説明

映像表示方法および映像表示装置

【課題】映像表示装置に表示された映像に対する不特定多数の視聴者に特別な視線入力装置を装着することなしに、複数の映像視聴者の興味が集まる映像を表示部に入れ替え可能に表示する映像表示方法及び映像表示装置を提供する。
【解決手段】映像表示部101の表示画面101Aを視聴している複数の視聴者の興味が集まる映像を視聴者の視線情報と顔画像の位置情報に基づいて検出する。興味が集まる映像が副表示領域101Cに表示されている場合には、この映像が主表示領域101Bに表示されるように映像を入れ替える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、集まった多数の人により視聴される大画面映像を表示する映像表示装置に関し、詳しくは、表示される映像の中で多くの視聴者が注目する領域を検出し、検出された領域を大きく表示する映像表示方法および映像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
屋外等に設置された映像表示装置の大画面映像は、その場に集まった多数の人により視聴される。しかし、個々の視聴者がどの映像に興味があるかといった事情は、その映像の表示には反映されないのが普通である。視聴者の興味を反映させた映像を提供する場合、多くの視聴者の情報を集め、集められた情報をまとめる必要がある。
【0003】
そこで、従来においては、視線入力装置を複数の観客に装着してもらい、複数の視線入力装置により検出された観客の視線情報を統計的に処理した結果に応じて観客の注目する領域を切り出す映像切り出し制御装置が開示されている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−125286号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1の映像切り出し制御装置では、視線入力装置を複数の観客に装着してもらうため、スポーツ観戦のような特定の観客の視線情報を取得する場合には好適であるが、屋外に設置された不特定多数の人に視聴される映像表示装置には不向きである。街頭の映像表示装置では、立ち止まって視聴する人や、歩いて通り過ぎる間だけ視聴する人等の様々な人があり、これらの人に視線入力装置をいちいち装着してもらうのが現実的ではない。
【0006】
本発明の目的は、上記のような従来の問題を鑑みてなされたものであり、視聴者に装着される視線入力装置を用いることなしに、映像表示装置に表示された映像に対する不特定多数の視聴者の視線情報を取得して視聴者の興味が集まる映像の領域を検出し、検出された領域を大きく表示する映像表示方法及び映像表示装置を提供するにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の映像表示方法は、第1のカメラにより第1の映像を撮影する第1の映像撮影ステップと、前記第1の映像撮影ステップで撮影される第1の映像の一部の領域である第2の映像を第2のカメラにより撮影する第2の映像撮影ステップと、前記第1の映像撮影ステップで撮影された第1の映像および前記第2の映像撮影ステップで撮影された第2の映像を映像表示部により表示画面に表示する映像表示ステップとを含み、前記映像表示ステップは、前記第1の映像撮影ステップで撮影された第1の映像を前記表示画面に表示する第1の映像表示ステップと、前記第1の映像表示ステップで前記表示画面に表示された映像を見る視聴者を複数の視聴者用カメラにより撮影する視聴者撮影ステップと、前記視聴者撮影ステップで撮影された画像に基づいて前記視聴者の顔画像を認識する顔画像認識ステップと、前記顔画像認識ステップで認識された顔画像に基づいて前記顔画像が注視する前記映像の位置を検出し、検出された前記位置に基づいて前記位置の表示を欲する表示欲求度を算出する表示欲求度算出ステップと、前記表示欲求度算出ステップで算出された表示欲求度に基づいて前記第2の映像撮影ステップで撮影すべき前記領域を選択する領域選択ステップと、前記領域選択ステップで選択された選択情報に応じて前記第2の映像撮影ステップで撮影された第2の映像を前記表示画面に表示する第2の映像表示ステップとを含み、前記第2の映像撮影ステップは、前記領域選択ステップで選択された選択情報に従って前記領域を第2のカメラにより撮影することを特徴とする。
また、本発明の映像表示装置は、第1の映像を撮影する第1のカメラと、前記第1の映像の一部の領域である第2の映像を撮影する第2のカメラと、前記第1のカメラにより撮影された第1の映像および前記第2のカメラにより撮影された第2の映像を表示画面に表示する映像表示部とを備えた映像表示装置であって、前記映像表示部は、前記第1のカメラにより撮影された第1の映像を前記表示画面に表示する第1の映像表示手段と、前記第1の映像表示手段により前記表示画面に表示された映像を見る視聴者を撮影する複数の視聴者用カメラと、前記複数の視聴者撮影用カメラにより撮影された画像に基づいて前記視聴者の顔画像を認識する顔画像認識手段と、前記顔画像認識手段により認識された顔画像に基づいて前記顔画像が注視する前記映像の位置を検出し、検出された前記位置に基づいて前記位置の表示を欲する表示欲求度を算出する表示欲求度算出手段と、前記表示欲求度算出手段により算出された表示欲求度に基づいて前記第2のカメラにより撮影すべき前記領域を選択する領域選択手段と、前記領域選択手段により選択された前記領域の選択情報に応じて前記第2のカメラにより撮影された第2の映像を前記表示画面に表示する第2の映像表示手段とを有し、前記第2のカメラは、前記領域選択手段により選択された選択情報に従って前記領域を撮影することを特徴とする。
【0008】
また、本発明の映像表示方法は、第1のカメラにより第1の映像を撮影する第1の映像撮影ステップと、前記第1の映像撮影ステップで撮影される第1の映像の一部の領域である第2の映像を第2のカメラにより撮影する第2の映像撮影ステップと、前記第1の映像撮影ステップで撮影された第1の映像および前記第2の映像撮影ステップで撮影された第2の映像を第1の通信回線を介して送信する映像送信ステップと、前記映像送信ステップで前記第1の通信回線を介して送信された第1および第2の映像を受信する映像受信ステップと、前記映像受信ステップで受信された第1および第2の映像を映像表示部の表示画面に表示する映像表示ステップとを含み、前記映像表示ステップは、前記映像受信ステップで受信された第1の映像を前記表示画面に表示する第1の映像表示ステップと、前記第1の映像表示ステップで前記表示画面に表示された映像を見る視聴者を複数の視聴者用カメラにより撮影する視聴者撮影ステップと、前記視聴者撮影ステップで撮影された画像に基づいて前記視聴者の顔画像を認識する顔画像認識ステップと、前記顔画像認識ステップで認識された顔画像に基づいて前記顔画像が注視する前記映像の位置を検出し、検出された前記位置に基づいて前記位置の表示を欲する表示欲求度を算出する表示欲求度算出ステップと、前記表示欲求度算出ステップで算出された表示欲求度に基づいて前記第2の映像撮影ステップで撮影すべき前記領域を選択する領域選択ステップと、前記領域選択ステップで選択された前記領域の選択情報を第2の通信回線を介して送信する選択情報送信ステップと、前記選択情報送信ステップで送信された選択情報を前記第2の通信回線を介して受信する選択情報受信ステップと、前記選択情報受信ステップで受信された選択情報に応じれ前記第2の映像撮影ステップで撮影され、前記映像送信ステップで送信され、前記映像受信ステップで受信された第2の映像を前記表示画面に表示する第2の映像表示ステップとを含み、前記第2の映像撮影ステップは、前記選択情報受信ステップで受信された選択情報に従って前記領域を第2のカメラにより撮影することを特徴とする。
