説明

映像情報管理システム

【課題】 専用のサーバを設けること無く、監視カメラ等が撮像した映像をアップロードしてWAN上のサーバに保存でき、その保存された映像を携帯端末等にダウンロードして見ることができる映像情報管理システムを提供する。
【解決手段】 WAN2上に設けたサーバ1に映像データをアップロードする映像データ送信装置3と、サーバ1から映像データをダウンロードする映像データ受信装置5とを有し、映像データ送信装置3は、カメラ4が撮像した映像データを圧縮する映像圧縮部11と、圧縮後の映像データを一時保管する映像データ保管部12と、映像データに暗号鍵を付与する鍵付与部13bと、映像データをサーバに出力する映像データ出力部13とを備える一方、映像データ受信装置5は、サーバ1から映像データをダウンロードする映像データ受信部と、付与された暗号鍵を解除する鍵解除部と、映像データを表示する映像表示部とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、防犯カメラや監視カメラの撮像映像を携帯端末等を使用して遠隔地で確認できる映像情報管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
WANの1つであるインターネットを利用して、カメラの撮像映像をインターネット上に配置したサーバにアップロードして保存し、任意の時刻に携帯端末等でサーバにアクセスして保存されている映像をダウンロードし、来訪者や不審者等を確認するシステムがある。
例えば、特許文献1に記載されたテレビインターホンシステムでは、留守中に来訪者があったら、撮像した来訪者映像をサーバにアップロードして保存され、携帯端末を使用して外出先からこのサーバにアクセスすることで、来訪者の録画画像をダウンロードして確認することを可能としている。
【特許文献1】特開2003−283696号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記特許文献1のシステムは、外出先から来訪者の録画画像を見ることができるが、インターネット上に設置されるサーバは専用のものが必要であったため、コストが掛かり容易に実施できるシステムではなかった。
【0004】
そこで、本発明はこのような問題点に鑑み、専用のサーバを必要とせず、監視カメラ等が撮像した映像をアップロードしてWAN上に設けられた既存のサーバに保存でき、その保存された映像を携帯端末等にダウンロードして見ることができる映像情報管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する為に、請求項1の発明は、WAN上に設置されたサーバに映像データをアップロードする映像データ送信装置と、サーバから映像データをダウンロードする映像データ受信装置とを有し、映像データ送信装置は、来訪者や不審者を撮像するためのカメラが接続され、カメラが撮像して出力した映像データを圧縮する映像圧縮部と、圧縮後の映像データを一時保管する映像データ保管部と、映像データに暗号鍵を付加する鍵付与部と、映像データをサーバに出力する映像データ出力部とを備えると共に、映像データ受信装置は、サーバから映像データをダウンロードする映像データ受信部と、暗号鍵が付与された映像データを解読する鍵解読部と、鍵解読部が解読した映像データを表示する映像表示部とを備えて成ることを特徴とする。
【0006】
この構成によれば、カメラが撮像した映像を圧縮して一時保存しておき、実時間ではない任意のタイミングでインターネット等のWAN上のサーバへアップロードすることが可能となるため、圧縮時間や送信時間に囚われず、映像データの送信を実施でき、例えばインターネット上の汎用サーバが実施している無料動画配信サービスを利用することが可能となる。
その結果、専用のサーバを設置すること無く特定のカメラの撮像映像を携帯端末等で確認することができ、専用サーバを使用する構成に比べて大幅なコストダウンを実現できる。そして、暗号鍵が付与されるので、無料動画配信サービスを利用してもアップロードした映像を第三者が容易に見ることが難しくプライバシーを保護できる。
【0007】
