説明

施設管理システムおよび方法

【課題】区画に存在する人数に応じた最適な取入量を取り入れ可能とする。
【解決手段】管理装置40において、任意の管理区画に対する利用者の入退室を可と判定した場合、在室人数更新部46により、移動元管理区画および移動先管理区画の在室人数を更新して記憶部に保存し、在室状況通知部47により、記憶部44の各在室人数から特定した前記各管理区画の在室状況を空調制御装置50へ通知する。空調制御装置50において、外気取入量算出部51により、管理装置40から通知された在室状況に応じて、当該在室状況に対応する区画で必要となる外気取入量を算出し、この外気取入量に基づいて、空調制御部52により、区画と対応する空調設備60の外気取入ダンパに関する目標開度を求め、当該外気取入ダンパの開度が目標開度となるよう空調設備60を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、施設管理技術に関し、特に対象エリアに存在する人の人数に応じた空調制御を行う施設管理技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、入退室管理装置で管理する人の入館/退館と連動させて空調制御を行う技術が提案されている(例えば、特許文献1など参照)。この技術では、連動カードリーダに空調制御盤を接続するとともに、連動カードリーダに空調オン/オフ制御の回線を選択する手段を設けて、当該手段の操作により空調制御盤により該当空調のオン/オフ制御を行うものとなっている。本構成により、入館/退館操作時、連動カードリーダにおいて、電気錠を開錠するとともに、該当回線の空調をオン/オフすることができるので、空調制御盤において手動で該当回線をオン/オフする必要がなくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−210284号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
空調空間に対して快適性を提供する空調制御の1つとして、空調空間への外気取入を制御して空調空間内におけるCO2濃度を調整する場合がある。このような空調制御では、空調空間内に存在する人の人数を設計人員として予め計算しておき、この設計人員に基づいて計算しておいた一定の取入量だけ外気を取り入れるものとなっていた。したがって、前述した従来技術における空調制御に適用することで、人の入退出と連動させて自動的に空調機をオン/オフすると同時に外気取入制御を開始させることができる。
【0005】
しかしながら、このような技術では、人の入退室と連動させて外気取入制御をオン/オフすることになる。このため、任意の区画に存在する人の人数に合わせたきめ細かな外気取入制御を行うことができないという問題点があった。したがって、外気を取り入れる場合には、区画内に存在する人の人数にかかわらず、一定の取入量だけ取り入れることになるため、人数が少ない場合には過剰な取入量を取り入れることになるため、例えば空調空間に対する温度制御においては外気負荷の増大となる。
【0006】
本発明はこのような課題を解決するためのものであり、区画に存在する人数に応じた最適な取入量を取り入れることができる施設管理技術を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このような目的を達成するために、本発明にかかる施設管理システムは、施設内の各管理区画に設けられ、利用者の操作に応じて当該管理区画に対する当該利用者の入退室可否判定を要求する判定要求を通知するリーダ端末と、リーダ端末からの判定要求に応じて、記憶部に予め登録されている判定情報に基づいて管理区画に対して利用者の入退室可否を判定する管理装置と、各管理区画を空調対象とする空調設備を制御する空調制御装置とを備え、管理装置は、リーダ端末からの判定要求に応じて、管理区画に対する当該利用者の入退室を可と判定した場合、当該移動元管理区画および当該移動先管理区画の在室人数を更新して記憶部に保存する在室人数更新部と、記憶部に保存されている各在室人数から特定した前記各管理区画の在室状況を空調制御装置へ通知する在室状況通知部とを備え、空調制御装置は、管理装置から通知された在室状況に応じて、当該在室状況に対応する区画で必要となる外気取入量を算出する外気取入量算出部と、外気取入量算出部により算出された外気取入量に基づいて、区画と対応する空調設備の外気取入ダンパに関する目標開度を求め、当該外気取入ダンパの開度が目標開度となるよう空調設備を制御する空調制御部とを備えている。
【0008】
この際、在室人数更新部で、記憶部に予め登録されている、空調設備の空調対象である空調区画と当該空調区画に含まれる管理区画との対応関係を示す空調区画情報を参照することにより、当該移動元管理区画および当該移動先管理区画に対応する当該移動元空調区画および当該移動先空調区画をそれぞれ特定し、管理区画に代えて当該管理区画に対応する空調区画ごとに、在室人数を更新して記憶部に保存するようにしてもよい。
【0009】
また、在室人数更新部で、移動元空調区画が当該移動先空調区画と異なる場合にのみ、当該移動元空調区画および当該移動先空調区画の在室人数を更新して記憶部に保存するようにしてもよい。
【0010】
また、在室状況通知部で、記憶部に保存されている各在室状況のうち、任意の在室状況が基準変化幅を越えて変化した時点で、当該在室状況を空調制御装置へ通知するようにしてもよい。
【0011】
