説明

案内センタサーバ及び携帯端末及び案内方法

【課題】利用者が起点及び終点の識別情報を入力することで簡単に案内情報を入手できることを目的とする。
【解決手段】案内センタサーバ1に、複数の地点に配置されたタグの識別情報とタグの位置情報とを記憶したタグデータベース2と、複数の地点に配置されたタグの中から起点となるタグの識別情報と終点となるタグの識別情報とを受信し、受信した起点となるタグの識別情報と終点となるタグの識別情報とに対応するタグの位置情報をタグデータベースから検索し、検索したタグの位置情報をそれぞれ起点となる位置情報と終点となる位置情報とし、起点となる位置情報と終点となる位置情報とに基づいて携帯端末11に案内情報8を提供する案内情報提供部5とを備えたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、利用者に案内情報を提供する案内センタサーバ及び携帯端末及び案内方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
GPS(Global Positioning system)受信機能付き携帯電話(端末)で位置を決定し、周辺地図を表示させ、利用者を目的方向に誘導する方式は公知である。また、目的地の入力を電話番号、住所等で入力する方法は公知である。
【特許文献1】特開2002−168647号公報
【特許文献2】特開2000−242885号公報
【特許文献3】特開2002−170193号公報
【特許文献4】特開2003−023666号公報
【特許文献5】特開2003−114136号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、複数の地点に配置されたタグの識別情報をもとに、利用者が起点及び終点の識別情報を入力することで簡単に案内情報を入手できることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明に係る案内センタサーバは、
起点から終点までの案内情報を提供する案内センタサーバにおいて、
複数の地点に配置されたタグの識別情報とタグの位置情報とを記憶したタグデータベースと、
複数の地点に配置されたタグの中から起点となるタグの識別情報と終点となるタグの識別情報とを受信し、受信した起点となるタグの識別情報と終点となるタグの識別情報とに対応するタグの位置情報をタグデータベースから検索し、検索したタグの位置情報をそれぞれ起点となる位置情報と終点となる位置情報とし、起点となる位置情報と終点となる位置情報とに基づいて案内情報を提供する案内情報提供部と
を備えたことを特徴とする。
【0005】
上記タグデータベースは、さらに、タグの表面の方位方向を示す方位情報を記憶し、
上記案内情報提供部は、タグの位置情報とともにタグの方位情報を検索し、検索した方位情報に基づいて起点となるタグの表面の方位方向を基本にして移動すべき方向を指示することを特徴とする。
【0006】
上記タグデータベースは、識別情報として、タグの識別番号と、タグが配置された建物に設置された電話器の電話番号と、タグが配置された建物に割り当てられた郵便番号との少なくともいずれかを記憶することを特徴とする。
【0007】
上記案内センタサーバは、さらに、タグの識別情報に対応して、タグの位置情報とタグの方位情報とを収集してタグデータベースに記憶するタグ情報収集部を備えたことを特徴とする。
【0008】
上記案内センタサーバは、携帯端末に対して案内情報を提供し、
上記案内情報提供部は、案内情報の提供を受けた携帯端末に対して課金する課金部を備えたことを特徴とする。
【0009】
上記課金部は、案内情報の提供に利用されたタグの識別情報に基づいて、携帯端末に対して課金した金額の少なくとも一部をタグに対応して分配し、
上記タグデータベースは、タグに対応して、課金部が分配した金額と、タグの所有者を示すオーナー情報とを記憶することを特徴とする。
【0010】
本発明に係る携帯端末は、
起点から終点までの案内情報を提供する案内センタサーバから案内情報の提供を受ける携帯端末において、
複数の地点に配置されたタグの中から起点となるタグの識別情報と終点となるタグの識別情報とを案内センタサーバへ送信し、案内センタサーバより起点から終点までの案内情報を受信することを特徴とする。
【0011】
上記携帯端末は、タグの表面の方位方向を向いた場合に移動すべき方向を示した案内情報を受信し、タグの表面の方位方向を向いた場合に移動すべき方向を表示画面に表示することを特徴とする。
