説明

材料が低減され且つ容積生産性が増長された構造を有するマイクロチャンネルテクノロジー

マイクロチャンネルが、装置組み立てに要する材料量を低減させるよう賦形された、マイクロチャンネル装置の新規な設計形状が提供される。当該設計形状では幾つかのマイクロチャンネルの断面形状が、高応力部分における構造材を比較的多くする一方、比較的低応力を受ける装置部分では単位操作用の広い部分を残すように賦形される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケミカルプロセシング用のマイクロチャンネルに関する。
【背景技術】
【0002】
ケミカルプロセシング用のマイクロチャンネル装置は、従来のケミカルプロセシングテクノロジーに勝る重要な利益を提供し、それら利益には、熱及び物質の移送量改善が含まれる。この利益故にマイクロチャンネルプロセシング及びマイクロチャンネル装置は長年に渡り関心の高いテーマとなって来ている。問題は、マイクロチャンネル装置のコストが未だにマイクロチャンネルプロセシングの使用を阻み続けていることである。超合金等の高価な材料で装置を製造することもある高温用途ではコストは特に重要な因子である。
本発明によれば、従来の相当マイクロチャンネル装置と比較して必要材料の少ないマイクロチャンネル装置でプロセスを実行するマイクロチャンネル装置及び方法が提供される。本発明によれば、容積生産性の高い、即ち、装置容積(チャンネル容積+装置構成材料の容積を含む)当たりの製造量の大きい装置及び方法も提供される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国発行特許出願第20050087767号
【特許文献2】米国特許出願番号第11/400,056号
【特許文献3】米国発行特許出願第20070256736号
【特許文献4】米国発行特許出願第20070017633号
【特許文献5】米国特許第6,200,536号明細書
【特許文献6】米国特許第6,219,973号明細書
【特許文献7】米国特許出願番号第10/695,400号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
隣り合うマイクロチャンネル間の圧力差の大きい用途において特に有益な、使用材料の少ない且つチャンネル容積対装置容積比の高い、より経済的なマイクロチャンネル装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によれば、チャンネルの全幅ではない幅部分における横断圧力が相違する2流体を分離する負荷壁厚を低減させ得る。負荷壁厚が有効に低減されることで、チャンネル壁表面特徴部(features/以下、単に表面特徴部とも称する)の一体化、または圧力降下を低減させるチャンネル開口面積の増大化、あるいはその他利益が得られる。チャンネル壁の表面特徴部には、1つ以上の触媒を保持するもの、非積層流パターンを付与するもの、物質移送を支援するもの、流体流れを混合させるもの、相変化を支援するもの、あるいは熱移行を支援するものが含まれ得る。これらの非平坦な表面特徴部を含む構成は、本発明の使用を通し、チャンネル反復ユニット内のチャンネル壁厚増大を避ける上で重要な利点となる。例えば、これら非平坦な表面特徴部が無いと、2流体チャンネル間の壁+表面特徴部の合計厚さが1.25mmである場合の負荷壁厚は1mm、表面特徴部の厚さは0.25mmとなり得る。本発明では壁の表面特徴部の厚さ(0.25mm)は、当該表面特徴部をサイドチャンネル又はサイドリブから最小9%オフセットさせることで負荷壁内に埋入される。この実施例では、2流体間の全壁厚は1mmに維持される一方、チャネルには深さ0.25mmの表面特徴部による追加機能も含まれる。
【0006】
本発明の1様相によれば、積層型マイクロチャンネル装置であって、複数の第1マイクロチャンネルを含む第1層、複数の第2マイクロチャンネルを含む第2層、を含むマイクロチャンネル装置が提供される。第1層は第2層に隣り合い、複数の第1マイクロチャンネルは複数の第2マイクロチャンネルに隣り合い、且つ平行である。第1マイクロチャンネルの少なくとも1つは第2マイクロチャンネルの1つと整列してマイクロチャンネル対を形成し、マイクロチャンネル対の各マイクロチャンネルは、各マイクロチャンネルの少なくとも一方の側面上で当該マイクロチャンネルの長さ方向と直交する方向で構造材を貫く直線を引ける如く整列するが、これは第1及び第2の各マイクロチャンネルが等幅であることや、各エッジ部の精密な整列を必要付けるものではない。前記直線は高さ方向におけるものであり、かくして当該直線部分が中実の固体構造材からなる縦方向支持梁となることが好ましい。前記高さ方向は各積層物の積層方向である。第1及び第2の各マイクロチャンネルは同一方向に伸延する平行長さを有し、各マイクロチャンネルはその幅方向に沿った各端部位置に1つのマイクロチャンネルエッジ部を有する。前記幅方向とは積層物と平行な平面内におけるものである。各マイクロチャンネル対の第1及び第2の各マイクロチャンネルはマイクロチャンネル壁により分離され、該マイクロチャンネル壁は第2マイクロチャンネルと同一伸延長において画定され、かくして、各マイクロチャンネル対のマイクロチャンネル壁の幅が、第2マイクロチャンネルのそれと同一幅を有するものとして画定される(言い換えるとマイクロチャンネル壁の幅は第2マイクロチャンネル幅と同一であり、各幅部分の幅方向における開始及び終了の各位置は同じである)。マイクロチャンネル壁のセンター部の平均厚(当該センター部全体平均での)はマイクロチャンネル壁の各エッジ部の平均厚未満である。
更には、本発明の装置は以下の特徴、即ち、マイクロチャンネル壁のセンター部が2つの主表面において共に窪み付けされ、マイクロチャンネル壁の幅のセンター部の20%(即ち、マイクロチャンネル壁の幅のセンター部の±10%)における全ポイント位置の厚さがマイクロチャンネル壁のセンター部のその他ポイント位置におけるそれ以上であり、マイクロチャンネル対の各マイクロチャンネルを分離するマイクロチャンネル壁の、当該マイクロチャンネル壁のセンター部がマイクロチャンネル壁のエッジ部より薄い部分では、マイクロチャンネル対の一方又は両方のマイクロチャンネルが、少なくとも2cmの長さに渡る一定断面部(例えば、当該部分に表面特徴部又は毛管性表面特徴部の無い)を有する前記特徴の1つ以上を有する。断面とは、動作中の装置における流れ方向であるところの長さと直交方向において測定したものである。上述した特徴の1つ以上を、第1及び第2の各マイクロチャンネルを異なる圧力で加圧する場合の、マイクロチャンネル壁のセンター部における最大曲げ応力がマイクロチャンネル壁のエッジ部位置の最大曲げ応力の50〜100%の間である特徴と組み合わせることが好ましい。層は、代表的には(必ずしもそうでなくて良いが)、接合型装置におけるシートであり、当該装置が拡散接合型装置である場合は各シート間の境界は恐らく容易には判別できない。
【0007】
他の様相によれば、複数の第1マイクロチャンネルを含む第1層及び複数の第2マイクロチャンネルを含む第2層を含む積層型マイクロチャンネル装置が提供される。第1層は第2層に隣り合う。複数の第1マイクロチャンネルは複数の第2マイクロチャンネルに隣り合い且つ平行である。第1マイクロチャンネルの少なくとも1つが第2マイクロチャンネルと整列してマイクロチャンネル対を形成し、マイクロチャンネル対の各マイクロチャンネルは、各マイクロチャンネルの少なくとも一方の側面上において、当該マイクロチャンネルの長さ方向と直交する方向で構造材を貫く直線を引ける如く整列するが、これは第1及び第2の各マイクロチャンネルが等幅であること及び各エッジ部が精密に整列することを必要付けるものではない。前記直線は高さ方向におけるものであり、かくして当該直線部分が中実の固体構造材からなる縦方向支持梁となることが好ましい。第1及び第2の各マイクロチャンネルは同一方向に伸延する平行長さを有し、各マイクロチャンネルはその幅方向に沿った各端部位置に1つのマイクロチャンネルエッジ部を有する。各第2マイクロチャンネルのマイクロチャンネルエッジ部の全ポイント位置の高さは、当該第2マイクロチャンネルのセンター部(チャンネル幅の中央80%)のポイント位置の高さより少なくとも20%低い。また、各第2マイクロチャンネルの幅方向に沿った高さの第1導関数(幅の関数として表す)は全チャンネル幅の横断方向において非一定であり、つまり前記第1導関数は少なくとも1回変化し、各マイクロチャンネルの幅方向に沿った高さの第2導関数も非一定である。第2マイクロチャンネルは表面特徴部を含まず、毛管性表面特徴部も含まない。第1導関数が変化するため、各第2マイクロチャンネルの断面は円形又は半円形ではない。バリ等の表面不整部はチャンネルの形状測定上は無視される。
【0008】
他の様相によれば、複数の第1マイクロチャンネルを含む第1層及び複数の第2マイクロチャンネルを含む第2層を含む積層型マイクロチャンネル装置が提供される。第1層は第2層に隣り合い、複数の第1マイクロチャンネルは複数の第2マイクロチャンネルに隣り合い、且つ平行である。第1マイクロチャンネルの少なくとも1つが第2マイクロチャンネルと整列してマイクロチャンネル対を形成し、マイクロチャンネル対の各マイクロチャンネルは、各マイクロチャンネルの少なくとも一方の側面上において、当該マイクロチャンネルの長さ方向と直交する方向で構造材を貫く直線を引ける如く整列する。第1及び第2の各マイクロチャンネルは同一方向に伸延する平行長さを有し、各マイクロチャンネルはその幅方向に沿った各端部位置に1つのマイクロチャンネルエッジ部を有する。各第2マイクロチャンネルのマイクロチャンネルエッジ部の全ポイント位置の高さは、当該第2マイクロチャンネルのセンター部(チャンネル幅の中央80%)のポイント位置の高さより少なくとも20%低い。また、各第2マイクロチャンネルの幅方向に沿った高さの第1導関数(幅の関数として表す)は全チャンネル幅の横断方向では非一定であり、つまり前記第1導関数は少なくとも1回変化し、各第2マイクロチャンネルの幅方向に沿った高さの第2導関数も非一定であり、また、各第2マイクロチャンネル(高くなる順に並べた)の高さの確率分布関数(該当チャンネルの高さの相違の発生確率の関数)は非単調的であり且つ、高さ分布関数が、少なくとも3つの異なるモードを含む多モード分布(即ち、チャンネル内に少なくとも3つの特異高さを含む)を有する。
