説明

映像信号表示装置及び映像信号再生方法

【課題】表示部の表示能力を十分に発揮でき、フレーム周波数が異なる映像信号それぞれを高画質に表示することができる映像信号表示装置を提供する。
【解決手段】入力源23からは互いに異なる複数の第1のフレーム周波数を有する映像信号が入力される。フレーム周波数検出部5は入力映像信号の第1のフレーム周波数を検出する。フレーム周波数変換率決定部6は第1のフレーム周波数より高い第2のフレーム周波数としていくつのフレーム周波数に変換するかを決定し、フレーム周波数変換率Kを出力する。補間フレーム生成部7はフレーム周波数変換率Kに応じて補間フレームを生成する。フレーム周波数変換部8は隣接する実フレーム間に補間フレームを内挿した映像信号を第2のフレーム周波数に変換する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力された映像信号を、その映像信号が有するフレーム周波数よりも高いフレーム周波数に変換して液晶パネル等の表示部に表示する映像信号表示装置及び映像信号再生方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶パネルを用いた液晶表示装置においては、動画を表示したときに残像を生じるという問題点がある。この問題点を低減する1つの方法として、入力された映像信号を、その映像信号が有するフレーム周波数よりも高いフレーム周波数に変換して液晶パネルに表示する方法がある。一例として特開2005−148521号公報には、入力されたフレーム周波数60Hzの映像信号をフレーム周波数120Hzに変換して液晶パネルに表示する映像信号表示装置が記載されている。
【特許文献1】特開2005−148521号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、映像信号を装置内に入力する映像信号の入力源としては映像信号表示装置に内蔵されているチューナや、映像信号表示装置に接続して使用する光ディスク再生装置等の映像信号再生装置のような外部機器があり、近年、映像信号の供給源は多様化している。また、映像信号のフレーム周波数は国や地域等によって異なることがある。従って、映像信号表示装置には、複数のフレーム周波数の映像信号が入力されることがあり、この傾向は今後増大する可能性がある。
【0004】
フレーム周波数を増大させて映像信号を表示する映像信号表示装置において、複数のフレーム周波数の映像信号を入力映像信号とする場合には、表示部の表示能力を十分に発揮でき、フレーム周波数が異なる映像信号それぞれを極力高画質に表示することが求められる。このとき、映像信号表示装置における消費電力や発熱の増加を極力抑えることが求められる。また、単一のフレーム周波数の映像信号を入力映像信号とする場合であっても、その映像信号を消費電力や発熱の増加を極力抑えつつ高画質に表示することが求められる。
【0005】
本発明はこのような問題点に鑑みなされたものであり、複数のフレーム周波数の映像信号を入力映像信号とし、フレーム周波数を増大させて映像信号を表示する場合に、表示部の表示能力を十分に発揮でき、フレーム周波数が異なる映像信号それぞれを高画質に表示することができる映像信号表示装置及び映像信号再生方法を提供することを目的とする。また、映像信号表示装置における消費電力や発熱の増加を抑えることができる映像信号表示装置及び映像信号再生方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述した従来の技術の課題を解決するため、互いに異なる複数の第1のフレーム周波数を有する映像信号を入力する入力源(23)と、前記入力源より入力された映像信号が有する前記第1のフレーム周波数を検出するフレーム周波数検出部(5)と、前記映像信号を前記第1のフレーム周波数より高い第2のフレーム周波数で表示する表示部(10)と、前記フレーム周波数検出部によって検出された前記第1のフレーム周波数に基づいて、前記複数の第1のフレーム周波数毎に、前記映像信号を前記表示部に前記第2のフレーム周波数としていくつのフレーム周波数に変換して表示するかを決定する決定部(6)と、前記決定部による決定結果に基づいて、前記映像信号の隣接する実フレーム間に内挿する1または複数の補間フレームを生成する補間フレーム生成部(7)と、前記実フレーム間に前記補間フレームを内挿した映像信号を前記第2のフレーム周波数に変換するフレーム周波数変換部(8)とを備えることを特徴とする映像信号表示装置を提供する。
【0007】
ここで、前記決定部は、前記複数の第1のフレーム周波数それぞれに対して、前記表示部の最大応答フレーム周波数を超えない範囲で最も高いフレーム周波数を前記第2のフレーム周波数として決定することが好ましい。
また、前記決定部は、前記複数の第1のフレーム周波数毎に前記第1のフレーム周波数を何倍にするかを示すフレーム周波数変換率を決定することが好ましい。
さらに、前記決定部は、前記複数の第1のフレーム周波数と前記フレーム周波数変換率とを対応させた周波数変換率テーブルを記憶し、この周波数変換率テーブルに基づいて前記複数の第1のフレーム周波数毎に前記フレーム周波数変換率を決定することが好ましい。
【0008】
さらにまた、前記表示部は、画素を構成するドットが水平方向及び垂直方向にマトリクス状に配列された表示パネルであり、前記表示パネルのそれぞれのドットに対して、中心電圧に対して正方向の正極性電圧と前記中心電圧に対して負方向の負極性電圧とが前記第2のフレーム周波数を有する映像信号の2またはそれ以上のフレーム毎に反転する駆動電圧を印加する駆動電圧印加制御部(9)を備えることが好ましい。
