説明

映像配信装置及びクライアント

【課題】
簡単な操作の映像配信システムを実現する。
【解決手段】
映像配信装置は、画像キャプチャ手段1−100と、画像切り出し処理部2−203を含む配信画像生成手段2−200と、配信画像の生成パラメータを管理する配信画像生成パラメータ管理手段2−300と、各クライアントを管理するクライアント管理手段2−400を備える。クライアント管理手段2−400は、視野範囲設定権を管理し、複数のクライアントに視野範囲設定権を付与する。配信画像生成パラメータ管理手段2−300は、視野範囲設定権を保持するクライアントからの視野範囲の設定要求に応じて、画像切り出し処理部による画像の切り出し位置に反映し、視野範囲設定権を保持しないクライアントからの視野選択要求に応じて、視野範囲設定権を保持するクライアントに配信する画像のうち、いずれかを選択して受信できるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像配信装置及びクライアントに関し、より具体的には、要求された視野範囲に相当する部分の画像を切り出してクライアントに配信する映像配信システムにおける映像配信装置及びクライアントに関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザによって設定された視野範囲の画像を出力する従来の映像配信システムとして、ズーム制御可能な光学系と、電動雲台等のパンチルト機構とを搭載したカメラのパン・チルト・ズームを、制御権を有するクライアントから制御することにより、指定された視野範囲の画像をキャプチャして出力する構成が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
広画角の光学系を使って取り込んだ画像からクライアントから指定された視野範囲に相当する部分の画像を切り出し、連続した静止画や動画の映像ストリーム(以降、配信画像とする。)として出力する、電子的なパン、チルト、ズーム操作が可能な映像配信装置もある(例えば、特許文献2参照)。広画角の光学系には、全方位ミラー、魚眼レンズ、又は複数のレンズを隣接配置した擬似広角レンズなどがある。歪が大きい光学系の場合にはキャプチャ画像の歪みを予め補正する。
【特許文献1】特開平10−136347号公報
【特許文献2】特開平9−261522号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の構成では、同時に視野範囲を指定することができるのが、基本的に制御権を保持する1クライアントのみである。一方、特許文献2に記載の構成では、図2に示した構成のように画像の切り出し処理などを行う複数の配信画像生成手段のそれぞれが、他の配信画像生成手段とは独立に配信画像を生成できる場合は、複数のクライアントに視野範囲の異なる画像を配信できる。
【0005】
特許文献2の図2に記載される構成で、視野範囲を設定するための独占的な権利を視野範囲設定権として管理し、視野範囲設定権が与えられたクライアントのみが視野範囲を設定できるものとした場合、同時に視野範囲設定権を付与することができるのは、最大nクライアントになる。
【0006】
また、視野範囲設定権を保持しないクライアントは、視野範囲設定権を保持しているクライアントと同じ配信画像を受信できる。但し、特許文献1に記載の構成では、生成される配信画像が常に1つであるので、配信画像の選択による視野の選択が不可能である。これに対し、特許文献2に記載の構成では、最大n本の配信映像のうちの何れかを選択して受信することによって、視野の選択が可能になる。しかし、こうした機能を実現するには、複数の視野範囲設定権を管理する手段、複数の配信画像を各クライアントに割り当てる手段、及びこれらを操作するためのGUIが必要となる。
【0007】
本発明は、複数のクライアントに異なる視野範囲の画像を配信可能な映像配信システムにおける使いかっての良い映像配信装置及びクライアントを提示することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る映像配信装置は、画像をキャプチャするキャプチャ手段と、画像の一部を切り出す画像切り出し処理部を含む配信画像生成手段と、配信する画像の生成パラメータを管理する配信画像生成パラメータ管理手段と、各クライアントの状態を管理するクライアント管理手段とを備える映像配信装置であって、前記クライアント管理手段は、配信する画像の視野範囲を設定するための権利である視野範囲設定権を管理するとともに、同時に複数のクライアントに対して視野範囲設定権を付与することと、前記配信画像生成パラメータ管理手段は、視野範囲設定権を保持するクライアントからの視野範囲の設定要求を受け付けて、画像切り出し処理部による画像の切り出し位置に反映するとともに、視野範囲設定権を保持しないクライアントからの視野の選択要求を受け付けて、視野範囲設定権を保持するクライアントに配信する画像のうち、いずれかを選択して受信できるようにすることとを特徴とする。
【0009】
本発明に係るクライアントは、上述の映像配信装置に接続するクライアントであって、ある視野に対する視野範囲設定権が付与されている場合は、前記視野の位置と大きさの設定を可能とし、視野範囲設定権が付与されていない場合は、全ての視野の中から受信する画像の視野を選択可能とする視野範囲設定手段を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、電子パン、チルト及びズーム操作が可能な映像配信システムに適用することにより、ユーザにとってわかりやすい操作で、映像配信装置が本来備える機能を有効に活用することができるようになる。パン、チルト及びズーム操作が可能な映像配信装置に接続するクライアントのGUIに一部機能を追加するだけで良いので、統一された操作によって既存の映像配信装置と本発明に係る映像配信装置の両方に対して互換性をもつクライアントを実現することも可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面を参照して、本発明の実施例を詳細に説明する。
