本人認証装置、本人認証方法および本人認証用プログラム
【課題】契約者にとって違和感無く、被確認の負荷が少なく、成りすましを確実に防止できる本人認証装置、本人認証方法および本人認証用プログラムを提供することにある。
【解決手段】署名の手書き入力を受け付け、その署名の署名情報を取得する。署名の手書き入力が行われている間に、当該手書き入力を行っている人物の顔を撮影して顔画像を取得する。このように取得された署名情報および顔画像を対応付けて記憶装置に登録する。認証時においては、新たに取得された被確認者の署名の署名情報と記憶装置に登録されている署名情報とを照合する。また、その新たな署名の手書き入力が行われている間に新たに取得された顔画像と記憶装置に登録されている顔画像とを照合する。前記各照合の結果が一致と判定された署名情報および顔画像が、記憶装置に互いに対応付けて登録されているものである場合に、被確認者が本人であることを認証する。
【解決手段】署名の手書き入力を受け付け、その署名の署名情報を取得する。署名の手書き入力が行われている間に、当該手書き入力を行っている人物の顔を撮影して顔画像を取得する。このように取得された署名情報および顔画像を対応付けて記憶装置に登録する。認証時においては、新たに取得された被確認者の署名の署名情報と記憶装置に登録されている署名情報とを照合する。また、その新たな署名の手書き入力が行われている間に新たに取得された顔画像と記憶装置に登録されている顔画像とを照合する。前記各照合の結果が一致と判定された署名情報および顔画像が、記憶装置に互いに対応付けて登録されているものである場合に、被確認者が本人であることを認証する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、本人認証装置、本人認証方法および本人認証用プログラムに係り、例えば、顔照合技術と署名照合技術とを用いた本人認証装置、本人認証方法および本人認証用プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
生命保険等の金融商品の契約時において、契約を行う者が本人であることを確認する手段としては、従来から、免許証等の身分証明書の提示により目検を行うことや、捺印が行われている。昨今は、偽造された免許証や印鑑を使い契約をするという事件が増加しており、目検に依存することには問題があった。また、印鑑の持つ認証機能も希薄である。
【0003】
そこで、本人のものであることがより確かであるとされる自署による署名(サイン)が印鑑代わりとして認められつつある。たとえば、予め登録された照合用署名データと入力された署名データを照合して認証を行う署名認証システムが知られている。
【0004】
署名を手書き(自署)する行為は、日常的に行われている行為であり、これを個人認証に適用することは一般に抵抗感なく受け入れられるため、今後の社会がネットワーク化、電子化するに従って、署名認証は様々な場面での利用が期待されている。
【0005】
手書署名認証の技術に関しては、従来から種々の提案されている。筆記時の動き(筆順、筆脈、筆圧、筆速など)を時系列情報として取得してマスタDBに保存し、照合時にはこの時系列データを用いて照合する、オンライン署名照合方式や、紙などに描かれた署名の形状を照合する、オフライン署名照合方式が知られている。
【0006】
例えば、署名入力パターンを本人の登録パターンと比較する際に、署名形状と筆記運動の両相違度にて署名真偽の判定を行うことにより、本人照合率、他人拒否率を改善できるオンライン署名照合方式がある(例えば、特許文献1を参照。)。一般的にオンライン書名照合方式の方が、筆記時の癖などを反映しやすく、署名認証としての精度が高い。
【0007】
また、人物の顔を撮影し、その特徴情報を抽出して個人認証を行う技術も知られている(例えば、特許文献2を参照。)。
【0008】
一方、身分証を電子的に認識する技術としては、例えば免許証を専用スキャナーで読み取り、読み取った免許証の画像から罫線を検出しそれを頼りに免許証の文字を認識する技術が知られている。また、免許証画像から文字を読み取る技術としては、特徴文字(例えば「日」など)を複数検出し、検出した複数の特徴文字の位置と予め設定された免許証の特徴文字「日」の基準位置とに基づいて免許証の画像の拡大率および・または方向を求めて補正し、文字を読み取る「免許証OCR」といわれる技術がある(例えば、特許文献3を参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特公平8−7788号公報
【特許文献2】特開2005−149527号公報
【特許文献3】特開2007−102265号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、証書などの書面として残した署名を照合に用いる場合、署名形状情報のみで照合することになり、本人照合率、他人拒否率が低く実利用に耐え得ない。認証用に登録した署名情報が確実に本人のものであるとする電子的な判定・証拠を有する技術は依然として存在していない為、成りすましを防ぎきれないという課題がある。
【0011】
そこで、本発明は、契約者にとって違和感無く、被確認の負荷が少なく、成りすましを確実に防止できる本人認証装置、本人認証方法および本人認証用プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記目的を達成するために、本発明による本人認証装置は、署名の手書き入力を受け付け、その署名の署名情報を取得する署名情報取得手段と、前記署名情報取得手段により署名の手書き入力が行われている間に、当該手書き入力を行っている人物の顔を撮影して顔画像を取得する顔画像取得手段と、前記取得された署名情報および顔画像を対応付けて記憶装置に登録する登録手段と、前記署名情報取得手段により取得された被確認者の署名の署名情報と前記記憶装置に登録されている署名情報とを照合する署名照合手段と、前記被確認者の署名の手書き入力が行われている間に前記顔画像取得手段により取得された顔画像と前記記憶装置に登録されている顔画像とを照合する顔画像照合手段と、前記各照合の結果が一致と判定された署名情報および顔画像が、前記記憶装置に互いに対応付けて登録されているものである場合に、当該被確認者が本人であることを認証する認証手段と、を備えることを特徴とする。
【0013】
また、本発明による本人認証方法は、署名情報取得装置と顔画像取得装置とを備える本人認証装置に適用される本人認証方法において、前記署名情報取得装置により署名の手書き入力を受け付け、その署名の署名情報を取得する署名情報取得ステップと、前記署名情報取得ステップにおいて署名の手書き入力が行われている間に、当該手書き入力を行っている人物の顔を前記顔画像取得装置により撮影して顔画像を取得する顔画像取得ステップと、前記取得された署名情報および顔画像を対応付けて記憶装置に登録する登録ステップと、前記署名情報取得ステップにより取得された被確認者の署名の署名情報と前記記憶装置に登録されている署名情報とを照合する署名照合ステップと、前記被確認者の署名の手書き入力が行われている間に前記顔画像取得ステップにより取得された顔画像と前記記憶装置に登録されている顔画像とを照合する顔画像照合ステップと、前記各照合の結果が一致と判定された署名情報および顔画像が、前記記憶装置に互いに対応付けて登録されているものである場合に、当該被確認者が本人であることを認証する認証ステップと、を有することを特徴とする。
【0014】
また、本発明による本人認証用プログラムは、署名情報取得装置と顔画像取得装置とを備える本人認証装置として機能させるコンピュータにおいて、前記コンピュータに、
前記署名情報取得装置により署名の手書き入力を受け付け、その署名の署名情報を取得する署名情報取得機能と、前記署名情報取得機能により署名の手書き入力が行われている間に、当該手書き入力を行っている人物の顔を前記顔画像取得装置により撮影して顔画像を取得する顔画像取得機能と、前記取得された署名情報および顔画像を対応付けて記憶装置に登録する登録機能と、前記署名情報取得機能により取得された被確認者の署名の署名情報と前記記憶装置に登録されている署名情報とを照合する署名照合機能と、前記被確認者の署名の手書き入力が行われている間に前記顔画像取得機能により取得された顔画像と前記記憶装置に登録されている顔画像とを照合する顔画像照合機能と、前記各照合の結果が一致と判定された署名情報および顔画像が、前記記憶装置に互いに対応付けて登録されているものである場合に、当該被確認者が本人であることを認証する認証機能と、を実現させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、契約者にとって違和感無く、被確認の負荷が少なく、成りすましを確実に防止できる本人認証装置、本人認証方法および本人認証用プログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施例1に係る本人認証装置の機能ブロック図。
