説明

材質記録装置

【課題】材質に異常が生じた場合でも、プロセスデータから原因の特定が容易に行うことができる材質記録装置を提供する。
【解決手段】材質センサ31a、31b及びプロセスデータ測定センサ30a、30b並びに画像センサ32a、32bで測定されたデータをそれぞれ収集し、該収集データを記録可能で、かつその記録データの読出し可能なデータ収集記録装置と、前記データ収集記録装置に記録されているデータを読出し、材質データ及びプロセスデータ並びに画像データを前記圧延材の位置情報及び測定時間と共に必要に応じて、連続的或いは部分的に表示可能な装置とを備えたもの。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、連続鋳造設備からのスラブを直方体状に成形し、かつそれを圧延設備で圧延して得られる製品コイルを巻取り機に巻き取るシステムの材質記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図1は、連続鋳造設備からのスラブを直方体状のものに成形し、かつそれを圧延設備で圧延して得られる製品コイルを巻取り機に巻き取るシステムの概要を示す図である。これは、連続鋳造設備1により得られるスラブを、スラブ切断機2により所望の大きさに切断し、トンネル炉3により直方体状のスラブを成形し、スラブ切断機4により所望の大きさに切断している。このようにして得られた直方体状のスラブの表面に付着する酸化鉄皮膜(スケール)をスケールブレーカ5で除去し、その後粗圧延機6で圧延し、この圧延された圧延材を仕上圧延機7により更に圧延し、この仕上げ圧延した圧延材を冷却装置8及びランアウトテーブル9により冷却し、このようにして得られたホットコイル11を巻取り機10で巻き取るものである。このシステムに、各種センサ例えば仕上入側温度計12と、と、仕上出側温度計14を備えている。
【0003】
近年、鉄鋼、非鉄メーカの顧客である自動車産業、電機産業などから、サイズに対する厳格な要求だけでなく、強度や延性といった材質に対する要求が高まっている。例えば、自動車において、強度の高い金属材料を使用すれば、同じ強度を得るのに薄くて少量の金属材料を使用すればよく、その分自動車を軽量化することができ、燃費が向上し、製品競争力が増すとともに、地球環境に優しい製品となる。
【0004】
鉄鋼材料を圧延した後に出現する鉄鋼の材質としては、機械的性質とよばれる強度や延性の他、結晶粒径など金属組織も含まれる。なお、結晶粒径などの金属組織を把握することにより、機械的性質を算出することができる。
【0005】
鉄鋼の金属組織は、圧延工程における加熱や冷却という温度条件、加工条件などによって決定付けられる。たとえば、高温状態から急速冷却することにより、焼入れと同様の効果が生じ、高硬度の材料ができる。したがって、加工度や温度条件を管理することにより、どのような材質の金属材料が製造されたかを認識することができると同時に、加工度や温度条件を工夫することにより、高い強度をもった新しい品種を開発することもできる。
【0006】
このためには材質を測定し管理することが必要である。しかし、機械的性質を測定するためには、圧延後の材料から試験片を切り出し、試験を行い、特定することが必要である。また機械的性質を知るために、金属組織である結晶粒径を測定するにも、やはり試験片を切り出し、研磨、顕微鏡観察などの工程を必要とし、多くの手間と時間を必要とする。
【0007】
また手作業で測定した結果、材質に欠陥があった場合、その原因を探るために実際の圧延におけるプロセスデータを検証する必要がある。すなわち温度、加工度は適切だったか、そのときの板厚、板幅、圧延荷重、圧延トルクなどの諸量に異常は見られないか、など多方面からの検討が必要になる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
材質センサによる材料の材質測定値と、当該材料が製造された過程で得られるプロセスデータをデータベースに格納しておき、コイル情報から材質とプロセスデータを検索する。
【0009】
従来は、材質測定点が限定され、プロセスデータとの関連付けが困難であり、材質異常の原因を特定することが難しかった。
【0010】
しかしながら、手作業で切り出す部分と、計算機等で収集しているプロセスデータは必ずしも一致していない。つまり材質測定のために手作業で取り出す部分は、製品コイルの外側、すなわち圧延材料の長手方向の尾端部分であるが、予め切り出す位置と一致させてプロセスデータを採取しているわけではない。また尾端部分は、速度を急激に減速したり温度が低かったりするというように、圧延状態では不安定なことが多い。
