説明

板状基板のエッジ検査装置

【課題】板状基板の外周部分を撮影して得られた撮影画像上の点の前記板状基板の周方向を横切る方向の位置を把握し易い板状基板のエッジ検査装置を提供することである。
【解決手段】予め設定された原点に向けて延びる撮影軸Axbを有し、板状基板10の外周部分10Eにおける所定面12Aを撮影視野範囲に含み、該所定面を前記板状基板10の周方向に順次撮影して画像信号を出力する撮影部130b(131b)を備え、前記画像信号から生成される撮影画像データにて表される撮影画像上の点及び前記撮影軸Axbに対応した基準点それぞれの前記周方向を横切る方向における位置tAに基づいて、前記撮影画像上の当該点に対応する擬似的な撮影角度αAを表す擬似撮影角度情報を生成し、撮影画像及び前記擬似撮影角度情報に基づいた撮影角度に関するユーザインタフェース情報を前記表示ユニットに表示させるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ウエーハ等の板状基板の外周部分を撮影して検査する板状基板のエッジ検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
円盤状の半導体ウエーハ(板状基板)は、例えば、図11(a)、(b)に示すような構造となっている。なお、図11(a)は、半導体ウエーハの斜視図であり、図11(b)は、図11(a)のA−A断面を拡大して示した断面図である。図11(a)、(b)に示すように、半導体ウエーハ10の外周部分10Eには、その上面11a縁から下面11bに向けて傾斜した上外周ベベル面12U、また、逆に、下面11b縁から上面11aに向けて傾斜した下外周ベベル面12L、及び上外周ベベル面12Uと下外周ベベル面12Lとに接合する外周端面12Aが形成されている。また、外周部分10Eには、その周方向Dsの基準位置を表すノッチ13が形成されている。
【0003】
この半導体ウエーハ10の外周部分10Eにおける上外周ベベル面12U、外周端面12A及び下外周ベベル面12Lをそれぞれカメラ(例えば、ラインセンサ)で撮影し、その得られた撮影画像からそれら各面の傷、ゴミ、構造欠陥の状態や膜層の状態等を検査する装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。このような検査装置では、半導体ウエーハ10の外周部分10Eの各面12U、12A、12Lの目視検査だけでなく、その撮影画像を解析することにより、より詳細な検査が可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3629244号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述した検査装置では、撮影画像上の点の半導体ウエーハ10の周方向の位置は、撮影時の当該半導体ウエーハ10の回転角度(例えば、ノッチ13が基準)から容易に把握することができる。しかし、撮影画像上の点の前記周方向を横切る方向の位置については、その把握がし難い。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、板状基板の外周部分を撮影して得られた撮影画像上の点の前記板状基板の周方向を横切る方向の位置を把握することのし易い板状基板のエッジ検査装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る板状基板のエッジ検査装置は、予め設定された原点に向けて延びる撮影軸を有し、板状基板の外周部分における所定面を撮影視野範囲に含み、該所定面を前記板状基板の周方向に順次撮影して画像信号を出力する撮影部と、該撮影部から出力される画像信号を処理する画像処理部とを有し、前記画像処理部は、前記画像信号から、前記撮影視野範囲に対応した撮影画像を表す撮影画像データを生成する画像データ生成手段と、前記撮影画像データにて表される撮影画像上の点及び前記撮影軸に対応した基準点それぞれの前記周方向を横切る方向における位置に基づいて、前記撮影画像上の当該点に対応する擬似的な撮影角度を表す擬似撮影角度情報を生成する角度情報生成手段と、前記撮影画像データに基づいて、撮影画像を表示ユニットに表示させる画像表示制御手段と、前記角度情報生成手段にて得られた前記擬似撮影角度情報に基づいて、撮影角度に関するユーザインタフェース情報を前記表示ユニットに表示させる手段とを有する構成となる。
【0008】
このような構成により、撮影画像上の点及び撮影軸に対応した基準点それぞれの前記周方向を横切る方向における位置に基づいて、前記撮影画像上の当該点に対応する擬似的な撮影角度を表す擬似撮影角度情報が生成され、その擬似撮影角度情報に基づいて、撮影画像上の点についての撮影角度に関するユーザインタフェース情報が、当該撮影画像とともに表示ユニットに表示されるようになる。
【0009】
また、本発明に係る板状基板のエッジ検査装置において、前記角度情報生成手段は、前記撮影軸の方向を基準方向とした擬似的な撮影角度を表す擬似撮影角度情報を生成するように構成することができる。
【0010】
このような構成により、撮影部の撮影軸を基準とした撮影角度を表す擬似撮影角度情報が得られる。
【0011】
更に、本発明に係る板状基板のエッジ検査装置において、前記板状基板の外周部分における縁線部を検出する縁線部検出手段と、前記撮影部に対する前記板状基板の進退方向における前記縁線部と前記原点との距離をオフセット量として検出するオフセット検出手段と、前記オフセット量を出力するオフセット出力手段とを有する構成とすることができる。