また、本発明にかかる施設管理方法は、施設内の各管理区画に設けられ、利用者の操作に応じて当該管理区画に対する当該利用者の入退室可否判定を要求する判定要求を通知するリーダ端末と、リーダ端末からの判定要求に応じて、記憶部に予め登録されている判定情報に基づいて管理区画に対して利用者の入退室可否を判定する管理装置と、各管理区画を空調対象とする空調設備を制御する空調制御装置とを備える施設管理システムで用いられる施設管理方法であって、管理装置の在室人数更新部が、リーダ端末からの判定要求に応じて、管理区画に対する当該利用者の入退室を可と判定した場合、当該移動元管理区画および当該移動先管理区画の在室人数を更新して記憶部に保存する在室人数更新ステップと、管理装置の在室状況通知部が、記憶部に保存されている各在室人数から特定した前記各管理区画の在室状況を空調制御装置へ通知する在室状況通知ステップと、空調制御装置の外気取入量算出部が、管理装置から通知された在室状況に応じて、当該在室状況に対応する区画で必要となる外気取入量を算出する外気取入量算出ステップと、空調制御装置の空調制御部が、外気取入量算出ステップにより算出された外気取入量に基づいて、区画と対応する空調設備の外気取入ダンパに関する目標開度を求め、当該外気取入ダンパの開度が目標開度となるよう空調設備を制御する空調制御ステップとを備えている。
【0012】
この際、在室人数更新ステップとして、記憶部に予め登録されている、空調設備の空調対象である空調区画と当該空調区画に含まれる管理区画との対応関係を示す空調区画情報を参照することにより、当該移動元管理区画および当該移動先管理区画に対応する当該移動元空調区画および当該移動先空調区画をそれぞれ特定し、管理区画に代えて当該管理区画に対応する空調区画ごとに、在室人数を更新して記憶部に保存するステップを含むようにしてもよい。
【0013】
また、在室人数更新ステップとして、移動元空調区画が当該移動先空調区画と異なる場合にのみ、当該移動元空調区画および当該移動先空調区画の在室人数を更新して記憶部に保存するステップを含むようにしてもよい。
【0014】
また、在室状況通知ステップとして、記憶部に保存されている各在室人数のうち、任意の在室人数が基準変化幅を越えて変化した時点で、当該在室人数を含む在室状況空調制御装置へ通知するステップを含むようにしてもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、入退室可判定ごとにリアルタイムで更新される各区画の在室人数に基づいて、外気取入量を自動調整することができる。したがって、人の入退室と連動させて外気取入制御をオン/オフする場合と比較して、区画に存在する人数に応じた最適な取入量を取り入れることができる。このため、人数が少ない場合には過剰な取入量を取り入れることがなくなり、例えば温度制御における外気負荷を増大させることなく、CO2濃度を調整することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】第1の実施の形態にかかる施設管理システムの構成を示すブロック図である。
【図2】区画情報の構成例である。
【図3】区画の構成例である。
【図4】判定情報の構成例である。
【図5】在室情報の構成例である。
【図6】第1の実施の形態にかかる管理装置の入退室判定処理を示すフローチャートである。
【図7】施設管理システム全体の動作を示すシーケンス図である。
【図8】区画の他の構成例である。
【図9】空調区画情報の構成例である。
【図10】空調在室情報の構成例である。
【図11】第2の実施の形態にかかる管理装置の入退室判定処理を示すフローチャートである。
【図12】第3の実施の形態にかかる管理装置の在室状況通知処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
[第1の実施の形態]
まず、図1を参照して、本発明の第1の実施の形態にかかる施設管理システム1について説明する。図1は、第1の実施の形態にかかる施設管理システムの構成を示すブロック図である。
この施設管理システム1は、管理装置40において、施設に設けられた各管理区画20について、人の入退室を管理するとともに、空調制御装置50と連動して各管理区画20における空調制御、ここでは外気の取入制御を行う機能を有している。
【0018】
この施設管理システム1には、IDカード10、リーダ端末22、電気錠23、制御装置30、管理装置40、空調制御装置50、および空調設備60が含まれている。
各管理区画20のドア21に対して設置されているリーダ端末22および電気錠23は、通信回線L1を介してそれぞれデータ通信可能に制御装置30と接続されている。また、管理装置40には、通信回線L2を介して制御装置30および空調制御装置50がデータ通信可能に接続されている。この際、施設管理システム1の規模に応じて、制御装置30およびその配下に接続される構成を複数設けてもよい。なお、本実施の形態では、電気錠23と制御装置30との接続は通信回線によるものに限られるものではなく、電気回線により電気的に接続しても良い。
【0019】
IDカード10は、メモリカードやICカードなどの携帯可能な情報処理用のカードからなり、当該IDカードを所持する利用者の入退室可否を判定するために必要な情報として、利用者に固有の利用者IDなどの利用者識別情報を記録する機能を有している。
【0020】
リーダ端末22は、管理区画20のドア21ごとに併設された、カードリーダなどの入力処理装置からなり、カードスロットへIDカードを挿入し(接触型)、あるいはカードアンテナへIDカードをかざすことにより(非接触型)、利用者が提示したIDカード10から利用者IDなどの利用者識別情報を読み出す機能と、当該利用者識別情報と予め自己に設定されている当該ドア21に固有のドアIDとを含む判定要求を、通信回線L1を介して制御装置30へ送信する機能とを有している。
【0021】
電気錠23は、管理区画20のドア21ごとに設けられた電動式の錠前からなり、通信回線L1を介して受信した制御装置30からの開錠/施錠の指示に応じて、ドア21の開錠/施錠を行う機能を有している。なお、電気錠23は、常時、施錠されており、制御装置30から開錠指示が到来した場合にのみ所定期間だけ開錠するものとする。
