説明

架橋ポリマー

本発明は以下:(a)潤滑粘度の油;ならびに(b)モノマー由来の架橋ポリマーを含む潤滑組成物を提供し、上記架橋ポリマーは以下:(i)0.001重量%〜7重量%の二官能性架橋性モノマーまたは高次官能性架橋性モノマー;(ii)30重量%以上のヒドロカルビル置換(メタ)アクリルモノマーであって、各ヒドロカルビルは8個より多くの炭素原子を含む、ヒドロカルビル置換(メタ)アクリルモノマー;および(iii)0重量%〜40重量%のヒドロカルビル置換(メタ)アクリルモノマーであって、各ヒドロカルビルは、8個以下の炭素原子を含む、ヒドロカルビル置換(メタ)アクリルモノマー、を含む。本発明はさらに、上記架橋ポリマーの調製方法、および内燃機関を潤滑するために潤滑組成物中での上記架橋ポリマーの使用を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、新規架橋ポリマーおよび潤滑組成物中での上記架橋ポリマーの使用に関する。本発明はさらに、新規架橋ポリマーの調製方法を提供する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
潤滑粘度の油中の、レオロジー改質剤(もしくは粘度改質剤)または分散剤としてのポリマーの使用は、周知である。代表的に、ポリマーは、高温粘性および低温粘性ならびに剪断安定性を有する、物理的性質を有するポリメタクリレートを含む。典型的な鎖状ポリマーにおいて、ポリマーの分子量がこれらの性質に関連する。したがって、潤滑組成物において有用な分子量の範囲は制限される。最適なずり性能を選択するポリマー分子量は、例えば、受容できない低温粘性を生じ得、または乏しい燃料経済を与え得る。
【0003】
鎖状ポリマーの上記制限を克服する試みとして、星型ポリマーが、特許文献1、特許文献2、特許文献3、および特許文献5に開示される。特許文献1、特許文献2の星型ポリマーは、RAFT、ATRPまたはニトロキシド媒介安定フリーラジカル重合により調製され、一方、特許文献3、特許文献4および特許文献5は、アニオン重合技術により調製される星型ポリマーを開示する。
星型ポリマーの加工工程は複雑である。上記星型ポリマーの開示は、最初にアームに着手、最初にコアに着手、またはアーム−コア−アームと着手してポリマーを作製する工程を記載する。さらに、アニオン重合プロセスは、より複雑な加工工程を必要とする。例えば、上記プロセスは高純度の溶媒および実質的に水を含まない不活性雰囲気を必要とし、そして代表的に周囲温度以下(sub−ambient temperature)で実施される。
【0004】
潤滑組成物中の使用に適切なポリマーであって、受容可能な粘度指数改変特性、受容可能な清潔性、受容可能な剪断安定性、受容可能な増粘効率における粘度指数および受容可能な分散性性質の少なくとも1つを有するポリマーを有することが所望される。さらに、従来のポリマーに使用され得る加工工程よりも複雑でない加工工程で(すなわち、特別なもしくは市販されていない触媒/開始剤の使用なしで、純粋な溶媒の使用なしでまたは周囲温度以下でなく)調製されるポリマーを有することが所望される。本発明は、このような性質を有するポリマーを提供する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第06/478398号パンフレット
【特許文献2】国際公開第06/47393パンフレット
【特許文献3】国際公開第96/23012パンフレット
【特許文献4】欧州特許第979 834号明細書
【特許文献5】欧州特許第936 225号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
(発明の要旨)
1つの実施形態において、本発明は、潤滑組成物であって、
(a)潤滑粘度の油;ならびに
(b)モノマー由来の架橋ポリマーであって、以下:
(i)0.001重量%〜7重量%の二官能性架橋性モノマーまたは高次官能性架橋性モノマー;
(ii)30重量%以上のヒドロカルビル置換(メタ)アクリルモノマーであって、各ヒドロカルビルは8個より多くの炭素原子を含む、ヒドロカルビル置換(メタ)アクリルモノマー;および
(iii)0重量%〜40重量%のヒドロカルビル置換(メタ)アクリルモノマーであって、各ヒドロカルビルは、8個以下の炭素原子を含む、ヒドロカルビル置換(メタ)アクリルモノマー;
を含む、架橋ポリマー
を含む、潤滑組成物を提供する。
【0007】
1つの実施形態において、本発明は、潤滑組成物であって、
(a)潤滑粘度の油;ならびに
(b)モノマー由来の架橋ポリマーであって、以下:
(i)0.001重量%〜7重量%の二官能性架橋性モノマーまたは高次官能性架橋性モノマー;
(ii)30重量%以上のヒドロカルビル置換(メタ)アクリルモノマーであって、各ヒドロカルビルは8個より多くの炭素原子を含む、ヒドロカルビル置換(メタ)アクリルモノマー;および
(iii)0重量%〜40重量%のヒドロカルビル置換(メタ)アクリルモノマーであって、各ヒドロカルビルは、8個以下の炭素原子を含む、ヒドロカルビル置換(メタ)アクリルモノマー;および
(iv)0重量%〜10重量%の窒素含有モノマー
を含む、架橋ポリマー
を含む、潤滑組成物を提供する。
【0008】
1つの実施形態において、本発明は、ポリマーを調製するためのプロセスであって、45℃以上の温度で以下:
(i)0.001重量%〜7重量%の二官能性架橋性モノマーまたは高次官能性架橋性モノマー;
(ii)30重量%以上のヒドロカルビル置換(メタ)アクリルモノマーであって、各ヒドロカルビルは8個より多くの炭素原子を含む、ヒドロカルビル置換(メタ)アクリルモノマー;および
(iii)0重量%〜40重量%のヒドロカルビル置換(メタ)アクリルモノマーであって、各ヒドロカルビルは、8個以下の炭素原子を含む、ヒドロカルビル置換(メタ)アクリルモノマー;および
(iv)フリーラジカル開始剤;および
(v)必要に応じて、連鎖移動剤
を反応させて、架橋ポリマーを形成する工程を含む、プロセスを提供する。
【0009】
1つの実施形態において、上記ポリマーを調製するプロセスは、1工程のプロセスであり得る。
【0010】
1つの実施形態において、本発明は、上記に記載のプロセスによって得られる(もしくは得られ得る)架橋ポリマーを提供する。
【0011】
1つの実施形態において、本発明は、モノマー由来の架橋ポリマーであって、以下:(i)0.001重量%〜7重量%の二官能性架橋性モノマーまたは高次官能性架橋性モノマー;(ii)30重量%以上のヒドロカルビル置換(メタ)アクリルモノマーであって、各ヒドロカルビルは8個より多くの炭素原子を含む、ヒドロカルビル置換(メタ)アクリルモノマー;および(iii)0重量%〜40重量%のヒドロカルビル置換(メタ)アクリルモノマーであって、各ヒドロカルビルは、8個以下の炭素原子を含む、ヒドロカルビル置換(メタ)アクリルモノマー;および(iv)0重量%〜10重量%の窒素含有モノマーを含む、架橋ポリマーを提供する。
【0012】
1つの実施形態において、本発明は、ポリマー混合物を調製するためのプロセスを提供し、上記プロセスは、以下:
(1)45℃以上の温度で、以下:
(i)0.001重量%〜7重量%の二官能性架橋性モノマーまたは高次官能性架橋性モノマー;
(ii)30重量%以上のヒドロカルビル置換(メタ)アクリルモノマーであって、各ヒドロカルビルは8個より多くの炭素原子を含む、ヒドロカルビル置換(メタ)アクリルモノマー;
(iii)0重量%〜40重量%のヒドロカルビル置換(メタ)アクリルモノマーであって、各ヒドロカルビルは、8個以下の炭素原子を含む、ヒドロカルビル置換(メタ)アクリルモノマー;および
(iv)フリーラジカル開始剤;および
(v)必要に応じて、連鎖移動剤
を添加および反応させて、架橋ポリマーを形成する工程;ならびに
(2)工程(1)の生成物中に従来のポリマーを添加または調製する工程
を含む、プロセスを提供する。
【0013】
1つの実施形態において、本発明は、ポリマー混合物を調製するためのプロセスを提供し、上記プロセスは、以下:
(1)従来のポリマーを調製する工程;ならびに
(2)工程(1)の従来のポリマー中に45℃以上の温度で、以下:
(i)0.001重量%〜7重量%の二官能性架橋性モノマーまたは高次官能性架橋性モノマー;
(ii)30重量%以上のヒドロカルビル置換(メタ)アクリルモノマーであって、各ヒドロカルビルは8個より多くの炭素原子を含む、ヒドロカルビル置換(メタ)アクリルモノマー;
(iii)0重量%〜40重量%のヒドロカルビル置換(メタ)アクリルモノマーであって、各ヒドロカルビルは、8個以下の炭素原子を含む、ヒドロカルビル置換(メタ)アクリルモノマー;および
(iv)フリーラジカル開始剤;および
(v)必要に応じて、連鎖移動剤
を添加および反応させて、架橋ポリマーを形成する工程
を含む、プロセスを提供する。
【0014】
1つの実施形態において、本発明は、本明細書中に開示の架橋ポリマーの粘度改質剤としての使用を提供する。1つの実施形態において、本発明は、本明細書中に開示の架橋ポリマーの潤滑剤中おける粘度改質剤としての使用を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(発明の詳細な説明)
本発明は、上記に記載のポリマーを含む潤滑組成物および上記ポリマーを調製するプロセスを提供する。
【0016】
1つの実施形態において、架橋ポリマーは、油溶性であり得る。
【0017】
上記架橋ポリマーの重量平均分子量は、2000〜5,000,000、または5000〜2,000,000、または7500〜1,000,000であり得る。
【0018】