請求項2の発明は、WAN上に設置されたサーバに映像データをアップロードする映像データ送信装置と、サーバから映像データをダウンロードする映像データ受信装置とを有し、映像データ送信装置は、来訪者や不審者を撮像するためのカメラが接続され、カメラが撮像して出力した映像データを圧縮する映像圧縮部と、圧縮後の映像データを一時保管する映像データ保管部と、映像データの名称に乱数を含むキーワードを添付する名称設定部と、名称設定された映像データをサーバに出力する映像データ出力部とを備えると共に、映像データ受信装置は、サーバから映像データをダウンロードする映像データ受信部と、名称設定部で設定された名称を検索する検索部と、検索してダウンロードした映像データを表示する映像表示部とを備えて成ることを特徴とする。
【0008】
この構成によれば、カメラが撮像した映像を圧縮して一時保存しておき、実時間ではない任意のタイミングでインターネット等のWAN上のサーバへアップロードすることが可能となるため、圧縮時間や送信時間に囚われず、映像データの送信を実施でき、例えばインターネット上の汎用サーバが実施している無料動画配信サービスを利用することが可能となる。
その結果、専用のサーバを設置すること無く特定のカメラの撮像映像を携帯端末等で確認することができ、専用サーバを使用する構成に比べて大幅なコストダウンを実現できる。そして、映像データに乱数を含むキーワードが付加されて名称が設定されることにより、無料動画配信サービスを利用しても、キーワード検索することが難しく第三者が見ることが難しくプライバシーを保護できる。
【0009】
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、WAN上には複数のサーバが設置されると共に、映像データ出力部は複数のサーバのアドレスを記憶し、映像データのアップロード先をその何れかに選択するサーバ選択部、及び選択したサーバに合わせてプロトコルを変更するプロトコル変更部を有し、選択したサーバへのアップロード操作にエラーが発生した場合、映像データ出力部は、アップロード先のサーバを変更して映像データのアップロードを再実施することを特徴とする。
この構成によれば、アップロードにエラーが発生した場合は、アップロード先のサーバを変更することができるため、カメラの撮像映像が見られない事態を防ぐことができる。そして、その際変更先のサーバのプロトコルが異なっていても、プロトコルを変更することが可能なため、アップロード先のサーバが使用しているプロトコルに囚われずアップロードを実施できる。
【0010】
請求項4の発明は、請求項3に記載の発明において、映像データ出力部は、サーバにアップロードして保存された映像データをダウンロードして確認する送信確認部を有し、ダウンロードできなかった場合にアップロードエラー発生と判断してアップロード先のサーバを変更することを特徴とする。
この構成によれば、送信状態をダウンロードすることで確認するので、エラーの発生を確実に認識でき、映像データは何れかのサーバに間違いなくアップロードされる。
【0011】
請求項5の発明は、請求項3又は4に記載の発明において、プロトコル変更部は、映像データをアップロードするサーバに対応するプロトコルを、WAN経由でサーバから入手することを特徴とする。
この構成によれば、映像データ出力部が出力しようとしている映像データが、アップロード先のサーバに対応するプロトコルで構成されていない場合でも、容易にプロトコルを変更でき、映像データを送信できる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、圧縮時間や送信時間に捉われずアップロードをすることができるため、インターネット等のWAN上の汎用サーバが実施している無料動画配信サービスを利用して、特定のカメラの撮像映像を携帯端末等で確認でき、専用サーバを使用する構成に比べて大幅なコストダウンを実現できる。そして、暗号鍵等が付加されるので、無料動画配信サービスを利用してもアップロードした映像を第三者が容易に見ることが難しくプライバシーを保護できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明を具体化した実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明に係る映像情報管理システムの構成を示す説明図であり、1は映像データを保存して管理するためにインターネット等のWAN2上に設置されたサーバ(第1サーバ1aと第2サーバ1b)、3はサーバ1にWAN2を介して映像データをアップロードする映像データ送信装置、4は映像データ送信装置に接続されたカメラ、5はWAN2を介してサーバ2から映像データをダウンロードする映像データ受信装置である。
【0014】