【図2】実施例1に係る本人認証装置によるシステム構成図。
【図3】マスタDBにおけるデータテーブル。
【図4】実施例1に係る本人認証装置の登録時のフローチャート。
【図5】実施例1に係る本人認証装置の登録時の模式図。
【図6】顔画像取得および署名情報取得の同期をあらわす模式図。
【図7】実施例1に係る本人認証装置の認証時のフローチャート。
【図8】顔情報および署名情報の認証をあらわす模式図。
【図9】本発明の実施例2に係る本人認証装置の機能ブロック図。
【図10】実施例2に係る本人認証装置の登録時のフローチャート。
【図11】実施例2に係る本人認証装置の登録時の模式図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施例について、図面を参照して説明する。
【実施例1】
【0018】
図1は本発明の実施例1に係る本人認証装置の機能ブロック図である。本人認証装置101は、署名情報取得手段102、顔画像取得手段103、同期手段104、記憶手段105、署名照合手段106、顔照合手段107および認証手段108を備える。
【0019】
本人認証装置101は、コンピュータにより実現される。署名情報取得手段102は、人による署名の手書き入力を受け付け、その手書き署名を電子データである署名情報として取得するためのものである。顔画像取得手段103は、被写体である人物の顔を撮影し、顔画像を電子データとして取得するためのものである。
【0020】
同期手段104は、署名情報取得手段102により被確認者の署名の手書き入力が行われている間において、顔画像取得手段103に指令を出し、その手書きをしている被確認者の顔を撮影させる、同期処理を実現するためのものである。この同期処理は、署名情報取得手段102からの入力信号に基づいてなされる。その結果、署名の手書き入力をしている間の人物の顔画像が、その署名情報とともに同期して取得される。
【0021】
記憶手段105は、前記したように同期して取得された顔画像および署名情報を互いに対応付けて記憶するためのものである。なお、この顔画像は、後述する顔情報に変換したものとして記憶してもよい。
【0022】
署名照合手段106は、署名情報取得手段102により取得された被確認者の署名の署名情報と、あらかじめ記憶手段105に登録されている署名情報とを照合し、一致か不一致かの結果を得るためのものである。
【0023】
顔照合手段107は、顔画像取得手段103により取得された被確認者の顔情報と、あらかじめ記憶手段105に登録されている顔情報とを照合し、一致か不一致かの結果を得るためのものである。
【0024】
認証手段108は、顔照合手段107および署名照合手段106による照合結果を統合した本人認証を行うためのものである。すなわち、照合された顔情報および署名情報が、記憶手段105において互いに対応付けて登録されていたものであるか否かを判定することにより、その被確認者が本人として認証されるか否かの結果を得る。
【0025】
前記した各手段の各機能ブロックについては、プログラムとして作成することができ、当該プログラムを本人認証装置101の中央処理装置が実行することにより当該機能が発揮される。
【0026】
図2は、実施例1に係る本人認証装置によるシステム構成図である。登録時と認証時について、以下詳細に説明する。
【0027】
(登録時の説明)
登録時とは、例えば保険の新規契約をしようとする申込者である被確認者について、手続上、システムに登録する場面を指している。
【0028】
本人認証装置101は、例えば保険会社の営業職員用の携帯端末として、いわゆるタブレットPCが好適である。
【0029】
まず、被確認者が、本人認証装置101の画面に対面して、署名情報取得手段102(電子タブレット)により署名を手書き入力する。「電子タブレット」とは、例えば、本人認証装置101の液晶画面上に実装され、電子ペン(タッチペン等も含む。以下同じ。)により署名を手書き入力することができる、いわゆる液晶ペンタブレットと呼ばれる装置をいう。
【0030】
この署名の手書き入力が行われている間に、顔画像取得手段103(カメラ)が、その被確認者の顔を、同期手段104によって出された指令により撮影し、顔画像を取得する。このカメラは、本人認証装置101における内臓カメラまたは外付けのカメラとして実現され、署名の手書き入力を行っている間の被確認者の顔が撮影されるような位置に設置されるものとする。さらに、オートフォーカス機能を有しているものが好ましい。
【0031】
顔画像取得手段103は、撮影した顔を電子データである顔画像として取得する。この顔画像は、その特徴を情報化したもの(以下「顔情報」という。)に変換してもよい。
【0032】
そして、署名の手書き入力が終了すると、署名情報も取得される。このように同期して取得された顔情報および署名情報は、同期手段104により被確認者ごとに対応付けられ、例えば本人認証装置101にネットワーク等を介して接続されたサーバのマスタDB201等に、既契約情報として登録される。
【0033】
「マスタDB」とは、本人認証装置101をネットワーク等を介してサーバに接続された端末とする形態においては、サーバのマスタデータベースの記憶装置のことをいう。この形態に限らず、本人認証装置101に内蔵されるメモリやハードディスクユニットなどにより実現してもよい。つまり、本人認証装置101が必ずしもネットワークに端末として接続されていなくてもよく、本人認証装置101単体で完結させてもよい。
【0034】
図3は、マスタDBにおけるデータテーブルである。マスタDB201には、被確認者ごとに、署名情報と顔情報とが互いに対応付けて登録される。被確認者とは、たとえば1番目が「東芝花子」、2番目が「東芝太郎」、というように、N人分の情報が登録される。署名情報の具体例としては、たとえば筆速、筆順、筆圧、筆跡といった信号の時系列データが挙げられる。顔情報の具体例としては、たとえば顔画像を走査して抽出される座標上の顔の特徴点データが挙げられる。
【0035】
なお、図示していないが、被確認者ごとに、当該新規契約に関連する各種の情報も、既契約情報に含むものとしてあわせて登録するとよい。
【0036】
このように同期して取得され登録された顔情報および署名情報は、同一の申込者によるものであることが確実であるといえる。もちろん、保険会社の営業職員の立会いのもと、この登録の一連の動作がなされていれば、さらに好ましい。
【0037】
(認証時の説明)
認証時とは、前記登録がされた後の既契約である状況において、その既契約情報について被確認者がアクセス(例えば、契約内容の変更等の保全手続)をする際に、その被確認者が本人(すなわち、既契約情報における既契約者)であることを認証する場面を指している。
【0038】
図2に沿って、その流れを説明する。まず、認証を受けようとする被確認者が、本人認証装置101の液晶画面に対面して、署名情報取得手段102(電子タブレット)により署名を新たに手書き入力する。
【0039】
この署名の手書き入力が行われている間に、顔画像取得手段103(カメラ)が、同期手段104によって出された指令により、被確認者の顔を撮影し、顔画像を新たに取得する。そして、手書き入力が終了すると、署名情報も取得される。このように同期して取得された顔情報および署名情報は、認証手段108へ渡される。
【0040】
取得された署名情報については、署名照合手段106が、マスタDB201に既契約情報として被確認者ごとに登録されている署名情報と照合する。また、取得された顔情報については、顔照合手段107が、マスタDB201に既契約情報として被確認者ごとに登録されている顔情報と照合する。
【0041】
認証手段108は、この2つの照合がともに一致し、かつ、照合された顔情報および署名情報が、マスタDB201に互いに対応付けて登録されていたものであると判定した場合に、この被確認者が本人であるとする認証結果を得る。このようにして、本人であるとして認証された後は、被確認者は、既契約の情報にアクセスすることが認められ、例えば既契約の変更といった保全の手続きを進めることができるようになる。
