説明

有機発光ダイオード表示装置の駆動回路及び方法

【課題】本発明は、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイパネルの有機発光ダイオードのしきい値電圧が変化されることを検出して補償するにおいて、より少ない個数のサンプル/ホールド回路を使用できるようにする技術を提供する。
【解決手段】このために本発明は、表示パネル上のデータラインのうちでk個ずつのデータラインをM個のマルチプレクサーの入力チャンネルにそれぞれ連結して、一水平ライン当たりk回ずつデータラインを順次に連結することによって該当水平ライン上に配列された有機発光ダイオードのしきい値電圧をすべて検出して、M個のサンプル/ホールド回路を通じてその検出されたそれぞれのしきい値電圧をサンプル/ホールドした後デジタル信号に変換して、メモリーに保存する動作を必要な程度に繰り返し遂行するソースドライバー;を具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイパネルの駆動技術に関するものであり、特に、有機発光ダイオードのしきい値電圧が変化されることを検出して自動で補償するにおいて、より少ない個数のサンプル/ホールド回路を使用できるようにした有機発光ダイオード表示装置の駆動回路及び方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図1は、従来技術による有機発光ダイオード表示装置を概略的に示したブロック図としてこれに示したところのように、ゲートライン(GL)とデータライン(DL)の交差領域にそれぞれ配列された画素11を具備して、映像を表示する表示パネル10と;前記表示パネル10のゲートライン(GL1〜GLn)を駆動するゲートドライバー(Gate Driver IC)20と;前記表示パネル10のデータライン(DL1〜DLn)を駆動するソースドライバー(Source Driver IC)30と;前記表示パネル10の有機発光ダイオードをプレチャージさせた後、しきい値電圧を検出するためのしきい値電圧検出制御部40を具備する。
【0003】
表示パネル10には有機発光ダイオードを含む画素11がマトリックス形態に配列されているし、これらはゲートライン(GL1〜GLn)にゲート信号が供給される時にデータライン(DL1〜DLn)から供給されるデータ信号に相応される光を発生するようになる。
【0004】
このために、ゲートドライバー20は、前記表示パネル10上のゲートライン(GL1〜GLn)にゲート信号を順次に供給して、これによってそのゲートライン(GL1〜GLn)が順次に駆動される。また、ソースドライバー30は外部から供給されるデジタルデータ信号をアナログのデータ信号に変換して、その変換されたアナログのデータ信号を前記ゲート信号に同期してデータライン(DL1〜DLn)に供給する。
【0005】
前記表示パネル10上にマトリックス形態で配列された画素11の駆動作用をもうすこし詳しく説明すれば次のようである。
【0006】
ゲートドライバー20は表示パネル10のゲートライン(GL1〜GLn)にゲート信号を順次に出力して、これに同期してソースドライバー30はデータライン(DL1〜DLn)にデータ信号を出力する。
【0007】
この時、一番目のゲートライン(GL1)に供給されるゲート信号によって一番目の水平ライン上のスイッチングトランジスター(TFT−S)がターンオンされる。これによって、前記データライン(DL1〜DLn)を通じて供給されるデータ信号が前記スイッチングトランジスター(TFT−S)を通じて駆動トランジスター(TFT−D)のゲートにそれぞれ供給されて、その駆動トランジスター(TFT−D)がターンオンされる。よって、前記駆動トランジスター(TFT−D)を通じて有機発光ダイオード(OLED)にデータ信号に相応される駆動電流が供給されて、該当明るさで発光するようになる。ところが、前記スイッチングトランジスター(TFT−S)を通じて供給されるデータ信号は前記駆動トランジスター(TFT−D)のゲートとソースとの間に連結されたコンデンサー(C)に1フレーム時間の間に充電される。これによって、前記駆動トランジスター(TFT−D)が1フレームの間にターンオン状態を維持して、これによって該当有機発光ダイオード(OLED)が1フレームの間に発光状態を維持するようになる。
