説明

新規化合物、その使用及び製造

本発明は、プロテインキナーゼ、特にFms様チロシンキナーゼ3(FLT3)の阻害剤として作用することができる、一般式(I)
【化1】


(式中、R1、R2及びR3は明細書に定義される通りである)の化合物に関する。本発明は、また、該化合物の治療における使用、該化合物を含む医薬組成物、及びAML、MLL、T−ALL、B−ALL及びCMML、骨髄増殖性疾患などの血液悪性腫瘍、がんのような他の増殖性疾患、自己免疫障害、及び乾癬及びアトピー性皮膚炎のような皮膚障害の予防及び処置のための薬剤の製造のための該化合物の使用にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロテインキナーゼ、特にFms様チロシンキナーゼ3(FLT3)の阻害剤として作用するピラジン化合物に関する。本発明は、更に、これらの化合物を含む医薬組成物、並びにAML、MLL、T−ALL、B−ALL及びCMMLなどの血液悪性腫瘍、骨髄増殖性疾患、がんなどの他の増殖性疾患、自己免疫障害、及び乾癬及びアトピー性皮膚炎などの皮膚障害を処置する薬剤を製造するための本化合物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
プロテインキナーゼは、細胞代謝、増殖、分化及び生存の調節に関与している。プロテインキナーゼはセリン/トレオニン又はチロシン残基のタンパク質をリン酸化する。1つのクラスのキナーゼの活性化は、一般に、シグナル伝達クロストークを通して1つより多いシグナル伝達経路の活性化をもたらす。受容体チロシンキナーゼ(RTK)は、受容体の細胞内部分がキナーゼドメインを有する主要なタイプの細胞表面受容体である。活性化リガンドは、FLリガンド、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)、上皮増殖因子(EGF)、線維芽細胞増殖因子(FGF)、神経成長因子(NGF)、血小板由来増殖因子(PDGF)、インシュリンなどの、ペプチド/タンパク質ホルモンである。RTKの細胞外ドメインへのリガンドの結合は、受容体二量化及び細胞内ドメインのキナーゼ部位を活性化する立体配座変化をもたらす。キナーゼ活性は、細胞生理及び遺伝子発現パターンを調節する他のタンパク質のリン酸化により情報伝達カスケードをもたらす(概説として、非特許文献1及び2を参照)。シグナル伝達カスケードにおいて活性化された細胞内シグナル伝達タンパク質は、転写及び翻訳に関与する他のキナーゼ及び/又はタンパク質であり得る。細胞内キナーゼには幾つかのファミリーがある。チロシンキナーゼのJanusキナーゼ(JAK)ファミリー(JAK1、2、3、及びThy1)は、他のタンパク質との相互作用を通して活性化される(非特許文献3及びその中の参考文献を参照)。アイソザイムのプロテインキナーゼC(PKC)ファミリーのようなセリン/トレオニンキナーゼ、及びマイトジェン活性化キナーゼ(MAPキナーゼファミリー)も、細胞生存、増殖及び分化の調節に関与している。PKCアイソザイムはカルシウムによって活性化され、そしてジアシルグリセロールはPKCファミリー(αβγ)の特定のメンバーのアロステリック活性化剤である。細胞内キナーゼは他のタンパク質と相互作用し、活性化時にしばしば他のコンパートメントに移行する(非特許文献4及び5並びにその中の参考文献を参照)。膜結合性は、PKCアイソザイムの場合のようにミリストイル化によって調節し得る。核結合は幾つかの異なる種類のキナーゼで記載されている。MAPキナーゼは他のタンパク質によって活性化されて核へ移行することができ、そこでは転写に関与するタンパク質、並びに細胞周期及び分化の調節因子はリン酸化される。
【0003】
正常な発生及び分化時に、キナーゼ活性化及び不活性化は厳密に調節される。構成的活性キナーゼをもたらす発がん突然変異は、正常細胞をがん細胞に形質転換することができる。活性化突然変異は、例えば、ABLチロシンキナーゼドメインがBCRタンパク質に融合する慢性骨髄球性白血病におけるように、融合タンパク質を生じる染色体転座の結果であり得る(概説として、非特許文献6及び7を参照)。
【0004】
正常造血時、FLT3は骨髄芽球段階で活性であるが、しかしFLT3活性は次いで正常造血分化時に成熟血液細胞へスイッチオフされる(非特許文献8及び9)。急性骨髄球性白血病(AML)では、FLT3発現は大多数(70〜90%)の患者で高い(非特許文献10及び11)。更に、FLT3キナーゼ活性は、膜近傍位置の内部タンデム重複(FLT3−ITD)に因り1/3の患者でアップレギュレーションされ、リガンド非依存性受容体二量化及び構成的活性キナーゼをもたらす結果となる。FLT3−ITDは予後マーカーであり、特に両対立遺伝子が障害される場合、突然変異を持つ患者集団において生存の統計的に有意な減少を呈する。AML患者で記載されるFLT3の活性化点突然変異(FLT3−PM)も認められる。これらの活性化突然変異は、キナーゼドメインの活性化ループ(AL突然変異)又は膜近傍ドメイン(JM突然変異)に見出すことができる。概説として、非特許文献10、12、13、14及び15;及びその中の参考文献を参照されたい。加えて、FLT3−ITD又はFLT3−PMは、MLL、T−ALL及びCMMLなどの他のリンパ性又は骨髄性悪性腫瘍の患者のサブセットに見出されており、そしてFLT3活性はB−ALLに記載されている(概説として、非特許文献14を参照)。
【0005】
しかしながら、FLT3活性は正常造血の一部である。FLT3のようなキナーゼの刺激過度により未成熟芽細胞の増殖が異常調節される場合、これは他の造血細胞の減少をもたらす可能性がある。次いで、芽細胞は成熟分化細胞の代わりに血流に入る。急性白血病状態は貧血及び好中球減少症を引き起こす。従って、好ましくないキナーゼ活性の遮断は、芽細胞の増殖を低減し白血病状態を軽減する可能性がある。幾つかのFLT3キナーゼ阻害剤が、AMLモデルにおいて、そしてFLT3が関与する臨床適応において試験されている(非特許文献16、17、18、19、20、21、及び22)。AML細胞系MV4−11はFLT3−ITDを輸送する。この細胞系はFLT3活性の阻害剤に対する生存/増殖判別試験において非常に感受性である。しかしながら、生体外の患者細胞では、シグナル伝達経路間にもクロストークがあり、FLT3受容体の下流を活性化された分子も他のキナーゼによって活性化し得る。非特許文献21は、FLT3の自己リン酸化がFLT3阻害剤に曝露後患者細胞においてダウンレギュレーションされたとしても、下流エフェクターSTAT及びERKのリン酸化状態は、恐らくFLT3リン酸化は別として他のシグナル伝達経路の異常調節に因り減弱しないことを示した。
【0006】
FLT3及び他のRTKの活性は、自己リン酸化及びインターナリゼーションによって調節され、次いで受容体のリン酸化は、同様に調節を受ける特異的ホスファターゼによって排除される。インターナリゼーション過程の異常調節及びホスファターゼの脱リン酸も、RTK活性に対して影響を有し、それ故に細胞の生存及び増殖を変化させる。調節の順序が幾つかあることから、がん又は増殖性疾患における増殖及び生存を効果的に阻害するために、キナーゼ阻害剤はその標的特異性及び作用様式に関して、特定のプロファイルを有する必要がある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Schlessinger, J. (2000) Cell 103: 211-225
【非特許文献2】Blume- Jensen P. & Hunter T. (2001) Nature 411 : 355-365
【非特許文献3】O'Shea, J.J. et al. (2002) Cell 109 (Suppl.) 121-131
【非特許文献4】Manning, G. et al. (2002) Science 298: 1912-1934
【非特許文献5】Martin. P.M. & Hussaini LM. (2005) Expert Opin. Ther. Targets 9(2) 299-313
【非特許文献6】Ostman, A. (2007) Helix Review Series Oncology 2: 2-9
【非特許文献7】Deininger, M. et al. (2005) Blood 105: 2640-2653
【非特許文献8】Gilliand, D.G, & Griffin, J.D. (2002) Blood 100: 1532-1542
【非特許文献9】Weisel, K.C. et al. (2007) Ann. N.Y. Acad. Sci. 1106: 190-196
【非特許文献10】Carow, CE. et al. (1996) Blood 87 (3): 1089-1096
【非特許文献11】Rosnet, O. et al (1993) Crit. Rev. Oncogenesis 4: 595-613
【非特許文献12】Tickenbrock, L. et al. (2006) Expert Opin. Emerging Drugs 11(1): 153-165
【非特許文献13】Anjali S. & Advani, A.S. (2005) Current Pharmaceutical Design 11 : 3449-3457
【非特許文献14】Lee B.H. et al. (2007) Cancer Cell 12: 367-380
【非特許文献15】Stam, R.W. et al. (2005) Blood 106(7): 2484-2490
【非特許文献16】Cheng, Y. & Paz, K. (2008) IDrugs 11(1): 46-56
【非特許文献17】Kiyoi, H. et al. (2007) Clin. Cancer Res. 13(15): 4575-4582
【非特許文献18】Roboz, G.J. et al. (2006) Leukemia 20: 952-957
【非特許文献19】Tse, K-F. et al.(2002) Leukemia 16: 2027-2036
【非特許文献20】Smith, B.D. et al. (2004) Blood 103: 3669-3676
【非特許文献21】Knap- per, S. et al. (2006) Blood 108 (10): 3494-3503
【非特許文献22】Furukawa, Y. et al. (2007) Leukemia 21 : 1005-1014)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、一般的に受容体チロシンキナーゼFLT3の阻害剤として作用し得る特定のピラジン化合物、及び関連医薬組成物及び方法に関する。
【0009】
理論にこだわることを望むわけではないが、本明細書に記載の化合物は、例えば、急性骨髄球性白血病(AML);混合型白血病(MLL);T細胞型急性リンパ性白血病(T−ALL);B細胞型急性リンパ性白血病(B−ALL);慢性骨髄単球性白血病(CMML)などの血液悪性腫瘍;骨髄増殖性疾患;がんなどの他の増殖性疾患;自己免疫障害;並びに乾癬及びアトピー性皮膚炎などの皮膚障害の処置又は予防のために使用することができると考えられる。
【0010】
本化合物は、更に、従来の細胞毒性薬、又は化学療法後の幹細胞指向維持療法及びMLL再構成小児急性リンパ芽球性白血病において使用される化合物などの、分子標的薬と併せて使用することができる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
第1の態様において、本発明は、式(I):
【化1】

式中、
1は:
(a)インドリルエチル;
(b)シクロヘキシル;
(c)ヒドロキシシクロヘキシル;
(d)1,3−ベンゾチアゾリル;
(e)C1-3−アルキル−1,3−ベンゾチアゾリル;
(f)ベンゾチエニル;
(g)インドリル;
(h)インダゾリル;
(i)C1-3−アルキルインドリル;
(j)カルボキシインドリル;
(k)C1-3−アルコキシカルボニルインドリル;
(1)カルバモイルインドリル;
(m)4−メチルピペラジン−1−イルカルボニルインドリル;
(n)カルボキシメチルインドリル;
(0)アセチルアミノフェニル;及び
(p)C1-3−アルキルベンゾイミダゾリル;
から成るグループから選択され;
2は:
(a)ピリジニル;
(b)フルオロピリジニル;
(c)クロロピリジニル;
(d)C1-3−アルコキシピリジニル;
(e)チエニル;
(f)フリル;
(g)フェニル;
(h)フルオロフェニル;
(1)ヒドロキシフェニル;
(j)シアノフェニル;
(k)ヒドロキシメチルフェニル;
(1)アミノフェニル;
(m)カルバモイルフェニル;
(n)C1 -3−アルキルアミノカルボニルフェニル;
(o)ジメチルアミノカルボニルフェニル;
(p)(C1-2−アルコキシ−C2-3−アルキルアミノカルボニル)フェニル;
(q)(シアノ−C2-3−アルキルアミノカルボニル)フェニル;
(r)(ジメチルアミノ−C2-3−アルキルアミノカルボニル)フェニル;
(s)N−メトキシ−N−メチルアミノカルボニルフェニル;
(t)モルホリン−4−イルカルボニルフェニル;
(u)ピペリジン−1−イルカルボニルフェニル;及び
(v)キノリル;
から成るグループから選択され;
3は、水素又はNH2であり;
但し、以下の化合物;
4−(6−{[2−(1H−インドール−3−イル)エチル]アミノ}ピラジン−2−イル)ベンズアミド;
N’−(1H−インドール−5−イル)−5−(キノリン−5−イル)ピラジン−2,3−ジアミン;
5−(3−アミノフェニル)−N’−(1H−インドール−5−イル)ピラジン−2,3−ジアミン;
3−[5−アミノ−6−(1H−インドール−5−イルアミノ)ピラジニル]フェノール;
4−[5−アミノ−6−(1H−インドール−5−イルアミノ)ピラジニル]フェノール;又は
1−メチル−N−[6−(2−ピリジニル)ピラジニル]−1H−ベンゾイミダゾール−2−アミン;
は含まない;
の化合物、及びその幾何異性体、ラセミ体、互変異性体、光学異性体、並びにその薬学的に許容される塩、水和物、N−オキシド、及び生理学的に加水分解可能で許容されるエステル及びそのプロドラッグ形態を提供する。
【0012】
本発明の化合物の好ましいグループは、式(I)の化合物であって、
式中、
3はHであって、式(Ia):
【化2】

