説明

方向報知装置

【課題】分岐方向が直角以外である交差点又は例えば五差路の交差点等であっても、移動体等の爾後の進行方向をより具体的な方向として外部に報知することが可能な方向報知装置を提供する。
【解決手段】車両が進行方向を変更する際に、変更後の進行方向を外部に報知するウインカ装置Sにおいて、変更後の進行方向を、車両の現在の前記進行方向を基準とし且つクロックポジションを用いて入力するために用いられる操作部2と、車両の外部に位置する観者から見た相対的な方向として、入力された進行方向を外部に報知する左ウインカ4及び右ウインカ3と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、方向報知装置の技術分野に属し、より詳細には、車両等の移動体が進行方向を変更する際に、変更後の当該進行方向を外部に報知するためのウインカ等の方向報知装置の技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両又は自動二輪車等の移動体が交差点等において方向変換(例えば右折又は左折)する場合、その方向変換する方向を方向変換前に又は方向変換中に他の移動体の運転者や歩行者に報知するものとして、いわゆるウインカが当該移動体に搭載されている。そしてこのウインカは、通常はその移動体の走行方向に対して左右に夫々別個に設けられ、方向変換する方向に応じていずれかが点滅するように操作されることで、当該他の移動体の運転者や歩行者にその方向変換する方向を報知する構成とされていた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述した従来のウインカの構成では、他の移動体等の運転者から見ると、当該ウインカを点滅させている移動体等が方向変換する方向としては、「右方」又は「左方」のいずれかである旨しか、認識できない。
【0004】
これに対し、周知の如く一般の交差点には、各道路が互いに直角には交わっていない変則的な交差点がある。具体的には、例えば三差路又は五差路、或いは直線の道に対して進行方向から見て右前方と右後方に曲がる道がある場合等においては、右方又は左方に曲がることしか認識できない従来のウインカでは、実際にどの道にそのウインカを点滅させている移動体等が方向変換後に進入しようとしているかが認識し難いのである。そしてこのことは、進行方向の誤認識に基づく出会い頭の事故等に結びつく可能性を孕むものである。
【0005】
そこで、本願は上記の問題点に鑑みて為されたもので、その課題の一例は、分岐方向が直角以外である交差点又は例えば五差路の交差点等であっても、移動体等の爾後の進行方向をより具体的な方向として外部に報知することが可能な方向報知装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、移動体が進行方向を変更する際に、変更後の当該進行方向を外部に報知する方向報知装置において、変更後の前記進行方向を、前記移動体の現在の前記進行方向を基準とし且つ360°を三以上に等分して得られる角度のいずれかを用いて入力するために用いられる操作部等の入力手段と、前記移動体の外部に位置する観者から見た相対的な方向として、前記入力された進行方向を前記外部に報知するウインカ等の報知手段と、を備える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
次に、本願を実施するための最良の形態について、図1乃至図3を用いて説明する。なお、以下に説明する実施形態は、移動体としての車両に搭載され、当該車両が進行方向を変更する際に当該変更後の進行方向を外部に報知するウインカ装置に対して本願を適用した場合の実施の形態である。
【0008】
なお、図1は実施形態に係るウインカ装置の概要構成を示すブロック図等であり、図2は当該ウインカ装置における操作部の細部構成の各態様を例示する図であり、図3は当該ウインカ装置における表示部の細部構成の各態様を例示する図である。また図1は、実施形態に係る車両を構成する部材の内、実施形態に係るウインカ装置を構成する部材のみを示すブロック図であり、当該車両を構成する他の部材については、記載を省略している。
【0009】
図1(a)に示すように、実施形態に係るウインカ装置Sは、CPUやメモリ等からなる制御部1と、車両の車室内における例えばハンドル脇に設けられる入力手段としての操作部2と、当該車両の外部右側に設けられ且つ図3を用いて例示される構成を備える報知手段としての右ウインカ3と、当該車両の外部左側に設けられ且つ図3を用いて例示される構成を備えている報知手段としての左ウインカ4と、により構成されている。
