説明

映像生成方法、映像配信方法および記録媒体

【課題】講師を講義用資料とともに撮影することができ、受講者を講義に容易に集中させる。
【解決手段】講義用資料画像の電子データをフロントプロジェクタ2へ送り、フロントプロジェクタ2から投影スクリーンとなるホワイトボード3上に講義用資料画像を投影し、講師4がホワイトボード3上の講義用資料画像に重ね書きする状態で説明用の文字または図形を手書きで書き入れながら、講師4が講義用資料画像に基づいた講義を行い、ホワイトボード3を使用した講義風景を講師4とともにデジタルビデオカメラ5で撮影することにより講義風景の動画映像を生成し、インターネットなどの通信回線を介して受講生へ配信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、学習塾などにおける授業映像を生成する映像生成方法に関するものである。また、本発明は、学習塾などにおける授業映像を生成してインターネットなどの通信回線を通じてライブ配信する映像配信方法に関するものである。さらに、本発明は、上記映像生成方法により生成した授業映像を記録した記録媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の授業映像を生成する映像生成方法としては、例えば特許文献1に記載されたものがある。この映像生成方法では、例えば図5に示すように、撮影用テーブル(図示せず)の上に載せた紙の講義用資料101の画像を撮影用テーブル(図示せず)の上方に設置したデジタルビデオカメラ102で動画撮影する。また、動画撮影中に、講師103の音声をマイク(マイク)で拾って講義用資料101の映像と合成し、記録媒体(図示せず)に記録する。講師103は、講義用資料101の特定位置を教鞭で指し示しながら講義用資料101に基づいて講義をし、その様子が逐一デジタルビデオカメラ102で撮影される。
【0003】
また、講義中に講義用資料101上に、図6に示すように、講義用資料101上にペン104を用いて講義に関連する文字または図形などが手書きで書き入れられる場合もある。このように、講義用資料101に手書きで書き入れられた文字または図形なども、デジタルビデオカメラ102によって講義用資料101とともに撮影される。
【特許文献1】特開2002−139982号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の映像生成方法は、講義中の講師の映像が撮影されていない。そのため、上記従来方法で生成した授業映像を学習塾内でテレビ画面上に再生して塾生に視聴させたり、家庭内でテレビ画面上に授業映像を再生して塾生に視聴させたりした場合、塾生を講義内容に集中させることが容易でないという課題がある。
【0005】
また、講義用資料101は、ひとつの講義で、何回も画面を切り替える(ロールアップ)ことが通常行われるが、紙の講義用資料101は差し替えが容易でなく、画面の切り替えがスムーズに行えないという問題があった。
【0006】
また、講義用資料101が紙製であるので、講義用資料101の作成の自由度が少ないという問題があった。
【0007】
したがって、本発明の目的は、講師を講義用資料とともに撮影することができ、受講者を講義に容易に集中させることができる映像生成方法および映像配信方法を提供することである。
【0008】
本発明の他の目的は、講義用資料上へ書き込んだ文字または図形も併せて撮影することができる映像生成方法および映像配信方法を提供することである。
【0009】
本発明のさらに他の目的は、講義用資料の画面の切り替えをスムーズに行うことができる映像生成方法および映像配信方法を提供することである。
【0010】
本発明のさらに他の目的は、講義用資料の作成の自由度を高めることができる映像生成方法および映像配信方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明の映像生成方法は、講義用資料画像の電子データを画像情報表示手段へ送り、画像情報表示手段の表示画面上に講義用資料画像を表示し、講師が画像情報表示手段の表示画面上に講義用資料画像に重ね書きする状態で文字または図形を手書きで書き入れながら、講師が講義用資料画像に基づいた講義を行い、画像情報表示手段の表示画面を使用した講義風景を前記講師とともに撮影することにより講義風景の動画映像を生成する。