【0012】
このような構成により、板状基板の外周部分の周りをカメラがチルト(回動)しつつ撮影する電子顕微鏡等の他のシステムにおいて、そのカメラの回動中心と前記板状基板の外周部分における縁線部との距離を前記オフセット量にあわせることにより、本発明に係る板状基板のエッジ検査装置における撮影部と撮影対象となる板状基板の外周部分の所定面との位置関係が、前記他のシステムにおけるカメラと板状基板の同所定面との位置関係として再現することができるようになる。従って、本発明に係る板状基板のエッジ検査装置にて得られる撮影画像と、前記他のシステムにおいて同じ板状基板について得られた撮影画像とを比較し易くすることができる。
【0013】
また、本発明に係る板状基板のエッジ検査装置において、前記撮影部は、その外周部分の板状基板の厚さ方向に異なる部位を撮影する複数のカメラユニットを有し、前記複数のカメラユニットそれぞれの撮影軸が前記原点に向けて延び、前記角度情報生成手段は、前記複数のカメラユニットそれぞれからの画像信号に基づく撮影画像上の点に対する擬似撮影角度情報を、当該撮影画像上の当該点及び当該カメラユニットの撮影軸に対応した基準点それぞれの前記周方向を横切る方向における位置に基づいて生成するように構成することができる。
【0014】
このような構成により、複数のカメラユニットそれぞれにて撮影される各部位の撮影画像上の点についての撮影角度に関するユーザインタフェース情報が当該撮影画像とともに表示ユニットに表示されるようになる。
【0015】
また、本発明に係る板状基板のエッジ検査装置において、前記板状基板は、上面の縁から下面に向けて傾斜した上外周ベベル面と、該上外周ベベル面の縁から続く外周端面と、下面から前記上面に向けて傾いて前記外周縁面に続く下外周ベベル面とが周方向を横切る方向に連続するように形成された半導体ウエーハであって、前記撮影部は、撮影軸が前記原点に向けて延びるとともに前記上外周ベベル面を撮影視野範囲に含み、該上外周ベベル面を撮影する第1カメラユニットと、撮影軸が前記原点に向けて延びるとともに前記外周端面を撮影視野範囲に含み、該外周端面を撮影する第2カメラユニットと、撮影軸が前記原点に延びるとともに前記下外周ベベル面を撮影視野範囲に含み、該下外周ベベル面を撮影する第3カメラユニットとを有し、角度情報生成手段は、前記第1カメラユニットからの画像信号に基づく撮影画像上の点に対応する擬似撮影角度情報を、前記撮影画像上の当該点及び前記第1カメラユニットの撮影軸に対応した基準点それぞれの前記周方向を横切る方向における位置に基づいて生成し、前記第2カメラユニットからの画像信号に基づく撮影画像上の点に対する擬似撮影角度情報を、前記撮影画像上の当該点及び前記第2カメラユニットの撮影軸に対応した基準点それぞれの前記周方向を横切る方向における位置に基づいて生成し、前記第3カメラユニットからの画像信号に基づく撮影画像上の点に対応する擬似撮影角度情報を、前記撮影画像上の当該点及び前記第3カメラユニットの撮影軸に対応した基準点それぞれの前記周方向を横切る方向における位置に基づいて生成するように構成することができる。
【0016】
このような構成により、半導体ウエーハの外周部分における上外周ベベル面を撮影して得られる撮影画像上の点についての撮影角度、外周端面を撮影して得られる撮影画像上の点についての撮影角度、及び下外周ベベル面を撮影して得られる撮影画像上の点についての撮影角度のそれぞれに関するユーザインタフェース情報が当該撮影画像とともに表示ユニットに表示されるようになる。
【0017】
更に、本発明に係る板状基板のエッジ検査装置において、前記縁線部検出手段は、前記半導体ウエーハの前記上面と前記上外周ベベル面との境界部を縁線部として検出し、前記オフセット検出手段は、前記半導体ウエーハの前記上面と前記上外周ベベル面との境界部と前記原点との距離をオフセット量として検出する構成とすることができる。
【0018】
このような構成により、半導体ウエーハの外周部分の周りをカメラがチルト(回動)しつつ撮影する電子顕微鏡等の他のシステムにおいて、そのカメラの回動中心と前記半導体ウエーハの外周部分における上面と上外周ベベル面との境界部との距離を前記オフセット量にあわせることにより、本発明に係る板状基板のエッジ検査装置における撮影部と撮影対象となる半導体基盤の外周部分の各面(上外周ベベル面、外周端面、下外周ベベル面)との位置関係が、前記他のシステムにおけるカメラと半導体ウエーハの同各面との位置関係として再現することができるようになる。
【0019】
また、本発明に係る板状基板のエッジ検査装置において、撮影軸が前記上面と直交し、前記上面と前記外周ベベル面との境界部を撮影視野範囲内に含み、前記半導体ウエーハの外周部分における上面を撮影する第4カメラユニットを有し、前記画像処理部の画像データ生成手段は、前記第4カメラユニットからの画像信号から、前記撮影視野範囲に対応した撮影画像データを生成し、前記縁線部検出手段は、前記第4カメラユニットからの画像信号に基づいた撮影画像上の前記縁線部に対応した画像部分に基づいて当該縁線部を検出する構成とすることができる。
【0020】
このような構成により、半導体ウエーハの上面と上外周ベベル面との境界部を撮影視野範囲内に含む第4カメラユニットからの画像信号に基づいた撮影画像から容易に前記上面と上外周ベベル面との境界部を検出することができる。
【0021】
更に、本発明に係る板状基板のエッジ検査装置において、前記第4カメラユニットは、その撮影軸が前記原点に向けて延びるように設置されている構成とすることができる。
【0022】