上記架橋ポリマーの多分散性は、1.01〜20、1.5〜20、2〜16、4〜14、または6〜12であり得る。
【0019】
上記架橋ポリマーは、ランダムコポリマーまたはブロックコポリマーであり得る。1つの実施形態において、架橋ポリマーのセグメントは、上記架橋ポリマーの架橋の間に、ホモポリマー構造、ランダムコポリマー構造、またはブロックコポリマー構造を有し得る。
【0020】
1つの実施形態において、本発明はさらに、上記に記載のプロセスによって得られる(もしくは得られ得る)架橋ポリマーを提供する。
【0021】
架橋ポリマーの調製方法は、60℃〜250℃、70℃〜200℃、または80℃〜150℃の範囲の温度で実施され得る。上記プロセスは、30秒〜48時間、2分〜24時間、5分〜16時間、または30分〜4時間の範囲の時間の期間で実施され得る。上記プロセスは、86.4kPa〜266kPa(650mmHg〜2000mmHg)、91.8kPa〜200kPa(690mmHg〜1500mmHg)、または95.1kPa〜133kPa(715mmHg〜1000mmHg)の範囲の圧力で実施され得る。
【0022】
1つの実施形態において、本発明は、ポリマー混合物の調製のためのプロセスを提供し、上記プロセスは以下:
(1)45℃以上の温度で、以下:
(i)0.001重量%〜7重量%の二官能性架橋性モノマーまたは高次官能性架橋性モノマー;
(ii)30重量%以上のヒドロカルビル置換(メタ)アクリルモノマーであって、各ヒドロカルビルは8個より多くの炭素原子を含む、ヒドロカルビル置換(メタ)アクリルモノマー;
(iii)0重量%〜40重量%のヒドロカルビル置換(メタ)アクリルモノマーであって、各ヒドロカルビルは、8個以下の炭素原子を含む、ヒドロカルビル置換(メタ)アクリルモノマー;および
(iv)フリーラジカル開始剤;および
(v)必要に応じて、連鎖移動剤
を添加および反応させて、架橋ポリマーを形成する工程;ならびに
(2)必要に応じて、工程(1)の生成物中に従来のポリマーを添加または調製する工程
を含む、プロセスを提供する。
【0023】
1つの実施形態において、上記に記載のプロセスは従来のポリマー中に上記工程(1)のポリマーを調製する工程を含む。
【0024】
必要に応じて、上記プロセスはさらに、工程(1)および/または工程(2)を含み、モノマー混合物を添加および反応させて、上記従来のポリマーを形成する工程により、上記架橋ポリマー中に従来のポリマーを調製する工程を含む。代表的に、工程(1)および/または工程(2)の反応温度は、20℃〜250℃、30℃〜200℃、または50℃〜150℃の範囲において実施される。工程(1)および/または工程(2)の反応時間および圧力は、同じであり得る。1つの実施形態において、上記プロセスはさらに、上記架橋ポリマー中に従来のポリマーを調製する工程を含む。
【0025】
他の実施形態において、従来のポリマーは、鎖状ポリマー、または星型ポリマー、または鎖状ポリマーおよび星型ポリマーの混合物であり得る。上記従来のポリマーはより詳細には、以下に定義されるような従来の非架橋粘度改質剤として定義される。
【0026】
1つの実施形態において、従来のポリマーは、上記(ii)および/または(iii)から反応されるのと同様のヒドロカルビル置換(メタ)アクリルモノマーを反応させることにより調製され得る。
【0027】
代表的に、工程(1)の反応物は、工程(2)の開始前に、少なくとも50%反応され得、または少なくとも80%反応され得る。1つの実施形態において、工程(1)の反応物は、消費され、最終生成物を生じることで実質的に完了され、この最終生成物は工程(2)の生成物に対して相対的に非反応性であり得る。別の実施形態において、工程(1)の反応物は、工程(2)の実施前に部分的に反応される。
1つの実施形態において、工程(1)の生成物は、上記従来の鎖状ポリマーの形成の間の重合媒体として働く。したがって、上記プロセスの工程(2)は、工程(1)の生成物の存在下で起こり、工程(1)および工程(2)からのポリマーの混合物の形成を可能にする。上記ポリマーの生じた混合物は、代表的に、1:99〜99:1、10:90〜70:30、または20:80〜50:50の架橋ポリマー対従来のポリマーの重量%比を有する。
【0028】
工程(1)および/または工程(2)のポリマーは、1ポットまたは2ポットのプロセスによって調製され得る。さらに、工程(1)および/または工程(2)のポリマーは、1工程プロセスまたは多工程プロセスによって調製され得る。
【0029】
1つの実施形態において、プロセスは、工程(1)を含む。1つの実施形態において、プロセスは、工程(1)および工程(2)を含む。1つの実施形態において、上記プロセスは、従来のポリマー中に工程(1)の架橋ポリマーを調製する工程を含む。
【0030】
1工程プロセスにおいて、実質的にすべての反応物(i)〜(iv)からすべての反応物(i)〜(iv)は、重合前に反応容器に添加される。
【0031】
多工程プロセスにおいて、反応物(i)〜(iv)は、最初に、必要とされるさらなる添加物と共に添加され得る。多工程プロセスにおいて、最初に異なる量の反応物を添加することにより架橋ポリマーを調製することもまた可能であることを当業者は認識する。
【0032】
1つの実施形態において、架橋ポリマーは、公知の重合技術、例えば、フリーラジカル重合または制御されたフリーラジカル重合によって調製され得る。制御されたフリーラジカル重合プロセスの例としては、原子移動ラジカル重合(ATRP)またはニトロキシド−媒介安定フリーラジカル重合プロセスが挙げられる。Matyjaszewskiらは、上記に記載のようなATRPまたはニトロキシド−媒介安定フリーラジカル重合プロセスによる架橋ポリマーの形成の可能な機構を開示する(「Handbook of Radical Polymerization」(Krzysztof MatyjaszewskiおよびThomas P.Davis編、2002年版権およびJohn Wiley and Sons Inc.より出版)の第11章、523頁〜628頁(ATRP)および第10章、463頁〜522頁(ニトロキシド−媒介)を参照のこと)。可逆的付加開裂連鎖移動(RAFT)重合もまた使用され得る(「Handbook of Radical Polymerization」(Krzysztof MatyjaszewskiおよびThomas P.Davis編)の第12章、629頁〜690頁を参照のこと)。
【0033】
1つの実施形態において、制御されたフリーラジカル重合は、可逆的付加開裂連鎖移動重合、原子移動ラジカル重合およびニトロキシド−媒介安定フリーラジカル重合からなる群から選択される。
【0034】
1つの実施形態において、上記プロセスは、アニオン重合技術を除外する。なぜなら、このアニオン重合技術は、高純度の溶媒、実質的に水を含まない不活性な雰囲気、低い反応温度および金属(例えば、アルカリ金属)カルボアニオン性開始剤を必要とするからである。
【0035】
代表的に、架橋ポリマーは、実質的にコアを含み得ないからコアを含み得ない(星型ポリマーでない架橋ポリマーを生じる)。1つの実施形態において、上記架橋ポリマーは星型ポリマーでない。
【0036】
1つの実施形態において、架橋ポリマーは、実質的に金属またはケイ素を含み得ないから金属またはケイ素を含み得ない。
【0037】
(二官能性架橋性モノマーまたは高次官能性架橋性モノマー)
本出願の重要な特徴は、上記架橋ポリマーは軽度に架橋されている、ということである。上記軽度の架橋ポリマーは、0.001重量%〜7重量%の二官能性架橋性モノマーまたは高次官能性架橋性モノマー由来である。二官能性架橋性モノマーまたは高次官能性架橋性モノマーの量は、ゲル状ポリマーを形成する可能性を低減する量で存在する。1つの実施形態において、架橋ポリマーはゲル化されない、すなわち、ポリマーはゲル化点に達さない。
【0038】
高濃度の架橋性モノマーが架橋ポリマーの調製に使用される場合、高濃度のフリーラジカル開始剤および/または連鎖移動剤を有することが所望され得る、ということを当業者は認識する。高濃度のフリーラジカル開始剤および/または連鎖移動剤は、ゲル状ポリマーの形成の可能性を低減すると考えられる。フリーラジカル開始剤および/または連鎖移動剤の濃度の適切な調整は、当業者にとって明らかである。
【0039】
他の実施形態において、二官能性架橋性モノマーまたは高次官能性架橋性モノマーは、架橋ポリマーの0.05重量%〜6重量%、0.075重量%〜3重量%、または3重量%より多く〜5.5重量%で存在し得る。
【0040】
二官能性架橋性モノマーまたは高次官能性架橋性モノマーは、フリーラジカル重合可能な部分を含む。これらの部分は、フリーラジカルに対して同じまたは異なる反応性を有し得る。これらの部分は、代表的に、不飽和性を含む。上記部分の例としては、(メタ)アクリル、アリル、ビニル、スチリル、共役二重結合、またはそれらの混合物が挙げられる。
【0041】
他の実施形態において、二官能性架橋性モノマーまたは高次官能性架橋性モノマーとしては、多官能性ペンタエリスリトールモノ(メタ)アクリレート、多官能性(メタ)アクリレート、ジビニル非アクリルモノマー(例えば、ジビニルベンゼン)、多官能性(メタ)アクリルモノマー(例えば、ポリオールもしくはポリアミンのアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステル)が挙げられる。1つの実施形態において、官能性架橋性モノマーは、三官能性架橋性モノマーまたは高次架橋性モノマーを含む。
【0042】
