説明

映像表示装置

【課題】 メニュー操作画面上に設けられている各表示項目内容の視認性を保持し、視覚的に、より明確な区別を可能にし、メニュー操作画面における操作性の向上を図る。
【解決手段】 ユーザがリモコンのメニュー表示ボタンを押下すると、システム制御部は、メニュー操作画面表示信号を受信し続いてメモリから画面構成部にメニュー構成データを供給する。画面構成部は、該メニュー構成データに基づきメニュー操作画面のキャラクタ信号を生成し、表示制御部ではビデオデコーダからの映像信号に上記キャラクタ信号を重畳させ、最終的に処理後の映像信号が画面表示部に表示される。選択項目及び設定項目の表示領域の拡大、縮小等の表示変更は、リモコン及びシステム制御部の制御の下で、画面構成部で行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像表示装置に関し、特に各種設定値を変更するためのグラフィック・ユーザ・インタフェース(「GUI」)としてメニュー操作画面を備える映像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、殆どのテレビジョン受像機、情報端末機器において、ユーザが各種設定操作を簡便に実行する為に設定項目一覧(以下メニューという)を画面上に表示し画面上で設定操作を行う、所謂GUIを備えている。
【0003】
機器の多機能化に伴い、設定項目が増加し、また、例えば、アナログ放送視聴状態や地上デジタル放送視聴状態等の複数の動作状態を有するようになり、このような場合において、上記各動作状態に応じて、設定が許可されない設定項目が存在する場合がある。
【0004】
これをユーザが簡便に区別するための方法として、例えば、特許文献1では、上記のような機器の動作状態に応じてユーザによる選択が禁止されている設定項目の表示領域をハーフトーン表示する技術が開示されている。
【特許文献1】特開平5−75947号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載されている開示技術である選択禁止項目のハーフトーン表示は、コントラストの低下に伴い視認性が低下するため、ユーザが設定不許可項目を誤って探している場合には、該設定項目が設定禁止であることをユーザが認識するのに時間がかかってしまう可能性がある。
【0006】
そこで、本発明は、上記課題の解決を図るべく、提案されたものであり、メニュー操作画面上に設けられている各表示項目内容の視認性を保持しつつ統一的な表示形式のもとで、視覚的に、より明確な区別を可能にし、メニュー操作画面における操作性の向上を図ることができる映像表示装置の提供を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、こうした課題を解決するため、以下に記載する技術構成を採用し、以下の特徴を備えている。
【0008】
本発明に係る映像表示装置は、1つ以上の設定値を変更するためのメニュー操作画面と映像とを合成して表示する映像表示装置であって、前記メニュー操作画面を生成するための設定項目及び設定値を含むメニュー構成データを記憶するメモリと、前記メモリに記憶された前記メニュー構成データをもとに、メニュー操作画面の表示信号を生成する表示信号生成手段と、映像信号を表示する表示手段と、前記メニュー操作画面の表示操作が行われた場合に、前記表示手段に表示される前記映像信号に前記メニュー操作画面の表示信号を重畳させる重畳手段と、前記表示手段により表示されたメニュー操作画面に対してカーソル操作を行う操作手段と、前記操作手段による操作に基づき、前記設定値を設定する設定手段と、を備え、前記メニュー操作画面の表示項目は、ユーザのカーソル操作によって選択される上位レベルである選択項目と、該選択項目の下位レベルであるユーザによる設定が許可されている設定項目およびユーザによる設定が許可されていない設定項目とに分類され、前記表示信号生成手段は、ユーザのカーソル操作によって選択された前記表示項目に応じて、該表示項目の表示形式を自動的に換えることを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る映像表示装置において、前記表示信号生成手段は、前記メニュー操作画面を構成する各表示項目を表示領域に配置し、前記ユーザのカーソル操作によって選択される選択項目の表示領域のサイズを基準として、選択された前記ユーザによる設定が許可されている設定項目の表示領域のサイズを拡大表示し、前記ユーザによる設定が許可されていない設定項目の表示領域を縮小表示することを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る映像表示装置において、前記表示信号生成手段は、前記カーソル操作により、前記ユーザによる設定が許可されていない設定項目を選択しようとした場合に、自動的に該設定項目をスキップするようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