このような構成により、第4カメラユニットからの画像信号に基づいて得られた撮影画像上の撮影軸に対応した点と、前記上面と前記上外周ベベル面との境界部に対応する画像部分との間の周方向を横切る方向における距離をオフセット量として検出することができるようになる。
【発明の効果】
【0023】
本発明に係る板状基板のエッジ検査装置によれば、撮影画像上の点及び撮影軸に対応した基準点それぞれの前記周方向を横切る方向における位置に基づいて得られた前記撮影画像上の当該点に対応する擬似撮影角度情報に基づいて、撮影画像上の当該点についての撮影角度に関するユーザインタフェース情報が、撮影画像とともに表示ユニットに表示されるようになるので、そのユーザインタフェース情報から、板状基板の外周部分を撮影して得られた撮影画像上の点の前記板状基板の周方向を横切る方向の位置を把握し易くなる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施の一形態に係る板状基板のエッジ検査装置としての半導体ウエーハのエッジ検査装置の撮影系の主要部を模式的に示す図である。
【図2】半導体ウエーハの外周部分に対する5つのカメラユニットの光軸(撮影軸)及び撮影視野範囲を示す図である。
【図3】本発明の実施の一形態に係る板状基板のエッジ検査装置としての半導体ウエーハのエッジ検査装置の処理系の主要部を模式的に示すブロック図である。
【図4】図3に示す処理ユニットでの処理の手順を示すフローチャート(その1)である。
【図5】第2カメラユニットにて得られた外周端面の撮影画像の例(a)、(b)を示す図である。
【図6】半導体ウエーハのエッジ検査装置における表示ユニットに表示されるGUIの一例を示す図である。
【図7】図3に示す処理ユニットでの処理の手順を示すフローチャート(その2)である。
【図8】図1に示す半導体ウエーハのエッジ検査装置の撮影系における光学条件を示す図である。
【図9】他のエッジ検査装置おける半導体ウエーハの設置位置調整方法を示す図である。
【図10】他のエッジ検査装置における半導体ウエーハの設置位置調整手順を示すフローチャートである。
【図11】半導体ウエーハの外観を示す斜視図(a)と、そのA−A断面を拡大して示した断面図(b)である。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0025】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0026】
本発明の実施の形態に係る板状基板のエッジ検査装置は、例えば、半導体ウエーハのエッジ検査装置にて実現される。この半導体ウエーハのエッジ検査装置の撮影系は、例えば、図1に示すように構成されている。
【0027】
図1において、ステージ100が、回転駆動モータ110の回転軸110aに保持され、一定の方向に回転させられるようになっている。ステージ100には板状基板となる半導体ウエーハ(以下、単にウエーハという)10が水平状態にセットされる。なお、ステージ100にはアライメント機構(図示略)が設けられており、ウエーハ10の中心がステージ100の回転中心(回転軸110aの軸芯)に極力合致するように当該ウエーハ10のステージ100上での位置が調整されるようになっている。
【0028】
ステージ100にセットされたウエーハ10の外周部分に対向するように第1カメラユニット130a、第2カメラユニット130b、第3カメラユニット130c、第4カメラユニット130d、第5カメラユニット130eの5台のカメラユニット(例えば、CCDラインセンサを撮像素子として内蔵するカメラ)が配置されている。この5台のカメラユニット130a〜130eは、当該エッジ検査装置において撮影部を構成する。
【0029】
ウエーハ10の外周部分10Eには、図11(a)、(b)を参照して説明したように、上面11aから続く上外周ベベル面12U、外周端面12A及び下面11bに続く下外周ベベル面12Lが周方向Dsを横切る方向に連続するように形成されている。前記5台のカメラユニット130a、130b、130c、130d、130eのウエーハ10に対する具体的な配置関係は図2に示すようになっている。
【0030】
図2において、第1カメラユニット130aは、上外周ベベル面12Uに正対するように配置され、その撮影視野範囲F1は、上外周ベベル面12Uを含み、僅かに上面11a側及び外周端面12A側に広がっている。第2カメラユニット130bは、外周端面12Aに正対するように配置され、その撮影視野範囲F2は、外周端面12Aを含み、僅かに上外周ベベル面12U側及び下外周ベベル面12L側に広がっている。第3カメラユニット130cは、下外周ベベル面12Lに正対するように配置され、その撮影視野範囲F3は、下外周ベベル面12Lを含み、僅かに外周端面12A側及び下面11b側に広がっている。第4カメラユニット130dは、上面11aの上外周ベベル面12Uとの隣接領域(以下、適宜上面外周部分という)に正対するように配置され、その撮影視野範囲F4は、前記上面外周部分を含み、僅かに上外周ベベル面12U側に広がっている。また、第5カメラユニット130eは、下面11bの下外周ベベル面12Lとの隣接領域(以下、適宜下面外周部分という)に正対するように配置され、その撮影視野範囲F5は、前記下面外周部分を含み、僅かに下外周ベベル面12L側に広がっている。前述したように、上外周ベベル面12Uに正対する第1カメラユニット130aの撮影軸(光軸)Axa、外周端面12Aに正対する第2カメラユニット130bの撮影軸(光軸)Axb、下外周ベベル面12Lに正対する第3カメラユニット130cの撮影軸(光軸)Axc、上面外周部分に正対する第4カメラユニット130dの撮影軸(光軸)Axd及び下面外周部分に正対する第5カメラユニット130eの撮影軸(光軸)Axeは、一点(原点という)Oにて交差している。
