説明

栄養補助食品及び消化器系関連障害の治療方法

消化障害並びに消化器系に関連する疾患の治療及び/又は予防用栄養補助食品であって、極性脂質及び酸化防止剤の相当量を含む極性脂質補助食品、少なくとも1つの健康に有益な作用を与える可溶性β−グルカン繊維、消化器系に少なくとも1つの有益な作用を与える少なくとも1つのアミノ酸を含む栄養補助食品。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、ヒト及び動物の栄養補助食品に関し、より詳細には、消化障害並びに消化器系に関連する疾患の治療及び/又は予防方法において用いられる新規な栄養補助食品に関する。
【背景技術】
【0002】
何らかの消化障害が、人口のさらなる部分に影響を及ぼしている消化器系と直接又は間接的に結びつく病気で、人口の優に3分の1に影響を及ぼすと見積もられている。これらの障害は、3つのグループに分類することができる。消化管に直接的かつ悪い方向に影響を及ぼす消化器障害を含む第1のグループ、消化管に間接的にかつ悪い方向に影響を及ぼす消化器障害を含む第2グループ、消化管以外の体の部分に悪い方向に影響を及ぼすがが、消化器系に間接的に引き起こす又は影響を与える障害を含む第3グループ。
【0003】
障害の第1グループは、消化性潰瘍、潰瘍性大腸炎、過敏性大腸症候群、憩室炎及びクローン病を含む。消化性潰瘍は、小腸の始まりである十二指腸の胃の内壁に痛みを有する。消化性潰瘍は、細菌感染(ヘリコバクターピロリ)に最も頻繁に起因するが、アスピリン及びイブプロフェンのような非ステロイド性の抗炎症剤(NSAID)の長期使用にも起因することがある。胃又はすい臓ガン腫瘍によって、潰瘍が起きることはめったにない。ヒト及び大部分の他の動物の場合、胃酸は、食べることに応じて、胃で分泌される。潰瘍で、胃及び十二指腸の保護粘液を分泌するコーティングが弱められると、胃酸は胃又は十二指腸の敏感な内壁を攻撃して、潰瘍を引き起こす。
【0004】
ヒトにおける消化性潰瘍の問題に対する役立つ2つの解決策がある。第1の解決策は、制酸剤(一般的にマグネシウム及び水酸化アルミニウムの混合物)の使用であり、それは一時的に胃で酸を中和するために投与される。しかし、制酸剤は、その問題より、むしろ症状を治療しており、よって、制酸剤で成し遂げられる胃のpHの増加は無期限に続かない(夜間、胸やけ及び痛みを招く)。
【0005】
第2の既知の解決策は、薬物の使用であり、それは胃酸の生成を阻害するために投与される。現在、この目的のために使われる薬物は、2種類ある。シメチジン(TAGAMET(登録商標)としてグラクソ・スミスクラインから入手可能)及びラニチジン(ZANTAC(登録商標)としてファイザーから入手可能)等のヒスタミンタイプ−2アンタゴニスト、あるいは、オメプラゾール(PRILOSEC(登録商標)としてアストラ社から入手可能)又はエソメプラゾール(NEXIUM(登録商標)としてアストラ社から入手可能)等のプロトンポンプ阻害剤である。
【0006】
これらの薬物は、胃潰瘍を治療することに効果的であるが、非常に高価である。そのうえ、多くの患者は、潰瘍が再発することを防ぐために、これらの薬を無期限に服用することを要求され、それは、彼らが長期にわたってしばしば服用しなければならないという事実を考慮すると、特に深刻である。他の深刻な不都合は、これらの薬物は、しばしば長期の下痢を引き起こすということである。
【0007】
第1グループの第2の障害は、潰瘍性大腸炎であり、それは大腸の内壁の表層で炎症及び潰瘍が起きる病気である。潰瘍性大腸炎が、通常、直腸及び結腸の下部で生じるが、それは全結腸ならびに小腸の下部部分である回腸に影響を及ぼすかもしれない。炎症は、結腸を頻繁に空にし、下痢を招く。潰瘍は、炎症が結腸内壁の細胞を壊死させた部位で生じ、それらは出血を引き起こし、膿及び粘液を生成する。
【0008】
潰瘍性大腸炎は、通常、5−ABA薬で治療され、それは、スルフォンアミド、スルファピリジン及びサリチル酸塩の組合せであり、炎症を抑えるために使用され、それによって潰瘍形成を制限する。これらの薬物で最も一般のものは、スルファサラジン(AZULFIDINE EN(登録商標)としてファルマシア&アップジョンから入手可能)である。下痢をはじめ、5−ASA薬のいくつかの重篤な副作用がある。5−ASA薬投与に効果を現さない患者には、炎症を減らすためにプレドニゾン及びヒドロコルチゾンのような副腎皮質ステロイドを投与することもあり、それらも重篤な好ましくない副作用をもたらすことがある。潰瘍性大腸炎にかかっている少なくとも25パーセントの患者は、結局、大出血のため、彼らの結腸を摘出することが必要となる。
【0009】
第1グループの第2の障害は、過敏性大腸症候群であるが、これは専門的には病気であると考えられず、むしろ、下痢、便秘及び腹痛によって表される苦痛である。過敏性大腸症候群は、大腸の過度の発作によって引き起こされ、胃腸問題の医学救済策を捜す患者全体の半数にまで影響を及ぼす。しばしば、過敏性大腸症候群の患者は、彼らの運動レベルを増やし、彼らの食生活を改善する(膨張及びゲップを治療するためにガスが多い炭水化物をカットし、下痢を治療するために緩下性の食品を避け、最も一般に、便秘を治療するために繊維及び液体を増やすこと)というアドバイスを受ける。この処置で効果を現さない患者は、処方薬に供されるかもしれない。
【0010】
第1グループの第4の障害は、憩室炎及びそれに先立つ症状の憩室症であり、それは、憩室と呼ばれている小さな、外側の隆起した袋が結腸にできる症状である。40才を超える10%の人々、60才以上の半数以上の人々が、憩室症にかかっている。これらの袋が炎症又は感染した場合、症状は憩室炎に移行し、憩室症にかかっている全ての人々の最高4分の1に起こる。
【0011】
それは証明されないが、食生活において繊維が十分でないことが憩室症及び憩室炎(憩室病と称される)を導く要因であると考えられている。症状は、腹痛、さしこみ、吐き気及び便秘であり、憩室病の合併症は出血、感染症、穿孔又は裂傷及び閉塞をもたらすかもしれない。治療は、一般的に食物繊維、抗生物質、軽度の鎮痛剤を増加することであるが、時折、重篤なケースにおいては外科的手術が施されるかもしれない。
【0012】
第1グループの第5で、最後の障害は、一般に、小腸、特に回腸又は小腸下部における炎症で特徴付けられるクローン病であるが、炎症は、口から肛門までの消化管のいずれかの部分に影響を及ぼすかもしれない。炎症は、痛みをもたらし、しばしば腸が空になり、下痢を招く。クローン病の原因は、最終的に確認されていないが、それは炎症を引き起こすウイルス又はバクテリアに対する免疫系の反応によると考えられている。クローン病の患者は、消化器系の異常をもつ傾向があるが、これらの異常が、症状又はその影響の原因であるかどうか、不明である。
【0013】
クローン病の治療は、炎症を抑えるために一般的に用いられるメサラミン(mesalamine)等の5−ASA薬を使って、その重篤度によって変更することができる。メサラミンは、カプセル又は錠剤(PENTASA(登録商標)としてシャイアーUSから入手可能)、直腸浣腸剤(ROWASA(登録商標)としてソルベーから入手可能))又は直腸坐薬(ROWASA(登録商標)としてソルベーから入手可能)として調剤されることがある。副作用は、吐き気及び下痢を含む。また、副腎皮質ステロイドが、炎症を抑えるために用いられるかもしれない。最後に、6−メルカトプリン(PURINETHOL(登録商標)としてグラクソ・ウェルカムから入手可能)及びアザチオプリン(IMURAN(登録商標)としてグラクソ・スミスクラインから入手可能)等の免疫抑制剤が、炎症に関与する免疫反応を抑えるために用いられるかもしれない。免疫抑制剤の副作用は、よく知られており、重大である。
【0014】
これらの治療に効果を現さないクローン病の事例は、反腫瘍壊死因子(TNF)物質であるインフリキシマブ(REMICADE(登録商標)としてCentocorから入手可能)で治療することができる。また、抗生物質を、小腸における細菌の異常増殖を治療するために用いることができる。下痢止め剤は、症状を緩和するために用いることもでき、患者は、液体及び電解質液で水分をもとの状態に戻す必要があるかもしれない。ミルク、アルコール、スパイス又は繊維は、症状を悪化させるかもしれないが、食生活の要因が、クローン病を予防又は治療する際に役に立つことは示されていない。
【0015】
障害の第2グループは、粘膜炎、悪液質、ラクトース不耐症及び年配者の食事不足である。このグループにおける最初の2つの障害、粘膜炎及び悪液質は、双方ともガン患者が遭遇する。粘膜炎は、消化管粘膜の炎症であり、消化管における粘膜のいずれかの部位を含む部分への放射線療法又は化学療法を受ける多くの患者に発症する(その療法は、有糸分裂(細胞分裂)のプロセスにおけるがん細胞を殺すことによって成長するガンを迅速に休止させるためにデザインされたものである)。粘膜の上皮細胞は、迅速に複製し、寿命が短いが、化学療法又は放射線療法によって殺されるか、重篤なダメージを受ける。そのダメージは、膨潤、炎症及び消化管の内側を覆っている粘膜細胞の潰瘍化、ならびに腹部の痙攣及び下痢としてそれ自体に現れる。
