説明

昇降装置の停止位置制御方法

【課題】 ワイヤロープの伸びにより停止位置を修正する時間を省略するため、減速開始の点を正確に決めるようにする。
【解決手段】 ワイヤロープ30でリフトケージ29を吊り下げ支持させて昇降させるようにして車両37を入庫又は出庫させるようにするエレベータパーキングにおいて、ワイヤロープ30で吊り下げ支持されているリフトケージ29に車両37を載せることによりワイヤロープ30が伸びると、伸びた状態のワイヤロープ30で吊り下げ状態のリフトケージ29を目的の位置まで昇降させる距離を計算で求めて減速点を決める。しかる後、減速点まで昇降させ、減速点から減速させて停止位置に停止させるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エレベータパーキング等の昇降装置で、特に高層型の昇降装置で昇降にワイヤロープを用いているものにおいて、昇降時の停止位置を制御する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
高層型の昇降装置としてのエレベータパーキングにおいて、リフトケージを目的位置に停止させる制御を行うようにしたものとして、図4に一例を示す如きエレベータパーキングがある。このエレベータパーキングは、リフトケージをチェーンにより吊り下げ支持させて、該チェーンによりリフトケージを昇降させるようにしたものにおいて、チェーンの伸びに伴い目的位置にリフトケージを停止させることができない場合に、チェーンの伸びを補正してリフトケージの停止位置を修正するようにしたものである。
【0003】
詳述すると、図4に示すエレベータパーキングは、建屋1内の中央部に、入出庫口2と通じる昇降路3を上下方向に形成し、該昇降路3を前後又は左右で挟む位置に、車両4を搭載するためのパレット5の長手方向両端部を担持できるようにした移載装置6付きの棚7を、所要の配列ピッチで上下方向へ多段に設け、且つ上記建屋1内の頂部に、モータ8、駆動スプロケット9、従動スプロケット10等からなる巻上装置11を設置し、上記昇降路3に配置したリフトケージ12の四隅を、上記巻上装置11から繰り出したチェーン13によって吊り下げ支持させ、該チェーン13を巻上下することにより上記リフトケージ12が昇降路3を昇降させられるようにしてある。更に、上記昇降路3の最下部位置である入出庫口2部分の下側には、入庫させた車両4を旋回させるための旋回装置14を設置してある。旋回装置14上にセットされたパレット5上に車両4が搭載されると、旋回装置14を90°旋回させ、旋回装置14の上面レベルよりも下方の位置まで吊り降しておいた上記リフトケージ12を吊り上げてパレット5を所要段の棚7の位置まで上昇させるようにし、しかる後、リフトケージ12に装備されている横送り装置15の操作で車両4をパレット5毎横行させて棚7上に格納させられるようにしてある。更に、かかる構成としてあるエレベータパーキングにおける上記巻上装置11の駆動モータ8をサーボモータとして、該サーボモータ8の回転角度を検出してパルスを発するようにしたエンコーダ17を設け、又、リフトケージ12には、各棚7の段に対する停止位置を検出するコの字状に形成した上下のセンサ部からなる位置センサー16が取り付けてあって、棚7側に取り付けてあるコード板16aが上記位置センサー16のコの字形の部分の間を相対的に通過できるようにしてあり、位置センサー16がコード板16aの位置を通過してONになったとき検出信号を発するようにしてある。更に、上記位置センサー16からの信号と上記各エンコーダ17からの信号と更には各棚7の移載位置6からの信号とリフトケージ12の横送り装置15からの信号に基づき上記サーボモータ8を駆動してチェーン13の伸び量を補正してリフトケージ12の停止位置を修正するようにした制御装置18が備えられている。
【0004】