以上説明したように、本発明の係る映像表示装置によれば、メニュー操作画面上で、選択された上位レベルの選択項目と、その下位レベルであって、設定が許可されている設定項目および設定が許可されていない設定項目の表示領域のサイズという単一の属性を段階的に変化させることによる統一的な表示形式を用いることで、設定項目の視認性を保持しつつ、視覚的に区別可能にし、メニュー操作画面における操作性の向上を図ることができる。
また、本発明の係る映像表示装置によれば、前記ユーザによる設定が許可されていない設定項目を選択しようとした場合に、その設定項目の設定を禁止し、自動的に該設定項目をスキップするため、よりメニュー操作画面における操作性の向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明に係る映像表示装置の一実施形態について添付図面を参照して説明を行う。
【0013】
図1は、本発明に係る映像表示装置のシステム構成図である。
【0014】
まず、本発明に係る映像表示装置の構成について図1を用いて説明する。
【0015】
なお、以下では、本発明に係る映像表示装置を説明するにあたって、後述する複数動作状態を有し、メニュー操作画面による設定機能を備えたデジタルテレビジョン受像装置10を例に説明する。
【0016】
テレビジョン受像装置10は、チューナ部11、デスクランブラ12、デマルチプレクサ13、ビデオデコーダ14、PSIデコーダ15、オーディオデコーダ16、画面構成部17、表示制御部18、画像表示部19、DAC20、音声出力部21、メモリ22、システム制御部23、操作部24と、を備えて構成されている。
【0017】
次に、上記のように構成されたデジタルテレビジョン受像装置10の動作について説明する。
【0018】
アンテナあるいはケーブルから受信された放送波信号等の入力信号は、チューナ部11に入力される。チューナ部11では上記入力信号に対して、復調、誤り訂正等の処理を施したトランスポートストリーム(以下「TS」と称する)データを生成し、デスクランブラ12に出力する。デスクランブラ12は、生成されたTSデータが視聴制限の為に暗号化されている場合、TSデータに含まれる鍵情報と後述するICカード制御部23に記録される鍵情報とに基づいて、復号化処理を行い、復号化処理されたデータをデマルチプレクサ13へ出力する。
【0019】
ユーザが、操作部27を用いてチャンネルを選択すると、デマルチプレクサ13は、デスクランブラ12より入力された複数チャンネル分の映像、音声データ、及びPSI(Program Specific Information)データ等が時分割多重化されているTSデータの中から、選択されたチャンネルにおいて現在放送中の番組に係る映像データ及び音声データを取り出し、それぞれをビデオデコーダ14、オーディオデコーダ16に出力して復号化する。また、デマルチプレクサ13は、前述のTSデータからPSIデータを取り出し、PSIデコーダ15に送る。PSIデコーダ15は、PSIデータを復号化し、その中のEPGデータをメモリ22に出力する。メモリ22は、そのEPGデータおよび各種メニュー設定項目を記憶する。
【0020】
システム制御部23は、マイクロプロセッサを含み、図1に示すシステム中の各コンポーネントの制御を行う。また、操作部24は、例えば、図5に示すリモートコントローラ(以下、「リモコン」という)36のようにユーザが画像表示部19に表示されるGUIを操作するため操作信号を出力する。
【0021】
図5は、操作部24としてのリモコンの一例を示す図である。
【0022】
リモコン36は、メニュー操作画面を表示させるメニュー画像表示キー45と、メニュー操作画面上の設定項目を選択するためのカーソルボタン(上)40,(左)41,(下)42,(右)43と、設定された項目情報を決定するための決定キー44と、ユーザによるチャンネル切替えボタン37と、地上デジタル放送ネットワークボタン38、地上アナログ放送ネットワークボタン39とを備えており、これらのボタン等によってメニュー操作画面表示、チャンネル情報表示等の操作入力情報をシステム制御部26に出力する。