多価(メタ)アクリルモノマーの例としては、ジ(メタ)アクリレート、トリ(メタ)アクリレート、テトラ(メタ)アクリレートまたはそれらの反応等価体、またはポリアミンもしくはポリアミド(例えば、ポリアミンのアミド、例えば、メタクリルアミドもしくはアクリルアミド)、またはそれらの反応等価体が挙げられる。
【0043】
二官能性架橋性モノマーまたは高次官能性架橋性モノマーの例としては、ジビニルベンゼン、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、トリペンタエリスリトールオクタメタクリレート、トリペンタエリスリトールオクタアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、分子量200〜4000のポリエチレングリコールのビス−アクリレートおよびメタクリレート、ポリカプロラクトンジオールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、1,1,1−トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート,トリエチレングリコールジアクリレート,トリエチレングリコールジメタクリレート、1,1,1−トリメチロールプロパントリメタクリレート、ヘキサメチレンジオールジアクリレート、またはヘキサメチレンジオールジメタクリレート、またはアルキレンビス−(メタ)アクリルアミドが挙げられる。
【0044】
アリル部分を有するニ架橋性モノマーもしくは高次架橋性モノマーの例としては、アリルスクロース、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、アリルペンタエリスリトール、またはそれらの混合物が挙げられる。
【0045】
フリーラジカルに対して異なる反応性を有する部分を含む二架橋性モノマーもしくは高次架橋性モノマーの例としては、アリルメタクリレート、アリルアクリレート、プロポキシ化アリルメタクリレート(Sartomerから市販されるCD513(登録商標)を含む)、プロポキシ化アリルアクリレート、エトキシ化アリルメタクリレート(3B Scientific Corporation、Amfinecom IncおよびMonomer−Polymer & Dajac Laboratories Incから市販される)、エトキシ化アリルアクリレート、またはそれらの混合物が挙げられる。
【0046】
架橋性モノマーは、重合の開始時に、モノマー投入量の一部として存在し得る。ポリマーへの架橋性モノマーの組み込みは、(i)相対反応性と(ii)架橋性モノマーの濃度の関数であり得る(「Principles of Polymerization、第3版」、George Odian、John Wiley & Sons,Inc.、1991、510頁−512頁において研究されている)。非架橋性モノマーの反応性と比較して架橋性モノマーの反応性により大きな違いがあるいくつかの場合において、重合の最後に対して形成された連鎖と比較して、重合の早期に形成された連鎖における架橋性モノマーの量においていくつかの傾向が存在し得る。架橋性モノマーが他のモノマーより低い反応性を有する場合、早期に形成されるポリマーは架橋性の低いモノマーを有する、ということを当業者は完全に認識する。重合が持続するにつれ、他のモノマーのより多くの割合が消費されるように架橋性モノマーの相対濃度が上がる。したがって、反応の末期に形成される連鎖中の架橋性モノマーの量は、この増加した濃度の作用によってより多くなる。しかし、これらのモノマーはなお、各連鎖にわたって組み込まれることが当業者に明らかである。
【0047】
架橋性モノマーが重合の最後に添加される場合、このようなプロセスによって形成されるポリマーは、本発明の範囲外である可能性がある、ということは当業者に認識される。
【0048】
種々の実施形態において、ヒドロカルビル置換(メタ)アクリルモノマーの反応性および架橋性モノマーの反応性は、同一であってもよく、同様であってもよく、または異なってもよい。ヒドロカルビル置換(メタ)アクリルモノマーの反応性および架橋性モノマーの反応性が異なる場合、その違いは30%未満、または20%未満、または10%未満であり得る。
【0049】
高次官能性架橋性モノマーが多官能性メタクリレートである場合、架橋性モノマーの反応性はヒドロカルビル置換(メタ)アクリルモノマーの反応性とほぼ等しくあり得る(「Principles of Polymer Chemistry」、Paul Flory、Cornell University Press、1953、391頁を参照のこと)。
【0050】
架橋性モノマーの量は、使用される連鎖移動剤および/またはフリーラジカル開始剤の量に依存して変化し得る、ということを当業者はまた認識する。代表的に、連鎖移動剤の存在下において、より高いレベルの二官能性架橋性モノマーまたは高次官能性架橋性モノマーが使用され得る。逆に言えば、連鎖移動剤の非存在下、または連鎖移動剤の少ない量の存在下においては、少ない量の二官能性架橋性モノマーまたは高次官能性架橋性モノマーが必要とされる。
【0051】
(メタ)アクリルモノマー
語句「ヒドロカルビル置換(メタ)アクリルモノマー」としては、メタクリル酸エステル、アクリル酸エステル、メタクリルアミド、アクリルアミド、アクリル酸、メタクリル酸、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ならびにそれらの混合物、またはそれらの反応等価体が挙げられる。
【0052】
1つの実施形態において、語句「ヒドロカルビル置換(メタ)アクリルモノマー」としては、メタクリル酸エステル、アクリル酸エステル、メタクリルアミド、アクリルアミドならびにそれらの混合物、またはそれらの反応等価体が挙げられる。
【0053】
8個より多い炭素原子を含有する(メタ)アクリルモノマー
他の実施形態において、ヒドロカルビル置換(メタ)アクリルモノマーは、9個以上の炭素原子もしくは10個以上の炭素原子を有するヒドロカルビルを含む。例えば、(メタ)アクリレート((メタ)アクリル酸エステル)中のヒドロカルビル基は、上記エステルのアルコール前駆体由来であるが、少なくとも9個の炭素原子を有し得る。他の実施形態において、ヒドロカルビル置換(メタ)アクリルモノマー上に存在する炭素原子の最大数は、40個まで、30個まで、26個まで、22個まで、または18個まで、または15個までであり得る。
【0054】
ヒドロカルビル上に存在する炭素原子の数の範囲の例としては、9個〜40個、9個〜30個、12個〜18個、または12個〜15個が挙げられる。
【0055】
他の実施形態において、ヒドロカルビル置換(メタ)アクリルモノマーは、各ヒドロカルビルが8個より多い炭素原子を含む場合、架橋ポリマーの30重量%以上、35重量%〜99.999重量%、45重量%〜99.85重量%、60重量%〜99.825重量%、または75重量%〜99.625重量%で存在し得る。
【0056】
ヒドロカルビル置換(メタ)アクリルモノマーは、各ヒドロカルビルが8個より多い炭素原子を含む場合、メタクリレートモノマーまたはアクリレートモノマーであり得る。上記モノマーの例としては、ノニル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、2−tert−ブチルヘプチル(メタ)アクリレート、3−イソプロピルヘプチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、5−メチルウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、2−メチルドデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、5−メチルトリデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、ペンタデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、2−メチルヘキサデシル(メタ)アクリレート、エイコシル(メタ)アクリレート、ヘプタデシル(メタ)アクリレート、5−イソプロピルヘプタデシル(メタ)アクリレート、4−tert−ブチルオクタデシル(メタ)アクリレート、5−エチルオクタデシル(メタ)アクリレート、3−イソプロピルオクタデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、ノナデシル(メタ)アクリレート、セチルエイコシル(メタ)アクリレート、ステアリルエイコシル(メタ)アクリレート、ドコシル(メタ)アクリレートおよび/またはエイコシルテトラトリアコンチル(acontyl)(メタ)アクリレート;アルコール由来の(メタ)アクリレート(例えば、オレイル(メタ)アクリレート);シクロアルキル(メタ)アクリレート(例えば、3−ビニル−2−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、またはボルニル(メタ)アクリレート)が挙げられる。
【0057】
メタクリル酸エステルまたはアクリル酸エステル化合物は、メタクリル酸もしくはアクリル酸と8個より多くの炭素原子を含むアルコールとの反応から誘導され得る。適切なアルコールの例としては、MonsantoのOxo Alcohol(登録商標)7911、Oxo Alcohol(登録商標)7900、およびOxo Alcohol(登録商標)1100;ICIのAlphanol(登録商標)79;CondeaのNafol(登録商標)1620、Alfol(登録商標)610およびAlfol(登録商標)810;Ethyl CorporationのEpal(登録商標)610およびEpal(登録商標)810;Shell AGのLinevol(登録商標)79、Linevol(登録商標)911、Neodol(登録商標)25、およびDobanol(登録商標)25L;Condea Augusta,MilanのLial(登録商標)125;Henkel KGaAのDehydad(登録商標)およびLorol(登録商標)ならびに、Ugine KuhlmannのLinopol(登録商標)7−11およびAcropol(登録商標)91が挙げられる。
