材料配合供給装置、及び材料配合供給方法
【課題】成形終了時における配合済みの材料を低減し得る材料配合供給装置、及び材料配合供給方法を提供する。
【解決手段】材料配合供給装置は、所定の成形終了予定信号を生成する信号生成部と、成形機の材料投入口の上部側に設置される貯留部と、計量機から前記貯留部の上流側までの材料の待機量Mを検出する待機量検出手段と、所定のプログラムに基づいて、前記成形終了予定信号を受信した後の成形終了までに前記成形機において必要とされる材料の必要量Wを算出し、この必要量から前記待機量を減算し、その残り必要量RWに応じた残り必要計量回数Nを算出して、該残り必要計量回数の計量を前記計量機において実行させ、以降の計量動作を停止させる計量回数制御手段とを備えている。
【解決手段】材料配合供給装置は、所定の成形終了予定信号を生成する信号生成部と、成形機の材料投入口の上部側に設置される貯留部と、計量機から前記貯留部の上流側までの材料の待機量Mを検出する待機量検出手段と、所定のプログラムに基づいて、前記成形終了予定信号を受信した後の成形終了までに前記成形機において必要とされる材料の必要量Wを算出し、この必要量から前記待機量を減算し、その残り必要量RWに応じた残り必要計量回数Nを算出して、該残り必要計量回数の計量を前記計量機において実行させ、以降の計量動作を停止させる計量回数制御手段とを備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数種の粉粒体材料を、所定の割合で配合して成形機に供給する材料配合供給装置、及び材料配合供給方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、複数種の粉粒体材料を、所定の割合で配合し、その配合済み材料を、成形機に供給するようにした材料配合供給装置としては、複数種の粉粒体材料をそれぞれに貯留する複数の材料供給機から供給させた各粉粒体材料を、予め設定された質量比になるように、ロードセル等のセンサーを設けた単一のバッチ式計量機において計量するようにしたものが知られている。上記計量機で計量された1バッチ量分の材料は、該計量機の下流側の混合ドラム(混合用ケース)等の混合手段で混合されて、成形機等の供給先に供給される構成とされている(例えば、下記特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−23093号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記のような材料配合供給装置では、種々の成形機や成形機における種々の稼働態様に適用可能なように、一般的に、成形機において単位時間当たりに処理される材料の処理能力よりも、成形機に供給可能な配合供給装置自体における材料の配合供給能力が予め十分に大きく設定されている。例えば、成形機側からの要求に迅速に対応できるように、計量機において1度に計量する1バッチ量を比較的、大きく設定し、各部(計量機下流側のホッパー等の貯留部)においても、そのバッチ量に応じた量(1バッチ量分乃至は複数バッチ量分など)の貯留がなされる。また、計量機以降の各部(計量機や貯留部)において材料がなくなれば直ぐに計量及び補給し、各部に材料を待機させるようにしていた。
このようなものでは、材料替えや各材料の質量比の変更、成形品の変更(金型の変更)等の製造ロット替えがなされる際や、運転終了時などの成形終了時には、計量機以降の各部において待機、保持されている材料は、既に複数種の材料が配合されているため、再利用が困難であり、廃棄する量が多くなるという問題があった。
【0005】
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、成形終了時における配合済みの材料を低減し得る材料配合供給装置、及び材料配合供給方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明に係る材料配合供給装置は、複数種の粉粒体材料をそれぞれに貯留する複数の材料供給機から供給させた各粉粒体材料を、予め設定された質量比になるように計量機において計量させ、混合手段によって混合させた材料を成形機に供給する材料配合供給装置であって、所定の成形終了予定信号を生成する信号生成部と、前記成形機の材料投入口の上部側に設置される貯留部と、前記計量機から前記貯留部の上流側までの材料の待機量を検出する待機量検出手段と、所定のプログラムに基づいて、前記成形終了予定信号を受信した後の成形終了までに前記成形機において必要とされる材料の必要量を算出し、この必要量から前記待機量を減算し、その残り必要量に応じた残り必要計量回数を算出して、該残り必要計量回数の計量を前記計量機において実行させ、以降の計量動作を停止させる計量回数制御手段とを備えていることを特徴とする。
【0007】
ここに、上記粉粒体材料は、粉体・粒体状の材料を指すが、微小薄片状や短繊維片状、スライバー状の材料等を含む。
また、上記材料としては、樹脂ペレットや樹脂繊維片等の合成樹脂材料、或いは金属材料や半導体材料、木質材料、薬品材料、食品材料等どのようなものでもよい。
【0008】
本発明に係る前記材料配合供給装置においては、前記貯留部に、材料レベルが所定レベルまで低下したことを検出する材料センサーを設け、前記計量回数制御手段が前記材料センサーの検出レベル以下の材料待機量を算出し、この材料待機量を前記待機量に含ませて、前記残り必要量を算出するようにしてもよい。
この材料配合供給装置においては、前記計量回数制御手段が、前記成形終了予定信号から前記材料センサーの材料要求信号までの間に前記成形機において処理された量を減算して前記必要量を算出するようにしてもよい。
【0009】
本発明に係る前記いずれかの材料配合供給装置においては、供給先の成形機が射出成形機である場合、この射出成形機における1ショット量と、前記成形終了予定信号後の残ショット数とが入力される操作部を更に備えたものとしてもよい。この場合、前記計量回数制御手段が前記操作部から入力された1ショット量と、残ショット数とに基づいて、前記必要量を算出するようにすればよい。
【0010】
本発明に係る前記いずれかの材料配合供給装置においては、前記成形機において単位時間当たりに処理される材料の処理能力を検出する処理能力検出手段と、前記成形機に向けて単位時間当たりに供給可能な材料の配合供給能力を検出する配合供給能力検出手段と、所定のプログラムに基づいて、前記処理能力と前記配合供給能力とを比較し、該配合供給能力が該処理能力よりも過剰であり、かつ所定基準まで減少可能なときには、該配合供給能力を減少させるように更新して配合供給を実行させる配合供給能力制御手段とを更に備えた構成としてもよい。
このものでは、前記配合供給能力制御手段が前記計量機において計量する1バッチ目標量を減少させることで、前記配合供給能力を減少させるようにしてもよい。また、この1バッチ目標量の減少は、前記1バッチ目標量を減少させる前に、前記計量機において1バッチの計量に要した時間と、その1バッチの目標量とに基づいて該計量機における単位時間当たりに計量可能な材料の計量能力を算出して、この計量能力と前記処理能力とに基づいて、前記1バッチ目標量を減少させるようにしてもよい。
【0011】
また、前記計量機の下流側からの材料要求信号が出力されるまでに、前記計量機に材料を待機させておく第1待機モードと、前記信号が出力されるまでは、該計量機に材料を待機させずに、該信号が出力された後に、計量を開始させる第2待機モードとの実行が可能とされたものとしてもよい。この場合は、前記配合供給能力制御手段が前記第1待機モードを前記第2待機モードに変更することで、前記配合供給能力を減少させるようにしてもよい。
【0012】
また、前記目的を達成するために、本発明に係る材料配合供給方法は、複数種の粉粒体材料をそれぞれに貯留する複数の材料供給機から供給した各粉粒体材料を、予め設定された質量比になるように計量機において計量し、混合手段によって混合した材料を成形機に供給するようにした材料配合供給方法であって、前記計量機から前記成形機の材料投入口の上部側に設置された貯留部の上流側までの待機量と、所定の成形終了予定信号の後の成形終了までに前記成形機において必要とされる材料の必要量とを算出し、かつ、前記必要量から前記待機量を減算し、その残り必要量に応じた残り必要計量回数を算出して、該残り必要計量回数の計量を前記計量機において実行させ、以降の計量動作を停止させるようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る前記材料配合供給装置では、前記必要量から前記待機量を減算し、その残り必要量に応じた残り必要計量回数を算出して、該残り必要計量回数の計量を前記計量機において実行させ、以降の計量動作を停止させるようにしているので、成形終了予定信号が出力された後、必要量に応じた適切な回数で計量動作を停止させることができる。従って、成形終了時には、当該材料配合供給装置における前記計量機から前記貯留部の上流側までに待機、保持される配合済み材料に概ね相当する残材を減少させることができ、材料の無駄を低減でき、かつ廃棄量を減少させることができる。
【0014】
本発明に係る前記材料配合供給装置において、前記貯留部に、材料レベルが所定レベルまで低下したことを検出する材料センサーを設け、前記計量回数制御手段が前記材料センサーの検出レベル以下の材料待機量を算出し、この材料待機量を前記待機量に含ませて、前記残り必要量を算出するようにすれば、この貯留部の検出レベル以下の材料待機量に概ね相当する残材を更に減少させることができる。
【0015】
また、上記構成とした材料配合供給装置において、前記計量回数制御手段が、前記成形終了予定信号から前記材料センサーの材料要求信号までの間に前記成形機において処理された量を減算して前記必要量を算出するようにすれば、以下の効果を奏する。
すなわち、成形終了予定信号から材料センサーの材料要求信号までの間に成形機において処理された量は、成形終了予定信号が出力された時点における、貯留部の材料センサーの検出レベル上部の材料に相当し、この材料分を減算して前記必要量を算出することで、この材料に概ね相当する残材を更に減少させることができる。
換言すれば、このものでは、前記計量回数制御手段は、前記成形終了予定信号から前記材料センサーの材料要求信号までの間に前記成形機において処理された量(成形終了予定信号が出力された時点における、貯留部の材料センサーの検出レベル上部の材料)を、更に前記待機量に含ませて、前記残り必要量を算出するようにしている。
【0016】
本発明に係る前記いずれかの材料配合供給装置において、供給先の成形機を射出成形機とし、この射出成形機における1ショット量と、前記成形終了予定信号後の残ショット数とが入力される操作部を更に備えたものとし、前記計量回数制御手段が前記操作部から入力された1ショット量と、残ショット数とに基づいて、前記必要量を算出するようにすれば、以下の効果を奏する。
すなわち、1ショット量及び残ショット数を入力する操作部を備えているので、成形品から直接的に得られた1ショット量を入力でき、正確な必要量を算出させることができる。また、残ショット数を、残り成形量に応じて、ユーザー側の判断で入力することもできる。
【0017】
本発明に係る前記いずれかの材料配合供給装置において、前記処理能力検出手段と、前記配合供給能力検出手段と、前記配合供給能力制御手段とを更に備えた構成とすれば、以下の効果を奏する。
すなわち、成形機の処理能力に応じて、当該材料配合供給装置の配合供給能力を減少させておくことで、当該材料配合供給装置の各部において待機、保持される配合済みの材料を減少させることができる。従って、成形機が緊急停止された場合や、例えば、成形終了予定信号をユーザーの操作により入力させるような場合において操作忘れや操作間違い等があった場合にも、残材を減少させることができる。
【0018】
また、本発明に係る前記材料配合供給方法によれば、上記本発明に係る材料配合供給装置が奏する効果と同様、成形終了時に、前記計量機から前記貯留部までに待機、保持される配合済み材料(残材)を減少させることができ、材料の無駄を低減でき、かつ廃棄量を減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明に係る材料配合供給装置の一実施形態を備えたシステム構成の一例を模式的に示す概略構成図である。
【図2】同材料配合供給装置の制御ブロック図である。
【図3】同材料配合供給装置で実行される基本動作の一例を説明するための概略タイムチャートである。
【図4】(a)は、同材料配合供給装置で実行される成形機の処理能力検出機能の基本動作の一例を示す概略フローチャート、(b)は、同材料配合供給装置で実行される計量機の計量能力検出機能の基本動作の一例を示す概略フローチャートである。
【図5】(a)は、同材料配合供給装置で実行される配合供給能力変更機能の基本動作の一例を示す概略フローチャート、(b)は、同例を説明するための説明図である。
【図6】(a)、(b)は、同材料配合供給装置で実行される計量回数制御機能の基本動作の一例を説明するための概略フローチャートである。
【図7】(a)、(b)は、同材料配合供給装置で実行される計量回数制御機能の基本動作の他例を説明するための概略フローチャートである。
【図8】同材料配合供給装置で実行される計量回数制御機能の基本動作の更に他例を説明するための概略フローチャートである。
【図9】同材料配合供給装置で実行される配合供給能力変更機能の基本動作の他例を示す概略フローチャートである。
【図10】(a)、(b)は、同材料配合供給装置で実行される配合供給能力変更機能の基本動作の更に他例を説明するための概略フローチャートである。
【図11】同例における第2待機モードの動作例を説明するための概略タイムチャートである。
【図12】同例における第3待機モードの動作例を説明するための概略タイムチャートである。
【図13】(a)、(b)は、いずれも同材料配合供給装置の変形例を備えたシステム構成の一例を模式的に示す概略構成図である。
【図14】同材料配合供給装置の他の変形例を備えたシステム構成の一例を模式的に示す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1〜図14は、本実施形態に係る粉粒体材料の配合供給装置、その動作例及び変形動作例、並びに変形例を説明するための説明図である。
尚、図1、図13及び図14においては、ガス(輸送空気)や粉粒体材料を流通させる管路(ガス管路、粉粒体材料輸送管路など)を、実線にて模式的に示している。
また、図13及び図14では、詳細な符号の一部を省略している。
【0021】
図例の粉粒体材料の配合供給装置1は、図1に示すように、配合前の粉粒体材料を下流側に向けて供給する材料供給部10と、この材料供給部10から供給された各粉粒体材料を、予め設定された質量比(重量比)となるように計量する単一の計量機20と、この計量機20において計量された粉粒体材料を混合する混合手段としての混合ドラム30と、この混合ドラム30において混合された粉粒体材料を一時的に貯留する一時貯留ホッパー40と、この一時貯留ホッパー40から輸送された配合済みの粉粒体材料を貯留するチャージホッパー50と、制御盤60とを備えている。このチャージホッパー50の下端排出口は、配合済み材料の供給先としての射出成形機9の材料投入口9aに連設されている。
【0022】
射出成形機9は、詳細な説明は省略するが材料投入口9aから投入された配合済み材料をシリンダ内で溶融させて、溶融させた1ショット分の樹脂をシリンダ先端のノズルから金型(不図示)内に射出させて、樹脂成形品を成形する。
尚、本実施形態に係る配合供給装置1において配合した材料の供給先としては、合成樹脂成形品を成形する射出成形機に限られず、他の材料用の射出成形機、または押出成形機や圧縮成形機等の他の成形機を供給先とする態様としてもよい。
【0023】
材料供給部10は、複数種の配合前の粉粒体材料(図例では、A材、B材、C材及びD材の4種類)を、それぞれに貯留する複数の材料供給機11(11A,11B,11C,11D)を有している。これら複数種の粉粒体材料は、例えば、合成樹脂成形品を成形する場合には、バージン材や粉砕材、マスターバッチ、各種添加剤等が挙げられる。
各材料供給機11は、上記各材料を貯留する材料ホッパー12(12A,12B,12C,12D)と、これら材料ホッパー12の下端部に設けられた供給フィーダ(定量供給器)13(13A,13B,13C,13D)とを備えている。
供給フィーダ13は、図例では、モータ等の駆動部を有したスクリュー式のフィーダ13A,13B,13Cと、エアシリンダ等の駆動部を有したスライドダンパー(スライドシャッター)式のフィーダ13Dとを示している。
これら各供給フィーダ13は、その材料排出口が、後記する計量機20の計量ホッパー21の上端の投入口に臨むように設置されており、各供給フィーダ13から個別に順次、供給された各材料は、自重落下(自然落下)により、計量ホッパー21内に投入されて計量される。
尚、各供給フィーダの構成は、図例のものに限られず、例えば、振動発生部を有した振動フィーダや、ロータリーフィーダ、ターンテーブル上の材料をスクレイパーで掻きとるようにして微少量を供給するマイクロフィーダ等の他の材料切出装置としてもよい。
【0024】
各材料ホッパー12には、材料センサー15((15A,15B,15C,15D)、(図2参照))が設けられており、これら材料センサー15の材料要求信号により各材料の輸送制御がなされる。
また、各材料ホッパー12の上端部には、材料タンク(不図示)から空気輸送される各材料を捕集する捕集器14(14A,14B,14C,14D)が設けられている。各捕集器14には、末端にサクションノズル5aを有した材料輸送管5・・・がそれぞれ接続され、これらサクションノズル5aが、各材料タンク内に差し込まれている。
これら捕集器14への各材料の輸送は、本実施形態では、吸引ブロアー等の吸引空気源2による吸引作用により吸引輸送する態様としている。この吸引ブロアー2には、吸引管3の一端が接続され、この吸引管3の他端には、輸送材料切り替え弁4が接続され、この輸送材料切り替え弁4には、材料数に応じた本数(図例では4本)の吸引管3が接続されている。また、この4本の吸引管3のそれぞれは、上記した各材料供給機11の各捕集器14に接続されている。
【0025】
上記した材料供給部10への材料輸送手段を構成する吸引ブロアー2及び輸送材料切り替え弁4、並びに材料供給部10における各材料センサー15及び各供給フィーダ13は、図2に示すように、信号線を介して制御部としてのCPU61に接続されており、所定プログラムに従って制御がなされる。
すなわち、各材料供給機11への材料輸送動作は、材料ホッパー12のうちのいずれかの材料センサー15から材料要求信号が出力されれば、材料要求のあった材料供給機11の捕集器14に接続された吸引管3と吸引ブロアー2とを連通させるように輸送材料切り替え弁4を切り替え、吸引ブロアー2を起動させることで、その材料ホッパー12に対応する材料タンク内に貯留された粉粒体材料が材料輸送管5を介して捕集器14に向けて輸送される。そして、当該捕集器14において捕集され、捕集器14から下方の材料ホッパー12に投入されて貯留される。
つまり、これら各材料ホッパー12には、当該配合供給装置1の作動中は常時、所定量以上の各材料が貯留されるように、各材料センサー15の材料要求信号により、適宜、各材料供給機11への各材料の輸送、補給がなされる。
尚、各材料タンクから各材料供給機11への各材料の輸送態様は、吸引輸送に限られず、コンプレッサー等の圧縮空気供給源によって圧送する態様としてもよい。
また、材料供給機11の設置個数は、図例のように4つに限られず、それ以外の複数を設置するようにしてもよい。
【0026】
計量機20は、上記した各材料供給機11からの材料を受け入れる計量ホッパー21と、この計量ホッパー21の下端排出口を開閉する排出ダンパー23と、計量ホッパー21に投入された各材料を計量するためのロードセル等の重量センサ22とを備えている。
これらロードセル22及び排出ダンパー23は、上記した材料輸送手段及び材料供給部10と同様、図2に示すように、信号線を介してCPU61に接続されており、上記した各材料供給機11とともに、所定プログラムに従って制御されて計量工程が実行される。
【0027】
すなわち、図5(b)に示すように、1バッチ目標量の初期設定値(初期設定時バッチ量)が、6000gであり、各材料の配合比が、A材:B材:C材:D材=1:5:34:60に設定されているとすれば、まず、A材を貯留するA材料供給機11Aの供給フィーダ13Aを作動させて、A材を計量ホッパー21に投入させ、ロードセル22の計測値に基づいて、供給フィーダ13Aをフィードバック制御し、目標設定値である60gになれば供給フィーダ13Aを停止させてA材の供給を停止する。以下、同様に、各材料供給機11を駆動制御し、B材を300g、C材を2040g、D材を3600gとなるまで個別に順次、計量ホッパー21に投入させて計量を実行する。各材料をそれぞれ目標設定値まで計量すれば、1バッチ量分の計量工程が終了する。この計量機20において計量された計量済み(配合済み)の材料は、計量機20の下部の排出ダンパー23を、所定の開放時間t3(図3参照)が経過するまで開放させて、計量機20の下流側に設置された混合ドラム30に向けて排出される。
【0028】
尚、上記各供給フィーダ13を駆動制御する際に、駆動停止時における落差量を考慮して駆動制御したり、各材料の計量時における供給量を段階的に、或いは連続的に減少させるように駆動制御したりするようにしてもよい。
また、上記開放時間t3は、最大量(初期設定時バッチ量)の1バッチ量分の材料の排出が可能な程度の時間で適宜、設定可能である。
さらに、4種類の材料を計量する態様に限られず、それ以外の複数種の材料を計量する態様としてもよい。
【0029】
上記した計量機20から排出された計量済みの1バッチ量分の材料は、混合ドラム30に投入されて混合がなされる。
この混合ドラム30は、投入された材料を収容する収容部31と収容部31内の材料を攪拌して混合するための攪拌羽根32と、攪拌羽根32を回転駆動する攪拌用モータ33と、収容部31の下端排出口を開閉する排出ダンパー34とを備えている。
この混合ドラム30の攪拌用モータ33及び排出ダンパー34は、上記同様、図2に示すように、信号線を介してCPU61に接続されており、所定プログラムに従って制御されて混合工程が実行される。
すなわち、上記した計量機20の排出ダンパー23が閉止されて所定の遅延時間が経過すれば、攪拌用モータ33を回転駆動させて、所定の混合時間t5(図3参照)が経過するまで攪拌、混合がなされる。混合時間t5が経過すれば、下部の排出ダンパー34を、所定の開放時間t6(図3参照)が経過するまで開放させて、混合ドラム30の下流側に設置された一時貯留ホッパー40に向けて、混合済み(配合済み)の材料を排出させて、混合工程が終了する。
【0030】
尚、上記混合時間t5は、後記するように1バッチ目標量を変更させる態様においては、1バッチ目標量に応じて、適宜、変更するようにしてもよく、また、最大量(初期設定時バッチ量)の1バッチ量分の材料の混合が可能な程度の一定の時間としてもよい。