【0009】
前記各様相において、“含む”とは特定の表面特徴部が”含まれ“且つ要求されることを意味するが、追加的な表面特徴部の存在を排除するものではない。例えば、本装置は特定の表面特徴部を有するマイクロチャンネル対を含むが、装置内には特定の表面特徴部を有さないその他形式のマイクロチャンネル、例えば、対ではないまたは特定の表面特徴部を持たない幾つか(全部ではない)のマイクロチャンネル対を含み得る。好ましいある実施例では、必要な表面特徴部を装置内の全マイクロチャンネル対が有する。特に断りのない限り、本明細書で説明する種々の表面特徴部は長さ方向(即ち、作動中の装置における、流れと直交する断面での)に直交する断面において測定される。ある好ましい実施例では各チャンネルの断面積は、その長さの少なくとも50%、ある実施例ではその長さの少なくとも90%に沿って一定であり、また当該一定の断面積はマイクロチャンネルに沿って継続されるのが好ましい。その他表面特徴部の説明の如く、触媒等の非構造材は断面測定上無視される。積層型装置は層の積層体から構成される。各層は高さ、幅及び長さを有し、各幅及び長さは各層の高さの少なくとも5倍(代表的には少なくとも100倍)大きい。代表的には、積層型装置はシートを積み重ね且つ接着して形成する。装置の製造法が未知である場合、装置の、例えば断面を顕微鏡で観察することで当該装置の積層特性を判定できる。
【0010】
“マイクロチャンネルエッジ部”はマイクロチャンネルの幅に関して定義され、“エッジ部”とは、マイクロチャンネルの幅方向での各端部(または、本発明がマイクロチャンネル壁厚により部分的に画定される場合は、当該マイクロチャンネル壁の幅方向での各端部)の9%の長さ部分を言うものとする。センター部は中心から±40%(即ち、幅方向での10〜90%の間の部分)の部分であり、ある実施例では中心から±25%(即ち幅方向の25〜75%の間の部分)として定義され得、特に指定がなければ広義の定義が適用される。マイクロチャンネルと同延のマイクロチャンネル壁は、幅方向での長さ割合に相当するエッジ部及びセンター部を有するものとして定義される。好ましいある実施例では、マイクロチャンネルエッジ部位置のマイクロチャンネルの高さがセンター部のマイクロチャンネル高さ(センター部に渡る平均での)より少なくとも20%(エッジ部に渡る平均での)低い。好ましいある実施例では、マイクロチャンネルエッジ部位置のマイクロチャンネルの高さがセンター部のマイクロチャンネル高さ(センター部に渡る平均での)より少なくとも40%(エッジ部に渡る平均での)低い。
【0011】
本発明のある好ましい実施例では、各第2マイクロチャンネルのマイクロチャンネルエッジ部上の全ポイント位置の高さが、当該第2マイクロチャンネルのチャンネル幅の中央50%(センター部のポイントから±25%の幅)の位置の高さより少なくとも20%低い。
好ましい実施例では、各第1マイクロチャンネルが各第2マイクロチャンネルと整列してマイクロチャンネル対を構成し、当該マイクロチャンネル対の各マイクロチャンネルが水平軸上で同一位置を取り、かくして、マイクロチャンネル対の各エッジ位置の少なくとも一方の側部(側部とは、水平方向における各エッジ部位値の側部のみに対して参照される)の構造材が、支持材料から成る垂直方向ピラーを形成する。これは、第1及び第2の各マイクロチャンネルが等幅であること及び各エッジ部が精密に整列することを必要付けるものではない。
【0012】
ある好ましい実施例では、各第2マイクロチャンネル(高くなる順に並べた)の高さの確率分布関数(該当チャンネルの高さ相違の発生確率の関数)は非単調的であり且つ、高さ分布関数が、少なくとも2つの異なるモードを含む多モード分布(即ち、チャンネル内に少なくとも2つの特異高さを含む)を有する。ある好ましい実施例では、確率分布関数上の任意のある高さモードの寄与率は、該当チャンネル内の全高さモードの95%を超えない。代表的実施例では、各第2マイクロチャンネル(高くなる順に並べた)の高さの確率分布関数(該当チャンネルにおける高さ相違の発生確率の関数)は非単調的であり且つ、高さ分布関数が、少なくとも2つの異なるモードを含む多モード分布(即ち、チャンネル内に少なくとも2つの特異高さを含む)を有する。
【0013】
ある実施例では、第2マイクロチャンネルは表面特徴部を有さず、毛管性表面特徴部も有さない。ある実施例では第2マイクロチャンネルは表面特徴部を有する。
ある好ましい実施例では第2マイクロチャンネルの高さは不連続的に変化するが、これは例えば、幅の異なる整列長穴(第2マイクロチャンネル用の)を有するプレートを積層することで達成され得る。ある好ましい実施例では、各第2マイクロチャンネルの高さは中央部(幅方向での)が、マイクロチャンネルの他の部分より高い。ある実施例では、各第2マイクロチャンネルはそのセンター部位置が各エッジ部位置より高いが、当該センター部位置(幅方向で測定しての)はマイクロチャンネル(例えば、W字型のチャンネル)のその他ポイント位置より低い。好ましいW字型チャンネルは、センター部位置の方がチャンネルエッジ部位置より少なくとも5%以上(ある実施例では少なくとも10%以上)高く、センター部の各側位置の方がチャンネルのセンター部位置より少なくとも10%以上(好ましくは少なくとも25%以上)高い。ある実施例では第1及び第2の各マイクロチャンネル内には触媒又は吸着剤が存在する。ある実施例ではマイクロチャンネルの幅はその高さの少なくとも3倍であり、ある実施例ではマイクロチャンネルの長さは少なくとも5cmである。
【0014】
ある実施例では交互する少なくとも10対が高さ方向に積層され、整列するマイクロチャンネルの各対間の構造材が、各マイクロチャンネルの全高を超えて直線的に伸延する支持梁を構成する。
ある好ましい実施例では、各第2マイクロチャンネルの断面は少なくとも4つの直角部を含み、ある実施例では各コーナー部に少なくとも6〜1つの、また金属厚の薄い部分に2つの各直角部を含む。本発明の他の様相における如く、直角の判定に際しては製造上の欠陥は無視され、かくして若干の偏差は無視される。
【0015】
本発明の他の様相によれば、ここに説明する装置を含むシステムであって、第1流体が第1圧力下に第1マイクロチャンネル内に存在し、第2流体が第2圧力下に第2マイクロチャンネル内に存在し、前記第1及び第2の圧力は相違するシステムが提供される。ある好ましい実施例では前記圧力差は少なくとも0.01MPa、ある実施例では少なくとも1,000,000Pa、ある実施例では0.01MPa〜20MPaであり、またある実施例では装置は前記圧力差が一定、即ち2,500,000Paである特徴を有し得る。ある実施例では第1及び第2の各流体は何れもガスである。
【0016】
本発明の更に他の様相によれば、マイクロチャンネル装置における差圧プロセスの操作方法であって、第1マイクロチャンネル内に第1流体を第1圧力下に流動させ、第2マイクロチャンネル内に第2流体を第2圧力下に流動させることを含み、前記第1及び第2の各圧力が相違する方法が提供される。マイクロチャンネル装置はここに説明する任意の装置であり得る。第1または第2のマイクロチャンネルを通過する際に何れかの流体について単位操作が実施され得る。
【0017】
本発明によれば、シートを積層することにより、ここに説明する任意の装置を形成する段階を含む装置製造法も提供される。本発明には更に、前接着構造(即ち、各シートを、相互に接合するに先立ち接着して積層型装置を形成する)が含まれる。ある好ましい実施例では各マイクロチャンネルは、装置構成上の利益が提供され得ることから、シートを(シートを部分食刻するのではなくむしろ)切断した各セクションから形成する。
本発明には、隣り合う各チャンネル内に差圧を有する装置における単位操作の実施方法が含まれる。これら各方法ではここで説明する任意の装置を用い得る。本発明には、ここで説明する任意の装置に加え、マイクロチャンネル内の1つ以上の流体を含むシステムも含まれる。
本発明の利益には、マイクロチャンネル装置に関する必要材料の減少、装置容積当たりの容積増大、装置容積当たりの熱及びまたは物質移送量の増大、そして容積生産性の向上、が含まれる。
【0018】
用語解説
マニホルディングに関する構造における表面特徴部は2003年10月27日付提出の米国発行特許出願第20050087767号及び2006年4月11日付提出の米国特許出願番号第11/400,056号に定義される如くである。表面特徴部、構造壁、一般的な装置構成は米国発行特許出願第20070256736号及び20070017633号に記載され得る。これら構造の詳細については前記各公報を参照されたい。本明細書で述べる各定義が上記参照公報のそれと矛盾する場合は本明細書の定義が適用される。
“含む”とは、“含まれ”ることを意味し、また何れの用語も、追加のまたは複数のコンポーネントの存在を除外するものではない。例えば、装置が積層体、シート等を含むとは、本発明の装置が多数の積層体、シート等を含むものと理解すべきである。他の実施例では“含む”は“から成る”または“から構成される”と言い換え得る。
【0019】
“隣り合う”とは、各マイクロチャンネルがマイクロチャンネル壁で分離され、第1及び第2の各マイクロチャンネルが負荷支持壁により分離されること、を意味する。マイクロチャンネル対の各マイクロチャンネルは、両側部の整列する同一幅を有し得、あるいは一方の側部のみが整列する異なる幅を有し得、あるいは第1及び第2の各マイクロチャンネルを共に高さ方向に超えて伸延する垂直方向(即ち高さ方向)の支持梁材が設けられる条件下において何れの側部も整列しない同一または異なる幅を有し得る。
