メタノール(54μl)と水素化ホウ素リチウム(29mg)を加え、3時間加熱還流した。放冷後、反応液に水(15ml)を加え、しばらく撹拌した後、クロロホルム(15ml×2)で抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮して標記化合物(130mg)を固体として得た。
NMR(CDCl3)δ:1.44(9H,s),2.16(1H,t,J=5.7Hz),4.70(2H,d,J=5.6Hz),6.12(1H,s),7.31-7.41(5H,m).
MS(ESI)m/z:231(M+H).
【0244】
(3)1−tert−ブチル−3−クロロメチル−5−フェニル−1H−ピラゾール
【0245】
【化56】

【0246】
(1−tert−ブチル−5−フェニル−1H−ピラゾール−3−イル)メタノール(124mg)のジクロロメタン溶液(3ml)に、塩化チオニル(79μl)を加え、室温で17時間撹拌した。反応液を減圧濃縮し、得られた残渣に飽和重曹水(20ml)を加え、クロロホルム(15ml×2)で抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮し標記化合物(208mg)を固体として得た。
NMR(CDCl3)δ:1.44(9H,s),4.64(2H,s),6.20(1H,s),7.32-7.43(5H,m).
MS(ESI)m/z:249(M+H).
【0247】
(4)4−オキソ−4−{[4−(1−tert−ブチル−5−フェニル−1H−ピラゾール−3−イル)メトキシ]フェニルアミノ}酪酸
【0248】
【化57】

【0249】
1−tert−ブチル−3−クロロメチル−5−フェニル−1H−ピラゾール(50mg)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液(3ml)に、4−オキソ−4−(4−ヒドロキシフェニルアミノ)酪酸メチルエステル(45mg)と炭酸カリウム(42mg)を加え、80℃で16時間撹拌した。反応後、溶媒を減圧留去し、得られた残渣をメタノール(3ml)に溶解した後、1規定水酸化ナトリウム水溶液(402μl)を加え、室温で29時間、さらに1規定水酸化ナトリウム水溶液(402μl)を加えて、50℃で4時間撹拌した。反応液に1規定塩酸(10ml)と飽和食塩水(10ml)を加えて酸性とした後、クロロホルム(10mL×3)で抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮して、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、クロロホルム/メタノール(20:1)で溶出し標記化合物(59mg)を固体として得た。
NMR(DMSO-d6)δ:1.39(9H,s),2.48-2.54(4H,m),4.95(2H,s),6.24(1H,s),6.98(2H,d,J=9.0Hz),7.36-7.52(7H,m),9.83(1H,s).
MS(ESI)m/z:422(M+H).
【0250】
[製造例22]4−オキソ−4−{[4−(1−フェニル−5−トリフルオロメチル−1H−ピラゾール−3−イル)メトキシ]フェニルアミノ}酪酸
【0251】
(1)5,5,5−トリフルオロ−4−(1−ピロリジニル)−2−ペンテン−2,4−ジオール
【0252】
【化58】

【0253】
1,1,1−トリフルオロペンタン−2,4−ジオン(3.85g)のヘキサン溶液(40ml)に、氷冷下、ピロリジン(2.09ml)を滴下し、同温度で30分間撹拌した。析出した固体を濾取し、ヘキサンにて洗浄することにより、標記化合物(4.66g)を固体として得た。
NMR(CDCl3)δ:1.89-1.95(4H,m),1.99(3H,s),3.20-3.25(4H,m),5.47(1H,s).
【0254】
(2)3−メチル−1−フェニル−5−トリフルオロメチル−1H−ピラゾール
【0255】
【化59】

【0256】
フェニルヒドラジン(20mmol)のテトラヒドロフラン溶液(25ml)に、5,5,5−トリフルオロ−4−(1−ピロリジニル)−2−ペンテン−2,4−ジオール(4.50g)を加え、室温で19時間撹拌した。反応液を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサン/酢酸エチル(100:0→70:30)で溶出した。得られた化合物をジクロロメタン(50ml)に溶解し、濃塩酸(100μl)を加え、室温で1時間撹拌した。反応液を飽和重曹水(50ml)で洗い、水層をクロロホルム(20ml×2)で抽出した。合わせた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付しヘキサン/酢酸エチル(100:0→85:15)で溶出し標記化合物(2.02g)を油状物として得た。
NMR(CDCl3)δ:2.36(3H,s),6.60(1H,s),7.44-7.48(5H,m).
MS(ESI)m/z:227(M+H).
【0257】
(3)3−ブロモメチル−1−フェニル−5−トリフルオロメチル−1H−ピラゾール
【0258】
【化60】

【0259】
3−メチル−1−フェニル−5−トリフルオロメチル−1H−ピラゾール(679mg)の四塩化炭素溶液(25ml)に、N−ブロモコハク酸イミド(641mg)と過酸化ベンゾイル(19mg)を加え、21時間加熱還流した。反応液を室温まで放冷後、不溶物を濾去し、ろ液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサン/酢酸エチル(30:1)で溶出し標記化合物(315mg)を油状物として得た。
NMR(CDCl3)δ:4.52(2H,s),6.88(1H,s),7.47-7.50(5H,m).
MS(ESI)m/z:305(M+H).
【0260】
(4)1−{4−[(1−フェニル−5−トリフルオロメチル−1H−ピラゾール−3−イル)メトキシ]フェニル}ピロリジン−2,5−ジオン
【0261】
【化61】