また、上記開放時間t6は、上記開放時間t3と同様、最大量(初期設定時バッチ量)の1バッチ量分の材料の排出が可能な程度の時間で適宜、設定可能である。
さらに、混合ドラム30における混合工程、すなわち、排出ダンパー34を開放させて、混合済み材料の排出動作が完了し、排出ダンパー34が閉止された後に、計量機20から混合ドラム30への材料の投入がなされるように構成されている。
【0031】
上記した混合ドラム30から排出された混合済みの1バッチ量分の材料は、一時貯留ホッパー40に投入されて、下流側のチャージホッパー50の材料センサー52からの材料要求信号があるまで貯留されて保持される。
この一時貯留ホッパー40は、材料貯留部41と、材料貯留部41内の材料の有無を検出する材料センサー42とを備え、当該配合供給装置1における最大量(初期設定時バッチ量)の1バッチ量分の材料の貯留が少なくとも可能とされている。また、材料センサー42は、少なくとも最低バッチ量の材料の有無の検出が可能な構成とされている。
この一時貯留ホッパー40の材料貯留部41の下端部に設けられた材料排出口には、材料輸送管8の一端が接続されている。
【0032】
材料輸送管8の他端は、射出成形機9の上部に設置されたチャージホッパー50の上部捕集器53に接続されている。
チャージホッパー50は、下端排出口が射出成形機9の材料投入口9aに連通された材料貯留部51と、この材料貯留部51内に貯留された材料レベルが所定レベルまで低下したことを検出する材料センサー52とを備えている。この材料貯留部51には、初期設定時バッチ量の数バッチ量分程度の材料の貯留が少なくとも可能とされている。また、この材料センサー52は、例えば、この材料センサー52の検出レベル以下の貯留空間に、初期設定時バッチ量の半バッチ程度から1バッチ半程度の貯留が可能なように設けられている。
尚、チャージホッパー50の下部に、射出成形機9の材料投入口9aに向けて配合済み材料を定量供給する上記同様の供給フィーダ等を更に設けるようにしてもよい。
【0033】
上記したチャージホッパー50の上部の捕集器53は、上記同様の吸引管7を介して吸引ブロアー6に接続されている。
これらチャージホッパー50の材料センサー52、及び材料輸送手段を構成する吸引ブロアー6は、上記同様、図2に示すように、信号線を介してCPU61に接続されており、所定プログラムに従って制御されて輸送工程が実行される。
すなわち、チャージホッパー50の材料センサー52から材料要求信号が出力されれば、吸引ブロアー6を起動させ、所定の輸送時間t1(図3参照)が経過するまで作動させて、一時貯留ホッパー40に貯留された1バッチ量分の混合済み材料を、材料輸送管8を介して捕集器53に向けて輸送し、捕集器53において捕集して、捕集器53から下方の材料貯留部51に投入して貯留させる。
尚、上記輸送時間t1は、例えば、当該配合供給装置1における最大量(初期設定時バッチ量)の1バッチ量分の材料の輸送が可能な程度の時間で適宜、設定可能である。
【0034】
制御盤60は、図1及び図2に示すように、当該配合供給装置1の上記した各機器を上記所定のプログラムに従って制御するとともに、後記する各プログラムを実行する制御部としてのCPU61と、このCPU61に信号線を介してそれぞれ接続された、各種設定などを設定、入力したり、表示したりするための表示操作部を構成する操作パネル62と、この操作パネル62の操作により設定、入力された設定条件や入力値、後記する基本動作や各動作等を実行するための制御プログラムなどの各種プログラム、予め設定された各種動作条件や各種データテーブル等が格納され、各種メモリ等から構成された記憶部63とを備えている。
操作パネル62には、後記する所定の成形終了予定信号を生成する信号生成部としての成形終了予定スイッチ62aが設けられている。また、この操作パネル62は、射出成形機9の1ショット量と、成形終了予定信号後の残ショット数S1(図6(b)参照)との入力が可能とされている。
【0035】
CPU61は、当該配合供給装置1の各部における計量動作、混合動作及び輸送動作等を監視し、計量機20からチャージホッパー50の上流側までに待機している材料(上流側待機量M(図6(b)参照))を検出する待機量検出手段を構成する。
また、CPU61は、クロックタイマー等の計時手段や演算処理部を備え、後記するように、必要量Wと待機量TMとを算出し、この必要量Wから待機量TMを減算して、残り必要量RWに応じた残り必要計量回数Nを算出して、計量機20の計量回数を制御する計量回数制御手段を構成する(図6(b)参照)。
さらに、CPU61は、後記するように、計量機20や各種センサー42,52等とともに、射出成形機9において単位時間当たりに処理される材料の処理能力を検出する処理能力検出手段、及び射出成形機9に向けて単位時間当たりに供給可能な材料の配合供給能力を検出する配合供給能力検出手段を構成する。
さらにまた、CPU61は、後記するように、処理能力と配合供給能力とを比較し、該配合供給能力が該処理能力よりも過剰であり、かつ所定基準まで減少可能なときには、該配合供給能力を減少させるように更新して配合供給を実行させる配合供給能力制御手段を構成する。
【0036】
次に、上記構成とされた本実施形態に係る配合供給装置1において実行される基本動作の一例を、図3〜図6に基づいて説明する。
尚、図3、後記する図11及び図12に示す概略タイムチャート図では、各機器のON/OFF動作や出力信号、各排出ダンパーの開閉動作等を模式的に図示している。
また、図3に示す概略タイムチャート図は、後記する配合供給能力変更パターンCにおける第1待機モードの動作例に相当する。
【0037】
<初期準備運転>
当該配合供給装置1の起動がなされた後は、所定の初期準備運転が実行される。
当該配合供給装置1の起動時には、上記した計量機20、一時貯留ホッパー40、及びチャージホッパー50の各部には、未だ材料が計量待機または貯留保持されていない状態(空状態)である。すなわち、チャージホッパー50の材料センサー52及び一時貯留ホッパー40の材料センサー42から材料要求信号が出力されている状態である。
【0038】
まず、計量機20において初期設定時バッチ量で、上記した計量工程を実行させ、混合ドラム30に向けて排出させて、引き続き計量工程を実行する。これに並行して混合ドラム30において上記した混合工程を実行させ、一時貯留ホッパー40に向けて排出させる。
これにより、一時貯留ホッパー40の材料センサー42の材料要求信号が消え、その材料要求信号の消滅後、所定の遅延時間が経過すれば、上記した吸引ブロアー6を起動して、一時貯留ホッパー40内の混合済みの1バッチ量分の材料を、チャージホッパー50に向けて輸送する。
これにより、一時貯留ホッパー40の材料センサー42から材料要求信号が出力され、上記計量工程が完了していれば、混合ドラム30に排出させ、上記同様、混合工程を経て、一時貯留ホッパー40に貯留させて、上記同様、チャージホッパー50に向けて輸送する。このような動作を、チャージホッパー50の材料センサー52からの材料要求信号が消えるまで繰り返し、その材料要求信号が消えれば、成形準備が整う。
成形準備が整えば、射出成形機9の前回製造ロット時の材料を廃棄するための捨て打ちや成形品が良品となるまで試験打ち等が適宜、実行される。
【0039】
<定常運転:第1待機モード>
上記初期準備運転の後、射出成形機9において逐次、成形品を成形する定常運転がなされる。
本動作例では、第1待機モードで配合供給を実行するようにしている。
この第1待機モードでは、図3に示すように、チャージホッパー50の材料センサー52からの材料要求信号が出力されるまでに、一時貯留ホッパー40に1バッチ量分の材料を補給して待機させ、かつ、一時貯留ホッパー40の材料センサー42からの材料要求信号が出力されるまでに、計量機20において1バッチ量分の材料を計量させて待機させるようにしている。
【0040】
すなわち、チャージホッパー50の材料センサー52からの材料要求信号が出力されれば、上記した吸引ブロアー6を輸送時間t1が経過するまで作動させて、一時貯留ホッパー40に貯留された1バッチ量分の材料を、チャージホッパー50に輸送する。一時貯留ホッパー40の材料センサー42から材料要求信号が出力されれば、計量機20の排出ダンパー23を開放時間t3が経過するまで開放させ、計量機20において保持されている1バッチ量分の材料を混合ドラム30に投入し、上記混合工程を実行させ、一時貯留ホッパー40に材料を投入し、次の材料要求信号が出力されるまで1バッチ量分の材料を待機させる。また、上記と並行して、計量機20の排出ダンパー23が閉止されれば、上記計量工程を実行させ、次の材料要求信号が出力されるまで1バッチ量分の材料を待機させる。
【0041】
このように、第1待機モードでは、計量機20及び一時貯留ホッパー40に概ね材料を待機(計量待機及び貯留保持)させた状態とし、計量機20における計量工程の実行と混合ドラム30における混合工程の実行とが並行してなされる態様とされている。
以下、同様にしてチャージホッパー50の材料センサー52からの材料要求信号が出力される毎に、材料の輸送、計量及び混合がなされる。
射出成形機9では、配合されて供給された配合済み材料を消費しながら所定の1ショット量、及びショットサイクルで、成形品を逐次、成形するが、製造ロット替えや運転終了時などの成形終了時には、上記した計量機20及び一時貯留ホッパー40、並びにチャージホッパー50において配合済みの材料が残材となる。
【0042】
そこで、本実施形態では、所定の計量回数制御プログラムに従って上記したCPU61により、所定の成形終了予定信号を受信した後、射出成形機9において必要な材料に応じた適切な配合供給量となるように、残り必要計量回数等を算出し、計量機20の計量動作を制御するようにしている。
また、本実施形態では、このような成形終了予定信号の受信に関連してなされる計量回数制御プログラムに従った計量回数制御機能に加えて、緊急停止時等における配合済み材料を減少化させるべく、所定の配合供給能力変更プログラムに従って上記したCPU61により、定常運転への移行を検出し、処理能力及び配合供給能力(計量能力)を検出して、これら処理能力及び計量能力に基づいて、当該配合供給装置1における配合供給能力を減少させ、緊急停止時等における残材を減少させるようにしている。
以下、本実施形態において実行される配合供給能力変更プログラム及び計量回数制御プログラムの一動作例について説明する。
【0043】
<定常運転移行検出>
本動作例では、当該配合供給装置1の起動後、単位時間当たりに射出成形機9側に向けて供給される材料の処理能力を検出し、この処理能力が所定の安定状態となったときに、定常運転に移行したと判別するようにしている。
この定常運転への移行の検出は、図4(a)に基づいて後述する処理能力検出機能の動作例と同様にして、処理能力を検出し、定常運転への移行を検出するようにしてもよい。
すなわち、図4(a)に示すように、計量機20の排出ダンパー23が開放されれば(ステップ102)、タイマーを起動させ(ステップ103)、次に、計量機20の排出ダンパー23が開放されれば(ステップ104)、タイマーをリセットし、処理時間t2(図3参照)を記憶部63に格納させ、タイマーを再起動させる(ステップ105)。
上記処理時間t2と、その間に計量機20において計量した1バッチ目標量(初期準備運転時においては、初期設定時バッチ量)とから、処理能力Xを算出し、記憶部63に格納させる(ステップ106)。また、ステップ105において、タイマーを再起動させた後は、上記同様、計量機20の排出ダンパー23の開放の有無を監視し、計量機20の排出ダンパー23が開放される毎に、処理能力Xを算出するようにしている(ステップ104〜106)。
【0044】
上記処理能力Xを、当該配合供給装置1の起動後、計量機20の排出ダンパー23が開放される毎に算出し、記憶部63に格納させ、この算出毎の処理能力Xのばらつきがある閾値以内となったときに、安定状態と判別し、定常運転に移行したと判別するようにしてもよい。この安定か否かの判別は、例えば、算出された処理能力Xと、その直近に算出された数回分(例えば、5回分程度など)の処理能力Xの平均値との差が、数%乃至は10%程度以内になった際や、算出毎の処理能力Xの差分値が所定の閾値以下となり安定したときに、所定の安定状態になったと判別し、定常運転に移行したと判別するようにしてもよい。
つまり、初期準備運転では、上記したように、当該配合供給装置1の各部には、材料が待機、保持されていない状態であり、最大限の配合供給が実行され、その後、捨て打ちや試験打ち等の実行がなされるが、この間は、射出成形機9では、安定した材料の消費(略一定の処理速度かつ処理量)がなされておらず、処理能力X(初期準備運転時における各部に材料を待機、保持させるまでは、実質的には射出成形機9において材料の処理(消費)がなされないが、この間に検出される処理時間t2と、1バッチ目標量とに基づいて算出された値も処理能力とする。)は、上下に大きく変動し、不安定な状態である。本動作例では、この不安定な状態が、上記した所定の安定状態となったときに、定常運転に移行したと判別するようにしている。
【0045】
定常運転に移行した後は、上述のように、射出成形機9において、所定の1ショット量、及びショットサイクルで、逐次、成形品の成形がなされるので、処理能力Xは、略一定で安定した状態となる。
尚、初期準備運転から定常運転への移行の検出は、上記した態様に限られず、例えば、試験打ち等により成形品が安定して良品となったことをユーザーに確認等させた後、操作パネル62の定常運転(連続運転)スイッチ等を操作させ、その操作信号をCPU61において検出することで、定常運転への移行を検出するようにしてもよい。
或いは、ユーザーによるスイッチ操作や上述のような処理度合いを示す指標(処理時間t2及び1バッチ目標量)から算出される処理能力Xの安定度合いに基づく自動検出によって定常運転への移行を検出する態様に代えて、例えば、射出成形機9からショットサイクル時間等の成形状態を示す情報が出力されるような場合は、その成形状態が所定の安定状態となったときに、定常運転への移行と判別するようにしてもよい。
また、上記態様では、計量機20の排出ダンパー23の開放動作信号を監視して、処理時間t2を取得する態様について説明したが、計量機20の計量開始のタイミングまたはこれに関連するタイミングを検出可能な信号に基づいて処理時間t2を取得するようにしてもよい。例えば、一時貯留ホッパー40の材料センサー42からの材料要求信号や、計量機20の計量毎の計量開始動作信号または計量完了動作信号、混合ドラム30における各機器の動作信号等を監視して、処理時間t2を取得するようにしてもよい。
【0046】
<処理能力検出>
図4(a)に示すように、所定の初期準備運転を実行(ステップ100)した後、上記のように定常運転に移行したか否かを判別し、定常運転への移行を検出すれば(ステップ101)、上記同様にして処理能力Xを算出し、定常運転時における処理能力Xを記憶部63に格納させる(ステップ102〜106)。
例えば、後記する配合供給能力の変更がなされるまでは、計量機20における1バッチ目標量は、初期設定時バッチ量(図5(b)では、6000g)であり、信号間の時間t2が、3分であったとすれば、処理能力Xは、120kg/hとなる。
この定常運転時における処理能力Xは、上述のように、略一定で安定しており、定常運転時における、一度の算出により、処理能力Xを取得して格納し、以降は処理能力Xを検出しないような態様としてもよいが、本動作例では、上記定常運転移行検出時と同様、計量機20の排出ダンパー23が開放される毎に処理能力Xを算出し、記憶部63に格納させるようにしている。
【0047】
尚、上記処理能力算出のために取得する処理時間t2は、計量機20によって計量した1バッチ量分の材料が、射出成形機9において処理された際に生成される信号または関連して生成される信号から次回の信号までの時間を、処理時間t2とすればよい。この信号は、本実施形態のように、一時貯留ホッパー40において1バッチ量分の材料を貯留させ、下流側からの材料要求信号があれば、全量をチャージホッパー50に輸送させる場合には、上記定常運転移行検出時と略同様、例えば、チャージホッパー50や一時貯留ホッパー40の材料センサー42,52からの材料要求信号や、計量機20の計量毎の計量開始動作信号または計量完了動作信号、混合ドラム30における各機器の動作信号等としてもよい。
【0048】
また、処理能力Xの検出態様は、上記した態様に限られず、例えば、射出成形機9において成形されている1ショット量とショットサイクル時間とから処理能力Xを検出するような態様としてもよい。これら1ショット量とショットサイクル時間とは、ユーザーによる操作パネル62への入力により取得するようにしてもよく、または、射出成形機9から出力されるデータ等から取得するようにしてもよい。或いは、処理能力X自体を、射出成形機9の成形データの表示等を参照して、ユーザーに操作パネル62に手動入力させ、その操作信号をCPU61において検出することで、処理能力Xを検出するような態様としてもよい。
その他、種々の態様により、単位時間当たりに射出成形機9において処理される材料の処理能力Xを検出するようにしてもよい。
【0049】
<配合供給能力(計量能力)検出>
上記処理能力検出時と同様、図4(b)に示すように、所定の初期準備運転を実行(ステップ100)した後、定常運転への移行を検出すれば(ステップ101)、計量能力Yを検出する。
この計量能力Yは、計量機20における計量動作を監視し、その計量動作に要した時間に基づいて算出される。
すなわち、計量が開始されれば(ステップ112)、タイマーを起動させ(ステップ113)、計量が完了すれば(ステップ114)、タイマーをリセットし、計量時間t4(図3参照)を記憶部63に格納させる(ステップ115)。
上記計量時間t4と、計量機20において計量した1バッチ目標量とから、当該計量機20における、計量能力Y、すなわち、射出成形機9に向けて単位時間当たりに供給可能な材料の計量能力Yを算出し、記憶部63に格納させる(ステップ116)。
【0050】
例えば、後記する配合供給能力の変更がなされるまでは、計量機20における1バッチ目標量は、初期設定時バッチ量(図5(b)では、6000g)であり、計量時間t4が、1分であったとすれば、計量能力Yは、360kg/hとなる(図5(b)参照)。
一般的に、上述のように、配合供給装置では、種々の成形機または成形機の種々の稼働態様に適用可能なように、配合供給装置における最大配合供給能力は、十分に大きく設定されている。また、計量機20以外の各部における混合工程及び輸送工程において要する時間に遅延時間を加えた所要時間よりも、計量工程において要する所要時間が基本的には長く、上記した第1待機モードでは、計量能力Yは、当該配合供給装置1における、射出成形機9に向けて単位時間当たりに供給可能な材料の配合供給能力に相当し、本動作例では、計量能力Yを配合供給能力としている。
【0051】
尚、計量能力Yは、後記する配合供給能力変更パターンAにおいては、定常運転に移行した後の一度の計量工程から算出し、格納するようにしてもよいが、図4(b)の二点鎖線で示すように、後記する配合供給能力変更パターンBにおいては、計量工程が実行される毎に計量能力Yを算出し、格納するようにしている。
【0052】
<配合供給能力変更パターンA>
図5(a)に示すように、検出して格納した処理能力Xと計量能力Yとを比較し、処理能力Xに応じた目標計量能力を算出して、1バッチ目標量を算出する(ステップ200)。その1バッチ目標量から算出された各材料の目標設定値が、最小計量可能値以下であるかを判別し(ステップ201)、その目標設定値が最小計量可能値以下であれば、変更前の1バッチ目標量(図5(b)では、初期設定時バッチ量の6000g)を、その最小計量可能値に基づいて算出した最低バッチ目標量(図5(b)では、500g)に変更する(ステップ202)。一方、上記目標設定値が最小計量可能値を超えていれば、変更前の1バッチ目標量を、所定の1バッチ目標量に変更する(ステップ203)。
上記最小計量可能値は、計量機20において、上述のように材料毎に計量する際に、計量可能な値として予め設定されており、図5(b)の例では、5gを最小計量可能値として設定している。
【0053】
上記所定の1バッチ目標量の算出は、例えば、上述のように、定常運転移行後における処理能力Xが、120kg/hであり、計量能力Yが、360kg/hであった場合を例にすれば、計量能力Yが、処理能力Xよりも過剰であるので、処理能力Xに見合った120kg/hとなるように、目標計量能力を算出し、この目標計量能力から1バッチ目標量(図5(b)の例では、2000g)を算出するようにすればよい。すなわち、変更前に検出した計量能力Y(360kg/h)を処理能力X(120kg/h)に一致させるように目標計量能力(120kg/h)を算出し、この目標計量能力の上記計量能力Yに対する減少割合に応じて、初期設定時バッチ量(6000g)から1バッチ目標量(2000g)を算出するようにすればよい。このように算出された1バッチ目標量と予め設定された質量比とから各材料の設定値が算出される。
【0054】
上記のように、処理能力Xに、目標計量能力を一致させ、1バッチ目標量を算出して設定し、更新させる場合は、処理能力Xを、例えば、10kg/h刻みで安全側の値となるように、切り捨てて端数処理した値(例えば、115kg/hであった場合は、120kg/h)を処理能力Xとして格納するようにしてもよい。
また、このように、処理能力Xに、目標計量能力を一致させ、1バッチ目標量を算出して設定し、更新させる場合にも、1バッチ目標量が減少することで、上記した計量時間t4が短くなり、1バッチ目標量を更新後の実際の計量能力Y(実測値)は、大きくなるので、射出成形機9側へのショートフィード等が生じるような問題もない。
【0055】
上記のように1バッチ目標量を更新した後は、その1バッチ目標量で計量を行い、上記定常運転時における同様の動作(第1待機モード)で配合供給の実行がなされ、処理能力Xが所定の閾値以上に増加すれば(ステップ204)、1バッチ目標量をリセットし(ステップ205)、初期準備運転に移行させる。
例えば、当該配合供給装置1に、供給先として複数台の射出成形機9が接続されていたり、新たに接続されたりして、供給すべき射出成形機9の稼働台数が増加したような場合には、処理能力Xが大幅に増加し、更新した1バッチ目標量では、ショートフィードが生じる場合がある。従って、本動作例では、上記のように処理能力Xの許容増加幅を予め設定しておき、変更した1バッチ目標量をリセットして、初期設定時バッチ量に戻し、初期準備運転に移行させるようにしている。この初期準備運転に移行した後は、上記同様、定常運転に移行したか否かを判別し、処理能力X及び計量能力Yを検出して、配合供給能力を減少させるように更新して配合供給を実行させるようにしてもよい。
【0056】
尚、上記処理能力Xが所定の閾値以上に増加したときに、アラームや異常メッセージ等をスピーカ等の報知手段から鳴動させるようにしてもよい。
