説明

新規化合物

【課題】バニロイド(VR1)受容体の拮抗作用が有益である障害の治療、予防方法の提供。
【解決手段】下記式(1)で表される化合物。


[PおよびP’は、独立して、アリールおよびヘテロアリールから選択され;R1およびR2は、独立して、−H、ハロ、アルキルなど。nは0、1、2または3であり;pおよびqは、独立して、0、1、2、3または4であり;rは1、2または3であり;sは0、1または2であって;xは0、1、2、3、4、5または6を意味する]で示される化合物、あるいはその医薬上許容される塩またはその溶媒和物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬理活性を有する新規化合物、特に尿素誘導体に、その製法に、当該化合物を含有する組成物に、医薬、特に種々の障害の治療におけるその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
バニロイド(Vanilloid)は、バニリル(4−ヒドロキシ 3−メトキシベンジル)基または機能的に等価な基があることで特徴付けられる一連の天然および合成の化合物である。バニロイド化合物によりその機能が調節されるバニロイド受容体(VR−1)は広範囲にわたって研究されており、スザラシおよびブラムベリー(SzallasiおよびBlumbery)が広く概説している(The American Society for Pharmacology and Experimental Therapeutics、1999、第51巻、第2号).
異なる構造の多種のバニロイド化合物、例えば、欧州特許出願番号EP0347000およびEP0401903、英国特許出願番号GB2226313および国際特許出願公開番号WO92/09285に開示の化合物が当該分野にて知られている。バニロイド化合物またはバニロイド受容体調節物の特に顕著な例が、ペッパー植物より単離されるカプサイシンまたはトランス8−メチル−N−バニリル−6−ノネンアミド、カプサゼピン(Tetrahedron、53、1997、4791)およびオルバニル(olvanil)またはN−(4−ヒドロキシ−3−メトキシベンジル)オレアミド(J. Med. Chem.、36、1993、2595)である。
米国特許第3424760号および米国特許第3424761号は、両方共、鎮痛薬、中枢神経系および精神病理学的活性を示すと言われている、一連の3−ウレイドピロリジンを記載する。これらの特許は、特に、各々、1−(1−フェニル−3−ピロリジニル)−3−フェニル尿素および1−(1−フェニル−3−ピロリジニル)−3−(4−メトキシフェニル)尿素の化合物を開示する。
国際特許出願、公開番号WO 02/08221、WO 02/16317、WO 02/16318およびWO 02/16319は、各々、ある種のバニロイド受容体アンタゴニストならびにそのバニロイド受容体の活性に伴う疾患の治療での使用を開示する。
同時係属特許出願番号PCT/EP02/04802は、一連の尿素誘導体およびそのバニロイド受容体の活性に伴う疾患の治療での使用を開示する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の第一の態様によれば、式(I):
【化1】

【0004】
[式中:
PおよびP’は、独立して、アリールおよびヘテロアリールから選択され;
およびRは、独立して、−H、ハロ、アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、アラルキル、アラルコキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキルアルコキシ、−CN、−NO、−OH、−OCF、−CF、−NR、−S(O)、−S(O)NR、−OS(O)、−OS(O)CF、−O(CHNR、−C(O)CF、−C(O)アルキル、−C(O)シクロアルキル、−C(O)アラルキル、−C(O)Ar、−C(O)(CHOR、−C(O)(CHNR、−C(O)アルコキシ、−C(O)NR、−(CHC(O)アルコキシ、−(CHOC(O)R、−(CHOR、−(CH、−(CHC(O)NR、−(CHN(R)C(O)R、−(CHS(O)NR、−(CHN(R)S(O)、−ZAr、−(CHS(O)、−(OCHS(O)、−N(R)S(O)、−N(R)C(O)R、−(CHN(R)S(O)、−(CHN(R)C(O)Rまたは(CHC(O)アルキルから選択され;
【0005】
およびRは、同一または異なっていてもよく、Hまたはアルキルであるか、あるいはRおよびRはそれらの結合する原子と一緒になってC3−6アザシクロアルカン、C3−6(2−オキソ)アザシクロアルカン環あるいはOまたは−NRなどのヘテロ原子が所望により割り込んでいてもよいC5−8のポリメチレン鎖を形成し;
ZはO、SまたはNRであり;
はアルキルまたはアリールであり;
は水素、アルキルまたはアリールであり;
mは1または2であり;
nは0、1、2または3であり;
pおよびqは、独立して、0、1、2、3または4であり;
rは1、2または3であり;
sは0、1または2であり;および
xは0、1、2、3、4、5または6を意味する]
で示される化合物、あるいはその医薬上許容される塩またはその溶媒和物;
【0006】
ただし、式(I)の化合物は、
1−(1−フェニル−3−ピロリジニル)−3−フェニル尿素;
1−(1−フェニル−3−ピロリジニル)−3−(4−メトキシフェニル)尿素;
N−(4−フルオロフェニル)−N’−[(R)−1−((3−メチルフェニル)ピロリジン−2−イルメチル)]尿素;
N−(2−ブロモフェニル)−N’−[((R)−1−(3−メチルフェニル)ピロリジン−3−イル)]尿素;
N−(2−ブロモフェニル)−N’−[((R)−1−(3−メチルフェニル)ピロリジン−2−イルメチル)]尿素;
N−(4−フルオロフェニル)−N’−[((S)−1−(3−メチルフェニル)ピロリジン−2−イルメチル)]尿素;
N−(2−ブロモフェニル)−N’−[((S)−1−(3−メチルフェニル)ピロリジン−2−イルメチル)]尿素;
N−(4−フルオロフェニル)−N’−[((S)−1−(3−メチルフェニル)ピロリジン−3−イル)]尿素;
N−(2−ブロモフェニル)−N’−[((S)−1−(3−メチルフェニル)ピロリジン−3−イル)]尿素;
N−(4−フルオロフェニル)−N’−[((R)−1−(3−メチルフェニル)ピロリジン−3−イル)]尿素;
N−(4−フルオロフェニル)−N’−[((R)−1−(3−フルオロフェニル)]ピロリジン−3−イル)]尿素;
N−(2−ブロモフェニル)−N’−[((R)−1−(3−フルオロフェニル)ピロリジン−3−イル)]尿素;
N−(1−ナフチル)−N’−[((R)−1−(3−メチルフェニル)ピロリジン−3−イル)]尿素;
【0007】
N−(2,3−ジクロロフェニル)−N’−[((R)−1−(3−メチルフェニル)ピロリジン−3−イル)]尿素;
N−(2−ブロモフェニル)−N’−[((S)−1−(3−フルオロフェニル)ピロリジン−3−イル)]尿素;
N−(2−ブロモフェニル)−N’−[((R)−1−(4−フルオロ−3−メチルフェニル)ピロリジン−3−イル)]尿素;
N−(2−ブロモフェニル)−N’−[((R)−1−(3,4−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−イル)]尿素;
N−(2−ブロモフェニル)−N’−[((R)−1−(3−フルオロ−4−メチルフェニル)ピロリジン−3−イル)]尿素;
N−(3−クロロ−2−メチルフェニル)−N’−[((R)−1−(3−メチルフェニル)ピロリジン−3−イル)]尿素;
N−(2,3−ジクロロフェニル)−N’−[((R)−1−(3−メチルフェニル)ピロリジン−3−イル)]尿素;
N−(2,5−ジクロロフェニル)−N’−[((R)−1−(3−メチルフェニル)ピロリジン−3−イル)]尿素;
N−(2,3−ジクロロフェニル)−N’−[((R)−1−(3−フルオロフェニル)ピロリジン−3−イル)]尿素;
N−(2,5−ジクロロフェニル)−N’−[((R)−1−(3−フルオロフェニル)ピロリジン−3−イル)]尿素;
N−(3−クロロ−2−メチルフェニル)−N’−[((R)−1−(3−フルオロフェニル)ピロリジン−3−イル)]尿素;
N−(3−クロロ−2−メチルフェニル)−N’−[((R)−1−(3,4−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−イル)]尿素;
N−(2,3−ジクロロフェニル)−N’−[((R)−1−(3,4−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−イル)]尿素;
N−(2,5−ジクロロフェニル)−N’−[((R)−1−(3,4−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−イル)]尿素;
N−(3−クロロ−2−メチルフェニル)−N’−[((R)−1−(3−フルオロ−4−メチルフェニル)ピロリジン−3−イル)]尿素;および
N−(2,3−ジクロロフェニル)−N’−[((R)−1−(3−フルオロ−4−メチルフェニル)ピロリジン−3−イル)]尿素
から選択される化合物以外の化合物が提供される。
適当には、PおよびP’は、独立して、フェニルおよびヘテロアリールから選択される。
【0008】
本発明の好ましい態様において、式(I)の化合物の下位群の式(IA):
【化2】

