説明

時間シーケンスボリュームレンダリング

画像化される対象物の異なるクラスの特性を識別する、2次元画像用のデータを生成する方法および装置が開示され、これは、異なるクラスに分類されたボリュームデータを別個にレンダリングし、この別個のレンダリングの全てから、2次元画像で使用するための1つのデータを画像ピクセルとして選択することによって行われる。これは、2次元画像で使用されるそれぞれのデータについて繰り返され、それにより、たとえば、異なるクラスのデータの混合/組合せとして、2次元画像全体についてデータが選択的に構築される。2次元画像用のデータは、異なるクラスのデータを視覚的に区別するために、色別化されてもよい。そのため、造影剤を受ける組織の画像強調に適用されると、患者摂取動態情報が、ボリュームレンダリングに組み込まれて、異なる強調および動態特徴の組織が、識別されることが可能になってもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像化方法および装置に関し、排他的ではないが、特に、3次元空間で対象物を表すボリュームデータからレンダリングされる2次元画像を構築するときに使用するためのデータを生成する方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
対象物(たとえば、人被検体)の内部領域の画像化は、通常、ボリュームデータの取得を伴う。こうして取得されたボリュームデータは、画像化される対象物が、画像化中にその中に存在した3次元基準フレームに従って規定されたデータアイテムを含むと考えられ、各データアイテムは、データアイテムが関連する3次元の点または領域に関する情報を伝達する。それぞれのこうしたボリュームデータアイテムは、通常、問題の基準フレームに関して規定された少なくとも3次元座標(たとえば、x,y,z)が関連付けられており、時間次元を表すさらなる4次元を有する場合がある。ボリュームデータは、ボリュームスライスのスタック(順序付けされたセット)として表されてもよい。各スライスは、平面であって、以前に選択された軸(スタック方向軸)に直交し、スタック内のスライスの指標によって記述されるその軸に沿う特定のロケーションの平面によるボリュームの断面を表す2次元(2D)画像であってよい。たとえば、z軸がスタック方向軸として選択される場合、スライスは、(x,y)座標の考えられる全ての値に相当するデータアイテム(x,y,zi)を含み、かつ、ziに等しい固定した(すなわち、そのスライスの全てのアイテムについて同じである)座標zを有する2D画像であることになる。ここで、iはスタック内のスライスの指標である。スライスは、全画像ボリュームをカバーし、スタック内のスライス数は、スライス厚さの選択された値、すなわち、2つの隣接するスライス間の距離に依存する。
【0003】
徐々に、ボリュームデータのボリューム可視化(レンダリング)について多数の技術が開発されてきた。ボリュームデータが、あるスタックのスライスとして可視化されるとき、たとえば、画像化される対象物の解剖学的内部構造の形状に関する重要な情報が失われる可能性がある。逆に、ボリュームレンダリング技術は、たとえば、画像化される対象物の解剖学的内部構造の形状に関するより視覚的な情報を提示するボリューム可視化(レンダリング)効果を伝達する3次元データを2次元画像内に取り込み/使用しようと試みる。ボリュームデータのボリュームレンダリングは、意味のある情報が、視覚化としてボリュームデータから抽出され得る手段であり、通常、こうして抽出されたデータの2次元画像またはこうした2D画像のセットとして提示するためのものである。
【0004】
ボリュームレンダリング方法は、ボリュームデータから直接2D画像(または2D画像のデータ)を作成する方法を含む。ボリュームレンダリングの4つの方法は、x線レンダリング、最大輝度投影、等表面レンダリング、フルボリュームレンダリングとして当技術分野で知られている。これらの4つの方法は2つの特性を共有する。それぞれの方法は、画像ボクセルから「観察光線(viewing ray)」を投射し、その光線経路に沿った離散的なロケーションでボリュームデータ値をサンプリングする技術を使用し、また、それぞれの方法は、ボリュームデータの補間(たとえば、いわゆる、「最近隣(nearest-neighbour)」サンプリング、線形補間、または、当業者に容易に明らかになるであろう任意の他の補間方法)を使用して、サンプリングされたボリュームデータ値を決定する。医療用画像化用途で最もしばしば使用されるボリュームレンダリング方法は、最大輝度投影(MIP)である。この方法は、ボリュームデータを通過する等間隔の平行な「観察光線」システムを使用してボリュームデータを2D画像(投影)に投影する。各光線は、その経路に沿う離散的なロケーションでボリュームデータ値を補間することによって決定されるサンプリングされたデータ値が関連付けられる。投影画像は、最後に、光線のそれぞれの1つの光線の経路に沿ってサンプリングされたデータの最大値で形成される。
【0005】
磁気共鳴画像化(MRI)は、対象物の内部領域を画像化する方法の例である。ボリュームデータは、MRIによって取得され得、データアイテムのセットを含み、データアイテムはそれぞれ、画像化対象物のある程度の所定の物理特性を表し、また、対象物の画像内のエレメントとして表されてもよい。こうしたボリュームデータアイテムは、一般に、「ボクセル」(すなわち、ボリューム「ピクセル」)と呼ばれる。
【0006】
対象物内の異なる組織は、通常、所与のMRI画像取得イベントに対して異なる反応を生じる。脂肪組織は、血管と異なって画像化される場合があり、血管は、病変と異なって画像化される場合がある。しばしば、「造影剤」が、対象物の画像化領域に導入され、造影剤は、対象領域の画像が、そこに存在する他の組織から対象組織を強調する、または、より明確に区別することを可能にするように、病変組織などの特定のタイプの組織内に蓄積する特性のために特に選択される。換言すれば、対象組織は、画像化ボリューム内で他の組織からより先鋭にコントラストをつけられ、これは、通常、「コントラスト強調(contrast enhanced)」と呼ばれる。もちろん、造影剤または匹敵する効果を有する物質は、画像化物品/対象物の体内で対象領域の材料を同様に強調させるために、非生物学的対象物の工業用解析で使用されてもよい。
【0007】
生物学的対象物(たとえば、動物または人)内の組織の調査では、コントラスト強調された対象領域の画像コントラストの時間的変化の仕方は、問題の組織のタイプおよび性質に関する価値のあるデータを提供する可能性がある。こうした時間的変化の仕方の調査および解析は、動的コントラスト強調画像化(Dynamic Contrast Enhanced imaging)(たとえば、MRIなどの画像化)として知られる。
【0008】
DCE-MRIで使用される造影剤の効果による強調の動態は、以下の生理的モデルを使用してある程度単純に説明され得る。たとえば、静脈内ボーラス(bolus)注入による投与後、造影剤は血漿内に送達される。大動脈血管から局所動脈、その後、毛細管に流れ下って、造影剤は組織に送達され、組織において、造影剤は、浸透性毛細管壁を通って組織の細胞外で血管外の空間(EES)(細胞間の空間)内に拡散する。造影剤のEESへの移動は、組織内濃度が血管濃度より大きくなるときの血漿への逆流を伴い、ついには、組織の部位で蓄積された造影剤の濃度は、血漿濃度との動的平衡に達する。造影剤は、最終的には、腎臓によって血漿から除去される(一部の低分子重量造影剤は、かなりの肝性排出もある)。血漿との平衡を維持する傾向を持ちながら、造影剤は組織からウォッシュアウトされる。こうして、体内のほとんどの組織(脳組織を除く)は、2段階の行動パターン、造影剤濃度の増加とそれに続く造影剤のウォッシュアウトを示すことになる。しかし、時間スケールは、増加段階の継続時間の差および造影剤の最大蓄積濃度の程度を示す異なる生理的特徴を有する組織ごとに変動する。
【0009】
組織(たとえば、乳房)の動的コントラスト強調MRI(DCE-MRI)における病変の解析は、通常、2つの因子、すなわち、造影剤の投与後の特定期間の間の最大強調の程度および造影剤摂取(uptake)の時間的変化の仕方の評価を伴う。後者は、画像化組織または物品の1つまたは複数の所与の画像化部分の相対的な輝度対時間(「摂取曲線(uptake curve)」として知られる)を示す、グラフィックプロットまたは「動態(kinetic)」曲線の形状によって規定されてもよい。
【0010】