【0058】
8個以下の炭素原子を含む(メタ)アクリルモノマー
必要に応じて、架橋ポリマーは、各ヒドロカルビルが8個以下の炭素原子を有する場合、ヒドロカルビル置換(メタ)アクリルモノマーから誘導され得る。他の実施形態において、ヒドロカルビル中に存在する炭素原子の数は、1個〜8個、1個〜6個、1個〜4個、または1個〜2個であり得る。
【0059】
他の実施形態において、ヒドロカルビル置換(メタ)アクリルモノマーは、各ヒドロカルビルが8個以下の炭素原子を含む場合、架橋ポリマーの0重量%〜40重量%、0重量%〜30重量%、0.05重量%〜20重量%、または0.1重量%〜10重量%で存在し得る。
【0060】
1つの実施形態において、ヒドロカルビル置換(メタ)アクリルモノマーは、各ヒドロカルビルが8個以下の炭素原子を含む場合、メタクリル酸エステルまたはアクリル酸エステルである。適切なエステルの例としては、2−エチルヘキシル(メタ)アクリル酸エステル、オクチル(メタ)アクリル酸エステル、メチル(メタ)アクリル酸エステル、ブチル(メタ)アクリル酸エステル、もしくはヘキシル(メタ)アクリル酸エステル、またはそれらの混合物が挙げられる。
【0061】
窒素含有モノマー(b)(iv)
1つの実施形態において、架橋ポリマーはさらに、窒素含有モノマーまたはそれらの混合物から誘導される。窒素含有モノマーはまた、分散性モノマーとして記載され得る。
【0062】
代表的に、窒素含有モノマーは、ヒドロカルビル置換(メタ)アクリルモノマーが、メタクリル酸、アクリル酸、メタクリル酸エステル、またはアクリル酸エステルである場合、(b)(i)および/または(b)(ii)に定義されるモノマーと反応され得る。
【0063】
窒素含有モノマーとしては、ビニル置換窒素複素環モノマー、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートモノマー、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミドモノマー、第3級−(メタ)アクリルアミドモノマーまたはそれらの混合物が挙げられる。
【0064】
適切な窒素含有モノマーの例としては、ビニルピリジン、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルピロリジノン、およびN−ビニルカプロラクタム、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノプロピルメタクリレート、またはそれらの混合物、またはそれらの反応等価体が挙げられる。
【0065】
1つの実施形態において、架橋ポリマーはさらに、式:
【0066】
【化1】

によって示され得る(メタ)アクリルアミド、または窒素含有(メタ)アクリレートモノマーを含み、
式中、
Qは、水素またはメチルであり、そして1つの実施形態において、Qはメチルであり;
Zは、N−H基またはO(酸素)であり;
各Riiは、独立して水素または1個〜8個、または1個〜4個の炭素原子を含むヒドロカルビル基であり;
各Rは、独立して水素または1〜2個の炭素原子を含むヒドロカルビル基であり、1つの実施形態において、各Rは水素であり、そして
gは、1〜6の整数であり、そして1つの実施形態において、gは1〜3である。
【0067】
適切な窒素含有モノマーの例としては、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−ビニルカルボンアミド(例えば、N−ビニル−ホルムアミド)、ビニルピリジン、N−ビニルアセトアミド、N−ビニル−n−プロピオンアミド、N−ビニルヒドロキシアセトアミド、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルピロリジノン、N−ビニルカプロラクタム、ジメチルアミノエチルアクリレート(DMAEA)、ジメチルアミノエチルメタクリレート(DMAEMA)、ジメチル-アミノブチルアクリルアミド、ジメチルアミン−プロピルメタクリレート(DMAPMA)、ジメチルアミン−プロピル−アクリルアミド、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、ジメチルアミノエチル−アクリルアミド、またはそれらの混合物が挙げられる。
【0068】
他の形態において、架橋ポリマーは、架橋ポリマーの0重量%〜10重量%、0.1重量%〜8重量%、0.1重量%〜4重量%、または0.2重量%〜2重量%で存在する窒素含有モノマーを含み得る。
【0069】
特定の実施形態において、架橋ポリマー組成物は以下:
【0070】
【表1】

(ここで、(b)(i)、(b)(ii)、(b)(iii)および(b)(iv)は、上記に定義される)であり得る。
【0071】
必要に応じて、架橋ポリマーはさらに、非(メタ)アクリルモノマー(例えば、スチレン、オレフィン、またはアシル化剤(例えば、マレイン酸無水物))を含む。他の実施形態において、非(メタ)アクリルモノマーは、架橋ポリマーの0重量%〜10重量%、0重量%〜8重量%、0重量%〜6重量%、または0重量%〜2重量%、または0.1重量%〜2重量%で存在し得る。
【0072】
フリーラジカル開始剤
本発明のフリーラジカル開始剤は公知のものであり、ならびに熱的に分解してフリーラジカルを提供する、ペルオキシ化合物、ペルオキシド、ヒドロペルオキシド、およびアゾ化合物を含む。他の適切な例は、J.BrandrupおよびE.H.Immergut編、「Polymer Handbook」、第2版、John Wiley and Sons、New York(1975)、II−1頁〜II−40頁に記載される。
【0073】
フリーラジカル開始剤の例は、フリーラジカル発生試薬から誘導されるものを含み、例としては、ベンゾイルペルオキシド、t−ブチルペルベンゾエート、t−ブチルメタクロロペルベンゾエート、t−ブチルペルオキシド、sec−ブチルペルオキシジカーボネート、アゾビスイソブチロニトリル、t−ブチルペルオキシド、t−ブチルヒドロペルオキシド、t−アミルペルオキシド、クミルペルオキシド、t−ブチルペルオクトエート、t−ブチル−m−クロロペルベンゾエート、アゾビスイソバレロニトリル、またはそれらの混合物が挙げられる。1つの実施形態において、フリーラジカル発生試薬は、t−ブチルペルオキシド、t−ブチルヒドロペルオキシド、t−アミルペルオキシド、クミルペルオキシド、t−ブチルペルオクトエート、t−ブチル−m−クロロペルベンゾエート、アゾビスイソバレロニトリル、またはそれらの混合物の少なくとも1つであり得る。市販のフリーラジカル開始剤としては、Ciba Specialty ChemicalsからのTrigonoxTM−21が挙げられる。
【0074】
他の実施形態において、フリーラジカル開始剤は、ヒドロカルビル置換(メタ)アクリルモノマーの全重量を基準として、0.01重量%〜10重量%、または0.05重量%〜2重量%で存在し得る。
【0075】
連鎖移動剤
必要に応じて、本発明は連鎖移動剤を必要とする。1つの実施形態において、架橋ポリマーを調製するためのプロセスはさらに、少なくとも1つの連鎖移動剤を含む。連鎖移動剤の特定の分類は、特定の重合技術のために必要であることを当業者は認識する。
【0076】
適切な連鎖移動剤の例としては、キシレン、トルエン、t−ドデシルメルカプタン、イソプロピルアルコール、またはそれらの混合物が挙げられる。
【0077】
1つの実施形態において、連鎖移動剤は、RAFT重合技術に適切である。適切なRAFT連鎖移動剤の詳細な説明は、2004年10月25日に出願された米国特許出願第60/621745号(現在は国際公開第2006/047393号である)、および2004年10月25日に出願された米国特許出願第60/621875号(現在は国際公開第2006/047398号である)に開示される。
【0078】