【0012】
本発明に係る案内方法は、
起点から終点までの案内情報を提供する案内センタサーバと、案内情報の提供を受ける携帯端末とを備えた案内システムの案内方法において、
識別情報が付されたタグを複数の地点に配置するタグ配置工程と、
案内センタサーバが、配置されたタグの識別情報と配置されたタグの位置情報とを収集してタグデータベースに記憶するタグ情報収集工程と、
携帯端末が、複数の地点に配置されたタグの中から起点となるタグの識別情報と終点となるタグの識別情報とを案内センタサーバへ送信する起点・終点送信工程と、
案内センタサーバが、携帯端末が送信した起点となるタグの識別情報と終点となるタグの識別情報とを受信し、受信した起点となるタグの識別情報と終点となるタグの識別情報とに対応するタグの位置情報をタグデータベースから検索し、検索したタグの位置情報をそれぞれ起点となる位置情報と終点となる位置情報とし、起点となる位置情報と終点となる位置情報とに基づいて案内情報を提供する案内提供工程と、
携帯端末が、案内センタサーバから起点から終点までの案内情報を受信する案内情報受信工程と
を備えたことを特徴とする。
【0013】
本発明に係る案内センタサーバは、
起点から終点までの案内情報を提供する案内センタサーバにおいて、
終点となる位置情報を取得して記憶するとともに、起点における2地点の位置情報を取得して2地点の位置情報から方位情報を求めて、前方向に対する相対的移動方向を示した案内情報を提供する案内情報提供部を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、利用者は、起点・終点情報として識別情報を入力することで、簡単に案内情報を入手することができる。
【0015】
本発明によれば、利用者は特殊なGPS受信機能付き携帯端末を所持していなくても、最初に移動すべき方向を示したわかりやすい案内情報を入手することができる。また、GPS受信機能付き携帯端末を所持していれば、起点の識別情報を知らなくても、最初に移動すべき方向を示したわかりやすい案内情報を入手することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
実施の形態1.
図1は、案内センタサーバを構成する計算機システムの外観を示す図である。
【0017】
図1において、案内センタサーバ1は、システムユニット910、CRT(Cathode Ray Tube)表示装置901、キーボード(K/B)902、マウス903、フレキシブルディスク装置(FDD)904、コンパクトディスク装置(CDD)905、プリンタ装置906、スキャナ装置907を備え、これらはケーブルで接続されている。
【0018】
さらに、案内センタサーバ1は、FAX機932、電話器931とケーブルで接続され、また、ローカルエリアネットワーク(LAN)942、ゲートウェイ941を介してインターネット940に接続されている。
【0019】
図2は、案内センタサーバを構成する各装置のハードウェア構成を示す図である。
【0020】
図2において、案内センタサーバ1は、プログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)911を備えている。CPU911は、バス912を介してROM913、RAM914、通信ボード915、CRT表示装置901、K/B902、マウス903、FDD(Flexible Disk Drive)904、磁気ディスク装置920、CDD905、プリンタ装置906、スキャナ装置907と接続されている。
【0021】
RAMは、揮発性メモリの一例である。ROM、FDD、CDD、磁気ディスク装置、光ディスク装置は、不揮発性メモリの一例である。これらは、記憶装置あるいは記憶部の一例である。
【0022】
通信ボード915は、FAX機932、電話器931、LAN942等に接続されている。
【0023】
例えば、通信ボード915、K/B902、スキャナ装置907、FDD904などは、入力部の一例である。また、例えば、通信ボード915、CRT表示装置901などは、出力部の一例である。
【0024】
ここで、通信ボードは、LAN942に限らず、直接、インターネット、或いはISDN等のWAN(ワイドエリアネットワーク)に接続されていても構わない。直接、インターネット、或いはISDN等のWANに接続されている場合、案内センタサーバ1は、インターネット、或いはISDN等のWANに接続され、ゲートウェイ941は不用となる。
【0025】