乳房のDCE-MRIを解釈することに伴う問題の1つは、悪性であることが疑われる病変と血管とを区別することである。血管は、通常、強い相対的強調を呈し、ほとんどの悪性病変の摂取特性と同様の造影剤摂取特性を示すことが多い。「差分画像(subtracted image)」(すなわち、造影剤投与後に取得された画像から、造影剤投与前に取得された基準画像が減算され、その結果が、強調効果を示す)の最大輝度投影によるボリュームレンダリングを使用して、血管と病変が区別されてもよい。こうしたレンダリングによって生成される2Dレンダリング画像上では、血管は、その特徴的なパイプに似た管状形状のために明確に認識可能である。「減算された」データを使用するレンダリングは、強調する解剖学的構造の形およびレンダリングされるボリュームの取得時の強調効果の程度を反映するが、組織の動態の情報は反映しない。これは、病変と病変を区別すること、血管以外の非病変組織(たとえば、乳房実質)を強調することに困難さをもたらす可能性がある。たとえば、乳房実質は、強い強調であるが、異なる動態を生じる場合がある。同様な問題は、生物学的組織を画像化するときと、他の材料または物品を画像化するときの両方で、他のボリューム画像データ取得技術(陽電子放射断層撮影法、コンピュータ断層撮影法など)を使用するときに、画像化ボリューム内で材料と材料を区別するときに生じる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明はこれに対処することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
最も一般的に、本発明は、画像化される対象物の異なるクラスの特性を識別する、2次元画像用のデータを生成することを提案し、これは、異なるクラスに分類されたボリュームデータを別個にレンダリングし、この別個のレンダリングの全てから、2次元画像で使用するための1つのデータを(たとえば、画像ピクセルとして)選択することによって行われる。これは、2次元画像で使用されるそれぞれのデータについて繰り返され、それにより、たとえば、異なるクラスのデータの混合/組合せとして、2次元画像全体についてデータが選択的に構築される。2次元画像用のデータは、コード化されるか、または、属するクラスを明確に識別する情報を含んでもよい。これは、データの容易なクラス識別および2次元画像内で異なるクラスのデータを視覚的に区別する、適した視覚化方法(たとえば、色別化)を可能にする。そのため、動態情報が、ボリュームレンダリングに組み込まれて、異なる強調および動態特徴の組織が、識別されることが可能になってもよい。
【0013】
こうして、本発明は、異なるクラスの、たとえば、画像化される対象物の異なる物理的特性を表すデータが、明確に視覚化され、識別されることを可能にする、2次元画像への、ボリューム画像データのボリュームレンダリングの生成を可能にしてもよい。本発明は、排他的にではないが、磁気共鳴画像化(MRI)手順によって取得されるボリュームデータと共に使用するのに特に適しており、人被検体の医療用画像化だけでなく、動物オブジェクトの画像化の分野、および、他の分野に用途がある。
【0014】
分類される特性は、組織の造影剤摂取動態に影響を及ぼす組織の表示される生理的特徴であってよく、造影剤摂取動態は、造影剤の投与に続く特定の期間にわたって監視された画像化ボリュームの一部についての造影剤摂取の時間的変化の仕方の評価によって評価される。特性は、画像化ボリュームのその部分を表すボリューム画像データ点(複数可)(たとえば、「ボクセル」またはボクセルの中から/ボクセルの間で計算された被サンプリングデータ点)の相対的な輝度/値に対応する時間的変化として画像化される。たとえば、これは、以下のクラス、すなわち、ボクセル(複数可)またはサンプル(複数可)の輝度の持続的なコントラスト強調、ボクセル(複数可)またはサンプル(複数可)の輝度のウォッシュアウト、あるいは、ボクセル(複数可)またはサンプル(複数可)の摂取曲線のプラトーのうちの1つのクラスに分類されてもよい(多義性である)。ウォッシュアウトは、初期増加に続くボクセル輝度の持続的な減少のことを言う。ウォッシュアウトと対照的な持続的な強調は、組織の部位における造影剤濃度の増加段階の継続時間が、特別に選択された測定時間より長い組織を特徴付ける。そのため、この分類は、組織の動態特性を反映する。
【0015】
本発明は、表示された組織の動態特性に基づいてボリュームデータを分類する任意特定の方法に限定されないことが理解されなければならない。当業者に明らかになることになる他の方法が使用されてもよい。例は、曲線のデータ点の全範囲またはデータ点の部分集合だけを使用して曲線に沿った変化率(たとえば、勾配)を解析することによる摂取曲線の形状の評価、摂取曲線のデータの値を使用した統計的推定による、または、それを含む分類方法、ならびに、パラメータ関数を使用した摂取曲線のモデル化に基づく方法であって、その後の分類がパラメータの推定値に基づく、方法を含む。
【0016】
ボリュームデータをレンダリング(すなわち、ボリュームレンダリング)する1つの適した方法は、最大輝度投影(MIP)として知られる方法である。当業者に容易に明らかになるように、MIPは、ボリュームデータセットからデータアイテム(ボクセル)を識別して、これらのデータアイテムを2次元投影として表す方法であり、視覚化平面上で、データサンプルは、そのデータの一部を通して投影平面または観察平面まで、ボリュームデータの概念的な観察点からトレースされる複数の「観察光線/ライン」のうちの任意所与の1つに沿ってサンプリングされる最大値を有する。他のボリュームレンダリング方法は、当業者に容易に明らかになるように、本発明に従って使用されてもよい。例は、x線レンダリングを含む。
【0017】
したがって、態様のうちの第1の態様では、本発明は、ある時間シーケンスのボリュームデータセットからレンダリングされる2次元画像を構築するときに使用するためのデータを生成する方法を提供してもよく、ボリュームデータセットはそれぞれ、時間シーケンス内の一連の時間(たとえば、異なる時間)のうちの1つの時間(たとえば、各時間)において3次元空間で対象物を表し、方法は、
時間シーケンス内で、ボリュームデータのサンプル(たとえば、ボクセル)を、各サンプル(たとえば、ボクセル)の値の変化に従って複数のサンプル(たとえば、ボクセル)クラスのうちの1つのサンプルクラスに分類すること、
異なる各サンプル(たとえば、ボクセル)クラス内のサンプル(たとえば、ボクセル)から、各サンプル(たとえば、ボクセル)クラス内のボリュームデータのレンダリングに従って、ピクセル値を決定すること、および、
前記2次元画像を構築するときに使用するために1つのピクセル値を、前記ピクセル値の中から選択することを含む。
【0018】
ボリュームデータのサンプルは、単に、そのデータのボクセルの実際の値であってよく、または、サンプルがボリューム内で決定される位置の近傍のまたは隣接する位置のボクセル値の中からの/ボクセル間での、たとえば、補間によって計算されたボリュームデータ値であってよい。サンプルは、所与のボリュームデータセットのボクセルの、全てまたは一部だけを使用してもよい。ボリュームデータセットの利用可能な(たとえば、考えられる/生成された)全てのサンプルが、本発明を実施するときに使用されるわけではなく、また、こうしたサンプルの任意所望の部分集合(たとえば、ボクセルの部分集合)が、必要である場合、使用されてもよい。
【0019】
2Dレンダリング内の、1つか、一部か、または全てのピクセル位置について、1つか、一部か、または全てのピクセル値が、それぞれ、本発明に従って選択されてもよいことが理解されなければならない。本発明は、1つか、一部か、または全ての選択されたピクセル値を使用して2Dレンダリングを構築することを含んでもよく、また、所与の画像対象物の複数の異なる2Dレンダリング(それぞれ、たとえば、異なる観察位置から取得される(take))についてこうしてデータを生成することを含んでもよく、また、それぞれの/全てのこうした2Dレンダリングを構築することを含んでもよい。
【0020】
前記ピクセル値はそれぞれ、前記複数のサンプル(たとえば、ボクセル)クラスのそれぞれの各1つのクラス内のサンプル(たとえば、ボクセル)から決定されてもよい。
【0021】
前記決定することは、
(a)サンプル(たとえば、ボクセル)クラス内のサンプル(たとえば、ボクセル)から、サンプルクラス内のボリュームデータのレンダリングに従って、ピクセル値を決定すること、および、
(b)1回または複数回、ステップ(a)を繰り返すことを具備し、前記繰り返すことにより、その都度、異なるサンプル(たとえば、ボクセル)クラス内のサンプル(たとえば、ボクセル)から、異なるサンプルクラス内のボリュームデータのレンダリングに従って別のピクセル値を決定する、繰り返すことを含んでもよい。
【0022】
前記選択することは、ピクセル値を比較値と比較すること、および、前記ピクセル値が前記比較値を超える場合、前記2次元画像を構築するときに使用するために前記ピクセル値を選択し、したがってそうでなければ、(たとえば、さらに比較することなく、または、前記比較するステップをさらに使用することによって)前記2次元画像を構築するときに使用するために異なるピクセル値を選択することを含んでもよい。
