説明

映像伝送装置、認証方法、認証プログラムおよび映像伝送システム

【課題】トランスミッター装置とレシーバ装置との距離が遠い場合でも、タイマの制限時間内に認証処理を行える結果、認証を行った後に映像データを伝送することを課題とする。
【解決手段】映像伝送システム1では、映像伝送装置10が、トランスミッター装置30が保持するキーに関する情報であるAKSVをトランスミッター装置30から受信すると、AKSVをレシーバ装置40に転送するとともに、トランスミッター装置30が保持するタイマを停止する。そして、映像伝送装置10が、BKSVおよびR0’を保持すると、トランスミッター装置30が保持するタイマを再始動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、認証処理が完了した後、映像データを伝送する映像伝送装置、認証方法、認証プログラムおよび映像伝送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、圧縮符号化技術、暗号化技術、通信技術等の向上に伴い、映画や音楽等をデジタル化したコンテンツデータをネットワーク経由で送受信することが行われている。この種のコンテンツデータは、著作権により保護されているものが多いため、違法コピーなど著作権侵害行為を実施するおそれの高い不正装置を排除するための手法も種々提案されている。
【0003】
例えば、不正装置を排除するための手法として、HDCP(High-Definition Multimedia Interface)では、コンテンツデータの送受信に先立って、HDCPにかかる装置を識別するための識別情報を用いて接続された装置の正当性をチェックした上で、暗号化されたコンテンツデータを送受信する。
【0004】
ここで、HDCPとは、デジタル著作権管理技術(DRM(Digital Rights Management))の一種であり、ハイビジョンを含むデジタル方式の画像・映像コンテンツ出力を暗号化することにより、不正コピーを防ぐものである。
【0005】
図7に例示するように、地上デジタル放送やBlurayディスクなどハイビジョンコンテンツを伝送するHDMIやDVIでトランスミッター装置(ビデオデッキやデジタルチューナー)とレシーバ装置(モニタ)とが接続されると、HDCP認証が行われる。
【0006】
具体的には、図8に示すように、レシーバ装置は、トランスミッター装置がAKSV(トランスミッター装置のKSV情報)をレシーバ装置に書き込んでから100ms以内にR0’情報を計算する必要がある。また、トランスミッター装置は、レシーバ装置がBKSV(レシーバ装置のKSV)を書き込んでから100ms以内にR0を計算する必要がある。
【0007】
これにより、トランスミッター装置がSKSVをライトしてから100ms+α(αは、AKSV)をライトしてからBKSVを受け取るまでにかかると思われる時間で、数msレベルの値)後に、R0とR0’を比較して、認証が完了する。
【0008】
ところで、HDMIやDVIでトランスミッター装置(ビデオデッキやデジタルチューナー)とレシーバ装置(モニタ)とが接続された場合には、トランスミッター装置とレシーバ装置との間の物理的な距離が非常に近い。一方、家庭内LANやIPTVシステムの普及により、トランスミッター装置とレシーバ装置との間の距離がIPなどの他伝送媒体により延長されるケースが増えてきている。
【0009】
例えば、家庭内LANを利用してDLNAを構築する場合や、企業内映像配信を行うような場合には、図8に示すような構成が考えられる。図8の構成において、映像伝送装置により映像をIPパケット化し、IPネットワークを使用して映像を距離に関係なく伝送することが可能となる。なお、ネットワークを使用して映像を伝送する技術として、トランスミッター装置とレシーバ装置との間の距離が所定の範囲内の場合にのみ認証処理を行う技術がある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2005−45756号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ところで、上記したトランスミッター装置とレシーバ装置との間の距離がIPなどの他伝送媒体により延長される技術では、トランスミッター装置によりAKSVがライトされてからレシーバ装置にAKSVが届くまでにネットワーク遅延が加算されることになり、R0’を100ms以内に計算することは保証できない。また、レシーバ装置からBKSVがリードされてからトランスミッター装置にBKSVが届くまでにもネットワーク遅延が加算され、R0を100ms以内に計算することも保証できない(図9参照)。