〈第1実施形態〉
そして、図2は映像データ送信装置3のブロック図、図3は映像データ受信装置5のブロック図であり、本発明の第1実施形態を示している。図2に示すように、映像データ送信装置3は、カメラ4からのアナログ映像信号、若しくはデジタル映像信号を入力する映像入力部10と、映像圧縮を行う映像圧縮部11と、映像圧縮後のデータを一時保管する映像データ保管部12と、映像データをWAN2へ出力する映像データ出力部13と、利用者により設定された複数の出力先サーバを記憶するサーバ設定部14とを備えている。そして、映像データ出力部13は、アップロード先に応じてプロトコルの変更制御を行うプロトコル変更部13a、アップロードする映像データに暗号鍵を付与する鍵付与部13bを備えている。尚、ここでは、サーバ設定部14において設定されたサーバ1は、第1サーバ1aと第2サーバ1bであり、第1サーバを優先使用する設定となっている。
【0015】
映像データ受信装置5は、図3に示すようにサーバ1から映像データをダウンロードする映像データ受信部18と、接続先サーバを利用者が選択するためのサーバ選択部19と、圧縮された映像の展開を行う映像展開部20と、映像を表示する映像表示部21とを備えている。そして、映像データ受信部18は、ダウンロードした映像信号に付与されている暗号鍵を解除する鍵解除部18aを備えている。
【0016】
このように構成された映像情報管理システムの動作は以下のようである。映像データ送信装置3の映像入力部10は、カメラ4からNTSC信号、またはYCbCrデジタル信号が入力され、映像圧縮部11の入力インターフェースへ適合する映像信号へフォーマット変換を行う。映像圧縮部11は、映像圧縮部11に予め設定された圧縮方式、例えばH.264、MPEG4などの圧縮コーデックを選択して入力された映像信号の圧縮を行い、映像データ保管部12へ出力する。
映像データ保管部12へ出力された映像データは、映像データ出力部13に内蔵された鍵付与部13bにより、暗号鍵を用いて暗号化した後にサーバ設定部14にて設定された出力先である例えば第1サーバ1aにWAN2を介してアップロードする。
【0017】
尚、暗号鍵は、例えばパスワード付zipファイルが使用できるし、映像のプロトコルを独自フォーマットにしても良い。また、映像データ出力部13は、サーバ設定部14にて設定された出力先サーバに対応する汎用サービスAPI等のプロトコルに従い映像データをフォーマットして出力する。
【0018】
映像データ出力部13は送信確認機能を有し、アップロードして第1サーバ1aに保存された映像データはダウンロードして確認が成される。この確認操作はアップロードが終了した直後に実施され、ダウンロードした映像データは、映像データ保管部12に保管されている映像データ(アップロードしたデータ)と比較され、確実にアップロード出来たか確認がなされる。これは、アップロード先に安価な汎用動画配信サービスを使用した場合、トラフィックが集中するとアップロードに失敗することがあるため、アップロードに失敗したか否かの確認作業を行うのが好ましいためで、映像データ出力部が自身がアップロードした映像データをダウンロードして読み込みを行なうことによって、正しく送信できたか確実に確認できる。
【0019】
尚、この送信確認は、動画として全体を確認する必要はなく、動画を構成する最初のフレームのみ確認するだけでも良く、例えば30フレーム/秒で映像が送信される場合は1/30秒分の映像データを確認するだけでも良い。
【0020】
そして、この確認の結果、アップロードした映像データが第1サーバ1aに正しく保存できなかったことが判明した場合には、出力先のサーバ1aは使用できないと判断して、アップロード先をサーバ設定部14で登録した他のサーバ1である第2サーバ1bに移行する。このとき、送信する映像データがアップロード先のプロトコルに準拠していない場合は、プロトコル変更部13aによりアップロード先である第2サーバ1bからプロトコルをダウンロードしてフォーマットし直してアップロードを実施する。
【0021】
図4はこの一連の流れを示している。最初に、映像データのアップロード先となるサーバ1を探し(S1)、確認したら映像データを送信して保存操作する(S2)。保存操作が終了したら、その保存データを今度は読み込み(S3)、保存操作前の映像データと比較し(S4)、合致したら読み込み成功と判断してアップロード操作を終了する(S5)。合致しなかったら読み込み失敗と判断して、サーバ設定部14において設定されている新たなサーバ1を探し(S6)、映像データの保存操作(S2)を繰り返す。