【0042】
次に、本発明の実施例1に係る本人認証装置101の動作について説明する。図4は、実施例1に係る本人認証装置の登録時のフローチャートである。本人認証装置101の登録時の動作は、例えば営業職員が本装置を操作するなどして、開始される(S401)。被確認者は、署名情報取得手段102を用いて手書署名の入力を開始する(S402)。
【0043】
その署名の手書き入力が行われている間に、同期手段104から顔画像取得手段103に指令が出され、画面に対面している被確認者の顔の顔画像を顔画像取得手段103によって取得する(S403)。
【0044】
この取得と同期について、それぞれ模式図を用いて説明する。図5は、実施例1に係る本人認証装置の登録時の模式図である。図6は、顔画像取得および署名情報取得の同期をあらわす模式図である。
【0045】
はじめに、本人認証装置101の画面に署名入力画面が表示される(図6の開始(1))。具体的には、「ここに電子ペンでサインを記入ください」などのメッセージが表示される。そして、署名情報取得手段102(電子タブレット)において、被確認者が手書きによる署名入力を開始し、その入力信号を検知すると、署名入力の開始となる(図6の開始(2))。被確認者は、例えば「東芝花子」などといった手書き署名を電子タブレット上に記載する。
【0046】
署名情報取得手段102は、登録者の手書き署名情報として、電子タブレットにより筆速、筆順、筆圧、筆跡などが入力信号として抽出された時系列データを取得する。
【0047】
このとき、図6の開始(2)から終了(2)までの間に、すなわち署名の入力が終了するまでの間に、同期手段104が画像取得手段103(カメラ)に指令を出し、署名入力中の登録者の顔を撮影する。
【0048】
なお、プライバシー尊重の考えから顔画像の保存を否とする場合、顔画像を走査して抽出した座標上の顔の特徴点を、顔情報(認証用顔特徴データ)としてマスタDB201に記憶するものとし、顔画像については自動消去するようにしてもよい。
【0049】
また、署名の手書き入力が行われている間において、顔画像取得手段103は、当該手書き入力を行っている人物の顔の複数の顔画像を取得してもよい。たとえば、同期手段104からの指令により、静止画像として複数回の撮影を行ってもよいし、または、動画(ビデオ)として連続的に撮影(キャプチャー)したものから複数の顔画像を取得するようにしてもよい。このように取得された複数の顔画像から抽出した座標上の顔の特徴点を平均値化したものを顔情報とすることにより、顔照合の精度を向上させることもできる。
【0050】
なお、図示していないが、顔画像取得手段103は、このようにして取得された複数の顔画像のうち、異なる人物のものが含まれていることを検知した場合は、署名の手書き入力が行われている間に人物が入れ替わったものと判定し、顔画像の取得を無効とすることもできる。
【0051】
さらには、図示していないが、このときのタイムスタンプを取得することにより顔画像取得時刻が署名情報取得中時刻であることを保証することもできる。
【0052】
そして、署名入力による入力信号が終了したことが検知される(図6の終了(2))。この検知は、例えば入力信号が一定時間なくなったり、あるいは終了を指示するための本人認証装置101の操作がされることなどによりなされる。署名情報取得手段102は、署名の手書き入力が終了したことを検知すると(図4のS404、図6の終了(2))、署名情報の取得を終了する(図6の終了(1))。
【0053】
このように同期して取得された顔情報および署名情報は、被確認者ごとに対応付けて、マスタDB201に登録される(図4のS405)。そして、登録時の処理を終了する(S406)。
【0054】
図7は、実施例1に係る本人認証装置の認証時のフローチャートである。本人認証装置101の認証時の動作は、例えば営業職員が本人認証装置101を操作するなどして、開始される(S701)。まず、署名情報取得手段102が起動して、署名情報の取得を開始する。被確認者により、本人認証装置101の画面に対面して当該画面上に署名の手書き入力が開始される(S702)。
【0055】
その署名の手書き入力が行われている間に、同期手段104から顔画像取得手段103に指令が出され、画面に対面している被確認者の顔の顔画像が顔画像取得手段103によって取得される(S703)。なお、このときの顔画像取得手段103と署名情報取得手段102との同期については、登録時における同期と同様のものとしてよい。
【0056】
署名情報取得手段102は、署名の手書き入力が終了したことを検知し、署名情報の取得を終了する(S704)。次に、顔照合および署名照合の処理へ進む。
【0057】
図8は、顔情報および署名情報の認証をあらわす模式図である。ここでは、図6に沿って前述したのと同様に、同期手段104によって署名情報取得手段102(電子タブレット)および顔画像取得手段103(カメラ)が同期して、被確認者の顔情報および署名情報を取得する。
【0058】
顔照合手段107は、顔画像取得手段103で取得された被確認者の顔情報の特徴点と、あらかじめマスタDB201に登録されている顔情報の特徴点とを、座標上で照合する(S705)。この顔照合手段107は、既存の顔照合技術(または顔認証技術)を採用して実現される。この照合結果が一致の場合は(S705:YES)、次の処理へ進む。不一致の場合は(S705:NO)、本人認証が失敗したとして、偽者と表示し、処理を終了する。
【0059】
そして、署名照合手段106が、署名情報取得手段102で取得された被確認者の署名情報(筆速、筆順、筆圧、筆跡等)と、あらかじめマスタDB201に登録されている署名情報とを照合する(S706)。この署名照合手段106は、既存の署名照合技術(または署名認証技術)を採用して実現される。この照合結果が一致の場合は(S706:YES)、次の処理へ進む。不一致の場合は(S706:NO)、本人認証が失敗したとして、偽者と表示し、処理を終了する。
【0060】
なお、顔照合の処理(S705)と署名照合の処理(S706)とは、その両者の先後は特に限定されない。並列に処理を行っても構わない。
【0061】
次に、認証手段108が、前記により照合された顔情報および署名情報が、同一人に係るものとして対応付けてマスタDB201に登録されていたか否かを判定する(S707)。同一人に係るものであると判定された場合は(S707:YES)、被確認者が本人として認証されたという結果が得られる。そうでない場合は(S707:NO)、被確認者が本人として認証されなかったとして、偽者と表示し(S708)、認証時の処理を終了する(S709)。
【0062】
本人として認証された場合は、認証時の処理を終了し、後続する手続き(契約情報へのアクセスといった保全手続き等)へ進むことができる(S710)。なお、認証時に取得した手書き署名情報は、被確認者の意思確認情報として保存してもよい。
【0063】
以上説明したように、本発明の実施例1に係る本人認証装置101は、本人が署名を手書している間において、その本人の顔を自然に撮影するので、契約の申込者または既契約者にとって違和感が無く、被確認の負荷が少ない。また、署名をしている間に撮影された本人の顔であるので、確実に本人認証をすることができる。
【0064】
しかも、署名をしている間に複数の顔画像を取得ることにより、署名の最中に被確認者がすり替わるといったことを検知することもできる。このように、代筆等の成りすましを確実に防止できる本人認証が可能になる。
【0065】
この本人認証装置101は、保険会社に限られず、銀行、カード会社、携帯電話会社等のさまざまな契約時に使用することができる。また、この本人認証装置101によれば、印鑑レス、ペーパレスが実現されるので、営業職員の端末としての付加価値を高めることができる。
【実施例2】
【0066】
図9は本発明の実施例2に係る本人認証装置の機能ブロック図である。本人認証装置901は、実施例1の各手段に加えて、身分証画像取得手段902、身分証顔画像取得手段903、身分証読取手段904および身分証偽造確認手段905を備える。
【0067】
身分証画像取得手段902は、たとえば免許証といった身分証の画像を電子データとして取得するためのものである。
【0068】