【0262】
3−ブロモメチル−1−フェニル−5−トリフルオロメチル−1H−ピラゾール(122mg)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液(5ml)に、4−オキソ−4−(4−ヒドロキシフェニルアミノ)酪酸メチルエステル(89mg)と炭酸カリウム(0.60mmol)を加え、60℃で14時間撹拌した。反応液を室温まで放冷後、飽和重曹水(15ml)と酢酸エチル(30ml)を加えた後、有機層を分取した。得られた有機層を飽和食塩水(20ml×3)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサン/酢酸エチル(90:10→30:70)で溶出して標記化合物(140mg)を非晶質固体として得た。
NMR(CDCl3)δ:2.88-2.90(4H,m),5.18(2H,s),6.93(1H,s),7.11(2H,d,J=8.8Hz),7.22(2H,d,J=8.8Hz),7.48-7.51(5H,m).
MS(ESI)m/z:416(M+H).
【0263】
(5)4−オキソ−4−{[4−(1−フェニル−5−トリフルオロメチル−1H−ピラゾール−3−イル)メトキシ]フェニルアミノ}酪酸
【0264】
【化62】



【0265】
1−{4−[(1−フェニル−5−トリフルオロメチル−1H−ピラゾール−3−イル)メトキシ]フェニル}ピロリジン−2,5−ジオン(133mg)のメタノール溶液(5ml)に、1規定水酸化ナトリウム水溶液(480μl)を加え、50℃で30分間撹拌した。反応液を室温まで放冷後、1規定塩酸(10ml)を加えて酸性とした後、クロロホルム(20ml)で抽出した。さらに、水層に飽和食塩水(20ml)を加えてテトラヒドロフラン(20ml×2)で抽出した。抽出液を合わせ、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣を逆相分取HPLCで精製し標記化合物(95mg)を固体として得た。
NMR(DMSO-d6)δ:2.47-2.52(4H,m),5.09(2H,s),6.98(2H,d,J=9.0Hz),7.23(1H,s),7.50-7.56(7H,m),9.84(1H,s).
MS(ESI)m/z:434(M+H).
【0266】
[製造例23]4−オキソ−4−(4−{1−[(E)−4−ビフェニルメトキシイミノ]エチル}フェニルアミノ)酪酸
【0267】
(1)4−オキソ−4−(4−アセチルフェニルアミノ)酪酸エチルエステル
【0268】
【化63】

【0269】
p−アミノアセトフェノン(2.70g)をジクロロメタン(100ml)に溶解し、トリエチルアミン(8.4ml)を加えた。0℃にて4−クロロ−4−オキソ酪酸エチルエステル(4.3ml)を滴下し5分間撹拌した。反応液に氷を加え15分撹拌した後、反応液をエーテル(50ml)と飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(50ml)に分配し、エーテル(150mL)で抽出した。有機層を飽和食塩水(50ml)で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を減圧留去した。得られた固体をヘキサン−酢酸エチルから再結晶して標記化合物(3.50g)を針状晶として得た。
NMR(CDCl3)δ:1.28(3H,t,J=7.2Hz),2.57(3H,s),2.69(2H,m),2.77(2H,m),4.18(2H,q,J=7.2H),7.61(2H,m),7.93(2H,m),7.96(1H,br).
MS(ESI)m/z:264(M+H).
【0270】
(2)4−オキソ−4−[4−(1−ヒドロキシイミノエチル)フェニルアミノ]酪酸エチルエステル
【0271】
【化64】

【0272】
4−オキソ−4−(4−アセチルフェニルアミノ)酪酸エチルエステル(1.05g)、ヒドロキシルアミン塩酸塩(387mg)および酢酸ナトリウム(492mg)をエタノール(10ml)と水(5ml)の混合液に溶解し4時間加熱還流した。反応混合物を室温まで冷却し、酢酸エチル(20ml)と0.5規定塩酸(20ml)を加えて有機層を分取した。さらに、水層を酢酸エチル(100ml)で抽出し、有機層を合わせた後、水(20ml)、飽和食塩水(20ml)で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた固体をヘキサン−酢酸エチルから再結晶して標記化合物(857mg)(E/Z異性体4:1の混合物)を針状晶として得た。
<E-isomer>
NMR(CDCl3)δ:1.27(3H,t,J=7.2Hz),2.25(3H,s),2.67-2.77(4H,m),3.34(1H,br),4.16(2H,q,J=7.2H),7.55-7.59(4H,m).
【0273】
(3)1−(4−{1−[(E)−4−ビフェニルメトキシイミノ]エチル}フェニル)ピロリジン−2,5−ジオン
【0274】
【化65】

【0275】
4−オキソ−4−[4−(1−ヒドロキシイミノエチル)フェニルアミノ]酪酸エチルエステル(139mg)をN,N−ジメチルホルムアミド(5.0ml)に溶解し、0℃で4−クロロメチルビフェニル(111mg)と炭酸セシウム(163mg)を加え、室温で12時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチル(10ml)と水(10ml)の混合液に注ぎ、酢酸エチル(30ml)を加えて抽出した。有機層を飽和食塩水(10ml)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサン/酢酸エチル(3:2)〜ジクロロメタン/酢酸エチル(4:1)で溶出し標記化合物(117mg)を固体として得た。
NMR(CDCl3)δ:2.28(3H,s),2.90(4H,s),5.28(2H,s),7.30-7.36(3H,m),7.42-7.50(4H,m),7.59-7.61(4H,m),7.78(2H,m).
MS(ESI)m/z:399(M+H).
【0276】
(4)4−オキソ−4−(4−{1−[(E)−4−ビフェニルメトキシイミノ]エチル}フェニルアミノ)酪酸
【0277】
【化66】