【0008】
以後、残り水平ラインの有機発光ダイオード(OLED)も前記のような過程を通じて順次に発光されるので、表示パネル10のすべての有機発光ダイオード(OLED)が1フレーム間に発光するようになる。このような動作は秒当たりの所定フレームにかけて連続的に遂行される。
【0009】
そして、前記有機発光ダイオード(OLED)は、固有の色相(Red、Green、Blue)のうちで一つの色相を現わす有機発光ダイオードとして単位ピクセル内の他の有機発光ダイオード(OLED)との組み合わせによって目的とした色相を現わすようになる。
【0010】
ところが、前記有機発光ダイオード(OLED)は時間が経過されることによって徐々に劣化されてしきい値電圧(Vth)の値が変化される。これによって、有機発光ダイオード(OLED)に同一な駆動電流が供給されても使用時間が長くなるほど明るさが徐々に変化される。
【0011】
したがって、前記有機発光ダイオード(OLED)のしきい値電圧(Vth)の値が変化されることに対応して、データ信号を補償処理していつも一定な明るさで発光するようにしているが、このような従来のしきい値電圧補償動作を、図2を参照して説明すれば次のようである。
【0012】
前記表示パネル10で各水平ライン上の有機発光ダイオード(OLED)のアノードを、しきい値電圧検出用トランジスター(TFT−V)を通じて該当データライン(DL)にそれぞれ連結して、前記しきい値電圧検出用トランジスター(TFT−V)のゲートをしきい値電圧検出制御部40のしきい値電圧補償制御ライン(CL)に共通で連結する。
【0013】
そして、前記ソースドライバー30は前記しきい値電圧検出用トランジスター(TFT−V)をそれぞれ通じて検出される有機発光ダイオード(OLED)のしきい値電圧(Vth)をサンプル/ホールドするサンプル/ホールド回路(S/H1〜S/Hn)を前記データライン(DL1〜DLn)の数に対応されるように具備して、前記サンプル/ホールド回路(S/H1〜S/Hn)をそれぞれ通じてサンプル/ホールドされたアナログのしきい値電圧をデジタル信号に変換してメモリーに保存するためのアナログ(A)/デジタル(D)変換器31を具備する。
【0014】
パワーがオンされて表示パネル10に画像がディスプレイされる以前にまたはスタンバイ状態で、しきい値電圧検出制御部40はゲートライン(または、水平ライン)(GL1〜GLn)に相応されるように設置されたしきい値電圧補償制御ライン(CL1〜CLn)に順次に制御信号を出力して、これによって該当水平ラインのしきい値電圧検出用トランジスター(TFT−V)が順次にターンオンされる。
【0015】
一番目のしきい値電圧補償制御ライン(CL1)に制御信号が供給されて、一番目水平ラインのしきい値電圧検出用トランジスター(TFT−V)がターンオンされる時、ソースドライバー30では各バッファー(BUF1〜BUFn)を通じて前記データライン(DL1〜DLn)にプレチャージ電圧を出力する。よって、前記プレチャージ電圧が前記しきい値電圧検出用トランジスター(TFT−V)を通じて該当有機発光ダイオード(OLED)のアノードに供給される。
【0016】
これから所定時間が経過されて前記有機発光ダイオード(OLED)でのプレチャージ電圧が充分に放電された後、サンプル/ホールド回路(S/H1〜S/Hn)は前記しきい値電圧検出用トランジスター(TFT−V)及び該当データライン(DL)を通じて検出される前記有機発光ダイオード(OLED)のしきい値電圧(Vth)をそれぞれサンプル/ホールドする。このようにサンプル/ホールドされたアナログのしきい値電圧(Vth)は、A/D変換器31を通じてデジタル信号に変換されてメモリーに保存される。
【0017】
以後、前記のようなしきい値電圧検出動作が次の水平ラインに対して順次に遂行されて、その時ごとに前記のような過程を通じて該当有機発光ダイオード(OLED)のしきい値電圧(Vth)がデジタル信号に変換されてメモリーに保存される。
【0018】
前記のようなしきい値電圧検出動作が終わった後、前記表示パネル10の映像ディスプレイモードで、前記ソースドライバー30は外部から供給されるR、G、Bデータに対応されるデータ信号を、前記データライン(DL1〜DLn)を通じて前記有機発光ダイオード(OLED)に出力する時、前記メモリーに保存されたしきい値電圧値を参照して、元々のしきい値電圧レベルに比べて変化されたレベルに相応されるように償って出力する。