【0011】
さらに手作業では材料の一部しか材質を測定できないため、全長に亘る材質を測定したり、材質を保証したりすることは困難である。
【0012】
本発明は、材質に異常が生じた場合でも、プロセスデータから原因の特定が容易に行うことができる材質記録装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記目的を達成するため、請求項1に対応する発明は、圧延ライン上を走行する測定対象である圧延材を破壊することなく圧延材全長に亘って材質を測定可能で、該材質を前記圧延材の位置情報及び測定時間と共に測定する材質センサと、前記材質センサで測定されたデータを収集し、該収集データを記録可能で、かつその記録データの読出し可能なデータ収集記録装置と、前記データ収集記録装置に記録されているデータを読出し、材質データを前記圧延材の位置情報及び測定時間と共に必要に応じて、連続的或いは部分的に表示可能な報知装置とを具備した材質記録装置である。
【0014】
前記目的を達成するため、請求項2に対応する発明は、圧延ライン上を走行する測定対象である圧延材を破壊することなく圧延材全長に亘って材質を測定可能で、該材質を前記圧延材の位置情報及び測定時間と共に測定する材質センサと、前記圧延ライン上を走行する測定対象である圧延材の全長に亘って温度、加工度、板厚み、板幅、圧延荷重などの圧延ラインのプロセスデータを測定可能で、該プロセスデータを前記圧延材の位置情報及び測定時間と共に測定するプロセスデータ測定センサと、前記材質センサ及び前記プロセスデータ測定センサで測定されたデータをそれぞれ収集し、該収集データを記録可能で、かつその記録データの読出し可能なデータ収集記録装置と、前記データ収集記録装置に記録されているデータを読出し、材質データ及びプロセスデータを前記圧延材の位置情報及び測定時間と共に必要に応じて、連続的或いは部分的に表示可能な報知装置とを具備した材質記録装置である。
【0015】
前記目的を達成するため、請求項3に対応する発明は、圧延ライン上を走行する測定対象である圧延材を破壊することなく圧延材全長に亘って材質を測定可能で、該材質を前記圧延材の位置情報及び測定時間と共に測定する材質センサと、前記圧延ライン上を走行する測定対象である圧延材の全長に亘って温度、加工度、板厚み、板幅、圧延荷重などの圧延ラインのプロセスデータを測定可能で、該プロセスデータを前記圧延材の位置情報及び測定時間と共に測定するプロセスデータ測定センサと、前記圧延ライン上を走行する測定対象である圧延材の状況、前記各センサの設置されている環境等を撮像する画像センサと、前記材質センサ及び前記プロセスデータ測定センサ並びに前記画像センサで測定されたデータをそれぞれ収集し、該収集データを記録可能で、かつその記録データの読出し可能なデータ収集記録装置と、前記データ収集記録装置に記録されているデータを読出し、材質データ及びプロセスデータ並びに画像データを前記圧延材の位置情報及び測定時間と共に必要に応じて、連続的或いは部分的に表示可能な報知装置とを具備した材質記録装置である。
【0016】
前記目的を達成するため、請求項4に対応する発明は、以下のようにしたものである。すなわち、前記データ収集記録装置に記録されている材質データを読出し、この材質データの平均値、材質データの標準偏差等の統計的なデータを求める統計データ処理装置と、
前記統計データ処理装置で求めた材質データの統計的なデータを前記報知装置に、前記
材質データ、前記プロセスデータ及び又は前記画像データと共に必要に応じて、連続的或いは部分的に報知可能にした請求項1〜3のいずれか一つに記載の材質記録装置である。
【0017】
前記目的を達成するため、請求項5に対応する発明は、以下のようにしたものである。すなわち、前記材質センサ及び又はプロセスデータ測定センサの異常状態を判断すると共に前記この判断結果のうちセンサの異常状態を報知するようにした請求項1〜4のいずれか一つに記載の材質記録装置である。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、材質とプロセスデータを検索できることから、材質に異常が生じた場合でも、プロセスデータから原因の特定が容易に行うことができる材質記録装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明するが、始めに本発明の概要について説明する。従来は、鉄鋼材料等の材質測定は、標本抽出された材料に対し、圧延後に手作業(手動 )で行われていたため、材料全数の材質測定は困難で、また材質測定点が限定されるため、プロセスデータとの関連付けが困難であり、プロセスデータに基づいて材質異常の原因を特定することが難しかった。