【0031】
各カメラユニット130a、130b、130c、130d、130eは、後述するように(図8参照)、その撮像素子としてCCDラインセンサを有している。そして、各カメラユニット130a〜130eは、そのCCDラインセンサが正対する面の周方向(Ds:図2の紙面に垂直な方向)を略直角に横切る方向に延びるように、その向きが調整されている。
【0032】
なお、図2には、照明系については示されていないが、実際には、5つのカメラユニット130a、130b、130c、130d、130eのそれぞれにそれが正対する面からの反射光が有効に入射するように、ウエーハ10の外周部分10Eにおける各面11a、12U、12A、12L、11bに対して照明光が照射されている。また、各カメラユニット130a、130b、130c、130d、130eの被写界深度は、例えば、そのカメラユニットが正対する面が明確には写るように設定される。
【0033】
前述したような撮影系を有するウエーハ10のエッジ検査装置では、ステージ100の回転に伴ってウエーハ10が回転する過程で、第1カメラユニット130aが上外周ベベル面12Uを、第2カメラユニット130bが外周端面12Aを、第3カメラユニット130cが下外周ベベル面12Lを、第4カメラユニット130dが上面外周部分を、第5カメラユニット130eが下面外周部分を、周方向(Ds)に順次走査(副走査)する。これにより、第1カメラユニット130aが上外周ベベル面12Uを周方向Dsに撮影して画素単位の画像信号を順次出力し、第2カメラユニット130bが外周端面12Aを周方向Dsに撮影して画素単位の画像信号を順次出力し、第3カメラユニット130cが下外周ベベル面12Uを周方向Dsに撮影して画素単位の画像信号を順次出力し、第4カメラユニット130dが上面外周部分を周方向Dsに撮影して画素単位の画像信号を順次出力し、第5カメラユニット130eが下面外周部分を周方向Dsに撮影して画素単位の画像信号を順次出力する。
【0034】
前述したエッジ検査装置の処理系は、図3に示すように構成される。
【0035】
図3において、第1カメラユニット130a〜第5カメラユニット130eは、コンピュータにて構成される処理ユニット200(画像処理部)に接続されている。処理ユニット200は、半導体ウエーハ10がアライメント機構によって水平状態にセットされたステージ100を所定の速度で回転させるように回転駆動モータ110の駆動制御を行うとともに、第1カメラユニット130a〜第5カメラユニット130eのそれぞれから順次出力される画像信号を処理する。処理ユニット200は、操作ユニット210及び表示ユニット220が接続されており、オペレータにて操作される操作ユニット210からの信号に基づいて各種の処理を実行し、前記画像信号から生成される画像データに基づいた画像や前記画像データを処理して得られた検査結果を表す情報及び各種ユーザインタフェース情報等を表示ユニット220に表示させる。
【0036】
処理ユニット200は、まず、図4に示す手順に従って処理を実行する。
【0037】
処理ユニット200は、回転駆動モータ110の駆動制御を行ってステージ100を所定方向に所定の速度にて回転させる(S1)。これにより、ステージ100にセットされたウエーハ10が回転する。ウエーハ10が回転する過程で、処理ユニット200は、第1カメラユニット130a、第2カメラユニット130b、第3カメラユニット130c、第4カメラユニット130d及び第5カメラユニット130eのそれぞれから順次出力される画像信号に基づいて、ウエーハ10の周方向に対応して延びる各撮影視野範囲F1〜F5に対応した撮影画像を表す撮影画像データを生成し、その撮影画像データを所定のメモリに取り込む(S2)。
【0038】
具体的には、第1カメラユニット130aからの画像信号に基づいて、ウエーハ10の周方向に対応して延び、その1周分(0度〜360度)の上外周ベベル面12Uを含む撮影視野範囲F1に対応した第1撮影画像を表す第1撮影画像データDIUb(θ)が、第2カメラユニット130bからの画像信号に基づいて、同様に、ウエーハ10の1周分の外周端面12Aを含む撮影視野範囲F2に対応した第2撮影画像を表す第2撮影画像データDIAp(θ)が、第3カメラユニット130cからの画像信号に基づいて、同様に、ウエーハ10の1周分の下外周ベベル面12Lを含む撮影視野範囲F3に対応した第3撮影画像を表す第3撮影画像データDILb(θ)がそれぞれ生成される。更に、第4カメラユニット130dからの画像信号に基づいて、ウエーハ10の1周分の上面外周部分(上面11aの上外周ベベル面12Uとの隣接領域)を含む撮影視野範囲F4に対応した第4撮影画像を表す第4撮影画像データDISa生成され、また、第5カメラユニット130eからの画像信号に基づいて、ウエーハ10の1周分の下面外周部分(下面11bの下外周ベベル面12Lとの隣接領域)を含む撮影視野範囲F5に対応した第5撮影画像を表す第5撮影画像データDISb(θ)が生成される。
【0039】
処理ユニット200は、ウエーハ10の1周分の各撮影画像データDIUb、DIAp、DILb、DISa、DISbが得られると(S3でYES)、回転駆動モータ110を停止させてウエーハ10の回転を止め(S4)、撮影画像取り込みに係る処理を終了させる。
【0040】