【0019】
したがって、前記有機発光ダイオード(OLED)がしきい値電圧変化にかかわらずいつも一定な明るさで発光するようになる。
【0020】
このように従来の有機発光ダイオード表示装置のしきい値電圧補償回路においては有機発光ダイオードのしきい値電圧を補償するためにしきい値電圧を検出する時データライン数に相応される個数のサンプル/ホールド回路を使用するようになっているので、チップサイズが増加されて消費電流が増加されるなどの問題点があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
したがって、本発明が解決しようとする課題は、有機発光ダイオード表示装置の表示パネル上に配列された有機発光ダイオードのしきい値電圧を補償するためにしきい値電圧を検出する時より少ない個数のサンプル/ホールド回路を使って検出できるようにすることにある。
【0022】
望ましくは、より少ない個数のサンプル/ホールド回路を使用する代わりにサンプル/ホールド回路のせん断にマルチプレクサーを使用する。
【0023】
本発明が解決しようとする課題は、前で言及した課題に制限されない。本発明の他の解決課題及び長所は以下の説明によってさらに明らかに理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0024】
前記のような課題を達成するための本発明は、
複数のゲートラインとデータラインが交差する領域に有機発光ダイオードを具備して映像を表示する表示パネルと;
前記表示パネル上で各データラインと有機発光ダイオードとの間に連結されたしきい値電圧検出用トランジスターを水平ライン単位で順次にターンオンさせてプレチャージ電圧を供給して、しきい値電圧が検出できるようにするしきい値電圧検出制御部と;
前記データラインのうちでk個ずつのデータラインをM個のマルチプレクサーの入力チャンネルにそれぞれ連結して、一水平ライン当たりk回ずつデータラインを順次に連結することによって該当水平ライン上に配列された有機発光ダイオードのしきい値電圧をすべて検出して、M個のサンプル/ホールド回路を通じて、その検出されたそれぞれのしきい値電圧をサンプル/ホールドした後にデジタル信号に変換してメモリーに保存する動作を必要な程度に繰り返し遂行するソースドライバー;を含んで構成することを特徴とする。
【0025】
前記のような課題を達成するためのまた他の本発明は、
現在選択された水平ライン上の有機発光ダイオードを、データラインを通じてプレチャージさせた後K個のデータラインずつ入力チャンネルに連結されたM個のサンプル/ホールド用マルチプレクサーにとって一番目チャンネルを通じてM個のしきい値電圧を読み込むようにさせる段階と;
前記M個のサンプル/ホールド用マルチプレクサーに1対1に対応されるように設置されたサンプル/ホールド回路を通じて前記読み込んだM個のしきい値電圧をそれぞれサンプル/ホールドした後A/D変換器を通じてデジタル信号に変換してメモリーに保存する段階と;
前記M個のサンプル/ホールド用マルチプレクサーのスイッチング動作を制御してK番目チャンネルまで順次に通じて前記のようにしきい値電圧を読み込んで、その度に読み込んだしきい値電圧をサンプル/ホールド及びデジタル信号に変換してメモリーに保存する段階と;
前記のような過程を通じて一番目水平ラインに配列された有機発光ダイオードのしきい値電圧値を読み込んでメモリーに保存した後次の水平ラインに配列された有機発光ダイオードに対しても前記の過程を繰り返し遂行して、表示パネルに配列されたすべての有機発光ダイオードのしきい値電圧値をメモリーに保存する段階と;
表示パネルを駆動させて、映像をディスプレイする時前記メモリーに保存された各有機発光ダイオードのしきい値電圧値を根拠としてデータ信号を償って出力する段階;でなされることを特徴とする。
【発明の効果】
【0026】
本発明は、すべてのデータラインに対応されるようにサンプル/ホールド回路を具備して、有機発光ダイオードのしきい値電圧を検出するものではなく、いくつかのマルチプレクサーを通じてk個のデータラインを選択的に連結して、その時ごとに検出されるしきい値電圧を該当サンプル/ホールド回路を通じてサンプル/ホールドするようにすることで、使用されるサンプル/ホールド回路の個数を大幅で減らすことができるようになるし、これによってチップサイズ及び消費電力が減る効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】従来技術による有機発光ダイオード表示装置を概略的に示したブロック図である。