【0023】
画面構成部17は、操作部24のユーザ操作入力情報を受けたシステム制御部23からの制御信号に応じて、PSIデータから得たSI等を基にしたEPGデータや、メニュー構成データ等から生成されるキャラクタ信号を表示制御部18に出力する。
【0024】
表示制御部18は、システム制御部23からの制御信号に基づき、ビデオデコーダ14からの映像信号に対してEPGデータやメニュー操作画面等のキャラクタ信号の重畳処理を行い、映像信号を画像表示部19に出力する。
【0025】
また、D/A変換部20は、オーディオデコーダ16からのデジタル音声データをアナログ信号に変換して、スピーカである音声出力部21から音声を出力する。
【0026】
このようにして、ビデオデコーダ14からの映像信号とEPGデータやメニュー操作画面等のキャラクタ信号からなるメニュー操作画面信号とを重畳処理し、画像表示部19に出力すると共に、リモコン36によって、メニュー操作画面上の各種メニュー設定項目を選択して、それぞれに応じた設定を行うことができる。
【0027】
次に、メニュー操作画面における設定項目表示の具体的な動作について、図2から図4を用いて説明する。
【0028】
図2は、メニュー操作画面における設定項目の選択表示の一例を示す図である。
【0029】
図3は、メニュー操作画面において設定が許可されていない設定項目の表示の一例を示す図である。
【0030】
図4は、メニュー操作画面における選択禁止項目のスキップ動作の一例を示す図である。
【0031】
ユーザがリモコン36のメニュー表示ボタン45を押下すると、システム制御部23は、メニュー操作画面表示信号を受信し続いてメモリ22から画面構成部17にメニュー構成データを供給する。さらに、上述したように、画面構成部17は、該メニュー構成データに基づきメニュー操作画面のキャラクタ信号を生成する。そして、表示制御部18ではビデオデコーダ14からの映像信号に上記キャラクタ信号を重畳させ、最終的に処理後の映像信号25が画面表示部19に表示される。
【0032】
メニュー操作画面表示後、ユーザは、リモコン36のカーソルボタン40,41,42、43のいずれかのボタンを押下することでメニュー操作画面上の表示項目を選択又は変更する。以下に説明するように、メニュー操作画面における操作性の向上を図るための選択項目及び設定項目の表示領域サイズの拡大、縮小等の表示変更は、リモコン36及びシステム制御部23の制御の下で、画面構成部17が行う。
【0033】
まず、図2に示す上位レベルの表示項目である選択のみ行うことができる選択項目26をリモコン36のカーソルボタン41又は43を押下することで選択する。
ここで、選択された選択項目26の矩形表示領域は、選択された以外の同レベルの選択項目の矩形表示領域のサイズよりも拡大して表示される。また、このとき、選択項目の下位レベルの設定項目27も同時に表示される。また、この設定項目27の表示領域のサイズは、選択項目26の表示領域のサイズと異なった拡大率であってもよい。
【0034】
なお、さらに、選択項目26を変更する場合は、再度、リモコン36のカーソルボタン41又は43を押下することで変更する。
【0035】
選択項目26を選択する場合、例えば、図2(a)に示すように、現在の上位選択項目が「本体設定」項目であり、その下位レベルの全設定項目27が設定許可項目である場合、選択された設定項目が「入力4端子設定」28の状態から、ユーザがカーソルボタン(下)42を押下すると、図2(b)に示すように、選択された設定項目は1つ下の設定項目「デジタル音声出力」29の状態に遷移する。この際、矩形表示領域が拡大表示される設定項目も「入力4端子設定」28から「デジタル音声出力」29へ遷移する。
【0036】
ユーザによりある設定項目から所望の設定項目に遷移させる操作に伴って、その設定項目の状態が設定許可から設定禁止に遷移した場合は、該設定項目の矩形表示領域は、設定が許可されている設定項目の矩形表示領域よりも縮小して表示される。
【0037】
例えば、図3に示すように、ユーザがアナログ放送視聴状態で(図3(a)に示す状態)、地上デジタル放送ネットワークボタン38の押下によりデジタル放送視聴状態(図3(b)に示す状態)に切り替えると、アナログ放送時においてのみ有効な画面ノイズ除去機能「DNR」は、設定許可項目から設定禁止項目の状態に自動的に遷移するため、該設定項目の矩形表示領域32は縮小表示される。
【0038】