【0278】
1−(4−{1−[(E)−4−ビフェニルメトキシイミノ]エチル}フェニル)ピロリジン−2,5−ジオン(117mg)をテトラヒドロフラン(8ml)と水(4ml)の混合液に懸濁させ、水酸化リチウム一水和物(49mg)を加え15分間撹拌した。1規定塩酸(5ml)を加えて反応液を酸性とし、酢酸エチル(30ml)で抽出した。有機層を飽和食塩水(5ml)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた固体を酢酸エチルから再結晶して標記化合物(70mg)を針状晶として得た。
NMR(DMSO-d6)δ:2.21(3H,s),2.49-2.57(4H,m),5.22(2H,s),7.36(1H,m),7.44-7.50(4H,m),7.61(4H,s),7.66-7.68(4H,m),10.1(1H,br).
MS(ESI)m/z:417(M+H).
【0279】
[製造例24](R)−3−ヒドロキシ−4−オキソ−4−{4−[(4,5−ジフェニル−2−チエニル)メトキシ]フェニルアミノ}酪酸
【0280】
(1)(E,Z)−3−クロロ−2,3−ジフェニルプロペナール
【0281】
【化67】

【0282】
N,N−ジメチルホルムアミド(14ml)に、氷冷下、オキシ塩化リン(7.4ml)を滴下後、室温で30分間攪拌した。1,2−ジフェニルエタノン(5.21g)を加えて65℃で20時間攪拌した。反応液を氷水(250ml)に注ぎ、飽和酢酸ナトリウム水溶液(150ml)を加えて攪拌した。ジクロロメタン(3×150ml)で抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサン/酢酸エチル(10:1)で溶出し標記化合物(5.79g)を固体として得た。
NMR(CDCl3)δ:6.97-7.00(1H,m),7.18-7.34(3H,m),7.36-7.64(4H,m),8.09-8.13(2H,m),9.67,10.60(各0.5H,s)
【0283】
(2)4,5−ジフェニルチオフェン−2−カルボン酸エチルエステル
【0284】
【化68】

【0285】
窒素雰囲気下、水素化ナトリウム(55%オイルサスペンジョン)(1.17g)をテトラヒドロフラン(50ml)に懸濁し、メルカプト酢酸エチルエステル(3.24g)を滴下した。得られた反応液に、(E,Z)−3−クロロ−2,3−ジフェニルプロペナール(5.69g)のテトラヒドロフラン溶液(50ml)を滴下し、室温で3日間攪拌した。水素化ナトリウム(55%オイルサスペンジョン)(0.234g)を追加し、さらに室温で4時間攪拌した。反応液に酢酸エチル(200ml)を加え、得られた溶液を水(3×150ml)で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮し標記化合物(6.78g)を油状物として得た。
NMR(CDCl3)δ:1.39(3H,t,J=7.1Hz),4.38(2H,q,J=7.1Hz),7.24-7.40(10H,m),7.90(1H,s).
MS(ESI)m/z:309(M+H).
【0286】
(3)(4,5−ジフェニル−2−チエニル)メタノール
【0287】
【化69】

【0288】
4,5−ジフェニルチオフェン−2−カルボン酸エチルエステル(4.33g)をテトラヒドロフラン(80ml)に溶解し、水素化ホウ素リチウム(765mg)を加えて16時間加熱還流した。反応液を氷冷し、水(50ml)を加え、1規定塩酸を発泡しなくなるまで加えた。酢酸エチル(300ml)で抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥して溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサン/酢酸エチル(100:0→1:1)で溶出し標記化合物(3.30g)をワックス状物質として得た。
NMR(CDCl3)δ:4.85(2H,s),7.07(1H,s),7.22-7.30(10H,m).
【0289】
(4)5−(4−ニトロフェノキシメチル)−2,3−ジフェニルチオフェン
【0290】
【化70】

【0291】
(4,5−ジフェニル−2−チエニル)メタノール(266mg)をジクロロメタン(30ml)に溶解し、塩化チオニル(109μl)を加えて18時間加熱還流した。塩化チオニル(1.0ml)を追加し、さらに6時間加熱還流して濃縮乾固した。残渣をN,N−ジメチルホルムアミド(10ml)に溶解し、p−ニトロフェノール(139mg)、炭酸カリウム(159mg)を加えて70℃で12時間攪拌した。溶媒を留去し、残渣に酢酸エチル(100ml)を加えて、得られた溶液を水(3×50ml)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧乾固して標記化合物(367.4mg)を油状物として得た。
NMR(CDCl3)δ:5.33(2H,s),7.09(2H,d,J=9.3Hz),7.20(1H,s),7.24-7.31(10H,m),8.24(2H,d,J=9.3Hz).
【0292】
(5)4−[(4,5−ジフェニル−2−チエニル)メトキシ]フェニルアミン
【0293】
【化71】

【0294】
5−(4−ニトロフェノキシメチル)−2,3−ジフェニルチオフェン(369mg)をテトラヒドロフラン(30ml)に溶解し、メタノール(1.0ml)、水素化ホウ素リチウム(125mg)を加えて一晩加熱還流した。さらに、反応液に水素化ホウ素リチウム(208mg)を加えて4時間加熱還流した。続いて、水素化ホウ素リチウム(415mg)を加えた後、メタノール(2ml)とテトラヒドロフラン(8ml)の混合液を滴下してさらに14時間加熱還流した。反応液を氷冷し、水(50ml)を加えた後、1規定塩酸を発泡が止むまで加えた。1規定水酸化ナトリウム水溶液で中和し、ジクロロメタン(3×100ml)で抽出し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥して溶媒を留去した。残留物を中圧シリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサン/酢酸エチル(75:25→60:40)で溶出し標記化合物(217mg)を油状物として得た。
NMR(DMSO-d6)δ:5.15(2H,d,J=0.7Hz),6.66(2H,d,J=8.8Hz),6.87(2H,d,J=8.8Hz),7.13(1H,t,J=0.7Hz),7.21-7.30(10H,m).
【0295】
(6)(R)−3−ヒドロキシ−4−オキソ−4−{4−[(4,5−ジフェニル−2−チエニル)メトキシ]フェニルアミノ}酪酸
【0296】
【化72】