適切なRAFT連鎖移動剤の例としては、ベンジル1−(2−ピロリジノン)カルボジチオエート、ベンジル(1,2−ベンゼンジカルボキシミド)カルボジチオエート、2−シアノプロパ−2−イル1−ピロールカルボジチオエート、2−シアノブタ−2−イル1−ピロールカルボジチオエート、ベンジル1−イミダゾールカルボジチオエート、N,N−ジメチル−S−(2−シアノプロパ−2−イル)ジチオカルバメート、N,N−ジエチル−S−ベンジルジチオカルバメート、シアノメチル1−(2−ピロリドン)カルボジチオエート、クミルジチオベンゾエート、2−ドデシルスルファニルチオカルボニルスルファニル−2−メチル−プロピオン酸ブチルエステル、O−フェニル−S−ベンジルキサンテート、N,N−ジエチルS−(2−エトキシ−カルボニルプロパ−2−イル)−ジチオカルバメート、ジチオ安息香酸、4−クロロジチオ安息香酸、O−エチル−S−(1−フェニルエチル)キサンテート、O−エチル−S−(2−(エトキシカルボニル)プロパ−2−イル)キサンテート、O−エチル−S−(2−シアノプロパ−2−イル)キサンテート、O−エチル−S−(2−シアノプロパ−2−イル)キサンテート、O−エチル−S−シアノメチルキサンテート、O−ペンタフルオロフェニル−S−ベンジルキサンテート、3−ベンジルチオ−5,5−ジメチルシクロヘキサ−2−エン−1−チオン、またはベンジル3,3−ジ(ベンジルチオ)−プロパ−2−エンジチオエート、S,S’−ビス−(α,α’−二置換−α’’−酢酸)−トリチオ-カーボネート、S,S’−ビス−(α,α’−二置換−α’’−酢酸)−トリチオカーボネート、またはS−アルキル−S’−(α,α’−二置換−α’’−酢酸)−トリチオカーボネート、ベンジルジチオベンゾエート、1−フェニルエチルジチオベンゾエート、2−フェニルプロパ−2−イルジチオベンゾエート、1−アセトキシエチルジチオベンゾエート、ヘキサキス(チオベンゾイルチオメチル)ベンゼン、1,4−ビス(チオベンゾイルチオ-メチル)ベンゼン、1,2,4,5−テトラキス(チオベンゾイルチオメチル)ベンゼン、1,4−ビス−(2−(チオ-ベンゾイル−チオ)−プロパ−2−イル)−ベンゼン、1−(4−メトキシフェニル)エチルジチオベンゾエート、ベンジルジチオアセテート、エトキシカルボニルメチルジチオアセテート、2−(エトキシカルボニル)プロパ−2−イルジチオベンゾエート、2,4,4−トリメチルペンタ−2−イルジチオベンゾエート、2−(4−クロロフェニル)プロパ−2−イルジチオベンゾエート、3−ビニルベンジルジチオベンゾエート、4−ビニルベンジルジチオベンゾエート、S−ベンジルジエトキシホスフィニルジチオホルメート、tert−ブチルトリチオペルベンゾエート、2−フェニルプロパ−2−イル4−クロロジチオベンゾエート、2−フェニルプロパ−2−イル1−ジチオナフチレート、4−シアノペンタン酸ジチオベンゾエート、ジベンジルテトラチオテレフタレート、ジベンジルトリチオカーボネート、カルボキシメチルジチオベンゾエートまたはジチオベンゾエート末端基を有するポリ(エチレンオキシド)、またはそれらの混合物が挙げられる。
【0079】
他の実施形態において、プロセス中に存在する連鎖移動剤の量としては、モノマーの重量を基準として0重量%〜10重量%、または0.5重量%〜2重量%が挙げられる。
【0080】
潤滑組成物
1つの実施形態において、本発明は、
(a)潤滑粘度の油;ならびに
(b)モノマー由来の架橋ポリマーであって、以下:
(i)0.001重量%〜7重量%の二官能性架橋性モノマーまたは高次官能性架橋性モノマー;
(ii)30重量%以上のヒドロカルビル置換(メタ)アクリルモノマーであって、各ヒドロカルビルは8個より多くの炭素原子を含む、ヒドロカルビル置換(メタ)アクリルモノマー;および
(iii)0重量%〜40重量%のヒドロカルビル置換(メタ)アクリルモノマーであって、各ヒドロカルビルは、8個以下の炭素原子を含む、ヒドロカルビル置換(メタ)アクリルモノマー
を含む、架橋ポリマー
を含む、潤滑組成物を提供する。
【0081】
1つの実施形態において、本発明は、
(a)潤滑粘度の油;ならびに
(b)モノマー由来の架橋ポリマーであって、以下:
(i)0.001重量%〜7重量%の二官能性架橋性モノマーまたは高次官能性架橋性モノマー;
(ii)30重量%以上のヒドロカルビル置換(メタ)アクリルモノマーであって、各ヒドロカルビルは8個より多くの炭素原子を含む、ヒドロカルビル置換(メタ)アクリルモノマー;および
(iii)0重量%〜40重量%のヒドロカルビル置換(メタ)アクリルモノマーであって、各ヒドロカルビルは、8個以下の炭素原子を含む、ヒドロカルビル置換(メタ)アクリルモノマー;および
を含む、架橋ポリマー;ならびに
(c)従来の粘度改質剤
を含む、潤滑組成物を提供する。
【0082】
従来の粘度改質剤
本発明の1つの実施形態において、潤滑組成物はさらに、従来の粘度改質剤(すなわち、本明細書中に記載される架橋粘度改質剤またはそれらの混合物ではないもの)を含む。代表的に従来の粘度改質剤は、鎖状の(もしくは実質的に鎖状の)ポリマーまたは星型ポリマーであり得る。
【0083】
1つの実施形態において、従来の粘度改質剤としては、スチレン−ブタジエンの水素化コポリマー、ポリオレフィン、エチレン−プロピレンポリマーのようなオレフィンコポリマー、ポリイソブテン、水素化スチレン−イソプレンポリマー、水素化イソプレンポリマー、ポリメタクリル酸エステル、ポリアクリル酸エステル、ポリアルキルスチレン、水素化アルケニルアレーン共役ジエンコポリマー,マレイン酸無水物−スチレンコポリマーのポリアルキルメタクリレートおよびポリアルキルメタクリル酸エステルが挙げられる。1つの実施形態において、従来の粘度改質剤は、ポリメタクリル酸エステル、ポリアクリル酸エステル、またはそれらの混合物を含む。別の実施形態において、ポリメタクリル酸エステル、ポリアクリル酸エステルは、鎖状または星型である。1つの実施形態において、オレフィンベースポリマーは、分枝状であり得る。
【0084】
他の実施形態において、従来の粘度改質剤は、5000より多い、10,000以上、または20,000もしくは30,000以上の重量平均分子量を有する。数平均分子量の適切な範囲の例としては、5000〜1,000,000、10,000〜100,000、15,000〜50,000、または20,000〜30,000が挙げられる。
【0085】
別の実施形態において、本発明の潤滑組成物中に存在する従来の粘度改質剤の量は、0重量%〜50重量%、1重量%〜50重量%、1重量%〜35重量%、1.5重量%〜30重量%、または2重量%〜20重量%であり得る。
【0086】
潤滑粘度の油
1つの実施形態において、潤滑組成物としては、潤滑粘度の天然油もしくは合成油、水素化分解(hydrocracking)、水素化、水素化仕上げ(hydrofinishing)より誘導される油、未精製油、精製油、および再精製油、またはそれらの混合物が挙げられる。
【0087】
天然油としては、動物油、植物油、鉱油、またはそれらの混合物が挙げられる。合成油としては、炭化水素油、ケイ素ベースの油、リン含有酸の液体エステルが挙げられる。合成油は、Fischer−Tropsch反応により生成され得、そして代表的に水素異性化(hydroisomerised)Fischer−Tropsch炭化水素もしくは蝋であり得る。
【0088】
潤滑粘度の油はまた、the American Petroleum Institute(API)Base Oil Interchangeability Guidelinesに明記されるように定義され得る。他の実施形態において、潤滑粘度の油は、APIグループI、II、III、IV、V、VI、もしくはそれらの混合物、またはAPIグループI、II、III、もしくはそれらの混合物を含む。潤滑粘度の油がAPIグループII、III、IV、V、もしくはVIの油であり得る場合、潤滑油であるAPIグループI油の40重量%まで、または5重量%の最大量までで存在し得る。
【0089】
1つの実施形態において、潤滑組成物は、XW−YからのSAE粘度等級を有し、式中、Xは0〜85の整数であり得、そしてYは20〜250の整数である。
【0090】
他の実施形態において、Xは0、5、10、15、20、70、75、80、または85から選択される整数であり得;そしてYは、20、25、30、35、40、45、50、90、110、140、190、または250から選択される整数であり得る。
【0091】
他の実施形態において、潤滑粘度の油は、潤滑組成物の5重量%〜99.9重量%、または25重量%〜98.9重量%、または40重量%〜97.9重量%、または60重量%〜96.5重量%で存在し得る。
【0092】
追加の性能添加剤
組成物は、必要に応じてさらに、少なくとも1つの追加の性能添加剤を含む。追加の性能添加剤としては、金属不活性化剤、清浄剤、分散剤、摩擦改質剤、分散性粘度改質剤、極圧剤、耐磨耗剤、酸化防止剤、腐食防止剤、消泡剤、解乳化剤、流動点降下剤,シール膨張剤、またはそれらの混合物が挙げられる。
【0093】
他の実施形態において、上記追加の性能添加剤化合物の全合計量は、組成物の0重量%〜25重量%、0.01重量%〜20重量%、0.1重量%〜15重量%、または0.5重量%〜10重量%である。1つ以上の追加の性能添加剤が存在し得るが、それぞれに対して異なる量で存在することが追加の性能添加剤にとって一般的である。
【0094】
本発明が、濃縮物の形態である場合(この濃縮物は、追加の油と組み合わされて、仕上げ潤滑剤の全体もしくは一部を形成し得る)、潤滑粘度の油中の本発明の架橋ポリマーおよび任意の追加の性能添加剤の、含まれる希釈油に対する比は、重量で80:20〜10:90の範囲であり得る。
【0095】
酸化防止剤としては、モリブテンジチオカルバメート、硫化オレフィン、ヒンダードフェノール、ジフェニルアミンが挙げられる。清浄剤としては、中性もしくはオーバーベース化の、ニュートンもしくは非ニュートンの、アルカリ金属、アルカリ土類金属、および遷移金属の塩基性塩であって、1つ以上のフェネート、硫化フェネート、スルホネート、カルボン酸、リン酸、モノ−チオリン酸および/またはジ−チオリン酸、サリゲニン、アルキルサリチレート、またはサリキサレートを有するものが挙げられる。分散剤としては、N−置換長鎖アルケニルスクシンイミドならびにそれらの処理後型が挙げられる。処理後型分散剤としては、ウレア、チオウレア、ジメルカプトチアジアゾール、二硫化炭素、アルデヒド、ケトン、カルボン酸、炭化水素置換無水コハク酸、ニトリル、エポキシド、ホウ素化合物、またはリン化合物との反応により処理されたものが挙げられる。粘度改質剤としては、スチレン−ブタジエンの水素化コポリマー、ポリオレフィン、エチレン−プロピレンポリマーのようなオレフィンコポリマー、ポリイソブテン、水素化スチレン−イソプレンポリマー、水素化イソプレンポリマー、ポリメタクリル酸エステル、ポリアクリル酸エステル、ポリアルキルスチレン、アルケニルアレーン共役ジエンコポリマー、マレイン酸無水物−スチレンコポリマーのポリアルキルメタクリレートおよびポリアルキルメタクリル酸エステルが挙げられる。