【0010】
この構成において操作部2は、図2に例示される各形態を備えるものであり、ウインカ装置Sが備えられている車両がその進行方向を変更する場合において、当該変更後の進行方向を、クロックポジションを用いて入力するために用いられる。
【0011】
ここで、クロックポジションとは、時計の文字盤における時刻表示の配置を用いて方向又は方位を示すものである。より具体的には、当該車両の現在の進行方向を「12時」の方向として360°(水平面内の全周)を12等分し、当該12等分された方向又は方位の夫々を、当該現在の進行方向を基準(12時の方向)とした時計の文字盤の時刻表示をもって表す表記方法である。すなわち、例えば90°の右折は「3時方向への方向変更」であり、90°の左折は「9時方向への方向変更」である。更にUターンは「6時方向への方向変更」である。
【0012】
次に制御部1は、操作部2において入力された変更後の進行方向を当該入力時と同様にクロックポジションを用いて外部に報知するように、右ウインカ3及び左ウインカ4を夫々制御する。このとき、右ウインカ3及び左ウインカ4の各々は、図3に例示される各形態を夫々に備えるものであり、操作部2において入力された変更後の進行方向を外部に報知可能に構成されている。
【0013】
より具体的に制御部1は、図1(b)に示すように、車両の運行中において、進行方向の変更操作が操作部2において実行されたか否かを常に監視している(ステップS1、S1;NO)。そして、操作部2において当該変更操作がなされたことが検出されると(ステップS1;YES)、制御部1は、当該操作部2における操作内容(すなわち、操作部2において入力された変更後の進行方向)に対応する表示を右ウインカ3及び左ウインカ4の各々を用いて表示する動作を開始する(ステップS2)。
【0014】
その後制御部1は、例えば図示しない方位センサ等からの出力を用いて車両の進行方向の変更が終了したか否か、すなわち、車両の進行方向が操作部2において入力された進行方向となったか否かを常に監視する(ステップS3、S3;NO)。
【0015】
そして、当該進行方向の変更が終了したことが検出されたとき(ステップS3;YES)、制御部1は次に、それまで実行していた右ウインカ3及び左ウインカ4を用いた進行方向の表示を終了し(ステップS4)、通常の車両の運行状態に戻る。
【0016】
(I)操作部の細部構成
次に、実施形態に係る操作部2の細部構成について、図2を用いてその態様を五つ例示しつつ、説明する。なお、図2に例示する各態様は、全て、現在の進行方向を基準として4時の方向に右折する際に操作部2において行われる操作を例示するものである。
【0017】
(A)操作部の第一態様
先ず、上記クロックポジションを用いて変更後の進行方向を入力するための操作部2としての第一の態様は、図2(a)に上面図(図2(a)左)及び側面図(図2(a)右)を例示するように、車両自体及びその現在の進行方向を示す矢印等がその表面に例えば刻印や一体成形等により形成されている円板状の固定内周部としての固定部50と、当該固定部50の外側にリング状に回転可能に形成され、例えば運転者により回転操作されることで実際の変更後の進行方向が入力される回転外周部としての回転部51と、により構成されている。
【0018】
この構成において固定部50は、それに形成されている上記矢印等が車両の前方を指示するように、例えばハンドル脇に固定されている。一方回転部51は、クロックポジションを用いた入力が容易にできるようにすべく、上記時計の文字盤における時刻表示に相当する位置(具体的には、上記矢印等が示す方向から30°毎の位置)において、夫々引っ掛かり感(いわゆるクリック感)が得られるように構成されている。また回転部51の側面は、当該回転部51自体の回転操作を容易化するための凹凸が設けられている。
【0019】
そして、変更後の進行方向に相当する時刻表示の位置(例えば4時の位置)において回転部51の回転が停止されることで、当該変更後の進行方向を示す信号が操作部2から制御部1に出力される。
【0020】
(B)操作部の第二態様
次に、操作部2としての第二の態様は、図2(b)に上面図(図2(b)左)及び側面図(図2(b)右)を例示するように、車両の現在の進行方向を示す棒印等がその表面に例えば刻印や一体成形等により形成されているリング状の固定外周部としての固定部53と、当該固定部53の内側に円板状に形成され且つ車両自体及びその現在の進行方向を示す矢印等がその表面に例えば刻印や一体成形等により形成された回転可能な回転内周部としての回転部52と、により構成されている。この回転部52は、例えば運転者により回転操作されることで実際の変更後の進行方向が入力されるものである。
