説明

昇降機構付き軌道走行台車

【課題】昇降する荷台に接続されたケーブルチェーンが周囲の部材と干渉しないようにする。
【解決手段】スタッカクレーン10は、レール3を走行する台車11と、台車11の走行方向前後部にて台車11の走行方向と水平面内で直交する方向での略中央に立設されたマスト12A,12Bと、マスト12A,12Bに沿って昇降可能な荷台14と、荷台14を昇降する昇降機構21と、荷台14上の電気機器に接続された複数のケーブルを収納し、荷台14とマスト12Aの高さ方向の略中間部との間に配設されて下方に凸に屈曲可能に懸吊され、荷台14の昇降に応じて屈曲位置を変えるケーブルチェーン60と、を備え、ケーブルチェーン60の荷台14に対する荷台側固定部60aが荷台14の底部に設けられ、ケーブルチェーン60がマスト12Aにおける荷台14と対向する側面12cに沿って懸吊される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、昇降機構付き軌道走行台車に関するものである。
【背景技術】
【0002】
昇降機構付き軌道走行台車は、重量の大きな荷物を水平方向および上下方向に搬送する際に用いられる。
例えば、上下方向並びに水平方向に多数の格納部が配列された収納棚に荷物を保管する自動倉庫では、スタッカクレーンを用いて荷物の搬送が行われている。このスタッカクレーンが昇降機構付き軌道走行台車の一例である。
【0003】
スタッカクレーンでは、荷物の収納棚に沿って水平直線状に設けられた軌道を走行する台車を備え、この台車に2本のマストが立設されるとともに、該マストに沿って荷台を昇降させる昇降機構が設けられ、さらに荷台には荷台と収納棚との間で荷物を受け渡すための移載装置が設けられている。このスタッカクレーンでは、台車を軌道上で走行させて荷台を水平移動させ、昇降機構によって荷台を上下移動させて、荷台を所望する格納部の正面に位置させ、さらに移載装置によって格納部との間で荷物の受け渡しを行う。
【0004】
移載装置のアクチュエータには電動モータ(以下、移載装置用モータという)が用いられており、荷台には、この移載装置用モータや各種センサが搭載されている。そして、移載装置用モータに電力を供給する動力ケーブルや前記センサの出力信号を送信する制御ケーブル等が、荷台と台車に固定された制御盤との間に配設されている。これらケーブルは樹脂モールドにより断面平形に束ねられ、所謂平形ケーブルとされており、平形ケーブルの途中は一方のマストの高さ方向略中間部で固定され、荷台側の固定部との間で平形ケーブルが略U字形に屈曲し、U字形の左右の長さが変わることで荷台の昇降に対応することができるようになっている。
【0005】
また、前記スタッカクレーンでは、前記2本のマストが、台車の幅方向(台車の走行方向)の両端部において台車の奥行き方向(走行方向に対して直交し収納棚に接近離間する方向)の中央に設置されている。以下、走行方向に対して直交し収納棚に接近離間する方向を奥行き方向と称す。このマストは荷台に対しても荷台の奥行き方向の中央に位置している。そして、前記平形ケーブルの荷台側の固定部は、該荷台の奥行き方向中央から奥行き方向一方側に偏った位置に設けられ、平形ケーブルはマストの奥行き方向の一方の側面に沿って懸吊されるように配置されている(例えば、特許文献1参照)。このように平形ケーブルをマストの側方において懸吊させる理由は、平形ケーブルにはU字形に屈曲するときの最小半径が決められているからである。つまり、平形ケーブルを懸吊する場合には、最小半径以上の曲率半径でU字状に曲げなければならず、この最小半径以上の曲率半径を確保しつつ、スタッカクレーンの小型化を容易にするには、マストの奥行き方向の一方の側面に沿って平形ケーブルを懸吊するのが構造上簡単であり、それに伴い、荷台においても奥行き方向中央から偏心した位置に平形ケーブルを配置していたのである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平9−202407号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、スタッカクレーンにおいて背の高いものでは、台車の走行始動時や停止時に、平形ケーブルが慣性によって走行方向またはその逆方向に揺れる場合があり、さらに平形ケーブルの重心の位置によっては走行方向と直交する方向、すなわち奥行き方向に揺れる場合もある。前述したように平形ケーブルは荷台の奥行き方向中央から偏心して懸吊されているので、収納棚との距離が短く、そのため、平形ケーブルが奥行き方向に揺れると、平形ケーブルが収納棚と干渉する虞がある。
【0008】
そこで、従来は、平形ケーブルの奥行き方向の揺れを抑制する手段として、マストの側面に水平断面略コの字形のガイドを設置し、このガイドの内側に平形ケーブルが収まるようにしている。