【0022】
制御装置30は、全体として設備の管理・監視を行う各種制御システムで用いられるコントローラなどの制御装置からなり、通信回線L1を介して各管理区画20に設けられたリーダ端末22からの判定要求を受信し、通信回線L2を介して管理装置40へ通知する機能と、管理装置40からの指示に応じて、対応する管理区画20のドア21に設けられた電気錠23を制御する機能とを有している。
【0023】
管理装置40は、全体としてサーバ装置やパソコンなどの情報処理装置からなり、制御装置30を介したリーダ端末22からの判定要求に応じて、当該管理区画20における利用者の入退室可否を判定し、当該管理区画20のドア21に設けられた電気錠23の開錠制御を行う機能とを有している。
管理装置40には、主な機能部として、通信I/F部41、操作入力部42、画面表示部43、記憶部44、判定処理部45、在室人数更新部46、および在室状況通知部47が設けられており、これら機能部は、内部バスを介して相互にデータやり取り可能に接続されている。
【0024】
通信I/F部41は、通信回線L2を介して制御装置30や空調制御装置50などの外部装置とデータ通信を行う機能を有している。
操作入力部42は、キーボードやマウスなどの操作入力装置からなり、オペレータ操作を検出して、判定処理部45などの各種機能部へ出力する機能を有している。
画面表示部43は、LCDやPDPなどの画面表示装置からなり、判定処理部45などの各種機能部から出力された各種情報を画面表示する機能を有している。
記憶部44は、メモリやハードディスクなどの記憶装置からなり、管理装置40での処理動作に用いる各種情報やプログラムを記憶する機能を有している。
【0025】
記憶部44で記憶される主な処理情報として、区画情報、判定情報、および在室情報がある。
図2は、区画情報の構成例である。ここでは、各管理区画20に設けられたドア21を識別するためのドアIDごとに、当該ドア21を通行する際の移動元区画を示す移動元管理区画IDおよび移動先区画を示す移動先管理区画IDが組として登録されている。この区画情報は、管理対象となる施設における区画構成に応じて、予め記憶部44へ登録される。
【0026】
図3は、区画の構成例である。ここでは、7つの管理区画R1−R7が共用部を囲むようにして配置されており、各管理区画R1−R7には、ドアD1−D7が設けられている。これらドアD1−D7のうち、ドアD3は管理区画R2−R3間に設けられたドアであり、管理区画R3へ入退室するには管理区画R2からドアD3を通行する必要がある。同じく、ドアD5は管理区画R4−R5間に設けられたドアであり、管理区画R5へ入退室するには管理区画R4からドアD5を通行する必要がある。その他のドアD1,D2,D4,D6,D7は、共用部に面して設けられている。
【0027】
図4は、判定情報の構成例である。ここでは、利用者を識別するための利用者IDごとに、当該利用者の入退室が許可されている区画を示す入退室許可区画IDのリストが登録されている。この判定情報は、管理対象となる施設における区画構成と、利用者の所属部署や役職により付与されたセキュリティレベルに基づいて、予め記憶部44へ登録される。
【0028】
図5は、在室情報の構成例である。ここでは、各管理区画を識別するための管理区画IDごとに、当該管理区画内に存在している人の人数、すなわち在室人数が登録されている。この在室人数は、当該管理区画での人の入退室に応じて更新される。
【0029】
判定処理部45は、制御装置30を介して通信I/F部41で受信したリーダ端末22からの判定要求に応じて、判定要求で指定されたドアIDに基づき記憶部44の区画情報から取得した移動先管理区画IDと、判定要求で指定された利用者IDに基づき記憶部44の判定情報から取得した入退室許可区画IDとを比較し、移動先管理区画IDが入退室許可区画IDに含まれている場合にのみ、当該利用者に対する当該移動先管理区画20への入退室可と判定する機能と、この入退室可の判定結果に応じて、通信I/F部41から制御装置30を介して当該ドア21の電気錠23へ、開錠を指示する機能とを有している。なお、本実施の形態では、管理装置40の判定処理部45が判定処理を行う構成を示したが、制御装置30に判定処理部40および記憶部40に相当する構成部を持たせることにより、制御装置30が前述の判定処理を行い、その判定結果を管理装置40に通知する構成としても良い。
【0030】
在室人数更新部46は、リーダ端末22からの判定要求に応じて、判定処理部45において当該管理区画20に対する当該利用者の入退室を可と判定した場合、判定要求で指定されたドアIDに基づき記憶部44の区画情報から移動元管理区画IDと移動先管理区画IDを取得する機能と、記憶部44の在室情報のうち、移動元管理区画IDの在室人数から1人減算するとともに、移動先管理区画IDの在室人数に1人加算することにより、これら管理区画の在室人数を更新して記憶部44へ保存する機能とを有している。
【0031】
在室状況通知部47は、記憶部44の在室情報に保存されている管理区画ごとの在室人数を読み出す機能と、これら管理区画の管理区画IDと在室人数との組を含む在室状況を、通信I/F部41から通信回線L2を介して、空調制御装置50へ周期的に通知する機能とを有している。この際、在室状況については、複数の管理区画IDに関するものを一括して通知してもよく、管理区画IDごとに個別に通知するようにしてもよい。
【0032】
一般的な空調制御装置では、冷暖房制御において1分以下という短い周期で各種バルブの開度を調整しており、在室状況についても同様の周期で空調制御装置へ通知することにより、外気取入制御についても同様の周期で実施することができる。
