説明

有機光電変換センサ及びその製造方法並びにそれを用いた情報読取装置

【課題】本発明は、ファクシミリやスキャナ、デジタルカメラ等幅広い製品で使用され、文字や図形等の各種情報を光を用いて電気情報へと変換する情報読取装置に組み込んで利用され、有機光電変換層とカラーフィルタと駆動回路部を同一の基板上に設けることができ、小型軽量で信頼性に優れるとともに生産性に優れる有機光電変換センサを提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の有機光電変換センサ1は、基板2と、基板2の上に形成された第1電極4及び駆動回路部3と、第1電極4の上面の一部又は全部に形成されたカラーフィルタ5と、カラーフィルタ5の上の一部又は全部に形成された第4電極7と、第4電極7の上面の一部又は全部に形成された有機光電変換層8と、有機光電変換層8の上面の一部又は全部に形成された第5電極9と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物体の形状や画像等の各種情報を電気信号として取り出す有機光電変換センサ及びその製造方法並びにそれを用いた情報読取装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
文字や図形等の各種情報を光を用いて電気情報へと変換する光電変換センサは、ファクシミリやスキャナ、デジタルカメラ等幅広い製品で使用されており、その方式もMOS(Metal Oxide Semiconductor)やCCD(Charge−Coupled Devices)をはじめとし様々なものが用いられている。この光電変換センサは、光信号を電気信号に変換するための光電変換部を備えており、その他の光源部、セルフォックレンズ等のレンズ系と組み合わせることによってCIS(Contact Image Sensor)に代表されるような情報読取モジュールを形成している。
【0003】
従来、光電変換センサの光電変換部には主に無機材料製のフォトダイオード、フォトコンダクタ、フォトトランジスタやそれらの応用部品等が用いられてきたが、このような無機材料を用いた光電変換センサはその作製に大掛りな半導体プロセスが必要であることや、工数が非常に多いこと、さらには大面積化が難しいことなどから低コスト化が困難であるという課題を有していた。そこで非特許文献1や特許文献1記載されているように、有機材料製の光電変換素子を用いることによるコスト削減が試みられている。
【0004】
このように有機材料を用いた有機光電変換センサは非常に簡便な方法で形成できるにもかかわらず、無機材料製の光電変換センサと同様の機能を発現できることから非常に注目を集めている素子である。
【0005】
また近年、ファクシミリやスキャナのカラー化に伴い、これらの有機光電変換センサにカラーフィルタを設ける必要が出てきた。
【非特許文献1】G. Yu, Y. Cao, J. Wang, J. McElvain and A. J. Heeger, Synth. Met. 102, 904(1999)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来の技術では以下のような課題を有していた。
【0007】
(1)有機光電変換センサに用いられるカラーフィルタ及び有機光電変換層は熱に弱いため、これらを基板上に配設した後は、同一の基板に高温の熱処理を行うことはできないという課題を有していた。特に、薄膜トランジスタ等の駆動回路を基板に集積積層して形成するには300℃以上の熱処理が必要になるため、この熱処理によって、先に基板に配設したカラーフィルタ及び有機光電変換層を破損させてしまうという課題を有していた。
【0008】
(2)有機光電変換層とカラーフィルタと駆動回路とを同一の基板上に形成することが困難なので、カラーフィルタを備えた有機光電変換センサと、有機光電変換センサの駆動回路とを別々の素子で形成して組み立てていたが、大型化するとともに重量が増え、さらに素子の実装等が必要であるとともに部品点数が増加するため工程が煩雑になり生産性に欠けるとともに信頼性が低下するという課題を有していた。
【0009】
本発明は上記従来の課題を解決するもので、有機光電変換層とカラーフィルタと駆動回路部を同一の基板上に設けることができ、小型軽量で信頼性に優れるとともに生産性に優れる有機光電変換センサを提供することを目的とする。
【0010】
また、本発明は、駆動回路の製造時の熱処理によって有機光電変換層やカラーフィルタが劣化したり破損したりすることがなく、信頼性に優れるとともに生産性に優れる有機光電変換センサの製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
また、本発明は、有機光電変換層とカラーフィルタと駆動回路部を同一の基板上に設けることができ、小型軽量で信頼性に優れるとともに生産性に優れる情報読取装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、基板と、基板の上に形成された第1電極及び駆動回路部と、第1電極の上面の一部又は全部に形成されたカラーフィルタと、カラーフィルタの上の一部又は全部に形成された電極と、電極の上面の一部又は全部に形成された有機光電変換層と、有機光電変換層の上面の一部又は全部に形成された他の電極と、を備えていることを主要な特徴とする。
【0013】
また、本発明は、基板と、基板の上に形成されたカラーフィルタ及び駆動回路部と、カラーフィルタの上の一部又は全部に形成された電極と、電極の上面の一部又は全部に形成された有機光電変換層と、有機光電変換層の上面の一部又は全部に形成された他の電極と、を備えていることを主要な特徴とする。
【0014】
また、本発明は、基板の上に第1電極及び駆動回路部を形成する工程と、第1電極の上面にカラーフィルタを積層し形成する工程と、カラーフィルタの上に電極を形成する工程と、電極の上面に有機光電変換層を形成する工程と、有機光電変換層の上面に他の電極を形成する工程と、を備えていることを主要な特徴とする。
【0015】
また、本発明は、基板の上に駆動回路部及びカラーフィルタを形成した後、カラーフィルタの上に電極を形成する工程と、電極の上面に有機光電変換層を形成する工程と、有機光電変換層の上に他の電極を形成する工程と、を備えていることを主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、有機光電変換層とカラーフィルタと駆動回路部とを同一の基板上に設けることができ、小型軽量で信頼性に優れるとともに生産性に優れた有機光電変換センサを提供することができる。
【0017】
また、本発明によれば、駆動回路の製造時の熱処理によって有機光電変換層やカラーフィルタが劣化したり破損したりすることがなく、信頼性に優れるとともに生産性に優れた有機光電変換センサの製造方法を提供することができる。
【0018】
また、本発明によれば、有機光電変換層とカラーフィルタと駆動回路部とを同一の基板上に設けることができ、小型軽量で信頼性に優れるとともに生産性に優れた情報読取装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明は、有機光電変換層とカラーフィルタと駆動回路部とを同一の基板上に設けることができ、小型軽量で信頼性に優れるとともに生産性に優れる有機光電変換センサを提供するという目的を、基板と、基板の上に形成された第1電極及び駆動回路部と、第1電極の上面の一部又は全部に形成されたカラーフィルタと、カラーフィルタの上の一部又は全部に形成された電極と、電極の上面の一部又は全部に形成された有機光電変換層と、有機光電変換層の上面の一部又は全部に形成された他の電極と、を備えることによって実現した。