身分証顔画像取得手段903は、取得された身分証の画像から顔の部分の画像を切り出した身分証顔画像を取得するためのものである。身分証読取手段904は、取得された身分証の画像から、文字・図形・記号といった身分証に記載されている情報を読取るためのものである。この2つの手段は、たとえば免許証OCR(以下単に「OCR」という。)として知られる技術の機能を提供するプログラムにより実現される。
【0069】
身分証偽造確認手段905は、身分証から読取られた情報に基づいて、当該身分証の偽造の有無を判定し、その結果を得るためのものである。顔照合手段906は、顔画像取得手段103により取得された被確認者の顔情報と、あらかじめ記憶手段105に登録されている顔情報、または、身分証顔画像の身分証顔情報とを照合し、一致か不一致かの結果を得るためのものである。
【0070】
前記した各手段の各機能ブロックについては、プログラムとして作成することができ、当該プログラムを本人認証装置の中央処理装置が実行することにより当該機能が発揮される。その他の各手段については、実施例1のものと同様であるので説明を省略する。
【0071】
図10は、実施例2に係る本人認証装置の登録時のフローチャートである。図11は、実施例2に係る本人認証装置の登録時の模式図である。本人認証装置901の登録時の動作は、例えば営業職員が本装置を操作するなどして、開始される(S1101)。
【0072】
身分証画像取得手段902が、たとえば免許証といった身分証の画像を電子データとして取得する(S1102)。具体的には、顔画像取得手段103におけるカメラと同一のカメラにより被写体である免許証を撮影して取得される。または、図示していないが、紙やカード型の身分証の媒体をスキャンするスキャナにより取得してもよい。
【0073】
身分証読取手段904(OCR)が、取得された身分証の画像から、文字・図形・記号といった身分証に記載されている情報を読取る(S1103)。身分証偽造確認手段905が、身分証から読取られた情報に基づいて、当該身分証が偽造されたものか否かの真偽を判定する(S1104)。たとえば免許証から読取られた情報のうち、所定の文字列に基づいてチェックデジットを計算することにより、当該免許証が偽造されたものか否かを判定する。
【0074】
その結果、偽造されたものと判定された場合は(S1104:NO)、画面に偽物である旨を表示して(S1105)、登録時の処理を終了する(S1106)。
【0075】
身分証が偽造されたものではないと判定された場合は(S1104:YES)、身分証顔画像取得手段903が、取得された身分証の画像から顔の部分の画像を切り出した身分証顔画像を取得する(S1107)。この身分証顔画像は、その特徴を情報化したもの(以下「身分証顔情報」という。)に変換してもよい。
【0076】
次に、手書き署名の入力が開始され(S1108)、その入力が行われている間に当該署名を行っている人物の顔を撮影することにより、顔画像と署名情報とを同期して取得し(S1109)、手書き署名の入力を終了する(S1110)。この一連の処理は実施例1の登録時と同様のものである。
【0077】
そして、顔照合手段906が、身分証顔情報の特徴点と、被確認者の署名の手書き入力が行われている間に顔画像取得手段103により取得された顔の顔情報の特徴点とを、座標上で照合する(S1111)。
【0078】
この照合結果が不一致の場合は(S1111:NO)、身分証が被確認者本人のものではないとして、偽者と表示し(S1112)、登録時の処理を終了する(S1113)。
【0079】
この照合結果が一致の場合は(S1111:YES)、実施例1において説明したように同期して取得された顔情報および署名情報が、被確認者ごとに対応付けて、マスタDB201に登録され(S1114)、登録時の処理を終了する(S1115)。この後の認証時の処理は、実施例1のものと同様である。
【0080】
以上説明したように、本発明の実施例2に係る本人認証装置によれば、実施例1のものに加え、登録時において、身分証顔画像と被確認者の署名の手書き入力が行われている間に取得された顔画像とを照合するので、従来、生命保険などの契約時に行われている本人確認と帳票へのサインと同様の自然な流れで、より確実な確認をすることができる。
【符号の説明】
【0081】
101…本人認証装置
102…署名情報取得手段
103…顔画像取得手段
104…同期手段
105…記憶手段
106…署名照合手段
107…顔照合手段
108…認証手段
【技術分野】
【0001】
本発明は、本人認証装置、本人認証方法および本人認証用プログラムに係り、例えば、顔照合技術と署名照合技術とを用いた本人認証装置、本人認証方法および本人認証用プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
生命保険等の金融商品の契約時において、契約を行う者が本人であることを確認する手段としては、従来から、免許証等の身分証明書の提示により目検を行うことや、捺印が行われている。昨今は、偽造された免許証や印鑑を使い契約をするという事件が増加しており、目検に依存することには問題があった。また、印鑑の持つ認証機能も希薄である。
【0003】
そこで、本人のものであることがより確かであるとされる自署による署名(サイン)が印鑑代わりとして認められつつある。たとえば、予め登録された照合用署名データと入力された署名データを照合して認証を行う署名認証システムが知られている。
【0004】
署名を手書き(自署)する行為は、日常的に行われている行為であり、これを個人認証に適用することは一般に抵抗感なく受け入れられるため、今後の社会がネットワーク化、電子化するに従って、署名認証は様々な場面での利用が期待されている。
【0005】
手書署名認証の技術に関しては、従来から種々の提案されている。筆記時の動き(筆順、筆脈、筆圧、筆速など)を時系列情報として取得してマスタDBに保存し、照合時にはこの時系列データを用いて照合する、オンライン署名照合方式や、紙などに描かれた署名の形状を照合する、オフライン署名照合方式が知られている。
【0006】
例えば、署名入力パターンを本人の登録パターンと比較する際に、署名形状と筆記運動の両相違度にて署名真偽の判定を行うことにより、本人照合率、他人拒否率を改善できるオンライン署名照合方式がある(例えば、特許文献1を参照。)。一般的にオンライン書名照合方式の方が、筆記時の癖などを反映しやすく、署名認証としての精度が高い。
【0007】
また、人物の顔を撮影し、その特徴情報を抽出して個人認証を行う技術も知られている(例えば、特許文献2を参照。)。
【0008】
一方、身分証を電子的に認識する技術としては、例えば免許証を専用スキャナーで読み取り、読み取った免許証の画像から罫線を検出しそれを頼りに免許証の文字を認識する技術が知られている。また、免許証画像から文字を読み取る技術としては、特徴文字(例えば「日」など)を複数検出し、検出した複数の特徴文字の位置と予め設定された免許証の特徴文字「日」の基準位置とに基づいて免許証の画像の拡大率および・または方向を求めて補正し、文字を読み取る「免許証OCR」といわれる技術がある(例えば、特許文献3を参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特公平8−7788号公報
【特許文献2】特開2005−149527号公報
【特許文献3】特開2007−102265号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、証書などの書面として残した署名を照合に用いる場合、署名形状情報のみで照合することになり、本人照合率、他人拒否率が低く実利用に耐え得ない。認証用に登録した署名情報が確実に本人のものであるとする電子的な判定・証拠を有する技術は依然として存在していない為、成りすましを防ぎきれないという課題がある。
【0011】
そこで、本発明は、契約者にとって違和感無く、被確認の負荷が少なく、成りすましを確実に防止できる本人認証装置、本人認証方法および本人認証用プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記目的を達成するために、本発明による本人認証装置は、署名の手書き入力を受け付け、その署名の署名情報を取得する署名情報取得手段と、前記署名情報取得手段により署名の手書き入力が行われている間に、当該手書き入力を行っている人物の顔を撮影して顔画像を取得する顔画像取得手段と、前記取得された署名情報および顔画像を対応付けて記憶装置に登録する登録手段と、前記署名情報取得手段により取得された被確認者の署名の署名情報と前記記憶装置に登録されている署名情報とを照合する署名照合手段と、前記被確認者の署名の手書き入力が行われている間に前記顔画像取得手段により取得された顔画像と前記記憶装置に登録されている顔画像とを照合する顔画像照合手段と、前記各照合の結果が一致と判定された署名情報および顔画像が、前記記憶装置に互いに対応付けて登録されているものである場合に、当該被確認者が本人であることを認証する認証手段と、を備えることを特徴とする。