材料の曲げ応力Sbは、当業者に既知の式から算出し得る。図1に示す矩形形状では曲げ応力は、「例」の記載セクションで説明及び例証される以下の式、即ち、
b=W/12(6Lx−L2−6x2)(6/t2)=W/2(6Lx−L2−6x2)(1/t2
により算出し得る。複雑な幾何形状の場合は有限要素解析を含むその他計算法が適用され得る。本発明では曲げ応力をマイクロチャンネル壁に沿った各ポイント位置に関して算出する。
【0020】
“毛管性表面特徴部”は、液状物質保持用のマイクロチャンネルに関する表面特徴部である。毛管性表面特徴部はマイクロチャンネル壁内に後退され、またはマイクロチャンネル壁から当該マイクロチャンネル壁に隣り合う流路内に突出する。各毛管性表面特徴部は2mm未満、より好ましくは1mmあるいはそれ未満、尚好ましくは500μmあるいはそれ未満の間隙部を創出する。各毛管性表面特徴部は、当該表面特徴部を配置したマイクロチャンネルの任意のディメンションより小さい、少なくとも1つのディメンションを有する。各毛管性表面特徴部は、長孔タイプまたは孔列あるいは、毛管力で液体を保持するために使用するその他の後退あるいは突出構造に対し任意の角度を有し得る。
【0021】
“連結チャンネル”とは、マニホルドに連結した各チャンネルを言う。代表的には単位操作は連結チャンネル内で実施される。連結チャンネルは入り口断面平面と、出口断面平面とを有する。ある単位操作または単位操作部分はマニホルド内で実施され得るが、好ましい実施例では単位操作の70%(ある実施例では少なくとも95%)が連結チャンネル内で実施される。“連結チャンネルマトリクス”とは、隣り合う、実質的に平行な連結チャンネル群を言う。好ましい実施例では連結チャンネル壁は直線的である。ある好ましい実施例では、各連結チャンネルは長さ方向または幅方向における偏差が実質的に無い状態下に直線的である。多連結チャンネル型システムに関する連結チャンネル圧力降下は、各連結チャンネル圧力降下の算術平均、つまり、各連結チャンネルの圧力降下合計値を連結チャンネル数で除した値である。“連結マイクロチャンネル”は、2mmあるいはそれ未満、より好ましくは0.5〜1.5mm、尚好ましくは0.7〜1.2mmの最小ディメンションと、少なくとも1cmの長さとを有する。
【0022】
各マイクロチャンネルは連続または間隙部を含み得るマイクロチャンネル壁により画定される。フォームまたはフェルトを貫く相互連結通路は連結チャンネルでもマイクロチャンネルでもない(チャンネル内にフォーム等を配置し得るが)。
“ヘッダ”とは、流体を連結チャンネルに送達させるよう配置したマニホルドである。
“高さ”とは、長さ及び幅に直交する方向を言う。積層型装置では高さは積層方向である。長さ及び幅は各層の平面におけるものである。本発明の目的上、マイクロチャンネル高さは構造材が占有しない部分での高さ方向距離を言う。
“積層型装置”とは、装置内を通過して流動するプロセス流れに関する少なくとも1つの単位操作を実施し得る複数の積層体から作製したものを言う。
“長さ”とは、流れ方向でのチャンネルの(またはマニホルドの)軸方向距離を言う。
【0023】
“マニホルド”とは、流れを2つ以上の連結チャンネルに分与する容積部を言う。ヘッダマニホルドの入り口表面またはインレット表面は、ヘッダマニホルドジオメトリが上流側チャンネルジオメトリと著しく相違する表面として定義される。フッタマニホルドの出口表面またはアウトレット表面は、フッタマニホルドチャンネルが下流側チャンネルジオメトリと著しく相違する表面として定義される。矩形チャンネル及び大抵のその他形式のマニホルド幾何形状に対してはこれら表面は平面であるが、マニホルド及び連結チャンネル間の界面位置の半円形状等のある特定ケースでは湾曲面となる。
【0024】
“マイクロチャンネル”とは、10mmあるいはそれ未満(好ましくは2.0mmあるいはそれ未満)で且つ1μm以上(好ましくは10μm以上)、ある実施例では50〜500μmである少なくとも1つの内側ディメンション(触媒を除外した壁間の)を有し、少なくとも1cm、好ましくは少なくとも20cmの長さに渡り当該ディメンション以内に維持されるチャンネルを言う。マイクロチャンネルは、少なくとも1つの出口とは別の少なくとも1つの入り口を有することによっても定義される。マイクロチャンネルはゼオライトまたはメソ多孔質材を貫く単なるチャンネルではない。マイクロチャンネルの長さは当該マイクロチャンネル内における流体流れ方向に一致する。マイクロチャンネルの高さ及び幅は当該マイクロチャンネルの通過流れ方向に実質的に直交する。
【0025】
レイノズルズ数値は流れの流動様式を表わす。レイノルズ数に基づく流動様式は流体速度、流体特性、チャンネル断面形状及びディメンションに依存するが、各マイクロチャンネルに対し代表的には以下の範囲を用いる。
層流:Re<2000〜2200
遷移流:2000〜2200<Re<4000〜5000
乱流:Re>4000〜5000
【0026】
“バルク流路”とは、マイクロチャンネル装置内の開放チャンネルであって、圧力を大きく降下させることなく反応チャンバ内の急速なガス流れを許容するものを言う。バルク流路は断面積が好ましくは5・10-8〜1・10-22、より好ましくは5・10-7〜1・10-42である。
“構造壁”とは、複数層からなり、各層がオーバーラップ孔を有する壁に対して参照される。各層のオーバーラップ孔は少なくとも0.01μm2、好ましくは0.01〜100,000μm2、より好ましくは5〜10,000μm2の開放面積を含み、構造壁については各層は、少なくとも10、より好ましくは少なくとも1000ののそれら孔を有すべきであるが、それら各層間に10未満の非常に大きい孔を有する中介層を含み得る。各孔は、滞留時間を大きく分散させること無く混合を支援すべきである。構造壁はバルク流路の側部側に位置付けられる。構造壁の例はTonkovich他の米国発行特許出願第2007/0256736号及び20060120213号に例示される。
【0027】
“構造材”は、装置構造を支持する材料である。“構造材”はその定義上、表面特徴部(または毛管性表面特徴部)の構成材料を含まず、かくして、表面からの突出部は“構造材”には含めず且つ測定高さにも含めない。1例として、マイクロチャンネルのある断面の開放チャンネル高さ(バルク流路の高さ)が0.5mm、表面特徴部の高さが0.4mmであれば、マイクロチャンネル高さが0.9mmとなる。同様に、本発明の定義目的上、バリその他の表面小不整部(代表的にはマイクロチャンネル高さの2%あるいはそれ未満)は無視される。
【0028】
“表面特徴部”とは、マイクロチャンネル壁から突出または後退してマイクロチャンネル内の流れを改変するものを言う。各表面特徴部は表面積を増大させると共に、分散ではなくむしろ対流を介してマイクロチャンネル壁に向かう対流性流れを創出する。本発明の表面特徴部または毛管性表面特徴部では、後退または突出間の間隙は0.05mm〜10mmの範囲のものである。表面特徴部及び毛管性表面特徴部はTonkovich他の米国発行特許出願第2007/0017633A1に詳細が記載される。代表的には表面特徴部は混合を支援し、マイクロチャンネル壁に向かう流体を増大させる。本発明では表面特徴部または毛管性表面特徴部は、負荷坦持用のマイクロチャンネル壁の厚さ決定上には含めず、従って、後退のケースでは厚さは後退部の底部から測定する。
“単位操作”とは、科学反応、気化、圧縮、化学分離、蒸溜、凝縮、混合、加熱、冷却、を意味する。“単位操作”は、当該単位操作と共にしばしば生じる単なる流体移送を意味しない。ある好ましい実施例では単位操作は単なる混合ではない。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、使用材料が少なく且つチャンネル容積対装置容積比の高い、より経済的な装置が提供される。本発明は、隣り合うマイクロチャンネル間の圧力差が大きい用途において特に有益である。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】図1は、壁で分離した隣り合うチャンネル間の差圧を伴い動作するマイクロチャンネル装置における応力を示す略図である。
【図2】図2は、チャンネル幅に沿った絶対曲げモーメントの変動図である。
【図3−1】図3は、表1としてマイクロチャンネルの種々タイプの断面図及びその形状的特性の例示図である。
【図3−2】図3は、表1としてマイクロチャンネルの種々タイプの断面図及びその形状的特性の例示図である。
【図3−3】図3は、表1としてマイクロチャンネルの種々タイプの断面図及びその形状的特性の例示図である。
【図3−4】図3は、表1としてマイクロチャンネルの種々タイプの断面図及びその形状的特性の例示図である。
【図3−5】図3は、表1としてマイクロチャンネルの種々タイプの断面図及びその形状的特性の例示図である。
【図3−6】図3は、表1としてマイクロチャンネルの種々タイプの断面図及びその形状的特性の例示図である。
【図4】図4は、強度を維持しつつ材料を低減する設計のマイクロチャンネルの断面図の例示図である。
【図5】図5は、垂直及び水平の各支持梁の例示図である。
【図6】図6は、レイノルズ数の関数として示す、表面特徴部パターンに対する熱移行及び圧力降下の増大を示す図である。
【図7】図7は、チャンネルの円滑壁及び表面特徴部付き壁(新規の負荷支持壁設計形状を含む及び含まない)についての、反復単位断面比較図である。
【図8】図8は、金属量低減化概念を伴わない及び伴う、一体型蒸気メタン改質リアクター断面の各略図である。
【図9】図9は、金属量低減化壁に対する影響評価上、“燃焼”チャンネルを模すべく一体型蒸気メタン改質リアクターにインポーズした温度プロファイル図である。