【0297】
(R)−2,5−ジオキソテトラヒドロフラン−3−イル トリフルオロアセテート(21.8mg)に4−[(4,5−ジフェニル−2−チエニル)メトキシ]フェニルアミン(35.7mg)のテトラヒドロフラン溶液(1.0ml)を加え、室温で一晩撹拌した。反応液を濃縮後、逆相分取HPLCで精製し標記化合物(20.6mg)をアモルファスとして得た。
NMR(DMSO-d6)δ:2.46(1H,dd,J=15.7,8.6Hz),2.71(1H,dd,J=15.7,4.2Hz),4.37(1H,dd,J=8.6,4.2Hz),5.29(2H,s),7.01(2H,d,J=9.1Hz),7.22-7.34(11H,m),7.64(2H,d,J=9.1Hz),9.66(1H,s).
【0298】
[製造例25](S)−3−ヒドロキシ−4−オキソ−4−{4−[(4,5−ジフェニル−2−チエニル)メトキシ]フェニルアミノ}酪酸
【0299】
【化73】

【0300】
(S)−2,5−ジオキソテトラヒドロフラン−3−イル トリフルオロアセテート(21.8mg)に4−[(4,5−ジフェニル−2−チエニル)メトキシ]フェニルアミン(35.7mg)のテトラヒドロフラン溶液(1.0ml)を加え、室温で一晩撹拌した。反応液を濃縮後、逆相分取HPLCで精製し標記化合物(20.2mg)をアモルファスとして得た。
NMR(DMSO-d6)δ:2.46(1H,dd,J=15.9,8.6Hz),2.71(1H,dd,J=15.9,4.2Hz),4.37(1H,dd,J=8.6,4.2Hz),5.29(2H,s),7.01(2H,d,J=9.1Hz),7.23-7.34(11H,m),7.63(2H,d,J=9.1Hz),9.66(1H,s).
【0301】
[製造例26]4−オキソ−4−{4−[(4,5−ジフェニル−2−チエニル)メトキシ]フェニルアミノ}酪酸
【0302】
【化74】

【0303】
無水コハク酸(10.0mg)に4−[(4,5−ジフェニル−2−チエニル)メトキシ]フェニルアミン(35.7mg)のテトラヒドロフラン溶液(1.0ml)を加え、室温で一晩撹拌した。反応液を濃縮後、逆相分取HPLCで精製し標記化合物(30.9mg)をアモルファスとして得た。
NMR(CDCl3)δ:2.69(2H,t,J=6.6Hz),28.0(2H,t,J=6.6Hz),5.21(2H,s),6.98(2H,d,J=8.8Hz),7.15(1H,s),7.24-7.29(10H,m),7.37(1H,br s),7.43(2H,d,J=8.8Hz).
【0304】
[製造例27](R)−2−ヒドロキシ−4−オキソ−4−{4−[(4,5−ジフェニル−2−チエニル)メトキシ]フェニルアミノ}酪酸
【0305】
【化75】

【0306】
(R)−2,5−ジオキソテトラヒドロフラン−3−イル トリフルオロアセテート(218mg)のメタノール溶液(0.5ml)を室温で16時間振とう後、濃縮した。残渣に4−[(4,5−ジフェニル−2−チエニル)メトキシ]フェニルアミン(35.7mg)のテトラヒドロフラン溶液(1.0ml)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(19.2mg)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(6.8mg)およびトリエチルアミン(14μl)のテトラヒドロフラン溶液(2ml)を加えて室温で24時間攪拌した。反応液にN,N−ジメチルホルムアミド(1ml)を加えて3日間攪拌した。続いて、反応液に1規定水酸化ナトリウム水溶液(250μl)を加えて2日間攪拌した。1規定塩酸(250μl)を加えて1時間攪拌後、溶媒を留去した。得られた残渣を逆相分取HPLCで精製し標記化合物(6.6mg)をアモルファスとして得た。
NMR(DMSO-d6)δ:2.65(1H,dd,J=15.0,4.4Hz),4.37(1H,dd,J=8.6,4.4Hz),5.28(2H,s),7.01(2H,d,J=9.1Hz),7.20-7.37(11H,m),7.53(2H,d,J=9.1Hz),9.86(1H,s).
【0307】
[製造例28](S)−2−ヒドロキシ−4−オキソ−4−{4−[(4,5−ジフェニル−2−チエニル)メトキシ]フェニルアミノ}酪酸
【0308】
【化76】