ここで、前記駆動電圧印加制御部は、前記第2のフレーム周波数を有する映像信号の1フレーム内で、前記表示パネルの水平方向及び垂直方向の双方でドットまたは画素毎に前記正極性電圧と前記負極性電圧とを交互に印加することが好ましい。
また、前記駆動電圧印加制御部は、前記第2のフレーム周波数を有する映像信号の1フレーム内で、前記表示パネルの全てのドットに対して前記正極性電圧と前記負極性電圧とのいずれか一方を印加することが好ましい。
前記駆動電圧印加制御部は、前記駆動電圧の極性反転周期を前記第2のフレーム周波数に応じて適応的に切り換えることが好ましい。
【0009】
本発明は、上述した従来の技術の課題を解決するため、互いに異なる複数の第1のフレーム周波数を有する映像信号の内のいずれかの映像信号を選択的に入力する映像信号入力ステップと、前記映像信号入力ステップにて入力された映像信号が有する第1のフレーム周波数を検出するフレーム周波数検出ステップと、前記フレーム周波数検出ステップにて検出された前記第1のフレーム周波数に基づいて、前記第1のフレーム周波数を有する映像信号を前記第1のフレーム周波数より高い第2のフレーム周波数としていくつのフレーム周波数に変換するかを決定する決定ステップと、前記決定ステップによる決定結果に基づいて、前記映像信号の隣接する実フレーム間に内挿する1または複数の補間フレームを生成する補間フレーム生成ステップと、前記実フレーム間に前記補間フレームを内挿した映像信号を前記第2のフレーム周波数に変換するフレーム周波数変換ステップと、前記フレーム周波数変換ステップにて前記第2のフレーム周波数に変換された映像信号を表示部に表示する表示ステップとを含むことを特徴とする映像信号表示方法を提供する。
【0010】
ここで、前記決定ステップは、前記表示部の最大応答フレーム周波数を超えない範囲で最も高いフレーム周波数を前記第2のフレーム周波数として決定することが好ましい。
また、前記決定ステップは、前記第1のフレーム周波数を何倍にするかを示すフレーム周波数変換率を決定することが好ましい。
さらに、前記決定ステップは、前記複数の第1のフレーム周波数と前記複数の第1のフレーム周波数毎に設定されたフレーム周波数変換率とを対応させた周波数変換率テーブルを参照して、前記フレーム周波数検出ステップにて検出された前記第1のフレーム周波数に対するフレーム周波数変換率を決定することが好ましい。
【0011】
さらにまた、前記表示部は、画素を構成するドットが水平方向及び垂直方向にマトリクス状に配列された表示パネルであり、前記表示ステップは、前記表示パネルのそれぞれのドットに対して、中心電圧に対して正方向の正極性電圧と前記中心電圧に対して負方向の負極性電圧とが前記第2のフレーム周波数を有する映像信号の2またはそれ以上のフレーム毎に反転する駆動電圧を印加して前記第2のフレーム周波数を有する映像信号を表示することが好ましい。
ここで、前記表示ステップは、前記第2のフレーム周波数を有する映像信号の1フレーム内で、前記表示パネルの水平方向及び垂直方向の双方でドットまたは画素毎に前記正極性電圧と前記負極性電圧とを交互に印加することが好ましい。
また、前記表示ステップは、前記第2のフレーム周波数を有する映像信号の1フレーム内で、前記表示パネルの全てのドットに対して前記正極性電圧と前記負極性電圧とのいずれか一方を印加することが好ましい。
前記表示ステップは、前記駆動電圧の極性反転周期を前記第2のフレーム周波数に応じて適応的に切り換えることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、複数のフレーム周波数の映像信号を入力映像信号とし、フレーム周波数を増大させて映像信号を表示する場合に、表示部の表示能力を十分に発揮でき、フレーム周波数が異なる映像信号それぞれで映像信号を高画質に表示することができる。また、映像信号表示装置における消費電力や発熱の増加を抑えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の映像信号表示装置及び映像信号再生方法について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の映像信号表示装置の一実施形態を示すブロック図である。図1において、チューナ2にはアンテナ1にて受信したテレビジョン放送波信号が供給される。チューナ2はアナログチューナであってもデジタルチューナであってもよく、また、地上波チューナであっても衛星放送チューナであってもよい。チューナ2は所定のチャンネルの放送波信号を復調して、所定のフレーム周波数を有する映像信号を出力する。操作部14は装置本体に設けられた操作ボタンまたはリモコン送信機である。ユーザが操作部14によって所定のチャンネルを選局すると、チャンネル切換信号は制御部13に入力される。制御部13はチャンネル切換信号に基づいてチューナ2の選局を制御する。
【0014】
外部入力端子3には、図示していない外部機器が再生した所定のフレーム周波数を有する映像信号が入力される。外部入力端子3に接続する外部機器は、外部チューナ、DVDやBD(ブルーレイディスク)等の光ディスク再生装置、半導体メモリに記録した映像信号を再生する映像再生装置、無線通信やネットワーク通信によって映像信号を受信して再生する映像再生装置等の任意の装置である。チューナ2からの映像信号はスイッチ4の端子aに供給され、外部入力端子3からの映像信号はスイッチ4の端子bに供給される。