【図2】従来技術による有機発光ダイオード表示装置の駆動回路のブロック図である。
【図3】本発明による有機発光ダイオード表示装置の駆動回路のブロック図である。
【図4】(a)-(h)は、図3の各部に対する波形図である。
【図5】本発明の有機発光ダイオード表示装置の駆動方法に対する制御流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、添付した図面を参照して本発明の望ましい実施例を詳しく説明すれば次のようである。
【0029】
図3は、本発明による有機発光ダイオード表示装置の駆動回路のブロック図として、これに示したところのように、表示パネル10、ゲートドライバー20、ソースドライバー30及びしきい値電圧検出制御部40で構成する。
【0030】
そして、前記ソースドライバー30は本発明によってN個の入力用マルチプレクサー31A〜31N、N個のバッファー32A〜32N、M個のサンプル/ホールド用マルチプレクサー33A〜33M、M個のサンプル/ホールド回路34A〜34M及びA/D変換器35を含んで構成する。
【0031】
映像をディスプレイする時、ゲートドライバー20は表示パネル10のゲートライン(GL1〜GLn)にゲート信号を順次に出力して、これに同期してソースドライバー30は内部の入力用マルチプレクサー31A〜31N)及びバッファー32A〜32Nを通じてデータライン(DL1〜DLn)にデータ信号(Data)を出力する。
【0032】
先ず、一番目ゲートライン(GL1)に供給されるゲート信号によって一番目水平ライン上のスイッチングトランジスター(TFT−S)がターンオンされる。これによって、前記データライン(DL1〜DLn)を通じて供給されるデータ信号(Data)が前記スイッチングトランジスター(TFT−S)を通じて駆動トランジスター(TFT−D)のゲートにそれぞれ供給されて、その駆動トランジスター(TFT−D)がターンオンされる。よって、前記駆動トランジスター(TFT−D)を通じて有機発光ダイオード(OLED)にデータ信号(Data)に相応される駆動電流が供給されて、該当明るさで発光するようになる。
【0033】
前記スイッチングトランジスター(TFT−S)を通じて供給されるデータ信号(Data)は、前記駆動トランジスター(TFT−D)のゲートとソースとの間に連結されたコンデンサー(C)に1フレーム間充電される。これによって、前記駆動トランジスター(TFT−D)が1フレームの間にターンオン状態を維持して、これによって該当有機発光ダイオード(OLED)が1フレームの間に発光状態を維持するようになる。
【0034】
以後、残り水平ラインの有機発光ダイオード(OLED)も前記のような過程を通じて順次に発光されるので、表示パネル10のすべての有機発光ダイオード(OLED)が1フレーム間に発光するようになる。このような動作は秒当たり所定フレームにかけて連続的に遂行される。
【0035】
そして、前記有機発光ダイオード(OLED)は、固有の色相(Red、Green、Blue)のうちで一つの色相を現わす有機発光ダイオードとして単位ピクセル内の他の有機発光ダイオード(OLED)との組み合わせによって目的とした色相を現わすようになる。
【0036】
ところが、前記有機発光ダイオード(OLED)は、時間が経過されることによってだんだん劣化されて、しきい値電圧(Vth)の値が変化される。これによって、有機発光ダイオード(OLED)に同一な駆動電流が供給されても使用時間が長くなるほど明るさレベルがだんだん低くなるようになる。
【0037】
したがって、前記有機発光ダイオード(OLED)のしきい値電圧(Vth)の値が変化されることを検出して、その検出結果によってデータ信号を補償処理していつも一定な明るさで発光するようにするが、本発明によってしきい値電圧を検出する動作を図4を参照して説明すれば次のようである。
【0038】