また、在室人数については、短期間で元に戻る場合もある。例えば、任意の区画に入退室した人が、その区画での用事がすぐに終わって当該区画から退出するケースも考えられる。この場合、在室状況の通知周期が短い場合、無駄な外気取入制御が実施されることになるため、ある程度の時間を見込んだ周期で在室状況を通知するようにしてもよい。このため、在室状況の通知周期については、区画の利用形態、区画の構成、さらには当該区画に対応する空調設備の規模や構成に応じて、適切な周期を設定すればよい。
【0033】
管理装置40のうち、判定処理部45、在室人数更新部46、および在室状況通知部47については、専用の情報処理回路で構成してもよく、CPUとプログラムとが協働してなる演算処理部により構成してもよい。
【0034】
空調制御装置50は、全体として設備の管理・監視を行う各種制御システムで用いられるコントローラなどの制御装置からなり、通信回線L2を介して管理装置40から通知された在室状況に応じて、当該在室状況で通知された任意の区画の在室人数に基づいて、当該区画へ取り入れる外気の取入量を調整する機能を有している。
空調制御装置50には、主な機能部として、外気取入量算出部51および空調制御部52が設けられている。
【0035】
外気取入量算出部51は、管理装置40から通知された在室人数に、1人当たりの外気取入量を乗算することにより、当該在室人数に対応する区画で必要となる外気取入量を算出する機能を有している。
一般に、室内に外気を取り入れる際の1人当たりの外気取入量は、約30[m3/h]とされている。具体的には、事務作業状態の1人当たりのCO2発生量Wを15〜20[lh]とし、外気中のCO2濃度Cを300[ppm]=0.03%とし、室内のCO2許容濃度Cpを1000[ppm]=0.10%とすると、1人当たりの外気取入量Q[m3/h]は、Q=W/(C−Cp)=28.6[m3/h]で求められる。
【0036】
空調制御部52は、外気取入量算出部51により算出された外気取入量に基づいて、当該区画と対応する空調設備60の外気取入ダンパに関する目標開度を求める機能と、当該外気取入ダンパの開度が目標開度となるよう、通信回線L3を介してバルブ開度指示を送信することにより、空調設備60を制御する機能とを有している。この際、区画と空調設備60の対応関係については、予め空調制御装置50に設定しておけばよい。
これにより、空調設備60は、空調制御部52からのバルブ開度指示に応じて、外気取入ダンパの開度を目標開度に調整する。
【0037】
空調制御装置50のうち、外気取入量算出部51および空調制御部52については、専用の情報処理回路で構成してもよく、CPUとプログラムとが協働してなる演算処理部により構成してもよい。
【0038】
[第1の実施の形態の動作]
次に、本実施の形態にかかる施設管理システム1の動作について説明する。
まず、図6を参照して、管理装置40の動作について説明する。図6は、第1の実施の形態にかかる管理装置の入退室判定処理を示すフローチャートである。
管理装置40は、リーダ端末22からの判定要求に応じて、図6の入退室判定処理を実行する。
【0039】
判定処理部45は、まず、判定要求で指定されたドアIDに基づき記憶部44の区画情報から移動先管理区画IDを取得し(ステップ100)、同じく判定要求で指定された利用者IDに基づき記憶部44の判定情報から入退室許可区画IDを取得する(ステップ101)。
この後、判定処理部45は、移動先管理区画IDと入退室許可区画IDとを比較し、移動先管理区画IDが入退室許可区画IDに含まれているか確認する(ステップ102)。
ここで、移動先管理区画IDが入退室許可区画IDに含まれておらず、入退室不可と判定された場合(ステップ102:NO)、判定処理部45は、一連の入退室判定処理を終了する。
【0040】
一方、移動先管理区画IDが入退室許可区画IDに含まれており、入退室可と判定された場合(ステップ102:YES)、判定処理部45は、通信I/F部41から制御装置30を介して当該ドア21の電気錠23へ、開錠を指示する(ステップ103)。これにより、ドア21が開錠され、利用者は移動先管理区画へ移動可能となる。
【0041】
また、在室人数更新部46は、判定処理部45において当該管理区画20に対する当該利用者の入退室を可と判定した場合、判定要求で指定されたドアIDに基づき記憶部44の区画情報から移動元管理区画IDと移動先管理区画IDを取得する(ステップ104)。
【0042】
続いて、在室人数更新部46は、記憶部44の在室情報のうち、移動元管理区画IDの在室人数から1人減算するとともに、移動先管理区画IDの在室人数に1人加算することにより、これら区画の在室人数を更新して記憶部44に保存し(ステップ105)、一連の入退室判定処理を終了する。
これにより、入退室可の判定に応じて、移動元管理区画および移動先管理区画の在室人数がリアルタイムで更新される。
【0043】
次に、図7を参照して、施設管理システム1全体の動作について説明する。図7は、施設管理システム全体の動作を示すシーケンス図である。
リーダ端末22でIDカード10による利用者操作が行われた場合(ステップ110)、これに応じてリーダ端末22から管理装置40に対して判定要求が通知される(ステップ111)。
【0044】
管理装置40は、判定処理部45により、この判定要求に応じて利用者に対する入退室可否を判定し、入退室可と判定された場合(ステップ112)、電気錠23に対して開錠が指示される(ステップ113)。これにより、電気錠23が開錠される(ステップ114)。
また、管理装置40は、在室人数更新部46により、当該移動元管理区画および移動先管理区画の在室人数を更新する(ステップ115)。
【0045】
この後、管理装置40は、在室状況通知部47により、在室状況の通知契機を管理しており、通知契機の到来に応じて(ステップ120)、記憶部44の在室情報に保存されている管理区画IDと在室人数との組を含む在室状況を、空調制御装置50へ通知する(ステップ121)。