【0015】
本実施形態においては、チューナ2からの映像信号と外部入力端子3からの映像信号とのフレーム周波数が異なるものとする。但し、チューナ2が複数の異なるフレーム周波数を有する映像信号を出力してもよいし、外部入力端子3から複数の異なるフレーム周波数を有する映像信号が入力されてもよい。また、チューナ2を複数備えていてもよいし、外部入力端子3を複数備えていてもよい。即ち、本実施形態の映像信号表示装置は、複数のフレーム周波数を有する映像信号を装置内に入力する映像信号の入力源23を備える。本実施形態においては、複数のフレーム周波数を50Hzと60Hzとして説明するが、これに限定されることはなく、BDやデジタルシネマで用いられている24Hzや30Hzであってもよい。また、3つ以上のフレーム周波数であってもよい。
【0016】
スイッチ4は、操作部14によるチューナ2を選択するか外部入力端子3を選択するかの操作に応じて制御部13が出力する制御信号に基づいて、端子a,bへの接続が切り換えられる。チューナ2からの映像信号と外部入力端子3からの映像信号はスイッチ4より選択的に出力される。スイッチ4より出力された映像信号は、フレーム周波数検出部5と補間フレーム生成部7とフレーム周波数変換部8とに入力される。フレーム周波数検出部5は、例えば、入力された映像信号に含まれる垂直同期信号の間隔をカウントすることによってフレーム周波数を検出する。フレーム周波数検出部5によって検出されたフレーム周波数検出信号は、フレーム周波数変換率決定部6に入力される。
【0017】
フレーム周波数変換率決定部6は、入力映像信号の複数のフレーム周波数と、その複数のフレーム周波数それぞれで予め設定しているフレーム周波数変換率とを対応させた周波数変換率テーブル61を記憶している。ここでは、周波数変換率テーブル61がフレーム周波数変換率を記憶しているとしたが、フレーム周波数変換後のフレーム周波数自体を記憶するようにしてもよい。即ち、入力映像信号のフレーム周波数50Hzに対して4倍、60Hzに対して3倍のように倍数として記憶してもよいし、入力映像信号のフレーム周波数50Hzに対して200Hz、60Hzに対して180Hzのように変換後のフレーム周波数として記憶してもよい。いずれにしても、複数のフレーム周波数それぞれの映像信号を、何Hzのフレーム周波数に変換して表示パネル10に表示すればよいかを決定するものであればよい。
【0018】
周波数変換率テーブル61には、表示パネル10の最大応答速度(最大応答フレーム周波数)を超えない範囲で設定されたフレーム周波数変換率が記憶されている。フレーム周波数変換部8や電極駆動制御部9における回路の動作能力も考慮して、フレーム周波数変換率を設定してもよい。回路の動作能力は例えば回路を動作させる際のクロック周波数の最大速度によって決まる。また、フレーム周波数変換率は、表示パネル10の表示可能なフレーム周波数を超えないという条件の他、消費電力や発熱等を考慮して設定してもよい。フレーム周波数変換率を、フレーム周波数を増大させることによる動画の画質改善効果と消費電力や発熱等のデメリットとのトレードオフとの関係で決めることが好ましい。さらには、フレーム周波数変換率を表示パネル10の大きさに応じて設定してもよい。
【0019】
周波数変換率テーブル61にフレーム周波数変換率を予め記憶する代わりに、フレーム周波数変換率決定部6に表示パネル10の最大応答フレーム周波数を記憶しておき、入力映像信号のフレーム周波数と最大応答フレーム周波数とに基づいて、フレーム周波数変換率を計算により求めてもよい。
【0020】
フレーム周波数変換率決定部6より出力されたフレーム周波数変換率を示す信号は、補間フレーム生成部7及びフレーム周波数変換部8に入力される。補間フレーム生成部7は、入力されたフレーム周波数変換率を示す信号に基づいて補間フレームを生成してフレーム周波数変換部8に供給する。補間フレーム生成部7の具体的動作については後述する。フレーム周波数変換部8は、スイッチ4より供給された映像信号である実フレームと補間フレーム生成部7より供給された補間フレームとを一時的に記憶するメモリを備えている。そして、フレーム周波数変換部8は、時間的に隣接した2つの実フレームの間に1または複数の補間フレームを内挿するよう、両信号のメモリからの読み出しを制御する。このとき、フレーム周波数変換部8は、入力されたフレーム周波数変換率を示す信号に基づいたフレーム周波数となるよう、実フレームと補間フレームとをメモリから読み出す。
【0021】
フレーム周波数変換部8より出力された映像信号は電極駆動制御部9に入力される。電極駆動制御部9はソースドライバ11及びゲートドライバ12を制御する。電極駆動制御部9はタイミングコントローラと称されることがある。電極駆動制御部9の具体的な動作については後述する。表示パネル10はソース電極10sとゲート電極10gとを有し、ソース電極10sはソースドライバ11によって駆動され、ゲート電極10gはゲートドライバ12によって駆動される。表示パネル10は、一例としてソース電極10sとゲート電極10gとの間に駆動電圧が印加されて駆動されるアクティブマトリックス型の液晶パネルである。電極駆動制御部9,表示パネル10,ソースドライバ11,ゲートドライバ12の部分は液晶パネルモジュール100として一体化される場合がある。
【0022】
