説明

柿渋由来のカフェイン吸着用非水溶性ゲル及び該ゲルを使用したカフェイン除去方法

【課題】金属等の添加物を使用せずに安全性が高く及びカフェインを選択的に吸着除去できる方法を提供する。
【解決手段】柿渋を酸素存在下で自然光及び/又は紫外線照射を行い酸化させることにより得られるカフェイン吸着用非水溶性ゲル調製し、該非水溶性ゲルとカフェインを含む溶液を接触させることにより、該溶液からカフェインを除去する

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、柿渋由来のカフェイン吸着用非水溶性ゲル及び該ゲルを使用したカフェイン除去方法に関する。
【背景技術】
【0002】
(柿渋)
柿渋は、一般的には、渋柿、栽培種の未熟果等の原料柿を擂り潰したり又は圧搾して得られた汁液を熟成させて製造する。
具体的には、天王柿,山柿等の渋味の強い青い柿を8月前に採取し、その原料柿を搾汁することで汁液を得る。さらに、該汁液を容器に入れ常温で放置、又は糖質分解酵素を加え、自然に静置発酵させて搾汁中の糖質を微生物により資化させて取り除き、さらに、その後加熱殺菌し、数週間〜5年程度常温で放置熟成させたものが柿渋として得られる。
また、柿渋を製造する際、原料柿をアスコルビン酸水溶液に浸漬処理する等によって、タンニン成分の酸化防止、酸化による柿渋及び飲料組成物の変色を防止することができる。
柿渋には縮合型タンニンが含有されており、タンパク質、アルカロイドと特異的に吸着することが知られている。
【0003】
(柿渋の用途)
柿渋は、強力なタンパク質凝固作用を持つことから清酒清澄剤、防腐剤等に利用されている。また、最近の研究では、ノロウイルス等に抗菌作用が認められており、柿渋由来成分の除菌スプレーが販売されている。
【0004】
(カフェインの除去)
茶葉のカテキン類が熱水抽出又は有機溶媒で抽出することが一般的に知られている。しかし、どちらの抽出方法も茶葉中に含まれているカフェインがカテキン類と同時に抽出されるのが一般的である。そのために、抽出物よりカフェインを除去する方法として、吸着樹脂や活性炭等により吸着除去する方法が行なわれている(特許文献1、2)。
しかし、特許文献1及び2は、「柿渋由来のカフェイン吸着用非水溶性ゲル及び該ゲルを使用したカフェイン除去方法」を開示又は示唆をしていない。
【0005】
(柿由来のタンニンゲル)
柿由来のタンニンゲルとして、以下の報告がある。
特許文献3は、「タンニン水溶液に、第1のゲル化剤としてホウ酸、リン酸及びそれらの水溶性塩から選ばれる少なくとも1種を加え、混合した後、第2のゲル化剤としてアルカリ金属又はアルカリ土類金属のハロゲン化物又は乳酸塩を加え、撹拌することを特徴とするゲル又は高粘性溶液の製造方法」を開示している。
特許文献4は、「高分子タンニン水溶液を過酸化水素及び金属ポルフィリン錯体で処理することを特徴とする高分子タンニンゲルの製造方法」を開示している。
しかし、特許文献3及び4は、「柿渋由来のカフェイン吸着用非水溶性ゲル及び該ゲルを使用したカフェイン除去方法」を開示又は示唆をしていない。さらに、本発明とは異なり、ゲル製造のために、金属等を添加剤として使用している。よって、このようなタンニンゲルは、飲料品用のカフェイン吸着剤としては利用することができない。
【0006】
(カフェイン凝集物)
特許文献5は、「柿渋とカフェイン含有食品産業廃棄物を接触する工程を含むことを特徴とするカフェイン含有食品産業廃棄物の肥料化法」を開示している。
しかし、特許文献5では、水溶性の柿渋を使用しており、さらにカフェインを凝集することを目的としており、カフェイン自体を除去することができない。
【0007】
以上により、金属等を使用しない安全性の高いカフェイン除去方法の開発が望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平10−67771
【特許文献2】特開2008−141987
【特許文献3】特許第4677567
【特許文献4】特開2008−285458