また、上記のように、処理能力Xを常時、監視しながら、異常(処理能力Xの大幅な増加)を検出するような態様に代えて、手動操作により、リセットするような態様としてもよい。または、上記ステップ204以降の工程を実行しない態様としてもよい。
または、処理能力Xが、増加した場合には、計量能力Yが処理能力Xに見合った値となるように目標計量能力を算出し、1バッチ目標量を増加させるように更新してもよい。
【0057】
<計量回数制御パターンA>
次に、計量回数制御プログラムの一動作例について図6に基づいて説明する。
まず、事前設定入力項目として、当該配合供給装置1の起動後、1ショット量と、残ショット数S1とを操作パネル62から入力させ、記憶部63に格納する。
この1ショット量は、射出成形機9において成形された成形品のうちの良品を、例えば、ユーザーが計量して確認し、入力させるようにしてもよく、または、射出成形機9において成形データとして1ショット量が表示等されている場合には、それを参照して、入力させるようにしてもよい。
また、上記残ショット数S1は、残り成形量等をユーザー側で確認し、適宜の回数を入力させるようにしてもよく、または、予め単一若しくは複数の残ショット数S1を設定しておき、操作パネル62に表示させて、ユーザーに選択させるような態様としてもよい。さらに、この残ショット数S1の入力または選択により、成形終了予定信号を生成するようにしてもよい。この場合は、操作パネル62における残ショット数S1入力部が信号生成部を構成する。
【0058】
次いで、図6(a)に示すように、上記同様にして検出して格納された処理能力Xと、操作パネル62に入力された上記1ショット量とから、1ショットサイクル時間t7を算出し、記憶部63に格納させる。例えば、上記のように処理能力Xが、120kg/hで、入力された1ショット量が、100gであれば、1ショットサイクル時間は、3秒となる。この1ショットサイクル時間t7の算出は、上記定常運転移行後に算出するようにしてもよい。
また、チャージホッパー50の材料センサー52の検出レベル以下の貯留容量と、各材料の質量比及び各材料の嵩密度とから、上記検出レベル以下の材料待機量LM(図1も参照)を算出し、記憶部63に格納させる。この材料待機量LMの算出は、当該配合供給装置1の起動後の適時に算出するようにしてもよい。
尚、以下では、便宜的に、材料待機量LMを4000gとして説明する。
【0059】
上記貯留容量は、予め設定して記憶部63に格納させておいてもよく、操作パネル62から事前設定入力項目として入力させるようにしてもよい。また、上記各材料の嵩密度も同様に、事前設定入力項目として操作パネル62から入力させるようにしてもよい。
上記各事前設定入力項目の入力が、上記定常運転移行後になされなければ、アラームや異常メッセージ等を操作パネル62に表示させたり、スピーカ等の報知手段から鳴動させたりするようにし、入力を促すようにしてもよい。
また、上述のように、射出成形機9からショットサイクル時間が出力されるような場合には、CPU61においてその出力信号を受信し、ショットサイクル時間t7を記憶部63に格納させるようにしたり、射出成形機9において成形データとして表示されるような場合には、そのデータをユーザーに確認させ、操作パネル62に入力させるようにしたりしてもよい。これらの場合は、上記ショットサイクル時間t7の算出は不要である。
または、単位時間当たりのショット数が射出成形機9から出力されるような場合には、このショット数と、処理能力Xとから1ショット量及び1ショットサイクル時間t7を算出するようにしてもよい。
【0060】
上記のように、各種事前設定入力項目が設定入力され、かつ、1ショットサイクル時間t7及び材料待機量LMが格納されれば、図6(b)に示すように、成形終了予定スイッチ62aの操作の有無を監視する(ステップ300)。
成形終了予定スイッチ62aが操作されれば(ステップ300)、タイマーを起動させる(ステップ301)。そして、チャージホッパー50の材料センサー52からの材料要求信号が出力されれば(ステップ302)、タイマーをリセットし、上記成形終了予定スイッチ62aの操作により生成、出力された成形終了予定信号から、上記材料要求信号までの時間t8を記憶部63に格納させる(ステップ303)。
尚、上記のように、残ショット数S1の入力により、成形終了予定信号が生成される態様とした場合には、ステップ300において、成形終了予定スイッチ62aの操作の有無を監視する態様に代えて、残ショット数S1の入力の有無を監視して、ステップ301においてタイマーを起動させるようにしてもよい。この場合は、成形終了予定スイッチ62aを設けないようにしてもよい。
【0061】
次いで、上記1ショットサイクル時間t7と、上記時間t8とから、チャージホッパー50の材料センサー52の検出レベル上部の材料UM(図1も参照)で射出されたショット数S2を算出し、記憶部63に格納させる(ステップ304)。例えば、上記のように、1ショットサイクル時間t7が3秒で、上記時間t8が30秒であったとすれば、検出レベル上部の材料UMで射出されたショット数S2は、10ショットである。
この検出レベル上部の材料UMは、材料センサー52が材料レベルの下限を検出するものであるので、成形終了予定信号が出力された時点において、不明である。本動作例では、上記1ショットサイクル時間t7と、上記時間t8とから、この検出レベル上部の材料UMで射出されたショット数S2、すなわち、成形終了予定信号から材料センサー52の材料要求信号までの間に射出成形機9において処理された量を算出するようにしている。
尚、このような態様に代えて、成形終了予定信号が出力された時点における、検出レベル上部の材料UMの量を検出可能なセンサー等を設け、この量を後記する待機量TMに加える、または、後記する必要量から減算するようにしてもよい。
【0062】
上記ショット数S2を算出した後、入力された上記残ショット数S1から、このショット数S2を減算し、必要残ショット数Sを算出する。さらに、この必要残ショット数Sと、上記1ショット量とから必要量Wを算出し、記憶部63に格納させる(ステップ305)。
例えば、入力された残ショット数S1が、200ショットとすれば、上記ショット数S2(10ショット)を減じ、必要残ショット数Sは、190ショットとなり、上記1ショット量を乗じて、必要量Wは、19kgとなる。
【0063】
このように、必要量Wを算出し、格納させた後、または、上記各ステップと並行して、計量機20からチャージホッパー50上流側までに待機している材料の待機量(上流側待機量)Mを算出し、この上流側待機量Mと、上記材料待機量LMとから、待機量TMを算出し、記憶部63に格納させる(ステップ306)。
この上流側待機量Mは、当該配合供給装置1の各部における計量動作、混合動作及び輸送動作等をCPU61によって監視し、これら各部における材料の待機有無(待機状態)を判別し、算出される。例えば、計量機20が計量動作中であるか否かを判別し、計量動作中であれば、計量完了時の計量待機量を、上流側待機量Mに含めるようにしてもよい。
上記のように、1バッチ目標量を減少させた後の上流側待機量Mを例にすれば、上記第1待機モードでは、計量機20における待機量(1バッチ目標量)が、2000gで、混合ドラム30、一時貯留ホッパー40または輸送中の材料の待機量(1バッチ目標量)が、2000gであり、上流側待機量Mは、4000gとなる。
【0064】
この上流側待機量M(4000g)に、上記した材料待機量LM(4000g)を加えれば、待機量TM(8000g)が算出される(ステップ306)。
次いで、上記した必要量W(19kg)から、待機量TM(8000g)を減算して、残り必要量RW(11kg)を算出し、記憶部63に格納させる(ステップ307)。
この残り必要量RWを計量機20の1バッチ目標量で除して、残り必要計量回数Nを算出し、記憶部63に格納させる(ステップ308)。例えば、上記した1バッチ目標量を、2000gとした場合を例にすれば、残り必要計量回数Nは、5.5回となる。このように算出された残り必要計量回数Nを、例えば、ショートフィードなどが生じないよう、安全側に端数処理し、6回とするようにしてもよい。
次いで、上記のように算出された残り必要計量回数Nの計量を、設定された1バッチ目標量(上記例では、2000g)で、計量機20に実行させ、以降の計量機20の計量動作を停止させる(ステップ309)。すなわち、残り必要計量回数N回の計量を実行した後は、計量機20の下流側からの材料要求信号が出力された際にも計量を実行させないようにしている。尚、残り必要計量回数N回目またはその後の適時以降は、各材料センサー42,52から材料要求信号を出力させないような態様としてもよい。
【0065】
以上のように、本動作例では、必要量Wから、待機量TMを減算して残り必要量RWを算出し、それに応じた残り必要計量回数Nを算出して、その回数Nに応じた計量を、計量機20に実行させて、以降の計量動作を停止させるようにしているので、成形終了予定信号が出力された後、成形終了時には、予定通りの成形品が成形され、かつ、残材を効率的に減少化させることができる。この結果、材料の無駄を低減でき、かつ廃棄量を減少させることができる。例えば、上記した例を挙げて説明すれば、残り必要量RW(11kg)に対して、計量機20において計量された材料は、12kgであり、残材は、概ね1000gとなり、本動作例によれば、大幅に残材を減少させることができる。
【0066】
また、特に、本動作例では、配合供給能力変更プログラムを実行して、射出成形機9の処理能力Xに応じた配合供給能力で、配合供給を実行させるようにしているので、射出成形機9が緊急停止された場合や、成形終了予定スイッチ62aの操作忘れ、または、各種事前設定入力項目の入力間違い等があった場合にも、残材を減少させることができる。すなわち、緊急停止等があった場合にも、計量機20及び一時貯留ホッパー40においてそれぞれ計量待機及び貯留されている1バッチ量分の材料、並びにチャージホッパー50に輸送されて徐々に消費される1バッチ量分の材料を減少させることができる。
さらに、上記のように、1バッチ目標量を、射出成形機9の処理能力Xに合わせて減少させておくことで、上記のように、残り必要計量回数Nを算出した後の端数分に相当する1バッチ量が小さくなり、より効率的に、残材を減少化させることができる。
【0067】
尚、上記1ショット量と、上記残ショット数S1とから、上記残ショット数S1が適切か否かを判別し、適切でないときには、アラームや異常メッセージ等を操作パネル62に表示させたり、スピーカ等の報知手段から鳴動させたりするようにし、残ショット数S1の入力を訂正させるようにしてもよい。例えば、上記のように、この残ショット数S1に基づいて算出される必要量Wが、当該配合供給装置1の上記待機状態等に基づいて算出された待機量TMを下回らないように、残ショット数S1の設定がなされるようにすることが好ましい。例えば、1ショット量と入力(または選択)された残ショット数S1とから仮の必要量を算出し、この仮必要量が、当該配合供給装置1における上記待機状態等に基づいて算出される上記待機量TMを下回れば、残ショット数S1の入力訂正を促すようにしてもよい。
または、このように、必要量Wが待機量TMを下回らないことを前提とした制御態様に代えて、例えば、上記のように、必要量Wと、待機量TMとを算出した後、待機量TMが、必要量Wを上回っているときには、以降の計量機20の計量動作を停止させるようにしてもよい。このような場合にも、上述のように、本動作例では、1バッチ目標量を、射出成形機9の処理能力Xに合わせて減少させているので、残材を減少化させることができる。
【0068】
また、本動作例では、成形終了予定信号を生成する信号生成部の一例として、成形終了予定スイッチ62aを設けてユーザーに操作させる態様とした例を示しているが、例えば、射出成形機9の成形品の排出側に、残り成形量を検出する検出手段(例えば、残りトレーの枚数検出や、排出成形品の量を検出するセンサー等)等を設け、この残り成形量検出手段からの出力信号を、成形終了予定信号としてCPU61において受信して、上記同様に、計量回数制御を実行するようにしてもよい。
さらに、本動作例では、上記計量回数制御プログラムに加えて、配合供給能力変更プログラムを実行するようにした例を示したが、上記計量回数制御プログラムのみを実行する態様としてもよい。
【0069】
次に、本実施形態に係る材料配合供給装置1で実行される計量回数制御プログラムの他の動作例を図7に基づいて説明する。
尚、上記した計量回数制御パターンAと異なる動作態様等について主に説明し、同様の動作態様等については説明を省略する。
【0070】
<計量回数制御パターンB>
まず、事前設定入力項目として、当該配合供給装置1の起動後、1ショットサイクル時間と、残ショット数S1とを操作パネル62から入力させ、記憶部63に格納する。
この1ショットサイクル時間は、上述のように、射出成形機9において成形データとして表示されるような場合には、そのデータをユーザーに確認させ、操作パネル62に入力させるようにしてもよい。または、上述のように、射出成形機9からショットサイクル時間が出力されるような場合には、CPU61においてその出力信号を受信し、ショットサイクル時間を記憶部63に格納させるようにしてもよい。この場合は、上記1ショットサイクル時間の入力は不要である。
【0071】
上記1ショットサイクル時間と、処理能力Xと、残ショット数S1とに基づいて、必要量Wを算出し、記憶部63に格納させる。例えば、上記例と同様、1ショットサイクル時間が3秒、処理能力Xが120kg/h、残ショット数S1が200ショットとすれば、1ショットサイクル時間と処理能力Xとから、1ショット量(100g)を算出し、これに残ショット数S1を乗じれば、必要量Wは、20kgとなる。
また、上記計量回数制御パターンAと同様にして、材料待機量LMを算出し、記憶部63に格納させる。
【0072】
上記のように、各種事前設定入力項目が設定入力され、かつ、必要量W及び材料待機量LMが格納されれば、図7(b)に示すように、成形終了予定スイッチ62aの操作の有無を監視する(ステップ300)。または、上記のように、残ショット数S1の入力により、成形終了予定信号が生成される態様とした場合には、ステップ300において、成形終了予定スイッチ62aの操作の有無を監視する態様に代えて、残ショット数S1の入力の有無を監視するようにしてもよい。
次いで、成形終了予定スイッチ62aが操作されれば(ステップ300)、上記計量回数制御パターンAにおけるステップ306〜309と同様にして、ステップ316〜319を実行する。
【0073】
すなわち、計量機20からチャージホッパー50上流側までに待機している材料の待機量(上流側待機量)Mを算出し、この上流側待機量Mと、上記材料待機量LMとから、待機量TMを算出し、記憶部63に格納させる(ステップ316)。
次いで、上記した必要量W(20kg)から、待機量TM(8000g)を減算して、残り必要量RW(12kg)を算出し、記憶部63に格納させる(ステップ317)。
この残り必要量RWを計量機20の1バッチ目標量で除して、残り必要計量回数Nを算出し、記憶部63に格納させる(ステップ318)。例えば、上記した1バッチ目標量を、2000gとした場合を例にすれば、残り必要計量回数Nは、6回となる。
次いで、上記のように算出された残り必要計量回数Nの計量を、設定された1バッチ目標量(上記例では、2000g)で、計量機20に実行させ、以降の計量機20の計量動作を停止させる(ステップ319)。
【0074】
以上のように、本動作例においても、成形終了予定信号が出力された後、成形終了時には、予定通りの成形品が成形され、かつ、残材を効率的に減少化させることができる。この結果、材料の無駄を低減でき、かつ廃棄量を減少させることができる。例えば、上記した例を挙げて説明すれば、残り必要量RW(12kg)に対して、計量機20において計量された材料は、12kgであり、残材は、成形終了予定信号が出力された時点における、チャージホッパー50の材料センサー52の検出レベル上部の不明の材料分に、残り必要計量回数Nを算出した後の端数分を加えた量、すなわち、最大でも2バッチ量分未満となり、本動作例によっても、残材を減少させることができる。
尚、本動作例において、必要量Wを算出する態様は、上記した例に限られず、例えば、1ショット量を、上記計量回数制御パターンAにおいて説明したように、入力させる、または、算出し、その1ショット量に、残ショット数S1を乗じて必要量Wを算出するようにしてもよい。
また、本動作例では、成形終了予定信号が出力された時点における、チャージホッパー50の材料センサー52の検出レベル上部の不明の材料分が残材となるため、残り必要計量回数Nを端数処理する際に、切り捨て、または四捨五入するようにしてもよい。
【0075】
次に、本実施形態に係る材料配合供給装置1で実行される計量回数制御プログラムの更に他の動作例を図8に基づいて説明する。
尚、本動作例では、上記した計量回数制御パターンA及びパターンBにおけるステップ308またはステップ318以降に代えて、以下のステップ328〜332を実行するようにしており、ステップ307またはステップ317以前については、上記した計量回数制御パターンA及びパターンBと同様であるので説明を省略する。
【0076】
<計量回数制御パターンC>
本動作例では、上記のように、残り必要量RWを算出した後、この残り必要量RWを計量機20の1バッチ目標量で除して、残り必要計量回数Nと回数余りRとを算出し、記憶部63に格納させるようにしている(ステップ328)。すなわち、上記した各動作例のように、端数処理せずに、回数余りR(上記した計量回数制御パターンAの例では、0.5)を算出し、格納させるようにしている。
次いで、この回数余りRに応じた余りバッチ目標量を算出し、記憶部63に格納させる(ステップ329)。例えば、上記した1バッチ目標量を、2000gとした場合を例にすれば、余りバッチ目標量は、1000gとなる。
尚、この際、余りバッチ目標量に、安全率(安全係数、例えば、1.1〜1.3程度)を乗じるようにしてもよい。
【0077】
次いで、この余りバッチ目標量に基づいて算出された各材料の目標設定値が、図5(a)に基づいて説明したステップ201と同様、最小計量可能値以下であるかを判別し(ステップ330)、その目標設定値が最小計量可能値以下であれば、余りバッチ目標量を、最低バッチ目標量に変更し、記憶部63に格納させる(ステップ331)。
一方、上記目標設定値が最小計量可能値を超えていれば、所定の余りバッチ目標量を記憶部63に格納させる。
次いで、上記のように算出された残り必要計量回数Nの計量を、設定された1バッチ目標量(上記例では、2000g)で、計量機20に実行させるとともに、余りバッチ目標量(上記例では、1000g)で、1回の計量を計量機20に実行させ、以降の計量機20の計量動作を停止させる(ステップ332)。
【0078】
以上のように、本動作例によれば、上記した計量回数制御パターンA及びパターンBのように、残り必要計量回数の算出時に、端数処理を行わず、回数余りRから余りバッチ目標量を算出するようにしているので、より効率的に成形終了時における残材を減少させることができる。
特に、上記した計量回数制御パターンAと組み合わせた動作態様とすれば、成形終了時における残材を、より一層、効率的に減少させることができる。
【0079】
尚、上記した各計量回数制御プログラムの動作例(パターンA,B,C)においては、チャージホッパー50の材料センサー52の検出レベル以下の材料待機量LMを算出し、この材料待機量LMを、計量機20からチャージホッパー50上流側までに待機している上流側待機量Mに加えて、待機量TMを算出する例を示しているが、材料待機量LMを加えずに、上流側待機量Mのみ、または、上流側待機量Mに検出レベル上部の材料UMを加えたものを、待機量TMとして把握するようにしてもよい。このような態様では、上記パターンA、パターンBのように、残り必要計量回数Nを端数処理する際には、切り捨てるようにしてもよい。
また、上記した各計量回数制御プログラムの動作例(パターンA,B,C)においては、当該配合供給装置1の供給先としての成形機を、射出成形機9として説明したが、例えば、押出成形機等にも適用可能である。この場合には、残ショット数に代えて、残押出量等を入力または選択させるようにしてもよい。
【0080】
次に、本実施形態に係る材料配合供給装置1で実行される配合供給能力変更プログラムの他の動作例を図9に基づいて説明する。
尚、定常運転移行検出、処理能力検出、及び計量能力検出の態様は、上記した配合供給能力変更パターンAの動作例と同様であるので説明を省略する。
また、本動作例は、上記した配合供給能力変更パターンAに代えて、上記した各計量回数制御プログラムの動作例(パターンA,B,C)とともに、当該配合供給装置1において実行可能である。
上記した配合供給能力変更パターンAの動作例では、定常運転に移行した後の処理能力Xと計量能力Yとに基づいて、計量機20において計量させる1バッチ目標量を、1度のみ変更して更新する態様としたが、本動作例では、段階的に1バッチ目標量を減少させ、計量能力Yを処理能力Xに所定基準まで近づける制御を実行する態様としている。
【0081】
<配合供給能力変更パターンB>
すなわち、図9に示すように、まず、上記同様に、検出して格納した処理能力Xと計量能力Yとを比較し、処理能力Xに応じた目標計量能力を算出して、1バッチ目標量を算出する(ステップ210)。この際、本動作例では、処理能力Xに、所定の安全率(安全係数、1.1程度としてもよい)を乗じて目標計量能力を算出するようにしている。
例えば、上記同様に、定常運転移行後における処理能力Xが、120kg/hであり、計量能力Yが、360kg/hであった場合を例にすれば、計量能力Yを処理能力Xに一致させて、120kg/hとし、これに安全係数1.1を乗じて、132kg/hとし、この目標計量能力の上記計量能力Yに対する減少割合から1バッチ目標量(2200g)を算出するようにしている。
【0082】
上記のように算出した1バッチ目標量から、上記同様にして各材料の目標設定値を算出し、最小計量可能値以下であるかを判別し(ステップ211)、その目標設定値が最小計量可能値以下であれば、変更前の1バッチ目標量を、その最小計量可能値に基づいて算出した最低バッチ目標量に変更する(ステップ212)。一方、上記目標設定値が最小計量可能値を超えていれば、変更前の1バッチ目標量を、所定の1バッチ目標量に変更する(ステップ213)。
ステップ212または213において、1バッチ目標量を更新した後、上記同様、処理能力Xが所定の閾値以上に増加すれば(ステップ214またはステップ216)、1バッチ目標量をリセットし(ステップ215)、初期準備運転に移行させる。
一方、上記目標設定値が最小計量可能値を超えている場合において、再度、検出された計量能力Yが上記目標計量能力に所定基準まで近づいていない場合(ステップ217)には、ステップ210に戻り、再度、上記同様にして、1バッチ目標量を算出する(ステップ210)。
【0083】
つまり、1バッチ目標量を減少させて更新すれば、上述のように、実際の計量能力Yは、計量時間t4が短くなるので大きくなり、1バッチ目標量更新後の次の計量動作時に検出される計量能力Yが、設定した目標計量能力よりも大きくなる。