【0012】
この方法によれば、画像情報表示手段の表示画面上に講義用資料画像を表示しながら、講師による画像情報表示手段の表示画面を使用した講義風景を撮影するので、講師を講義用資料とともに撮影することができる。したがって、講師が目の前で講義をする場合に近い臨場感を受講者に与えることができ、受講者を講義に容易に集中させることができる。また、画像情報表示手段の表示画面上に講義用資料画像を表示しながら、講師が画像情報表示手段の表示画面上に講義用資料画像に重ね書きする状態で文字または図形を手書きで書き入れ、その状態を撮影するので、講義用資料上へ書き込んだ文字または図形も併せて撮影することができる。また、講義用資料画像の電子データを画像情報表示手段へ送り、画像情報表示手段の表示画面上に講義用資料画像を表示するので、電子データを切り替えることにより講義用資料の画面の切り替えを行うことができ、したがって資料用紙を差し替える場合とは異なり講義用資料の画面の切り替えをスムーズに行うことができる。また、講義用資料画像の電子データを画像情報投影手段へ送るので、紙面に講義用資料画像を作成するのとは異なり、講義用資料の作成の自由度を高めることができる。
【0013】
上記映像生成方法においては、画像情報表示手段は、講義用資料画像の電子データが供給される画像情報投影手段と、画像情報投影手段から投射された講義用資料画像を投影する投影スクリーンとからなることが好ましい。この構成においては、講義用資料画像の電子データを画像情報投影手段へ送り、画像情報投影手段から投影スクリーン上に講義用資料画像を投影し、かつ講師が投影スクリーン上に講義用資料画像に重ね書きする状態で文字または図形を手書きで書き入れながら、講師が講義用資料画像に基づいた講義を行い、講師による投影スクリーンを使用した講義風景を撮影することにより講義風景の動画映像を生成することになる。
【0014】
この方法によれば、投影スクリーン上に講義用資料画像を投影しながら、講師による投影スクリーンを使用した講義風景を撮影するので、講師を講義用資料とともに撮影することができる。したがって、講師が目の前で講義をする場合に近い臨場感を受講者に与えることができ、受講者を講義に容易に集中させることができる。また、投影スクリーン上に講義用資料画像を投影しながら、講師が投影スクリーン上に講義用資料画像に重ね書きする状態で文字または図形を手書きで書き入れ、その状態を撮影するので、講義用資料上へ書き込んだ文字または図形も併せて撮影することができる。また、講義用資料画像の電子データを画像情報投影手段へ送り、画像情報投影手段から投影スクリーン上に講義用資料画像を投影するので、電子データを切り替えることにより講義用資料の画面の切り替えを行うことができ、したがって資料用紙を差し替える場合とは異なり講義用資料の画面の切り替えをスムーズに行うことができる。また、講義用資料画像の電子データを画像情報投影手段へ送るので、紙面に講義用資料画像を作成するのとは異なり、講義用資料の作成の自由度を高めることができる。
【0015】
また、本発明の映像配信方法は、講義用資料画像の電子データを画像情報表示手段へ送り、画像情報表示手段の表示画面上に講義用資料画像を表示し、講師が画像情報表示手段の表示画面上に講義用資料画像に重ね書きする状態で文字または図形を手書きで書き入れながら、講師が講義用資料画像に基づいた講義を行い、画像情報表示手段の表示画面を使用した講義風景を講師とともに撮影することにより講義風景の動画映像を生成し、講義風景の動画映像を通信回線を通じて受講者へ配信する。
【0016】
この映像配信方法においては、画像情報表示手段は、講義用資料画像の電子データが供給される画像情報投影手段と、画像情報投影手段から投射された講義用資料画像を投影する投影スクリーンとからなることが好ましい。この構成においては、講義用資料画像の電子データを画像情報投影手段へ送り、画像情報投影手段から投影スクリーン上に講義用資料画像を投影し、かつ講師が投影スクリーン上に講義用資料画像に重ね書きする状態で文字または図形を手書きで書き入れながら、講師が講義用資料画像に基づいた講義を行い、講師による投影スクリーンを使用した講義風景を撮影することにより講義風景の動画映像を生成し、講義風景の動画映像を通信回線を通じて受講者へ配信することになる。