【実施例1】
【0012】
図1は、本発明の一実施例の概略構成図を示す。ネットワーク1−300は、インターネット、イントラネット、電話回線又はこれらの組み合わせからなる。ネットワーク1−300には、映像配信装置1−110,1−120とクライアント1−210,1−220,1−230が接続する。
【0013】
映像配信装置1−110は、本体からカメラが分離されており、映像配信装置1−110は、カメラが一体化されている。この種の映像配信装置1−110,1−120には、専用のハードウェアからなるタイプのものと、パーソナルコンピュータ(PC)とソフトウェアからなるタイプのものがある。カメラの光学系には、歪みのない広角レンズの他、魚眼レンズ1−11及び全方位ミラー1−121等のような歪みのある光学系を使用することもできる。また、複数のレンズを隣接して配置し、各レンズを通してキャプチャされた画像を合成して広角画像を得るといった構成も利用可能である。
【0014】
クライアント1−210は、PCとソフトウェアで構成され、クライアント1−220は、PDAや携帯電話とソフトウェアで構成される。クライアント1−230は、専用ハードウエアとディスプレイ装置1−231からなる。
【0015】
図2は、歪みのある光学系を使用する場合の映像配信装置の概略構成ブロック図を示す。図2に示す映像配信装置は、カメラ部2−100、n台の配信画像生成手段2−200、配信画像生成手段2−200による配信画像の生成方法を決定する生成パラメータを管理する配信画像生成パラメータ管理手段2−300、接続中の各クライアントの状態と視野範囲設定権を管理するクライアント管理手段2−400、ネットワークを経由してクライアントとの間でデータを送受信する通信手段2−500からなる。
【0016】
カメラ部2−100は、光学系2−101、撮像素子2−102及びキャプチャ部2−103からなる。
【0017】
各配信画像生成手段2−200は、処理中の画像データを一時的に保持するフレームメモリ2−201、歪みの大きい光学系の使用時に光学系の歪み特性に合わせて歪補正を行う歪補正処理部2−202、画像の一部切り出しを行う画像切り出し処理部2−203、リサイズ処理又はリサンプル処理によって画像サイズの変更を行うリサイズ処理部2−204、及び画像の符号化を行う符号化処理部2−205からなる。
【0018】
図2に示す構成例では、配信画像生成手段2−200が配信画像に1対1に対応することが前提になっている。n本の配信画像を生成するためにn個の配信画像生成手段2−200が装備されている。1つの配信画像生成手段によって複数の配信画像を同時に生成可能な場合は、配信画像生成手段2−200の一部又は全部を統合してもよい。また、配信画像生成手段2−200を構成する各画像処理部は、専用チップからなる構成と、CPU又はDSPとソフトウェアの組み合わせによる構成のいずれでもよく、各画像処理部が必ずしも画像処理の内容ごとに独立していなくてもよい。さらに、歪みのない光学系を使用する場合、歪補正処理部2−202は不要であり、ズーム制御と配信画像の画像サイズの変更が不要である場合には、リサイズ処理部2−204も不要である。
【0019】
図3は、クライアントの概略構成ブロック図を示す。本実施例のクライアントは、出力画像を表示する画像表示部3−100と、視野範囲設定手段3−110と、画像処理部3−120と、映像配信装置とのデータの送受信を行う通信処理部3−130と、クライアントの内部状態を管理するとともに、クライアント各部の制御を行うクライアント管理手段3−140とからなる。
【0020】
視野範囲設定手段3−110は、ユーザによる視線方向の指定を受け付けるとともに、映像配信装置側で設定されている視線方向を示す視線方向設定手段3−111と、ユーザによる画角の指定を受け付けるとともに、映像配信装置側で設定されている画角を示す画角設定手段3−112と、配信画像の選択によって視野を選択するための視野選択手段3−113とからなる。視線方向設定手段3−111、画角設定手段3−112、及び視野選択手段3−113は必ずしも独立した構成ではなく、一部又は全てが統合された構成でもよい。
【0021】
画像処理部3−120は、映像配信装置から受信した画像データを復号する復号化処理部3−121と、処理中の画像データを一時的に保持するフレームメモリ3−122とからなる。
【0022】
図4は、クライアントのGUI例を示す。メインウィンドウ4−100には、画像表示部3−100であるイメージラベル4−101、視線方向設定手段3−111であるスライドバー4−102、画角設定手段3−112であるスライドバー4−103、視野選択手段3−113であるリストボックス4−104、視野範囲設定権の取得を開始するためのボタン4−105があり、基本的な操作の全てを入力できるようになっている。また、パノラマウィンドウ4−200には、各配信画像の視野範囲を表す視野枠4−201,4−202,4−203があり、視野枠のクリック及びドラッグにより視野の選択及び視野範囲の設定等を行える。
【0023】