そこで、本動作例では、上記1バッチ目標量は、更新前の計量能力Yを算出時の計量時間t4(1分)と、目標計量能力(132kg/h)とに基づいて、暫定値として算出し、1バッチ目標量更新後の次の計量動作時に検出される計量能力Yに基づいて、再度、1バッチ目標量を算出、更新し、以後、計量能力Yが上記目標計量能力に所定基準まで近づくまで、1バッチ目標量の更新を実行するようにしている。
【0084】
例えば、上記のように、1バッチ目標量を、6000gから2200gに更新した場合において、次の計量動作時の計量時間t4が、実際には、1分ではなく、45秒であったとすれば、更新後の計量能力Yの実測値は、176kg/hとなる。この実測値の計量時間t4(45秒)と、目標計量能力(132kg/h)とに基づいて、1バッチ目標量を再度、算出すれば、1650gとなり、1バッチ目標量を更新する。以下、同様にして、更新前の計量能力Yを算出時の計量時間t4と目標計量能力とに基づいて、暫定値として1バッチ目標量を算出、更新し、更新後の次の計量能力Y検出時における計量時間t4と目標計量能力とに基づいて、1バッチ目標量を算出、更新するという手順を繰り返し、計量能力Yが、目標計量能力に所定基準まで近づくまで、1バッチ目標量を減少させて更新する工程を繰り返し行うようにしている(ステップ217、210)。すなわち、本動作例では、2回の計量動作が行われる毎に、1バッチ目標量の更新がなされる。
上記目標計量能力に所定基準まで近づいたか否かの判別は、例えば、目標計量能力に±数%(例えば、±5%)程度の閾値を設定しておき、更新された計量能力Yが、その閾値の範囲内にあれば、目標計量能力に所定基準まで近づいたと判別するようにしてもよい。
【0085】
以上のように、本動作例では、計量能力Yが、処理能力Xを基準に算出された目標計量能力に所定基準まで近づくまで、1バッチ目標量を減少させて更新する工程を繰り返し行うようにしているので、緊急停止時等における配合済み材料(残材)を、より効率的に減少させることができる。つまり、射出成形機9の処理能力Xに、見合った能力で、かつ必要最小限の能力に計量能力Yを、減少化させることができ、残材を大幅に減少させることができる。
【0086】
尚、上記のように、1バッチ目標量の更新を、計量能力Yが目標計量能力に所定基準まで近づくまで繰り返す態様に代えて、例えば、予め1バッチ目標量の更新回数Nを設定しておき、そのN回だけ更新するような態様としてもよい。
また、上記動作例では、初回更新時に、処理能力Xに安全率を乗じて目標計量能力を算出し、それに基づいて1バッチ目標量を算出する態様としているが、例えば、初回または複数回目までの更新は、上記した配合供給能力変更パターンAと同様にして1バッチ目標量を算出し、2回目または複数回目以降の更新は、本動作例における1バッチ目標量の算出態様とするようにしてもよい。
【0087】
また、上記した各配合供給能力変更プログラムの動作例(パターンA及びパターンB)では、自動検出した計量能力Yと処理能力Xとを比較して、その自動検出した計量能力Yを処理能力Xに見合った所定能力となるように所定態様で目標計量能力を算出し、その算出した目標計量能力から1バッチ目標量を算出して更新する態様としているが、このような態様に限られない。例えば、成形機の処理能力と計量機の1バッチ目標量とを対応させたテーブルを予め格納させておき、このテーブルに基づいて、1バッチ目標量を変更するようにしてもよい。この場合は、配合する材料の種類や計量する材料点数に応じて、複数種類のテーブルを用意しておくようにしてもよい。また、このようにテーブルを作成する際には、ショートフィード等が生じないように、安全率を大きく設定して1バッチ目標量と処理能力とを対応づけるようにしてもよい。
【0088】
次に、本実施形態に係る材料配合供給装置1で実行される配合供給能力変更プログラムの更に他の動作例を図10〜図12に基づいて説明する。
尚、定常運転移行検出、及び処理能力検出の態様は、上記した各例と同様であるので説明を省略する。
また、本動作例は、上記した配合供給能力変更パターンA若しくはパターンBに代えて、または加えて、上記した各計量回数制御プログラムの動作例(パターンA,B,C)とともに、当該配合供給装置1において実行可能である。
【0089】
上記した配合供給能力変更パターンA及びパターンBの動作例では、定常運転に移行した後の処理能力Xと計量能力Yとに基づいて、1バッチ目標量を減少させることで、当該配合供給装置1における配合供給能力を減少させる態様としているが、本動作例では、計量機20及び一時貯留ホッパー40における材料の待機態様有無の組み合わせから複数の待機モードの実行を可能とし、この待機モードを変更することで、当該配合供給装置1における配合供給能力を減少させる態様としている。
本動作例では、上記第1待機モードと、図11に示す第2待機モードと、図12に示す第3待機モードとの実行が可能とされており、まず、これら第2待機モード及び第3待機モードの動作例について、図11及び図12に基づいて説明する。
尚、第1待機モードについては、上記同様であるので説明を省略する。
【0090】
<第2待機モード>
この第2待機モードでは、図11に示すように、チャージホッパー50の材料センサー52からの材料要求信号が出力されるまでに、一時貯留ホッパー40に1バッチ量分の材料を補給して待機(貯留保持)させ、かつ、一時貯留ホッパー40の材料センサー42からの材料要求信号が出力されるまでは、計量機20に材料を計量待機させずに、材料センサー42からの材料要求信号が出力された後に、計量を開始させるようにしている。
【0091】
すなわち、チャージホッパー50の材料センサー52からの材料要求信号が出力されれば、上記した吸引ブロアー6を輸送時間t1が経過するまで作動させて、一時貯留ホッパー40に貯留された1バッチ量分の材料を、チャージホッパー50に輸送する。一時貯留ホッパー40の材料センサー42から材料要求信号が出力されれば、計量機20において計量工程を実行し、計量工程が終了すれば、混合ドラムにおいて混合工程を実行させ、一時貯留ホッパー40に混合済みの材料を投入させ、一時貯留ホッパー40において1バッチ量分の材料を待機させる。
このように、第2待機モードでは、計量工程と混合工程とが並行して実行されず、直列的に順次、実行され、また、混合工程が終了した後も、一時貯留ホッパー40の材料センサー42からの材料要求信号が出力されるまでは、計量を開始しないようにしている。
以下、同様にしてチャージホッパー50の材料センサー52からの材料要求信号が出力される毎に、材料の輸送、計量及び混合が直列的に実行される。
【0092】
<第3待機モード>
この第3待機モードでは、図12に示すように、チャージホッパー50の材料センサー52からの材料要求信号が出力されるまでは、計量機20及び一時貯留ホッパー40に材料を計量待機及び貯留保持させずに、材料センサー52からの材料要求信号が出力された後に、計量を開始させるようにしている。
すなわち、チャージホッパー50の材料センサー52からの材料要求信号が出力されれば、計量機20において計量工程を実行し、計量工程が終了すれば、混合ドラムにおいて混合工程を実行させ、混合済みの材料を一時貯留ホッパー40に投入させる。これにより、一時貯留ホッパー40の材料センサー42が材料有を検出し、上記した吸引ブロアー6を輸送時間t1が経過するまで作動させて、一時貯留ホッパー40に貯留された1バッチ量分の材料を、チャージホッパー50に輸送する。
このように、第3待機モードでは、上記第2待機モードと同様、計量工程と混合工程とが並行して実行されず、直列的に順次、実行され、さらに、計量機20及び一時貯留ホッパー40に概ね材料を待機(計量待機及び貯留保持)させずに空状態としている。
以下、同様にしてチャージホッパー50の材料センサー52からの材料要求信号が出力される毎に、材料の計量、混合及び輸送が直列的に実行される。
【0093】
<配合供給能力変更パターンC>
上記にて説明した各モードにおける配合供給能力は、その待機態様から明らかなように、第1待機モードが最大、第3待機モードが最小であり、これら各モードの選択は、射出成形機9における上記処理能力Xと、各モードの待機態様に基づいて算出される基準時間条件等とに基づいてなされる。
まず、図10(b)に示すように、所定の初期準備運転を実行(ステップ100)した後、定常運転への移行を検出すれば(ステップ101)、チャージホッパー50の材料センサー52の検出レベル以下の材料待機量LMと、処理能力Xとから、検出レベル以下の材料の供給可能時間t9を算出し、記憶部63に格納させる(ステップ122)。すなわち、検出レベル以下の材料待機量LMで、どれだけの成形時間(処理時間)が賄えるかを算出する。
【0094】
また、1バッチ目標量と、処理能力Xとから、一時貯留ホッパー40に貯留保持される材料の供給可能時間t10を算出し、記憶部63に格納させる(ステップ123)。すなわち、一時貯留ホッパー40に貯留保持される材料で、どれだけの成形時間(処理時間)が賄えるかを算出する。
また、計量時間t4、混合時間t5、及び各部における輸送時間、並びに各部における遅延時間から、上記計量工程、上記混合工程、及び上記輸送工程を直列的に実行する場合における配合供給可能時間t11を算出し、記憶部63に格納させる(ステップ124)。すなわち、チャージホッパー50の材料センサー52から材料要求信号が出力された後に、計量された1バッチ量分の材料が、チャージホッパー50に投入されるまでの時間を算出する。
尚、上記ステップ122、ステップ123、及びステップ124は、図10(a)示した順に実行する必要はなく、並列的に実行するようにしてもよい。
【0095】
上記のように各基準時間t9,t10,t11が算出され、格納されれば、これらを比較して、各待機モードを変更する配合供給能力変更パターンCを実行する。
すなわち、図10(b)に示すように、供給可能時間t9と、配合供給可能時間t11とを比較して、配合供給可能時間t11が、供給可能時間t9以上でなければ、つまり、配合供給可能時間t11が、供給可能時間t9よりも小さければ(ステップ220)、初期設定時のモードである上記第1待機モードを上記第3待機モードに変更させる(ステップ221)。すなわち、第3待機モードにおける配合供給能力が、処理能力Xよりも大きいと判別し、第1待機モードを第3待機モードに変更し、以降の配合供給を、上記第3待機モードで実行する。
【0096】
一方、配合供給可能時間t11が、供給可能時間t9以上で(ステップ220)、かつ、供給可能時間t9に供給可能時間t10を加えた時間以上であれば(ステップ222)、第2待機モード及び第3待機モードにおける配合供給能力よりも処理能力Xが大きいと判別し、初期設定時のモードである上記第1待機モードを継続する(ステップ223)。
また、配合供給可能時間t11が、供給可能時間t9以上で(ステップ220)、かつ、供給可能時間t9に供給可能時間t10を加えた時間よりも小さければ(ステップ222)、第2待機モードにおける配合供給能力が、処理能力Xよりも大きいと判別し、第1待機モードを第2待機モードに変更し(ステップ224)、以降の配合供給を、上記第2待機モードで実行する。
ステップ221または224において、上記のように待機モードを変更した後、上記同様、処理能力Xが所定の閾値以上に増加すれば(ステップ225)、各待機モードから第1待機モードに変更し(ステップ226)、初期準備運転に移行させる。
【0097】
以上のように、本動作例では、検出した処理能力Xと、各待機モードの待機態様に基づいて算出される基準時間条件等とに基づいて、待機モード変更が可能なときには、待機モードを変更させて、当該配合供給装置1の配合供給能力を減少させるようにしているので、上記同様、緊急停止時における配合済み材料(残材)を減少させることができる。つまり、上記第2待機モードでは、一時貯留ホッパー40の材料センサー42からの材料要求信号が出力されるまでは、計量機20に材料を計量待機させずに、材料センサー42からの材料要求信号が出力された後に、計量を開始させるようにしているので、計量機20において、材料が常時、計量待機されることがなく、それに応じた残材を減少させることができる。また、上記第3待機モードでは、計量機20及び一時貯留ホッパー40に概ね材料を待機(計量待機及び貯留保持)させずに空状態としているので、第2待機モードよりも更に残材を減少させることができる。
【0098】
尚、本動作例において、第2待機モードまたは第3待機モードに変更されて配合供給が実行されている場合において、上記した各計量回数制御プログラムの動作例(パターンA,B,C)の実行がなされる際にも、上記同様にして、当該配合供給装置1の各部における材料の待機有無(待機状態)を判別し、上流側待機量Mを算出することで、本動作例の適用が可能である。
また、待機モードを変更して配合供給能力を減少させる本動作例に加えて、上記配合供給能力変更パターンA及びパターンBのように、1バッチ目標量を変更して配合供給能力を減少させる態様を実行する場合は、配合供給可能時間t11と1バッチ目標量とから直列運転時における配合供給能力を算出し、この配合供給能力を、上記計量能力に代えて適用するようにしてもよい。例えば、待機モードの変更が可能か否かを判別し、待機モードを変更した後、変更後の待機モードが、上記第1待機モードであれば、上記同様、計量能力に基づいて、1バッチ目標量を減少させる態様とする一方、変更後の待機モードが、上記第2待機モードまたは第3待機モードであれば、上記直列運転時における配合供給能力に基づいて、1バッチ目標量を減少させる態様としてもよい。
このように、待機モード変更による配合供給能力減少の態様と1バッチ目標量変更による配合供給能力減少の態様とを組み合わせることで、より効率的に残材を減少化させることができる。
【0099】
また、本動作例では、各待機モードにおける配合供給能力が処理能力X未満とならないように比較するための基準時間条件を算出し、それに基づいて各待機モードを変更する態様としているが、例えば、各待機モードにおける配合供給能力を安全な範囲で大まかに算出して予め格納させておき、定常運転移行後に処理能力と比較して、各待機モードの変更制御を行うようにしてもよい。
さらに、本動作例では、上記第1待機モード、上記第2待機モード及び上記第3待機モードの3つの待機モードの実行を可能とし、各待機モードを変更する態様としているが、上記第1待機モード及び上記第2待機モードのみを実行可能とし、上記第1待機モードを上記第2待機モードに変更することで、配合供給能力を減少させる態様としてもよい。
さらにまた、本実施形態では、混合ドラム30には、混合時以外は材料を待機させないようにしているが、混合ドラムにも材料を待機させる、または待機させないモードを実行可能として、上記各待機モードに加え、これら各待機モードから変更可能な態様としてもよい。
【0100】
また、本実施形態における上記基本動作例では、一時貯留ホッパー40に貯留保持させた1バッチ量分の材料の全量を、チャージホッパー50に向けて一度の材料要求信号により輸送させる態様としているが、複数回に分けて間欠的にチャージホッパー50に向けて輸送させる態様としてもよい。
さらに、チャージホッパー50の前段に、乾燥装置または加熱装置等を設置し、チャージホッパー50に配合済みの材料を供給する前に、該乾燥装置または加熱装置において配合済みの材料を乾燥または加熱させる態様としてもよい。この場合には、これらの部位における待機量を考慮して、上記した各計量回数制御パターンA,B,Cを実行するようにすればよい。
【0101】
次に、本実施形態に係る配合供給装置の変形例について図13及び図14に基づいて説明する。
尚、上記した配合供給装置1と同様の構成については、同一符号を付して、その説明を省略、或いは簡略に説明する。
【0102】
図13(a)は、第1変形例に係る配合供給装置1Aを示し、この配合供給装置1Aでは、計量機20と、一時貯留ホッパー40との間に、混合ドラムを設置せず、これら計量機20と一時貯留ホッパー40とを上下に隣接させている。また、混合手段としての混合ドラム30Aを、チャージホッパー50Aの上部に設置し、この混合ドラム30Aに、チャージホッパー50Aの捕集器を兼用させるようにしている。
このような構成とされた配合供給装置1Aにおいても、上記基本動作例と略同様の動作の実行が可能であり、また、上記各計量回数制御パターンA,B,C、並びに配合供給能力変更パターンA及び配合供給能力変更パターンBの実行が可能である。
また、上記配合供給能力変更パターンCを実行する場合は、上記供給可能時間t10に、一時貯留ホッパー40から混合ドラム30Aへの輸送時間及び混合ドラム30Aにおける混合時間並びに各部における遅延時間を加えた時間を、供給可能時間t10とすればよい。
【0103】
図13(b)は、第2変形例に係る配合供給装置1Bを示し、この配合供給装置1Bでは、上記第1変形例に係る配合供給装置1Aとは、混合手段の構成が異なるのみで、他の構成は同様である。
すなわち、本変形例に係る配合供給装置1Bは、上述のような混合ドラムに代えて、気流混合捕集器30Bをチャージホッパー50Bの上部に設置している。
この気流混合捕集器30Bは、詳細な説明は省略するが、上部の流動ホッパーと、流動ホッパーにおいて流動させて混合した材料を一時的に貯留する投入管と、この投入管と射出成形機9の材料投入口9aとの間に設けられた開閉弁とを備えている。この気流混合捕集器30Bでは、吸引輸送された材料を、流動ホッパー内において微粉等を除去しながら、混合し、投入管に投入させ、開閉弁を開閉させることで、チャージホッパー50に混合済みの材料を投入させるようにしている。このような構成によれば、輸送工程と混合工程とを関連させた工程として実行でき、上記した各例と比べて、これらの工程の時間を短縮化できる。
【0104】
図14は、第3変形例に係る配合供給装置1Cを示し、この配合供給装置1Cでは、一時貯留ホッパーを設けずに射出成形機9の上部に直接的に設置した態様(直付け型)としている点で上記した各例とは大きく異なる。すなわち、混合ドラム30の下方に、チャージホッパー50Cを設置している。このような構成によれば、上記した成形機側への材料輸送用の輸送手段、及び上記輸送工程が不要となり、上記した各例と比べて、装置構成がコンパクトとなるとともに、配合供給工程全体の時間を短縮化できる。
このような構成とされた配合供給装置1Cにおいても、上記基本動作例と略同様の動作の実行が可能であり、また、上記配合供給能力変更パターンA及び配合供給能力変更パターンBの実行が可能である。
また、上記配合供給能力変更パターンCを実行する場合は、上記第3待機モードの実行はできないが、上記第1待機モードを第2待機モードに変更させて、配合供給能力を減少させることができる。
さらに、上記した各計量回数制御パターンA,B,Cを実行する場合は、上記のように上流側待機量Mを算出する際に、一時貯留ホッパーの貯留分を加える必要がない以外は、上記と略同様にして実行が可能である。
【符号の説明】
【0105】
1,1A,1B,1C 材料配合供給装置
9 射出成形機(成形機)
9a 材料投入口
11A,11B,11C,11D 材料供給機
20 計量機(配合供給能力検出手段)
23 排出ダンパー(処理能力検出手段)
30,30A 混合ドラム(混合手段)
30B 気流混合捕集器(混合手段)
42 材料センサー(処理能力検出手段)
50,50A,50B,50C チャージホッパー(貯留部)
52 材料センサー(処理能力検出手段)
61 CPU(待機量検出手段、計量回数制御手段、配合供給能力制御手段、処理能力検出手段、配合供給能力検出手段)
62 操作パネル(操作部)
62a 成形終了予定スイッチ(信号生成部)
M 計量機からチャージホッパーの上流側までの材料の待機量
UM 材料センサーの検出レベル上部の材料(成形終了予定信号から材料センサーの材料要求信号までの間に成形機において処理された量)
LM 材料センサーの検出レベル以下の材料待機量
TM 待機量
N 残り必要計量回数
S1 残ショット数
W 必要量
RW 残り必要量
X 処理能力
Y 計量能力(配合供給能力)
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数種の粉粒体材料を、所定の割合で配合して成形機に供給する材料配合供給装置、及び材料配合供給方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、複数種の粉粒体材料を、所定の割合で配合し、その配合済み材料を、成形機に供給するようにした材料配合供給装置としては、複数種の粉粒体材料をそれぞれに貯留する複数の材料供給機から供給させた各粉粒体材料を、予め設定された質量比になるように、ロードセル等のセンサーを設けた単一のバッチ式計量機において計量するようにしたものが知られている。上記計量機で計量された1バッチ量分の材料は、該計量機の下流側の混合ドラム(混合用ケース)等の混合手段で混合されて、成形機等の供給先に供給される構成とされている(例えば、下記特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−23093号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記のような材料配合供給装置では、種々の成形機や成形機における種々の稼働態様に適用可能なように、一般的に、成形機において単位時間当たりに処理される材料の処理能力よりも、成形機に供給可能な配合供給装置自体における材料の配合供給能力が予め十分に大きく設定されている。例えば、成形機側からの要求に迅速に対応できるように、計量機において1度に計量する1バッチ量を比較的、大きく設定し、各部(計量機下流側のホッパー等の貯留部)においても、そのバッチ量に応じた量(1バッチ量分乃至は複数バッチ量分など)の貯留がなされる。また、計量機以降の各部(計量機や貯留部)において材料がなくなれば直ぐに計量及び補給し、各部に材料を待機させるようにしていた。
このようなものでは、材料替えや各材料の質量比の変更、成形品の変更(金型の変更)等の製造ロット替えがなされる際や、運転終了時などの成形終了時には、計量機以降の各部において待機、保持されている材料は、既に複数種の材料が配合されているため、再利用が困難であり、廃棄する量が多くなるという問題があった。
【0005】
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、成形終了時における配合済みの材料を低減し得る材料配合供給装置、及び材料配合供給方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明に係る材料配合供給装置は、複数種の粉粒体材料をそれぞれに貯留する複数の材料供給機から供給させた各粉粒体材料を、予め設定された質量比になるように計量機において計量させ、混合手段によって混合させた材料を成形機に供給する材料配合供給装置であって、所定の成形終了予定信号を生成する信号生成部と、前記成形機の材料投入口の上部側に設置される貯留部と、前記計量機から前記貯留部の上流側までの材料の待機量を検出する待機量検出手段と、所定のプログラムに基づいて、前記成形終了予定信号を受信した後の成形終了までに前記成形機において必要とされる材料の必要量を算出し、この必要量から前記待機量を減算し、その残り必要量に応じた残り必要計量回数を算出して、該残り必要計量回数の計量を前記計量機において実行させ、以降の計量動作を停止させる計量回数制御手段とを備えていることを特徴とする。