上記制御装置18は、図5に示す如く、リフトケージ12の載荷荷重の変化によるチェーン13の伸びの変化に伴うリフトケージ12の停止位置のずれを修正するためのもので、空ケージ状態のリフトケージ12を上昇させて各棚7に対する停止位置を位置センサー16で検出しそのときのサーボモータ8の基準位置からの回転角をエンコーダ17でパルス数として求めて空ケージ状態での巻上データ(以下、Aデータと称す)として記憶する機能と、リフトケージ12に空パレット5を積載させた状態でリフトケージ12を上昇させて各棚7の位置に停止させるときのサーボモータ8の基準位置からの回転角をエンコーダ17で検出して空パレット積載状態での巻上データ(以下、Bデータと称す)として記憶する機能と、リフトケージ12上のパレット5に車両4を載せた実車パレット積載状態のリフトケージ12を上昇させて各棚7の位置に停止させるときのサーボモータ8の基準位置からの回転角をエンコーダ17で検出して実車パレット積載状態での巻上データ(以下、Cデータと称す)として記憶する機能とを有し、且つ空パレット積載状態のリフトケージ12上から横送り装置15により空パレット5を棚7上に横送りする過程で、リフトケージ12の吊り下げ支持をAデータに移行させるように巻上装置11のサーボモータ8に指令を発する機能と、逆に、空ケージ状態のリフトケージ12上に移載装置6により棚7上の空パレット5を移載させる過程で、リフトケージ12の吊り下げ支持をBデータに移行させるように巻上装置11のサーボモータ8に指令を発する機能とを備え、更に、実車パレット積載状態のリフトケージ12上から横送り装置15により実車パレット5を棚7上に横送りする過程で、リフトケージ12の吊り下げ支持をAデータに移行させるように巻上装置のサーボモータ8に指令を発する機能と、逆に、空ケージ状態のリフトケージ12上に棚7上の実車パレット5を移載させる過程で、リフトケージ12の吊り下げ支持をCデータに移行させるように巻上装置11のサーボモータ8に指令を発する機能とを備えた構成のものとしてある。
【0005】
上記のような構成としてあるエレベータパーキングにおいて、車両4を入庫させるときは、入出庫口2に位置させたリフトケージ12上の空パレット5の上に車両4を載せて、所定の棚7の位置までリフトケージ12を上昇させるが、空ケージ状態の巻上データで上記所定の棚7の位置までサーボモータ8を駆動して上昇させた場合、車両4を載せたことによるチェーン13の伸びによりリフトケージ12の停止位置が所定の棚7の位置よりも下がった位置となってしまう。そのため、図4及び図5に示すものでは、リフトケージ12が棚7の位置よりも上方まで充分に移動できる分を見込んだパルスを設定してサーボモータ8を駆動させるようにし、これによりリフトケージ12が上昇させられて所定の棚7の位置で位置センサー16にて検出されると、その位置で停止させるようにして、パレット5と車両4の荷重によるチェーン13の伸び相当分を補正するようにしている(たとえば、特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】実開平7−40930号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところが、上記特許文献1に記載されているものでは、チェーン13が伸びてくることから、その補正のため、毎月1回程度の割り合いでデータの更新をするようにしている。
【0008】
ところで、近年では、特許文献1に記載されているような高層型のエレベータパーキングにおいて、特許文献1に記載されているチェーン13に代えて、ワイヤロープを用い、該ワイヤロープを巻上ドラムの回転により巻取ったり、繰り出したりすることによってリフトケージを昇降させるようにしたものが実施されてきている。
【0009】
図3はワイヤロープによりリフトケージを昇降させるようにしたエレベータパーキングの昇降装置組立図を示すもので、建屋内の下部に2つの巻上ドラム19,20と該各巻上ドラム19と20に対応するシーブ21,22,23と21a,22a,23aを設け、又、建屋内の頂部に、上記巻上ドラム19に対応する複数のシーブ24,25,26,27,28と巻上ドラム20に対応するシーブ24a,25a,26a,27a,28aを設けてある。リフトケージ29の前後左右の各コーナ部には、それぞれワイヤロープ30の各一端が結着してあり、リフトケージ29の左右方向一側の前後両端部に結着してあるワイヤロープ30は、建屋内頂部のシーブ24,25と26に掛けた後、下部のシーブ21と22に掛けてから一方の巻上ドラム19に巻き取られるようにし、又、リフトケージ29の左右方向他側の前後両端部に結着してあるワイヤロープ30は、建屋内頂部のシーブ24a,25aと26aに掛けた後、下部のシーブ21aと22aに掛けてから他方の巻上ドラム20に巻き取られるようにしてある。更に、リフトケージ29の昇降をバランスさせるためにバランスウエイト31の左右方向の一端側に一端を結着したワイヤロープ32の他端側を、建屋内頂部のシーブ27,28に掛けた後、下部のシーブ23に掛けてから一方の巻上ドラム19に、上記ワイヤロープ30とは逆方向に巻き取るようにし、又、バランスウエイト31の左右方向の他端側に一端を結着したワイヤロープ32の他端側を、建屋内頂部のシーブ27a,28aに掛けた後、下部のシーブ23aに掛けてから他方の巻上ドラム20に、上記ワイヤロープ30とは逆方向に巻き取るようにしてある。