なお、表示パネル10としては、液晶パネルに限定されることはなく、有機エレクトロルミネセンス(EL)パネル、電界放射型ディスプレイ(FED)パネル、表面導電型電子放出ディスプレイ(SED)パネル等の表示パネルであってもよい。また、表示パネル以外の表示部としてブラウン管や投射型ディスプレイ装置であってもよい。これらの場合には、それぞれの表示部に応じた駆動部が必要であり、液晶パネルモジュール100は他の表示部及びその駆動部に置換されることになる。
【0023】
ここで、表示パネル10の最大応答フレーム周波数を200Hz、チューナ2からの映像信号のフレーム周波数が60Hz、外部入力端子3からの映像信号のフレーム周波数が50Hzの場合の動作について説明する。フレーム周波数変換率決定部6の周波数変換率テーブル61は、図2に示すように、フレーム周波数が50Hzであればフレーム周波数変換率Kとして4を、フレーム周波数が60Hzであればフレーム周波数変換率Kとして3を記憶している。スイッチ4より出力された映像信号のフレーム周波数が50Hzであれば、補間フレーム生成部7〜電極駆動制御部9の各回路はフレーム周波数を200Hzに変換して表示パネル10に表示するよう動作する。スイッチ4より出力された映像信号のフレーム周波数が60Hzであれば、補間フレーム生成部7〜電極駆動制御部9の各回路はフレーム周波数を180Hzに変換して表示パネル10に表示するよう動作する。
【0024】
図3を用いて補間フレーム生成部7の動作について説明する。図3は、映像信号のフレーム周波数が50Hzでフレーム周波数を4倍に変換する場合を例としている。図3(A)は、補間フレーム生成部7に入力される実フレームであり、円形の画像Imgが実フレームNではフレーム内の左端部に位置し、次の実フレームN+1でフレーム内の右端部に移動した状態を示している。図3(B)は画像Imgがフレーム内の左端部から右端部に移動した場合の動きベクトルMVを示している。図3(C)に示すように、補間フレーム生成部7は、動きベクトルMVを1/4にした動きベクトルMV×1/4と、動きベクトルMVを2/4にした動きベクトルMV×2/4と、動きベクトルMVを3/4にした動きベクトルMV×3/4とを求める。
【0025】
そして、図3(D)に示すように、補間フレーム生成部7は、実フレームNの画像Imgを動きベクトルMV×1/4だけ移動させた画像を補間フレームI1として生成し、実フレームNの画像Imgを動きベクトルMV×2/4だけ移動させた画像を補間フレームI2として生成し、実フレームNの画像Imgを動きベクトルMV×3/4だけ移動させた画像を補間フレームI3として生成する。補間フレーム生成部7は、実フレームN,N+1間に補間フレームI1〜I3を挿入する。
【0026】
ここで、動きベクトルMVは入力映像信号のフレーム間毎に行ってもよく、動きベクトルの計算負荷を軽減するためGOP等の所定フレーム毎に行うようにしてもよい。フレーム間毎の動きベクトルとして、各フレームにおけるマクロブロック等の符号化対象画像毎の動きベクトルの平均値を使用したり、さらには各フレームにおける代表的なマクロブロック等の符号化対象画像毎の動きベクトルを代表として使用したりするようにしてもよい。さらには、MPEG等に含まれる動きベクトルを使用してもよい。
【0027】
図4は本実施形態におけるフレーム周波数変換による効果を示す説明図である。図4は、1ライン内で水平方向に伸びた所定の長さの線画像が水平方向に移動する場合に、表示パネル10の液晶によるホールド時間だけホールドされた状態を概念的に示している。図4(A)は表示パネル10にフレーム周波数60Hzの映像信号をそのままのフレーム周波数で表示した場合を示している。線画像はそれぞれのフレームで1/60秒ずつホールドされるので、視覚的には図示のように時間方向に伸びた状態となる。それゆえ、線画像が概念的に矩形として図示されている。この図4(A)の場合、線画像が水平方向に移動したときにぼけ幅はかなり大きい。
【0028】
図4(B)は、フレーム周波数60Hzの映像信号をフレーム周波数180Hzに変換した映像信号を示している。図4(B)〜(D)において、ハッチングを付した各矩形は補間フレームにおける線画像を示している。図4(B)より分かるように、ぼけ幅は図4(A)と比較して大幅に小さくなる。図4(C)は、フレーム周波数50Hzの映像信号をフレーム周波数150Hzに変換した映像信号を示し、図4(D)は、フレーム周波数50Hzの映像信号をフレーム周波数200Hzに変換した映像信号を示している。図4(C)と図4(D)とを比較すれば分かるように、フレーム周波数が高いほどぼけ幅が小さくなるので、フレーム周波数が50Hzでれば、3倍の150Hzに変換するより4倍の200Hzに変換した方が好ましい。
【0029】
このように、本実施形態においては、複数のフレーム周波数の映像信号それぞれを、表示パネル10の最大応答フレーム周波数を超えない範囲で最大の周波数に変換するよう構成している。また、周波数変換後の複数の映像信号のフレーム周波数の差が極力小さくなるように変換するよう構成している。
【0030】
他の例として、表示パネル10の最大応答フレーム周波数を250Hzとした場合には、フレーム周波数が50Hzであればフレーム周波数変換率Kを5として250Hzに周波数変換し、フレーム周波数が60Hzであればフレーム周波数変換率Kを4として240Hzに周波数変換することが好ましい。この場合には両者の周波数の差は10Hzであり、装置の設計上とても好ましい。
【0031】