【0007】
ここに、上記粉粒体材料は、粉体・粒体状の材料を指すが、微小薄片状や短繊維片状、スライバー状の材料等を含む。
また、上記材料としては、樹脂ペレットや樹脂繊維片等の合成樹脂材料、或いは金属材料や半導体材料、木質材料、薬品材料、食品材料等どのようなものでもよい。
【0008】
本発明に係る前記材料配合供給装置においては、前記貯留部に、材料レベルが所定レベルまで低下したことを検出する材料センサーを設け、前記計量回数制御手段が前記材料センサーの検出レベル以下の材料待機量を算出し、この材料待機量を前記待機量に含ませて、前記残り必要量を算出するようにしてもよい。
この材料配合供給装置においては、前記計量回数制御手段が、前記成形終了予定信号から前記材料センサーの材料要求信号までの間に前記成形機において処理された量を減算して前記必要量を算出するようにしてもよい。
【0009】
本発明に係る前記いずれかの材料配合供給装置においては、供給先の成形機が射出成形機である場合、この射出成形機における1ショット量と、前記成形終了予定信号後の残ショット数とが入力される操作部を更に備えたものとしてもよい。この場合、前記計量回数制御手段が前記操作部から入力された1ショット量と、残ショット数とに基づいて、前記必要量を算出するようにすればよい。
【0010】
本発明に係る前記いずれかの材料配合供給装置においては、前記成形機において単位時間当たりに処理される材料の処理能力を検出する処理能力検出手段と、前記成形機に向けて単位時間当たりに供給可能な材料の配合供給能力を検出する配合供給能力検出手段と、所定のプログラムに基づいて、前記処理能力と前記配合供給能力とを比較し、該配合供給能力が該処理能力よりも過剰であり、かつ所定基準まで減少可能なときには、該配合供給能力を減少させるように更新して配合供給を実行させる配合供給能力制御手段とを更に備えた構成としてもよい。
このものでは、前記配合供給能力制御手段が前記計量機において計量する1バッチ目標量を減少させることで、前記配合供給能力を減少させるようにしてもよい。また、この1バッチ目標量の減少は、前記1バッチ目標量を減少させる前に、前記計量機において1バッチの計量に要した時間と、その1バッチの目標量とに基づいて該計量機における単位時間当たりに計量可能な材料の計量能力を算出して、この計量能力と前記処理能力とに基づいて、前記1バッチ目標量を減少させるようにしてもよい。
【0011】
また、前記計量機の下流側からの材料要求信号が出力されるまでに、前記計量機に材料を待機させておく第1待機モードと、前記信号が出力されるまでは、該計量機に材料を待機させずに、該信号が出力された後に、計量を開始させる第2待機モードとの実行が可能とされたものとしてもよい。この場合は、前記配合供給能力制御手段が前記第1待機モードを前記第2待機モードに変更することで、前記配合供給能力を減少させるようにしてもよい。
【0012】
また、前記目的を達成するために、本発明に係る材料配合供給方法は、複数種の粉粒体材料をそれぞれに貯留する複数の材料供給機から供給した各粉粒体材料を、予め設定された質量比になるように計量機において計量し、混合手段によって混合した材料を成形機に供給するようにした材料配合供給方法であって、前記計量機から前記成形機の材料投入口の上部側に設置された貯留部の上流側までの待機量と、所定の成形終了予定信号の後の成形終了までに前記成形機において必要とされる材料の必要量とを算出し、かつ、前記必要量から前記待機量を減算し、その残り必要量に応じた残り必要計量回数を算出して、該残り必要計量回数の計量を前記計量機において実行させ、以降の計量動作を停止させるようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る前記材料配合供給装置では、前記必要量から前記待機量を減算し、その残り必要量に応じた残り必要計量回数を算出して、該残り必要計量回数の計量を前記計量機において実行させ、以降の計量動作を停止させるようにしているので、成形終了予定信号が出力された後、必要量に応じた適切な回数で計量動作を停止させることができる。従って、成形終了時には、当該材料配合供給装置における前記計量機から前記貯留部の上流側までに待機、保持される配合済み材料に概ね相当する残材を減少させることができ、材料の無駄を低減でき、かつ廃棄量を減少させることができる。
【0014】
本発明に係る前記材料配合供給装置において、前記貯留部に、材料レベルが所定レベルまで低下したことを検出する材料センサーを設け、前記計量回数制御手段が前記材料センサーの検出レベル以下の材料待機量を算出し、この材料待機量を前記待機量に含ませて、前記残り必要量を算出するようにすれば、この貯留部の検出レベル以下の材料待機量に概ね相当する残材を更に減少させることができる。
【0015】
また、上記構成とした材料配合供給装置において、前記計量回数制御手段が、前記成形終了予定信号から前記材料センサーの材料要求信号までの間に前記成形機において処理された量を減算して前記必要量を算出するようにすれば、以下の効果を奏する。
すなわち、成形終了予定信号から材料センサーの材料要求信号までの間に成形機において処理された量は、成形終了予定信号が出力された時点における、貯留部の材料センサーの検出レベル上部の材料に相当し、この材料分を減算して前記必要量を算出することで、この材料に概ね相当する残材を更に減少させることができる。
換言すれば、このものでは、前記計量回数制御手段は、前記成形終了予定信号から前記材料センサーの材料要求信号までの間に前記成形機において処理された量(成形終了予定信号が出力された時点における、貯留部の材料センサーの検出レベル上部の材料)を、更に前記待機量に含ませて、前記残り必要量を算出するようにしている。
【0016】
本発明に係る前記いずれかの材料配合供給装置において、供給先の成形機を射出成形機とし、この射出成形機における1ショット量と、前記成形終了予定信号後の残ショット数とが入力される操作部を更に備えたものとし、前記計量回数制御手段が前記操作部から入力された1ショット量と、残ショット数とに基づいて、前記必要量を算出するようにすれば、以下の効果を奏する。
すなわち、1ショット量及び残ショット数を入力する操作部を備えているので、成形品から直接的に得られた1ショット量を入力でき、正確な必要量を算出させることができる。また、残ショット数を、残り成形量に応じて、ユーザー側の判断で入力することもできる。
【0017】
本発明に係る前記いずれかの材料配合供給装置において、前記処理能力検出手段と、前記配合供給能力検出手段と、前記配合供給能力制御手段とを更に備えた構成とすれば、以下の効果を奏する。
すなわち、成形機の処理能力に応じて、当該材料配合供給装置の配合供給能力を減少させておくことで、当該材料配合供給装置の各部において待機、保持される配合済みの材料を減少させることができる。従って、成形機が緊急停止された場合や、例えば、成形終了予定信号をユーザーの操作により入力させるような場合において操作忘れや操作間違い等があった場合にも、残材を減少させることができる。
【0018】
また、本発明に係る前記材料配合供給方法によれば、上記本発明に係る材料配合供給装置が奏する効果と同様、成形終了時に、前記計量機から前記貯留部までに待機、保持される配合済み材料(残材)を減少させることができ、材料の無駄を低減でき、かつ廃棄量を減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明に係る材料配合供給装置の一実施形態を備えたシステム構成の一例を模式的に示す概略構成図である。
【図2】同材料配合供給装置の制御ブロック図である。
【図3】同材料配合供給装置で実行される基本動作の一例を説明するための概略タイムチャートである。
【図4】(a)は、同材料配合供給装置で実行される成形機の処理能力検出機能の基本動作の一例を示す概略フローチャート、(b)は、同材料配合供給装置で実行される計量機の計量能力検出機能の基本動作の一例を示す概略フローチャートである。
【図5】(a)は、同材料配合供給装置で実行される配合供給能力変更機能の基本動作の一例を示す概略フローチャート、(b)は、同例を説明するための説明図である。
【図6】(a)、(b)は、同材料配合供給装置で実行される計量回数制御機能の基本動作の一例を説明するための概略フローチャートである。
【図7】(a)、(b)は、同材料配合供給装置で実行される計量回数制御機能の基本動作の他例を説明するための概略フローチャートである。
【図8】同材料配合供給装置で実行される計量回数制御機能の基本動作の更に他例を説明するための概略フローチャートである。
【図9】同材料配合供給装置で実行される配合供給能力変更機能の基本動作の他例を示す概略フローチャートである。
【図10】(a)、(b)は、同材料配合供給装置で実行される配合供給能力変更機能の基本動作の更に他例を説明するための概略フローチャートである。
【図11】同例における第2待機モードの動作例を説明するための概略タイムチャートである。
【図12】同例における第3待機モードの動作例を説明するための概略タイムチャートである。
【図13】(a)、(b)は、いずれも同材料配合供給装置の変形例を備えたシステム構成の一例を模式的に示す概略構成図である。
【図14】同材料配合供給装置の他の変形例を備えたシステム構成の一例を模式的に示す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1〜図14は、本実施形態に係る粉粒体材料の配合供給装置、その動作例及び変形動作例、並びに変形例を説明するための説明図である。
尚、図1、図13及び図14においては、ガス(輸送空気)や粉粒体材料を流通させる管路(ガス管路、粉粒体材料輸送管路など)を、実線にて模式的に示している。
また、図13及び図14では、詳細な符号の一部を省略している。
【0021】
図例の粉粒体材料の配合供給装置1は、図1に示すように、配合前の粉粒体材料を下流側に向けて供給する材料供給部10と、この材料供給部10から供給された各粉粒体材料を、予め設定された質量比(重量比)となるように計量する単一の計量機20と、この計量機20において計量された粉粒体材料を混合する混合手段としての混合ドラム30と、この混合ドラム30において混合された粉粒体材料を一時的に貯留する一時貯留ホッパー40と、この一時貯留ホッパー40から輸送された配合済みの粉粒体材料を貯留するチャージホッパー50と、制御盤60とを備えている。このチャージホッパー50の下端排出口は、配合済み材料の供給先としての射出成形機9の材料投入口9aに連設されている。
【0022】
射出成形機9は、詳細な説明は省略するが材料投入口9aから投入された配合済み材料をシリンダ内で溶融させて、溶融させた1ショット分の樹脂をシリンダ先端のノズルから金型(不図示)内に射出させて、樹脂成形品を成形する。
尚、本実施形態に係る配合供給装置1において配合した材料の供給先としては、合成樹脂成形品を成形する射出成形機に限られず、他の材料用の射出成形機、または押出成形機や圧縮成形機等の他の成形機を供給先とする態様としてもよい。
【0023】
材料供給部10は、複数種の配合前の粉粒体材料(図例では、A材、B材、C材及びD材の4種類)を、それぞれに貯留する複数の材料供給機11(11A,11B,11C,11D)を有している。これら複数種の粉粒体材料は、例えば、合成樹脂成形品を成形する場合には、バージン材や粉砕材、マスターバッチ、各種添加剤等が挙げられる。
各材料供給機11は、上記各材料を貯留する材料ホッパー12(12A,12B,12C,12D)と、これら材料ホッパー12の下端部に設けられた供給フィーダ(定量供給器)13(13A,13B,13C,13D)とを備えている。
供給フィーダ13は、図例では、モータ等の駆動部を有したスクリュー式のフィーダ13A,13B,13Cと、エアシリンダ等の駆動部を有したスライドダンパー(スライドシャッター)式のフィーダ13Dとを示している。
これら各供給フィーダ13は、その材料排出口が、後記する計量機20の計量ホッパー21の上端の投入口に臨むように設置されており、各供給フィーダ13から個別に順次、供給された各材料は、自重落下(自然落下)により、計量ホッパー21内に投入されて計量される。
尚、各供給フィーダの構成は、図例のものに限られず、例えば、振動発生部を有した振動フィーダや、ロータリーフィーダ、ターンテーブル上の材料をスクレイパーで掻きとるようにして微少量を供給するマイクロフィーダ等の他の材料切出装置としてもよい。
【0024】
各材料ホッパー12には、材料センサー15((15A,15B,15C,15D)、(図2参照))が設けられており、これら材料センサー15の材料要求信号により各材料の輸送制御がなされる。
また、各材料ホッパー12の上端部には、材料タンク(不図示)から空気輸送される各材料を捕集する捕集器14(14A,14B,14C,14D)が設けられている。各捕集器14には、末端にサクションノズル5aを有した材料輸送管5・・・がそれぞれ接続され、これらサクションノズル5aが、各材料タンク内に差し込まれている。
これら捕集器14への各材料の輸送は、本実施形態では、吸引ブロアー等の吸引空気源2による吸引作用により吸引輸送する態様としている。この吸引ブロアー2には、吸引管3の一端が接続され、この吸引管3の他端には、輸送材料切り替え弁4が接続され、この輸送材料切り替え弁4には、材料数に応じた本数(図例では4本)の吸引管3が接続されている。また、この4本の吸引管3のそれぞれは、上記した各材料供給機11の各捕集器14に接続されている。
【0025】
上記した材料供給部10への材料輸送手段を構成する吸引ブロアー2及び輸送材料切り替え弁4、並びに材料供給部10における各材料センサー15及び各供給フィーダ13は、図2に示すように、信号線を介して制御部としてのCPU61に接続されており、所定プログラムに従って制御がなされる。
すなわち、各材料供給機11への材料輸送動作は、材料ホッパー12のうちのいずれかの材料センサー15から材料要求信号が出力されれば、材料要求のあった材料供給機11の捕集器14に接続された吸引管3と吸引ブロアー2とを連通させるように輸送材料切り替え弁4を切り替え、吸引ブロアー2を起動させることで、その材料ホッパー12に対応する材料タンク内に貯留された粉粒体材料が材料輸送管5を介して捕集器14に向けて輸送される。そして、当該捕集器14において捕集され、捕集器14から下方の材料ホッパー12に投入されて貯留される。
つまり、これら各材料ホッパー12には、当該配合供給装置1の作動中は常時、所定量以上の各材料が貯留されるように、各材料センサー15の材料要求信号により、適宜、各材料供給機11への各材料の輸送、補給がなされる。
尚、各材料タンクから各材料供給機11への各材料の輸送態様は、吸引輸送に限られず、コンプレッサー等の圧縮空気供給源によって圧送する態様としてもよい。
また、材料供給機11の設置個数は、図例のように4つに限られず、それ以外の複数を設置するようにしてもよい。
【0026】
計量機20は、上記した各材料供給機11からの材料を受け入れる計量ホッパー21と、この計量ホッパー21の下端排出口を開閉する排出ダンパー23と、計量ホッパー21に投入された各材料を計量するためのロードセル等の重量センサ22とを備えている。
これらロードセル22及び排出ダンパー23は、上記した材料輸送手段及び材料供給部10と同様、図2に示すように、信号線を介してCPU61に接続されており、上記した各材料供給機11とともに、所定プログラムに従って制御されて計量工程が実行される。
【0027】
すなわち、図5(b)に示すように、1バッチ目標量の初期設定値(初期設定時バッチ量)が、6000gであり、各材料の配合比が、A材:B材:C材:D材=1:5:34:60に設定されているとすれば、まず、A材を貯留するA材料供給機11Aの供給フィーダ13Aを作動させて、A材を計量ホッパー21に投入させ、ロードセル22の計測値に基づいて、供給フィーダ13Aをフィードバック制御し、目標設定値である60gになれば供給フィーダ13Aを停止させてA材の供給を停止する。以下、同様に、各材料供給機11を駆動制御し、B材を300g、C材を2040g、D材を3600gとなるまで個別に順次、計量ホッパー21に投入させて計量を実行する。各材料をそれぞれ目標設定値まで計量すれば、1バッチ量分の計量工程が終了する。この計量機20において計量された計量済み(配合済み)の材料は、計量機20の下部の排出ダンパー23を、所定の開放時間t3(図3参照)が経過するまで開放させて、計量機20の下流側に設置された混合ドラム30に向けて排出される。
【0028】
尚、上記各供給フィーダ13を駆動制御する際に、駆動停止時における落差量を考慮して駆動制御したり、各材料の計量時における供給量を段階的に、或いは連続的に減少させるように駆動制御したりするようにしてもよい。
また、上記開放時間t3は、最大量(初期設定時バッチ量)の1バッチ量分の材料の排出が可能な程度の時間で適宜、設定可能である。
さらに、4種類の材料を計量する態様に限られず、それ以外の複数種の材料を計量する態様としてもよい。
【0029】
上記した計量機20から排出された計量済みの1バッチ量分の材料は、混合ドラム30に投入されて混合がなされる。
この混合ドラム30は、投入された材料を収容する収容部31と収容部31内の材料を攪拌して混合するための攪拌羽根32と、攪拌羽根32を回転駆動する攪拌用モータ33と、収容部31の下端排出口を開閉する排出ダンパー34とを備えている。
この混合ドラム30の攪拌用モータ33及び排出ダンパー34は、上記同様、図2に示すように、信号線を介してCPU61に接続されており、所定プログラムに従って制御されて混合工程が実行される。
すなわち、上記した計量機20の排出ダンパー23が閉止されて所定の遅延時間が経過すれば、攪拌用モータ33を回転駆動させて、所定の混合時間t5(図3参照)が経過するまで攪拌、混合がなされる。混合時間t5が経過すれば、下部の排出ダンパー34を、所定の開放時間t6(図3参照)が経過するまで開放させて、混合ドラム30の下流側に設置された一時貯留ホッパー40に向けて、混合済み(配合済み)の材料を排出させて、混合工程が終了する。
【0030】
尚、上記混合時間t5は、後記するように1バッチ目標量を変更させる態様においては、1バッチ目標量に応じて、適宜、変更するようにしてもよく、また、最大量(初期設定時バッチ量)の1バッチ量分の材料の混合が可能な程度の一定の時間としてもよい。
また、上記開放時間t6は、上記開放時間t3と同様、最大量(初期設定時バッチ量)の1バッチ量分の材料の排出が可能な程度の時間で適宜、設定可能である。
さらに、混合ドラム30における混合工程、すなわち、排出ダンパー34を開放させて、混合済み材料の排出動作が完了し、排出ダンパー34が閉止された後に、計量機20から混合ドラム30への材料の投入がなされるように構成されている。
【0031】
上記した混合ドラム30から排出された混合済みの1バッチ量分の材料は、一時貯留ホッパー40に投入されて、下流側のチャージホッパー50の材料センサー52からの材料要求信号があるまで貯留されて保持される。
この一時貯留ホッパー40は、材料貯留部41と、材料貯留部41内の材料の有無を検出する材料センサー42とを備え、当該配合供給装置1における最大量(初期設定時バッチ量)の1バッチ量分の材料の貯留が少なくとも可能とされている。また、材料センサー42は、少なくとも最低バッチ量の材料の有無の検出が可能な構成とされている。
この一時貯留ホッパー40の材料貯留部41の下端部に設けられた材料排出口には、材料輸送管8の一端が接続されている。
【0032】
材料輸送管8の他端は、射出成形機9の上部に設置されたチャージホッパー50の上部捕集器53に接続されている。
チャージホッパー50は、下端排出口が射出成形機9の材料投入口9aに連通された材料貯留部51と、この材料貯留部51内に貯留された材料レベルが所定レベルまで低下したことを検出する材料センサー52とを備えている。この材料貯留部51には、初期設定時バッチ量の数バッチ量分程度の材料の貯留が少なくとも可能とされている。また、この材料センサー52は、例えば、この材料センサー52の検出レベル以下の貯留空間に、初期設定時バッチ量の半バッチ程度から1バッチ半程度の貯留が可能なように設けられている。
尚、チャージホッパー50の下部に、射出成形機9の材料投入口9aに向けて配合済み材料を定量供給する上記同様の供給フィーダ等を更に設けるようにしてもよい。
【0033】
上記したチャージホッパー50の上部の捕集器53は、上記同様の吸引管7を介して吸引ブロアー6に接続されている。
これらチャージホッパー50の材料センサー52、及び材料輸送手段を構成する吸引ブロアー6は、上記同様、図2に示すように、信号線を介してCPU61に接続されており、所定プログラムに従って制御されて輸送工程が実行される。
すなわち、チャージホッパー50の材料センサー52から材料要求信号が出力されれば、吸引ブロアー6を起動させ、所定の輸送時間t1(図3参照)が経過するまで作動させて、一時貯留ホッパー40に貯留された1バッチ量分の混合済み材料を、材料輸送管8を介して捕集器53に向けて輸送し、捕集器53において捕集して、捕集器53から下方の材料貯留部51に投入して貯留させる。
尚、上記輸送時間t1は、例えば、当該配合供給装置1における最大量(初期設定時バッチ量)の1バッチ量分の材料の輸送が可能な程度の時間で適宜、設定可能である。
【0034】
制御盤60は、図1及び図2に示すように、当該配合供給装置1の上記した各機器を上記所定のプログラムに従って制御するとともに、後記する各プログラムを実行する制御部としてのCPU61と、このCPU61に信号線を介してそれぞれ接続された、各種設定などを設定、入力したり、表示したりするための表示操作部を構成する操作パネル62と、この操作パネル62の操作により設定、入力された設定条件や入力値、後記する基本動作や各動作等を実行するための制御プログラムなどの各種プログラム、予め設定された各種動作条件や各種データテーブル等が格納され、各種メモリ等から構成された記憶部63とを備えている。
操作パネル62には、後記する所定の成形終了予定信号を生成する信号生成部としての成形終了予定スイッチ62aが設けられている。また、この操作パネル62は、射出成形機9の1ショット量と、成形終了予定信号後の残ショット数S1(図6(b)参照)との入力が可能とされている。
【0035】
CPU61は、当該配合供給装置1の各部における計量動作、混合動作及び輸送動作等を監視し、計量機20からチャージホッパー50の上流側までに待機している材料(上流側待機量M(図6(b)参照))を検出する待機量検出手段を構成する。
また、CPU61は、クロックタイマー等の計時手段や演算処理部を備え、後記するように、必要量Wと待機量TMとを算出し、この必要量Wから待機量TMを減算して、残り必要量RWに応じた残り必要計量回数Nを算出して、計量機20の計量回数を制御する計量回数制御手段を構成する(図6(b)参照)。