【特許文献5】特開平10−29884
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記した問題点を解決することを解決すべき課題とした。より詳しくは、本発明は、金属等の添加物を使用せずに安全性が高く、カフェインを選択的に吸着除去できる方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、「柿渋由来の非水溶性ゲルが、選択的にカフェインを吸着することができること」を見出したことを基にして、本発明を完成するに至った。
【0011】
すなわち、本発明は以下の通りである。
「1. 柿渋を酸素存在下で酸化させることにより得られるカフェイン吸着用非水溶性ゲル。
2.前記酸化工程において、自然光及び/又は紫外線照射を行う前項1に記載のカフェイン吸着用非水溶性ゲル。
3.前項1又は2に記載のカフェイン吸着用非水溶性ゲルを含むカフェイン吸着剤。
4.カフェインを含む溶液を、柿渋を酸素存在下で酸化させることにより得られる非水溶性ゲルと接触させることにより、該溶液からカフェインを除去する方法。
5.前記酸化工程において、自然光及び/又は紫外線照射を行う前項4に記載の除去方法。」
【発明の効果】
【0012】
本発明では、安全性が高くカフェインを選択的に吸着できる柿渋由来のカフェイン吸着用非水溶性ゲル及び該ゲルを使用したカフェイン除去方法を提供できた。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】フロー法によるカフェインの吸着の模式図
【図2】バッチ法によるカフェインの吸着の模式図
【図3】フロー法によるカフェインの選択的吸着の確認結果
【図4】バッチ法によるカフェインの選択的吸着の確認結果
【図5】温度条件変更によるカフェインの選択的吸着の確認結果
【図6】非水溶性ゲル量変更によるカフェインの選択的吸着の確認結果
【図7】カフェインの選択的吸着の確認結果
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明は、柿渋を酸素存在下で酸化させることにより得られるカフェイン吸着用非水溶性ゲル、並びに、カフェインを含む溶液を該非水溶性ゲルと接触させることにより、該溶液からカフェインを除去する方法に関する。
【0015】
(柿渋)
柿渋は、未成熟な渋柿の果実を粉砕圧縮して得られた果汁液を発酵させたものであり、柿タンニンを含む赤褐色半透明の液又は該液を凍結乾燥して得たものである。
より詳しくは、柿渋は、自然発酵法、アルコール発酵法等の周知の方法により得ることができる。
自然発酵法としては、例えば、渋柿を破砕して、搾汁し、これをろ過したものを常温で5〜20日間発酵させて、さらに、80〜90℃で20分間滅菌し、常温で半年〜5年間熟成させる方法が挙げられる。
アルコール発酵法としては、例えば、上記と同様に柿を破砕して、搾汁し、これをろ過し、柿酵母を用いて常温で3〜7日間発酵させた後、80℃で15分間滅菌したものを、常温で半年〜2年間熟成させる方法が挙げられる。
【0016】
また、柿渋は、市販品であってもよい。例えば、株式会社柿多冨、株式会社トミヤマ、株式会社西川本店で販売されている市販品を使用することができる。特に、好ましい柿渋は、株式会社柿多冨製の無臭柿渋の「柿多冨」である。
【0017】
(柿渋由来の非水溶性ゲル)
本発明の柿渋由来の非水溶性ゲルは、酸素を連続又は断続的に供給できる環境下で柿渋を酸化させることによって得られることができる。
(酸素供給量)
水溶液に溶存する酸素量が多いほど、非水溶性ゲルの生成は促進される。したがって、あらかじめ柿渋を酸素バブリングし、酸素濃度を飽和させておくことが好ましい。
飽和溶存酸素量は、気圧、水温、溶存する塩類濃度などによって変化するが、10℃で10.92 mg/L、20℃で8.84 mg/L、40℃で6.59 mg/L程度である。
より好ましくは、反応により消費される酸素を供給するため、反応中は酸素バルーンをつかって加圧することが望ましい。