式中、
1は:
(a)ヒドロキシシクロヘキシル;
(b)C1-3−アルキル−1,3−ベンゾチアゾール−5−イル;
(c)1,3−ベンゾチアゾリル;
(d)ベンゾチエニル;
(e)インドリル;
(f)C1-3−アルキルインドール−5−イル;
(g)カルボキシインドリル;
(h)C1-3−アルコキシカルボニルインドリル;
から成るグループから選択され;
2は:
(a)ピリジニル;
(b)フルオロ−ピリジニル;及び
(c)カルバモイルフェニル;
から成るグループから選択される;
の化合物を形成する化合物である。
【0013】
式(Ia)の化合物のより好ましいグループは、
式中、
1は:
(a)4−ヒドロキシシクロヘキシル;
(b)2−メチル−1,3−ベンゾチアゾール−5−イル;
(c)1,3−ベンゾチアゾール−5−イル;
(d)インドール−5−イル;及び
(e)インドール−6−イル;
から成るグループから選択され;
2は:
(a)4−ピリジニル;
(b)2−フルオロ−4−ピリジニル;及び
(c)4−カルバモイルフェニル;
から成るグループから選択される;
化合物である。
【0014】
式(Ia)の好ましい化合物は:
N−(6−ピリジン−4−イルピラジン−2−イル)−1H−インドール−5−アミン;
N−[6−(2−フルオロピリジン−4−イル)ピラジン−2−イル]−1H−インドール−5−アミン;
N−(6−ピリジン−4−イルピラジン−2−イル)−1H−インドール−6−アミン;
N−(6−ピリジン−4−イルピラジン−2−イル)−1,3−ベンゾチアゾール−5−アミン;
2−メチル−N−(6−ピリジン−4−イルピラジン−2−イル)−1,3−ベンゾチアゾール−5−アミン;
4−[6−(1H−インドール−5−イルアミノ)ピラジン−2−イル]ベンズアミド;及び
4−{6−[(4−ヒドロキシシクロヘキシル)アミノ]ピラジン−2−イル}ベンズアミド;
である。
【0015】
本発明の化合物の好ましいグループは、式(I)の化合物であって、
式中、
3はNH2であり、式(Ib);
【化3】