【図10】図10は、曲げ応力計算のために使用した設計形状の例示図である。
【図11−1】図11は、図10の設計形状用の曲げ応力図である。
【図11−2】図11は、図10の設計形状用の曲げ応力図である。
【図11−3】図11は、図10の設計形状用の曲げ応力図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
マイクロチャンネルテクノロジーに関わる熱及び物質の移動係数は、チャンネルディメンションが減少すると増大する。小ディメンションのマイクロチャンネル内の流れは代表的には、乱流様式のヌセルト数と比較して小さいヌセルト数に関わるところの、層流様式(Re<2000)のものとなる。本発明の装置内の流れは代表的には層流であるが、ある実施例のそれは遷移または乱流様式内のものである。他の実施例ではある数の複合流れ様式が、単一の流体チャンネル内の異なる場所であるいは共通装置内の異なる流体内で生じ得る。一般に、マイクロチャンネル内の熱及び物質の移行量は、表面特徴部を用いて層流境界層を受動的に妨害することで増長される。
【0032】
流体処理用装置内で複合型の平行マイクロチャンネルを使用し、これら装置の平行マイクロチャンネルを設計上増大させることで一定率で高容量化させ得る。各平行マイクロチャンネルは多数の平行マイクロチャンネル列を成す状態で配列され得る。マイクロチャンネル装置は多数の流れを処理し得、各処理流れは別個に集配され、前記多数の平行マイクロチャンネル列に分配される。第1流体流れを処理するマイクロチャンネルは第2流体流れを処理する第2マイクロチャンネルセットにインターリーブされ得る。マイクロチャンネル装置(等)当たりの平行マイクロチャンネル列は2列以上であり得る。
【0033】
マイクロチャンネル装置では、別個の流体流れは相違温度及び圧力下に動作し、壁等を横断する差圧を発生し得る。2つ以上のマイクロチャンネルを有する大抵のマイクロチャンネル装置では流体流れは、各流れ間の作動温度及び差圧によりその厚さが定義されるところの負荷支持壁により分離される。図1には代表的なマイクロチャンネル装置が略示される。負荷支持壁上の低応力部分を利用して当該領域に表面特徴部を配置することで、マイクロチャンネル装置の全容積を著しく低減させ得ることが分かった。マイクロチャンネル型熱交換器の設計研究において、本発明を使用すると生産性を変化させることなく熱交換器の全容積が25%減少することが分かった。
【0034】
屈曲は負荷行使方向に直交する応力を生じさせる。固定支持体では引長応力は、負荷を行使したと同一側の被支持エッジ部位置において最大となり、圧縮応力は、負荷を行使したとは反対側の被支持エッジ部位置において最大となる。
チャンネル幅を横断する曲げモーメントは以下の如く算出する。
M=W/12(6Lx−L2−6x2
ここで、Mは曲げモーメント(N−m)、Wは単位長さ当たりの力(N/m)、Lはチャンネルの全幅(m)、xは被支持エッジ部からの距離(m)である。
【0035】
図2に示す如く、一様の圧力負荷に対する負荷支持壁の幅横断方向の応力は一様ではないため、チャンネル幅横断方向に異なるチャンネル高さを使用できる可能性がある。表面特徴部を用いる場合はチャンネルの幅横断方向でのその深さを変更させ得る。表面特徴部の深さを利用してチャンネルを通しての混合及び圧力降下をコントロールできる。
図2に示す如く、矩形断面を有するチャンネル床に行使される負荷に対する曲げモーメントは負荷支持壁の被支持エッジ部位置で最大となり、当該エッジ部から内方にかけてゼロへと減少し、センター部位置では50%である。チャンネル幅横断方向での当該曲げ応力変化によれば、マイクロチャンネル壁の支持材をマイクロチャンネルのエッジ部位置で最大化させ、センター部では合致する負荷条件に従い低下させ得ることが示唆される。エッジ部から全幅方向距離の約10%離れた位置の必要厚はエッジ部位置のそれと比較して僅か50%である。チャンネル幅の10〜90%の間のスパン長におけるチャンネル高さはチャンネルエッジ部位置のそれより高くされ得る。これにより追加されるチャンネルのセンター部の容積を、化学プロセス実施のために入手可能な反応容積を増大させるべく使用し得、更には、表面特徴部(有益にはその深さがエッジ部位値の壁厚の50%あるいはそれ未満である)を配置して熱及び物質遷移を増長させるためにも使用し得る。チャンネルの、エッジ部分ではなくセンター部(一方のチャンネルエッジ部の幅横断方向の9%及び他方のエッジ部の幅横断方向の9%)の操作容積を選択的に増大させることで、装置の全金属体容積比が、熱及び物質遷移を向上させつつ、一定厚の負荷支持壁(エッジ部位値の必要厚が同じ厚さの)を用いる設計のものと比較して著しく低減される。
【0036】
従来より、プロセス/熱交換用チャンネルは単純なリアクター断面を使用して構成されて来ている。これらチャンネル間の厚さは、材料の応力、サイクル寿命考慮事項等の各許容度に基づいて決定する。この新規な金属低減概念を導入することで、各チャンネル間の壁厚が非一様で、流れチャンネルを大型化させるのみならず装置のチャンネル当たりの全金属使用量を低減させ得るマイクロチャンネル装置を設計可能である。
【0037】
金属使用量の少ない断面は数学的には、先ず、マイクロチャンネル高さをチャンネル幅の関数として特徴付けし、次に、所定断面(チャンネル高さが高くなる順に並べた)の種々の高さの確率(発生の)分布関数を分析することで説明され得る。金属減少概念を適用することで、マイクロチャンネル幅に関する高さの第1導関数(傾斜)が一定ではなく、また前記マイクロチャンネル幅に関するマイクロチャンネル高さの第2導関数(曲率)も一定ではない新規のチャンネル断面を創出可能となる。また、金属減少概念の実施により、チャンネル高さ分布の確率分布関数もまた多モード化及び非単調化され得る。確率分布関数の各モードは、断面の所定チャンネル高さの発生確率を表す曲線上の明確な最大値に相当する。多モード関数とは2つ以上の“モード”を意味する。単調関数とは、値が連続的に増大、減少、あるいは一定である関数を意味する。従って、所定断面のチャンネル高さの確率分布関数が非単調的であれば、高くなる順に並べたチャンネル高さの発生確率は連続的には増大、減少しない、あるいは一定ではないはずである。
【0038】
金属減少概念により選択可能となった新規のマイクロチャンネル断面と、代表的なチャンネル断面(金属減少概念を適用しない及び適用した)に対する“金属減少適用”の判定基準とを図3の表1に示す。
本発明はマイクロチャンネル装置における表面特徴部の設計最適化のために使用し得る。“表面特徴部”は、マイクロチャンネル内の流れを改変させるところの、マイクロチャンネル壁の凹凸の各部分である。表面特徴部は深さ、幅と、非円形の表面特徴部の長さとを有する。何れにせよ、表面特徴部はマイクロチャンネル高さの決定上は無視されるが、これは各表面特徴部が壁強度に寄与しないと考えられるためである。かくして、チャンネル高さの測定目的上は表面特徴部は表面上の突出部と見なし得、チャンネル高さ又は壁厚には含めない。表面特徴部は(斜め上方から見て)、円、長円、四角、矩形(代表的には流れに直角を成す)、格子、山形、ジグザグ状その他の、バルク流れチャンネルに突出する各形状を含み得る。各表面特徴部は表面積を増大させると共に、分散ではなくむしろ対流を介してマイクロチャンネル壁に向かう対流性流れを創出する。流れパターンは渦流、回転流、乱流及びその他の規則的、不規則的なあるいはカオス的パターンを有し得るが、流れパターンがカオス的パターンである必要はなく、あるケースでは極めて規則的に見える場合がある。流れパターンの時間変化は安定であるが、二次的な過渡的回転を受ける場合もあり得る。表面特徴部は、表面を通過する正味流れ方向に非平行及び非直交の鈍角を成すことが好ましい。表面特徴部は、流れ方向に直交、即ち90°の角度を成し得るが、ある角度を成すことが好ましい。有効な表面特徴部は、少なくとも1つの軸方向位置のマイクロチャンネルの幅に沿った1つ以上の角度により画定されることが更に好ましい。表面特徴部の2つ以上の側部は物理的に連結又は断続され得る。マイクロチャンネルの幅方向に沿った1つ以上の角度付け部分が、直線的な層流ライン外に流体を優先的に押し出し及び引き込ませる。表面特徴部の好ましい深さは2mm未満であり、より好ましくは1mm未満であり、ある実施例では0.01〜0.5mmである。表面特徴部の好ましい横幅範囲は、マイクロチャンネル幅(ヘリンボン設計に於いて示す如き)をほぼ差し渡すに十分なものであるが、ある実施例(充填型表面特徴部の如く)では60%あるいはそれ未満、ある実施例では40%あるいはそれ未満、ある実施例ではマイクロチャンネル幅の約10%〜約50%である。好ましい実施例では、表面特徴部の少なくとも1つの角度が、マイクロチャンネル幅に関して10°、好ましくは30°あるいはそれ以上の角度を成すよう配向される(90°は長さ方向と平行であり、0°は幅方向に平行である)。横方向幅はマイクロチャンネル幅と同一方向で測定する。表面特徴部の横方向幅は好ましくは0.05mm〜100cm、ある実施例では0.5mm〜5cm、ある実施例では1〜2cmである。ある好ましい実施例では表面特徴部は直列する少なくとも3つの同一の表面特徴部を含む。表面特徴部の幾つかの例はTonkovich他の米国発行特許出願第2007/0017633に詳しく記載される。
【0039】
表面特徴部の深さを使用してチャンネルを通しての混合及び圧力降下をコントロールできる。高流速流れ混合用にはより深い表面特徴部が必要となる。また、新規の負荷支持壁設計により、単一マイクロチャンネルで多数の表面特徴部を使用可能である。