(酸化工程の温度)
酸化工程の温度は、5℃〜60℃でありが、好ましくは室温付近(15℃〜30℃)が良い。
(酸化時間)
酸化時間は、反応温度、溶存酸素量、光の照射状態により変化するが、柿タンニン5%水溶液を、飽和酸素濃度を使用して酸素加圧状態、自然光照射環境下であれば、6日〜10日でゲル化が終了する。
(洗浄工程)
上記酸化によって得られた非水溶性ゲルは、好ましくは蒸留水で繰り返し洗浄することにより、可溶性の不純物を除去する。
(保存方法)
非水溶性ゲルは、乾燥保存を行うこともできるが、好ましくは、蒸留水に膨潤させて室温保存する。
【0018】
(カフェインを含む溶液)
カフェインを含む溶液とは、該溶液からカフェインを除去することが必要であれば、食料品(特に、飲料品)、医薬品、農薬品、工業用品等のいずれも対象とする。
例えば、カフェインの含有量を低減する必要がある飲料品であるコーヒー、緑茶、紅茶、ウーロン茶、ココア等が挙げられる。
【0019】
(接触)
接触とは、カフェインを含む溶液の該カフェインを非水溶性ゲルに吸着させることができれば特に限定されない。例えば、以下の方法が挙げられる。
加えて、本発明のカフェイン吸着用非水溶性ゲルは、緑茶、紅茶、ウーロン茶、コーヒーなどのカフェインを含む溶液から選択的かつ高効率でカフェインを吸着するが、低分子ポリフェノールであるカテキン類やクロロゲン酸類の吸着は少ないことを特徴とする。
【0020】
(1)フロー法(参照:図1)
カフェインを含む溶液を、本発明のカフェイン吸着用非水溶性ゲルを充填したカラムに通液する。該カフェインは、該ゲルに吸着することにより、低カフェインを含む溶液が抽出される。
さらに、アルコール及び/又はアセトニトリルなどの極性溶媒と水の混合液を、該カラムに通液すれば、高濃度カフェインを抽出できる。
【0021】
(2)バッチ法(参照:図2)
カフェインを含む溶液を、本発明のカフェイン吸着用非水溶性ゲルを含む反応容器に入れる。該反応容器内を撹拌することにより、該カフェインは、該ゲルに吸着する。さらに、該溶液を該ゲルと分離することにより、低カフェインを含む溶液を得ることができる。
さらに、分離した後のカフェイン吸着済非水溶性ゲルを、アルコール及び/又はアセトニトリルなどの極性溶媒と水の混合液に浸すことにより、高濃度カフェインを抽出できる。
【0022】
(カテキン)
本発明のカテキン類とは、多くの植物に含まれる強力な抗酸化物質であり、フラバン−3−オールを基本骨格とするフラボノイド類の総称である。例えば、エピカテキン(EC)、エピガロカテキン (EGC)、エピカテキン−3−O−ガレート (ECg)、エピガロカテキン−3−O−(3−O−メチル)ガレート(EGCg3"Me)、エピガロカテキン−3−O−(4−O−メチル)ガレート(EGCg4"Me)が例示されるが、特に限定されない。
【0023】
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例により限定されるものではない。
【実施例1】
【0024】
(柿渋由来の非水溶性ゲルの製造)
株式会社柿多冨製の無臭柿渋の「柿多冨」5%水溶液を酸素透過性容器に入れ、溶液内の酸素濃度が飽和酸素濃度を保つように該容器内を酸素加圧状態にして、自然光照射環境下、2〜3週間室温で酸化させることにより、非水溶性ゲルを得た。
【実施例2】
【0025】
(フロー法によるカフェインの選択的吸着の確認)
実施例1で得られた非水溶性ゲルは、フロー法によりカフェインを選択的に吸着できるかを確認した。詳細は、以下の通りである。
【0026】
綿栓、非水溶性ゲル1gを、順に、シリンジに入れた。次に、5mLの500ppmカフェイン水溶液又は5mLの500ppm EGCg水溶液を該シリンジに通液した(参照:図2)。さらに、抽出した溶液のカフェイン又は EGCgの濃度を下記のHPLC(高速液体クロマトグラフィー)条件で測定した。
(高速液体クロマトグラフィーの測定条件)
カラム: CAPCELL PAK C18 (4.6 × 100 mm, 3μm)、資生堂