【0009】
Pはフェニル、ナフチル、キノリニルまたはイソキノリニルであり;
P’はフェニルまたはピリジルであり;
およびRは、独立して、H、ハロ、アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、アラルキル、アラルコキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキルアルコキシ、−CN、−NO、−OH、−OCF、−CF、−NR、−S(O)、−S(O)NR、−OS(O)、−OS(O)CF、−O(CHNR、−C(O)CF、−C(O)アルキル、−C(O)シクロアルキル、−C(O)アラルキル、−C(O)Ar、−C(O)(CHOR、−C(O)(CHNR、−C(O)アルコキシ、−C(O)NR、−(CHC(O)アルコキシ、−(CHOC(O)R、−(CHOR、−(CH、−(CHC(O)NR、−(CHN(R)C(O)R、−(CHS(O)NR、−(CHN(R)S(O)、−ZAr、−(CHS(O)、−(OCHS(O)、−N(R)S(O)、−N(R)C(O)R、−(CHN(R)S(O)、−(CHN(R)C(O)Rまたは(CHC(O)アルキルから選択され;
【0010】
およびRは、同一または異なっていてもよく、Hまたはアルキルであるか、あるいはRおよびRはそれらが結合する原子と一緒になってC3−6アザシクロアルカン、C3−6(2−オキソ)アザシクロアルカン環を形成するか、あるいはOまたは−NRなどのヘテロ原子が割り込んでいてもよいC5−8のポリメチレン鎖を形成し;
ZはO、SまたはNRであり;
はアルキルまたはアリールであり;
は水素、アルキルまたはアリールであり;
mは1または2であり;
nは0、1、2または3であり;
pおよびqは、独立して、0、1、2、3または4であり;
rは1、2または3であり;
sは0、1または2であって;
xは0、1、2、3、4、5または6を意味する]
で示される化合物、あるいはその医薬上許容される塩またはその溶媒和物;
【0011】
ただし、式(IA)の化合物は、
1−(1−フェニル−3−ピロリジニル)−3−フェニル尿素;
1−(1−フェニル−3−ピロリジニル)−3−(4−メトキシフェニル)尿素;
N−(4−フルオロフェニル)−N’−[(R)−1−((3−メチルフェニル)ピロリジン−2−イルメチル)]尿素;
N−(2−ブロモフェニル)−N’−[((R)−1−(3−メチルフェニル)ピロリジン−3−イル)]尿素;
N−(2−ブロモフェニル)−N’−[((R)−1−(3−メチルフェニル)ピロリジン−2−イルメチル)]尿素;
N−(4−フルオロフェニル)−N’−[((S)−1−(3−メチルフェニル)ピロリジン−2−イルメチル)]尿素;
N−(2−ブロモフェニル)−N’−[((S)−1−(3−メチルフェニル)ピロリジン−2−イルメチル)]尿素;
N−(4−フルオロフェニル)−N’−[((S)−1−(3−メチルフェニル)ピロリジン−3−イル)]尿素;
N−(2−ブロモフェニル)−N’−[((S)−1−(3−メチルフェニル)ピロリジン−3−イル)]尿素;
N−(4−フルオロフェニル)−N’−[((R)−1−(3−メチルフェニル)ピロリジン−3−イル)]尿素;
N−(4−フルオロフェニル)−N’−[((R)−1−(3−フルオロフェニル)]ピロリジン−3−イル)]尿素;
N−(2−ブロモフェニル)−N’−[((R)−1−(3−フルオロフェニル)ピロリジン−3−イル)]尿素;
N−(1−ナフチル)−N’−[((R)−1−(3−メチルフェニル)ピロリジン−3−イル)]尿素;
N−(2,3−ジクロロフェニル)−N’−[((R)−1−(3−メチルフェニル)ピロリジン−3−イル)]尿素;
N−(2−ブロモフェニル)−N’−[((S)−1−(3−フルオロフェニル)ピロリジン−3−イル)]尿素;
N−(2−ブロモフェニル)−N’−[((R)−1−(4−フルオロ−3−メチルフェニル)ピロリジン−3−イル)]尿素;
【0012】
N−(2−ブロモフェニル)−N’−[((R)−1−(3,4−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−イル)]尿素;
N−(2−ブロモフェニル)−N’−[((R)−1−(3−フルオロ−4−メチルフェニル)ピロリジン−3−イル)]尿素;
N−(3−クロロ−2−メチルフェニル)−N’−[((R)−1−(3−メチルフェニル)ピロリジン−3−イル)]尿素;
N−(2,3−ジクロロフェニル)−N’−[((R)−1−(3−メチルフェニル)ピロリジン−3−イル)]尿素;
N−(2,5−ジクロロフェニル)−N’−[((R)−1−(3−メチルフェニル)ピロリジン−3−イル)]尿素;
N−(2,3−ジクロロフェニル)−N’−[((R)−1−(3−フルオロフェニル)ピロリジン−3−イル)]尿素;
N−(2,5−ジクロロフェニル)−N’−[((R)−1−(3−フルオロフェニル)ピロリジン−3−イル)]尿素;
N−(3−クロロ−2−メチルフェニル)−N’−[((R)−1−(3−フルオロフェニル)ピロリジン−3−イル)]尿素;
N−(3−クロロ−2−メチルフェニル)−N’−[((R)−1−(3,4−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−イル)]尿素;
N−(2,3−ジクロロフェニル)−N’−[((R)−1−(3,4−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−イル)]尿素;
N−(2,5−ジクロロフェニル)−N’−[((R)−1−(3,4−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−イル)]尿素;
N−(3−クロロ−2−メチルフェニル)−N’−[((R)−1−(3−フルオロ−4−メチルフェニル)ピロリジン−3−イル)]尿素;および
N−(2,3−ジクロロフェニル)−N’−[((R)−1−(3−フルオロ−4−メチルフェニル)ピロリジン−3−イル)]尿素
から選択される化合物以外の化合物が提供される。
【0013】
適当には、Pはフェニル、キノリニルまたはイソキノリニルである。さらに適当には、Pはフェニル、5−キノリニル、7−キノリニルまたは5−イソキノリニルである。好ましくは、Pはフェニルまたは5−イソキノリニルである。
適当には、P’はフェニルである。適当には、P’はピリジルである。
適当には、Rはハロ、−CFまたはアルキルである。好ましくは、Rはフルオロ、クロロ、ブロモ、−CF、メチルまたはtert−ブチルである。
pが2または3である場合、基Rは同一または異なっていてもよい。
適当にはpは1または2である。好ましくはpは1である。
適当にはmは1である。
【0014】
適当にはnは0または1である。好ましくはnは0である。
適当にはRはハロ、アルキル、アルコキシ、−CNまたは−CFである。好ましくはRはフルオロ、クロロ、ブロモ、メチル、OMeまたはCFである。
適当にはqは1または2である。好ましくはqは1である。
適当にはxは1、2または3である。
qが2または3である場合、基Rは同一または異なっていてもよい。
qが2である場合、特に好ましいRの例は3,4−ジフルオロ、3−フルオロ−4−メチル、3−メチル−4−フルオロ、3−クロロ−5−トリフルオロメチル、3−シアノ−5−トリフルオロメチルおよび3−シアノ−6−トリフルオロメチルである。
適当には、rおよびsは4ないし7員環を特定するような数値とする。好ましくは、rおよびsは5または6員環を特定するような数値とする。最も好ましくは、rおよびsは5員環を特定するような数値とする。
【0015】
本発明のさらに好ましい態様によれば、式(I)の化合物の下位群の、式(IB):
【化3】

【0016】
Pはフェニル、ナフチル、キノリニルまたはイソキノリニルであり;
およびRは、独立して、H、ハロ、アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、アラルキル、アラルコキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキルアルコキシ、−CN、−NO、−OH、−OCF、−CF、−NR、−S(O)、−S(O)NR、−OS(O)、−OS(O)CF、−O(CHNR、−C(O)CF、−C(O)アルキル、−C(O)シクロアルキル、−C(O)アラルキル、−C(O)Ar、−C(O)(CHOR、−C(O)(CHNR、−C(O)アルコキシ、−C(O)NR、−(CHC(O)アルコキシ、−(CHOC(O)R、−(CHOR、−(CH、−(CHC(O)NR、−(CHN(R)C(O)R、−(CHS(O)NR、−(CHN(R)S(O)、−ZAr、−(CHS(O)、−(OCHS(O)、−N(R)S(O)、−N(R)C(O)R、−(CHN(R)S(O)、−(CHN(R)C(O)Rまたは(CHC(O)アルキルから選択され;
【0017】
およびRは、同一または異なっていてもよく、Hまたはアルキルであるか、あるいはRおよびR はそれらが結合する原子と一緒になってC3−6アザシクロアルカン、C3−6(2−オキソ)アザシクロアルカン環あるいはOまたは−NRなどのヘテロ原子が所望により割り込んでいてもよいC5−8のポリメチレン鎖を形成し;
ZはO、SまたはNRであり;
はアルキルまたはアリールであり;
は水素、アルキルまたはアリールであり;
mは1または2であり;
nは0、1、2または3であり;
pおよびqは、独立して、0、1、2、3または4であり;
rは1、2または3であり;
sは0、1または2であって;
xは0、1、2、3、4、5または6を意味する]
で示される化合物、あるいはその医薬上許容される塩またはその溶媒和物が提供される。
【0018】
適当には、Rはハロ、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、−CF、−NO、−CN、−OCF、アミノまたはモノ−またはジアルキルアミノである。好ましくは、Rはハロ、−CFまたはアルキルである。より好ましくは、Rはブロモ、クロロ、フルオロ、−CF、メチルまたはtert−ブチルである。
適当には、Rはハロ、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、−CF、−NO、−CN、−OCF、アミノまたはモノ−またはジアルキルアミノである。好ましくは、Rはハロ、アルキル、アルコキシ、−CNまたは−CFである。好ましくは、Rはブロモ、クロロ、フルオロ、メチル、−OMeまたは−CFである。
適当には、pおよびqは、独立して、0、1または2である。
適当には、rおよびsは、独立して、1または2である。
適当には、xは1、2または3である。
本発明によれば特に関心のある式(IB)の化合物は、(後記の表1に示される)実施例1−23、28、29、34−39、44−50および55−76の化合物またはその医薬上許容される塩または溶媒和物である。
【0019】
本発明のさらなる態様によれば、式(I)の化合物の下位群の、式(IC):
【化4】