図5は、クライアント管理手段2−400によって保持されるクライアント状態保持テーブルの例を示す。クライアント番号は、接続中の各クライアントに対して割り当てられた、クライアントを識別するための番号である。図5の例では、接続した順にクライアント管理手段が通し番号を与えている。制御レベルは、各クライアントの視野範囲設定権の取得優先順位を表す。図5に示す例では、制御レベルの値が大きいほど優先順位が高い。制御レベルの値が小さいクライアントが視野範囲設定権を保持していても、制御レベルの値が大きいクライアントが視野範囲設定権を要求すると、視野範囲設定権を剥奪することができる。
【0024】
視野番号は、配信画像を識別する番号である。図5に示す例では、4本の配信画像(1)〜(4)が生成されており、配信画像(1)はクライアント番号2と7と8、配信画像(2)はクライアント番号1と3、配信画像(3)はクライアント番号4と6、配信画像(4)はクライアント番号5の各クライアントに対して配信されている。あるクライアントによって配信画像の選択が要求された場合、このクライアントに対して割り当てられた視野番号が、選択された配信画像の視野番号に置き換えられる。
【0025】
図6は、クライアント管理手段2−400によって保持される視野範囲設定権管理テーブルの例を示す。
【0026】
制御状態は、各クライアントの視野範囲設定権の取得状態を「制御中」及び「制御待ち状態」の2状態で表す。「制御中」は、自クライアントが視野範囲設定権を保持しており、配信画像の視野範囲を設定することができる状態を指し、「制御待ち状態」は、他クライアントが保持する視野範囲設定権が解放されるのを待っている状態を指す。視野範囲設定権要求時に制御レベルが同じ他クライアントが視野範囲設定権を保持していた場合に「制御待ち状態」に入り、他クライアントが視野範囲設定権を失った時点で視野範囲設定権を取得できる。
【0027】
本実施例では、視野範囲設定権は配信画像ごとに独立した待ち行列によって管理されており、各待ち行列の先頭の1クライアントのみが「制御中」になる。あるクライアントが配信画像を選択した状態で視野範囲設定権を要求すると、選択された配信画像の待ち行列に入る。待ち行列に他クライアントが存在しない場合、待ち行列の先頭に入り、視野範囲設定権を取得できる。待ち行列に制御レベルが同じ他クライアントが存在する場合、待ち行列の最後尾に入る。待ち行列の先頭以外のクライアントが接続を終了したり、視野範囲設定権の要求をキャンセルしたりした場合、このクライアントが待ち行列の途中から抜けるので、次以降のクライアントの順番が繰り上がる。さらに、ある配信画像の待ち行列にクライアントが存在する状態で、制御レベルが上位のクライアントが同じ配信画像の視野範囲設定権を要求した場合、全クライアントが待ち行列から抜けて、制御レベルが上位のクライアントが待ち行列の先頭に入り、視野範囲設定権を取得することになる。
【0028】
図6に示す例では、配信画像(1)はクライアント2により制御され、配信画像(2)はクライアント1により制御され、配信画像(3)はクライアント6により制御され、配信画像(4)はクライアント5により制御されている。の各クライアントが制御している。クライアント8,7は配信画像(1)の制御待ち状態にあり、クライアント4は配信画像(3)の制御待ち状態になっている。現在の状態からクライアント2が接続を終了した場合、クライアント8が配信画像(1)の待ち行列の先頭に繰り上がって、視野範囲設定権を取得し、クライアント7が待ち行列の2番目に繰り上がる。制御レベルが2以上のクライアントが配信画像(1)に対する視野範囲設定権を要求した場合、クライアント2,8,7が待ち行列から抜けて、制御レベルが2以上のクライアントが、待ち行列の先頭に入って視野範囲設定権を取得する。また、クライアント5は制御レベルが2なので、制御レベル1のクライアントが配信画像(4)に対する視野範囲設定権を要求しても、配信画像(4)の待ち行列に入ることができず、制御待ち状態に入ることはできない。
【0029】
図7は、配信画像生成パラメータ管理手段(2−300)によって保持される配信画像生成パラメータ保持テーブルの例を表す。
【0030】
配信画像生成パラメータ保持テーブルは、各配信画像の視野範囲を決定するパラメータを保持する。図7に示す例では、視線方向の高さ方向の角度を表す“pan”、視線方向の幅方向の角度を表す“tilt”、画角の大きさを表す“zoom”の各パラメータ値が保持されており、これらの値に従って、キャプチャ画像からの画像切り出し部分が決定される。これらの値は、各配信画像の視野範囲設定権を保持するクライアントからの視野範囲設定要求に応じて変化する。
【0031】
図8は、パノラマウィンドウ4−200における視野選択時の具体的なGUIの変化例を示す。
【0032】
図8に示す例では、映像配信装置が4本の配信画像を生成しており、パノラマウィンドウ8−100には、各配信画像の視野範囲を表す4つの視野枠8−101,8−102,8−103,8−104が表示されている。現在、このクライアントは視野範囲設定権を取得しておらず、視野枠8−101に対応する配信画像を受信しているので、視野枠8−101が選択中であることがわかるように、他の視野枠とは異なる線種で表示されている。この状態で、視野枠8−102の枠内又は枠上をクリックすると、視野枠8−102に対応する配信画像が選択されたことになり、視野枠8−101,8−102がそれぞれ視野枠8−201,8−202のように変化するとともに、映像配信装置に視野範囲の選択要求が送信される。また、視野枠の選択は、マウスのホイール操作又はカーソルキーの操作でも行うことが可能で、パノラマウィンドウ8−200の状態でマウスのホイール操作を行うと、各視野枠を巡回してホイール操作が終了した時点の視野枠8−304が選択される。