磁気ディスク装置920には、オペレーティングシステム(OS)921、ウィンドウシステム922、プログラム群923、ファイル群924が記憶されている。プログラム群は、CPU911、OS921、ウィンドウシステム922により実行される。
【0026】
上記プログラム群923には、以下に述べる実施の形態の説明において「案内情報提供部」、「タグ情報収集部」、「課金部」として説明する機能を実行するプログラムが記憶されている。プログラムは、CPUにより読み出され実行される。
【0027】
ファイル群924には、以下に述べる実施の形態の説明において、「タグデータベース」、「地図情報データベース」として説明するものが記憶されている。
【0028】
また、以下に述べる実施の形態の説明において説明する構成ブロック図の矢印の部分は主としてデータの入出力を示し、そのデータの入出力のためにデータは、磁気ディスク装置、FD(Flexible Disk)、光ディスク、CD(コンパクトディスク)、MD(ミニディスク)、DVD(Digital Versatile Disk)等のその他の記録媒体に記録される。あるいは、信号線やその他の伝送媒体により伝送される。
【0029】
また、以下に述べる実施の形態の説明において「案内情報提供部」、「タグ情報収集部」、「課金部」として説明するものは、ROM913に記憶されたファームウェアで実現されていても構わない。或いは、ソフトウェアのみ、或いは、ハードウェアのみ、或いは、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせ、さらには、ファームウェアとの組み合わせで実施されても構わない。
【0030】
また、以下に述べる実施の形態を実施するプログラムは、また、磁気ディスク装置、FD(Flexible Disk)、光ディスク、CD(コンパクトディスク)、MD(ミニディスク)、DVD(Digital Versatile Disk)等のその他の記録媒体による記録装置を用いて記憶されても構わない。
【0031】
図3は、実施の形態1に係る案内システムの案内センタサーバ1と携帯端末11との構成を示す構成ブロック図である。
【0032】
図3において、1は起点から終点までの案内情報を提供する案内センタサーバである。
【0033】
案内センタサーバ1は、タグデータベース2とタグ情報収集部3と地図情報データベース4と案内情報提供部5から構成されている。案内情報提供部5は課金部6を備えている。携帯端末11は、表示画面12と、図示していないが携帯電話器のすべての機能を有している。
【0034】
本実施の形態において、タグとは、図6に示すように複数の建築物に設置されたタグ(位置タグともいう)である。タグは、タグを識別する固有の識別情報とタグの地理的位置(緯度、経度、高さ)を特定する位置情報とをタグデータベース2に有しているものである。
【0035】
タグデータベース2は、複数の地点に配置されたタグの識別情報とタグの位置情報をデータベース化したものである。
【0036】
タグ情報収集部3は、タグの識別情報に応じてタグの位置情報あるいはタグの方位情報等を収集して、タグデータベース2に記憶する。タグ情報収集部3は、タグ地点情報7を用いてタグの識別情報に応じたタグの位置情報あるいはタグの方位情報を算出する。
【0037】
タグ地点情報7は、タグの表面の1地点の位置(緯度、経度、高さ)やタグの周上の点の位置(緯度、経度、高さ)といったタグに関する地理的位置情報である。
【0038】
地図情報データベース4は、地図情報データを格納しているデータベースである。地図情報データベース4は、誘導に必要な地図情報(道、施設、建物、信号等)に加え建物の入り口はどこかなどの情報がサブメーター級(10cm単位級)で記憶されている。さらに、起点や終点や経由点として設定される地点の緯度、経度、高さの情報が記憶されている。案内センタサーバは、地図情報データベース4を備えることでサブメーター級の案内情報を提供することができる。
【0039】
案内情報提供部5は、携帯端末11から起点情報9及び終点情報10を受信する。起点情報9と終点情報10は、例えば、タグの識別番号である。案内情報提供部5は、受信した起点情報9及び終点情報10から起点となるタグの位置情報と終点となるタグの位置情報をタグデータベース2から検索する。案内情報提供部5は、検索した起点となる位置情報と終点となる位置情報とに基づいて案内情報8を提供する。
【0040】
携帯端末11は、起点情報9及び終点情報10となるタグの識別番号を案内センタサーバ1に送信する。携帯端末11は、起点から終点までの案内情報8を案内センタサーバ1から受信し、表示画面12に表示する。