しかしながら、このようにガイドを設けても、平形ケーブルが走行方向の揺れによってガイドから逸脱してしまうと、奥行き方向にも揺れることが可能となり、完全に奥行き方向の揺れを阻止することは不可能であった。したがって、前記ガイドを設けた場合であっても、平形ケーブルと収納棚とが干渉する可能性があった。
【0009】
そこで、この発明は、結束ケーブルが奥行き方向に揺れることを許容しつつ、結束ケーブルと周囲の部材との干渉を防止することができる昇降機構付き軌道走行台車を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明に係る昇降機構付き軌道走行台車では、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。
請求項1に係る発明は、軌道上を走行する台車と、前記台車の走行方向前後部にて該台車の走行方向と水平面内で直交する方向での略中央に立設されたマストと、前記マストに沿って昇降可能な荷台と、前記荷台を昇降する昇降機構と、前記荷台上の電気機器に接続された複数のケーブルを結束してなり、前記荷台と前記マストの高さ方向の略中間部との間に配設されて下方に凸に屈曲可能に懸吊され、前記荷台の昇降に応じて屈曲位置を変える結束ケーブルと、を備える昇降機構付き軌道走行台車において、前記結束ケーブルの前記荷台に対する固定部が前記荷台の底部に設けられ、前記結束ケーブルが前記マストの側面のうちの前記荷台と対向する側面に沿って懸吊されていることを特徴とする昇降機構付き軌道走行台車である。
【0011】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の発明において、前記固定部近傍の前記結束ケーブルが所定の最小半径以下で屈曲するのを防止する第1のケーブルガイドが、前記荷台に設けられていることを特徴とする。
【0012】
請求項3に係る発明は、請求項1または請求項2に記載の発明において、前記荷台が最下段に位置するときに前記固定部近傍の前記結束ケーブルを前記マストに接近する方向へ水平に誘導する第2のケーブルガイドが、前記台車に設けられていることを特徴とする。
【0013】
請求項4に係る発明は、請求項1に記載の発明において、前記結束ケーブルが前記台車の走行方向と直交する方向に揺れるのを抑制する揺れ抑制ガイドが、前記マストの前記荷台と対向する前記側面に設けられていることを特徴とする。
【0014】
請求項5に係る発明は、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の発明において、前記軌道は互いに平行に設置された2本のレールで構成され、前記台車は前記2本のレールを跨いで走行するように構成され、前記荷台が前記2本のレールの間に配置されるとともに前記台車と平面視で重複しないように配置されていることを特徴とする。
【0015】
請求項6に係る発明は、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の発明において、複数階の格納部を有する荷物収納棚が、前記台車が走行する軌道に隣接して設置され、前記荷台には、該荷台と前記荷物収納棚の前記格納部との間で荷物の受け渡しを行う移載装置が設けられ、前記移載装置の駆動モータが前記電気機器に含まれていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
請求項1に係る発明によれば、前記マストは前記台車においてその走行方向と水平面内で直交する方向での略中央に立設されており、前記結束ケーブルが前記マストの側面のうちの前記荷台と対向する側面に沿って懸吊されているので、前記結束ケーブルが走行方向と直交する方向に揺れた場合の許容揺れ幅が大きくなり、前記結束ケーブルが荷台の外側に設置されている機器(例えば軌道に沿って設置された荷物収納棚)等と干渉するのを防止することができる。また、前記結束ケーブルが前記台車の走行方向であって前記マストに接近する方向に揺れるときには、前記結束ケーブルが前記マストに当接してもたれることで前記結束ケーブルの揺れを止めることができる。また、前記結束ケーブルが前記台車の走行方向であって前記マストから離間する方向に揺れるときには、前記荷台の下方は空間であり、前記結束ケーブルが揺れても該結束ケーブルと干渉するものが存在しないので、前記結束ケーブルが他の機器等と干渉することはない。したがって、結束ケーブルがいずれの方向に揺れても、結束ケーブルと周囲の他の機器との干渉を防止することができる。
また、前記結束ケーブルの前記荷台に対する前記固定部を前記荷台の底部に設けたことにより、前記荷台と前記マストとを接近して配置しても、前記荷台が最下段に位置したときに、該固定部から前記マストに接近する方向に前記結束ケーブルを導く場合に所定の最小半径より大きい曲率半径での屈曲を確保することが容易にできる。これにより、2本のマスト間寸法を短くして、装置を小型化することが可能になる。
【0017】