【0046】
空調制御装置50は、管理装置40からの在室状況に応じて、外気取入量算出部51で、在室人数に応じた当該区画の外気取入量を算出し(ステップ122)、空調制御部52により、その外気取入量に応じた当該区画の外気取込バルブの目標開度を算出し(ステップ123)、外気取入ダンパの開度を目標開度とするバルブ開度指示を空調設備60へ送信する(ステップ124)。
空調設備60は、空調制御装置50からのバルブ開度指示に応じて、外気取入ダンパを制御して、バルブ開度を目標開度に調整する(ステップ125)。
【0047】
[第1の実施の形態の効果]
このように、本実施の形態は、管理装置40において、リーダ端末22からの判定要求に応じて、判定処理部45で管理区画に対する当該利用者の入退室を可と判定した場合、在室人数更新部46により、当該移動元管理区画および当該移動先管理区画の在室人数を更新して記憶部に保存し、在室状況通知部47により、記憶部44に保存されている各在室人数を周期的に空調制御装置50へ通知するようにしたものである。
【0048】
また、空調制御装置50において、外気取入量算出部51により、管理装置40から通知された在室人数に応じて、当該在室人数に対応する区画で必要となる外気取入量を算出し、この外気取入量に基づいて、空調制御部52により、区画と対応する空調設備60の外気取入ダンパに関する目標開度を求め、当該外気取入ダンパの開度が目標開度となるよう空調設備60を制御するようにしたものである。
なお、本実施の形態では、管理装置40から通知された在室人数に応じて、外気ダンパの目標開度を変更させる構成を示したが、空調制御装置50において外気エンタルピーや室内の負荷状態値などに基づく外気取入制御が行われている場合には、管理装置40から通知された在室人数に応じて、外気取入ダンパの最小設定開度を変更させるようにしても良い。
【0049】
これにより、入退室可判定ごとにリアルタイムで更新される各区画の在室人数に基づいて、外気取入量を自動調整することができる。したがって、人の入退室と連動させて外気取入制御をオン/オフする場合と比較して、区画に存在する人数に応じた最適な取入量を取り入れることができる。このため、人数が少ない場合には過剰な取入量を取り入れることがなくなり、例えば温度制御における外気負荷を増大させることなく、COS濃度を調整することが可能となる。
【0050】
なお、本実施の形態では、管理装置40から空調制御装置50に対して、周期的に各管理区画の在室状況を通知する場合を例として説明したが、在室状況の通知タイミングについては、これに限定されるものではない。例えば、任意の管理区画について在室人数が更新された時点で、在室状況通知部47により、当該管理区画に関する在室状況を空調制御装置50へ通知するようにしてもよい。これにより、在室人数が変化して、新たな外気取入制御を実行する必要がある場合にのみ、在室状況を通知することができる。
【0051】
また、本実施の形態では、管理装置40から空調制御装置50に対して、各区画の在室人数を示す在室状況を通知する場合を例として説明したが、在室人数に代えて在室状況レベルを通知するようにしてもよい。在室状況レベルは、在室人数を複数の段階に仕分けするしきい値処理した結果を示すレベルであり、任意の区画に対して任意の在室状況レベルが割り当てられた場合、当該区画の在室人数は、予め設定された在室人数の幅に属しているとわかる。
【0052】
したがって、空調制御装置50の外気取入量算出部51では、これら在室状況レベルごとの外気取入ダンパの目標開度を、テーブルとして予め登録しておけば、管理装置40から通知された在室状況レベルに応じた目標開度を極めて簡素な処理で目標開度を算出することができ、空調制御装置50での処理負担を大幅に軽減できる。
なお、在室人数から在室状況レベルを導出するためのしきい値処理については、管理装置40に代えて空調制御装置50の外気取入量算出部51で実行してもよい。
【0053】
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態にかかる施設管理システム1について説明する。
第1の実施の形態では、入退室での管理単位である管理区画と、空調制御での制御単位である空調区画とが、1対1で対応している場合を例として説明した。本実施の形態では、これら管理区画と空調区画とが1対1で対応していない場合について説明する。
【0054】
図8は、区画の他の構成例である。ここでは、図3と同様に、7つの管理区画R1−R7が共用部を囲むようにして配置されている。本実施の形態では、これら管理区画R1−R7のうち、管理区画R1−R3が1つの空調区画K1として同一の空調設備60により一括して空調制御され、管理区画R4−R7が1つの空調区画K2として同一の空調設備60により一括して空調制御される。
【0055】
このような管理区画と空調区画の対応関係は、管理装置40の記憶部44に、空調区画情報として予め登録されている。図9は、空調区画情報の構成例である。ここでは、管理区画を識別するための管理区画IDごとに、当該管理区画と対応する空調区画を示す空調区画IDが登録されている。
【0056】
図10は、空調在室情報の構成例である。ここでは、各空調区画を識別するための空調区画IDごとに、当該空調区画に属する管理区画内に存在している人の合計人数が在室人数として登録されている。この在室人数は、当該空調区画に属する個々の管理区画での人の入退室に応じて更新される。
【0057】
本実施の形態において、管理装置40の在室人数更新部46は、在室人数を更新する際、管理区画に代えて空調区画ごとに在室人数を更新する機能を有している。具体的には、リーダ端末22からの判定要求に応じて、判定処理部45において当該管理区画20に対する当該利用者の入退室を可と判定した場合、判定要求で指定されたドアIDに基づき記憶部44の区画情報から移動元管理区画IDと移動先管理区画IDを取得する機能と、記憶部44の空調区画情報を参照することにより、当該移動元管理区画IDおよび当該移動先管理区画IDに対応する当該移動元空調区画IDおよび当該移動先空調区画IDをそれぞれ特定する機能とを有している。