【0023】
こうして決定されたピクセル値(複数可)は、ボリュームデータのそれぞれの各前記レンダリングに従って、前記2次元画像内の同じ画像エレメント位置に相当してもよい。換言すれば、たとえピクセル値のどのピクセル値が選択されても、ピクセル値は、2次元画像の同じピクセルで使用されるように選択されてもよい。ボリュームデータのそれぞれの各前記レンダリングは、好ましくは、ボリュームデータを通る同じ観察方向(direction of view)を使用するボリュームレンダリングである。ボリュームデータのそれぞれの各前記レンダリングは、好ましくは、ピクセル値が、それに沿って決定される点におけるボリュームデータを通過する、または、通って延びる観察ライン(line of view)(観察光線)を使用する最大輝度投影(MIP)法を使用するボリュームレンダリングである。たとえば、レンダリングが、MIP法を使用して行われるとき、それぞれのピクセル値は、前記他のピクセル値(複数可)が、それに沿って決定される「観察光線/ライン」に平行でかつ一直線上にある「観察光線/ライン」に沿う各点で決定されることが好ましい。たとえば、観察光線/ラインは、同じ光線/ラインであってよい。
【0024】
当業者に容易に明らかになるようなMIP法が、その結果使用されてもよい。ボリュームデータのレンダリングに従ってピクセル値を決定することは、
ボリュームレンダリング(たとえば、MIP)法に従って複数のボクセルクラス(たとえば、一部のまたは全てのボクセルクラス)のボクセルをひとまとめに(すなわち、一緒に)含むボリュームデータを通過する観察光線を規定すること、観察光線に沿う所定の点においてボクセル値をサンプリングする(たとえば、計算すること)こと、適切なサンプル(たとえば、ボクセル)クラスを、こうしてサンプリングされたそれぞれのサンプル値に割り当てること、ボリュームレンダリング法に従って1つの共通クラスのサンプリング値だけの中からサンプル値を選択することを含んでもよい。
【0025】
サンプル値に対する適切なサンプル(たとえば、ボクセル)クラスの割り当ては、サンプル値が、そこから計算される、または、サンプル値が関連付けられるボクセル(複数可)を識別すること、および、識別されたボクセル(複数可)の1つのボクセルクラス/複数のボクセルクラスから選択されたボクセルクラスを、サンプル値に割り当てることを含んでもよい。たとえば、割り当ては、問題のサンプル値がそこで計算される観察光線に沿う位置に最も近いボクセルクラス(たとえば、サンプル値がそこで計算される位置に対して「最近隣」であるボクセルクラス)であってよい。たとえば、いくつかのボクセル値および位置の間での補間方法によって、いくつかの(たとえば、近隣の)ボクセル(異なるクラスを有してもよい)の値を使用してその値が計算されるときに重要な寄与を有するボクセルのクラスを、計算されるサンプル値に割り当てるなどの、他の割り当て方法が使用されてもよい。
【0026】
前記割り当てることは、時間シーケンスの複数の連続するボリュームデータセットを通る同じ観察光線に沿う同じ所定のサンプリング位置でサンプル値を計算すること、その後、それぞれのサンプリング位置について、サンプリング位置に関連する(時間シーケンスにわたるコントラスト強調効果による)複数のサンプル値の時間的変化の仕方を評価すること、その後、こうして評価された(たとえば、「速い」または「遅い」など)時間的変化の仕方に従ってサンプリング位置に関連してサンプルを分類することを含んでもよい。これは、ボクセルを分類し、分類されたボクセル値/位置の間で補間して、サンプル値を取得し、分類することと対照的に、ボクセル値の間での補間した後にサンプル位置の分類を実施することになる。
【0027】
たとえば、割り当てることは、
(i)時間シーケンスのボリュームデータセットを通る観察光線を規定すること、
(ii)光線に沿うサンプル点においてボリュームデータをサンプリングすること、
(iii)それぞれのサンプル点についてある時間シーケンスのサンプル値を生成するために、同じ光線を使用し、分類に使用可能な時間シーケンスの一部の(たとえば、全ての)他のボリュームデータセット(造影剤の投与前と、造影剤が適用された後の、強調の早期段階と後期段階に相当する2つの特定の時点における、画像化対象物に関連する3つのデータセットの部分集合だけ)についてステップ(i)および(ii)を繰り返すこと、
(iv)時間シーケンス中の同じサンプル点におけるサンプル値の時間的変化の仕方に従ってサンプルのクラスを決定すること、
(v)光線に沿う全てのサンプル点について(iv)を繰り返すことを具備し、前記繰り返すことにより、その光線に沿ってサンプリングされた全てのサンプルを分類する、繰り返すことを含んでもよい。
【0028】
あるいは、ボリュームデータのレンダリングに従ってピクセル値を決定することは、他のクラスに関連するボリュームデータ内のボクセルのボクセル位置がヌル(たとえば、ゼロ)値に設定されるような、1つだけの選択されたボクセルクラスのボクセルを含むボリュームデータを通過する観察光線を、ボリュームレンダリング(たとえば、MIP)法に従って規定すること、観察光線に沿う所定の点においてボクセル値をサンプリングすること、適切なボクセルクラス(たとえば、選択されたクラス、または、サンプルが、完全にまたは主にヌルボクセルに関連付けられる場合にはヌルボクセルクラス)を、こうして計算されたそれぞれのサンプル値に割り当てること、ボリュームレンダリング法に従って、前記1つの選択されたクラスのサンプル値だけの中からサンプル値を選択することを含んでもよい。
【0029】
観察光線に沿う点におけるサンプル値の計算は、当業者に容易に明らかになるような、適した補間技術を使用してもよい。
【0030】
例は、サンプル値が、問題のサンプル値に関連する観察光線に沿う位置に最も近いボクセルのボクセル値であるように計算される「最近隣」補間、前記位置が、その間に/それに隣接して存在する隣接ボクセルの群の間でのボクセル値の線形補間、多項式補間(または、任意の他の補間)を含む。
【0031】
したがって、サンプル値を決定するステップは、観察光線に沿う複数のクラスのサンプル値が、ひとまとめに計算されるように、または、観察光線に沿う1つの選択されたクラスのサンプル値が別個に計算されるように適用されるレンダリング法を使用してもよいが、所与のピクセル値の最終的な決定(レンダリング)は、サンプル値が別のクラスのボクセルを(部分的に)使用して計算されたとしても、光線に沿う1つのクラスのサンプル値だけの中からのサンプル値の選択によって行われる。
【0032】
比較値は、前記別のピクセル値であってよく、または、比較値は所定の閾値であってよい。そのため、比較は、1つのピクセル値を別のピクセル値と比較すること、および、2つのうちの大きい方を選択すること、または、2つのうちの小さい方を選択することを伴ってもよい。あるいは、ピクセル値は、ある固定閾値と比較されてもよく、所与のピクセル値は、その値が閾値を超える場合(あるいは、それほど超えない場合)に選択され、そうでなければ、異なるピクセル値が選択される。
【0033】
前記別のピクセル値は、複数の前記異なるサンプル/ボクセルクラスのうちの任意の1つのクラス内のサンプル(たとえば、ボクセル)から決定されてもよい。方法は、各クラス内のボリュームデータのレンダリングに従って、異なる各クラス内のサンプル(たとえば、ボクセル)から、それぞれ複数のピクセル値を決定することを含んでもよく、複数のサンプル/ボクセルのうちの1つは、以前のピクセル値と比較値との比較の結果に従って(たとえば、前記以前のピクセル値の値が、比較値を超えない場合)前記異なるピクセル値(および異なるクラス)として選択される。こうして、多くのサンプル/ボクセルクラスは、2次元画像用のデータ内で表されてもよく、それにより、その画像は、組み合わされた1つの視覚化において多くのクラスを示すことが可能になる。
【0034】
方法は、ピクセル値が、上述したように決定された任意の他のピクセル値の値を超える場合に、ピクセル値を選択することを含んでもよい。たとえば、各異なるクラスからそれぞれ決定された、n(n=整数)のピクセル値(p1,p2,p3,…,pn)が与えられると、ピクセル値は、手順
max(p1, p2, p3, …,pn)
に従ってそこから選択されてもよい。
【0035】
関数「max()」は、最大値を有するピクセル値、すなわち、ピクセル輝度を選択することである。方法は、上述した原理、たとえば、いくつかのピクセル値のうちの最大ピクセル値を評価すること、および/または、1つの/それぞれのピクセル値を予め決めた閾値(複数可)と比較することを組み合わせることなどによる、ピクセル値を選択する他の手法を含んでもよい。
【0036】