【0020】
Pはフェニル、ナフチル、キノリニルまたはイソキノリニルであり;
およびRは、独立して、ハロ、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、−CF、−NO、−CN、−OCF、アミノまたはモノ−またはジアルキルアミノから選択され;
nは0、1、2または3であり;
pおよびqは、独立して、0、1、2、3または4であり;
rは1、2または3であって;
sは0、1または2を意味する]
で示される化合物、あるいはその医薬上許容される塩またはその溶媒和物;
【0021】
ただし、式(IC)の化合物は、
1−(1−フェニル−3−ピロリジニル)−3−フェニル尿素;
1−(1−フェニル−3−ピロリジニル)−3−(4−メトキシフェニル)尿素;
N−(4−フルオロフェニル)−N’−[(R)−1−((3−メチルフェニル)ピロリジン−2−イルメチル)]尿素;
N−(2−ブロモフェニル)−N’−[((R)−1−(3−メチルフェニル)ピロリジン−3−イル)]尿素;
N−(2−ブロモフェニル)−N’−[((R)−1−(3−メチルフェニル)ピロリジン−2−イルメチル)]尿素;
N−(4−フルオロフェニル)−N’−[((S)−1−(3−メチルフェニル)ピロリジン−2−イルメチル)]尿素;
N−(2−ブロモフェニル)−N’−[((S)−1−(3−メチルフェニル)ピロリジン−2−イルメチル)]尿素;
N−(4−フルオロフェニル)−N’−[((S)−1−(3−メチルフェニル)ピロリジン−3−イル)]尿素;
N−(2−ブロモフェニル)−N’−[((S)−1−(3−メチルフェニル)ピロリジン−3−イル)]尿素;
N−(4−フルオロフェニル)−N’−[((R)−1−(3−メチルフェニル)ピロリジン−3−イル)]尿素;
【0022】
N−(4−フルオロフェニル)−N’−[((R)−1−(3−フルオロフェニル)]ピロリジン−3−イル)]尿素;
N−(2−ブロモフェニル)−N’−[((R)−1−(3−フルオロフェニル)ピロリジン−3−イル)]尿素;
N−(1−ナフチル)−N’−[((R)−1−(3−メチルフェニル)ピロリジン−3−イル)]尿素;
N−(2,3−ジクロロフェニル)−N’−[((R)−1−(3−メチルフェニル)ピロリジン−3−イル)]尿素;
N−(2−ブロモフェニル)−N’−[((S)−1−(3−フルオロフェニル)ピロリジン−3−イル)]尿素;
N−(2−ブロモフェニル)−N’−[((R)−1−(4−フルオロ−3−メチルフェニル)ピロリジン−3−イル)]尿素;
N−(2−ブロモフェニル)−N’−[((R)−1−(3,4−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−イル)]尿素;
N−(2−ブロモフェニル)−N’−[((R)−1−(3−フルオロ−4−メチルフェニル)ピロリジン−3−イル)]尿素;
N−(3−クロロ−2−メチルフェニル)−N’−[((R)−1−(3−メチルフェニル)ピロリジン−3−イル)]尿素;
N−(2,3−ジクロロフェニル)−N’−[((R)−1−(3−メチルフェニル)ピロリジン−3−イル)]尿素;
【0023】
N−(2,5−ジクロロフェニル)−N’−[((R)−1−(3−メチルフェニル)ピロリジン−3−イル)]尿素;
N−(2,3−ジクロロフェニル)−N’−[((R)−1−(3−フルオロフェニル)ピロリジン−3−イル)]尿素;
N−(2,5−ジクロロフェニル)−N’−[((R)−1−(3−フルオロフェニル)ピロリジン−3−イル)]尿素;
N−(3−クロロ−2−メチルフェニル)−N’−[((R)−1−(3−フルオロフェニル)ピロリジン−3−イル)]尿素;
N−(3−クロロ−2−メチルフェニル)−N’−[((R)−1−(3,4−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−イル)]尿素;
N−(2,3−ジクロロフェニル)−N’−[((R)−1−(3,4−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−イル)]尿素;
N−(2,5−ジクロロフェニル)−N’−[((R)−1−(3,4−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−イル)]尿素;
N−(3−クロロ−2−メチルフェニル)−N’−[((R)−1−(3−フルオロ−4−メチルフェニル)ピロリジン−3−イル)]尿素;および
N−(2,3−ジクロロフェニル)−N’−[((R)−1−(3−フルオロ−4−メチルフェニル)ピロリジン−3−イル)]尿素
から選択される化合物以外の化合物が提供される。
【0024】
適当には、Pはフェニル、キノリニルまたはイソキノリニルである。
適当には、Rはアルキルである。好ましくは、Rはメチルである。
適当には、Rはハロまたはアルキルである。適当には、Rはフルオロまたはメチルである。
適当には、pおよびqは、独立して、0、1または2である。
適当には、rおよびsは、独立して、1または2である。
本発明によれば特に関心のある式(IC)の化合物は、(後記の表1に示される)実施例24−27、30−33、40−43および51−54の化合物またはその医薬上許容される塩または溶媒和物である。
【0025】
式(I)の特定の炭素原子は、「*」で標識した炭素原子などの、キラル炭素原子である。したがって、式(I)の化合物は立体異性体として存在することもできる。本発明は、エナンチオマーおよびそのラセミ体などの混合物を含め、式(I)の化合物の立体異性体などのすべての光学異性体にまで及ぶ。異なる立体異性体は慣用的手段により相互に分離または分割することができ、あるいは所定の異性体を慣用的な立体特異的合成または不斉合成により得ることもできる。
式(I)の好ましい化合物は、C炭素がR−配置の化合物である。
本明細書中の特定の化合物は種々の互変異性体の形態にて存在することができ、本発明はそのようなすべての互変異性体を包含することが理解される。
上記したように、式(I)の化合物は、塩、特に医薬上許容される塩を形成することもできる。適当な医薬上許容される塩は当該分野にて慣用的に使用されるものであり、酸付加塩などのJ. Pharm. Sci.、1977、66、1−19に記載の塩が挙げられる。
【0026】
適当な医薬上許容される塩は酸付加塩を包含する。
適当な医薬上許容される酸付加塩は、例えば、塩酸、臭化水素酸、オルトリン酸または硫酸などの無機酸、あるいは例えば、メタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸、クエン酸、フマル酸、リンゴ酸、コハク酸、サリチル酸、マレイン酸、グリセロリン酸またはアセチルサリチル酸などの有機酸との塩を包含する。
医薬上許容されない式(I)の化合物の塩および/または溶媒和物は、式(I)の化合物の塩および/または溶媒和物または式(I)の化合物それ自体の調製における中間体として有用であり、そのような塩および/または溶媒和物それ自体も本発明のさらなる態様を形成する。
【0027】
式(I)の化合物は結晶形または非結晶形で調製してもよく、結晶形であるならば、所望により水和または溶媒和させてもよい。本発明はその範囲に化学量論的水和物ならびに可変量の水を含有する化合物を包含する。
適当な溶媒和物は水和物などの医薬上許容される溶媒和物を包含する。
溶媒和物は化学量論的溶媒和物および化学量論的でない溶媒和物を包含する。
【0028】
本明細書中で用いる基または基の一部としての「アルキル」なる語は、1ないし12個の炭素原子、適当には1ないし6個の炭素原子を含有する直鎖または分岐鎖の飽和脂肪族炭化水素基をいう。かかるアルキル基は、特に、メチル(「Me」)、エチル(「Et」)、n−プロピル(「Prn」)、イソプロピル(「Pri」)、n−ブチル(「Bun」)、sec−ブチル(「Bus」)、tert−ブチル(「But」)、ペンチルおよびヘキシルを包含する。必要に応じて、かかるアルキル基は、一またはそれ以上の、ハロ(フルオロ、クロロ、ブロモなど)、−CN、−CF、−OH、OCF、C2−6アルケニル、C3−6アルキニル、C1−6アルコキシ、アリールおよびジ−C1−6アルキルアミノからなる群より選択される基によって置換されていてもよい。
【0029】
本明細書中で用いる基または基の一部としての「アルコキシ」なる語は、アルキルエーテル基(「アルキル」なる語は上記したとおりである)をいう。かかるアルコキシ基は、特に、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソ−プロポキシ、n−ブトキシ、イソ−ブトキシ、sec−ブトキシおよびtert−ブトキシを包含する。必要に応じて、かかるアルコキシ基は、一またはそれ以上の、ハロ(フルオロ、クロロ、ブロモなど)、−CN、−CF、−OH、OCF、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C3−6アルキニル、アリールおよびジ−C1−6アルキルアミノから選択される基により置換されていてもよい。
本明細書中で用いる基または基の一部としての「アリール」なる語は、炭素環式芳香族基(「Ar」)をいう。適当には、かかるアリール基は5−6員の単環式基または8−10員の縮合二環式基、特にフェニル(「Ph」)、ビフェニルおよびナフチル、特にナフチルおよびフェニルである。
【0030】
本明細書中で用いる基または基の一部としての「ヘテロアリール」なる語は、炭素原子と、1ないし4個の、適当には1ないし2個の、N、OおよびSからなる群より独立して選択されるヘテロ原子とを含む、安定した5−7員の単環式または7−ないし10−員の二環式複素環式芳香族環をいう。芳香族複素環中のSおよびO原子の総数は多くても1個であることが好ましい。適当なヘテロアリール基の例として、限定されるものではないが、アクリジニル、アゾシニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフラニル、ベンゾチオフェニル、ベンズオキサゾリル、ベンズチアゾリル、ベンズトリアゾリル、ベンズテトラゾリル、ベンズイソキサゾリル、ベンズイソチアゾリル、ベンズイミダゾリル、カルバゾリル、カルボリニル、クロマニル、クロメニル、シンノリニル、デカヒドロキノリニル、2H、6H−1,5,2−ジチアジニル、ジヒドロベンゾフラニル、フラニル、フラザニル、イミダゾリル、1H−インダゾリル、インドリニル、インドリル、イソベンゾフラニル、イソクロマニル、イソインダゾリル、イソインドリル、イソキノリニル、イソチアゾリル、イソキサゾリル、ナフチリジニル、オキサジアゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,2,5−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、オキサゾリル、ピリミジニル、フタラジニル、フテリジニル、プリニル、ピラジニル、ピラゾリル、ピリドオキサゾリル、ピリドイミダゾリル、ピリドチアゾリル、ピリジル、ピロリル、キナゾリニル、キノリニル、キノキサリニル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、6H−1,2,5−チアジアジニル、1,2,3−チアジアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、1,2,5−チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、チアゾリル、チエニル、チエノチアゾリル、チエノオキサゾリル、チエノイミダゾリル、トリアジニル、1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリル、1,2,5−トリアゾリル、1,3,4−トリアゾリルおよびキサンテニルが挙げられる。
【0031】
「ハロ」なる語は、本明細書において、特記しない限り、フッ素(「フルオロ」)、塩素(「クロロ」)、臭素(「ブロモ」)またはヨウ素(「ヨード」)から選択される基を示すのに用いられる。
「ナフチル」なる語は、特記しない限り、ナフト−1−イルおよびナフト−2−イル基の両方を示すのに用いられる。
【0032】
本発明はまた、式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩の製法であって、式(II):
【化5】

[式中、R、Pおよびpは式(I)の記載と同意義である]
で示される化合物を、式(III):
【化6】

[式中、P’、R、n、q、rおよびsは式(I)の記載と同意義であり、AおよびBは一緒に反応して尿素基を形成することのできる適当な官能基を含有する]
で示される化合物とカップリングさせ;
【0033】
その後、要すれば、一またはそれ以上の次の反応:
(i)一の式(I)の化合物を別の式(I)の化合物に変換する;
(ii)保護基を除去する;
(iii)そうして形成された化合物の塩または溶媒和物を調製する;
反応を実施することを含む、方法を提供する。
【0034】
適当なAおよびB基の適切な例は:
(a)Aが−N=C=Oであって、BがNHであるか;またはAがNHであって、BがN=C=Oであるか、あるいは
(b)AがNHであって、BがNHであり、適当な尿素形成剤を含む基を包含する。
【0035】
方法(a)において、当該反応はジクロロメタンまたはアセトニトリルなどの不活性溶媒中で実施される。
方法(b)において、尿素形成剤はカルボニルジイミダゾールあるいはホスゲンまたはトリホスゲンとすることができ、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランまたはジクロロメタンなどの不活性有機溶媒中、トリエチルアミンまたはピリジンなどの塩基の存在下、外界温度または高温で実施することができる。
式(I)の非対称尿素化合物の別の合成方法は、ジアリールカルボネートから、対応するカルバメートを介するものである。かかる方法は、Freerら(Synthetic Communications、26(2)、331−349、1996)に記載されている。当業者であれば、かかる方法を式(I)の化合物の調製に容易に適合させることができるであろう。
【0036】
当業者であれば、特定の反応性置換基を上記した操作のある部分において保護する必要があることを認識するであろう。標準的な保護および脱保護の方法、例えば、Greene T.W. 「Protective groups in organic synthesis」、New York、Wiley(1981)に記載の方法を用いることができる。例えば、第一アミンはフタルイミド、ベンジル、ベンジルオキシカルボニルまたはトリチル誘導体として保護することができる。カルボン酸基はエステルとして保護することができる。アルデヒドまたはケトン基はアセタール、ケタール、チオアセタールまたはチオケタールとして保護することができる。このような基の脱保護は当該分野にて周知の慣用的操作を用いて達成される。
【0037】
式(III)の化合物は、式(IV):
【化7】

(IV)
[式中、P’は式(I)に関して定義したとおりであり、R’は上記したRであるか、またはその保護された形態であり、L1は脱離基であって、qは上記したとおりである]
で示される化合物を、式(V):
【化8】