負荷支持壁に埋設した表面特徴部の深さ範囲は、浅い(5〜50ミクロン)、中間(50〜250ミクロン)、あるいは深い(250ミクロン以上)のものであり得る。表面特徴部は単一深さを有し得、あるいはマイクロチャンネルの幅及びまたは長さ方向に沿って可変深さ(多数の明瞭な深さ又は徐々に変化する深さ)を有し得る。表面特徴部は、チャンネルコーナー部からオフセットさせる場合は、機械的強度又は一体性を損なうことなく負荷支持壁内に創出させ得る。50ミクロンまでの浅い表面特徴部の場合、チャンネル幅部分の側部から3%あるいはそれ以上オフセットさせると、壁厚0.5mmあるいはそれ以上の部分に任意の浅い表面特徴部を含ませ得る。同じ浅型の表面特徴部において、10%オフセットさせると0.25mmあるいはそれ以上の壁厚部分に任意の浅型の表面特徴部を含ませ得る。中間範囲の表面特徴部(平均深さが250ミクロンまでの)は、シムのセンター部内に、あるいは各コーナー部から凡そ10%オフセットさせた場合は最小厚0.5mmの壁内に収受され得る。
【0040】
ある実施例では表面特徴部の深さがチャンネルの幅方向に沿って変化し、シムのコーナー部からの全オフセット量が減少され得る。前記深さの減少変化は図2に示す如き最大厚の絶対%値に関して常にそれ未満又は等値とすべきである。例えば、コーナー部位置で最大厚の50%の金属厚が必要なのは、チャンネルのエッジ部から凡そ9%離れるスパン長部分または幅部分である。
流れは各表面特徴部の内外を移動し、あるいは単に通過し、かくして分子が表面特徴部の窪みの内部あるいはその周囲に実質的に拡散される。流れは主チャンネル内で表面特徴部をその長手方向に貫いて、しかし平均流量に関して減少された流量下に移動し得る。表面特徴部は、触媒維持、マイクロチャンネル内における妨害流れの誘発、流れパターンの、層流から、レイノルズ数が従来からの2200未満(ある実施例では2000あるいはそれ未満)の遷移流への変更、吸収剤、蒸留構造、吸収構造、または相リジェクションまたは相コレクション構造、相変化構造、又はそれらの組み合わせ等の物質遷移剤の創出、のために用い得る。表面特徴部は、沸騰又は燃焼の開始又は安定化の支援に使用し得る。表面特徴部は、固体粒子又は生物学的薬剤の収集に使用し得る。
【0041】
図4には相違するチャンネル内圧力下に、強度低下を招くことなく追加的なマイクロチャンネル容積を提供する設計の、3例のマイクロチャンネルの平行セットが示される。斜線部42は構造材料を示す。エッジ部44、46は両マイクロチャンネル50、52の高さを横断する支持梁48が存在するように整列される。各マイクロチャンネルはその幅の端部10%の位置にエッジ部54、56を有する。マイクロチャンネルの幅部分58、60の中央の80%部分は“中央”セクションあるいはマイクロチャンネルの中間部と称する。“センター部”とはマイクロチャンネルの幾何学的中心軸62、64を指すものとする。マイクロチャンネルの高さ66、68も示される。エッジ部セクションの高さは、マイクロチャンネルの中間部の少なくとも1つのポイント位置の高さ68の少なくとも20%(好ましくは少なくとも30%)未満である。好ましい実施例ではマイクロチャンネルのセンター部62の高さは、マイクロチャンネルの中間部の少なくとも1つのポイント位置の高さ68の少なくとも5%(好ましくは少なくとも10%)未満である。
【0042】
好ましい実施例ではマイクロチャンネル内に表面特徴部70が設けられる。1つ以上の表面特徴部70、72が存在し得る。各表面特徴部さはエッジ部位置のマイクロチャンネル中間部位置の高さの方が高いことが好ましい。ある好ましい実施例の表面特徴部は、マイクロチャンネル中間部位置の高さの方がセンター部位置のそれより高い。図にはW字型のマイクロチャンネル74も例示される。
図5にはマイクロチャンネル装置の一部の断面が例示され、本発明のマイクロチャンネル82、84(チャンネルA)、86(チャンネルB)が図の左側に示されている。マイクロチャンネル対はマイクロチャンネル82及び84または84及び86の何れかの対で例示され得る。当該設計では垂直の支持梁(垂直線83で示す)と、水平な支持梁(水平線85で示す)とが含まれる。ある好ましい実施例では垂直及びまたは水平の各支持梁は装置全体を横断する。
【0043】
マイクロチャンネル装置・・・・一般的考慮事項:
本発明の装置は以下に説明する任意の表面特徴部を有し得る。マイクロチャンネルリアクターは、1cmあるいはそれ未満、好ましくは2mmあるいはそれ未満(ある実施例では約1.0mmあるいはそれ未満)であり且つ1μm以上、及びある実施例では50〜500μmであるところの少なくとも1つのディメンション(壁から壁までの、触媒を含めない)を有する少なくとも1つの反応チャンネルを有することで特徴付けられる。触媒反応チャンネルは、異種または同種であり得る触媒を含有するチャンネルを言う。同種触媒は反応物質と並流し得る。マイクロチャンネル装置は、触媒を保持する反応チャンネルが不要である点を除き、同様に特徴付けられる。マイクロチャンネルの間隙(または高さ)は約2mmあるいはそれ未満であることが好ましく、1mmあるいはそれ未満であることがより好ましい。反応チャンネルの長さは代表的にはもっと長く、好ましくは1cm以上、ある実施例では50cm以上、好ましい実施例では20cm以上、ある実施例では1〜100cmの範囲内のものである。マイクロチャンネルの各側部は反応チャンネル壁により画定される。各反応チャンネル壁はセラミック、鉄ベースの合金、例えばスチール、あるいはニッケル、炭素または鉄ベースの、モネル等のスーパアロイ等の硬質材料製であることが好ましい。反応チャンネル壁はプラスチック、ガラスあるいはその他の、銅、アルミニュームその他等の金属製としても良い。反応チャンネル壁は2つ以上の材料を熱接触させた複合材料製ともし得る。反応チャンネル壁用の材料は、リアクターの意図する反応に依存して選択され得る。ある実施例では反応チャンネル壁は、丈夫でしかも熱伝達性に優れるステンレススチールまたはインコネル(商標名)を含む。合金材は低硫黄性であり得、ある実施例では、当該合金材上にアルミニドコーティング等でコーティングを形成するに先立ち、脱硫処理を受ける。反応チャンネル壁は代表的には、マイクロチャンネル装置に対する一次構造支持を提供する材料から形成される。マイクロチャンネル装置は既知の方法により作製し得、ある実施例では、積層状にインターリーブしたプレート(“シム”としても知られる)により作製され、反応チャンネル用に設計したシムを熱交換用に設計したシムとインターリーブさせることが好ましい。あるマイクロチャンネル装置では、その内部に少なくとも10層が積層され、各層は少なくとも10のチャンネルを含み、あるマイクロチャンネル装置はチャンネル数がもっと少ないその他の層を含み得る。
【0044】
マイクロチャンネル装置(マイクロチャンネルリアクター等の)はマイクロチャンネル(複数のマイクロチャンネル反応チャンネル等の)と、隣り合う複数の熱交換マイクロチャンネルとを含むことが好ましい。複数のマイクロチャンネルは、例えば、2、10、100、1000あるいはそれ以上の、並列作動可能なチャンネルを含み得る。好ましい実施例において、各マイクロチャンネルは、例えば少なくとも3列の平坦なマイクロチャンネル列として構成される。ある好ましい実施例では多数のマイクロチャンネルの各入り口が共通ヘッダに連結され及びまたは多数のマイクロチャンネルの各出口が共通フッタに連結される。作動中、熱交換マイクロチャンネル(もしあれば)は流動する加熱及びまたは冷却用流体を収納する。本発明で使用し得る、当該形式の非限定例の既知のリアクターには、米国特許第6,200,536及び6,219,973の各号に例示されるマイクロコンポーネントシートアーキテクチャ用例(例えば、マイクロチャンネルを含む積層体)がある。本発明の目的上、当該形式のリアクターアーキテクチャ使用による性能上の利益には、熱及び物質の移行量が比較的高いこと及び、爆発限界が実質的に無いことが含まれる。圧力降下量が小さくなるためスループットが高くなる。異種触媒をチャンネル内に固定可能なため分離の必要性が排除される。触媒は粒状固体、壁コーティング、エンジニアードストラクチャ、及びそれら構造の組み合わせ構成を有し得る。ある実施例では反応マイクロチャンネル(または複数のマイクロチャンネル)はバルク流路を格納する。“バルク流路”とは、反応チャンバ内の開放通路(連続バルク流れ領域)を意味するものとする。連続バルク流れ領域により、流体は圧力を大きく降下させること無く反応チャンバ内を急速に流動し得る。各反応チャンネル内のバルク流れ領域面積は5×10-8〜1×10-22であることが好ましく、5×10-7〜1×10-42であることがより好ましい。バルク流れ領域は、1)マイクロチャンネルの内容積の、または2)マイクロチャンネルの断面の、好ましくは少なくとも5%、より好ましくは少なくとも50%、またある実施例では30〜99%である。
【0045】
多くの好ましい実施例において、マイクロチャンネル装置は多数のマイクロチャンネル、好ましくは少なくとも5、より好ましくは少なくとも10の、装置に一体化した共通マニホルド(後付け管ではない)に連結した平行チャンネル群を収納し、前記共通マニホルドが、当該マニホルドに連結した各チャンネル通過流れをイコライズする傾向を有する単数あるいは複数の表面特徴部を含む。当該マニホルドの例は、2003年10月27日付で提出された米国特許出願番号第10/695,400号に記載される。ここで、“平行”とは直線的であることを必ずしも意味せず、むしろ各チャンネルが相互に一致することを意味するものとする。ある好ましい実施例では、マイクロチャンネル装置は少なくとも3つの平行なマイクロチャンネル群を含み、各群におけるマイクロチャンネルは共通マニホルドに連結され(例えば、マイクロチャンネルの4つの群が4つのマニホルドに)、好ましくは各共通マニホルドが、マニホルドに連結した各マイクロチャンネルの通過流れをイコライズする傾向を有する単数あるいは複数の表面特徴部を含む。