【0033】
図9は、図8で示した視野選択過程における配信画像情報の例を示す。本実施例の映像配信装置は、配信画像の視野範囲、制御状態又はクライアントへの割り当て等の状態が変化した場合に、接続中の全クライアントに対して配信画像情報を送信して配信画像の状態変化を通知する。パノラマウィンドウ8−100は配信画像情報9−100を元にして表示されており、視野枠8−101,8−102,8−103,8−104の位置と大きさは、それぞれパラメータ9−101,9−102,9−103,9−104によって決定される。ここで、”view_id”は視野番号を表し、1から4の4つの配信画像が生成されていることを表す。
【0034】
”control”は、各配信画像の制御状態を表す。”control”の値”nobody”は、どのクライアントにも制御されていない状態を表す。”someone”は、他のクライアントによって制御されている状態を表す。”system”は自動追尾機能などによって映像配信装置自身が制御されている状態を表す。”view”は、自クライアントに対して割り当てられている配信画像を表し、配信画像情報9−100の場合は視野番号1の配信画像が割り当てられていることになる。“control=system”の場合、“control=someone”の場合に比べて制御レベルが高く、視野枠8−104は他の視野枠とは異なる色と線種で表示されて区別される。これは、制御レベルが低いクライアントの場合は、視野枠8−104に対応した配信画像の視野範囲設定権を取得することができないことを示すためである。
【0035】
パノラマウィンドウ8−100において視野枠8−102を選択すると、配信画像情報9−200が送信されて、視野番号2の配信画像の割り当てが通知される。さらに、パノラマウィンドウ8−200の状態から視野枠8−204を選択すると、配信画像情報9−300が送信されて、視野番号4の配信画像の割り当てが通知される。
【0036】
配信画像情報は、図9で示したようなテキストデータの代わりにバイナリデータでも良く、配信画像データのヘッダ部分等に含まれても良い。また、全ての配信画像に関する状態を通知するのではなく、送信先のクライアントが受信する配信画像の状態が変化した場合に、当該配信画像に関する情報のみを送信しても良いが、その場合は他の配信画像の視野範囲を視野枠として表示することができなくなる。
【0037】
図10は、パノラマウィンドウ4−200における視野範囲設定時の具体的なGUIの変化例を示す。図10に示す例では、映像配信装置が4本の配信画像を生成しており、パノラマウィンドウ10−100には各配信画像の視野を表す4つの視野枠10−101,10−102,10−103,10−104が表示されている。現在、このクライアントは視野枠10−101に対応する配信画像の視野範囲設定権を保持しているので、視野枠10−101は、制御可能であることがわかるように、他の視野枠とは異なる線種で表示されている。この状態で、視野枠10−101の枠内をつかんでドラッグすると、元の位置10−201からドラッグ後の位置10−211に移動する。また、視野枠10−211の枠上をつかんでドラッグすると、元の大きさ10−301からドラッグ後の大きさ10−311に変化する。いずれの場合も、ドラッグ操作が完了した時点で、映像配信装置に対して視野範囲設定要求が送信される。
【0038】
図11は、図10に示す視野範囲設定過程における配信画像情報の例を示す。パノラマウィンドウ10−100は、配信画像情報11−100の内容を元に表示されており、視野枠10−101,10−102,10−103,10−104の位置と大きさは、それぞれパラメータ11−101,11−102,11−103,11−104によって決定される。ここで、配信画像情報の“control”の値“me”は、自クライアントが視野範囲設定権を保持していることを表し、視野番号1の配信画像の視野範囲が設定できることを表す。また、“pan”、“tilt”及び“zoom”は、各配信画像の生成パラメータであり、視野範囲の位置と大きさを表す。
【0039】
パノラマウィンドウ10−100において、視野枠10−201の枠内をつかんで視野枠10−211の位置にドラッグすると、配信画像情報11−200が送信されて、“pan”及び“tilt”の値が変化した制御後の視野範囲が通知される。また、パノラマウィンドウ10−200において、視野枠10−301の枠上をつかんで視野枠10−311の大きさにドラッグすると、配信画像情報11−300が送信されて、“zoom”の値が変化した制御後の視野範囲が通知される。
【0040】
図12は、視野選択手段3−113のGUIの具体例を表す。例12−100では、視野選択手段がドロップダウンリストになっており、各項目には配信画像ごとに設定された名前が表示されるとともに、カッコ内に各配信画像の制御状態や制御レベルなどの情報が表示されている。例12−200では、視野選択手段がメニューになっており、各項目には配信画像ごとに設定された名前が表示されるとともに、現在選択中の配信画像の名前がチェックされている。
【0041】
このように、視野選択手段のGUIでは、各配信画像の選択状態、制御状態及び制御レベルなどの情報が文字列やシンボルで表されて、ユーザにとって各状態がわかりやすいように表示される。各情報は文字列やシンボルの他、文字色、フォントの種類又は下線などで表されても良い。
【0042】
図13は、本実施例のクライアントの接続過程を示す動作フローチャートである。
【0043】
クライアントが映像配信装置に対して接続開始を要求すると(13−001)、映像配信装置はまず、接続可能かどうかを判定する(13−002)。