パワーがオンされて表示パネル10に画像がディスプレイされる以前にまたはスタンバイ状態で、しきい値電圧検出制御部40はゲートライン(または、水平ライン)(GL1〜GLn)に相応されるように配列された、しきい値電圧補償制御ライン(CL1〜CLn)に順次に制御信号を出力して、これによって該当水平ラインのしきい値電圧検出用トランジスター(TFT−V)が順次にターンオンされる。
【0039】
先ず、一番目しきい値電圧補償制御ライン(CL1)に制御信号が供給されて一番目水平ラインのしきい値電圧検出用トランジスター(TFT−V)がターンオンされる。
【0040】
このような状態で、ソースドライバー30では入力用マルチプレクサー31A〜31Nに図4の(a)のような一番目のプレチャージイネーブル信号(EN_P/C)を供給する。これによって、図4の(g)のようなプレチャージ電圧(Pre-Charge)が前記入力用マルチプレクサー31A〜31N、バッファー32A〜32N、データライン(DL1〜DLn)及びしきい値電圧検出用トランジスター(TFT−V)を通じて表示パネル10上の一番目水平ラインに位置した有機発光ダイオード(OLED)に伝達されてプレチャージされる。この時、サンプル/ホールド用マルチプレクサー33A〜33Mに図4の(c)のようなサンプル/ホールド選択信号(SEL_S/H)が供給される。前記プレチャージ電圧は有機発光ダイオード(OLED)の元々のしきい値電圧より高く設定することが望ましい。
【0041】
ところが、前記サンプル/ホールド用マルチプレクサー33A〜33MはN個のデータライン(DL1〜DLn)に対してK個のデータライン当たり一つずつ総M個が設置されている。そして、前記サンプル/ホールド用マルチプレクサー33A〜33Mは、前記サンプル/ホールド選択信号(SEL_S/H)によって入力を順次に選択して出力する。
【0042】
したがって、前記のような状態で前記サンプル/ホールド用マルチプレクサー33A〜33Mは、前記しきい値電圧検出用トランジスター(TFT−V)及びデータラインをそれぞれ通じて入力される有機発光ダイオード(OLED)のしきい値電圧(Vth)のうちから一番目入力端子に入力されるしきい値電圧(Vth)をそれぞれ選択して、サンプル/ホールド回路34A〜34Mに出力するようになる。
【0043】
この時、前記サンプル/ホールド回路34A〜34Mに図4の(b)のようなサンプル/ホールドイネーブル信号(EN_S/H)がそれぞれ供給されて入力されたしきい値電圧をサンプル/ホールドする。そして、前記サンプル/ホールド回路34A〜34Mは図4の(e)のような伝送イネーブル信号(EN_Trans)に同期して、サンプル/ホールドされたしきい値電圧をA/D変換器35に出力する。よって、前記A/D変換器35は前記サンプル/ホールド回路34A〜34M)から入力されるサンプル/ホールドされたしきい値電圧をデジタル信号に変換するようになって、このように変換されたしきい値電圧がメモリーに保存される。
【0044】
以後、前記ソースドライバー30では入力用マルチプレクサー31A〜31Nに二番目のプレチャージイネーブル信号(EN_P/C)を供給する。これによって、前記プレチャージ電圧(Pre-Charge)が表示パネル10上の一番目水平ラインに位置した有機発光ダイオード(OLED)に伝達されて再びプレチャージされる。この時、前記サンプル/ホールド用マルチプレクサー33A〜33Mに前記サンプル/ホールド選択信号(SEL_S/H)が供給される。よって、前記サンプル/ホールド用マルチプレクサー33A〜33Mは二番目入力端子に入力されるしきい値電圧(Vth)をそれぞれ選択してサンプル/ホールド回路34A〜34Mに出力するようになる。このように選択された前記しきい値電圧(Vth)が前記説明でのようにサンプル/ホールド回路34A〜34Mを通じてそれぞれサンプル/ホールドされて、A/D変換器35を通じてデジタル信号に変換された後メモリーに保存される。
【0045】
以後にも前記のような動作が繰り返し遂行されて、サンプル/ホールド用マルチプレクサー33A〜33Mでk番目入力端子に入力されるしきい値電圧(Vth)をそれぞれ選択して、前記のような過程を通じてメモリーに保存することで、1水平ラインの有機発光ダイオード(OLED)に対するしきい値電圧検出動作が完了される。
【0046】
引き続いて、二番目水平ラインから最後の水平ラインの有機発光ダイオード(OLED)に対しても前記のような過程を通じてしきい値電圧(Vth)を検出してメモリーに保存することでしきい値電圧検出動作が完了される。