【0309】
(S)−2,5−ジオキソテトラヒドロフラン−3−イル トリフルオロアセテート(218mg)のメタノール溶液(0.5ml)を室温で16時間振とう後、濃縮した。残渣に4−[(4,5−ジフェニル−2−チエニル)メトキシ]フェニルアミン(35.7mg)のテトラヒドロフラン溶液(1.0ml)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(19.2mg)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(6.8mg)およびトリエチルアミン(14μl)のテトラヒドロフラン溶液(2ml)を加えて室温で24時間攪拌した。反応液にN,N−ジメチルホルムアミド(1ml)を加えて3日間攪拌した。続いて、反応液に1規定水酸化ナトリウム水溶液(250μl)を加えて2日間攪拌した。1規定塩酸(250μl)を加えて1時間攪拌後、溶媒を留去した。残渣を逆相分取HPLCで精製し標記化合物(6.6mg)をアモルファスとして得た。
NMR(DMSO-d6)d:2.65(1H,dd,J=14.6,4.4Hz),4.37(1H,dd,J=7.8,4.4Hz),5.28(2H,s),7.01(2H,d,J=9.1Hz),7.20-7.34(11H,m),7.53(2H,d,J=9.1Hz),9.86(1H,s).
【0310】
[製造例29]3−{4−[(4−フェニル−5−トリフルオロメチルチオフェン−2−イル)メトキシ]ベンゾイルアミノ}プロピオン酸
【0311】
(1)4−[(4−フェニル−5−トリフルオロメチル−チオフェン−2−イル)メトキシ]安息香酸メチルエステル
【0312】
【化77】

【0313】
製造例16と同様にして(4−フェニル−5−トリフルオロメチル−2−チエニル)メタノール(293mg)から合成した5−クロロメチル−3−フェニル−2−トリフルオロメチルチオフェンと4−ヒドロキシ安息香酸メチルエステル(172mg)、炭酸カリウム(172mg)、N,N−ジメチルホルムアミド(15ml)を混合し、70℃で16時間攪拌した。溶媒を留去し、残渣に酢酸エチル(50ml)を加えて水(3×30ml)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去した。残渣を中圧シリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサン/酢酸エチル(80:20→60:40)で溶出し標記化合物(5.79g)を油状物として得た。
NMR(CDCl3)δ:3.90(3H,s),5.28(2H,s),7.01(2H,d,J=8.6Hz),7.26(1H,d,J=0.5Hz),7.43-7.40(10H,m),8.03(2H,d,J=8.6Hz).
【0314】
(2)4−[(4−フェニル−5−トリフルオロメチル−チオフェン−2−イル)メトキシ]安息香酸
【0315】
【化78】

【0316】
4−[(4−フェニル−5−トリフルオロメチル−チオフェン−2−イル)メトキシ]安息香酸メチルエステル(402.5mg)をメタノール(30ml)に溶解し、1規定水酸化ナトリウム水溶液(2.06ml)を加えて4時間加熱還流した。1規定水酸化ナトリウム水溶液(3.0ml)を追加し、さらに18時間加熱還流した。メタノールを留去し、水(50ml)を加えて1規定塩酸でpH2とし、酢酸エチル(100ml)で抽出した。有機層を飽和食塩水(3×30ml)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し溶媒を留去して標記化合物(381mg)を粉末として得た。
NMR(CDCl3)δ:5.31(2H,s),7.05(2H,d,J=8.8Hz),7.11(1H,s),7.29-7.39(10H,m),8.09(2H,d,J=8.8Hz).
【0317】
(3)3−{4−[(4−フェニル−5−トリフルオロメチル−チオフェン−2−イル)メトキシ]ベンゾイルアミノ}プロピオン酸
【0318】
【化79】

【0319】
4−[(4−フェニル−5−トリフルオロメチル−チオフェン−2−イル)メトキシ]安息香酸(37.8mg)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(19.2mg)、N−ヒドロキシコハク酸イミド(11.5mg)、N,N−ジメチルホルムアミド(1.0ml)を混合し、室温で24時間攪拌した。β−アラニン(17.8mg)とジイソプロピルエチルアミン(35μl)を加えて24時間攪拌後、ジイソプロピルエチルアミン(70μl)を追加してさらに24時間攪拌した。反応液を80℃で3日間攪拌した。溶媒を留去し、残渣を逆相分取HPLCで精製し標記化合物(6.8mg)をアモルファスとして得た。
NMR(CDCl3)δ:2.74(2H,t,J=5.9Hz),3.74(2H,q,J=5.9Hz),5.27(2H,s),6.69(1H,br s),7.02(2H,d,J=8.8Hz),7.10(1H,s),7.40-7.43(5H,m),7.76(2H,d,J=8.8Hz).
MS(ESI)m/z:450(M+H).
【0320】
[製造例30]2−ヒドロキシ−3−{4−[(4−フェニル−5−トリフルオロメチルチオフェン−2−イル)メトキシ]ベンゾイルアミノ}プロピオン酸
【0321】
【化80】

【0322】
4−[(4−フェニル−5−トリフルオロメチル−チオフェン−2−イル)メトキシ]安息香酸(37.8mg)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(19.2mg)、N−ヒドロキシコハク酸イミド(11.5mg)、N,N−ジメチルホルムアミド(1.0ml)を混合し、室温で24時間攪拌した。dl−イソセリン(21.0mg)とジイソプロピルエチルアミン(35μl)を加えて24時間攪拌後、ジイソプロピルエチルアミン(70μl)を追加してさらに24時間攪拌した。反応液を80℃で3日間攪拌した。溶媒を留去し、残渣を逆相分取HPLCで精製し標記化合物(15.3mg)をアモルファスとして得た。
NMR(DMSO-d6)δ:3.41-3.34(1H,m),3.55(1H,dt,J=13.0,4.9Hz),4.15(1H,dd,J=7.4,4.9Hz),5.47(2H,s),7.13(2H,d,J=8.8Hz),7.41-7.51(6H,m),7.85(2H,d,J=8.8Hz),8.38(1H,t,J=5.6Hz).
MS(ESI)m/z:466(M+H).
【0323】
[製造例31]3−メチル−3−{4−[(4−フェニル−5−トリフルオロメチルチオフェン−2−イル)メトキシ]ベンゾイルアミノ}プロピオン酸
【0324】
【化81】