【0020】
また、本発明は、有機光電変換層とカラーフィルタと駆動回路部とを同一の基板上に設けることができ、小型軽量で信頼性に優れるとともに生産性に優れる有機光電変換センサを提供するという目的を、基板と、基板の上に形成されたカラーフィルタ及び駆動回路部と、カラーフィルタの上の一部又は全部に形成された電極と、電極の上面の一部又は全部に形成された有機光電変換層と、有機光電変換層の上面の一部又は全部に形成された他の電極と、を備えることによって実現した。
【0021】
また、本発明は、駆動回路の製造時の熱処理によって有機光電変換層やカラーフィルタが劣化したり破損したりすることがなく、信頼性に優れるとともに生産性に優れる有機光電変換センサの製造方法を提供するという目的を、基板の上に第1電極及び駆動回路部を形成する工程と、第1電極の上面にカラーフィルタを積層し形成する工程と、カラーフィルタの上に電極を形成する工程と、電極の上面に有機光電変換層を形成する工程と、有機光電変換層の上面に他の電極を形成する工程と、を備えることによって実現した。
【0022】
また、本発明は、駆動回路の製造時の熱処理によって有機光電変換層やカラーフィルタが劣化したり破損したりすることがなく、信頼性に優れるとともに生産性に優れる有機光電変換センサの製造方法を提供するという目的を、基板の上に駆動回路部及びカラーフィルタを形成した後、カラーフィルタの上に電極を形成する工程と、電極の上面に有機光電変換層を形成する工程と、有機光電変換層の上に他の電極を形成する工程と、を備えることによって実現した。
【0023】
また、本発明は、有機光電変換層とカラーフィルタと駆動回路部とを同一の基板上に設けることができ、小型軽量で信頼性に優れるとともに生産性に優れる情報読取装置を提供するという目的を、本発明の有機光電変換センサを備えることによって実現した。
【0024】
上記課題を解決するためになされた第1の発明は、基板と、基板の上に形成された第1電極及び駆動回路部と、第1電極の上面の一部又は全部に形成されたカラーフィルタと、カラーフィルタの上面の一部又は全部に形成された第2電極と、第2電極の上面の一部又は全部に形成された有機光電変換層と、有機光電変換層の上面の一部又は全部に形成された第3電極と、を備えた構成を有している。
【0025】
この構成により、以下の作用を有する。
【0026】
(1)有機光電変換層とカラーフィルタと駆動回路部とを同一の基板上に形成しているので、有機光電変換層で発生した光電流を駆動回路部で読み取り、有機光電変換層に入光した光量を計測することができ、小型軽量で部品点数も少なく生産性に優れるとともに信頼性に優れたフルカラー対応の有機光電変換センサを得ることができる。
【0027】
ここで、基板としては、透明若しくは半透明の光透過性を有するとともに、駆動回路部、第1電極等の電極、カラーフィルタ等を支持できるものであればどのようなものであってもよく、ガラス、石英等の無機材料、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリエーテルスルフォン、ポリフッ化ビニル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアクリレート、非晶質ポリオレフィン、フッ素系樹脂等の各種高分子材料等が用いられる。
【0028】
駆動回路部としては、ガラス等の無機材料製等の基板の上にCVD法等でアモルファスシリコン,多結晶シリコン,単結晶シリコン等を形成し、集積形成された薄膜トランジスタ等が用いられる。薄膜の成膜にはスパッタリングのほかプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)、真空蒸着などの方法も用いられる。
【0029】
カラーフィルタとしては、染料法,顔料法等の色材を用いて染色,染料分散,顔料分散,蒸着等の方式で構成され、フォトリソ法,エッチング法,印刷法,電着法,蒸着法,インクジェット法,あるいはそれらの組合せによる製造プロセスにより基板に成膜され形成される。
【0030】
第1電極及び第2電極としては、酸化錫,酸化インジウム,ITOやATO(SbをドープしたSnO2)、AZO(AlをドープしたZnO)等の透明電極が用いられる。また、Al,Ag,Au等の光透過性を有する金属薄膜を用いることもできる。なお、第2電極をカラーフィルタの保護膜の代わりにすることもできる。
【0031】
第3電極としては、Al,Ag,Au等の金属材料が用いられる。また、Al,Ag,Au,Cr,Cu,In,Mg,Ni,Si,Ti等の金属、Mg−Ag合金,Mg−In合金等のMg合金、Al−Li合金,Al−Sr合金,Al−Ba合金等のAl合金等の金属薄膜が用いられる。またITO、ATO、AZO等の透明電極を使用することもできる。
【0032】
なお、有機光電変換層と接して形成される第2電極と第3電極の内、陰極となる電極と有機光電変換層との間に、金属酸化物、金属弗化物等の薄膜を導入する手法も好適に用いられる。短絡電流が生じるのを抑制するためである。
【0033】
また、必要に応じて、第2電極あるいは第3電極と有機光電変換層との間に、PEDOT:PSS(ポリチオフェンとポリスチレンスルホン酸の混合物)等の高分子材料をバッファ層として導入する素子構成、あるいはシリコン、チタニア、アルミナ、カーボン、ジルコニアなどの無機物を漏れ電流のブロック層として導入する素子構成も好適に用いられる。さらに、必要に応じて、有機光電変換層とその上層に形成される第3電極との間に、LiFをはじめとする金属フッ化物や酸化物等をバッファ層として導入する素子構成も好適に用いられる。
【0034】
なお、第1電極は、駆動回路部とコンタクトされ、駆動回路部と電気的に接続された電極である。第2電極は、第3電極と対をなしており、有機光電変換センサの陽極又は陰極として作用する電極である。
【0035】
有機光電変換層としては、電子供与性材料からなる電子供与性層、電子受容性材料からなる電子受容性層で構成されたものが用いられる。
【0036】
有機光電変換層の構成材料である電子供与性材料としては、フェニレンビニレンおよびその誘導体、フルオレンおよびその誘導体、特に骨格にキノリン基またはピリジン基を有するフルオレン系コポリマー(P0F66、P1F66、PFPV)、フルオレン含有アリールアミンポリマー、カルバゾールおよびその誘導体、インドールおよびその誘導体、ピレンおよびその誘導体、ピロールおよびその誘導体、ピコリンおよびその誘導体、チオフェンおよびその誘導体、アセチレンおよびその誘導体、ジアセチレンおよびその誘導体を繰り返し単位として有する重合体及び他のモノマーとの共重合体、またデンドリマーとして総称される一群の高分子材料が用いられる。また、高分子に限定されるものではなく、例えばポルフィン、テトラフェニルポルフィン銅、フタロシアニン、銅フタロシアニン、チタニウムフタロシアニンオキサイド等のポリフィリン化合物や、1,1−ビス{4−(ジ−P−トリルアミノ)フェニル}シクロヘキサン、4,4’,4’’−トリメチルトリフェニルアミン、N,N,N’,N’−テトラキス(P−トリル)−P−フェニレンジアミン、1−(N,N−ジ−P−トリルアミノ)ナフタレン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)−2−2’−ジメチルトリフェニルメタン、N,N,N’,N’−テトラフェニル−4,4’−ジアミノビフェニル、N、N’−ジフェニル−N、N’−ジ−m−トリル−4、4’−ジアミノビフェニル、N−フェニルカルバゾ−ル等の芳香族第三級アミンや、4−ジ−P−トリルアミノスチルベン、4−(ジ−P−トリルアミノ)−4’−〔4−(ジ−P−トリルアミノ)スチリル〕スチルベン等のスチルベン化合物や、トリアゾールおよびその誘導体、オキサジザゾールおよびその誘導体、イミダゾールおよびその誘導体、ポリアリールアルカンおよびその誘導体、ピラゾリンおよびその誘導体、ピラゾロンおよびその誘導体、フェニレンジアミンおよびその誘導体、アニールアミンおよびその誘導体、アミノ置換カルコンおよびその誘導体、オキサゾールおよびその誘導体、スチリルアントラセンおよびその誘導体、フルオレノンおよびその誘導体、ヒドラゾンおよびその誘導体、シラザンおよびその誘導体、ポリシラン系アニリン系共重合体、高分子オリゴマー、スチリルアミン化合物、芳香族ジメチリディン系化合物、ポリ3−メチルチオフェン等も用いることができる。