【0058】
さらに、在室人数更新部46は、移動元空調区画IDおよび移動先空調区画IDを比較し、これら両者が異なる場合にのみ、記憶部44の空調在室情報のうち、移動元空調区画IDの在室人数から1人減算するとともに、移動先空調区画IDの在室人数に1人加算することにより、これら空調区画の在室人数を更新して記憶部44に保存する機能とを有している。
【0059】
また、管理装置40の在室状況通知部47は、記憶部44の空調在室情報に保存されている空調区画ごとの在室人数を読み出す機能と、これら空調管理区画の空調管理区画IDと在室人数との組を含む在室状況を、通信I/F部41から通信回線L2を介して、空調制御装置50へ周期的に通知する機能とを有している。
なお、本実施の形態にかかる施設管理システム1の上記以外の構成については、前述した第1の実施の形態と同様であり、ここでの詳細な説明は省略する。
【0060】
[第2の実施の形態の動作]
次に、図11を参照して、本実施の形態にかかる施設管理システム1の動作として、管理装置40での入退室判定処理について説明する。図11は、第2の実施の形態にかかる管理装置の入退室判定処理を示すフローチャートであり、前述の図6と同じまたは同等部分には、同一符号を付してある。
管理装置40の判定処理部45は、リーダ端末22からの判定要求に応じて、図11の入退室判定処理を実行する。
【0061】
判定処理部45は、まず、判定要求で指定されたドアIDに基づき記憶部44の区画情報から移動先管理区画IDを取得し(ステップ100)、同じく判定要求で指定された利用者IDに基づき記憶部44の判定情報から入退室許可区画IDを取得する(ステップ101)。
この後、判定処理部45は、移動先管理区画IDと入退室許可区画IDとを比較し、移動先管理区画IDが入退室許可区画IDに含まれているか確認する(ステップ102)。
ここで、移動先管理区画IDが入退室許可区画IDに含まれておらず、入退室不可と判定された場合(ステップ102:NO)、判定処理部45は、一連の入退室判定処理を終了する。
【0062】
一方、移動先管理区画IDが入退室許可区画IDに含まれており、入退室可と判定された場合(ステップ102:YES)、判定処理部45は、通信I/F部41から制御装置30を介して当該ドア21の電気錠23へ、開錠を指示する(ステップ103)。これにより、ドア21が開錠され、利用者は移動先管理区画へ移動可能となる。
【0063】
また、在室人数更新部46は、判定処理部45において当該管理区画20に対する当該利用者の入退室を可と判定した場合、判定要求で指定されたドアIDに基づき記憶部44の区画情報から移動元管理区画IDと移動先管理区画IDを取得する(ステップ104)。
続いて、在室人数更新部46は、記憶部44の空調区画情報を参照することにより、これら移動元管理区画IDおよび移動先管理区画IDに対応する移動元空調区画IDおよび移動先空調区画IDをそれぞれ特定する(ステップ200)。
【0064】
ここで、在室人数更新部46は、移動元空調区画IDおよび移動先空調区画IDを比較し(ステップ201)、両者が一致する場合には(ステップ201:NO)、在室人数を更新する必要がないと判定して、一連の入退室判定処理を終了する。
一方、両者が相違する場合(ステップ201:YES)、在室人数更新部46は、記憶部44の空調在室情報のうち、移動元空調区画IDの在室人数から1人減算するとともに、移動先空調区画IDの在室人数に1人加算することにより、これら空調区画の在室人数を更新して記憶部44に保存し(ステップ202)、一連の入退室判定処理を終了する。
【0065】
これにより、入退室可の判定に応じて、移動元空調区画および移動先空調区画の在室人数がリアルタイムで更新される。
この後、前述した図7のステップ120以降と同様にして、管理装置40では、在室状況通知部47により、記憶部44の空調在室情報から各在室状況が周期的に読み出されて空調制御装置50へ通知される。また、空調制御装置50では、管理装置40からの在室状況の通知に応じて、外気取入量算出部51により、当該空調区画における外気取入量が算出され、空調制御部52により、この外気取入量に応じた外気取込バルブの目標開度が算出され、当該管理区画と対応する空調設備60のバルブ開度が調整される。
【0066】
[第2の実施の形態の効果]
このように、本実施の形態では、管理装置40の在室人数更新部46で、記憶部44に予め登録されている、空調設備の空調対象である空調区画と当該空調区画に含まれる管理区画との対応関係を示す空調区画情報を参照することにより、当該移動元管理区画および当該移動先管理区画に対応する当該移動元空調区画および当該移動先空調区画をそれぞれ特定し、管理区画に代えて当該管理区画に対応する空調区画ごとに、在室人数を更新して記憶部44に保存するようにしたものである。
これにより、実際の施設で見られるように、管理区画と空調区画とが1対1で対応していない場合でも、入退室可判定ごとにリアルタイムで更新される各空調区画の在室人数に基づいて、当該空調区画ごとに外気取入量を自動調整することができる。
【0067】
また、本実施の形態では、管理装置40の在室人数更新部で、リーダ端末22からの判定要求に応じて、管理区画に対する当該利用者の入退室を可と判定した場合、記憶部44の空調区画情報を参照することにより、当該移動元管理区画および当該移動先管理区画に対応する当該移動元空調区画および当該移動先空調区画をそれぞれ特定し、当該移動元空調区画が当該移動先空調区画と異なる場合にのみ、当該移動元空調区画および当該移動先空調区画の在室人数を更新して記憶部44に保存するようにしたので、無駄な在室人数の更新処理を省くことができる。