【0013】
また、本発明による本人認証方法は、署名情報取得装置と顔画像取得装置とを備える本人認証装置に適用される本人認証方法において、前記署名情報取得装置により署名の手書き入力を受け付け、その署名の署名情報を取得する署名情報取得ステップと、前記署名情報取得ステップにおいて署名の手書き入力が行われている間に、当該手書き入力を行っている人物の顔を前記顔画像取得装置により撮影して顔画像を取得する顔画像取得ステップと、前記取得された署名情報および顔画像を対応付けて記憶装置に登録する登録ステップと、前記署名情報取得ステップにより取得された被確認者の署名の署名情報と前記記憶装置に登録されている署名情報とを照合する署名照合ステップと、前記被確認者の署名の手書き入力が行われている間に前記顔画像取得ステップにより取得された顔画像と前記記憶装置に登録されている顔画像とを照合する顔画像照合ステップと、前記各照合の結果が一致と判定された署名情報および顔画像が、前記記憶装置に互いに対応付けて登録されているものである場合に、当該被確認者が本人であることを認証する認証ステップと、を有することを特徴とする。
【0014】
また、本発明による本人認証用プログラムは、署名情報取得装置と顔画像取得装置とを備える本人認証装置として機能させるコンピュータにおいて、前記コンピュータに、
前記署名情報取得装置により署名の手書き入力を受け付け、その署名の署名情報を取得する署名情報取得機能と、前記署名情報取得機能により署名の手書き入力が行われている間に、当該手書き入力を行っている人物の顔を前記顔画像取得装置により撮影して顔画像を取得する顔画像取得機能と、前記取得された署名情報および顔画像を対応付けて記憶装置に登録する登録機能と、前記署名情報取得機能により取得された被確認者の署名の署名情報と前記記憶装置に登録されている署名情報とを照合する署名照合機能と、前記被確認者の署名の手書き入力が行われている間に前記顔画像取得機能により取得された顔画像と前記記憶装置に登録されている顔画像とを照合する顔画像照合機能と、前記各照合の結果が一致と判定された署名情報および顔画像が、前記記憶装置に互いに対応付けて登録されているものである場合に、当該被確認者が本人であることを認証する認証機能と、を実現させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、契約者にとって違和感無く、被確認の負荷が少なく、成りすましを確実に防止できる本人認証装置、本人認証方法および本人認証用プログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施例1に係る本人認証装置の機能ブロック図。
【図2】実施例1に係る本人認証装置によるシステム構成図。
【図3】マスタDBにおけるデータテーブル。
【図4】実施例1に係る本人認証装置の登録時のフローチャート。
【図5】実施例1に係る本人認証装置の登録時の模式図。
【図6】顔画像取得および署名情報取得の同期をあらわす模式図。
【図7】実施例1に係る本人認証装置の認証時のフローチャート。
【図8】顔情報および署名情報の認証をあらわす模式図。
【図9】本発明の実施例2に係る本人認証装置の機能ブロック図。
【図10】実施例2に係る本人認証装置の登録時のフローチャート。
【図11】実施例2に係る本人認証装置の登録時の模式図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施例について、図面を参照して説明する。
【実施例1】
【0018】
図1は本発明の実施例1に係る本人認証装置の機能ブロック図である。本人認証装置101は、署名情報取得手段102、顔画像取得手段103、同期手段104、記憶手段105、署名照合手段106、顔照合手段107および認証手段108を備える。
【0019】
本人認証装置101は、コンピュータにより実現される。署名情報取得手段102は、人による署名の手書き入力を受け付け、その手書き署名を電子データである署名情報として取得するためのものである。顔画像取得手段103は、被写体である人物の顔を撮影し、顔画像を電子データとして取得するためのものである。
【0020】
同期手段104は、署名情報取得手段102により被確認者の署名の手書き入力が行われている間において、顔画像取得手段103に指令を出し、その手書きをしている被確認者の顔を撮影させる、同期処理を実現するためのものである。この同期処理は、署名情報取得手段102からの入力信号に基づいてなされる。その結果、署名の手書き入力をしている間の人物の顔画像が、その署名情報とともに同期して取得される。
【0021】
記憶手段105は、前記したように同期して取得された顔画像および署名情報を互いに対応付けて記憶するためのものである。なお、この顔画像は、後述する顔情報に変換したものとして記憶してもよい。
【0022】
署名照合手段106は、署名情報取得手段102により取得された被確認者の署名の署名情報と、あらかじめ記憶手段105に登録されている署名情報とを照合し、一致か不一致かの結果を得るためのものである。
【0023】
顔照合手段107は、顔画像取得手段103により取得された被確認者の顔情報と、あらかじめ記憶手段105に登録されている顔情報とを照合し、一致か不一致かの結果を得るためのものである。
【0024】
認証手段108は、顔照合手段107および署名照合手段106による照合結果を統合した本人認証を行うためのものである。すなわち、照合された顔情報および署名情報が、記憶手段105において互いに対応付けて登録されていたものであるか否かを判定することにより、その被確認者が本人として認証されるか否かの結果を得る。
【0025】
前記した各手段の各機能ブロックについては、プログラムとして作成することができ、当該プログラムを本人認証装置101の中央処理装置が実行することにより当該機能が発揮される。
【0026】
図2は、実施例1に係る本人認証装置によるシステム構成図である。登録時と認証時について、以下詳細に説明する。
【0027】
(登録時の説明)
登録時とは、例えば保険の新規契約をしようとする申込者である被確認者について、手続上、システムに登録する場面を指している。
【0028】
本人認証装置101は、例えば保険会社の営業職員用の携帯端末として、いわゆるタブレットPCが好適である。
【0029】
まず、被確認者が、本人認証装置101の画面に対面して、署名情報取得手段102(電子タブレット)により署名を手書き入力する。「電子タブレット」とは、例えば、本人認証装置101の液晶画面上に実装され、電子ペン(タッチペン等も含む。以下同じ。)により署名を手書き入力することができる、いわゆる液晶ペンタブレットと呼ばれる装置をいう。
【0030】
この署名の手書き入力が行われている間に、顔画像取得手段103(カメラ)が、その被確認者の顔を、同期手段104によって出された指令により撮影し、顔画像を取得する。このカメラは、本人認証装置101における内臓カメラまたは外付けのカメラとして実現され、署名の手書き入力を行っている間の被確認者の顔が撮影されるような位置に設置されるものとする。さらに、オートフォーカス機能を有しているものが好ましい。
【0031】
顔画像取得手段103は、撮影した顔を電子データである顔画像として取得する。この顔画像は、その特徴を情報化したもの(以下「顔情報」という。)に変換してもよい。
【0032】
そして、署名の手書き入力が終了すると、署名情報も取得される。このように同期して取得された顔情報および署名情報は、同期手段104により被確認者ごとに対応付けられ、例えば本人認証装置101にネットワーク等を介して接続されたサーバのマスタDB201等に、既契約情報として登録される。
【0033】
「マスタDB」とは、本人認証装置101をネットワーク等を介してサーバに接続された端末とする形態においては、サーバのマスタデータベースの記憶装置のことをいう。この形態に限らず、本人認証装置101に内蔵されるメモリやハードディスクユニットなどにより実現してもよい。つまり、本人認証装置101が必ずしもネットワークに端末として接続されていなくてもよく、本人認証装置101単体で完結させてもよい。