熱交換流体が、プロセスチャンネル(反応マイクロチャンネル等の)に隣り合う熱移行マイクロチャンネルを通して流動し得、前記熱交換流体はガスまたは液体であり得、また蒸気、オイル、あるいは任意の既知の熱交換流体を含み得、本システムは熱交換機内に相変化を有するよう最適化され得る。ある好ましい実施例では多数の熱交換層が多数の反応マイクロチャンネルにインターリーブされ、少なくとも10の反応マイクロチャンネルとインターリーブされ、また好ましくは、10層の熱交換マイクロチャンネル列が少なくとも10層の反応マイクロチャンネルにインターリーブされる。他の好ましい実施例では、反応マイクロチャンネルまたはその層に対する熱交換マイクロチャンネルまたはその層の比は、範囲0.1〜1において、また1〜10の範囲において変動し得る。各層は単純直線的なマイクロチャンネルを収納し得、あるいは1つの層内の各マイクロチャンネルがより複雑なジオメトリを有し得る。好ましい実施例では単数あるいは複数の熱交換マイクロチャンネルの1つ以上の内壁が表面特徴部を有する。
【0046】
マイクロチャンネル装置を商業スケールで製造する一般的方法論は、エッチング、スタンピング等の異なる方法でシムにマイクロチャンネルを形成するというものである。それら技術は視界に既知のものである。例えば、シムは相互に積層され、化学的接着、溶接等の異なる方法で連結され得る。連結後、装置は加工を要するまたは要しない。装置の表面特徴部は単数または複数のシートを貫いてスタンピングまたはカッティングすることで作製し得、あるいは別様にはまたは追加的には、シートを部分エッチングあるいは材料除去してこれら装置の表面特徴部を作製し得、カッティング及びエッチングを組み合わせて使用しても良い。部分エッチング適用例では、各流れチャンネル間に介在する壁と、温度差による差圧から各壁を支持し且つ高アスペクト比のマイクロチャンネル(幅対間隙比>2)を好ましく創出するリブとを残して、チャンネルの深さ部分をシートから除去する。
【0047】
ある実施例では本発明の装置(または方法)は触媒材料を含む。触媒はバルク流路の少なくとも1つの壁の少なくとも一部を画定し得る。ある好ましい実施例では触媒の表面が、流体流れがそこを貫くところのバルク流路の少なくとも1つの壁を画定する。異種触媒プロセスの間、反応物質成分がマイクロチャンネルを通して流れ、触媒と接触し得る。
ある実施例では各連結マイクロチャンネルの幅はその長さ方向に沿って実質的に一定であり、連結マイクロチャンネルセットの各マイクロチャンネルが実質的に一定幅を有し、ここで”実質的に一定”とは、流れが幅部分の変化によっては本来影響されないことを意味するものとする。これらの例ではマイクロチャンネルの幅は実質的に一定に維持される。“一定”とは、各製造ステップの許容差範囲内のものとして定義される。
【0048】
マイクロチャンネル(表面特徴部付きのまたは無しの)は触媒または溶剤等のその他材料でコーティングし得る。触媒は、ゾルあるいはコロイド懸濁液からのウォッシュコーティング等の、視界に既知の技法を用いてマイクロチャンネルの内側に被着され得る。CVDまたは無電解メッキ等の技法を使用しても良い。ある実施例では水性塩注入法が好ましい。当該注入後、視界に既知の如く熱処理及び活性化ステップを実施する。その他コーティングには、触媒プレカーサ及びまたは触媒サポートを含むゾルまたはスラリベースの溶液も含まれる。コーティングには、無電解メッキあるいはその他の表面流体反応等の、壁への反応性被着法も含まれ得る。
【0049】
本発明には、ここで説明する装置における化学反応及びその他の単位操作の実施方法が含まれる。本発明には、記載した構造を有するあらかじめ接合した及びまたはここで説明する方法により形成したアセンブリ及び積層した装置も含まれる。積層型装置は光学的及び電子顕微鏡的あるいはその他既知の技法により非積層的デバイスとは区別され得る。本発明には、ここで説明する装置内の化学処理(化学反応等の)の実施方法も含まれる。ある実施例では当該方法には、マニホルドを通して流体を流動させ、連結マイクロチャンネル内で単位操作を実施する各ステップが含まれる(仮にマニホルドがヘッダであれば流体は連結マイクロチャンネルに入る前に当該マニホルドを通過し、マニホルドがフッタであれば流体は連結マイクロチャンネル通過後に当該マニホルドに流入する)。ある好ましい実施例では本発明は非反応性の単位操作を含み、当該単位操作には、熱交換、混合、化学的分離、あるいはマイクロチャンネル内の固体形成プロセス、沈殿及び蒸発等の相変化単位操作、を含み、それらプロセスは一般に化学的プロセスと称され、広義には(この用途での)熱交換を含むが、好ましい実施例では熱交換のみならず、熱交換及びまたは混合以外の単位操作が含まれる。
【0050】
本発明には、本発明の任意の装置または方法の1つ以上の単位操作の実施方法も含まれる。単位操作を実施するための動作条件はルーチン的実験を介して確認可能である。本発明の反応には、アセチル化、追加反応、アルキル化、脱アルキル化、水添脱アルキル化、還元的アルキル化、アミノ化、アンモ酸化、芳香族化、アリル化、オートサーマル改質、カルボニル化、脱カルボニル化、還元的カルボニル化、カルボキシル化、還元的カルボキシル化、還元カップリング、濃縮、熱分解、水素化分解、環化、環状オリゴマ化、脱ハロゲン化、脱水素、オキシ脱水素、二量化、エポキシ化、エステル化、交換、フィッシャートロプシ法、ハロゲン化、ハロゲン化水素添加、ホモロゲーション、水和化、脱水、水素添加、脱水素、ヒドロカルボキシル化、ヒドロホルミル化反応、水素化分解、ヒドロメタル化、ヒドロシリル化、加水分解、水素化処理(水素化脱硫HDS/HDNを含む)、異性化、メチル化、脱メチル反応、複分解、ニトロ化、酸化、部分酸化、重合、還元、改質、逆水性ガスシフト反応、サバティエ反応、スルホン化、テロマー化、エステル交換、三量体形成、水性ガスシフト反応、が含まれる。上述した各反応に対する触媒及び条件は当業者には既知のものであり、本発明にはこれら触媒を用いる装置及び方法が含まれる。例えば、本発明にはアミノ化触媒を介するアミノ化法と、アミノ化触媒を格納する装置とが含まれる。かくして、本発明は上述した各反応に関し、個別に(例えば、水素分解)または群において(例えば、ハロゲン化水素添加、ヒドロメタル化及びヒドロシリル化の各触媒を伴うハロゲン化水素添加、ヒドロメタル化及びヒドロシリル化)説明され得る。本発明の装置及び触媒を用いる各反応に関する好適なプロセス条件は、従来技術及びまたはルーチン実験の知見を介して認識され得る。本発明には、蒸気各反応の任意の1つまたは組み合わせが含まれる。1例を挙げれば、本発明は上述した設計上の各特徴部を1つ以上有する蒸気メタン改質反応用に設計したリアクターを提供する。
あるマイクロチャンネルまたは連結するマイクロチャンネルセットを通しての圧力降下は好ましくは5000psi(350bal)、より好ましくは500psi(35bal)未満であり、ある実施例では0.1〜200psi(0.007〜14bal)である。
【0051】
例1:熱交換機設計用の新規な応力坦持壁の用途
図6には、円滑壁に比較しての、表面特徴部及び圧力降下による熱移行係数の向上が要約される。当該データは米国特許出願番号2007/0017633号の図13に示される装置を使用した試験により得られたものである。
3つのマイクロチャンネル熱交換機コアデザインが設計され、本発明の利益を評価するべく比較された。
ケース1:円滑なチャンネル壁を有するマイクロチャンネル熱交換機コアデザイン
ケース2:表面特徴部を有するが本発明の負荷支持壁を用いないマイクロチャンネル熱交換機コアデザイン
ケース3:負荷支持壁を利用する表面特徴部を備えるマイクロチャンネル熱交換機コアデザイン
【0052】
熱交換機コアが、プロセス流体と冷却材との間を向流熱交換した。
熱交換機コアがプロセス流体を〜75℃から40℃に冷却した。使用したプロセス流体の物理特性は以下の如くであった。
プロセス流体の比熱:4200J/kg/K
プロセス流体の密度:1000kg/m3
プロセス流体の粘度:0.001kg/m−s
プロセス流体は75℃の温度下に毎分少なくとも5リッター流動した。5℃の水を冷却剤として使用した。操作圧は周囲圧(〜14.7psig)であった。
図9には、上述した各ケースについての、断面において反復する単位ディメンションが示される。全ケースについて、反復するユニット数は40であった。負荷支持壁の最大厚は0.050インチ(0.127cm)であり、表面特徴部の深さは0.01インチ(0.025cm)であった。熱交換機の材料はステンレススチールSS304Lであった。
【0053】
図8の、ケース2及びケース3(表面特徴部付きの)に関する熱移行及び圧力降下向上を用いた。表2ではこれら各ケースに関する熱交換機コア容積及び圧力が比較される。
【0054】
【表1】

新規な負荷支持壁が熱交換機コア容積を25%減少させた。
【0055】
例2:一体化した蒸気改質器における材料低減設計
一体型メタン蒸気改質(SMR)リアクターに金属減少概念を使用する場合を想定する。このケースでは低圧燃焼側が高圧蒸気改質反応に直結される。これら2つのゾーン間の境界壁は装置の構造強度を提供する厚い壁である。金属減少概念を提供することにより、当該壁厚を薄くし得るために装置製造における使用金属量を低減させ得、かくしてコストが低下する。また、薄い壁により燃焼及び改質の各セクション間の熱移行が増長されるため、リアクターボックスからの生産性を高め得る。
【0056】