請求項2に係る発明によれば、前記固定部近傍の前記結束ケーブルが所定の最小半径以下に屈曲されるのを阻止することができ、前記結束ケーブルに過度の曲げ負荷がかからないようにすることができる。
【0018】
請求項3に係る発明によれば、前記荷台が最下段に位置したときに前記結束ケーブルが下方に冗長に垂れ下がるのを前記第2のケーブルガイドが阻止するので、前記荷台の最下段の位置を低くすることができる。
【0019】
請求項4に係る発明によれば、揺れ抑制ガイドを備えることにより、前記結束ケーブルが前記マストに接近して位置しているときに、前記結束ケーブルが前記台車の走行方向と直交する方向に揺れるのを確実に防止することができる。
【0020】
請求項5に係る発明によれば、荷台が2本のレールの間に配置されるとともに台車と平面視で重複しないように配置されているので、前記荷台を最下段に移動したときに結束ケーブルの下側に軌道が存在しない。したがって、前記荷台および前記結束ケーブルと前記軌道との干渉を避けることができるので、前記最下段の位置をより低くすることができる。
【0021】
請求項6に係る発明によれば、前記移載装置で前記荷台と前記荷物収納棚の前記格納部との間で荷物の受け渡しを行う昇降機構付き軌道走行台車において、移載装置駆動用モータのケーブルを含む結束ケーブルが荷物収納棚と干渉するのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】この発明に係る昇降機構付き軌道走行台車の一例であるスタッカクレーンを備えた自動倉庫設備の正面図である。
【図2】前記自動倉庫設備の平面図である。
【図3】前記スタッカクレーンの正面図である。
【図4】前記スタッカクレーンの右側面図である。
【図5】前記スタッカクレーンの左側面図である。
【図6】前記スタッカクレーンにおいて荷台の最下段と最上段の位置を示す正面図である。
【図7】前記スタッカクレーンの一部を省略して示す平面図である。
【図8】前記スタッカクレーンの荷台が最下段に位置したときの要部を拡大して示す正面図である。
【図9】図8の要部を拡大して示す正面図である。
【図10】前記スタッカクレーンの荷台が最上段に位置したときの要部を拡大して示す正面図である。
【図11】前記スタッカクレーンの荷台を下から見た斜視図である。
【図12】スタッカクレーンの別の実施例における概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、この発明に係る昇降機構付き軌道走行台車の実施例を図1から図12の図面を参照して説明する。
なお、この実施例における昇降機構付き軌道走行台車は、自動倉庫設備に設置されて荷物収納棚との間で荷物の受け渡しを行うスタッカクレーンとしての態様である。
【0024】
図1及び図2は自動倉庫設備の正面図及び平面図であり、自動倉庫設備は、水平方向および上下方向に多数の格納部2を有する2つの荷物収納棚1A,1Bが所定の間隔を空けて相対向して設置されており、この2つの荷物収納棚1A,1Bの間の床面には、両荷物収納棚1A,1Bから等距離の位置に1本のレール(軌道)3が直線状に敷設され、このレール3の上をスタッカクレーン(昇降機構付き軌道走行台車)10が走行可能に設置されている。レール3は、荷物収納棚1A,1Bに隣接して設けられた入出庫台5まで延長して敷設されている。なお、荷物収納棚1A,1Bは複数階の格納部2を有する荷物収納棚と言うことができる。
荷物収納棚1A,1Bの各格納部2の下部両側には、荷物Wを搭載したパレットPの底部を受ける支持床部4が設けられている。
【0025】
なお、以下の説明では、レール3の延びる方向すなわちスタッカクレーン10の走行方向をX方向、水平面内においてスタッカクレーン10の走行方向と直交する方向すなわちスタッカクレーン10における奥行き方向をY方向、荷物収納棚1A,1Bの高さ方向をZ方向と定義し、各図における矢印X,Y,Zはこれらの方向を示すものとする。
【0026】
次に、スタッカクレーン10について詳述する。
図3はスタッカクレーン10の正面図であり、図4は同右側面図であり、図5は同左側面図である。
スタッカクレーン10は、レール3を走行する台車11と、台車11に立設された2本のマスト12A,12Bと、マスト12A,12Bの上部を連結する上フレーム13と、マスト12A,12Bの間に配置されてマスト12A,12Bに沿って昇降可能に設置された荷台14と、荷台14に設置され荷台14と荷物収納棚1A,1Bの格納部2との間で荷物Wの受け渡しを行う移載装置15と、を備えている。
図6は荷台14の最下段と最上段の位置を示した図であり、図7は上フレーム13を省略して示すスタッカクレーン10の平面図である。
【0027】
台車11は、レール3を上から跨ぐように配置されたフレーム16を有している。フレーム16は、X方向と直交する断面が下側を開口させて上側に凸の略コ字形をなし、X方向に細長い形態をなしている。フレーム16のX方向両端部の下側には、レール3を転動する車輪17が設けられている。2つの車輪17のうちの一方が駆動輪とされていて、この駆動輪はフレーム16に設置された走行駆動用電動モータ(以下、走行用モータと略す)18により減速機19(図4参照)を介して回転駆動される。