【0325】
4−[(4−フェニル−5−トリフルオロメチル−チオフェン−2−イル)メトキシ]安息香酸(37.8mg)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(19.2mg)、N−ヒドロキシコハク酸イミド(11.5mg)、N,N−ジメチルホルムアミド(1.0ml)を混合し、室温で24時間攪拌した。dl−β−アミノ酪酸(20.6mg)とジイソプロピルエチルアミン(35μl)を加えて24時間攪拌後、ジイソプロピルエチルアミン(70μl)を追加してさらに24時間攪拌した。反応液を80℃に加熱し、3日間攪拌した。溶媒を留去し、残渣を逆相分取HPLCで精製し標記化合物(26.3mg)をアモルファスとして得た。
NMR(CDCl3)δ:1.38(3H,d,J=6.9Hz),2.70(2H,ddd,J=23.6,16.0,5.1Hz),4.52-4.61(1H,m),5.27(2H,s),6.70(1H,d,J=8.3Hz),7.01(2H,d,J=8.8Hz),7.09(1H,s),7.39-7.44(5H,m),7.76(2H,d,J=8.8Hz).
MS(ESI)m/z:464(M+H).
【0326】
〔試験方法〕
1.被験物質のin vitro評価:
【0327】
(1)HA-Gqi5 DNAのクローニング
HA-Gqi5発現CHO細胞(Molecular Devices社より購入)より、DNeasy Tissue Kit(QIAGEN)を用いてgenomic DNAを抽出した。抽出液を鋳型として、KOD plus DNA polymerase(TOYOBO)を用いてPCRを行った。目的とするPCR産物を精製およびblunting kination処理(BKL Kit:タカラバイオ)し、pUC118/HincII-BAP(タカラバイオ)とligationを行った。Ligation mixを大腸菌DH5α(TOYOBO)に導入し、PCR法によって陽性クローンを選択した後、HA-Gqi5 DNAを組込んだプラスミドを得た。
【0328】
(2)HA-Gqi5発現プラスミドの構築
pUC118に組込まれたHA-Gqi5遺伝子を制限酵素で切り出し精製した後に、発現プラスミドpcDNA3.1Hygro(+)(Invitrogen)とligationを行った。次に、大腸菌DH5αに導入して陽性クローンを選択した後に、HA-Gqi5発現プラスミドを得た。
【0329】
(3)HA-Gqi5発現CHO細胞の作成
CHO-K1細胞にFugene6(ロッシュ・ダイアグノスティックス株式会社)試薬を用いて(2)で得たHA-Gqi5発現プラスミドを導入して、hygromycinを用いて細胞の選抜を行った。細胞は2回のクローニングを行い、抗HA抗体を用いたウエスタンブロッティング法によってHA-Gqi5発現CHO細胞を選択した。
【0330】
(4)ヒトS1P1(EDG-1)のクローニング
ヒトS1P1(EDG-1)のcDNAクローン(open biosystems, cDNA collection #4071217)を鋳型にして、ヒトS1P1(EDG-1)DNAをPCRで得た。このPCR産物をpUC118に組込んだ後、site-directed mutagenesis kit(STRATAGENE)により目的配列(The Journal of Biological Chemistry Vol.265, No.16, 9308-9313, 1990)のDNAを組込んだプラスミドを得た。
【0331】
(5)ヒトS1P1(EDG-1)発現プラスミドの構築
pUC118に組込まれたヒトS1P1(EDG-1)遺伝子(The Journal of Biological Chemistry Vol.265, No.16, 9308-9313, 1990)を制限酵素で切り出し精製した後に、発現プラスミドpcDNA3.1/mycHisA(Invitrogen)とligationを行った。次に、大腸菌DH5αに導入して陽性クローンを選択した後に、ヒトS1P1(EDG-1)発現プラスミドを得た。
【0332】
(6)ヒトS1P1(EDG-1)発現CHO細胞の作成
(3)で得たHA-Gqi5発現CHO細胞にFugene6(ロッシュ・ダイアグノスティックス株式会社)試薬を用いてS1P1(EDG-1)発現プラスミドを導入して、G418を用いて細胞の選抜を行った。細胞は2回のクローニングを行い、S1P刺激によって細胞内カルシウムが上昇する細胞を選択した。
【0333】
(7)細胞内カルシウムフラックスアッセイ
(6)で得た、ヒトS1P1(EDG-1)を導入したGqi5蛋白発現CHO細胞を黒色底面透明96穴プレートに2.5×104cell/wellで播種して一晩培養し、血清不含培地で1回洗浄した後に、2.5mM probenicid、0.25%脂肪酸不含BSAを含むアッセイ用緩衝液(カルシウムアッセイキット、Molecular Devices)100μLを加えて37℃および5%CO2で1時間反応させた。最終試験濃度の5倍の濃度を生じるように、試験化合物を希釈した液25μLを添加して細胞内カルシウム濃度変化をFLEXstation II(Molecular Devices)で測定して、細胞内カルシウム濃度の最小値と最大ピーク値の差として求めた。測定値より作成したシグモイド曲線から、S1P1(EDG-1)受容体に対するアゴニスト活性として、EC50値を算出した。
【0334】
2.被験物質のin vivo評価(化合物投与後のマウス末梢血中リンパ球数減少試験):
S1P受容体アゴニスト投与後のマウスにおいて、末梢血中のリンパ球が減少することが報告されている(SCIENCE, 296, 346-349(2002))。本評価法を用いて、被検化合物の評価を実施した。被検物質6mgを、MC(メチルセルロース)溶液2mlに懸濁あるいは溶解(濃度3mg/ml)した後に、マウス体重20gあたり0.2ml(投与量として30mg/kg)を経口投与した。
【0335】
経口投与4時間後に、エーテル麻酔下で抗凝固剤としてEDTAを用いて後大静脈より採血(0.5ml)した。末梢血中のリンパ球数は総合血液学検査装置ADVIA120(バイエルメディカル)で決定した。被検薬の薬理作用はコントロール(溶媒投与)群に対する被検薬投与群の平均末梢血リンパ球数の比T/C(%)で効果を判定した。
T/C(%)の計算式:
T/C(%)=(被検薬投与群の平均末梢血リンパ球数)/(溶媒投与群の平均末梢血リンパ球数)×100
【0336】
〔試験結果〕
前記試験方法に従って、製造例化合物について試験した結果を表1に示す。
【0337】
【表1】