【0022】
尚、上記実施形態は、映像データをアップロードする時点でプロトコルを認識する構成となっているが、安価な汎用動画配信サービスでは、随時新設と廃止を繰り返しているし、既存の汎用動画配信サービスもプロトコルを変更することがあるため、登録されているアップロード先、及びそのサーバに対応する汎用サービスAPI等のプロトコルを定期的にチェックすることが望ましく、プロトコル変更があった場合はその時点でダウンロードしても良い。
【0023】
こうしてサーバ1に保存された映像データは、次のように映像データ受信装置5でダウンロードされる。映像データ受信部18は、サーバ選択部19による設定に従って映像データ送信装置2が映像データをアップロードしたサーバ1にアクセスして、映像データの有無を確認する。ここでは、第1サーバ1aにアクセスして映像データが存在することを確認する。映像データがあることを確認すると、映像データをダウンロードする。こうしてダウンロードされた映像データは暗号鍵により暗号化されているので、鍵解除部18aが解読鍵を用いてダウンロードされた映像データのファイルを解読し(暗号鍵を解除し)、映像展開部20で解読された映像データが復号される。こうして、映像表示部21でダウンロードした映像が表示される。
【0024】
このように、カメラが撮像した映像を圧縮して一時保存しておき、実時間ではない任意のタイミングでインターネット等のWAN上のサーバへアップロードするため、圧縮時間や送信時間に囚われず、映像データの送信を実施でき、インターネット上の汎用サーバが実施している無料動画配信サービスを利用することが可能となる。その結果、専用のサーバを設置すること無く特定のカメラの撮像映像を携帯端末等で確認することができ、専用サーバを使用する構成に比べて大幅なコストダウンを実現できる。
そして、暗号鍵が付与されるので、無料動画配信サービスを利用してもアップロードした映像を第三者が容易に見ることが難しくプライバシーを保護できる。
【0025】
また、アップロードにエラーが発生した場合は、アップロード先のサーバを変更して実施するので、カメラの撮像映像が見られない事態を防ぐことができる。その際、映像データ出力部が出力しようとしている映像データが、アップロード先のサーバに対応するプロトコルで構成されていない場合でも、容易にプロトコルを変更でき、映像データを送信できる。
更に、送信状態をダウンロードすることで確認するので、エラーの発生を確実に認識でき、映像データは何れかのサーバに間違いなくアップロードされる。
【0026】
〈第2実施形態〉
図5は映像データ送信装置3の他の例を示すブロック図、図6は映像データ受信装置5の他の例を示すブロック図であり、本発明の第2の実施形態を示している。
映像データ送信装置3は、映像入力部10と、映像圧縮部11と、映像データ保管部12と、映像データ出力部25と、サーバ設定部14とを有し、映像データ出力部25には名称を自動設定する名称設定部25a、乱数を発生する乱数発生部25bが内蔵されている。尚、上記図2と同様の動作を行なうものについては、同一の符号を附して説明を省略する。また、システム全体の構成は上記図1と同様である。
【0027】
名称設定部25aは、機器の製造番号等の固有番号を用いて他の機器と重複しないようなファイル名或いはタイトルを設定し、WANを使用する他の一般利用者に検索され難いように、後述する方法により名称に冗長性を持たせる。映像データ出力部25は、ファイル名或いはタイトルが設定されたら、WAN2を介してサーバ1へ出力する。
この名称設定は、アップロード先のサーバが動画配信サービスを実施する汎用サーバである場合、ファイル名やタイトルが特定されると誰でも閲覧することができてしまう問題があるために行われるもので、アップロードする映像データのファイル名やタイトルを複雑にすることで、検索で特定され難くなる。
【0028】
映像データ受信装置5は、映像データ受信部26と、アクセスするサーバ1を利用者が設定するサーバ選択部19と、圧縮された映像の展開を行う映像展開部20と、映像を表示する映像表示部21とを有し、映像データ受信部26には、映像データの存在を検索する検索部26aが内蔵されている。尚、上記図3と同様の動作を行なうものについては、同一の符号を附して説明を省略する。
【0029】