式中、
1は:
(a)インドールエチル;
(b)シクロヘキシル;
(c)ヒドロキシシクロヘキシル;
(d)C1-3−アルキル−1,3−ベンゾチアゾリル;
(e)ベンゾチエニル;
(f)インドリル;
(g)インダゾリル;
(h)C1-3−アルキルインドール−5−イル;及び
(i)カルバモイルインドリル;
から成るグループから選択され;
2は:
(a)ピリジニル;
(b)クロロピリジニル;
(c)フルオロピリジニル;
(d)C1-3−アルコキシピリジニ;
(e)チエニル;
(f)フリル;
(g)フェニル;
(h)フルオロフェニル;
(i)ヒドロキシフェニル;
(j)シアノフェニル;
(k)ヒドロキシメチルフェニル;
(1)アミノフェニル;
(m)カルバモイルフェニル;
(n)C1-3−アルキルアミノカルボニルフェニル;
(o)ジメチルアミノカルボニルフェニル,
(p)(C1-2−アルコキシ−C2-3−アルキルアミノカルボニル)フェニル;
(q)シアノ−C2-3−アルキルアミノカルボニル)フェニル;
(r)(ジメチルアミノ−C2-3−アルキルアミノカルボニル)フェニル;
(s)(N−メトキシ−N−メチルアミノカルボニルフェニル;
(t)(ピペリジン−1−イルカルボニル)フェニル;
(u)(モルホリン−4−イルカルボニル)フェニル;
(v)キノリル;
から成るグループから選択される;
の化合物を形成する化合物である。
【0016】
式(Ib)の化合物のより好ましいグループは、
式中、
1は:
(a)2−(インドール−3−イル)エチル;
(b)4−ヒドロキシシクロヘキシル;
(c)インドール−5−イル;
(d)インドール−4−イル;
(e)インダゾール−5−イル;及び
(f)2−メチルインドール−5−イル;
から成るグループから選択され;
2は:
(a)3−ピリジニル;
(b)4−ピリジニル;
(c)2−クロロピリジン−4−イル;
(d)3−チエニル;
(e)3−フリル;
(f)3−フルオロフェニル;
(g)3−ヒドロキシフェニル;
(h)4−シアノフェニル;
(i)4−アミノフェニル;
(j)4−カルバモイルフェニル;
(k)3−カルバモイルフェニル;
(1)4−ジメチルアミノカルボニルフェニル;
(m)4−[(2−メトキシエチル)アミノカルボニル]フェニル;
から成るグループから選択される;
化合物である。
【0017】
式(Ib)の好ましい化合物は:
N3−1H−インドール−5−イル−5−ピリジン−4−イルピラジン−2,3−ジアミン;
N3−1H−インドール−5−イル−5−ピリジン−3−イルピラジン−2,3−ジアミン;
5−(2−クロロピリジン−4−イル)−N3−1H−インドール−5−イルピラジン−2,3−ジアミン;
N3−(2−メチル−1H−インドール−5−イル)−5−ピリジン−4−イルピラジン−2,3−ジアミン;
N3−(2−メチル−1H−インドール−5−イル)−5−ピリジン−3−イルピラジン−2,3−ジアミン;
N3−1H−インドール−4−イル−5−ピリジン−4−イルピラジン−2,3−ジアミン;
N3−1H−インドール−5 −イル−5−(3−チエニル)ピラジン−2,3−ジアミン;
5−(3−フリル)−N3−1H−インドール−5−イルピラジン−2,3−ジアミン;
N3−1H−インドール−5−イル−5−フェニルピラジン−2,3 −ジアミン;
5−(3−フルオロフェニル)−N3−1H−インドール−5−イルピラジン−2,3−ジアミン;
3−[5−アミノ−6−(1H−インドール−5−イルアミノ)ピラジン−2−イル]ベンズアミド;
4−[5−アミノ−6−(1H−インドール−5−イルアミノ)ピラジン−2−イル]ベンズアミド;
4−{5−アミノ−6−[(2−メチル−1H−インドール−5−イル)アミノ]ピラジン−2−イル}ベンズアミド;
4−[5−アミノ−6−(1H−インドール−5−イルアミノ)ピラジン−2−イル]−N−(2−メトキシエチル)ベンズアミド;
4−[5−アミノ−6−(1H−インドール−5−イルアミノ)ピラジン−2−イル]−N−(2−シアノエチル)ベンズアミド;
4−[5−アミノ−6−(1H−インドール−4−イルアミノ)ピラジン−2−イル]ベンズアミド;
N3−[2−(1H−インドール−3−イル)エチル]−5−ピリジン−4−イルピラジン−2,3−ジアミン;
N3−[2−(1H−インドール−3−イル)エチル]−5−ピリジン−3−イルピラジン−2,3−ジアミン;
4−(5−アミノ−6−{[2−(1H−インドール−3−イル)エチル]アミノ }ピラジン−2−イル)ベンズアミド;
4−(5−アミノ−6−{[2−(1H−インドール−3−イル)エチル]アミノ}ピラジン−2−イル)−N,N−ジメチルベンズアミド;
5−(4−アミノフェニル)−N3−[2−(1H−インドール−3−イル)エチル]ピラジン−2,3−ジアミン;
trans−4−[(3−アミノ−6−ピリジン−4−イルピラジン−2−イル)アミノ]シクロヘキサノール;
3−[5−アミノ−6−(1H−インドール−5−イルアミノ)ピラジン−2−イル]フェノール;
N3−1H−インダゾール−5−イル−5−ピリジン−4−イルピラジン−2,3−ジアミン;
4−[5−アミノ−6−(1H−イミダゾール−5−イルアミノ)ピラジン−2−イル]−N−(2−メトキシエチル)ベンズアミド;及び
4−[5−アミノ−6−(1H−イミダゾール−5−イルアミノ)ピラジン−2−イル]ベンズアミド;
である。
【0018】
1つの態様では、本発明は、治療に使用するための、特にFLT3関連障害の処置又は予防に使用するための、式(I)の化合物に関する。FLT3関連障害の例としては、急性骨髄球性白血病(AML);混合型白血病(MLL)、T細胞型急性リンパ性白血病(T−ALL);B細胞型急性リンパ性白血病(B−ALL);慢性骨髄単球性白血病(CMML)が挙げられる。本発明は、骨髄増殖性疾患などの調節不全性のキナーゼ活性に関連する血液障害;がんなどの他の増殖性疾患;自己免疫障害;並びに乾癬及びアトピー性皮膚炎などの皮膚障害の処置又は予防に使用するための、式(I)の化合物にも関する。
【0019】
別の態様では、本発明は、有効成分として式(I)の化合物を含む、薬学的に許容される賦形剤又は担体と組み合わせた、特にFLT3関連障害の処置又は予防に使用するための医薬製剤に関する。
【0020】
1つの態様では、本発明は、FLT3関連障害を患うヒト又は動物対象(subject)を処置する方法に関する。更なる態様では、本発明は、急性骨髄球性白血病(AML);混合型白血病(MLL);T細胞型急性リンパ性白血病(T−ALL);B細胞型急性リンパ性白血病(B−ALL);慢性骨髄単球性白血病(CMML)などの血液悪性腫瘍、及び骨髄増殖性疾患のような他の血液障害;がんなどの他の増殖性疾患;自己免疫障害;並びに乾癬及びアトピー性皮膚炎などの皮膚障害を患うヒト又は動物対象を処置する方法に関する。本方法は、1つ又はそれ以上の式(I)の化合物、それらの塩、又は本化合物若しくは塩を含有する組成物の有効量を、それを必要とする対象(例えば、ヒト又は動物、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ)に投与することを含むことができる。
【0021】
本明細書に記載の方法は、対象が特定の定められた処置を必要とすると認定される方法を含む。当該処置を必要とする対象の認知は、対象又はヘルスケア専門家の判断であり、そして主観的(例えば、意見)又は客観的(例えば、検査又は診断法により測定可能)であり得る。
【0022】
他の態様では、本発明は、該対象が該障害又は疾患に対して処置されるような、式(I)の化合物又はその医薬組成物の有効量を、それを必要とする該対象に投与することを含む、FLT3関連障害又は疾患を患うか又は罹患し易い対象を処置する方法を提供する。
【0023】
更なる態様では、本発明は、本明細書に記載のFLT3キナーゼの好ましくない活性に関連する疾患、障害、又は病態の処置のための、式(I)の化合物(例えば、薬剤として)の使用に関する。
【0024】
別の態様では、本発明は、本明細書に記載のFLT3キナーゼの好ましくない活性に関連する疾患、障害、又は病態の処置のための、式(I)の化合物を含む薬剤の製造における式(I)の化合物の使用に関する。
【0025】
本発明の1つの態様は、式(I)の受容体チロシンキナーゼFLT3の阻害剤と、別の分子標的薬、好ましくは従来の細胞毒性薬、又は化学療法後、幹細胞指向維持療法において及びMLL再構成小児急性リンパ芽球性白血病に使用される化合物;及び場合により薬学的に許容される担体の組み合わせの有効量を含む、医薬組成物を提供する。
【0026】
本発明の別の態様は、式(I)の受容体チロシンキナーゼFLT3の阻害剤を、別の分子標的薬、好ましくは従来の細胞毒性薬、又は化学療法後、幹細胞指向維持療法において及びMLL再構成小児急性リンパ芽球性白血病に使用される化合物を;治療効果を与えるのに十分な量で、それを必要とするヒト又は動物対象に同時に又は逐次的に投与することを含む、血液悪性腫瘍、骨髄増殖性疾患、他の増殖性疾患、自己免疫障害及び皮膚障害を予防又は処置する方法を提供する。
【0027】
本発明の更に別の態様は、血液悪性腫瘍、骨髄増殖性疾患、他の増殖性疾患、自己免疫障害及び皮膚障害を処置する薬剤の製造のための、従来の細胞毒性薬又は化学療法後、幹細胞指向維持療法において及びMLL再構成小児急性リンパ芽球性白血病に使用される化合物などの別の分子標的薬と合わせた、式(I)の受容体チロシンキナーゼFLT3の阻害剤の使用を提供する。
【0028】
本発明の別の態様は、医薬組成物を製造する方法であって、式(I)の受容体チロシンキナーゼFLT3の阻害剤及び従来の細胞毒性薬、又は化学療法後、幹細胞指向維持療法において及びMLL再構成小児急性リンパ芽球性白血病に使用される化合物などの別の分子標的薬を、薬学的に許容される担体と併用治療量で十分混合する方法を提供することである。
【0029】
本発明の尚別の態様は、血液悪性腫瘍、骨髄増殖性疾患、他の増殖性疾患、自己免疫障害及び皮膚障害の治療において、同時に、別々に又は逐次的に使用するための配合製剤として、従来の細胞毒性薬又は化学療法後、幹細胞指向維持療法において及びMLL再構成小児急性リンパ芽球性白血病に使用される化合物などの別の分子標的薬を更に含む、式(I)の受容体チロシンキナーゼFLT3の阻害剤を含有する製品を提供する。
【0030】
本発明の別の態様は、2−アミノ−3,5−ジブロモ−ピラジンと適切なアミンとを反応させ、続いて鈴木カップリングさせることを含む、本発明の式(I)の化合物の製造方法である。更に詳細には、以下の工程の1つ又はそれ以上を含む、本発明の式(I)の化合物の製造方法である:2−アミノ−3,5−ジブロモ−ピラジン(3当量)及び適切なアミンを4mLの水に溶解し、得られる混合物を195℃で1時間加熱する。水と酢酸エチルを加えて相分離させる。水相を酢酸エチルで1回又はそれ以上抽出する。合わせた有機相を水洗(水とブラインで)して濃縮し生成物と未反応アミン又はアルコールの粗混合物を得る。この粗混合物はこれ以上精製又は特性付けせずに次の鈴木反応に使用され、文献に記載の典型的な鈴木プロトコールに従って反応が実施される。
【0031】
本明細書に記載の合成ルートで使用される化学品としては、例えば、溶媒、試薬、触媒、並びに保護基及び脱保護基試薬を含むことができる。上記の方法として、本明細書に具体的に記載の工程の前又は後に、化合物の合成を最終的に可能にするために適切な保護基を加え又は除去する工程が更に含まれてもよい。加えて、所望の化合物を得るために、代替順序で又は順番に種々の合成工程が行なわれてもよい。適用される化合物を合成するのに有用な合成化学変換は、当技術分野で公知であり、そして例えば、R. Larock, 「総合的有機変換」(Comprehensive Organic Transformations), VCH Publishers (1989); L. Fieser and M. Fieser, Fieser and Fieser's 「有機合成試薬」(Reagents for Organic Synthesis), John Wiley and Sons (1994); 及び L. Paquette, ed., 「有機合成試薬事典」(Ency- clopedia of Reagents for Organic Synthesis), John Wiley and Sons (1995) 及びその続刊に記載のものを含む。
【0032】
上記の反応を実施する方法は当業者に周知である。式(I)の化合物を製造するために必要な出発物質は公知であるか、又は既知化合物の製造と同様に製造することができる。式(I)の化合物は、1つ又はそれ以上のキラル炭素原子を有してもよく、従ってそれらは光学異性体の形態、例えば、純エナンチオマーとして、又はエナンチオマー混合物(ラセミ化合物)として若しくはジアステレオマーを含む混合物として得ることができる。純エナンチオマーを得るための光学異性体混合物の分離は当技術分野で周知であり、例えば、光学活性(キラル)な酸による塩の分別結晶により、又はキラルカラム上でのクロマトグラフィー分離により達成し得る。記載する化合物の可能な異性体の形態(純エナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、ラセミ混合物及び2つのエナンチオマーの不均等混合物)は、全て本発明の範囲内である。本明細書に記載の化合物が幾何学的に非対称のオレフィン二重結合を含む場合、それはトランス及びシス(E及びZ)幾何異性体を含むことが意図される。
【0033】
式(I)の化合物は、それ自体で、又は必要に応じて、その薬理学的に許容される塩(酸又は塩基付加塩)として使用してもよい。上記の薬理学的に許容される付加塩は、化合物が形成し得る治療的に活性な非毒性酸及び塩基付加塩の形態を含むことを意味する。塩基性を有する化合物は、塩基形態を適切な酸で処理することにより薬学的に許容される酸付加塩に変換することができる。典型的な酸としては、塩化水素、臭化水素、ヨウ化水素、硫酸、リン酸などの無機酸;及びギ酸、酢酸、プロパン酸、ヒドロキシ酢酸、乳酸、ピルビン酸、グリコール酸、マレイン酸、マロン酸、シュウ酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、フマル酸、コハク酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、サリチル酸、p−アミノサリチル酸、パモン酸、安息香酸、アスコルビン酸などの有機酸が挙げられる。典型的な塩基付加塩の形態は、ナトリウム、カリウム、カルシウム塩、及び、例えば、アンモニア、アルキルアミン、ベンザチン、及び、例えば、アルギニン及びリジンなどのアミノ酸などの薬学的に許容されるアミンとの塩である。本明細書で使用される用語の付加塩は、化合物及びその塩が形成し得る溶媒和物、例えば、水和物、アルコラートなどを含む。
【0034】
臨床使用のために、本発明の化合物は、経口、直腸内、非経口又は他の投与方法のための医薬製剤に製剤化される。医薬製剤は、通常、活性物質、又はその薬学的に許容される塩を、従来の医薬品添加剤と混合することによって製造される。医薬品添加剤の例は、水、ゼラチン、アラビアガム、乳糖、微結晶セルロース、澱粉グリコール酸ナトリウム、リン酸水素カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、滑石、コロイド状二酸化ケイ素などである。当該製剤は、他の薬理学的活性薬剤、及び安定化剤、湿潤剤、乳化剤、着香剤、緩衝剤などの通常の添加剤をも含む。通常、活性化合物の量は、製剤の0.1〜95質量%の間、好ましくは非経口使用で製剤の0.2〜20質量%の間、そしてより好ましくは経口投与用で製剤の1〜50質量%の間である。
【0035】
製剤は、更に顆粒化、圧縮化、マイクロカプセル化、スプレーコーティングなどの公知の方法により製造することができる。製剤は、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、粉剤、シロップ剤、懸濁剤、坐剤又は注射剤の形態で従来の方法により製造することができる。液剤は、活性物質を水又は適切な賦形剤中に溶解又は懸濁することによって製造してもよい。錠剤及び顆粒剤は、従来の方式でコーティングしてもよい。
【0036】
特定の化合物の投薬量の用量レベル及び頻度は、用いる特定の化合物の効力、その化合物の代謝安定性及び作用時間、患者の年齢、体重、一般的健康、性別、食事、投与方法及び時間、排泄速度、薬剤併用、処置する病態の重度、並びに治療を受ける患者に応じて変動してもよい。1日投与量は、単回又は多回用量の投与で、例えば、約0.001mgから約100mg/kg体重、例えば、各々約0.01mgから約1000mgの範囲で変動してもよい。通常は、当該投薬量は、経口で与えられるが、非経口投与を選択してもよい。
【0037】
定義
以下の定義は、明細書及び添付の特許請求の範囲の全体を通して適用される。
【0038】
用語「FLT3関連障害」、及び「FLT3の望ましくない活性に関連する障害又は病態」は、本明細書においては、FLT3が障害又は症状の過程又は発症に関与するいずれの障害又は症状をも表示するのに、互換性を持って使用されている。従ってFLT3関連障害は、例えば、急性骨髄球性白血病(AML);混合型白血病(MLL);T細胞型急性リンパ性白血病(T−ALL);B細胞型急性リンパ性白血病(B−ALL)及び慢性骨髄単球性白血病(CMML)などの血液悪性腫瘍を含むが、それらに限定されない。
【0039】
特に記述しない又は指示しない限り、用語「C1-6−アルキル」は、1〜6個の炭素原子を有する直鎖状又は分枝鎖状アルキル基を意味する。該C1-6−アルキルの例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、及び直鎖状及び分枝鎖状のペンチル及びヘキシルが挙げられる。「C1-6−アルキル」の範囲内のその全てのサブグループとしは、C1-5−アルキル、C1-4−アルキル、C1-3−アルキル、C1-2−アルキル、C2-6−アルキル、C2-5−アルキル、C2-4−アルキル、C2-3−アルキル、C3-6−アルキル、C4-5−アルキルなどが考えられる。また、「アリール−C1-6−アルキル」は、アリール基で置換されたC1-6−アルキル基を意味する。例としては、ベンジル、2−フェニルエチル、1−フェニルエチル及び1−ナフチルメチルが挙げられる。
【0040】
特に記述しない又は指示しない限り、用語「C1-3−アルコキシ」は、1〜3個の炭素原子を有する直鎖状又は分枝鎖状アルコキシ基を意味する。該C1-3−アルコキシの例としては、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシが挙げられる。「C1-3−アルコキシ」の範囲内のその全てのサブグループとしては、C1-2−アルコキシ及びC2-3−アルコキシなどが考えられる。
【0041】
特に記述しない又は指示しない限り、用語「C1-3−アルコキシ−カルボニル」は、カルボニル基に接続する、1〜3個の炭素原子を有する直鎖状又は分枝鎖状アルコキシ基を意味する。該C1-3−アルコキシ−カルボニルの例としては、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、イソプロポキシカルボニルが挙げられる。「C1-3−アルコキシ−カルボニル」の範囲内のその全てのサブグループとしは、C1-2−アルコキシ−カルボニル及びC2-3−アルコキシカルボニルなどが考えられる。
【0042】
「薬学的に許容される」は、一般的に安全な、非毒性の、そして生物学的にも他の点でも望ましくないことはない、医薬組成物を製造するのに有用なことを意味し、そして家畜への使用並びにヒトへの製薬学的用途に有用なことを含む。
【0043】
本明細書で使用される「処置」は、指定された障害又は病態の予防、又は既に確立している障害の改善若しくは除去を含む。
【0044】
「有効量」は処置した対象に対して治療効果をもたらす化合物の量を指す。治療効果は、客観的(即ち、特定の試験又はマーカーで測定して)又は主観的(即ち、対象が兆候を示し又は効果を感じる)であってよい。用語「プロドラッグ形態」は、その誘導体が体内で活性薬剤を生成するように生体内変化する、エステル又はアミドなどの薬学的に許容される誘導体を意味する。Goodman and Gilman's, 「治療法の薬理学的基礎、第8版」(The Pharmacological basis of Therapeutics, 8th ed.), Mc-Graw-Hill, Int. Ed. 1992, 「薬剤の生体内変化」(“Biotransformation of Drugs”), p. 13- 15; 及び「ドラッグデザイン及び薬物作用の有機化学」(“The Organic Chemistry of Drug Design and Drug Action”) by Richard B. Silverman. Chapter 8, p 352. (Academic Press, Inc. 1992. ISBN 0-12-643730-0)を参照されたい。
【0045】
本発明によって想定される置換基及び変数の組み合わせは、安定化合物の形成をもたらすものだけである。本明細書で使用される用語「安定な」は、製造を可能にするのに十分な安定性を有し、そして本明細書で詳述される目的(例えば、FLT3関連障害又は疾患(本明細書に記載のものを含む)、例えば急性骨髄球性白血病(AML);混合型白血病(MLL);T細胞型急性リンパ性白血病(T−ALL);B細胞型急性リンパ性白血病(B−ALL)及び慢性骨髄単球性白血病(CMML)などの血液悪性腫瘍、の処置のための対象への治療的投与)のために有用である十分な期間、化合物の完全性を維持する化合物について指す。
【0046】
本明細書における変動因子の定義における化学基のリストの列挙は、任意の単独の基又はリストアップされた複数基の組合せとしてのその変動因子の定義を含む。本明細書における変動因子についての実施態様の列挙は、任意の単独の実施態様としての、又は任意の他の実施態様又はその一部との組み合わせとしての実施態様を含む。
【0047】
さて、以下の非限定的な実施例により、本発明を更に説明する。下記の具体的な実施例は、単に説明のためのものであり、それが何であれ、開示の残りの部分を限定するものと決して解釈すべきではない。更に詳述することなしに、当業者が、本明細書の記述に基づいて、本発明を最大限に利用できるものと信じられている。本明細書に引用される全ての刊行物は、参照により、その全文が本明細書に組み込まれる。
【0048】
本明細書で図示される構造は、対応する水素原子が明示されていない、特定の−NH−、−NH2(アミノ)及び−OH(ヒドロキシ)基を含み得るが、そのような場合、それらは−NH−、−NH2及び−OHと読み取るべきである。
【0049】
方法
1H核磁気共鳴(NMR)及び13CNMRは、Bruker Advance DPX 400スペクトロメーターを用い、それぞれ400.1MHz及び100.6MHzで記録した。すべてのスペクトルは、残留溶媒又はトリメチルシラン(TMS)を内部標準として用いて記録した。
【0050】
低分解能エレトロスプレーイオン化マススペクトル(LRESIMS)は、Agilent MSD マススペクトロメーター、又はWaters ZQマススペクトロメーターを用いて得られた。高分解能エレトロスプレーイオン化マススペクトル(HRESIMS)は、Agilent 1100 LC-systemに接続したAgilent LC/MSD TOFで得られた。イオン源: ESI、イオン極性:ポジティブ、データ: profile mode、走査範囲: 100〜1,100Da、MSパラメータ: Fragmentor 215 V、Skimmer 560V och OCT RF (octpole rods) 250V.;リファレンス質量:121.050873及び922.009798 (Agilent reference Mix);LC:A:15mMの酢酸アンモニウム;B:100MeCN;流量400μL/min、無勾配。フラッシュクロマトグラフィーは、Merckシリカゲル60(230〜400メッシュ)で行なった。マイクロ波照射は、アルミニウムキャップと隔壁を取り付けた0.5〜2mL又は2〜5mLのSmith Processバイアルを用いたSmith Creator 又はOptimizer (Personal Chemistry)を用いて行なった。化合物は、ACD/NAME 6.0 (Advanced Chemistry Development, Inc., Toronto, Canada)を用いて自動的に命名した。
【0051】
LCMSの分析データは、
システムA:Agilent MSDマススペクトロメーター;Agilent 1100 システム;ACE 3 C8カラム(50×3.0mm);0.1%TFA含有水及びアセトニトリルを、流速:1mL/min、グラジエント時間:3.0min(グラジエント:10〜97%アセトニトリル)の条件で移動相として用いる;又は
システムB:Agilent MSDマススペクトロメーター;Agilent 1100システム;YMC ODS-AQカラム(33×3.0mm);0.1%TFA含有水及びアセトニトリルを、流速:1mL/min、グラジエント時間:3.0min(グラジエント:10〜97%アセトニトリル)の条件で移動相として用いる;又は
システムC:Waters ZQマススペクトロメーター;Waters 996 PDA検出器(DAD:215〜395nm);ACE C8(3μm)カラム(30×3.0mm)(ACTから);10mMの酢酸アンモニウム含有水(pH=7)及びアセトニトリルを、流速:1mL/min、グラジエント時間:3.2min(グラジエント:5〜100%アセトニトリル)の条件で移動相として用いる;
を用いて得られた。
【0052】
分取型HPLCは:
システムD:ACE C8:5μm(21.2×50mm)カラム、0.1%TFA含有水及びアセトニトリルを、流速:25mL/min、グラジエント時間6分の条件で移動相として用いる;又は
システムE:XTerra Prep MS Cl8:5μm(19×50mm)カラム、50mMのNH4HCO3含有水(pH=10)及びアセトニトリルを、流速:25mL/minでグラジエント時間:6minの条件で移動相として用い、又はXterra MS C18:5μm(30×100mm)カラム、50mMのNH4HCO3含有水(pH=10)及びアセトニトリルを、流速:40mL/min、グラジエント時間8.5minの条件で移動相として用いる;又は
システムF:YMC ODS-AQ 10μM(30×150mm)カラム、0.1%TFA含有水及びアセトニトリルを、流速:45mL/min、グラジエント時間8.5minの条件で移動相として用いる;
を装備したGilsonシステムで行なった。
【0053】
以下の略号を用いている:
DMSOは、ジメチルスルホキシドを意味し;
HPLCは、高速液体クロマトグラフィーを意味し;
TFAは、トリフルオロ酢酸を意味し;
HRMSは、高分解能質量分析を意味する。
【実施例】
【0054】
手順A:
2−アミノ−3,5−ジブロモ−ピラジン上でのSNArの一般手順
2−アミノ−3,5−ジブロモ−ピラジン、トリエチルアミン(3当量)及び適切なアミン又はアルコール(3当量)を水(4mL)に溶解し、得られた混合物を195℃で1時間加熱した。水及び酢酸エチルを加え、相を分離した。水相を酢酸エチルでもう1回抽出した。合わせた有機相を洗浄(水、ブライン)し、濃縮して、生成物及び未反応のアミン又はアルコールの粗混合物を得た。この粗混合物を、更なる精製又はキャラクタリゼーションをせずに、その後に続くSuzuki反応で用いた。
【0055】
手順B:
Suzukiカップリング反応の一般手順
ジオキサン/水(4:1)(4mL)中の、手順Aからのピラジニルブロミド(1当量)、適切なボロン酸(1当量)、K2CO3(3当量)及びPd(dppf)Cl2*CH2Cl2(0.1当量)の混合物を150℃で15分間加熱した。混合物をシリカの小さいプラグを通して濾過し、そして濃縮した。粗生成物を分取型HPLC(ACE C8カラム;移動相:0.1%TFA−CH3CN)で精製し、標題化合物を、その対応するトリフルオロ酢酸塩の形態で、白色固体として得た。
【0056】
中間体1
5−ブロモ−N3−1H−インドール−5−イル−ピラジン−2,3−ジアミン
手順Aを用いて、2−アミノ−3,5−ジブロモ−ピラジン(100mg)及び5−アミノインドール(200mg)から、5−アミノインドール及び所望の生成物:MSm/z303[M+H]+、の1:1混合物(150mg)を得た。それを、更なる精製又はキャラクタリゼーションをせずに用いた。
【0057】
〔実施例1〕
【化4】