【0338】
本発明の医薬組成物に含有される化合物は、S1P1受容体に対するアゴニスト活性を有し、かつ、経口投与で末梢血中リンパ球数を減少させ、有効性を示した。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I)
【化1】


[式中、
Vは−NH−CO−または−CO−NH−(ここで、各基の左側の結合手が一般式(I)中のフェニレン基と結合していることを表す)を表し、
Aは−COOR(ここで、Rは水素原子、または置換基を有していてもよいC1〜C5の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基を表す)、またはテトラゾール−5−イル基を表し、
、R、RおよびRは、それぞれ独立して水素原子、水酸基、アミノ基、またはC1〜C5の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基を表し、
およびRは、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいC1〜C5の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基、または置換基を有していてもよいC1〜C5の直鎖もしくは分岐鎖のアルコキシ基を表し、
Qは−CHO−、−CH−CH−、−CH=CH−、−CH−O−N=CR−、−CONR−、−NR10CO−、−CHNR11CO−または−CHCHNR12CO−(ここで、各基の左側の結合手が一般式(I)中のYと結合していることを表し、R、R、R10、R11およびR12は、それぞれ独立して水素原子、またはC1〜C5の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基を表す)を表し、
Yは、ベンゼン、および5〜6員環の芳香族複素環からなる群より選ばれる1つから形成される2価の基(これらの基は置換基を1つ有していてもよい)を表し、
Zは置換基を有していてもよいフェニル基、または置換基を有していてもよい5〜6員環の芳香族複素環基を表す]
で表される化合物、その塩、またはそれらの溶媒和物を有効成分として含有する医薬組成物。
【請求項2】
一般式(I)におけるZが置換基を有していてもよいフェニル基である請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
一般式(I)におけるYが、フラン、チオフェン、オキサゾール、チアゾール、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾール、ベンゼン、ピリジン、ピリダジンおよびピリミジンからなる群より選ばれる1つから形成される2価の基(これらの基は置換基を1つ有していてもよい)である請求項1または2に記載の医薬組成物。
【請求項4】
一般式(I)におけるYが、チオフェン、チアゾールおよびピラゾールからなる群より選ばれる1つから形成される2価の基(これらの基は置換基を1つ有していてもよい)である請求項1〜3のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項5】
一般式(I)におけるYがチオフェンから形成される2価の基(この基は置換基を1つ有していてもよい)である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項6】
一般式(I)におけるYが、フェニル基、C1〜C5の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基、およびハロゲン原子で置換されたC1〜C5の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基からなる群より選ばれる1つの基で置換された基である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項7】
一般式(I)におけるYが、1つのフェニル基で置換された基である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項8】
一般式(I)におけるYが、ハロゲン原子で置換された、1つのC1〜C5の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基で置換された基である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項9】
一般式(I)におけるVが−NH−CO−である請求項1〜8のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項10】
一般式(I)におけるR、R、RおよびRのいずれか1つまたは2つがそれぞれ独立して水酸基、アミノ基、またはC1〜C5の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基であり、R、R、RおよびRの残りの基が水素原子である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項11】
一般式(I)におけるRが水酸基、アミノ基、またはC1〜C5の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基であり、R、RおよびRが水素原子である請求項1〜10のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項12】
一般式(I)におけるR、RおよびRが水素原子であり、Rが水酸基、アミノ基、またはC1〜C5の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基である、請求項1〜10のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項13】
一般式(I)におけるRおよびRが水酸基であり、RおよびRが水素原子である請求項1〜10のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項14】
一般式(I)におけるR、R、RおよびRがいずれも水素原子である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項15】
一般式(I)におけるRおよびRがともに水素原子である請求項1〜14のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項16】