【0041】
図4は実施の形態1におけるタグの例を示す図である。
【0042】
タグは、タグを識別する固有の識別情報(識別番号・電話番号・郵便番号)を有している。
【0043】
図4は、紙タグの例である。タグの媒体は、紙タグ、印刷シールタグ、RF(Radio Frequency)タグ、IC(集積回路)タグ、電子タグ、高性能GPS(Global Positioning system)受信機能付きのタグ等、他の媒体でも構わない。タグの素材は、紙、金属板、プラスチック板等、他の素材でも構わない。
【0044】
タグは、建物のオーナーからの申込を受け作業者によって建物の側面に設置される。建物とは、建築物、電信柱、塔などである。設置方法は、シール接着、釘打ち等、他の方法でも構わない。
【0045】
図5は実施の形態1に係るタグデータベースの構成を示す図である。
【0046】
識別情報21は、タグを識別する固有の情報である。識別情報21は、タグの識別番号と、タグが設置された建物内の電話機の電話番号(以下、タグの電話番号とする)と、タグが設置された建物の住所の郵便番号(以下、タグの郵便番号とする)との、少なくともいずれかを1つを記憶する。タグの識別情報21は、タグを識別する固有の情報であるため、建物にタグを複数設置する場合や電話番号や郵便番号でタグを唯一に識別できない場合は、それぞれのタグに識別番号を付与する必要がある。
【0047】
タグの識別番号は、例えば、識別番号を付与したタグを建物に設置する際にデータベース化される。
【0048】
タグの電話番号とタグの郵便番号は、例えば、タグが設置された建物の位置や住所より地図情報データベース4を検索しデータベース化される。あるいは、タグ情報収集部3が収集したタグの位置情報(緯度、経度、高さ)を用いて地図情報データベース4を検索しデータベース化することもできる。
【0049】
タグの位置情報22は、緯度と経度と高さを記憶している。タグの位置情報22は、タグ地点情報7を用いて、タグ情報収集部3により算出されデータベース化される。タグ地点情報7は、タグの緯度と経度と高さ(位置情報22)を求める情報であり、高性能GPS受信機を利用した測量等により導かれる。
【0050】
タグの方位情報23は、タグの表面の方位方向を示す法線ベクトルの方位である。タグの法線ベクトルの方位は、真北の方位からの角度で表わされる。タグの方位情報23は、真北の方位を0度とし時計回りに0度から360度の範囲で値が決定される。タグの方位情報23は、地図情報データベース4あるいは高性能GPS受信機を利用した測量等により導かれたタグ地点情報7を用いて、タグ情報収集部3により算出されデータベース化される。
【0051】
オーナー情報24は、タグの所有者を示す情報でありタグを設置する建物のオーナーの情報がデータベース化される。
【0052】
金額25は、タグに対応して課金部6が分配した金額である。
【0053】
図6は、実施の形態1に係るタグの配置説明図である。
【0054】
図6を用いて、紙タグの位置情報22のデータベース化について説明する。建築物4に設置された紙タグT1の2つの頂点をA地点(タグの左上点)とB地点(タグの右上点)とする。高性能GPS受信機をA地点とB地点にあて測量する。タグ情報収集部3は、測量で得たA地点とB地点のタグ地点情報7(緯度,経度,高さ)を用いて、A地点とB地点の中間地点の位置情報と方位情報を算出する。タグ情報収集部3は、算出結果を紙タグT1の位置情報22と方位情報23としてタグデータベース2に記憶する。
【0055】
あるいは、タグ情報収集部3は、紙タグT1の位置情報22を算出した後、紙タグT1の方位情報23を次のように求めることもできる。ここで、地図情報データベース4は建築物4の側面(壁面)の方向を記憶しているものとする。そして、タグ情報収集部3は、紙タグT1の位置情報22と地図情報データベース4から、紙タグT1が建築物4のどの側面に設置されているかを決定し、紙タグT1表面の方位方向を算出し、紙タグT1の方位情報23としてタグデータベース2に記憶する。
【0056】
本実施の形態では、作業者が高性能GPS受信機を測量地点にあてることで紙タグT1のA地点とB地点のタグ地点情報7(緯度、経度、高さ)を測量した。
【0057】
タグが、紙タグT1ではなく高性能GPS受信機能付きRFタグの場合は、RFタグのA地点とB地点に高性能GPS受信機能を付けることにより、A地点とB地点の高性能GPS測位情報をA地点とB地点のタグ地点情報7として案内センタサーバへ送信することもできる。