このように構成された映像情報管理システムの動作は以下のようである。カメラ4が撮像した映像は、映像入力部10、映像圧縮部11を介して映像データ保管部12に伝送される。映像データ保管部12へ出力された映像データは、映像データ出力部25が名称を添付してWAN2に出力する。このとき、映像データ出力部25は、内蔵された名称設定部25aにより、ファイルやタイトル等の名称にキーワードを添付すると共に乱数を用いて冗長性を持たせる。例えば、ファイル名に「SA M PLE」というキーワードを付加し、2箇所のブランク部分に乱数発生部で発生させた1桁の数値をそれぞれ挿入し、例えば「SA7M2PLE」として名称を作成し、アップロードする。アップロードされた映像データは、サーバ設定部14にて設定された出力先である例えば第1サーバ1aに保存される。
【0030】
尚、映像データ出力部25は、サーバ設定部14にて設定された出力先サーバに対応する汎用サービスAPI等のプロトコルに従い映像データをフォーマットして出力する。
【0031】
そして、映像データ出力部25は、上記実施形態と同様に送信確認機能を有し、アップロードして第1サーバ1aに保存された映像データはダウンロードして確認が成される。この確認の結果、アップロードした映像データが第1サーバ1aに正しく保存できなかったことが判明した場合には、出力先のサーバ1aは使用できないと判断して、アップロード先をサーバ設定部14で登録した他のサーバ1である第2サーバ1bに移行する。尚、送信する映像データがアップロード先のプロトコルに準拠していない場合は、図示しないプロトコル変更部がアップロード先である第2サーバ1bからプロトコルをダウンロードしてフォーマットし直してアップロードを実施する。
【0032】
サーバ1に保存された映像データは、映像データ受信装置5で次のようにダウンロードされる。映像データ受信部26は、サーバ選択部19の設定内容に従って、映像データ送信装置3が映像データをアップロードした所定のサーバ1(ここでは第1サーバ1a)にアクセスし、検索部26aが名称設定部25aで名づけたファイル名等の名称を推測して、部分検索等の検索方法で検索することにより、ファイルの有無を確認する。例えば、「SA M PLE」の2箇所のブランクに任意の数値を順次入れて検索が成される。
検索の結果、「SA7M2PLE」を有するファイル名の映像データがサーバ1に存在されていることを確認したら、映像データ受信部26は映像データをダウンロードする。ダウンロードされた映像データは、映像展開部20で復号され、表示部21で映像が表示される。
【0033】
このように、カメラが撮像した映像を圧縮して一時保存しておき、実時間ではない任意のタイミングでインターネット等のWAN上のサーバへアップロードするため、圧縮時間や送信時間に囚われず、映像データの送信を実施でき、インターネット上の汎用サーバが実施している無料動画配信サービスを利用することが可能となる。その結果、専用のサーバを設置すること無く特定のカメラの撮像映像を携帯端末等で確認することができ、専用サーバを使用する構成に比べて大幅なコストダウンを実現できる。
そして、映像データに乱数を含むキーワードが付加されて名称が設定されることにより、無料動画配信サービスを利用しても、キーワード検索することが難しく第三者が見ることが難しくプライバシーを保護できる。
【0034】
尚、この第2実施形態ではファイル名等を特定のキーワードに乱数を加えて作成し、検索部がそのファイル名等を推測により検索しているが、サーバ設定部14が検索部26aに対してファイル名等を通知することによって、検索を容易とする方法も好適である。
また、上記第1及び第2実施形態は、何れも映像データ送信装置3はカメラ4を別体としているが、一体の構成としても良い。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明の映像情報管理システムは、インターホンシステムに適用してカメラ4が来訪者を撮像するよう構成し、映像データ送信装置3をインターホン親機に接続或いは組み込み、映像データ受信装置5を携帯電話等の携帯端末とすれば、外出先で来訪者を確認できるため好適であるし、人感センサを備えたカメラ等が不審者を撮像した場合の映像データ管理に適用できる。更には、カメラの撮像映像に限らず、映像データを特定の相手に送信する場合に安価な送信システムとして使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明に係る映像情報管理システムの第1実施形態を示す概略図である。