カラム温度: 40 ℃
サンプル量 : 10μL
移動相: メタノール/ 水{ 0.2 %リン酸含有 20:80( v/v )}
流速: 0.8 mL/min
測定波長: 280nm
【0027】
(フロー法によるカフェインの選択的吸着の確認結果)
上記測定結果を図3に示す。図3から明らかなように、本発明の非水溶性ゲルは、500ppmカフェインの約70%を吸着することができ、一方、500ppm EGCgの約12%のみを吸着した。
以上により、本発明の非水溶性ゲルは、フロー法によりカフェインを選択的に吸着できる。
【実施例3】
【0028】
(バッチ法によるカフェインの選択的吸着の確認)
実施例1で得られた非水溶性ゲルは、バッチ法によりカフェインを選択的に吸着できるかを確認した。詳細は、以下の通りである。
【0029】
非水溶性ゲル1gを、100ppmカフェイン及びカテキン類{100 ppm (-)-ECg、(-)-EGCg、(-)-EC及び(-)-EGC}を含む水溶液20mLに加え、恒温槽を使用して該溶液の温度を30℃に保ちながら,250 rpm(毎分回転数)で撹拌した(参照:図2)。15分及び30分後、上澄み液に含まれる各カテキン濃度及びカフェイン濃度を下記のHPLC(高速液体クロマトグラフィー)条件で測定した。
(高速液体クロマトグラフィーの測定条件)
カラム: CAPCELL PAK C18 (4.6 × 100 mm, 3μm)、資生堂
カラム温度: 40 ℃
サンプル量 : 10μL
移動相: メタノール/ 水{0.2 %リン酸含有 20:80( v/v )}
流速: 0.8 mL/min
測定波長: 280 nm
【0030】
(バッチ法によるカフェインの選択的吸着の確認結果)
上記測定結果を図4に示す。図4から明らかなように、本発明の非水溶性ゲルは、100 ppmカフェインの約55%を吸着することができ、一方、100 ppm の4種類のカテキンを約20%以下のみ吸着した。
以上により、本発明の非水溶性ゲルは、バッチ法によりカフェインを選択的に吸着できる。
【実施例4】
【0031】
(温度条件変更によるカフェインの選択的吸着の確認)
実施例1で得られた非水溶性ゲルは、温度条件変更によりカフェイン吸着量が変化するかを確認した。詳細は、以下の通りである。
【0032】
非水溶性ゲル1gを、100ppmカフェインを含む水溶液20mLに加え、恒温槽を使用して該溶液の温度を30℃〜60℃に保ちながら,250 rpm(毎分回転数)で撹拌した(参照:図2)。30分後、上澄み液に含まれるカフェイン濃度を下記のHPLC(高速液体クロマトグラフィー)条件で測定した。
(高速液体クロマトグラフィーの測定条件)
カラム: CAPCELL PAK C18 (4.6 × 100 mm, 3μm)、資生堂
カラム温度: 40 ℃
サンプル量 : 10μL
移動相: メタノール/ 水{ 0.2 %リン酸含有 20:80( v/v )}
流速: 0.8 mL/min
測定波長: 280nm
【0033】
(温度条件変更によるカフェインの選択的吸着の確認結果)
上記測定結果を図5に示す。図5から明らかなように、本発明の非水溶性ゲルは、温度条件を変化させることにより、カフェイン吸着量が変化することを確認した。
【実施例5】
【0034】
(非水溶性ゲル量変更によるカフェインの選択的吸着の確認)
実施例1で得られた非水溶性ゲル量を変更することにより、カフェイン吸着量が変化するかを確認した。詳細は、以下の通りである。
【0035】
非水溶性ゲル0.1、0.5g又は2.0gを、100ppmカフェインを含む水溶液20mLに加え、恒温槽を使用して該溶液の温度を30℃に保ちながら、250 rpm(毎分回転数)で撹拌した(参照:図2)。30分後、上澄み液に含まれるカフェイン濃度を下記のHPLC(高速液体クロマトグラフィー)条件で測定した。
(高速液体クロマトグラフィーの測定条件)
カラム: CAPCELL PAK C18(4.6 × 100 mm, 3μm)、資生堂