【0016】
頭及び首において腫瘍の化学療法及び放射線療法を受けている患者は、口内炎と称される特殊なタイプの口腔粘膜炎を発現し、小細胞肺癌の治療を受けている患者は、食道炎と称される食道粘膜炎を発現する。口内炎は、患者の食べる能力、重篤なケースでは、患者の話す能力に影響を及ぼすかもしれない。粘膜炎及び口内炎は、抗生物質及び抗真菌剤で治療されており、患者は、多量の液体を飲むことを推奨される。また、粘膜炎によって引き起こされた潰瘍が消化器系に存在する場合、種々の潰瘍薬が使用されるかもしれない。
【0017】
第2グループの第2の障害は、悪液質であり、それはガン患者ならびに鬱血性心不全患者及びHIV患者も同様に、身体の衰弱によって特徴づけられる。悪液質は、ガン細胞によるブドウ糖の大量の消費に起因すると考えられ、それは発酵によってブドウ糖を加工し(それは能率が悪い)、この発酵の副産物として乳酸を生産する。肝臓は、乳酸を、ブドウ糖に戻し、それはなお多くエネルギーを消費し、そのプロセスが同じことを繰り返す。ガンが成長するにつれて、患者の身体の残りは衰弱し、約40パーセントのガン患者が、悪液質の顕著な特徴である栄養失調で死亡する。
【0018】
悪液質は、低グルコースの食事(悪液質の栄養不良の最終ステージの患者には用いられない)、塩化セシウムの摂取によるアルカリ度(カリウムを枯渇させ、心臓発作を引き起こすことがありえる)、硫酸ヒドラジン、他の食品の摂取の選択に非常に注意を要するモノアミンオキシダーゼ阻害剤(MAOI)及びチラミンを含有する食品の完全な回避(MAOIを用いた場合のそのような食品の節食は、血圧及び心拍数の顕著な増加ならびに激しい頭痛を引き起こすことがある)によって治療されている。
【0019】
第2グループの第3の障害は、ラクトース不耐症であり、それはラクトース(牛乳及び他の酪農製品中の糖分)を吸収及び消化するために必要な酵素であるラクターゼの欠乏に起因する。消化器系の中に未消化のラクトースが結腸に留まり、醗酵し、腹痛、膨潤、ガス及び下痢を引き起こす。10パーセント以上のアメリカ人はラクトース不耐症であり、75パーセント以上のアフリカ系の人々及びアメリカインディアン、90パーセント以上のアジア系の人々がラクトース不耐症である。ラクトース不耐症は、ラクトース不耐症の人々は単に酪農製品を避けるという、主に食生活による治療が行われている。ラクターゼ酵素は、錠剤又は液体状態で利用することができ、酪農製品でも摂取することができるかもしれない。
【0020】
第2グループの第4で、最後の障害は、年配者の食事不足であり、それは栄養失調及び骨密度の減少によって特徴づけられる。この障害の他の特徴は、腸の筋肉が減少し、免疫系が減少し、食物の消化器系の移動が通常より速く、しばしば下痢を伴う症状である。年配者は、あまり活発でないので、食事不足は、また、一般に便秘をもたらす。
【0021】
第3グループの障害は、糖尿病及び多発性硬化症ならびに他の神経変性疾患を含む。糖尿病は、適切にブドウ糖(体がエネルギーのために使う糖)を処理することができないことによって特徴づけられる。その結果、体の細胞がブドウ糖に飢えるが、一方、ブドウ糖が血中に留まり、その結果、ブドウ糖が高濃度となる。タイプ1の糖尿病患者のすい臓は、ブドウ糖を処理するために十分なインシュリンを生成しないため、タイプ1の糖尿病は、インシュリン療法を必要とする。すい臓が十分なインシュリンを生成するが、体がインシュリンの使用について困難を有する場合、タイプ2の糖尿病が起こる。
【0022】
タイプ2の糖尿病は、自然療法で治療されるかもしれず、糖尿病の両タイプは、ビタミン、ミネラル、アミノ酸及び他の補助食品に若干の反応を示す。糖尿病を治療するのに用いられるビタミンは、ビタミンE、C、B6、B12、ビオチン及びナイアシンを含む。用いられるミネラルは、クロム、マンガン、マグネシウム、バナジウム、カリウム及び亜鉛を含む。アミノ酸は、α-リポ酸(ALA)及びタウリンを含む。糖尿病のために潜在的に役立っている他の補助食品は、補酵素Q10(CoQ10)、イノシトール及び月見草油である。
【0023】
第3グループの他の障害は、多発性硬化症及び他の神経変性病気である。多発性硬化症(MS)は、脳及び脊髄での神経細胞を囲むミエリン鞘の破壊に起因する進行性の病気である。徴候は、しびれから麻痺及び失禁までの重篤さにより、さまざまである。代表的な治療は、薬物及び物理療法であった。最近では、低飽和脂肪ダイエットを含む栄養療法、ビタミンC及びE、セレン、ベータカロチンを含む酸化防止栄養分ならびに必須脂肪酸分が高い食品が、効果的であることが証明された。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0024】
したがって、本発明の主な目的は、ヒト及び潜在的に他の動物においても同様に、消化管疾患及び消化管関連の障害を効果的に治療することである。消化管疾患及び消化管関連の障害を効果的に治療する作用を有することに加え、本発明の関連した目的は、本発明の栄養補助食品が、そのような消化管疾患及び同様に消化管関連の障害の予防において有効性を示すことである。本発明のさらなる目的は、一つの栄養補助食品が、多種多様の消化管疾患及び多くの消化管関連の障害を治療及び/又は予防すること双方に有効とすることである。
【0025】
本発明のさらなる目的は、本発明の栄養補助食品を、薬物よりむしろ安全に、天然成分から完全に構成することである。本発明のさらなる目的は、本発明の栄養補助食品が経口投与可能であり、よって、その投与を単純なこととすることである。本発明の関連する目的は、本発明の栄養補助食品が、ペースト状態、固体状態又は摂取のために液体を加えるのに適した形態で、ペーストの形で、又は、送出に対して液体に加えるために適当な形態に調合することを可能とすることである。本発明のさらなる関連した目的は、本発明の栄養補助食品が、出荷及び保存の双方に対して容易で便利にすることである。
【0026】
また、本発明の栄養補助食品は、安定であり、商業的に許容できる貯蔵寿命を有しなければならず、使用前にその貯蔵寿命全体にわたってユーザーに提供することに特別な注意を払わなくてもよいこととすべきである。本発明の栄養補助食品の市場へのアピールを強化するために、消化管疾患及び消化管関連の障害の治療について、先の既知の方法と比較した場合、比較的安価とすべきであり、それによって、最も幅広い可能な市場にそれを供給することができる。最後に、本発明の目的は、本発明の栄養補助食品及びその投与方法の前述の全ての利点及び目的が、いかなる実質的な、相対的な不利を招くことなく達成されることである。
【課題を解決するための手段】
【0027】
発明の要旨
上で議論した背景技術の不利益及び制約は、本発明によって解消される。本発明では、多くの消化管疾患及び同様に多くの消化管関連障害を治療及び/又は予防するための新規な栄養補助食品が提供される。本発明によって教示される方法に従って、ヒト又は他の動物に対するこの栄養補助食品によって、多くの消化管疾患及び多くの消化管関連の障害が、そのようなヒト及び他の動物に対して効果的に治療及び/又は予防される。当業者に対して迅速に明らかになるように、本発明の栄養補助食品は、それ自体で作用する各成分がヒト又は他の動物に提供される場合にもたらされるであろう結果よりも、実質的でより有効な相乗効果をもたらす成分の組み合わせによって、その成分の合計よりも一層有効である。
【0028】
その基本的な形態では、本発明の栄養補助食品は、3つの主要な構成要素を含み、それぞれは、栄養補助食品で特定の成分の包含又は成分の混合によって、促進される健康に対する有益な作用を提供する。最初の主要な成分は、好ましくは、極性脂質及び酸化防止剤の相当量を含む極性脂質補助食品である。極性脂質補助食品は、血流への水溶性及び脂溶性栄養分(及び薬物)の吸収を促進する乳化剤として作用する。また、極性脂質補助食品は、腸及び消化器系の組織を保護し、強化するとともに、消化管における粘液の保護作用を増強させる極性脂質分が高い。極性脂質は、また、ニューロン及びそれらの被覆膜を形成する。
【0029】
好ましい実施形態では、極性脂質補助食品は、高濃度の極性脂質及び酸化防止剤を含む、少なくともオート麦油の実質的な部分を含む。任意に、種々の状態のオート麦油を、極性脂質補助食品に含まれる極性脂質の量を変えるために混合することができ、ヒマワリ油、オリーブ油、トウモロコシ油又は大豆油のような他の油を、極性脂質補助食品に含まれる成分の混合物に含んでもよい。液体状態で調合される栄養補助食品の形態は、3分の2のオート麦油(極性脂質は、オート麦油の約25パーセントを構成する)及び3分の1のヒマワリ油(ヒマワリ油はより薄い油であって、極性脂質の高い量を含まないため、それは不活性成分とみなされるかもしれない)を含むことができる。それが粒状又は固体形状に調合される場合、ヒマワリ油は栄養補助食品に含まれないであろう。
【0030】