【0017】
この方法によれば、上記映像生成方法と同様の作用効果を奏する。
【0018】
上記の映像生成方法および映像配信方法においては、画像情報投影手段は例えばフロントプロジェクタであり、投影スクリーンはホワイトボードである。特に、投影スクリーンとしてホワイトボードを使用すれば、書込み手段としてホワイトボード用筆記具を使用することにより、手書きの文字または図形を簡単に消去することができる。
【0019】
上記の映像生成方法および映像配信方法においては、画像情報投影手段はリアプロジェクタであり、投影スクリーンは半透明パネルであってもよい。特に、リアプロジェクタを使用した場合、リアプロジェクタと講師との間に投影スクリーンがあり、リアプロジェクタの投影光が直接講師の眼に入ることがないので、安全性が高い。
【0020】
上記のようにリアプロジェクタを使用する場合、投影スクリーンがプロジェクタ一体型となっている場合が多いが、この場合、投影スクリーン上に直接文字または図形などの書込みを行うと、書き込んだ文字または図形を消去できない場合が多い。この場合、半透明パネルの前面に書き込み・消去可能な透明シートを配置し、透明シート上に文字または図形などを手書きで書き込みすれば、投影スクリーンが文字または図形の加筆により汚れることはない。
【0021】
上記の映像配信方法においては、講義風景の動画映像をストリーミング配信することが好ましい。また、配信時については、ライブ配信する以外に、講義風景の動画映像をサーバーに蓄積して起き、オンデマンド配信してもよい。
【0022】
本発明の記録媒体は、本発明の映像生成方法により生成した講義風景の動画映像を記録したものであり、本発明の映像生成方法と同様の作用効果を奏する。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、講師(または講演者)を講義用資料とともに撮影することができ、講師が目の前で講義をする場合に近い臨場感を受講者に与えることができ、受講者を講義に容易に集中させることができる。講義用資料上へ書き込んだ文字または図形も併せて撮影することができる。また、電子データを切り替えることにより講義用資料の画面の切り替えを行うことができ、したがって資料用紙を差し替える場合とは異なり講義用資料の画面の切り替えをスムーズに行うことができる。また、紙面に講義用資料画像を作成するのとは異なり、講義用資料の作成の自由度を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
【0025】
(実施の形態1)
図1は、本発明の映像生成方法および映像配信方法を実施するための、映像配信システムの構成を示すブロック図である。図1において、符号1は講義用資料画像を格納した資料用コンピュータを示す。符号2は資料用コンピュータ1から送られた講義用資料画像を投射するフロントプロジェクタを示す。符号3はフロントプロジェクタ2から投射された講義用資料画像を投影する投影スクリーンとなるホワイトボードを示す。符号4はホワイトボード3上の講義用資料画像を使用しホワイトボード3上に説明用の手書きで文字または図形を重ね書きしながら講義を行う講師(教師)を示す。符号5はホワイトボード3上に投影された講義用資料画像およびホワイトボード3上に講義用資料画像に対して重ね書きされた手書きの文字または図形を撮影するデジタルビデオカメラを示す。
【0026】
符号6はデジタルビデオカメラ5で撮影した授業映像を収録し、収録した授業映像をファイル転送するための映像収録装置を示し、講師の手元近くに配置されている。この映像収録装置6は、デジタルビデオカメラ5で撮影した授業映像と資料用コンピュータ1から送られたRGB入力の講義用資料画像とを2画面同時にリアルタイムエンコードする映像エンコード用エンジン7と、資料用コンピュータ1から送られる講義用資料画像の切り替えを指示したり、収録の開始、停止を指示したりするコントロールモジュール8とからなる。