【0010】
33は建屋内のリフトケージ29の昇降路の左右両側部に設けられている棚、34はパレットであり、パレット34はリフトケージ29上から棚33へ、又、棚33からリフトケージ29へそれぞれ横送りできるようにしてある。
【0011】
このようにしたものにおいては、巻上ドラム19,20の回転駆動によりワイヤロープ30を介してリフトケージ29が昇降させられると同時に、ワイヤロープ32を介してウエイト31が昇降させられるようにしてある。
【0012】
従来、上記のようなワイヤロープ30を用いてリフトケージ29を昇降させるようにしてあるエレベータパーキングにおいて、特に、たとえば、片側50台、両側で100台格納できるような地上100mにも達するような高層のエレベータパーキングの場合は、ワイヤロープ30は全長200mにもなるため、リフトケージ上にパレット34を載せて、更にその上に車両を載せると、ワイヤロープ30は伸びが生じてくる。
【0013】
車両を入庫させる場合には、入出庫口でリフトケージ29上にパレット34を載せ、更に、パレット34上に、たとえば、2500kgの車両を載せれば、約600kgのパレットとの合計重量が3100kgにも達することになり、ワイヤロープ30に伸びが生じ、この状態でリフトケージ29を上昇させて所定の棚33の位置に停止させるように巻上ドラム19,20を同期させて回転させてリフトケージ29を上昇させると、リフトケージ29が空のときと上記のような車両を積載したときとでは停止位置にずれが生じることになる。
【0014】
一般に、車両の入出庫作業においては、所定の停止位置に達する少し手前の位置まで高速で昇降させてから減速させて所定の停止位置で減速を完了させる制御が行われている。すなわち、図2(イ)に示す如く、昇降を開始したときは昇降速度を高めた後、一定の速度で減速点(減速開始点)35まで昇降させ、減速点35から減速して停止位置に所定時間後に停止させるようにすることが考えられている。
【0015】
ところが、これまでは、リフトケージ29に車両を積載したときのワイヤロープ30の伸びを考慮して、最大重量の車両を積載して各棚段までの昇降における減速点位置を予め求めておき、車両の入出庫においては、その減速点位置まで昇降した後、減速して停止させるようにしていたが、実際上、車両の大小による車両の重量のばらつきがあるため、リフトケージ29に積載した車両の重量がわからず、又、このような車両の重量のばらつきを考慮できないため、図2(ロ)の如く、安全を見込んで早目に減速点35を決めるようにしている。そのため、減速完了点36が早くなるということが生じている。したがって、減速完了点36から本来の正規の停止位置まで停止位置の修正を繰り返さなければならず、所定の棚の位置に停止させるまでに多くの時間を要する場合があり、入庫、出庫に無駄な時間を要し、サイクルタイムが長くなっていた。
【0016】
そこで、本発明は、上記の如き車両重量によって昇降動作の減速点位置を決めるやり方による停止位置の修正時間がかかる問題点を改善して、ワイヤロープの伸びの差に影響されないで減速点位置を求めて所定の位置に減速完了点がくるようにしようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明は、上記課題を解決するために、ワイヤロープで吊り下げ支持されているリフトケージに車両を載せて所定の棚位置まで上昇させ、又、棚位置から入出庫口まで下降させて入出庫動作を行わせるようにしてある昇降装置の停止位置を制御させる方法において、ワイヤロープで吊り下げ状態から目的の位置までの距離を求めてから減速を開始する減速点の位置を決め、しかる後、リフトケージを減速点位置まで上昇又は下降させてから減速を開始させ、減速完了点で停止位置にリフトケージを位置させるようにする方法とする。
【0018】