また、本発明の映像表示装置は、第1の映像を撮影する第1のカメラと、前記第1の映像の一部の領域である第2の映像を撮影する第2のカメラと、前記第1のカメラにより撮影された第1の映像および前記第2のカメラにより撮影された第2の映像を第1の通信回線を介して送信する映像送信手段と、前記映像送信手段により前記第1の通信回線を介して送信された第1および第2の映像を受信する映像受信手段と、前記映像受信手段により受信された第1および第2の映像を表示画面に表示する映像表示部とを備えた映像表示装置であって、前記映像表示部は、前記映像受信手段により受信された第1の映像を前記表示画面に表示する第1の映像表示手段と、前記第1の映像表示手段により前記表示画面に表示された映像を見る視聴者を撮影する複数の視聴者用カメラと、前記複数の視聴者撮影用カメラにより撮影された画像に基づいて前記視聴者の顔画像を認識する顔画像認識手段と、前記顔画像認識手段により認識された顔画像に基づいて前記顔画像が注視する前記映像の位置を検出し、検出された前記位置に基づいて前記位置の表示を欲する表示欲求度を算出する表示欲求度算出手段と、前記表示欲求度算出手段により算出された表示欲求度に基づいて前記第2のカメラにより撮影すべき前記領域を選択する領域選択手段と、前記領域選択手段により選択された前記領域の選択情報を第2の通信回線を介して送信する選択情報送信手段と、前記選択情報送信手段により送信された選択情報に応じて前記第2のカメラにより撮影され、前記映像送信手段により送信され、前記映像受信手段により受信された第2の映像を前記表示画面に表示する第2の映像表示手段とを有し、前記映像表示装置は、前記選択情報送信手段により前記第2の通信回線を介して送信された選択情報を受信する選択情報受信手段を有し、前記第2のカメラは、前記選択情報受信手段により受信された選択情報に従って前記領域を撮影することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の映像表示方法および映像表示装置によれば、第1のカメラにより撮影され第1の映像を映像表示部により表示し、表示された画面を見る視聴者を複数の視聴者用カメラにより撮影する。次に、複数の視聴者用カメラにより撮影された画像に基づいて視聴者の顔画像を認識し、認識された顔画像に基づいて顔画像が注視する映像の位置を検出して位置の表示欲求度を算出し、算出された表示欲求度に基づいて第2のカメラにより撮影すべき領域を選択する。そして、選択情報に従う領域を第2のカメラにより撮影し、撮影された領域の映像を映像表示部により表示する。
したがって、従来のような視線入力装置を用いることなしに、多数の視聴者の興味が集まる映像を検出し、検出された映像を大きく表示することができる。
【0010】
また、本発明の映像表示方法および映像表示装置によれば、第1のカメラにより撮影され第1の通信回線を介して送信された第1の映像を映像表示部により表示し、表示された画面を見る視聴者を複数の視聴者用カメラにより撮影する。次に、複数の視聴者用カメラにより撮影された画像に基づいて視聴者の顔画像を認識し、認識された顔画像に基づいて顔画像が注視する映像の位置を検出して位置の表示欲求度を算出し、算出された表示欲求度に基づいて第2のカメラにより撮影すべき領域を選択し、選択情報を第2の通信回線を介して第2のカメラに送信する。そして、選択情報に従う領域を第2のカメラにより撮影し、第1の通信回線を介して送信された第2の映像を映像表示部により表示する。
したがって、従来のような視線入力装置を用いることなしに、多数の視聴者の興味が集まる映像を検出し、検出された映像を大きく表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実施例1の映像表示装置の構成を示す機能ブロック図である。
【図2】映像表示部の映像表示形態の一例を示す説明図である。
【図3】映像表示部と視聴者との関係を示す説明図である。
【図4】映像表示部と視聴者情報取得用カメラとの位置関係を示す説明図である。
【図5】映像表示部の表示画面に顔を向けている視聴者の顔画像を認識する場合の映像表示部と視聴者との関係を示す説明図である。
【図6】映像表示部の表示画面と視聴者の顔領域との位置関係を求めるための説明図である。
【図7】映像表示部の表示画面中で見ている視聴者の視線位置を表す説明図である。
【図8】実施例1の映像表示装置の動作を示すフローチャートである。
【図9】実施例2の映像表示システムの概略構成を示す図である。
【図10】実施例2の映像表示システムの構成を示す機能ブロック図である。
【図11】映像表示部と視聴者情報取得用カメラとの位置関係を示す説明図である。
【図12】表示欲求度行列から表示する領域の大きさおよびその順番を決定する処理の第1段階を示す説明図である。
【図13】表示欲求度行列から表示する領域の大きさおよびその順番を決定する処理の第2段階を示す説明図である。
【図14】表示欲求度行列から表示する領域の大きさおよびその順番を決定する処理の第3段階を示す説明図である。
【図15】表示欲求度行列から表示する領域の大きさおよびその順番を決定する処理の最終段階を示す説明図である。
【図16】実施例2の映像表示システムの動作を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
映像表示装置に表示された映像に対する不特定多数の視聴者に特別な視線入力装置を装着することなしに、複数の映像視聴者の興味を持った映像を表示部に入れ替え可能に表示する映像表示制御方法及び装置を提供するという目的は、映像表示手段を視聴している複数の視聴者の興味の集まっている映像を視聴者の視線情報と顔画像の位置情報から調べ、興味の集まっている映像が副表示領域に表示されている映像の場合は、この映像を主表示領域に表示される映像と入れ替え、視聴者に興味を持たれている映像を主表示領域に表示することによって実現した。
【実施例1】
【0013】
以下、本発明の実施例1について図1〜図8を参照して説明する。
図1は、実施例1の映像表示装置の構成を示す機能ブロック図、図2は実施例1における映像表示部への映像表示形態の一例を示す説明図、図3は実施例1における映像表示部と視聴者との関係を示す説明図、図4は実施例1における映像表示部と視聴者情報取得用カメラとの位置関係を示す説明図、図5は実施例1における映像表示部の表示画面に顔を向けている視聴者の顔画像を認識する場合の映像表示部と視聴者との関係を示す説明図、図6は実施例1における映像表示部の表示画面と視聴者の顔領域との位置関係を求めるための説明図、図7は実施例1における映像表示部の表示画面中で見ている視聴者の視線位置を表す説明図、図8は実施例1の映像表示装置の動作を示すフローチャートである。
【0014】
図1に示すように、映像表示装置100は、映像表示部101、2つの視聴者情報取得用カメラ102、顔画像認識手段103、顔座標検出手段104、視聴者注視座標検出手段105、注目映像情報検出手段106、満足度検出手段107、表示欲求度検出手段108および表示映像作成手段109を備える。
【0015】