【0021】
この構成において固定部53は、それに形成されている上記棒印等が車両の前方を指示するように、例えばハンドル脇に固定されている。一方回転部52は、クロックポジションを用いた入力が容易にできるようにすべく、上記時計の文字盤における時刻表示に相当する位置において、夫々クリック感が得られるように構成されている。また回転部52の側面は、当該回転部52自体の回転操作を容易化するための凹凸が設けられている。
【0022】
そして、変更後の進行方向に相当する時刻表示の位置(例えば4時の位置)において回転部52の回転が停止されることで、当該変更後の進行方向を示す信号が操作部2から制御部1に出力される。
【0023】
(C)操作部の第三態様
更に、操作部2としての第三の態様は、図2(c)に上面図(図2(c)左)及び側面図(図2(c)右)を例示するように、車両自体及びその現在の進行方向を示す矢印等がその表面に例えば刻印や一体成形等により形成されている固定部54と、当該固定部54の中心位置に設置され且つ前後左右に自在に倒すことが可能な例えばいわゆるジョイスティック等の棒状操作部55と、により構成されている。そして、変更後の進行方向に相当する方向にこの棒状操作部55を倒す操作が例えば運転者により為されることで、実際の変更後の進行方向が入力される。
【0024】
この構成において固定部54は、それに形成されている上記矢印等が車両の前方を指示するように、例えばハンドル脇に固定されている。一方棒状操作部55は、常に中立位置に戻るように図示しないバネ等により付勢されている。そして、変更後の進行方向に相当する方向(例えば4時の方向)に棒状操作部55が倒されたことが検知されることで、当該変更後の進行方向を示す信号が操作部2から制御部1に出力される。
【0025】
(D)操作部の第四態様
更にまた、操作部2としての第四の態様は、図2(d)に上面図を例示するように、車両自体及びその現在の進行方向を示す矢印等である進行方向表示手段としての進行方向マーク57がその中央部に形成された操作手段としてのタッチパネル56により構成されている。
【0026】
そして、当該タッチパネル56の表面が、進行方向マーク57を起点として変更後の進行方向に相当する方向に図示しないスタイラス又は指等により押圧されながらなぞられることで、実際の変更後の進行方向が入力される。
【0027】
より具体的には、上記スタイラス等によるタッチパネル56の表面の操作軌跡58における終端付近の角度(例えば4時の方向(120°))と進行方向マーク57(即ち車両の進行方向)との間の位置関係が検知されることで、当該変更後の進行方向を示す信号が操作部2から制御部1に出力される。
【0028】
(E)操作部の第五態様
最後に、操作部2としての第五の態様は、図2(e)に上面図を例示するように、車両自体及びその現在の進行方向を示す矢印等である進行方向表示手段としての進行方向マーク59がその中央部に形成され、更に当該進行方向マーク59の周囲に、12時を除く各クロックポジションに夫々一対一に対応した操作ボタン60が複数(11個)配置されて構成されている。
【0029】
そして、各操作ボタン60のいずれかが、所望される変更後の進行方向に応じて押下等されることで、実際の変更後の進行方向が入力される。
【0030】
より具体的には、進行方向マーク59により示される進行方向を12時の方向として、当該変更後の進行方向に相当する操作ボタン60が押下等されたことが検知されることで、当該変更後の進行方向を示す信号が操作部2から制御部1に出力される。
【0031】
(II)各ウインカの細部構成
次に、実施形態に係る右ウインカ3及び左ウインカ4夫々の細部構成について、図3を用いて例示しつつ説明する。
【0032】
先ず、車両の左側に設けられる実施形態に係る左ウインカ4は、図3(a)に示すように、それまでの進行方向を示す水平の棒報知手段としての棒部41と、操作部2において入力された変更後の進行方向を示す矢印報知手段としての矢印部42と、を備え、当該棒部41及び矢印部42自体、又は当該棒部41及び矢印部42以外の左ウインカ4の部分が点滅可能な構成とされている。そして図3(a)中破線で示す夫々の矢印部42の位置が各クロックポジションの夫々に相当し、図3(a)に例示する場合は、車両が1時の方向に右折する場合の表示を例示している。
【0033】