【0034】
図3は、マスタDBにおけるデータテーブルである。マスタDB201には、被確認者ごとに、署名情報と顔情報とが互いに対応付けて登録される。被確認者とは、たとえば1番目が「東芝花子」、2番目が「東芝太郎」、というように、N人分の情報が登録される。署名情報の具体例としては、たとえば筆速、筆順、筆圧、筆跡といった信号の時系列データが挙げられる。顔情報の具体例としては、たとえば顔画像を走査して抽出される座標上の顔の特徴点データが挙げられる。
【0035】
なお、図示していないが、被確認者ごとに、当該新規契約に関連する各種の情報も、既契約情報に含むものとしてあわせて登録するとよい。
【0036】
このように同期して取得され登録された顔情報および署名情報は、同一の申込者によるものであることが確実であるといえる。もちろん、保険会社の営業職員の立会いのもと、この登録の一連の動作がなされていれば、さらに好ましい。
【0037】
(認証時の説明)
認証時とは、前記登録がされた後の既契約である状況において、その既契約情報について被確認者がアクセス(例えば、契約内容の変更等の保全手続)をする際に、その被確認者が本人(すなわち、既契約情報における既契約者)であることを認証する場面を指している。
【0038】
図2に沿って、その流れを説明する。まず、認証を受けようとする被確認者が、本人認証装置101の液晶画面に対面して、署名情報取得手段102(電子タブレット)により署名を新たに手書き入力する。
【0039】
この署名の手書き入力が行われている間に、顔画像取得手段103(カメラ)が、同期手段104によって出された指令により、被確認者の顔を撮影し、顔画像を新たに取得する。そして、手書き入力が終了すると、署名情報も取得される。このように同期して取得された顔情報および署名情報は、認証手段108へ渡される。
【0040】
取得された署名情報については、署名照合手段106が、マスタDB201に既契約情報として被確認者ごとに登録されている署名情報と照合する。また、取得された顔情報については、顔照合手段107が、マスタDB201に既契約情報として被確認者ごとに登録されている顔情報と照合する。
【0041】
認証手段108は、この2つの照合がともに一致し、かつ、照合された顔情報および署名情報が、マスタDB201に互いに対応付けて登録されていたものであると判定した場合に、この被確認者が本人であるとする認証結果を得る。このようにして、本人であるとして認証された後は、被確認者は、既契約の情報にアクセスすることが認められ、例えば既契約の変更といった保全の手続きを進めることができるようになる。
【0042】
次に、本発明の実施例1に係る本人認証装置101の動作について説明する。図4は、実施例1に係る本人認証装置の登録時のフローチャートである。本人認証装置101の登録時の動作は、例えば営業職員が本装置を操作するなどして、開始される(S401)。被確認者は、署名情報取得手段102を用いて手書署名の入力を開始する(S402)。
【0043】
その署名の手書き入力が行われている間に、同期手段104から顔画像取得手段103に指令が出され、画面に対面している被確認者の顔の顔画像を顔画像取得手段103によって取得する(S403)。
【0044】
この取得と同期について、それぞれ模式図を用いて説明する。図5は、実施例1に係る本人認証装置の登録時の模式図である。図6は、顔画像取得および署名情報取得の同期をあらわす模式図である。
【0045】
はじめに、本人認証装置101の画面に署名入力画面が表示される(図6の開始(1))。具体的には、「ここに電子ペンでサインを記入ください」などのメッセージが表示される。そして、署名情報取得手段102(電子タブレット)において、被確認者が手書きによる署名入力を開始し、その入力信号を検知すると、署名入力の開始となる(図6の開始(2))。被確認者は、例えば「東芝花子」などといった手書き署名を電子タブレット上に記載する。
【0046】
署名情報取得手段102は、登録者の手書き署名情報として、電子タブレットにより筆速、筆順、筆圧、筆跡などが入力信号として抽出された時系列データを取得する。
【0047】
このとき、図6の開始(2)から終了(2)までの間に、すなわち署名の入力が終了するまでの間に、同期手段104が画像取得手段103(カメラ)に指令を出し、署名入力中の登録者の顔を撮影する。
【0048】
なお、プライバシー尊重の考えから顔画像の保存を否とする場合、顔画像を走査して抽出した座標上の顔の特徴点を、顔情報(認証用顔特徴データ)としてマスタDB201に記憶するものとし、顔画像については自動消去するようにしてもよい。
【0049】
また、署名の手書き入力が行われている間において、顔画像取得手段103は、当該手書き入力を行っている人物の顔の複数の顔画像を取得してもよい。たとえば、同期手段104からの指令により、静止画像として複数回の撮影を行ってもよいし、または、動画(ビデオ)として連続的に撮影(キャプチャー)したものから複数の顔画像を取得するようにしてもよい。このように取得された複数の顔画像から抽出した座標上の顔の特徴点を平均値化したものを顔情報とすることにより、顔照合の精度を向上させることもできる。
【0050】
なお、図示していないが、顔画像取得手段103は、このようにして取得された複数の顔画像のうち、異なる人物のものが含まれていることを検知した場合は、署名の手書き入力が行われている間に人物が入れ替わったものと判定し、顔画像の取得を無効とすることもできる。
【0051】
さらには、図示していないが、このときのタイムスタンプを取得することにより顔画像取得時刻が署名情報取得中時刻であることを保証することもできる。
【0052】
そして、署名入力による入力信号が終了したことが検知される(図6の終了(2))。この検知は、例えば入力信号が一定時間なくなったり、あるいは終了を指示するための本人認証装置101の操作がされることなどによりなされる。署名情報取得手段102は、署名の手書き入力が終了したことを検知すると(図4のS404、図6の終了(2))、署名情報の取得を終了する(図6の終了(1))。
【0053】
このように同期して取得された顔情報および署名情報は、被確認者ごとに対応付けて、マスタDB201に登録される(図4のS405)。そして、登録時の処理を終了する(S406)。
【0054】
図7は、実施例1に係る本人認証装置の認証時のフローチャートである。本人認証装置101の認証時の動作は、例えば営業職員が本人認証装置101を操作するなどして、開始される(S701)。まず、署名情報取得手段102が起動して、署名情報の取得を開始する。被確認者により、本人認証装置101の画面に対面して当該画面上に署名の手書き入力が開始される(S702)。
【0055】
その署名の手書き入力が行われている間に、同期手段104から顔画像取得手段103に指令が出され、画面に対面している被確認者の顔の顔画像が顔画像取得手段103によって取得される(S703)。なお、このときの顔画像取得手段103と署名情報取得手段102との同期については、登録時における同期と同様のものとしてよい。
【0056】
署名情報取得手段102は、署名の手書き入力が終了したことを検知し、署名情報の取得を終了する(S704)。次に、顔照合および署名照合の処理へ進む。
【0057】
図8は、顔情報および署名情報の認証をあらわす模式図である。ここでは、図6に沿って前述したのと同様に、同期手段104によって署名情報取得手段102(電子タブレット)および顔画像取得手段103(カメラ)が同期して、被確認者の顔情報および署名情報を取得する。
【0058】
顔照合手段107は、顔画像取得手段103で取得された被確認者の顔情報の特徴点と、あらかじめマスタDB201に登録されている顔情報の特徴点とを、座標上で照合する(S705)。この顔照合手段107は、既存の顔照合技術(または顔認証技術)を採用して実現される。この照合結果が一致の場合は(S705:YES)、次の処理へ進む。不一致の場合は(S705:NO)、本人認証が失敗したとして、偽者と表示し、処理を終了する。
【0059】