【0047】
以後、前記表示パネル10の正常動作モードでデータ信号を出力する時、前記ソースドライバー30は前記メモリーに保存された各有機発光ダイオード(OLED)のしきい値電圧の値を参照して、元々のしきい値電圧レベルに比べて変化された程度に補償処理して出力する。これによって、前記有機発光ダイオード(OLED)のしきい値電圧変化にかかわらずいつも一定な明るさで発光するようになる。
【0048】
前記サンプル/ホールド用マルチプレクサー33A〜33Mのしきい値電圧選択動作に対して、表示パネル10のデータライン数が総9個(DL1〜DL9)であり、3個のデータライン当たり1個のサンプル/ホールド用マルチプレクサーが割り当てされて、総3個のサンプル/ホールド用マルチプレクサーが使用された場合、一番目水平ラインの有機発光ダイオード(OLED)のしきい値電圧(Vth)を検出する過程を例にして説明すれば次のようである。
【0049】
一番目のプレチャージイネーブル信号(EN_P/C)が供給された後、第1サンプル/ホールド用マルチプレクサーではデータライン(DL1)を通じて入力されるしきい値電圧(Vth)を、第2サンプル/ホールド用マルチプレクサーではデータライン(DL4)を通じて入力されるしきい値電圧(Vth)を、第3サンプル/ホールド用マルチプレクサーではデータライン(DL7)を通じて入力されるしきい値電圧(Vth)をそれぞれ選択して出力する。
【0050】
二番目のプレチャージイネーブル信号(EN_P/C)が供給された後、第1サンプル/ホールド用マルチプレクサーではデータライン(DL2)を通じて入力されるしきい値電圧(Vth)を、第2サンプル/ホールド用マルチプレクサーではデータライン(DL5)を通じて入力されるしきい値電圧(Vth)を、第3サンプル/ホールド用マルチプレクサーではデータライン(DL8)を通じて入力されるしきい値電圧(Vth)をそれぞれ選択して出力する。
【0051】
三番目のプレチャージイネーブル信号(EN_P/C)が供給された後、第1サンプル/ホールド用マルチプレクサーではデータライン(DL3)を通じて入力されるしきい値電圧(Vth)を、第2サンプル/ホールド用マルチプレクサーではデータライン(DL6)を通じて入力されるしきい値電圧(Vth)を、第3サンプル/ホールド用マルチプレクサーではデータライン(DL9)を通じて入力されるしきい値電圧(Vth)をそれぞれ選択して出力する。
【0052】
仮に、前記有機発光ダイオード表示パネル10を駆動するためにX個のソースドライバーが必要な場合、そのX個のソースドライバーは同時に前記のような過程を通じて有機発光ダイオード(OLED)のしきい値電圧を検出するようになる。そして、前記表示パネル10の水平ライン数がY個である場合、前記X個のソースドライバーがしきい値電圧を検出する動作を、Kを掛けることをY回繰り返し遂行することで、表示パネル10上のすべての有機発光ダイオード(OLED)のしきい値電圧を検出することができるようになる。
【0053】
前記説明では一度検出された有機発光ダイオード(OLED)のしきい値電圧をサンプル/ホールド及びデジタル信号に変換して保存することを例にして説明したが、信頼度向上のためには何回(例:2回以上)にもわたって検出されたしきい値電圧の平均値を求めてサンプル/ホールド及びデジタル信号に変換して保存することが望ましい。
【0054】
一方、図5は、本発明による有機発光ダイオード表示装置の駆動方法に対する流れ図として、これを説明すれば次のようである。
【0055】
先ず、しきい値電圧検出制御部は一番目水平ラインのしきい値電圧検出用トランジスターをターンオンさせる。このような状態で、ソースドライバーはプレチャージ電圧を出力するようになるが、これはデータライン(DL1〜DLn)及び前記しきい値電圧検出用トランジスターを通じて表示パネル上の一番目水平ラインに位置した有機発光ダイオードに伝達されてそれらがプレチャージされる(S1)。
【0056】
前記ソースドライバーはM個のサンプル/ホールド用マルチプレクサーに一番目チャンネルを選択するようにサンプル/ホールド選択信号を出力する(S2)。
【0057】
前記一番目水平ラインに位置した有機発光ダイオードのプレチャージ電圧がしきい値電圧まで放電されることを待つ(S3)。
【0058】