【0027】
符号9は映像収録装置6から転送された映像ファイル(映像コンテンツ)を蓄積する画像蓄積手段(ハードディスク装置)を示す。
【0028】
符号10はコントロールモジュール8からの指示に基づいて画像ファイルのエンコーダ制御を行うエンコーダ制御部を示す。符号11は画像蓄積手段(ハードディスク装置)9に蓄積された画像ファイルをインターネットなどの通信回線を通じて配信するWWWサーバーを示す。WWWサーバー11は、映像を、例えばMPEG−4形式で配信する。このようにMPEG−4形式で配信すると、パソコン内のMPEG−4プラグインプレーヤで容易に映像を表示することができる。
【0029】
符号12はウェブを示す。符号13はウェブ12および塾内LAN14を介して接続された教室内パソコンを示している。符号15はウェブ12を介して接続された家庭内パソコンを示し、IDとパスワードを入力することにより、WWWサーバー11にアクセスできるようになっている。
【0030】
符号16はホワイトボード3に文字または図形を書き入れるためのマーカーを示す。
【0031】
つぎに、以上のような映像配信システムを用いた映像配信方法について説明する。この映像配信方法では、資料用コンピュータ1から講義用資料画像の電子データを画像情報投影手段であるフロントプロジェクタ2へ送る。資料用コンピュータ1からフロントプロジェクタ2へ送る講義用資料画像として使用するテキスト画像は、プレゼンテーションソフトウェアや描画ソフトウェアやワープロソフトウェアなど、種々のソフトウェアで作成できる。したがって、講義用資料画像の作成の自由度が高い。
【0032】
フロントプロジェクタ2は、投影スクリーンであるホワイトボード3に講義用資料画像を投影する。そして、講師4は、ホワイトボード3上に投影された講義用資料画像を利用して講義を行う。また、講師4は、ホワイトボード3上に講義用資料画像にマーカー16を用いて重ね書きする状態で文字または図形を手書きで書き入れながら、講義用資料画像に基づいた講義を行う。
【0033】
そして、講師4によるホワイトボード3を使用した講義風景をデジタルビデオカメラ5で撮影することにより、講義風景の動画映像を生成し、講義風景の動画映像を特定の映像信号形式にエンコードし、ウェブ12を介して受講者である塾生へ配信する。講義風景の動画映像には、講師の音声なども含まれる。
【0034】
上記説明において、講義風景の動作映像を生成するまでが、映像生成方法を示す。
【0035】
デジタルビデオカメラ5で撮影された講義風景の動画映像(音声も含む)は、映像収録装置6によって収録され、所定の映像形式にエンコードされて画像蓄積手段9へ転送される。画像蓄積手段9には、多数の講義風景の動画映像が蓄積される。
【0036】
WWWサーバー11は、デジタルビデオカメラ5で撮影した講義風景の動画映像を画像蓄積手段9を介してリアルタイムで配信したり、オンデマンド配信したりする。
【0037】
教室内に設置された教室内パソコン13には、ウェブ12および塾内LAN14を介して講義風景の動画映像がリアルタイム配信またはオンデマンド配信され、受講者である塾生は教室内で教室内パソコン13の映像を視聴することにより、その教室内に講師がいなくても、講師4による講義(授業)を受けることが可能となる。
【0038】
家庭内に設置された家庭内パソコン15には、ウェブ12を介して講義風景の動画映像がリアルタイム配信またはオンデマンド配信され、IDとパスワードとを入力することにより、教室内パソコン13と同様に、受講者である塾生は家庭内で家庭内パソコン15の映像を視聴することにより、講師4による講義(授業)を受けることが可能となる。
【0039】
教室内パソコン13および家庭内パソコン15の画面の例を図2に示す。図2において、符号21は教室内パソコン13および家庭内パソコン15のモニタ画面を示す。符号22はモニタ画面21の一つの表示領域を示し、この表示領域22には講師による授業風景の映像が表示される。この授業風景には、講義用資料画像が投影されたホワイトボードの映像が講師4とともに表示され、手書きの文字または図形も表示される。符号23はモニタ画面21上の他の表示領域を示し、この表示領域23には講義用資料画像がそのまま表示されている。つまり、授業風景画像と講義用資料画像とが2画面構成で表示される。