本発明の栄養補助食品の第2の主要な成分は、免疫系で最も強力な刺激物であると考えられる可溶性β−グルカン繊維である。β−グルカンは、また、消化された食品からLDLコレステロール(悪玉コレステロール)を抽出し、体からそれらの排出をもたらす多糖類であり、よって、血流でLDLコレステロールの画分を減少させる。また、それらは、糖を引き離し、長期間にわたってそれらを放出し、糖の浮き沈みを減少し、それによって血糖を安定させる。また、β−グルカンは、食品の消化器系での移動を遅らせ、小腸でより多くの吸収を可能にし、それによって、乳酸の過剰な生成をもたらし得る結腸での炭水化物の負荷を防止する。
【0031】
好ましい実施形態イでは、用いられるβ−グルカンは、オート麦中の可溶性繊維であり、オート麦の実で見出され、乾燥した際に粉末であるオリゴ糖類である。それは水にさらされた場合、ゼリー化作用を増加させ、また、栄養補助食品を胃内壁に広げる有益な拡散作用を有するゼリー化剤である。β−グルカンの代用源は、大麦、イースト及び他の植物性源である。
【0032】
本発明の栄養補助食品の第3の主要な成分は、少なくとも1つ、2以上かもしれないアミノ酸である。アミノ酸は、直接栄養に貢献することより、むしろ健康に対する有益な効果を及ぼすニュートリシン(nutricine)である。いくつかのアミノ酸は、消化器粘膜の健全性を向上させ、特にストレスを受けた消化器系に有用である。この有用な作用を提供するために本発明の栄養補助食品で利用することができるアミノ酸の例は、トレオニン及びグルタミンであり、本発明の栄養補助食品の好ましい実施形態において、トレオニン及びグルタミンの双方が含まれる。
【0033】
トレオニンは天然に生成された必須アミノ酸であって、腸管全体に分布下杯状細胞によって生産されるムチンをつくる化学経路の重要な構成要素である。代謝及び栄養の吸収を加勢することによって、トレオニンは、順調に機能している消化管に貢献する。トレオニン不足は、腸壁の再生を減速し、粘液の生成を弱める。トレオニンは、傷治癒のために及びストレスを治療するために特に有用であるが、またそれは、免疫グロブリンの生成に重要な関連がある。本発明の栄養補助食品において、純粋なL−トレオニンが、トレオニン源として用いられる。
【0034】
グルタミンは筋肉燃料であって、また、腸の粘膜の免疫細胞に窒素を供給し、それは、病原性有機体が循環系に入るのを防ぐのを助ける。体はグルタミン補助食品の摂取なしで、必要とする程度のものをつくることができるので、グルタミンは、通常の条件下で、暫定的に必須アミノ酸になると考えられる。しかし、消化器系がストレス、例えば、潰瘍にさらされる場合、グルタミンは大量に消費され、補助食品が供給を補充するために必要かもしれない。本発明の栄養補助食品において、純粋なL−グルタミンが、グルタミン源として用いられる。
【0035】
本発明の栄養補助食品の好ましい実施態様では、1人以上のさらなる成分を含むことができる。そのような好ましいさらなる成分は、マンナンオリゴ糖類(MOS)からなり、それは病原体を結合し、同時に、有益なバクテリアを育てるために用いられる複合糖である。メカニズムは十分理解されていないが、マンナンオリゴ糖類は、病原性バクテリアの付着部位に結合し、病原性バクテリアが腸細胞膜でレセプターと結合するのを防止する。本発明の栄養補助食品において、他の源のマンナンオリゴ糖類が許容されるが、マンナンオリゴ糖類は、サッカロマイセス・セレヴィシエ(saccharomyces cerevisiae)(醸造酵母)、イースト抽出物の細胞壁に、天然に由来する。また、病原性バクテリアの結合に加えて、サッカロミケス・セレヴィシエに基づくマイコトキシン吸収促進物質(absorbant)は、結腸で、マイコトキシンを同化又は吸収するのに用いられるかもしれない。
【0036】
さらにもう1つの成分は、ヌクレオチドからなり、それは成長において調整経路をコントロールし、病気に対する免疫を提供する代謝機能への不可欠な構成要素である。ヌクレオチドは、染色体が複製されるに違いないとき、細胞分裂にとって不可欠である。ヌクレオチドは、一般に、新たにつくられるが、それらは、ストレス時に消化物(digesta)から捕捉されるかもしれない。食事でのヌクレオチドの欠如は、成長及び腸壁の厚みの双方を制限する。ヌクレオチドは、成長期の間、また、病気又は組織損傷の間及び後の危険な状況において、栄養物の取り込みをサポートし、例えば、慢性下痢の後において、損傷を受けた組織を作り直すのを助ける。また、ヌクレオチドは、病気又は病気によるタンパク質の欠乏に起因する体重減少の後の回復を助ける。マンナンオリゴ糖類成分は、一般に、約5パーセントのヌクレオチドを含む点に留意する必要がある。
【0037】
栄養補助食品の種々の構成成分が分離しないようにするために、好ましい実施形態において、乳化剤が使われる。そのような乳化剤は、グアーガム(別名、ガラナ)(マメの潅木Cyamopsis tetragonolobaの種から抽出されるガラクトマンナン)である。グアーガムは、乳化剤、増粘剤及び安定化剤として一般に用いられる。このように、それは本発明の栄養補助食品の活性成分でない。
【0038】
本発明の栄養補助食品は、いくつかの異なる形態で製造することができ、それは栄養補助食品として直接あるいは食品又は飲料に添加して摂取することができる。本発明の栄養補助食品は、固体として、顆粒状の固体として、ペーストとして又は液体として製造することができる。固体として製造するために、少量のオートブラン又はオート小麦粉(又はそれらの代替品)を添加してそれを粘稠にし、食物バーの形態にする。混合物を攪拌しながら、オートブラン又はオート小麦粉をより高い割合で加えることによって、補助食品の粒状の形態を製造することができる。さらに多くの小麦粉を加えることによって、補助食品の粉末の形態を製造することができる。より多くの油(オート麦油、ヒマワリ油又は他の油)を加えることによって、混合物を、ピーナッツバターの粘稠度を有するペーストにすることができる。さらに多く油を加えることによって、それを粘液とすることができる。
【0039】
本発明の栄養補助食品は、液体又はペーストとして製造し、ゼラチンカプセル(ゲルキャップとして)で保存することができ、それは栄養補助食品の安定した用量を形成する。本発明の栄養補助食品が定期的にとられることは望ましく、好ましい実施形態では、消化管で成分の最適レベルを維持するために毎日又は1日に複数回(例えば、食事で)である。
【0040】
当業者への本発明の栄養補助食品の開示で、彼らは、栄養補助食品が単にその成分の合計以上であると即座に高く評価するであろう。極性脂質補助食品、可溶性β−グルカン繊維、トレオニン、グルタミン、マンナンオリゴ糖類及びヌクレオチドの組合せは、各々の成分が単独で使われるならば生じるであろう結果の合計より、かなり有効な相乗効果を与える。種々の消化管疾患を治療及び予防することにおける本発明の極性脂質補助食品の有用性に加えて、本発明の極性脂質補助食品も、同様に多くの消化管関連の障害を治療及び予防することに有用である。本発明の栄養補助食品の特定の望ましい適用によって、ビタミン及びミネラル等のさらなる成分をもそれらに加えることができる。
【0041】
従って、本発明は、ヒト及び潜在的に同様に他の動物において、消化管疾患並びに消化管関連の障害を有効に治療する栄養補助食品を教示することが認識されるであろう。消化管疾患並びに消化管関連の障害を効果的に治療する効果を有することに加えて、本発明の栄養補助食品は、消化管疾患並びに同様に消化管関連の障害を予防することにおいて有用であることを示す。本発明の栄養補助食品の好ましい実施形態は、広範な種々の消化管疾患並びに同様に消化管関連の障害の双方を治療及び/又は予防することに有効である。
【0042】
本発明の栄養補助食品は、全体として、薬物よりむしろ安全な、天然成分からなる。本発明の栄養補助食品は、経口投与可能であり、よってその実施を簡便にする。本発明の栄養補助食品は、送出のために、ペーストの形態で、固体の形態で又は液体に加えることができる形態で調合することができる。本発明の栄養補助食品は、また、出荷及び保存の双方を容易とする方法で包装することができる。
【0043】
本発明の栄養補助食品は、安定で、長い貯蔵寿命を有し、使用の前にその貯蔵寿命にわたってユーザーに提供されることに特別な配慮を要求としない。本発明の栄養補助食品は、従来の既知の消化管疾患治療法及び消化管関連の障害治療法と比較して安価でもあり、それによって、その市場アピールを高め、広範な可能性のある市場を与える。最後に、本発明の栄養補助食品及びその投与方法についての上述した長所及び目的の全ては、いずれかの相当の相対的な不利益を招くことなく達成される。
【図面の簡単な説明】
【0044】
本発明のこれら及び他の長所は、図面を参照してより理解される。
【0045】
【図1】ヒトの消化管の解剖構造を示す概略図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0046】
本発明の栄養製品及びその製造及び投与方法の議論の前に、簡単に、ヒトの消化器系の解剖構造を議論することは有用である。図面を参照して、ヒト20の頭部及び胴体を、ヒトの消化管の略図とともに示す。ヒト20の消化管は、口22から始まって、順に、食道24を通って、胃26に達する。口22において、食物は咀嚼され、唾液が炭水化物の消化を開始するために食物と混合される。食物は飲み込まれ、食道24を通過して胃26に到達し、そこでペプシンがタンパク質の消化を助ける。