【0058】
図7は、実施の形態1に係る案内センタサーバの処理を示すフローチャート図である。図7を用いて、実施の形態1における案内センタサーバの処理の流れを説明する。
【0059】
案内センタサーバ1のセンタ運用者は、建物(建築物、電信柱、塔等)のオーナーからの申込みによりタグを複数の地点に配置する。例えば、建築物の側面、電信柱の側面、塔の側面等に設置する。予め設置されている場合は、そのタグを流用してもよい。(ステップ701)。案内センタサーバ1は、配置されたタグの識別情報21と配置されたタグの位置情報22とを収集してタグデータベース2に記憶する(ステップ702)。
【0060】
ステップ701とステップ702とは、タグの貼りかえがない限り、一度行うだけでよい。
【0061】
利用者は、起点情報9及び終点情報10としてタグの識別情報21(タグの識別番号あるいはタグの電話番号あるいはタグの郵便番号のいずれか)を入力する。タグの識別情報21は、ホームページ、名刺、広告、地域情報誌等に掲載することで広く利用者に知らせておくことが好適である。
【0062】
ここで、例えば、利用者は街角にいて道に迷っているとする。利用者は、現在位置の周りの建物等のタグを見つけその識別番号を起点情報9として入力し、目的地の識別番号はホームページ等で予め知っていて終点情報10として入力することができる。あるいは、現在位置のタグの電話番号や現在位置のタグの郵便番号が、現在位置のタグの識別情報となっている場合は、利用者は電話番号か郵便番号を入力すればよく、現在位置のタグの識別番号は知らなくてもよい。また、目的地のタグの電話番号や目的地のタグの郵便番号が、目的地のタグの識別情報となっている場合は、利用者は電話番号か郵便番号を入力すればよく、目的地のタグの識別番号は知らなくてもよい。
【0063】
このように、利用者は、携帯端末11から起点情報9(起点となるタグの識別情報)と終点情報10(終点となるタグの識別情報)を案内センタサーバ1に送信する(ステップ703)。携帯端末11は、表示画面を備えた携帯電話機、表示機能及び通信機能を備えた携帯型計算機等である。
【0064】
案内情報提供部5は、受信した起点情報9及び終点情報10から起点及び終点のタグの位置情報22(緯度、経度、高さ)とタグの方位情報23をタグデータベース2から検索する(ステップ704)。
【0065】
案内情報提供部5は、起点及び終点のタグの位置情報22(緯度、経度、高さ)とタグの方位情報23をもとに案内情報8を提供する(ステップ705)。
【0066】
まず、案内情報提供部5は、地図情報データベース4と起点及び終点のタグの位置情報22(緯度、経度、高さ)とから、起点から終点への経路を決定する。ここで、案内情報提供部5は、利用者が起点タグを背に立つことを指示する。こうして、起点タグの方位情報23は、利用者が起点タグを背に立つことにより利用者の正面方向と同じになる。次に、案内情報提供部5は、起点から終点への経路と起点タグの方位情報23(利用者の正面方向)から、最初の指示(まず、右へ行け等)を含む案内情報8を提供することできる。案内情報8は、例えば利用者が現在位置からまずどの方向へ行くかの指示情報(まず、右へ行け等)、行くべき方向の矢印指示情報等である。タグが終点の場合は、地図情報データベース4の情報に基づいて建物の入口まで誘導する案内情報8を提供することができる。
【0067】
携帯端末11は、起点から終点までの案内情報8を受信する(ステップ706)。案内情報8は利用者がタグの表面の方位方向を向いた場合(タグを背に立つ場合)に移動すべき方向を示した案内情報である。
【0068】
携帯端末11は、タグの表面上の方位方向(利用者の正面方向)を表示画面12の上側になるように案内情報8を表示画面に表示する。
【0069】
このように、本実施の形態では、利用者がタグを背に立つことにより利用者の正面方向と表示画面上の案内地図が同じ方向になるため、利用者は「まず、どの方向へ行くのか」といったわかりやすい案内情報を入手することができる。
【0070】
課金部6は、携帯端末11に案内情報8を提供する毎に携帯端末11に対して課金する。
【0071】
例えば、利用者は案内センタサーバのセンタ運用者が設定した無料回数までは無料で利用でき、無料回数を超えて案内情報を入手する際には料金を徴収されるといった運用が可能である。
【0072】