さらに他の例として、表示パネル10の最大応答フレーム周波数を300Hzとした場合には、フレーム周波数が50Hzであればフレーム周波数変換率Kを6として300Hzに周波数変換し、フレーム周波数が60Hzであればフレーム周波数変換率Kを5として300Hzに周波数変換することが好ましい。この場合には両者の周波数の差がなくなるので、装置の設計上極めて好ましい。このように、本実施形態の1つの特徴は、入力された複数のフレーム周波数それぞれの映像信号をそれぞれのフレーム周波数に対して最適なフレーム周波数に変換して表示する点である。
【0032】
次に、電極駆動制御部9の動作について説明する。表示パネル10に映像信号を表示する際には、ソースドライバ11はソース電極10sに、ゲートドライバ12はゲート電極10gに駆動電圧を印加する。ソース電極10sに印加する駆動電圧(ソース電圧)はそれぞれの画素に表示する映像信号の輝度値(R,G,B信号のレベル)に応じたものである。ゲート電極10gに印加する駆動電圧(ゲート電圧)は、ソース電圧を薄膜トランジスタ(TFT)に書き込むラインではオン、ホールドしているラインではオフの2値電圧である。ゲート電極10gにゲート電圧を印加するラインを表示パネル10の最上位行のラインから最下行のラインへと1ラインずつ順次選択しつつ、ソース電極10sにそれぞれの画素に表示する映像信号(画素信号)の輝度値に応じたソース電圧を印加することによって、表示パネル10に各フレームの映像信号が表示される。
【0033】
また、表示パネル10が液晶パネルの場合には、表示パネル10のそれぞれの画素に印加する駆動電圧の極性を正極性(+)と負極性(−)の一方に固定せず、極性を所定の期間毎に反転させる。これは、液晶材料に印加する電界方向を一定にしてしまうと液晶分子内の電荷に偏りが生じ、画面の焼き付きや液晶材料の劣化が起こりやすくなるためである。そこで、電極駆動制御部9は、表示パネル10に表示する映像信号のそれぞれの画素信号の輝度値に応じた正極性または負極性の電圧値を有する駆動電圧を表示パネル10のそれぞれの画素に印加するよう、ソースドライバ11及びゲートドライバ12に電極駆動制御信号を供給する。電極駆動制御信号はそれぞれの画素に印加する駆動電圧の極性を制御するための極性反転周期制御信号を含む。
【0034】
ここで、図5を用いて表示パネル10の画素に印加する駆動電圧の極性について説明する。表示パネル10の全ての画素は共通電極に接続されており、この共通電極には共通電圧Vcomが印加されている。図5(A)に示すように、それぞれの画素に印加される駆動電圧は、共通電圧Vcomを中心電圧として図の上側である正(+)方向と図の下側である負(−)方向とのいずれかの電圧値となる。ここでは映像信号が白の場合と黒の場合の電圧値を示している。映像信号が白の場合は+方向の電圧Vw(+)と−方向の電圧Vw(-)とで極性が反転し、映像信号が黒の場合+方向の電圧Vb(+)と−方向の電圧Vb(-)とで極性が反転する。白と黒の中間のグレーの映像信号では電圧Vw(+),Vw(-)と電圧Vb(+),Vb(-)との中間の電圧値となる。従来においては、図5(A)に示すように、それぞれの画素に印加する駆動電圧をフレーム毎に反転させている。
【0035】
次に、ソースドライバ11及びゲートドライバ12が極性反転周期制御信号に基づいて表示パネル10の画素に印加する駆動電圧の極性を反転させるパターンについて説明する。図6(A)〜(D)は表示パネル10の画素を構成するそれぞれのドットに印加する駆動電圧の極性パターンの例を示している。ここでは簡略化のため表示パネル10の平面的な画素(ドット)配列の一部のみを示している。R,G,Bの3ドットで1画素となる。図6(A)は、1つのライン内でドット毎に極性を“+”と“−”との交互とし、垂直方向にも極性を“+”と“−”との交互としたパターンPA1,PA2を示している。パターンPA2はパターンPA1の極性を反転したものである。図6(B)は、1つのライン内でドット毎に極性を“+”と“−”との交互とし、垂直方向に並んだ全てのラインを同じ極性としたパターンPB1,PB2を示している。パターンPB2はパターンPB1の極性を反転したものである。
【0036】
図6(C)は、1つのライン内でドット毎に極性を“+”と“−”との交互とし、垂直方向には2ラインずつ同じ極性とし、垂直方向に2ライン毎に極性を反転させたパターンPC1,PC2を示している。パターンPC2はパターンPC1の極性を反転したものである。図6(D)は、全ドットの極性を“+”としたパターンPD1と、全ドットの極性を“−”としたパターンPD2とを示している。ここではドット単位で極性を“+”または“−”に設定しているが、画素内では極性を同じとし、画素単位で極性を“+”または“−”に設定してもよい。
【0037】
図6(A)は極性の反転周期が短時間となる(反転周波数が高くなる)ため消費電力が大きくなるが、フリッカが発生しにくく優れた画質を得ることができる。図6(D)はフレーム周波数が低いとフリッカが発生しやすいが、最も低消費電力を実現可能である。本実施形態においては、図6(A)〜(D)のいずれのパターンを採用してもよいが、図6(A)または図6(D)が好ましい。パターンPA1,PB1,PC1,PD1をパターンP1と総称し、パターンPA2,PB2,PC2,PD2をパターンP2と総称することとする。本実施形態においては、パターンP1とパターンP2とを次のように切り換える。
【0038】