【0012】
このため、トランスミッター装置がAKSVを書き込んでから100ms+α後にR0とR0’を比較することができず、HDCP認証が完了できない。この結果、家庭内ネットワークやIPTVシステムなどのトランスミッター装置とレシーバ装置との距離が遠い場合に、タイマの制限時間内に認証処理を行えない結果、HDCP認証を使用した映像伝送を提供することができないという課題があった。
【0013】
そこで、この発明は、上述した従来技術の課題を解決するためになされたものであり、トランスミッター装置とレシーバ装置との距離が遠い場合であっても、タイマの制限時間内に認証処理を行って、認証を使用した映像伝送を行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、この映像伝送装置は、トランスミッター装置が保持するキーに関する情報である第一キー情報をトランスミッター装置から受信すると、第一キー情報をレシーバ装置に転送するとともに、トランスミッター装置が保持するタイマを停止する。そして、第二キー情報および第二計算結果を保持すると、トランスミッター装置が保持するタイマを再始動する。
【発明の効果】
【0015】
開示の装置は、トランスミッター装置とレシーバ装置の距離が遠い場合でも、タイマの制限時間内に認証処理を行える結果、HDCP認証を使用した映像伝送を提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は、実施例1に係る映像伝送システムの構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、実施例1に係る映像伝送装置(送信側)の構成を示すブロック図である。
【図3】図3は、実施例1に係る映像伝送装置(受信側)の構成を示すブロック図である。
【図4】図4は、実施例1に係る映像伝送システムによる認証処理の流れを示すシーケンス図である。
【図5】図5は、実施例2に係る映像伝送システムの構成を示すブロック図である。
【図6】図6は、認証プログラムを実行するコンピュータを示す図である。
【図7】図7は、従来技術を説明するための図である。
【図8】図8は、従来技術を説明するための図である。
【図9】図9は、従来技術を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に添付図面を参照して、この発明に係る映像伝送装置、認証方法、認証プログラムおよび映像伝送システムの実施例を詳細に説明する。
【実施例1】
【0018】
以下の実施例では、実施例1に係る映像伝送システム、映像伝送装置の構成および処理の流れを順に説明し、最後に実施例1による効果を説明する。
【0019】
[映像伝送システムの構成]
まず最初に、図1を用いて、実施例1に係る映像伝送システム1の構成を説明する。図1は、実施例1に係る映像伝送システムの構成を示すブロック図である。同図に示すように、この映像伝送システム1は、送信側の映像伝送装置10、受信側の映像伝送装置20、HDDレコーダ(トランスミッター装置)30、モニタ(レシーバ装置)40を有する。
【0020】
映像伝送システム1では、送信側の映像伝送装置10と受信側の映像伝送装置20とがIPネットワークを介して接続され、送信側の映像伝送装置10とHDDレコーダ(トランスミッター装置)30とがHDMIケーブルを介して接続され、受信側の映像伝送装置20とモニタ(レシーバ装置)40とがHDMIケーブルを介して接続されている。
【0021】
送信側の映像伝送装置10は、HDDレコーダ30から受信した映像信号および音声信号を受信側の映像伝送装置20に伝送する。また、送信側の映像伝送装置10は、受信側の映像伝送装置20から送信されたモニタ40の接続完了を示すホットプラグ信号、鍵に関する情報であるBKSV(Key Selection Vector)、レシーバの計算結果であるR0’をHDDレコーダ30に転送する。また、送信側の映像伝送装置10は、HDDレコーダ30から送信されたAKSV(Key Selection Vector)を受信側の映像伝送装置20に転送する。