【0044】
接続可能と判定された場合、映像配信装置は、クライアント管理手段(2−400)によって配信画像のうち1つを割り当てると共に(13−003)、配信画像情報を送信して割り当てられた配信画像を通知する(13−004)。配信画像情報を受信したクライアントは、通知された内容を元にして、視野選択手段3−113の表示を変更し、ユーザによる視野選択の入力を受け付け可能にすると共に(13−005)、割り当てられた配信画像の受信を開始する(13−006)。
【0045】
接続不可と判定された場合(13−002)は、映像配信装置はクライアントに接続の失敗を通知し(13−007)、クライアントは、エラーを表示してその旨をユーザに通知する(13−008)。
【0046】
図14は、クライアントの視野選択過程を表す動作フローチャートである。ユーザが視野枠の選択などによって視野の選択を変更すると(14−001)、クライアントはまず、視野選択用のドロップダウンリストの選択項目を変更するなど、視野選択手段3−113の表示を変更し、次に、映像配信装置に対して配信画像の割り当ての変更を要求する14−003。配信画像の割り当ての変更を要求された映像配信装置は、配信画像の割り当ての変更が可能かどうかを判定する(14−004)。
【0047】
配信画像の割り当ての変更が可能であると判定された場合は、クライアント管理手段2−400によって、配信画像の割り当てを選択された配信画像に変更すると共に(14−005)、配信画像情報を送信して配信画像の割り当て結果を通知する(14−006)。配信画像情報を受信したクライアントは、通知された内容を元にして、新たに割り当てられた配信画像の受信を開始する(14−007)。
【0048】
配信画像の割り当ての変更が不可能と判定された場合(14−004)、映像配信装置はクライアントに対して配信画像の割り当て変更に失敗したことを通知する(14−008)。配信画像の割り当て変更に失敗したことを通知されたクライアントは、エラーを表示してその旨をユーザに通知すると共に(14−009)、ステップ14−001及びステップ14−002で変更された視野選択手段の表示を元に戻す(14−010)。
【0049】
図15は、クライアントの視野範囲設定権取得過程を表す動作フローチャートである。ユーザが視野を選択した状態で制御開始ボタン4−105を操作すると(15−001)、クライアントは、選択中の配信画像に対する視野範囲設定権を要求する(15−002)。視野範囲設定権を要求された映像配信装置は、視野範囲設定権を与えることが可能かどうかを判定する(15−003)。
【0050】
選択された配信画像に対する視野範囲設定権を与えることが可能と判定された場合(15−003)、映像配信装置は、選択中の配信画像に対する視野範囲設定権を付与し(15−004)、その旨をクライアントに通知する(15−005)。視野範囲設定権の取得完了を通知されたクライアントは、視野範囲設定手段3−110の表示と操作方法を変更し、視野範囲の位置と大きさを変更できるようにする(15−006)。
【0051】
選択された配信画像に対する視野範囲設定権を与えることが不可能と判定された場合(15−003)、制御待ち状態に入ることが可能かどうかを判定する(15−007)。制御待ち状態に入ることが可能と判定された場合(15−007)、映像配信装置は、このクライアントを選択中の配信画像に対する視野範囲設定権の取得待ち状態に入れ(15−008)、その旨をクライアントに通知する(15−009)。視野範囲設定権の取得待ち状態に入ったことを通知されたクライアントは、視野範囲設定手段3−110の表示を変更することによって、その旨をユーザに通知する(15−010)。
【0052】
制御待ち状態に入ることが不可能と判定された場合(15−007)、映像配信装置は、視野範囲設定権の取得に失敗したことをクライアントに通知する(15−011)。視野範囲設定権の失敗を通知されたクライアントは、エラーを表示してその旨をユーザに通知する(15−012)。
【0053】
図16は、クライアントの接続終了過程を表す動作フローチャートである。クライアントが映像配信装置に接続終了を要求すると(16−001)、映像配信装置はまず、当該クライアントが視野範囲設定権を保持しているかどうかを確認する(16−002)。視野範囲設定権を保持していることが確認されたと(16−002)、映像配信装置は、当該クライアントから視野範囲設定権を剥奪し(16−003)、クライアントにその旨を通知する(16−004)。
【0054】
視野範囲設定権を保持していないことが確認された場合(16−002)、映像配信装置は、当該クライアントが制御待ち状態かどうかを確認する(16−005)。制御待ち状態と確認された場合(16−005)、映像配信装置は、クライアントの視野範囲設定権の待ち状態を解除し(16−006)、クライアントにその旨を通知する(16−007)。
【0055】
制御待ち状態でないことが確認されるか(16−005)、ステップ16−004又はステップ16−006が完了すると、映像配信装置は、配信画像の割り当てを解除し(16−008)、その旨をクライアントに通知する(16−009)。配信画像の割り当て解除が通知されたクライアントは、視野枠を非表示にしたり、視野選択手段を無効にしたりして、視野範囲設定手段の表示と操作方法を変更し(16−010)、配信画像の受信を終了する(16−011)。
【実施例2】
【0056】
図17は、クライアント管理手段(2−400)によって保持される視野範囲設定権管理テーブルの例を示す。
【0057】