ところで、前述したようにして取得されたウエーハ10の1周分の撮影画像データに基づいて、撮影画像を表示ユニット220に表示させる場合、その表示された撮影画像上における欠陥等の注目点の位置を把握することができることが好ましい。例えば、図5(a)、(b)に示すように、外周端面12Aを撮影する第2カメラユニット130bからの画像信号から生成された第2撮影画像データDIAPにて表される第2撮影画像の外周端面画像部分I12A上における欠陥画像部分IDの周方向位置θiは、その撮影時のウエーハ10の回転角度位置にて決めることができる。従って、その周方向位置θiを撮影画像とともにユーザインタフェース情報として表示させることにより、オペレータは、外周端面12Aにおけるその欠陥の周方向位置θiを把握することができる。
【0041】
一方、外周端面12Aにおける欠陥の周方向を横切る方向の位置については、図5(a)に示すように、外周端面12Aの周方向を横切る方向全体が表示されている場合には、その外周端面画像部分I12A上の欠陥画像部分IDの相対的な位置に基づいて、ある程度把握することができる。例えば、図5(a)に示す場合、その欠陥が外周端面12Aの上外周ベベル面12Uとの境界部側に寄った位置にあることがある程度把握することができる。しかし、図5(b)に示すように外周端面12Aが部分的に拡大表示される場合などでは、外周端面画像部分I12A上の欠陥画像部分IDの位置だけでは、その欠陥が外周端面12Aの周方向を横切る方向のどの位置にあるかを把握することが全くできない。
【0042】
そこで、当該ウエーハのエッジ検査装置は、図6に示すような表示ユニット220に表示すべきユーザインタフェース(GUI)を備えている。
【0043】
図6において、このユーザインタフェースは、撮影画像を表示する画像表示ウィンドウ221、ウエーハ10の周方向に対応する横方向のスクロールバー222a及びその周方向を直角に横切る方向に対応する縦方向のスクロールバー222bを有している。また、ユーザインタフェースは、画像表示ウィンドウ221に設定された横方向中央線Lv上の画素点の周方向位置θを矢印を用いてグラフィカルに表す周方向位置表示ウィンドウ223a、その周方向位置θを数値で表示するθ値ウィンドウ223b、画像表示ウィンドウ221に設定された縦方向中央線Lh上の画素点に対応する撮影角度αを矢印を用いてグラフィカルに表示する撮影角度表示ウィンドウ224a及びその撮影角度αを数値で表示するα値ウィンドウ224bを有する。なお、前記撮影角度αについては、後述する。
【0044】
また、更に、前記ユーザインタフェースは、オフセット量ΔOFFSETを数値で表示するΔOFFSET値ウィンドウ225を有している。このオフセット量ΔOFFSETについても、後述する。
【0045】
処理ユニット200は、撮影画像の表示に関して、図7に示すような手順に従って処理を実行する。
【0046】
図7において、処理ユニット200は、例えば、オペレータの操作による操作ユニット210からの操作信号に従って特定される表示対象面(例えば、上面外周部分、上外周ベベル面12U、外周端面12A、下外周ベベル面12L、下面外周部分のいずれか)についての撮影画像データに基づいて、その特定される領域の撮影画像を表示ユニット220の画像表示ウィンドウ221に表示させる(S11)。処理ユニット200は、撮影画像表示に供される撮影画像データに基づいて画像表示ウィドウ221の横方向中央線Lv上の画素点の周方向位置θを取得し(S12)、縦方向中央線Lh上の画素点の撮影方向αを演算する(S13)。
【0047】
この撮影方向αの演算について、図8を参照しつつ説明する。
【0048】
図8において、第1カメラユニット130aの撮像素子となるCCDラインセンサ131aが、各カメラユニット130a〜130eの撮影軸Axa、Axb、Axc、Axd、Axeが交差する原点Oから距離LUの位置に設置され、第2カメラユニット130bの撮像素子となるCCDラインセンサ131bが前記原点Oから距離LAの位置に設置され、また、第3カメラユニット130cの撮像素子となるCCDラインセンサ131cが前記原点Oから距離LLの位置に設置されている。なお、第4カメラユニット130dの撮像素子となるCCDラインセンサ131d及び第5カメラユニット130eの撮像素子となるCCDラインセンサ131eについても、それぞれ、原点Oから所定の距離の位置に設置されている。
【0049】
例えば、外周端面12Aについての撮影画像I12Aにおける前記縦方向中央線Lv上の画素点と撮影軸Axbに対応した撮影画像I12A上の基準点との間距離tAが演算される。この距離tAは、それらの画素点間の周方向を直角に横切る方向において存在する画素点数に対応している(例えば、画像倍率等から得られる画素点間の距離に応じてその画素点数が距離値変換されている)。そして、この撮影画像I12A中の距離tAは、図8に示すように、第2カメラユニット130bのCCDラインセンサ131bにおける前記縦方向中央線Lv上に対応した画素と撮影軸Axbが通るCCDラインセンサ131b上の画素との間の距離に相当する。
【0050】
そして、前記距離tAと、原点OからCCDラインセンサ131bまでの距離LAから、
tanαA=tA/LA
αA=tan-1(tA/LA)
に従って角度αAが演算される。この角度αAが撮影角度α(=αA)として定義される。
【0051】
この撮影角度α(=αA)は、図8に示すように、原点Oを中心して半径Lの円弧150上の位置から当該原点Oに向けて撮影することを想定した場合における撮影軸Axbを基準とした擬似的な撮影角度とみることができる。
【0052】