N3−1H−インドール−5−イル−5−ピリジン−4−イルピラジン−2,3−ジアミン・トリフルオロ酢酸塩
手順Bを用い、5−ブロモ−N3−1H−インドール−5−イル−ピラジン−2,3−ジアミン(20mg)及び4−ピリジル−ボロン酸(12mg)から、標題化合物(1.7mg)を得た。
MSm/z303[M+H]+1HΝMR(400MHz,CD3OD)δppm6.48(d,J=3.01Hz,1H)7.26−7.33(m,1H)7.33−7.50(m,2H)7.92(d,J=1.25Hz,1H)8.37(s,1H)8.45(d,J=7.03Hz,2H)8.64(d,J=7.03Hz,2H)。
【0058】
〔実施例2〕
【化5】

N3−1H−インドール−5−イル−5−ピリジン−3−イルピラジン−2,3−ジアミン・トリフルオロ酢酸塩
手順Bを用い、5−ブロモ−N3−1H−インドール−5−イル−ピラジン−2,3−ジアミン(20mg)及び3−ピリジル−ボロン酸(12mg)から、標題化合物(1.3mg)を得た。
HRMS:計算値:C17146:302.1280、実測値:302.1279。1HNMR(400MHz,CD3OD):6.49(d,1H,J=4Hz),7.29−7.46(m,3H),7.88−7.94(m,2H),8.02(s,1H),8.64(d,1H,J=8Hz),8.84(d,1H,J=8Hz),9.19(s,1H)。
【0059】
〔実施例3〕
【化6】

4−[5−アミノ−6−(1H−インドール−5−イルアミノ)ピラジン−2−イル]ベンズアミド・トリフルオロ酢酸塩
手順Bを用い、5−ブロモ−N3−1H−インドール−5−イル−ピラジン−2,3−ジアミン(20mg)及び4−ベンズアミドボロン酸(16mg)から、標題化合物(0.9mg)を得た。
HRMS:計算値C19166O:344.1386、実測値:344.1381。1HNMR(400MHz,CD3OD):δ6.49(d,1H,J=4Hz),7.30(d,1H,J=4Hz),7.42−7.47(m,2H),7.81(s,1H),7.94(d,2H,J=8Hz),8.01−8.06(m,3H)。
【0060】
〔実施例4〕
【化7】

5−(2−クロロピリジン−4−イル)−N3−1H−インドール−5−イルピラジン−2,3−ジアミン・トリフルオロ酢酸塩
手順Bを用い、5−ブロモ−N3−1H−インドール−5−イル−ピラジン−2,3−ジアミン(20mg)及び2−クロロピリジン−4−イルボロン酸(20mg)から、標題化合物(4.0mg)を得た。
【0061】
〔実施例5〕
【化8】

4−[5−アミノ−6−(1H−インドール−5−イルアミノ)ピラジン−2−イル]−N−(2−メトキシエチル)ベンズアミド・トリフルオロ酢酸塩
手順Bを用い、5−ブロモ−N3−1H−インドール−5−イル−ピラジン−2,3−ジアミン(25mg)及び[4−[[(2−メトキシエチル)アミノ]カルボニル]フェニル]ボロン酸(27mg)から、標題化合物(4.2mg)を得た。
MSm/z403[M+H]+
【0062】
〔実施例6〕
【化9】

4−[5−アミノ−6−(1H−インドール−5−イルアミノ)ピラジン−2−イル]−N−(2−シアノエチル)ベンズアミド・トリフルオロ酢酸塩
手順Bを用い、5−ブロモ−N3−1H−インドール−5−イル−ピラジン−2,3−ジアミン(25mg)及び[4−(2−シアノエチルアミノカルボニル)フェニル]ボロン酸(27mg)から、標題化合物(3.2mg)を得た。
MSm/z398[M+H]+1HΝMR(500MHz,DMSO−d6)δppm2.78(t,J=6.70Hz,2H)3.51(q,J=6.09Hz,2H)6.42(s,1H)7.27−7.47(m,3H)7.76−8.18(m,6H)8.38(s,1H)8.63−9.11(m,1H)10.98(s,1H)。
【0063】
中間体2
5−ブロモ−Ν3−1H−インドール−4−イル−ピラジン−2,3−ジアミン
手順Aを用い、2−アミノ−3,5−ジブロモ−ピラジン(300mg)及び4−アミノインドール(470mg)から、4−アミノインドール及び所望の生成物:MSm/z303[M+H]+、の1:1混合物(700mg)を得、それを更なる精製又はキャラクタリゼーションをせずに用いた。
【0064】
〔実施例7〕
【化10】

N3−1H−インドール−4−イル−5−ピリジン−4−イルピラジン−2,3−ジアミン・トリフルオロ酢酸塩
手順Bを用い、5−ブロモ−N3−1H−インドール−4−イル−ピラジン−2,3−ジアミン(25mg)及び4−ピリジニルボロン酸(15mg)から標題化合物(1.2mg)を得た。
HRMS:計算値:C17146:302.1280、実測値:302.1278。1HNMR(400MHz,CD3OD)ppm6.41(d,J=3Hz,1H)7.19(d,J=7Hz,1H)7.21−7.32(m,2H)7.38(d,J=7Hz,1H)8.33(d,J=6Hz,2H)8.44(s,1H)8.57(d,J=6Hz,2H)。
【0065】
〔実施例8〕
【化11】

4−[5−アミノ−6−(1H−インドール−4−イルアミノ)ピラジン−2−イル]ベンズアミド・トリフルオロ酢酸塩
手順Bを用いて、5−ブロモ−N3−1H−インドール−4−イル−ピラジン−2,3−ジアミン(25mg)及び4−ベンズアミドボロン酸(20mg)から標題化合物(1.1mg)を得た。
HRMS:計算値:C19166O:344.1386、実測値:344.1384。1HNMR(400MHz,CD3OD)δ6.50(d,J=2Hz,1H)7.20(t,J=7Hz,1H)7.28(d,J=3Hz,1H)7.33(d,J=8Hz,1H)7.49(d,J=7Hz,1H)7.82−7.96(m,5H)。
【0066】
中間体3
5−ブロモ−N3−(2−ジエチル−1H−インドール−5−イル)−ピラジン−2,3−ジアミン
手順Aを用い、2−アミノ−3,5−ジブロモ−ピラジン(300mg)及び5−アミノ−2−メチル−インドール(520mg)から、5−アミノ−2−メチル−インドール及び所望の生成物:MSm/z319[M+H]+、の1:1混合物(400mg)を得、それを更なる精製又はキャラクタリゼーションをせずに用いた。
【0067】
〔実施例9〕
【化12】