前記一番目水平ラインに位置した有機発光ダイオードのしきい値電圧のうちで前記サンプル/ホールド用マルチプレクサーの一番目チャンネルに連結されたM個のしきい値電圧を読み込んでM個のサンプル/ホールド回路を通じてサンプル/ホールドする(S4)。
【0059】
サンプル/ホールドされたM個のしきい値電圧をA/D変換器を通じてデジタル信号に変換してメモリーに保存する(S5、S6)。
【0060】
k番目サンプリングチャンネルのしきい値電圧まで処理が完了されたか確認してまだ完了されなかったものとして判明されれば、前記M個のサンプル/ホールド用マルチプレクサーを通じて次のチャンネルを選択して、その度に該当チャンネルに連結されたM個のしきい値電圧を前記のようにデジタル信号に変換して、メモリーに保存する動作を繰り返し遂行して、1水平ラインの有機発光ダイオードのしきい電圧値をメモリーに保存する(S7)。
【0061】
前記のような過程を通じて一番目水平ラインに配列された有機発光ダイオードのしきい値電圧を読み込んでメモリーに保存した後次の水平ラインに配列された有機発光ダイオードに対して前記の過程を繰り返し遂行して、表示パネルに配列されたすべての有機発光ダイオードのしきい値電圧がメモリーに保存される(S8、S9)。
【0062】
以後、表示パネルを駆動させて映像をディスプレイするようになるが、この時前記メモリーに保存された各有機発光ダイオードのしきい値電圧が元々のしきい値電圧に比べて変化された程度によってデータ信号を償って出力する(S10、S11)。
【0063】
以上で本発明の望ましい実施例に対して詳しく説明したが、本発明の権利範囲がこれに限定されるものではなく、次の請求範囲で定義する本発明の基本概念を土台でより多様な実施例で具現されることができるし、このような実施例も本発明の権利範囲に属するものである。
【符号の説明】
【0064】
10 表示パネル、
11 画素、
20 ゲートドライバー、
30 ソースドライバー、
31A〜31N 入力用マルチプレクサー、
32A〜32N バッファー、
33A〜33M サンプル/ホールド用マルチプレクサー、
34A〜34M サンプル/ホールド回路、
35 A/D変換器、
40 しきい値電圧検出制御部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のゲートラインとデータラインが交差する領域に有機発光ダイオードを具備して映像を表示する表示パネルと;
前記表示パネル上で各データラインと有機発光ダイオードとの間に連結されたしきい値電圧検出用トランジスターを水平ライン単位で順次にターンオンさせて、プレチャージ電圧を供給して、しきい値電圧を検出するようにするしきい値電圧検出制御部と;
前記データラインのうちでk個ずつのデータラインをM個のマルチプレクサーの入力チャンネルにそれぞれ連結して、一水平ライン当たりk回ずつデータラインを順次に連結することによって該当水平ライン上に配列された有機発光ダイオードのしきい値電圧をすべて検出して、M個のサンプル/ホールド回路を通じて、その検出されたそれぞれのしきい値電圧をサンプル/ホールドした後デジタル信号に変換して、メモリーに保存する動作を必要な程度繰り返し遂行するソースドライバーと;
を含んで構成したことを特徴とする有機発光ダイオード表示装置の駆動回路。
【請求項2】
ソースドライバーは、複数個具備されることを特徴とする請求項1に記載の有機発光ダイオード表示装置の駆動回路。
【請求項3】
複数個のソースドライバーは、同時に有機発光ダイオードのしきい値電圧を検出することを特徴とする請求項2に記載の有機発光ダイオード表示装置の駆動回路。
【請求項4】
ソースドライバーは前記有機発光ダイオードのしきい値電圧を検出して、サンプル/ホールドした後にデジタル信号に変換して、メモリーに保存する動作を1水平ラインに対してk回遂行して、1フレームに対して前記表示パネルの水平ライン数に相応される程度に繰り返し遂行することを特徴とする請求項1に記載の有機発光ダイオード表示装置の駆動回路。
【請求項5】
ソースドライバーは、
データ信号やプレチャージ電圧を選択的に出力するN個の入力用マルチプレクサーと;
前記N個の入力用マルチプレクサーから出力されるデータ信号やプレチャージ電圧をバッファリングして前記データラインに出力するN個のバッファーと;