【0028】
2本のマスト12A,12Bは、フレーム16のX方向両端部であって両車輪17,17よりも内側において互いに離間して設置され、Z方向に沿って真っ直ぐに延びている。マスト12A,12Bは水平断面正方形の管状をなしており、内部が空洞でケーブル配線用の空間として利用される。マスト12A,12BのY方向寸法はフレーム16のY方向寸法と同寸法となっている。したがって、マスト12A,12Bは、台車11の走行方向前後部にて台車11の走行方向と水平面内で直交する方向での中央に立設されていると言うことができる。
【0029】
一方のマスト12Aの下部には、制御盤20が設置されるとともに、制御盤20の上方に荷台14を昇降させる昇降機構21の駆動部22が設置されている。駆動部22は、一対の巻き取りドラム23,23が、昇降駆動用電動モータ(以下、昇降用モータと略す)24により減速機25を介して回転駆動されるように構成されている。巻き取りドラム23,23には、荷台14を昇降させるためのワイヤ26,26が巻きつけられており、各ワイヤ26,26はマスト12Aに沿って上延し、上フレーム13のX方向両端部に回動可能に設置されたプーリ27,27によって向きを変えられて下延し、それぞれ後述する荷台14において対応する吊り部38,38に連結されている。なお、昇降機構21は、駆動部21と、プーリ27と、ワイヤ26とを含んで構成される。
【0030】
図11は荷台14を斜め下側から見た斜視図であり、荷台14は、台車11のフレーム16を間に挟んでY方向の両側に配置されるベースフレーム30A,30Bと、ベースフレーム30A,30Bにおいて相対向するX方向端部同士を連結するサイドフレーム31A,31Bと、ベースフレーム30A,30BのX方向中央に配置され両ベースフレーム30A,30Bに架け渡されて設置された移載装置32と、サイドフレーム31A,31Bに支持された矩形籠形のセンサ支持フレーム33と、を備えている。
【0031】
ベースフレーム30A,30Bは、荷台14が最下段に位置したときに、台車11のフレーム16から等間隔離れてフレーム16に対して平行に配置される。サイドフレーム31A,31Bは、そのY方向の両端部に、X方向外側へ突出し上下方向(Z方向)に延びる脚部34,34を備えている。各サイドフレーム31A,31Bの脚部34,34にはそれぞれ上下1対のガイドローラ35,35が回動可能に取り付けられていて、図7に示すように、これらガイドローラ35,35が、マスト12A,12Bにおいて荷物収納棚1A,1Bと対向する側面12a,12bに当接し転動するように配置されている。また、各サイドフレーム31A,31Bにおいて脚部34,34を連結する背板部36にもガイドローラ37が回動可能に取り付けられていて、図7に示すように、このガイドローラ37はマスト12A,12Bにおいて荷台14と対向する側面12cに当接し転動するように配置されている。
【0032】
荷台14は、サイドフレーム31Aのガイドローラ35,35がマスト12Aの側面12a,12bに当接しながら転動し、サイドフレーム31Aのガイドローラ37がマスト12Aの側面12cに当接しながら転動し、サイドフレーム31Bのガイドローラ35,35がマスト12Bの側面12a,12bに当接しながら転動し、サイドフレーム31Bのガイドローラ37がマスト12Bの側面12cに当接しながら転動することによって、マスト12A,12Bから離れずにマスト12A,12Bに沿ってスムーズに上下移動することができるようになっている。
【0033】
また、図7に示すように、各サイドフレーム31A,31Bの内側には、ぞれぞれ1つずつ吊り部38が設けられている。両吊り部38,38は荷台14のY方向中央から外側に偏心して配置されており、互いに対角線上に位置している。この吊り部38,38には、前述した昇降機構21の巻き取りドラム23,23に巻き付けられたワイヤ26,26の先端が連結されており、昇降用モータ24を駆動してワイヤ26,26を巻き取ることによって荷台14を上昇させることができ、ワイヤ26,26を引き出すことによって荷台14を下降させることができるようになっている。
【0034】
なお、図11に示すように、各サイドフレーム31A,31Bの背板部36はその下側が切り欠かれており、荷台14が最下段に位置したときにこの切欠部39の内側に台車11のフレーム16が隙間を有して収まるようになっていて、台車11と荷台14の干渉を回避している。また、図9に示すように、荷台14が最下段に位置したときに、ベースフレーム30A,30Bの下面がレール3の上面よりも若干上方に位置する。
【0035】