また、上外周ベベル面12Uに対応した撮影画像I12Uにおける前記縦方向中央線Lv上の画素点についても同様に、当該画素点と撮影軸Axaに対応した撮影画像I12U上の基準点との間の距離tUが演算される。その距離tUと原点OからCCDラインセンサ131aまでの距離LUから、
tanαU=tU/LU
αU=tan-1(tU/LU)
に従って角度αUが演算される。そして、この角度αUと、第2カメラユニット130bの撮影軸Axbと第1カメラユニット130aの撮影軸Axaとの間の角度α1とを用いて、撮影角度αが、
α=αU+α1
として定義される。
【0053】
更に、下外周ベベル面12Lに対応した撮影画像I12Lにおける前記縦方向中央線Lv上の画素点についても同様に、当該画素点と撮影軸Axcに対応した撮影画像I12L上の基準点との間の距離tLが演算される。その距離tLと原点OからのCCDラインセンサ131cまでの距離LLから、
tanαL=tL/LL
αL=tan-1(tL/LL)
に従って角度αLが演算される。そして、この角度αLと、第2カメラユニット130bの撮影軸Axbと第3カメラユニット130cの撮影軸Axcとの間の角度α2とを用いて、撮影角度αが、
α=αL−α2
として定義される。
【0054】
前述したように演算された、前記上外周ベベル面12Uに対応した撮影画像I12Uにおける前記縦方向中央線Lv上の画素点、及び下外周ベベル面12Lに対応した撮影画像I12Lにおける前記縦方向中央線Lv上の画素点それぞれについての撮影角度αも、外周端面12Aに対応した撮影画像I12Aにおける前記縦方向中央線Lv上の画素点についての撮影角度α(=αA)と同様に、原点Oを中心して半径Lの位置(破線弧上の位置)から当該原点Oに向けて撮影することを想定した場合における第2カメラユニット130bの撮影軸Axbを基準とした擬似的な撮影角度とみることができる。
【0055】
なお、この撮影角度αは、第2カメラユニット130bの撮影軸Axbを基準とし、第1カメラユニット130aの撮影軸Axa側の方向が(+)方向、逆に、第3カメラユニット130cの撮影軸Axc側の方向が(−)方向となる(図8参照)。
【0056】
図7に戻って、前述したように、画像表示ウィンドウ221に表示される撮影画像の横方向中央線Lv上の画素点の周方向位置θ(S12参照)が取得され、縦方向中央線Lh上の画素点の撮影角度α(S13参照)が演算されると、処理ユニット200は、その得られた周方向位置θ及び撮影画像αに基づいて、ユーザインタフェース情報の更新を行い(S14)、その更新されたユーザインタフェース情報に基づいて表示ユニット220に表示されるユーザインタフェースの更新を行う。具体的には、周方向位置表示ウィンドウ223aに表示される周方向位置θを表す矢印(インタフェース情報)の向きが新たに得られた周方向位置θに基づいて更新されるとともにそのθ値(インタフェース情報)が更新され、また、撮影角度表示ウィンドウ224aに表示される撮影角度αを表す矢印(インタフェース情報)の向きが新たに得られた撮影角度αに基づいて更新されるとともにそのα値(インタフェース情報)が更新される。そして、それらの更新されたインタフェース情報に基づいて、周方向位置表示ウィンドウ223a、θ値ウィンドウ223b、撮影角度表示ウィンドウ224a及びα値ウィンドウ224bの表示内容が更新される。
【0057】
処理ユニット200は、画像表示ウィンドウ221に表示される撮影画像が変更される毎に、図7に示す手順に従って処理を実行する。その結果、その撮影画像が変更される毎に、その撮影画像に適合した周方向位置θ及び撮影方向αについてのユーザインタフェース情報が対応する各ウィンドウに表示されるようになる。
【0058】
前述したようなウエーハ10のエッジ検査装置によれば、表示画像ウィンドウ221に表示される撮影画像の横方向中央線Lv上の画素点の周方向位置θ及び当該撮影画像の縦方向中央線Lh上の画素点についての撮影角度αが、その数値として表示されるとともに矢印を用いたグラフィカルに表示されるので、ウエーハ10の外周部分を撮影して得られた撮影画像上の点の当該ウエーハ10の周方向位置と、その周方向を横切る方向の位置をともに容易に把握することができるようになる。
【0059】
なお、前述したエッジ検査装置において、画像表示ウィンドウ221上の任意の点をポインティングデバイス(操作ユニット210)によって指定した場合に、その指定された点の周方向位置θを取得し、また、前述したのと同様の手法に従ってその指定された点についての撮影角度αを演算することもできる。この場合、その任意の点の周方向位置θと撮影角度αに基づいたインタフェース情報を表示ユニット200に表示させることができる。
【0060】
また、前述したエッジ検査装置では、ウエーハ10の上外周ベベル面12U、外周端面12A及び下外周ベベル面12Lを撮影する3つのカメラユニット130a、130b、130cを有していたが、少なくともそのいずれかのカメラユニットを有する構成であってもよい。この場合、撮影された面についての撮影画像に対して前述したのと同様の処理が行われる。
【0061】
次に、表示ユニット200のΔOFFSET値ウィンドウ225に表示すべきオフセット量ΔOFFSETについて説明する。
【0062】
処理ユニット200は、第4カメラユニット130からの画像信号に基づいて生成される上面外周部分(上面11aの上外周ベベル面12Uとの隣接領域)に対応した撮影画像データに基づいて、図8に示すように、当該周方向位置θの面内における上面11aと上外周ベベル面12Uとの境界部Pとの間の距離をオフセット量ΔOFFSETとして算出する。そして、処理ユニット200は、このオフセット量ΔOFFSETの値(インタフェース情報)を表示ユニット200のΔOFFSET値ウィンドウ225に表示させる。