[式中、B’は上記したBであるか、またはその保護された形態であり、n、rおよびsは上記したとおりである]
で示される化合物と反応させることで調製することができる。
【0038】
適当には、L1はハロゲン、例えば塩素である。
適当には、式(V)の化合物は活性化された形態、例えば、イオン形態である。このような活性化された形態は、例えば、化合物(IV)と(V)を、炭酸カリウムなどのアルカリ金属炭酸塩の存在下、ジメチルホルムアミドなどの非プロトン性溶媒中、選択される特定の方法に適する反応条件、例えば100℃などの高温を用いて反応させるような、慣用的なカップリング反応方法を用いて調製される。
式(IV)と(V)の化合物は商業上入手可能であるか、あるいは既知の方法、例えば、式(IV)の化合物については、Heterocycles、1984、22(1)、117およびJ. Chem. Soc.,Perkin 1、1988、4、.921に開示されている方法、式(V)の化合物については、J. Med. Chem.、1992、35(10)、1764に開示の方法、あるいはこれらの開示方法に類似する方法により調製される。
医薬上許容される塩は適当な酸または酸誘導体との反応により都合よく調製することができる。
【0039】
式(I)の化合物およびその医薬上許容される塩はバニロイド受容体アンタゴニスト(VR1)活性を有し、特定の障害の治療または予防に、あるいはそれらの障害に付随する痛み、例えば、痛み、慢性の痛み、神経障害性の痛み、術後の痛み、関節リウマチ後の痛み、変形性関節症の痛み、背痛、内臓痛、癌の痛み、痛覚、神経痛、歯痛、頭痛、偏頭痛、神経障害、手根管症候群、糖尿病性神経障害、HIV関連性神経障害、疱疹後神経痛、線維筋痛、神経炎、坐骨神経痛、神経損傷、虚血、神経変性、発作、発作後の痛み、多発性硬化症、呼吸器疾患、喘息、咳、COPD、気管支収縮、炎症性障害、食道炎、胸焼け、場レット化生、嚥下困難、胃食道逆流障害(GERD)、胃および十二指腸潰瘍、機能性消化不良、過敏性腸症候群、炎症性腸疾患、結腸炎、クローン病、骨盤過敏症、骨盤痛、月経痛、腎仙痛、尿失禁、膀胱炎、熱傷、かゆみ、乾癬、掻痒、嘔吐(以下、「本発明の障害」という)の治療に、有用である可能性があると考えられる。
【0040】
したがって、本発明は、特に本発明の障害の治療および/または予防にて活性な治療物質として有用な、式(I)の化合物あるいはその医薬上許容される塩または溶媒和物を提供する。
特に、本発明は、痛みの治療または予防にて用いるための、式(I)の化合物あるいはその医薬上許容される塩または溶媒和物を提供する。
本発明は、さらには、ヒトを含む哺乳動物にて、バニロイド(VR1)受容体の拮抗作用が効果的である、障害、特に本発明の障害を治療または予防する方法であって、治療上有効量の式(I)の化合物あるいはその医薬上許容される塩または溶媒和物をそれを必要とする哺乳動物に投与することを含む方法を提供する。
【0041】
本発明は、バニロイド(VR1)受容体の拮抗作用が効果的である、障害、特に本発明の障害を治療または予防するための医薬の製造における、式(I)の化合物あるいはその医薬上許容される塩または溶媒和物の使用を提供する。
治療にて本発明の化合物を使用するために、当該化合物は、標準的な薬務に従って、一般に、医薬組成物に処方されるであろう。このように、本発明はまた、式(I)の化合物あるいはその医薬上許容される塩または溶媒和物と、医薬上許容される担体または賦形剤を含む、医薬組成物を提供する。
適宜、外界温度および大気圧の下で混合することで調製することのできる、本発明の医薬組成物は、通常、経口用、非経口用、経直腸用投与または膀胱への膀胱内投与に適しており、それ自体、錠剤、カプセル、経口用液体製剤、散剤、顆粒、ロゼンジ、復元可能な散剤、注射または注入可能な溶液、懸濁液または坐剤の形態であってもよい。一般に、経口投与可能な組成物が好ましい。
【0042】
経口投与用錠剤およびカプセルは単位剤形であってもよく、結合剤、充填剤、錠剤化滑沢剤、崩壊剤および許容される湿潤剤などの慣用的な賦形剤を含有してもよい。錠剤は一般の薬務に既知の方法に従って被覆してもよい。
経口液体製剤は、例えば、水性または油性懸濁液、溶液、エマルジョン、シロップまたはエリキシルの形態であってもよく、あるいは使用前に水または他の適当なビヒクルで復元可能な乾燥製品の形態とすることもできる。かかる液体製剤は懸濁化剤、乳化剤、非水性ビヒクル(食用油を含んでいてもよい)、保存剤などの慣用的な添加剤を含有してもよく、要すれば、慣用的なフレーバーまたは着色料を含んでいてもよい。
【0043】
非経口投与の場合、流状単位製剤は、本発明の化合物またはその医薬上許容される塩と、滅菌ビヒクルとを用いて調製される。用いるビヒクルまたは濃度に応じて、化合物はビヒクルに懸濁させるか、または溶解させるかのいずれかとすることができる。溶液の調製においては、化合物を注射のために溶かし、適当なバイアルまたはアンプルに充填して密封する前に濾過滅菌することができる。有利には、局所麻酔薬、保存剤および緩衝化剤などのアジュバントをビヒクルに溶かす。安定性の強化のために、組成物をビヒクルに充填した後に凍結させ、水を真空下で除去することができる。非経口懸濁液は、化合物をビヒクルに溶かす代わりに懸濁させ、滅菌処理を濾過で行うことができないことを除いて、実質的に同じ方法にて調製される。滅菌ビヒクルに懸濁させる前に酸化エチレンに曝すことで化合物を滅菌処理することができる。界面活性剤または湿潤剤を組成物に含め、化合物の均一な分散を容易にすることが有利である。
【0044】
組成物は、投与方法に応じて、0.1ないし99重量%、好ましくは10ないし60重量%の活性物質を含有してもよい。
上記した障害の治療に用いられる化合物の用量は、障害の重度、患者の体重、他の同様の因子に応じて、一般に変化するであろう。全身投与の場合、痛みの治療には、体重1kg当たり0.01mgないし100mgの用量レベルが有用である。しかしながら、一般的指針として、単位用量は、適当には0.05ないし1000mg、さらに適当には0.05ないし20、20ないし250または0.1ないし500.0mg、例えば、0.2ないし5および0.1ないし250mgであり;一日の用量の合計が約0.5ないし1000mgの範囲にあるように、かかる単位用量を一日に一回以上、例えば、一日に2回または3回投与してもよく;かかる治療が数週間または数ヶ月に及んでもよい。
【0045】
本発明の指示に従って投与した場合、本発明の化合物では許容できない毒物学的作用は示唆されない。
本明細書にて引用される、特許および特許出願を含むがこれに限定されない、すべての刊行物は、たとえ、個々の刊行物が、その内容を十分に開示している場合に、出典を明示することで明細書の一部とすることを、具体的かつ個別的に意図するものであったとしても、その出典を明示することにより本明細書の一部とされる。
以下の記載例および実施例は本発明の化合物の調製を説明するものである。
【実施例】
【0046】
略語
BINAP:2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル
HPLC:高性能液体クロマトグラフィ
MgSO:硫酸マグネシウム
TFA:トリフルオロ酢酸
DCM:ジクロロメタン
【0047】
記載例1
[(R)−1−(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)−ピロリジン−3−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(D1)
2−クロロ−5−トリフルオロメチルピリジン(7.3g、0.04モル)および3R−(+)−3−(tert−ブチルオキシカルボニルアミノ)ピロリジン(7.5g、0.04モル)の乾燥ジメチルホルムアミド(100ml)中溶液に、炭酸カリウム粉末(6.6g、0.05モル)を加え、反応物を100℃で7時間加熱し、そして冷却した。減圧下で溶媒を除去し、残渣を酢酸エチルと水の間に分配した。有機相を分離し、乾燥(MgSO)させて濾過した。減圧下で溶媒を除去して固体を得た。酢酸エチルおよびDCM(勾配溶出、20%最大)で溶出するシリカゲル上のクロマトグラフィに付し、標記化合物を白色固体として得た。
【0048】
記載例2
(R)−1−(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)−ピロリジン−3−イルアミン(D2)
D1(11.5g、0.04モル)のDCM(80ml)中溶液を冷却し(氷浴)およびトリフルオロ酢酸(過剰量、50ml)を加えた。反応物を外界温度まで加温し、3時間攪拌し、酢酸エチルおよび水性水酸化ナトリウムの間に分配した。有機相を分離し、乾燥(MgSO)させて濾過した。溶媒を減圧下で除去し、粗生成物を黄色油として得た。減圧下、バルブ−ツー−バルブ(bulb to bulb)蒸留に付し、最初、標記化合物を油状物として得、それを放置して結晶化させた。
【0049】
記載例3
1,3−ジメチル−5−ニトロイソキノリン(D3)
濃硫酸(15ml)中の1,3−ジメチルイソキノリン[(Chem. Lett.、1983、791頁)、2.39g、15.20mM]を<4℃に冷却した。温度を4℃より下に維持しながら、硝酸カリウム(1.69g、16.72mM)の濃硫酸中溶液を滴下した。添加終了後、この温度でさらに2時間該溶液を攪拌し、ついで室温に1時間加温した。反応混合物を氷水中に注ぎ、該溶液を水酸化ナトリウムで塩基性にし、DCMで抽出した。その抽出液をブラインで洗浄し、乾燥させ、黄色固体にまで濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィで精製し、標記化合物を黄色結晶固体として得た。
【0050】
記載例4
5−アミノ−1,3−ジメチルイソキノリン(D4)
D3 (2.01g、9.94mM)および10%炭素上パラジウム(1g)のメタノール中溶液を大気圧下で1時間水素添加した。触媒を濾去し、濾液を減圧下で濃縮して標記化合物を灰白色固体として得た。
【0051】
記載例5
3−メチル−5−ニトロイソキノリン(D5)
3−メチルイソキノリン(5.4g、0.038モル)の濃硫酸(30ml)中溶液を硝酸カリウム(4.25g、1.1当量)の濃硫酸(23ml)中溶液に、温度を4℃より下に維持しながら(氷浴)、注意して添加した。攪拌を2時間続け、ついで温度を外界温度まで昇温させた。反応物をさらに3時間攪拌し、ついで氷水スラリー(500ml)に注いだ。炭酸カリウム固体を用いて中和して黄色固体を得、それを濾過し、水で洗浄した。粗生成物をエタノール(200ml)に溶かし、濾過し、減圧下で濃縮して黄色固体の標記化合物を得た。
【0052】
記載例6
5−アミノ−3−メチルイソキノリン(D6)
記載例4に概説した操作を用いてD5から標記化合物を調製した。
【0053】
記載例7
N−(2,2−ジメトキシエチル)−(1−フェニル)エチルアミン(D7)
α−メチルベンジルアミン(8.37g、0.07モル)およびブロモアセトアルデヒドジメチルアセタール(11.67g、0.07モル)の炭酸カリウム(12.39g、0.09モル)含有のアセトニトリル(150ml)中溶液を還流温度で2日間加熱して冷却した。固体を濾去し、濾液を減圧下で濃縮して油状物を残した。酢酸エチルで溶出するシリカゲル上のクロマトグラフィに付し、標記化合物を油状物として得た。
【0054】
記載例8
1−メチルイソキノリン(D8)
冷却したクロロスルホン酸(16ml、−10℃)に、D7(5g、0.024モル)を2時間にわたって注意して添加した。反応物を外界温度まで加温させ、攪拌を3日間続けた。ついで、反応物を氷水スラリー(500ml)に注ぎ、炭酸カリウム固体を用いて塩基性とし、DCMを用いて抽出した。有機相を分離し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、油状物を得た。酢酸エチルで溶出するシリカゲル上のクロマトグラフィに付し、標記化合物を黄色固体として得た。
【0055】
記載例9
1−メチル−5−ニトロイソキノリン(D9)
D8(1g、7ミリモル)の硫酸(2.5ml)中溶液を冷却(<4℃)し、濃硝酸(1ml)を10分間にわたって添加した。反応物を30分間攪拌し、ついで60℃で2時間加熱した。冷却後、反応混合物を氷水スラリー(100ml)に注ぎ、炭酸カリウム固体を用いて塩基性とし、つづいてDCMを用いて抽出した。有機相を分離し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して標記化合物を白色固体として得た。
【0056】
記載例10
5−アミノ−1−メチルイソキノリン(D10)
記載例4に概説されている操作を用いて標記化合物を(D9)より調製した。
【0057】
記載例11
((R)−1−(3−メチルフェニル)ピロリジン−3−イル)カルバミン酸tert−ブチルエステル(D11)
BINAP(1.25g、2ミリモル)、酢酸パラジウム(0.3g、1.3ミリモル)、炭酸セシウム(6.6g、0.02モル)、3−ブロモトルエン(4.6g、0.027モル)および(3R)−(+)−3−(tert−ブチルオキシカルボニルアミノ)ピロリジン(2.5g、0.013モル)の1,4−ジオキサン(無水、50ml)中懸濁液を、アルゴン雰囲気下、還流温度で18時間加熱した。冷却後、減圧下で溶媒を除去し、残渣をDCMと水の間に分配した。有機相を分離し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して油状物を得た。酢酸エチルおよびヘキサンで溶出するシリカゲル上のクロマトグラフィ(勾配溶出、最大4%)に付し、標記化合物を灰白色固体として得た。
【0058】
記載例12
(R)−1−(3−メチルフェニル)ピロリジン−3−イルアミン(D12)
D11 (2.07g、7.5ミリモル)のTFA (1.2ml)およびDCM(20ml)中溶液を外界温度で18時間攪拌した。減圧下で溶媒を除去し、残渣をDCMと水性炭酸水素ナトリウムの間に分配した。有機相を分離し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して標記化合物を油状物として得た。
【0059】
記載例13
(R)−1−(3−フルオロフェニルピロリジン−3−イル)カルバミン酸tert−ブチルエステル(D13)
記載例11に概説した操作を用い、標記化合物を(3R)−(+)−3−(tert−ブチルオキシカルボニルアミノ)ピロリジンおよび1−ブロモ−3−フルオロベンゼンより調製した。
【0060】
記載例14
(R)−1−(3−フルオロフェニル)ピロリジン−3−イルアミン(D14)
記載例12に概説した操作を用い、標記化合物をD13より調製した。
【0061】
記載例15
(R)−1−(3,4−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−カルバミン酸tert−ブチルエステル(D15)
記載例11に概説した操作を用い、標記化合物を(3R)−(+)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)ピロリジンおよび4−ブロモ−1,2−ジフルオロベンゼンより調製した。
【0062】
記載例16
(R)−1−(3,4−ジフルオロフェニル)−ピロリジン−3−イルアミン(D16)
記載例12に概説した操作を用い、標記化合物をD15より調製した。
【0063】
記載例17
(R)−1−(3−フルオロ−4−メチルフェニル)ピロリジン−3−カルバミン酸tert−ブチルエステル(D17)
記載例11に概説した操作を用い、標記化合物を(3R)−(+)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)ピロリジンおよび4−ブロモ−2−フルオロトルエンより調製した。
【0064】
記載例18
(R)−1−(3−フルオロ−4−メチルフェニル)−ピロリジン−3−イルアミン(D18)
記載例12に概説した操作を用い、標記化合物をD17より調製した。
【0065】
記載例19
(2,2−ジエトキシエチル)−(2−フルオロベンジリデン)アミン(D19)
2−フルオロベンズアルデヒド(7.45g)をアミノアセトアルデヒドジエチルアセタール(9.16g)に加え、反応物を100℃に3時間加熱した。冷却後、混合物を分離漏斗に移し、ジエチルエーテルと水の間に分配した。エーテル層を分離し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して油状物を得た。0.6−0.8mmで蒸留して102−106℃で沸騰するフラクションを集め、標記化合物を無色油として得た。
【0066】
記載例20
8−フルオロイソキノリン(D20)
五酸化リン(18g)の濃硫酸(5ml)中溶液を160℃に加熱し、D19(11.5g)の濃硫酸(75ml)中溶液と5分間にわたって注意して反応させた。25分間加熱した後、反応物を冷却し、氷水スラリー(1L)中に注いだ。水酸化ナトリウム固体でpH10と塩基性にし、つづいて酢酸エチルで抽出した。有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して粗生成物を得た。酢酸エチルおよびヘキサンで溶出するシリカゲル上のクロマトグラフィ(勾配、最大10%)に付し、標記化合物を淡黄色結晶固体として得た。
【0067】
記載例21
8−フルオロ−5−ニトロイソキノリン(D21)
D20(0.278g)を濃硫酸(2ml)中0℃に冷却した。温度を0℃より下に維持しながら、硝酸カリウム(0.21g)を少しずつ加えた。添加終了後、溶液を0℃でさらに1.5時間攪拌し、ついで外界温度で24時間攪拌した。反応混合物を氷水スラリーに注ぎ、水酸化ナトリウムで塩基性とし、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル溶液を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して粗生成物を得た。酢酸エチルで溶出するシリカゲルクロマトグラフィにより精製し、標記化合物を黄色結晶固体として得た。
【0068】
記載例22
5−アミノ−8−フルオロイソキノリン(D22)
D21(0.283g)を、エタノール(2ml)中、濃塩酸(2ml)で処理した。反応混合物を氷浴中で冷却し、塩化スズ(II)(1.45g)のエタノール(2ml)中溶液を10分間にわたって少しずつ添加した。さらに20分後、反応混合物を水酸化ナトリウムで塩基性とし、DCMで抽出した。そのDCM溶液を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、粗生成物を得た。酢酸エチルで溶出するシリカゲル上のクロマトグラフィに付し、標記化合物をクリーム色固体として得た。
【0069】
記載例23
(1−ベンジル−ピペリジン−4−イル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(D23)
1−ベンジル−4−アミノピペリジン(30g、0.16モル)のDCM(200ml)中溶液に、ジ炭酸ジ−tert−ブチル(1.1当量、37.9g)のDCM(100ml)中溶液を2時間にわたって滴下した。反応物を外界温度で18時間にわたって攪拌し、ついで減圧下で溶媒を除去し、標記化合物を白色固体として得た。
【0070】
記載例24
ピペリジン−4−イル−カルバミン酸tert−ブチルエステル(D24)
D23(10g、3.4ミリモル)のメタノール(150ml)中溶液を、炭素上10%パラジウム触媒(800mg)を用い、パール水添器中、50psiで18時間水素添加した。触媒を濾去し、濾液を減圧下で濃縮して標記化合物を白色固体として得た。
【0071】
記載例25
1−[((5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)ピペリジン−4−イル)アミノ]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(D25)
記載例1に概説した操作を用い、標記化合物をD24および2−クロロ−5−トリフルオロメチルピリジンより調製した。
【0072】
記載例26
1−(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)−ピペリジン−4−イルアミン(D26)
記載例2に概説した操作を用い、標記化合物をD25より調製した。
【0073】
記載例27
3−(3’−イソキノリン−5−イル−ウレイド)−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(D27)
1−(tert−ブトキシカルボニル)−3−ピペリジンカルボン酸(1g、4.4ミリモル)のトルエン(10ml)およびトリエチルアミン(0.68ml)中懸濁液に、ジフェニルホスホリルアジド(1.1当量、1.33g)を加えた。反応物を還流温度で1時間加熱し、冷却した。5−アミノイソキノリン(629mg、4.4ミリモル)を添加し、反応物を外界温度で56時間攪拌した。減圧下で溶媒を除去し、残渣をヘキサン/酢酸エチルで溶出するシリカゲル上のクロマトグラフィ(勾配溶出、最大50%)に付し、標記化合物を泡沫体として得た。
【0074】
記載例28
N−(イソキノリン−5−イル)−N’−(ピペリジン−3−イル)−尿素(D28)
記載例2に概説した操作を用い、標記化合物をD27より調製した。
【0075】
記載例29
[(R)−1−(3−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)−ピロリジン−3−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(D29)
記載例1に概説した操作を用い、標記化合物を2−クロロ−3−トリフルオロメチルピリジンおよび3R−(+)−3−(tert−ブチルオキシカルボニルアミノ)ピロリジンより調製した。
【0076】
記載例30
(R)−1−(3−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)−ピロリジン−3−イルアミン(D30)
記載例2に概説した操作を用い、標記化合物をD29より調製した。
【0077】
記載例31
[(R)−1−(4−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)−ピロリジン−3−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(D31)
記載例1に概説した操作を用い、標記化合物を2−クロロ−4−トリフルオロメチルピリジンおよび3R−(+)−3−(tert−ブチルオキシカルボニルアミノ)ピロリジンより調製した。
【0078】
記載例32
(R)−1−(4−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)−ピロリジン−3−イルアミン(D32)
記載例2に概説した操作を用い、標記化合物をD31より調製した。
【0079】
記載例33
[(R)−1−(6−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)−ピロリジン−3−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(D33)
記載例1に概説した操作を用い、標記化合物を2−クロロ−6−トリフルオロメチルピリジンおよび3R−(+)−3−(tert−ブチルオキシカルボニルアミノ)ピロリジンより調製した。
【0080】
記載例34
(R)−1−(6−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)−ピロリジン−3−イルアミン(D34)
記載例2に概説した操作を用い、標記化合物をD33より調製した。
【0081】
記載例35
[(R)−1−(3−クロロピリジン−2−イル)−ピロリジン−3−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(D35)
記載例1に概説した操作を用い、標記化合物を2,3−ジクロロピリジンおよび3R−(+)−3−(tert−ブチルオキシカルボニルアミノ)ピロリジンより調製した。
【0082】
記載例36
(R)−1−(3−クロロピリジン−2−イル)−ピロリジン−3−イルアミン(D36)
記載例2に概説した操作を用い、標記化合物をD35より調製した。
【0083】
記載例37
[(R)−1−(5−クロロピリジン−2−イル)−ピロリジン−3−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(D37)
記載例1に概説した操作を用い、標記化合物を2,5−ジクロロピリジンおよび3R−(+)−3−(tert−ブチルオキシカルボニルアミノ)ピロリジンより調製した。
【0084】
記載例38
(R)−1−(5−クロロピリジン−2−イル)−ピロリジン−3−イルアミン(D38)
記載例2に概説した操作を用い、標記化合物をD37より調製した。
【0085】
記載例39
[(R)−1−(5−ブロモピリジン−2−イル)−ピロリジン−3−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(D39)
記載例1に概説した操作を用い、標記化合物を2−クロロ−5−ブロモピリジンおよび3R−(+)−3−(tert−ブチルオキシカルボニルアミノ)ピロリジンより調製した。
【0086】
記載例40
(R)−1−(5−ブロモピリジン−2−イル)−ピロリジン−3−イルアミン(D40)
記載例2に概説した操作を用い、標記化合物をD39より調製した。
【0087】
記載例41
[(R)−1−(6−メチルピリジン−2−イル)−ピロリジン−3−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(D41)
記載例1に概説した操作を用い、標記化合物を2−クロロ−6−メチルピリジンおよび3R−(+)−3−(tert−ブチルオキシカルボニルアミノ)ピロリジンより調製した。
【0088】
記載例42
(R)−1−(6−メチルピリジン−2−イル)−ピロリジン−3−イルアミン(D42)
記載例2に概説した操作を用い、標記化合物をD41より調製した。
【0089】
記載例43
1−[((3−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)ピペリジン−4−イル)アミノ]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(D43)
記載例1に概説した操作を用い、標記化合物をD24および2−クロロ−3−トリフルオロメチルピリジンより調製した。
【0090】
記載例44
1−(3−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)−ピペリジン−4−イルアミン(D44)
記載例2に概説した操作を用い、標記化合物をD43より調製した。
【0091】
記載例45
1−[((6−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)ピペリジン−4−イル)アミノ]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(D45)
記載例1に概説した操作を用い、標記化合物をD24および2−クロロ−6−トリフルオロメチルピリジンより調製した。
【0092】
記載例46
1−(6−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)−ピペリジン−4−イルアミン(D46)
記載例2に概説した操作を用い、標記化合物をD45より調製した。
【0093】
記載例47
1−[((4−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)ピペリジン−4−イル)アミノ]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(D47)
記載例1に概説した操作を用い、標記化合物をD24および2−クロロ−4−トリフルオロメチルピリジンより調製した。
【0094】
記載例48
1−(4−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)−ピペリジン−4−イルアミン(D48)
記載例2に概説した操作を用い、標記化合物をD47より調製した。
【0095】
記載例49
1−[((3−クロロ−5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)ピペリジン−4−イル)アミノ]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(D49)
記載例1に概説した操作を用い、標記化合物をD24および2,3−ジクロロ−5−トリフルオロメチルピリジンより調製した。
【0096】
記載例50
1−(3−クロロ−5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)−ピペリジン−4−イルアミン(D50)
記載例2に概説した操作を用い、標記化合物をD49より調製した。
【0097】
以下のアミンを上記した方法と同様の方法を用いて調製した。
(R)−1−(3−メチルピリジン−2−イル)−ピロリジン−3−イルアミン(D51)
(R)−1−(4−メチルピリジン−2−イル)−ピロリジン−3−イルアミン(D52)
(R)−1−(5−メチルピリジン−2−イル)−ピロリジン−3−イルアミン(D53)
(R)−1−(6−メトキシピリジン−2−イル)−ピロリジン−3−イルアミン(D54)
1−(3−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)−ピペリジン−4−イルアミン(D55)
【0098】
(3R)−(+)−3−(tert−ブチルオキシカルボニルアミノ)ピロリジン、5−アミノイソキノリン、1−アミノイソキノリン、5−アミノキノリンおよび7−アミノキノリンは、各々、TCI(日本)、Aldrich Chemical CompanyおよびSpecs and Bio Specs B.V.から市販されている。トリ炭酸ジ−tert−ブチルは文献(Org. Synth.、1978、57、45頁)に概説されている方法に従って調製した。2−メチル−7−アミノキノリンは文献(J Med. Chem.、1977、20(11)、1528頁)に概説されている方法に従って調製した。
【0099】
実施例1
N−(2−ブロモフェニル)−N’−[((R)−1−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジル)ピロリジン−3−イル)]尿素(E1)
【化9】