【0047】
食物は、胃26から十二指腸28(それは小腸30の最初の部分である)の中を流れ、そこで、肝臓32及びすい臓34によって分泌される化学物質が、十二指腸28が脂肪を分解することを可能にする。食物は、十二指腸28から小腸30へ移動し、そこで、消化プロセスが完了する。消化された食物は、それから、水及びナトリウムが除去される大腸36に、それから、直腸38に移る。残りの消化不良の固体は、それから肛門40を通して体から排泄される。
【0048】
最も単純な実施例では、本発明の栄養補助食品の好ましい実施形態は、栄養補助食品を製造するために混合される3つの主要な成分を含む。これらの成分は、高い極性脂質及び酸化防止剤の極性脂質補助食品、強力な免疫系刺激物である可溶性β−グルカン繊維ならびにヒトの消化器系に対して有益な影響を与える1以上のアミノ酸である。その好ましい組成物、代替の組成物、栄養補助食品で使われる組成物の好ましい量及び栄養補助食品で使うことができる組成物の量の範囲の説明とともに、これらの成分の各々を、以下に別個に議論する。本発明の栄養補助食品の成分に関する以下の議論で、本発明の栄養補助食品によって成し遂げられる利益が栄養補助食品の成分の各々の個々の利益の合計よりかなり大きいことが、当業者に直ちに明らかになる。
【0049】
本発明の栄養補助食品の最初の主要な成分は、高い極性脂質及び酸化防止剤である極性脂質補助食品である。極性脂質は、乳化剤であり、水溶性栄養分及び脂溶性栄養分(例えば、ビタミンA、D、E及びK)を血流で容易に吸収することを可能にする。極性脂質は、リン脂質、ガラクトリピッド及びレシチンを含む。極性脂質は、天然に植物油に生じる。
【0050】
極性脂質は、薬物及び栄養分に、多機能の送出媒体を提供する。研究は、極性脂質が、分解された薬の生物学的利用能を増加することができることを示した。乳化剤としてのそれらの用途に加えて、極性脂質は、消化管で、物理的に粘液の保護作用を増加する。また、それらは、消化管の内側を覆う腸細胞の間で、いわゆる「密着結合(tight junctions」を補強することを助ける。最後に、植物油は、トコフェロール及びトリエノールを含み、それは強力な酸化防止剤であり、系からフリーラジカルを追い出す。
【0051】
本発明の栄養補助食品において極性脂質補助食品として用いることができる極性脂質の潜在的源は多くある。好ましい実施形態では、オート麦油が単位容量あたり他のいずれの極性脂質源よりも多くの極性脂質を有しているという事実から、オート麦油が用いられる。オート麦油は、酸化防止剤の優れた源でもある。極性脂質の良好な源でもある他の油は、ヒマワリ油、大豆油、オリーブ油、パーム油、トウモロコシ油、菜種油、亜麻仁油等である。
【0052】
本発明の栄養補助食品の好ましい実施形態では、極性脂質補助食品は、主にオート麦油からなる。大部分の油のように、オート麦を粉砕し、それらを抽出剤で処理するという一般的な抽出プロセスで、オート麦油は、複数の抽出から得ることができる。抽出されるオート麦油の第1相は、薄い油である。抽出されるオート麦油の第2相は、濃い油であり、それは第1相よりかなり粘稠である。抽出されるオート麦油の第3相は、非常に粘稠な油の粘稠度を有し、極性脂質が最も豊富である非常に濃い油である。
【0053】
オート麦油抽出プロセスの全3相を混合し、ここでオート麦油と称する混合物を与える。任意に、オート麦油の第3相を、その中の極性脂質の濃度を増やすために、全3相からなるオート麦油に混合してもよい。本発明の栄養補助食品で使われるオート麦油の中の極性脂質の好ましい濃度は、約25パーセントである。オート麦油のために種々の源があるが、オート麦油の第3相の商業源は、そのような製品の製造元であるSwedish Oat Fiber AB社(Gothenburg, Sweden)である。
【0054】
本発明の栄養補助食品の第2の主要な成分は、強力な免疫系刺激物である可溶性β−グルカン繊維である。また、β−グルカンは、消化された食品からLDLコレステロール(悪玉コレステロール)を抽出し、体からそれらを排出させる多糖類であり、それによって血流でLDLコレステロールの画分を減少させる。それらはまた、糖を引き離し、長期間にわたってそれらを放出し、それによって糖の高低を減少させ、血糖を安定化させる。β−グルカンは、繊維含有量が高く、したがって、食品の消化器系での移動を遅くする作用をし、乳酸の過剰な生成を招くであろう結腸における炭水化物の負荷を防止する。
【0055】
本発明の栄養補助食品で用いることができる可溶性β−グルカン繊維は多くの潜在的源がある。β−グルカンは、胃液又は水で働く、ゼリー化剤である。好ましい実施形態において、用いられる可溶性繊維は、オート麦に由来するβ−グルカンである。β−グルカンの良好な源である他の可溶性繊維は、大麦又は大豆に由来するものである。β−グルカンは、多数の異なる供給元から広く入手可能で、小麦粉として粉砕されているかもしれない。
【0056】
本発明の栄養補助食品の第3の主要な成分は、ストレスにさらされた消化器系に対する有益な効果を及ぼす界面活性剤アミノ酸のような1以上のニュートリシン(nutricine)である。本発明の栄養補助食品の好ましい実施形態において使われる2つのアミノ酸、つまり、L−トレオニン及びL−グルタミンがあり、それらは双方とも、タンパク質を分解することによって生成される、天然に生成するアミノ酸である。L−トレオニンは、タンパク質を分解することによって生産される自然に生産された必須アミノ酸である。L−トレオニンは、コラーゲン、エラスチン及びエナメルタンパク質を作り、代謝及び吸収を助け、粘液を分泌する腸膜の健全性を増加することにより消化器系を助ける。また、L−トレオニンは、β−グルカンとともに、胃を通る運動性を、さらに減速する相乗効果を有することが発明者によって観察された。
【0057】
L−グルタミンは、タンパク質を分解することによって生成される天然に生成された非必須アミノ酸である。L−グルタミンは、血流で最も大量にあるアミノ酸であり、主に骨格筋及び肺で形成され、保存される(及び腸細胞の一次燃料であり、それらの成長、再生及び修復にとって不可欠である)。また、L−グルタミンは、成長ホルモンを増加し、摂取した際、消化管粘膜の健全性を高めることを含む、粘膜の健全性の維持、増進に対する実質的な作用を有する。また、L−グルタミンは、ヌクレオチドの形成を「開始(kick start)」する機能を有し、それは、細胞組織の生成及び腸粘膜の成熟に関与し、免疫プロセス及びエネルギーシステムに直接関係している。グルタミン欠乏ダイエットは、おそらく、ヌクレオチド形成を欠く結果をもたらすであろう。このように、L−トレオニン及びL−グルタミンは双方とも、消化管粘膜の健全性を強化することによって胃の内壁を保護する作用を有する。L−トレオニン及びL−グルタミンは、多数の異なる供給元から広く入手可能であり、また、粉末である。
【0058】
本発明の栄養補助食品のこれらの主要な成分は、このように、
血流に水溶性及び脂溶性栄養分(及び薬物)の吸収を強化するであろう、また、酸化防止剤を提供する、乳化剤として機能するために極性脂質を提供することによって;
免疫系への強力な刺激を提供することによって、血流でLDLコレステロールの画分を減少させ、血糖を安定させることによって;及び、
特にストレスにさらされた消化器系に有益である方法で消化管粘膜の健全性を増大することによって、
成分間の相互作用により強化されるように機能する。好ましい実施形態において、さらなる成分は、病原性バクテリアに結合し及び消失させ、マイコトキシンを吸着又は吸収するために、本発明の栄養補助食品に含まれ、成長で調整経路をコントロールして、病気に対する免疫を提供する代謝機能をサポートする。
【0059】
本発明の栄養補助食品の好ましい実施形態に含まれるさらなる活性成分は、バクテリアを引きつけ、糞便の中に取り込まれた病原性バクテリアとともに消化器系を通過する病原性バクテリア吸収促進(absorbant)材料であるニュートリシンである。このさらなる成分は、マンナンオリゴ糖類(MOS)からなり、それは病原体を結合し、同時に、有益なバクテリアを育てるのに用いられる複合糖である。マンナンオリゴ糖類は、病原性バクテリアの付着部位に結合し、病原性バクテリアが腸細胞膜でレセプターと結合するのを防止する。マンナンオリゴ糖類の他の源が使用可能であるが、マンナンオリゴ糖類は、サッカロミケス(醸造酵母)、イースト抽出物の細胞壁に、天然に由来する。
【0060】
好ましい実施形態において、バクテリアを引きつけて、取り込まれた病原性バクテリアとともに消化器系を通過する病原性バクテリア吸収促進材料は、S.I. Lesaffre, Cedex, Franceによって商標SAFMANNANの下で市販されている材料のような、病原性バクテリア吸収促進物質である。代わりに用いることができる他の病原性バクテリア吸収促進ニュートリシンは、S.I. Lesaffreによって商標BIOSAFの下で市販されている材料、Nicholasville, Kentuckyで、Alltech社によって商標BIO MOSの下で市販されている材料ならびに他のいずれかのマンナンオリゴ糖類(イーストの細胞壁に由来する複合マンノース糖)を含む。