次に、車両の右側に設けられる実施形態に係る右ウインカ3は、図3(b)に示すように、それまでの進行方向を示す水平の棒部31と、操作部2において入力された変更後の進行方向を示す矢印部32と、を備え、当該棒部31及び矢印部32自体、又は当該棒部31及び矢印部32以外の右ウインカ3の部分が点滅可能な構成とされている。そして図3(b)中破線で示す夫々の矢印部32の位置が各クロックポジションの夫々に相当し、図3(b)に例示する場合は、車両が11時の方向に左折する場合の表示を例示している。
【0034】
次に、車両の左側面に左ウインカ4が設けられている場合の表示例を、図3(c)を用いて説明する。
【0035】
例えば車両Cが4時の方向に右折しようとしている場合、その旨の操作が操作部2において為されると、車両Cの左側面に設けられた左ウインカ4の表示としては、棒部41と、当該4時の方向を示す矢印部42と、が図3(c)に例示する位置に表示されることになる。なおこの場合、矢印部42は、図3(c)中左水平方向に表示される場合がクロックポジションとしての12時の方向に相当する。
【0036】
次に、車両の正面(フロント)に左ウインカ4及び右ウインカ3が設けられている場合の表示例を、図3(d)を用いて説明する。
【0037】
例えば車両Cが10時の方向に左折しようとしている場合、その旨の操作が操作部2において為されると、車両Cの正面に設けられた左ウインカ4及び右ウインカ3の表示としては、夫々、棒部41及び31と、当該10時の方向を示す矢印部42及び32と、が図3(d)に例示する位置に表示されることになる。なおこの場合、矢印部42及び32は、図3(d)中鉛直下方向に表示される場合が車両Cについてのクロックポジションとしての12時の方向に相当する。また、図3(d)に例示する場合、車両Cに対して対向車となる図示しない他の車両の運転者から見ると、車両Cは、4時の方向(すなわち、当該他の車両から見て右手前)に進行方向を変更しようとしていることが明確に認識できることとなる。
【0038】
最後に、車両の後面(リア)に左ウインカ4及び右ウインカ3が設けられている場合の表示例を、図3(e)を用いて説明する。
【0039】
例えば車両Cが10時の方向に左折しようとしている場合、その旨の操作が操作部2において為されると、車両Cの後面に設けられた左ウインカ4及び右ウインカ3の表示としては、夫々、棒部41及び31と、当該10時の方向を示す矢印部42及び32と、が図3(e)に例示する位置に表示されることになる。なおこの場合、矢印部42及び32は、図3(e)中鉛直上方向に表示される場合が車両Cについてのクロックポジションとしての12時の方向に相当する。また、図3(e)に例示する場合、車両Cに対して後続車となる図示しない他の車両の運転者から見ると、車両Cは、10時の方向(すなわち、当該他の車両から見て左前方)に進行方向を変更しようとしていることが明確に認識できることとなる。
【0040】
以上夫々説明したように、実施形態に係るウインカ装置Sの構成及び動作によれば、変更後の車両Cの進行方向を、現在の進行方向を基準とし且つ360°を12等分して得られるクロックポジションのいずれかを用いて入力し、更に外部に位置する観者から見た相対的な方向として当該入力された進行方向を外部に報知するので、当該車両Cの爾後の進行方向を、より具体的な方向として外部に報知することができる。
【0041】
従って、分岐方向が直角以外である交差点又は例えば五差路の交差点等であっても、車両Cの爾後の進行方向がより具体的な方向として外部に報知されることで、当該交差点等における事故防止に多大に寄与することができる。
【0042】
また、変更後の進行方向をクロックポジションを用いて入力することが可能なので、操作部2としての操作性を向上させることができる。
【0043】
更に、操作部2の第一の態様の場合(図2(a)参照)は、当該操作部2が、現在の進行方向を示す固定部50と、変更後の進行方向を示すように回転可能な回転部51と、により構成されているので、車両Cの運行に支障を来すことなく簡易に当該変更後の進行方向を入力することができる。
【0044】
更にまた、操作部2の第二の態様の場合(図2(b)参照)は、当該操作部2が、現在の進行方向を示す固定部53と、変更後の進行方向を示すように回転可能な回転部52と、により構成されているので、車両Cの運行に支障を来すことなく簡易に当該変更後の進行方向を入力することができる。
【0045】
また、操作部2の第三の態様の場合(図2(c)参照)は、当該操作部2が、現在の進行方向を示す固定部54と、変更後の進行方向を示すように操作可能な棒状操作部55と、により構成されているので、車両Cの運行に支障を来すことなく簡易に当該変更後の進行方向を入力することができる。