【0022】
受信側の映像伝送装置20は、送信側の映像伝送装置10から受信した映像信号および音声信号をモニタ40に伝送する。また、受信側の映像伝送装置20は、送信側の映像伝送装置10から送信されたAKSVをモニタ40に転送し、モニタ40から送信されたホットプラグ信号、BKSV、R0’を送信側の映像伝送装置10に転送する。
【0023】
HDDレコーダ(トランスミッター装置)30は、映像および音声に関するデータをハードディスクに記憶し、HDCP認証を行った後、映像信号および音声信号を映像伝送装置10、20を介してモニタ40に伝送する。また、HDDレコーダ30は、キーに関する情報であるAKSVを保持する。また、HDDレコーダ30は、タイマを保持し、モニタ40からBKSVを受信すると、タイマを始動して100ms以内に、BKSVを用いてR0を計算する。
【0024】
モニタ(レシーバ装置)40は、HDCP認証を行った後、HDDレコーダ30から受信した映像信号および音声信号を出力する。また、モニタ40は、キーに関する情報であるBKSVを保持する。また、モニタ40は、接続が完了すると、ホットプラグ信号を受信側の映像伝送装置20に通知する。また、モニタ40は、HDDレコーダ30から受信したAKSVを用いて、R0’を計算する。
【0025】
[映像伝送装置の構成]
次に、図2および図3を用いて、図1に示した送信側の映像伝送装置10および受信側の映像伝送装置20の構成を説明する。図2は、実施例1に係る映像伝送装置(送信側)の構成を示すブロック図である。図3は、実施例1に係る映像伝送装置(受信側)の構成を示すブロック図である。
【0026】
図2に示すように、送信側の映像伝送装置10は、映像処理部11、イーサネットインタフェース12、MPU13、記憶部14、HDCP制御部15を有し、IPネットワークを介して受信側の映像伝送装置20と接続され、HDMIケーブル(または、DVIケーブル)を介してトランスミッター装置30と接続される。以下にこれらの各部の処理を説明する。
【0027】
映像処理部11は、トランスミッター装置30から送信された映像信号および音声信号を受信し、受信された映像信号および音声信号をIPパケット化してイーサネットインタフェースに通知する。MPU13は、各種の処理手順などを規定したプログラムおよび所要データを格納するための内部メモリを有し、これらによって種々の処理を実行する。
【0028】
イーサネットインタフェース12は、イーサネット(登録商標)との通信を制御し、送信側の映像伝送装置10が接続されるイーサネット(登録商標)に存在する他の映像伝送装置(受信側)20などとの間でやりとりする各種情報に関する通信を制御する。具体的には、イーサネットインタフェース12は、映像処理部11から受信したIPパケット化された映像・音声データを映像伝送装置(受信側)20に伝送する。
【0029】
記憶部14は、HDCP制御部15による各種処理に必要なデータおよびプログラムを格納するが、特に、キー情報記憶部14aおよび計算結果記憶部14bを有する。
【0030】
キー情報記憶部14aは、レシーバ装置40が保持するキーに関する情報であるBKSVを記憶する。具体的には、キー情報記憶部14aは、受信側の映像伝送装置20から受信したBKSV(レシーバ装置40のKSV)を一時的に記憶する。
【0031】
計算結果記憶部14bは、レシーバ装置40の計算結果であるR0’を記憶する。具体的には、計算結果記憶部14bは、受信側の映像伝送装置20から受信したR0’(レシーバ装置40がAKSVを用いて計算した値)を一時的に記憶する。
【0032】
HDCP制御部15は、各種の処理手順などを規定したプログラムおよび所要データを格納するための内部メモリを有し、これらによってHDCPに関する種々の処理を実行するが、特に、ホットプラグ信号送信部15a、キー情報転送部15b、キー情報記憶制御部15c、計算結果記憶制御部15dを有する。
【0033】
ホットプラグ信号送信部15aは、トランスミッター装置30が保持するAKSVをトランスミッター装置30から受信すると、トランスミッター装置30とレシーバ装置40とが未接続状態である旨をトランスミッター装置に通知し(ホットプラグ信号をオフにし)、トランスミッター装置30が保持するタイマを停止する。
【0034】