【0063】
このオフセット量ΔOFFSETは、前述したエッジ検査装置で検査されたウエーハ10を同じように他の検査システム、例えば、ウエーハ10のX−Y(平面)移動機構を有し、また、図9に示すように、カメラ330をウエーハ10の外周部分を臨むように中心点Oの円弧線350上を移動させる機構を有する電子顕微鏡システにて検査する場合に利用することができる。なお、カメラ330は、円弧状に移動可能であることから、以下、チルトカメラ330という。その具体的な利用方法について、図9とともに図10を参照して説明する。なお、図9は、チルトカメラ330とウエーハ10との相対的な位置関係を表すものであり、チルトカメラ330が水平方向に移動するように表しているが、実際には、チルトカメラ330は、水平方向に移動はせずに、ウエーハ10が水平方向に移動するものである。
【0064】
ウエーハ10のチルトカメラ330に対する位置をセットする際に、図10に示す手順に従ってなされる。
図10において、チルトカメラ330をその撮影軸がウエーハ10に対して垂直方向となる状態(1)にセットする(S21)。次に、ウエーハ10をチルトカメラ330が移動する円弧線350に近づく方向X-に移動させる(S22)。そして、チルトカメラ330にて得られる撮影画像がウエーハ10の上面11aと上外周ベベル面12Uとの境界線部を過ぎるとデフォーカスされるので、そのフォーカス/でフォーカスの境界点(2)でウエーハ10を停止させる(S23)。この状態で、チルトカメラ330は、ウエーハ10の上面11aと上外周ベベル面12Uとの境界部分の真上に位置づけられる。次に、ウエーハ10を前述したオフセット量ΔOFFSETだけ、チルトカメラ330が移動する円弧線350から遠ざかる方向X+に戻す((3):S24)。
【0065】
このように他のシステムにおいてウエーハ10をセットするようにすれば、当該ウエーハ10と、チルトカメラ330の中心点Oと相対的な関係(具体的には、ウエーハ10の上面11aと上外周ベベル面12Uとの境界部Pとの相対的な関係)が、ウエーハ10と、前述したエッジ検査装置における5つのカメラユニット130a〜130eの撮影軸Axa〜Axeの交点となる原点Oとの相対的な関係と同じになる。そして、前述したエッジ検査装置にて得られる撮影角度αは、原点Oを中心して半径Lの円弧150上の位置から当該原点Oに向けて撮影することを想定した場合における擬似的な撮影角度とみることができるので、その撮影角度αは、前記他のシステムにおける中心点Oを中心に円弧状に移動するチルトカメラ330のチルト角(撮影方向)に相当するものとなる。
【0066】
従って、前述したエッジ検査装置にて撮影した部位を再度確認するために、前記他のシステムにて撮影する際に、前記エッジ検査装置にて得られた撮影角度αと同じ値のチルト角にチルトカメラ330を設定して撮影すると、前記エッジ検査装置にて得られた撮影画像と略同位置(周方向を横切る方向における位置)の撮影画像を得ることができるようになる。これにより、比較検査を容易に行うことができるようになる。
【0067】
また、逆に、前述したオフセット量ΔOFFSETを用いてウエーハ10の設置位置の調整のなされた他のシステムにおいて、あるチルト角でのチルトカメラ330によって撮影画像を既に得た場合、前記エッジ検査装置でも、容易に同じ部位の撮影画像を得ることができるようになる。
【0068】
前述した例では、原点Oとウエーハ10における上面11aと上外周ベベル面12Uとの境界部Pとの間の距離をオフセット量ΔOFFSETとしたが、これに限定されず、撮影画像から検出可能であればウエーハ10の任意の部位、例えば、下面11bと下外周ベベル面12Lとの境界部(縁線部)と原点Oとの間の距離をオフセット量ΔOFFSETとすることができる。
【0069】
また、チルトカメラ330の中心点Oとウエーハ10の所定部位との間の距離がオフセット量として得ることができれば、カメラのチルト機構をもつ更に他の検査システムに対しても、同様の調整を行うことができる。
【0070】
前述したエッジ検査装置は、その検査対象を半導体ウエーハ10としたが、ディスク状記憶媒体等の他の板状基板をその検査対象とすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0071】
以上、説明したように、本発明に係る板状基板のエッジ検査装置は、板状基板の外周部分を撮影して得られた撮影画像上の点の前記板状基板の周方向を横切る方向の位置が把握し易くなるという効果を有し、半導体ウエーハ等の板状基板の外周部分を撮影して検査する板状基板のエッジ検査装置として有用である。
【符号の説明】
【0072】
10 半導体ウエーハ(板状基板)
10E 外周部分
11a 上面
11b 下面
12U 上外周ベベル面
12A 外周端面
12L 下外周ベベル面
100 ステージ
110 回転駆動モータ
130a 第1カメラユニット
130b 第2カメラユニット
130c 第3カメラユニット
130d 第4カメラユニット
130e 第5カメラユニット
131a、131b、131c、131d、131e ラインセンサ(撮像素子)
200 処理ユニット
210 操作ユニット
220 表示ユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め設定された原点に向けて延びる撮影軸を有し、板状基板の外周部分における所定面を撮影視野範囲に含み、前記所定面を前記板状基板の周方向に順次撮影して画像信号を出力する撮影部と、