さらに、CPU61は、後記するように、計量機20や各種センサー42,52等とともに、射出成形機9において単位時間当たりに処理される材料の処理能力を検出する処理能力検出手段、及び射出成形機9に向けて単位時間当たりに供給可能な材料の配合供給能力を検出する配合供給能力検出手段を構成する。
さらにまた、CPU61は、後記するように、処理能力と配合供給能力とを比較し、該配合供給能力が該処理能力よりも過剰であり、かつ所定基準まで減少可能なときには、該配合供給能力を減少させるように更新して配合供給を実行させる配合供給能力制御手段を構成する。
【0036】
次に、上記構成とされた本実施形態に係る配合供給装置1において実行される基本動作の一例を、図3〜図6に基づいて説明する。
尚、図3、後記する図11及び図12に示す概略タイムチャート図では、各機器のON/OFF動作や出力信号、各排出ダンパーの開閉動作等を模式的に図示している。
また、図3に示す概略タイムチャート図は、後記する配合供給能力変更パターンCにおける第1待機モードの動作例に相当する。
【0037】
<初期準備運転>
当該配合供給装置1の起動がなされた後は、所定の初期準備運転が実行される。
当該配合供給装置1の起動時には、上記した計量機20、一時貯留ホッパー40、及びチャージホッパー50の各部には、未だ材料が計量待機または貯留保持されていない状態(空状態)である。すなわち、チャージホッパー50の材料センサー52及び一時貯留ホッパー40の材料センサー42から材料要求信号が出力されている状態である。
【0038】
まず、計量機20において初期設定時バッチ量で、上記した計量工程を実行させ、混合ドラム30に向けて排出させて、引き続き計量工程を実行する。これに並行して混合ドラム30において上記した混合工程を実行させ、一時貯留ホッパー40に向けて排出させる。
これにより、一時貯留ホッパー40の材料センサー42の材料要求信号が消え、その材料要求信号の消滅後、所定の遅延時間が経過すれば、上記した吸引ブロアー6を起動して、一時貯留ホッパー40内の混合済みの1バッチ量分の材料を、チャージホッパー50に向けて輸送する。
これにより、一時貯留ホッパー40の材料センサー42から材料要求信号が出力され、上記計量工程が完了していれば、混合ドラム30に排出させ、上記同様、混合工程を経て、一時貯留ホッパー40に貯留させて、上記同様、チャージホッパー50に向けて輸送する。このような動作を、チャージホッパー50の材料センサー52からの材料要求信号が消えるまで繰り返し、その材料要求信号が消えれば、成形準備が整う。
成形準備が整えば、射出成形機9の前回製造ロット時の材料を廃棄するための捨て打ちや成形品が良品となるまで試験打ち等が適宜、実行される。
【0039】
<定常運転:第1待機モード>
上記初期準備運転の後、射出成形機9において逐次、成形品を成形する定常運転がなされる。
本動作例では、第1待機モードで配合供給を実行するようにしている。
この第1待機モードでは、図3に示すように、チャージホッパー50の材料センサー52からの材料要求信号が出力されるまでに、一時貯留ホッパー40に1バッチ量分の材料を補給して待機させ、かつ、一時貯留ホッパー40の材料センサー42からの材料要求信号が出力されるまでに、計量機20において1バッチ量分の材料を計量させて待機させるようにしている。
【0040】
すなわち、チャージホッパー50の材料センサー52からの材料要求信号が出力されれば、上記した吸引ブロアー6を輸送時間t1が経過するまで作動させて、一時貯留ホッパー40に貯留された1バッチ量分の材料を、チャージホッパー50に輸送する。一時貯留ホッパー40の材料センサー42から材料要求信号が出力されれば、計量機20の排出ダンパー23を開放時間t3が経過するまで開放させ、計量機20において保持されている1バッチ量分の材料を混合ドラム30に投入し、上記混合工程を実行させ、一時貯留ホッパー40に材料を投入し、次の材料要求信号が出力されるまで1バッチ量分の材料を待機させる。また、上記と並行して、計量機20の排出ダンパー23が閉止されれば、上記計量工程を実行させ、次の材料要求信号が出力されるまで1バッチ量分の材料を待機させる。
【0041】
このように、第1待機モードでは、計量機20及び一時貯留ホッパー40に概ね材料を待機(計量待機及び貯留保持)させた状態とし、計量機20における計量工程の実行と混合ドラム30における混合工程の実行とが並行してなされる態様とされている。
以下、同様にしてチャージホッパー50の材料センサー52からの材料要求信号が出力される毎に、材料の輸送、計量及び混合がなされる。
射出成形機9では、配合されて供給された配合済み材料を消費しながら所定の1ショット量、及びショットサイクルで、成形品を逐次、成形するが、製造ロット替えや運転終了時などの成形終了時には、上記した計量機20及び一時貯留ホッパー40、並びにチャージホッパー50において配合済みの材料が残材となる。
【0042】
そこで、本実施形態では、所定の計量回数制御プログラムに従って上記したCPU61により、所定の成形終了予定信号を受信した後、射出成形機9において必要な材料に応じた適切な配合供給量となるように、残り必要計量回数等を算出し、計量機20の計量動作を制御するようにしている。
また、本実施形態では、このような成形終了予定信号の受信に関連してなされる計量回数制御プログラムに従った計量回数制御機能に加えて、緊急停止時等における配合済み材料を減少化させるべく、所定の配合供給能力変更プログラムに従って上記したCPU61により、定常運転への移行を検出し、処理能力及び配合供給能力(計量能力)を検出して、これら処理能力及び計量能力に基づいて、当該配合供給装置1における配合供給能力を減少させ、緊急停止時等における残材を減少させるようにしている。
以下、本実施形態において実行される配合供給能力変更プログラム及び計量回数制御プログラムの一動作例について説明する。
【0043】
<定常運転移行検出>
本動作例では、当該配合供給装置1の起動後、単位時間当たりに射出成形機9側に向けて供給される材料の処理能力を検出し、この処理能力が所定の安定状態となったときに、定常運転に移行したと判別するようにしている。
この定常運転への移行の検出は、図4(a)に基づいて後述する処理能力検出機能の動作例と同様にして、処理能力を検出し、定常運転への移行を検出するようにしてもよい。
すなわち、図4(a)に示すように、計量機20の排出ダンパー23が開放されれば(ステップ102)、タイマーを起動させ(ステップ103)、次に、計量機20の排出ダンパー23が開放されれば(ステップ104)、タイマーをリセットし、処理時間t2(図3参照)を記憶部63に格納させ、タイマーを再起動させる(ステップ105)。
上記処理時間t2と、その間に計量機20において計量した1バッチ目標量(初期準備運転時においては、初期設定時バッチ量)とから、処理能力Xを算出し、記憶部63に格納させる(ステップ106)。また、ステップ105において、タイマーを再起動させた後は、上記同様、計量機20の排出ダンパー23の開放の有無を監視し、計量機20の排出ダンパー23が開放される毎に、処理能力Xを算出するようにしている(ステップ104〜106)。
【0044】
上記処理能力Xを、当該配合供給装置1の起動後、計量機20の排出ダンパー23が開放される毎に算出し、記憶部63に格納させ、この算出毎の処理能力Xのばらつきがある閾値以内となったときに、安定状態と判別し、定常運転に移行したと判別するようにしてもよい。この安定か否かの判別は、例えば、算出された処理能力Xと、その直近に算出された数回分(例えば、5回分程度など)の処理能力Xの平均値との差が、数%乃至は10%程度以内になった際や、算出毎の処理能力Xの差分値が所定の閾値以下となり安定したときに、所定の安定状態になったと判別し、定常運転に移行したと判別するようにしてもよい。
つまり、初期準備運転では、上記したように、当該配合供給装置1の各部には、材料が待機、保持されていない状態であり、最大限の配合供給が実行され、その後、捨て打ちや試験打ち等の実行がなされるが、この間は、射出成形機9では、安定した材料の消費(略一定の処理速度かつ処理量)がなされておらず、処理能力X(初期準備運転時における各部に材料を待機、保持させるまでは、実質的には射出成形機9において材料の処理(消費)がなされないが、この間に検出される処理時間t2と、1バッチ目標量とに基づいて算出された値も処理能力とする。)は、上下に大きく変動し、不安定な状態である。本動作例では、この不安定な状態が、上記した所定の安定状態となったときに、定常運転に移行したと判別するようにしている。
【0045】
定常運転に移行した後は、上述のように、射出成形機9において、所定の1ショット量、及びショットサイクルで、逐次、成形品の成形がなされるので、処理能力Xは、略一定で安定した状態となる。
尚、初期準備運転から定常運転への移行の検出は、上記した態様に限られず、例えば、試験打ち等により成形品が安定して良品となったことをユーザーに確認等させた後、操作パネル62の定常運転(連続運転)スイッチ等を操作させ、その操作信号をCPU61において検出することで、定常運転への移行を検出するようにしてもよい。
或いは、ユーザーによるスイッチ操作や上述のような処理度合いを示す指標(処理時間t2及び1バッチ目標量)から算出される処理能力Xの安定度合いに基づく自動検出によって定常運転への移行を検出する態様に代えて、例えば、射出成形機9からショットサイクル時間等の成形状態を示す情報が出力されるような場合は、その成形状態が所定の安定状態となったときに、定常運転への移行と判別するようにしてもよい。
また、上記態様では、計量機20の排出ダンパー23の開放動作信号を監視して、処理時間t2を取得する態様について説明したが、計量機20の計量開始のタイミングまたはこれに関連するタイミングを検出可能な信号に基づいて処理時間t2を取得するようにしてもよい。例えば、一時貯留ホッパー40の材料センサー42からの材料要求信号や、計量機20の計量毎の計量開始動作信号または計量完了動作信号、混合ドラム30における各機器の動作信号等を監視して、処理時間t2を取得するようにしてもよい。
【0046】
<処理能力検出>
図4(a)に示すように、所定の初期準備運転を実行(ステップ100)した後、上記のように定常運転に移行したか否かを判別し、定常運転への移行を検出すれば(ステップ101)、上記同様にして処理能力Xを算出し、定常運転時における処理能力Xを記憶部63に格納させる(ステップ102〜106)。
例えば、後記する配合供給能力の変更がなされるまでは、計量機20における1バッチ目標量は、初期設定時バッチ量(図5(b)では、6000g)であり、信号間の時間t2が、3分であったとすれば、処理能力Xは、120kg/hとなる。
この定常運転時における処理能力Xは、上述のように、略一定で安定しており、定常運転時における、一度の算出により、処理能力Xを取得して格納し、以降は処理能力Xを検出しないような態様としてもよいが、本動作例では、上記定常運転移行検出時と同様、計量機20の排出ダンパー23が開放される毎に処理能力Xを算出し、記憶部63に格納させるようにしている。
【0047】
尚、上記処理能力算出のために取得する処理時間t2は、計量機20によって計量した1バッチ量分の材料が、射出成形機9において処理された際に生成される信号または関連して生成される信号から次回の信号までの時間を、処理時間t2とすればよい。この信号は、本実施形態のように、一時貯留ホッパー40において1バッチ量分の材料を貯留させ、下流側からの材料要求信号があれば、全量をチャージホッパー50に輸送させる場合には、上記定常運転移行検出時と略同様、例えば、チャージホッパー50や一時貯留ホッパー40の材料センサー42,52からの材料要求信号や、計量機20の計量毎の計量開始動作信号または計量完了動作信号、混合ドラム30における各機器の動作信号等としてもよい。
【0048】
また、処理能力Xの検出態様は、上記した態様に限られず、例えば、射出成形機9において成形されている1ショット量とショットサイクル時間とから処理能力Xを検出するような態様としてもよい。これら1ショット量とショットサイクル時間とは、ユーザーによる操作パネル62への入力により取得するようにしてもよく、または、射出成形機9から出力されるデータ等から取得するようにしてもよい。或いは、処理能力X自体を、射出成形機9の成形データの表示等を参照して、ユーザーに操作パネル62に手動入力させ、その操作信号をCPU61において検出することで、処理能力Xを検出するような態様としてもよい。
その他、種々の態様により、単位時間当たりに射出成形機9において処理される材料の処理能力Xを検出するようにしてもよい。
【0049】
<配合供給能力(計量能力)検出>
上記処理能力検出時と同様、図4(b)に示すように、所定の初期準備運転を実行(ステップ100)した後、定常運転への移行を検出すれば(ステップ101)、計量能力Yを検出する。
この計量能力Yは、計量機20における計量動作を監視し、その計量動作に要した時間に基づいて算出される。
すなわち、計量が開始されれば(ステップ112)、タイマーを起動させ(ステップ113)、計量が完了すれば(ステップ114)、タイマーをリセットし、計量時間t4(図3参照)を記憶部63に格納させる(ステップ115)。
上記計量時間t4と、計量機20において計量した1バッチ目標量とから、当該計量機20における、計量能力Y、すなわち、射出成形機9に向けて単位時間当たりに供給可能な材料の計量能力Yを算出し、記憶部63に格納させる(ステップ116)。
【0050】
例えば、後記する配合供給能力の変更がなされるまでは、計量機20における1バッチ目標量は、初期設定時バッチ量(図5(b)では、6000g)であり、計量時間t4が、1分であったとすれば、計量能力Yは、360kg/hとなる(図5(b)参照)。
一般的に、上述のように、配合供給装置では、種々の成形機または成形機の種々の稼働態様に適用可能なように、配合供給装置における最大配合供給能力は、十分に大きく設定されている。また、計量機20以外の各部における混合工程及び輸送工程において要する時間に遅延時間を加えた所要時間よりも、計量工程において要する所要時間が基本的には長く、上記した第1待機モードでは、計量能力Yは、当該配合供給装置1における、射出成形機9に向けて単位時間当たりに供給可能な材料の配合供給能力に相当し、本動作例では、計量能力Yを配合供給能力としている。
【0051】
尚、計量能力Yは、後記する配合供給能力変更パターンAにおいては、定常運転に移行した後の一度の計量工程から算出し、格納するようにしてもよいが、図4(b)の二点鎖線で示すように、後記する配合供給能力変更パターンBにおいては、計量工程が実行される毎に計量能力Yを算出し、格納するようにしている。
【0052】
<配合供給能力変更パターンA>
図5(a)に示すように、検出して格納した処理能力Xと計量能力Yとを比較し、処理能力Xに応じた目標計量能力を算出して、1バッチ目標量を算出する(ステップ200)。その1バッチ目標量から算出された各材料の目標設定値が、最小計量可能値以下であるかを判別し(ステップ201)、その目標設定値が最小計量可能値以下であれば、変更前の1バッチ目標量(図5(b)では、初期設定時バッチ量の6000g)を、その最小計量可能値に基づいて算出した最低バッチ目標量(図5(b)では、500g)に変更する(ステップ202)。一方、上記目標設定値が最小計量可能値を超えていれば、変更前の1バッチ目標量を、所定の1バッチ目標量に変更する(ステップ203)。
上記最小計量可能値は、計量機20において、上述のように材料毎に計量する際に、計量可能な値として予め設定されており、図5(b)の例では、5gを最小計量可能値として設定している。
【0053】
上記所定の1バッチ目標量の算出は、例えば、上述のように、定常運転移行後における処理能力Xが、120kg/hであり、計量能力Yが、360kg/hであった場合を例にすれば、計量能力Yが、処理能力Xよりも過剰であるので、処理能力Xに見合った120kg/hとなるように、目標計量能力を算出し、この目標計量能力から1バッチ目標量(図5(b)の例では、2000g)を算出するようにすればよい。すなわち、変更前に検出した計量能力Y(360kg/h)を処理能力X(120kg/h)に一致させるように目標計量能力(120kg/h)を算出し、この目標計量能力の上記計量能力Yに対する減少割合に応じて、初期設定時バッチ量(6000g)から1バッチ目標量(2000g)を算出するようにすればよい。このように算出された1バッチ目標量と予め設定された質量比とから各材料の設定値が算出される。
【0054】
上記のように、処理能力Xに、目標計量能力を一致させ、1バッチ目標量を算出して設定し、更新させる場合は、処理能力Xを、例えば、10kg/h刻みで安全側の値となるように、切り捨てて端数処理した値(例えば、115kg/hであった場合は、120kg/h)を処理能力Xとして格納するようにしてもよい。
また、このように、処理能力Xに、目標計量能力を一致させ、1バッチ目標量を算出して設定し、更新させる場合にも、1バッチ目標量が減少することで、上記した計量時間t4が短くなり、1バッチ目標量を更新後の実際の計量能力Y(実測値)は、大きくなるので、射出成形機9側へのショートフィード等が生じるような問題もない。
【0055】
上記のように1バッチ目標量を更新した後は、その1バッチ目標量で計量を行い、上記定常運転時における同様の動作(第1待機モード)で配合供給の実行がなされ、処理能力Xが所定の閾値以上に増加すれば(ステップ204)、1バッチ目標量をリセットし(ステップ205)、初期準備運転に移行させる。
例えば、当該配合供給装置1に、供給先として複数台の射出成形機9が接続されていたり、新たに接続されたりして、供給すべき射出成形機9の稼働台数が増加したような場合には、処理能力Xが大幅に増加し、更新した1バッチ目標量では、ショートフィードが生じる場合がある。従って、本動作例では、上記のように処理能力Xの許容増加幅を予め設定しておき、変更した1バッチ目標量をリセットして、初期設定時バッチ量に戻し、初期準備運転に移行させるようにしている。この初期準備運転に移行した後は、上記同様、定常運転に移行したか否かを判別し、処理能力X及び計量能力Yを検出して、配合供給能力を減少させるように更新して配合供給を実行させるようにしてもよい。
【0056】
尚、上記処理能力Xが所定の閾値以上に増加したときに、アラームや異常メッセージ等をスピーカ等の報知手段から鳴動させるようにしてもよい。
また、上記のように、処理能力Xを常時、監視しながら、異常(処理能力Xの大幅な増加)を検出するような態様に代えて、手動操作により、リセットするような態様としてもよい。または、上記ステップ204以降の工程を実行しない態様としてもよい。
または、処理能力Xが、増加した場合には、計量能力Yが処理能力Xに見合った値となるように目標計量能力を算出し、1バッチ目標量を増加させるように更新してもよい。
【0057】
<計量回数制御パターンA>
次に、計量回数制御プログラムの一動作例について図6に基づいて説明する。
まず、事前設定入力項目として、当該配合供給装置1の起動後、1ショット量と、残ショット数S1とを操作パネル62から入力させ、記憶部63に格納する。
この1ショット量は、射出成形機9において成形された成形品のうちの良品を、例えば、ユーザーが計量して確認し、入力させるようにしてもよく、または、射出成形機9において成形データとして1ショット量が表示等されている場合には、それを参照して、入力させるようにしてもよい。
また、上記残ショット数S1は、残り成形量等をユーザー側で確認し、適宜の回数を入力させるようにしてもよく、または、予め単一若しくは複数の残ショット数S1を設定しておき、操作パネル62に表示させて、ユーザーに選択させるような態様としてもよい。さらに、この残ショット数S1の入力または選択により、成形終了予定信号を生成するようにしてもよい。この場合は、操作パネル62における残ショット数S1入力部が信号生成部を構成する。
【0058】
次いで、図6(a)に示すように、上記同様にして検出して格納された処理能力Xと、操作パネル62に入力された上記1ショット量とから、1ショットサイクル時間t7を算出し、記憶部63に格納させる。例えば、上記のように処理能力Xが、120kg/hで、入力された1ショット量が、100gであれば、1ショットサイクル時間は、3秒となる。この1ショットサイクル時間t7の算出は、上記定常運転移行後に算出するようにしてもよい。
また、チャージホッパー50の材料センサー52の検出レベル以下の貯留容量と、各材料の質量比及び各材料の嵩密度とから、上記検出レベル以下の材料待機量LM(図1も参照)を算出し、記憶部63に格納させる。この材料待機量LMの算出は、当該配合供給装置1の起動後の適時に算出するようにしてもよい。
尚、以下では、便宜的に、材料待機量LMを4000gとして説明する。
【0059】
上記貯留容量は、予め設定して記憶部63に格納させておいてもよく、操作パネル62から事前設定入力項目として入力させるようにしてもよい。また、上記各材料の嵩密度も同様に、事前設定入力項目として操作パネル62から入力させるようにしてもよい。
上記各事前設定入力項目の入力が、上記定常運転移行後になされなければ、アラームや異常メッセージ等を操作パネル62に表示させたり、スピーカ等の報知手段から鳴動させたりするようにし、入力を促すようにしてもよい。
また、上述のように、射出成形機9からショットサイクル時間が出力されるような場合には、CPU61においてその出力信号を受信し、ショットサイクル時間t7を記憶部63に格納させるようにしたり、射出成形機9において成形データとして表示されるような場合には、そのデータをユーザーに確認させ、操作パネル62に入力させるようにしたりしてもよい。これらの場合は、上記ショットサイクル時間t7の算出は不要である。
または、単位時間当たりのショット数が射出成形機9から出力されるような場合には、このショット数と、処理能力Xとから1ショット量及び1ショットサイクル時間t7を算出するようにしてもよい。
【0060】
上記のように、各種事前設定入力項目が設定入力され、かつ、1ショットサイクル時間t7及び材料待機量LMが格納されれば、図6(b)に示すように、成形終了予定スイッチ62aの操作の有無を監視する(ステップ300)。
成形終了予定スイッチ62aが操作されれば(ステップ300)、タイマーを起動させる(ステップ301)。そして、チャージホッパー50の材料センサー52からの材料要求信号が出力されれば(ステップ302)、タイマーをリセットし、上記成形終了予定スイッチ62aの操作により生成、出力された成形終了予定信号から、上記材料要求信号までの時間t8を記憶部63に格納させる(ステップ303)。
尚、上記のように、残ショット数S1の入力により、成形終了予定信号が生成される態様とした場合には、ステップ300において、成形終了予定スイッチ62aの操作の有無を監視する態様に代えて、残ショット数S1の入力の有無を監視して、ステップ301においてタイマーを起動させるようにしてもよい。この場合は、成形終了予定スイッチ62aを設けないようにしてもよい。