映像表示部101は、屋外のような人通りの多いに広場などに設置されもので、横寸法がX,縦寸法がYの大きさの映像表示画面101Aを有する。また、映像表示画面101Aは、図2〜図4に示すように、比較的大きな1つの映像表示領域からなる主表示領域101Bと、主表示領域101Bより小さな映像表示領域の映像P1,P2・・・を複数並べて表示する副表示領域101Cとに区分されている。
【0016】
2つの視聴者情報取得用カメラ102は、映像表示部101の映像表示画面を視聴する不特定多数の視聴者を撮影するもので、図4に示すように、映像表示部101の表示画面上における上端の左右個所に、視聴者に向けて配置されている。この左右両視聴者情報取得用カメラ102の間隔は、視聴者の表示画面に対する視線の位置を正確に求めるために表示画面のX軸方向の寸法に相当する距離Lに設定されている。
【0017】
顔画像認識手段103は、各視聴者情報取得用カメラ102で取得された視聴者映像からSVM(Support Vector Machine)等により、図3に示すように、映像表示画面101Aに顔を向けている視聴者200の顔画像を認識し、認識された顔画像に基づいて映像表示画面101Aに顔を向けている視聴者200の人数を認識する。
顔座標検出手段104は、視聴者情報取得用カメラ102毎に顔画像認識手段103により認識された顔画像に基づいて映像表示画面101A上における顔画像の位置座標を認識された視聴者200毎に検出するものである。
【0018】
視聴者注視座標検出手段105は、視聴者情報取得用カメラ102毎に顔画像認識手段103により認識された両方の顔画像に基づいて視聴者200の顔の方向と眼球の方向を検出して、認識された視聴者200の視線方向を視聴者毎に検出し、検出された視線方向の情報と顔座標検出手段104により検出された顔画像の位置座標に基ついて視聴者200が映像表示画面101A中で注視している視線の位置座標を認識された視聴者毎に検出する。
【0019】
注目映像情報検出手段106は、視聴者注視座標検出手段105により検出された視線の位置座標に基づいて視聴者200が瞬間注視している映像表示画面101A中の映像がどの映像かを判定して注目映像情報を検出し、検出された注目映像情報を一定時間取得して視聴者200の注目映像メタ情報Pmeta(t)を視聴者毎に算出する。
【0020】
満足度検出手段107は、顔座標検出手段104により検出された顔画像の位置座標に基づいて視聴者200が映像表示画面101Aに顔を向けて映像をどれくらい静止して見ていたかを表す顔移動係数Fmoveを算出し、算出された顔移動係数Fmoveに基づいて視聴者200の満足度S(t)を算出する。
【0021】
表示欲求度検出手段108は、注目映像情報検出手段106で算出された注目映像メタ情報Pmeta(t)と満足度検出手段107により算出された顔移動係数Fmove及び満足度S(t)に基づいて主表示領域101Bと副表示領域101Cの各映像に対する視聴者200の表示欲求度D(t)を各映像毎に算出し、算出された表示欲求度D(t)を各映像毎に加算して、認識した視聴者全員の各映像に対する表示欲求度AD(t)を算出する。
【0022】
表示映像作成手段109は、表示欲求度検出手段108により算出された表示欲求度の最も高い値の映像が主表示領域101Bに表示されるように主表示領域101B及び副表示領域101Cに表示される映像を作成して映像表示部101に出力する。また、この表示映像作成手段109には、図1に示すように、受信手段110が接続されている。受信手段110は、遠隔地に設置された1つの主表示領域用カメラ301および複数の副表示領域用カメラ302により撮影されたそれぞれの映像情報を受信する。表示映像作成手段109は、受信手段110により受信された1つの主表示領域用カメラ301および複数の副表示領域用カメラ302の映像情報に基づいて映像表示部101に出力する映像を作成する。
【0023】
次に、実施例1の映像表示装置の動作について説明する。
遠隔地で主表示領域用カメラ301及び副表示領域用カメラ302により撮影されたそれぞれの映像は、通信回線111を通して現在地にある映像表示装置100の受信手段110により受信される。受信された映像は、表示映像作成手段109により表示用の映像に加工され、映像表示部101により表示される。これにより、映像表示部101の主表示領域101Bには、図2に示すように、大きな1つの映像PMAXが表示され、また、副表示領域101Cの各映像表示領域には、図2に示すように、複数の映像P1,P2・・・が並べて表示される。
【0024】
上述のように映像を表示した映像表示部101の映像表示画面101Aを視聴している複数の視聴者200がいる場合、図2の矢印で示すように、視聴者200のそれぞれが興味をもっている映像が異なり、常に主表示領域101Bの映像が最大の興味を得ているとは限らない。
そこで、視聴者200の興味が集まっている映像を視聴者200の視線情報と顔の位置情報に基づいて検出する。そして、興味の集まっている映像が副表示領域101Cに表示されている映像の場合は、この映像を主表示領域101Bに表示される映像と入れ替え、視聴者200に興味を持たれている映像が主表示領域101Bに表示されるようにする。以下、図2〜図8を参照して詳述する。
【0025】
まず、左右の視聴者情報取得用カメラ102を用いて、それぞれのカメラ視野内にいる視聴者200を撮影し、視聴者200達の映像情報を得る(ステップS11)。このとき、視聴者情報取得用カメラ102と映像表示部101との位置関係は既知であり、図4に示すような配置をとるものとする。また、図4において、座標(0,0,0)は映像表示画面101Aの左端上の座標を表し、座標(X,Y,0)は映像表示画面101Aの右端下の座標を表している。
【0026】
顔画像認識手段103では、視聴者情報取得用カメラ102から得られた映像信号を用いてSVM等の手法により、映像表示画面101Aに顔を向けている視聴者200の顔画像の認識を行い、更に顔画像認識された視聴者の人数を検出する(ステップS12)。ここで、検出された視聴者200の人数をmとする。この顔画像認識ではある程度の正面顔、つまりは映像表示画面101Aに顔を向けている人物さえ認識できればよい。映像表示画面101Aに対して顔を向けていない人物は、映像に興味を持っていない人物であると考えられるからである。この様子を図5に示す。この図5において、曲線で囲んだ範囲内の視聴者200が顔認識された者であり、×印を付した視聴者200は顔認識できない者である。また、曲線で囲んだ範囲内の視聴者で、符号200Aで示す視聴者は矢印Aで示す方向に歩行中または視線を副表示領域101Cの映像P1に向けた者であり、また曲線で囲んだ範囲内の視聴者で、符号200Bで示す視聴者は視聴しずらい者である。
【0027】
顔座標検出手段104では、顔画像認識手段103によって認識された視聴者200のそれぞれに対して、映像表示画面101Aに対する顔の位置座標を検出する(ステップS13)。視聴者情報取得用カメラ102の映像において、対象とする視聴者200の顔画像に対応する顔画像をもう一方の視聴者情報取得用カメラの映像から求める。このとき、二つの視聴者情報取得用カメラ102の光軸102Aは、図6に示すように、お互いに平行であり、そして、視聴者情報取得用カメラ102を構成するレンズを結ぶ線分(X−Y平面)は光軸102Aと直交し、さらに、視聴者情報取得用カメラ112を構成する撮像素子面は光軸112Aと直交する同一平面内に存在し、レンズの焦点距離f(=H)は等しい。
視聴者情報取得用カメラ102のレンズの中心から対応する顔画像i(視聴者m人中i番目の視聴者の顔画像)が二つの視聴者情報取得用カメラにおいてずれている距離をそれぞれ