課金部6は、案内情報提供部5がタグの識別情報21に対応した情報(タグの位置情報、タグの方位情報)を案内情報8の提供に利用する毎に、携帯端末11に課金した金額の一部をタグの識別情報に対応して分配する。課金部6は、分配した金額をタグの識別情報に対応するタグデータベース2の金額25に記憶する。
【0073】
本実施の形態では、課金部6が機能することにより、費用は利用者から回収し、建物のオーナー(タグの所有者)には利用頻度に応じて支払うことができる。
【0074】
以上のように、本実施の形態では、利用者は実際に街角にいてセンタからの案内情報を携帯端末で受信していた。しかしながら、利用者が予め起点となるタグの識別情報と終点となるタグの識別情報を知っていれば、宅内端末からでもセンタに送信し案内情報を受信することができる。
【0075】
以上のように、本実施の形態では、案内センタサーバ1は、建物(建築物、電信柱、塔等)に設置されたタグのタグデータベースを利用して道案内情報を提供するものであった。
【0076】
百貨店等大規模店舗においては、商品売り場毎にタグを設置することもできる。利用者は、起点情報として現在位置の商品売り場の識別情報を入力し、終点情報として購入希望商品の売り場の識別情報を入力することにより現在位置からの案内情報を受信することができる。
【0077】
また、遊園地などのテーマパークにおいては、催し物や展示物毎にタグを設置することができる。利用者は、起点情報として現在位置の催し物や展示物の識別情報を入力し、終点情報として目的の催し物や展示物の識別情報を入力することにより現在位置からの案内情報を受信することができる。
【0078】
実施の形態2.
実施の形態2では、利用者が高性能GPS受信機能付き携帯端末を所持している場合について説明する。特に、実施の形態1と異なる点について説明する。
【0079】
実施の形態1では、利用者は高性能GPS受信機能付き携帯端末を所持していないものとしていた。しかし、利用者が高性能GPS受信機能付き携帯端末を所持している場合は、起点タグが見つからなくても次のように起点の位置情報と方位情報を決定することができる。
【0080】
利用者は、起点とする地点(地点0とする)を高性能GPS受信機能付き携帯端末で計測し、案内センタサーバ1に送信する。次に利用者は、地点0から任意の方向に前方へ数歩歩いて止まった地点(地点1とする)を高性能GPS受信機能付き携帯端末で計測し、案内センタサーバ1に送信する。案内センタサーバ1は、地点0と地点1の測量結果から利用者の方位情報を算出する。すなわち、地点0から地点1へ移動することにより利用者の前方が判断でき、これを方位情報とする。案内情報提供部5は、利用者の起点における位置情報と方位情報を起点タグの位置情報と方位情報のかわりに用いて、歩行利用者の前方方向(顔の向いている方向)に対する相対的移動方向(左、右、前、後、斜め左前、斜め右前などの方向)を示した案内情報8を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】案内センタサーバを構成する計算機システムの外観を示す図。
【図2】案内センタサーバを構成する各装置のハードウェア構成を示す図。
【図3】実施の形態1に係る案内センタサーバの構成を示す構成ブロック図。
【図4】実施の形態1に係る紙タグの一例を示す図。
【図5】実施の形態1に係るタグデータベースの構成を示す図。
【図6】実施の形態1に係るタグの配置説明図。
【図7】実施の形態1に係る案内センタサーバの処理を示すフローチャート図。
【符号の説明】
【0082】
1 案内センタサーバ、2 タグデータベース、3 タグ情報収集部、4 地図情報データベース、5 案内情報提供部、6 課金部、7 タグ地点情報、8 案内情報、9 起点情報、10 終点情報、11 携帯端末、12 表示画面、21 識別情報、22 位置情報、23 方位情報、24 オーナー情報、25 金額、901 CRT表示装置、902 K/B、903 マウス、904 FDD、905 CDD、906 プリンタ装置、907 スキャナ装置、910 システムユニット、911 CPU、912 バス、913 ROM、914 RAM、915 通信ボード、920 磁気ディスク装置、921 OS、922 ウィンドウシステム、923 プログラム群、924 ファイル群、931 電話器、932 FAX機、942 LAN、941 ゲートウェイ、940 インターネット。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
起点から終点までの案内情報を提供する案内センタサーバにおいて、
複数の地点に配置されたタグの識別情報とタグの位置情報とを記憶したタグデータベースと、