また、設定が許可されていない設定項目は、カーソルによる選択操作も禁止され、図4(a)に示すように選択された設定項目が「デジタル音声出力」33である状態から、ユーザがカーソル下ボタン42を押下すると、デジタル視聴状態で設定が許可されていない設定項目「DNR」34は、自動的にスキップされ、図4(b)に示すさらに下の設定項目「字幕表示設定」35が選択される。
【0039】
このように、メニュー操作画面上で、選択された選択項目と、機器のある動作状態で設定が許可されている設定項目およびその動作状態で設定が許可されていない設定項目の表示領域のサイズという単一の属性を段階的に変化させることによる統一的な表示形式を用いることで、設定項目の視認性を保持しつつ、視覚的に区別可能にし、メニュー操作画面における操作性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明に係る映像表示装置のシステム構成図である。
【図2】メニュー操作画面における設定項目の選択表示の一例を示す図である。
【図3】メニュー操作画面において設定が許可されていない設定項目の表示の一例を示す図である。
【図4】メニュー操作画面における選択禁止項目のスキップ動作の一例を示す図である。
【図5】操作部としてのリモートコントローラの一例を示す図である。
【符号の説明】
【0041】
10 テレビジョン受像装置
11 チューナ部
12 デスクランブラ
13 デマルチプレクサ
14 ビデオデコーダ
15 PSIデコーダ
16 オーディオデコーダ
17 画面構成部
18 表示制御部
19 画像表示部
20 D/A変換部
21 音声出力部
22 メモリ
23 システム制御部
24 操作部
25 映像表示画面
26 メニュー項目(上位)
27 メニュー項目(下位)
30 アナログ放送画面
31 デジタル放送画面
36 リモートコントローラ
37 チャンネル数字ボタン
38 地上デジタル放送ネットワークボタン
39 地上アナログ放送ネットワークボタン
40 カーソル上ボタン
41 カーソル左ボタン
42 カーソル下ボタン
43 カーソル右ボタン
44 決定ボタン
45 メニュー表示ボタン


【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上の設定値を変更するためのメニュー操作画面と映像とを合成して表示する映像表示装置であって、
前記メニュー操作画面を生成するための設定項目及び設定値を含むメニュー構成データを記憶するメモリと、
前記メモリに記憶された前記メニュー構成データをもとに、メニュー操作画面の表示信号を生成する表示信号生成手段と、
映像信号を表示する表示手段と、
前記メニュー操作画面の表示操作が行われた場合に、前記表示手段に表示される前記映像信号に前記メニュー操作画面の表示信号を重畳させる重畳手段と、
前記表示手段により表示されたメニュー操作画面に対してカーソル操作を行う操作手段と、
前記操作手段による操作に基づき、前記設定値を設定する設定手段と、
を備え、
前記メニュー操作画面の表示項目は、ユーザのカーソル操作によって選択される上位レベルである選択項目と、該選択項目の下位レベルであるユーザによる設定が許可されている設定項目およびユーザによる設定が許可されていない設定項目とに分類され、前記表示信号生成手段は、ユーザのカーソル操作によって選択された前記表示項目に応じて、該表示項目の表示形式を自動的に換えることを特徴とする映像表示装置。
【請求項2】
前記表示信号生成手段は、前記メニュー操作画面を構成する各表示項目を表示領域に配置し、前記ユーザのカーソル操作によって選択された選択項目の表示領域のサイズを基準として、前記ユーザによる設定が許可されている設定項目が選択された場合、該設定項目の表示領域のサイズを拡大表示し、前記ユーザによる設定が許可されていない設定項目の表示領域を縮小表示することを特徴とする請求項1に記載の映像表示装置。
【請求項3】
前記表示信号生成手段は、前記カーソル操作により、前記ユーザによる設定が許可されていない設定項目を選択しようとした場合に、自動的に該設定項目をスキップするようにしたことを特徴とする請求項2に記載の映像表示装置。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−252276(P2006−252276A)
【公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−69130(P2005−69130)
【出願日】平成17年3月11日(2005.3.11)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】