本実施例の映像配信装置では、複数の視野範囲設定権が1つの待ち行列によって一括して管理されている。配信画像の同時生成数をnとした場合、待ち行列の先頭からn番目までのクライアントが視野範囲設定権を取得することになり、それ以降のクライアントは、視野範囲設定権の取得待ち状態となる。制御レベル1のクライアントが視野範囲設定権を要求した場合、前記待ち行列の最後尾に入る。但し、制御レベルが2以上のクライアントが視野範囲設定権を要求した場合は、制御レベルが低い他の全クライアントの前に割り込んで優先的に視野範囲設定権が与えられる。また、待ち行列中の先頭以外のクライアントが接続を終了したり、視野範囲設定権の要求をキャンセルしたりした場合、このクライアントが例外的に待ち行列から抜け、次のクライアントの順番が繰り上がる。
【0058】
図17に示す例では、配信画像(1)はクライアント2により制御され、配信画像(2)はクライアント1により制御され、配信画像(3)はクライアント6により制御され、配信画像(4)はクライアント5により制御されている。
【0059】
現在の状態から、クライアント2が接続を終了した場合、それ以降のクライアントが繰り上がり、クライアント4が新たに視野範囲設定権を取得する。このとき、クライアント4は、クライアント2が保持していた配信画像(1)に対する視野範囲設定権を取得する。また、制御レベルが2のクライアントが視野範囲設定権を要求した場合、このクライアントは、制御レベルが2であるクライアント5の後ろである、先頭から2番目に割り込むことになり、クライアント1が保持する配信画像(2)に対する視野範囲設定権を剥奪する。
【0060】
図18は、パノラマウィンドウ4−200における視野範囲設定権取得時の具体的なGUIの変化を表す図である。
【0061】
図18に示す例では、映像配信装置が4本の配信画像を生成しており、パノラマウィンドウ18−100には各配信画像の視野を表す4つの視野枠18−101,18−102,18−103,18−104が表示されている。現在、このクライアントは、視野範囲設定権を取得しておらず、視野枠18−101に対応する配信画像を受信している。視野枠18−101は、選択中であることがわかるように、他の視野枠とは異なる線種で表示されている。この状態で視野範囲設定権を要求すると、視野枠18−101,18−102,18−103,18−104に対応する配信画像のうち、いずれかに対する視野範囲設定権が与えられるとともに、前記配信画像がこのクライアントへの配信画像として割り当てられる。このとき、割り当てられた配信画像の生成パラメータには、視野範囲設定権を要求した時点で選択されていた配信画像と同じ生成パラメータ値が設定される。
【0062】
図19は、図18で示した視野選択過程における配信画像情報の例である。パノラマウィンドウ18−100は配信画像情報19−100の内容を元に表示されており、視野枠18−101,18−102,18−103,18−104の位置と大きさは、それぞれパラメータ19−101,19−102,19−103,19−104によって決定される。
【0063】
図18に示す例では、視野範囲設定権を要求した時点では、視野枠18−101が選択されている。視野枠18−102に対応した配信画像に対する視野範囲設定権が与えられると、視野枠18−102に対応した配信画像情報がパラメータ19−102からパラメータ19−202のように変化し、“control”の値が“nobody”から“me”になる。また、視野枠18−102に対応した配信画像の生成パラメータには、視野枠18−101に対応した配信画像と同じ生成パラメータ値が設定されるので、配信画像情報19−202の“pan”、“tilt”及び“zoom”の各生成パラメータの値には、パラメータ19−201と同じ値が設定される。従って、視野枠18−101と視野枠18−102はそれぞれ、視野枠18−201と視野枠18−202のように変化する。これによって、選択された配信画像とは別の配信画像に対する視野範囲設定権が与えられた場合でも、クライアントが受信する配信画像の視野範囲は視野範囲設定権の取得前後で変化しない。ユーザは、配信画像の割り当てが変化したことを意識する必要はない。
【0064】
図20は、クライアントの視野範囲設定権取得過程を表す動作フローチャートである。ユーザが制御開始ボタン4−105を操作すると(20−001)、クライアントは視野範囲設定権を要求し(20−002)、映像配信装置は視野範囲設定権を与えることが可能かどうかを判定する(20−003)。
【0065】
映像配信装置は、図17で示した視野範囲設定権管理テーブルを参照し、視野範囲設定権を与えることが可能な配信画像が存在する場合(20−003)、前記配信画像に対する視野範囲設定権を付与し(18−004)、図5で示したクライアント状態保持テーブルにおいて、前記制御可能な配信画像をクライアントへの配信画像として割り当てる(20−005)。配信画像の割り当てが行われると、図7で示した配信画像生成パラメータ保持テーブルの生成パラメータのうち、ステップ20−005で割り当てられた配信画像の生成パラメータの値に、選択していた配信画像の生成パラメータと同じ値が設定される。次に、映像配信装置は、クライアントに視野範囲設定権の取得完了を通知し(20−007)、配信画像の割り当てを通知する(20−008)。
【0066】
ステップ20−007及びステップ20−008の通知を受け取ったクライアントは、通知の内容に応じて視野範囲設定手段3−110の表示を変更するとともに、視野範囲の設定が行えるように操作方法を変化させ20−009、割り当てられた配信画像の受信を開始する(20−010)。