ボリュームデータのサンプル(たとえば、ボクセル)に関連する摂取曲線は、時間シーケンス内の各サンプルの値の変化(もしあれば)を表現する。それぞれのクラスは、曲線に沿う任意の数の点における勾配(複数可)の値、曲線の形状、曲線または曲線の一部を数学的に(または、その他の方法で)規定するか、または、記述するのに使用されるパラメータの値などのような、摂取曲線の特性に従って規定されてもよい。
【0037】
好ましくは、それぞれの前記クラスは、時間シーケンス中のボクセル値の変化率に従って規定される。クラスは、好ましくは、時間シーケンスの一部内で負値を持続的に示す前記変化率、時間シーケンス内で実質的に無視できる値かまたはゼロ値を持続的に示す前記変化率(たとえば、プラトー)、実質的に全ての時間シーケンス中に正値を持続的に示す前記変化率のうちの任意の1つに従って、任意の他のクラスと区別される。
【0038】
方法は、所与のボクセルクラスにおいて、そのクラスに分類されないボクセル位置にヌルボクセル値を割り当てるステップを含んでもよく、ヌルボクセル値は、そのクラス内のそのボクセル位置にボリュームデータが存在しないことを表す。こうして、画像化ボリュームの領域が、ボクセルの1つのクラス以外に何も含まず、その領域だけを通過する異なるクラスのMIPレンダリングの観察光線が使用される場合、その異なるクラス内のデータは、観察光線がサンプリングすることができるボクセルを提供することができない。しかし、その領域内に名目的にボクセルを表すために、ヌルボクセル値を生成することによって、観察光線は、サンプリングすべき名目的なボクセルを備えることになる。ヌルボクセル値は、たとえば、ゼロ値、または、真のボクセルデータが存在しないことを表す何らかの他の一定値であることができる。ヌルボクセルは、ヌルボクセルを識別するヌルクラスが割り当てられてもよい。
【0039】
方法は、それぞれのサンプル/ボクセルクラス内のサンプル(たとえば、ボクセル)値に、別のサンプル/ボクセルクラス内のサンプル/ボクセル値に割り当てられた色と異なる色を割り当てることを含んでもよく、それにより、1つのサンプル/ボクセルクラスに関連する2次元画像のエレメントが、別のサンプル/ボクセルクラスに関連する2次元画像のエレメントと異なって着色されて提示可能である。
【0040】
方法は、前記時間シーケンスのボリュームデータセットを最初に取得することを含んでもよい。
【0041】
方法は、ボリュームデータのボリュームレンダリングとして、2次元画像用のデータを生成することに続いて、2次元画像を構築することを含んでもよい。
【0042】
ボリュームデータセットは、好ましくは、磁気共鳴画像化(MRI)手順に従って画像化された対象物を表す。
【0043】
上記方法は、適切な装置を使用して実施されてもよいこと、および、本発明は、他の態様では、上記方法のうちの任意の方法を実施するように構成されるか、または、動作する装置を包含してもよいことが理解されなければならない。
【0044】
態様のうちの第2の態様では、本発明は、ある時間シーケンスのボリュームデータセットからレンダリングされる2次元画像を構築するときに使用するためのデータを生成する装置を提供してもよく、ボリュームデータセットはそれぞれ、時間シーケンス内の一連の時間のうちの1つの時間において3次元空間で対象物を表し、装置は、
時間シーケンス内で、ボリュームデータのサンプル(たとえば、ボクセル)を、各サンプル(たとえば、ボクセル)の値の変化に従って複数のサンプル(たとえば、ボクセル)クラスのうちの1つのサンプルクラスに分類する分類手段と、
異なる各サンプル(たとえば、ボクセル)クラス内のサンプル(たとえば、ボクセル)から、各サンプル(たとえば、ボクセル)クラス内のボリュームデータのレンダリングに従って、ピクセル値を決定する決定手段と、
前記2次元画像を構築するときに使用するために1つのピクセル値を、前記ピクセル値の中から選択する選択手段とを含む。
【0045】
決定手段は、前記複数のサンプルクラス(たとえば、ボクセル)のそれぞれの各1つのサンプルクラス内のサンプル(たとえば、ボクセル)から前記ピクセル値のそれぞれを決定するように動作してもよい。決定手段は、
(a)ボクセルクラス内のボクセルから、ボクセルクラス内のボリュームデータのレンダリングに従って、ピクセル値を決定し、
(b)1回または複数回、ステップ(a)を繰り返して、その都度、異なるボクセルクラス内のボクセルから、異なるボクセルクラス内のボリュームデータのレンダリングに従って別のピクセル値を決定するように動作する。
【0046】
装置は、ピクセル値を比較値と比較するように動作する比較手段を含んでもよく、前記選択手段は、前記ピクセル値が前記比較値を超える場合、前記2次元画像を構築するときに使用するために前記ピクセル値を選択し、そうでなければ、前記2次元画像を構築するときに使用するために異なるピクセル値を選択するように構成されてもよい。
【0047】
決定手段は、こうして決定されたピクセル値が、ボリュームデータのそれぞれの各前記レンダリングに従って、前記2次元画像内の同じ画像エレメント位置に相当するように構成されてもよい。
【0048】
識別手段は、ボリュームデータのそれぞれの各前記レンダリングは、ボリュームデータを通る同じ観察方向を使用するボリュームレンダリングであるように構成されてもよい。
【0049】
比較値は、前記別のピクセル値であってよく、または、所定の閾値であってもよい。
【0050】
決定手段は、ピクセル値が、それに沿って決定される点におけるボリュームデータを通過する観察ラインを使用する最大輝度投影(MIP)法を使用するボリュームレンダリングとして、ボリュームデータのそれぞれの各前記レンダリングを実施するように構成されてもよい。決定手段は、複数の前記異なるサンプル(たとえば、ボクセル)クラスの任意の1つのクラス内のサンプル(たとえば、ボクセル)から前記別のピクセル値を決定するように構成されてもよい。
【0051】
決定手段は、異なる各サンプル/ボクセルクラス内のサンプル(たとえば、ボクセル)から、各ボクセルクラス内のボリュームデータのレンダリングに従って、複数のピクセル値をそれぞれ決定するように構成されてもよく、前記選択手段は、前記複数のピクセル値のうちの1つのピクセル値を選択するように構成されてもよい。
【0052】
分類手段は、所与のサンプル(たとえば、ボクセル)に関連する摂取曲線の特性に従って前記クラスをそれぞれ規定するように構成されてもよい。
【0053】
分類手段は、前記時間シーケンス中のサンプル(たとえば、ボクセル)値の変化率に従って前記クラスをそれぞれ規定するように構成されてもよい。分類手段は、前記時間シーケンス内で負値を持続的に示す前記変化率、前記時間シーケンス内で実質的に無視できる値かまたはゼロ値を持続的に示す前記変化率(たとえば、プラトー)、実質的に全ての前記時間シーケンス中に正値を持続的に示す前記変化率のうちの任意の1つに従って、クラスを任意の他のクラスと区別するように構成されてもよい。分類手段は、所与のサンプル(たとえば、ボクセル)クラスにおいて、そのクラスに分類されないサンプル/ボクセルにヌルサンプル/ボクセル値を割り当てるように構成されてもよく、ヌルサンプル値は、ボリュームデータが存在しないことを表す。
【0054】
分類手段は、それぞれのサンプル(たとえば、ボクセル)クラス内のサンプル(たとえば、ボクセル)値に、別のサンプルクラス内のサンプル/ボクセル値に割り当てられた色と異なる色を割り当て、それにより、1つのサンプルクラスに関連する前記ピクセル値が、別のサンプルクラスに関連する前記ピクセル値と異なって着色されるように構成されてもよい。
【0055】
装置は、前記時間シーケンスのボリュームデータセットを最初に取得するように構成された画像データ取得手段を含んでもよい。装置は、前記ボリュームデータのボリュームレンダリングとして、前記2次元画像用の前記データを生成することに続いて、前記2次元画像を構築するように構成された画像構築手段を含んでもよい。ボリュームデータセットは、磁気共鳴画像化(MRI)手順に従って画像化された対象物を表してもよい。
【0056】
さらなる態様では、本発明は、コンピュータ手段上で実行されると第1の態様の本発明の方法を実施するように構成されるコンピュータプログラムを提供してもよい。
【0057】
なおさらなる態様では、本発明は、上述したコンピュータプログラムによるコンピュータプログラムを記憶するコンピュータプログラム製品を提供してもよい。別の態様では、本発明は、上述したコンピュータプログラムに従ってプログラムされるコンピュータを提供してもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0058】
ここで、添付図面を参照して述べられる本発明の例が続く。
【0059】