一般式(I)におけるQが−CHO−、−CH−CH−、−CH=CH−または−CH−O−N=CR−である請求項1〜15のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項17】
一般式(I)におけるQが−CHO−である請求項1〜16のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項18】
一般式(I)におけるQが−CH=CH−である請求項1〜16のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項19】
一般式(I)における−CH=CH−がトランス配置である請求項18に記載の医薬組成物。
【請求項20】
一般式(I)におけるAが−COORである請求項1〜19のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項21】
一般式(I)におけるAが−COORであり、Rが水素原子である、請求項1〜20のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項22】
(S)−3−ヒドロキシ−4−オキソ−4−{4−[(4−フェニル−5−トリフルオロメチル−2−チエニル)メトキシ]フェニルアミノ}酪酸、(R)−3−メチル−4−オキソ−4−{4−[(4−フェニル−5−トリフルオロメチル−2−チエニル)メトキシ]フェニルアミノ}酪酸、(R)−3−ヒドロキシ−4−オキソ−4−{4−[(4−フェニル−5−トリフルオロメチル−2−チエニル)メトキシ]フェニルアミノ}酪酸、4−オキソ−4−{4−[(4−フェニル−5−トリフルオロメチル−2−チエニル)メトキシ]フェニルアミノ}酪酸、(R)−2−ヒドロキシ−4−オキソ−4−{4−[(4−フェニル−5−トリフルオロメチル−2−チエニル)メトキシ]フェニルアミノ}酪酸、(S)−2−ヒドロキシ−4−オキソ−4−{4−[(4−フェニル−5−トリフルオロメチル−2−チエニル)メトキシ]フェニルアミノ}酪酸、3,3−ジメチル−4−オキソ−4−{4−[(4−フェニル−5−トリフルオロメチル−2−チエニル)メトキシ]フェニルアミノ}酪酸、(S)−3−メチル−4−オキソ−4−{4−[(4−フェニル−5−トリフルオロメチル−2−チエニル)メトキシ]フェニルアミノ}酪酸、(2S,3R)−2,3−ジメチル−4−オキソ−4−{4−[(4−フェニル−5−トリフルオロメチル−2−チエニル)メトキシ]フェニルアミノ}酪酸、(2R,3R)−2,3−ジヒドロキシ−4−オキソ−4−{4−[(4−フェニル−5−トリフルオロメチル−2−チエニル)メトキシ]フェニルアミノ}酪酸、(2S,3S)−2,3−ジヒドロキシ−4−オキソ−4−{4−[(4−フェニル−5−トリフルオロメチル−2−チエニル)メトキシ]フェニルアミノ}酪酸、(R)−3−アミノ−4−オキソ−4−{4−[(4−フェニル−5−トリフルオロメチル−2−チエニル)メトキシ]フェニルアミノ}酪酸、(S)−3−アミノ−4−オキソ−4−{4−[(4−フェニル−5−トリフルオロメチル−2−チエニル)メトキシ]フェニルアミノ}酪酸、(S)−2−アミノ−4−オキソ−4−{4−[(4−フェニル−5−トリフルオロメチル−2−チエニル)メトキシ]フェニルアミノ}酪酸、(R)−2−アミノ−4−オキソ−4−{4−[(4−フェニル−5−トリフルオロメチル−2−チエニル)メトキシ]フェニルアミノ}酪酸、(S)−3−ヒドロキシ−4−オキソ−4−{4−[(4−フェニル−5−トリフルオロメチル−2−チエニル)エチル]フェニルアミノ}酪酸、(S)−3−ヒドロキシ−4−オキソ−4−{4−[(E)−2−(4−フェニル−5−トリフルオロメチル−2−チエニル)エテニル]フェニルアミノ}酪酸、4−オキソ−4−{4−[(5−メチル−4−フェニル−2−チアゾリル)メトキシ]フェニルアミノ}酪酸、4−オキソ−4−{4−[(5−フェニル−4−トリフルオロメチル−2−チアゾリル)メトキシ]フェニルアミノ}酪酸、4−オキソ−4−{[4−(1,5−ジフェニル−1H−ピラゾール−3−イル)メトキシ]フェニルアミノ}酪酸、4−オキソ−4−{[4−(1−tert−ブチル−5−フェニル−1H−ピラゾール−3−イル)メトキシ]フェニルアミノ}酪酸、4−オキソ−4−{[4−(1−フェニル−5−トリフルオロメチル−1H−ピラゾール−3−イル)メトキシ]フェニルアミノ}酪酸、4−オキソ−4−(4−{1−[(E)−4−ビフェニルメトキシイミノ]エチル}フェニルアミノ)酪酸、(R)−3−ヒドロキシ−4−オキソ−4−{4−[(4,5−ジフェニル−2−チエニル)メトキシ]フェニルアミノ}酪酸、(S)−3−ヒドロキシ−4−オキソ−4−{4−[(4,5−ジフェニル−2−チエニル)メトキシ]フェニルアミノ}酪酸、4−オキソ−4−{4−[(4,5−ジフェニル−2−チエニル)メトキシ]フェニルアミノ}酪酸、(R)−2−ヒドロキシ−4−オキソ−4−{4−[(4,5−ジフェニル−2−チエニル)メトキシ]フェニルアミノ}酪酸、(S)−2−ヒドロキシ−4−オキソ−4−{4−[(4,5−ジフェニル−2−チエニル)メトキシ]フェニルアミノ}酪酸、3−{4−[(4−フェニル−5−トリフルオロメチルチオフェン−2−イル)メトキシ]ベンゾイルアミノ}プロピオン酸、2−ヒドロキシ−3−{4−[(4−フェニル−5−トリフルオロメチルチオフェン−2−イル)メトキシ]ベンゾイルアミノ}プロピオン酸、および、3−メチル−3−{4−[(4−フェニル−5−トリフルオロメチルチオフェン−2−イル)メトキシ]ベンゾイルアミノ}プロピオン酸から選ばれるいずれか1つの化合物、その塩、またはそれらの溶媒和物を有効成分として含有する医薬組成物。
【請求項23】
免疫を抑制するために用いられる、請求項1〜22のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項24】
移植に対する拒絶反応を抑制するために用いられる、請求項1〜22のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項25】
自己免疫性疾患を治療および/または予防するために用いられる、請求項1〜22のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項26】
アレルギー性疾患を治療および/または予防するために用いられる、請求項1〜22のいずれか1項に記載の医薬組成物。


【公開番号】特開2009−40702(P2009−40702A)
【公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−205394(P2007−205394)
【出願日】平成19年8月7日(2007.8.7)
【出願人】(307010166)第一三共株式会社 (196)
【Fターム(参考)】