カラム温度: 40 ℃
サンプル量 : 10μL
移動相: メタノール/ 水{0.2 %リン酸含有 20:80( v/v )}
流速: 0.8 mL/min
測定波長: 280nm
【0036】
(非水溶性ゲル量変更によるカフェインの選択的吸着の確認結果)
上記測定結果を図6に示す。図6から明らかなように、本発明の非水溶性ゲル量を増加することにより、カフェイン吸着量を約80%まで向上させる変化することを確認した。
【実施例6】
【0037】
(カフェインの選択的吸着の確認)
実施例1で得られた非水溶性ゲルは、上記実施例2〜5により、カテキン類に対して選択的に吸着せずに、カフェインを選択的に吸着できるかを確認した。本実施例では、実施例1で得られた非水溶性ゲルは、クロロゲン酸(5-caffeoylquinic acid, 5-CQA)に対して選択的に吸着せずに、カフェインを選択的に吸着できるかを確認した。詳細は、以下の通りである。
【0038】
非水溶性ゲル1gを、100ppm クロロゲン酸(5-CQA)を含む水溶液20mLに加え、恒温槽を使用して該溶液の温度を30℃に保ちながら,250 rpm(毎分回転数)で撹拌した(参照:図2)。15分及び30分後,上澄み液に含まれるクロロゲン酸(5-CQA)濃度及びカフェイン濃度を下記のHPLC(高速液体クロマトグラフィー)条件で測定した。
(高速液体クロマトグラフィーの測定条件)
カラム: CAPCELL PAK C18 (4.6 × 100 mm, 3μm)、資生堂
カラム温度: 40 ℃
サンプル量 : 10μL
移動相: メタノール/ 水{0.2 %リン酸含有 20:80( v/v )}
流速: 0.8 mL/min
測定波長: 280nm
【0039】
(カフェインの選択的吸着の確認結果)
上記測定結果を図7に示す。図7から明らかなように、本発明の非水溶性ゲルは、100ppmカフェインの約60%を吸着することができ、一方、100ppm クロロゲン酸(5-CQA)を約10%のみ吸着した。
以上により、本発明の非水溶性ゲルは、クロロゲン酸(5-CQA)に対して選択的に吸着せずに、カフェインを選択的に吸着できる。
【0040】
(総論)
以上により、本発明のカフェイン吸着用非水溶性ゲルは、フロー法及びバッチ法により、カテキン類、クロロゲン酸に対して選択的に吸着せずに、カフェインを選択的に吸着できるかを確認した。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明によれば、安全性が高くカフェインを選択的に吸着できるカフェイン吸着用非水溶性ゲル及び該ゲルを使用したカフェイン除去方法を提供できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
柿渋を酸素存在下で酸化させることにより得られるカフェイン吸着用非水溶性ゲル。
【請求項2】
前記酸化工程において、自然光及び/又は紫外線照射を行う請求項1に記載のカフェイン吸着用非水溶性ゲル。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のカフェイン吸着用非水溶性ゲルを含むカフェイン吸着剤。
【請求項4】
カフェインを含む溶液を、柿渋を酸素存在下で酸化させることにより得られる非水溶性ゲルと接触させることにより、該溶液からカフェインを除去する方法。
【請求項5】
前記酸化工程において、自然光及び/又は紫外線照射を行う請求項4に記載の除去方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−106535(P2013−106535A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−252116(P2011−252116)
【出願日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【出願人】(504160781)国立大学法人金沢大学 (282)
【Fターム(参考)】