更に、上記構成において、車両を載せたリフトケージをワイヤロープで吊り下げた状態で所要の棚のコード板で位置データを読むことにより、その位置から目的の位置までの距離を計算により求めて減速を開始する減速点の位置を決めるようにする方法とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明の昇降装置の停止位置制御方法によれば、ワイヤロープで吊り下げ支持されているリフトケージに車両を載せて所定の棚位置まで上昇させ、又、棚位置から入出庫口まで下降させて入出庫動作を行わせるようにしてある昇降装置の停止位置を制御させる方法において、ワイヤロープで吊り下げ状態から目的の位置までの距離を求めてから減速を開始する減速点の位置を決め、しかる後、リフトケージを減速点位置まで上昇又は下降させてから減速を開始させ、減速完了点で停止位置にリフトケージを位置させるようにする方法とし、更に、車両を載せたリフトケージをワイヤロープで吊り下げた状態で所要の棚のコード板で位置データを読むことにより、その位置から目的の位置までの距離を計算により求めて減速を開始する減速点の位置を決めるようにするので、ワイヤロープの伸びに影響されることなくリフトケージを停止したい位置の減速点を正確に求めることができて、減速完了点で目的の停止位置とすることができ、入出庫時の昇降時間を短縮させることができ、これに伴い利用者の出庫待ち時間の短縮、利便性の向上を図ることができる、等の優れた効果を奏し得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面を参照して説明する。
【0021】
図1は本発明の実施の一形態を示すもので、エレベータパーキングの概要を示すものである。
【0022】
図3に示すエレベータパーキングの昇降装置組立図と同様に、リフトケージ29をワイヤロープ30により吊り下げ支持させ、巻上ドラム19,20の回転によりワイヤロープ30を介してリフトケージ29を昇降させるようにし、該リフトケージ29が昇降する昇降路の左右両側部に、上下方向に所要の間隔で棚33が設置してあり、リフトケージ29上に載せたパレット34上に車両37を載せてリフトケージ29を昇降させ、各棚段位置でリフトケージ29上から棚33上へパレット34ごと車両37を移載させ、又、各棚33上からリフトケージ29上へパレットごと車両37を移載させることができるようにしてある構成において、各棚33に棚段センサーとしてのコード板38を設置し、且つリフトケージ29に図4に示す位置センサー16と同様の位置センサー39を取り付ける。更に、上記各棚段間の距離を各棚33のコード板38間の距離として予め求めておいて、或る位置のコード板38の位置から任意の棚33間の距離を計算して入力しておき且つ或る段の棚33のコード板38の位置を基準として任意の棚段までの距離に応じてリフトケージ29を上昇させるようにしたり、或る棚33の位置から入出庫口までの距離に応じてリフトケージ29を下降させるように巻上ドラム19,20に回転指令を与えるようにする制御器を設置する。なお、制御器は、リフトケージ29を昇降させるスタート点から昇降終了点までの距離を読みとることによって図2(イ)に示す減速点35の位置を決定して巻上ドラム19,20に指令を送り、自動的に減速点35から減速を開始させて減速完了点36まで減速させるようにしてある。
【0023】
車両を入庫させる場合は、入出庫口のレベルよりも低い位置まで下降させたリフトケージ29にパレット34を載せた板上に、入出庫口からリフトケージ29上のパレット34上に車両37を乗り入れる。リフトケージ29のパレット34上に車両37が乗り入れられると、巻上ドラム19,20を回転させてワイヤロープ30を介してリフトケージ29を上昇させるようにする。この際、車両37が積載されたリフトケージ29が引き上げられることによりワイヤロープ30には伸びが生じるが、そのままリフトケージ29を上昇させる。
【0024】
伸びたワイヤロープ30に吊り下げ支持されたリフトケージ29が、たとえば、一番下の棚33のコード板38のところでリフトケージ29の位置センサー39が該コード板38を検出することによりその位置のデータを読み制御器に入力する。制御器では、読み取ったデータから、入庫しようとする棚33のコード板38までの距離を計算で求めると共に減速点35を決め、巻上ドラム19,20に指令を送り、減速点35位置まで一気に上昇させるようにする。減速点35に達すると、自動的に巻上ドラム19,20が減速させられて、リフトケージ29が目的の棚33のコード板38のところで停止させられ、減速完了点36となる。たとえば、上記ワイヤロープ30で吊られたリフトケージ29が最初のコード板38を起点とするとき、該コード板38の位置データが1000であるとして、該コード板38から入庫しようとする棚33のコード板38までの距離が500であるときは、入庫しようとする棚33のコード板38の位置データは1500であることが計算で求められるので、1500のデータから減速点35を決め、1500の手前の位置から減速させて1500のコード板38のところで停止させるようにすればよいことが計算で求められる。これにより、自動的に減速点35から減速が開始されて、減速完了点36で停止させられることになる。