N3−(2−メチル−1H−インドール−5−イル)−5−ピリジン−4−イルピラジン−2,3−ジアミン・トリフルオロ酢酸塩
手順Bを用い、5−ブロモ−N3−(2−メチル−1H−インドール−5−イル)−ピラジン−2,3−ジアミン(26mg)及び4−ピリジニルボロン酸(14mg)から、標題化合物(3.0mg)を得た。
HRMS:計算値:C18166:316.1436、実測値:316.1437。1HNMR(400MHz,CD3OD)δppm2.45(s,3H)7.16−7.47(m,3H)7.76(s,1H)8.35(s,1H)8.45(d,J=6Hz,2H)8.65(d,J=6Hz,2H)。
【0068】
〔実施例10〕
【化13】

N3−(2−メチル−1H−インドール−5−イル)−5−ピリジン−3−イルピラジン−2,3−ジアミン・トリフルオロ酢酸塩
手順Bを用い、5−ブロモ−N3−(2−メチル−1H−インドール−5−イル)−ピラジン−2,3−ジアミン(26mg)及び3−ピリジニルボロン酸(14mg)から、標題化合物(3.4mg)を得た。
HRMS:計算値:C18166:316.1436、実測値:316.1434。
【0069】
〔実施例11〕
【化14】

4−{5−アミノ−6−[(2−メチル−1H−インドール−5−イル)アミノ]ピラジン−2−イル}ベンズアミド・トリフルオロ酢酸塩
手順Bを用い、5−ブロモ−N3−(2−メチル−1H−インドール−5−イル)−ピラジン−2,3−ジアミン(26mg)及び4−ベンズアミドボロン酸(19mg)から、標題化合物(2.2mg)を得た。
HRMS:計算値:C20186O:358.1542、実測値:358.1542。1HNMR(400MHz,CD3OD)δ2.46(s,3H)7.15−7.48(m,3H)7.77(s,1H)7.90(s,1H)7.91−7.96(m,2H)8.00−8.12(m,2H)。
【0070】
中間体4
5−ブロモ−N3−(1H−インダゾール−5−イル)−ピラジン−2,3−ジアミン
手順Aを用い、2−アミノ−3,5−ジブロモ−ピラジン(300mg)及び5−アミノ−インダゾール(470mg)から、5−アミノ−インダゾール及び所望の生成物:MSm/z306[M+H]+、の1:3の混合物(320mg)を得、それを更なる精製又はキャラクタリゼーションをせずに用いた。
【0071】
〔実施例12〕
【化15】

N3−1H−インダゾール−5−イル−5−ピリジン−4−イルピラジン−2,3−ジアミン・トリフルオロ酢酸塩
手順Bを用い、5−ブロモ−N3−(1H−インダゾール−5−イル)−ピラジン−2,3−ジアミン(15mg)及び4−ピリジルボロン酸(9mg)から、標題化合物(1.3mg)を得た。
HRMS:計算値:C16137:303.1232、実測値:303.1231。
【0072】
〔実施例13〕
【化16】

4−[5−アミノ−6−(1H−インダゾール−5−イルアミノ)ピラジン−2−イル]ベンズアミド・トリフルオロ酢酸塩
手順Bを用い、5−ブロモ−N3−(1H−インダゾール−5−イル)−ピラジン−2,3−ジアミン(15mg)及び4−ベンズアミドボロン酸(12mg)から、標題化合物(1.5mg)を得た。
HRMS:計算値:C18157O:345.1338、実測値:345.1335。
【0073】
〔実施例14〕
【化17】

4−[5−アミノ−6−(1H−インダゾール−5−イルアミノ)ピラジン−2−イル]−N−(2−メトキシエチル)ベンズアミド・トリフルオロ酢酸塩
手順Bを用い、5−ブロモ−N3−(1H−インダゾール−5−イル)−ピラジン−2,3−ジアミン(15mg)及び[4−[[(2−メトキシエチル)アミノ]カルボニル]フェニル]ボロン酸(16mg)から標題化合物(2.5mg)を得た。
HRMS:計算値C212172:403.1757、実測値:403.1751。
【0074】
中間体5
5−ブロモ−N3−[2−(1H−インドール−3−イル)エチル]−ピラジン−2,3−ジアミン
手順Aを用い、2−アミノ−3,5−ジブロモ−ピラジン(300mg)及びトリプタミン(570mg)から、トリプタミン及び所望の生成物:MSm/z333[M+H]+、の1:1混合物(600mg)を得た、それを更なる精製又はキャラクタリゼーションをせずに用いた。
【0075】
〔実施例15〕
【化18】

N3−[2−(1H−インドール−3−イル)エチル]−5−ピリジン−4−イルピラジン−2,3−ジアミン・トリフルオロ酢酸塩
手順Bを用いて、5−ブロモ−N3−[2−(1H−インドール−3−イル)エチル]−ピラジン−2,3−ジアミン(25mg)及び4−ピリジニルボロン酸(14mg)から、標題化合物(2.4mg)を得た。
HRMS:計算値C19186:330.1593、実測値:330.1602。1HNMR(400MHz,CD3OD)δppm3.20(t,J=7Hz,2H)3.95(t,J=7Hz,2H)6.92−7.19(m,3H)7.32(d,J=8Hz,1H)7.58(d,J=8Hz,1H)8.18(s,1H)8.41(d,J=6Hz,2H)8.62(d,J=6Hz,2H)。
【0076】
〔実施例16〕
【化19】

N3−[2−(1H−インドール−3−イル)エチル]−5−ピリジン−3−イルピラジン−2,3−ジアミン・トリフルオロ酢酸塩
手順Bを用いて、5−ブロモ−N3−[2−(1H−インドール−3−イル)エチル]−ピラジン−2,3−ジアミン(25mg)及び3−ピリジニルボロン酸(14mg)から、標題化合物(2.7mg)を得た。
HRMS:計算値:C19186:330.1593、実測値:330.1602。1HNMR(400MHz,CD3OD)δppm3.20(t,J=7Hz,2H)3.99(t,J=7Hz,2H)6.94−7.18(m,3H)7.30(d,J=8Hz,1H)7.58(d,J=7Hz,1H)7.80(s,1H)7.83−7.94(m,1H)8.66(d,J=5Hz,1H)8.77(d,J=8Hz,1H)9.14(s,1H)。
【0077】
〔実施例17〕
【化20】

5−(2−フルオロピリジン−4−イル)−N3−[2−(1H−インドール−3−イル)エチル]ピラジン−2,3−ジアミン・トリフルオロ酢酸塩
手順Bを用いて、5−ブロモ−N3−[2−(1H−インドール−3−イル)エチル]−ピラジン−2,3−ジアミン(25mg)及び2−フルオロ−4−ピリジニルボロン酸(16mg)から、標題化合物(3.1mg)を得た。
HRMS:計算値:C1917FN6:348.1499、実測値:348.1505。1HNMR(400MHz,CD3OD)δppm3.21(t,J=7Hz,2H)3.99(t,J=7Hz,2H)6.92−7.20(m,3H)7.33(d,J=8Hz,1H)7.57(d,J=7Hz,1H)7.79(s,1H)8.14(dd,J=7,5Hz,1H)8.46(d,J=5Hz,1H)8.59(d,J=4Hz,1H)。
【0078】
〔実施例18〕
【化21】

5−(4−アミノフェニル)−N3−[2−(1H−インドール−3−イル)エチル]ピラジン−2,3−ジアミン・トリフルオロ酢酸塩
手順Bを用いて、5−ブロモ−N3−[2−(1H−インドール−3−イル)エチル]−ピラジン−2,3−ジアミン(25mg)及び4−アミノフェニルボロン酸(15mg)から、標題化合物(4.4mg)を得た。
HRMS:計算値:C20206:344.1749、実測値:344.1748。1HNMR(400MHz,CD3OD)δppm3.22(t,J=7Hz,2H)3.98(t,J=7Hz,2H)6.94−7.05(m,1H)7.08−7.16(m,2H)7.17−7.25(m,2H)7.35(d,J=8Hz,1H)7.51(s,1H)7.58(d,J=7Hz,1H)7.87−8.03(m,2H)。
【0079】
〔実施例19〕
【化22】

4−(5−アミノ−6−{[2−(1H−インドール−3−イル)エチル]アミノ}ピラジン−2−イル)−N,N−ジメチルベンズアミド・トリフルオロ酢酸塩
手順Bを用いて、5−ブロモ−N3−[2−(1H−インドール−3−イル)エチル]−ピラジン−2,3−ジアミン(25mg)及び4−N,N−ジメチルベンズアミドボロン酸(22mg)から、標題化合物(3.0mg)を得た。
MSm/z437[M+H]+1HΝMR(400MHz,CD3OD)δ3.06(s,3H)3.15(s,3H)3.22(t,J=7Hz,2H)3.99(t,J=7Hz,2H)6.96−7.05(m,1H)7.06−7.16(m,2H)7.34(d,J=8Hz,1H)7.48−7.55(m,2H)7.58(d,J=7Hz,1H)7.61(s,1H)7.96−8.05(m,2H)。
【0080】
〔実施例20〕
【化23】

4−(5−アミノ−6−{[2−(1H−インドール−3−イル)エチル]アミノ}ピラジン−2−イル)ベンズアミド・トリフルオロ酢酸塩
手順Bを用いて、5−ブロモ−N3−[2−(1H−インドール−3−イル)エチル]−ピラジン−2,3−ジアミン(25mg)及び4−ベンズアミドボロン酸(19mg)から、標題化合物(4.8mg)を得た。
HRMS:計算値:C21206O:372.1699、実測値:372.1696。1HNMR(400MHz,CD3OD)δ3.23(t,J=7Hz,2H)3.99(t,J=7Hz,2H)7.02(t,J=7Hz,1H)7.07−7.17(m,2H)7.35(d,J=8Hz,1H)7.58(d,J=8Hz,1H)7.64(s,1H)7.94−8.00(m,2H)8.00−8.08(m,2H)。
【0081】
〔実施例21〕
【化24】

4−(6−{[2−(1H−インドール−3−イル)エチル]アミノ}ピラジン−2−イル)ベンズアミド・トリフルオロ酢酸塩
トリプタミン(100mg)、2,6−ジクロロピラジン(100 mg)及びトリエチルアミン(135mg)をアセトニトリル(4mL)に混合し、そして150℃で1時間加熱した。飽和NaHCO3水及びジクロロメタンを反応混合物に加え、そして相を分離した。水相をジクロロメタンで抽出した。有機相を合わせてブラインで洗浄し、濃縮した。粗製の中間体、6−クロロ−N−[2−(1H−インドール−3−イル)エチル]ピラジン−2−アミン、(4−アミノカルボニルフェニル)ボロン酸(121mg)、K2CO3(275mg)及びPd(テトラキス(トリフェニルホスフィン))(38mg)をジオキサン(4mL)及び水(1mL)に溶解し、そして反応混合物を100℃で終夜加熱した。1MのNaOH(水)及びジクロロメタンを混合物に加え、相を分離した。水相をジクロロメタンで抽出した。合わせた有機相をブラインで洗浄し、濃縮した。粗生成物を分取型HPLC(ACE C8カラム;移動相:0.1%TFA−CH3CN)で精製し、標題化合物(85mg)をその対応するトリフルオロ酢酸塩の形態で、白色固体として得た。
HRMS:計算値:C21195O:357.1590、実測値:357.1585。1HNMR(400MHz,DMSO−d6)δ3.03(t,J=7Hz,2H)3.68(t,J=7Hz,2H)6.99−7.01(m,1H)7.05−7.15(m,1H)7.22(d,J=2Hz,1H)7.36(d,J=8Hz,1H)7.44(s,1H)7.62(d,J=7Hz,1H)7.94(s,1H)7.98(d,J=8Hz,2H)8.14(d,J=8Hz,2H)8.33(s,1H)10.84(s,1H)。
【0082】
〔実施例22〕
【化25】