【0037】
また電子受容性材料としては1,3−ビス(4−tert−ブチルフェニル−1,3,4−オキサジアゾリル)フェニレン(OXD−7)等のオキサジアゾールおよびその誘導体、アントラキノジメタンおよびその誘導体、ジフェニルキノンおよびその誘導体、フラーレンおよびその誘導体、特にPCBM([6,6]−phenyl C61 butyric acid methyl ester)カーボンナノチューブおよびその誘導体等が用いられる。
【0038】
なお、駆動回路部と有機光電変換層とは、各々基板の反対面に形成することもできるが、同一面に形成するのが望ましい。基板に駆動回路部が形成されていない面を基準にして、スピンコート,印刷,蒸着等によって電極や有機光電変換層を形成でき、生産性に優れるためである。また、駆動回路部と各電極とのコンタクトを容易に行うためである。
【0039】
上記課題を解決するためになされた第2の発明は、基板と、基板の上に形成された第1電極及び駆動回路部と、第1電極の上面の一部又は全部に形成されたカラーフィルタと、カラーフィルタの上面の一部又は全部に形成された保護膜と、保護膜の上面の一部又は全部に形成された第4電極と、第4電極の上面の一部又は全部に形成された有機光電変換層と、有機光電変換層の上面の一部又は全部に形成された第5電極と、を備えた構成を有している。
【0040】
この構成により、第1の発明で得られる作用に加え、以下の作用を有する。
【0041】
(1)カラーフィルタの上面の一部又は全部に形成された保護膜を備えているので、有機光電変換層を形成する際の溶剤等でカラーフィルタが損傷等するのを防止するとともに、カラーフィルタの表面粗さを低減し平坦化させることができ、信頼性を高めることができる。
【0042】
ここで、保護膜としては、耐熱性、平坦性、密着性、透明性、耐溶剤性、耐光性、耐熱変色性、保存安定性など要求特性を満たすものであればどのようなものでもよく、特に材料としてはアクリル系、エポキシ系、ポリイミド系、シロキサン系、アルキル系、有機ケイ素系、有機高分子系等を含む合成樹脂等が用いられる。
【0043】
なお、基板、第1電極、駆動回路部、カラーフィルタとしては、第1の発明で説明したものと同様なので、説明を省略する。
【0044】
また、第4電極は第1の発明で説明した第2電極、第5電極は第1の発明で説明した第3電極と同様なので、説明を省略する。
【0045】
上記課題を解決するためになされた第3の発明は、基板と、基板の上に形成されたカラーフィルタ及び駆動回路部と、カラーフィルタの上面の一部又は全部に形成された第6電極と、第6電極の上面の一部又は全部に形成された有機光電変換層と、有機光電変換層の上面の一部又は全部に形成された第7電極と、を備えた構成を有している。
【0046】
この構成により、第1の発明で得られる作用に加え、以下の作用を有する。
【0047】
(1)積層数を少なくすることができるので、さらに生産性に優れたフルカラー対応の有機光電変換センサを得ることができる。
【0048】
ここで、基板、駆動回路部、カラーフィルタとしては、第1の発明で説明したものと同様なので、説明を省略する。
【0049】
また、第6電極は第1の発明で説明した第2電極、第7電極は第1の発明で説明した第3電極と同様なので、説明を省略する。
【0050】
上記課題を解決するためになされた第4の発明は、基板と、基板の上に形成されたカラーフィルタ及び駆動回路部と、カラーフィルタの上面の一部又は全部に形成された保護膜と、保護膜の上面の一部又は全部に形成された第8電極と、第8電極の上面の一部又は全部に形成された有機光電変換層と、有機光電変換層の上面の一部又は全部に形成された第9電極と、を備えた構成を有している。
【0051】
この構成により、第3の発明で得られる作用に加え、以下の作用を有する。
【0052】
(1)カラーフィルタの上面の一部又は全部に形成された保護膜を備えているので、有機光電変換層を形成する際の溶剤等でカラーフィルタが損傷等するのを防止するとともに、カラーフィルタの表面粗さを低減し平坦化させることができ、信頼性を高めることができる。
【0053】
ここで、保護膜としては、第2の発明で説明したものと同様なので、説明を省略する。
【0054】
上記課題を解決するためになされた第5の発明は、第1又は第2の発明の有機光電変換センサであって、第1電極と第2電極、又は、第1電極と第4電極が電気的に接続されている構成を有している。
【0055】
この構成により、第1又は第2の発明で得られる作用に加え、以下の作用を有する。
【0056】
(1)第1電極と第2電極、又は、第1電極と第4電極が電気的に接続されているので、有機光電変換層で発生した電荷を、第1電極と電気的に接続した駆動回路部へ導通させることができる。
【0057】
上記課題を解決するためになされた第6の発明は、第1又は第2の発明の有機光電変換センサであって、第1電極と第2電極、又は、第1電極と第4電極が、少なくともカラーフィルタに形成された接続孔を通じて電気的に接続されている構成を有している。
【0058】
この構成により、第1又は第2の発明で得られる作用に加え、以下の作用を有する。
【0059】
(1)少なくともカラーフィルタに形成された接続孔を通じて電気的に接続されているので、小型化・軽量化できるとともに、有機光電変換層で発生した電荷を、第1電極と電気的に接続した駆動回路部へ導通させることができる。
【0060】
上記課題を解決するためになされた第7の発明は、第1,2,5,6の発明の内いずれか1の有機光電変換センサであって、第3電極と駆動回路部、又は、第5電極と駆動回路部が電気的に接続されている構成を有している。
【0061】
この構成により、第1、2、5、6の発明の内いずれか1で得られる作用に加え、以下の作用を有する。
【0062】
(1)有機光電変換層で発生した光電流を読み取る駆動素子回路を有機光電変換層と同一基板上に設けることができ、小型・軽量であり信頼性も高く製造が容易な有機光電変換センサを提供することができる。
【0063】
上記課題を解決するためになされた第8の発明は、第1,2,5,6の発明の内いずれか1の有機光電変換センサであって、第1電極及び第2電極、又は、第1電極及び第4電極が透明電極である構成を有している。
この構成により、第1、2、5、6の発明の内いずれか1で得られる作用に加え、以下の作用を有する。
【0064】
(1)有機光電変換層への入射光が透明電極には吸収され難いので、光電変換効率を高め感度を高めることができる。
【0065】