【0100】
2−ブロモフェニルイソシアネート(Aldrich Chemical Company)(27.4ml、0.222モル)の乾燥ジエチルエーテル(65ml)中溶液を、アルゴン下、外界温度で、D2(51.4g、0.222モル)の乾燥ジエチルエーテル(0.8L)中効率よく攪拌した溶液に、0.5時間にわたって滴下した。18時間攪拌した後、白色沈殿物を濾去し、乾燥ジエチルエーテル(2x150ml)で洗浄した。固体を粉砕して微粉末とし、ついで外界温度で4時間ジエチルエーテル(470ml)と一緒に再度攪拌した。不溶性生成物を濾過し、ジエチルエーテル(100ml)で洗浄し、50℃/真空/24時間で乾燥させ、標記化合物を白色固体として得た。
【0101】
H NMR (d−DMSO、400MHz)δ 1.94−1.98 (1H,m)、2.19−2.28 (1H,m)、3.31−3.41 (1H,m)、3.56 (2H,brs)、3.67−3.71 (1H,m)、4.34−4.36 (1H,m)、6.62 (1H,d,J 9.0Hz)、6.89 (1H,t,J 7.8Hz)、7.28 (1H,t,J 8.5Hz)、7.47 (1H,d,J 6.7Hz)、7.55 (1H,dd,J 8.0,1.4Hz)、7.76−7.79 (2H,m)、8.12 (1H,dd,J 8.3、1.4Hz)、8.41 (1H,s)。MH429、431。
【0102】
実施例2
N−(イソキノール−5−イル)−N’−[((R)−1−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジル)ピロリジン−3−イル)]尿素(E2)
【化10】