【0040】
ここで、授業風景画像はデジタル映像であり、講義用資料画像はアナログ映像であることが好ましい。このように、授業風景画像をデジタル映像にすると、以下のような利点がある。すなわち、授業風景画像と講義用資料画像とを2画面構成で表示する映像コンテンツを作成する場合、授業風景画像はアナログ映像(アナログ映像信号)として映像収録装置に送られ、講義用資料画像はデジタル映像(デジタル映像信号)として映像収録装置に送られると、説明用の手書きの文字、図形を撮影した授業風景画像がアナログ処理され、講義用資料画像はデジタル処理される。この場合、授業風景画像の解像度が低くなり、手書きの文字、図形が判読しにくくなるおそれがある。しかし、本発明の実施の形態の場合、授業風景画像はデジタル映像(デジタル映像信号)として映像収録装置に送られ、講義用資料画像はアナログ映像(アナログ映像信号)として映像収録装置に送られる。このように構成すると、授業風景画像の解像度が高くなり、手書きの文字、図形の判読が容易になる。講義用資料画像はもともとデジタル画像データを映像化したものであるので、アナログ処理を行っても、講義用資料の内容を十分判読できる。また、授業風景画像上においても、講義用資料は高い解像度で表示されているので、それを見ればよく、講義用資料画像の解像度が低くなっても問題はない。
【0041】
なお、授業風景画像および講義用資料画像を両方ともデジタル映像信号として映像収録装置に送ってもよいが、この場合、2画面構成の映像コンテンツを配信する場合のビットレートが高くなる。
【0042】
上記のように、授業風景画像はデジタル映像として処理し、講義用資料画像をアナログ映像として処理すると、映像配信する際のビットレートを低くすることができるので、汎用性が高くなる。
【0043】
また、授業風景において、ホワイトボード上の講義用資料の内容が講師の陰になって見えない場合でも、表示領域23を見ることで講義用資料の内容を確認することができる。したがって、講義用資料の映像に講師を映し込んでも不都合は生じない。なお、表示領域23には、ホワイトボード上に投影する講義用資料と異なる参考資料画像または解説用の動画映像を表示してもよい。
【0044】
講師4の近くに設置されている映像収録装置6のモニタ画面の例を図3に示す。図3において、符号31は映像収録装置6のモニタ画面を示し、符号32はモニタ画面31内に形成された子画面を示している。モニタ画面31には、デジタルビデオカメラ5による映像が表示され、講師4が講義をしながら、デジタルビデオカメラ5による映像(動画)を確認することができるようになっている。また、子画面32には、講義用資料画像(静止画)が表示されている。
【0045】
また、資料用コンピュータ1のモニタ画面の例を図4に示す。図4において、符号41は資料用コンピュータ1のモニタ画面を示し、符号42はモニタ画面41内に形成された子画面を示している。モニタ画面41には講義用資料画像(静止画)が表示され、子画面42にはデジタルビデオカメラ5による映像が表示されている。
【0046】
授業風景としては、実際の学習塾など、塾生を前にした授業をライブ収録してもよいし、スタジオでの収録でもよい。
【0047】
授業風景の撮影に講師以外の人員は特に必要なく、予め、講義用資料映像(テキスト、参考資料)を資料用コンピュータ1に取り込んでおけば、映像収録装置6となるコンピュータの操作画面上の「収録開始」、「収録終了」、「画面切り替え」などを示すアイコンをクリックするだけで、収録の制御を行うことができ、授業風景の撮影に伴う講義中の講師の労力の増加はほとんどない。
【0048】
なお、以上のように撮影した授業風景の映像は、光ディスクなどの記録媒体に記録して、各受講者に配布することもできる。この場合、受講者のパソコンがインターネットに接続されていなくても講義を視聴することができる。
【0049】