この時、求めたい視聴者iの顔画像の映像表示画面101A上での座標は、数1で与えられる。
【0028】
[数1]

【0029】
視聴者注視座標検出手段105では、視聴者200が映像表示画面101A中で注視している視線の方向を検出し、かつ映像表示画面101A中で見ている位置座標を、認識された視聴者毎に検出する(ステップS14)。
視聴者iの視線方向の検出手法としては、実施例1では画像認識による方法を用いる。すなわち、二つの視聴者情報取得用カメラ102から得た顔画像から三次元顔画像モデルを作成し、三次元顔データベースとマッチングを取ることにより顔の方向を求め、さらに顔画像の内眼球部分に当たる領域において、黒目と白目の位置関係から眼球の方向を求める。この顔の方向と眼球の方向から視線の方向を得る。この時の視聴者iと映像表示画面101Aとの関係は図7に示すようになる。
この図7から明らかなように、視聴者iが映像表示画面101A中で見ている座標(V,V,0)は、数2で与えられる。
【0030】
[数2]

【0031】
注目映像情報検出手段106では、視聴者注視座標検出手段105で求められた視線の位置座標を基に視聴者200が注視している映像表示画面101A中の映像を検出し、この注目映像情報を一定時間取得して視聴者200の注目映像メタ情報を視聴者毎に算出する(ステップS15)。
すなわち、映像表示画面101Aの主表示領域101B及び副表示領域101Cにおいて表示されている映像の数をk個とする。視聴者iの見ている座標(V,V,0)から、その瞬間視聴者が見ている映像がどの映像なのかを判定する。そして、現時刻tでの視聴者iの注目映像情報P(t)=(p1(t),p2(t),…,p(t))を得る。

【0032】
次に、視聴者iの注目映像情報を一定時間取得し加算する。これは、人は何かに注目しているとき常にその領域を見続けるわけではなく、時として視線がずれること、また、ノイズなどによる誤領域の検出の影響を軽減するためなどの理由による。したがって、視線位置情報を時刻t−Tから現時刻tまで加算したとすると、視聴者iの注目映像メタ情報Pmeta(t)は、数3で求められる。
【0033】
[数3]

【0034】
満足度検出手段107では、顔移動係数を算出し、算出された顔移動係数に基づいて視聴者200の満足度を算出する(ステップS16)。
すなわち、顔画像の位置座標に基づく視聴者200が映像表示画面101Aに顔を向けて映像をどれくらい静止して見ていたかを表す顔移動係数は、顔位置座標(F,F,0)を時刻t−Tから現時刻tまで取得することで求められる。この場合は、まず、現在の位置と一回前に取得した位置との差分を取る。不特定多数の人物から映像内での興味領域を得るという目的上、表示されている映像に興味を持たない人物はできる限り除きたい。視聴者iが、静止して映像を見ているか、それとも歩きながらたまたま視線を向けているだけかの判定として、静止しているという情報を用いるのが最もわかりやすく、また有効であると考えられる。現時刻tでの移動時間係数fは単調減少関数G(x)を用いて、数4で与えられる。
【0035】
[数4]

この式から、瞬間の顔の移動量を用いた瞬間の顔移動係数が求まる。この瞬間の顔移動係数を時刻t−Tから現時刻tまで加算することで、現時刻までにおいて視聴者iがどれくらい映像を静止してみていたかを表す顔移動係数Fmoveが数5から求まる。
【0036】
[数5]

【0037】
さらに、重み付けとして、視聴者iの満足度を求める。人は、注目しているほど、映像をできるだけ良い環境で見ようとする。
映像表示画面101A上での視線の座標(V,V,0)が、顔位置座標(F,F,0)に近いほど、映像を正面から見ていることになる。そして、映像表示部101の映像を最もよく見ることができる環境は、映像表示部101に対して正面であることは直感的に理解できる。しかし、多人数で映像表示画面101Aを視聴する場合、必ずしも良好な環境で、つまりは映像を正面から見られるわけではない。そこで現状の環境に対する満足度として、時刻tにおいて視線の方向と顔位置がどれだけ離れているかで、視聴者iの満足度S(t)を定義する。H(x)を単調減少関数とすると、満足度S(t)は数6から求められる。
【0038】
[数6]

上記の式で得られる満足度は良い視聴環境であれば高くなる。この満足度が低い視聴者ほど、現状に満足しておらず、自分の見ている映像を主表示領域101Bにて視聴したい要求が強いと考えられる。
【0039】
表示欲求度検出手段108では、以上の係数を用いて、現時刻tでの視聴者iの映像の表示欲求度D(t)は数7から求められる(ステップS17)。
【0040】
[数7]

ここで、D(t)は、視聴者がk個の映像それぞれをどの程度視聴したいかを表すものである。さらに、表示欲求度検出手段108では、D(t)を認識したm人の視聴者全員に対して求め、加算することで視聴者全員の映像の表示欲求度AD(t)を数8から算出する(ステップS18)。
【0041】
[数8]