また、ホットプラグ信号送信部15aは、キー情報記憶部14aによってBKSVが保持され、かつ、キー情報記憶部14bによってR0’が保持された場合には、ホットプラグ信号をトランスミッター装置30に通知し、トランスミッター装置30が保持するタイマを再始動する。
【0035】
具体的には、ホットプラグ信号送信部15aは、受信側の映像伝送装置20からホットプラグ信号を受信すると、トランスミッター装置30にプレ認証用のホットプラグ信号を送信し、トランスミッター装置30にAKSV信号を送信させる。
【0036】
また、ホットプラグ送信部15aは、キー情報転送部15からAKSVを受信した旨の通知を受信すると、トランスミッター装置30へのホットプラグ信号を一旦OFFにして、未接続状態にする。また、ホットプラグ送信部15aは、計算結果記憶制御部15dからR0’を受信した旨の通知を受信すると、トランスミッター装置30にホットプラグ信号を再度送信する。
【0037】
キー情報転送部15bは、トランスミッター装置30が保持するキーに関する情報であるAKSVをトランスミッター装置30から受信すると、AKSVをレシーバ装置40に転送する。具体的には、キー情報転送部15bは、トランスミッター装置30からAKSVを受信すると、AKSVを受信側の映像伝送装置20に転送する。そして、キー情報転送部15bは、AKSVを受信した旨をホットプラグ信号送信部15aに通知する。
【0038】
キー情報記憶制御部15cは、受信側の映像伝送装置20からBKSVを受信すると、受信したBKSVをキー情報記憶部14aに記憶するように制御する。そして、キー情報記憶制御部15cは、ホットプラグ送信部15aにBKSVを受信した旨を通知する。
【0039】
計算結果記憶制御部15dは、受信側の映像伝送装置20からR0’を受信すると、受信したR0’を計算結果記憶部14bに記憶するように制御する。そして、計算結果記憶制御部15dは、R0’を受信した旨をホットプラグ送信部15aに通知する。
【0040】
次に、図3を用いて、受信側の映像伝送装置20は、映像処理部21、イーサネットインタフェース22、MPU23を有し、IPネットワークを介して送信側の映像伝送装置10と接続され、HDMIケーブル(または、DVIケーブル)を介してレシーバ装置40と接続される。以下にこれらの各部の処理を説明する。
【0041】
映像処理部21は、送信側の映像伝送装置30から送信されたIPパケットを受信し、受信されたIPパケットから映像・音声データを抽出し、モニタ40に送信する。イーサネットインタフェース22は、IPパケット化してイーサネットインタフェースに通知する。MPU23は、各種の処理手順などを規定したプログラムおよび所要データを格納するための内部メモリを有し、これらによって種々の処理を実行する。
【0042】
[映像伝送システムによる処理]
次に、図4用いて、実施例1に係る映像伝送システム1による処理を説明する。図4は、実施例1に係る映像伝送システムによる認証処理の流れを示すシーケンス図である。
【0043】
同図に示すように、映像伝送システム1のレシーバ装置40は、接続が完了した旨を示すホットプラグ信号を受信側の映像伝送装置20に送信する(ステップS101)。そして、受信側の映像伝送装置20は、送信側の映像伝送装置10にホットプラグ信号を転送する(ステップS102)。
【0044】
そして、送信側の映像伝送装置10は、ホットプラグ信号をプレ認証用のホットプラグ信号を送信し(ステップS103)、トランスミッター装置30にAKSV信号を送信させる(ステップS104)。
【0045】
そして、送信側の映像伝送装置10は、AKSV信号を受信側の映像伝送装置20に転送し(ステップS105)、トランスミッター装置30へのホットプラグ信号を一旦OFFにして、未接続状態にする(ステップS106)。
【0046】
その後、受信側の映像伝送装置20は、AKSVをレシーバ装置40に送信し(ステップS107)、BKSVをレシーバ装置40から受信する(ステップS108)。そして、受信側の映像伝送装置20は、BKSV信号を送信側の映像伝送装置10に転送する(ステップS109)。
【0047】
そして、送信側の映像伝送装置10は、受信したBKSVを一時的に保持する(ステップS110)。また、レシーバ装置40は、受信したAKSVを用いてR0’を計算して確定させ、R0’を受信側の映像伝送装置20に送信する(ステップS112)。受信側の映像伝送装置20は、受信したR0’を、送信側の映像伝送装置10に転送する(ステップS113)。