【0061】
次いで、上記1ショットサイクル時間t7と、上記時間t8とから、チャージホッパー50の材料センサー52の検出レベル上部の材料UM(図1も参照)で射出されたショット数S2を算出し、記憶部63に格納させる(ステップ304)。例えば、上記のように、1ショットサイクル時間t7が3秒で、上記時間t8が30秒であったとすれば、検出レベル上部の材料UMで射出されたショット数S2は、10ショットである。
この検出レベル上部の材料UMは、材料センサー52が材料レベルの下限を検出するものであるので、成形終了予定信号が出力された時点において、不明である。本動作例では、上記1ショットサイクル時間t7と、上記時間t8とから、この検出レベル上部の材料UMで射出されたショット数S2、すなわち、成形終了予定信号から材料センサー52の材料要求信号までの間に射出成形機9において処理された量を算出するようにしている。
尚、このような態様に代えて、成形終了予定信号が出力された時点における、検出レベル上部の材料UMの量を検出可能なセンサー等を設け、この量を後記する待機量TMに加える、または、後記する必要量から減算するようにしてもよい。
【0062】
上記ショット数S2を算出した後、入力された上記残ショット数S1から、このショット数S2を減算し、必要残ショット数Sを算出する。さらに、この必要残ショット数Sと、上記1ショット量とから必要量Wを算出し、記憶部63に格納させる(ステップ305)。
例えば、入力された残ショット数S1が、200ショットとすれば、上記ショット数S2(10ショット)を減じ、必要残ショット数Sは、190ショットとなり、上記1ショット量を乗じて、必要量Wは、19kgとなる。
【0063】
このように、必要量Wを算出し、格納させた後、または、上記各ステップと並行して、計量機20からチャージホッパー50上流側までに待機している材料の待機量(上流側待機量)Mを算出し、この上流側待機量Mと、上記材料待機量LMとから、待機量TMを算出し、記憶部63に格納させる(ステップ306)。
この上流側待機量Mは、当該配合供給装置1の各部における計量動作、混合動作及び輸送動作等をCPU61によって監視し、これら各部における材料の待機有無(待機状態)を判別し、算出される。例えば、計量機20が計量動作中であるか否かを判別し、計量動作中であれば、計量完了時の計量待機量を、上流側待機量Mに含めるようにしてもよい。
上記のように、1バッチ目標量を減少させた後の上流側待機量Mを例にすれば、上記第1待機モードでは、計量機20における待機量(1バッチ目標量)が、2000gで、混合ドラム30、一時貯留ホッパー40または輸送中の材料の待機量(1バッチ目標量)が、2000gであり、上流側待機量Mは、4000gとなる。
【0064】
この上流側待機量M(4000g)に、上記した材料待機量LM(4000g)を加えれば、待機量TM(8000g)が算出される(ステップ306)。
次いで、上記した必要量W(19kg)から、待機量TM(8000g)を減算して、残り必要量RW(11kg)を算出し、記憶部63に格納させる(ステップ307)。
この残り必要量RWを計量機20の1バッチ目標量で除して、残り必要計量回数Nを算出し、記憶部63に格納させる(ステップ308)。例えば、上記した1バッチ目標量を、2000gとした場合を例にすれば、残り必要計量回数Nは、5.5回となる。このように算出された残り必要計量回数Nを、例えば、ショートフィードなどが生じないよう、安全側に端数処理し、6回とするようにしてもよい。
次いで、上記のように算出された残り必要計量回数Nの計量を、設定された1バッチ目標量(上記例では、2000g)で、計量機20に実行させ、以降の計量機20の計量動作を停止させる(ステップ309)。すなわち、残り必要計量回数N回の計量を実行した後は、計量機20の下流側からの材料要求信号が出力された際にも計量を実行させないようにしている。尚、残り必要計量回数N回目またはその後の適時以降は、各材料センサー42,52から材料要求信号を出力させないような態様としてもよい。
【0065】
以上のように、本動作例では、必要量Wから、待機量TMを減算して残り必要量RWを算出し、それに応じた残り必要計量回数Nを算出して、その回数Nに応じた計量を、計量機20に実行させて、以降の計量動作を停止させるようにしているので、成形終了予定信号が出力された後、成形終了時には、予定通りの成形品が成形され、かつ、残材を効率的に減少化させることができる。この結果、材料の無駄を低減でき、かつ廃棄量を減少させることができる。例えば、上記した例を挙げて説明すれば、残り必要量RW(11kg)に対して、計量機20において計量された材料は、12kgであり、残材は、概ね1000gとなり、本動作例によれば、大幅に残材を減少させることができる。
【0066】
また、特に、本動作例では、配合供給能力変更プログラムを実行して、射出成形機9の処理能力Xに応じた配合供給能力で、配合供給を実行させるようにしているので、射出成形機9が緊急停止された場合や、成形終了予定スイッチ62aの操作忘れ、または、各種事前設定入力項目の入力間違い等があった場合にも、残材を減少させることができる。すなわち、緊急停止等があった場合にも、計量機20及び一時貯留ホッパー40においてそれぞれ計量待機及び貯留されている1バッチ量分の材料、並びにチャージホッパー50に輸送されて徐々に消費される1バッチ量分の材料を減少させることができる。
さらに、上記のように、1バッチ目標量を、射出成形機9の処理能力Xに合わせて減少させておくことで、上記のように、残り必要計量回数Nを算出した後の端数分に相当する1バッチ量が小さくなり、より効率的に、残材を減少化させることができる。
【0067】
尚、上記1ショット量と、上記残ショット数S1とから、上記残ショット数S1が適切か否かを判別し、適切でないときには、アラームや異常メッセージ等を操作パネル62に表示させたり、スピーカ等の報知手段から鳴動させたりするようにし、残ショット数S1の入力を訂正させるようにしてもよい。例えば、上記のように、この残ショット数S1に基づいて算出される必要量Wが、当該配合供給装置1の上記待機状態等に基づいて算出された待機量TMを下回らないように、残ショット数S1の設定がなされるようにすることが好ましい。例えば、1ショット量と入力(または選択)された残ショット数S1とから仮の必要量を算出し、この仮必要量が、当該配合供給装置1における上記待機状態等に基づいて算出される上記待機量TMを下回れば、残ショット数S1の入力訂正を促すようにしてもよい。
または、このように、必要量Wが待機量TMを下回らないことを前提とした制御態様に代えて、例えば、上記のように、必要量Wと、待機量TMとを算出した後、待機量TMが、必要量Wを上回っているときには、以降の計量機20の計量動作を停止させるようにしてもよい。このような場合にも、上述のように、本動作例では、1バッチ目標量を、射出成形機9の処理能力Xに合わせて減少させているので、残材を減少化させることができる。
【0068】
また、本動作例では、成形終了予定信号を生成する信号生成部の一例として、成形終了予定スイッチ62aを設けてユーザーに操作させる態様とした例を示しているが、例えば、射出成形機9の成形品の排出側に、残り成形量を検出する検出手段(例えば、残りトレーの枚数検出や、排出成形品の量を検出するセンサー等)等を設け、この残り成形量検出手段からの出力信号を、成形終了予定信号としてCPU61において受信して、上記同様に、計量回数制御を実行するようにしてもよい。
さらに、本動作例では、上記計量回数制御プログラムに加えて、配合供給能力変更プログラムを実行するようにした例を示したが、上記計量回数制御プログラムのみを実行する態様としてもよい。
【0069】
次に、本実施形態に係る材料配合供給装置1で実行される計量回数制御プログラムの他の動作例を図7に基づいて説明する。
尚、上記した計量回数制御パターンAと異なる動作態様等について主に説明し、同様の動作態様等については説明を省略する。
【0070】
<計量回数制御パターンB>
まず、事前設定入力項目として、当該配合供給装置1の起動後、1ショットサイクル時間と、残ショット数S1とを操作パネル62から入力させ、記憶部63に格納する。
この1ショットサイクル時間は、上述のように、射出成形機9において成形データとして表示されるような場合には、そのデータをユーザーに確認させ、操作パネル62に入力させるようにしてもよい。または、上述のように、射出成形機9からショットサイクル時間が出力されるような場合には、CPU61においてその出力信号を受信し、ショットサイクル時間を記憶部63に格納させるようにしてもよい。この場合は、上記1ショットサイクル時間の入力は不要である。
【0071】
上記1ショットサイクル時間と、処理能力Xと、残ショット数S1とに基づいて、必要量Wを算出し、記憶部63に格納させる。例えば、上記例と同様、1ショットサイクル時間が3秒、処理能力Xが120kg/h、残ショット数S1が200ショットとすれば、1ショットサイクル時間と処理能力Xとから、1ショット量(100g)を算出し、これに残ショット数S1を乗じれば、必要量Wは、20kgとなる。
また、上記計量回数制御パターンAと同様にして、材料待機量LMを算出し、記憶部63に格納させる。
【0072】
上記のように、各種事前設定入力項目が設定入力され、かつ、必要量W及び材料待機量LMが格納されれば、図7(b)に示すように、成形終了予定スイッチ62aの操作の有無を監視する(ステップ300)。または、上記のように、残ショット数S1の入力により、成形終了予定信号が生成される態様とした場合には、ステップ300において、成形終了予定スイッチ62aの操作の有無を監視する態様に代えて、残ショット数S1の入力の有無を監視するようにしてもよい。
次いで、成形終了予定スイッチ62aが操作されれば(ステップ300)、上記計量回数制御パターンAにおけるステップ306〜309と同様にして、ステップ316〜319を実行する。
【0073】
すなわち、計量機20からチャージホッパー50上流側までに待機している材料の待機量(上流側待機量)Mを算出し、この上流側待機量Mと、上記材料待機量LMとから、待機量TMを算出し、記憶部63に格納させる(ステップ316)。
次いで、上記した必要量W(20kg)から、待機量TM(8000g)を減算して、残り必要量RW(12kg)を算出し、記憶部63に格納させる(ステップ317)。
この残り必要量RWを計量機20の1バッチ目標量で除して、残り必要計量回数Nを算出し、記憶部63に格納させる(ステップ318)。例えば、上記した1バッチ目標量を、2000gとした場合を例にすれば、残り必要計量回数Nは、6回となる。
次いで、上記のように算出された残り必要計量回数Nの計量を、設定された1バッチ目標量(上記例では、2000g)で、計量機20に実行させ、以降の計量機20の計量動作を停止させる(ステップ319)。
【0074】
以上のように、本動作例においても、成形終了予定信号が出力された後、成形終了時には、予定通りの成形品が成形され、かつ、残材を効率的に減少化させることができる。この結果、材料の無駄を低減でき、かつ廃棄量を減少させることができる。例えば、上記した例を挙げて説明すれば、残り必要量RW(12kg)に対して、計量機20において計量された材料は、12kgであり、残材は、成形終了予定信号が出力された時点における、チャージホッパー50の材料センサー52の検出レベル上部の不明の材料分に、残り必要計量回数Nを算出した後の端数分を加えた量、すなわち、最大でも2バッチ量分未満となり、本動作例によっても、残材を減少させることができる。
尚、本動作例において、必要量Wを算出する態様は、上記した例に限られず、例えば、1ショット量を、上記計量回数制御パターンAにおいて説明したように、入力させる、または、算出し、その1ショット量に、残ショット数S1を乗じて必要量Wを算出するようにしてもよい。
また、本動作例では、成形終了予定信号が出力された時点における、チャージホッパー50の材料センサー52の検出レベル上部の不明の材料分が残材となるため、残り必要計量回数Nを端数処理する際に、切り捨て、または四捨五入するようにしてもよい。
【0075】
次に、本実施形態に係る材料配合供給装置1で実行される計量回数制御プログラムの更に他の動作例を図8に基づいて説明する。
尚、本動作例では、上記した計量回数制御パターンA及びパターンBにおけるステップ308またはステップ318以降に代えて、以下のステップ328〜332を実行するようにしており、ステップ307またはステップ317以前については、上記した計量回数制御パターンA及びパターンBと同様であるので説明を省略する。
【0076】
<計量回数制御パターンC>
本動作例では、上記のように、残り必要量RWを算出した後、この残り必要量RWを計量機20の1バッチ目標量で除して、残り必要計量回数Nと回数余りRとを算出し、記憶部63に格納させるようにしている(ステップ328)。すなわち、上記した各動作例のように、端数処理せずに、回数余りR(上記した計量回数制御パターンAの例では、0.5)を算出し、格納させるようにしている。
次いで、この回数余りRに応じた余りバッチ目標量を算出し、記憶部63に格納させる(ステップ329)。例えば、上記した1バッチ目標量を、2000gとした場合を例にすれば、余りバッチ目標量は、1000gとなる。
尚、この際、余りバッチ目標量に、安全率(安全係数、例えば、1.1〜1.3程度)を乗じるようにしてもよい。
【0077】
次いで、この余りバッチ目標量に基づいて算出された各材料の目標設定値が、図5(a)に基づいて説明したステップ201と同様、最小計量可能値以下であるかを判別し(ステップ330)、その目標設定値が最小計量可能値以下であれば、余りバッチ目標量を、最低バッチ目標量に変更し、記憶部63に格納させる(ステップ331)。
一方、上記目標設定値が最小計量可能値を超えていれば、所定の余りバッチ目標量を記憶部63に格納させる。
次いで、上記のように算出された残り必要計量回数Nの計量を、設定された1バッチ目標量(上記例では、2000g)で、計量機20に実行させるとともに、余りバッチ目標量(上記例では、1000g)で、1回の計量を計量機20に実行させ、以降の計量機20の計量動作を停止させる(ステップ332)。
【0078】
以上のように、本動作例によれば、上記した計量回数制御パターンA及びパターンBのように、残り必要計量回数の算出時に、端数処理を行わず、回数余りRから余りバッチ目標量を算出するようにしているので、より効率的に成形終了時における残材を減少させることができる。
特に、上記した計量回数制御パターンAと組み合わせた動作態様とすれば、成形終了時における残材を、より一層、効率的に減少させることができる。
【0079】
尚、上記した各計量回数制御プログラムの動作例(パターンA,B,C)においては、チャージホッパー50の材料センサー52の検出レベル以下の材料待機量LMを算出し、この材料待機量LMを、計量機20からチャージホッパー50上流側までに待機している上流側待機量Mに加えて、待機量TMを算出する例を示しているが、材料待機量LMを加えずに、上流側待機量Mのみ、または、上流側待機量Mに検出レベル上部の材料UMを加えたものを、待機量TMとして把握するようにしてもよい。このような態様では、上記パターンA、パターンBのように、残り必要計量回数Nを端数処理する際には、切り捨てるようにしてもよい。
また、上記した各計量回数制御プログラムの動作例(パターンA,B,C)においては、当該配合供給装置1の供給先としての成形機を、射出成形機9として説明したが、例えば、押出成形機等にも適用可能である。この場合には、残ショット数に代えて、残押出量等を入力または選択させるようにしてもよい。
【0080】
次に、本実施形態に係る材料配合供給装置1で実行される配合供給能力変更プログラムの他の動作例を図9に基づいて説明する。
尚、定常運転移行検出、処理能力検出、及び計量能力検出の態様は、上記した配合供給能力変更パターンAの動作例と同様であるので説明を省略する。
また、本動作例は、上記した配合供給能力変更パターンAに代えて、上記した各計量回数制御プログラムの動作例(パターンA,B,C)とともに、当該配合供給装置1において実行可能である。
上記した配合供給能力変更パターンAの動作例では、定常運転に移行した後の処理能力Xと計量能力Yとに基づいて、計量機20において計量させる1バッチ目標量を、1度のみ変更して更新する態様としたが、本動作例では、段階的に1バッチ目標量を減少させ、計量能力Yを処理能力Xに所定基準まで近づける制御を実行する態様としている。
【0081】
<配合供給能力変更パターンB>
すなわち、図9に示すように、まず、上記同様に、検出して格納した処理能力Xと計量能力Yとを比較し、処理能力Xに応じた目標計量能力を算出して、1バッチ目標量を算出する(ステップ210)。この際、本動作例では、処理能力Xに、所定の安全率(安全係数、1.1程度としてもよい)を乗じて目標計量能力を算出するようにしている。
例えば、上記同様に、定常運転移行後における処理能力Xが、120kg/hであり、計量能力Yが、360kg/hであった場合を例にすれば、計量能力Yを処理能力Xに一致させて、120kg/hとし、これに安全係数1.1を乗じて、132kg/hとし、この目標計量能力の上記計量能力Yに対する減少割合から1バッチ目標量(2200g)を算出するようにしている。
【0082】
上記のように算出した1バッチ目標量から、上記同様にして各材料の目標設定値を算出し、最小計量可能値以下であるかを判別し(ステップ211)、その目標設定値が最小計量可能値以下であれば、変更前の1バッチ目標量を、その最小計量可能値に基づいて算出した最低バッチ目標量に変更する(ステップ212)。一方、上記目標設定値が最小計量可能値を超えていれば、変更前の1バッチ目標量を、所定の1バッチ目標量に変更する(ステップ213)。
ステップ212または213において、1バッチ目標量を更新した後、上記同様、処理能力Xが所定の閾値以上に増加すれば(ステップ214またはステップ216)、1バッチ目標量をリセットし(ステップ215)、初期準備運転に移行させる。
一方、上記目標設定値が最小計量可能値を超えている場合において、再度、検出された計量能力Yが上記目標計量能力に所定基準まで近づいていない場合(ステップ217)には、ステップ210に戻り、再度、上記同様にして、1バッチ目標量を算出する(ステップ210)。
【0083】
つまり、1バッチ目標量を減少させて更新すれば、上述のように、実際の計量能力Yは、計量時間t4が短くなるので大きくなり、1バッチ目標量更新後の次の計量動作時に検出される計量能力Yが、設定した目標計量能力よりも大きくなる。
そこで、本動作例では、上記1バッチ目標量は、更新前の計量能力Yを算出時の計量時間t4(1分)と、目標計量能力(132kg/h)とに基づいて、暫定値として算出し、1バッチ目標量更新後の次の計量動作時に検出される計量能力Yに基づいて、再度、1バッチ目標量を算出、更新し、以後、計量能力Yが上記目標計量能力に所定基準まで近づくまで、1バッチ目標量の更新を実行するようにしている。
【0084】
例えば、上記のように、1バッチ目標量を、6000gから2200gに更新した場合において、次の計量動作時の計量時間t4が、実際には、1分ではなく、45秒であったとすれば、更新後の計量能力Yの実測値は、176kg/hとなる。この実測値の計量時間t4(45秒)と、目標計量能力(132kg/h)とに基づいて、1バッチ目標量を再度、算出すれば、1650gとなり、1バッチ目標量を更新する。以下、同様にして、更新前の計量能力Yを算出時の計量時間t4と目標計量能力とに基づいて、暫定値として1バッチ目標量を算出、更新し、更新後の次の計量能力Y検出時における計量時間t4と目標計量能力とに基づいて、1バッチ目標量を算出、更新するという手順を繰り返し、計量能力Yが、目標計量能力に所定基準まで近づくまで、1バッチ目標量を減少させて更新する工程を繰り返し行うようにしている(ステップ217、210)。すなわち、本動作例では、2回の計量動作が行われる毎に、1バッチ目標量の更新がなされる。
上記目標計量能力に所定基準まで近づいたか否かの判別は、例えば、目標計量能力に±数%(例えば、±5%)程度の閾値を設定しておき、更新された計量能力Yが、その閾値の範囲内にあれば、目標計量能力に所定基準まで近づいたと判別するようにしてもよい。
【0085】
以上のように、本動作例では、計量能力Yが、処理能力Xを基準に算出された目標計量能力に所定基準まで近づくまで、1バッチ目標量を減少させて更新する工程を繰り返し行うようにしているので、緊急停止時等における配合済み材料(残材)を、より効率的に減少させることができる。つまり、射出成形機9の処理能力Xに、見合った能力で、かつ必要最小限の能力に計量能力Yを、減少化させることができ、残材を大幅に減少させることができる。
【0086】
尚、上記のように、1バッチ目標量の更新を、計量能力Yが目標計量能力に所定基準まで近づくまで繰り返す態様に代えて、例えば、予め1バッチ目標量の更新回数Nを設定しておき、そのN回だけ更新するような態様としてもよい。
また、上記動作例では、初回更新時に、処理能力Xに安全率を乗じて目標計量能力を算出し、それに基づいて1バッチ目標量を算出する態様としているが、例えば、初回または複数回目までの更新は、上記した配合供給能力変更パターンAと同様にして1バッチ目標量を算出し、2回目または複数回目以降の更新は、本動作例における1バッチ目標量の算出態様とするようにしてもよい。
【0087】
また、上記した各配合供給能力変更プログラムの動作例(パターンA及びパターンB)では、自動検出した計量能力Yと処理能力Xとを比較して、その自動検出した計量能力Yを処理能力Xに見合った所定能力となるように所定態様で目標計量能力を算出し、その算出した目標計量能力から1バッチ目標量を算出して更新する態様としているが、このような態様に限られない。例えば、成形機の処理能力と計量機の1バッチ目標量とを対応させたテーブルを予め格納させておき、このテーブルに基づいて、1バッチ目標量を変更するようにしてもよい。この場合は、配合する材料の種類や計量する材料点数に応じて、複数種類のテーブルを用意しておくようにしてもよい。また、このようにテーブルを作成する際には、ショートフィード等が生じないように、安全率を大きく設定して1バッチ目標量と処理能力とを対応づけるようにしてもよい。
【0088】
次に、本実施形態に係る材料配合供給装置1で実行される配合供給能力変更プログラムの更に他の動作例を図10〜図12に基づいて説明する。
尚、定常運転移行検出、及び処理能力検出の態様は、上記した各例と同様であるので説明を省略する。
また、本動作例は、上記した配合供給能力変更パターンA若しくはパターンBに代えて、または加えて、上記した各計量回数制御プログラムの動作例(パターンA,B,C)とともに、当該配合供給装置1において実行可能である。
【0089】
上記した配合供給能力変更パターンA及びパターンBの動作例では、定常運転に移行した後の処理能力Xと計量能力Yとに基づいて、1バッチ目標量を減少させることで、当該配合供給装置1における配合供給能力を減少させる態様としているが、本動作例では、計量機20及び一時貯留ホッパー40における材料の待機態様有無の組み合わせから複数の待機モードの実行を可能とし、この待機モードを変更することで、当該配合供給装置1における配合供給能力を減少させる態様としている。