【0067】
視野範囲設定権を与えることが不可能と判定された場合(20−003)、映像配信装置は、要求元のクライアントを制御待ち状態に入れることが可能かどうかを判定する(20−011)。制御待ち状態に入れることが可能と判定された場合、映像配信装置は、クライアントを選択中の配信画像に対する視野範囲設定権の取得待ち状態に入れ(20−012)、その旨をクライアントに通知する(20−013)。視野範囲設定権の取得待ち状態に入ったことを通知されたクライアントは、視野範囲設定手段(3−110)の表示を変更することによって、その旨をユーザに通知する(20−014)。
【0068】
制御待ち状態に入ることが不可能と判定された場合(20−011)、映像配信装置は、視野範囲設定権の取得に失敗したことをクライアントに通知する(20−015)。視野範囲設定権の失敗を通知されたクライアントは、エラーを表示してその旨をユーザに通知する(20−016)。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の一実施例の概略構成ブロック図である。
【図2】映像配信装置の概略構成ブロック図である。
【図3】クライアントの概略構成ブロック図である。
【図4】クライアントのGUIを表す図である。
【図5】クライアント管理手段によって保持されるクライアント状態保持テーブルの例である。
【図6】クライアント管理手段によって保持される視野範囲設定権管理テーブルの例(その1)である。
【図7】配信画像生成パラメータ管理手段によって保持される配信画像生成パラメータ保持テーブルの例である。
【図8】パノラマウィンドウにおける視野選択時の具体的なGUIの変化を表す図である。
【図9】視野選択過程における配信画像情報の例(その1)である。
【図10】パノラマウィンドウにおける視野範囲設定時の具体的なGUIの変化を表す図(その1)である。
【図11】図10で示した視野範囲設定過程における配信画像情報の例である。
【図12】視野選択手段のGUIの具体例である。
【図13】クライアントの接続過程を表す動作フローチャートである。
【図14】クライアントの視野選択過程を表す動作フローチャートである。
【図15】クライアントの視野範囲設定権取得過程を表す動作フローチャート(その1)である。
【図16】クライアントの接続終了過程を表す動作フローチャートである。
【図17】クライアント管理手段によって保持される視野範囲設定権管理テーブルの例(その2)である。
【図18】パノラマウィンドウにおける視野範囲設定権取得時の具体的なGUIの変化を表す図(その2)である。
【図19】視野選択過程における配信画像情報の例(その2)である。
【図20】クライアントの視野範囲設定権取得過程を表す動作フローチャート(その2)である。
【符号の説明】
【0070】
1−110,1−120:映像配信装置
1−111:魚眼レンズ
1−121:全方位ミラー
1−210,1−220,1−230:クライアント
1−231:ディスプレイ装置
1−300:ネットワーク
2−100:カメラ部
2−101:光学系
2−102:撮像素子
2−103:キャプチャ部
2−200:配信画像生成手段
2−201:フレームメモリ
2−202:歪補正処理部
2−203:画像切り出し処理部
2−204:リサイズ処理部
2−205:符号化処理部
2−300:配信画像生成パラメータ管理手段
2−400:クライアント管理手段
2−500:通信手段
3−100:画像表示部
3−110:視野範囲設定手段
3−111:視線方向設定手段
3−112:画角設定手段
3−113:視野選択手段
3−120:画像処理部
3−121:復号化処理部
3−122:フレームメモリ
3−130:通信処理部
3−140:クライアント管理手段
4−100:メインウィンドウ
4−101:イメージラベル
4−102:スライドバー
4−103:スライドバー
4−104:リストボックス
4−105:ボタン
4−200:パノラマウィンドウ
4−201,4−202,4−203:視野枠
8−100,8−200,8−300:パノラマウィンドウ
8−101,8−102,8−103,8−104:視野枠
8−201,8−202,8−203,8−204:視野枠
8−301,8−302,8−303,8−304:視野枠
9−100,9−200,9−300:配信画像情報
10−100,10−200,10−300,10−400:パノラマウィンドウ
10−101,10−102,10−103,10−104:視野枠
10−201,10−202,10−203,10−204:視野枠
10−301,10−302,10−303,10−304:視野枠
10−401,10−402,10−403,10−404:視野枠
11−100,11−200,11−300:配信画像情報
18−100,18−200:パノラマウィンドウ
18−101,18−102,18−103,18−104:視野枠
18−201,18−202,18−203,18−204:視野枠
19−100,19−200:配信画像情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像をキャプチャするキャプチャ手段と、画像の一部を切り出す画像切り出し処理部を含む配信画像生成手段と、配信する画像の生成パラメータを管理する配信画像生成パラメータ管理手段と、各クライアントの状態を管理するクライアント管理手段とを備える映像配信装置であって、
前記クライアント管理手段は、配信する画像の視野範囲を設定するための権利である視野範囲設定権を管理するとともに、同時に複数のクライアントに対して視野範囲設定権を付与することと、