【図2】図1の映像データ送信装置のブロック図である。
【図3】図1の映像データ受信装置のブロック図である。
【図4】映像データ送信装置の動作の流れを示すフローチャートである。
【図5】映像情報管理システムの第2実施形態を示す映像データ送信装置のブロック図である。
【図6】映像情報管理システムの第2実施形態を示す映像データ受信装置のブロック図である。
【符号の説明】
【0037】
1・・サーバ、1a・・第1サーバ、1b・・第2サーバ、2・・WAN、3・・映像データ送信装置、4・・カメラ、5・・映像データ受信装置、10・・映像入力部、11・・映像圧縮部、12・・映像データ保管部、13・・映像データ出力部(送信確認部)、13a・・プロトコル変更部、13b・・鍵付与部、14・・サーバ設定部、18・・映像デー受信部、18a・・鍵解除部、19・・サーバ選択部、20・・映像展開部、21・・映像表示部、25・・映像データ出力部(送信確認部)、25a・・名称設定部、26・・映像データ受信部、26a・・検索部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
WAN上に設置されたサーバに映像データをアップロードする映像データ送信装置と、前記サーバから映像データをダウンロードする映像データ受信装置とを有し、
前記映像データ送信装置は、来訪者や不審者を撮像するためのカメラが接続され、前記カメラが撮像して出力した映像データを圧縮する映像圧縮部と、圧縮後の映像データを一時保管する映像データ保管部と、映像データに暗号鍵を付加する鍵付与部と、映像データを前記サーバに出力する映像データ出力部とを備えると共に、
前記映像データ受信装置は、前記サーバから映像データをダウンロードする映像データ受信部と、前記暗号鍵が付与された映像データを解読する鍵解読部と、前記鍵解読部が解読した映像データを表示する映像表示部とを備えて成ることを特徴とする映像情報管理システム。
【請求項2】
WAN上に設置されたサーバに映像データをアップロードする映像データ送信装置と、前記サーバから映像データをダウンロードする映像データ受信装置とを有し、
前記映像データ送信装置は、来訪者や不審者を撮像するためのカメラが接続され、前記カメラが撮像して出力した映像データを圧縮する映像圧縮部と、圧縮後の映像データを一時保管する映像データ保管部と、映像データの名称に乱数を含むキーワードを添付する名称設定部と、名称設定された映像データを前記サーバに出力する映像データ出力部とを備えると共に、
前記映像データ受信装置は、前記サーバから映像データをダウンロードする映像データ受信部と、前記名称設定部で設定された名称を検索する検索部と、検索してダウンロードした映像データを表示する映像表示部とを備えて成ることを特徴とする映像情報管理システム。
【請求項3】
WAN上には複数のサーバが設置されると共に、前記映像データ出力部は前記複数のサーバのアドレスを記憶し、映像データのアップロード先をその何れかに選択するサーバ選択部、及び選択したサーバに合わせてプロトコルを変更するプロトコル変更部を有し、
選択したサーバへのアップロード操作にエラーが発生した場合、前記映像データ出力部は、アップロード先のサーバを変更して映像データのアップロードを再実施することを特徴とする請求項1又は2記載の映像情報管理システム。
【請求項4】
前記映像データ出力部は、前記サーバにアップロードして保存された映像データをダウンロードして確認する送信確認部を有し、ダウンロードできなかった場合にアップロードエラー発生と判断してアップロード先のサーバを変更することを特徴とする請求項3記載の映像情報管理システム。
【請求項5】
前記映像データ出力部は、映像データをアップロードするサーバに対応するプロトコルをWAN経由で前記サーバから入手するプロトコル入手手段を有することを特徴とする請求項3又は4記載の映像情報管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−56894(P2010−56894A)
【公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−219776(P2008−219776)
【出願日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【出願人】(000100908)アイホン株式会社 (777)
【Fターム(参考)】