4−[6−(1H−インドール−5−イルアミノ)ピラジン−2−イル]ベンズアミド・トリフルオロ酢酸塩
5−アミノインドール(100mg)、2,6−ジクロロピラジン(100mg)及びトリエチルアミン(135mg)を、アセトニトリル(4mL)に混合し、150℃で1時間加熱した。飽和NaHCO3水及びジクロロメタンを反応混合物に加え、相を分離した。水相をジクロロメタンで抽出した。合わせた有機相をブラインで洗浄し、濃縮した。粗製の中間体、6−クロロ−N−(1H−インドール−5−イル)ピラジン−2−アミン、(4−アミノカルボニルフェニル)ボロン酸(121mg)、K2CO3(275mg)及びPd(テトラキス(トリフェニルホスフィン))(38mg)をジオキサン(4mL)及び水(1mL)に溶解し、反応混合物を100℃で終夜加熱した。1MのNaOH水及びジクロロメタンを反応混合物に加え、相を分離した。水相をジクロロメタンで抽出した。合わせた有機相をブラインで洗浄し、濃縮した。粗生成物を分取型HPLC(ACE C8カラム;移動相:0.1%TFA−CH3CN)で精製し、標題化合物(85mg)をその対応するトリフルオロ酢酸塩の形態で、白色固体として得た。
HRMS:計算値:C19155O:329.1277、実測値:329.1279。1HNMR(400MHz,CD3OD)δ7.27(d,J=3.01Hz,1H)7.31−7.37(m,1H)7.40−7.43(m,1H)7.47−7.51(m,1H)7.85−7.93(m,1H)7.95−8.08(m,3H)8.19−8.26(m,2H)8.38(s,1H)。
【0083】
〔実施例23〕
【化26】

5−(3−フルオロフェニル)−N3−1H−インドール−5−イルピラジン−2,3−ジアミン
本化合物は、Bio- Focus DPIから取得した。
HRMS:計算値:C1814FN5:319.123324、実測質量: 319.123684、MSm/z320[M+H]+
【0084】
〔実施例24〕
【化27】

5−(3−フリル)−N3−1H−インドール−5−イルピラジン−2,3−ジアミン
本化合物は、Bio Focus DPIから取得した。
HRMS:計算値C16135O:291.112010、実測質量:291.112130。MSm/z292[M+H]+
【0085】
〔実施例25〕
【化28】

3−[5−アミノ−6−(1H−インドール−5−イルアミノ)ピラジン−2−イル]ベンズアミド
本化合物は、Bio Focus DPIから取得した。
HRMS:実測値:C19166O:344.138559、実測質量:344.138509。MSm/z345[M+H]+
【0086】
〔実施例26〕
【化29】

N3−1H−インドール−5−イル−5−(3−チエニル)ピラジン−2,3−ジアミン
本化合物は、Bio Focus DPIから取得した。
HRMS:計算値:C16135S:307.089166、実測質量:307.089106。MSm/z308[M+H]+
【0087】
〔実施例27〕
【化30】

3−[5−アミノ−6−(1H−インドール−5−イルアミノ)ピラジン−2−イル]フェノール
本化合物は、Bio Focus DPIから取得した。
HRMS:計算値:C18155O:317.127660、実測質量:317.127990。MSm/z318[M+H]+
【0088】
〔実施例28〕
【化31】

4−{6−[(trans−4−ヒドロキシシクロヘキシル)アミノ]ピラジン−2−イル}ベンズアミド・トリフルオロ酢酸塩
2,6−ジクロロピラジン(500mg)、trans−4−アミノ−シクロヘキサノール(380mg)及びトリエチルアミン(500mg)を、アセトニトリル(4mL)/水(1mL)に溶解し、反応混合物を150℃で15分間加熱した。水及びジクロロメタンを混合物に加え、相を分離した。水相をもう1回ジクロロメタンで抽出した。合わせた有機相を洗浄(水、ブライン)し、蒸発させ、中間体6(750mg)、6−クロロ−N−(trans−4−ヒドロキシシクロヘキシル)ピラジン−2−アミンを85%純度で得た。この物質の一部(30mg)、炭酸カリウム(55mg)、4−ベンズアミドボロン酸(26mg)及びPd(テトラキス(トリフェニルホスフィン))(5mg)を、ジオキサン(4mL)及び水(1mL)に溶解し、反応混合物を100℃で終夜加熱した。1MのNaOH(水)及びジクロロメタンを混合物に加え、相を分離した。水相をジクロロメタンで抽出した。合わせた有機相をブラインで洗浄し、濃縮した。粗生成物を、分取型HPLC(ACE C8カラム;移動相:0.1%TFA−CH3CN)で精製し、標題化合物(5.0mg)をその対応するトリフルオロ酢酸塩の形態で、白色固体として得た。HRMS:計算値:C172042:312.1586、実測値:312.1585。
【0089】
〔実施例29〕
【化32】

trans−4−[(3−アミノ−6−ピリジン−4−イルピラジン−2−イル)アミノ]シクロヘキサノール
2,6−ジブロモ−3−アミノピラジン(6.44g、0.0255mol)、K2CO3(6.9g、0.05mol)及びtrans−4−アミノ−シクロヘキサノール(HCl塩)(7.55g、0.05mol)の水(10.0mL)中の懸濁液を、還流下で72時間加熱した(均一系の溶液が急速に生成し、そして約30時間後、固体が徐々に沈殿した)。混合物を冷却し、不溶性の固体を集め、そして水で洗浄し、中間体:trans−4−[(3−アミノ−6−ブロモピラジン−2−イル)アミノ]シクロヘキサノール(4.336g、59%)を得た。この未精製の物質(4.336g、0.0151mol)、4−ピリジルボロン酸(1.84g、0.0151mol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(870mg、0.7mmol、5mol%)のPhMe(200mL)中の溶液に、2Mの炭酸ナトリウム水溶液(40ml)及びエタノール(40mL)を加えた。混合物を還流下で終夜加熱した。混合物を蒸発させて濃縮し、そして不溶性の暗色の固体を濾過により集めた。次いで、この物質をMeOHに溶解し、シリカ上、EtOAc−MeOH(9:1)を用いたフラッシュクロマトグラフィーで精製し、浅黄色の固体(2.2g)を得た。EtOAc−MeOH(7:1)で更なる溶離を行い、追加の収穫物として浅黄色の固体(930mg)を得、それはシリカでひどく汚染されていた。両者の固体収穫物を合わせ、分取型HPLC(ACE C8カラム;移動相:0.1%TFA−CH3CN)で精製し、標題化合物(2.2g)を得た。HPLC純度100%。
1HNMR(400MHz,DMSO−d6)δppm1.33−1.40(m,4H),1.89−1.92(m,2H),2.01−2.04(m,2H),3.47−3.49(m,1H),3.93−3.97(m,1H),8.29(s,1H),8.41(d,2H,J=5.0Hz),8.80(d,2H,J=5.0Hz);MS(API−ES/ポジティブ);m/z:286(M+H)+
【0090】
〔実施例30〕
【化33】

N−(6−ピリジン−4−イルピラジン−2−イル)−1H−インドール−5−アミン
2,6−ジクロロピラジン(0.845g、5.67mmol)、5−アミノインドール(0.5g、3.78mmol)、BINAP(0.051g、0.0831mmol)、ナトリウムt−ブトキシド(0.51g、5.29mmol)及び酢酸パラジウム(0.0186g、0.0831mmol)のトルエン(25mL)中の混合物を、85℃で22時間窒素下で加熱した。CH2Cl2を加え、反応混合物をCeliteを通して濾過し、溶媒を蒸発させた。残留物をカラムクロマトグラフィー(溶離液:5%メタノール/CH2Cl2)で精製し、中間体、N−(6−クロロ−ピラジン−2−イル)−1H−インドール−5−アミン(0.180g、13%)を得た。
1HNMR(CD3OD)δ7.97(s,1H),7.84(s,1H),7.77(s,1H),7.42−7.39(d,J=8.63Hz,1H),7.28−7.20(m,2H),6.47−6.46(d,J=2.83Hz,1H);MS(API−ES/ポジティブ);m/z:245(M+H)+
N−(6−クロロ−ピラジン−2−イル)−1H−インドール−5−アミン(0.030g、0.123mmol)、ピリジン−4−ボロン酸 (0.018g、0.147mmol)、炭酸ナトリウム(0.067 g、0.615mmol)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.007g、0.006mmol)のDME/水=3/2(5mL)中の混合物を、還流下で20時間加熱した。反応混合物を減圧下で濃縮し、得られた残留物をジクロロメタンで抽出した。有機相を水、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(溶離液:5%メタノール/CH2Cl2)で精製し、N−(6−ピリジン−4−イルピラジン−2−イル)−1H−インドール−5 −アミン(0.011g、31%)を黄色の固体として得た。
1HNMR(CD3OD)δ8.70−8.68(d,J=6.17Hz,2H),8.47(s,1H),8.15(s,1H),8.14(d,J=1.50Hz,2H)7.96(d,J=1.70Hz,1H),7.45−7.43(d,J=8.64Hz,1H),7.37−7.35(dd,J=10.46,1.83Hz,1H),7.29−7.28(d,J=3.06Hz,1H),6.49−6.48(d,J=3.02Hz,1H);MS(API−ES/ポジティブ);m/z:288(M+H)+
【0091】
〔実施例31〕
【化34】

N−[6−(2−フルオロピリジン−4−イル)ピラジン−2−イル]−1H−インドール−5−アミン
N−(6−クロロ−ピラジン−2−イル)−1H−インドール−5−アミン(0.05g、0.205mmol)、2−フルオロピリジン−4−ボロン酸(0.057g、0.4mmol)、炭酸ナトリウム(0.112g、1.025mmol)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.012g、0.01mmol)のDME/水=3/2(3mL)中の混合物を、還流下で20時間加熱した。反応混合物を減圧下で濃縮し、得られた残留物をジクロロメタンで抽出した。有機層を水、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(溶離液:5%メタノール/CH2Cl2)で精製し、標題化合物(0.015g、24%)を黄色の固体として得た。
1HNMR(CD3OD)δ8.47(s,1H),8.35−8.33(d,J=5.29Hz,1H),8.16(s,1H),8.01−8.00(d,J=5.13Hz,1H),7.94(s,1H),7.78(s,1H),7.45−7.43(d,J=8.64Hz,1H),7.35−7.33(dd,J=10.33,1.72Hz,1H),7.29(d,J=2.95Hz,1H),6.48−6.47(d,J=2.58Hz,1H).;MS(API−ES/ポジティブ);m/z:306(M+H)+
【0092】
〔実施例32〕
【化35】

N−(6−ピリジン−4−イルピラジン−2−イル)−1H−インドール−6−アミン
2,6−ジクロロピラジン(0.150g、1.006mmol)、6−アミノインドール(0.200g、1.51mmol)、BINAP(0.0137g、0.02215mmol)、ナトリウムt−ブトキシド(0.136g、1.409mmol)及び酢酸パラジウム(0.005g、0.02215mmol)のトルエン(8mL)中の混合物を、窒素下、85℃で16時間加熱した。CH2Cl2を加え、反応混合物をCeliteを通して濾過し、溶媒を蒸発させた。残留物をカラムクロマトグラフィー(溶離液:5%メタノール/CH2Cl2)で精製し、中間体:(6−クロロ−ピラジン−2−イル)−(1H−インドール−6−イル)−アミン(0.070g、33%)を得た。
1HNMR(CDCl3)δ8.36(brs,1H,NH),8.08(s,1H),7.92(s,1H),7.64−7.59(m,2H),7.23(s,1H),7.01−6.98(d,J=8.37Hz,1H),6.87(s,1H,NH),6.56(s,1H);MS(API−ES/ポジティブ);m/z:245(M+H)+
(6−クロロ−ピラジン−2−イル)−(1H−インドール−6−イル)−アミン(0.070g、0.2868mmol)、ピリジン−4−ボロン酸(0.042g、0.344mmol)、炭酸ナトリウム(0.150g、1.43mmol)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.0165g、0.0143mmol)のDME/水=3/2(5mL)中の混合物を還流下で20時間加熱した。反応混合物を減圧下で濃縮し、得られた残留物をジクロロメタンで抽出した。有機層を水、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(溶離液:5%メタノール/CH2Cl2)で精製し、N−(6−ピリジン−4−イルピラジン−2−イル)−1H−インドール−6−アミン(0.030g、36.5%)を黄色の固体として得た。
1HNMR(CD3OD)δ8.73−8.72(d,J=5.68Hz,2H),8.51(s,1H),8.23−8.20(m,4H),7.56−7.54(d,J=8.46Hz,1H),7.22(d,J=2.99Hz,1H),7.14(dd,J=10.18,1.74Hz,1H),6.45(d,J=2.75Hz,1H);MS(API−ES/ポジティブ);m/z:288(M+H)+
【0093】
〔実施例33〕
【化36】