【0042】
表示映像作成手段109では、表示欲求度検出手段108で算出された表示欲求度の最も高い値の映像が主表示領域101Bの映像か否かを判定する(ステップS19)。ここで、表示欲求度の最も高い値の映像が主表示領域101Bの映像であると判定された場合は、その映像が主表示領域101Bに表示する(ステップS20)。また、表示欲求度の最も高い値の映像が副表示領域101Cの映像であると判定された場合、例えば表示欲求度の最も高い値の映像が副表示領域101Cの映像P1であると判定された場合には、主表示領域に表示されている映像PMAXに代えて、表示欲求度の最も高い値の映像P1に入れ替え、映像P1が映像表示部101に表示する(ステップS21)。以上の処理により主表示領域には、視聴者達の最も興味のある映像が表示され続ける。
以下、図8のステップS11からステップS21に示す処理は所定の時間単位、例えば数十秒ないし1分程度の時間単位で繰り返し実行され、これにより、映像表示部101に興味の集まった映像を主表示領域101Bに入れ替えて表示できる。なお、上記処理サイクルは、上述した時間に限定されるものではない。
【0043】
このように実施例1によれば、従来のように観客に特別に装着される視線入力装置を用いることなしに、屋外の映像表示部に表示された映像に対する不特定多数の視聴者の視線情報を取得し、取得された視線情報に基づいて視聴者の興味が集まる映像を検出し、検出された映像を主表示領域101Bに表示する。したがって、視聴者に手間をかけることなく、視聴者の興味が集まる映像を大きく表示し、視聴者の興味をいっそう喚起することができる。
【実施例2】
【0044】
次に、図9〜図16により実施例2について説明する。
図9は、実施例2の映像表示システムの概略構成を示す図、図10は実施例2の映像表示システムの構成を示す機能ブロック図、図11は実施例2における映像表示部と視聴者情報取得用カメラとの位置関係を示す説明図、図12は実施例2において表示欲求度行列から表示する領域の大きさおよびその順番を決定する処理の第1段階を示す説明図、図13は実施例2において表示欲求度行列から表示する領域の大きさおよびその順番を決定する処理の第2段階を示す説明図、図14は実施例2において表示欲求度行列から表示する領域の大きさおよびその順番を決定する処理の第3段階を示す説明図、図15は本実施例2において表示欲求度行列から表示する領域の大きさおよびその順番を決定する処理の最終段階を示す説明図、図16は本実施例2の映像表示システムの動作を示すフローチャートである。
【0045】
まず、図9に示す映像表示システムの構成について説明する。
図9に示すように、遠隔地90において、風景、人物、繁華街などをカメラで撮影し、その映像をリアルタイムに現在地91の映像表示装置92(図10及び図11に示す映像表示部401に相当する)に表示する。撮影は二つのカメラ93および94を用いて行い、カメラ93を主表示領域用カメラとし、カメラ94を副表示領域表示用カメラとする。副表示領域用カメラ94は、被写体の全体映像を撮影するものである。主表示領域表示用カメラ93は、副表示領域用カメラ94により撮影される被写体のうち視聴者の興味が集まる部分(領域)を拡大して撮影するために用いられる。また、主表示領域表示用カメラ93及び副表示領域用カメラ94と映像表示装置92とは、通信回線95介して接続されている。
【0046】
実施例2の映像表示装置400は、図10に示すように、映像表示部401、2つの視聴者情報取得用カメラ402、顔画像認識手段403、顔座標検出手段404、視聴者注視座標検出手段405、視線位置行列作成手段406、視線位置情報検出手段407、満足度検出手段408、表示欲求度検出手段409、表示領域・表示順番決定手段410、動領域検出手段411、送信手段412、受信手段413および表示映像作成手段414を備える。
【0047】
映像表示部401は、屋外のような人通りの多いに広場などに設置されるもので、横寸法がX,縦寸法がYの大きさの映像表示画面401Aを有する。また、この映像表示画面401Aは、図11に示すように、視聴者の興味を持った領域の映像を表示する主表示領域401Bと、全体映像を縮小して表示する副表示領域401Cとに区分されている。また、実施例2では、主表示領域表示用カメラ93により撮影された映像を主表示領域401Bに表示し、副表示領域用カメラ94により撮影された映像を副表示領域401Cに表示することができるようになっている。
【0048】
2つの視聴者情報取得用カメラ402は、映像表示部401の映像表示画面を視聴する不特定多数の視聴者を撮影するもので、図11に示すように、映像表示部401の表示画面上における上端の左右個所に、視聴者に向けて配置されている。この左右両視聴者情報取得用カメラ402の間隔は、視聴者の表示画面に対する視線の位置を正確に求めるために表示画面のX軸方向の寸法に相当する距離Lに設定されている。
【0049】
顔画像認識手段403は、各視聴者情報取得用カメラ402で取得された視聴者映像に基づいて、図9に示すように、映像表示画面401Aに顔を向けている視聴者200の顔画像をSVM等により認識し、認識された顔画像に基づいて映像表示画面401Aに顔を向けている視聴者200の数を検出する。
顔座標検出手段404は、実施例1の顔座標検出手段104と同様に、視聴者情報取得用カメラ402毎に顔画像認識手段403により認識された顔画像に基づいて映像表示画面401A上における顔画像の位置座標を、認識された視聴者200毎に検出する。
【0050】
視聴者注視座標検出手段405は、実施例1の視聴者注視座標検出手段105と同様に、視聴者情報取得用カメラ402毎に顔画像認識手段403により認識された両方の顔画像に基づいて視聴者200の顔の方向と眼球の方向を検出し、認識された視聴者200の視線方向を視聴者毎に検出し、検出された視線方向の情報と顔座標検出手段404により検出された顔画像の位置座標に基づいて視聴者200が映像表示画面401A中で注視している視線の位置を視線位置情報として、認識された視聴者毎に検出する。
【0051】
視線位置行列作成手段406は、視聴者注視座標検出手段405により検出された視線位置情報に基づいて映像表示画面401A上の座標(0,0,0)〜(X,Y,0)に対して視聴者200の視線が向いているかどうかを表すX×Yの行列V(t)を作成する。
また、視線位置情報検出手段407は、視線位置行列作成手段406により作成されたX×Yの行列に過去(時刻t−Tから現時刻t)の視線位置情報を加算して現在の視線位置情報を視線位置メタ情報Vmeta(t)として、視聴者毎に算出する。
【0052】
満足度検出手段408は、顔座標検出手段404により検出された顔画像の位置座標に基づいて視聴者200が映像表示画面401Aに顔を向けて映像をどれくらい静止して見ていたかを表す顔移動係数Fmoveを算出するとともに、算出された顔移動係数Fmoveに基づいて視聴者200の満足度S(t)を視聴者毎に算出する。
【0053】
表示欲求度検出手段409は、視線位置情報検出手段407により算出された視線位置メタ情報Vmeta(t)、満足度検出手段408により算出された顔移動係数Fmoveおよび満足度S(t)に基づいて映像表示画面401A中の全領域での映像に対する視聴者200の表示欲求度D(t)を、認識した視聴者200毎に算出し、算出された表示欲求度D(t)を加算して、認識した視聴者全員の映像表示画面401A中の表示欲求度AD(t)として求める。
【0054】
表示領域・表示順番決定手段410は、表示欲求度検出手段409により算出された表示欲求度AD(t)の情報に基づいて映像表示画面401Aの主表示領域401Bに表示する表示領域の大きさとこの表示領域の表示の順番を決定し、表示領域および表示順の情報を主表示領域表示用カメラ93に対して送出する。
動領域検出手段411は、表示領域・表示順番決定手段410により決定された各表示領域が動領域か静止領域かを判定し、表示領域が動領域と判定されたとき、表示領域(すなわち主表示領域表示用カメラ93の撮影領域)が変更されてトラッキングされるように主表示領域表示用カメラ93に対してトラッキング指令を送出するものである。
【0055】
送信手段412は、表示領域・表示順番決定手段410により決定された表示領域と順番を表す情報と動領域検出手段411により検出された動領域か静止領域かの判定情報とを遠隔地に設置された主表示領域表示用カメラ93に送信する。
受信手段413は、遠隔地に設置された主表示領域表示用カメラ93及び副表示領域用カメラ94により撮影された映像を受信し、表示映像作成手段414に出力する。
表示映像作成手段414は、受信手段413からの主表示領域表示用カメラ93及び副表示領域用カメラ94の映像を映像表示部401の主表示領域401B及び副表示領域401Cに表示するように加工する。
【0056】
次に、実施例2の映像表示装置の動作について図9〜図16を参照して説明する。
図9において、遠隔地90の主表示領域用カメラ301及び副表示領域用カメラ302により撮影されたそれぞれの映像は、通信回線95を通して現在地91にある映像表示装置92に伝送され表示される。より具体的には、主表示領域表示用カメラ93は視聴者達が興味を持った領域の拡大映像を得るための被写体、例えば図9に示す遠隔地90の撮影場所にいる人物96を撮影し、また、副表示領域用カメラ94は遠隔地90の撮影場所にいる人物96及びその背景建物97を含む全体映像を撮影する。そして、主表示領域表示用カメラ93で撮影された映像は受信手段413で受信され、表示映像作成手段414によって映像表示部401の主表示領域401Bに図9及び図11に示すように拡大表示される。また、副表示領域用カメラ94で撮影された映像は受信手段413で受信され、表示映像作成手段414によって映像表示部401の副表示領域401Cに図9及び図11に示すように縮小表示される。
【0057】
かかる状態において、左右の視聴者情報取得用カメラ402を用いて、それぞれのカメラ視野内にいる視聴者200を撮影し、視聴者200の映像情報を得る(ステップS31)。この時、視聴者情報取得用カメラ402と映像表示部401との位置関係は既知であり、図11に示すような配置をとるものとする。また、図11において、座標(0,0,0)は映像表示画面401Aの左端上の座標を表し、座標(X,Y,0)は映像表示画面401Aの右端下の座標を表している。
【0058】
顔画像認識手段403では、実施例1と同様に、視聴者情報取得用カメラ402から得られた映像信号を用いてSVM等の手法により、映像表示画面401Aに顔を向けている視聴者200の顔画像認識を行い、この視聴者の数を認識する(ステップS32)。このとき認識した視聴者200の人数をmとする。
顔座標検出手段404では、実施例1と同様に、顔画像認識手段403によって認識された視聴者200のそれぞれに対して、映像表示画面401Aに対する顔の位置座標を求める(ステップS33)。
【0059】
視聴者注視座標検出手段405では、実施例1同様に、視聴者200が映像表示画面401A中で注視している視線の方向を検出し、かつ映像表示画面401A中で見ている位置座標を、認識された視聴者毎に検出する(ステップS34)。
視線位置行列作成手段406では、視聴者注視座標検出手段405で求められた視線位置情報を基に映像表示画面401A上の座標(0,0,0)〜(X,Y,0)に対して視聴者200の視線が向いているかどうかを表すX×Yの視線位置行列を作成する(ステップS35)。すなわち、視線の位置座標は(V,V,0)一点ではなく、(V,V,0)を中心にして半径rの円内部に視線が向いているとすると、現時刻tで視線が向いているかどうかを表すX×Yの視線位置行列V(t)は数9に基づいて作成することができる。
【0060】
[数9]