上記課題を解決するためになされた第9の発明は、第3又は第4の発明の有機光電変換センサであって、第7電極と駆動回路部、又は、第9電極と駆動回路部が電気的に接続されている構成を有している。
【0066】
この構成により、第3又は第4の発明で得られる作用に加え、以下の作用を有する。
【0067】
(1)駆動素子回路を有機光電変換層と同一基板上に設けることができ、小型・軽量であり信頼性も高く製造が容易な有機光電変換センサを提供することができる。
【0068】
上記課題を解決するためになされた第10の発明は、第3,4,9の発明の内いずれか1の有機光電変換センサであって、第1電極が透明電極である構成を有している。
【0069】
この構成により、第3、4、9の発明の内いずれか1で得られる作用に加え、以下の作用を有する。
【0070】
(1)有機光電変換層への入射光が透明電極には吸収され難いので、光電変換効率を高め感度を高めることができる。
【0071】
上記課題を解決するためになされた第11の発明は、第1乃至第10の発明の内いずれか1の有機光電変換センサであって、第1電極と駆動回路部とが電気的に接続されている構成を有している。
【0072】
この構成により、第1乃至第10の発明の内いずれか1で得られる作用に加え、以下の作用を有する。
【0073】
(1)有機光電変換層で発生した光電流を読み取る駆動素子回路を有機光電変換層と同一基板上に設けることができ、小型・軽量であり信頼性も高く製造が容易な有機光電変換センサを提供することができる。
【0074】
上記課題を解決するためになされた第12の発明は、第1乃至第11の発明の内いずれか1の有機光電変換センサであって、有機光電変換層が、少なくとも1種の電子供与性有機材料と少なくとも1種の電子受容性有機材料とを含有している構成を有している。
【0075】
この構成により、第1乃至第11の発明の内いずれか1で得られる作用に加え、以下の作用を有する。
【0076】
(1)有機光電変換層が光吸収すると励起子が形成され、電子は電子受容性有機材料を通して一方の電極へ、正孔は電子供与性有機材料を通じて他方の電極へと移動し、両電極間に起電力を発生させることができ、光エネルギーを電気信号に変換することができる。
【0077】
上記課題を解決するためになされた第13の発明は、第1乃至第12の発明の内いずれか1の有機光電変換センサであって、カラーフィルタが、赤色,緑色,青色の各色毎に対応する色素層が積層されている構成を有している。
【0078】
この構成により、第1乃至第12の発明の内いずれか1で得られる作用に加え、以下の作用を有する。
【0079】
(1)有機光電変換層で発生した光電流を読み取る駆動素子回路を有機光電変換層と同一基板上に設けることができ、小型・軽量であり信頼性も高く製造が容易な有機光電変換センサを提供することができる。
【0080】
上記課題を解決するためになされた第14の発明は、第1乃至第13の発明の内いずれか1の有機光電変換センサであって、駆動回路部が、薄膜トランジスタを有している構成を有している。
【0081】
この構成により、第1乃至第13の発明の内いずれか1で得られる作用に加え、以下の作用を有する。
【0082】
(1)有機光電変換層で発生した光電流を読み取る駆動素子回路を有機光電変換層と同一基板上に設けることができ、小型・軽量であり信頼性も高く製造が容易な有機光電変換センサを提供することができる。
【0083】
上記課題を解決するためになされた第15の発明は、基板の上に第1電極及び駆動回路部を形成する第1工程と、第1電極の上面にカラーフィルタを形成する第2工程と、カラーフィルタの上面に第2電極を形成する第3工程と、第2電極の上面に有機光電変換層を形成する第4工程と、有機光電変換層の上面に第3電極を形成する第5工程と、を備えた構成を有している。
【0084】
この構成により、以下の作用が得られる。
【0085】
(1)駆動回路部の製造時の熱処理によって有機光電変換層やカラーフィルタが劣化したり破損したりすることがなく、信頼性に優れるとともに生産性に優れ、同一の基板上に駆動回路部、有機光電変換層、カラーフィルタを設けることができ、小型軽量で信頼性に優れたフルカラーの有機光電変換センサを製造できる。
【0086】
上記課題を解決するためになされた第16の発明は、基板の上に第1電極及び駆動回路部を形成する第1工程と、第1電極の上面にカラーフィルタと保護膜とを順に積層し形成する第6工程と、保護膜の上面に第4電極を形成する第7工程と、第4電極の上面に有機光電変換層を形成する第8工程と、有機光電変換層の上面に第5電極を形成する第9工程と、を備えた構成を有している。
【0087】
この構成により、第15の発明で得られる作用に加え、以下の作用が得られる。
【0088】
(1)カラーフィルタの上面に保護膜が形成されるので、有機光電変換層を形成する際の溶剤等でカラーフィルタが損傷等するのを防止するとともに、カラーフィルタの表面粗さを低減し平坦化させることができ、信頼性を高めることができる。
【0089】
上記課題を解決するためになされた第17の発明は、基板の上に駆動回路部及びカラーフィルタを形成した後、カラーフィルタの上面に第6電極を形成する第10工程と、第6電極の上面に有機光電変換層を形成する第11工程と、有機光電変換層の上面に第7電極を形成する第12工程と、を備えた構成を有している。
【0090】
この構成により、第15の発明で得られる作用に加え、以下の作用が得られる。
【0091】
(1)積層数が少ないので、さらに生産性に優れる。
【0092】
上記課題を解決するためになされた第18の発明は、基板の上に駆動回路部及びカラーフィルタを形成した後、カラーフィルタの上面に保護膜を形成する第13工程と、保護膜の上面に第8電極を形成する第14工程と、第8電極の上面に有機光電変換層を形成する第15工程と、有機光電変換層の上面に第9電極を形成する第16工程と、を備えた構成を有している。
【0093】
この構成により、第17の発明で得られる作用に加え、以下の作用が得られる。
【0094】
(1)カラーフィルタの上面に保護膜が形成されるので、有機光電変換層を形成する際の溶剤等でカラーフィルタが損傷等するのを防止するとともに、カラーフィルタの表面粗さを低減し平坦化させることができ、信頼性を高めることができる。
【0095】
上記課題を解決するためになされた第19の発明は、第15乃至第18の発明の内いずれか1の有機光電変換センサの製造方法であって、カラーフィルタが、赤色,緑色,青色の各色毎に対応する色素層を積層する構成を有している。
【0096】
この構成により、第15乃至第18の発明の内いずれか1で得られる作用に加え、以下の作用が得られる。
【0097】
(1)有機光電変換層で発生した光電流を読み取る駆動素子回路を有機光電変換層と同一基板上に設けることができ、小型・軽量であり信頼性も高く製造が容易な有機光電変換センサを提供することができる。
【0098】
上記課題を解決するためになされた第20の発明は、第1乃至第14の発明の内いずれか1の有機光電変換センサ、又は、第15乃至第19の内いずれか1に記載の製造方法で製造された有機光電変換センサを備えた構成を有している。
【0099】
この構成により、以下の作用を有する。
【0100】
(1)有機光電変換層とカラーフィルタと駆動回路部を同一の基板上に設けることができ、小型軽量で信頼性に優れるとともに生産性に優れた情報読取装置を提供することができる。
【0101】
ここで、情報読取装置としては、文字や図形等の各種情報を光を用いて電気情報へと変換し読み取ることのできる装置であればどのようなものでもよく、例えば、コピー機や指紋センサ等の画像読取装置、ファクシミリやスキャナ、デジタルカメラ等に内蔵されたものが用いられる。