【0068】
[第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施の形態にかかる施設管理システム1について説明する。
第1の実施の形態では、管理装置40から空調制御装置50に対して在室状況を通知する際、各区画の在室状況を周期的に通知する場合を例として説明した。本実施の形態では、記憶部44の在室情報のうち、任意の区画の在室人数の変化幅が大きい場合には、周期的な通知契機が到来する前であっても、当該区画の在室状況を空調制御装置50へ通知する場合について説明する。
【0069】
本実施の形態において、管理装置40の在室状況通知部47は、記憶部44の在室情報のうち、各管理区画の在室人数が基準変化幅を越えて変化したか否かを確認する機能と、任意の管理区画の在室人数が基準変化幅を越えて大きく変化した時点で、周期的な通知契機が到来する前に、当該管理区画に関する在室状況を空調制御装置へ通知する機能を有している。
なお、本実施の形態にかかる施設管理システム1の上記以外の構成については、前述した第1の実施の形態と同様であり、ここでの詳細な説明は省略する。
【0070】
[第3の実施の形態の動作]
次に、図12を参照して、本実施の形態にかかる施設管理システム1の動作として、管理装置40での在室状況通知処理について説明する。図12は、第3の実施の形態にかかる管理装置の在室状況通知処理を示すフローチャートである。
管理装置40の在室状況通知部47は、常時、図12の在室状況通知処理を実行する。
【0071】
在室状況通知部47は、まず、在室状況の周期的な通知契機を計時するための通知タイマを起動する(ステップ300)。この通知タイマは、例えばCPU内部のタイマ機能を利用すればよい。
次に、在室状況通知部47は、記憶部44の在室情報のうちから、当該在室人数の変化幅を検査していない未検査の管理区画IDを1つ選択して(ステップ301)、この選択管理区画IDに対応する在室人数を取得する(ステップ302)。
【0072】
続いて、在室状況通知部47は、選択管理区画IDの在室人数の変化幅と予め記憶部44に設定されている基準変化幅とを比較する(ステップ303)。在室人数の変化幅については、前回検査時と今回検査時の在室人数の差分から求めればよく、前回検査時の在室人数を記憶部44に一時保存しておけばよい。
【0073】
ここで、在室人数の変化幅が基準変化幅以下の場合(ステップ303:NO)、ステップ301へ戻る。
一方、在室人数の変化幅が基準変化幅を越えている場合(ステップ303:YES)、在室状況通知部47は、選択管理区画IDとその在室人数を含む在室状況を、通信I/F部41から通信回線L2を介して、空調制御装置50へ通知する(ステップ304)。
【0074】
この後、在室状況通知部47は、すべての管理区画IDについて在室人数の検査が終了したか確認し(ステップ305)、未検査の管理区画IDが存在する場合には(ステップ305:NO)、ステップ301へ戻る。
一方、すべての管理区画IDに関する検査が終了した場合(ステップ305:YES)、在室状況通知部47は、通知タイマがタイムアップするまで待機する(ステップ306:NO)。
【0075】
この後、通知タイマのタイムアップに応じて(ステップ306:YES)、在室状況通知部47は、記憶部44の在室情報に登録されている管理区画IDごとに、それぞれの在室状況を空調制御装置50へ通知し(ステップ307)、ステップ300へ戻る。
【0076】
[第3の実施の形態の効果]
このように、本実施の形態は、管理装置40の在室状況通知部47で、記憶部44に保存されている各在室人数のうち、任意の在室人数が基準変化幅を越えて変化した時点で、当該在室人数を空調制御装置50へ通知するようにしたので、任意の管理区画で在室人数が大幅に変化した場合には、周期的な通知契機が到来する前に、直ちに新たな在室状況を空調制御装置50へ通知することができる。
【0077】
これにより、在室人数が大きく変化し、外気取入量を見直す必要がある場合、新たな在室状況を空調制御装置50へ通知して、新たな外気取入制御を自動的に開始することができ、空調環境の快適性を保持することができる。
なお、基準変化幅を1人にした場合には、在室人数が1人でも変化した場合には在室状況を通知し、在室人数に変化がない場合には在室状況の通知を省くことができる。
【0078】
また、本実施の形態では、周期的に記憶部44に保存されている各在室人数を検査する場合を例として説明したが、これに限定されるものではなく、任意の管理区画で在室人数が更新された時点で当該在室人数を検査するようにしてもよい。これにより、在室人数が更新された際に、その更新により新たな在室人数の変化幅が基準変化幅を越えて変化した場合には、在室状況を空調制御装置50へ必ず通知することができ、高い応答性を得ることができる。
【0079】
なお、本実施の形態では、第1の実施の形態に適用した場合を例として説明したが、これに限定されるものではなく、在室人数を空調区画単位で管理する第2の実施の形態についても、前述と同様にして適用でき、同様の作用効果を得ることができる。
【0080】
[実施の形態の拡張]
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。
【符号の説明】
【0081】
1…施設管理システム、10…IDカード、20…区画、21…ドア、22…リーダ端末、23…電気錠、30…制御装置、40…管理装置、41…通信I/F部、42…操作入力部、43…画面表示部、44…記憶部、45…判定処理部、46…在室人数更新部、47…在室状況通知、50…空調制御装置、51…外気取入量算出部、52…空調制御部、60…空調設備、L1,L2,L3…通信回線。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