【0061】
上記の視線位置行列は、図11に示される映像表示画面401A上の座標(0,0,0)〜(X,Y,0)の位置と対応しており、行列の要素v11が映像表示画面401Aの左端上を示し、要素vxyが右端下を示している。したがって、視線位置情報検出手段407は、視線位置行列作成手段406で作成されたX×Yの視線位置行列に過去(時刻t−Tから現時刻t)の視線位置情報を加算することにより、現在の視線位置情報を視線位置メタ情報Vmeta(t)として、次の数10から視聴者毎に求めることができる(ステップS36)。
【0062】
[数10]

【0063】
満足度検出手段408では、上記実施例1に示す場合と同様にして、顔移動係数Fmoveを算出し、算出された顔移動係数Fmoveに基づいて視聴者200の満足度S(t)を算出する(ステップS37)。
表示欲求度検出手段409では、視線位置情報検出手段407で算出された視線位置メタ情報Vmeta(t)と満足度検出手段408で算出された顔移動係数Fmove及び満足度S(t)とに基づいて現時刻tにおける映像表示画面401A中の全領域での映像に対する視聴者200の表示欲求度D(t)を数11により、認識した視聴者200毎に算出する(ステップS38)。
【0064】
[数11]

【0065】
さらに、表示欲求度検出手段409では、認識した視聴者200毎に算出された表示欲求度D(t)を加算して、認識した視聴者全員の映像表示画面401A中における映像の表示欲求度AD(t)を数12により算出する(ステップS39)。この表示欲求度AD(t)はX×Yの行列として得られる。
【0066】
[数12]