図7は、入力映像信号のフレーム周波数が60Hzで180Hzに変換した場合のパターンP1とパターンP2との切り換えの第1例を示している。前述のように従来はパターンP1とパターンP2とをフレーム毎に切り換えるので、それぞれの画素(ドット)に印加する駆動電圧はフレーム毎に反転されることになる。これに対して本実施形態においては、パターンP1とパターンP2とをフレーム毎に切り換えず、パターンP1とパターンP2とを複数フレーム毎に切り換える。第1例では3フレーム毎にパターンP1とパターンP2とを切り換える。この場合、表示パネル10内の任意の1つのドットに注目したとき、そのドットに印加される駆動電圧の極性反転周期は1/30秒(周波数30Hz)となる。
【0039】
図8は、入力映像信号のフレーム周波数が60Hzで180Hzに変換した場合のパターンP1とパターンP2との切り換えの第2例を示している。第2例では2フレーム毎にパターンP1とパターンP2とを切り換える。この場合、表示パネル10内の任意の1つのドットに注目したとき、そのドットに印加される駆動電圧の極性反転周期は1/45秒(周波数45Hz)となる。図7のパターン切り換え方法でフリッカが視認される場合には図8のパターン切り換え方法を採用すればよい。
【0040】
図9は、入力映像信号のフレーム周波数が50Hzで200Hzに変換した場合のパターンP1とパターンP2との切り換えの例を示している。この例では2フレーム毎にパターンP1とパターンP2とを切り換える。この場合、表示パネル10内の任意の1つのドットに注目したとき、そのドットに印加される駆動電圧の極性反転周期は1/50秒(周波数50Hz)となる。図10は、入力映像信号のフレーム周波数が50Hzまたは60Hzであり、いずれも300Hzに変換した場合のパターンP1とパターンP2との切り換えの例を示している。この例では4フレーム毎にパターンP1とパターンP2とを切り換える。この場合、表示パネル10内の任意の1つのドットに注目したとき、そのドットに印加される駆動電圧の極性反転周期は1/37.5秒(周波数37.5Hz)となる。
【0041】
このように、本実施形態の他の1つの特徴は、映像信号のフレーム周波数を増大させ、パターンP1とパターンP2とを複数フレーム毎に切り換える点である。映像信号のフレーム周波数を増大させているので、パターンP1とパターンP2とをフレーム毎に切り換えなくてもフリッカが視認されにくい。パターンP1とパターンP2とを複数フレーム毎に切り換えることのより、消費電力を削減することができる。パターンP1とパターンP2とを何フレーム毎に切り換えるか(即ち、極性反転の周波数を何Hzにするか)は、フリッカが視認されないよう適宜設定すればよい。フリッカが視認されないようにするには、極性反転の周波数を30Hz以上とすることが好ましい。従って、フレーム周波数変換率Kは3またはそれ以上であることが好ましい。極性反転の周波数は固定でもよいが、ユーザが複数の周波数を選択するようにしてもよい。
【0042】
図11は表示パネル10内の任意の1つのドットに印加される駆動電圧の極性の変化の例を示している。図11は、図8,図9のように2フレーム毎にパターンP1とパターンP2とを切り換える場合の例である。フレームNで“+”の駆動電圧が印加されるドットはフレームN+1でも“+”の駆動電圧が印加される。フレームN+2で“−”の駆動電圧が印加され、フレームN+3でも“−”の駆動電圧が印加される。フレームN+4で“+”の駆動電圧が印加され、以降同様に2フレームずつ極性が反転する。この場合、図5(A)と同様に映像信号が白の場合と黒の場合のみ示せば、表示パネル10の画素に印加する駆動電圧の極性は図5(B)に示す状態となる。
【0043】
図6(A)に示すパターンPA1,PA2を用いた場合には、電極駆動制御部9は、フレーム周波数変換部8より出力された映像信号の1フレーム内で、表示パネル10の水平方向及び垂直方向の双方でドットまたは画素毎に正極性電圧と負極性電圧とを交互に印加することになる。また、図6(D)に示すパターンPD1,PD2を用いた場合には、電極駆動制御部9は、1フレーム内で、表示パネル10の全てのドットに対して正極性電圧と負極性電圧とのいずれか一方を印加することになる。
【0044】
このように、電極駆動制御部9は、表示パネル10のそれぞれのドットに対して、中心電圧である共通電圧Vcomに対して正方向の正極性電圧と負方向の負極性電圧とがフレーム周波数変換部8より出力された映像信号の2またはそれ以上のフレーム毎に反転する駆動電圧を印加する駆動電圧印加制御部として動作している。図1に示すように、電極駆動制御部9にはフレーム周波数変換率Kが入力されている。フレーム周波数変換率K、即ち、表示パネル10に表示する映像信号のフレーム周波数に応じて駆動電圧の極性反転周期を適応的に異ならせることが好ましい。ここでは、フレーム周波数変換率Kを電極駆動制御部9に入力しているが、フレーム周波数変換部8より出力された映像信号のフレーム周波数を判別して極性反転周期を適応的に異ならせるようにしてもよい。
【0045】
以上説明したように、本実施形態の映像信号表示装置は、入力映像信号のフレーム周波数(第1のフレーム周波数)を検出し、検出したフレーム周波数に基づいて、表示部(表示パネル10)に表示する映像信号のフレーム周波数(第2のフレーム周波数)として、いくつのフレーム周波数に変換して表示するかを決定する。そして、第2のフレーム周波数の映像信号とするための補間フレームを生成して、実フレーム間に内挿して、第1のフレーム周波数から第2のフレーム周波数にフレーム周波数変換して表示するように構成している。従って、表示部の表示能力を十分に発揮でき、異なる複数のフレーム周波数を有する映像信号それぞれを高画質に表示することが可能となる。