【0020】
ここで、プロセスデータとは、製造、圧延の過程で測定される諸量であり、例えば板厚、板幅、圧延荷重、温度などである。
【0021】
本発明では、以上述べた従来の問題点を改善するため、以下に述べる対策により、解決している。
【0022】
図2は本発明の第1の実施形態を説明するためのブロック図である。
【0023】
圧延機例えば仕上圧延機7を出た圧延材がランアウトテーブル9上を搬送され、巻取り機10で巻き取られ、製品コイルとなる。図2には、図1に示す圧延機などの機械を省略している。もちろん圧延機7内の温度条件や加工度も材質に影響するが、材質センサ31a、31bの周辺を表したものである。材質センサ31a、31bとしては、例えば前述したレーザ超音波材質センサを使用する。
【0024】
圧延ライン上に板厚、板幅、圧延荷重、圧延トルク、温度、板クラウン、平坦度などを測定するプロセスデータ測定センサ30a、30b、30cが設置される。また同じく圧延ライン上に材質センサ31a、31bが設置される。
【0025】
図2では、圧延機出側と巻取り機入り側に設置されていることを想定している。これは圧延機出側における材質が、ランアウトテーブル9で水冷されたあと、巻取り機10前で材質がどのように変化するかを捉えることができるためである。圧延機出側の材質センサ31aはなくても、巻取り機10の前に材質センサ31bがあれば、最終製品の材質を測定することは可能である。
【0026】
また圧延材の状態、センサ周辺の状態を画像として取り込むため、画像センサ32a、32bを配置する。
【0027】
例えば図2に示すように製造(圧延)ライン上に、設置された材質センサ31a、31bにより、材料の材質をオンラインで測定するとともに、材料の位置情報、測定時間等の情報とともに記録する。プロセスデータ測定センサ30a、30b、30cにより、測定したプロセスデータも材質測定点、時刻と関連付けてデータベース例えばデータ記録手段29に格納する。圧延時刻やコイル情報などから、材質とプロセスデータを検索することが可能になり、当該製品の材質が得られた過程を容易に推測することができる。これにより材質欠陥が生じた場合、プロセスデータを解析することにより、欠陥を回避する製造方法を容易に得ることができる。
【0028】
この場合、圧延される材料のプロセスデータをオンライン・リアルタイムで測定するセンサと同様に、オンライン・リアルタイムで材質を測定する材質センサを用いることができれば、材質を全長に亘り測定したり、プロセスデータの測定部分と同一位置の材質を測定することができる。
【0029】
この要求を満たす材質センサ31a、31bとしては、圧延ライン上に設置することができ、かつ測定対象(=製品)を破壊することなく、粒径等の材質関連諸量を計測することが必要である。この結晶粒径の測定を非破壊で行う方法として、超音波振動を用いた方法がある。その1例として、レーザ超音波材質センサがある。レーザ超音波材質センサは、レーザ光を例えば圧延材の表面に当てて超音波を発生させ(送信)、圧延材を伝播させた後の信号を別のレーザ光で読み取り(受信)、信号解析することにより圧延材の材質、具体的には結晶粒径を測定するものである。このレーザ超音波材質センサは、レーザ発信源と材料の距離を長く取れることで、材質センサを圧延ライン上に設置し、材料を圧延しつつその材料の材質をオンラインで測定することが可能になる。
【0030】
(1)材質センサ31a、31bを圧延ライン上に設置し、圧延材の全長に亘って温度、加工度、板厚、板幅、圧延荷重などのプロセスデータを測定する材料上の位置と同じ位置において材質諸量(材質データという)を測定し、図10に示すように材料上の位置、測定時刻、プロセスデータ、材質データをデータ記録手段29記録する。
【0031】
(1a)前述の(1)において、材質データを圧延材の全長に亘って測定し、記録し、プロセスデータは狙い点におけるデータを測定しデータ記録手段29に記録する。ここで狙い点とは、初期設定においてはモデルによる予測計算を行い、所望の板厚、板幅、温度等になるように速度やロールギャップを設定するが、それらの所望の値を得るべき圧延材上の位置(一点)をいう。設定計算はその一点を狙って設定し、その後はダイナミックな制御に任せることになる。
【0032】
(1b)前述の(1)において、図11に示すようにプロセスデータを圧延材の全長に亘って測定し、記録し、材質データは狙い点におけるデータを測定しデータ記録手段29に記録する。
【0033】
(1c)前述の(1)において、プロセスデータ、材質データともに狙い点におけるデータを測定しデータ記録手段29に記録する。