複数の地点に配置されたタグの中から起点となるタグの識別情報と終点となるタグの識別情報とを受信し、受信した起点となるタグの識別情報と終点となるタグの識別情報とに対応するタグの位置情報をタグデータベースから検索し、検索したタグの位置情報をそれぞれ起点となる位置情報と終点となる位置情報とし、起点となる位置情報と終点となる位置情報とに基づいて案内情報を提供する案内情報提供部と
を備えたことを特徴とする案内センタサーバ。
【請求項2】
上記タグデータベースは、さらに、タグの表面の方位方向を示す方位情報を記憶し、
上記案内情報提供部は、タグの位置情報とともにタグの方位情報を検索し、検索した方位情報に基づいて起点となるタグの表面の方位方向を基本にして移動すべき方向を指示することを特徴とする請求項1記載の案内センタサーバ。
【請求項3】
上記タグデータベースは、識別情報として、タグの識別番号と、タグが配置された建物に設置された電話器の電話番号と、タグが配置された建物に割り当てられた郵便番号との少なくともいずれかを記憶することを特徴とする請求項1記載の案内センタサーバ。
【請求項4】
上記案内センタサーバは、さらに、タグの識別情報に対応して、タグの位置情報とタグの方位情報とを収集してタグデータベースに記憶するタグ情報収集部を備えたことを特徴とする請求項2記載の案内センタサーバ。
【請求項5】
上記案内センタサーバは、携帯端末に対して案内情報を提供し、
上記案内情報提供部は、案内情報の提供を受けた携帯端末に対して課金する課金部を備えたことを特徴とする請求項1記載の案内センタサーバ。
【請求項6】
上記課金部は、案内情報の提供に利用されたタグの識別情報に基づいて、携帯端末に対して課金した金額の少なくとも一部をタグに対応して分配し、
上記タグデータベースは、タグに対応して、課金部が分配した金額と、タグの所有者を示すオーナー情報とを記憶することを特徴とする請求項5記載の案内センタサーバ。
【請求項7】
起点から終点までの案内情報を提供する案内センタサーバから案内情報の提供を受ける携帯端末において、
複数の地点に配置されたタグの中から起点となるタグの識別情報と終点となるタグの識別情報とを案内センタサーバへ送信し、案内センタサーバより起点から終点までの案内情報を受信することを特徴とする携帯端末。
【請求項8】
上記携帯端末は、タグの表面の方位方向を向いた場合に移動すべき方向を示した案内情報を受信し、タグの表面の方位方向を向いた場合に移動すべき方向を表示画面に表示することを特徴とする請求項7記載の携帯端末。
【請求項9】
起点から終点までの案内情報を提供する案内センタサーバと、案内情報の提供を受ける携帯端末とを備えた案内システムの案内方法において、
識別情報が付されたタグを複数の地点に配置するタグ配置工程と、
案内センタサーバが、配置されたタグの識別情報と配置されたタグの位置情報とを収集してタグデータベースに記憶するタグ情報収集工程と、
携帯端末が、複数の地点に配置されたタグの中から起点となるタグの識別情報と終点となるタグの識別情報とを案内センタサーバへ送信する起点・終点送信工程と、
案内センタサーバが、携帯端末が送信した起点となるタグの識別情報と終点となるタグの識別情報とを受信し、受信した起点となるタグの識別情報と終点となるタグの識別情報とに対応するタグの位置情報をタグデータベースから検索し、検索したタグの位置情報をそれぞれ起点となる位置情報と終点となる位置情報とし、起点となる位置情報と終点となる位置情報とに基づいて案内情報を提供する案内提供工程と、
携帯端末が、案内センタサーバから起点から終点までの案内情報を受信する案内情報受信工程と
を備えたことを特徴とする案内方法。
【請求項10】
起点から終点までの案内情報を提供する案内センタサーバにおいて、
終点となる位置情報を取得して記憶するとともに、起点における2地点の位置情報を取得して2地点の位置情報から方位情報を求めて、前方向に対する相対的移動方向を示した案内情報を提供する案内情報提供部を備えたことを特徴とする案内センタサーバ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−59109(P2006−59109A)
【公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−239820(P2004−239820)
【出願日】平成16年8月19日(2004.8.19)
【出願人】(591102095)三菱スペース・ソフトウエア株式会社 (148)
【Fターム(参考)】