【0048】
そして、送信側の映像伝送装置10は、受信したR0’を一時的に保持する(ステップS114)。続いて、送信側の映像伝送装置10は、トランスミッター装置30にホットプラグ信号を再度送信する(ステップS115)。
【0049】
そして、送信側の映像伝送装置10は、AKSV信号を受信すると(ステップS116)、保持しているBKSVをトランスミッター装置30に送信する(ステップS117)。そして、トランスミッター装置30は、受信したBKSVを用いてR0を計算し確定させ(ステップS118)、その後、送信側の映像伝送装置10が保持するR0’を読み出す(ステップS119)。
【0050】
そして、トランスミッター装置30は、R0とR0’とが一致するか比較するHDCP認証を行う(ステップS120)。つまり、映像伝送システム1では、送信側の映像伝送装置10がトランスミッター装置30へのホットプラグ信号を一旦OFFにすることで、トランスミッター装置30のタイマを止めた後、送信側の映像伝送装置10がBKSVとR0’とを保持してから再度ホットプラグ信号を送信する。
【0051】
この結果、映像伝送システム1では、IPネットワークを介したデータのやりとりに掛かる時間をタイマの時間(100ms)から除外することができ、R0とR0’の比較計算をトランスミッター装置がAKSVを送信してから100ms+αの時間で実施することが可能となり、トランスミッター装置30とレシーバ装置40との間に他の物理媒体が存在して遅延が発生する場合でも、HDCP認証を行うことが可能となる。
【0052】
[実施例1の効果]
上述してきたように、映像伝送システム1では、映像伝送装置10が、トランスミッター装置30が保持するキーに関する情報であるAKSVをトランスミッター装置30から受信すると、AKSVをレシーバ装置40に転送するとともに、トランスミッター装置30が保持するタイマを停止する。そして、映像伝送装置10が、BKSVおよびR0’を保持すると、トランスミッター装置30が保持するタイマを再始動する。このため、映像伝送装置10は、トランスミッター装置30とレシーバ装置40の距離が遠い場合でも、タイマの制限時間内に認証処理を行える結果、HDCP認証を使用した映像伝送を提供することが可能である。
【0053】
また、実施例1によれば、映像伝送システム1では、映像伝送装置10が、トランスミッター装置30が保持するAKSVをトランスミッター装置30から受信すると、ホットプラグ信号をオフにしてトランスミッター装置30とレシーバ装置40とが未接続状態である旨をトランスミッター装置30に通知して、トランスミッター装置30が保持するタイマを停止する。映像伝送装置10が、BKSVを保持し、かつ、R0’を保持した場合には、トランスミッター装置30とレシーバ装置40とが接続完了である旨をトランスミッター装置30に通知し、トランスミッター装置30が保持するタイマを再始動することが可能である。
【実施例2】
【0054】
さて、これまで本発明の実施例について説明したが、本発明は上述した実施例以外にも、種々の異なる形態にて実施されてよいものである。そこで、以下では実施例2として本発明に含まれる他の実施例を説明する。
【0055】
(1)複数のトランスミッター装置
上記の実施例1では、一のトランスミッター装置と送信側の映像伝送装置がHDMIケーブルを介して接続されている場合を説明したが、本実施例はこれに限定されるものではなく、複数のトランスミッター装置と送信側の映像伝送装置がHDMIケーブルを介して接続されていてもよい。
【0056】
具体的には、実施例2に係る映像伝送システムでは、送信側の映像伝送装置10aが複数のトランスミッター装置30A〜30Cと接続されている。このような構成のもと、送信側の映像伝送装置10aは、複数のトランスミッター装置30A〜30CからAKSVを受信した場合には、いずれのトランスミッター装置か受信したかを管理するようにする。
【0057】
(2)システム構成等
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。例えば、MPU13とHDCP制御部15を統合してもよい。さらに、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPUおよび当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