図1は、画像化対象物が、画像化中にその中に存在した3次元基準フレームに従って規定されたデータアイテム(「ボクセル」)を含むボリュームデータ1を示す。それぞれのボクセル(v1,v2,v3など)は、問題の基準フレームに関して規定された3次元座標(x,y,z)が関連付けられている。ボリュームデータは、ボリュームスライスのスタック(順序付けされたセット)(s1,s2,s3)として表される。各スライスは、平面であって、以前に選択された軸(スタック方向軸、ここではy軸)に直交し、スタック内のスライスの指標によって記述されるその軸に沿う特定のロケーションで、ボリュームの断面を表す2次元(2D)画像である。
【0060】
最大輝度投影(MIP)ボリュームレンダリングの例は、ボリュームデータ1内のボクセルからレンダリングされる2D画像2用のピクセルp1の作成として、図1に概略的に示される。ピクセルp1のMIPレンダリングは、概念的な観察点4からボリュームデータ1を通して「観察光線」3を投射する技術を使用する。ボリュームデータ値のサンプル(ボクセル5,6,7)は、光線経路に沿う離散的なロケーションで作られる。この例では、光線経路3は、前記光線3によって交差される連続する3つのボリュームスライス(s1〜s3)のそれぞれの1つのスライス内のボクセルロケーション(ボクセル5,6,7)と交差する。これらの3つのサンプルから、MIP法は、3つのサンプルのうちのどれが、最大ボクセル値(輝度/明度)を有するかを計算し、そのボクセル値を、観察光線3によって交差される2D画像平面2上の点にレンダリングする2D画像内のピクセルp1用の値として選択する。単純であるが具体的なこの例では、第2の交差ボクセル6は、3つのボクセル(5、6、および7)のうちの最大輝度を有するボクセルと考えられ、その値を使用して、2Dレンダリング2内のピクセルp1が表される。
【0061】
より一般的には、観察光線は、ボリュームデータ内のボクセル位置と正確には交差しない場合があり、ボリュームデータ値のサンプリングは、ボリュームデータの補間を使用して、隣接するボリュームデータ値(たとえば、いわゆる「最近隣」サンプリング、線形補間、または、当業者に容易に明らかになる任意の他の補間法)を使用して、光線に沿うサンプリング位置におけるボリュームデータの値が推定されてもよい。
【0062】
間隔を空けたロケーションのボリュームデータ3を通過する、複数の等間隔の平行な「観察光線」3を使用して、それぞれの光線は、光線経路に沿う離散的ロケーションのボリュームデータの値を補間することによって決定されたサンプル値が関連付けられている。それぞれのこうした光線は、2Dレンダリング内で、光線がそのレンダリングの2D平面に交差するロケーションのピクセル値として使用されることになる(たとえば、補間された)最大サンプリングデータ値を識別する。投影画像は、それぞれが、複数の光線の各1つの光線の経路に沿う補間データの最大値である、複数のピクセルから最終的に形成される。
【0063】
本発明の好ましい実施形態は、画像化対象物の異なるクラスの特性を識別する2次元画像用のデータを生成することを含む。2次元画像用のそれぞれのピクセルのピクセル値は、これらの異なるクラスに分類されたボリュームデータをMIPボリュームレンダリング法に従って別個にレンダリングし、これらの別個のレンダリングの全てから、2次元画像で使用するための1つのデータを画像ピクセル値として選択することによって形成される。方法は、2D画像で使用されるそれぞれのピクセル値の形成に適用され、それにより、2次元画像の全体についてのデータを、異なるクラスのデータ/ピクセルの混合/組合せとして選択的に構築してもよい。こうして形成された2次元画像用のそれぞれのピクセル値は、ピクセルが属するクラスを明確に識別するようにコード化されて(たとえば、情報を含んで)、2D画像のピクセルのクラス識別が、2次元画像内の異なるクラスのピクセルを(たとえば、色別化することによって)視覚的に区別することを可能にする。方法は、ある時間シーケンスのボリュームデータセットに適用可能であり、ボリュームデータセットはそれぞれ、時間シーケンス内の一連の時間(たとえば、異なる時間)の1つの時間(たとえば、各1つの時間)において対象物を3次元空間で表す。
【0064】
分類される特性は、画像化ボリュームのボクセルにおける造影剤摂取の時間的変化の仕方であり、これは、画像化ボリュームのその部分を表すボクセル(複数可)の相対的な輝度/値の対応する時間的変化として画像化される。
【0065】
図2は、2つの別個のボクセルクラスのボクセルを含むボリューム画像データ8からピクセルp1のレンダリングを生成するための、前記時間シーケンスからの1つのボリュームデータセットに対する本発明の好ましい実施形態の適用を概略的に示す。
【0066】
最初に、ボリュームデータのそれぞれのボクセル位置のボクセル値において、時間シーケンス中の時間的変化の仕方が、決定され、時間シーケンス内の各ボクセルの値の変化に従っていくつかのボクセルクラスのうちの1つのクラスに分類される。ボクセルは、以下のクラス、すなわち、ボクセルの輝度の持続的なコントラスト強調、ボクセルの輝度のウォッシュアウト、あるいは、ボクセルの摂取曲線のプラトーのうちの1つのクラスに分類される(図3を参照されたい)。最終的な分類は、ボクセルが、ウォッシュアウトまたはプラトータイプである場合、ボクセルを「速い」摂取ボクセルとして、そうでない場合(たとえば、「持続性」タイプ)、ボクセルを「遅い」ボクセルとして分類する。
【0067】
図2は、それぞれが、各スライスを規定する複数のボクセル(v1,v2,…,v8)を含む、8つの連続するボリュームスライス(s1,s2,…,s8)を含むボリュームデータセット8を示す。それぞれのボクセルは、ボクセルセルの立方格子をひとまとめに規定する各立方ボクセルセル30の中心に存在すると概念的に考えられる。概念的な観察点10から始まる観察光線9は、ボリュームデータの8つのスライスのそれぞれを連続して通過し、ボリュームを出て、ピクセル位置を規定する点で2D観察平面2に交差する前に、それぞれのスライスにおいて、スライスの1つのボクセルセルを通過する。そのピクセル位置の値は、その後のレンダリングおよび選択プロセスが決定し、選択することになる。ボリュームデータ8のボクセルセルは、「速い」ボクセル(ボクセル12、14、16、および18など)、または、「遅い」ボクセル(ボクセル11、13、15、17、および19など)を含むものとして分類された。
【0068】
次に、それぞれのボクセルクラスについて、所与のクラスに関連するピクセル値は、各ボクセルクラス内のボリュームデータのレンダリングに従って各ボクセルクラス内のボクセルから決定される。それぞれのピクセル値の決定は、ボリュームデータ8を通過するか、または、そこを通して延びる同じ観察光線9を使用する最大輝度投影(MIP)法を使用するボリュームレンダリングである。決定は、「速い」ボクセルクラスと「遅い」ボクセルクラスの混合物であるボクセルセル11、12、13、14、15、16、17、18、および19を通過する観察光線9をMIPボリュームレンダリング法に従って規定することを含む(すなわち、考えられる全てのボクセルクラスが使用される)。その後、複数のサンプル値が、観察光線に沿う所定の規則正しい間隔のサンプリング点20(図2の光線9上で「x」とマークをつけられる)で計算される。ボクセルクラス(「速い」または「遅い」)は、観察光線9に沿うサンプリング点で計算されるそれぞれのサンプル値に割り当てられる。
【0069】
計算されたサンプル値に対する適切なボクセルクラスの割り当ては、サンプル値が、そこから計算される、または、サンプル値が関連付けられるボクセル(複数可)を識別すること、および、識別されたボクセル(複数可)の1つのボクセルクラス/複数のボクセルクラスから選択されたボクセルクラスを、サンプル値に割り当てることを含んでもよい。たとえば、割り当ては、問題のサンプル値がそこで計算される観察光線に沿う位置に最も近いボクセルクラス(たとえば、サンプル値がそこで計算される位置に対して「最近隣」であるボクセルクラス)であってよい。本例では、サンプル値に割り当てられるクラスは、サンプリング点「x」が、その中に位置するボクセルセルのクラスに等しい。そのため、ボクセルセル11、12、13、15、16、17、18、および19内に位置する連続するサンプリング点は、以下の各クラス、すなわち、遅い、速い、遅い、遅い、速い、遅い、速い、および遅いが割り当てられた。
【0070】
たとえば、いくつかのボクセル値および位置の間での補間方法によって、いくつかの(たとえば、近傍の)ボクセル(異なるクラスを有してもよい)の値を使用してその値が計算されるときに重要な寄与を有するボクセルのクラスを、計算されるサンプル値に割り当てるなどの、他の割り当て方法が使用されてもよい。観察光線に沿う点におけるサンプル値の計算は、当業者に容易に明らかになるような、適した補間技術を使用してもよい。例は、サンプル値が、問題のサンプル値に関連する観察光線に沿う位置に最も近いボクセルのボクセル値であるように計算される「最近隣」補間、前記位置が、その間に/それに隣接して存在する隣接ボクセルの群の間でのボクセル値の線形補間、多項式補間(または、任意の他の補間)を含む。