【0061】
任意に、サッカロミケス・セレヴィシエに基づくマイコトキシン吸収促進物質も、結腸でマイコトキシンを吸着又は吸収するために用いてもよい。そのようなマイコトキシン吸収促進ニュートリシンのひとつは、Alltech社によって登録商標MYCOSORBの下で市販されている材料である。代わりに用いることができる他のマイコトキシン吸収促進ニュートリシンは、Biomin Distribution社によって商標MYCOFIX PLUSの下で市販されている材料、Kanzy Medipharm社によって商標D-MYCOTOCの下で市販されている材料を含む。
【0062】
本発明の栄養補助食品に含まれてもよい任意の活性成分は、ヌクレオチドを含む補助食品からなり、それは、成長で調整経路をコントロールして、病気に対する免疫を提供する代謝機能への不可欠な構成要素である。ヌクレオチドは、DNAならびに、窒素ベース、リン酸塩分子及び糖分子(DNA中のデオキシリボース及びRNA中のリボース)からなるRNAのバインディング・ブロックである。糖によって、ヌクレオチドはデオキシリボヌクレオチド又はリボヌクレオチドと呼ばれている。何百万ものヌクレオチドは、DNA分子(及び何千ものヌクレオチドは、RNA分子を形成するために結合している)を形成するために結合している。
【0063】
いくつかの源がヌクレオチドのために存在し、その最良のものは、ビール酵母又はパン酵母に由来する。ヌクレオチド含有補助食品の2つの供給源は、S.I. Lesaffre社及びAlltech社である。Lesaffre社の製品は、商標YEAST CELL EXTRACT(2006)の下で市販されており、約15パーセントのヌクレオチドを含む。Alltech社の製品は、登録商標NUPROの下で市販されており、5〜7パーセントのヌクレオチドを含む。通常、より高いヌクレオチドレベルを有するヌクレオチド含有補助食品は、より低いヌクレオチドレベルを備えている製品のよりも好まれる。また、ヌクレオチドは、マンナンオリゴ糖類においても含まれ、それは、一般的に、約5パーセントのヌクレオチドを含む。
【0064】
腸の保護及び侵入因子のバランスは、消化管の健康を決定する。粘膜血流の維持は、最も重大で、重要な保護因子の1つであって、ヌクレオチドによって高められると考えられている。腸壁は、隣接する柔突起の間に位置するクリプトを伴って、栄養素の吸収において機能する柔突起と呼ばれる粘膜の多くの微細な指形突起を有する。適当な栄養的な取り込み、柔突起の高さ及び増加した粘膜血流のすべては関連しており、粘膜血流が減少すると、柔突起が短くなり、クリプトは浅くなり、それは順次、栄養分の取り込みの減少を招く。動物実験では、食事のヌクレオチドが、柔突起の高さ及び粘膜血流の増加をもたらし、それは順次、栄養分の体への取り込み及び他の栄養分の効果を増加させることを証明している。
【0065】
最後に、その成分の分離を防止するための乳化剤として、本発明の栄養補助食品に添加される不活性の成分が存在する。好ましい実施形態では、栄養補助食品で使われる乳化剤は、グアーガムであり、それはまた、粘稠にして、特性を安定化させる。適当な特性を有する他の乳化剤を、グアーガムの代わりに用いることができるであろう(例えば、カラギナン及び寒天)。
【0066】
相乗作用的に、非常に有効な結果を与えている成分の組合せで、当業者は、直ちに、本発明の栄養補助食品が、単にそれらの成分の合計以上であると認識するであろう。例えば、極性脂質補助食品は、全ての消化管をカバーするために、それらを分散させることによって、可溶性β−グルカン繊維及びアミノ酸の有効性を強化する分散剤として作用する。可溶性β−グルカン繊維は、極性脂質補助食品及びアミノ酸の通過を遅くし、それら双方は、消化管に対するそれらの有益な影響を提供するより多くの時間を与える。また、アミノ酸は、腸膜の健全性を増大するが、それを組み合わせない場合よりも、極性脂質補助食品の組み合わせにおいて、より有効である。
【0067】
各成分の量の相関関係は変動し、それらの好ましい量をここで議論し、ニュートリシンから始める。最初に、極性脂質補助食品を議論する。本発明の栄養補助食品の唯一の非固体成分が、極性脂質補助食品であることは、前の議論から明らかである。
【0068】
オート麦油では、約25パーセントの極性脂質を有していることが望ましいため、オート麦油(オート麦油の全3相の混合物)は、オート麦油の第3相のさらなる量を加えることによって強化することができ、それは粘稠なペーストであり、極性脂質の含量を望ましい割合に増やす。オート麦油中の極性脂質濃度は、約10パーセントから35パーセントで変化させることができる。ヒマワリ油は、液体の栄養補助食品を生成するために希釈物として加える場合には、極性脂質補助食品中の極性脂質の、結果として生じる濃度は、約16から23パーセントに低下する。
【0069】
本発明の栄養補助食品の極性脂質補助食品の量の範囲は、栄養補助食品の約10重量パーセントから60重量パーセントである。極性脂質補助食品の好ましい量は、栄養補助食品の約40重量パーセントから55重量パーセントである。極性脂質補助食品で最も好ましい量は、栄養補助食品の約48重量パーセントである。
【0070】
次に、可溶性β−グルカン繊維を議論する。可溶性β−グルカン繊維の量の範囲は、栄養補助食品の約1パーセントから50重量パーセントである。可溶性β−グルカン繊維の好ましい量は、栄養補助食品の約15から30重量パーセントである。可溶性β−グルカン繊維で最も好ましい量は、栄養補助食品の約23重量パーセントである。
【0071】
粘液を分泌する腸膜の健全性を増加するニュートリシン(好ましい実施形態ではL−トレオニン及びL−グルタミンである)を議論する。L−トレオニンの量の範囲は、栄養補助食品の約1重量パーセントから20重量パーセントである。L−トレオニンの好ましい量は、栄養補助食品の約5重量から15重量パーセントである。L−トレオニンで最も好ましい量は、栄養補助食品の約11重量パーセントである。
【0072】
L−グルタミンの量の範囲は、栄養補助食品の約2重量パーセントから20重量パーセントである。1重量パーセント未満のL−グルタミンでは、ほとんど有効な結果に終わらないと考えられる。L−グルタミンの好ましい量は、栄養補助食品の約5〜15重量パーセントである。L−グルタミンで最も好ましい量は、栄養補助食品の約9重量パーセントである。
【0073】
次に、マンナンオリゴ糖類成分を議論する。マンナンオリゴ糖類成分の量の範囲は、栄養補助食品の1.5重量パーセントから10重量パーセントである。マンナンオリゴ糖類成分の好ましい量は、栄養補助食品の約3から7重量パーセントである。マンナンオリゴ糖類成分で最も好ましい量は、栄養補助食品の約5重量パーセントである。
【0074】
マイコトキシン吸収促進物質が含まれる場合、その好ましい量は、約1重量パーセントから5重量パーセントであり、約2重量パーセントが好ましい。
【0075】
次に、ヌクレオチドを議論する。ヌクレオチドを含む補助食品の量の範囲は、栄養補助食品の約0重量パーセントから10重量パーセントである。ヌクレオチドを含む補助食品の好ましい量は、栄養補助食品の約1〜5重量パーセントである。ヌクレオチドを含む補助食品で最も好ましい量は、栄養補助食品の約1重量パーセントである。本発明の栄養補助食品の実際のヌクレオチド(ヌクレオチド含有補助食品とは対照的に)の好ましい量は、約0.01重量パーセントから1.5重量パーセントである。さらなるヌクレオチドは、マンナンオリゴ糖類補助食品に含まれ、それは、約20重量パーセントのヌクレオチドを含む点に注意すること。
【0076】
最後に、好ましい実施形態について、グアーガムの相対的な重量は、栄養補助食品の約3重量パーセントである。
【0077】
本発明の栄養補助食品は、固体として、顆粒状の固体として、粉末として、ペーストとして又は液体として製造することができる。固体として製造するために、少量のオートブラン又はオート小麦粉(又はそれらの代替品)を添加してそれを粘稠にし、食物バーの形態にする。それは、さらなる成分を加えて、標準的なサイズの健康バーを製造してもよい。混合物を攪拌しながら、オートブラン又はオート小麦粉のより高い割合を加えることによって、補助食品の粒状の形態を製造することができる。この粒状の形態は、シリアル又は果物に振りかけるか、液体に加えることができる。混合物を攪拌しながらより多く小麦粉を加えることによって、補助食品の粉末の形態を製造することができる。
【0078】
より多くの油(オート麦油、ヒマワリ油又は他の油)を加えることによって、混合物をピーナッツバターの粘稠を有するペーストにすることができる。ペーストの形態では、本発明の栄養補助食品は、ゼラチンカプセル(液体充填ソフトゲルカプセルとして)に保存することができ、また、栄養補助食品の一定の用量を提供する。さらに多く油を加えることによって、それはスプーンですくうことができる粘液とすることができる。
【0079】