2−メチル−N−(6−ピリジン−4−イルピラジン−2−イル)−l,3−ベンゾチアゾール−5−アミン
2,6−ジクロロピラジン(0.150g、1.006mmol)、5−アミノ−2−メチルベンゾチアゾール(0.250g、1.51mmol)、BINAP(0.0137g、0.02215mmol)、ナトリウムt−ブトキシド(0.136g、1.409mmol)及び酢酸パラジウム(0.005g、0.02215 mmol)のトルエン(8mL)中の混合物を、窒素下、85℃で16時間加熱した。CH2Cl2を加え、反応混合物をCeliteを通して濾過し、そして溶媒を蒸発させた。残留物をカラムクロマトグラフィー(溶離液:5%メタノール/CH2Cl2)で精製し、中間体:(6−クロロ−ピラジン−2−イル)−(2−メチル−ベンゾチアゾール−5−イル)−アミン(0.180g、65%)を得た。
1HNMR(CDCl3)δ7.59−7.54(d,J=15.6Hz,2H),7.38(s,1H),7.19−7.16(d,J=8.65Hz,1H),6.98−6.95(d,J=8.41Hz,1H),6.71(brs,1H,NH),2.31(s,3H,CH3);MS(API−ES/ポジティブ);m/z:277(M+H)+
(6−クロロ−ピラジン−2−イル)−(2−メチル−ベンゾチアゾール−5−イル)−アミン(0.075g、0.271mmol)、ピリジン−4−ボロン酸(0.040g、0.326mmol)、炭酸ナトリウム(0.143g、1.35mmol)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.0156g、0.0135mmol)のDME/水=3/2(5mL)中の混合物を、還流下で20時間加熱した。反応混合物を減圧下で濃縮し、得られた残留物をジクロロメタンで抽出した。有機層を水、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(溶離液:5%メタノール/CH2Cl2)で精製し、2−メチル−N−(6−ピリジン−4−イルピラジン−2−イル)−l,3−ベンゾチアゾール−5−アミン(0.075g、86.5%)を黄色の固体として得た。
1HNMR(CD3OD)δ8.82(m,3H),8.72(s,1H),8.45−8.44(m,2H),8.35(s,1H),7.92−7.90(d,J=8.67Hz,1H),7.61−7.59(dd,J=10.63,1.94Hz,1H),2.89(s,3H,CH3);MS(API−ES/ポジティブ);m/z:320(M+H)+
【0094】
〔実施例34〕
【化37】

N−(6−ピリジン−4−イルピラジン−2−イル)−l,3−ベンゾチアゾール−5−アミン
2,6−ジクロロピラジン(0.150g、1.006mmol)、5−アミノ−ベンゾチアゾール(0.151g、1.006mmol)、BINAP(0.0137g、0.02215mmol)、ナトリウムt−ブトキシド(0.136g、1.409mmol)及び酢酸パラジウム(0.005g、0.02215mmol)のトルエン(8mL)中の混合物を、窒素下、85℃で16時間加熱した。CH2Cl2を加え、反応混合物をCeliteを通して濾過し、そして溶媒を蒸発させた。残留物をカラムクロマトグラフィー(溶離液:5%メタノール/CH2Cl2)で精製し、中間体:ベンゾチアゾール−5−イル−(6−クロロ−ピラジン−2−イル)−アミン(0.140g、53%)を得た。
1HNMR(CDCl3)δ10.12(s,1H),9.38(s,1H),8.59(s,1H),8.22(s,1H),8.11−8.08(d,J=8.67Hz,1H),8.02(s,1H),7.6−7.57(d,J=8.67Hz,1H);MS(API−ES/ポジティブ);m/z:263(M+H)+
ベンゾチアゾール−5−イル−(6−クロロ−ピラジン−2−イル)−アミン (0.06g、0.228mmol)、ピリジン−4−ボロン酸(0.043g、0.342mmol)、炭酸ナトリウム(0.124g、1.14mmol)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.013g、0.0114mmol)のDME/水=3/2(5mL)中の混合物を、還流下で22時間加熱した。反応混合物を減圧下で濃縮し、得られた残留物をジクロロメタンで抽出した。有機層を水、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、そして濃縮した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(溶離液:5%メタノール/CH2Cl2)で精製し、N−(6−ピリジン−4−イルピラジン−2−イル)−l,3−ベンゾチアゾール−5−アミン(0.035g、50%)を黄色の固体として得た。
1HNMR(CD3OD)δ9.31(s,1H),8.98(d,J=2.02Hz,1H),8.75−8.74(d,J=5.31Hz,2H),8.64(s,1H),8.31(s,1H),8.24−8.22(d,J=5.99Hz,2H),8.06−8.04(d,J=8.77Hz,1H),7.74−7.71(dd,J=10.73,2.01Hz,1H);MS(API−ES/ポジティブ);m/z:306(M+H)+
【0095】
生物学的方法
本発明の化合物のFLT3阻害能は、当技術分野で公知のインビトロ及びインビボアッセイを用いて定めることができる。クローン化キナーゼドメインを使用し、そして基質ペプチドのリン酸化を測定するFLT3阻害の幾つかのインビトロキナーゼアッセイが文献に記載されている。加えて、FLT3を発現する細胞系は、細胞アッセイにおいて生存率と増殖に対する効果を測定するために使用されている。
【0096】
酵素阻害アッセイ
本発明の化合物は、それらのFLT3阻害について以下の方法により評価した:
【0097】
インビトロFLT3キナーゼアッセイ
FLT3のチロシンキナーゼドメインの酵素阻害アッセイは、蛍光偏光法、Molecular DevicesのImmobilized Metal Ion Affinity-Based Fluorescence Polarization (IMAP) を用いて確立された。
簡潔に言えば:キナーゼ活性は、蛍光ペプチド基質をキナーゼドメインとインキュベートすることにより測定される。キナーゼ反応の完了後、結合緩衝液を加える。基質のリン酸化の際に、蛍光ペプチドは金属被覆ナノ粒子に結合する能力を獲得する。基質がナノ粒子に結合するとき、ペプチドの回転速度は低下し、従って蛍光偏光(fp)が高くなる。酵素のキナーゼ活性を阻害する化合物は、基質の低いリン酸化度及び低いfpシグナルをもたらす。
【0098】
試薬
Progressive Binding System (Molecular Devices製、 #R8124)を備えたIMAP緩衝剤キット:
反応緩衝剤:10mMMgCl2、0.05%NaN3及び0.01%Tween20を含む10mMTris−HCL、pH7.2。使用に先立ってDTTを1mMDTT最終濃度まで加えた(完全反応緩衝剤)。
【0099】
結合溶液を製造業者推奨に従って緩衝剤キットから調製した。結合試薬を、40%結合緩衝剤A及び60%結合緩衝剤Bで1:1,500に希釈した。
【0100】
使用したFLT3酵素は、Upstate製 (#14-500) の7.2U/mlの組み換えヒトFLT3、N末端GSTタグ付き、アミノ酸564−末端であった。
【0101】
使用した基質ペプチド:Molecular Devices製(#R7269)の20μMのFAM−CSKtide、5FAM−KKKKEEIYFFFG−NH2。
ATPストック溶液:10mM
DTTストック溶液:100mM
化合物希釈:反応緩衝液中0.01%Tween20+1%DMSO。試薬を完全反応緩衝液で使用溶液に希釈した。
【0102】
アッセイ条件
最終濃度:
Flt3:0.0125U/ml(バッチに応じて);
FAM−CSKtide:100nM;
ATP:100μM;
化合物用量反応:11段階希釈1:3、化合物の効力に応じてそれぞれ濃度範囲25,000〜0.42nM、5,000〜0.085nM、500〜0.0085nM。
【0103】
プロトコール
I.20μl容量で1時間のキナーゼ反応をセットアップ:
96ウェル黒色1/2面積プレート中にピペット操作:
5μl化合物希釈又はビヒクル;
5μl基質ペプチド(400nM);
5μl酵素(0.05U/ml)又は非特異的バックグラウンド(NSB)のための完全反応緩衝液;
5μlATP(400μM);
プレートをカバーし、穏やかに撹拌しながら室温でインキュベーション。
【0104】
II.2時間(最小時間)の結合インキュベーション:
60μl結合溶液の添加;
プレートをカバーし、穏やかに撹拌しながら室温でのインキュベーション。
【0105】
III.蛍光偏光分析:
プレートリーダー(Analyst AD) 励起波長485及び発光波長530を用いて蛍光を測定し、0.1秒の積分時間で読み取る(或いは、Victor2 V Wallac 485/535nm)。
試験化合物のストック濃度は100%DMSO中10mMで作製された。アッセイでは、化合物は10及び1μモルで単一点において試験し、反応緩衝液で上述のように希釈した。1μモルで60%阻害より大きい阻害活性を有する化合物は、続いて1:3希釈段階(典型的には25,000nMから0.42nM、より強力な化合物は500nMから0.0085nMをアッセイした)で11点希釈範囲を用いてIC50決定のための用量反応を試験した。IC50値は、式(A+(B−A)/(1+((C/x^D))))によって得られ、ここで、Aは最小に相当し、Bは最大に相当し、CはIC50に相当し、そしてDは傾き(Hill slope)に相当する。
本発明の化合物は、1nM〜2μM間のIC50値(例えば、1nM〜1μM間、1nM〜500nM間、1nM〜100nM間、1nM〜25nM間、1nM〜10nM間の)を示し得る。
【0106】
細胞アッセイ
AML細胞系のMV4−11は、FLT3内タンデム重複を有する。この細胞系は、生存率及び増殖に対するFLT3キナーゼ阻害剤の効果を評価するために広く使用されている。
簡潔に言えば、細胞を96ウェルプレート中に低密度で播種する。段階希釈の化合物を加え、細胞を72時間インキュベートする。生存細胞の総数を処理の終わりにフローサイトメトリーを用いて測定し、そして化合物の効果をビヒクル処理細胞と比較した%阻害として算出する。
【0107】
細胞及び培養条件
全細胞を標準細胞培養条件下に、90%湿度、5%CO2の雰囲気中37℃で培養した。
AML細胞系のMV4−11を、Invitrogenの10%ウシ胎仔血清(FBS)を補充したDHEMGlutamax高グルコース(4,500g/lグルコース)中で培養した。継代培養に先立って約2百万細胞/mlの密度に増殖させて、細胞を週2回継代培養した。
【0108】
生存率及び増殖アッセイ
生存率測定のために、3,000〜5,000細胞を50μl培地に96ウェルプレート中播種した。10mMのDMSOストックからの化合物の1:3段階希釈を、ペニシリン及びストレプトマイシンを添加した無血清培地で作製した。50μlの段階希釈液を細胞懸濁液に加えた。化合物の最終濃度は、それぞれ5μMから0.8nM、又は500nMから0.8nMであった。DMSO濃度は0.05%に一定に保った。
処理の最後に、100μlの生死判定試薬 (Guava ViaCount)を各ウェルに加えて、細胞数及び生存率をフローサイトメトリー (Guava 96-well ViaCount assay)を用いて測定した。典型的には、ビヒクル処理(0.05%DMSO)細胞系の細胞は実験中に倍増を3回繰り返した。実験の終わりに、%生存をビヒクル処理細胞と比較して算出した。EC50値は、式(A+(B−A)/(1+((C/x^D))))を用いて決定し、ここで、Aは最小に相当し、Bは最大に相当し、CはEC50に相当し、そしてDは傾きに相当する。
【0109】
結果
【表1】

【0110】
FLT3阻害剤と化学療法の組み合わせについてのインビトロアッセイ
AMLの処置に用いた式(I)の化合物及び標準化学療法薬の配列依存性相乗活性を、Brown et al.(2006) Leukemia 20: 1368-1376に記載されたように行い、そして 結果を、Chou and Talalay (1981) Eur J Biochemの原理に従うCalcusyn Softwareを用いて解析した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