【0102】
なお本発明の有機光電変換センサは、有機光電変換層が一次元上に配置されるラインセンサとしてだけでなく、二次元に配置しエリアセンサとして用いるができる。また、曲面状の物体の表面に沿わせて、曲面の画像を読み取ることのできるフレキシブルなセンサとしても用いることができる。
【0103】
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態について、各図に基づいて説明する。
【0104】
図1は本発明の実施の形態1における有機光電変換センサの要部断面図である。
【0105】
図1において、1は実施の形態1における有機光電変換センサ、2はガラス等の無機材料、ポリエチレンテレフタレート,ポリカーボネート等の高分子材料等で形成された透明乃至は半透明の基板、3は基板2の上の所定箇所に形成されアモルファスシリコン,多結晶シリコン,単結晶シリコン等で基板2と一体に形成された薄膜トランジスタ等の駆動回路部、4は基板2の上の所定箇所に形成され図示しない導線等で駆動回路部3と電気的に接続されITO,ATO,AZO等の透明電極等で形成された光透過性を有する第1電極、5は第1電極4の上面の全部に成膜され形成されたカラーフィルタ、6はカラーフィルタ5の上面の全部に形成されアクリル系,エポキシ系,ポリイミド系等の合成樹脂製等で形成され製膜された光透過性を有する保護膜、7は保護膜6の上面の全部に形成されITO,ATO,AZO等の透明電極等で形成された光透過性を有する第4電極、8は第4電極7の上面の全部に製膜されて形成され電子供与性有機材料と電子受容性有機材料で構成され光吸収によって励起子が形成される有機光電変換層、9は有機光電変換層8の上面の全部に製膜されて形成されAl,Ag,Au等の金属材料やMg合金,Al合金等の薄膜、ITO,ATO,AZO等の透明電極等で形成された第5電極である。
【0106】
なお、有機光電変換層8の下面に形成された第4電極7、上面に形成された第5電極9は、陽極又は陰極として作用している。また、第1電極4と第4電極7は図示しない導電等によって電気的に接続され、第5電極9と駆動回路部3とは図示しない導線等によって電気的に接続されている。
【0107】
以上のように構成された実施の形態1における有機光電変換センサについて、以下その製造方法を説明する。
【0108】
第1工程において、基板2の上面に駆動回路部3をスパッタリング法やCVD法等によって形成する。次に、第1電極4を基板2の上面の駆動回路部3とは異なる箇所に形成する。次に、第6工程において、第1電極4の上面にカラーフィルタ5を形成し、次いでカラーフィルタ5の上面に保護膜6を形成する。次に、第7工程において、保護膜6の上面にスパッタリング法等によって第4電極7を形成した後、第8工程において、第4電極7の上面に有機光電変換層8をスピンコート等によって形成する。次いで、第9工程において、有機光電変換層8の上面に第5電極9を蒸着法等によって形成する。
【0109】
次に、実施の形態1における有機光電変換センサの変形例を説明する。
【0110】
図2は実施の形態1の変形例の有機光電変換センサの要部断面図である。
【0111】
図中、1aは変形例の有機光電変換センサ、5aは第1電極4の一部,駆動回路部3の一部,基板2の一部の上面に成膜され形成されたカラーフィルタ、6aはカラーフィルタ5の上面の全部,第1電極4の一部,駆動回路部3の一部に形成された保護膜、7aは保護膜6の上面の一部に形成されITO,ATO,AZO等の透明電極等で形成された光透過性を有する第4電極、8aは第4電極7の上面の全部,保護膜6aの一部に製膜されて形成された有機光電変換層、9aは有機光電変換層8aの上面の一部に製膜されて形成されAl,Ag,Au等の金属材料やMg合金,Al合金等の薄膜、ITO,ATO,AZO等の透明電極等で形成された第5電極である。
【0112】
なお、カラーフィルタ5aは第1電極4の一部又は全部の上に存在していれば良く、第1電極4以外の部分の上にあってもよい。また、保護膜6aはカラーフィルタ5aの一部又は全部の上に存在していれば良く、カラーフィルタ5a以外の部分の上にあってもよい。また、第4電極7aは保護膜6aの一部又は全部の上に存在していれば良く、保護膜6a以外の部分の上にあってもよい。また、有機光電変換層8aは第4電極7aの一部又は全部の上に存在していれば良く、第4電極7a以外の部分の上にあってもよい。また、第5電極9aは有機光電変換層8aの一部又は全部の上に存在していれば良く、有機光電変換層8a以外の部分の上にあってもよい。
【0113】
なお、有機光電変換層8aは、第4電極7aと第5電極9aが重なった部分において光電変換が行われる。
【0114】
以上のように実施の形態1における有機光電変換センサは構成されているので、以下のような作用が得られる。
【0115】
(1)有機光電変換層8とカラーフィルタ5と駆動回路部3とを同一の基板2上に形成しているので、小型軽量で部品点数も少なく生産性に優れるとともに信頼性に優れたフルカラー対応の有機光電変換センサを得ることができる。
【0116】
(2)カラーフィルタ5の上面の一部又は全部に形成された保護膜6を備えているので、有機光電変換層8を形成する際の溶剤等でカラーフィルタ5が損傷等するのを防止するととともに、カラーフィルタ5の表面粗さを低減し平坦化させることができ、信頼性を高めることができる。
【0117】
また、実施の形態1における有機光電変換センサの製造方法によれば、以下のような作用が得られる。
【0118】
(1)駆動回路部3の製造時の熱処理によって有機光電変換層8やカラーフィルタ5が劣化したり破損したりすることがなく、信頼性に優れるとともに生産性に優れ、同一の基板2上に駆動回路部3、有機光電変換層8、カラーフィルタ5を設けることができ、小型軽量で信頼性に優れたフルカラーの有機光電変換センサを製造できる。
【0119】
(実施の形態2)
図3は実施の形態2における有機光電変換センサの要部断面図である。なお、実施の形態1と同様のものは、同じ符号を付して説明を省略する。
【0120】
図中、10は実施の形態2における有機光電変換センサ、11はカラーフィルタ5の上面の全部に形成されITO,ATO,AZO等の透明電極等で形成された光透過性を有する第2電極、12は第2電極11の上面の全部に製膜されて形成され電子供与性有機材料と電子受容性有機材料で構成され光吸収によって励起子が形成される有機光電変換層、13は有機光電変換層12の上面の全部に製膜されて形成されAl,Ag,Au等の金属材料やMg合金,Al合金等の薄膜、ITO,ATO,AZO等の透明電極等で形成された第3電極である。
【0121】
なお、有機光電変換層12の下面に形成された第2電極11、上面に形成された第3電極13は、陽極又は陰極として作用している。また、第1電極4と第2電極11は図示しない導電等によって電気的に接続され、第3電極13と駆動回路部3とは図示しない導線等によって電気的に接続されている。
【0122】
以上のように構成された実施の形態2における有機光電変換センサについて、以下その製造方法を説明する。
【0123】
第1工程において、基板2の上面に駆動回路部3をスパッタリング法やCVD法等によって形成する。次に、第1電極4を基板2の上面の駆動回路部3とは異なる箇所に形成する。次に、第2工程において、第1電極4の上面にカラーフィルタ5を形成する。次に、第3工程において、カラーフィルタ5の上面にスパッタリング法等によって第2電極11を形成した後、第4工程において、第2電極11の上面に有機光電変換層12をスピンコート等によって形成する。次いで、第5工程において、有機光電変換層12の上面に第3電極13を蒸着法等によって形成する。