【0096】
耐摩耗剤としては、金属チオホスフェートのような化合物、特に亜鉛ジアルキルジチオホスフェート;リン酸エステルまたはそれらの塩;ホスファイト;およびリン含有カルボン酸エステル、エーテル、およびアミドが挙げられる。耐スカッフィング剤(Antiscuffing agent)としては、有機硫化物およびポリ硫化物、例えば、ベンジルジスルフィド、ビス−(クロロベンジル)ジスルフィド、ジブチルテトラスルフィド、ジ−第3級ブチルポリスルフィド、ジ−tert−ブチルスルフィド、硫化Diels−Alder付加物、またはアルキルスルフェニルN’N−ジアルキルジチオカルバメートが挙げられる。極圧(EP)剤としては、塩化蝋、有機硫化物、およびポリ硫化物(例えば、ベンジルジスルフィド、ビス−(クロロベンジル)ジスルフィド、ジブチルテトラスルフィド、オレイン酸の硫化メチルエステル、硫化アルキルフェノール、硫化ジペンテン、硫化テルペン、および硫化Diels−Alder付加物);ホスホ硫化炭化水素、金属チオカルバメート、(例えば、亜鉛ジオクチルジチオカルバメート)およびバリウムヘプチルフェノール二酸が挙げられる。添加剤の上記分類の任意のものはまた、本発明の組成物中で使用され得る。
【0097】
さらに、本発明はまた、脂肪アミン、脂肪エステル(例えば、ホウ酸化グリセロールエステル)、脂肪ホスファイト、脂肪酸アミド、脂肪エポキシド、ホウ酸化脂肪エポキシド、アルコキシ化脂肪アミン、ホウ酸化アルコキシ化脂肪アミン、脂肪酸の金属塩、脂肪イミダゾリン、カルボン酸とポリアルキレン−ポリアミンとの縮合生成物、アルキルリン酸のアミン塩を含む摩擦改質剤を含み得る。
【0098】
本発明の処方物はまた、分散性粘度改質剤(しばしばDVMとして示される)を含み得、官能性ポリオレフィン、例えば、無水マレイン酸と、次いでアミンとの反応により官能化されるエチレン−プロピレンコポリマー;アミンによって官能化されるポリメタクリレート、またはアミンと反応されるスチレン−マレイン酸無水物コポリマーが挙げられる。
【0099】
他の性能添加剤は、例えば腐食防止剤としては、オクチルアミンオクタノエート、ドデセニルコハク酸もしくはドデセニルコハク酸無水物および脂肪酸(例えばオレイン酸)とポリアミンとの縮合生成物が挙げられ;金属不活性剤としては、ベンゾトリアゾール、1,2,4−トリアゾール、ベンズイミダゾール、2−アルキルジチオベンズイミダゾール、または2−アルキルジチオベンゾチアゾールが挙げられ;消泡剤としては、エチルアクリレートと2−エチルヘキシルアクリレートと必要に応じてビニルアセテートとのコポリマーが挙げられ;解乳化剤としては、トリアルキルホスフェート、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、および(エチレンオキシド−プロピレンオキシド)ポリマーが挙げられ;流動点降下剤としては、マレイン酸無水物−スチレンのエステル、ポリメタクリレート、ポリアクリレート、またはポリアクリルアミドが挙げられ;シール膨張剤としては、Exxon Necton−37TM(FN 1380)およびExxon Mineral Seal Oil(FN 3200)が挙げられるが、これらはまた本発明の組成物中で使用され得る。
【0100】
産業上の適用
本発明の架橋ポリマーは、粘度指数改質添加物(粘度改質剤)として有用であり得る。他の実施形態において、架橋ポリマーは、変速機用流体、ギヤー油、油圧流体、または内燃機関潤滑剤、例えばディーゼル燃料用エンジン、ガソリン燃料用エンジン、天然ガス燃料エンジン、またはガソリン/アルコール混合燃料用エンジンに対して適切であり得る。
【0101】
1つの実施形態において、本発明は、変速機、ギヤー、油圧デバイス、または内燃機関を潤滑する方法を提供し、この方法は、本明細書中に記載される架橋ポリマーおよび必要に応じて従来のポリマーを含む潤滑剤を、上記変速機、ギヤー、油圧デバイス、または内燃機関へと供給する工程を含む。
【0102】
変速機流体、ギヤー油、油圧流体、または内燃機関中での架橋ポリマーの使用は、受容可能な清潔性、受容可能な剪断安定性、受容可能な粘度指数、受容可能な粘性(すなわち、低温粘性または受容可能な高温粘性)、受容可能な燃料経済、および受容可能な分散性性質を含む、1つ以上の性質を与え得る。
【0103】
他の実施形態において、架橋ポリマーは、潤滑組成物中に、潤滑組成物の0.001重量%〜30重量%、0.1重量%〜20重量%、0.5重量%〜15重量%、1重量%〜10重量%、または2重量%〜8重量%で存在し得る。
【0104】
以下の実施例は、本発明の例示を提供する。これらの実施例は、排他的ではなく、本発明の範囲の制限することを意図されない。
【実施例】
【0105】
実施例1(EX1):重合反応は、スターラー、熱電対、還流冷却管、および圧力均等型(pressure equalising)滴下漏斗を備えた容器内で実施される。圧力均等型滴下漏斗に、C12−15アルキルメタクリレート(68.2g)、2−エチルヘキシルメタクリレート(30g)、トリメチロールプロパントリメタクリレート(TMPTMA)(0.31g)、ドデシルメルカプタン(5g)、Trigonox(登録商標)−21開始剤(5g)および105.3gの鉱油を充填する。容器を、7.87cm/s(または1.0scfh)の流速の窒素でパージし、周囲温度で45分撹拌する。容器を次いで111℃まで20分かけて加熱する。ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド(DMAPMA)(1.82g)を次いで容器に添加する。次に、窒素流速を0.79cm/s(または0.1scfh)に低下する。圧力均等型滴下漏斗の内容物を容器に1時間の期間をかけて滴下して加える。次いで、容器を110℃でさらに2時間維持し、次に、5gの油中の0.5gTrigonox(登録商標)−21開始剤を添加する。容器を106℃〜110℃の温度で65分維持する。容器を周囲温度に冷却し、生成物を取り出す。最終生成物は、41,300の重量平均分子量を有する粘性のある明るい黄色流体である。
【0106】
実施例2(EX2):重合反応は、スターラー、熱電対、還流冷却管、および圧力均等型滴下漏斗を備えた容器内で実施される。圧力均等型滴下漏斗に、C12−15アルキルメタクリレート(70g)、2−エチルヘキシルメタクリレート(30g)、トリメチロールプロパントリメタクリレート(TMPTMA)(0.425g)、ドデシルメルカプタン(1.25g)、Trigonox(登録商標)−21開始剤(6g)、および25gの鉱油を充填する。容器を、7.87cm/s(または1.0scfh)の流速の窒素でパージし、周囲温度で30分撹拌する。次に、窒素流速を0.79cm/s(または0.1scfh)に低下する。次いで、容器を95℃の油浴中に設置する。容器の内容物は反応して、124℃の発熱を生成する。容器を次いで、124℃で1時間維持し、その後周囲温度に冷却する。生成物を取り出し、そして分析する。生成物は、69,300の重量平均分子量を有する粘性のある明るい黄色流体である。
【0107】
実施例3〜5(EX3〜EX5)は、C12−C15−アルキルメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート(TMPTMA)、2−エチルヘキシルメタクリレート、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、Trigonox(登録商標)21、およびn−ドデシルメルカプタンをEX2と同様のプロセスで反応させることにより調製される。EX3〜EX5を調製するのに使用される種々のモノマーの量は、以下の表に規定される:
【0108】
【表2】

注:ここでMpはピーク分子量である。
【0109】
実施例6は、連載移動剤がクミルジチオベンゾエート(1.0g)であることを除き、EX1と同様のプロセスにより調製される。反応させるモノマーは、C12−15メタクリレート(96g)、2−エチルヘキシルメタクリレート(41g)、トリメチロールプロパントリメタクリレート(1.19g)、ならびに希釈油(48g)およびTrigonox 21(0.40g)であり、これらは反応器に充填され、そして容器中を窒素雰囲気にする。容器を90℃にあらかじめ加熱した油浴に設置する。反応混合物を90℃で12時間維持する。生成物は、約390,000の重量平均分子量と、7.5のPDIを有する。
【0110】
実施例7(EX7):重合反応は、スターラー、熱電対、還流冷却管、圧力均等型滴下漏斗、および窒素吹き込み管(3.95cm/s(または0.5scfh)で流す)を備えた容器内で実施される。圧力均等型滴下漏斗に、ブチルメタクリレート(54g)、メチルメタクリレート(54g)、C12−14メタクリレート(141g)、C16−18メタクリレート(51g)、アリルメタクリレート(1.5g)、鉱油(131.25g)、Trigonox(登録商標)−21開始剤(1.05g),およびn−ドデシルメルカプタン(1.05g)の混合物を充填する。この混合物の3分の1を、容器に移し、次いで110℃に加熱する。重合の発熱の後、滴下漏斗中の残りの3分の2を容器に1.5時間の期間をかけて滴下して加える。滴下後1時間で完了し、最後に残ったモノマーの消費(finish−up)を、希釈油(dil oil)(1.125g)中のTrigonox(登録商標)−21開始剤(0.125g)を容器に加え、1時間反応させることにより実施する。同様の消費手順をさらに3回繰り返す。次いで、最後の希釈のために希釈油(61.3g)を加え、0.5時間撹拌して、その後容器から熱いまま注ぎ出す(being poured hot)。最終生成物は、粘性のある明るい黄色流体である。