【0034】
(2)前述の(1)においてプロセスデータを測定したと同一時刻に測定した材質データを測定時刻とともにデータ記録手段29に記録する。
【0035】
(3)圧延している状態の画像データを、図10、図11に示すように記録してもよい。画像は圧延材の状況、センサ周囲の環境(水蒸気、ほこり等)を必要なら後で確認するためである。これは、前述の(1)(1a)(1b)(1c)にそれぞれに対応する。
【0036】
(4)センサの測定状態を表す信号(いわゆるヘルシー信号)、制御装置の機器状態を示す信号等(機器状態データという)もデータ記録手段29に図10、図11に示すように記録する。これは、前述の(1)(1a)(1b)(1c)にそれぞれに対応する。
【0037】
(5)従来から行われている手作業による材質の試験結果も取り込むために、手作業結果入力手段(手動による材質試験結果入力手段)27を設ける。
【0038】
(6)記録したプロセスデータ、材質データ、画像データ、機器状態データを、測定位置または測定時刻と関連づけて取り出す仕組み(データ管理手段25)を持つ。
【0039】
(7)目標の材質からの許容範囲を逸脱した材質データがあった場合、または材質の欠陥が生じた場合、アラーム(異常報知)を出す(アラームを出すのはデータ管理手段25、出力は入出力および表示手段28)。
【0040】
(8)上記アラームを出す状態になった場合において、プロセスデータ、画像データ、機器状態データを取り出して材質データとともに別途記録(材質異常記録という)し、材質管理のために容易に利用できるものとする。これにより、材質異常を起こす状態を作り出さないようにする。
【0041】
以上述べたことから、本発明によれば、従来、手作業(手動)で材質情報を管理し、圧延材1つに少数のデータとしてしか管理できていなかったものが、材質センサの測定値を活用することで、圧延材料上の位置や圧延時刻に関連づけた複数の情報として管理することができる。また材質データとプロセスデータ、その他のデータを同一位置、または同時刻で収集することにより、材質データが得られた履歴を関連づけることができる。この結果、材質欠陥などが生じた場合、その原因を容易に推測することが可能になる。
【0042】
プロセスデータ測定センサ30a、30bからの信号は、プロセスデータ収集手段21により、材質センサ31a、31bからの信号が材質データ収集手段22により、画像センサ(監視カメラ)32a、32bからの信号は画像データ収集手段23により収集される(センサ信号をディジタル信号に変換し、データ記録手段29に格納する形にする)。またセンサの状態、制御装置の機器の状態を表す信号は機器状態データ収集手段24により収集される。
【0043】
従来から行われている手作業による圧延材の分析、試験の結果についても本装置に取り込むようにする。上記4つのデータ収集手段21、22、23、24で収集するデータ採取の位置、時刻と異なるが、代表点のデータとして、あるいは参考データとして、同じ圧延材のデータとして記録しておく。これは手作業結果入力手段で行われる。
【0044】
データ管理手段25は、4つのデータ収集手段21、22、23、24からのデータを管理したり、収集した時刻や圧延材上の収集位置と関連付ける。また圧延材のID(固有番号)なども関連付ける。これらのデータをデータ記録手段29に送り、記録、保存する。
【0045】
データ管理手段25は、また、入出力および表示手段28を介して指示されるデータの取り出しも行う。例えば、ある日時に圧延された圧延材Aの材質、プロセスデータ等を取り出したい、という要求があれば、圧延材Aのそれらのデータをデータ記録手段29から引き出し、データをそろえて入出力および表示手段28を介して表示する。
【0046】
データ管理手段25では、さらに、材質に異常のあった製品コイルについて、プロセスデータ、材質データ、画像データ、機器状態データを異常材質データ記録手段26に記録する。この記録に基づいて、材質異常が起こった周辺状況を表示し、管理者に注意を促す(アラームを出す)とともに、異常のあったデータを提示し、技術者が解析しやすい環境を作り出す。
【0047】
図6、7はデータ採取の例を説明したものであり、図5は圧延機7の出側における圧延材33上の同一点(同一測定点)を、プロセスデータ測定センサ30b、材質センサ31aを経由してプロセスデータ収集手段21、材質データ収集手段22でデータ収集する。同時にその測定点の周辺状況を画像センサ32aを経由して画像データ収集手段23で収集する。さらにセンサの状態、制御装置20の機器の状態を表す信号を機器状態データ収集手段24で収集する。