【0124】
次に、実施の形態2における有機光電変換センサの変形例を説明する。
【0125】
図4は実施の形態2の変形例の有機光電変換センサの要部断面図である。
【0126】
図中、10aは変形例の有機光電変換センサ、5aは第1電極4の一部,駆動回路部3の一部,基板2の一部の上面に成膜され形成されたカラーフィルタ、11aはカラーフィルタ5aの上面の一部に形成されITO,ATO,AZO等の透明電極等で形成された光透過性を有する第2電極、12aは第2電極11aの上面の全部,カラーフィルタ5aの一部に製膜されて形成された有機光電変換層、13aは有機光電変換層12aの上面の一部に製膜されて形成されAl,Ag,Au等の金属材料やMg合金,Al合金等の薄膜、ITO,ATO,AZO等の透明電極等で形成された第3電極である。
【0127】
なお、カラーフィルタ5aは第1電極4の一部又は全部の上に存在していれば良く、第1電極4以外の部分の上にあってもよい。また、第2電極11aはカラーフィルタ5aの一部又は全部の上に存在していれば良く、カラーフィルタ5a以外の部分の上にあってもよい。また、有機光電変換層12aは第2電極11aの一部又は全部の上に存在していれば良く、第2電極11a以外の部分の上にあってもよい。また、第3電極13aは有機光電変換層12aの一部又は全部の上に存在していれば良く、有機光電変換層12a以外の部分の上にあってもよい。
【0128】
なお、有機光電変換層12aは、第2電極11aと第3電極13aが重なった部分において光電変換が行われる。
【0129】
以上のように実施の形態2における有機光電変換センサは構成されているので、実施の形態1に記載したのと同様の作用が得られる。
【0130】
また、実施の形態2における有機光電変換センサの製造方法によれば、実施の形態1に記載したのと同様の作用が得られる。
【0131】
(実施の形態3)
図5は実施の形態3における有機光電変換センサの要部断面図である。なお、実施の形態1と同様のものは、同じ符号を付して説明を省略する。
【0132】
図中、20は実施の形態3における有機光電変換センサ、21は基板2の上の所定箇所に成膜され形成されたカラーフィルタ、22はカラーフィルタ21の上面の全部に製膜され形成された光透過性を有する保護膜、23は保護膜22の上面の全部に形成されITO,ATO,AZO等の透明電極等で形成された光透過性を有する第8電極、24は第8電極23の上面の全部に製膜されて形成され電子供与性有機材料と電子受容性有機材料で構成され光吸収によって励起子が形成される有機光電変換層、25は有機光電変換層24の上面の全部に製膜されて形成されAl,Ag,Au等の金属材料やMg合金,Al合金等の薄膜、ITO,ATO,AZO等の透明電極等で形成された第9電極である。
【0133】
なお、有機光電変換層24の下面に形成された第8電極23、上面に形成された第9電極25は、陽極又は陰極として作用している。また、第8電極23と駆動回路部3は図示しない導電等によって電気的に接続され、第9電極25と駆動回路部3とは図示しない導線等によって電気的に接続されている。
【0134】
以上のように構成された実施の形態3における有機光電変換センサについて、以下その製造方法を説明する。
【0135】
第13工程において、基板2の上面に駆動回路部3をスパッタリング法やCVD法等によって形成する。次に、基板2の上面の駆動回路部3とは異なる箇所にカラーフィルタ21を形成した後、カラーフィルタ21の上面にスピンコート等によって保護膜22を形成する。次に、第14工程において、保護膜22の上面にスパッタリング法等によって第8電極23を形成する。次に、第15工程において、第8電極23の上面に有機光電変換層24をスピンコート等によって形成する。次いで、第16工程において、有機光電変換層24の上面に第9電極23を蒸着法等によって形成する。
【0136】
次に、実施の形態3における有機光電変換センサの変形例を説明する。
【0137】
図6は実施の形態3の変形例の有機光電変換センサの要部断面図である。
【0138】
図中、20aは変形例の有機光電変換センサ、21aは基板2の一部,駆動回路部3の全部の上面に成膜され形成されたカラーフィルタ、22aはカラーフィルタ21aの上面の全部に形成された合成樹脂等で形成された光透過性の保護膜、23aは保護膜22aの上面の一部に形成されITO,ATO,AZO等の透明電極等で形成された光透過性を有する第8電極、24aは第8電極23aの上面の全部,保護膜22aの一部に製膜されて形成された有機光電変換層、25aは有機光電変換層24aの上面の一部に製膜されて形成されAl,Ag,Au等の金属材料やMg合金,Al合金等の薄膜、ITO,ATO,AZO等の透明電極等で形成された第9電極である。
【0139】
なお、カラーフィルタ21aは基板2の一部又は全部の上に存在していれば良く、駆動回路部3の一部又は全部の上にあってもよい。また、保護膜22aはカラーフィルタ21aの一部又は全部の上に存在していれば良く、カラーフィルタ21a以外の部分の上にあってもよい。また、第8電極23aは保護膜22aの一部又は全部の上に存在していればよく、保護膜22a以外の部分の上にあってもよい。また、有機光電変換層24aは第8電極23aの一部又は全部の上に存在していれば良く、第8電極23a以外の部分の上にあってもよい。また、第9電極25aは有機光電変換層24aの一部又は全部の上に存在していれば良く、有機光電変換層24a以外の部分の上にあってもよい。
【0140】
なお、有機光電変換層12aは、第8電極23aと第9電極25aが重なった部分において光電変換が行われる。
【0141】
以上のように実施の形態3における有機光電変換センサは構成されているので、実施の形態1に記載の作用に加え、以下のような作用が得られる。
【0142】
(1)積層数が少ないので、さらに生産性に優れる。
【0143】
また、実施の形態3における有機光電変換センサの製造方法によれば、実施の形態1に記載の作用に加え、以下のような作用が得られる。
【0144】
(1)積層数が少ないので、さらに生産性に優れる。
【0145】
(実施の形態4)
図7は実施の形態4における有機光電変換センサの要部断面図である。なお、実施の形態1、実施の形態3と同様のものは、同じ符号を付して説明を省略する。
【0146】
図中、30は実施の形態4における有機光電変換センサ、31はカラーフィルタ21の上面の全部に形成されITO,ATO,AZO等の透明電極等で形成された光透過性を有する第6電極、32は第6電極31の上面の全部に製膜されて形成され電子供与性有機材料と電子受容性有機材料で構成され光吸収によって励起子が形成される有機光電変換層、33は有機光電変換層32の上面の全部に製膜されて形成されAl,Ag,Au等の金属材料やMg合金,Al合金等の薄膜、ITO,ATO,AZO等の透明電極等で形成された第7電極である。
【0147】
なお、有機光電変換層32の下面に形成された第6電極31、上面に形成された第7電極33は、陽極又は陰極として作用している。また、第6電極31と駆動回路部3は図示しない導電等によって電気的に接続され、第7電極33と駆動回路部3とは図示しない導線等によって電気的に接続されている。
【0148】
以上のように構成された実施の形態4における有機光電変換センサについて、以下その製造方法を説明する。
【0149】