【0046】
更に、操作部2の第四の態様の場合(図2(d)参照)は、当該操作部2が、現在の進行方向を表示する進行方向マーク57が表面に配置され、変更後の進行方向を入力するために用いられるタッチパネル56により構成されているので、車両Cの運行に支障を来すことなく簡易に当該変更後の進行方向を入力することができる。
【0047】
更にまた、操作部2の第五の態様の場合(図2(e)参照)は、当該操作部2が、現在の進行方向を表示する進行方向マーク59が表面に配置され、その進行方向マーク59の周囲に、各クロックポジションに一対一に対応する複数の操作ボタン60が配置されてなるので、車両Cの運行に支障を来すことなく簡易に当該変更後の進行方向を入力することができる。
【0048】
また、図3(c)に例示する車両側部に設けられた左ウインカ4(右ウインカ3)の場合は、車両Cの前方を向いた棒部41(31)と、入力された進行方向を現在の進行方向からの方向として矢印を用いて報知する矢印部42(32)と、により構成されているので、車両Cの外部側方に位置する観者をして見易く変更後の進行方向を報知することができる。
【0049】
更に、図3(d)に例示する車両後部に設けられた左ウインカ4及び右ウインカ3の場合は、鉛直方向に平行な棒部41及び31と、入力された進行方向を鉛直下方向からの方向として矢印を用いて報知する矢印部42及び32と、により構成されているので、車両Cの外部正面に位置する観者をして見易く変更後の進行方向を報知することができる。
【0050】
更にまた、図3(e)に例示する車両後部に設けられた左ウインカ4及び右ウインカ3の場合は、鉛直方向に平行な棒部41及び31と、入力された進行方向を鉛直上方向からの方向として矢印を用いて報知する矢印部42及び32と、により構成されているので、車両Cの外部後方に位置する観者をして見易く変更後の進行方向を報知することができる。
【0051】
なお、本願に係るウインカ装置としてのウインカは、車両Cの屋根上に設けられていてもよい。この場合は、車両Cの現在の進行方向に平行な棒部と、入力された進行方向を、現在の進行方向からの方向として矢印を用いて報知する矢印部と、により当該ウインカ装置を構成することとなる。
【0052】
この場合は、車両Cの上空に位置する観者をして見易く変更後の進行方向を報知することができる。
【0053】
また、上述した実施形態では、操作部2を用いて入力可能な進行方向は、上記クロックポジションに相当する12方位であったが、本願としては、360°を三以上に等分して得られる角度のいずれかを操作部2を用いて入力し、当該入力された角度を右ウインカ3及び左ウインカ4を用いて外部に報知する場合に広く適用することができる。
【0054】
更に、上述した実施形態では、本願に係るウインカ装置を車両Cに搭載した場合について説明したが、これ以外に、例えば自動車や自転車、或いは自動二輪車に搭載されるウインカ装置として本願に係るウインカ装置を用いることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】実施形態に係るウインカ装置の概要構成を示すブロック図等であり、(a)は当該ブロック図であり、(b)は当該ウインカ装置動作を示すフローチャートである。
【図2】実施形態に係る操作部の構成を示す図であり、(a)は当該操作部の第一の態様を例示する上面図及び側面図であり、(b)は当該操作部の第二の態様を例示する上面図及び側面図であり、(c)は当該操作部の第三の態様を例示する上面図及び側面図であり、(d)は当該操作部の第四の態様を例示する上面図及び側面図であり、(e)は当該操作部の第五の態様を例示する上面図である。
【図3】実施形態に係る各ウインカの構成を示す図であり、(a)は左ウインカの細部構成を示す図であり、(b)は右ウインカの細部構成を示す図であり、(c)は車両側部に設けられた左ウインカの表示例を示す図であり、(d)は車両正面に設けられた各ウインカの表示例を示す図であり、(e)は車両後面に設けられた各ウインカの表示例を示す図である。
【符号の説明】
【0056】
1 制御部
2 操作部
3 右ウインカ
4 左ウインカ
31、41 棒部
32、42 矢印部
50、53、54 固定部
51、52 回転部
55 棒状操作部
56 タッチパネル
57、59 進行方向マーク
58 操作軌跡
60 操作ボタン
S ウインカ装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体が進行方向を変更する際に、変更後の当該進行方向を外部に報知する方向報知装置において、