【0103】
トリ炭酸ジ−tert−ブチル(0.681g、2.595ミリモル)の乾燥DCM(1ml)中溶液に、D2(0.5g、2.162ミリモル)の乾燥DCM(1ml)中溶液を一度に添加した。初めて沸騰した後、該溶液を室温で0.3時間攪拌した。5−アミノイソキノリン(0.312g、2.162ミリモル)の乾燥DCM(1ml)中溶液を添加した。その反応混合物を室温で一夜攪拌した。得られた沈殿物を遠心分離により除去し、固体をエーテルで洗浄し、乾燥させて標記化合物を白色固体として得た。
【0104】
H NMR (d−DMSO、250MHz) δ 9.26 (1H,s)、8.57 (1H,s)、8.52 (1H,d)、8.41(1H,s)、8.31 (1H,d)、7.88 (1H,d)、7.78 (1H,dd)、7.70 (1H,d)、7.60 (1H,t)、6.99 (1H,d)、6.64 (1H,d)、4.41 (1H,m)、3.73 (1H,dd)、3.59 (2H,m)、3.42 (1H,m)、2.28 (1H,m)および2.02 (1H,m)。MH 402。
【0105】
実施例3
(+)−N−(イソキノール−5−イル)−N’−[(1−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジル)ピペリジン−3−イル)]尿素(E3)
【化11】

【0106】
ジメチルホルムアミド(10ml)中のD28(0.2g、0.74ミリモル)、2−クロロ−5−トリフルオロメチルピリジン(3当量、0.4g)および微粉末の炭酸カリウム(3当量、0.31g)を90℃で18時間加熱し、冷却した。減圧下で溶媒を除去し、残渣を酢酸エチルと水の間に分配した。有機相を分離し、乾燥(MgSO)させて濾過した。減圧下で溶媒を除去し、粗生成物を得た。これを酢酸エチルで溶出するシリカゲル上のクロマトグラフィに付し、標記化合物を灰白色固体として得、それを塩酸塩に変えた。MH(遊離塩基) 416。
【0107】
215nmでUV検出しながら、キラルパックADカラム(250x19mm径)を用い、1ml/分の流速でn−ヘキサン:エタノール(80:20v/v)で溶出するHPLCによって2つのエナンチオマー(E3AおよびE3B)を分離した。
【0108】
表1に示す実施例を本明細書に記載の方法およびE1ないしE3の方法と同様の方法により調製した。
【0109】
【表1−1】

【表1−2】

【表1−3】

【表1−4】

【表1−5】

【表1−6】

【表1−7】

【表1−8】

【表1−9】

【表1−10】

【表1−11】

【表1−12】

【表1−13】

【表1−14】

【表1−15】

【表1−16】

【表1−17】

【表1−18】

【表1−19】

【0110】
薬理データ
(a)インビトロアッセイ
上記したように、本発明の化合物はバニロイド受容体(VR1)アンタゴニストであり、かくして有用な医薬特性を有する。バニロイド受容体(VR1)アンタゴニスト活性は、従来の方法、例えば、D. Le Bars, M. GozarinおよびS. W. Cadden、Pharmacological Reviews、2001、53(4)、597−652または本明細書に記載の別のテキストに開示されている方法を用いることで、個々の化合物について確認して明らかにすることができる。
本発明の化合物に使用されるスクリーンは、Smartら(British Journal of Pharmacology、2000、129、227−230)に記載の方法に類似する、FLIPRをベースとするカルシウムアッセイに基づくものであった。ヒトVR1を安定して発現するトランスフェクトされた星細胞腫1321N1細胞を25000細胞/ウェル(96ウェルプレート)でFLIPRプレートに播種し、一夜培養した。
【0111】
その後、当該細胞を、暗所にて室温で2時間、4μM Fluo−3AM(Molecular Probes)を含有する培地にローディングした。ついで、1.5mMカルシウム含有の、プロベネシド不含のタイロード液で4回、当該プレートを洗浄した。細胞を化合物またはバッファ対照と一緒に室温で30分間プレインキュベートした。ついで、カプサイシン(Sigma)を該細胞に加えた。ヒトVR1に対してアンタゴニスト活性を有する化合物は、カプサイシンを加えた後に測定した場合に、化合物不含のバッファ対照と比べて、蛍光の違いを検出することで同定した。例えば、バッファ対照においては、カプサイシン添加は細胞内のカルシウム濃度の上昇をもたらし、その結果、蛍光が発生する。アンタゴニスト活性を有する化合物は、カプサイシンの受容体との結合を遮断し、シグナル化はなく、そのため、細胞内カルシウムレベルの増加もなく、その結果、蛍光は小さい。pKb値はCheng−Prusoff 等式を用いてIC50値から得られる。
上記した方法で試験した化合物はすべてpKbが>6であり、好ましい化合物はpKbが>7であった。
【0112】
(b)モルモットのFCA−誘発の痛覚過敏
一群8匹の4群のオスのダンキン・ハートレイ・モルモット(バッチ番号:6282434、平均体重340g)の左前足の足裏内に100μlの1mg/ml FCAを注射した。24時間後、化合物を0(ビヒクル)、3、10、30mg/kgで1%メチルセルロースであるビヒクルと一緒に経口投与した。投与容量は2ml/kgであり、胃に直接投与した。メチルセルロースを乳鉢にある化合物に徐々に加え、乳棒で一緒にすりつぶした。
【0113】
FCAの投与前(未処理の読み)、FCAの投与後であるが、薬物の投与前(服用前の読み)および薬物を投与した一時間後の、作用機序的痛覚過敏の行動を読み取った。読み取り値として、前足圧(Randall-Sellito)を用い、終点では前足を引っ込めた。その前足圧装置にはその終点に一枚の銀の円盤が置かれており、2の因子によるマーキングを増加させた。
実験(a)でインビトロでのpKbが>7の化合物をこの実験で試験し、活性であることがわかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