第10工程において、基板2の上面に駆動回路部3をスパッタリング法やCVD法等によって形成する。次に、基板2の上面の駆動回路部3とは異なる箇所にカラーフィルタ21を形成した後、カラーフィルタ21の上面にスパッタリング法等によって第6電極31を形成する。次に、第11工程において、第6電極31の上面に有機光電変換層32をスピンコート等によって形成する。次いで、第12工程において、有機光電変換層32の上面に第7電極33を蒸着法等によって形成する。
【0150】
次に、実施の形態4における有機光電変換センサの変形例を説明する。
【0151】
図8は実施の形態4の変形例の有機光電変換センサの要部断面図である。
【0152】
図中、30aは変形例の有機光電変換センサ、31aはカラーフィルタ21aの上面の一部に形成されITO,ATO,AZO等の透明電極等で形成された光透過性を有する第6電極、32aは第6電極31aの上面の全部,カラーフィルタ21aの一部に製膜されて形成された有機光電変換層、33aは有機光電変換層32aの上面の一部に製膜されて形成されAl,Ag,Au等の金属材料やMg合金,Al合金等の薄膜、ITO,ATO,AZO等の透明電極等で形成された第7電極である。
【0153】
なお、カラーフィルタ21aは基板2の一部又は全部の上に存在していれば良く、駆動回路部3の一部又は全部の上にあってもよい。また、第6電極31aはカラーフィルタ21aの一部又は全部の上に存在していればよく、カラーフィルタ21a以外の部分の上にあってもよい。また、有機光電変換層32aは第6電極31aの一部又は全部の上に存在していれば良く、第6電極31a以外の部分の上にあってもよい。また、第7電極33aは有機光電変換層32aの一部又は全部の上に存在していれば良く、有機光電変換層32a以外の部分の上にあってもよい。
【0154】
なお、有機光電変換層32aは、第6電極31aと第7電極33aが重なった部分において光電変換が行われる。
【0155】
以上のように実施の形態4における有機光電変換センサは構成されているので、実施の形態3に記載したのと同様の作用が得られる。
【0156】
また、実施の形態4における有機光電変換センサの製造方法によれば、実施の形態3に記載したのと同様の作用が得られる。
【実施例】
【0157】
以下、本発明の具体的な内容について実施例を用いて説明する。
【0158】
(実施例1)
無アルカリガラス基板上にAl等のゲート電極および絶縁膜をスッパタリングにより形成し、パターニングを行った。続いて、プラズマCVD等によりシリコン絶縁膜を形成し、続けてプラズマCVDによりアモルファスシリコンを形成し、TFT駆動素子回路(駆動回路部)を設けた。次にスパッタリング法により、膜厚160nmのITO膜(第1電極)を形成した後、ITO膜上にレジスト材(東京応化社製、OFPR−800)をスピンコート法により塗布して厚さ10μmのレジスト膜を形成し、マスク、露光、現像してレジスト膜を所定の形状にパターニングした。次に、第1電極の上にRGBに対応する顔料レジストを塗布し、100℃で仮焼成し、フォトマスクを介して露光を行った。次に、アルカリ現像液を用いて現像、続いて焼成を行い、基板の第1電極の上にカラーフィルタを形成した。次に、基板の表面の全面に熱硬化樹脂をスピンコートにより塗布した後200℃にて焼成を行い、保護膜を形成した。
【0159】
続いてスパッタリング法により、保護膜上に膜厚160nmのITO膜を形成した後、ITO膜上にレジスト材をスピンコート法により塗布して厚さ10μmのレジスト膜を形成し、マスク、露光、現像してレジスト膜を所定の形状にパターニングした。次に、このガラス基板を60℃で50%の塩酸中に浸漬して、レジスト膜が形成されていない部分のITO膜をエッチングした後、レジスト膜も除去し、ライン数=7500、ピッチ=0.042mmのパターンのITO膜(第4電極)を形成した。
【0160】
次に、この基板を、純水による10分間の超音波洗浄、界面活性剤(PD−6、米オーカイト社)による5分間の超音波洗浄、純水による10分間の超音波洗浄、窒素ブロアーでガラス基板に付着した水分を除去した。
【0161】
次に、基板面にポリ(3,4)エチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルフォネート(PEDT/PSS)を0.45μmのフィルターを通して滴下し、スピンコート法によって均一に塗布した。これを200℃のクリーンオーブン中で30分間加熱することでバッファ層を形成した。
【0162】
次に、ポリ(2−メトキシ−5−(2’−エチルヘキシルオキシ)−1,4−フェニレンビニレン)(MEH−PPV)と[5,6]−フェニル C61 ブチリックアシッドメチルエステル([5,6]−PCBM)との重量比1:4のクロロベンゼン溶液をスピンコーにて塗布した。
【0163】
次に、100℃のクリーンオーブン中で30分間加熱処理し、第4電極の上面に約100nmの有機光電変換層を形成した。つづいて0.27mPa(=2×10-6Torr)以下の真空度まで減圧した抵抗加熱蒸着装置内にて、Alを約100nmの膜厚で成膜し、有機光電変換層の上面に第5電極を形成した。
【0164】
最後に、基板の上部に光硬化性エポキシ樹脂にてガラス板を接着して密閉することで、水分の浸入を抑えた実施例1の有機光電変換センサを得た。
【0165】
(比較例1)
実施例1では、基板に駆動回路部を形成した後、カラーフィルタ、保護膜、第4電極、有機光電変換層、第5電極を形成したが、比較例1では、駆動回路部を形成する順序を代えて、基板に第1電極、カラーフィルタ、保護膜、第4電極、有機光電変換層、第5電極を形成した後、最後に駆動回路部を形成した。各々の操作は実施例1と同様にして、比較例1の有機光電変換センサを得た。
【0166】
(評価)
比較例1の有機光電変換センサは、駆動回路部の形成時に500℃以上の温度が基板に加わるため、有機光電変換層及びカラーフィルタの有機材料が分解してしまい、必要十分な光電変換特性を得ることができなかった。それに対して実施例1の有機光電変換センサは、光電変換特性、分光特性が優れており、簡便なプロセスにて優れた光電変換特性や分光特性を有する有機光電変換センサを得ることができた。
【0167】
以上のように本実施例によれば、有機光電変換層とカラーフィルタとそれらを駆動する駆動回路部とを同一基板上に設けた有機光電変換センサを提供することができ、安価で信頼性が高く製造が容易な生産性に優れた有機光電変換センサを提供できることが明らかになった。
【産業上の利用可能性】
【0168】
本発明は、物体の形状や画像等の各種情報を電気信号として取り出す有機光電変換センサ及びその製造方法並びにそれを用いた情報読取装置に関し、有機光電変換層とカラーフィルタと駆動回路部とを同一の基板上に設けることができ、小型軽量で信頼性に優れるとともに生産性に優れた有機光電変換センサを提供することができ、また駆動回路の製造時の熱処理によって有機光電変換層やカラーフィルタが劣化したり破損したりすることがなく、信頼性に優れるとともに生産性に優れた有機光電変換センサの製造方法を提供することができ、また有機光電変換層とカラーフィルタと駆動回路部とを同一の基板上に設けることができ、小型軽量で信頼性に優れるとともに生産性に優れた情報読取装置を提供することができるので、信頼性が高く簡便に製造することが可能でありながら、高品位な情報読取を行うことができ、物体の形状や画像等の各種情報を電気信号として取り出すスキャナ、ファックスなどへの利用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0169】
【図1】実施の形態1における有機光電変換センサの要部断面図