【0048】
同一点におけるデータを収集することで、その点が受けた加工度合い、温度の変化などの履歴と、その結果として生じる材質のデータを容易に対応付けられる。
【0049】
図6は図5と同様であるが、データ採取のタイミングが同一点ではなく、圧延機7の出側で同時、巻取り機10の前で同時というように、時刻の同一性を重視する場合である。この場合、同時刻に何らかの外乱が入った場合の解析に有用である。一般に同一点採取のデータとともに使用する。
【0050】
図6、7においてはデータ採取点を1、2点しか書いていないが、短距離間で複数点の採取を行い、それらを平均して用いたり、圧延材の全長に亘って複数点のデータを採取して、それぞれの位置や時刻と関連付けることができる。
【0051】
各データ収集手段によって収集されたデータは、データ管理手段によって編集され、データ記録手段29へと送られる。
【0052】
このデータ記録フォーマットの一例を図8に示す。この例では、図5に示した同一点で収集したデータを編集したものとしている。このように同一点でのプロセスデータ、材質データを比較することで、もし材質欠陥があった場合に、その原因を探り出しやすくなる。
【0053】
データの検索時は、たとえばコイル番号で検索するなら左端の項目を検索する。圧延日時で検索するならその欄で検索することができる。
【0054】
図3−5は、それぞれ図2に比べて以下の点が異なる。図3は機器状態データ収集手段24を含まず、また図4は画像データ収集手段23を含まず、さらに図5は画像データ収集手段23及び機器状態データ収集手段24を含まない
図9に全長に亘り同一点におけるデータを収集する場合、全長のデータと狙い点との関係を示す。全長に亘って同一点におけるデータを収集する場合、たとえば1mピッチなどの一定長で収集することで、異なる圧延材との間のデータの管理が容易になる。また圧延材全長を3分割、5分割等とし、3分割なら先端から2m、尾端から2m、ちょうど真ん中というようにデータ収集の点を決めてもよい。狙い点は、全長データを収集する点の中の一つとした方が、全長データとの整合性の点で有利である。
【0055】
図10に全長に亘る同一点のプロセスデータ、材質データ、および、画像データ、機器状態データを表示したイメージの例を示す(上記(1)の場合に相当)。
【0056】
図11に全長に亘る同一点のプロセスデータ、狙い点の材質データ、および、画像データ、機器状態データを表示したイメージの例を示す(上記(1b)の場合に相当)。図10、図11においては、すべてのデータを一画面に表示しなくてもよいし、小ウィンドウで表示できるようにしてもよい。
【0057】
(変形例)
前述の図4及びこれに関連する実施形態の説明では、材質センサ31a、31b及びプロセスデータ測定センサ30a、30bのそれぞれ備え、材質データ収集手段22、プロセスデータ収集手段21等を備えた材質記録装置を説明したが、材質センサ31a、31bと、材質データ収集手段22を備えた材質記録装置としても本発明の初期の目的を達成することができる。
【0058】
前述の実施形態では、報知手段の一例として、入出力および表示手段28及びこの表示面面の一例として、図10、図11を示したが、表示画面で表示するのみならず、音声等で報知する構成であってもよい。
【0059】
また、入出力および表示手段28には、連続的に表示するものを例にあげて説明したが、用途等によっては部分的にデータを報知例えば表示する構成であってもよい。
【0060】
さらに、図10に示した材質データに関する統計データは、必要に応じて出力および表示手段28に報知例えば表示するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明連続鋳造圧延システムの一例を示す概略構成図。
【図2】図1に備えている材質記録装置の第1の実施形態を説明するための図。
【図3】図1に備えている材質記録装置の第2の実施形態を説明するための図。
【図4】図1に備えている材質記録装置の第3の実施形態を説明するための図。
【図5】図1に備えている材質記録装置の第4の実施形態を説明するための図。
【図6】図1に備えている材質記録装置のデータの採取を説明するための図。
【図7】図1に備えている材質記録装置のデータの採取を説明するための図。
【図8】図1に備えている材質記録装置のデータ記録手段のデータ記録フォーマットの一例を示す図。
【図9】圧延材の全長に亘り同一点におけるデータを収集する場合、全長のデータと狙い点との関係を示す図。
【図10】圧延材の全長に亘り同一点における各種データを表示したイメージの例を示す図。