【0071】
レンダリングに従うピクセル値の決定は、その後、1つの共通クラスの計算されたサンプリング値だけの中からピクセル値を選択することによって達成される。これは、任意の他のクラスに関連するサンプリングロケーションを無視しながら、同じクラスに関連する観察光線9に沿うサンプリングロケーション(「x」)だけに関して計算されたサンプル値から選択される、1つのクラス内のピクセル値のレンダリングを達成し、遂行する。そのため、ピクセル値を決定するステップは、観察光線に沿う複数のクラスのサンプル値が、ひとまとめに計算されるように適用されるレンダリング法を使用してもよいが、所与のピクセル値の最終的な決定(レンダリング)は、サンプル値が別のクラスのボクセルを(部分的に)使用して計算されたとしても、光線に沿う1つのクラスのサンプル値だけの中からのサンプル値の選択によって行われる。
【0072】
あるいは、ボリュームデータ8のレンダリングに従うピクセル値の決定は、他のクラス(たとえば、「遅い」)に関連するボリュームデータ内のボクセルのボクセル位置がヌル(たとえば、ゼロ)値に設定されるような、1つだけの選択されたボクセルクラス(たとえば、「速い」のみ)のボクセルを含むボリュームデータを通過する観察光線9を、MIPボリュームレンダリング法に従って規定すること、観察光線に沿う所定のサンプリング点(「x」)においてサンプル値を計算すること、適切なボクセルクラスを、こうして計算されたそれぞれのサンプル値に割り当てること、MIPボリュームレンダリング法に従って、前記1つの選択されたクラスの計算されたサンプル値だけの中からピクセル値を選択することを含んでもよい。図2を参照すると、この代替の方法は、たとえば、全ての「遅い」ボクセル値をゼロに設定することによって、「速い」ボクセルデータだけをレンダリングすること、および、「速い」ボクセルセル30か、ゼロの値の「遅い」ボクセルセル30のいずれかに入る点「x」におけるサンプリングを実施することを伴うことができる。そのため、同じ光線9に沿う「遅い」クラスのボクセルのレンダリングは、「遅い」ボクセル値を回復すること、および、サンプリングの前に、「速い」ボクセルの値をゼロに設定することを必要とすることになる。
【0073】
2つのボクセルクラス「速い」と「遅い」より多くのボクセルクラスが存在する場合、ピクセル値の決定は、それぞれのクラス(たとえば、3つのクラス、すなわち、「ウォッシュアウト」、「プラトー」、「持続性」)からのピクセル値の決定を含むように一般化されてもよい。前記決定するステップは、
(a)ボクセルクラス内のボクセルから、ボクセルクラス内のボリュームデータのMIPレンダリングに従って、ピクセル値を決定すること、および、
(b)1回または複数回、ステップ(a)を繰り返すことを具備し、前記繰り返すことにより、その都度、異なるボクセルクラス内のボクセルから、異なるボクセルクラス内のボリュームデータのレンダリングに従って別のピクセル値を決定する、繰り返すことを含む。
【0074】
全てのクラスについて、全てのピクセル値の決定が行われると、方法は、決定されたピクセル値の中から、前記2次元画像を構築するときに使用するための1つのピクセル値の最終選択を伴う。
【0075】
選択することは、あるピクセル値/各ピクセル値を比較値と比較すること、および、前記ピクセル値が比較値を超える場合、2次元画像を構築するときに使用するためにそのピクセル値を選択し、そうでなければ、(たとえば、さらに比較することなく、または、前記比較するステップをさらに使用することによって)2次元画像を構築するときに使用するために異なるピクセル値を選択することを含んでもよい。選択することは、決定されたピクセル値の中から、最も高い値(すなわち、最大輝度/明度)を有するピクセル値を選択することを含んでもよいが、1つのクラスのピクセル値を閾値と比較すること、および、そのピクセル値が閾値を超える場合に、残りの1つまたは複数の決定されたピクセル値の中から異なるピクセル値を選択しながら、そのピクセル値を選択することを含んでもよい。異なるピクセル値を選択することは、未選択の以前のピクセル値によって経験される同じ一般的な比較手順を伴ってもよい。
【0076】
もちろん、上述した好ましい方法は、別のロケーションで2D画像平面2に交差するために、任意の上述した光線9に平行であるが、光線9から変位した新しい観察光線を使用することによって、ボリュームデータ8の2Dレンダリング2で使用されるそれぞれのピクセル用のそれぞれのピクセル値の生成に適用される。
【0077】
方法のさらなる例は、画像化乳房組織に関する先に説明した中間レンダリングおよび最終レンダリングの例を参照して示される以下のステップからなる。最初に、画像化ボリューム内の全てのボクセルは、2つのクラス、すなわち、速い摂取動態を有する組織を表すボクセルと遅い摂取動態を有する組織を表すボクセルに分類される。
【0078】
摂取動態のタイプは、ボクセルの摂取曲線の形状を評価することによって識別される。この例では、「速い」摂取動態は、摂取曲線のウォッシュアウトまたはプラトー形状を示すボクセルを含み、一方、「遅い」摂取動態は、摂取曲線が持続的強調を示すボクセルを含む。図3は、これらのタイプの摂取曲線を概略的に示す。
【0079】
第2に、最大輝度投影は、それぞれのクラスについて独立に計算(すなわち、1回にクラスのうちの1つのクラスのボクセルを使用)され、図4aに示すような「速い」摂取動態(MIPFast)と、図4bに示すような「遅い」摂取動態(MIPSlow)を有する組織の2つの独立したMIPレンダリングを生成する。
【0080】
その後、2つの得られたMIP画像は、それぞれのピクセルについての組合せの以下の選択的なルール
(1) MIPCombined=max(MIPFast, MIPSlow)
を使用して、ピクセルごとに選択的に組み合わされ、単一画像(MIPCombined)になり、したがって、図4cに示す選択的に組み合わされた輝度画像が形成される。
【0081】
選択的に組み合わされた輝度画像内のそれぞれのピクセルについて、そのクラスの情報は、ボクセルが速い摂取組織のMIPに由来する場合、値REDを、そうでない場合、BLUEを含む色符号化動態マップ(図4dに示す)に格納される(色相(hue)は、顧客選択(custom selection)を受けてもよい)。
【0082】
選択的に組み合わされた輝度画像および動態マップは、その後、融合されて、真の2次元色画像になり、真の2次元色画像では、色は、動態マップによって記述される造影剤の経時的な摂取の仕方(造影剤摂取の「動態」)によって規定される。マップ内のピクセルの輝度は、組合せ式輝度画像によって記述される強調の程度によって変調される。以下の2つの手法、すなわち、(図4eに示すように)背景としての輝度画像と前景としての動態マップを選択的に組み合わせる半透明アルゴリズム、ならびに、(図4fに示すように)色相として動態マップを、飽和度として組合せ式輝度画像を使用し、また、明度の一定値を仮定するHLS(色相、明度、飽和度)色モデルによる最終的な真の色画像(true colour image)からなる飽和度変調アルゴリズムのうちの一方を使用して、融合が行われてもよい。
【0083】
式(1)で先に規定した選択的組合せのルールに対する代替として、選択的に組み合わされた輝度画像を生成するための、選択的組合せルールは、単純な閾値比較を使用してもよい。たとえば、組合せルールは、一定の閾値を超えることがわかった所与のクラスの組織(たとえば、摂取の速い組織のクラス)のMIPレンダリングのボクセルが、組合せ式輝度画像内の所与のピクセルを表すときに使用するために選択され、そうでなければ、別のクラスからのピクセル(たとえば、摂取の遅い組織のMIPのピクセル)が使用されて、(図5に示すように)組合せ式輝度画像内でその画像ピクセルが表される。
【0084】
摂取動態の3つ以上のクラスを使用する選択方法が使用されてもよい。たとえば、速い摂取を表すクラスは、ウォッシュアウトタイプの摂取曲線を有するボクセルとプラトー摂取曲線を有するボクセルに分割され得る。MIPレンダリングは、その後、ボクセルのこれらのクラスのそれぞれに関して別々に実施されてもよい。(図6に示すように)最終的な2D組合せ式画像レンダリングについてのピクセルのその後の選択は、以下の式、すなわち、
(2) MIPCombined=max(MIPWashout, MIPPlateau, MIPPersistent)
に従って実施されてもよい。
【0085】