【図2】実施の形態1の変形例の有機光電変換センサの要部断面図
【図3】実施の形態2における有機光電変換センサの要部断面図
【図4】実施の形態2の変形例の有機光電変換センサの要部断面図
【図5】実施の形態3における有機光電変換センサの要部断面図
【図6】実施の形態3の変形例の有機光電変換センサの要部断面図
【図7】実施の形態4における有機光電変換センサの要部断面図
【図8】実施の形態4の変形例の有機光電変換センサの要部断面図
【符号の説明】
【0170】
1,1a 有機光電変換センサ
2 基板
3 駆動回路部
4 第1電極
5,5a カラーフィルタ
6,6a 保護膜
7,7a 第4電極
8,8a 有機光電変換層
9,9a 第5電極
10,10a 有機光電変換センサ
11,11a 第2電極
12,12a 有機光電変換層
13,13a 第3電極
20,20a 有機光電変換センサ
21,21a カラーフィルタ
22,22a 保護膜
23,23a 第8電極
24,24a 有機光電変換層
25,25a 第9電極
30,30a 有機光電変換センサ
31,31a 第6電極
32,32a 有機光電変換層
33,33a 第7電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、前記基板の上に形成された第1電極及び駆動回路部と、前記第1電極の上面の一部又は全部に形成されたカラーフィルタと、前記カラーフィルタの上面の一部又は全部に形成された第2電極と、前記第2電極の上面の一部又は全部に形成された有機光電変換層と、前記有機光電変換層の上面の一部又は全部に形成された第3電極と、を備えていることを特徴とする有機光電変換センサ。
【請求項2】
基板と、前記基板の上に形成された第1電極及び駆動回路部と、前記第1電極の上面の一部又は全部に形成されたカラーフィルタと、前記カラーフィルタの上面の一部又は全部に形成された保護膜と、前記保護膜の上面の一部又は全部に形成された第4電極と、前記第4電極の上面の一部又は全部に形成された有機光電変換層と、前記有機光電変換層の上面の一部又は全部に形成された第5電極と、を備えていることを特徴とする有機光電変換センサ。
【請求項3】
基板と、前記基板の上に形成されたカラーフィルタ及び駆動回路部と、前記カラーフィルタの上面の一部又は全部に形成された第6電極と、前記第6電極の上面の一部又は全部に形成された有機光電変換層と、前記有機光電変換層の上面の一部又は全部に形成された第7電極と、を備えていることを特徴とする有機光電変換センサ。
【請求項4】
基板と、前記基板の上に形成されたカラーフィルタ及び駆動回路部と、前記カラーフィルタの上面の一部又は全部に形成された保護膜と、前記保護膜の上面の一部又は全部に形成された第8電極と、前記第8電極の上面の一部又は全部に形成された有機光電変換層と、前記有機光電変換層の上面の一部又は全部に形成された第9電極と、を備えていることを特徴とする有機光電変換センサ。
【請求項5】
前記第1電極と前記第2電極、又は、前記第1電極と前記第4電極が電気的に接続されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の有機光電変換センサ。
【請求項6】
前記第1電極と前記第2電極、又は、前記第1電極と前記第4電極が、少なくとも前記カラーフィルタに形成された接続孔を通じて電気的に接続されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の有機光電変換センサ。
【請求項7】
前記第3電極と前記駆動回路部、又は、前記第5電極と前記駆動回路部が電気的に接続されていることを特徴とする請求項1,2,5,6の内いずれか1に記載の有機光電変換センサ。
【請求項8】
前記第1電極及び前記第2電極、又は、前記第1電極及び前記第4電極が透明電極であることを特徴とする請求項1,2,5,6の内いずれか1に記載の有機光電変換センサ。
【請求項9】
前記第7電極と前記駆動回路部、又は、前記第9電極と前記駆動回路部が電気的に接続されていることを特徴とする請求項3又は4に記載の有機光電変換センサ。
【請求項10】
前記第1電極が透明電極であることを特徴とする請求項3,4,9の内いずれか1に記載の有機光電変換センサ。
【請求項11】
前記第1電極と前記駆動回路部とが電気的に接続されていることを特徴とする請求項1乃至10の内いずれか1に記載の有機光電変換センサ。
【請求項12】
有機光電変換層が、少なくとも1種の電子供与性有機材料と少なくとも1種の電子受容性有機材料とを含有していることを特徴とする請求項1乃至11の内いずれか1に記載の有機光電変換センサ。
【請求項13】
前記カラーフィルタが、赤色,緑色,青色の各色毎に対応する色素層が積層されていることを特徴とする請求項1乃至12の内いずれか1に記載の有機光電変換センサ。
【請求項14】
前記駆動回路部が、薄膜トランジスタを有していることを特徴とする請求項1乃至13の内いずれか1に記載の有機光電変換センサ。
【請求項15】
基板の上に第1電極及び駆動回路部を形成する第1工程と、前記第1電極の上面にカラーフィルタを形成する第2工程と、前記カラーフィルタの上面に第2電極を形成する第3工程と、前記第2電極の上面に有機光電変換層を形成する第4工程と、前記有機光電変換層の上面に第3電極を形成する第5工程と、を備えていることを特徴とする有機光電変換センサの製造方法。
【請求項16】
基板の上に第1電極及び駆動回路部を形成する第1工程と、前記第1電極の上面にカラーフィルタと保護膜とを順に積層し形成する第6工程と、前記保護膜の上面に第4電極を形成する第7工程と、前記第4電極の上面に有機光電変換層を形成する第8工程と、前記有機光電変換層の上面に第5電極を形成する第9工程と、を備えていることを特徴とする有機光電変換センサの製造方法。
【請求項17】
基板の上に駆動回路部及びカラーフィルタを形成した後、前記カラーフィルタの上面に第6電極を形成する第10工程と、前記第6電極の上面に有機光電変換層を形成する第11工程と、前記有機光電変換層の上面に第7電極を形成する第12工程と、を備えていることを特徴とする有機光電変換センサの製造方法。
【請求項18】
基板の上に駆動回路部及びカラーフィルタを形成した後、前記カラーフィルタの上面に保護膜を形成する第13工程と、前記保護膜の上面に第8電極を形成する第14工程と、前記第8電極の上面に有機光電変換層を形成する第15工程と、前記有機光電変換層の上面に第9電極を形成する第16工程と、を備えていることを特徴とする有機光電変換センサの製造方法。
【請求項19】
前記カラーフィルタが、赤色,緑色,青色の各色毎に対応する色素層を積層することを特徴とする請求項15乃至18の内いずれか1に記載の有機光電変換センサの製造方法。
【請求項20】
前記1乃至14の内いずれか1に記載の有機光電変換センサ、又は、請求項15乃至19の内いずれか1に記載の製造方法で製造された有機光電変換センサを備えていることを特徴とする情報読取装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−35987(P2007−35987A)
【公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−218283(P2005−218283)
【出願日】平成17年7月28日(2005.7.28)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.セルフォック
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】