【0067】
表示領域・表示順番決定手段410では、X×Yの行列として得られる表示欲求度AD(t)に基づいて、主表示領域401Bに表示する領域を選択し、選択された領域の大きさおよび表示順を、以下に述べる処理により決定する(ステップS40)。
【0068】
処理1;表示欲求度AD(t)の行列の要素adijにおいて、要素adijが予め定めた閾値以下adij<thvalueとなる領域を表示しない領域(NG)とし、要素adijが閾値以上の領域を表示する領域として選択する。図12に示す主表示領域401Bにおいて、ハッチングの領域が表示しない領域(NG)を示しており、白抜きの領域が表示する領域120を示している。また、この表示する領域120のうち、白抜きの度合が大きい程要素adijの値が大きくなる。
【0069】
処理2;表示しない領域(NG)になっていない要素adijを連結させ、n個の連結された領域AREA(j=0,…,n)を作成する。
この領域においてAREAの面積<thAREAとなる閾値以下のエリアはNGとし、閾値以上のエリアを表示するエリア130とする。そして、この各エリア130の中心点131を図13に示すように求める。この場合、中心点131がある閾値以上の副表示領域401Cに含まれていたならば、そのエリアをNGとする。
【0070】
処理3;中心点を中心にして、図14に示すように、NG領域が入らないように表示エリア130からN:Lの比率の領域140を抜き出す。
処理4;抜き出した領域140のうち、NGになっていない領域140の大きさの平均値を求め、この平均値の高いものから順に、図15に示すようなラベルをつける。すなわち、各表示する領域140に図15に示すような表示の順番を表す番号「1」、「2」、「3」を付ける。なお、領域の表示の順番を表す番号の順序は図15に示すものに限定されない。
以上の処理で、主表示領域401Bに表示する表示領域の大きさおよび表示順を決定することができる。
【0071】
動領域検出手段411では、表示領域・表示順番決定手段410で選択されたそれぞれの表示領域が動領域か静止領域かを判定する。動領域検出手段411は、表示領域内の映像を時間によるブロックマッチング処理を行い、動きベクトルを検出する(ステップS41)。そして、検出された動きベクトル値(mv,mv)を予め定めた閾値(mv>thmv_x or mv>thmv_y)と比較し、動きベクトルの値が閾値以上のとき、この表示領域を動領域と判定する(ステップS42)。そして、動領域検出手段411は、表示領域が動領域の場合には、動き検出を行い、動領域をトラッキングする。また、表示領域が動領域でない場合には、静止領域であるから、そのまま保持する。
【0072】
次に、送信手段412では、表示領域・表示順番決定手段410により決定された表示領域(撮影場所)と表示の順番を表す情報、及び動領域検出手段411により検出された動領域か静止領域かの判定情報である動き検出の情報を遠隔地に設置された主表示領域表示用カメラ93に送信する(ステップS45)。これに伴い、主表示領域用カメラ93は、与えられた情報に基づいて、カメラ本体の角度や、ズーム、トラッキングの有無などが変更されるとともに、指定された領域の映像を撮影して現在地の映像表示装置に送信する。この映像を受信した映像表示部401では、各表示領域を一定時間表示した後、副表示領域401Cに表示されている全体映像を主表示領域401Bに表示する。
以下、図16のステップS31からステップS46に示す処理は所定の時間単位、例えば数十秒ないし1分程度の時間単位で繰り返し実行される。なお、上記処理サイクルは、上述した時間に限定されるものではない。
【0073】
上記で述べた映像表示制御の処理手順を要約すると、以下に述べる手順で映像表示処理が繰り返し行われることになる。
手順1;映像表示部401の表示領域全体に、副表示領域用カメラ93で取得した遠隔地90からの全体映像を表示する。
手順2;全体映像を視聴している視聴者200達が興味を持った領域を複数個求める。
手順3;映像部401の表示領域を主表示領域401Bと副表示領域401Cに分割して、主表示領域401Bに主表示領域表示用カメラ93で取得した視聴者の興味を持った映像P1を図9に示すように拡大して表示し、副表示領域401Cに副表示領域表示用カメラ94で取得した全体映像P2を図9に示すように縮小して表示する。
手順4;上記手順2で求めた視聴者の興味を持った領域を一定時間毎に切り替え、全て表示する。
手順5;手順1に戻る。
【0074】
このように実施例2によれば、従来のように観客に特別に装着される視線入力装置を用いることなしに、屋外の映像表示部に表示された映像に対する不特定多数の視聴者の視線情報を取得し、取得された視線情報に基づいて視聴者の興味が集まる映像を表示する。
したがって、視聴者に手間をかけることなく、視聴者の興味が集まる映像を大きく表示し、ひいては視聴者の興味をいっそう喚起することができる。
【符号の説明】
【0075】
100・・・・・・映像表示装置、101・・・・・・映像表示部、101A・・・・・・映像表示画面、101B・・・・・・主表示領域、101C・・・・・・副表示領域、102・・・・・・視聴者情報取得用カメラ、103・・・・・・顔画像認識手段、104・・・・・・顔座標検出手段、105・・・・・・視聴者注視座標検出手段、106・・・・・・注目映像情報検出手段、107・・・・・・満足度検出手段、108・・・・・・表示欲求度検出手段、109・・・・・・表示映像作成手段、110・・・・・・受信手段、200・・・・・・視聴者、301・・・・・・主表示領域用カメラ、302・・・・・・副表示領域用カメラ、400・・・・・・映像表示装置、401・・・・・・映像表示部、402・・・・・・視聴者情報取得用カメラ、403・・・・・・顔画像認識手段、404・・・・・・顔座標検出手段、405・・・・・・視聴者注視座標検出手段、406・・・・・・視線位置行列作成手段、407・・・・・・視線位置情報検出手段、408・・・・・・満足度検出手段、409・・・・・・表示欲求度検出手段、410・・・・・・表示領域・表示順番決定手段、411・・・・・・動領域検出手段、412・・・・・・送信手段、413・・・・・・受信手段、414・・・・・・表示映像作成手段、401A・・・・・・映像表示画面、401B・・・・・・主表示領域、401C・・・・・・副表示領域。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のカメラにより第1の映像を撮影する第1の映像撮影ステップと、
前記第1の映像撮影ステップで撮影される第1の映像の一部の領域である第2の映像を第2のカメラにより撮影する第2の映像撮影ステップと、
前記第1の映像撮影ステップで撮影された第1の映像および前記第2の映像撮影ステップで撮影された第2の映像を映像表示部により表示画面に表示する映像表示ステップとを含み、
前記映像表示ステップは、
前記第1の映像撮影ステップで撮影された第1の映像を前記表示画面に表示する第1の映像表示ステップと、
前記第1の映像表示ステップで前記表示画面に表示された映像を見る視聴者を複数の視聴者用カメラにより撮影する視聴者撮影ステップと、
前記視聴者撮影ステップで撮影された画像に基づいて前記視聴者の顔画像を認識する顔画像認識ステップと、
前記顔画像認識ステップで認識された顔画像に基づいて前記顔画像が注視する前記映像の位置を検出し、検出された前記位置に基づいて前記位置の表示を欲する表示欲求度を算出する表示欲求度算出ステップと、
前記表示欲求度算出ステップで算出された表示欲求度に基づいて前記第2の映像撮影ステップで撮影すべき前記領域を選択する領域選択ステップと、
前記領域選択ステップで選択された選択情報に応じて前記第2の映像撮影ステップで撮影された第2の映像を前記表示画面に表示する第2の映像表示ステップとを含み、
前記第2の映像撮影ステップは、前記領域選択ステップで選択された選択情報に従って前記領域を第2のカメラにより撮影する
ことを特徴とする映像表示方法。
【請求項2】
前記第2の映像表示ステップは、前記表示画面に主領域と前記主領域より小さい副領域とを設け、前記主領域に前記第2の映像を表示し、前記副領域に前記第1の映像を表示する
ことを特徴とする請求項1記載の映像表示方法。
【請求項3】
前記領域選択ステップは、選択された前記領域が複数の場合、前記領域の大きい順に前記複数の領域の優先順位を決定し、
前記第2の映像表示ステップは、前記優先順位に従って前記複数の領域を表示する
ことを特徴とする請求項1記載の映像表示方法。
【請求項4】
前記領域選択ステップは、
選択された領域の動きベクトルを検出する動きベクトル検出ステップと、