前記データラインのうちでk個ずつのデータラインが入力チャンネルにそれぞれ連結されて、これらを順次に出力端に連結するM個のサンプル/ホールド用マルチプレクサーと;
前記M個のサンプル/ホールド用マルチプレクサーでそれぞれ出力される該当有機発光ダイオードのしきい値電圧をそれぞれサンプル/ホールドするM個のサンプル/ホールド回路;
を含んで構成されたことを特徴とする請求項1に記載の有機発光ダイオード表示装置の駆動回路。
【請求項6】
前記M個のサンプル/ホールド回路でサンプル/ホールドされる有機発光ダイオードのしきい値電圧をデジタル信号に変換するA/D変換器をさらに具備して構成されたことを特徴とする請求項5に記載の有機発光ダイオード表示装置の駆動回路。
【請求項7】
プレチャージ電圧は、有機発光ダイオードの元々のしきい値電圧より高いことを特徴とする請求項5に記載の有機発光ダイオード表示装置の駆動回路。
【請求項8】
プレチャージ電圧は、すべてのデータラインに同時に出力されることを特徴とする請求項5に記載の有機発光ダイオード表示装置の駆動回路。
【請求項9】
N個の入力用マルチプレクサーは、前記M個のサンプル/ホールド用マルチプレクサーでスイッチング動作がなされる度にプレチャージ電圧を選択して出力することを特徴とする請求項5に記載の有機発光ダイオード表示装置の駆動回路。
【請求項10】
M個のサンプル/ホールド用マルチプレクサーは、サンプル/ホールド選択信号が入力される度にk個の入力チャンネルのうちで一つを順次に選択して出力端に連結することを特徴とする請求項5に記載の有機発光ダイオード表示装置の駆動回路。
【請求項11】
M個のサンプル/ホールド回路は、前記M個のサンプル/ホールド用マルチプレクサーの出力端に1対1に対応されるように設置されたことを特徴とする請求項5に記載の有機発光ダイオード表示装置の駆動回路。
【請求項12】
A/D変換器は、一回のプレチャージ動作がなされる度に前記M個のサンプル/ホールド回路でそれぞれサンプル/ホールドされるM個の有機発光ダイオードのしきい値電圧を順次にデジタル信号に変換することを特徴とする請求項6に記載の有機発光ダイオード表示装置の駆動回路。
【請求項13】
現在選択された水平ライン上の有機発光ダイオードをデータラインを通じてプレチャージさせた後K個のデータラインずつ入力チャンネルに連結されたM個のサンプル/ホールド用マルチプレクサーにとって一番目チャンネルを通じてM個のしきい値電圧を読み込むようにさせる段階と;
前記M個のサンプル/ホールド用マルチプレクサーに1対1に対応されるように設置されたサンプル/ホールド回路を通じて前記読み込んだM個のしきい値電圧をそれぞれサンプル/ホールドした後A/D変換器を通じてデジタル信号に変換してメモリーに保存する段階と;
前記M個のサンプル/ホールド用マルチプレクサーのスイッチング動作を制御してK番目チャンネルまで順次に通じて前記のようにしきい値電圧を読み込んでその度に読み込んだしきい値電圧をサンプル/ホールド及びデジタル信号に変換してメモリーに保存する段階と;
前記のような過程を通じて一番目水平ラインに配列された有機発光ダイオードのしきい値電圧を読み込んでメモリーに保存した後次の水平ラインに配列された有機発光ダイオードに対しても前記の過程を繰り返し遂行して、表示パネルに配列されたすべての有機発光ダイオードのしきい値電圧値をメモリーに保存する段階と;
表示パネルを駆動させて映像をディスプレイする時前記メモリーに保存された各有機発光ダイオードのしきい値電圧値を根拠でデータ信号を償って出力する段階;でなされることを特徴とする有機発光ダイオード表示装置の駆動方法。
【請求項14】
データ信号を償って出力する時に複数回にかけて検出されたしきい値電圧の平均値を根拠でデータ信号を償って出力することを特徴とする請求項13に記載の有機発光ダイオード表示装置の駆動方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−95750(P2011−95750A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−242896(P2010−242896)
【出願日】平成22年10月29日(2010.10.29)
【出願人】(508038091)シリコン・ワークス・カンパニー・リミテッド (46)
【氏名又は名称原語表記】Silicon Works Co., LTD.
【Fターム(参考)】