変更後の前記進行方向を、前記移動体の現在の前記進行方向を基準とし且つ360°を三以上に等分して得られる角度のいずれかを用いて入力するために用いられる入力手段と、
前記移動体の外部に位置する観者から見た相対的な方向として、前記入力された進行方向を前記外部に報知する報知手段と、
を備えることを特徴とする方向報知装置。
【請求項2】
請求項1に記載の方向報知装置において、
前記入力手段は、前記現在の進行方向を基準としたクロックポジションを用いて前記変更後の進行方向を入力するために用いられることを特徴とする方向報知装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の方向報知装置において、
前記入力手段は、
前記現在の進行方向を示す固定内周部と、
前記変更後の進行方向を示すように回転可能な回転外周部と、
により構成されていることを特徴とする方向報知装置。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の方向報知装置において、
前記入力手段は、
前記現在の進行方向を示す固定部と、
前記変更後の進行方向を示すように操作可能な棒状の操作部と、
により構成されていることを特徴とする方向報知装置。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の方向報知装置において、
前記入力手段は、
前記現在の進行方向を示す固定外周部と、
前記変更後の進行方向を示すように回転可能な回転内周部と、
により構成されていることを特徴とする方向報知装置。
【請求項6】
請求項1又は2に記載の方向報知装置において、
前記入力手段は、前記現在の進行方向を表示する進行方向表示手段が表面に配置され、前記変更後の進行方向を入力するために用いられる操作手段により構成されていることを特徴とする方向報知装置。
【請求項7】
請求項1又は2に記載の方向報知装置において、
前記入力手段は、前記現在の進行方向を表示する進行方向表示手段の周囲に、前記等分して得られる角度の各々に一対一に対応する複数の操作手段が配置されてなることを特徴とする方向報知装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載の方向報知装置において、
前記報知手段は前記移動体の側面外部に設けられていると共に、
前記移動体の前方を向いた棒の状態を報知する棒報知手段と、
前記入力された進行方向を、前記現在の進行方向からの方向として矢印を用いて報知する矢印報知手段と、
により構成されていることを特徴とする方向報知装置。
【請求項9】
請求項1から7のいずれか一項に記載の方向報知装置において、
前記報知手段は前記移動体の後面外部に設けられていると共に、
鉛直方向に平行な棒の状態を報知する棒報知手段と、
前記入力された進行方向を、鉛直上方向からの方向として矢印を用いて報知する矢印報知手段と、
により構成されていることを特徴とする方向報知装置。
【請求項10】
請求項1から7のいずれか一項に記載の方向報知装置において、
前記報知手段は前記移動体の正面外部に設けられていると共に、
鉛直方向に平行な棒の状態を報知する棒報知手段と、
前記入力された進行方向を、鉛直下方向からの方向として矢印を用いて報知する矢印報知手段と、
により構成されていることを特徴とする方向報知装置。
【請求項11】
請求項1から7のいずれか一項に記載の方向報知装置において、
前記報知手段は前記移動体の上面外部に設けられていると共に、
前記現在の進行方向に平行な棒の状態を報知する棒報知手段と、
前記入力された進行方向を、前記現在の進行方向からの方向として矢印を用いて報知する矢印報知手段と、
により構成されていることを特徴とする方向報知装置。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか一項に記載の方向報知装置において、
前記移動体は車両であり、
前記報知手段はウインカであることを特徴とする方向報知装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−125982(P2010−125982A)
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−302584(P2008−302584)
【出願日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【Fターム(参考)】