本例の例示上、数値流体力学(CFD)シミュレーションを実行した。入り口断面が0.102cm(0.040インチ)×0.406cm(0.16インチ)の反応マイクロチャンネルをモデルとした。反応物チャンネルはその端部位置においてUターンされ、同じ0.102cm(0.040インチ)×0.406cm(0.16インチ)の断面の生成物チャンネルとなって連続する。反応物チャンネルと生成物チャンネルとを分離する壁は厚さ0.089cm(0.035インチ)であった。反応物及び生成物の各チャンネルは、低圧燃焼側から高圧改質側を分離する0.203cm(0.080インチ)の厚壁で境界付けられた。壁圧は、これに限定しないが、壁の各側における差圧、許容応力、動作温度等を含む多数の因子により決定した。一体型メタン蒸気改質(SMR)リアクターの場合、低圧燃焼側から高圧改質側を分離する0.203cm(0.080インチ)の厚壁を横断する差圧は約290psi(2MPa)であった。燃焼側は厚壁に沿った温度輪郭を付与することで模擬された。41.9cm(16.5インチ)及び54.6cm(21.5インチ)の異なる2つの長さのリアクターについて調査した。Uターン部の長さは0.254cm(0.1インチ)であり、1.27cm(0.5インチ)厚の金属壁が、Uターン部を超えるシムの周囲部分を模擬された。各流れチャンネルの各側の0.406cm(0.16インチ)部分が、シムの外側周囲部分の0.076cm(0.03インチ)部分を模擬した。この場合、壁厚の金属容積への貢献率は〜50%である。
【0057】
金属減少概念のオプションを、幅0.406cm(0.16インチ)の入り口/出口チャンネルの各側において、チャンネル幅の〜15%、即ち、0.061cm(0.024インチ)に全厚壁を残すことで実施した。金属減少セクションでは金属壁厚は全厚の〜70%、即ち0.142cm(0.056インチ)に減少された。この金属減少概念の実施により、以下に例示する2つのケースに関する使用金属堆積は約〜10.5%節約された。
【0058】
図10には壁の全厚及び減少厚が示される。図11には温度プロファイルが示される。
反応物チャンネルの入り縁流量は9.8334×10-4kg/sであった。入り口流れの成分は、(10.9モル%CO2、21.8モル%CH4、58.8モル%H2O、3.8モル%H2、0.5モル%CO及び残余分としてのN2)であった。反応物流れは650℃の温度下に流入し、改質器は〜290psi(2MPa)の圧力下に作動した。改質用触媒(Rh−Mg−Al23)が反応物チャンネル全体の壁と、Uターン部と、生成物チャンネルの最初の21.6cm(8.5インチ)部分を除く全てに被着された。反応物及び生成物の各チャンネルは1つまたは多数の触媒保持性の特徴部を有し得る。メタン流れ改質(CH4+H2O→3H2+CO)及び水ガスシフト(CO+H2O←→H2+CO2)の各反応が改質器内で生じた。
燃焼サイドを模擬するべく付与した温度プロファイルを以下に要約する。実際は、当該温度プロファイルはH2、CO及びCH4の燃焼をコントロールすることにより達成し得る。
数値流体力学(CFD)によるシミュレーションを、FLUENT(商標名)ソフトウェアを使用して実行した結果を以下に要約するに、リアクター構造(本発明に従う)における金属容積減少により創出される追加反応容積が性能向上を導くことが示される。
【0059】
【表2】

【0060】
【表3】

金属減少壁のケースでは改質チャンネルに遷移する高い熱量がCH4変換量を増大させる。この場合、新規の負荷支持壁が反応コア(金属)容積を〜10.5%減少させる。
【0061】
例2において、図11に例示する温度プロファイルを伴う反応セクションを横断しての差圧〜290psi(2MPa)に対し、〜10.5%の金属容積が減少された。また、例1の熱交換機に関し、金属減少概念の適用により熱交換機の容積が〜25%減少した。全体的に、本発明は、種々の単位操作(熱交換、反応、混合等の)を実施するマイクロチャンネル装置における金属必要量を少なくとも5%、より好ましくは少なくとも10%、更に好ましくは少なくとも25%、あるケースでは少なくとも50%減少させるために使用可能である。
【0062】
例3:曲げ応力の計算例
適宜の式あるいは有限要素分析等のコンピューターツールを用いて、斯界に既知の曲げ応力計算を実行し得る。図10に示す設計に対してはチャンネル幅を横断する曲げモーメントは以下の如く計算する。
M=W/12(6Lx−L2−6x2
ここで、Mは曲げモーメント(N/m)、Wは単位長さ当たりの力(N/m)、Lはチャンネルの全幅(m)、xは被支持エッジ部からの距離(m)である。
厚さt、及び単位長さ(長さ=1.0m:チャンネルの矩形断面と直交する方向)の矩形壁の場合、
bは曲げ応力、Pa=Mc/I、Mは曲げモーメント(N−m)、cは壁の中心から壁の最も外側のファイバーまでの距離であって、矩形壁ではc=t/2(m)、Iは矩形壁の慣性モーメント、m4=(1.0)t3/12、t=壁厚(m)として、
b=W/12(6Lx−L2−6x2)(6/t2)=W/2(6Lx−L2−6x2)(1/t2
である。
これらディメンションは図12に例示される。
【0063】
例:チャンネル幅L=0.005m
x=0〜L(m)までのチャンネル幅方向の距離
直線的な矩形壁例の壁厚、t=0.0005m
ステップ状の矩形壁例の壁厚、x=0〜x=x1及びx=x2〜x=L、t1=0.005m
ステップ状の矩形壁例の壁厚、x=x1〜x=x2、t2=0.000381m
1=0.00125m
1=0.00375m
差圧負荷は壁上において一様であり、P=2,500,000Pa
単位深さを有し、一様の圧力P、Paを負荷した矩形梁の場合、
W=P(1.0m)=P
b=P/2(6Lx−L2−6x2)(1/t2
【0064】
壁の各側における張力(+)及び圧縮(−)応力の大きさが等しいため、曲げ応力を算出し、応力の絶対値と比較する。
直線状及びステップ状の両壁の最大応力値は、x=0及びx=Lの場合の125,000,000Paである。
1〜x2での応力はx=L/2で最高となり、直線状の壁の場合のSb=62,500,000Paであり、
1〜x2での応力はx=L/2で最高となり、ステップ状の壁の場合のSb=107,639,104Paであり、
これは本発明の使用を反映するものである。
ステップ状の壁におけるx=L/2の応力の方が大きいが、当該値は尚、x=0及びx=Lの場合の最大値125,000,000Paより低い。図13を参照されたい。
【符号の説明】
【0065】
42 斜線部
44 エッジ部
48 支持梁
54 エッジ部
58 幅部分
62 センター部
70 表面特徴部
74 マイクロチャンネル
82 マイクロチャンネル
83 垂直線
85 水平線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
積層型マイクロチャンネル装置であって、
複数の第1マイクロチャンネルを含む第1層、
複数の第2マイクロチャンネルを含む第2層、
を含み、
第1層が第2層に隣り合い、
複数の第1マイクロチャンネルが複数の第2マイクロチャンネルに平行状態で隣り合い、
第1マイクロチャンネルの少なくとも1つが第2マイクロチャンネルと整列してマイクロチャンネル対を形成し、該マイクロチャンネル対の各マイクロチャンネルが、各マイクロチャンネルの少なくとも一方の側面上で当該マイクロチャンネルの長さ方向と直交する方向で構造材を貫く直線を引ける如く整列し、
第1及び第2の各マイクロチャンネルが同一方向に伸延する平行長さを有し、各マイクロチャンネルがその幅方向に沿った各端部位置に1つのマイクロチャンネルエッジ部を有し、
前記マイクロチャンネル対の第1及び第2の各マイクロチャンネルがマイクロチャンネル壁により分離され、
該マイクロチャンネル壁が第2マイクロチャンネルと同延であり、かくして前記各マイクロチャンネル対の当該マイクロチャンネル壁の幅が第2マイクロチャンネルと同一幅を有するものとして画定され、
前記マイクロチャンネル壁のセンター部分の平均厚が当該マイクロチャンネル壁のエッジ部のそれ未満であり、
マイクロチャンネル装置が以下の特徴、即ち、
各第2マイクロチャンネルのマイクロチャンネルエッジ部の全ポイント位置における高さが、当該第2マイクロチャンネルのセンター部(チャンネル幅の中央80%)のポイント位置の高さより少なくとも20%低く、各第2マイクロチャンネルの幅方向に沿った高さの第1導関数(幅の関数として表す)が、全チャンネル幅の横断方向において非一定であって少なくとも1回変化し、各マイクロチャンネルの幅方向に沿った高さの第2導関数も非一定であり、第2マイクロチャンネルが表面特徴部を含まず、またはマイクロチャンネル壁のセンター部がその両主表面上で窪み付けされ、またはマイクロチャンネル壁の幅部分の中央20%の全ポイント位置の厚さが当該マイクロチャンネル壁のセンター部のその他ポイント位置の厚さ以上であり、または、マイクロチャンネル壁のセンター部が当該マイクロチャンネル壁のエッジ部より薄い部分において、マイクロチャンネル対の一方又は両方のマイクロチャンネルの少なくとも2cmの長さにおける断面が一定である各特徴の1つ以上を含む積層型マイクロチャンネル装置。
【請求項2】
前記第1及び第2の各マイクロチャンネルが異なる圧力下に加圧された場合のマイクロチャンネル壁のセンター部における最大曲げ応力は当該マイクロチャンネル壁のエッジ部位値の最大曲げ応力の50〜90%の間であり、装置が以下の構成、即ち、
マイクロチャンネル壁のセンター部が両主表面上で窪み付けされた構成、
マイクロチャンネル壁の幅部分の中央20%の全ポイント位置の厚さが当該マイクロチャンネル壁のセンター部のその他ポイント位置の厚さ以上である構成、または、
マイクロチャンネル壁のセンター部が当該マイクロチャンネル壁のエッジ部より薄い部分において、マイクロチャンネル対の一方又は両方のマイクロチャンネルの少なくとも2cmの長さにおける断面が一定である構成、
の1つ以上を有する請求項1に記載の積層型マイクロチャンネル装置。
【請求項3】
各第1マイクロチャンネルが各第2マイクロチャンネルと整列してマイクロチャンネル対を構成し、当該マイクロチャンネル対の各マイクロチャンネルが水平軸上で同一位置を取り、かくして、少なくとも一方の側面側の構造材が、支持材料から成る垂直方向ピラーを形成する請求項1及び2の何れかに記載の積層型マイクロチャンネル装置。
【請求項4】