[式中、
1は:
(a)インドリルエチル;
(b)シクロヘキシル;
(c)ヒドロキシシクロヘキシル;
(d)1,3−ベンゾチアゾリル;
(e)C1-3−アルキル−1,3−ベンゾチアゾリル;
(f)ベンゾチエニル;
(g)インドリル;
(h)インダゾリル;
(i)C1-3−アルキルインドリル;
(j)カルボキシインドリル;
(k)C1-3−アルコキシカルボニルインドリル;
(1)カルバモイルインドリル;
(m)4−メチルピペラジン−1−イルカルボニルインドリル;
(n)カルボキシメチルインドリル;
(o)アセチルアミノフェニル;及び
(p)C1-3−アルキルベンゾイミダゾリル;
から成るグループから選択され;
2は:
(a)ピリジニル;
(b)フルオロピリジニル;
(c)クロロピリジニル;
(d)C1-3−アルコキシピリジニル;
(e)チエニル;
(f)フリル;
(g)フェニル;
(h)フルオロフェニル;
(i)ヒドロキシフェニル;
(j)シアノフェニル;
(k)ヒドロキシメチルフェニル;
(1)アミノフェニル;
(m)カルバモイルフェニル;
(n)C1-3−アルキルアミノカルボニルフェニル;
(o)ジメチルアミノカルボニルフェニル;
(p)(C1-2−アルコキシ−C2-3−アルキルアミノカルボニル)フェニル;
(q)(シアノ−C2-3−アルキルアミノカルボニル)フェニル,
(r)(ジメチルアミノ−C23−アルキルアミノカルボニル)フェニル;
(s)N−メトキシ−N−メチルアミノカルボニルフェニル;
(t)モルホリン−4−イルカルボニルフェニル;
(u)ピペリジン−1−イルカルボニルフェニル;及び
(v)キノリニル;
から成るグループから選択され;
3は、水素又はNH2である]
の化合物、及びその幾何異性体、ラセミ体、互変異性体及び光学異性体、並びに薬学的に許容される塩、水和物、N−オキシド、及び生理学的に加水分解可能で許容されるそのエステルであり;
但し、以下の化合物:
4−(6−{[2−(1H−インドール−3−イル)エチル]アミノ}ピラジン−2−イル)ベンズアミド;
N’−(1H−インドール−5−イル)−5−(キノリン−5−イル)ピラジン−2,3−ジアミン;
5−(3−アミノフェニル)−N’−(1H−インドール−5−イル)ピラジン−2,3−ジアミン;
3−[5−アミノ−6−(1H−インドール−5−イルアミノ)ピラジニル]フェノール;
4−[5−アミノ−6−(1H−インドール−5−イルアミノ)ピラジニル]フェノール;又は
1−メチル−N−[6−(2−ピリジニル)ピラジニル]−1H−ベンゾイミダゾール−1−2−アミン;
ではない化合物。
【請求項2】
1は:
(a)ヒドロキシシクロヘキシル;
(b)C1-3−アルキル−1,3−ベンゾチアゾール−5−イル;
(c)1,3−ベンゾチアゾリル;
(d)ベンゾチエニル;
(e)インドリル;
(f)C1-3−アルキルインドール−5−イル;
(g)カルボキシインドリル;
(h) C1-3−アルコキシカルボニルインドリル;
から成るグループから選択され;そして
2は:
(a)ピリジニル;
(b)フルオロ−ピリジニル;及び
(c)カルバモイルフェニル;
から成るグループから選択され;そして
3はHである;
請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
1は:
(a)4−ヒドロキシシクロヘキシル;
(b)2−メチル−1,3−ベンゾチアゾール−5−イル;
(c)1,3−ベンゾチアゾール−5−イル;
(d)インドール−5−イル;及び
(e)インドール−6−イル;
から成るグループから選択され;そして
2は:
(a)4−ピリジニル;
(b)2−フルオロ−4−ピリジニル;及び
(c)4−カルバモイルフェニル;
から成るグループから選択され;そして
3はHである;
請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項4】
1は:
(a)インドールエチル;
(b)シクロヘキシル;
(c)ヒドロキシシクロヘキシル;
(d)C1-3−アルキル−1,3−ベンゾチアゾリル;
(e)ベンゾチエニル;
(f)インドリル;
(g)インダゾリル;
(h)C1-3−アルキルインドール−5−イル;及び
(i)カルバモイルインドリル;
から成るグループから選択され;
2は:
(a)ピリジニル;
(b)クロロピリジニル;
(c)フルオロピリジニル;
(d)C1-3−アルコキシピリジニル;
(e)チエニル;
(f)フェニル;
(g)フルオロフェニル;
(h)ヒドロキシフェニル;
(i)シアノフェニル;
(j)ヒドロキシメチルフェニル;
(k)アミノフェニル;
(1)カルバモイルフェニル;
(m)C1-3−アルキルアミノカルボニルフェニル;
(n)ジメチルアミノカルボニルフェニル;
(o)(C1-2−アルコキシ−C2-3−アルキルアミノカルボニル)フェニル;
(p)シアノ−C2-3−アルキルアミノカルボニル)フェニル;
(q)(ジメチルアミノ−C2-3−アルキルアミノカルボニル)フェニル;
(r)(N−メトキシ−N−メチルアミノカルボニルフェニル;
(s)(ピペリジン−1−イルカルボニル)フェニル;
(t)(モルホリン−4−イルカルボニル)フェニル;及び
(u)キノリニル;
から成るグループから選択され;そして
3はNH2である;
請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
1は:
(a)2−(インドール−3−イル)エチル;
(b)4−ヒドロキシシクロヘキシル;
(c)インドール−5−イル;
(d)インドール−4−イル;及び
(e)2−メチルインドール−5−イル;
から成るグループから選択され;
2は:
(a)3−ピリジニル;
(b)4−ピリジニル;
(c)2−クロロピリジン−4−イル;
(d)3−チエニル;
(e)3−フリル;
(f)3−フルオロフェニル;
(g)3−ヒドロキシフェニル;
(h)4−シアノフェニル;
(i)4−アミノフェニル;
(j)4−カルバモイルフェニル;
(k)3−カルバモイルフェニル;
(1)4−ジメチルアミノカルボニルフェニル;
(m)4−[(2−メトキシエチル)アミノカルボニル]フェニル;
から成るグループから選択され;そして
3はNH2である;
請求項1又は4に記載の化合物。
【請求項6】
以下の化合物:
N−(6−ピリジン−4−イルピラジン−2−イル)−1H−インドール−5−アミン;
N−[6−(2−フルオロピリジン−4−イル)ピラジン−2−イル] −1H−インドール−5−アミン;
N−(6−ピリジン−4−イルピラジン−2−イル)−1H−インドール−6−アミン;
N−(6−ピリジン−4−イルピラジン−2−イル)−1,3−ベンゾチアゾール−5−アミン;
2−メチル−N−(6−ピリジン−4−イルピラジン−2−イル)−1,3−ベンゾチアゾール−5−アミン;
4−[6−(1H−インドール−5−イルアミノ)ピラジン−2−イル]ベンズアミド;及び
4−{6−[(4−ヒドロキシシクロヘキシル)アミノ]ピラジン−2−イル}ベンズアミド;
N3−1H−インドール−5−イル−5−ピリジン−4−イルピラジン−2,3−ジアミン;
N3−1H−インドール−5−イル−5−ピリジン−3−イルピラジン−2,3−ジアミン,
5−(2−クロロピリジン−4−イル)−N3−1H−インドール−5−イルピラジン−2,3−ジアミン;
N3−(2−メチル−1H−インドール−5−イル)−5−ピリジン−4−イルピラジン−2,3−ジアミン;
N3−(2−メチル−1H−インドール−5−イル)−5−ピリジン−3−イルピラジン−2,3−ジアミン;
N3−1H−インドール−4−イル−5−ピリジン−4−イルピラジン−2,3−ジアミン;
N3−1H−インドール−5−イル−5−(3−チエニル)ピラジン−2,3−ジアミン;
5−(3−フリル)−N3−1H−インドール−5−イルピラジン−2,3−ジアミン;
N3−1H−インドール−5−イル−5−フェニルピラジン−2,3−ジアミン;
5−(3−フルオロフェニル)−N3−1H−インドール−5−イルピラジン−2,3−ジアミン;
3−[5−アミノ−6−(1H−インドール−5−イルアミノ)ピラジン−2−イル]ベンズアミド;
4−[5−アミノ−6−(1H−インドール−5−イルアミノ)ピラジン−2−イル]ベンズアミド;
4−{5−アミノ−6−[(2−メチル−1H−インドール−5−イル)アミノ]ピラジン−2−イル}ベンズアミド;
4−[5−アミノ−6−(1H−インドール−5−イルアミノ)ピラジン−2−イル]−N−(2−メトキシエチル)ベンズアミド;
4−[5−アミノ−6−(1H−インドール−5−イルアミノ)ピラジン−2−イル]−N−(2−シアノエチル)ベンズアミド;
4−[5−アミノ−6−(1H−インドール−4−イルアミノ)ピラジン−2−イル]ベンズアミド;
N3−[2−(1H−インドール−3−イル)エチル]−5−ピリジン−4−イルピラジン−2,3−ジアミン;
N3−[2−(1H−インドール−3−イル)エチル]−5−ピリジン−3−イルピラジン−2,3−ジアミン;
4−(5−アミノ−6−{[2−(1H−インドール−3−イル)エチル]アミノ}ピラジン−2−イル)ベンズアミド;
4−(5−アミノ−6−{[2−(1H−インドール−3−イル)エチル]アミノ}ピラジン−2−イル)−N,N−ジメチルベンズアミド;
5−(4−アミノフェニル)−N3−[2−(1H−インドール−3−イル)エチル]ピラジン−2,3−ジアミン
trans−4−[(3−アミノ−6−ピリジン−4−イルピラジン−2−イル)アミノ]シクロヘキサノール;
3−[5−アミノ−6−(1H−インドール−5−イルアミノ)ピラジン−2−イル]フェノール;及び
N3−1H−インダゾール−5−イル−5−ピリジン−4−イルピラジン−2,3−ジアミン;
4−[5−アミノ−6−(1H−イミダゾール−5−イルアミノ)ピラジン−2−イル]−N−(2−メトキシエチル)ベンズアミド;及び
4−[5−アミノ−6−(1H−イミダゾール−5−イルアミノ)ピラジン−2−イル]ベンズアミド;
から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物を含む医薬製剤。
【請求項8】
治療に使用するための、請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項9】
血液悪性腫瘍、骨髄増殖性疾患、他の増殖性疾患、自己免疫障害及び皮膚障害の処置に有用な薬剤の製造のための、請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項10】
血液悪性腫瘍が急性骨髄球性白血病又はFLT3関連障害である、請求項9に記載の使用。
【請求項11】
増殖性疾患ががんである、請求項9に記載の使用。
【請求項12】
皮膚障害が乾癬及びアトピー性皮膚炎から選択される、請求項9に記載の使用。
【請求項13】
プロテインキナーゼの阻害剤として作用する薬剤の製造のための、請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項14】
プロテインキナーゼがFms様チロシンキナーゼ3(FLT3)である、請求項13に記載の使用。
【請求項15】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物の製造方法であって、
a)2−アミノ−3,5−ジブロモ−ピラジンを、トリエチルアミン及び適切なアミン又はアルコールと反応させて2,3−ジアミノ−ピラジン−5−イル−ブロミドを生成させ;そして
b)工程a)で得られたピラジニル−ブロミドを適切なボロン酸とカップリングさせる;
工程を含む、上記方法。
【請求項16】
請求項1に記載の式(I)の化合物の有効量を対象に投与することを含む、対象のFLT3関連疾患又は障害を処置又は予防する方法。
【請求項17】
請求項16に記載の方法であって、FLT3関連疾患又は障害が、急性骨髄球性白血病(AML);混合型白血病(MLL);T細胞型急性リンパ性白血病(T−ALL);B細胞型急性リンパ性白血病(B−ALL);又は慢性骨髄単球性白血病(CMML)である、上記方法。
【請求項18】
請求項16に記載の方法であって、FLT3関連疾患又は障害が、骨髄増殖性疾患などの調節不全性のキナーゼ活性に関連する血液障害;がんなどの他の増殖性疾患;自己免疫障害;並びに乾癬及びアトピー性皮膚炎などの皮膚障害から選択される、上記方法。
【請求項19】
対象がヒトである、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
化合物が請求項6に記載の化合物である、請求項16に記載の方法。
【請求項21】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物及び別の分子標的薬の組み合わせの有効量を含む、医薬組成物。
【請求項22】
請求項21に記載の医薬組成物であって、他の分子標的薬が、従来の細胞毒性薬、又は化学療法後、幹細胞指向維持療法において及びMLL再構成小児急性リンパ芽球性白血病において使用される化合物である、上記医薬組成物。
【請求項23】
別の分子標的薬と組み合わせた請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物を、治療効果を与えるのに十分な量で、それを必要とするヒト又は動物対象に同時に又は逐次的に投与することを含む、血液悪性腫瘍、骨髄増殖性疾患、他の増殖性疾患、自己免疫障害及び皮膚障害を予防又は処置する方法。
【請求項24】
血液悪性腫瘍、骨髄増殖性疾患、他の増殖性疾患、自己免疫障害及び皮膚障害を処置する薬剤の製造のための、別の分子標的薬と合わせた請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物の使用。

【公表番号】特表2011−510948(P2011−510948A)
【公表日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−544683(P2010−544683)
【出願日】平成21年1月28日(2009.1.28)
【国際出願番号】PCT/EP2009/050931
【国際公開番号】WO2009/095399
【国際公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【出願人】(510208550)アチニオン・ファーマスーティカルズ・アクチエボラーグ (1)
【Fターム(参考)】