そして、署名照合手段106が、署名情報取得手段102で取得された被確認者の署名情報(筆速、筆順、筆圧、筆跡等)と、あらかじめマスタDB201に登録されている署名情報とを照合する(S706)。この署名照合手段106は、既存の署名照合技術(または署名認証技術)を採用して実現される。この照合結果が一致の場合は(S706:YES)、次の処理へ進む。不一致の場合は(S706:NO)、本人認証が失敗したとして、偽者と表示し、処理を終了する。
【0060】
なお、顔照合の処理(S705)と署名照合の処理(S706)とは、その両者の先後は特に限定されない。並列に処理を行っても構わない。
【0061】
次に、認証手段108が、前記により照合された顔情報および署名情報が、同一人に係るものとして対応付けてマスタDB201に登録されていたか否かを判定する(S707)。同一人に係るものであると判定された場合は(S707:YES)、被確認者が本人として認証されたという結果が得られる。そうでない場合は(S707:NO)、被確認者が本人として認証されなかったとして、偽者と表示し(S708)、認証時の処理を終了する(S709)。
【0062】
本人として認証された場合は、認証時の処理を終了し、後続する手続き(契約情報へのアクセスといった保全手続き等)へ進むことができる(S710)。なお、認証時に取得した手書き署名情報は、被確認者の意思確認情報として保存してもよい。
【0063】
以上説明したように、本発明の実施例1に係る本人認証装置101は、本人が署名を手書している間において、その本人の顔を自然に撮影するので、契約の申込者または既契約者にとって違和感が無く、被確認の負荷が少ない。また、署名をしている間に撮影された本人の顔であるので、確実に本人認証をすることができる。
【0064】
しかも、署名をしている間に複数の顔画像を取得ることにより、署名の最中に被確認者がすり替わるといったことを検知することもできる。このように、代筆等の成りすましを確実に防止できる本人認証が可能になる。
【0065】
この本人認証装置101は、保険会社に限られず、銀行、カード会社、携帯電話会社等のさまざまな契約時に使用することができる。また、この本人認証装置101によれば、印鑑レス、ペーパレスが実現されるので、営業職員の端末としての付加価値を高めることができる。
【実施例2】
【0066】
図9は本発明の実施例2に係る本人認証装置の機能ブロック図である。本人認証装置901は、実施例1の各手段に加えて、身分証画像取得手段902、身分証顔画像取得手段903、身分証読取手段904および身分証偽造確認手段905を備える。
【0067】
身分証画像取得手段902は、たとえば免許証といった身分証の画像を電子データとして取得するためのものである。
【0068】
身分証顔画像取得手段903は、取得された身分証の画像から顔の部分の画像を切り出した身分証顔画像を取得するためのものである。身分証読取手段904は、取得された身分証の画像から、文字・図形・記号といった身分証に記載されている情報を読取るためのものである。この2つの手段は、たとえば免許証OCR(以下単に「OCR」という。)として知られる技術の機能を提供するプログラムにより実現される。
【0069】
身分証偽造確認手段905は、身分証から読取られた情報に基づいて、当該身分証の偽造の有無を判定し、その結果を得るためのものである。顔照合手段906は、顔画像取得手段103により取得された被確認者の顔情報と、あらかじめ記憶手段105に登録されている顔情報、または、身分証顔画像の身分証顔情報とを照合し、一致か不一致かの結果を得るためのものである。
【0070】
前記した各手段の各機能ブロックについては、プログラムとして作成することができ、当該プログラムを本人認証装置の中央処理装置が実行することにより当該機能が発揮される。その他の各手段については、実施例1のものと同様であるので説明を省略する。
【0071】
図10は、実施例2に係る本人認証装置の登録時のフローチャートである。図11は、実施例2に係る本人認証装置の登録時の模式図である。本人認証装置901の登録時の動作は、例えば営業職員が本装置を操作するなどして、開始される(S1101)。
【0072】
身分証画像取得手段902が、たとえば免許証といった身分証の画像を電子データとして取得する(S1102)。具体的には、顔画像取得手段103におけるカメラと同一のカメラにより被写体である免許証を撮影して取得される。または、図示していないが、紙やカード型の身分証の媒体をスキャンするスキャナにより取得してもよい。
【0073】
身分証読取手段904(OCR)が、取得された身分証の画像から、文字・図形・記号といった身分証に記載されている情報を読取る(S1103)。身分証偽造確認手段905が、身分証から読取られた情報に基づいて、当該身分証が偽造されたものか否かの真偽を判定する(S1104)。たとえば免許証から読取られた情報のうち、所定の文字列に基づいてチェックデジットを計算することにより、当該免許証が偽造されたものか否かを判定する。
【0074】
その結果、偽造されたものと判定された場合は(S1104:NO)、画面に偽物である旨を表示して(S1105)、登録時の処理を終了する(S1106)。
【0075】
身分証が偽造されたものではないと判定された場合は(S1104:YES)、身分証顔画像取得手段903が、取得された身分証の画像から顔の部分の画像を切り出した身分証顔画像を取得する(S1107)。この身分証顔画像は、その特徴を情報化したもの(以下「身分証顔情報」という。)に変換してもよい。
【0076】
次に、手書き署名の入力が開始され(S1108)、その入力が行われている間に当該署名を行っている人物の顔を撮影することにより、顔画像と署名情報とを同期して取得し(S1109)、手書き署名の入力を終了する(S1110)。この一連の処理は実施例1の登録時と同様のものである。
【0077】
そして、顔照合手段906が、身分証顔情報の特徴点と、被確認者の署名の手書き入力が行われている間に顔画像取得手段103により取得された顔の顔情報の特徴点とを、座標上で照合する(S1111)。
【0078】
この照合結果が不一致の場合は(S1111:NO)、身分証が被確認者本人のものではないとして、偽者と表示し(S1112)、登録時の処理を終了する(S1113)。
【0079】
この照合結果が一致の場合は(S1111:YES)、実施例1において説明したように同期して取得された顔情報および署名情報が、被確認者ごとに対応付けて、マスタDB201に登録され(S1114)、登録時の処理を終了する(S1115)。この後の認証時の処理は、実施例1のものと同様である。
【0080】
以上説明したように、本発明の実施例2に係る本人認証装置によれば、実施例1のものに加え、登録時において、身分証顔画像と被確認者の署名の手書き入力が行われている間に取得された顔画像とを照合するので、従来、生命保険などの契約時に行われている本人確認と帳票へのサインと同様の自然な流れで、より確実な確認をすることができる。
【符号の説明】
【0081】
101…本人認証装置
102…署名情報取得手段
103…顔画像取得手段
104…同期手段
105…記憶手段
106…署名照合手段
107…顔照合手段
108…認証手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
署名の手書き入力を受け付け、その署名の署名情報を取得する署名情報取得手段と、
前記署名情報取得手段により署名の手書き入力が行われている間に、当該手書き入力を行っている人物の顔を撮影して顔画像を取得する顔画像取得手段と、
前記取得された署名情報および顔画像を対応付けて記憶装置に登録する登録手段と、
前記署名情報取得手段により取得された被確認者の署名の署名情報と前記記憶装置に登録されている署名情報とを照合する署名照合手段と、
前記被確認者の署名の手書き入力が行われている間に前記顔画像取得手段により取得された顔画像と前記記憶装置に登録されている顔画像とを照合する顔画像照合手段と、
前記各照合の結果が一致と判定された署名情報および顔画像が、前記記憶装置に互いに対応付けて登録されているものである場合に、当該被確認者が本人であることを認証する認証手段と、
を備えることを特徴とする本人認証装置。
【請求項2】
前記顔画像取得手段は、前記署名情報取得手段において署名の手書き入力が行われている間に、当該手書き入力を行っている人物の顔の複数の顔画像を取得することを特徴とする、
請求項1に記載の本人認証装置。
【請求項3】
前記顔画像取得手段は、前記取得された複数の顔画像の特徴点を平均化した顔画像を取得することを特徴とする、
請求項2に記載の本人認証装置。
【請求項4】