本発明の栄養補助食品を定期的にとることが望ましく、好ましい実施形態では、それは、消化管で成分の最適レベルを維持するために毎日である。好ましい用量は、毎日、茶さじ1.5杯からおおさじ約3杯である。本発明の栄養補助食品は、毎日、少なくとも1回、おそらく2回又は3回経口的に摂取することができる。ラクトース不耐性又は糖尿病にかかっている個人は、食事で摂取することが好ましい。
【0080】
栄養補助食品の重さは、約0.8の比密度(specific density)のペーストの形態と、0.5〜0.6の比密度の顆粒又は小麦粉形態とで、その形態によって変化する。よって、本発明の栄養補助食品の好ましい用量は、1日約1グラムから約30グラムの間で変化させることができる。
【0081】
本発明の栄養補助食品は、血流で栄養分の吸収を増加し、消化管を通して食品の運動性を減速するため、当業者によって、栄養補助食品の投与と組み合わせて薬物を経口投与することにより、薬物がより多くの時間を消化管に費やすと認められる。これは薬物の吸収を増加し、それによって、薬物の治療作用を強化するために作用するようである。必要に応じて、薬物は、栄養補助食品が投与されると同時に又は栄養補助食品の投与前に、栄養補助食品に混合又は懸濁することにより投与することができる。
【0082】
当業者への本発明の栄養補助食品の開示によって、彼らは栄養補助食品が単にその成分の合計以上であるとすぐに高く評価する。極性脂質補助食品、可溶性β−グルカン繊維、トレオニン、グルタミン、マンナンオリゴ糖類及びヌクレオチドの組み合わせは、各成分が単独で使われる場合に生じるであろう結果の合計より、かなり有効な相乗作用の結果を与える。種々の消化管疾患の治療及び予防における本発明の極性脂質補助食品の有用性に加えて、本発明の極性脂質補助食品は、同様に多くの消化管関連の障害を治療及び予防することにおいて有用である。本発明の栄養補助食品の特定の望ましい適用によって、ビタミン及びミネラルのようなさらなる成分をそれらに加えてもよい。
【0083】
加えることができるビタミンの例は、ビタミンB6、B12、ビオチン、C、E及びナイアシンを含む。加えることができるミネラルのマイクロ栄養添加物の例は、クロミウム、銅、マグネシウム、マンガン、カリウム、セレン、バナジウム及び亜鉛を含む。アルファ−リポ酸(ALA)及びタウリンのような他のアミノ酸を加えてもよい。例えば、糖尿病をターゲットとする補助食品の例として、補酵素Q10(CoQ10)、イノシトール及び月見草油のような他の補助食品を加えてもよい。当業者は、特別注文の製剤を、特定の消化器系及び消化器系関連の障害に適用するために作ることができたと高く評価する。
【0084】
潰瘍の治療
本発明の栄養補助食品のこの適用は、当初、単胃で、散発的に食べること又は高いストレスを含む状況下で腸の潰瘍になりやすい、ヒトのような、ウマ科の動物の患者での研究に基づいた。栄養補助食品は、可溶性β−グルカン繊維を含み、それは食物繊維を加え、消化プロセスを遅らせ、胃で胃液を緩衝し、可溶性β−グルカン繊維は、強力な免疫系刺激物である。また、腸の表面を覆い、腸の内側を覆っている腸細胞の不浸透性を向上させる極性脂質を含む。グルタミン及びトレオニンは、粘液の生成において重要であることを知られており、それは腸を全体にわたって酸、ペプチド及び病原体からのさらなる保護を提供する。
【0085】
大腸炎の治療
本発明の栄養補助食品のこの適用は、大腸炎の人々がこの痛みを伴う胃症候群の衰弱する状況を克服するのを助けることができる。可溶性β−グルカン繊維は、栄養分の吸収を和らげ、敏感な消化器系に対するショックを低減することを助ける。さらに、可溶性β−グルカン繊維は、消化物に食物繊維を加えることを助け、下痢及び便秘を低減させる。極性脂質の製剤への追加は、消化管の内側をおおうことを助け、この病気に関係する酸及び病原体が浸潤しないようにする。
【0086】
過敏性大腸症候群の治療
本発明の栄養補助食品のこの適用は、過敏性大腸症候群の人々がこの痛みを伴う衰弱する状況を克服するのを助けることができる。可溶性β−グルカン繊維は、栄養分の吸収を和らげ、敏感な消化器系に対するショックを低減することを助ける。さらに、可溶性β−グルカン繊維は、消化物に食物繊維を加えることを助け、下痢及び便秘を低減させる。極性脂質の製剤への追加は、消化管の内側をおおうことを助け、この病気に関係する酸及び病原体が浸潤しないようにする。
【0087】
憩室炎の治療
憩室炎は、小腸ポケット又は憩室において食物小片が閉じ込められることに起因する。本発明の栄養補助食品のこの適用は、腸の流れが、食事における可溶性β−グルカン繊維の存在によって改善されることが観察されたことに基づく。可溶性β−グルカン繊維は、通過時間が遅れるのを助け、体がよりよく食品を消化することを助ける。可溶性β−グルカン繊維はゲルを形成し、食物小片を引き離すことを助け、小片を残さない可能性を高める食物塊をつくる。さらに、製剤は、消化器系をおおうことを助ける極性脂質を含み、その不浸透性を向上させて、それをより滑りやすくする。これは、小片がひっかかって、憩室に集まらないようにすることを助ける。
【0088】
クローン病の治療
本発明の栄養補助食品は、クローン病の人々を助けることができ、それは腸の上皮バリアの漏れやすさに起因する。本発明の栄養補助食品のこの適用は、極性脂質が消化管を覆い、腸の上皮の健全性を増大することを助けるという観察に基づく。製剤のグルタミン及びトレオニンは、粘液産生に寄与し、ストレスにさらされた腸細胞の健康を増進する。グルタミンが腸の組織の漏れやすさを低減することも知られており、未治療である場合、それはグラム陰性バクテリアによって感染を招くかもしれない。また、本発明の栄養補助食品は、免疫系を刺激する可溶性β−グルカン繊維を含み、さらに細胞腸壁を破壊する病原体に対して防護することを助ける。
【0089】
粘膜炎及び口内炎の治療
本発明の栄養補助食品のこの適用は、放射線又は化学療法によって誘導される口内炎及び粘膜炎を低減させるか、除くことができる。この適用は、製剤は、人々が、吐き気、出血、膨満、痛み及び一般的に多くのガン療法を伴う下痢を克服することを助けることができるという証拠に基づく。これらの治療は、有糸分裂(細胞分裂)のプロセスにおいて細胞を殺すことによって、迅速に発達するガンを停止することを意図する。副作用として、迅速に分割する上皮細胞も殺され、口内炎をもたらし、粘膜炎と呼ばれているよりひどい症候群へ進行する。
【0090】
上皮細胞は、世界と体のインターフェースであり、それらは有糸分裂の過程によって絶えず一新されている。このように、大部分のガン療法も上皮組織、特に腸と他の粘液膜の内側を覆う細胞を傷害する。それらの防御の低下で、これらの患者は、感染の危険が増加する。化学療法は、グルタミンを減少させ、この製剤は、そのアンバランスを補償することを助ける。経口的に摂取されるグルタミンは、放射線療法の間と後に粘膜炎の期間及び重篤度をかなり低減させることができる。グルタミンが、骨髄移植の間の粘膜炎の影響を低減させることができることができることが示された。
【0091】
この適用のための本発明の栄養補助食品の実施形態は、最高20パーセント(用量あたり5グラム)のグルタミンのより高い割合を含むことができる。グルタミンと同様に、製剤は、粘膜を生成するために必須のトレオニン、ならびに、損傷した組織が、患者を病気にすることができるバクテリア及び胃酸の影響を撃退することを助けることができる極性脂質を含むことができる。極性脂質が、特定のガラクトリピッドで、最高5回まで、製剤において、グルタミンの生物学的利用能を増大することが知られており、高用量のグルタミンを5回より高い用量のように作用させることを可能とし、このように、必要な補助食品の総量を低減させる。患者が飲食することが困難であることがわかるかもしれないため、これは、本発明の栄養補助食品の重要な面である。極性脂質は、アルコールプロセスでオート麦小麦粉から一般に抽出される。この製剤に対して、アルコールは、アルコールが粘膜炎に対して禁忌徴候を示すため、真空の下で除去される。
【0092】
さらに、本発明の栄養補助食品のこの適用は、亜鉛及びビタミンB12の小用量を取り入れ、それは症状から粘膜炎を取り除くことを助けることも知られている。また、製剤において使われるオート麦油は、ビタミンE又はトコフェロールを含み、それは損傷した組織を癒やすことを助けることも知られている。可溶性β−グルカン繊維の追加は、濃縮したオート麦小麦粉の形態で、免疫系を刺激し、日和見感染を食い止める。このように、本発明の栄養補助食品は、人々がより速くガン療法から立ち直るのを援助することができ、おそらく回復率を増大させることができる。
【0093】
この適用のための処方は、そのまま又はピーナツバターのようにパンに広げるペースト状である。食べられないほど重篤な病気の患者のために、粒状の形態によって、水又はミルクに混合して、飲むことができる液体をつくることができる。
【0094】
悪液質の治療
本発明の栄養補助食品のこの適用は、消耗性疾患又は悪液質の人を助けることができ、体重を増やし、よって彼らの回復を速くする。グルタミンは、悪液質であるHIV患者のために役に立つと確認された。グルタミンは、豊富なアミノ酸であるが、ストレスにさらされた場合、消化器系は、その高い成長率を維持させるのに十分に摂取できないかもしれない。本発明の栄養補助食品は、このアミノ酸の生物学的利用能を改善するために、極性脂質に加えてグルタミンを含む。また、トレオニンも含み、それは粘液を発生経路の肝要な一部である。粘液は、次に、体と消化物との間の障壁を維持するのを助ける。このバリアを強化することは、浪費をもたらし得る血又は血清の損失を防止することを助けるかもしれない。