【0046】
また、本実施形態の映像信号表示装置は、表示部が、画素を構成するドットが水平方向及び垂直方向にマトリクス状に配列された表示パネル10の場合、表示パネル10のそれぞれのドットに対して、中心電圧に対して正極性電圧と負極性電圧とが第2のフレーム周波数を有する映像信号の2またはそれ以上のフレーム毎に反転する駆動電圧を印加するように構成している。従って、表示パネル10の画面の焼き付きや表示パネル10を構成する材料の劣化を抑えることができ、しかも、1フレーム毎に極性を反転する場合と比較して消費電力や発熱の増加を抑えることが可能となる。また、第2のフレーム周波数に応じて駆動電圧の極性反転周期を適応的に異ならせることにより、それぞれの第2のフレーム周波数に応じた最適な極性反転周期とすることができる。
【0047】
ところで、本実施形態の映像信号表示装置においては、入力源23から複数のフレーム周波数を有する映像信号が入力される構成に対して、表示パネル10のそれぞれのドットに印加する駆動電圧を複数フレーム毎に反転する構成としたが、単一のフレーム周波数を有する映像信号のみが入力される構成においても、表示パネル10のそれぞれのドットに印加する駆動電圧を複数フレーム毎に反転する構成を採用することにより、上記の効果を奏することができる。単一のフレーム周波数を有する映像信号のみが入力される構成においては、フレーム周波数検出部5及びフレーム周波数変換率決定部6は削除可能である。
【0048】
複数のフレーム周波数を有する映像信号が入力される構成、単一のフレーム周波数を有する映像信号のみが入力される構成のいずれであっても、フレーム周波数をK倍(Kは2以上の整数)にフレーム周波数変換して表示するので、フリッカが発生しにくく優れた画質を得ることができる。フリッカを視認しにくくするという点からすれば、フレーム周波数が50Hzまたは60Hzであれば、フレーム周波数変換率Kを3以上として、フレーム周波数を3倍以上にフレーム周波数変換することが好ましい。
【0049】
本発明は以上説明した本実施形態に限定されることはなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能である。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の一実施形態の映像信号表示装置を示すブロック図である。
【図2】図1中のフレーム周波数変換率決定部6が備える周波数変換テーブル61の例を示す図である。
【図3】図1中の補間フレーム生成部7による補間フレームの生成を説明するための図である。
【図4】フレーム周波数変換と映像信号のぼけ幅との関係を説明するための図である。
【図5】表示パネル10のドットに印加する駆動電圧の極性反転を説明するための図である。
【図6】表示パネル10のドットに印加する駆動電圧の極性パターンの例を示す図である。
【図7】入力映像信号のフレーム周波数が60Hzで180Hzにフレーム周波数変換した場合の極性パターンの切り換えの第1例を示す図である。
【図8】入力映像信号のフレーム周波数が60Hzで180Hzにフレーム周波数変換した場合の極性パターンの切り換えの第2例を示す図である。
【図9】入力映像信号のフレーム周波数が50Hzで200Hzにフレーム周波数変換した場合の極性パターンの切り換えの例を示す図である。
【図10】入力映像信号のフレーム周波数が50Hzまたは60Hzで300Hzにフレーム周波数変換した場合の極性パターンの切り換えの例を示す図である。
【図11】表示パネル10内の任意の1つのドットに印加される駆動電圧の極性の変化の例を示す図である。
【符号の説明】
【0051】
2 チューナ
3 外部入力端子
4 スイッチ
5 フレーム周波数検出部
6 フレーム周波数変換率決定部
7 補間フレーム生成部
8 フレーム周波数変換部
9 電極駆動制御部
10 表示パネル
11 ソースドライバ
12 ゲートドライバ
23 入力源
61 周波数変換率テーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに異なる複数の第1のフレーム周波数を有する映像信号を入力する入力源と、
前記入力源より入力された映像信号が有する前記第1のフレーム周波数を検出するフレーム周波数検出部と、
前記映像信号を前記第1のフレーム周波数より高い第2のフレーム周波数で表示する表示部と、
前記フレーム周波数検出部によって検出された前記第1のフレーム周波数に基づいて、前記複数の第1のフレーム周波数毎に、前記映像信号を前記表示部に前記第2のフレーム周波数としていくつのフレーム周波数に変換して表示するかを決定する決定部と、
前記決定部による決定結果に基づいて、前記映像信号の隣接する実フレーム間に内挿する1または複数の補間フレームを生成する補間フレーム生成部と、
前記実フレーム間に前記補間フレームを内挿した映像信号を前記第2のフレーム周波数に変換するフレーム周波数変換部と
を備えることを特徴とする映像信号表示装置。
【請求項2】
前記決定部は、前記複数の第1のフレーム周波数それぞれに対して、前記表示部の最大応答フレーム周波数を超えない範囲で最も高いフレーム周波数を前記第2のフレーム周波数として決定することを特徴とする請求項1記載の映像信号表示装置。
【請求項3】