以上説明したように、この実施の形態によれば、投影スクリーンであるホワイトボード3上に講義用資料画像を投影しながら、講師4によるホワイトボード3を使用した講義風景を撮影するので、講師4を講義用資料とともに撮影することができる。したがって、講師が目の前で講義をする場合に近い臨場感を受講者に与えることができ、受講者を講義(講演)に容易に集中させることができ、また講義を効率よく行うことができる。また、ホワイトボード3上に講義用資料画像を投影しながら、講師4がホワイトボード3上に講義用資料画像に重ね書きする状態で説明用の文字または図形を手書きで書き入れ、その状態を撮影するので、講義用資料上へ書き込んだ文字または図形も併せて撮影することができる。また、講義用資料画像の電子データをフロントプロジェクタ2へ送り、フロントプロジェクタ2からホワイトボード3上に講義用資料画像を投影するので、電子データを切り替えることにより講義用資料の画面の切り替えを行うことができ、したがって資料用紙を差し替える場合とは異なり講義用資料の画面の切り替えをスムーズに行うことができる。また、講義用資料画像の電子データをフロントプロジェクタ2へ送るので、紙面に講義用資料画像を作成するのとは異なり、講義用資料の作成の自由度を高めることができる。
【0050】
また、投影スクリーンとしてホワイトボード3を使用すれば、書込み手段としてホワイトボード用マーカーを使用することにより、手書きの文字または図形を簡単に消去することができる。
【0051】
(実施の形態2)
上記の実施の形態1では、画像情報投影手段としてフロントプロジェクタ2を用いたが、リアプロジェクタを用いてもよい。リアプロジェクタを用いる場合、投影スクリーンとしては半透明パネルが使用される。この場合、半透明パネルに直接文字または図形を書き入れると、後で文字または図形を消去できない場合があるので、半透明パネルの前面に透明シートを配置し、透明シート上に文字または図形を手書きで消去可能に書き入れることが好ましい。
【0052】
この実施の形態によれば、リアプロジェクタと講師との間に投影スクリーンとして半透明パネルがあり、リアプロジェクタの投影光が直接講師の眼に入ることがないので、安全性が高い。その他の作用効果は実施の形態1と同様である。
【0053】
なお、講義用資料を表示する画像情報表示手段としては、上記実施の形態で説明したプロジェクタに限らず、液晶表示パネルやプラズマ表示パネルを使用してもよい。この場合、液晶表示パネルやプラズマ表示パネルにマーカーなどで直に文字、図形などを書き入れると、文字、図形などを後で消去できない場合がある。その場合は、液晶表示パネルやプラズマ表示パネルの前に透明パネルなどを配置して、透明パネル上にホワイトボードマーカーなどの筆記具を用いて消去可能に説明用の文字、図形などを書き込めばよい。
【0054】
また、本発明は、学習塾の授業に使用するだけでなく、講演会や、製品発表などのプレゼンテーションなど、種々使用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明にかかる映像生成方法および映像配信方法は、講師を講義用資料とともに撮影することができ、講義用資料上へ書き込んだ文字または図形も併せて撮影することができ、電子データを切り替えることにより講義用資料の画面の切り替えを行うことができ、したがって資料用紙を差し替える場合とは異なり講義用資料の画面の切り替えをスムーズに行うことができるという効果を有し、教育分野、プレゼンテーション分野などにおいてきわめて有用である。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の実施の形態1の映像配信システムを示すブロック図である。
【図2】受講者のパソコン上のモニタ画面の例を示す概略図である。
【図3】映像収録装置のモニタ画面の例を示す概略図である。
【図4】資料用コンピュータのモニタ画面の例を示す概略図である。
【図5】従来の映像生成方法を示す概略図である。
【図6】講義用資料を示す概略図である。
【符号の説明】
【0057】
1 資料用コンピュータ
2 フロントプロジェクタ
3 ホワイトボード