前記配信画像生成パラメータ管理手段は、視野範囲設定権を保持するクライアントからの視野範囲の設定要求を受け付けて、画像切り出し処理部による画像の切り出し位置に反映するとともに、視野範囲設定権を保持しないクライアントからの視野の選択要求を受け付けて、視野範囲設定権を保持するクライアントに配信する画像のうち、いずれかを選択して受信できるようにすること
とを特徴とする映像配信装置。
【請求項2】
前記クライアント管理手段は、視野ごとに独立した待ち行列によって視野範囲設定権を管理し、クライアントが受信する画像の視野を選択して視野範囲設定権を要求した場合に、選択された視野に対する視野範囲設定権を付与することを特徴とする請求項1に記載の映像配信装置。
【請求項3】
前記クライアント管理手段は、全ての視野に対して1つの待ち行列によって視野範囲設定権を一括して管理し、クライアントが視野範囲設定権を要求した場合に、視野範囲設定権を付与する視野を自動的に割り当てることを特徴とする請求項1に記載の映像配信装置。
【請求項4】
クライアントが視野範囲設定権を要求した場合、制御可能になることが予測される視野又は制御可能になった視野が選択されることを特徴とする請求項3に記載の映像配信装置。
【請求項5】
クライアントが視野範囲設定権を要求した場合、視野範囲設定権が付与された視野に、視野範囲設定権取得前に選択していた視野と同じ生成パラメータが設定されることを特徴とする請求項4に記載の映像配信装置。
【請求項6】
更に、接続中の各クライアントに配信する全画像の視野範囲を通知する手段を備えることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の映像配信装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の映像配信装置に接続するクライアントであって、ある視野に対する視野範囲設定権が付与されている場合は、前記視野の位置と大きさの設定を可能とし、視野範囲設定権が付与されていない場合は、全ての視野の中から受信する画像の視野を選択可能とする視野範囲設定手段を備えることを特徴とするクライアント。
【請求項8】
前記視野範囲設定手段は、前記映像配信装置から通知された全画像の視野範囲を視野枠として表示し、ある視野に対する視野範囲設定権が付与されている場合は、前記視野に該当する視野枠の位置や大きさの変更によって視野範囲の設定を可能とし、になるとともに、視野範囲設定権が付与されていない場合は、視野枠の選択による視野の選択が可能になることを特徴とする請求項7に記載のクライアント。
【請求項9】
視野範囲設定権の取得状態に応じて、視野枠の線種又は色が変化することを特徴とする請求項7に記載のクライアント。
【請求項10】
自クライアントの受信画像の視野範囲であるか、他クライアントの受信画像の視野範囲であるかに応じて、前記視野枠の線種又は色が変化することを特徴とする請求項8又は9に記載のクライアント。
【請求項11】
自クライアント及び他クライアントの視野範囲設定権の取得状態に応じて、前記視野枠の線種又は色が変化することを特徴とする、請求項8から10のいずれか1項に記載のクライアント。
【請求項12】
視野範囲設定権が、視野範囲設定権取得の優先度を表す制御レベルをクライアントごとに設定可能であり、制御レベルに応じて前記視野枠の線種又は色が変化することを特徴とする請求項8から11のいずれか1項に記載のクライアント。
【請求項13】
前記視野枠の選択は、視野枠上又は視野枠内のクリック又はタップによって行われることを特徴とする請求項8乃至12のいずれか1項に記載のクライアント。
【請求項14】
前記視野枠の選択は、マウスのホイールやダイヤルの回転操作、又はシャトルスイッチやカーソルキーの入力によって行われることを特徴とする請求項8乃至13のいずれか1項に記載のクライアント。
【請求項15】
前記視野の選択は、コンボボックス、リストボックス等のGUIコンポーネントの項目選択によって行われることを特徴とする請求項1乃至14のいずれか1項に記載のクライアント。
【請求項16】
視野範囲設定権の取得状態に応じて、前記GUIコンポーネントの文字列、色及びシンボルの少なくとも1つが変化することを特徴とする請求項15に記載のクライアント。
【請求項17】
自クライアントの受信画像の視野範囲であるか、他クライアントの受信画像の視野範囲であるかに応じて、前記GUIコンポーネントの文字列、色及びシンボルの少なくとも1つが変化することを特徴とする請求項15又は16に記載のクライアント。
【請求項18】
自クライアント及び他クライアントの視野範囲設定権の取得状態に応じて、前記GUIコンポーネントの文字列、色及びシンボルの少なくとも1つが変化することを特徴とする請求項15乃至17のいずれか1項に記載のクライアント。
【請求項19】
前記視野範囲設定権は、視野範囲設定権取得の優先度を表す制御レベルをクライアントごとに設定可能であり、制御レベルに応じて前記GUIコンポーネントの文字列、色及びシンボルの少なくとも1つが変化する請求項15乃至18のいずれか1項に記載のクライアント。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2006−115046(P2006−115046A)
【公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−298401(P2004−298401)
【出願日】平成16年10月13日(2004.10.13)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】