【0025】
これにより、図2(ロ)のように早目に減速点35を決めて、減速を始める必要がなくなり、従来の減速完了点36から停止位置まで修正する無駄時間をなくすことができる。
【0026】
次に、車両を出庫させる場合は、所要の棚33の位置までリフトケージ29を上昇させて、その棚33のコード板38をリフトケージ29の位置センサー39で検出すると、その位置にリフトケージ29を停止させて、棚33からパレット34に載っている車両37をパレットとともにリフトケージ29上に移載させる。このとき、リフトケージ29は空ケージ状態からパレット34と車両37が載った状態になることから、ワイヤロープ30の伸びが生じる。
【0027】
本発明では、ワイヤロープ30で吊り下げられている状態でワイヤロープ30が伸びても、吊り下げ状態から出庫棚33のコード板38の位置にリフトケージ29を合わせてから下降させるようにするので、ワイヤロープ30の伸びを考慮することなく、上記棚33からの入出庫口までの距離を計算で求めて入出庫口の少し手前の位置を減速点35として決めることができる。これにより、図2(イ)に示す場合と同様に、リフトケージ29は巻上ドラム19,20によって減速点35の位置まで一気に下降させ、減速点35位置から減速を開始させて減速完了点36で入出庫口へ下降させることができ、従来安全を見込んで早目に減速点35を決めて減速を開始し、これに伴い減速完了点36が早くなって、停止位置を修正するようなことを不要にできて、それに要する無駄な時間を省略できる。
【0028】
なお、本発明は、上記実施の形態のみに限定されるものではなく、たとえば、入庫の場合に一番下の棚33のコード板38の位置でデータを読みとって、目的の棚までの距離を計算で求める場合を示したが、別のコード板38の位置でデータを読むようにしてもよいこと、その他本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々変更を加え得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の実施の一形態を示すエレベータパーキングの概略図である。
【図2】リフトケージの停止位置と減速点の位置を示すもので、(イ)は本発明による場合、(ロ)は従来方式による場合を示す図である。
【図3】ワイヤロープを用いたエレベータパーキングの昇降装置組立の一例図である。
【図4】従来のチェーンを用いたエレベータパーキングの概要図である。
【図5】図4に示すエレベータパーキングのリフトケージの停止位置を修正するための制御系統のブロック図である。
【符号の説明】
【0030】
19,20 巻上ドラム
29 リフトケージ
30 ワイヤロープ
33 棚
34 パレット
35 減速点
36 減速完了点
37 車両
38 コード板
39 位置センサー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤロープで吊り下げ支持されているリフトケージに車両を載せて所定の棚位置まで上昇させ、又、棚位置から入出庫口まで下降させて入出庫動作を行わせるようにしてある昇降装置の停止位置を制御させる方法において、ワイヤロープで吊り下げ状態から目的の位置までの距離を求めてから減速を開始する減速点の位置を決め、しかる後、リフトケージを減速点位置まで上昇又は下降させてから減速を開始させ、減速完了点で停止位置にリフトケージを位置させるようにする昇降装置の停止位置制御方法。
【請求項2】
車両を載せたリフトケージをワイヤロープで吊り下げた状態で所要の棚のコード板で位置データを読むことにより、その位置から目的の位置までの距離を計算により求めて減速を開始する減速点の位置を決めるようにする請求項1記載の昇降装置の停止位置制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−267055(P2008−267055A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−113924(P2007−113924)
【出願日】平成19年4月24日(2007.4.24)
【出願人】(000198363)石川島運搬機械株式会社 (292)
【Fターム(参考)】