上述した例および本発明は、一般に、「差分画像」と共に使用されてもよく、差分画像は、造影剤を含む対象物の画像から、造影剤を含まない同じ対象物の画像を減算することによって形成される。さらに、造影剤摂取動態の色符号化マップが、本発明に従って生成されてもよい。本発明は、造影剤を最も受け易く、また、最も好ましくは、色符号化造影剤摂取(「動態」)情報と融合された解剖学的構造の3Dボリュームレンダリングを提供する、解剖学的構造の理解が改善された、対象物画像化ボリューム(たとえば、乳房ボリューム)の迅速な概観を可能にする。そのため、本発明は、たとえば、腫瘍評価の2つの主要な因子を考慮し、主要な因子は、画像強調の程度ならびに造影剤摂取力学/動態の方法および形態である。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】光線投射ボリュームレンダリング法を使用した、ボリューム画像データの2Dレンダリングの略図である。
【図2】いろいろなボクセルクラスのボクセルからのピクセル値の決定を概略的に示す図である。
【図3】あるボクセルについての、ウォッシュアウト、プラトー、および持続性強調摂取曲線を示すグラフである。
【図4a】1つのボクセルクラス内のボクセルをレンダリングするボリュームデータのMIPボリュームレンダリングを示す図であり、ボクセルのクラスは、プラトーまたはウォッシュアウト摂取曲線(「速い」クラス)を表示する。
【図4b】1つのボクセルクラス内のボクセルをレンダリングするボリュームデータのMIPボリュームレンダリングを示す図であり、ボクセルのクラスは、持続性摂取曲線(「遅い」クラス)を表示する。
【図4c】図4aおよび4bのレンダリングの選択的組合せから得られる画像である。
【図4d】図4cのレンダリングで使用されるピクセルのクラスの色符号化マップを示す図である(RED=「速い」、BLUE=「遅い」)。
【図4e】透明度値が0.8である半透明アルゴリズムを使用した、図4dのマップに従って色符号化された、図4aおよび4bのレンダリングの選択的組合せから得られる画像である。
【図4f】飽和度変調アルゴリズムを使用した、図4dのマップに従って色符号化された、図4aおよび4bのレンダリングの選択的組合せから得られる画像である。
【図5】図4dのマップに従って色符号化された、図4aおよび4bのレンダリングの選択的組合せから得られる画像である。
【図6】それぞれが、3つの異なるクラスのうちの1つのクラスに従う、ボリュームデータの3つのレンダリングの選択的組合せから得られる色符号化画像である(RED=「ウォッシュアウト」摂取、GREEN=「プラトー」摂取、BLUE=「持続性」摂取)。
【符号の説明】
【0087】
1 ボリュームデータ
2 2D画像
3 観察光線
4 概念的な観察点
5、6、7 ボクセル
s1、s2、s3 ボリュームスライス
v1、v2、v3 ボクセル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ、ある時間シーケンス内の一連の時間のうちの1つの時間において3次元空間で対象物を表す、前記時間シーケンスのボリュームデータセットからレンダリングされる2次元画像を構築するときに使用するためのデータを生成する方法であって、
前記時間シーケンス内で、前記ボリュームデータのサンプルを、各サンプルの値の変化に従って複数のサンプルクラスのうちの1つのサンプルクラスに分類するステップと、
異なる各サンプルクラス内のサンプルから、各サンプルクラス内のボリュームデータのレンダリングに従って、ピクセル値を決定するステップと、
前記2次元画像を構築するときに使用するために1つのピクセル値を、前記ピクセル値の中から選択するステップとを含む方法。
【請求項2】
前記ピクセル値はそれぞれ、前記複数のサンプルクラスのそれぞれの各1つのサンプルクラス内のサンプルから決定される請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記決定するステップは、
(a)サンプルクラス内のサンプルから、前記サンプルクラス内のボリュームデータのレンダリングに従って、ピクセル値を決定するステップと、
(b)1回または複数回、ステップ(a)を繰り返すステップとを具備し、前記繰り返すステップにより、その都度、異なるサンプルクラス内のサンプルから、前記異なるサンプルクラス内のボリュームデータのレンダリングに従って別のピクセル値を決定する、繰り返すステップとを含む請求項1および2のいずれか1項に記載の方法。
【請求項4】
前記選択するステップは、
ピクセル値を比較値と比較するステップと、前記ピクセル値が前記比較値を超える場合、前記2次元画像を構築するときに使用するために前記ピクセル値を選択し、そうでなければ、前記2次元画像を構築するときに使用するために異なるピクセル値を選択するステップとを含む請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
こうして決定された前記ピクセル値は、ボリュームデータのそれぞれの各前記レンダリングに従って、前記2次元画像内の同じ画像エレメント位置に相当する請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
ボリュームデータのそれぞれの各前記レンダリングは、前記ボリュームデータを通る同じ観察方向を使用するボリュームレンダリングである請求項1から5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記比較値は前記別のピクセル値である請求項4から6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記比較値は所定の閾値である請求項4から6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
ボリュームデータのそれぞれの各前記レンダリングは、ピクセル値が、それに沿って決定される点(point)におけるボリュームデータを通過する観察ラインを使用する最大輝度投影(Maximum Intensity Projection)(MIP)法を使用するボリュームレンダリングである請求項1から8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記別のピクセル値は、複数の前記異なるサンプルクラスの任意の1つのサンプルクラス内のサンプルから決定される請求項1から9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
異なる各サンプルクラス内のサンプルから、前記各サンプルクラス内のボリュームデータのレンダリングに従って、複数のピクセル値をそれぞれ決定するステップを含み、前記複数のピクセル値のうちの1つのピクセル値は、前記選択するステップによって選択される請求項1から10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
それぞれの前記クラスは、サンプル値に関連する摂取曲線または摂取動態の特性に従って規定される請求項1から11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記クラスは、それぞれ、前記時間シーケンス中のサンプル値の変化率に従って規定される請求項1から12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
クラスは、前記時間シーケンス内で負値を持続的に示す前記変化率、前記時間シーケンス内で実質的に無視できる値かまたはゼロ値を持続的に示す前記変化率、実質的に全ての前記時間シーケンス中に正値を持続的に示す前記変化率のうちの任意の1つに従って、任意の他のクラスと区別される請求項12または13に記載の方法。
【請求項15】
所与のボクセルクラスにおいて、前記クラスに分類されないボクセル位置にヌルボクセル値を割り当てるステップを含み、前記ヌルボクセル値は、前記クラス内の前記ボクセル位置にボリュームデータが存在しないことを表す請求項1から14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
それぞれのサンプルクラス内のサンプル値に、別のサンプルクラス内のサンプル値に割り当てられた色と異なる色を割り当てるステップであって、それにより、1つのサンプルクラスに関連する前記ピクセル値が、別のサンプルクラスに関連する前記ピクセル値と異なって着色されるステップを含む請求項1から15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
前記時間シーケンスのボリュームデータセットを最初に取得するステップを含む請求項1から16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記ボリュームデータのボリュームレンダリングとして、前記2次元画像用の前記データを生成することに続いて、前記2次元画像を構築するステップを含む請求項1から17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