図11に示すように、移載装置32は、ベースフレーム30A,30BのX方向中央において両ベースフレーム30A,30Bに架け渡して固定された基台40と、基台40に対してY方向へスライド可能に取り付けられた第1フォーク41と、第1フォーク41に対してY方向へスライド可能に取り付けられた第2フォーク42と、基台40の底部に設置され第1フォーク41および第2フォーク42をスライドさせるアクチュエータとしてのフォーク駆動用電動モータ(以下、フォーク用モータと略す)43と、を備えている。フォーク用モータ43は、基台40の底部においてベースフレーム30Aよりも外側に設置されている。
【0036】
この移載装置32では、フォーク用モータ43の回転方向を含めた運転制御によって、基台40から第1フォーク41および第2フォーク42を荷物収納棚1Aまたは1Bに接近する方向に突出させたり、基台40側に引き戻したりすることができるようにされている。なお、フォーク用モータ43と第1,第2フォーク41,42との間に設けられる駆動機構は従来のものと同じであり、また本発明の要旨ではないので、図示およびその説明を省略する。
【0037】
基台40と第1,第2フォーク41,42のY方向寸法は同一寸法になっていて、荷台14を昇降させるときには、第1,第2フォーク41,42は引き込まれて基台40と重なった状態にされる。以下、第1,第2フォーク41,42が引き込まれて基台40に重なった状態を、移載装置32のニュートラル状態と言う。なお、荷物WはパレットPとともに第1フォーク41の上に載置される。
【0038】
センサ支持フレーム33は、サイドフレーム31A,31Bの各脚部34のY方向外側に配置されて鉛直方向(Z方向)に延在する4本の縦フレーム44が、サポート47を介して各脚部34に固定され、ベースフレーム30A側あるいはベースフレーム30B側に配置された2本の縦フレーム44の上端同士が横フレーム45によって連結され、サイドフレーム31A側あるいはサイドフレーム31B側に配置された2本の縦フレーム44の上端近傍同士が連結フレーム46によって連結されて構成されている。4本の縦フレーム44は、ニュートラル状態の第1フォーク41の中央から同一距離に配置されている。
また、センサ支持フレーム33は、ニュートラル状態の第1フォーク41の中央にパレットPと最大許容寸法の荷物Wを積載したときに、この荷物Wと干渉しない位置に配置されている。
【0039】
ベースフレーム30A側あるいはベースフレーム30B側に配置された2本の縦フレーム44のそれぞれには、荷台14に積載される荷物Wが最大許容幅寸法(X方向の許容寸法)以内か否かを検知する幅センサの検知部48が、Z軸回りに回動可能に設置されている。
また、図示を省略するが、センサ支持フレーム33には、荷台14にパレットPとともに積載される荷物Wが最大許容奥行き寸法(Y方向の許容寸法)以内か否かを検知する奥行きセンサや、荷台14にパレットPとともに積載される荷物Wが最大許容高さ寸法(Z方向の許容寸法)以内か否かを検知する高さセンサなど、各種センサが設置されている。
【0040】
そして、フォーク用モータ43に電力を供給するための動力ケーブルや、センサ支持フレーム33に設置された各種センサの出力信号を送信するための制御ケーブルなど、荷台14に設置された総ての電気機器に接続されたケーブル(いずれも図示略)が、荷台14の平面視中央に集められている。
図7から図10に示すように、ベースフレーム30A,30BのX方向略中央には、ベースフレーム30A,30Bの上端部同士を連結するブラケット49が設けられており、このブラケット49のY方向の中央からは板状をなす第1のケーブルガイド51がマスト12Aに接近する方向に向かって延設されている。また、ブラケット49のY方向中央にはケーブルチェーン60の始端が固定され、さらに、第1のケーブルガイド51の延長上におけるブラケット49のマスト12B側にはクリート50が固定されている。そして、荷台14の平面視中央に集められた前記各ケーブルはクリート50を介してケーブルチェーン60に収納されたケーブル(図示略)に接続されている。
【0041】
ケーブルチェーン60は樹脂または金属製で、多数の駒をチェーンのように互いに相対回動可能に連結して構成されており、複数のケーブルを整列した状態で収納可能に構成されたものである。また、このケーブルチェーン60は、収納されたケーブルが絡まったりケーブルの配列が変化しないように、各ケーブル毎を区画する構造が採用されている。この実施例においては、ケーブルを収納したケーブルチェーン60によって結束ケーブルが実現される。
【0042】
ケーブルチェーン60の一端側は水平姿勢にされて荷台14のブラケット49に固定され、図3に示すように、ケーブルチェーン60の他端側は、一方のマスト12Aの側面12cの高さ方向(Z方向)の略中間部に設けられた開口(図示略)からマスト12A内に引き込まれ、前記開口近傍においてマスト12Aに固定されている。つまり、ケーブルチェーン60は、マスト12Aにおいて荷台14と対向する側面12cに沿って懸吊されている。なお、以下の説明の都合上、ケーブルチェーン60において、ブラケット49に固定された部位を荷台側固定部60aと称し、マスト12Aに固定された部位をマスト側固定部60bと称す。