この撮影部から出力される前記画像信号を処理する画像処理部とを有し、
この画像処理部は、
前記画像信号から、前記撮影視野範囲に対応した撮影画像を表す撮影画像データを生成する画像データ生成手段と、
前記撮影画像データにて表される前記撮影画像上の点及び前記撮影軸に対応した基準点それぞれの前記周方向を横切る方向における位置に基づいて、前記撮影画像上の当該点に対応する擬似的な撮影角度を表す擬似撮影角度情報を生成する角度情報生成手段と、
前記撮影画像データに基づいて、前記撮影画像を表示ユニットに表示させる画像表示制御手段と、
前記角度情報生成手段にて得られた前記擬似撮影角度情報に基づいて、撮影角度に関するユーザインタフェース情報を前記表示ユニットに表示させる手段とを有する板状基板のエッジ検査装置。
【請求項2】
前記角度情報生成手段は、前記撮影軸の方向を基準方向とした擬似的な撮影角度を表す擬似撮影角度情報を生成する請求項1記載の板状基板のエッジ検査装置。
【請求項3】
前記板状基板の外周部分における縁線部を検出する縁線部検出手段と、
前記撮影部に対する前記板状基板の進退方向における前記縁線部と前記原点との距離をオフセット量として検出するオフセット検出手段と、
前記オフセット量を出力するオフセット出力手段とを有する請求項1または2記載の板状基板のエッジ検査装置。
【請求項4】
前記撮影部は、その外周部分の前記板状基板の厚さ方向に異なる部位を撮影する複数のカメラユニットを有し、この複数のカメラユニットそれぞれの撮影軸が前記原点に向けて延び、
前記角度情報生成手段は、前記複数のカメラユニットそれぞれからの画像信号に基づく撮影画像上の点に対する擬似撮影角度情報を、当該撮影画像上の当該点及び当該カメラユニットの撮影軸に対応した基準点それぞれの前記周方向を横切る方向における位置に基づいて生成する請求項1乃至3のいずれかに記載の板状基板のエッジ検査装置。
【請求項5】
前記板状基板は、上面の縁から下面に向けて傾斜した上外周ベベル面と、この上外周ベベル面の縁から続く外周端面と、下面から前記上面に向けて傾いて前記外周端面に続く下外周ベベル面とが周方向を横切る方向に連続するように形成された半導体ウエーハであって、
前記撮影部は、撮影軸が前記原点に向けて延びるとともに前記上外周ベベル面を撮影視野範囲に含み、前記外周ベベル面を撮影する第1カメラユニットと、撮影軸が前記原点に向けて延びるとともに前記外周端面を撮影視野範囲に含み、前記外周端面を撮影する第2カメラユニットと、撮影軸が前記原点に延びるとともに前記下外周ベベル面を撮影視野範囲に含み、前記下外周ベベル面を撮影する第3カメラユニットとを有し、
前記角度情報生成手段は、前記第1カメラユニットからの画像信号に基づく撮影画像上の点に対応する擬似撮影角度情報を、前記撮影画像上の当該点及び前記第1カメラユニットの撮影軸に対応した基準点それぞれの前記周方向を横切る方向における位置に基づいて生成し、前記第2カメラユニットからの画像信号に基づく撮影画像上の点に対する擬似撮影角度情報を、前記撮影画像上の当該点及び前記第2カメラユニットの撮影軸に対応した基準点それぞれの前記周方向を横切る方向における位置に基づいて生成し、前記第3カメラユニットからの画像信号に基づく撮影画像上の点に対応する擬似撮影角度情報を、前記撮影画像上の当該点及び前記第3カメラユニットの撮影軸に対応した基準点それぞれの前記周方向を横切る方向における位置に基づいて生成する請求項4記載の板状基板のエッジ検査装置。
【請求項6】
前記板状基板は、上面の縁から下面に向けて傾斜した上外周ベヘル面と、この上外周ベヘル面の縁から続く外周端面と、下面から前記上面に向けて傾いて前記外周端面に続く下外周ベベル面とが周方向を横切る方向に連続するように形成された半導体ウエーハであって、
前記縁線部検出手段は、前記半導体ウエーハの前記上面と前記上外周ベベル面との境界部を縁線部として検出し、
前記オフセット検出手段は、前記半導体ウエーハの前記上面と前記上外周ベベル面との境界部と前記原点との距離をオフセット量として検出する請求項3記載の板状基板のエッジ検出装置。
【請求項7】
撮影軸が前記上面と直交し、前記上面と前記上外周ベベル面との境界部を撮影視野範囲内に含み、前記半導体ウエーハの外周部分における前記上面を撮影する第4カメラユニットを有し、
前記画像処理部の画像データ生成手段は、前記第4カメラユニットからの画像信号から、前記撮影視野範囲に対応した撮影画像データを生成し、
前記縁線部検出手段は、前記第4カメラユニットからの画像信号に基づいた撮影画像上の前記縁線部に対応した画像部分に基づいて当該縁線部を検出する請求項6記載の板状基板のエッジ検査装置。
【請求項8】
前記第4カメラユニットは、その撮影軸が前記原点に向けて延びるように設置されている請求項7記載の板状基板のエッジ検査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−208129(P2012−208129A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−156791(P2012−156791)
【出願日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【分割の表示】特願2007−290232(P2007−290232)の分割
【原出願日】平成19年11月7日(2007.11.7)
【出願人】(000002428)芝浦メカトロニクス株式会社 (907)
【Fターム(参考)】