前記ボリュームデータセットは、磁気共鳴画像化(MRI)手順に従って画像化された対象物を表す請求項1から18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
それぞれ、ある時間シーケンス内の一連の時間のうちの1つの時間において3次元空間で対象物を表す、前記時間シーケンスのボリュームデータセットからレンダリングされる2次元画像を構築するときに使用するためのデータを生成する装置であって、
前記時間シーケンス内で、前記ボリュームデータのサンプルを、前記各サンプルの値の変化に従って複数のサンプルクラスのうちの1つのサンプルクラスに分類する分類手段と、
異なる各サンプルクラス内のサンプルから、前記各サンプルクラス内のボリュームデータのレンダリングに従って、ピクセル値を決定する決定手段と、
前記2次元画像を構築するときに使用するために1つのピクセル値を、前記ピクセル値の中から選択する選択手段とを含む装置。
【請求項21】
前記決定手段は、前記複数のサンプルクラスのそれぞれの各1つのサンプルクラス内のサンプルから、前記ピクセル値のそれぞれを決定するように動作する請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記決定手段は、
(a)サンプルクラス内のサンプルから、前記サンプルクラス内のボリュームデータのレンダリングに従って、ピクセル値を決定し、
(b)1回または複数回、ステップ(a)を繰り返して、その都度、異なるサンプルクラス内のサンプルから、前記異なるサンプルクラス内のボリュームデータのレンダリングに従って別のピクセル値を決定するように動作する請求項20および21のいずれか1項に記載の装置。
【請求項23】
ピクセル値を比較値と比較する比較手段を含み、前記選択手段は、前記ピクセル値が前記比較値を超える場合、前記2次元画像を構築するときに使用するために前記ピクセル値を選択し、そうでなければ、前記2次元画像を構築するときに使用するために異なるピクセル値を選択するように構成される請求項20から22のいずれか1項に記載の装置。
【請求項24】
前記決定手段は、こうして決定された前記ピクセル値が、ボリュームデータのそれぞれの各前記レンダリングに従って、前記2次元画像内の同じ画像エレメント位置に相当するように構成される請求項20から23のいずれか1項に記載の装置。
【請求項25】
前記識別手段は、ボリュームデータのそれぞれの各前記レンダリングが、前記ボリュームデータを通る同じ観察方向を使用するボリュームレンダリングであるように構成される請求項20から24のいずれか1項に記載の装置。
【請求項26】
前記比較値は前記別のピクセル値である請求項23から25のいずれか1項に記載の装置。
【請求項27】
前記比較値は所定の閾値である請求項23から25のいずれか1項に記載の装置。
【請求項28】
前記決定手段は、ピクセル値が、それに沿って決定される点におけるボリュームデータを通過する観察ラインを使用する最大輝度投影(MIP)法を使用するボリュームレンダリングとして、ボリュームデータのそれぞれの各前記レンダリングを実施するように構成される請求項20から27のいずれか1項に記載の装置。
【請求項29】
前記決定手段は、複数の前記異なるサンプルクラスの任意の1つのサンプルクラス内のサンプルから前記別のピクセル値を決定するように構成される請求項20から28のいずれか1項に記載の装置。
【請求項30】
前記決定手段は、異なる各サンプルクラス内のサンプルから、前記各サンプルクラス内のボリュームデータのレンダリングに従って、複数のピクセル値をそれぞれ決定するように構成され、前記選択手段は、前記複数のピクセル値のうちの1つのピクセル値を選択するように構成される請求項20から29のいずれか1項に記載の装置。
【請求項31】
前記分類手段は、サンプル値に関連する摂取曲線または摂取動態の特性に従って前記クラスをそれぞれ規定するように構成される請求項20から30のいずれか1項に記載の装置。
【請求項32】
前記分類手段は、前記時間シーケンス中のサンプル値の変化率に従って前記クラスをそれぞれ規定するように構成される請求項20から31のいずれか1項に記載の装置。
【請求項33】
前記分類手段は、前記時間シーケンス内で負値を持続的に示す前記変化率、前記時間シーケンス内で実質的に無視できる値かまたはゼロ値を持続的に示す前記変化率、実質的に全ての前記時間シーケンス中に正値を持続的に示す前記変化率のうちの任意の1つに従って、クラスを任意の他のクラスと区別するように構成される請求項31または32に記載の装置。
【請求項34】
前記分類手段は、所与のボクセルクラスにおいて、前記クラスに分類されないボクセル位置にヌルボクセル値を割り当てるように構成され、前記ヌルボクセル値は、前記クラス内の前記ボクセル位置についてボリュームデータが存在しないことを表す請求項20から33のいずれか1項に記載の装置。
【請求項35】
前記分類手段は、それぞれのサンプルクラス内のサンプル値に、別のサンプルクラス内のサンプル値に割り当てられた色と異なる色を割り当て、それにより、1つのサンプルクラスに関連する前記ピクセル値が、別のサンプルクラスに関連する前記ピクセル値と異なって着色されるように構成される請求項20から34のいずれか1項に記載の装置。
【請求項36】
前記時間シーケンスのボリュームデータセットを最初に取得するように構成された画像データ取得手段を含む請求項20から35のいずれか1項に記載の装置。
【請求項37】
前記ボリュームデータのボリュームレンダリングとして、前記2次元画像用の前記データを生成することに続いて、前記2次元画像を構築するように構成された画像構築手段を含む請求項20から36のいずれか1項に記載の装置。
【請求項38】
前記ボリュームデータセットは、磁気共鳴画像化(MRI)手法に従って画像化された対象物を表す請求項20から37のいずれか1項に記載の装置。
【請求項39】
前記2次元画像内の1つか、一部か、または、全てのピクセル位置について、ピクセル値を選択するステップを含む請求項1から20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項40】
前記1つか、一部か、または、全ての選択されたピクセル値を使用して、2次元レンダリングを構築するステップを含む請求項39に記載の方法。
【請求項41】
所与の画像対象物の複数の異なる2次元レンダリングのためのデータを生成するステップを含み、それぞれのレンダリングは、異なる観察位置に関連する請求項39または40に記載の方法。
【請求項42】
前記複数の異なる2次元レンダリングのそれぞれを構築するステップを含む請求項41に記載の方法。
【請求項43】
コンピュータ手段上で実行されると、請求項1から20のいずれか1項に記載の方法を実施するように構成されるコンピュータプログラム。
【請求項44】
請求項43に記載のコンピュータプログラムを記憶するコンピュータプログラム製品。
【請求項45】
請求項43に記載のコンピュータプログラムに従ってプログラムされるコンピュータ。
【請求項46】
前記選択手段は、前記2次元画像内の1つか、一部か、または、全てのピクセル位置について、ピクセル値を選択するように構成される請求項20から38のいずれか1項に記載の装置。
【請求項47】
前記1つか、一部か、または、全ての選択されたピクセル値を使用して、前記2次元レンダリングを構築するように構成された画像構築手段を含む請求項46に記載の装置。
【請求項48】
所与の画像対象物の複数の異なる2次元レンダリングのためのデータを生成するように構成された手段を含み、それぞれのレンダリングは、異なる観察位置に関連する請求項46または47に記載の方法。
【請求項49】
前記複数の異なる2次元レンダリングのそれぞれを構築するように構成された画像構築手段を含む請求項48に記載の方法。
【請求項50】
添付図面を参照して以降で任意の実施形態において実質的に述べられる方法。
【請求項51】
添付図面を参照して以降で任意の実施形態において実質的に述べられる装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2009−515580(P2009−515580A)
【公表日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−539482(P2008−539482)
【出願日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【国際出願番号】PCT/GB2006/003405
【国際公開番号】WO2007/054662
【国際公開日】平成19年5月18日(2007.5.18)
【出願人】(504132021)ジ・インスティチュート・オブ・キャンサー・リサーチ:ロイヤル・キャンサー・ホスピタル (16)
【出願人】(505370062)ザ・ロイヤル・マースデン・エヌエイチエス・ファウンデーション・トラスト (4)
【Fターム(参考)】