マスト12A内に引き込まれたケーブルチェーン60から導出されたケーブルは、マスト12Aに付設された制御盤20に引き込まれ、所定に配線されている。
【0043】
図6に示すように、ケーブルチェーン60は荷台14の昇降に伴って形態が変化し、荷台14が最上段に位置しているときに、ケーブルチェーン60の荷台側固定部60aの近傍では上方に凸の屈曲形態となり、他端60bの近傍では下方に凸の屈曲形態となり、下方に凸の凸曲部60cは荷台14の降下に伴って下方に移動していく。
【0044】
ところで、ケーブルチェーン60は、例えば直線状態となっている先端側をプラス180度からマイナス180度まで自由に屈曲することができるわけではなく、180度屈曲可能な方向がプラス側とマイナス側のいずれか一方に決まっていて、他方の側には例えば20度程度しか屈曲することができないという屈曲特性を有している。また、ケーブルチェーン60は、屈曲の際の最小屈曲半径が設定されていて、最小屈曲半径以下の曲率半径で屈曲することはできない。
【0045】
そこで、このスタッカクレーン10では、図9に示すように、ケーブルチェーン60においてその荷台側固定部60a側の始端から所定の長さのA点までは、上方に凸の屈曲形態での屈曲角度が大きく取れる屈曲特性を有する第1のケーブルチェーン61を用い、前記A点よりもマスト側固定部60b側(すなわちマスト12A側)については、下方に凸の屈曲形態での屈曲角度が大きく取れる屈曲特性を有する第2のケーブルチェーン62を用い、第1のケーブルチェーン61と第2のケーブルチェーン62をA点で連結して1本のケーブルチェーン60を構成した。以下、A点を連結部63と称す。
【0046】
また、ブラケット49から延設された前記第1のケーブルガイド51が、第1のケーブルチェーン61の下側に配置されており、第1のケーブルチェーン61において荷台側固定部60aに近い部分を下側から支持可能に設置されている。この第1のケーブルガイド51は、基部側が正面視水平直線状をなし、先端側が上側に凸の円弧状をなし先端に進むにしたがって徐々に下がっている。第1のケーブルガイド51において先端側の円弧部51aの曲率半径は、第1のケーブルチェーン61の最小曲率半径より大きく、且つ、ケーブルチェーン61に収納されたケーブルが屈曲したときに該ケーブルに過大な負荷が加わらない曲率半径に設定されている。なお、荷台14が最下段に位置したときに、第1のケーブルガイド51の先端はレール3の上面よりも若干上方に位置するように設定されており、第1のケーブルガイド51とレール3とが干渉しないようになっている。
【0047】
このような形状の第1のケーブルガイド51によって第1のケーブルチェーン61を下から支持するようにしているので、ケーブルチェーン61が最小屈曲半径以下の曲率半径で屈曲するのを防止することができ、第1のケーブルチェーン61の荷台側固定部60aの近傍において第1のケーブルチェーン61に過大な負荷が加わらないようにすることができる。さらに、第1のケーブルチェーン61に収納されたケーブルに過大な負荷が加わらないようにすることができる。
【0048】
一方、荷台14を最下段まで降下させたときに、ケーブルチェーン60において下方に凸の凸曲部60cがレール3と干渉しないようにする必要がある。これに対処するため、このスタッカクレーン10では、図9に示すように、台車11のフレーム16に第2のケーブルガイド52を設けている。第2のケーブルガイド52は平板状をなし、レール3の上端よりも所定寸法上方位置において水平姿勢に設置されている。第2のケーブルガイド52は、荷台14が最下段に位置したときにケーブルチェーン60において第1のケーブルチェーン61と第2のケーブルチェーン62との連結部63を含むその前後を支持可能なX方向寸法を有している。
【0049】
そして、荷台14が下降してきて最下段に達する際に、ケーブルチェーン60における連結部63前後が第2のケーブルガイド52の上に載り、さらにその後、連結部63の前後の第1のケーブルチェーン61と第2のケーブルチェーン62が第2のケーブルガイド52によって水平直線状に姿勢制御されるようになっている。また、そのようになるように予めケーブルチェーン60の長さが設定されている。
つまり、この第2のケーブルガイド52は、荷台14が最下段に位置するときに連結部63前後のケーブルチェーン60を略水平姿勢に保持するガイドと言うことができ、また、荷台14が最下段に位置するときに荷台側固定部60aの近傍のケーブルチェーン60をマスト12Aに接近する方向へ水平に誘導するガイドということができる。