[式中:
PおよびP’は、独立して、アリールおよびヘテロアリールから選択され;
およびRは、独立して、−H、ハロ、アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、アラルキル、アラルコキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキルアルコキシ、−CN、−NO、−OH、−OCF、−CF、−NR、−S(O)、−S(O)NR、−OS(O)、−OS(O)CF、−O(CHNR、−C(O)CF、−C(O)アルキル、−C(O)シクロアルキル、−C(O)アラルキル、−C(O)Ar、−C(O)(CHOR、−C(O)(CHNR、−C(O)アルコキシ、−C(O)NR、−(CHC(O)アルコキシ、−(CHOC(O)R、−(CHOR、−(CH、−(CHC(O)NR、−(CHN(R)C(O)R、−(CHS(O)NR、−(CHN(R)S(O)、−ZAr、−(CHS(O)、−(OCHS(O)、−N(R)S(O)、−N(R)C(O)R、−(CHN(R)S(O)、−(CHN(R)C(O)Rまたは(CHC(O)アルキルから選択され;
およびRは、同一または異なっていてもよく、Hまたはアルキルであるか、あるいはRおよびRはそれらの結合する原子と一緒になってC3−6アザシクロアルカン、C3−6(2−オキソ)アザシクロアルカン環あるいはOまたは−NRなどのヘテロ原子が割り込んでいてもよいC5−8のポリメチレン鎖を形成し;
ZはO、SまたはNRであり;
はアルキルまたはアリールであり;
は水素、アルキルまたはアリールであり;
mは1または2であり;
nは0、1、2または3であり;
pおよびqは、独立して、0、1、2、3または4であり;
rは1、2または3であり;
sは0、1または2であり;および
xは0、1、2、3、4、5または6を意味する]
で示される化合物、あるいはその医薬上許容される塩またはその溶媒和物;
ただし、式(I)の化合物は、
1−(1−フェニル−3−ピロリジニル)−3−フェニル尿素;
1−(1−フェニル−3−ピロリジニル)−3−(4−メトキシフェニル)尿素;
N−(4−フルオロフェニル)−N’−[(R)−1−((3−メチルフェニル)ピロリジン−2−イルメチル)]尿素;
N−(2−ブロモフェニル)−N’−[((R)−1−(3−メチルフェニル)ピロリジン−3−イル)]尿素;
N−(2−ブロモフェニル)−N’−[((R)−1−(3−メチルフェニル)ピロリジン−2−イルメチル)]尿素;
N−(4−フルオロフェニル)−N’−[((S)−1−(3−メチルフェニル)ピロリジン−2−イルメチル)]尿素;
N−(2−ブロモフェニル)−N’−[((S)−1−(3−メチルフェニル)ピロリジン−2−イルメチル)]尿素;
N−(4−フルオロフェニル)−N’−[((S)−1−(3−メチルフェニル)ピロリジン−3−イル)]尿素;
N−(2−ブロモフェニル)−N’−[((S)−1−(3−メチルフェニル)ピロリジン−3−イル)]尿素;
N−(4−フルオロフェニル)−N’−[((R)−1−(3−メチルフェニル)ピロリジン−3−イル)]尿素;
N−(4−フルオロフェニル)−N’−[((R)−1−(3−フルオロフェニル)]ピロリジン−3−イル)]尿素;
N−(2−ブロモフェニル)−N’−[((R)−1−(3−フルオロフェニル)ピロリジン−3−イル)]尿素;
N−(1−ナフチル)−N’−[((R)−1−(3−メチルフェニル)ピロリジン−3−イル)]尿素;
N−(2,3−ジクロロフェニル)−N’−[((R)−1−(3−メチルフェニル)ピロリジン−3−イル)]尿素;
N−(2−ブロモフェニル)−N’−[((S)−1−(3−フルオロフェニル)ピロリジン−3−イル)]尿素;
N−(2−ブロモフェニル)−N’−[((R)−1−(4−フルオロ−3−メチルフェニル)ピロリジン−3−イル)]尿素;
N−(2−ブロモフェニル)−N’−[((R)−1−(3,4−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−イル)]尿素;
N−(2−ブロモフェニル)−N’−[((R)−1−(3−フルオロ−4−メチルフェニル)ピロリジン−3−イル)]尿素;
N−(3−クロロ−2−メチルフェニル)−N’−[((R)−1−(3−メチルフェニル)ピロリジン−3−イル)]尿素;
N−(2,3−ジクロロフェニル)−N’−[((R)−1−(3−メチルフェニル)ピロリジン−3−イル)]尿素;
N−(2,5−ジクロロフェニル)−N’−[((R)−1−(3−メチルフェニル)ピロリジン−3−イル)]尿素;
N−(2,3−ジクロロフェニル)−N’−[((R)−1−(3−フルオロフェニル)ピロリジン−3−イル)]尿素;
N−(2,5−ジクロロフェニル)−N’−[((R)−1−(3−フルオロフェニル)ピロリジン−3−イル)]尿素;
N−(3−クロロ−2−メチルフェニル)−N’−[((R)−1−(3−フルオロフェニル)ピロリジン−3−イル)]尿素;
N−(3−クロロ−2−メチルフェニル)−N’−[((R)−1−(3,4−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−イル)]尿素;
N−(2,3−ジクロロフェニル)−N’−[((R)−1−(3,4−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−イル)]尿素;
N−(2,5−ジクロロフェニル)−N’−[((R)−1−(3,4−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−イル)]尿素;
N−(3−クロロ−2−メチルフェニル)−N’−[((R)−1−(3−フルオロ−4−メチルフェニル)ピロリジン−3−イル)]尿素;および
N−(2,3−ジクロロフェニル)−N’−[((R)−1−(3−フルオロ−4−メチルフェニル)ピロリジン−3−イル)]尿素
から選択される化合物以外の化合物である。
【請求項2】
請求項1に記載の式(I)の化合物のうち、式(IA):
【化2】

Pはフェニル、ナフチル、キノリニルまたはイソキノリニルであり;
P’はフェニルまたはピリジルであり;
およびRは、独立して、H、ハロ、アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、アラルキル、アラルコキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキルアルコキシ、−CN、−NO、−OH、−OCF、−CF、−NR、−S(O)、−S(O)NR、−OS(O)、−OS(O)CF、−O(CHNR、−C(O)CF、−C(O)アルキル、−C(O)シクロアルキル、−C(O)アラルキル、−C(O)Ar、−C(O)(CHOR、−C(O)(CHNR、−C(O)アルコキシ、−C(O)NR、−(CHC(O)アルコキシ、−(CHOC(O)R、−(CHOR、−(CH、−(CHC(O)NR、−(CHN(R)C(O)R、−(CHS(O)NR、−(CHN(R)S(O)、−ZAr、−(CHS(O)、−(OCHS(O)、−N(R)S(O)、−N(R)C(O)R、−(CHN(R)S(O)、−(CHN(R)C(O)Rまたは(CHC(O)アルキルから選択され;
およびRは、同一または異なっていてもよく、Hまたはアルキルであるか、あるいはRおよびRはそれらが結合する原子と一緒になってC3−6アザシクロアルカン、C3−6(2−オキソ)アザシクロアルカン環を形成するか、あるいはOまたは−NRなどのヘテロ原子が割り込んでいてもよいC5−8のポリメチレン鎖を形成し;
ZはO、SまたはNRであり;
はアルキルまたはアリールであり;
は水素、アルキルまたはアリールであり;
mは1または2であり;
nは0、1、2または3であり;
pおよびqは、独立して、0、1、2、3または4であり;
rは1、2または3であり;
sは0、1または2であって;
xは0、1、2、3、4、5または6を意味する]
で示される化合物、あるいはその医薬上許容される塩またはその溶媒和物;
ただし、式(I)の化合物は、
1−(1−フェニル−3−ピロリジニル)−3−フェニル尿素;
1−(1−フェニル−3−ピロリジニル)−3−(4−メトキシフェニル)尿素;
N−(4−フルオロフェニル)−N’−[(R)−1−((3−メチルフェニル)ピロリジン−2−イルメチル)]尿素;
N−(2−ブロモフェニル)−N’−[((R)−1−(3−メチルフェニル)ピロリジン−3−イル)]尿素;
N−(2−ブロモフェニル)−N’−[((R)−1−(3−メチルフェニル)ピロリジン−2−イルメチル)]尿素;
N−(4−フルオロフェニル)−N’−[((S)−1−(3−メチルフェニル)ピロリジン−2−イルメチル)]尿素;
N−(2−ブロモフェニル)−N’−[((S)−1−(3−メチルフェニル)ピロリジン−2−イルメチル)]尿素;
N−(4−フルオロフェニル)−N’−[((S)−1−(3−メチルフェニル)ピロリジン−3−イル)]尿素;
N−(2−ブロモフェニル)−N’−[((S)−1−(3−メチルフェニル)ピロリジン−3−イル)]尿素;
N−(4−フルオロフェニル)−N’−[((R)−1−(3−メチルフェニル)ピロリジン−3−イル)]尿素;
N−(4−フルオロフェニル)−N’−[((R)−1−(3−フルオロフェニル)]ピロリジン−3−イル)]尿素;
N−(2−ブロモフェニル)−N’−[((R)−1−(3−フルオロフェニル)ピロリジン−3−イル)]尿素;
N−(1−ナフチル)−N’−[((R)−1−(3−メチルフェニル)ピロリジン−3−イル)]尿素;
N−(2,3−ジクロロフェニル)−N’−[((R)−1−(3−メチルフェニル)ピロリジン−3−イル)]尿素;
N−(2−ブロモフェニル)−N’−[((S)−1−(3−フルオロフェニル)ピロリジン−3−イル)]尿素;
N−(2−ブロモフェニル)−N’−[((R)−1−(4−フルオロ−3−メチルフェニル)ピロリジン−3−イル)]尿素;
N−(2−ブロモフェニル)−N’−[((R)−1−(3,4−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−イル)]尿素;
N−(2−ブロモフェニル)−N’−[((R)−1−(3−フルオロ−4−メチルフェニル)ピロリジン−3−イル)]尿素;
N−(3−クロロ−2−メチルフェニル)−N’−[((R)−1−(3−メチルフェニル)ピロリジン−3−イル)]尿素;
N−(2,3−ジクロロフェニル)−N’−[((R)−1−(3−メチルフェニル)ピロリジン−3−イル)]尿素;
N−(2,5−ジクロロフェニル)−N’−[((R)−1−(3−メチルフェニル)ピロリジン−3−イル)]尿素;
N−(2,3−ジクロロフェニル)−N’−[((R)−1−(3−フルオロフェニル)ピロリジン−3−イル)]尿素;
N−(2,5−ジクロロフェニル)−N’−[((R)−1−(3−フルオロフェニル)ピロリジン−3−イル)]尿素;
N−(3−クロロ−2−メチルフェニル)−N’−[((R)−1−(3−フルオロフェニル)ピロリジン−3−イル)]尿素;
N−(3−クロロ−2−メチルフェニル)−N’−[((R)−1−(3,4−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−イル)]尿素;
N−(2,3−ジクロロフェニル)−N’−[((R)−1−(3,4−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−イル)]尿素;
N−(2,5−ジクロロフェニル)−N’−[((R)−1−(3,4−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−イル)]尿素;
N−(3−クロロ−2−メチルフェニル)−N’−[((R)−1−(3−フルオロ−4−メチルフェニル)ピロリジン−3−イル)]尿素;および
N−(2,3−ジクロロフェニル)−N’−[((R)−1−(3−フルオロ−4−メチルフェニル)ピロリジン−3−イル)]尿素
から選択される化合物以外の化合物である。
【請求項3】
請求項1に記載の式(I)の化合物のうち、式(IB):
【化3】