【0095】
ラクトース不耐性の処置
本発明の栄養補助食品のこの適用は、ラクトース不耐性の不快な副作用を低減又は排除することができる。この適用は、製剤が、一般的に彼らに吐き気をもようさせる乳製品に耐性を与えることについて人々を助けることができるという証拠に基づく。製剤中の物質は、消化物の輸送を遅らせることを助けると思われており、ラクターゼを低レベルで有する人々が、ラクトースを含む食品の消化のため、より多くの時間を確保するのを助ける。
【0096】
年配者の食事不足への治療
本発明の栄養補助食品のこの適用は、年配者がより効果的に損なわれた消化器系に対処することを助けることができる。この適用は、グルタミン及び可溶性β−グルカン繊維が腸の筋緊張を増加し、免疫系を刺激することを助けることができるという証拠に基づく。可溶性β−グルカン繊維で消化物の輸送が遅れることは知られており、それは食物塊を和らげ、同時に、便秘を最小限にする膨張性薬剤を提供する間、水を再吸収させて、下痢を阻止する。結果は、より良好な経口、より良好な予想通りの消失及びより胃のストレス解消をもたらす。
【0097】
糖尿病の治療
本発明の栄養補助食品のこの用途は、糖尿病患者が、彼らのインシュリンを減量するか、除去するのさえ助けることができる。この用途は、可溶性β−グルカン繊維で消化物の輸送を遅らせることができるという証拠に基づき、それは食事の血糖インデックスを低減させる。可溶性β−グルカン繊維は、澱粉及び糖を吸収し、取り除くことができる食物繊維であり、より長い時間にわたってそれらを放出する。低い血糖インデックスを導き、血液に遅く糖を放出する。これはインシュリンが血糖値の大きな変動に反応する必要を低減させ、すい臓に障害のある人々が、より良好に彼らの栄養に対処することができる。彼らが本発明の栄養補助食品を使い続ける限り、わずかに糖尿病の傾向だけをもつ人々は、インシュリンの毎日の投与を控えることができるかもしれない。
【0098】
多発性硬化症及び他の神経変性疾患の治療
本発明の栄養補助食品のこの適用は、多発性硬化症又は他のミエリンが不足している病気(筋萎縮性側索硬化症(ALS)又は潜在的アルツハイマー病等)に対して人々を助けることができる。この適用は、ガラクトリピドが、神経細胞を絶縁するミエリン鞘の重要な構成要素であるという観察に基づき、細胞に細胞からの低騒音伝達を可能にする。ミエリン鞘は、乏枝神経膠細胞と呼ばれている細胞によって産生され、それは平らで、ニューロン軸索のまわりに巻きつくプロセスを送り出す。また、本発明の栄養補助食品は、ビタミンE(トコフェロール)を取り入れ、それは乏枝神経膠細胞の健康の潜在的一因として示される。
【0099】
従って、本発明の好ましい実施形態の上記の詳細な説明から、それが同様にヒト及び潜在的に、他の動物で効果的に消化管関連の障害ならびに同様に消化管疾患を治療する栄養補助食品を教示すると認められるかもしれない。効果的に消化管疾患及び消化管関連の障害を治療する作用を有することに加えて、本発明の栄養補助食品は、そのような消化管疾患及び同様に消化管関連の障害の予防において、有効性を示す。本発明の栄養補助食品の好ましい実施形態は、同様に多種多様な消化管疾患及び多くの消化管関連の障害を治療及び/又は予防することに効果的である。
【0100】
本発明の栄養補助食品は、全体として、薬物よりむしろ安全であり、天然成分からなる。本発明の栄養補助食品は、経口投与可能であり、よって、その投与を単純なこととする。本発明の栄養補助食品は、ペースト状態、固体状態又は摂取のために液体を加えるのに適した形態で調合することが可能である。本発明の栄養補助食品は、出荷及び保存するのが容易で便利である。
【0101】
本発明の栄養補助食品は、安定であり、商業的に許容できる貯蔵寿命を有し、使用前にその貯蔵寿命にわたってユーザーによって提供するために特別な注意を払わなくてもよい。本発明の栄養補助食品の市場の要求を強化するために、消化管疾患及び消化管関連の障害の治療についても先の既知の方法と比較した場合、比較的安価であり、それによってそれに最も幅広い可能な市場にそれを供給することができる。最後に、本発明の栄養補助食品及びその投与方法の前述の全ての利点と目的が、いかなる実質的な、相対的な不利を招くことなく達成される。
【0102】
上記において本発明の説明が示され、その特定の実施形態及び適用に関して記述されたが、それらは例示及び説明の目的のために示されたものであり、発明を明らかにする特定の実施形態及び適用に、網羅的又は制限することを目的としない。それは、ここで説明した本発明の多数の変更、修正、バリエーション又は代替は、本発明の精神又は範囲から逸脱するものではないことは、当業者にとって明らかである。特定の具体化と適用が選択され、選択される特定の使用に適していて、本発明の原理及びその具体化の最良の例を証明することを説明しており、よって、種々の実施形態及びその種々の修正をともなって、本発明が有用であることは、予想する特定の用途に適している。したがって、それらが公正に、法的に、公正に権利が与えられる幅に従って解釈されるとき、全てのそのような変化、修正、バリエーション及び変更は、添付のクレームで主張されるのと同様、本発明の範囲内であると解釈される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
消化障害並びに消化器系に関連する疾患の治療及び予防用栄養補助食品であって、
極性脂質及び酸化防止剤の相当量を含む極性脂質補助食品、
少なくとも1つの健康に有益な作用を与える可溶性β−グルカン繊維、
消化器系に少なくとも1つの有益な作用を与える少なくとも1つのアミノ酸を含む栄養補助食品。
【請求項2】
極性脂質補助食品はオート麦の脂質を含む請求項1の栄養補助食品。
【請求項3】
極性脂質補助食品は、オート麦油、ヒマワリ油、大豆油、オリーブ油、パーム油、トウモロコシ油、菜種油、亜麻仁油からなる群から選択される少なくとも1種からなる請求項1の栄養補助食品。
【請求項4】
極性脂質補助食品はオート麦油を含む請求項1の栄養補助食品。
【請求項5】
オート麦油は、抽出プロセスの全ての相の混合物を含む請求項4の栄養補助食品。
【請求項6】
極性脂質補助食品は、さらに抽出プロセスの最終相からのオート麦油を含み、該抽出プロセスの最終相からのオート麦油は粘稠で比較的高い粘度を有する請求項4の栄養補助食品。
【請求項7】
極性脂質補助食品が、さらにヒマワリ油、大豆油、オリーブ油、パーム油、トウモロコシ油、菜種油及び亜麻仁油からなる群から選択される少なくとも1つの添加油を含む請求項4の栄養補助食品。
【請求項8】
オート麦油は、約25パーセントの極性脂質からなる請求項4の栄養補助食品。
【請求項9】
極性脂質補助食品は、栄養補助食品の約10から60重量パーセント含む請求項1の栄養補助食品。
【請求項10】
極性脂質補助食品は、栄養補助食品の約40から55重量パーセント含む請求項9の栄養補助食品。
【請求項11】
極性脂質補助食品は、栄養補助食品の約48重量パーセント含む請求項10の栄養補助食品。
【請求項12】
可溶性β−グルカン繊維はオート麦由来である請求項1の栄養補助食品。
【請求項13】
可溶性β−グルカン繊維は、栄養補助食品の約1から50重量パーセント含む請求項1の栄養補助食品。
【請求項14】
可溶性β−グルカン繊維は、栄養補助食品の約15から30重量パーセント含む請求項1の栄養補助食品。
極性脂質補助食品はオート麦油を含む請求項1の栄養補助食品。
【請求項15】
可溶性β−グルカン繊維は、栄養補助食品の約23重量パーセント含む請求項1の栄養補助食品。
【請求項16】
少なくとも1つのアミノ酸はL−トレオニンを含む請求項1の栄養補助食品。
【請求項17】
L−トレオニンは、栄養補助食品の約1から20重量パーセント含む請求項16の栄養補助食品。
【請求項18】
L−トレオニンは、栄養補助食品の約5から15重量パーセント含む請求項17の栄養補助食品。
【請求項19】
L−トレオニンは、栄養補助食品の約11重量パーセント含む請求項1の栄養補助食品。
【請求項20】
少なくとも1つのアミノ酸はL−グルタミンを含む請求項1の栄養補助食品。
【請求項21】
L−グルタミンは、栄養補助食品の約2から20重量パーセント含む請求項1の栄養補助食品。
【請求項22】
L−グルタミンは、栄養補助食品の約5から15重量パーセント含む請求項1の栄養補助食品。
【請求項23】
L−グルタミンは、栄養補助食品の約9重量パーセント含む請求項1の栄養補助食品。
【請求項24】
さらに、消化管において病原バクテリアを吸収及び消失させるニュートリシンを含む請求項1の栄養補助食品。
【請求項25】
消化管において病原バクテリアを吸収及び消失させるニュートリシンは、マンナンオリゴサッカライド(MOS)を含む請求項24の栄養補助食品。
【請求項26】