【0058】
また、本実施例において説明した各処理のうち、自動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を手動的におこなうこともでき、あるいは、手動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的におこなうこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0059】
(3)プログラム
ところで、上記の実施例で説明した各種の処理は、あらかじめ用意されたプログラムをコンピュータで実行することによって実現することができる。そこで、以下では、図6を用いて、上記の実施例と同様の機能を有するプログラムを実行するコンピュータの一例を説明する。図6は、認証プログラムを実行するコンピュータを示す図である。
【0060】
同図に示すように、映像伝送装置としてのコンピュータ600は、HDD610、RAM620、ROM630およびCPU640をバス650で接続して構成される。
【0061】
そして、ROM630には、上記の実施例と同様の機能を発揮する認証プログラム、つまり、図6に示すように、ホットプラグ信号送信プログラム631、キー情報転送プログラム632、キー情報記憶制御プログラム633、計算結果記憶制御プログラム634が予め記憶されている。なお、プログラム631〜6354ついては、図2に示した映像伝送装置の各構成要素と同様、適宜統合または分散してもよい。
【0062】
そして、CPU640が、これらのプログラム631〜634をROM630から読み出して実行することで、図6に示すように、各プログラム631〜634は、ホットプラグ信号送信プロセス641、キー情報転送プロセス642、キー情報記憶制御プロセス643、計算結果記憶制御プロセス644として機能するようになる。各プロセス641〜644は、図2に示したホットプラグ信号送信部15a、キー情報転送部15b、キー情報記憶制御部15c、計算結果記憶制御部15dにそれぞれ対応する。
【0063】
そして、CPU640は、RAM620に格納されたキーデータ621および計算結果622に基づいて処理を実行する。
【符号の説明】
【0064】
1 映像伝送システム
10 映像伝送装置(送信側)
11 映像処理部
12 イーサネットインタフェース
13 MPU
14 記憶部
14a キー情報記憶部
14b 計算結果記憶部
15 HDCP制御部
15a ホットプラグ信号送信部
15b キー情報転送部
15c キー情報記憶制御部
15d 計算結果記憶制御部
20 映像伝送装置(受信側)
21 映像処理部
22 イーサネットインタフェース
23 MPU
30 トランスミッター装置
40 レシーバ装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トランスミッター装置が保持するキーに関する情報である第一キー情報をトランスミッター装置から受信すると、当該第一キー情報をレシーバ装置に転送するキー情報転送部と、
前記トランスミッター装置が保持するキーに関する情報である第一キー情報をトランスミッター装置から受信すると、前記トランスミッター装置が保持するタイマを停止するタイマ停止部と、
前記レシーバ装置が保持するキーに関する情報である第二キー情報を前記レシーバ装置から受信した場合には、当該第二キー情報を保持するキー情報保持部と、
前記レシーバ装置が第一キー情報を用いて計算した結果である第二計算結果を当該レシーバ装置から受信した場合に、当該第二計算結果を保持する第二計算結果保持部と、
前記キー情報保持部によって前記第二キー情報が保持され、かつ、前記第二計算結果保持部によって前記第二計算結果が保持された場合には、前記トランスミッター装置が保持するタイマを再始動するタイマ始動部と、
を備えることを特徴とする映像伝送装置。
【請求項2】
前記タイマ停止部は、前記トランスミッター装置が保持するキーに関する情報である第一キー情報をトランスミッター装置から受信すると、前記トランスミッター装置と前記レシーバ装置とが未接続状態である旨を前記トランスミッター装置に通知し、前記トランスミッター装置が保持するタイマを停止し、