【0111】
実施例8(EX8)は、アリルメタクリレート(2.25g)、Trigonox(登録商標)−21(1.5g)およびドデシルメルカプタン(1.5g)を使用することを除き、EX7と同様の様式で調製される。
【0112】
実施例9(EX9)は、アリルメタクリレート(4.5g)、Trigonox(登録商標)−21(3g)、およびドデシルメルカプタン(3g)を使用することを除き、EX7と同様の様式で調製される。
【0113】
実施例10(EX10)は、Trigonox(登録商標)−21(40g)、C12−15アルキルメタクリレート(1600g)、メチルメタクリレート(400g)、n−ドデシルメルカプタン(40g)、および鉱油(1060g)を、オーバーヘッドスターラー、水冷冷却管、N2吹き込み管、および滴下漏斗および加熱マントルを備えた4つ口5L丸底フラスコ中で反応することにより調製される。反応は、撹拌しながら約20分間、Nブランケットを有する。反応混合物の一部(70%)を次いで、滴下漏斗に移す。次に、TMPTMA(15.07g)を容器中の残りの物質に加える。反応を95℃に加熱する。反応が一度95℃に達すると、発熱が起こる。30分後、温度を最高温度の145℃から110℃に下げる。油中の残りの70重量%のモノマーおよび残りのTrigonox(登録商標)−21およびn−ドデシルメルカプタンを110℃で滴下して加える。反応混合物をさらに1時間撹拌し、最終生成物を得る。
【0114】
実施例11(EX11)は、Trigonox(登録商標)−21(2.5g)、C12−15アルキルメタクリレート(80g)、メチルメタクリレート(20g)、n−ドデシルメルカプタン(2.5g)、TMPTMA(1.6g)、および鉱油(30g)を、オーバーヘッドスターラー、水冷冷却管、N吹き込み管、熱電対、および滴下漏斗および加熱マントルを備えた4つ口250mL丸底フラスコ中で反応することにより調製される。反応は、撹拌しながら約20分間、Nブランケットを有する。反応混合物を95℃に加熱する。反応が一度95℃に達すると、発熱が温度を110℃に上げる。次いで、反応を2時間110℃で撹拌し、最終生成物を得る。
【0115】
実施例EX7〜EX11は、以下のように特徴付けられる:
【0116】
【表3】


【0117】
参照例1(RF1)は、市販の鎖状ポリメタクリレート粘度改質剤である。
【0118】
参照例2(RF2)は、メカニカルオーバーヘッドスターラー、水冷冷却管、熱電対、および窒素吹き込み管を備えた容器中で調製される。容器に、700gのC12−15アルキルメタクリレート、300gの2−エチルヘキシルメタクリレート、351.9gの鉱油、0.48gのTrigonox(登録商標)−21開始剤、および1.21gのクミルジチオベンゾエートを充填する。次いで、容器に7.87cm/s(または1.0scfh)で30分パージする。次いで、窒素流速を3.94cm/s(または0.5scfh)に低下し、その後90℃に加熱する。容器を3時間90℃で維持して、その後周囲温度に冷却する。生成物を取り出し、そして分析する。最終生成物は、粘性のある赤色液体であり、250,000の重量平均分子量および1.3の多分散性を有する。
【0119】
参照例3(RF3)は、形成されるポリマーが70重量%のラウリルメタクリレートおよび30重量%の2−エチルヘキシルメタクリレートを含むことを除き、RF2と同様のプロセスで調製される。RF3のポリマーは、109,000の重量平均分子量および1.24の多分散性を有する。
【0120】
ギヤー油のための潤滑組成物(LC1〜LC4)
潤滑組成物は、EX1、EX2、RF1およびRF2のポリマーを用いて調製される。潤滑組成物を、100℃で約19mm/s(または19cSt)の動粘性率を有するように混合する。潤滑組成物は、APIグループIIIの基油とAPIグループIVの基油との混合物を含み、そして従来の油添加剤を含む。さらに、潤滑組成物は、0.2重量%のポリメタクリレート流動点降下剤を含む。
【0121】
潤滑組成物を、動粘性率およびBrookfield粘性率を(100℃でASTM方法D445(KV100)を、−40℃でASTM方法D2983(BV−40)をそれぞれ使用することにより)決定することにより評価する。粘度指数(VI)をまた、ASTM方法D2270を使用することにより決定する。剪断安定性指数(SSI)を、KRL bearing shear test(20時間にわたる)を使用することにより決定する。得られた結果は以下である:
【0122】
【表4】

本発明のポリマーは、従来の鎖状ポリマーを有する類似の処方物(またはRF1およびRF2からのポリマーを含む潤滑組成物)と同じ初期粘度および剪断安定性を維持しながら、改善されたVI値を有する潤滑組成物を提供することが可能である。さらに、本発明のポリマーは、参照ポリマーを含む潤滑組成物と比べて、低いまたは同等の処理率でより良好なまたは同等の低温度性能を提供することが可能である。
【0123】
自動変速機のための潤滑組成物(LC5〜LC9)
約7.2mm/s(cSt)の動粘性率を有する潤滑組成物を、EX3、EX4、EX5、EX6およびRF3のポリマーを4mm/s PetroCanadaTM基油に混合することにより調製する。組成物はさらに、従来の添加物パッケージおよび0.2重量%のポリメタクリレート流動点硬化剤を含む。潤滑組成物は以下にまとめられる:
【0124】
【表5】

増粘効率(TE)は、以下の数式により計算される:
TE=[log(基油の粘度+ポリマーの粘度)−log(基油の粘度)]/(ポリマーの処理率(重量%)/100)。
【0125】
油圧流体のための潤滑組成物(LC10〜LC14)
潤滑組成物(LC10〜LC12)は、EX7、EX8およびEX9のポリマーによりそれぞれ調製される。潤滑組成物を、40℃で約46mm/s(または46cSt)の動粘性率を有するように混合する。潤滑組成物は、TOTALTM 150N基油とTOTALTM 600N基油との混合物および従来の油添加物を含む。さらに、潤滑組成物は、0.4重量%のポリメタクリレート流動点降下剤を含む。
【0126】
潤滑組成物LC13〜LC14は、EX10およびEX11のポリマーによりそれぞれ調製される。潤滑組成物を、40℃で約46mm/s(または46cSt)の動粘性率を有するように混合する。潤滑組成物はYubaseTM 4とYubaseTM 6との混合物および従来の油添加物を含む。さらに、潤滑組成物は、0.2重量%のポリメタクリレート流動点降下剤を含む。
【0127】
潤滑組成物を、動粘性率およびBrookfield粘性率を(100℃でASTM方法D445(KV100)を、−40℃でASTM方法D2983(BV−40)をそれぞれ使用することにより)決定することにより評価する。粘度指数(VI)をまた、ASTM方法D2270を使用することにより決定する。剪断安定性指数(SSI)を、Orbahn shear 30 pass(ASTM D6278)、またはKRL bearing shear test(20時間にわたる)を使用することにより決定する。得られた結果は以下である:
【0128】
【表6】

注:引用されたポリマーの量は、実施例(EX7〜EX11)に記載される生成物の油含有量を含む。
【0129】
概して、上記結果は、本発明のポリマーは、鎖状ポリマーを含む潤滑組成物と比較して、同様の初期粘度および剪断安定性でより高い増粘効率(TE)を有する潤滑組成物を提供することを示す。
【0130】
本明細書中以下に記載のように、粘度改質剤の分子量は、公知の方法(例えば、ポリスチレン基準を用いたGPC分析)を用いて決定される。ポリマーの分子量の決定方法は周知である。上記方法は、例えば:(i)P.J.Flory、「Principles of Polymer Chemistry」、Cornell University Press 91953、第VII章、266頁−315頁;または(ii)「Macromolecules, an Introduction to Polymer Science」、F.A.BoveyおよびF.H.Winslow(編)、Academic Press(1979)、296頁−312頁に記載される。
【0131】
本明細書中で使用される場合、用語「ヒドロカルビル置換基」または「ヒドロカルビル基」は、通常の意味で使用され、これらは当業者に周知である。特に、これらは、分子の残基に直接結合される炭素原子を有し、主に炭化水素特性を有する基を示す。ヒドロカルビル基の例としては以下:
(i)炭化水素置換基、すなわち脂肪族置換基(例えば、アルキルまたはアルケニル)、脂環式置換基(例えば、シクロアルキル、シクロアルケニル)、ならびに芳香族−、脂肪族−、および脂環式−置換芳香族置換基および環状置換基(ここで上記環は分子の別の部分を介して完結している(例えば、2つの置換基が一緒になって環を形成する));
(ii)置換炭化水素置換基、すなわち、非炭化水素基を含む置換基であって、本発明の内容において、置換基の主な炭化水素性質を変化させない置換基(例えば、ハロ(特にクロロおよびフルオロ)、ヒドロキシ、アルコキシ、メルカプト、アルキルメルカプト、ニトロ、ニトロソ、およびスルホキシ);ならびに
(iii)ヘテロ置換基、すなわち、本発明の内容において、主に炭化水素特性を有する一方で、炭素原子からなる環または鎖内に炭素以外を含む置換基、が挙げられる。ヘテロ原子は、硫黄、酸素、窒素を含み、そしてピリジル、フリル、チエニルおよびイミダゾリルのような置換基を包含する。一般に、2つ以下の、または1つ以下の非炭化水素置換基は、ヒドロカルビル基の10個の炭素原子毎に存在し;代表的に、ヒドロカルビル基において非炭化水素置換基は存在しない。