この第2のケーブルガイド52を備えることにより、荷台14が最下段に位置したときにケーブルチェーン60とレール3が干渉するのを防止することができる。また、荷台14が最下段に位置したときにケーブルチェーン60が冗長に垂れ下がるのを阻止することができる。これにより、荷台14の最下段の位置をより低くすることが可能となる。
【0050】
このように荷台14に第1のケーブルガイド51を設け、台車11に第2のケーブルガイド52を設けたことによって、荷台14を最下段に位置させたときに、荷台14の下側に配置されたケーブルチェーン60を、レール3との干渉を回避しながら、緩やかに屈曲させてほぼ水平にマスト12A近くまで導くことができる。
これにより、荷台14の最下段をより低い位置に設定することが可能となる。また、荷台14とマスト12Aとを接近させて配置しつつ、ケーブルチェーン60をマスト12Aの側面12cに沿って懸吊させることが実現可能となり、スタッカクレーン10の小型化を図ることができる。
【0051】
なお、図9において符号53は、台車11のフレーム16とマスト12Aに設置された第3のケーブルガイド53であり、第3のケーブルガイド53は、荷台14が最下段に位置したときにマスト12Aの取付フランジ12dとケーブルチェーン60とが干渉しないようにケーブルチェーン60を案内する。
【0052】
このように構成されたスタッカクレーン10によれば、マスト12Aから荷物収納棚1A,1Bまでの距離が同じでありであり、ケーブルチェーン60がマスト12Aにおいて荷台14と対向する側面12cに沿って懸吊されているので、従来のようにマストから偏心した位置にケーブルを懸吊させた場合よりも、ケーブルチェーン60のY方向への許容揺れ幅が大きくなり、スタッカクレーン10の走行中にケーブルチェーン60が荷物収納棚1Aまたは1Bに接近する方向(Y方向)に揺れたときに、ケーブルチェーン60と荷物収納棚1A,1Bとが干渉することがなくなる。
【0053】
また、ケーブルチェーン60が台車11の走行方向(X方向)であってマスト12Aに接近する方向に揺れるときには、ケーブルチェーン60がマスト12Aに当接してもたれることで、ケーブルチェーン60の揺れを止めることができる。
一方、ケーブルチェーン60が台車11の走行方向(X方向)であってマスト12Aから離間する方向に揺れるときには、荷台14の下方は空間であり、ケーブルチェーン60が揺れたときに干渉するものが存在しないので、ケーブルチェーン60が他の機器等と干渉することはない。
したがって、ケーブルチェーン60がいずれの方向に揺れたとしても、ケーブルチェーン60が周囲の他の機器と干渉するのを防止することができる。
【0054】
また、ケーブルチェーン60の荷台側固定部60aを荷台14の底部に設けたことにより、荷台14とマスト12Aとを接近して配置しても、荷台14が最下段に位置したときに、荷台側固定部60aからマスト12Aに接近する方向にケーブルチェーン60を導く場合に最小屈曲半径より大きい曲率半径での屈曲を確保することが容易にできる。これにより、マスト12A,12B間の離間寸法を短くして、装置を小型化することが可能になる。
【0055】
なお、図3に示すように、マスト12Aの側面12cにおいてケーブルチェーン60のマスト側固定部60bよりも下方領域に、マスト12B側を開口させた水平断面略コ字形の第4のケーブルガイド(揺れ抑制ガイド)54を適宜の間隔で設置することも可能である。第4のケーブルガイド54を備えると、ケーブルチェーン60がマスト12Aに接近して位置しているときに、ケーブルチェーン60がY方向に揺れるのを確実に防止することができる。
【0056】
なお、ケーブルチェーン60は、内部に収納すべきケーブルの太さや本数に応じて、ケーブルの配列を自由に設定することができるようになっており、極めて汎用性が高く、スタッカクレーン10の仕様変更にも容易に対応することができるという利点がある。
ただし、この発明において荷台14上の電気機器に接続された複数のケーブルを結束する手段はケーブルチェーンに限るものではない。例えば、結束手段として樹脂モールドを用い、複数のケーブルを樹脂モールドにより平形に結束して結束ケーブルとしてもよい。
【0057】
図12は、別の実施例のスタッカクレーン10の概略平面図である。
このスタッカクレーン100は、互いに平行に設置された2本のレール(軌道)3A,3Bを跨いで走行するように構成されている。
台車111のフレーム116は平面視が矩形額縁状をなし、その四隅にレール3A,3Bの上を転動する車輪117が設けられている。フレーム116のY方向フレーム116yには、その内側であってレール3A,3Bから等距離の位置にマスト112A,112Bが垂直に固定されている。荷台114は、台車111のフレーム116およびマスト112A,112Bよりも内側に配置されている。すなわち、荷台114は、台車111と平面視で重複しないように配置されている。
【0058】