前記タイマ始動部は、前記キー情報保持部によって前記第二キー情報が保持され、かつ、前記キー情報保持部によって前記第二計算結果が保持された場合には、前記トランスミッター装置と前記レシーバ装置とが接続完了である旨を前記トランスミッター装置に通知し、前記トランスミッター装置が保持するタイマを再始動することを特徴とする請求項1に記載の映像伝送装置。
【請求項3】
トランスミッター装置が保持するキーに関する情報である第一キー情報をトランスミッター装置から受信すると、当該第一キー情報をレシーバ装置に転送するキー情報転送ステップと、
前記トランスミッター装置が保持するキーに関する情報である第一キー情報をトランスミッター装置から受信すると、前記トランスミッター装置が保持するタイマを停止するタイマ停止ステップと、
前記レシーバ装置が保持するキーに関する情報である第二キー情報を前記レシーバ装置から受信した場合には、当該第二キー情報を保持するキー情報保持部に保持させるキー情報保持ステップと、
前記レシーバ装置が第一キー情報を用いて計算した結果である第二計算結果を当該レシーバ装置から受信した場合に、当該第二計算結果を保持する第二計算結果保持部に保持させる第二計算結果保持ステップと、
前記キー情報保持ステップによって前記第二キー情報が保持され、かつ、前記第二計算結果保持ステップによって前記第二計算結果が保持された場合には、前記トランスミッター装置が保持するタイマを再始動するタイマ始動ステップと、
を含んだことを特徴とする認証方法。
【請求項4】
トランスミッター装置が保持するキーに関する情報である第一キー情報をトランスミッター装置から受信すると、当該第一キー情報をレシーバ装置に転送するキー情報転送手順と、
前記トランスミッター装置が保持するキーに関する情報である第一キー情報をトランスミッター装置から受信すると、前記トランスミッター装置が保持するタイマを停止するタイマ停止手順と、
前記レシーバ装置が保持するキーに関する情報である第二キー情報を前記レシーバ装置から受信した場合には、当該第二キー情報を保持するキー情報保持部に保持させるキー情報保持手順と、
前記レシーバ装置が第一キー情報を用いて計算した結果である第二計算結果を当該レシーバ装置から受信した場合に、当該第二計算結果を保持する第二計算結果保持部に保持させる第二計算結果保持手順と、
前記キー情報保持手順によって前記第二キー情報が保持され、かつ、前記第二計算結果保持手順によって前記第二計算結果が保持された場合には、前記トランスミッター装置が保持するタイマを再始動するタイマ始動手順と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする認証プログラム。
【請求項5】
映像伝送装置が、トランスミッター装置が保持するキーに関する情報である第一キー情報をトランスミッター装置から受信すると、当該第一キー情報をレシーバ装置に転送するキー情報転送部と、
前記トランスミッター装置が保持するキーに関する情報である第一キー情報をトランスミッター装置から受信すると、前記トランスミッター装置が保持するタイマを停止するタイマ停止部と、
前記レシーバ装置が保持するキーに関する情報である第二キー情報を前記レシーバ装置から受信した場合には、当該第二キー情報を保持するキー情報保持部と、
前記レシーバ装置が第一キー情報を用いて計算した結果である第二計算結果を当該レシーバ装置から受信した場合に、当該第二計算結果を保持する第二計算結果保持部と、
保持するキーに関する情報である第二キー情報を前記レシーバ装置から受信した場合には、当該第二キー情報を保持するキー情報保持部と、
前記キー情報保持部によって前記第二キー情報が保持され、かつ、前記第二計算結果保持部によって前記第二計算結果が保持された場合には、前記トランスミッター装置が保持するタイマを再始動するタイマ始動部と、
を備えることを特徴とする映像伝送システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−239557(P2010−239557A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−87590(P2009−87590)
【出願日】平成21年3月31日(2009.3.31)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】