本動作例では、上記第1待機モードと、図11に示す第2待機モードと、図12に示す第3待機モードとの実行が可能とされており、まず、これら第2待機モード及び第3待機モードの動作例について、図11及び図12に基づいて説明する。
尚、第1待機モードについては、上記同様であるので説明を省略する。
【0090】
<第2待機モード>
この第2待機モードでは、図11に示すように、チャージホッパー50の材料センサー52からの材料要求信号が出力されるまでに、一時貯留ホッパー40に1バッチ量分の材料を補給して待機(貯留保持)させ、かつ、一時貯留ホッパー40の材料センサー42からの材料要求信号が出力されるまでは、計量機20に材料を計量待機させずに、材料センサー42からの材料要求信号が出力された後に、計量を開始させるようにしている。
【0091】
すなわち、チャージホッパー50の材料センサー52からの材料要求信号が出力されれば、上記した吸引ブロアー6を輸送時間t1が経過するまで作動させて、一時貯留ホッパー40に貯留された1バッチ量分の材料を、チャージホッパー50に輸送する。一時貯留ホッパー40の材料センサー42から材料要求信号が出力されれば、計量機20において計量工程を実行し、計量工程が終了すれば、混合ドラムにおいて混合工程を実行させ、一時貯留ホッパー40に混合済みの材料を投入させ、一時貯留ホッパー40において1バッチ量分の材料を待機させる。
このように、第2待機モードでは、計量工程と混合工程とが並行して実行されず、直列的に順次、実行され、また、混合工程が終了した後も、一時貯留ホッパー40の材料センサー42からの材料要求信号が出力されるまでは、計量を開始しないようにしている。
以下、同様にしてチャージホッパー50の材料センサー52からの材料要求信号が出力される毎に、材料の輸送、計量及び混合が直列的に実行される。
【0092】
<第3待機モード>
この第3待機モードでは、図12に示すように、チャージホッパー50の材料センサー52からの材料要求信号が出力されるまでは、計量機20及び一時貯留ホッパー40に材料を計量待機及び貯留保持させずに、材料センサー52からの材料要求信号が出力された後に、計量を開始させるようにしている。
すなわち、チャージホッパー50の材料センサー52からの材料要求信号が出力されれば、計量機20において計量工程を実行し、計量工程が終了すれば、混合ドラムにおいて混合工程を実行させ、混合済みの材料を一時貯留ホッパー40に投入させる。これにより、一時貯留ホッパー40の材料センサー42が材料有を検出し、上記した吸引ブロアー6を輸送時間t1が経過するまで作動させて、一時貯留ホッパー40に貯留された1バッチ量分の材料を、チャージホッパー50に輸送する。
このように、第3待機モードでは、上記第2待機モードと同様、計量工程と混合工程とが並行して実行されず、直列的に順次、実行され、さらに、計量機20及び一時貯留ホッパー40に概ね材料を待機(計量待機及び貯留保持)させずに空状態としている。
以下、同様にしてチャージホッパー50の材料センサー52からの材料要求信号が出力される毎に、材料の計量、混合及び輸送が直列的に実行される。
【0093】
<配合供給能力変更パターンC>
上記にて説明した各モードにおける配合供給能力は、その待機態様から明らかなように、第1待機モードが最大、第3待機モードが最小であり、これら各モードの選択は、射出成形機9における上記処理能力Xと、各モードの待機態様に基づいて算出される基準時間条件等とに基づいてなされる。
まず、図10(b)に示すように、所定の初期準備運転を実行(ステップ100)した後、定常運転への移行を検出すれば(ステップ101)、チャージホッパー50の材料センサー52の検出レベル以下の材料待機量LMと、処理能力Xとから、検出レベル以下の材料の供給可能時間t9を算出し、記憶部63に格納させる(ステップ122)。すなわち、検出レベル以下の材料待機量LMで、どれだけの成形時間(処理時間)が賄えるかを算出する。
【0094】
また、1バッチ目標量と、処理能力Xとから、一時貯留ホッパー40に貯留保持される材料の供給可能時間t10を算出し、記憶部63に格納させる(ステップ123)。すなわち、一時貯留ホッパー40に貯留保持される材料で、どれだけの成形時間(処理時間)が賄えるかを算出する。
また、計量時間t4、混合時間t5、及び各部における輸送時間、並びに各部における遅延時間から、上記計量工程、上記混合工程、及び上記輸送工程を直列的に実行する場合における配合供給可能時間t11を算出し、記憶部63に格納させる(ステップ124)。すなわち、チャージホッパー50の材料センサー52から材料要求信号が出力された後に、計量された1バッチ量分の材料が、チャージホッパー50に投入されるまでの時間を算出する。
尚、上記ステップ122、ステップ123、及びステップ124は、図10(a)示した順に実行する必要はなく、並列的に実行するようにしてもよい。
【0095】
上記のように各基準時間t9,t10,t11が算出され、格納されれば、これらを比較して、各待機モードを変更する配合供給能力変更パターンCを実行する。
すなわち、図10(b)に示すように、供給可能時間t9と、配合供給可能時間t11とを比較して、配合供給可能時間t11が、供給可能時間t9以上でなければ、つまり、配合供給可能時間t11が、供給可能時間t9よりも小さければ(ステップ220)、初期設定時のモードである上記第1待機モードを上記第3待機モードに変更させる(ステップ221)。すなわち、第3待機モードにおける配合供給能力が、処理能力Xよりも大きいと判別し、第1待機モードを第3待機モードに変更し、以降の配合供給を、上記第3待機モードで実行する。
【0096】
一方、配合供給可能時間t11が、供給可能時間t9以上で(ステップ220)、かつ、供給可能時間t9に供給可能時間t10を加えた時間以上であれば(ステップ222)、第2待機モード及び第3待機モードにおける配合供給能力よりも処理能力Xが大きいと判別し、初期設定時のモードである上記第1待機モードを継続する(ステップ223)。
また、配合供給可能時間t11が、供給可能時間t9以上で(ステップ220)、かつ、供給可能時間t9に供給可能時間t10を加えた時間よりも小さければ(ステップ222)、第2待機モードにおける配合供給能力が、処理能力Xよりも大きいと判別し、第1待機モードを第2待機モードに変更し(ステップ224)、以降の配合供給を、上記第2待機モードで実行する。
ステップ221または224において、上記のように待機モードを変更した後、上記同様、処理能力Xが所定の閾値以上に増加すれば(ステップ225)、各待機モードから第1待機モードに変更し(ステップ226)、初期準備運転に移行させる。
【0097】
以上のように、本動作例では、検出した処理能力Xと、各待機モードの待機態様に基づいて算出される基準時間条件等とに基づいて、待機モード変更が可能なときには、待機モードを変更させて、当該配合供給装置1の配合供給能力を減少させるようにしているので、上記同様、緊急停止時における配合済み材料(残材)を減少させることができる。つまり、上記第2待機モードでは、一時貯留ホッパー40の材料センサー42からの材料要求信号が出力されるまでは、計量機20に材料を計量待機させずに、材料センサー42からの材料要求信号が出力された後に、計量を開始させるようにしているので、計量機20において、材料が常時、計量待機されることがなく、それに応じた残材を減少させることができる。また、上記第3待機モードでは、計量機20及び一時貯留ホッパー40に概ね材料を待機(計量待機及び貯留保持)させずに空状態としているので、第2待機モードよりも更に残材を減少させることができる。
【0098】
尚、本動作例において、第2待機モードまたは第3待機モードに変更されて配合供給が実行されている場合において、上記した各計量回数制御プログラムの動作例(パターンA,B,C)の実行がなされる際にも、上記同様にして、当該配合供給装置1の各部における材料の待機有無(待機状態)を判別し、上流側待機量Mを算出することで、本動作例の適用が可能である。
また、待機モードを変更して配合供給能力を減少させる本動作例に加えて、上記配合供給能力変更パターンA及びパターンBのように、1バッチ目標量を変更して配合供給能力を減少させる態様を実行する場合は、配合供給可能時間t11と1バッチ目標量とから直列運転時における配合供給能力を算出し、この配合供給能力を、上記計量能力に代えて適用するようにしてもよい。例えば、待機モードの変更が可能か否かを判別し、待機モードを変更した後、変更後の待機モードが、上記第1待機モードであれば、上記同様、計量能力に基づいて、1バッチ目標量を減少させる態様とする一方、変更後の待機モードが、上記第2待機モードまたは第3待機モードであれば、上記直列運転時における配合供給能力に基づいて、1バッチ目標量を減少させる態様としてもよい。
このように、待機モード変更による配合供給能力減少の態様と1バッチ目標量変更による配合供給能力減少の態様とを組み合わせることで、より効率的に残材を減少化させることができる。
【0099】
また、本動作例では、各待機モードにおける配合供給能力が処理能力X未満とならないように比較するための基準時間条件を算出し、それに基づいて各待機モードを変更する態様としているが、例えば、各待機モードにおける配合供給能力を安全な範囲で大まかに算出して予め格納させておき、定常運転移行後に処理能力と比較して、各待機モードの変更制御を行うようにしてもよい。
さらに、本動作例では、上記第1待機モード、上記第2待機モード及び上記第3待機モードの3つの待機モードの実行を可能とし、各待機モードを変更する態様としているが、上記第1待機モード及び上記第2待機モードのみを実行可能とし、上記第1待機モードを上記第2待機モードに変更することで、配合供給能力を減少させる態様としてもよい。
さらにまた、本実施形態では、混合ドラム30には、混合時以外は材料を待機させないようにしているが、混合ドラムにも材料を待機させる、または待機させないモードを実行可能として、上記各待機モードに加え、これら各待機モードから変更可能な態様としてもよい。
【0100】
また、本実施形態における上記基本動作例では、一時貯留ホッパー40に貯留保持させた1バッチ量分の材料の全量を、チャージホッパー50に向けて一度の材料要求信号により輸送させる態様としているが、複数回に分けて間欠的にチャージホッパー50に向けて輸送させる態様としてもよい。
さらに、チャージホッパー50の前段に、乾燥装置または加熱装置等を設置し、チャージホッパー50に配合済みの材料を供給する前に、該乾燥装置または加熱装置において配合済みの材料を乾燥または加熱させる態様としてもよい。この場合には、これらの部位における待機量を考慮して、上記した各計量回数制御パターンA,B,Cを実行するようにすればよい。
【0101】
次に、本実施形態に係る配合供給装置の変形例について図13及び図14に基づいて説明する。
尚、上記した配合供給装置1と同様の構成については、同一符号を付して、その説明を省略、或いは簡略に説明する。
【0102】
図13(a)は、第1変形例に係る配合供給装置1Aを示し、この配合供給装置1Aでは、計量機20と、一時貯留ホッパー40との間に、混合ドラムを設置せず、これら計量機20と一時貯留ホッパー40とを上下に隣接させている。また、混合手段としての混合ドラム30Aを、チャージホッパー50Aの上部に設置し、この混合ドラム30Aに、チャージホッパー50Aの捕集器を兼用させるようにしている。
このような構成とされた配合供給装置1Aにおいても、上記基本動作例と略同様の動作の実行が可能であり、また、上記各計量回数制御パターンA,B,C、並びに配合供給能力変更パターンA及び配合供給能力変更パターンBの実行が可能である。
また、上記配合供給能力変更パターンCを実行する場合は、上記供給可能時間t10に、一時貯留ホッパー40から混合ドラム30Aへの輸送時間及び混合ドラム30Aにおける混合時間並びに各部における遅延時間を加えた時間を、供給可能時間t10とすればよい。
【0103】
図13(b)は、第2変形例に係る配合供給装置1Bを示し、この配合供給装置1Bでは、上記第1変形例に係る配合供給装置1Aとは、混合手段の構成が異なるのみで、他の構成は同様である。
すなわち、本変形例に係る配合供給装置1Bは、上述のような混合ドラムに代えて、気流混合捕集器30Bをチャージホッパー50Bの上部に設置している。
この気流混合捕集器30Bは、詳細な説明は省略するが、上部の流動ホッパーと、流動ホッパーにおいて流動させて混合した材料を一時的に貯留する投入管と、この投入管と射出成形機9の材料投入口9aとの間に設けられた開閉弁とを備えている。この気流混合捕集器30Bでは、吸引輸送された材料を、流動ホッパー内において微粉等を除去しながら、混合し、投入管に投入させ、開閉弁を開閉させることで、チャージホッパー50に混合済みの材料を投入させるようにしている。このような構成によれば、輸送工程と混合工程とを関連させた工程として実行でき、上記した各例と比べて、これらの工程の時間を短縮化できる。
【0104】
図14は、第3変形例に係る配合供給装置1Cを示し、この配合供給装置1Cでは、一時貯留ホッパーを設けずに射出成形機9の上部に直接的に設置した態様(直付け型)としている点で上記した各例とは大きく異なる。すなわち、混合ドラム30の下方に、チャージホッパー50Cを設置している。このような構成によれば、上記した成形機側への材料輸送用の輸送手段、及び上記輸送工程が不要となり、上記した各例と比べて、装置構成がコンパクトとなるとともに、配合供給工程全体の時間を短縮化できる。
このような構成とされた配合供給装置1Cにおいても、上記基本動作例と略同様の動作の実行が可能であり、また、上記配合供給能力変更パターンA及び配合供給能力変更パターンBの実行が可能である。
また、上記配合供給能力変更パターンCを実行する場合は、上記第3待機モードの実行はできないが、上記第1待機モードを第2待機モードに変更させて、配合供給能力を減少させることができる。
さらに、上記した各計量回数制御パターンA,B,Cを実行する場合は、上記のように上流側待機量Mを算出する際に、一時貯留ホッパーの貯留分を加える必要がない以外は、上記と略同様にして実行が可能である。
【符号の説明】
【0105】
1,1A,1B,1C 材料配合供給装置
9 射出成形機(成形機)
9a 材料投入口
11A,11B,11C,11D 材料供給機
20 計量機(配合供給能力検出手段)
23 排出ダンパー(処理能力検出手段)
30,30A 混合ドラム(混合手段)
30B 気流混合捕集器(混合手段)
42 材料センサー(処理能力検出手段)
50,50A,50B,50C チャージホッパー(貯留部)
52 材料センサー(処理能力検出手段)
61 CPU(待機量検出手段、計量回数制御手段、配合供給能力制御手段、処理能力検出手段、配合供給能力検出手段)
62 操作パネル(操作部)
62a 成形終了予定スイッチ(信号生成部)
M 計量機からチャージホッパーの上流側までの材料の待機量
UM 材料センサーの検出レベル上部の材料(成形終了予定信号から材料センサーの材料要求信号までの間に成形機において処理された量)
LM 材料センサーの検出レベル以下の材料待機量
TM 待機量
N 残り必要計量回数
S1 残ショット数
W 必要量
RW 残り必要量
X 処理能力
Y 計量能力(配合供給能力)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数種の粉粒体材料をそれぞれに貯留する複数の材料供給機から供給させた各粉粒体材料を、予め設定された質量比になるように計量機において計量させ、混合手段によって混合させた材料を成形機に供給する材料配合供給装置であって、
所定の成形終了予定信号を生成する信号生成部と、前記成形機の材料投入口の上部側に設置される貯留部と、前記計量機から前記貯留部の上流側までの材料の待機量を検出する待機量検出手段と、
所定のプログラムに基づいて、前記成形終了予定信号を受信した後の成形終了までに前記成形機において必要とされる材料の必要量を算出し、この必要量から前記待機量を減算し、その残り必要量に応じた残り必要計量回数を算出して、該残り必要計量回数の計量を前記計量機において実行させ、以降の計量動作を停止させる計量回数制御手段とを備えていることを特徴とする材料配合供給装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記貯留部には、材料レベルが所定レベルまで低下したことを検出する材料センサーが設けられており、
前記計量回数制御手段は、前記材料センサーの検出レベル以下の材料待機量を算出し、この材料待機量を前記待機量に含ませて、前記残り必要量を算出することを特徴とする材料配合供給装置。
【請求項3】
請求項2において、
前記計量回数制御手段は、前記成形終了予定信号から前記材料センサーの材料要求信号までの間に前記成形機において処理された量を減算して前記必要量を算出することを特徴とする材料配合供給装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項において、
前記成形機が射出成形機であり、この射出成形機における1ショット量と、前記成形終了予定信号後の残ショット数とが入力される操作部を更に備えており、
前記計量回数制御手段は、前記操作部から入力された1ショット量と、残ショット数とに基づいて、前記必要量を算出することを特徴とする材料配合供給装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項において、
前記成形機において単位時間当たりに処理される材料の処理能力を検出する処理能力検出手段と、
前記成形機に向けて単位時間当たりに供給可能な材料の配合供給能力を検出する配合供給能力検出手段と、
所定のプログラムに基づいて、前記処理能力と前記配合供給能力とを比較し、該配合供給能力が該処理能力よりも過剰であり、かつ所定基準まで減少可能なときには、該配合供給能力を減少させるように更新して配合供給を実行させる配合供給能力制御手段とを更に備えていることを特徴とする材料配合供給装置。
【請求項6】
複数種の粉粒体材料をそれぞれに貯留する複数の材料供給機から供給した各粉粒体材料を、予め設定された質量比になるように計量機において計量し、混合手段によって混合した材料を成形機に供給するようにした材料配合供給方法であって、
前記計量機から前記成形機の材料投入口の上部側に設置された貯留部の上流側までの待機量と、所定の成形終了予定信号の後の成形終了までに前記成形機において必要とされる材料の必要量とを算出し、かつ、前記必要量から前記待機量を減算し、その残り必要量に応じた残り必要計量回数を算出して、該残り必要計量回数の計量を前記計量機において実行させ、以降の計量動作を停止させるようにしたことを特徴とする材料配合供給方法。
【請求項1】
複数種の粉粒体材料をそれぞれに貯留する複数の材料供給機から供給させた各粉粒体材料を、予め設定された質量比になるように計量機において計量させ、混合手段によって混合させた材料を成形機に供給する材料配合供給装置であって、
所定の成形終了予定信号を生成する信号生成部と、前記成形機の材料投入口の上部側に設置される貯留部と、前記計量機から前記貯留部の上流側までの材料の待機量を検出する待機量検出手段と、
所定のプログラムに基づいて、前記成形終了予定信号を受信した後の成形終了までに前記成形機において必要とされる材料の必要量を算出し、この必要量から前記待機量を減算し、その残り必要量に応じた残り必要計量回数を算出して、該残り必要計量回数の計量を前記計量機において実行させ、以降の計量動作を停止させる計量回数制御手段とを備えていることを特徴とする材料配合供給装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記貯留部には、材料レベルが所定レベルまで低下したことを検出する材料センサーが設けられており、
前記計量回数制御手段は、前記材料センサーの検出レベル以下の材料待機量を算出し、この材料待機量を前記待機量に含ませて、前記残り必要量を算出することを特徴とする材料配合供給装置。
【請求項3】
請求項2において、
前記計量回数制御手段は、前記成形終了予定信号から前記材料センサーの材料要求信号までの間に前記成形機において処理された量を減算して前記必要量を算出することを特徴とする材料配合供給装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項において、
前記成形機が射出成形機であり、この射出成形機における1ショット量と、前記成形終了予定信号後の残ショット数とが入力される操作部を更に備えており、
前記計量回数制御手段は、前記操作部から入力された1ショット量と、残ショット数とに基づいて、前記必要量を算出することを特徴とする材料配合供給装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項において、
前記成形機において単位時間当たりに処理される材料の処理能力を検出する処理能力検出手段と、
前記成形機に向けて単位時間当たりに供給可能な材料の配合供給能力を検出する配合供給能力検出手段と、
所定のプログラムに基づいて、前記処理能力と前記配合供給能力とを比較し、該配合供給能力が該処理能力よりも過剰であり、かつ所定基準まで減少可能なときには、該配合供給能力を減少させるように更新して配合供給を実行させる配合供給能力制御手段とを更に備えていることを特徴とする材料配合供給装置。
【請求項6】
複数種の粉粒体材料をそれぞれに貯留する複数の材料供給機から供給した各粉粒体材料を、予め設定された質量比になるように計量機において計量し、混合手段によって混合した材料を成形機に供給するようにした材料配合供給方法であって、
前記計量機から前記成形機の材料投入口の上部側に設置された貯留部の上流側までの待機量と、所定の成形終了予定信号の後の成形終了までに前記成形機において必要とされる材料の必要量とを算出し、かつ、前記必要量から前記待機量を減算し、その残り必要量に応じた残り必要計量回数を算出して、該残り必要計量回数の計量を前記計量機において実行させ、以降の計量動作を停止させるようにしたことを特徴とする材料配合供給方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2011−20296(P2011−20296A)
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−165464(P2009−165464)
【出願日】平成21年7月14日(2009.7.14)
【出願人】(000146054)株式会社松井製作所 (70)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年7月14日(2009.7.14)
【出願人】(000146054)株式会社松井製作所 (70)
【Fターム(参考)】
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