前記動きベクトル検出ステップで検出された動きベクトルに基づいて前記領域が動きのある映像かどうかを判定する動き判定ステップと、
前記動き判定ステップで前記領域が動きのある映像と判定されたとき、前記領域の選択情報に前記動きベクトルを付加する情報付加ステップとを含み、
前記第2の映像撮影ステップは、前記選択情報に付加された前記動きベクトルに基づいて前記領域を変更してトラッキングを行う
ことを特徴とする請求項1記載の映像表示方法。
【請求項5】
前記視聴者撮影ステップは、前記複数の視聴者用カメラにより一定時間に動画像を撮影し、
前記顔画像認識ステップは、前記視聴者撮影ステップで撮影された動画像を構成するフレーム毎に前記顔画像を認識し、
前記表示欲求度算出ステップは、前記顔画像認識ステップで認識された各フレームのそれぞれの顔画像に基づいて前記表示欲求度を算出する
ことを特徴とする請求項1記載の映像表示方法。
【請求項6】
前記表示欲求度算出ステップは、
前記顔画像認識ステップで認識された顔画像に基づいて前記顔画像の前記表示画面に対する位置座標を検出する顔座標検出ステップと、
前記顔画像認識ステップで認識された顔画像に基づいて前記顔画像の視線方向を検出する視線方向検出ステップと、
前記視線方向検出ステップで検出された前記顔画像の視線方向と前記顔座標検出ステップで検出された対応する前記顔画像の位置座標とに基づいて前記顔画像が注視する前記表示画面の位置座標を検出する注視座標検出ステップとを含み、
前記注視座標検出ステップで検出された前記位置座標に基づいて前記表示欲求度を算出する
ことを特徴とする請求項1記載の映像表示方法。
【請求項7】
前記表示欲求度算出ステップは、
前記顔画像認識ステップで認識された顔画像に基づいて前記顔画像の前記表示画面に対する位置座標を検出する顔座標検出ステップと、
前記顔座標検出ステップで検出された顔画像の位置座標に基づいて前記顔画像の移動量を検出する移動量検出ステップと、
前記移動量検出ステップで検出された移動量に基づいて前記顔画像の満足度を算出する満足度算出ステップと、
前記顔画像認識ステップで認識された顔画像に基づいて前記顔画像の視線方向を検出する視線方向検出ステップと、
前記視線方向検出ステップで検出された前記顔画像の視線方向と前記顔座標検出ステップで検出された対応する前記顔画像の位置座標とに基づいて前記顔画像が注視する前記表示画面の位置座標を検出する注視座標検出ステップとを含み、
前記注視座標検出ステップで検出された位置座標、前記移動量検出ステップで検出された移動量および前記満足度算出ステップで算出された満足度に基づいて前記表示欲求度を算出する
ことを特徴とする請求項1記載の映像表示方法。
【請求項8】
第1の映像を撮影する第1のカメラと、
前記第1の映像の一部の領域である第2の映像を撮影する第2のカメラと、
前記第1のカメラにより撮影された第1の映像および前記第2のカメラにより撮影された第2の映像を表示画面に表示する映像表示部とを備えた映像表示装置であって、
前記映像表示部は、
前記第1のカメラにより撮影された第1の映像を前記表示画面に表示する第1の映像表示手段と、
前記第1の映像表示手段により前記表示画面に表示された映像を見る視聴者を撮影する複数の視聴者用カメラと、
前記複数の視聴者撮影用カメラにより撮影された画像に基づいて前記視聴者の顔画像を認識する顔画像認識手段と、
前記顔画像認識手段により認識された顔画像に基づいて前記顔画像が注視する前記映像の位置を検出し、検出された前記位置に基づいて前記位置の表示を欲する表示欲求度を算出する表示欲求度算出手段と、
前記表示欲求度算出手段により算出された表示欲求度に基づいて前記第2のカメラにより撮影すべき前記領域を選択する領域選択手段と、
前記領域選択手段により選択された前記領域の選択情報に応じて前記第2のカメラにより撮影された第2の映像を前記表示画面に表示する第2の映像表示手段とを有し、
前記第2のカメラは、前記領域選択手段により選択された選択情報に従って前記領域を撮影する
ことを特徴とする映像表示装置。
【請求項9】
第1のカメラにより第1の映像を撮影する第1の映像撮影ステップと、
前記第1の映像撮影ステップで撮影される第1の映像の一部の領域である第2の映像を第2のカメラにより撮影する第2の映像撮影ステップと、
前記第1の映像撮影ステップで撮影された第1の映像および前記第2の映像撮影ステップで撮影された第2の映像を第1の通信回線を介して送信する映像送信ステップと、
前記映像送信ステップで前記第1の通信回線を介して送信された第1および第2の映像を受信する映像受信ステップと、
前記映像受信ステップで受信された第1および第2の映像を映像表示部により表示画面に表示する映像表示ステップとを含み、
前記映像表示ステップは、
前記映像受信ステップで受信された第1の映像を前記表示画面に表示する第1の映像表示ステップと、
前記第1の映像表示ステップで前記表示画面に表示された映像を見る視聴者を複数の視聴者用カメラにより撮影する視聴者撮影ステップと、
前記視聴者撮影ステップで撮影された画像に基づいて前記視聴者の顔画像を認識する顔画像認識ステップと、
前記顔画像認識ステップで認識された顔画像に基づいて前記顔画像が注視する前記映像の位置を検出し、検出された前記位置に基づいて前記位置の表示を欲する表示欲求度を算出する表示欲求度算出ステップと、
前記表示欲求度算出ステップで算出された表示欲求度に基づいて前記第2の映像撮影ステップで撮影すべき前記領域を選択する領域選択ステップと、
前記領域選択ステップで選択された前記領域の選択情報を第2の通信回線を介して送信する選択情報送信ステップと、
前記選択情報送信ステップで送信された選択情報を前記第2の通信回線を介して受信する選択情報受信ステップと、
前記選択情報受信ステップで受信された選択情報に応じて前記第2の映像撮影ステップで撮影され、前記映像送信ステップで送信され、前記映像受信ステップで受信された第2の映像を前記表示画面に表示する第2の映像表示ステップとを含み、
前記第2の映像撮影ステップは、前記選択情報受信ステップで受信された選択情報に従って前記領域を第2のカメラにより撮影する
ことを特徴とする映像表示方法。
【請求項10】
第1の映像を撮影する第1のカメラと、
前記第1の映像の一部の領域である第2の映像を撮影する第2のカメラと、
前記第1のカメラにより撮影された第1の映像および前記第2のカメラにより撮影された第2の映像を第1の通信回線を介して送信する映像送信手段と、
前記映像送信手段により前記第1の通信回線を介して送信された第1および第2の映像を受信する映像受信手段と、
前記映像受信手段により受信された第1および第2の映像を表示画面に表示する映像表示部とを備えた映像表示装置であって、
前記映像表示部は、
前記映像受信手段により受信された第1の映像を前記表示画面に表示する第1の映像表示手段と、
前記第1の映像表示手段により前記表示画面に表示された映像を見る視聴者を撮影する複数の視聴者用カメラと、
前記複数の視聴者撮影用カメラにより撮影された画像に基づいて前記視聴者の顔画像を認識する顔画像認識手段と、
前記顔画像認識手段により認識された顔画像に基づいて前記顔画像が注視する前記映像の位置を検出し、検出された前記位置に基づいて前記位置の表示を欲する表示欲求度を算出する表示欲求度算出手段と、
前記表示欲求度算出手段により算出された表示欲求度に基づいて前記第2のカメラにより撮影すべき前記領域を選択する領域選択手段と、
前記領域選択手段により選択された前記領域の選択情報を第2の通信回線を介して送信する選択情報送信手段と、
前記選択情報送信手段により送信された選択情報に応じて前記第2のカメラにより撮影され、前記映像送信手段により送信され、前記映像受信手段により受信された第2の映像を前記表示画面に表示する第2の映像表示手段とを有し、
前記映像表示装置は、前記選択情報送信手段により前記第2の通信回線を介して送信された選択情報を受信する選択情報受信手段を有し、
前記第2のカメラは、前記選択情報受信手段により受信された選択情報に従って前記領域を撮影する
ことを特徴とする映像表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2011−146048(P2011−146048A)
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−12953(P2011−12953)
【出願日】平成23年1月25日(2011.1.25)
【分割の表示】特願2004−307776(P2004−307776)の分割
【原出願日】平成16年10月22日(2004.10.22)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】