Pはフェニル、ナフチル、キノリニルまたはイソキノリニルであり;
およびRは、独立して、H、ハロ、アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、アラルキル、アラルコキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキルアルコキシ、−CN、−NO、−OH、−OCF、−CF、−NR、−S(O)、−S(O)NR、−OS(O)、−OS(O)CF、−O(CHNR、−C(O)CF、−C(O)アルキル、−C(O)シクロアルキル、−C(O)アラルキル、−C(O)Ar、−C(O)(CHOR、−C(O)(CHNR、−C(O)アルコキシ、−C(O)NR、−(CHC(O)アルコキシ、−(CHOC(O)R、−(CHOR、−(CH、−(CHC(O)NR、−(CHN(R)C(O)R、−(CHS(O)NR、−(CHN(R)S(O)、−ZAr、−(CHS(O)、−(OCHS(O)、−N(R)S(O)、−N(R)C(O)R、−(CHN(R)S(O)、−(CHN(R)C(O)Rまたは(CHC(O)アルキルから選択され;
およびRは、同一または異なっていてもよく、Hまたはアルキルであるか、あるいはRおよびR はそれらが結合する原子と一緒になってC3−6アザシクロアルカン、C3−6(2−オキソ)アザシクロアルカン環あるいはOまたは−NRなどのヘテロ原子が割り込んでいてもよいC5−8のポリメチレン鎖を形成し;
ZはO、SまたはNRであり;
はアルキルまたはアリールであり;
は水素、アルキルまたはアリールであり;
mは1または2であり;
nは0、1、2または3であり;
pおよびqは、独立して、0、1、2、3または4であり;
rは1、2または3であり;
sは0、1または2であって;
xは0、1、2、3、4、5または6を意味する]
で示される化合物、あるいはその医薬上許容される塩またはその溶媒和物。
【請求項4】
およびRが、独立して、ハロ、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、−CF、−NO、−CN、−OCF、アミノまたはモノ−またはジアルキルアミノから選択され;
pおよびqが、独立して、0、1または2であって;
rおよびsが、独立して、1または2である、請求項3に記載の式(IB)の化合物。
【請求項5】
請求項1に記載の式(I)の化合物のうち、式(IC):
【化4】

Pはフェニル、ナフチル、キノリニルまたはイソキノリニルであり;
およびRは、独立して、ハロ、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、−CF、−NO、−CN、−OCF、アミノまたはモノ−またはジアルキルアミノから選択され;
nは0、1、2または3であり;
pおよびqは、独立して、0、1、2、3または4であり;
rは1、2または3であって;
sは0、1または2を意味する]
で示される化合物、あるいはその医薬上許容される塩またはその溶媒和物;
ただし、式(IC)の化合物は、
1−(1−フェニル−3−ピロリジニル)−3−フェニル尿素;
1−(1−フェニル−3−ピロリジニル)−3−(4−メトキシフェニル)尿素;
N−(4−フルオロフェニル)−N’−[(R)−1−((3−メチルフェニル)ピロリジン−2−イルメチル)]尿素;
N−(2−ブロモフェニル)−N’−[((R)−1−(3−メチルフェニル)ピロリジン−3−イル)]尿素;
N−(2−ブロモフェニル)−N’−[((R)−1−(3−メチルフェニル)ピロリジン−2−イルメチル)]尿素;
N−(4−フルオロフェニル)−N’−[((S)−1−(3−メチルフェニル)ピロリジン−2−イルメチル)]尿素;
N−(2−ブロモフェニル)−N’−[((S)−1−(3−メチルフェニル)ピロリジン−2−イルメチル)]尿素;
N−(4−フルオロフェニル)−N’−[((S)−1−(3−メチルフェニル)ピロリジン−3−イル)]尿素;
N−(2−ブロモフェニル)−N’−[((S)−1−(3−メチルフェニル)ピロリジン−3−イル)]尿素;
N−(4−フルオロフェニル)−N’−[((R)−1−(3−メチルフェニル)ピロリジン−3−イル)]尿素;
N−(4−フルオロフェニル)−N’−[((R)−1−(3−フルオロフェニル)]ピロリジン−3−イル)]尿素;
N−(2−ブロモフェニル)−N’−[((R)−1−(3−フルオロフェニル)ピロリジン−3−イル)]尿素;
N−(1−ナフチル)−N’−[((R)−1−(3−メチルフェニル)ピロリジン−3−イル)]尿素;
N−(2,3−ジクロロフェニル)−N’−[((R)−1−(3−メチルフェニル)ピロリジン−3−イル)]尿素;
N−(2−ブロモフェニル)−N’−[((S)−1−(3−フルオロフェニル)ピロリジン−3−イル)]尿素;
N−(2−ブロモフェニル)−N’−[((R)−1−(4−フルオロ−3−メチルフェニル)ピロリジン−3−イル)]尿素;
N−(2−ブロモフェニル)−N’−[((R)−1−(3,4−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−イル)]尿素;
N−(2−ブロモフェニル)−N’−[((R)−1−(3−フルオロ−4−メチルフェニル)ピロリジン−3−イル)]尿素;
N−(3−クロロ−2−メチルフェニル)−N’−[((R)−1−(3−メチルフェニル)ピロリジン−3−イル)]尿素;
N−(2,3−ジクロロフェニル)−N’−[((R)−1−(3−メチルフェニル)ピロリジン−3−イル)]尿素;
N−(2,5−ジクロロフェニル)−N’−[((R)−1−(3−メチルフェニル)ピロリジン−3−イル)]尿素;
N−(2,3−ジクロロフェニル)−N’−[((R)−1−(3−フルオロフェニル)ピロリジン−3−イル)]尿素;
N−(2,5−ジクロロフェニル)−N’−[((R)−1−(3−フルオロフェニル)ピロリジン−3−イル)]尿素;
N−(3−クロロ−2−メチルフェニル)−N’−[((R)−1−(3−フルオロフェニル)ピロリジン−3−イル)]尿素;
N−(3−クロロ−2−メチルフェニル)−N’−[((R)−1−(3,4−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−イル)]尿素;
N−(2,3−ジクロロフェニル)−N’−[((R)−1−(3,4−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−イル)]尿素;
N−(2,5−ジクロロフェニル)−N’−[((R)−1−(3,4−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−イル)]尿素;
N−(3−クロロ−2−メチルフェニル)−N’−[((R)−1−(3−フルオロ−4−メチルフェニル)ピロリジン−3−イル)]尿素;および
N−(2,3−ジクロロフェニル)−N’−[((R)−1−(3−フルオロ−4−メチルフェニル)ピロリジン−3−イル)]尿素
から選択される化合物以外の化合物である。
【請求項6】
請求項1に記載の式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩の製法であって、式(II):
【化5】

[式中、R、Pおよびpは式(I)の記載と同意義である]
で示される化合物を、式(III):
【化6】

[式中、P’、R、n、q、rおよびsは式(I)の記載と同意義であり、AおよびBは一緒に反応して尿素基を形成することのできる適当な官能基を含有する]
で示される化合物とカップリングさせ;
その後、要すれば、一またはそれ以上の次の反応:
(i)一の式(I)の化合物を別の式(I)の化合物に変換する;
(ii)保護基を除去する;
(iii)そうして形成された化合物の塩または溶媒和物を調製する;
反応を実施することを含む、方法。
【請求項7】
活性治療薬として用いるための、請求項1に記載の式(I)の化合物あるいはその医薬上許容される塩または溶媒和物。
【請求項8】
本発明の障害の治療および/または予防に用いるための、請求項1に記載の式(I)の化合物あるいはその医薬上許容される塩または溶媒和物。
【請求項9】
痛みの治療および/または予防に用いるための、請求項1に記載の式(I)の化合物あるいはその医薬上許容される塩または溶媒和物。
【請求項10】
ヒトを含む哺乳動物において、バニロイド(VR1)受容体の拮抗作用が有益である障害の治療および/または予防方法であって、その拮抗作用を必要とする哺乳動物に、治療上有効量の式(I)の化合物あるいはその医薬上許容される塩または溶媒和物を投与することを含む、方法。
【請求項11】
当該障害が本発明の障害であるところの、請求項10記載の方法。
【請求項12】
バニロイド(VR1)受容体の拮抗作用が有益である障害の治療または予防用の医薬の製造における、式(I)の化合物あるいはその医薬上許容される塩または溶媒和物の使用。
【請求項13】
当該障害が本発明の障害であるところの、請求項12記載の使用。
【請求項14】
請求項1に記載の式(I)の化合物あるいはその医薬上許容される塩または溶媒和物と、医薬上許容される担体または賦形剤とを含む、医薬組成物。

【公開番号】特開2010−100632(P2010−100632A)
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−278584(P2009−278584)
【出願日】平成21年12月8日(2009.12.8)
【分割の表示】特願2003−526885(P2003−526885)の分割
【原出願日】平成14年9月13日(2002.9.13)
【出願人】(595047190)スミスクライン ビーチャム ピー エル シー (34)
【Fターム(参考)】