消化管において病原バクテリアを吸収及び消失させるニュートリシンは、S.I. Lesaffreによる商標SAFMANNANとして市販された材料を含む請求項26の栄養補助食品。
【請求項27】
消化管において病原バクテリアを吸収及び消失させるニュートリシンは、栄養補助食品の約1.5から10重量パーセント含む請求項24の栄養補助食品。
【請求項28】
消化管において病原バクテリアを吸収及び消失させるニュートリシンは、栄養補助食品の約3から7重量パーセント含む請求項27の栄養補助食品。
【請求項29】
消化管において病原バクテリアを吸収及び消失させるニュートリシンは、栄養補助食品の約5重量パーセント含む請求項28の栄養補助食品。
【請求項30】
消化管においてマイコトキシンを吸収及び消失させるニュートリシンを含む請求項1の栄養補助食品。
【請求項31】
消化管においてマイコトキシンを吸収及び消失させるニュートリシンはサッカロマイセス・セレヴィシエに基づく請求項30の栄養補助食品。
【請求項32】
消化管においてマイコトキシンを吸収及び消失させるニュートリシンはAlltech, Incによる商標MYCOSORBで市販された材料を含む請求項30の栄養補助食品。
【請求項33】
消化管においてマイコトキシンを吸収及び消失させるニュートリシンは、栄養補助食品の約1から5重量パーセント含む請求項30の栄養補助食品。
【請求項34】
さらに、成長を増進させ及び/又は免疫系を強化するニュートリシンを含む請求項1の栄養補助食品。
【請求項35】
成長を増進させ及び/又は免疫系を強化するニュートリシンは、食物ヌクレオチド含有補助食品を含む請求項34の栄養補助食品。
【請求項36】
ヌクレオチド含有補助食品は、栄養補助食品の約1重量パーセント含み、栄養補助食品中のヌクレオチド濃度が栄養補助食品の約0.01から1.5重量パーセントである請求項35の栄養補助食品。
【請求項37】
成長を増進させ及び/又は免疫系を強化するニュートリシンが、ビール酵母又はパン酵母由来である請求項34の栄養補助食品。
【請求項38】
成長を増進させ及び/又は免疫系を強化するニュートリシンが、S.I. Lesaffreによる商標YEAST CELL EXTRACT(2006)で市販された材料を含む請求項34の栄養補助食品。
【請求項39】
さらに、栄養補助食品の構成成分の分離を防止する乳化剤を含む請求項1の栄養補助食品。
【請求項40】
乳化剤が、グアーガムを含む請求項39の栄養補助食品。
【請求項41】
栄養補助食品の構成成分の分離を防止する乳化剤が、栄養補助食品の約1重量パーセント含まれる請求項39の栄養補助食品。
【請求項42】
栄養補助食品の他の成分とともに収容される医薬品を含み、該医薬品の少なくとも1つの吸収又は治療値を前記栄養補助食品との組み合わせによって最大化する請求項1の栄養補助食品。
【請求項43】
栄養補助食品が固体食品バーとして形成される請求項1の栄養補助食品。
【請求項44】
栄養補助食品がペーストとして形成される請求項1の栄養補助食品。
【請求項45】
栄養補助食品が顆粒固体として形成される請求項1の栄養補助食品。
【請求項46】
栄養補助食品が粉末として形成される請求項1の栄養補助食品。
【請求項47】
栄養補助食品が液体として形成される請求項1の栄養補助食品。
【請求項48】
栄養補助食品が液体充填ソフトゲルカプセルとして形成される請求項1の栄養補助食品。
【請求項49】
消化器系疾患は、潰瘍、大腸炎、過敏性大腸症候群、憩室症、憩室炎、クローン病、粘膜炎及び口内炎からなる群から選択される請求項1の栄養補助食品。
【請求項50】
消化器系関連した障害は、悪液質、ラクトース狭量、年輩者の食事の不足、糖尿病、多発性硬化症及び他の神経変性病気からなる群から選択される請求項1の栄養補助食品。
【請求項51】
さらに、ビタミンB6、ビタミンB12、ビオチン、ビタミンC、ビタミンE及びナイアシンからなる群から選択される少なくとも1つのビタミンを含む請求項1の栄養補助食品。
【請求項52】
さらに、クロミウム、銅、マンガン、マグネシウム、マンガン、カリウム、セレン、バナジウム及び亜鉛からなる群から選択される少なくとも1つのミネラルのマイクロ栄養添加物を含む請求項1の栄養補助食品。
【請求項53】
毎日約1グラムから約30グラムの前記栄養補助食品の1日用量をとることによって、極性脂質補助食品、可溶性β−グルカン繊維、少なくとも1つのアミノ酸の有効両量を与える請求項1の栄養補助食品。
【請求項54】
さらに、栄養補助食品の他の成分とともに収容される医薬品を含み、該医薬品の少なくとも1つの吸収又は治療値を前記栄養補助食品と組み合わせて摂取することによって最大化する請求項1の栄養補助食品。
【請求項55】
消化障害並びに消化器系に関連する疾患の治療及び予防用栄養補助食品であって、
極性脂質及び酸化防止剤の相当量を含む極性脂質補助食品、
少なくとも1つの健康に有益な作用を与える可溶性β−グルカン繊維、
代謝及び栄養吸収を助ける第1界面活性アミノ酸ベースニュートリシン、
筋肉の燃料であり、消化器系の免疫機能をサポートする第2界面活性アミノ酸ベースニュートリシンを含む栄養補助食品。
【請求項56】
消化障害並びに消化器系に関連する疾患の治療及び予防用栄養補助食品であって、
極性脂質及び酸化防止剤の相当量を含む極性脂質補助食品、
可溶性β−グルカン繊維、
L−トレオニン、
L−グルタミン及び
消化管で病原性バクテリアを吸収及び消失させるニュートリシンを含む栄養補助食品。
【請求項57】
消化障害並びに消化器系に関連する疾患の治療及び予防用栄養補助食品であって、
有効量の極性脂質補助食品、
有効量のβ−グルカン、
有効量のL−トレオニン及び
有効量のL−グルタミンを含む栄養補助食品。
【請求項58】
消化障害並びに消化器系に関連する疾患の治療及び予防用栄養補助食品であって、
一日用量約25mgから約4500mgの極性脂質を含む極性脂質補助食品、
少なくとも1つの健康に有益な作用を与える可溶性β−グルカン繊維、及び
ストレスにさらされた消化器系に少なくとも1つの有益な作用を長期にわたって働かせることができる少なくとも1つのアミノ酸を含む栄養補助食品。
【請求項59】
消化障害並びに消化器系に関連する疾患の治療及び予防用栄養補助食品であって、
極性脂質補助食品、
可溶性β−グルカン繊維、及び
アミノ酸を含む栄養補助食品。
【請求項60】
消化障害並びに消化器系に関連する疾患の治療及び予防用栄養補助食品の製造方法であって、
極性脂質及び酸化防止剤の相当量を含む極性脂質補助食品を準備し、
少なくとも1つの健康に有益な作用を与える可溶性β−グルカン繊維を準備し、
ストレスにさらされた消化器系に少なくとも1つの有益な作用を長期にわたって働かせることができる少なくとも1つのアミノ酸を準備し、
前記極性脂質補助食品、可溶性β−グルカン繊維及び、ストレスにさらされた消化器系に少なくとも1つの有益な作用を長期にわたって働かせることができる1つのアミノ酸を一緒に混合することを含む方法。
【請求項61】
消化障害並びに消化器系に関連する疾患の治療及び予防用栄養補助食品の製造方法であって、
極性脂質補助食品を準備し、
可溶性β−グルカン繊維を準備し、
ストレスにさらされた消化器系に少なくとも1つの有益な作用を長期にわたって働かせることができる少なくとも1つのアミノ酸を準備し、
L−トレオニンを準備し、
L−グルタミンを準備し、
消化管で病原性バクテリアを吸収及び消失させるニュートリシン、
前記極性脂質補助食品、可溶性β−グルカン繊維、L−トレオニン、L−グルタミン及び、消化管で病原性バクテリアを吸収及び消失させるニュートリシンを一緒に混合することを含む方法。
【請求項62】
消化障害並びに消化器系に関連する疾患の治療において使用される予防用栄養補助食品の投与方法であって、
極性脂質及び酸化防止剤の相当量を含む極性脂質補助食品、
少なくとも1つの健康に有益な作用を与える可溶性β−グルカン繊維、
ストレスにさらされた消化器系に少なくとも1つの有益な作用を長期にわたって働かせることができる少なくとも1つのアミノ酸を含む栄養補助食品の適当用量を調製し、
定期的に前記栄養補助食品を投与し、
前記調製及び投与工程を少なくとも1日1回繰り返すことを含む方法。

【図1】
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【公表番号】特表2007−529220(P2007−529220A)
【公表日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−503889(P2007−503889)
【出願日】平成16年11月3日(2004.11.3)
【国際出願番号】PCT/US2004/036720
【国際公開番号】WO2005/094234
【国際公開日】平成17年10月13日(2005.10.13)
【出願人】(505413130)フリーダム ヘルス,エルエルシー (6)
【氏名又は名称原語表記】FREEDOM HEALTH,LLC
【住所又は居所原語表記】65 Aurora Industrial Parkway,Aurora,Ohio 44202−8088 United States of America
【Fターム(参考)】