第1及び第2の各マイクロチャンネルが異なる圧力下に加圧された場合のマイクロチャンネル壁のセンター部における最大曲げ応力が、当該マイクロチャンネル壁のエッジ部位値の最大曲げ応力の60〜90%の間である請求項1〜3の何れかに記載の積層型マイクロチャンネル装置。
【請求項5】
各第2マイクロチャンネルのエッジ部の全ポイント位置における高さが、当該第2マイクロチャンネルのセンター部(チャンネル幅の中央80%)のポイント位置の高さより少なくとも20%低く、
各第2マイクロチャンネルの幅方向に沿った高さの第1導関数(幅の関数として表す)が、全チャンネル幅の横断方向において非一定であって少なくとも1回変化し、各マイクロチャンネルの幅方向に沿った高さの第2導関数も非一定であり、
第2マイクロチャンネルが表面特徴部及び毛管性特徴部も含まない請求項1〜4の何れかに記載の積層型マイクロチャンネル装置。
【請求項6】
各第2マイクロチャンネルのエッジ部の全ポイント位置における高さが、当該第2マイクロチャンネルのセンター部(チャンネル幅の中央80%)のポイント位置の高さより少なくとも20%低く、
各第2マイクロチャンネルの幅方向に沿った高さの第1導関数(幅の関数として表す)が、各第2マイクロ幅のチャンネル幅の横断方向において非一定であって少なくとも1回変化し、各マイクロチャンネルの幅方向に沿った高さの第2導関数も非一定であり、
各第2マイクロチャンネル(高くなる順に並べた)の高さの確率分布関数(所定チャンネルの高さの相違の発生確率の関数)が非単調的であり且つ、高さ分布関数が、少なくとも2つの異なるモードを含む多モード分布(即ち、チャンネル内に少なくとも2つの特異高さを含む)を有する請求項1〜4の何れかに記載の積層型マイクロチャンネル装置。
【請求項7】
第2マイクロチャンネルの高さが不連続的に変化する請求項1〜5の何れかに記載の積層型マイクロチャンネル装置。
【請求項8】
第1流体が第1圧力下に第1マイクロチャンネル内に存在し、第2流体が第2圧力下に第2マイクロチャンネル内に存在し、前記第1圧力及び第2圧力が異なる請求項1〜7の何れかに記載の積層型マイクロチャンネル装置。
【請求項9】
請求項1〜8の何れかに記載の装置における差圧プロセスの操作方法であって、
複数の第1マイクロチャンネル内に第1流体を第1圧力下に流動させること、
複数の第2マイクロチャンネル内に第2流体を第2圧力下に流動させること、
を含み、
前記第1及び第2の各圧力が相違し、前記複数の第2の各マイクロチャンネルを通過する際に何れかの流体について単位操作を実施する方法。
【請求項10】
積層型マイクロチャンネル装置であって、
複数の第1マイクロチャンネルを含む第1層、
複数の第2マイクロチャンネルを含む第2層、
を含み、
前記第1層が第2層に隣り合い、
前記複数の第1マイクロチャンネルが複数の第2マイクロチャンネルに隣り合い且つ平行であり、
前記第1マイクロチャンネルの少なくとも1つが第2マイクロチャンネルと整列してマイクロチャンネル対を形成し、該マイクロチャンネル対の各マイクロチャンネルは、各マイクロチャンネルの少なくとも一方の側面上において、(当該マイクロチャンネルの長さ方向と直交する方向で)構造材を貫く直線を引ける如く整列し、
前記第1及び第2の各マイクロチャンネルは同一方向に伸延する平行長さを有し、各マイクロチャンネルはその幅方向に沿った各端部位置に1つのマイクロチャンネルエッジ部を有し、
各第2マイクロチャンネルのマイクロチャンネルエッジ部の全ポイント位置の高さは、当該第2マイクロチャンネルのセンター部(チャンネル幅の中央80%)のポイント位置の高さより少なくとも20%低く、
各第2マイクロチャンネルの幅方向に沿った高さの第1導関数(幅の関数として表す)は全チャンネル幅の横断方向において非一定であって少なくとも1回変化し、各マイクロチャンネルの幅方向に沿った高さの第2導関数も一定ではなく、
第2マイクロチャンネルは表面特徴部を含まず、毛管性表面特徴部も含まない積層型マイクロチャンネル装置。
【請求項11】
各第2マイクロチャンネルのマイクロチャンネルエッジ部の全ポイント位置の高さは、当該第2マイクロチャンネルのチャンネル幅の中央50%のポイント位置の高さより少なくとも20%低い請求項10に記載の積層型マイクロチャンネル装置。
【請求項12】
各第1マイクロチャンネルが各第2マイクロチャンネルと整列してマイクロチャンネル対を構成し、当該マイクロチャンネル対の各マイクロチャンネルが水平軸上で同一位置を取り、かくして、マイクロチャンネル対の各エッジ位置の少なくとも一方の側部の構造材が、支持材料から成る垂直方向ピラーを形成する請求項10及び11の何れかに記載の積層型マイクロチャンネル装置。
【請求項13】
各第2マイクロチャンネル(高くなる順に並べた)の高さの確率分布関数(所定チャンネルの高さの相違の発生確率の関数)が非単調的であり且つ、高さ分布関数が、少なくとも2つの異なるモードを含む多モード分布(即ち、チャンネル内に少なくとも2つの特異高さを含む)を有する請求項10〜12の何れかに記載の積層型マイクロチャンネル装置。
【請求項14】
確率分布関数上の任意のある高さモードの寄与率が、該当チャンネル内の全高さモードの95%を超えない請求項10〜13の何れかに記載の積層型マイクロチャンネル装置。
【請求項15】
第1及び第2の各マイクロチャンネルが異なる圧力下に加圧された場合のマイクロチャンネル壁のセンター部における最大曲げ応力が、当該マイクロチャンネル壁のエッジ部位値の最大曲げ応力の60〜90%の間である請求項10〜14の何れかに記載の積層型マイクロチャンネル装置。
【請求項16】
積層型マイクロチャンネル装置であって、
複数の第1マイクロチャンネルを含む第1層、
複数の第2マイクロチャンネルを含む第2層、
を含み、
前記第1層が第2層に隣り合い、
前記複数の第1マイクロチャンネルが複数の第2マイクロチャンネルに隣り合い且つ平行であり、
前記第1マイクロチャンネルの少なくとも1つが第2マイクロチャンネルと整列してマイクロチャンネル対を形成し、該マイクロチャンネル対の各マイクロチャンネルは、各マイクロチャンネルの少なくとも一方の側面上において、(当該マイクロチャンネルの長さ方向と直交する方向で)構造材を貫く直線を引ける如く整列し、
前記第1及び第2の各マイクロチャンネルは同一方向に伸延する平行長さを有し、各マイクロチャンネルはその幅方向に沿った各端部位置に1つのマイクロチャンネルエッジ部を有し、
各第2マイクロチャンネルのマイクロチャンネルエッジ部の全ポイント位置の高さは、当該第2マイクロチャンネルのセンター部(チャンネル幅の中央80%)のポイント位置の高さより少なくとも20%低く、
各第2マイクロチャンネルの幅方向に沿った高さの第1導関数(幅の関数として表す)は全チャンネル幅の横断方向において非一定であって少なくとも1回変化し、各マイクロチャンネルの幅方向に沿った高さの第2導関数も一定ではなく、
各第2マイクロチャンネル(高くなる順に並べた)の高さの確率分布関数(該当チャンネルの高さの相違の発生確率の関数)が非単調的であり且つ、高さ分布関数が、少なくとも3つの異なるモードを含む多モード分布(即ち、チャンネル内に少なくとも3つの特異高さを含む)を有する積層型マイクロチャンネル装置。
【請求項17】
前記各第2マイクロチャンネルが表面特徴部を含まず、毛管性表面特徴部も含まない請求項16に記載の積層型マイクロチャンネル装置。
【請求項18】
前記各第2マイクロチャンネルが表面特徴部を含む請求項17に記載の積層型マイクロチャンネル装置。
【請求項19】
前記センター部が第2マイクロチャンネルの幅の25〜75%の間の範囲である請求項16〜18の何れかに記載の積層型マイクロチャンネル装置。
【請求項20】
請求項1、10、16の何れかに記載の構造を形成するよう積層したシートを含む前接着型構造。

【図1】
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【図2】
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【図3−1】
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【図3−2】
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【図3−3】
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【図3−4】
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【図3−5】
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【図3−6】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11−1】
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【図11−2】
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【図11−3】
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【公表番号】特表2013−514878(P2013−514878A)
【公表日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−544951(P2012−544951)
【出願日】平成22年12月20日(2010.12.20)
【国際出願番号】PCT/US2010/061395
【国際公開番号】WO2011/075746
【国際公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【出願人】(504455241)ヴェロシス インコーポレイテッド (21)
【Fターム(参考)】