施設内の各管理区画に設けられ、利用者の操作に応じて当該管理区画に対する当該利用者の入退室可否判定を要求する判定要求を通知するリーダ端末と、
前記リーダ端末からの前記判定要求に応じて、記憶部に予め登録されている判定情報に基づいて前記管理区画に対して前記利用者の入退室可否を判定する管理装置と、
前記各管理区画を空調対象とする空調設備を制御する空調制御装置と
を備え、
前記管理装置は、
前記リーダ端末からの前記判定要求に応じて、前記管理区画に対する当該利用者の入退室を可と判定した場合、当該移動元管理区画および当該移動先管理区画の在室人数を更新して前記記憶部に保存する在室人数更新部と、
前記記憶部に保存されている前記各在室人数から特定した前記各管理区画の在室状況を前記空調制御装置へ通知する在室状況通知部と
を備え、
前記空調制御装置は、
前記管理装置から通知された前記在室状況に応じて、当該在室状況に対応する区画で必要となる外気取入量を算出する外気取入量算出部と、
前記外気取入量算出部により算出された前記外気取入量に基づいて、前記区画と対応する前記空調設備の外気取入ダンパに関する目標開度を求め、当該外気取入ダンパの開度が前記目標開度となるよう前記空調設備を制御する空調制御部と
を備える
ことを特徴とする施設管理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の施設管理システムにおいて、
前記在室人数更新部は、前記記憶部に予め登録されている、前記空調設備の空調対象である空調区画と当該空調区画に含まれる前記管理区画との対応関係を示す空調区画情報を参照することにより、当該移動元管理区画および当該移動先管理区画に対応する当該移動元空調区画および当該移動先空調区画をそれぞれ特定し、前記管理区画に代えて当該管理区画に対応する前記空調区画ごとに、前記在室人数を更新して前記記憶部に保存する
ことを特徴とする施設管理システム。
【請求項3】
請求項2に記載の施設管理システムにおいて、
前記在室人数更新部は、前記移動元空調区画が当該移動先空調区画と異なる場合にのみ、当該移動元空調区画および当該移動先空調区画の在室人数を更新して前記記憶部に保存する
ことを特徴とする施設管理システム。
【請求項4】
請求項1−請求項3のいずれか1つに記載の施設管理システムにおいて、
前記在室状況通知部は、前記記憶部に保存されている前記各在室人数のうち、任意の在室人数が基準変化幅を越えて変化した時点で、当該在室人数を含む前記在室状況を前記空調制御装置へ通知することを特徴とする施設管理システム。
【請求項5】
施設内の各管理区画に設けられ、利用者の操作に応じて当該管理区画に対する当該利用者の入退室可否判定を要求する判定要求を通知するリーダ端末と、前記リーダ端末からの前記判定要求に応じて、記憶部に予め登録されている判定情報に基づいて前記管理区画に対して前記利用者の入退室可否を判定する管理装置と、前記各管理区画を空調対象とする空調設備を制御する空調制御装置とを備える施設管理システムで用いられる施設管理方法であって、
前記管理装置の在室人数更新部が、前記リーダ端末からの前記判定要求に応じて、前記管理区画に対する当該利用者の入退室を可と判定した場合、当該移動元管理区画および当該移動先管理区画の在室人数を更新して前記記憶部に保存する在室人数更新ステップと、
前記管理装置の在室状況通知部が、前記記憶部に保存されている前記各在室人数から特定した前記各管理区画の在室状況を前記空調制御装置へ通知する在室状況通知ステップと、
前記空調制御装置の外気取入量算出部が、前記管理装置から通知された前記在室状況に応じて、当該在室状況に対応する区画で必要となる外気取入量を算出する外気取入量算出ステップと、
前記空調制御装置の空調制御部が、前記外気取入量算出ステップにより算出された前記外気取入量に基づいて、前記区画と対応する前記空調設備の外気取入ダンパに関する目標開度を求め、当該外気取入ダンパの開度が前記目標開度となるよう前記空調設備を制御する空調制御ステップと
を備えることを特徴とする施設管理方法。
【請求項6】
請求項5に記載の施設管理方法において、
前記在室人数更新ステップは、前記記憶部に予め登録されている、前記空調設備の空調対象である空調区画と当該空調区画に含まれる前記管理区画との対応関係を示す空調区画情報を参照することにより、当該移動元管理区画および当該移動先管理区画に対応する当該移動元空調区画および当該移動先空調区画をそれぞれ特定し、前記管理区画に代えて当該管理区画に対応する前記空調区画ごとに、前記在室人数を更新して前記記憶部に保存するステップを含むことを特徴とする施設管理方法。
【請求項7】
請求項6に記載の施設管理方法において、
前記在室人数更新ステップは、前記移動元空調区画が当該移動先空調区画と異なる場合にのみ、当該移動元空調区画および当該移動先空調区画の在室人数を更新して前記記憶部に保存するステップを含むことを特徴とする施設管理方法。
【請求項8】
請求項5−請求項7のいずれか1つに記載の施設管理方法において、
前記在室状況通知ステップは、前記記憶部に保存されている前記各在室人数のうち、任意の在室人数が基準変化幅を越えて変化した時点で、当該在室人数を前記空調制御装置へ通知するステップを含むことを特徴とする施設管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−207877(P2012−207877A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−74868(P2011−74868)
【出願日】平成23年3月30日(2011.3.30)
【出願人】(000006666)アズビル株式会社 (1,808)
【Fターム(参考)】