前記決定部は、前記複数の第1のフレーム周波数毎に前記第1のフレーム周波数を何倍にするかを示すフレーム周波数変換率を決定することを特徴とする請求項1または2に記載の映像信号表示装置。
【請求項4】
前記決定部は、前記複数の第1のフレーム周波数と前記フレーム周波数変換率とを対応させた周波数変換率テーブルを記憶し、この周波数変換率テーブルに基づいて前記複数の第1のフレーム周波数毎に前記フレーム周波数変換率を決定することを特徴とする請求項3記載の映像信号表示装置。
【請求項5】
前記表示部は、画素を構成するドットが水平方向及び垂直方向にマトリクス状に配列された表示パネルであり、
前記表示パネルのそれぞれのドットに対して、中心電圧に対して正方向の正極性電圧と前記中心電圧に対して負方向の負極性電圧とが前記第2のフレーム周波数を有する映像信号の2またはそれ以上のフレーム毎に反転する駆動電圧を印加する駆動電圧印加制御部を備えることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の映像信号表示装置。
【請求項6】
前記駆動電圧印加制御部は、前記第2のフレーム周波数を有する映像信号の1フレーム内で、前記表示パネルの水平方向及び垂直方向の双方でドットまたは画素毎に前記正極性電圧と前記負極性電圧とを交互に印加することを特徴とする請求項5記載の映像信号表示装置。
【請求項7】
前記駆動電圧印加制御部は、前記第2のフレーム周波数を有する映像信号の1フレーム内で、前記表示パネルの全てのドットに対して前記正極性電圧と前記負極性電圧とのいずれか一方を印加することを特徴とする請求項5記載の映像信号表示装置。
【請求項8】
前記駆動電圧印加制御部は、前記駆動電圧の極性反転周期を前記第2のフレーム周波数に応じて適応的に切り換えることを特徴とする請求項5記載の映像信号表示装置。
【請求項9】
互いに異なる複数の第1のフレーム周波数を有する映像信号の内のいずれかの映像信号を選択的に入力する映像信号入力ステップと、
前記映像信号入力ステップにて入力された映像信号が有する第1のフレーム周波数を検出するフレーム周波数検出ステップと、
前記フレーム周波数検出ステップにて検出された前記第1のフレーム周波数に基づいて、前記第1のフレーム周波数を有する映像信号を前記第1のフレーム周波数より高い第2のフレーム周波数としていくつのフレーム周波数に変換するかを決定する決定ステップと、
前記決定ステップによる決定結果に基づいて、前記映像信号の隣接する実フレーム間に内挿する1または複数の補間フレームを生成する補間フレーム生成ステップと、
前記実フレーム間に前記補間フレームを内挿した映像信号を前記第2のフレーム周波数に変換するフレーム周波数変換ステップと、
前記フレーム周波数変換ステップにて前記第2のフレーム周波数に変換された映像信号を表示部に表示する表示ステップと
を含むことを特徴とする映像信号表示方法。
【請求項10】
前記決定ステップは、前記表示部の最大応答フレーム周波数を超えない範囲で最も高いフレーム周波数を前記第2のフレーム周波数として決定することを特徴とする請求項9記載の映像信号表示方法。
【請求項11】
前記決定ステップは、前記第1のフレーム周波数を何倍にするかを示すフレーム周波数変換率を決定することを特徴とする請求項9または10に記載の映像信号表示方法。
【請求項12】
前記決定ステップは、前記複数の第1のフレーム周波数と前記複数の第1のフレーム周波数毎に設定されたフレーム周波数変換率とを対応させた周波数変換率テーブルを参照して、前記フレーム周波数検出ステップにて検出された前記第1のフレーム周波数に対するフレーム周波数変換率を決定することを特徴とする請求項11記載の映像信号表示方法。
【請求項13】
前記表示部は、画素を構成するドットが水平方向及び垂直方向にマトリクス状に配列された表示パネルであり、
前記表示ステップは、前記表示パネルのそれぞれのドットに対して、中心電圧に対して正方向の正極性電圧と前記中心電圧に対して負方向の負極性電圧とが前記第2のフレーム周波数を有する映像信号の2またはそれ以上のフレーム毎に反転する駆動電圧を印加して前記第2のフレーム周波数を有する映像信号を表示することを特徴とする請求項9ないし12のいずれか1項に記載の映像信号表示方法。
【請求項14】
前記表示ステップは、前記第2のフレーム周波数を有する映像信号の1フレーム内で、前記表示パネルの水平方向及び垂直方向の双方でドットまたは画素毎に前記正極性電圧と前記負極性電圧とを交互に印加することを特徴とする請求項13記載の映像信号表示方法。
【請求項15】
前記表示ステップは、前記第2のフレーム周波数を有する映像信号の1フレーム内で、前記表示パネルの全てのドットに対して前記正極性電圧と前記負極性電圧とのいずれか一方を印加することを特徴とする請求項13記載の映像信号表示方法。
【請求項16】
前記表示ステップは、前記駆動電圧の極性反転周期を前記第2のフレーム周波数に応じて適応的に切り換えることを特徴とする請求項13記載の映像信号表示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−3420(P2009−3420A)
【公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−103289(P2008−103289)
【出願日】平成20年4月11日(2008.4.11)
【出願人】(000004329)日本ビクター株式会社 (3,896)
【Fターム(参考)】