この実施例のスタッカクレーン100では、荷台114がマスト112A,112Bに沿って昇降する点は前述した実施例と同じであるが、荷台114が平面視で台車111と重複しないように配置され、且つ、荷台114の下方にレール3A,3Bが存在しないので、荷台114を下方に移動したときに荷台114を台車111の開口111a内に進入させることにより、荷台114をレール3A,3Bが敷設されている床面により近い位置まで移動させることが可能である。
【0059】
このスタッカクレーン100において、前述の実施例と同様に、ケーブルチェーンの荷台側固定部を荷台114の底部に配置し、ケーブルチェーンをマスト112Aの側面において荷台114と対向する側面112cに沿って懸吊するようにすると、荷台114を最下段に移動したときに荷台114およびケーブルチェーン60とレール3A,3Bとの干渉を避けることができるので、荷台114の最下段の位置をより低くすることができる。
【0060】
〔他の実施例〕
なお、この発明は前述した実施例に限られるものではない。
例えば、昇降機構付き軌道走行台車はスタッカクレーンに限るものではなく、スタッカクレーンに分類されない他の搬送装置の台車であって、上下方向および水平方向に荷物を搬送する台車に適用可能である。
【符号の説明】
【0061】
1A,1B 荷物収納棚
2 格納部
3,3A,3B レール(軌道)
10 スタッカクレーン(昇降機構付き軌道走行台車)
11,111 台車
12A,12B,112A,112B マスト
14,114 荷台
15 移載装置
21 昇降機構
43 フォーク駆動用電動モータ(電気機器)
51 第1のケーブルガイド
52 第2のケーブルガイド
54 第4のケーブルガイド(揺れ抑制ガイド)
60 ケーブルチェーン(結束ケーブル)
60a 荷台側固定部(固定部)
60c 側面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軌道上を走行する台車と、
前記台車の走行方向前後部にて該台車の走行方向と水平面内で直交する方向での略中央に立設されたマストと、
前記マストに沿って昇降可能な荷台と、
前記荷台を昇降する昇降機構と、
前記荷台上の電気機器に接続された複数のケーブルを結束してなり、前記荷台と前記マストの高さ方向の略中間部との間に配設されて下方に凸に屈曲可能に懸吊され、前記荷台の昇降に応じて屈曲位置を変える結束ケーブルと、
を備える昇降機構付き軌道走行台車において、
前記結束ケーブルの前記荷台に対する固定部が前記荷台の底部に設けられ、
前記結束ケーブルが前記マストの側面のうちの前記荷台と対向する側面に沿って懸吊されていることを特徴とする昇降機構付き軌道走行台車。
【請求項2】
前記固定部近傍の前記結束ケーブルが所定の最小半径以下で屈曲するのを防止する第1のケーブルガイドが、前記荷台に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の昇降機構付き軌道走行台車。
【請求項3】
前記荷台が最下段に位置するときに前記固定部近傍の前記結束ケーブルを前記マストに接近する方向へ水平に誘導する第2のケーブルガイドが、前記台車に設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の昇降機構付き軌道走行台車。
【請求項4】
前記結束ケーブルが前記台車の走行方向と直交する方向に揺れるのを抑制する揺れ抑制ガイドが、前記マストの前記荷台と対向する前記側面に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の昇降機構付き軌道走行台車。
【請求項5】
前記軌道は互いに平行に設置された2本のレールで構成され、前記台車は前記2本のレールを跨いで走行するように構成され、前記荷台が前記2本のレールの間に配置されるとともに前記台車と平面視で重複しないように配置されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の昇降機構付き軌道走行台車。
【請求項6】
複数階の格納部を有する荷物収納棚が、前記台車が走行する軌道に隣接して設置され、前記荷台には、該荷台と前記荷物収納棚の前記格納部との間で荷物の受け渡しを行う移載装置が設けられ、前記移載装置の駆動モータが前記電気機器に含まれていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の昇降機構付き軌道走行台車。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−11879(P2011−11879A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−158061(P2009−158061)
【出願日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【出願人】(000000099)株式会社IHI (5,014)
【Fターム(参考)】