4 講師
5 デジタルビデオカメラ
6 映像収録装置
7 映像エンコード用エンジン
8 コントロールモジュール
9 画像蓄積手段
10 エンコーダ制御部
11 WWWサーバー
12 ウェブ
13 教室内パソコン
14 塾内LAN
15 家庭内パソコン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
講義用資料画像の電子データを画像情報表示手段へ送り、前記画像情報表示手段の表示画面上に前記講義用資料画像を表示し、
講師が前記画像情報表示手段の表示画面上に前記講義用資料画像に重ね書きする状態で文字または図形を手書きで書き入れながら、前記講師が前記講義用資料画像に基づいた講義を行い、
前記画像情報表示手段の表示画面を使用した講義風景を前記講師とともに撮影することにより講義風景の動画映像を生成する映像生成方法。
【請求項2】
前記画像情報表示手段は、前記講義用資料画像の電子データが供給される画像情報投影手段と、前記画像情報投影手段から投射された前記講義用資料画像を投影する投影スクリーンとからなる請求項1記載の映像生成方法。
【請求項3】
前記画像情報投影手段はフロントプロジェクタであり、前記投影スクリーンはホワイトボードである請求項2記載の映像生成方法。
【請求項4】
前記画像情報投影手段はリアプロジェクタであり、前記投影スクリーンは半透明パネルである請求項2記載の映像生成方法。
【請求項5】
前記半透明パネルの前面に透明シートが配置され、前記透明シート上に文字または図形を手書きで書き入れる請求項4記載の映像生成方法。
【請求項6】
前記講義風景の動画映像と前記講義用資料画像とを基に、前記講義風景の動画映像と前記講義用資料画像とが2画面表示される映像を生成する請求項1記載の映像生成方法。
【請求項7】
前記講義風景の動画映像がデジタル映像からなり、前記講義用資料映像がアナログ映像からなる請求項6記載の映像生成方法。
【請求項8】
講義用資料画像の電子データを画像情報表示手段へ送り、前記画像情報表示手段の表示画面上に前記講義用資料画像を表示し、
講師が前記画像情報表示手段の表示画面上に前記講義用資料画像に重ね書きする状態で文字または図形を手書きで書き入れながら、前記講師が前記講義用資料画像に基づいた講義を行い、
前記画像情報表示手段の表示画面を使用した講義風景を前記講師とともに撮影することにより講義風景の動画映像を生成し、前記講義風景の動画映像を通信回線を通じて受講者へ配信する映像配信方法。
【請求項9】
前記画像情報表示手段は、前記講義用資料画像の電子データが供給される画像情報投影手段と、前記画像情報投影手段から投射された前記講義用資料画像を投影する投影スクリーンとからなる請求項8記載の映像配信方法。
【請求項10】
前記画像情報投影手段はフロントプロジェクタであり、前記投影スクリーンはホワイトボードである請求項9記載の映像配信方法。
【請求項11】
前記画像情報投影手段はリアプロジェクタであり、前記投影スクリーンは半透明パネルである請求項9記載の映像配信方法。
【請求項12】
前記半透明パネルの前面に透明シートが配置され、前記透明シート上に文字または図形を手書きで書き入れる請求項11記載の映像配信方法。
【請求項13】
前記講義風景の動画映像と前記講義用資料画像とを各々エンコードすることにより、前記講義風景の動画映像と前記講義用資料画像とが2画面表示される映像コンテンツを生成する請求項8記載の映像配信方法。
【請求項14】
前記講義風景の動画映像がデジタル映像からなり、前記講義用資料映像がアナログ映像からなる請求項13記載の映像配信方法。
【請求項15】
請求項1記載の映像生成方法により生成した講義風景の動画映像を記録した記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−256781(P2007−256781A)
【公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−83115(P2006−83115)
【出願日】平成18年3月24日(2006.3.24)
【出願人】(506100118)
【Fターム(参考)】