【0132】
上記に示した各々の文書は、本明細書中に参考として援用される。実施例、またはそうでないと特に示される場合を除き、本明細書中のすべての数量、特に材料の量、反応条件、分子量、炭素原子の数などは、用語「約」によって修飾されることが理解される。そうでないと示されない限り、本明細書中に示される各化学物質または組成物は、市販の等級の材料として解釈され、上記市販の等級の物質は異性体、副生成物、誘導体、および市販の等級で存在すると通常理解される他のそのような材料を含み得る。しかし、各化学成分の量は、そうでないと示されない限り、市販の材料において通常存在し得る任意の溶媒または希釈油を除いて示される。本明細書中で記載される上限および下限の量、範囲、および比は、独立して組み合わされ得る。同様に、本発明の各要素の範囲および量は、任意の他の要素の範囲または量と一緒に使用され得る。本明細書中で使用される場合、任意の数の属(またはリスト)は、添付の特許請求の範囲より除かれ得る。
【0133】
上記に記載のいくつかの材料は、最終処方物中で相互作用し得、その結果、最終生成物の成分は、最初に加えた成分と異なり得る、ということは公知である。それによって形成される生成物は、本発明の組成物を意図される使用に利用する際に形成される生成物を含むが、簡単な記載が可能でないことがあり得る。それにもかかわらず、すべてのこのような改変および反応生成物は本発明の範囲内に含まれ;本発明は、上記に記載の成分を混合することにより調製される組成物を包含する。
【0134】
本発明は説明されている一方で、本発明の種々の改変は、明細書を読む際に当業者に明らかになることが理解されるべきである。したがって、本明細書中に開示される本発明は、添付の特許請求の範囲の範囲内にあるこのような改変を網羅することが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
潤滑組成物であって、
(a)潤滑粘度の油;ならびに
(b)モノマー由来の架橋ポリマーであって、以下:
(i)0.001重量%〜7重量%の二官能性架橋性モノマーまたは高次官能性架橋性モノマー;
(ii)30重量%以上のヒドロカルビル置換(メタ)アクリルモノマーであって、各ヒドロカルビルは8個より多くの炭素原子を含む、ヒドロカルビル置換(メタ)アクリルモノマー;および
(iii)0重量%〜40重量%のヒドロカルビル置換(メタ)アクリルモノマーであって、各ヒドロカルビルは、8個以下の炭素原子を含む、ヒドロカルビル置換(メタ)アクリルモノマー;および
(iv)0重量%〜10重量%の窒素含有モノマー
を含む、架橋ポリマー
を含む、潤滑組成物。
【請求項2】
前記架橋ポリマーが、2000〜5,000,000の重量平均分子量を有する、請求項1に記載の潤滑組成物。
【請求項3】
前記架橋ポリマーが、1.5〜20の多分散性を有する、請求項1に記載の潤滑組成物。
【請求項4】
前記架橋ポリマーが、ランダムコポリマーまたはブロックコポリマーを含む、請求項1に記載の潤滑組成物。
【請求項5】
前記二官能性架橋性モノマーまたは高次官能性架橋性モノマーが、トリ(メタ)アクリレート、テトラ(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、またはそれらの反応等価体、またはそれらの混合物を含む、請求項1に記載の潤滑組成物。
【請求項6】
前記(b)(ii)および(b)(iii)が、メタクリル酸エステル、アクリル酸エステル、メタクリルアミド、アクリルアミド、ならびにそれらの混合物、またはそれらの反応等価体を含む(メタ)アクリルモノマーである、請求項1に記載の潤滑組成物。
【請求項7】
前記ヒドロカルビル置換(メタ)アクリルモノマー(b)(ii)のヒドロカルビルが、9個〜30個の炭素原子を含む、請求項1に記載の潤滑組成物。
【請求項8】
前記ヒドロカルビル置換(メタ)アクリルモノマー(b)(iii)のヒドロカルビルが、1個〜8個の炭素原子を含む、請求項1に記載の潤滑組成物。
【請求項9】
さらに従来の粘度改質剤を含む、請求項1に記載の潤滑組成物。
【請求項10】
前記従来の粘度改質剤が、スチレン−ブタジエンの水素化コポリマー、ポリオレフィン、エチレン−プロピレンポリマーなどのオレフィンコポリマー、ポリイソブテン、水素化スチレン−イソプレンポリマー、水素化イソプレンポリマー、ポリメタクリル酸エステル、ポリアクリル酸エステル、ポリアルキルスチレン、水素化アルケニルアレーン共役ジエンコポリマー、またはマレイン酸無水物−スチレンコポリマーのポリアルキルメタクリレートもしくはポリアルキルメタクリル酸エステルを含む、請求項9に記載の潤滑組成物。
【請求項11】
前記従来の粘度改質剤が、ポリメタクリル酸エステル、ポリアクリル酸エステルまたはそれらの混合物を含む、請求項10に記載の潤滑組成物。
【請求項12】
前記ポリメタクリル酸エステル、ポリアクリル酸エステルが鎖状である、請求項11に記載の潤滑組成物。
【請求項13】
前記従来の粘度改質剤が、1重量%〜50重量%で存在する、請求項9に記載の組成物。
【請求項14】
少なくとも1つの追加の性能添加剤をさらに含み、該追加の性能添加剤は金属不活性化剤、清浄剤、分散剤、摩擦改質剤、分散性粘度改質剤、極圧剤、耐磨耗剤、酸化防止剤、腐食防止剤、消泡剤、解乳化剤、流動点降下剤、シール膨張剤およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項15】
架橋ポリマーを調製するためのプロセスであって、該プロセスは、45℃以上の温度で以下:
(i)0.001重量%〜7重量%の二官能性架橋性モノマーまたは高次官能性架橋性モノマー;
(ii)30重量%以上のヒドロカルビル置換(メタ)アクリルモノマーであって、各ヒドロカルビルは8個より多くの炭素原子を含む、ヒドロカルビル置換(メタ)アクリルモノマー;および
(iii)0重量%〜40重量%のヒドロカルビル置換(メタ)アクリルモノマーであって、各ヒドロカルビルは、8個以下の炭素原子を含む、ヒドロカルビル置換(メタ)アクリルモノマー;および
(iv)フリーラジカル開始剤;および
(v)必要に応じて、連鎖移動剤
を反応させて、架橋ポリマーを形成する工程を含む、プロセス。
【請求項16】
前記架橋ポリマー中に従来のポリマーを添加または調製する工程をさらに含む、請求項15に記載のプロセス。
【請求項17】
前記プロセスが、従来のポリマー中に前記架橋ポリマーを調製する工程を含む、請求項15に記載のプロセス。
【請求項18】
前記架橋ポリマーの従来のポリマーに対する重量%比が10:90〜70:30である、請求項16または17に記載のプロセス。
【請求項19】
請求項15〜18のいずれか一項に記載のプロセスにより得られるポリマー。
【請求項20】
前記架橋ポリマーは、フリーラジカル重合技術または制御されたフリーラジカル重合技術により調製される、請求項15に記載のプロセス。
【請求項21】
前記制御されたフリーラジカル重合技術が、可逆的付加開裂連鎖移動重合、原子移動ラジカル重合およびニトロキシド−媒介安定フリーラジカル重合からなる群の少なくとも1つを含む、請求項20に記載のプロセス。
【請求項22】
前記温度が80℃〜150℃である、請求項15に記載のプロセス。
【請求項23】
変速機、ギヤー、油圧デバイスまたは内燃機関を潤滑するための方法であって、請求項1の組成物を含む潤滑剤を該変速機、該ギヤー、該油圧デバイスまたは該内燃機関に供給する工程を含む、方法。
【請求項24】
モノマー由来の架橋ポリマーであって、以下:
(i)0.001重量%〜7重量%の二官能性架橋性モノマーまたは高次官能性架橋性モノマー;
(ii)30重量%以上のヒドロカルビル置換(メタ)アクリルモノマーであって、各ヒドロカルビルは8個より多くの炭素原子を含む、ヒドロカルビル置換(メタ)アクリルモノマー;および
(iii)0重量%〜40重量%のヒドロカルビル置換(メタ)アクリルモノマーであって、各ヒドロカルビルは、8個以下の炭素原子を含む、ヒドロカルビル置換(メタ)アクリルモノマー;および
(iv)0重量%〜10重量%の窒素含有モノマー
を含む、架橋ポリマー。
【請求項25】
粘度改質剤としての、請求項24に記載の架橋ポリマーの使用。
【請求項26】
潤滑剤中の粘度改質剤としての、請求項24に記載の架橋ポリマーの使用。
【請求項27】
前記二官能性架橋性モノマーまたは高次官能性架橋性モノマーが、(メタ)アクリル、アリル、ビニル、スチリル、共役二重結合、およびこれらの混合物からなる群から選択される部分を少なくとも1つ含む、請求項1に記載の組成物。

【公表番号】特表2010−509465(P2010−509465A)
【公表日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−536431(P2009−536431)
【出願日】平成19年11月6日(2007.11.6)
【国際出願番号】PCT/US2007/083728
【国際公開番号】WO2008/058108
【国際公開日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【出願人】(591131338)ザ ルブリゾル コーポレイション (203)
【氏名又は名称原語表記】THE LUBRIZOL CORPORATION
【住所又は居所原語表記】29400 Lakeland Boulevard, Wickliffe, Ohio 44092, United States of America
【Fターム(参考)】