【図11】圧延材の全長に亘り同一点における各種データを表示したイメージの例を示す図。
【符号の説明】
【0062】
1…連続鋳造設備、2…スラブ切断機、3…トンネル炉、4…スラブ切断機、5…スケールブレーカ、6…粗圧延機、7…仕上圧延機、8…冷却装置、9…ランアウトテーブル、10…巻取り機、11…ホットコイル、12…仕上入側温度計、13…エッジャ、14…仕上出側温度計、15…巻取前温度計、20…制御装置、21…プロセスデータ収集手段、22…材質データ収集手段、23…画像データ収集手段、24…機器状態データ収集手段、25…データ管理手段、26…異常材質データ記録手段、27…手作業結果入力手段、28…表示手段、29…データ記録手段、30a、30b…プロセスデータ測定センサ、31a、31b…材質センサ、32a、32b…画像センサ、33…圧延材。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧延ライン上を走行する測定対象である圧延材を破壊することなく圧延材全長に亘って材質を測定可能で、該材質を前記圧延材の位置情報及び測定時間と共に測定する材質センサと、
前記材質センサで測定されたデータを収集し、該収集データを記録可能で、かつその記録データの読出し可能なデータ収集記録装置と、
前記データ収集記録装置に記録されているデータを読出し、材質データを前記圧延材の位置情報及び測定時間と共に必要に応じて、連続的或いは部分的に表示可能な報知装置と、
を具備した材質記録装置。
【請求項2】
圧延ライン上を走行する測定対象である圧延材を破壊することなく圧延材全長に亘って材質を測定可能で、該材質を前記圧延材の位置情報及び測定時間と共に測定する材質センサと、
前記圧延ライン上を走行する測定対象である圧延材の全長に亘って温度、加工度、板厚み、板幅、圧延荷重などの圧延ラインのプロセスデータを測定可能で、該プロセスデータを前記圧延材の位置情報及び測定時間と共に測定するプロセスデータ測定センサと、
前記材質センサ及び前記プロセスデータ測定センサで測定されたデータをそれぞれ収集し、該収集データを記録可能で、かつその記録データの読出し可能なデータ収集記録装置と、
前記データ収集記録装置に記録されているデータを読出し、材質データ及びプロセスデータを前記圧延材の位置情報及び測定時間と共に必要に応じて、連続的或いは部分的に表示可能な報知装置と、
を具備した材質記録装置。
【請求項3】
圧延ライン上を走行する測定対象である圧延材を破壊することなく圧延材全長に亘って材質を測定可能で、該材質を前記圧延材の位置情報及び測定時間と共に測定する材質センサと、
前記圧延ライン上を走行する測定対象である圧延材の全長に亘って温度、加工度、板厚み、板幅、圧延荷重などの圧延ラインのプロセスデータを測定可能で、該プロセスデータを前記圧延材の位置情報及び測定時間と共に測定するプロセスデータ測定センサと、
前記圧延ライン上を走行する測定対象である圧延材の状況、前記各センサの設置されている環境等を撮像する画像センサと、
前記材質センサ及び前記プロセスデータ測定センサ並びに前記画像センサで測定されたデータをそれぞれ収集し、該収集データを記録可能で、かつその記録データの読出し可能なデータ収集記録装置と、
前記データ収集記録装置に記録されているデータを読出し、材質データ及びプロセスデータ並びに画像データを前記圧延材の位置情報及び測定時間と共に必要に応じて、連続的或いは部分的に表示可能な報知装置と、
を具備した材質記録装置。
【請求項4】
前記データ収集記録装置に記録されている材質データを読出し、この材質データの平均値、材質データの標準偏差等の統計的なデータを求める統計データ処理装置と、
前記統計データ処理装置で求めた材質データの統計的なデータを前記報知装置に、前記
材質データ、前記プロセスデータ及び又は前記画像データと共に必要に応じて、連続的或いは部分的に報知可能にした請求項1〜3のいずれか一つに記載の材質記録装置。
【請求項5】
前記材質センサ及び又はプロセスデータ測定センサの異常状態を判断すると共に前記この判断結果のうちセンサの異常状態を報知するようにした請求項1〜4のいずれか一つに記載の材質記録装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2007−83300(P2007−83300A)
【公開日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−278511(P2005−278511)
【出願日】平成17年9月26日(2005.9.26)
【出願人】(501137636)東芝三菱電機産業システム株式会社 (904)
【Fターム(参考)】