前記顔画像取得手段は、前記取得された複数の顔画像に異なる人物のものが含まれているか否かを判定し、異なる人物のものが含まれていると判定した場合は、顔画像の取得を無効とすることを特徴とする、
請求項2または3に記載の本人認証装置。
【請求項5】
身分証を撮影して身分証画像を取得する身分証画像取得手段と、
前記前記身分証画像から顔の部分の身分証顔画像を取得する身分証顔画像取得手段とを備え、
前記顔照合手段は、前記身分証顔画像と前記被確認者の署名の手書き入力が行われている間に前記顔画像取得手段により取得された顔画像とを照合し、
前記登録手段は、前記照合の結果が一致である場合に、前記取得された署名情報および顔画像を対応付けて前記記憶装置に登録することを特徴とする、
請求項1ないし4に記載の本人認証装置。
【請求項6】
署名情報取得装置と顔画像取得装置とを備える本人認証装置に適用される本人認証方法において、
前記署名情報取得装置により署名の手書き入力を受け付け、その署名の署名情報を取得する署名情報取得ステップと、
前記署名情報取得ステップにおいて署名の手書き入力が行われている間に、当該手書き入力を行っている人物の顔を前記顔画像取得装置により撮影して顔画像を取得する顔画像取得ステップと、
前記取得された署名情報および顔画像を対応付けて記憶装置に登録する登録ステップと、
前記署名情報取得ステップにより取得された被確認者の署名の署名情報と前記記憶装置に登録されている署名情報とを照合する署名照合ステップと、
前記被確認者の署名の手書き入力が行われている間に前記顔画像取得ステップにより取得された顔画像と前記記憶装置に登録されている顔画像とを照合する顔画像照合ステップと、
前記各照合の結果が一致と判定された署名情報および顔画像が、前記記憶装置に互いに対応付けて登録されているものである場合に、当該被確認者が本人であることを認証する認証ステップと、
を有することを特徴とする本人認証方法。
【請求項7】
署名情報取得装置と顔画像取得装置とを備える本人認証装置として機能させるコンピュータにおいて、前記コンピュータに、
前記署名情報取得装置により署名の手書き入力を受け付け、その署名の署名情報を取得する署名情報取得機能と、
前記署名情報取得機能により署名の手書き入力が行われている間に、当該手書き入力を行っている人物の顔を前記顔画像取得装置により撮影して顔画像を取得する顔画像取得機能と、
前記取得された署名情報および顔画像を対応付けて記憶装置に登録する登録機能と、
前記署名情報取得機能により取得された被確認者の署名の署名情報と前記記憶装置に登録されている署名情報とを照合する署名照合機能と、
前記被確認者の署名の手書き入力が行われている間に前記顔画像取得機能により取得された顔画像と前記記憶装置に登録されている顔画像とを照合する顔画像照合機能と、
前記各照合の結果が一致と判定された署名情報および顔画像が、前記記憶装置に互いに対応付けて登録されているものである場合に、当該被確認者が本人であることを認証する認証機能と、
を実現させるための本人認証用プログラム。
【請求項1】
署名の手書き入力を受け付け、その署名の署名情報を取得する署名情報取得手段と、
前記署名情報取得手段により署名の手書き入力が行われている間に、当該手書き入力を行っている人物の顔を撮影して顔画像を取得する顔画像取得手段と、
前記取得された署名情報および顔画像を対応付けて記憶装置に登録する登録手段と、
前記署名情報取得手段により取得された被確認者の署名の署名情報と前記記憶装置に登録されている署名情報とを照合する署名照合手段と、
前記被確認者の署名の手書き入力が行われている間に前記顔画像取得手段により取得された顔画像と前記記憶装置に登録されている顔画像とを照合する顔画像照合手段と、
前記各照合の結果が一致と判定された署名情報および顔画像が、前記記憶装置に互いに対応付けて登録されているものである場合に、当該被確認者が本人であることを認証する認証手段と、
を備えることを特徴とする本人認証装置。
【請求項2】
前記顔画像取得手段は、前記署名情報取得手段において署名の手書き入力が行われている間に、当該手書き入力を行っている人物の顔の複数の顔画像を取得することを特徴とする、
請求項1に記載の本人認証装置。
【請求項3】
前記顔画像取得手段は、前記取得された複数の顔画像の特徴点を平均化した顔画像を取得することを特徴とする、
請求項2に記載の本人認証装置。
【請求項4】
前記顔画像取得手段は、前記取得された複数の顔画像に異なる人物のものが含まれているか否かを判定し、異なる人物のものが含まれていると判定した場合は、顔画像の取得を無効とすることを特徴とする、
請求項2または3に記載の本人認証装置。
【請求項5】
身分証を撮影して身分証画像を取得する身分証画像取得手段と、
前記前記身分証画像から顔の部分の身分証顔画像を取得する身分証顔画像取得手段とを備え、
前記顔照合手段は、前記身分証顔画像と前記被確認者の署名の手書き入力が行われている間に前記顔画像取得手段により取得された顔画像とを照合し、
前記登録手段は、前記照合の結果が一致である場合に、前記取得された署名情報および顔画像を対応付けて前記記憶装置に登録することを特徴とする、
請求項1ないし4に記載の本人認証装置。
【請求項6】
署名情報取得装置と顔画像取得装置とを備える本人認証装置に適用される本人認証方法において、
前記署名情報取得装置により署名の手書き入力を受け付け、その署名の署名情報を取得する署名情報取得ステップと、
前記署名情報取得ステップにおいて署名の手書き入力が行われている間に、当該手書き入力を行っている人物の顔を前記顔画像取得装置により撮影して顔画像を取得する顔画像取得ステップと、
前記取得された署名情報および顔画像を対応付けて記憶装置に登録する登録ステップと、
前記署名情報取得ステップにより取得された被確認者の署名の署名情報と前記記憶装置に登録されている署名情報とを照合する署名照合ステップと、
前記被確認者の署名の手書き入力が行われている間に前記顔画像取得ステップにより取得された顔画像と前記記憶装置に登録されている顔画像とを照合する顔画像照合ステップと、
前記各照合の結果が一致と判定された署名情報および顔画像が、前記記憶装置に互いに対応付けて登録されているものである場合に、当該被確認者が本人であることを認証する認証ステップと、
を有することを特徴とする本人認証方法。
【請求項7】
署名情報取得装置と顔画像取得装置とを備える本人認証装置として機能させるコンピュータにおいて、前記コンピュータに、
前記署名情報取得装置により署名の手書き入力を受け付け、その署名の署名情報を取得する署名情報取得機能と、
前記署名情報取得機能により署名の手書き入力が行われている間に、当該手書き入力を行っている人物の顔を前記顔画像取得装置により撮影して顔画像を取得する顔画像取得機能と、
前記取得された署名情報および顔画像を対応付けて記憶装置に登録する登録機能と、
前記署名情報取得機能により取得された被確認者の署名の署名情報と前記記憶装置に登録されている署名情報とを照合する署名照合機能と、
前記被確認者の署名の手書き入力が行われている間に前記顔画像取得機能により取得された顔画像と前記記憶装置に登録されている顔画像とを照合する顔画像照合機能と、
前記各照合の結果が一致と判定された署名情報および顔画像が、前記記憶装置に互いに対応付けて登録されているものである場合に、当該被確認者が本人であることを認証する認証機能と、
を実現させるための本人認証用プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−182271(P2010−182271A)
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−27778(P2009−27778)
【出願日】平成21年2月9日(2009.2.9)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(301063496)東芝ソリューション株式会社 (1,478)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年2月9日(2009.2.9)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(301063496)東芝ソリューション株式会社 (1,478)
【Fターム(参考)】
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